JP2000309249A - シートベルトリトラクタ - Google Patents
シートベルトリトラクタInfo
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Abstract
吸収機構のトーションバーと緊急ロック機構のラチェッ
トホイールとを一定の角度位相のもとに容易に組み付け
ることができ、緊急ロック機構の同期がずれるような不
具合を生じることなく常に安定して動作し、かつ、時間
遅れを伴うことなく有効にエネルギを吸収することので
きるシートベルトリトラクタを提供する。 【解決手段】 トーションバー5のラチェットホイール
41に対する結合部5bと、その結合部5bが嵌入圧着
されるラチェットホイール41側の嵌入孔412cと
を、周方向に周期的に凹凸が形成されてなる多角形断面
形状とし、嵌入孔41cの内面に、トーションバー5を
ウェビング引出し時における回転の向きに嵌入孔41c
内で偏寄させてその向きに互いの凹凸面を圧接させるリ
ブ状の突起8を形成することで、トーションバー5とラ
チェットホイール41とが常に一定の角度位相で組み付
けられ、かつ、トーションバー5のねじれ変形時に時間
遅れを生じさせないようにする。
Description
おいてウェビングの引出しを阻止して乗員を拘束する緊
急ロック機構を備えるとともに、乗員とウェビングとの
間に作用する衝撃荷重を吸収して、乗員を保護すること
のできるエネルギ吸収機構を備えたシートベルトリトラ
クタに関する。
に保持するためのシートベルト装置のウェビングを、不
使用時に巻き取るシートベルトリトラクタにおいては、
一般に、車両の衝突時や急激な加減速時等にこれを検知
する慣性感知手段を備えるとともに、その検知に反応し
てウェビングの巻き戻しを阻止する緊急ロック機構を備
え、衝突時等の緊急時においてウェビングにより乗員を
座席に安全に拘束するように構成されている。
上の緊急ロック機構が作動したときには、ウェビングを
完全にロック状態にしてしまうと乗員とウェビングとの
間に大きな衝撃荷重が作用することになるため、従来、
ウェビングに作用する衝撃荷重が一定値を越える場合
に、ウェビングがある程度引き出されながらその衝撃荷
重を吸収するようにしたエキルギ吸収機構を備えたシー
トベルトリトラクタが既に実用化されている。
トベルトリトラクタとして、ウェビングを巻き取るスプ
ールとそのスプールの回転を阻止する緊急ロック機構と
の間に、軟鋼等からなるトーションバーを介在させた構
成のものが知られている。すなわち、この種のエネルギ
吸収機構を備えたシートベルトリトラクタにおいては、
緊急ロック機構として、スプールとともに回転するラチ
ェットホイールと、慣性感知手段による衝突等の検知に
反応してそのラチェットホイールに噛み合うことにより
ラチェットホイールを介してスプールをロックするパウ
ルを備えた構成を採用するとともに、ラチェットホイー
ルとスプールとの間に、一端がスプールに、他端がラチ
ェットホイールに対してそれぞれ結合されるトーション
バーを介在させ、ウェビングを引き出す力がある限度を
越えたときに、ウェビングが巻回されたスプールと、パ
ウルの噛み合いによってロック状態となったラチェット
ホイールとの間でトーションバーがねじれ変形すること
によって、ラチェットホイールに対してスプールが所定
量だけ回転しつつ、ウェビングに作用する衝撃荷重を吸
収するように構成されている(例えば特開平10−25
0529号公報参照)。
なトーションバーを主体とするエネルギ吸収機構を備え
たシートベルトリトラクタにおいては、トーションバー
にはラチェットホイールのほか、当該トーションバーと
同期回転とともに正確にラチェットホイールとパウルと
が噛合するようにシンクロナイズされた慣性感知装置
(ロックアーム、ロックアームベース等)が連結され
る。
トベルトルトラクタにおいては、トーションバーに対応
するスプールのスピンドルと緊急ロック機構のラチェッ
トホイールとを一体形成することによって、比較的容易
にスピンドルの他部材に対する角度位相が一定となるよ
うに組み合わせて正確な同期を取ることができるが、エ
ネルギ吸収機構のトーションバーにはねじれ変形しやす
い軟鋼が使用される一方、緊急ロック機構のラチェット
ホイールはパウルの噛合によるロック時において極めて
大きな荷重に耐える必要があるために硬鋼が使用される
関係上、これらは一体的に形成することはできない。従
