JPH0719025U - シートベルト巻取り装置 - Google Patents

シートベルト巻取り装置

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JPH0719025U
JPH0719025U JP5387493U JP5387493U JPH0719025U JP H0719025 U JPH0719025 U JP H0719025U JP 5387493 U JP5387493 U JP 5387493U JP 5387493 U JP5387493 U JP 5387493U JP H0719025 U JPH0719025 U JP H0719025U
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belt
seat belt
tension
winding
seat
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JP5387493U
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貞▲徳▼ 大隅
清志 小川
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートベルトに所定の大きさ以上の張力が作
用したときに、ベルト張力を急激に低下させること無く
ベルトを繰り出せるようにする。 【構成】 シートベルトを巻取る胴部分3a、3bの外
周に、半径方向に突出する複数の突出部12を有する筒
状の塑性変形部材10を設ける。このベルトに所定の大
きさ以上の張力が作用すると、前記突出部12が徐々に
圧縮変形されて、ベルトの巻径が小さくなってベルトを
繰り出すことができるとともに、この塑性変形部材10
が適宜変形抵抗を備えており、このベルトを繰り出すと
きのベルトの張力が落ち込まないように構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車等に用いられるシートベルト巻取り装置に関し、さらに詳し くは、衝突の衝撃によりシートベルトに所定の大きさ以上の張力が作用した場合 に、シートベルトを繰り出すことにより乗員の身体に作用する減速度を緩和し、 乗員をより効果的に保護できるようにしたシートベルト巻取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車等において、乗員の身体をシートに拘束することによ り衝突の衝撃から乗員を保護するシートベルトが用いられているが、このシート ベルトを巻取るシートベルト巻取り装置のなかには、衝突等の緊急時に、シート ベルトが巻付けられているベルト巻取り軸の回転をロックするのみならず、シー トベルトを挟み込んでシートベルトの繰り出しを止めるベルトクランプ機構を設 け、衝突時の初期に乗員をシートに拘束する性能を向上させたものがある。
【0003】 ところが、図10のグラフに点線で示すように、緊急時にベルトをロックして シートベルトの繰り出しを止めるだけのベルトクランプ機構を組み込んだシート ベルト巻取り装置においては、衝突後の時間の経過とともにベルト張力が増加し 、衝突による衝撃力が極めて大きいときには、乗員の身体に急激な減速度を作用 させることになり、この結果、シートベルトによる乗員への負荷が大きくなる問 題がある。
【0004】 そこで、上述のベルトクランプ機構を改良して、衝撃によりシートベルトに作 用する張力が所定の値より小さい初期の時にはベルトクランプ機構を作動させて シートベルトの繰り出しを止めた状態を保って、乗員の身体を確実にシートに拘 束し、その後シートベルトに作用する張力が所定の値より大きくなった時点で、 このベルトクランプ機構の作動を解除してシートベルトを所定量繰り出させるこ とにより、乗員の身体に生じる減速度を緩和し、乗員の身体をより確実に保護す るようにしたものがある。
【0005】 上述の様なベルトクランプ機構を備えたシートベルト巻取り装置の例として、 例えば、特開昭57−196978号公報には、「固定歯と可動歯とからなり、 シートベルトを緊急時に挟着して緊急ロック後のベルト伸び出しを阻止するとと もに、設定値を越えてベルト張力が増大するときは前記固定歯と可動歯との間の 挟着を緩めてベルトの滑りを許容することを特徴とするシートベルト用クランプ 装置。」が開示されている。
【0006】 ところで、乗員の身体に生じる減速度を緩和するために、所定の値以上の張力 がベルトに作用した時に繰り出すシートベルトの繰り出し量は、乗員の身体が前 方へ移動し過ぎて例えばステアリングホイール等にぶつかったりしない範囲でか つ身体の屈曲等による大きな負荷が加わらない範囲であれば、大きければ大きい ほど良い。 そこで、実開昭64−14454号公報、実開昭64−14455号公報には 、シートベルトの繰り出し量を大きくする繰り出し機構が開示されている。
