JP3836971B2 - シートベルトリトラクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシートベルトリトラクタに関し、特に、車両緊急時にトーションバーとして機能するスピンドル軸の捩じり変形により乗員に加わるエネルギー吸収を行うとともに、最終的には乗員をウエビングで確実に拘束するようにしたシートベルトリトラクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に装備されるシートベルトリトラクタにおいては、車両衝突等による車両緊急時に、緊急ロック機構により巻取りドラムがウエビング引出し方向に回転不能にロックされて、巻取りドラムからのウエビングの引出しを阻止するようになっている。
【0003】
ところで、車両緊急時において、車両の減速度が非常に大きくなると、乗員がウエビングから受ける荷重が非常に大きくなり望ましくない。そこで、最近のシートベルトリトラクタは、緊急ロック機構により巻取りドラムの回転が略ロック状態になり、ウエビングに作用する荷重が大きくなると、巻取りドラムの回転を許容しつつ、エネルギー吸収手段でエネルギーを吸収し、乗員に作用する衝撃を緩和するようにしてある。
【0004】
例えば、特開平7−277136号公報や特開平7−101310号公報には、前記エネルギー吸収手段としての変形部材を巻取りドラムの外周面に沿って装着したシートベルトリトラクタが開示されている。このシートベルトリトラクタにおいては、車両緊急時に緊急ロック機構により巻取りドラムが回転不能にロックされ、ウエビングに大きな荷重が作用すると、変形部材が縮径方向へ変形しその変形を介してエネルギーが吸収されるようになっている。しかし、この種のシートベルトリトラクタでは、構造が複雑になり組付けが面倒である。
【0005】
一方、特開平6−156884号公報には、前記エネルギー吸収手段としてのトーションバー(捩じり棒)を適用したシートベルトリトラクタが開示されている。このシートベルトリトラクタにおいて、トーションバーは巻取りドラムに挿通され、その一端部が巻取りドラムに相対回転不能に連結されている。
【0006】
トーションバーの他端部分にはヘッド部が形成され、このヘッド部が車両緊急時に緊急ロック機構で回転不能にロックされた状態で、ウエビングに所定の荷重(例えば、4KN)が作用すると、トーションバーの一端部が巻取りドラムとともに回転してトーションバーが捩じり変形し、その捩じり変形を介してエネルギーが吸収されるようになっている。このトーションバーを適用したシートベルトリトラクタにおいては、構造が簡単で組付けが容易になり、エネルギー吸収性能が安定し信頼性が高いという点で優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−156884号公報のシートベルトリトラクタでは、車両緊急時、緊急ロック機構でトーションバーのヘッド部をロックするだけで、トーションバーの一端部をロックするようになっていないため、ウエビングに非常に大きな荷重が作用した場合でも、巻取りドラムの回転が拘束されないため、トーションバーが捩じり変形し続けて、ウエビングの繰出し量が限界値を越え、或いはトーションバーが破断し身体拘束機能を失う虞がある。特に、車両が玉突き衝突した場合等において、トーションバーが繰返し捩じり変形すると破断し易くなる。
【0008】
本発明の目的は、トーションバーとして機能するスピンドル軸を備えたシートベルトリトラクタにおいて、車両緊急時に、乗員の運動エネルギーを吸収するとともに、最終的には乗員をウエビングで確実に拘束すること等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1のシートベルトリトラクタは、ウエビングを巻取る巻取りドラムと、一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されトーションバーとして機能するスピンドル軸とを備え、車両緊急時にスピンドル軸の捩じり変形によりエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、車両緊急時にスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設け、前記スピンドル軸(4)の一端部と前記巻取りドラム(3)とが、キャップ部材(35)を介して相対回転不能に係合されていることを特徴とするものである。
【0010】
前記捩じり変形回転量の所定値は、スピンドル軸が破断しない値であって、スピンドル軸の捩じり変形によるウエビングの繰出しによって乗員がステアリングホイール等に到達しない値に設定される。スピンドル軸が捩じり変形する際に、ウエビングから乗員に作用する荷重は、スピンドル軸の形状や材質等を適切に設計することで適宜設定可能である。
【0011】
スピンドル軸の一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されているので、車両緊急時、何らかの緊急ロック手段によりスピンドル軸の他端側の回転がロックされ、ウエビングに例えば4KN以上の大きな荷重が作用すると、スピンドル軸の一端部とともに巻取りドラムが回転してスピンドル軸が捩じり変形し、その捩じり変形を介してエネルギー吸収が行われる。その後、前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、締結機構によりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが相対回転不能に締結されて、巻取りドラムが回転しなくなり、巻取りドラムからのウエビングの繰出しが阻止され、ウエビングで乗員が確実に拘束される。