って、トーションバーとラチェットホイールとは互いに
個別の部材として、前記した特開平10−250592
号公報に記載されているように、トーションバーの一端
に例えば六角形状の結合部を形成するととともに、ラチ
ェットホイールにはそのトーションバーの結合部を嵌入
するための六角形の嵌入孔を形成して、その嵌入孔内に
トーションバーの結合部を嵌め込むことによって相互に
結合する構造が採用される。
ラチェットホイールの嵌入孔内に嵌め込むことを可能と
するためには、当然のことながらこれら両者間にある程
度以上の隙間が必要となり、そのため、これら両部材の
結合に際してはどうしても多少の周方向への組み付け誤
差が生じ、それが原因となって、組み付け部品の数が増
えれば増えるほどそれぞれの部品の同期を正確に設計通
りに維持することが困難となり、緊急ロック機構の同期
がずれてウェビングの巻き込みや引出し不能状態(ロッ
クアップ現象)を発生することになってしまうという問
題がある。
号公報には、トーションバーに予捩を与えることによっ
て、1種類のトーションバーでエネルギ吸収荷重を種々
に変更させる技術が開示されているとともに、その予捩
角度を識別することを目的として、軟鋼製のトーション
バーの両端のスプール並びにラチェットホイールへの結
合部の表面に周方向1箇所に切欠きもしくは突起を設け
ることが開示されており、突起を設ける場合には、ラチ
ェットホイールの嵌入孔への挿入時にその突起が潰れ
て、嵌入孔とトーションバーの結合部との間のガタを無
くすることができる旨の記載がある。
ー側への周方向1箇所に形成した突起は、嵌入孔への挿
入時にその突起が適当に変形して嵌入孔との間の隙間を
解消して、力が加わらない状態において両者間のガタを
無くするには効果があるものの、トーションバーにねじ
りモーメントが作用すると、突起は軟らかい材料からな
るトーションバー側に設けられているが故に、更に簡単
に変形してラチェットホイールとの結合部でこじられて
相対的なずれが生じやすく、このようなねじりモーメン
トが繰り返し作用すると、やがて両者間にガタが発生し
て緊急ロック機構の同期が取れなくなる可能性がある。
また、このような突起をトーションバーの外周面に設け
ただけでは、トーションバーとラチェットホイールとの
角度位相の組み付け誤差を解消することはできない。
もので、特に精密な加工を要することなく、エネルギ吸
収機構のトーションバーと緊急ロック機構のラチェット
ホイールとを再現性よく一定の角度位相のもとに容易に
組み付けることができ、緊急ロック機構の同期がずれる
ことなく常に安定して確実に動作し、かつ、時間遅れを
伴うことなく有効にエネルギを吸収することのできるシ
ートベルトリトラクタの提供を目的としている。
め、本発明のシートベルトリトラクタは、ウェビングを
巻き取るためのスプールと、そのスプールとともに回転
するラチェットホイールと、慣性感知手段による緊急検
知に反応してそのラチェットホイールに噛み合わされ、
当該ラチェットホイールを介して上記スプールをロック
状態となすパウルを備えた緊急ロック機構を備えるとと
もに、上記スプールとラチェットホイールとの間には、
一端がスプールに結合され、かつ、他端がラチェットホ
イールに結合され、上記緊急ロック機構の作動状態でウ
ェビングに引出し方向への力が作用したときにねじれ変
形して衝撃を吸収するトーションバーが設けられたシー
トベルトリトラクタにおいて、上記トーションバーのラ
チェットホイールに対する結合部が多角形状に形成さ
れ、上記ラチェットにはその多角形状の結合部を嵌入す
る多角形状嵌入孔が形成されているとともに、この多角
形状嵌入孔の内面には、ウェビング引出時にトーション
バーが回転する向きに当該トーションバーを嵌入孔内で
偏寄させて互いの面をその向きに圧接させるためのリブ
状の突起が、トーションバーの軸方向に沿って形成され
ていることによって特徴づけられる(請求項1)。
ーのラチェットホイールに対する結合部の多角形状とし
て、六角形や八角形等のほか、周方向に凹凸が周期的に
形成されてなる多角形状を採用することができ、その場
合のより具体的な形状としては、例えば星型、スプライ
ン歯形状、セレーション歯形状などを挙げることができ
る。
多角形状嵌入孔の内面に周方向に所定の間隔を開けて少
なくとも3箇所に形成する構成(請求項3)を採用する
ことが好ましい。
角形状嵌入孔のトーションバーの嵌め込み側の開口端か