【0007】 すなわち、上述の実開昭64−14454号公報には、「ベース部材と、該ベ ース部材に回転自在に支持され、ウェビングが巻回される巻回し部を持つボビン と、該ボビンのウェビング引き出し方向の回転を阻止するためのロック手段とを 有するウェビング巻取り装置において、該ボビンのウェビング巻回し部と、巻回 されるウェビングの最内周部の間にウェビング伸び出し手段を設けたウェビング 巻取り装置。」が開示されている。 そして、その実施例として、図8に示すように、ボビン(巻取り軸)3の円筒 状の胴部分の表面に、所定以上の荷重で塑性変形する半径方向外側に向かって延 びる複数のリブ3eを設けるとともに、ベルトに所定の値以上の張力が作用した 時に前記リブ3eが倒れるようにしてベルトの巻径を小さくし、もってベルトを 繰り出すようにしたウェビング巻取り装置が示されている。
【0008】 また、上述の実開昭64−14455号公報には、「ベース部材と、該ベース 部材に回転自在に支持され、ウェビングが巻回される巻回し部を持つボビンと、 該ボビンのウェビング引き出し方向の回転を阻止するためのロック手段とを有す るウェビング巻取り装置において、ウェビング、または該ボビンがウェビング伸 び出し手段を有することを特徴とするウェビング巻取り装置。」が開示されてい る。 そして、図9に示すように、ウェビング(ベルト)4のボビン(巻取り軸)3 側の端末に、折り返されたウェビング4により挟着された樹脂等からなるプレー ト8が取り付けるとともに、このプレート8に鋸歯状の変形部材8aを設け、ベ ルトに一定以上の荷重を受けると、この変形部材8aが変形または破壊すること によりベルトの巻径が小さくなり、もってベルト4が自然の伸びだし量以上に繰 り出されるようにされたウェビング巻取り装置が示されている。
【0009】 上述のように、衝撃によりシートベルトに作用する張力が所定の値より小さい 時にはベルトクランプ機構を作動させてシートベルトの繰り出しを止め、乗員の 身体を確実にシートに拘束するとともに、シートベルトに作用する張力が所定の 値より大きくなった時には、このベルトクランプ機構の作動を解除してシートベ ルトを繰り出させることにより、衝突等の緊急時に、より確実に乗員を保護する ことができるシートベルト巻取り装置を得ることができる。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述の実開昭64−14454号公報、もしくは実開昭64−14 455号公報に開示されたシートベルト繰り出し機構は、ベルトに所定の大きさ 以上の張力が作用したときに、変形部材を単に変形させ、あるいは破壊させてベ ルトの巻径を小さくすることによりベルトを繰り出すようにしたものであるから 、衝突後のベルト張力の変化をグラフに表すと、図10に2点鎖線で示すように 、ベルト張力が所定の大きさP1に達するとベルトの繰り出しが始まり、張力が P2まで下がるとともに、ベルトの繰り出しが止まると再びベルト張力が急激に 上昇して、P1より大きい値のP3に達してしまう。 したがって、従来のベルト繰り出し機構においては、シートベルトの最大張力 を下げることはできるが、ベルト張力が大きくなったり小さくなったりして乗員 の身体に作用する減速度が大きく変化するとともに、ベルト張力が落ち込んで再 びベルト張力が上昇するときの上昇の仕方(図10の上昇勾配)が大きいことに より、衝突により乗員の身体に生じる運動エネルギーを効率よく吸収することが 難しく、ベルトの最大張力を下げようとすると、乗員の身体の前方への移動量を いたずらに増やさなければならなくなると云う問題点がある。
【0011】 そこで、本考案は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、シートベ ルトを繰り出す際に、乗員の運動エネルギーを効果的に吸収できかつシートベル トの最大張力を従来よりもさらに低くできるベルト繰り出し機構を備えたシート ベルト巻取り装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案の上記目的は、シートベルトを巻装する巻取り軸を緊急時にロックする 緊急ロック機構並びに巻取り軸から引き出されているシートベルトを緊急時に挟 持すると共にベルト挟持後にベルトに加わる荷重が一定以上になったときにこの ベルト挟持を開放するように構成されたベルトクランプ機構を備えるシートベル ト巻取り装置において、前記巻取り軸の外周には前記シートベルトに加わった荷 重により変形して該巻取り軸の実質的な巻径を小さくして該シートベルトを繰り 出すことのできる塑性変形部材が設けられており、前記塑性変形部材が前記ベル ト挟持の開放時のベルト張力を略維持しつつ変形するように構成されたことを特 徴とするシートベルト巻取り装置によって達成される。
【0013】
【作用】
