WO2004067338A1

WO2004067338A1 - シートベルトリトラクター

Info

Publication number: WO2004067338A1
Application number: PCT/JP2004/000793
Authority: WO
Inventors: Takao Katayama
Original assignee: Ashimori Industry Co., Ltd
Priority date: 2003-01-31
Filing date: 2004-01-29
Publication date: 2004-08-12
Also published as: KR101105623B1; KR20050091092A; DE602004005320T2; DE602004005320D1; EP1600342B1; JP2004262262A; JP4166095B2; EP1600342A4; US20060214494A1; EP1600342A1

Abstract

　　シートベルトリトラクターにおいて、シートベルトの一定位置での停止と抵抗値の安定化を図るため、緊急時にシートベルトに作用するエネルギーを吸収するため、巻取ドラムの回転軸であるトーションバー４（第１のエネルギー吸収手段）の捻りに加え、ワイヤのしごきを利用した第２のエネルギー吸収手段を備え、緊急時にシートベルトに作用するエネルギーを第１及び第２のエネルギー吸収手段による吸収状態から第１のエネルギー吸収手段のみによる吸収状態に瞬時に切り換えるクラッチ機構を備えた。

Description

明細書シートべノレトリトラクター技術分野

本発明は、車両緊急時にゥビングの引き出しを抑えて乗員の移動を抑制すると共に、乗員へ作用する衝撃荷重を吸収するエネルギー吸収手段を備えたシートベルトリトラクターに関するものである。背景技術

従来のシートベルトリトラクターにおいて、緊急時にシートべノレトに大きな抵抗荷重を与え、その後、抵抗荷重を軽減して乗員の安全を図るものが知られている。 1例として、ゥェビングが卷取られる筒状のスプール（卷取ドラム) の一端側に相対回転可能に設けられたロックベース (ロッキングベース) と、緊急時に口ックベースのゥヱビング引出方向の回転を阻止する口ック手段と、スプール内に一端が連結されて嵌揷されると共に他端がロックベースに連結され、口ック手段により口ックベースのゥヱビング引出方向回転阻止状態ではねじれ変形を行うトーシヨンバーと、一端がロックベースに固定され他端部及ぴ中間部がスプール内に挿入され、口ックベースに対してスプールが相対回転す 'る際にスプールから抜き出されるワイヤと、ワイヤを切断可能な切断手段とからなるゥェビング卷取装置（シートベルトリトラクター）が知られている（特開 2 0 0 1— 3 0 1 5 6 9号公報参照）。

このゥェビング卷取装置においては、スプール (卷取ドラム) には、一端部が口ックベースに固定されたワイヤが挿入されているため、緊急時に口ックベースの回転が阻止されると、トーションバーの捩り荷重及ぴワイヤのしごき荷重がフォースリミッタ荷重としてゥェビングに作用するようにしている。そして、 '任意のタイミングでワイヤを切断し、これによりフォースリミッタ荷重がトーションバーの捩り荷重のみに低減されるようにしている。

前記従来のゥェビング卷琅装置においては、スプール（卷取ドラム）から抜き出されたワイヤが切断手段によって接触してから切断されるまでの間、しごき荷重によるヮィャの抜き出しの抑制による抵抗は抜き出される時の抵抗より大きくなるが、ワイヤの切断後にはワイヤによる抵抗が全くなくなるため、その間におけるゥヱビングの引張力の差が大きくなる。そのため、ワイヤ切断開始時には前方への移動が抑制されている乗員は、ワイヤが切断されると急激に前方へ移動させられるので、所定位置で停止しないおそれがある。また、ヮィャは拔出方向に対して垂直に切断されるので、ゥヱビングの引張力つまりスプールから抜き出されるワイヤの抜き出し速さによって切断位置がずれ、，一定の位置での切断が行われず、したがって、ゥェビ.ング引き出し抵抗が安定しないという問題がある。

したがって、本発明の目的は、前記従来の問題を解決するためになされたものである。

すなわち、その第 1の目的は、抵抗荷重を供給するエネルギー吸収（E A) 手段のエネルギー吸収量を適宜選択できるようにすることで、一定位置での停止とゥェビング引き出し抵抗の値の安定化を図ることである。

第 2の目的は、乗員の体格や衝突の大きさや時間等に応じて最適なェネルギー吸収を行えるように、エネルギー吸収手段の荷重の供給を停止させ、停止するタイミングを自由に調整できるようにすることである。

第 3の目的は、エネルギー吸収部材が任意のタイミングで抵抗荷重の切り替え時に余分なエネルギー吸収が発生せず、エネルギー吸収部材の荷重供給を安定させ、乗員を容易に所定位置に停止させることができるようにすることでめ ) ₀ 発明の開示

1 . 本発明は、ゥェビングが卷装された卷取ドラムと、その一端部が卷取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共にゥェビングの卷取方向に付勢された卷取軸と、ゥェビング引出方向への回転を抑止する緊急ロック機構と、卷取軸の他端部近傍に配置されるクラツチ構と、卷取ドラムの他端部側面に近接して設けられると共に卷取軸の他端部にクラツチ機構を介して設けられるプレート体と、卷取ドラムの側面とプレート体との間に配置され、互いに相対回転することで抵抗荷重を供給するエネルギー吸収手段とからなるシートベルトリトラクターであって、クラッチ機構は、プレート体が卷取軸の他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態から卷取軸の他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替えると共に、任意のタイミングで切り替えを開始するクラツチ解除機構を有するシートベルトリトラクターである。