【0012】
従って、車両緊急時にウエビングに非常に大きな荷重が作用した場合や、車両が複数回衝突してスピンドル軸が繰返し捩じり変形した場合でも、乗員の運動エネルギーを吸収するとともに、スピンドル軸の破断を確実に防止して、最終的には乗員をウエビングで確実に拘束できるため、乗員のステアリングホイールやフロントウインド等への2次衝突を確実に防止して、乗員の安全性を確保することができる。
また、前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたことをも特徴とするものである。
従って、車両緊急時にスピンドル軸の前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、スピンドル軸の他端近傍部に対して巻取りドラムを相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、螺合機構の雌ネジと雄ネジとを螺合締結させて、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結することができる。
【0013】
請求項2のシートベルトリトラクタは、車両緊急時にトーションバーの捩じり変形を介してエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、ウエビングを巻取る巻取りドラムと、この巻取りドラムに挿通するように配設されて一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合され且つトーションバー部を有するスピンドル軸と、車両緊急時にスピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック手段と、前記緊急ロック手段の作動後にウエビングに加わる張力により巻取りドラムとスピンドル軸の一端とが一体的に回転してスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対するウエビング引出し方向への捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構とを備え、前記スピンドル軸(4)の一端部と前記巻取りドラム(3)とが、キャップ部材(35)を介して相対回転不能に係合されていることを特徴とするものである。
【0014】
前記捩じり変形回転量の所定値については、請求項1と同様に、スピンドル軸が破断しない値であって、スピンドル軸の捩じり変形によるウエビングの繰出しによって乗員がステアリングホイール等に到達しない値に設定される。また、スピンドル軸が捩じり変形する際に、ウエビングから乗員に作用する荷重についても、請求項1と同様である。
【0015】
車両緊急時、緊急ロック手段によりスピンドル軸の他端近傍部が回転不能にロックされ、ウエビングに例えば4KN以上の大きな荷重が作用すると、スピンドル軸の一端部とともに巻取りドラムが回転してスピンドル軸のトーションバー部が捩じり変形し、その捩じり変形を介してエネルギー吸収が行われる。その後、前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、締結機構により、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが相対回転不能に締結されて、巻取りドラムが回転しなくなり、巻取りドラムからのウエビングの繰出しが阻止され、ウエビングで乗員が確実に拘束される。その他の作用に関しては請求項1と同様である。
【0018】
また、前記締結機構は、車両緊急時にスピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック手段の一部を構成するラチェットホイールと巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
従って、車両緊急時にスピンドル軸の前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、ラチェットホイールに対して巻取りドラムを相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、螺合機構の雌ネジと雄ネジとを螺合締結させて、ラチェットホイールを介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結することができる。
【0020】
請求項3のシートベルトリトラクタは、請求項1の発明において、前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とするものである。それ故、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが当接して、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが確実に締結される。その他請求項1と同様の作用を奏する。
【0021】
請求項4のシートベルトリトラクタは、請求項2の発明において、前記締結機構は、ラチェットホイールと巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とするものである。それ故、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、ラチェットホイールと巻取りドラムとが当接して、ラチェットホイールを介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが確実に締結される。その他請求項2と同様の作用を奏する。
