JP2001206193A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2001206193A
JP2001206193A JP2000014678A JP2000014678A JP2001206193A JP 2001206193 A JP2001206193 A JP 2001206193A JP 2000014678 A JP2000014678 A JP 2000014678A JP 2000014678 A JP2000014678 A JP 2000014678A JP 2001206193 A JP2001206193 A JP 2001206193A
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retractor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両緊急時、乗員の身体拘束に伴ってウェビ
ングに作用する張力に対するウェビング繰出量(引出
量)を、拘束される乗員のマス、又は衝突等の衝撃の大
きさ等に応じて変更する。 【解決手段】 ねじり棒50の変形部51のねじれに伴
うボビン20の回転エネルギー吸収時、リトラクターベ
ース11に対するウェビング引出し方向のボビン20の
回転に伴って、第2ポール72が所定値以上の遠心力を
受けた際には、ねじり棒50の変形部51のねじれに伴
うボビン20の回転エネルギー吸収に、線材80の塑性
変形に伴うエネルギー吸収を上乗せする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緊急ロック手段、
エネルギー吸収手段及び第2ロック手段を有するリトラ
クターを備えたシートベルト装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト用リトラクターとして、急加
速、衝突又は急減速に反応する慣性感知手段によってリ
トラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
え、乗員を効果的及び安全に拘束するシートベルト用リ
トラクターが用いられている。
【0003】このような緊急ロック機構を備えたシート
ベルト用リトラクターとしては、例えば特公昭59−2
1624号公報等に開示されるように、緊急ロック機構
として、ウェビングを巻装する巻取軸の一端に配設され
た係止部材を、車両緊急時にリトラクターベースの被係
止部に噛合させることにより、巻取軸のウェビング引出
し方向の回転を阻止するロック手段を備えたものがあ
る。
【0004】前記ロック手段においては、リトラクター
ベースの巻取軸貫通孔に形成された係止歯、及び巻取軸
貫通孔に併設されたラッチプレートに形成された係止歯
が、被係止部として用いられる。また、巻取軸とともに
回転するロックプレート及びポールが、係止部材として
用いられる。車両緊急時には、係止部材と被係止部とが
噛合されることにより、巻取軸のウェビング引出し方向
の回転が阻止される。
【0005】上述した緊急ロック機構を備えたシートベ
ルト用リトラクターにおいて、例えば衝突による衝撃力
が極めて大きい場合には、緊急ロック機構作動後、時間
の経過とともにウェビング張力が増大する。このため、
乗員の身体に減速度を生じることになり、ウェビングか
ら乗員の身体にかかる負荷が大きくなる。
【0006】そこで、ウェビングに作用する荷重が予め
設定した所定値以上となった際、ウェビングを所定量繰
り出させる(ウェビングの引出しを許容する)ことによ
り、乗員の身体に作用する衝撃を吸収するエネルギー吸
収機構を備えたシートベルト用リトラクターも種々提案
されている。
【0007】緊急ロック機構に加えてエネルギー吸収機
構を備えたシートベルト用リトラクターとしては、特開
昭46−7710号公報に記載された、「とくに安全ベ
ルト用のエネルギ吸収装置」が知られている。エネルギ
ー吸収装置は、巻取部材(ボビン)とホルダ(リトラク
ターベース)との間に、トーションバー(ねじり棒)を
設けられており、トーションバーと巻取部材とは予め回
転不能に結合される。
【0008】そして車両緊急時には、トーションバーの
一端部に設けられた歯車(ロッキングベース)が、緊急
ロック機構の係止レバーによって係止され、ホルダとウ
ェビング引出し方向に回転不能に連結される。この状態