2 . 本発明は、ゥビングが卷装された卷取ドラムと、卷取ドラムに嵌揷され、その一端部が卷取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共に、ゥヱビングの卷取方向に付勢されたトーションパーと、トーションパーの他端部に配置されゥヱビング引出方向への回転を抑止する緊急ロック機構と、緊急時に緊急口ック機構を作動させるロック起動装置と、トーションバーの他端部近傍に. 配置されるクラツチ機構と、卷取ドラムの他端部側面に近接して設けられると共にトーションパーの他端部にクラツチ機構を介して設けられるプレート体と、卷取ドラムの側面とプレート体との間に配置され、 'お互いが相対回転することで抵抗荷重を供給する第 2のエネルギー吸収手段とからなるシートベルトリトラクタ一であって、クラツチ機構は、プレート体がトーシヨンバーの他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態からトーションバーの他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替えると共に、任意のタイミングで切り替えを開始するクラッチ解除機構を有するシートベルトリトラクターである。

上記 1又は 2項の構成を備えた本発明によれば、車両等の緊急時にロック起動装置が緊急口ック機構を作動させると、卷取軸又はトーションバーの他端部はゥビング引出方向への回転が抑止され、卷取ドラムの回転も抑止される。このとき、所定値以上の引き出し力でゥェビングが引き出されると、卷取軸又はトーションバ一は一端部が回転しようとする卷取ドラムに相対回転不能に結合され、他端部が回転抑止した緊急口ック装置に相対回転不能に結合されているのでねじれ変形を生じつつ、卷取ドラムが回転する。同時に、回転している卷取ドラムと回転が抑止された卷取軸又はトーションバー他端部側でクラッチ機構によって相対回転不能であるプレート体との間でも相対回転が生じ、第 2 のエネルギー吸収（E A ) 手段によって抵抗荷重が供給される。プレート体がクラツチ機構によって巻取軸又はトーションパーの他端部に相対回転不能である第 1状態では、卷取軸又はトーシヨンパー（第 1のェネルギー吸収手段）及ぴ第 2エネルギー吸収（E A) 手段が作動している。任意のタイミングでクラツチ起動機構を介して作動させられたクラツチ機構は、プレ一ト体を卷取軸又はトーションパーの他端部に相対回転可能である第 2状態に切り替えて、卷取軸又はトーシヨンバーだけでエネルギー吸収（E A ) を行わせる。

これにより、エネルギー吸収の開始時には、卷取軸又はトーションパー（第 1のエネルギー吸収手段）及ぴ第 2エネルギー吸収手段の両方或いは卷取軸又はトーションパーのみを作動させてエネルギー吸収量を適宜選択することができる。また、第 1及ぴ第 2のエネルギー吸収手段の両方を用いてエネルギー吸収を開始してから、乗員の体格や衝突の大きさや時間等によって最適なェネルギー吸収を行えるよう、途中で第 2エネルギー吸収手段の荷重の供給を停止させて卷取軸又はトーションパーだけでエネルギー吸収することができる。第 2 のエネルギー吸収手段のエネルギー吸収部材（ワイヤ）に接触せずに、その抵抗荷重の供給を停止させるので、切り替え時に余分なエネルギー吸収が発生せず、荷重供給が安定したものとなり、乗員を所定位置に停止させることが容易に行える。

3 . 本発明は、上記 2項に記載されたシートベルトリトラクターにおいて、クラッチ機構が、緊急ロック機構に相対回転不能に結合されたジョイントプレートと、プレート体の卷取ドラム反対側面に旋回可能に枢着されて、ジョイントプレートに接触して外方へ旋回する少なくとも 1つからなるジョイントパウルと、ト一ションバー他端側のハゥジングの側板に固定されたケーシングに回転しながら軸方同に移動可能に保持され、ジョイントパウルの'外周に配置されるリリースリングと、ケーシングに取り付けられたリリースリングを作動させるクラッチ解除機構とを備えているシートベルトリトラクターである。

この発明によれば、ロック起動装置が緊急ロック機構を作動させたとき、トーシヨンバー及ぴ第 2エネルギー吸収（E A) 手段が実際に荷重を供給するまでにゥ工ビングが引っ張られて、卷取ドラムも引出方向に回転させられる。この時、プレート体は卷取ドラムと相対回転するまでの間に僅かに一体回転す 'るので、緊急口ック機構に相対回転不能に結合されたジョイントプレートとの間で相対回転が生じ、ジョイントパウルの内周側がジョイントプレートに当接してジョイントパウルは外方に押される。リリースリングはジョイントノウルの外周に位置しているので、ジョイントパウルの外方への展開が抑制されている。クラッチ解除機構が作動すると、リリースリングは回転しながらトーションパーの軸方向に移動させられ、ジョイントパウルの設けられた外周面から外 ' れるので、ジョイントパウルが外方に展開する。従って、プレート体はプレート体の回転を抑止していたジョイントプレートから離れるので、卷取ドラムと一体回転して、ワイヤ（エネルギー部材）の抵抗荷重の供給が停止されてトーシヨンパーのエネルギー吸収 ( E A) だけが行われる。

プレート体は、通常のシートベルトリトラクター使用時には、卷取ドラムと一体回転するが、緊急ロック機構が作動すると、卷取ドラムとは一体回転しない状態となり、クラッチ解除機構によるクラッチ機構の作動により一体回転状態となる。

このように本発明によれば、組み付け時にクラツチ機構の設定が行われると、容易に配置できる。

また、クラッチ解除機構を作動させるとき、クラッチ機構は回転が抑止された状態で行われるので、クラッチ解除機構からの作動が安定したものとなる。

さらに、ジョイントパウルが外周方向へ展開した瞬問にエネルギー吸収手段の荷重が增えることなくゼロになるので、荷重切り替えの移行がスムーズに行われる。

4 . 本発明は、上記 3項に記載されたシートベルトリトラクターにおいて、クラツチ解除機構が、任意のタイミングでケーシングに設けられたシリンダにガスを発生させるガス発生手段と、ガスの圧力でシリンダ内で押圧駆動され、リリースリングの外周を押してリリースリングを回転させるビストンとからなるシートベルトリトラクターである。 ·