ら所定距離だけ奥側に入った位置から奥側に向けて形成
すること(請求項4)が望ましい。
イールへの結合部、並びにその結合部を嵌め込むための
ラチェットホイール側の嵌入孔の形状をそれぞれ多角形
状とし、ラチェットホイールの嵌入孔側に、この嵌入孔
内でトーションバーを一定の向きに偏寄させて互いの面
を一定の向きに密着させるためのリブを形成することに
よって、トーションバーの結合部をラチェットホイール
側の嵌入孔に嵌め込む際に、トーションバーとラチェッ
トホイールとの角度位相が常に一定となるように組み立
てることを可能とするものである。また、リブ状の突起
をより硬い側のラチェットホイールの嵌入孔側に設ける
ことにより、そのリブ状の突起はトーションバーの嵌め
込み時に潰れることがなく、トーションバーの結合部側
を抉るように食い込み、その反対側の面どうしが強く圧
接されて、トーションバーとラチェットホイールは常に
一定の角度位相のもとに組み立てられる。
の偏寄の向きを、ウェビングの引出し時にトーションバ
ーが回転する向きとすることで、車両の衝突時等におい
てウェビングに衝撃荷重が作用してスプールを介してト
ーションバーにウェビング引出し方向へのトルクが作用
したとき、トーションバーの結合部の面がラチェットホ
イール側の嵌入孔の面に対してその回転の向きに当初か
ら圧接しているため、トーションバーとラチェットホイ
ールとが相対回転を生じることがなく、時間遅れを生じ
ることなく直ちにねじれ変形を生じ、有効にエネルギを
吸収することができる。
ションバー側の結合部並びにラチェットホイール側の嵌
入孔の形状を、周方向に凹凸が周期的に形成された多角
形状とすることにより、嵌入孔内で結合部を上記方向に
偏寄させたとき、結合部および嵌入孔の凹凸面が相互に
面当たり状態で圧接するため、トーションバーとラチェ
ットホイールとの相対回転の防止効果はより一層確実な
ものとなる。
するリブ状の突起を、周方向に所定の間隔を開けて少な
くとも3箇所に形成する請求項3に係る発明の構成を採
用すると、トーションバーはその嵌入孔内において部分
的に偏ることなく、常に正確に上記の向きに偏寄され
て、互いの面をその向きに確実に密着させた状態とする
ことができる。
のリブ状の突起を、ラチェットホイールの嵌入孔のトー
ションバーの嵌め込み側の開口端近傍には形成せずに、
所定距離だけ奥側に入った位置から形成すると、トーシ
ョンバーの結合部を挿入する際に、挿入の当初は嵌入孔
とトーションバーの結合部との間にある程度の隙間があ
るために、容易かつ確実に位置決めした状態でトーショ
ンバーの結合部を嵌入孔内に挿入することが可能とな
り、組み立て作業の容易化を達成できるという利点があ
る。
好適な実施の形態について説明する。図1は本発明の実
施の形態の部分縦断面断面図であり、図2はその分解斜
視図である。なお、図1においては、パウル42の近傍
については、カバー7のみを切断した状態で図2におけ
る矢視Aで示している。
ングを巻回するためのスプール2が回動自在に配置され
ている。フレーム1の一端側には、スプール2に対して
ウェビングを巻き取る向きに回動付勢する巻取り装置3
が装着されているとともに、その他端側には、後述する
緊急ロック機構4が装着されている。
洞を有したドラム状の形状をしており、その空洞内にス
プール2の中心軸と同軸に、軟鋼製のトーションバー5
が配置されている。このトーションバー5には、後述す
るようにその両端部に断面星形の結合部5a,5bが形
成されており、その一方の結合部5aがスプール2側に
相互回転不能に結合されるとともに、他方の結合部5b
が緊急ロック機構4のラチェットホイール41に同じく
相互回転不能に結合される。
した連結部材6が相互回転不能に装着されている。この
連結部材6は、スプール2に対して装着された状態で外
側の端面に断面角形の突起6aが形成されているととも
に、その反対側の端面にはトーションバー結合用嵌入孔
6bが形成されており、この嵌入孔6bにトーションバ
ー5の一端側の結合部5aが嵌め込まれることにより、
この連結部材6を介してトーションバー5とスプール2
が相互回転不能に一体的に結合される。また、連結部材
6に形成された断面角形の突起6aは巻取り装置3に係
合しており、前記した巻取り装置3によるスプール2の
回動付勢力は、この連結部材6を介して伝達される。す
なわち、巻取り装置3は、ゼンマイばね31と、そのゼ