前記塑性変形部材は、ベルトに所定の大きさ以上の張力が作用すると、ベルト に巻締められて変形してベルトの巻径を小さくし、もってベルトを繰り出させる 。また、前記所定の大きさの張力にほぼ等しい大きさの張力を前記ベルトに連続 的に発生させるようにし、以てこの塑性変形部材が塑性変形する過程において乗 員の運動エネルギーを効果的に消費する。したがって、ベルトクランプ解除時の ベルト張力の急激な低下並びに急激な再上昇がなくなる。
【0014】
【実施例】
以下に図面を参照して、本考案に係るシートベルト巻取り装置の実施例を詳細 に説明する。 ここで、図1は本考案に係るシートベルト巻取り装置の正面図、図2は本考案 の実施例1のシートベルト巻取り装置の要部断面図、図3は本考案の実施例2の シートベルト巻取り装置の要部断面図である。また、図4は本考案の実施例3の シートベルト巻取り装置の要部断面図、図5は図4に示す塑性変形部材の斜視図 、図6は本考案の実施例4のシートベルト巻取り装置の要部断面図、図7は図6 に示す塑性変形部材の斜視図である。さらに、図10は衝突後の時間の経過に伴 うシートベルトの張力の変化を比較して示すグラフである。
【0015】 まず本考案に係るシートベルト巻取り装置の全体構成について説明する。 本実施例のシートベルト巻取り装置100は、図1に示すように、鋼板を折曲 げて成形したフレーム1と、このフレーム1に対して回転自在に軸支された図示 されないベルト巻取り軸を、常にベルト巻取り方向に付勢するベルト巻取り機構 6と、衝突時等の緊急時に前記ベルト巻取り軸の回転をロックする緊急ロック機 構5と、ベルトガイド7に案内されて前記巻取り軸から伸び出すシートベルト4 とを有している。
【0016】 次に、図2を用いて本考案のシートベルト巻取り装置の特徴部分を説明する。 このシートベルト巻取り装置100は、前記フレーム1に対して回転自在に軸支 される回転軸芯2a及びこの回転軸芯2aに外嵌されて一体に回転してシートベ ルト4を巻取る巻取りリール3を有している。 そして、回転軸芯2aはその中央部分に適宜スリットを有しており、シートベ ルト4の先端の環状のベルト取り付け部2bがこのスリットを貫通して適宜係止 されている。また、巻取りリール3は回転軸芯2aと係合して一体に回転する胴 部分3a、3bと、この胴部分3a、3bのそれぞれ両端に垂設された一対の円 盤状のフランジ3c、3cを有している。
【0017】 さらに、巻取りリール3の胴部分3a、3bの外周には、塑性変形部材10が 外嵌されている。 本実施例1における塑性変形部材10は、円筒状でありその軸線に沿って開口 したスリット状を有した略C字型断面の全体形状であり、さらに外周形状が凹凸 を有するように構成されている。すなわち、塑性変形部材10は内周側を構成す る筒状基部11に、半径方向外側に向かって突出しかつこの筒状基部11の軸線 方向の全長にわたって平行に延びる略半円径断面の凸部12が、周方向にほぼ等 しい間隔で並ぶように形成されている。 なお、この塑性変形部材10は例えばアルミニウムやアルミニウム合金等の金 属製の薄板にて形成されている。 また、塑性変形部材10の軸線方向に延びる開口の両端部には、半径方向内側 に向かって屈曲された屈曲縁13、14が設けられている。そして、この屈曲縁 13、14を前記胴部分3a、3bの開口縁に突設された係止部3d、3dに係 合させることにより、この塑性変形部材10は巻取りリール3と一体に回転する ように装着されいる。 なお、シートベルト4は図2に示すように、胴部分3a、3bの間から伸び出 すようにされて、この塑性変形部材10の外周面に例えば反時計廻りに巻付けら れている。
【0018】 次に、上述のように構成された塑性変形部材10を備えた巻取り装置の動作に ついて説明する。 シートベルト4が自動車の乗員の身体に装着された状態では、図2に示すよう に、シートベルト4は塑性変形部材10の外周面に反時計廻りに数周巻付けられ た状態となっている。 そして、衝突により車体に急激な減速が生じ、緊急ロック機構5が作動して回 転軸芯2aがロックされると同時に図示しないベルトクランプ機構も差動し、図 10のグラフに実線の部分にて示すように、シートベルト4には乗員の身体をシ ートに拘束することにより生じる張力が発生し、その大きさは極僅かな時間の経 過(実際には瞬間的な時間経過)とともに大きくなる。 そして、シートベルトの張力の値が所定の大きさ(ここでは図10におけるP 1にて示す予め設定された張力)に達すると、ベルトクランプ機構によるシート ベルトの押えは解除される。これにより巻取りリール3に巻装されているシート ベルトにその巻締まり方向の張力が発生する。この結果、塑性変形部材10はそ の外周に巻付けられているシートベルト4により巻締められて変形を始める。こ の時、この塑性変形部材10の突出部分12は、その半円径断面が徐々に半径方 向内側に向かって圧縮変形されるので、巻取りリール3の胴部分3a,3bの実 質的な径が縮小したことになり、この塑性変形部材10に巻付けられているシー トベルト4が繰り出される。 この塑性変形部材10はその突出部分12が圧縮変形されるときには、当然あ る程度の変形抵抗があり、この変形抵抗と変形に伴うシートベルト4の繰り出し 量とが適宜バランスするような強度に構成されている。したがって、この塑性変 形部材10を巻締めるシートベルト4に発生する張力は、図10のグラフに実線 で示すように、2点鎖線で示した従来のシートベルト巻取り装置の場合のように 落ち込むことなく、この塑性変形部材10の変形が始まるベルト張力P1の大き さを略維持しながら、図中において張力の平衡状態L1として示すようにほぼ水 平に延びる状態を作りだすことができる。