【0022】
請求項5のシートベルトリトラクタは、ウエビングを巻取る巻取りドラムと、一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されトーションバーとして機能するスピンドル軸とを備え、車両緊急時にスピンドル軸の捩じり変形によりエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、車両緊急時にスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設け、前記スピンドル軸の一端部と前記巻取りドラムとが、キャップ部材を介して相対回転不能に係合されており、前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部に外嵌螺合され且つ巻取りドラムのスプライン状の嵌合孔に相対回転不能に内嵌されたリング部材を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
従って、車両緊急時にスピンドル軸の前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、スピンドル軸に対して巻取りドラムとともにリング部材を相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、リング部材をスピンドル軸の他端近傍部に螺合締結させて、リング部材を介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結することができる。
【0027】
また、前記締結機構は、リング部材を巻取りドラムに当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とするものである。それ故、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、リング部材と巻取りドラムとが当接して、リング部材を介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとが確実に締結される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、車両衝突等の車両緊急時に、トーションバーとして機能するスピンドル軸の捩じり変形を介してエネルギーを吸収するシートベルトリトラクタに、本発明を適用した場合の一例である。尚、図1における前後左右を前後左右として説明する。
【0030】
図1〜図3に示すように、シートベルトリトラクター1は、車体に固定される金属製のハウジング2と、ハウジング2に装着されウエビングWを巻取る巻取りドラム3と、巻取りドラム3に挿通するように配設されて左端部が巻取りドラム3に相対回転不能に係合されたスピンドル軸4と、巻取ドラム3を常時巻取り方向へ回動付勢する回動付勢機構5と、車両衝突等の車両緊急時に巻取りドラム3を巻取り方向へ強制的に回動させてウエビングWを巻取る強制巻取り機構6と、車両緊急時にスピンドル軸4の右端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック機構7と、車両緊急時にスピンドル軸4の左端部の右端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸4の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸4の右端近傍部と巻取りドラム3とを相対回転不能に締結する締結機構8とを備えている。
【0031】
図1〜図3に示すように、ハウジング2は、左側壁10と、右側壁11と、左側壁10と右側壁11の後上端部を連結する後壁部12と、左側壁10と右側壁11の後下部を連結する連結板部13とを一体形成してなり、後壁部12と連結板部13に固着され下方へ延びる取付板13aがボルト等で車体に固定される。左側壁10と右側壁11の前上端部は、左右方向向きのバー部材14により連結されている。
【0032】
左側壁10と右側壁11には、巻取りドラム3よりも小径の円形開口15,16が同心状に形成され、右側壁11の右面下部には、緊急ロック機構7のパウル60とホルダ67とが装着されている。後壁部12と連結板部13の間には矩形状の開口17が形成され、図示していないが、巻取りドラム3にウエビングWが殆ど巻取られると、径が大きくなるウエビングWの後端部分が開口17内に達し、ハウジング2と相互干渉しないようになっている。
【0033】
図1〜図3、図5〜図7に示すように、巻取りドラム3は、外周部にウエビングWが巻付けられる胴部20と、左鍔部21と、右鍔状部22を有し、その軸心部分にスピンドル軸4が挿通する左右方向向きの挿通孔23が形成されている。左鍔部21には、スプライン穴24が形成され、また、巻取りドラム3の左端部分には、挿通穴23とスプライン穴24に連通し且つ挿通孔23よりも大径の挿入穴25が形成されている。
【0034】
右鍔状部22は左右幅広に形成され、その中央部分には、挿通孔23に連通し且つ挿通孔23よりも大径のスプライン状の嵌合穴26が形成され、この嵌合穴26に、締結機構8のリング部材70が相対回転不能に且つ左右に相対移動可能に内嵌されている。また、胴部20には、ウエビングWの基端を嵌合固定する為のウエビング挿通開口27が形成されている。
【0035】