(緊急ロック機構の作動状態)で、巻取部材に更にウェ
ビング引出し方向のトルクが作用すると、トーションバ
ーがねじられて塑性変形する。これにより、ウェビング
から乗員の身体に作用する衝撃エネルギーが、トーショ
ンバーの変形仕事として吸収される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような緊急ロ
ック機構及びエネルギー吸収装置を備えた従来のシート
ベルト装置では、車両緊急時、緊急ロック機構の作動状
態でウェビングから乗員の身体に作用する衝撃エネルギ
ーを、エネルギー吸収装置のトーションバーの塑性変形
に伴うウェビング引出しの許容によって吸収する。この
際のトーションバーの塑性変形は、車両緊急時にウェビ
ングによって拘束される乗員のマスや、衝突の激しさに
関係なく、所定のねじれトルクによって生じる。
【0010】すなわち、車両緊急時にウェビングによっ
て拘束される乗員のマスが小さければ、又は衝突の衝撃
が小さければ、ウェビングに作用する荷重は小さくな
り、トーションバーの塑性変形量(ねじれ量)も小さ
い。
【0011】一方、乗員のマスが大きければ、又は衝突
の衝撃が大きければ、ウェビングに作用する荷重は大き
くなり、トーションバーの塑性変形量(ねじれ量)も大
きい。この場合、ウェビングの繰出量(引出量)が増大
するため、ウェビング引出しに伴う乗員の身体移動量の
増大も避けられない。
【0012】本発明は、車両緊急時、乗員の身体拘束に
伴ってウェビングに作用する張力を、拘束される乗員の
マス、又は衝突等の衝撃の大きさ等に応じて変更するこ
とができるシートベルト装置を提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、リ
トラクターベースと、前記リトラクターベースに回転可
能に支持され、ウェビングを巻装されるボビンと、前記
リトラクターベースに対して相対回転可能に設けられた
ロッキングベースと、前記リトラクターベースに対する
ウェビング引出し方向の前記ロッキングベースの回転
を、車両緊急時に阻止する緊急ロック手段と、一端側を
前記ボビンと一体的に結合されるとともに、他端側を前
記ロッキングベースと一体的に結合され、前記ロッキン
グベースが前記緊急ロック手段によってリトラクターベ
ースに対するウェビング引出し方向の回転を阻止された
状態で、更なるウェビング引出しに伴うボビンの回転を
許容するエネルギー吸収手段と、前記リトラクターベー
スに設けられた連結手段と、前記リトラクターベースと
前記連結手段との間に設けられたエネルギー吸収部と、
前記ボビンに揺動可能に設けられ、エネルギー吸収手段
の作動時、リトラクターベースに対するウェビング引出
し方向のボビンの回転に伴って、所定値以上の遠心力を
受けた際、前記連結手段と係合する第2ロック手段とを
有することを特徴とするリトラクターを備えたシートベ
ルト装置によって達成される。
【0014】本発明によれば、車両緊急時、緊急ロック
手段が、リトラクターベースに対するウェビング引出し
方向のロッキングベースの回転を阻止する。この状態か
ら、更なるウェビング引出しに伴うボビンの回転によっ
て、ボビンとロッキングベースとの間に相対回転が生じ
ると、当該相対回転を、エネルギー吸収手段が許容す
る。
【0015】エネルギー吸収手段の作動に伴って、ロッ
キングベースに対するボビンの相対回転が許容され、リ
トラクターベースに対するウェビング引出し方向のボビ
ンの回転に伴って、第2ロック手段が所定値以上の遠心
力を受けると、第2ロック手段は、連結手段と係合す
る。そして、リトラクターベースと連結手段との間に設
けられたエネルギー吸収部が、エネルギー吸収を行いな
がら、ボビンとロッキングベースとの間に生じる相対回
転を許容する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により、本発
明を説明する。図1から図6を参照すると、シートベル
ト用リトラクター10は、リトラクターベース11、ボ
ビン20、ロッキングベース30、車両緊急時にロッキ
ングベース30の回転を停止させる緊急ロック機構4
0、緊急ロック機構40作動後のボビン20の回転を、
塑性変形により許容するエネルギー吸収手段であるねじ
り棒50、ボビン20の回転を停止させる第2ロック機
構70、及び第2ロック機構70作動後のボビン20の
