JP2017193255A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転部材の中心軸線が傾くことを抑制できるウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】本ウェビング巻取装置10では、中間リング64の孔部94の軸配置部96に挿入された遊星ギヤ56の第2軸部98は、スライダ102の押圧部104に押圧されることによって変位され、これによって、遊星ギヤ56の第2軸部98と、中間リング64の孔部94の軸配置部96との間の隙間が小さくされる。これによって、遊星ギヤ56の中心軸線が傾くことを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スプールの引出方向への回転力の一部を吸収できるウェビング巻取装置に関する。
車両緊急時におけるスプールの引出方向への回転力が回転部材の一態様である慣性体に伝わると、慣性体に慣性力が生じ、この慣性力によってスプールの引出方向への回転力の一部が吸収されるウェビング巻取装置がある(一例として、下記特許文献1を参照)。
一方、この種のウェビング巻取装置において、スプールと慣性体との間に他の回転部材を設けて、この他の回転部材をスプールの回転力を慣性体に伝達可能とする構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、慣性体や他の回転部材の中心軸線が傾くことによって、スプールの回転力が他の回転部材及び慣性体が回転される際に抵抗が生じる可能性がある。
特表2003−512233号公報
本発明は、上記事実を考慮して、回転部材の中心軸線が傾くことを抑制できるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、巻取方向へ回転されることによってウェビングを巻取るスプールと、軸部及び前記軸部が回転自在に挿入される孔部の一方が設けられ、前記スプールとの間で回転力の伝達が可能とされ、回転力が伝わることによって前記軸部を中心に回転される回転部材と、前記軸部及び前記孔部の他方が設けられ、前記回転部材を回転可能に支持する支持手段と、前記回転部材又は前記支持手段を押圧して、前記軸部の外周部と前記孔部の内周部との間の隙間を小さくする押圧手段と、を備えている。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、回転部材に軸部及び孔部の一方が設けられ、支持手段に軸部及び孔部の他方が設けられる。軸部が孔部に挿入された状態で回転部材又は支持手段が押圧手段に押圧されることによって、軸部の外周部と孔部の内周部との間の隙間が小さくされる。これによって、回転部材の中心軸線が傾くことを抑制できる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記押圧手段は、前記回転部材を押圧することによって前記軸部の外周部を前記孔部の内周部に当接させる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置では、回転部材が押圧手段に押圧されることによって、軸部の外周部が孔部の内周部に当接される。これによって、回転部材の中心軸線が傾くことを更に効果的に抑制できる。
請求項3に記載のウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置において、前記回転部材は、ギヤ列を構成するギヤとされている。
請求項3に記載のウェビング巻取装置では、回転部材がギヤ列を構成するギヤとされる。このため、回転部材が押圧手段に押圧されることにより回転部材の中心軸線の傾きが抑制されることによって、回転部材の中心軸線の傾きによる回転部材と回転部材に噛合う他のギヤとの噛合いが悪くなることを抑制できる。
請求項4に記載のウェビング巻取装置は、請求項3に記載のウェビング巻取装置において、前記押圧手段は、前記回転部材と前記回転部材に噛合う他のギヤとの噛合部分側へ前記回転部材を押圧する。
請求項4に記載のウェビング巻取装置では、回転部材は、押圧手段によって回転部材と回転部材に噛合う他のギヤとの噛合部分側へ押圧される。このため、回転部材の中心軸線の傾きによる回転部材と回転部材に噛合う他のギヤとの噛合いが悪くなることを更に効果的に抑制できる。
請求項5に記載のウェビング巻取装置は、請求項1から請求項4の何れか1項記載のウェビング巻取装置において、前記回転部材は、前記軸部を有し、前記軸部は、前記押圧手段によって径方向外側から押圧される。
請求項5に記載のウェビング巻取装置では、回転部材は、軸部を有しており、回転部材の軸部は、押圧手段によって径方向外側から押圧される。このため、回転部材の軸部において、押圧手段から受ける押圧力の方向側部分と支持手段の孔部との間の隙間を小さくできる。