図1、図4〜図7に示すように、スピンドル軸4は、所定以上の捩じりトルクが作用すると捩じり変形するトーションバー部30と、トーションバー部30の左端側のローレット軸部31と、トーションバー部30の右端側のスプライン軸部32と、スプライン軸部32の右端側の連結軸部33とを一体形成したものであって、ローレット軸部31が、キャップ部材35を介して巻取りドラム3の左端部に相対回転不能に係合され、スプライン軸部32に緊急ロック機構7のラチェットホイール50が相対回転不能に連結されている。
【0036】
キャップ部材35は、スプライン状の係合部36と、係合部36から右方へ延びる筒部37と、筒部37の内部に形成されたローレット穴部38とを有し、係合部36が巻取りドラム3のスプライン穴24に係合され、筒部37が挿入穴25に内嵌挿入され、ローレット穴部38にスピンドル軸4のローレット軸部31が係合されている。また、キャップ部材35には係合部36から左方へ延びる断面正方形状の連結軸部39が一体形成され、この連結軸部39が強制巻取り機構6と回動付勢機構5に作動的に連結されている。
【0037】
尚、図示していないが、スピンドル軸4のトーションバー部30に、ウエビングWの基端部の筒状部が外嵌され、ウエビングWはトーションバー部30から、巻取りドラム3の胴部20のウエビング挿通開口27を貫通して延び、胴部20に巻付けられている。
【0038】
図1〜図3に示すように、回動付勢機構5は、強制巻取り機構6のケーシング41に固定されるバネ収容キャップ40内に収容されるゼンマイバネ(図示略)であって連結軸部39を巻取り方向へ付勢するゼンマイバネを有し、強制巻取り機構6は、車両緊急時に加圧ガスを発生させるガス発生器43と、ケーシング41内に設けられガス発生器43で発生させたガス圧によりキャップ部材35を介して巻取りドラム3を巻取り方向へ回動させるガス圧駆動機構(図示略)を有する。尚、回動付勢機構5と強制巻取り機構6は、周知のものであるため、それらの詳細な説明を省略する。
【0039】
前記緊急ロック機構7について説明する。
図1〜図4に示すように、緊急ロック機構7は、スピンドル軸4のスプライン軸部32に相対回転不能に連結されたラチェットホイール50と、ウエビングWの急激な引出しに感応してラチェットホイール50の回転をロックする第1ロック機構と、車両緊急時の急減速に感応してラチェットホイール50の回転をロックする第2ロック機構を有する。尚、緊急ロック機構7は、ハウジング2の右側壁11に固定されるカバー部材7aでカバーされる。
【0040】
図4、図5に示すように、ラチェットホイール50は、外周部にラチェットギヤ54が形成されたギヤ部53と、ギヤ部53よりも小径に且つギヤ部53の左側に設けられたガイド部55と、ガイド部55よりも小径で且つガイド部55から左方へ延びる筒部56とを一体形成したもので、ギヤ部53とガイド部55に形成されたスプライン穴58に、スピンドル軸4のスプライン軸部32が係合している。ギヤ部53は、ハウジング2の右側壁11の右側に配設され、ガイド部55は、リング状の合成樹脂製のベヤリング57を介して、右側壁11に形成された円形開口16の周面部に回転自在に支持され、筒部56にリング部材70が外嵌螺合されている。
【0041】
第1ロック機構は、ハウジング2の右側壁11に固着された軸部19に回動可能に枢支され且つラチェットギヤ54に係合可能なパウル60と、スピンドル軸4の連結軸部33に枢支されパウル60をラチェットギヤ54に対して係合・係合解除方向に案内するガイド部62aが形成されたクラッチ部材62と、連結軸部33に連結されクラッチ部材62の筒部62bに収容されたロックアームベース66と、このロックアームベース66に揺動可能に支持されクラッチ部材62の筒部62bの内部に形成された内歯62cに係合する突起64aが形成され且つ通常時はこの突起64aが内歯62cに係合しない方に付勢されたロックアーム64と、連結軸部33に枢支されリベット61で抜け止めされたロッキングギヤ65と、ロックアーム64に当接しロッキングギヤ65に摩擦結合されたロックアームガイド(図示略)等で構成されている。
【0042】
通常状態において、パウル60は、捩じりバネ63によりラチェットギヤ54に係合しない非係合位置に回動付勢され、急激にウエビングWが引出され連結軸部33が回動すると、ロックアームベース66に対してロッキングギヤ65の回転遅れが生じ、ロックアームガイドも回転遅れが生じ、その結果、ロックアーム64はバネ力に抗して回転し、その突起64aが内歯62cに係合する。すると、クラッチ部材62が回動し、クラッチ部材62のガイド部62aにガイドされパウル60が捩じりバネ63の付勢力に抗して回動してラチェットギヤ54に係合し、ラチェットホイール50とともにスピンドル軸4のスプライン軸部32の回転がロックされる。
【0043】
第2ロック機構は、第1ロック機構と共通のパウル60及びクラッチ部材62及びロックアームベース66及びロックアーム64及びロックアーム64の右側において連結軸部33に枢支されリベット61で抜け止めされたロッキングギヤ65と、ハウジング2の右側壁10に固定されたホルダ67と、ホルダ67に収容された球状の慣性質量体68と、ホルダ67に揺動可能に連結され且つロッキングギヤ65に係合可能な揺動レバー69を有する。
【0044】
通常状態において、ロッキングギヤ65は摩擦力を介してスピンドル軸4の連結軸部33と一体的に回動し、車両が急減速すると、ホルダー67に収容されている慣性質量体68が移動し、揺動レバー69が揺動してロッキングギヤ65に係合し、ロッキングギヤ65の回転がロックされる。すると、ロッキングギヤ65のロックアームガイドに対するロックアーム64の相対回転によりその突起64aが内歯62cに係合してクラッチ部材62が回動し、前記同様、ラチェットホイール50とともにスピンドル軸4のスプライン軸部32の回転がロックされる。