回転を塑性変形により許容する塑性変形部材である線材
80を有する。
【0017】リトラクターベース11は、図示しない車
体に固定される背板12の両側から左右の側板13,1
4を立ち上げた略コ字状の断面を有するように、金属板
をプレス成形したものである。リトラクターベース11
は、ボビン20を挿通されたねじり棒50を、左右の側
板13,14の対向位置に回動自在に支持する。
【0018】ボビン20は、軽量化を図る等の目的で、
ダイカスト鋳造法により製造されており、アルミ又は亜
鉛等からなるダイカスト製品である。ボビン20は、外
周面にウェビングを巻装される略円筒状の胴部21と、
ウェビングの巻乱れを防止するフランジ部22,23と
を備える。胴部21には、ねじり棒50を挿通されるね
じり棒貫通孔24が、軸方向に沿って略中央に穿設され
るとともに、レバー71を挿通されるレバー貫通孔25
が、軸方向に沿って穿設される。
【0019】ロッキングベース30は、リトラクターベ
ース11及びボビン20に対して相対回転可能に設けら
れる。ロッキングベース30は、ボス部に形成された略
六角形状の挿通孔32に、ねじり棒50のロッキングベ
ース結合部53を嵌合される。これによりロッキングベ
ース30は、ねじり棒50を介して、ボビン20と一体
回転可能に連結される。
【0020】緊急ロック機構40は、車両緊急時(すな
わち衝突等による急減速時、又はウェビングの急激な引
出し時等)を検知する検知手段(図示しない)、第1ポ
ール41及び固定ラッチリング42を有しており、車両
緊急時、ロッキングベース30をリトラクターベース1
1に機械的に連結させる。
【0021】第1ポール41は、ロッキングベース30
に突設されたピン33に揺動可能に支持されており、先
端に係止歯43を有する。固定ラッチリング42は、リ
トラクターベース11の側板14に固定される。固定ラ
ッチリング42は、側板14の貫通孔15に合わせた内
径を有する開口部44に、第1ポール41の係止歯43
と噛合可能な内歯45を形成される。
【0022】緊急ロック機構40は、車両緊急時、第1
ポール41の係止歯43を、固定ラッチリング42の内
歯45に噛合させる。これにより緊急ロック機構40
は、ロッキングベース30のウェビング引出し方向の回
転を阻止する。
【0023】ねじり棒50は、ボビン20のねじり棒貫
通孔24に挿通された状態で、リトラクターベース11
に回転可能に支持される。ねじり棒50は、塑性変形可
能に形成された変形部51の図2中左端部近傍にボビン
結合部52を、変形部51の図2中右端部にロッキング
ベース結合部53をそれぞれ形成される。
【0024】ボビン結合部52は、断面六角形状に形成
されており、スリーブ60を介してボビン20に一体的
に結合される。すなわちボビン結合部52は、スリーブ
60に形成された断面略六角形状の挿通孔61に嵌合さ
れており、スリーブ60がボビン20の一端側に形成さ
れた断面略六角形の穴(図示しない)に嵌合されること
で、スリーブ60を介してボビン20と一体回転する。
【0025】ロッキングベース結合部53は、断面六角
形状に形成されており、ロッキングベース30に一体的
に結合される。すなわちロッキングベース結合部53
は、ロッキングベース30のボス部の挿通孔32に嵌合
されており、ロッキングベース30と一体回転する。
【0026】ねじり棒50は、ボビン結合部52及びロ
ッキングベース結合部53間に所定以上の回転トルクが
作用した際、変形部51のねじれ変形により、ボビン2
0のウェビング引出し方向への回転を許容し、乗員の身
体に作用する衝撃エネルギーの吸収を行う。
【0027】ねじり棒50の図2中左端部には、公知の
巻取りバネ装置(図示せず)が装備される。巻取りバネ
装置は、ねじり棒50を介して、ボビン20をウェビン
グ巻取り方向に常時付勢する。第2ロック機構70は、
ボビン20のレバー貫通孔25に挿通されるレバー7
1、及びレバー71の図1中左端部に嵌合される第2ポ
ール72を有する。
【0028】レバー71は、断面四角形状の結合部73
と、アーム部74と、レバー貫通孔25を貫通する軸部
75とを有する樹脂製射出成形品である。レバー71の
結合部73は、第2ポール72の四角孔76に嵌合され
た状態で、ねじ77によって第2ポール72に固定され
る。
【0029】レバー71のアーム部74は、ボビン20
のフランジ部23における図1中手前側の側面に設けら