ンマイばね31の中心に配置されて当該つる巻きばね3
1の弾性力によって回動付勢される回転子32を主体と
して構成されており、連結部材6の断面角形の突起6a
はこの回転子32の中心に形成された断面角形の孔32
aに挿入され、ゼンマイばね31による回動付勢力は回
転子32、連結部材6を介してスプール2に伝達され
る。
ブッシング11を介して回動自在に支持された硬鋼から
なるラチェットホイール41と、常時はばね42aの付
勢力によりこのラチェットホイール41から離脱する方
向に付勢され、かつ、加速度センサおよび傾斜センサ等
からなる慣性感知装置43による車両の衝突等の検知結
果に反応して、ラチェットホイール41に噛み合わされ
るパウル42とを主体として構成されている。そして、
この緊急ロック機構4のラチェットホイール41は、以
下に示すようにトーションバー5の他端側の結合部5b
と相互回転不能に結合されているとともに、その一端側
の外周面において、ブッシング21を介してスプール2
を支持している。また、緊急ロック機構4は全体がカバ
ー7によって覆われているとともに、そのカバー7内に
は、トーションバー5の結合部5bの先端を回動自在に
支持するキャップ44が設けられている。
(A)は正面図であり、(B)はその左側面図、(C)
は(A)図におけるC−C断面図である。また、図4お
よび図5はラチェットホイール41の詳細説明図であっ
て、図4(A)は部分縦断面図で、(B)はそのB部拡
大図であり、図5(A)は図4(A)の左側面図で、図
5(B)はそのB部拡大図である。
合部5aおよび5bは、それぞれ周方向に30°のピッ
チで二等辺三角形状の凹部並びに凸部が規則的に繰り返
し形成された星形の断面形状をしている。また、ラチェ
ットホイール41に対する結合部5bの先端側には、フ
ランジ部5cを介して突出軸5dが形成されており、そ
の突出軸5dの端面に、前記したキャップ44に嵌まり
込む孔5eが形成されている。
上に貫通孔41aが形成されているとともに、その貫通
孔41aの一端側には、組み付け状態においてトーショ
ンバー5のフランジ部5cが嵌まり込む大径部41bが
形成されているとともに、その大径部41bに隣接した
部位は、トーションバー5の結合部5bの星形断面形状
と相似形の星形断面に形成され、トーションバー5を結
合するための嵌入孔41cを構成している。従って、ト
ーションバー5は、その一端部が結合部5aにおいて前
記した連結部材6を介してスプール2に結合され、他端
部が結合部5bにおいてラチェットホイール41に結合
され、その他端部の先端が支持軸44に回動自在に支持
されることになる。なお、トーションバー5の一端部の
結合部5aが結合される連結部材6のトーションバー結
合用嵌入孔6bの断面形状についても、結合部5aの星
形断面と相似形の星形断面形状を有している。
1bの星形断面形状の内面寸法は、トーションバー5の
結合部5bを嵌め込むための隙間が必要であるために、
この結合部5bの外面寸法よりも若干大きく形成されて
いる。そして、この嵌入孔41bの内面には、その周期
的な二等辺三角形状の凹部を形成する互いに対向した2
種類の斜面αおよびβのうち、一方側の斜面αで、か
つ、互いに周方向に90°の間隔を開けた斜面の表面
に、トーションバー5の軸方向に沿ったリブ状の突起8
が合計4箇所に形成されている。この各リブ状の突起8
が形成される斜面αは、上記した互いに対向する2種の
斜面のうち、トーションバー5のウェビング引出し時に
おける回転の向き(図5(A)において矢印Aで示す)
に対して背反する側の斜面である。また、この各リブ状
の突起8は、嵌入孔41cの大径部41b側と反対側の
端部から軸方向に伸び、大径部41b側の端部から所定
距離の位置で終焉している。換言すれば、嵌入孔41c
の内面の各リブ状の突起8は、大径部41b側の端部か
ら所定距離までは形成されてない。
ンバー5とを組み付けて相互に結合するには、図6に斜
視図を示すように、ラチェットホイール41の貫通孔4
1aに対して、その大径部41b側から、トーションバ
ー5の一端側の結合部5a側を挿入し、他端側の結合部
5bを嵌入孔41cに嵌入圧着することによって行われ
る。この組み付け作業に当たり、結合部5bは大径部4
1b側から嵌入孔41cへと挿入されていくことになる
が、結合部5bを嵌入孔41c内に挿入し始める組み付
け初期の段階においては、結合部5bはリブ状の突起8
の形成されていない領域を通るために、嵌入孔41cと