【0045】
前記締結機構8について説明する。
図1、図5、図7〜9に示すように、締結機構8は、スピンドル軸4のスプライン軸部32に相対回転不能に連結されたラチェットホイール50の筒部56に螺合機構75を介して外嵌螺合されたリング部材70を有する。このリング部材70は、巻取りドラム3の嵌合穴26に内嵌され、巻取りドラム3に対して相対回転不能に且つその軸心方向(左右方向)へ相対移動可能に設けられている。
【0046】
前記螺合機構75は、リング部材70の内周に形成された雌ネジ部76と、ラチェットホイール50筒部56の外周に形成され雌ネジ部76に螺合した雄ネジ部77とからなり、筒部56の雄ネジ部77及びリング部材70の雌ネジ部76は正ネジに形成され、リング部材70が筒部56に対して、図7に矢印Aで示す方向へ回動すると、図5、図8に矢印Bで示す右方向へ移動し、図9に示すように、リング部材70の右端面がラチェットホイール50のガイド部55の左端面に当接し、リング部材70と筒部56とが一体化され相対回転不能になる。
【0047】
この締結機構8においては、車両緊急時に、スピンドル軸4のローレット軸部31のスプライン軸部32に対する捩じり変形回転量が、前記リング部材70が回転不能になる所定値になるまでスピンドル軸4のトーションバー部30の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸4のスプライン軸部32と巻取りドラム3とを、リング部材70とラチェットホイール50を介して相対回転不能に締結するように構成してある。
【0048】
ここで、リング部材70の右端面がガイド部55の左端面に当接するまでにリング部材70が筒部56に対して回転可能な回転数、つまり前記捩じり変形回転量は、リング部材70の組付け時、リング部材70の右端面をガイド部55の左端面に当接させた状態から、リトラクタ部材70を前記と逆方向へ所望の回転数だけ回転させることにより簡単に設定できる。尚、この場合、リング部材70を容易に回動させないように、筒部56に樹脂コーティングを施し、筒部56とリング部材70間に摩擦力をある程度作用させておくのが望ましい。
【0049】
次に、シートベルトリトラクタ1の作用について、図10のウエビングWに作用する荷重特性を参照しながら説明する。
通常状態においては、緊急ロック機構7が作動しないため、巻取りドラム3からウエビングWを自由に引出し、シートに着座している乗員の腰部や胸部等にセットすることができる。
【0050】
ウエビングWを乗員の身体にセットした状態において、車両衝突等の車両緊急時には、強制巻取り機構6により、巻取りドラム3が巻取り方向へ強制的に回動され、弛んだウエビングWが巻取りドラム3に巻取られ引締められるとともに、緊急ロック機構7により、スピンドル軸4のスプライン軸部32が回転不能にロックされ、その後、巻取りドラム3に巻付けられているウエビングWの巻締まりが生じた後ウエビングWが繰出され、ウエビングWに作用する荷重が上昇していく。
【0051】
その後、ウエビングWの繰出し量がL1となり、ウエビングWに作用する荷重が所定のW1に達すると、スピンドル軸4のトーションバー部30が捩じり変形し、スピンドル軸4のロックされたスプライン軸部32に対してローレット軸部31が巻取りドラム3とともに回動し、トーションバー部30の捩じり変形を介して乗員の運動エネルギーが吸収され、ウエビングWから乗員に作用する荷重がW1から徐々に増大しながら、ウエビングWが繰出されていく。このとき、巻取りドラム3とともに回動するリング部材70は、図8の状態を経て右側へ移動していく。
【0052】
通常、ウエビングの繰出し量がL2になるまでの間に全ての運動エネルギーが吸収される。しかし、万一ウエビングWに作用する荷重がW2になり、スピンドル軸4のトーションバー部30の前記捩じり変形回転量が所定値に達すると、図9に示すように、リング部材70の右端面がガイド部55の左端面に当接して、リング部材70がラチェットホイール50と一体化し、スプライン軸部32がラチェットホイール50とリング部材70を介して巻取りドラム3と相対回転不能に締結され、トーションバー部30の破断を防止する。こうして、巻取りドラム3が完全に回転拘束され、ウエビングWの繰出しが阻止されて、そのウエビングWで乗員が確実に拘束される。
【0053】
このように、上記シートベルトリトラクタ1によれば、締結機構8を設けたので、緊急ロック機構7の作動後にスピンドル軸4のローレット軸部31のスプライン軸部32に対するウエビング引出し方向への捩じり変形回転量が所定値になるまでトーションバー部30の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸4のスプライン軸部32と巻取りドラム3とを相対回転不能に締結することができる。
【0054】
その結果、車両緊急時にウエビングWに大きな荷重が作用した場合や、車両が一度に複数回衝突してスピンドル軸4が繰返し捩じり変形した場合でも、乗員の運動エネルギーを吸収するとともに、スピンドル軸4の破断を確実に防止し、最終的には乗員をウエビングWで確実に拘束できるため、乗員がステアリングホイールやフロントウインド等に2次衝突するのを確実に防止して、乗員の安全性を確保することができる。尚、荷重W1,W2は、トーションバー部30の長さ、径、材料、捩じり変形回転量の許容値(前記所定値)等を適切に設計することにより、適切に設定することができる。
【0055】