れた凹部26に嵌合されており、ボビン20に対して回
転不能である。第2ポール72は、ボビン20のフラン
ジ部22における図1中奥側の側面(図示しない)に設
けられた凹部に格納される。
【0030】第2ポール72は、緊急ロック機構40の
作動後、更なるウェビング引出し方向への荷重によっ
て、ボビン20がロッキングベース30に対して相対回
転、すなわち図4中時計方向に所定の回転速度以上で回
転し始めた際、遠心力によって係止歯78をロッキング
ベース30の放射方向外側に突出するように、軸部75
をねじりながら図5中矢印方向に揺動される。揺動され
た第2ポール72は、係止歯78を後述する可動ラッチ
リング81の内歯83に噛合され、可動ラッチリング8
1及び後述する凹リング82を、ボビン20に連動して
同方向に回転させる。
【0031】連結手段である可動ラッチリング81は、
リトラクターベース11の側板13に形成された貫通孔
16に回転可能に支持されており、リトラクターベース
11に対して相対回転可能に設けられる。可動ラッチリ
ング81は、内周面に周方向に沿う内歯83を有してお
り、内歯83には、遠心力により図5中矢印方向に揺動
された第2ポール72の係止歯78が噛合される。
【0032】同じく連結手段である凹リング82は、可
動ラッチリング81の外周に、リトラクターベース11
の側板13を挟んで例えば圧入により固定されており、
可動ラッチリング81に一体回転可能である。凹リング
82と可動ラッチリング81との固定は、圧入の他、溶
接でも加締めでもよい。凹リング82は、外周面に周方
向に沿う凹状溝84を有する。
【0033】凹状溝84には、エネルギー吸収部である
線材80の折り返された一端部(図2中上端部)が嵌合
固定される。凹状溝84への線材80の固定方法は何で
もよいが、例えば凹状溝84における線材80の嵌合部
分を局部的に潰すことにより、加締め固定する。
【0034】線材80は、塑性変形可能な例えばスチー
ル製であり、螺旋状に巻回されたロール部85を有す
る。リトラクターベース11の側板13に圧入により固
定された圧入ピン86に、このロール部85が嵌挿され
る。線材80の他端(図2中下端部)はリトラクターベ
ース11に対しフリーとされている。
【0035】線材80は、ボビン20にウェビング引出
し方向への更なる荷重が加わり、ねじり棒50の変形部
51のねじれに伴って、ボビン20がロッキングベース
30に対して相対回転し始めた際、すなわちボビン20
が図4中時計方向に所定の回転速度以上で回転し始め、
第2ポール72を介して、可動ラッチリング81及び凹
リング82がボビン20に連動して同方向に回転し始め
た際、凹リング82の凹状溝84に巻き付けられる。
【0036】すなわち線材80は、凹リング82の回転
トルクにより、ロール部85を解かれるように塑性変形
しながら引き出され、凹リング82の凹状溝84に巻き
付けられる。このときの線材80の塑性変形により、エ
ネルギーが吸収される。つまり、ねじり棒50の変形部
51の塑性変形に伴う回転エネルギー吸収に、線材80
の塑性変形に伴うエネルギー吸収が上乗せされる。
【0037】本実施形態の作用を説明する。シートベル
ト用リトラクター10においては、車両緊急時、緊急ロ
ック機構40が検知手段により作動され、ロッキングベ
ース30のウェビング引出し方向への回転を阻止する。
【0038】すなわち緊急ロック機構40において、第
1ポール41が、係止歯43をロッキングベース30の
放射方向外側に突出するように、検知手段により揺動さ
れる。揺動された第1ポール41の係止歯43は、固定
ラッチリング42の内歯45に噛合される。
【0039】したがって、ロッキングベース30は、第
1ポール41及び固定ラッチリング42を介して、リト
ラクターベース11の側板14に連結された状態とな
り、ウェビング引出し方向への回転を阻止される。
【0040】図1及び図4を参照すると、この際、可動
ラッチリング81及び凹リング82は、リトラクターベ
ース11に対して回転フリーであるが、凹リング82が
線材80を介してリトラクターベース11に連結されて
いるため、回転しない。
【0041】次に、ボビン20にウェビング引出し方向
への更なる荷重が加わり、ねじり棒50の変形部51の
ねじれに伴って、ボビン20がロッキングベース30に
対して相対回転し始めると、すなわちボビン20が図4
中時計方向に回転し始めると、ねじり棒50の変形部5