これにより、ガス発生手段によりケーシングのシリンダ内で押圧駆動されたピストンは、リリースリングの外周を押して回転させてクラツチを外すことができる。

5 . 本発明は、上記 4項に記載されたシートベルトリトラクターにおいて、リリースリングの外周には、ピストンに当接される当接部と、外周上に均一な間隔で配置される複数のテーパ部が設けられ、リリースリングを保持るケーシングには、回転したリリースリングのテーパ部に対応する凸部が設けられているシートベルトリトラクタである。 . ·

これにより、回転させちれたリリースリングは、外周上に設けたテーパ部がケーシングの凸部に案内されてトーションバーの軸方向に移動させられ、こ. の時、テーパ部をリリースリングの外周に均一な間^で配置することで、リリースリングの平面を軸に対して垂直な状態で移動させることができる。

また、上記 4及ぴ 5項記載の本発明によれば、リリースリング内周面にジョイントパウルの外周方向への力が接触して作用しているが、ガス圧で駆動されたビストンがリリースリングを一気に回転させるので、接触による摩擦抵抗にも屈せず、ジョイントパウルをすぐに外周方向へ解除することができる。

リリースリングの面をトーションパーの長手方向に垂直な状態で移動させるので、ジョイントパウルとリリースリングとの接触が一気に解除され、切り替えるときに第 2エネルギー吸収手段が供給する荷重以外に余計な荷重を発生させない。

6 . 本発明は、上記 1〜 5項のいずれか 1項に記載されたシートベルトリトラクタ一において、クラッチ機構には、ジョイントパウルを位置決め支持するパウルホルダが設けられ、パウルホルダにはジョイントパウルを軸心方向に付勢させると共にジョイントパウルの作動後は初期位置に戻させないリブがー体形成されているシートベルトリトラクターである。

これにより、第 1状態でのジョイントパウルの位置を、パネ付勢をして維持させている。外方に展開したジョイントパゥルは、パウルホルダのリプによつて初期位置に戻ることが抑止されて展開位置に留まる。また、その留まったジョイントパウルは、リリースリングがジョイントパウルの外周面上に戻ることを抑止している。

7 . 本発明は、上記 2〜 6のいずれか 1項に記載のシートベルトリトラクターであって、第 2のエネルギー吸収手段が、卷取ドラムのトーシヨンパー他端側の側面に設けられた屈曲路と、一端がプレート体の卷取部に固定され、その略中間部が屈曲路に配置されたワイヤとからなるシートベルトリドラクタである。

これにより、緊急ロック装置が作動したとき、所定値を越えたゥヱビングの引張力によって回転する卷取ドラムと回転が抑止されたトーシヨンバー他端部側のプレート体との間で相対回転が生じ、回転している卷取ドラムは回転が抑止されたプレート体の卷取部に一端が固定されているワイヤを屈曲路において随時変形させながらプレート体の卷取部に卷き付けていく。

上記第 6項及び第 7項に記載された本発明によれば、ジョイントノウルをパネ付勢していることで、シートベルトリトラクターを通常の使用で卷取ドラム等と一緒に回転させても所定位置に位置づけされるので、ジョイントノウルの動作を安定させることができる。

プレート体が卷取軸の他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態から卷取軸の他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態への所定位置へジョイントパウルとリリースリングとを戻すこ'どを防いでいるので、第 2のエネルギー吸収手段の荷重を加えずにトーションパーの抵抗荷重を安定させて供給している _c 別途部材を用いることなく、第 2のエネルギー吸収手段を安価で容易な構造とすることができる。 , 図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係るシートベルトリトラクターの全体構成を示す正面図である。

図 2は、図 1で示されたハゥジング、卷取ドラム、トーシヨンバー、口ッキングベース、ベースストツパ等の組立てを説明するための分解斜視図である。

図 3は、卷取ドラム、プレート組立体、リテーナ、パウルホルダの組立てを説明する分解斜視図である。

図 4は、図 3に示されたプレート組立体の組立てを説明する分解斜視図である。

図 5は、プレート組立体の側面図である。図 6は、プレート組立体の一部断面正面図である。

図 7は、プレー 'ト体の他の実施例を示す部分拡大正面断面図である。

図 8は、図 3に示されたプレート組立体と巻取ドラムとを組み立てた組立体め正面断面図である。

図 9は、図 8に示された前記組立体の一部切断側面図である。

図 1 0は、図 8に示された前記組立体を回転させた正面断面図である。図 1 1は、図 1 0に示された組立体の一部切断側面図である。

図 1 2は、図 2で示されたハウジング、ケーシング等の組立てを説明するための分解斜視図である。

図 1 3は、リリースリング、ケーシング、ピストン、ガスジェネレータ、ガスジェネレータホルダ等の分解斜視図である。

図 1 4は、パウルホルダの拡大斜視図である。

図 1 5は、ジョイントパウルの拡大斜視図である。 ,

図 1 6は、クラッチ機構の作動前状態の一部切断側面図である。

図 1 7は、図 1 6に示されたクラッチ機構の断面平面図である。

図 1 8は、クラッチ機構が係止している状態を説明するための一部切断側面図である。（第 1状態）

図 1 9は、図 1 8に示されたクラッチ機構の断面平面図である。

図 2 0は、クラッチ機構が外れた状態の一部切断側面図である。（第 2状態）図 2 1は、図 2 0に示されたクラッチ機構の断面平面図である。

図 2 2は、ロッキングベース、ロッククラッチ体、力パー体等の組立てを説明するための分解斜視図である。 - 図 2 3は、図 1で示されたトーションバー、ロックパウル、ロッキングべース等の組立てを説明するための分解斜視図である。