しかも、締結機構8は、スピンドル軸3のスプライン軸部32に相対回転不能に係合されたラチェットホイール50の筒部56に外嵌螺合され且つ巻取りドラム3に相対回転不能に内嵌されたリング部材70を備えたので、簡単な構造により前記作動を確実に実現することができ、また、リング部材70は、巻取りドラム3に対してその軸心方向へ相対移動可能に内嵌されているので、リング部材70がラチェットホイール50に対して相対回転する際に、リング部材70の右方への移動を許容でき、スピンドル軸4の捩じり変形による伸縮も許容できる。
【0056】
更に、締結機構8は、リング部材70をラチェットホイール50に当接させることによりスピンドル軸4のスプライン軸部32と巻取りドラム3とを締結するので、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達した時に、リング部材70とラチェットホイール50とを当接させて、リング部材70とラチェットホイール50を介して、スピンドル軸のスプライン軸部32と巻取りドラム3とをより確実に締結することができる。
【0057】
尚、このシートベルトリトラクタ1の締結機構8においては、ラチェットホイール50の筒部56及びリング部材70のネジ部を逆ネジに形成し、リング部材70が筒部56に対して、図7に矢印Aで示す方向へ回動すると、リング部材70を左方へ移動させ、リング部材70を巻取りドラム3に当接させることにより、リング部材70とラチェットホイール50を介して、スピンドル軸4のスプライン軸部32と巻取りドラム3とを締結するように構成してもよい。
【0058】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更実施形態について説明する。但し、前記実施形態と同じものには同一符号を付して説明する。
【0059】
1〕変更実施形態1・・・図11参照
このシートベルトリトラクタ1Aは、締結機構8Aにおいて、巻取りドラム3Aに形成された雌ネジ部81とスピンドル軸4の右端近傍部に相対回転不能に連結されたラチェットホイール50Aに形成され雌ネジ部81と螺合した雄ネジ部82とを有する螺合機構80を備え、ラチェットホイール50Aと巻取りドラム3Aとを当接させることにより、ラチェットホイール50Aを介して、スピンドル軸4のスプライン軸部32と巻取りドラム3Aとを締結するように構成したものである。
【0060】
巻取りドラム3Aの右鍔状部22には、その中央部分に嵌合穴26Aが形成され、その嵌合穴26Aの周面部に雌ネジ81が形成され、ラチェットホイール50Aには、そのギヤ部53よりも小径に且つギヤ部53の左側にガイド部55Aが一体形成され、そのガイド部55Aの左部に雄ネジ部82が形成され、嵌合穴26Aの内端面とガイド部55Aの左端面が当接可能になっている。
【0061】
このシートベルトリトラクタ1Aによれば、前記実施形態と略同様の作用・効果を奏するが、前記実施形態に比べるとリング部材70を省略できるため、構造が簡単化し組付けが有利になり製作コストも低減する。尚、スピンドル軸4のスプライン軸部32とラチェットホイール50は、左右方向へ相対移動可能であるため、スピンドル軸4の捩じり変形による伸縮を許容することができる。
【0062】
2〕変更実施形態2・・・図12参照
このシートベルトリトラクタ1Bは、締結機構8Bにおいて、巻取りドラム3Bに形成された雌ネジ部86とスピンドル軸4Bの他端近傍部に形成され雌ネジ部86に螺合した雄ネジ部87とを有する螺合機構85を備え、スピンドル軸4Bとラチェットホイール50Bとを一体形成し、スピンドル軸4Bの右端近傍部と巻取りドラム3Bとを当接させることによりスピンドル軸4Bの右端近傍部と巻取りドラム3Bとを締結するように構成したものである。
【0063】
巻取りドラム3Bの右鍔状部22には、その中央部分に嵌合穴26Bが形成され、その嵌合穴26Bの周面部に雌ネジ86が形成され、スピンドル軸4Bの右端部分にガイド部55Bが一体形成され、そのガイド部55Bの左部に雄ネジ部87が形成され、嵌合穴26Bの内端面とガイド部55Bの左端面が当接可能になっている。尚、ラチェットホイール50Bは、ガイド部55Bの右側においてスピンドル軸4Bと一体形成されている。
【0064】
このシートベルトリトラクタ1Bによれば、前記実施形態と略同様の作用・効果を奏するが、前記第1別実施形態に比べるとリング部材70を省略でき、スピンドル軸4Bとラチェットホイール50Bとを一体形成したので、更に、構造が簡単化し組付けが有利になり製作コストも低減できる。
【0065】
3〕その他、スピンドル軸の一端部と巻取りドラムとを相対回転不能に係合する構造として、前記キャップ部材35を省略し、スピンドル軸の一端部と巻取りドラムとを直接係合させてもよいし、キャップ部材35の代わりにその他の連結部材を介して、スピンドル軸の一端部と巻取りドラムとを係合させてもよい。
【0066】
4〕スピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック機構においては、前記実施形態の緊急ロック機構7以外の種々の緊急ロック機構を勿論適用することができる。また、巻取りドラム3、回動付勢機構5、強制巻取り機構6等においても、種々の構造のものを勿論適用することができる。
【0067】