1の塑性変形に伴うエネルギー吸収が行われる。このと
きのウェビング張力とウェビング繰出量の関係を、図7
に示す。
【0042】更に、図1及び図5を参照すると、ボビン
20の回転速度が所定値以上となると、第2ポール72
が、遠心力によって係止歯78をロッキングベース30
の放射方向外側に突出するように、軸部75をねじりな
がら図5中矢印方向に揺動される。揺動された第2ポー
ル72は、係止歯78を可動ラッチリング81の内歯8
3に噛合される。
【0043】これにより可動ラッチリング81及び凹リ
ング82は、第2ポール72を介して、ボビン20に連
動して同方向に回転し始める。可動ラッチリング81及
び凹リング82の回転により、線材80が凹リング82
の凹状溝84に巻き付けられる。
【0044】すなわち、凹リング82の回転によって、
線材80がロール部85を解かれるように塑性変形しな
がら引き出され、凹リング82の凹状溝84に巻き付け
られる。この際、線材80の塑性変形により、エネルギ
ーが吸収される。つまり、ねじり棒50の変形部51の
塑性変形に伴うエネルギー吸収に、線材80の塑性変形
に伴うエネルギー吸収が上乗せされる。
【0045】このときのウェビング繰出量とウェビング
張力の関係を、図8に示す。図8において、破線は、ね
じり棒50の変形部51の塑性変形のみに伴うエネルギ
ー吸収を示しており、破線部分に上乗せされた斜線部分
が、線材80の塑性変形に伴うエネルギー吸収分を示
す。ウェビング張力が大きいということは、小さいウェ
ビング繰出量でより多くのエネルギーを吸収することを
意味している。
【0046】なお、ねじり棒50の変形部51のねじれ
に伴うロッキングベース30に対するボビン20の相対
回転の速度、すなわちボビン20の図4中時計方向への
回転速度が、途中から所定値以上となった場合には、図
9に示すように、その時点から線材80の塑性変形に伴
うエネルギー吸収分が上乗せされる(図9中斜線部
分)。
【0047】以上のように上記実施形態によれば、ねじ
り棒50の変形部51の塑性変形に伴うエネルギー吸収
時、リトラクターベース11に対するウェビング引出し
方向のボビン20の回転に伴って、第2ポール72が所
定値以上の遠心力を受けた際には、ねじり棒50の変形
部51の塑性変形に伴うエネルギー吸収に、線材80の
塑性変形に伴うエネルギー吸収を上乗せすることができ
る。
【0048】したがって、乗員の身体拘束に伴ってウェ
ビングに作用する張力に対するウェビング繰出量(引出
量)を、拘束される乗員のマス、又は衝突等の衝撃の大
きさ等に応じて変更することができる。
【0049】なお上記実施形態では、線材80の塑性変
形によるエネルギー吸収の例を挙げたが、これに代え
て、摺動抵抗、塑性変形及び摺動抵抗の組み合わせ等も
考えられる。すなわち例えば、可動ラッチリング81及
び凹リング82が、リトラクターベース11の側板13
の貫通孔16に対して相対回転する際の摺動抵抗を、エ
ネルギー吸収に利用する構成(摺動部がエネルギー吸収
部を構成する)が挙げられる。
【0050】また、線材80の他端部(凹リング82と
連結される側でない端部)はリトラクターベース11に
対し、フリーとされているが、この他端部をリトラクタ
ーベース11に固定してもよい。この場合、所定値以上
の遠心力を受けた第2ポール72は、ボビン回転方向に
揺動されて可動ラッチリング81の内歯83に係合さ
れ、可動ラッチリング81、凹リング82及び線材80
を介して、リトラクターベース11の側板13と連結さ
れた状態となる。これにより第2ポール72は、線材8
0の塑性変形に伴って、ボビン20とロッキングベース
30との間に生じる相対回転を所定量許容するととも
に、線材80の塑性変形後、リトラクターベース11に
対するウェビング引出し方向のボビン20の回転を阻止
する。
【0051】また例えば、線材80の塑性変形量を0に
等しく設定することにより、線材80によるエネルギー
吸収をほとんど行わない構成とすることもできる。すな
わち例えば、リトラクターベース11に対するウェビン
グ引出し方向のボビン20の急激な回転に伴って、第2
ポール72が所定値以上の遠心力を受けた際、つまりリ
トラクターベース11に対するウェビング引出し方向の
ボビン20の回転が急激に生じた際、第2ポール72、
可動ラッチリング81、凹リング82及び線材80によ
って、ボビン20の回転を即時に停止させることもでき