結合部5bとの間に隙間が形成される状態となって容易
に挿入可能である。
の形成領域にまで達すると、硬鋼製のラチェットホイー
ル41側の各リブ状の突起8は潰れず、軟鋼製のトーシ
ョンバー5側の結合部5bが各リブ状の突起8に抉られ
るように変形しながら、図7に要部断面図を示すよう
に、結合部5bは嵌入孔41c内でリブ状の突起8の反
対側に常に偏寄される。この偏寄によって、結合部5b
の星形断面形状と嵌入孔41cの星形断面形状は相似形
であるため、嵌入孔41cの上記した2種の斜面αおよ
びβのうち、リブ状の突起8が形成されていない側の斜
面βと、それに対向する結合部5bの斜面とが強く圧接
した状態となる。
トーションバー5のウェビング引出し時における回転の
向きに対して背反する側の斜面αに形成されているた
め、結局、リブ状の突起8の存在により、トーションバ
ー5は常にウェビング引出し時における回転の向きに嵌
入孔41c内で偏寄して互いの凹凸面がその向きに圧接
した状態となる。従って、トーションバー5とラチェッ
トホイール41とは、周方向に常に一定の角度位相のも
とに組み付けられることになり、周方向への組み付け誤
差の発生を防止することができる。
感知装置43が車両の衝突等を検知して緊急ロック機構
4が作動したとき、つまりパウル42がラチェットホイ
ール41に対して噛み合わされてその回動が阻止された
とき、ウェビングに引き出す向きの大きな力が作用した
場合でも、トーションバー5の結合部5bはラチェット
ホイール41の嵌入孔41cの凹凸面に対してそのウェ
ビング引出し時の回転の向きにあらかじめ強く圧接して
いるため、結合部5bと嵌入孔41cとが相対的に回転
をすることがなく、従って、トーションバー5がねじれ
変形を生じるような衝撃荷重がウェビングに作用したと
きには、トーションバー5が時間遅れを伴うことなく直
ちにねじれ変形を開始してその衝撃荷重を有効に吸収す
ることができる。
点は、嵌入孔41c内に周方向に互いに一定の間隔を開
けて複数箇所にリブ状の突起8を形成している点であ
り、これにより、トーションバー5とラチェットホイー
ル41とを組み付ける際に、トーションバー5の結合部
5bが嵌入孔41c内で局部的に偏寄することなく、常
に周方向に偏寄されて、トーションバー5とラチェット
ホイール41との組み付け位相角度の誤差の発生を防止
することができる。このリブ状の突起8の数は、以上の
実施の形態のように4個とすることに限定されず、3個
以上としてそれらを周方向に等配すれば、上記と同等の
作用効果を奏することができる。
5の結合部5bの挿入側端から所定距離の領域に形成し
ていないために、嵌入孔41c内への結合部5bの挿入
開始当初においては両者間に隙間が存在した状態となっ
てスムーズに挿入が可能であり、その作業が極めて容易
となる。
ションバー5の結合部5bおよびラチェットホイール4
1の嵌入孔41cの断面形状を星形としたが、本発明は
これに限定されることなく、他の任意の多角形状とする
ことができる。周方向に周期的に凹凸が形成された多角
形状の他の例としては、例えば図8に組み付け状態の断
面図を示すような角形のスプライン形状や、あるいはセ
レーション形状とすることができる。また、このような
周期的な凹凸を有さない、例えば六角形や八角形等の多
角形状としてもよく、その場合、リブ状の突起の形成位
置は、図9に例示するように、多角形状の辺の一端部の
近傍とすることにより、トーションバー5の結合部5b
をラチェットホイール41の嵌入孔41c内で常に確実
に所要方向に偏寄させることが可能となる。
部5bとラチェットホイール41の嵌入孔41cを除く
各部の構成については、上記した実施の形態で用いた構
成に限定されることなく、他の公知の構成を採用し得る
ことは勿論である。
ョンバーの端部に形成された結合部と、その結合部を嵌
入する緊急ロック機構のラチェットホイールの嵌入孔の
断面形状をそれぞれ多角形状とするとともに、ラチェッ
トホイールの嵌入孔の内面には、トーションバーをウェ
ビング引出し時に回転する向きに偏寄させてその向きに
互いの面を相互に圧接させるためのリブ状の突起をトー
ションバーの軸方向に沿って形成しているため、トーシ
ョンバーとラチェットホイールとは常に一定の角度位相
のもとに組み付けられ、これら両者間に周方向への組み
付け誤差が生じる恐れがなく、緊急ロック機構の同期が
ずれるという不具合を生じることがない。