図 2 4は、本発明のゥェビング引張力とゥェビング引き出し量との関連を示す線図である。発明を実施するための最良の形態

本発明のシートベルトリトラクターの好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図 1は本発明に係るシートベルトリトラクター全体の構成を示す正面図であり、図 2は図 1のシートベルトリトラクターの要部を構成する卷取ドラム 2、コネクタ 3、ノヽウジング 9、トーシヨンパー 4、ロッキングベース 5、ベースストツパ 7等の組立てを説明するための分解斜視図である。

図 2において、シートベルトリトラクターにはゥェビングが卷装される略円筒状の卷取ドラム 2が設けられている。この卷取ドラム 2の中心にはトーシヨンパー 4が揷通され、かつ、その端部は後述するコネクタ 3を介して、卷取ドラム 2.の一端部と一体的に結合されると共に、ハウジング 9の一対の側板 ( 9 b , 9 c ) に回転自在に支持されている。そして、前記側板.9 cには、卷取ドラム 2をゥビング卷取方向に常時回転付勢する渦巻パネ 1 9 (図 1 ) が装着され、トーションパー 4は、そのゥェビングの卷取方向に回転付勢される。

なお、本実施形態こおいては、衝突時等の緊急時にガス圧等によりゥェビングの弛みを卷取り、乗員の移動を規制するいわゆるプリテンショナー機構 1 5 (図 1 ) も側板 9 cに具備された構造とされている。

ハウジングの側板 9 b側のトーションパー 4の外側他端部には略円盤状の口ッキングベース 5が一体的に結合されて、ゥビング引出方向への回転を抑止する緊急口ック機構を構成している。

トーションバー 4の他端部近傍には後述するクラッチ機構が配置されており、卷取ドラム 2の他端部側面に近接し、トーシヨンバー 4の他端部に後述の第 2のエネルギー吸収手段が配置され、車両緊急時の衝撃エネルギーの吸収を、これらトーシヨンバー (第 1のエネルギー吸収手段) 4と第 2のエネルギー吸収手段とで行う。

ノ、ゥジング 9は、車体に固定される背板の両側から左右の側板（ 9 b、 9 c ) が立ち上がり、略コ字状の断面を有するように金属板をプレス成形したものである。

また、ベースストッパ 7は、卷取ドラム 2からロッキングベース 5が抜けるのを防止するためのものである。 ' '

(第 1のエネルギー吸収手段）次に、第 1のエネルギー吸収手段について説明する。

図 2に示すよう.に、トーションパー 4の一端部はこれと同形のコネクタ 3 の孔に嵌合され、他端部はロッキングベース 5と一体回転可能に結合されている。 ·，

コネクタ 3はハウジング 9の側板 9 cに穿設された孔 9 dに回転自在に支持され、かつ、卷取ドラム 2の一端部に形成されたコネクタ 3の外形に対応した六角形の嵌合凹部に嵌合され、これにより、トーシヨンバー 4は巻取ドラム 2 と一体回転可能となっている。

したがって、緊急口ック機構が作動してトーションパー 4の他端部が固定されても、トーシヨンバー 4の一端部はゥェビングの引き出しにより卷取ドラム 2と一体に回転し、つまり、卷取ドラム 2の回転力でトーシヨンバー 4はねじれ、そのねじれ抵抗によりゥェビングの引き出しエネルギーを吸収することができる。

このように、トーションバー 4は第 1のエネルギー吸収手段として働く。 (第 2のエネルギー吸収手段） '

次に、第 2のエネルギー吸収手段を図 3〜 6に従って説明する。

図 3は、第 2のエネルギー吸収手段を構成するプレート組立体 2 eの組立てを説明するための分解斜視図である。プレート組立体 2 eは、プレート体 2 a'、複数回巻回された渦巻き状ワイヤ 2 b及び中心孔の周りに円周状に複数設けた凸部 2 qを有する円板部材 2 cからなつている。

図 3において、ワイヤの一端部 2 gはプレート体 2 aに固定し、ワイヤの卷回部 2 hは円板部材.2 cの図 3でみてその背面に係止している。

図 4は第 2のエネルギー吸収手段の全体を示した分解斜視図である。プレ一ト組立体 2 eと卷敢ドラム 2とをリテーナ 2 dで取り付ける。

また、図 5及び図 6は、図 3で示されたプレート体 2 aとワイヤ 2 bと円板部材 2 cとで組み立てられたプレート組立体 2 eの側面図及ぴその一部断面正面図である。

図 4において、卷取ドラム 2の口ッキングベース側つまり図中左側端面には、第 2のエネルギー吸収手段の一部を構成するための略円形の収納凹部 2 f が設けられている。さらに、収納凹部 2 f の中央には、ロッキングベースのポス部 5 c (図 2 ) を受容する嵌合孔 2 kが設けられている。収納凹部 2 f の底面の嵌合孔 2 kより外周側における所定箇所には、ワイヤ 2 bと係合するための係合ピン 1 4が設けられている。ここでは、 3個の略半円状の係合ピン 1 4 が、周方向に沿って収納凹部 2 f の底面に一体的に突設され、ワイヤ 2 bは渦卷き状をなし、その外周部 2 i (図 3 ) は係合ピン 1 4の円弧状摺接面に適合した湾曲形状となっている。

図 5は、図 3に示された各分解部品を組立てたプレート組立体 2 eの側面図である。図示のように、円板部材 2 ,cとプレート体 2 aは、渦巻き状のワイャ 2 bを介在させた状態で互いに嵌合一体化されている。つまり、プレート体 2 aと円板部材 2 cはワイヤ 2 bの略径に相当する距離だけ離間して卷取部 2 mを形成し、円板部材 2 cがプレート体 2 aに相対回転不能に結合する。