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ネルギー吸収手段の作動時、リトラクターベースに対す
るウェビング引出し方向のボビンの回転に伴って、第2
ロック手段が所定値以上の遠心力を受けると、第2ロッ
ク手段は、連結手段と係合する。そして、リトラクター
ベースと連結手段との間に設けられたエネルギー吸収部
が、エネルギー吸収を行いながら、ボビンとロッキング
ベースとの間に生じる相対回転を許容する。
【0053】したがって、車両緊急時、乗員の身体拘束
に伴ってウェビングに作用する張力に対するウェビング
繰出量(引出量)を、拘束される乗員のマス、又は衝突
等の衝撃の大きさ等に応じて変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるシートベルト装置を
示す部分分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態であるシートベルト装置を
示す部分分解斜視図である。
【図3】図2のシートベルト装置のリトラクターベース
への可動ラッチリング及び凹リングの取付状態を示す断
面図である。
【図4】リトラクターベース、スリーブ、第2ポール、
可動ラッチリング、凹リング及び線材を示す側面図であ
り、第2ポール揺動前の状態を示す。
【図5】リトラクターベース、スリーブ、第2ポール、
可動ラッチリング、凹リング及び線材を示す側面図であ
り、第2ポール揺動に伴う線材の塑性変形時の状態を示
す。
【図6】リトラクターベース、スリーブ、第2ポール、
可動ラッチリング、凹リング及び線材を示す側面図であ
り、第2ポール揺動後の状態を示す。
【図7】ねじり棒のみによるボビンの回転エネルギー吸
収時のウェビング張力に対するウェビング繰出量変化を
示すグラフである。
【図8】ねじり棒及び線材によるボビンの回転エネルギ
ー吸収時のウェビング張力に対するウェビング繰出量変
化を示すグラフである。
【図9】初期にはねじり棒のみで、途中からねじり棒及
び線材によるボビンの回転エネルギー吸収時のウェビン
グ張力に対するウェビング繰出量変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 シートベルト用リトラクター 11 リトラクターベース 13 側板 14 側板 20 ボビン 30 ロッキングベース 34 凹溝 40 緊急ロック機構 41 第1ポール 42 固定ラッチリング 50 ねじり棒 51 変形部 52 ボビン結合部 53 ロッキングベース結合部 60 スリーブ 70 第2ロック手段(第2ロック機構) 71 レバー 72 第2ポール 73 結合部 74 アーム部 75 軸部 80 線材 81 連結手段(可動ラッチリング) 82 連結手段(凹リング) 83 内歯 84 凹状溝 85 ロール部 86 圧入ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リトラクターベースと、 前記リトラクターベースに回転可能に支持され、ウェビ
    ングを巻装されるボビンと、 前記リトラクターベースに対して相対回転可能に設けら
    れたロッキングベースと、 前記リトラクターベースに対するウェビング引出し方向
    の前記ロッキングベースの回転を、車両緊急時に阻止す
    る緊急ロック手段と、 一端側を前記ボビンと一体的に結合されるとともに、他
    端側を前記ロッキングベースと一体的に結合され、前記
    ロッキングベースが前記緊急ロック手段によってリトラ
    クターベースに対するウェビング引出し方向の回転を阻
    止された状態で、更なるウェビング引出しに伴うボビン
    の回転を許容するエネルギー吸収手段と、 前記リトラクターベースに設けられた連結手段と、 前記リトラクターベースと前記連結手段との間に設けら
    れたエネルギー吸収部と、 前記ボビンに揺動可能に設けられ、エネルギー吸収手段
    の作動時、リトラクターベースに対するウェビング引出
    し方向のボビンの回転に伴って、所定値以上の遠心力を
    受けた際、前記連結手段と係合する第2ロック手段とを
    有することを特徴とするリトラクターを備えたシートベ
    ルト装置。
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