【0019】 このように本実施例の塑性変形部材10によれば、シートベルト4に所定の大 きさ(この場合は張力P1)以上の張力が作用した時点から、塑性変形部材10 の突出部12が徐々に圧縮変形されて行き、この塑性変形部材10の外周に巻付 けられているシートベルト4は、その巻径が小さくなって繰り出されるとともに 、シートベルト4の張力は、落ち込むことなく、ほぼ一定の大きさに保たれたこ とになる。 したがって、シートベルト4の張力はベルトクランプ機構によるベルト挟持が 解除された時点のベルト張力の大きさP1を大きく越えるような従来のP3の如 き状態がなくなり、最大荷重を小さくでき乗員の身体に生じる減速度も一定限度 以下に保たれる。さらに、シートベルト4は、その張力がほぼP1に近い大きさ で連続的に保たれながら繰り出されることにより、乗員の身体に与えるダメージ を大きくすることなく緊急時の運動エネルギーを効率よく吸収することができ、 乗員の身体の前方への移動量を増やすことなく極めて効果的な保護機能を発揮す ることができる。
【0020】 なお、本実施例の塑性変形部材10においては、その突出部12が筒状基部1 1の軸線方向の全長に亘って延びるように形成され、かつその断面形状が半円形 断面とされたが、本考案においてはこのような構成に何らとらわれる必要はなく 、その突出部12を軸線方向の一部に設けることとしても良いし、その断面形状 も矩形や台形状としても良い。さらには、突出部12の半径方向の突出高さも、 すべての突出部12で同一とする必要はなく、その高さを適宜変化させることに より圧縮変形が開始されるタイミングを部分的に変えることが出来、これにより ベルト張力の安定化を図ることもできる。
【0021】 図3には本考案の実施例2を示す。 図3に示す実施例の塑性変形部材20は、上述の実施例1と同様の塑性変形部 材10の外周に、略C字状断面を有する筒状のカラー25を外嵌した構成のもの である。 このカラー25は図3に示すように略C字状断面を有し、その軸線に沿って延 びるスリット状の開口には、それぞれ半径方向内側に向かって延びる屈曲部25 aが設けられている。そして、この屈曲部25aは、巻取りリール3の胴部分3 a、3bにそれぞれ設けられている係止部3d・3dに係合して、このカラー2 5も巻取りリール3と一体に回転するようにされている。
【0022】 次に、本実施例の塑性変形部材20の作用について説明する。 この塑性変形部材20のカラーの外周面に巻付けられたシートベルト4に、所 定の大きさ以上の張力が作用すると、この塑性変形部材20はシートベルト4に より巻締められて、カラー25の壁面が、筒状基部21に設けられた突出部22 の間で半径方向内側に向かって変形するとともに、突出部22が上述の実施例1 の塑性変形部材10の場合と同様に変形して前記実施例と同様な作用を生じる。 なお、この場合におけるシートベルト4はその巻装状態が突出部22の間隔等に 影響されずに略円形に巻かれる。このことから本実施例は突出部22の形状等に よりベルト巻装状態が影響されず、この突出部22の間隔や形状を自在に構成す ることができ、その構成上の自由度を高めることができる。
【0023】 本考案の実施例3を図4および図5に示す。 図4に示す本実施例の塑性変形部材30は、上述の実施例1における塑性変形 部材10の突出部12の形状を変更するとともに、実施例2における塑性変形部 材20のカラー25と同一形状を有するカラー35を外嵌したものである。 すなわち、本実施例の塑性変形部材30は、図5に示すように胴部分3a、3 bの外周面に嵌合する略C字状断面を有する筒状基部31の軸線方向の両端部に 、軸線方向外側及び半径方向外方に向かって延びる突出部32を設けたものであ る。そして、この突出部32は、筒状基部31の壁面と平行な壁面32aと、両 者を接続する傾斜壁面32bとからなっている。
【0024】 したがって、本実施例の塑性変形部材30は、シートベルト4に巻締められる と、突出部32が胴部分3a、3bに密着するように倒れる。また、この突出部 32が倒れるときに、その過程で、この突出部32の先端が巻取りリール3のフ ランジ3cの壁面に当接するように構成することもできる。このように突出部3 2の先端が変形する途中でフランジ3cに当接することにより、変形抵抗を大き く設定することができる。なお、この突出部32の半径方向の立ち上がり量や軸 線方向の突出量を全体的に或いは個々に変えることにより、この突出部32が変 形するときの変形抵抗を調節できて、シートベルト4に発生させる張力を適宜設 定することができる。