その際、ワイヤ 2 bの屈曲した一端部 2 gはプレート体 2 aの屈曲溝 2 n (図 6 ) 中に設置して固定している。

このようにプレート体 2 aに一端が固定されたワイヤ 2 bはプレート体 2 aと円板部材 2 c との間の隙間部分を通って卷取ドラム 2とプレート組立体 2 eとが相対回転するときに、ワイヤ 2 bの巻取部 2 mとなるプレート体 2 a上面に達している。

組立て状態では、円板部材 2 cはプレート体 2 aの卷取部 2 mとワイヤ 2 bめ一端部 2 gとを覆うように構成されている。

図 6はプレート組立体 2 eの内部構造を示すためにその一部を破断して示した正面図である。図示のように、プレート体 2 aの卷取部 2 mに複数の略半円の凸部 2 pによって屈曲溝 2 nを形成し、その屈曲溝 2 nにワイヤ 2 bの一端部 2 gを配置し結合する。その屈曲溝 2 nは卷取ドラム 2の屈曲路 2 j (図 4 ) の曲率半径より小さく形成する。

図 Ίはこの屈曲溝 2 nの別の実施形態を示すものであって、プレート体 2 aの複数の凸部 2 pにおいて、屈曲溝 2 nを形成する凸部 2 p間で少なくとも一組の相対向するリブ 2 rを設け、そのリブ間はワイヤ 2 の径ょり小さくしたものである。図 8は、図 4に示された卷取ドラム 2とプレート組立体 2 eとの組立てた状態を示す正面断面図、図 9は図 8に示された組立体の一部切断側面図、図 1 0及び図 1 1は、図 8に示された組立体において、緊急口ッ'ク機構が作動後に、巻取ドラム 2がある程度回転した後における正面断面図及ぴ一部切断側面図である。

以上の構成からなる第 2のエネルギー吸収手段は、卷取ドラム 2とロッキングベース 5との間に区画された収納空間内に収納される。緊急口ック機構が作動した後、卷取ドラム 2が回転すると、図 8及び図 9に示されたワイヤ 2 b は図 1 0及び図 1 1に示されたように前記卷取部 2 mに卷き取られる。

その際、ワイヤ 2 bは円板部材 2 c とプレート体 2 aとの間で、その円板部材 2 c外周面より突出した湾曲形状の外周部 2 iを卷取ドラム 2の 3個の略半円形の係合ピン 1 4に摺接しながら相対移動する。

衝突等の緊急時に蘩急ロック機構が作動すると、トーションパー 4の他端部に結合されている口ッキングベース 5のゥェビング引き出し方向への回転が阻止される。そして、ゥヱビングに作用する荷重によって所定以上の回転トルクが卷取ドラム 2に作用すると、トーシヨンバー 4 (第 1のエネルギー吸収手段）の一端部で捩り変形が始まる。

これにより、卷取ドラム 2がトーションバー 4の捩り変形量の分だけ回転し同時に他端が固定されたゥェビング引き出し方向に回転することで、衝擊ェネルギ一が吸収される。また、トーシヨンパー 4の捩り変形の開始によって、卷取ドラム 2と口ッキングベース 5との間に相対回転が発生し、これに基づき第 2のエネルギー吸収手段による衝撃エネルギーの吸収も開始される。

卷取ドラム 2が口ッキングベース 5に対して回転する間、ワイヤ 2 bの一端部 2 gが固定されたプレート体 2 aは口ッキングベース 5に結合されて回転せず、他方卷取ドラム 2に一体形成された係合ピン 1 4は回転するため、係合ピン 1 4の間でワイヤ 2 bがしごかれていく。換言すれば、ワイヤ 2 bは、係合ピン 1 4間を蛇行するようにしごかれながら順次係合ピン 1 4上を摺動していく。その際、高い摺動抵抗及びワイヤ 2 bの屈曲抵抗が生じ、この摺動抵抗及ぴ屈曲抵抗により、衝撃エネルギーの吸収がなされる。つまり、車両緊急時に緊急ロック機構が作動して、卷取ドラム 2に作用するゥヱビング引き出し方向の荷重が所定以上になると、トーシヨンバー 4 (第 1のエネルギー吸収丰段）と第 2のエネルギー吸収手段との双方が、それぞれエネルギ一吸収機構として作動して、車両緊急時の衝撃エネルギーを吸収する。

(クラッチ機構）

次に、プレート体 2 aと緊急口ック機構の口ッキングベース 5との係脱を行い、プレート体 2 aを卷取ドラム 2との相対回転状態から、ロッキングベース 5と切り離して巻取ドラム 2と一体回転可能にするクラツチ機構について説明する。

このクラツチ機構は、プレート体 2 aがトーシヨンパー 4の他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態からトーションバー 4の他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替えるためのもので、衝突検出後の任意のタイミングで切り替えを開始するクラッチ解除機構をも有している。

クラッチ機構は、図 2に示された、緊急ロック機構に相対回転不能に結合されたジョイントプレート 5 b (図 2 3 ) と、プレート体 2 aの巻取ドラム 2 の反対側面に旋回可能に枢着されて、ジョイントプレート 5 bに面接触して外方へ旋回する 3つのジョイントパウル 1 2を備えている。

ジョイントパウル 1 2 (図 1 5 ) は、弓形部材で、その一端部にはプレート体 2 aの卷取ドラム 2反対側に枢着されるピン 1 2 bが形成され、そのピン 1 2 bを中心に旋回する。 'また、内周壁中央部には内側突起 1 2 a (図 1 5 )、及び、他端部内側には切欠部 1 2 c (図 1 5 ) をそれぞれ形成している。

ジョイントパウル 1 2を位置決め支持するために断面凹状で円形をなした. パウルホルダ (樹脂バネ) 1 3 (図 1 4 ) が設けられている。パウルホルダ 1 3にはその円周上にジョイントパウル 1 2の位置に対応し、かつ、それぞれにリブ 1 3 aを形成した爪状部 1 3 cが設けられており、そのリブ 1 3 aに形成され内部に傾斜した斜面 1 3 b、及び前記爪状部 1 3 cによりジョイントパゥル 1 2外側面に接触することで、その樹脂バネ作用により、ジョイントパウル 1 2を常に軸心方向に付勢させる。