尚、本発明に係るシートベルトリトラクタは、前記実施形態で説明したものに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して、種々の形式のシートベルトリトラクタに適用することができる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1のシートベルトリトラクタによれば、車両緊急時にスピンドル軸の一端部のロックされた他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設けたので、車両緊急時にウエビングに非常に大きな荷重が作用した場合や、車両が一度に複数回衝突してスピンドル軸が繰返し捩じり変形した場合でも、乗員の運動エネルギーを吸収するとともに、スピンドル軸の破断を確実に防止し、最終的には乗員をウエビングで確実に拘束できるため、乗員のステアリングホイールやフロントウインド等への2次衝突を確実に防止して、乗員の安全性を確保することができる。
また、締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたので、締結機構の構造が簡単化し製作コストが安価になるとともに、その締結機構により、車両緊急時にスピンドル軸の前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、スピンドル軸の他端近傍部に対して巻取りドラムを相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、螺合機構の雌ネジと雄ネジとを螺合締結させて、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に確実に締結することができる。
【0069】
請求項2のシートベルトリトラクタによれば、巻取りドラムと、スピンドル軸と、緊急ロック手段と、緊急ロック手段の作動後にウエビングに加わる張力により巻取りドラムとスピンドル軸の一端とが一体的に回転してスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対するウエビング引出し方向への捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構とを設けたので、請求項1と同様に、車両緊急時にウエビングに非常に大きな荷重が作用した場合や、車両が一度に複数回衝突してスピンドル軸が繰返し捩じり変形した場合でも、乗員の運動エネルギーを吸収するとともに、スピンドル軸の破断を確実に防止し、最終的には乗員をウエビングで確実に拘束できるため、乗員のステアリングホイールやフロントウインド等への2次衝突を確実に防止して、乗員の安全性を確保することができる。
【0071】
また、締結機構は、車両緊急時にスピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック手段の一部を構成するラチェットホイールと巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたので、締結機構の構造が簡単化し製作コストが安価になるとともに、その締結機構により、前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、スピンドル軸の他端近傍部に相対回転不能に一体的に設けられたラチェットホイールに対して巻取りドラムを相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、螺合機構の雌ネジと雄ネジとを螺合締結させて、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に確実に締結することができる。
【0072】
請求項3のシートベルトリトラクタによれば、請求項1と同様の効果を奏するが、締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結するので、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達した時に、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを当接させて、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとをより確実に締結することができる。
【0073】
請求項4のシートベルトリトラクタによれば、請求項2と同様の効果を奏するが、締結機構は、ラチェットホイールと巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結するので、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達した時に、ラチェットホイールと巻取りドラムとを当接させて、ラチェットホイールを介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとをより確実に締結することができる。
【0074】
請求項5のシートベルトリトラクタによれば、締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部に外嵌螺合され且つ巻取りドラムのスプライン状の嵌合孔に相対回転不能に内嵌されたリング部材を備えたので、車両緊急時にスピンドル軸の前記捩じり変形回転量が所定値になるまで、スピンドル軸に対して巻取りドラムとともにリング部材を相対回転可能にして、スピンドル軸の捩じり変形を許し、前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき、リング部材をスピンドル軸の他端近傍部に螺合締結させて、リング部材を介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に確実に締結することができる。
【0077】