であるラチェットホイール側の嵌入孔に形成されている
ため、軟鋼等の軟らかい材料により形成されるトーショ
ンバーの結合部を嵌入孔に嵌め込む際にリブ状の突起が
潰れることなく、トーションバー側が抉られるようにし
てウェビング引出し時の回転の向きに偏寄されて嵌入孔
に圧接されて、両者間にガタが存在しない状態となるた
め、緊急ロック機構の作動時にトーションバーがねじれ
変形を開始する際にも、時間遅れを伴うことなく有効に
衝撃荷重を吸収することができると同時に、耐久性にも
優れたものとなる。
トーションバーの嵌入孔の形状を周方向に凹凸が周期的
に形成されてなる多角形状とすると、リブ状の突起によ
る偏寄時には結合部と嵌入孔が互いに面当たりするた
め、両者の圧接が強固なものとなって上記の効果をより
一層確実なものとすることができ、更に、リブ状の突起
を、ラチェットホイールの嵌入孔内に少なくとも3箇所
において周方向に等間隔に配置する請求項2に係る発明
の構成を採用すれば、その嵌入孔内でトーションバーが
局部的に偏寄することがなく、常に周方向に一定の向き
に偏寄させることが可能となり、両者間の位相角度の組
み付け誤差の発生をより確実に防止することができる。
に、トーションバーの嵌め込み側の端部から所定の距離
だけはリブ状の突起を形成しない領域を設ける請求項4
に係る発明の構成を採用すると、その嵌入孔内にトーシ
ョンバーの結合部を挿入して相互に結合する際に、挿入
の当初においては両者間に隙間が形成された状態となっ
てスムーズな挿入を実現でき、組み付けの作業性の向上
を達成することができる。
ウル42の近傍については、カバー7のみを切断した状
態で図2における矢視Aで示す図である。
説明図で、(A)は正面図であり、(B)はその左側面
図、(C)は(A)図におけるC−C断面図である。
の部分縦断面図(A)とそのB部拡大図(B)である。
5(B)はそのB部拡大図である。
ェットホイール41との組み付け作業を説明するための
斜視図である。
ェットホイール41の組み付け状態における要部断面図
である。
ラチェットホイール41の組み付け状態を示す要部断面
図である。
5の結合部5bととラチェットホイール41の嵌入孔4
1cの形状並びにリブ状の突起8の形成位置の説明図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 一方向に回動付勢されてウェビングを巻
き取るためのスプールと、 上記スプールとともに回転するラチェットホイールと、
慣性感知手段による緊急検知に反応してそのラチェット
ホイールに噛み合わされ、当該ラチェットホイールを介
して上記スプールをロック状態となすパウルを備えた緊
急ロック機構を有するとともに、 上記スプールとラチェットホイールとの間には、一端が
スプールに結合され、かつ、他端がラチェットホイール
に結合され、上記緊急ロック機構の作動状態でウェビン
グに引出し方向への力が作用したときにねじれ変形して
衝撃を吸収するトーションバーが設けられたシートベル
トリトラクタにおいて、 上記トーションバーのラチェットホイールに対する結合
部が多角形状に形成され、上記ラチェットにはその多角
形状の結合部を嵌入する多角形状嵌入孔が形成されてい
るとともに、この多角形状嵌入孔の内面には、ウェビン
グ引出時にトーションバーが回転する向きに当該トーシ
ョンバーを嵌入孔内で偏寄させて互いの面をその向きに
圧接させるためのリブ状の突起が、トーションバーの軸
方向に沿って形成されていることを特徴とするシートベ
ルトリトラクタ。 - 【請求項2】 上記トーションバーのラチェットホイー
ルに対する結合部の形状が、周方向に凹凸が周期的に形
成されてなる多角形状であることを特徴とする請求項1
に記載のシートベルトリトラクタ。 - 【請求項3】 上記リブ状の突起が、上記多角形状嵌入
孔の内面に周方向に所定の間隔を開けて少なくとも3箇
所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
シートベルトリトラクタ。 - 【請求項4】 上記リブ状の突起は、上記多角形状嵌入
孔の上記トーションバーの嵌め込み側の開口端から所定
距離だけ奥側に入った位置から奥側に向けて形成されて
いることを特徴とする請求項1または2に記載のシート
ベルトリトラクタ。
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