なお、ジョイントパウル 1 2が前記樹脂パネの弹発力に抗して外方に旋回して、ノウルホルダ 1 3の前記リブ 1 3 aを乗り越えると、パウルホルダ 1 3 は押圧解除された前記爪状部 1 3 cがジョイントパウル 1 2の内側に復帰し、パウルホルダ 1 3のリブ背面 1 3 dがジョイントパウルの切欠部 1 2 cに当接する。一方、プレート体 2 aには、ジョイントパウル 1 2がパウルホルダ 1 3 を乗り越えた直後にジョイントパウルのプレート体 2 aに対する旋回を抑止する突起 2 sが設けられているため、ジョイントパウル 1 2はパウルホルダのリブ背面 1 3 dとプレート体の突起 2 sに挟持された状態となり、プレート体 2 aに対して旋回が抑止される。

従って、一度クラッチが切り離された後には、再びクラッチが作動することはない。

(クラッチ解除機構）

図 1 2はクラッチを解除するためのリリースリング 8、ハウジング 9、ケ一シング 1 0等の組立てを説明するための分解斜視図であり、図 1 3は図 1 2 に示されたリリースリング 8、ケーシング 1 0、ピストン 1 0 a、ガスジエネレータ 1 0 b、ガスジェネレータホルダ 1 1等を拡大した分解斜視図である。

図 1 2及び図 1 3によりクラツチ解除機構を説明すると、リリースリング 8はトーシヨンバー 4 (図 2 ) の他端側のハウジングの側板 9 bに固定されたケーシング 1 0上に回転可能に載匱されており、ジョイントパウル 1 2の外周に配置される。

クラツチ解除機構は、図 1 2及ぴ図 1 3に示すように、ケーシング 1 0と、衝突検出後、任意のタイミングで、シリンダ 1 0 e内にガスを発生させるガスジェネレータ (ガス発生手段) 1 0 bと、ガスの圧力によりシリンダ内で押圧駆動され、リリースリング 8の外周を押してリリースリング 8を回転させるピストン 1 0 a と力、らなっており、前記ガスジエネレータ 1 0 bはガスジエネレータホルダ 1 1によりケーシング 1 0に取り付けられている。

リリースリング 8の外周には、ピストン 1 0 aに当接される当接部 8 bと、外周上に均一な間隔で配置される 3つのテーパ部 8 aが設けられ、他方、リリースリング 8を保持するケーシング 1 0には、回転したリリースリング 8のテーパ部 8 aに対応するテーパ付き凸部 1 0 dが設けられている。作動時ガスの圧力により押圧駆動されたビストン 1 0 aがリリースリング 8の外周に設けられた当接部 8 bに当り、これにより、リリースリング 8が回転する。それによつて、リリースリング 8のテーパ部 8 aがケーシングのテ一パ付き凸部 1 0 dに案内されて、卷取ドラム 2 (図 2 ) の方へ後退して、ジョイントパウル 1 2 (図 2 ) の外周部から後退する。

次に、クラッチ機構の動作を図 1 6〜図 2 1に基づいて説明する。

図 1 6〜図 2 1はクラッチ機構の動作を説明するためのその一部を切断した側面図及び断面平面図である。

図 1 6〜図 2 1において、クラッチ機構は、既に述べたように、プレート体 2 aがトーシヨンバー 4の他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態からトーションパー 4の他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替える作動を行う。

組付け状態においては、パウルホルダ 1 3のリブ 1 3 aに形成した斜面 1 3 b (図 1 4 ) によりジョイントパウル 1 2は軸中心方向に付勢されている。 3 個のジョイントパウル 1 2は最も内側に収れんした位置でリリースリング 8の内周に非接触状態で固定されており、ジョイントパウル 1 2の内側突部 1 2 a がジョイントプレート 5 bの凸部 5 dに接触している。

ここで、緊急ロック機構が作動すると、ロックパウル 6の係止歯 6 b (図 2 3 ) がハウジングの側板 9 bに形成したロック歯 9 a (図 2 ) と嚙合い、ジョイントプレート 5 bと、回転を続けようするプレート体 2 a との間で、相対回転が生じる。このとき、ジョイントパウル 1 2とジョイントプレートの凸部 5 dとの間でも相対回転が生じ、それによつて、ジョイントパウル 1 2の内側突部 1 2 aをジョイントプレートの凸部 5 dが押接することでジョイントパゥル 1 2は外周方向に力を受け、外向きに展開しょうとする。

その力がパウルホルダ 1 3の付勢力を越したとき、ジョイントパウル 1 2 はリリースリング 8の内周壁に当接する。ジョイントパウル 1 2がリリースリング 8の内周壁に当接して外向きの展開が抑制されたときに、口ッキングべ一ス 5とプレート体 2 aがー体となり、卷取ドラム 2とプレート体 2 aとの間に相対回転が生じて、トーシヨンバー 4のエネルギー吸収に加えて、ワイヤ 2 a がしごかれて第 2のエネルギー吸収を行う。

次に、この状態でクラッチ解除機構が作動すると、ピストン 1 0 a (図 1 3 ) が作動して、リリースリング 8を回転させ、リリースリング 8の回転でそのテーパ部 8 aがケーシングのテーパ付き凸部 1 0 d (図 1 3 )に案内されて、卷取ドラム 2の方へ後退し、ジョイントパウル 1 2外周部からも後退する。ジョイントノウル 1 2はジョイントプレート 5 bに面接触して外方に拡開して、ジョイントプレートの凸部 5 dから外れ、プレート体 2 aと口ッキングベース 5とを解除させる。