【0025】 本考案の実施例4を図6および図7に示す。 図6に示す実施例の塑性変形部材40は、上述の実施例3の塑性変形部材30 の突出部32の形状を変更した構成のものである。 本実施例の塑性変形部材40の突出部42は、筒状基部41の軸線方向の両端 部に、突出部42が筒状基部の円周方向に切り起こされた構成である。すなわち 、筒状基部41の壁面と平行な壁面42aと、両者を接続する傾斜壁面42bと からなって、その切り起こし方向が筒状基部の円周方向に延びるように構成され ている。
【0026】 上記各実施例において、各塑性変形部材は板状の素材を打抜き並びに折り曲げ 加工した構成であり、その厚みは全体にわたって略均一な構成となっている。し かし、本考案においてはその素材厚みを部分的に変化させることにより変形時の 抵抗をコントロールする構成としてもよい。また、本考案においては、例えば変 形抵抗の異なった複数の塑性変形部材が変形開始タイミング等を異にして適宜組 み合わして装着された構成を採用することもできる。
【0027】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案のシートベルト巻取り装置は、衝突の衝撃によりシ ートベルトに所定の大きさ以上の張力が作用した時点で、ベルトが巻かれた芯部 分の塑性変形部材がこのシートベルトに巻締められて所定の変形抵抗を維持しな がら変形する。これにより、シートベルトの巻径が小さくなってシートベルトが 所定量繰り出されるだけでなく、塑性変形部材が塑性変形する過程において急激 な減速による運動エネルギーを効果的に消費してベルトクランプ解除時のベルト 張力の急激な低下並びに急激な再上昇が防止されて、シートベルトの張力を所定 の大きさ以下に抑えることができ、乗員の保護機能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るシートベルト巻取り装置の正面図
である。
【図2】本考案の実施例1のシートベルト巻取り装置の
要部断面図である。
【図3】本考案の実施例2のシートベルト巻取り装置の
要部断面図である。
【図4】本考案の実施例3のシートベルト巻取り装置の
要部断面図である。
【図5】図4に示す塑性変形部材の斜視図である。
【図6】本考案の実施例4のシートベルト巻取り装置の
要部断面図である。
【図7】図6に示す塑性変形部材の斜視図である。
【図8】従来のシートベルト巻取り装置におけるボビン
の正面図である。
【図9】従来のシートベルト巻取り装置の要部断面図で
ある。
【図10】衝突後の時間の経過に伴うシートベルトの張
力の変化の状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フレーム 2a 回転軸芯 3 巻取りリール 3a、3b 胴部分 3c フランジ 4 シートベルト 5 緊急ロック機構 6 巻取り機構 7 ベルトガイド 8 プレート 10、20、30、40 塑性変形部材 11、21、31、41 円筒部 12、22、32、42 突出部 25、35、45 カラー 100 シートベルト巻取り装置

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートベルトを巻装する巻取り軸を緊急
    時にロックする緊急ロック機構並びに巻取り軸から引き
    出されているシートベルトを緊急時に挟持すると共にベ
    ルト挟持後にベルトに加わる荷重が一定以上になったと
    きにこのベルト挟持を開放するように構成されたベルト
    クランプ機構を備えるシートベルト巻取り装置におい
    て、 前記巻取り軸の外周には前記シートベルトに加わった荷
    重により変形して該巻取り軸の実質的な巻径を小さくし
    て該シートベルトを繰り出すことのできる塑性変形部材
    が設けられており、前記塑性変形部材が前記ベルト挟持
    の開放時のベルト張力を略維持しつつ変形するように構
    成されたことを特徴とするシートベルト巻取り装置。
JP5387493U 1993-09-10 1993-09-10 シートベルト巻取り装置 Pending JPH0719025U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000064711A1 (fr) * 1999-04-27 2000-11-02 Ashimori Industry Co., Ltd. Retracteur de ceintures de securite

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WO2000064711A1 (fr) * 1999-04-27 2000-11-02 Ashimori Industry Co., Ltd. Retracteur de ceintures de securite

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