また、締結機構はリング部材を巻取りドラムに当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結するので、車両緊急時に前記捩じり変形回転量が所定値に達した時に、リング部材と巻取りドラムとを当接させて、リング部材を介してスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとをより確実に締結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシートベルトリトラクタの分解斜視図である。
【図2】シートベルトリトラクタの左上側からの斜視図である。
【図3】シートベルトリトラクタの右上側からの斜視図である。
【図4】シートベルトリトラクタの要部斜視図である。
【図5】シートベルトリトラクタの要部断面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図5のVII −VII 線断面図である。
【図8】シートベルトリトラクタの要部断面図である。
【図9】シートベルトリトラクタの要部断面図である。
【図10】ウエビングに作用する荷重特性図である。
【図11】変更実施形態1に係るシートベルトリトラクタの要部断面図である。
【図12】変更実施形態2に係るシートベルトリトラクタの要部断面図である。
【符号の説明】
W ウエビング
1,1A,1B シートベルトリトラクタ
3,3A,3B 巻取りドラム
4,4B スピンドル軸
7 緊急ロック機構
8,8A,8B 締結機構
30 トーションバー部
50,50A,50B ラチェットホイール
70 リング部材
75,80,85 螺合機構
Claims (5)
- ウエビングを巻取る巻取りドラムと、一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されトーションバーとして機能するスピンドル軸とを備え、車両緊急時にスピンドル軸の捩じり変形によりエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、
車両緊急時にスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設け、
前記スピンドル軸の一端部と前記巻取りドラムとが、キャップ部材を介して相対回転不能に係合されており、
前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたことを特徴とするシートベルトリトラクタ。 - 車両緊急時にトーションバーの捩じり変形を介してエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、
ウエビングを巻取る巻取りドラムと、
この巻取りドラムに挿通するように配設されて一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合され且つトーションバー部を有するスピンドル軸と、
車両緊急時にスピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック手段と、
前記緊急ロック手段の作動後にウエビングに加わる張力により巻取りドラムとスピンドル軸の一端とが一体的に回転してスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対するウエビング引出し方向への捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構とを備え、
前記スピンドル軸の一端部と前記巻取りドラムとが、キャップ部材を介して相対回転不能に係合されており、
前記締結機構は、車両緊急時にスピンドル軸の他端近傍部を回転不能にロックする緊急ロック手段の一部を構成するラチェットホイールと巻取りドラムの一方に形成された雌ネジ部と他方に形成され雌ネジ部に螺合した雄ネジ部とを有する螺合機構を備えたことを特徴とするシートベルトリトラクタ。 - 前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とする請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
- 前記締結機構は、ラチェットホイールと巻取りドラムとを当接させることによりスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とする請求項2に記載のシートベルトリトラクタ。
- ウエビングを巻取る巻取りドラムと、一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されトーションバーとして機能するスピンドル軸とを備え、車両緊急時にスピンドル軸の捩じり変形によりエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、
車両緊急時にスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設け、
前記スピンドル軸の一端部と前記巻取りドラムとが、キャップ部材を介して相対回転不能に係合されており、
前記締結機構は、スピンドル軸の他端近傍部に外嵌螺合され且つ巻取りドラムのスプライン状の嵌合孔に相対回転不能に内嵌されたリング部材を備え、
前記締結機構は、リング部材を巻取りドラムに当接させることによりスピンドル軸の他 端近傍部と巻取りドラムとを締結することを特徴とするシートベルトリトラクタ。
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