つまり、クラッチ解除機構が作動して、リリースリング 8を軸方向に移動させると、図 2 0及び図 2 1に示すように、ジョイントパウル 1 2が外向きに展開.し、ジョイントプレートの凸部 5 dとジョイントパウル 1 2は完全に離れるので、ロッキングベース 5とプレート体 2 aとの一体固定が解除される。その結果、ワイヤ 2 bのしごきが停止するので、プレート体 2 aと卷取ドラム 2 は一体回転可能となる。ただ、この'場合でも、卷取ドラム 2とロッキングベース 5との相対回転は継続されるのでトーションパー 4のみがエネルギー吸収をける。

(緊急口ック機構）

図 2 2は、緊急ロック機構の組立てを説明するための分解斜視図であり、それは、ロッキングベース 5、ロッククラッチ体 1 6、カバー体 1 8等から構成されている。図 2 3は、トーシヨンパー 4、ロックパウル 6、ロッキングべース 5等の組立てを説明するための分解斜視図である。

緊急口ック機構の具体的な構成は、公知の種々のものを採用することができるが、一例として、図 2 2及ぴ図 2 3に示すように、ロッククラツチ体 1 6の一側面には、パネ受け部 1 6 aが突設され、このバネ受け部 1 6 aはロックキングベース 5に形成された凹溝状のバネ収容部 5 a内に相対移動自在に遊嵌されている。

この際、パネ収容部 5 aに収容保持されたコイルスプリングょりなる戻しパネ 1 7によって、パネ受け部 1 6 aが所定方向に弹発付勢されており、ロッククラツチ体 1 6はゥヱビングの引出方向に付勢された状態で口ックベース 5と同期回転すべく構成されている。

口ッキングベース 5の卷取ドラム 2側の面に突設された円筒状のボス部 5 cの揷通穴にトーシヨンパー 4が嵌挿されており、これにより、トーシヨンパ一 4は口ッキングベース 5と一体回転可能に結合される。

ロッククラッチ体 1 6には、ロックパウル 6 (図 2 3 ) に突設された連動ピン 6 aが摺動案内される突出ガイド溝 1 6 cが形成されており、戻しパネ 1 7の付勢力に抗した口ッキングベース 5とロッククラツチ体 1 6との相対回転により、連動ピン 6 aが突出ガイド溝 1 6 cに沿って摺動案内されるように構成され、この摺動案内により、ロックパウル 6の係止歯 6 bがロッキングベース 5 の外周面より出没自在に突出するように構成されている。

そして、これらロッキングベース 5、ロックパウル 6、卷取ドラム 2に設けられたロック歯 9 a (図 2 )、ロッククラッチ体 1 6等により緊急ロック機構が構成されている。

また、この緊急ロック機構を作動させるベく、力パー体 1 8内には、ゥェビングの急激な引き出し及ぴ、車両の急激な加速度の変化に反応して起動する緊急口ック起動機構とが備えられている。

口ッキングベース 5と口ックパウル 6はジョイントプレート 5 bで取り付けられている。

口ックパウル 6の先端には係止歯 6 bが形成されており、連動ピン 6 aによりロックパウル 6がロッキングベース 5に摺動可能に配置されている。また、ハゥジング 9の側板 9 bにロックノゥノレ 6の係止歯 6 bが嚙合可能なロック歯 9 aを設け、車両緊急時には、ロックパウル 6の係止歯 6 bをロック歯 9 aに嚙合させることで、口ッキングベース 5のゥェビング引き出し方向への回転を阻止する。

以上のように、本発明では第 2エネルギー吸収手段が、卷取ドラム 2と口ッキングベース 5とによる区画される収納空間内に収納されているため、トーションバー 4とは別個にエネルギー吸収を行うための第 2のエネルギー吸収手段を備えたにも拘わらず、シートベルトリトラクターの軸方向への寸法拡大がなく、コンパクト化が犠牲にされていない。また、第 2エネルギー吸収手段を構成するワイヤ 2 b及ぴ係合ピン 1 4は、ともに構造が簡単であり、製造が容易である。

図.2 4は、本発明のゥェビング引張力とゥェビング引き出し量との関連を示す線図である。

シーベルトリトラクター全体でのエネルギー吸収荷重は、図 2 4に示すように、トーシヨンバー 4が捩り変形を起こす時のエネルギー吸収荷重 f 1と、第 2エネルギー吸収手段に'よるエネルギー吸収荷重 f 2の総和 f 3となる。

そして、エネルギー吸収高荷重の場合、 O A B D Fとなり、クラッチ機構による切り替えによってエネルギー吸収低荷重の場合、 O A C Eとなり、エネルギー吸収中荷重の場合、 O A B D C Eとなる。 '

また、トーションバー 4の捩り変形によるエネルギー吸収域に対し、第 2 のエネルギー吸収手段の摺動抵抗によるエネルギー吸収域は、独自に自由に設定することができる。

例えば、第 2のエネルギー吸収手段によるエネルギー吸収域をトーションバー 4の捩り変形によるエネルギー吸収域の一部に重なるように設定することで、トーションバー 4の捩り変形によるエネルギー吸収域の一部では、双方のエネルギー吸収荷重の総和による高いエネルギー吸収荷重を確保できる。また、双方のエネルギー吸収域が重ならない範囲では、トーションパー 4の捩り変形によるエネルギー吸収作用だけで、低いエネルギー吸収荷重に設定することができる。このように、シートベルトリトラクターのエネルギー吸収機構に作動途中でエネルギー吸収荷重が変化するエネルギー吸収特性を持たせることもでさる。

さらに、シートベルトリトラクタ一全体でのエネルギー吸収荷重の調整は、トーションパー 4の軸径ゃ材料の変更だけでなく、第 2のエネルギー吸収手段の寸法、形状、材質の変更までもが関連し、多種の要素が関連する。例えば、トーションバー 4の軸径の拡大や材料の変更等によらなくとも、残りの要素の設計変更で、所望のエネルギー吸収荷重を実現することも可能である。すなわち、シートベルトリトラクター 1のトーシヨンバー 4ゃ卷取ドラム 2の径の縮減によるシートベルトリトラクターのコンパクト化を犠牲にすることなく、ェネルギー吸収荷重をより高く設定することが容易にできる。そして、トーションパー 4及び第 2のエネルギー吸収手段の双方の寸法や材料を変更可能な場合には、双方でエネルギー吸収荷重の調整やエネルギー吸収域の調整を行うことで、車両構造の差異等に応じた特異なエネルギー特性の要求にも容易に対応可能で、多様なニーズにも柔軟に対応可能になる。

なお、ワイヤ 2 bと係合ピン 1 4との摺動抵抗の調整は、屈曲路の形状、それぞれの接触面の粗さや、接触面積の広さ等、多種の要素から設定する構成とするとよい。このように多種の要素から摺動抵抗を設定する構成とすると、例えば、寸法等の制限で一部の要素の変更が困難になっても、他の要素の変更によって、確保する揞動抵抗を要求される任意値に比較的容易に調整することが可能になる。

トーションパー 4及ぴ第 2のエネルギー吸収手段を構成し、クラツチ機構を用いたことで、エネルギー吸収の開始時には両方又はトーションバー 4のみを作動させてエネルギー吸収量を適宜選択することができる。また、両方を用いてエネルギー吸収を開始してから、乗員の体格や衝突の大きさや時間等によつて最適なエネルギー吸収を行えるように、途中で第 2のエネルギー吸収手段の荷重の供給を停止させてトーションバー 4だけでエネルギー吸収をすることができる。産業上の利用可能性

本発明は、衝突などの車両緊急時における乗員への衝撃荷重を吸収して、乗員の安全を図るシートベルトリトラクターとして有用である。

Claims

請求の範 '囲

1 . ゥヱビングが卷装された卷取ドラムと、その一端部が卷取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共にゥビングの卷取方向に付勢された卷取軸と、ゥェビング引出方向への回転を抑止する緊急ロック機構と、巻取軸の他端部近傍に配置されるクラツチ機構と、卷取ドラムの他端部側面に近接して設けられると共に卷取軸の他端部にクラッチ機構を介して設けられるプレート体と、卷取ドラムの側面とプレート体との間に配置され、互いに相対回転することで抵抗荷重を供給するエネルギー吸収手段とからなるシートベルトリトラクターであって、

クラッチ機構は、プレート体が卷取軸の他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態から卷取軸の他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替えると共に、任意のタイミングで切り替えを開始するクラッチ解除機構を有することを特瓒とするシートベルトリトラクター。

2 . ゥヱビングが卷装された卷取ドラムと、卷取ドラムに嵌挿され、その一端部が卷取ドラムの一端部に相対回転不能に結合されると共に、ゥェビングの卷取方向に付勢されたトーションバーと、トーションパーの他端部に配置されゥェビング引出方向への回転を抑止する緊急口ック機構と、緊急時に緊急口ック機構を作動させるロック起動装置と、トーションパーの他端部近傍に配置されるクラッチ機構と、卷取ドラムの他端部側面に近接して設けられると共にトーションバーの他端部にクラツチ機構を介して設けられるプレート体と、卷取ドラムの側面とプレート体との間に配置され、お互いが相対回転することで抵抗荷重を供給する第 2のエネルギー吸収手段とからなるシートベルトリトラクタ一であって、

クラツチ機構は、プレート体がトーションバーの他端部に相対回転不能に設けられた第 1状態からトーシヨンバーの他端部に相対回転可能に設けられた第 2状態に切り替えると共に、任意のタイミングで切り替えを開始するクラッチ解除を作動させるクラツチ起動機構を有することを特徴とするシートベルトリ

3 . クラッチ機構は、緊急ロック機構に相対回転不能に結合されたジョイントプレートと、プレート体の卷取ドラムの反対側面に旋回可能に枢着されて、ジョィントプレートに接触して外方へ旋回する少なくとも 1つからなるジョイントパウルと、トーシヨンパー他端側のハウジングの側板に固定されたケーシングに回転しながら軸方同に移動可能に保持され、ジョイントパウルの外周に配置されるリリースリングと、ケーシングに取り付けられリリースリングを作動させるクラッチ解除機構とを備えた請求項 2記載のシートベルトリトラクタ

4 . クラッチ解除機構は、任意のタイミングでケーシングに設けられたシリンダにガスを発生させるガス発生手段と、ガスの圧力でシリンダ内で押圧 ¾動され、リリースリングの外周を押してリリースリングを回転させるビストンとからなる請求項 3記載のシートベルトリトラクター。

5 . リリースリングの外周には、ピストンに当接される当接部と、外周上に均 —な間隔で配置される複数のテーパ部が設けられ、リリースリングを保持するケーシングには、回転したリリースリングのテーパ部に対応する凸部が設けら 'れている請求項 4記載のシートベルトリトラクター。

6 . クラッチ機構には、ジョイントパウルを位置決め支持するパウルホルダが設けられ、パウルホルダはジョイントパウルを軸心方向に付勢させると共にジョイントパウルの作動後は初期位置に戻させないリブが一体形成されている請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載のシートベルトリトラクター。

7 . 第 2エネルギー吸収手段は、卷取ドラムのトーシヨンパー他端側の側面に設けられた屈曲路と、一端がプレート体の卷取部に固定され、その略中間部が屈曲路に配置されたワイヤとからなる請求項 2〜 6のいずれか 1項に記載のシ一卜べノレトリトラクター。