請求項6に記載のウェビング巻取装置は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置において、前記軸部は、軸方向端面で開口された軸孔部を有し、前記押圧手段が前記軸孔部に挿入されることによって、前記軸部が径方向外側へ変形される。
請求項6に記載のウェビング巻取装置では、押圧手段が回転部材の軸部の軸孔部へ挿入されることによって、軸部が径方向外側へ変形され、これによって、回転部材の軸部の外周部と支持手段の孔部の内周部との間の隙間を小さくできる。このため、押圧手段を支持するための構造が不要で、構造が複雑になることを抑制できる。
請求項7に記載のウェビング巻取装置は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載のウェビング巻取装置において、前記回転部材は、慣性質量体に連結されて前記スプールの回転力を前記慣性質量体に伝達し、前記慣性質量体は、慣性力によって前記スプールの回転力を吸収する。
請求項7に記載のウェビング巻取装置では、回転部材は、慣性質量体に連結される。このため、スプールの回転力が回転部材から慣性質量体に伝達される際に、回転部材は、慣性質量体から反力を受ける。ここで、本ウェビング巻取装置では、回転部材の中心軸線が傾くことを抑制でき、スプールと慣性質量体との間での回転力の伝達効率の低下を抑制できる。
以上説明したように、本発明に係るウェビング巻取装置では、回転体の中心軸線が傾くことを抑制できる。
第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置の遊星ギヤ、中間リングの一部、スライダの分解拡大斜視図である。 スライダの押圧部が遊星ギヤの第2軸部に当接される前の状態を示す拡大側面図である。 スライダの押圧部が遊星ギヤの第2軸部を押圧した状態を示す図2に対応する拡大側面図である。 第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置の斜視図である。 第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置の第2フォースリミッタ機構の分解斜視図である。 第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置の第2フォースリミッタ機構の正面断面図である。 第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置の遊星ギヤ、中間リングの一部、押圧部材の分解拡大斜視図である。 押圧部材が遊星ギヤの第2軸部の軸孔部に入る前の状態を示す拡大正面断面図である。 押圧部材が遊星ギヤの第2軸部の軸孔部に入った状態を示す図8に対応する拡大正面断面図である。 第3の実施の形態に係るウェビング巻取装置の遊星ギヤ、中間リングの一部、押圧部材の分解拡大斜視図である。 押圧部材が遊星ギヤの第2軸部の軸孔部に入る前の状態を示す拡大正面断面図である。 押圧部材が遊星ギヤの第2軸部の軸孔部に入った状態を示す図8に対応する拡大正面断面図である。
次に、図1から図12の各図に基づいて本発明の各実施の形態について説明する。なお、各図において矢印FRは、本ウェビング巻取装置10が適用された車両の前側を示し、矢印OUTは、車幅方向外側を示し、矢印UPは、車両上側を示す。また、各実施の形態を説明するに際して、説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第1の実施の形態の構成>
図4に示されるように、第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は、車両の車体としてのセンターピラー(図示省略)の車両下側部分に固定されている。また、フレーム12は、脚板14、16を備えており、脚板14と脚板16とは、略車両前後方向に対向されている。
また、本ウェビング巻取装置10は、スプール18を備えており、スプール18は、スプール本体20を備えている。スプール本体20は、略円筒形状に形成されており、フレーム12の脚板14と脚板16との間に配置されている。スプール本体20の中心軸線方向は、脚板14と脚板16との対向方向(すなわち、略車両前後方向)に沿っており、スプール本体20は、中心軸線周りに回転可能とされている。
図6に示されるように、スプール18のスプール本体20には、長尺帯状のウェビング22の長手方向基端部が係止されており、スプール本体20が巻取方向(図4及び図5の矢印A方向)へ回転されると、ウェビング22が長手方向基端側からスプール18のスプール本体20に巻取られる。また、ウェビング22の長手方向先端側は、スプール18のスプール本体20から車両上側へ延びており、ウェビング22の長手方向先端側は、フレーム12の車両上側でセンターピラーに支持されたスルーアンカ(図示省略)に形成されたスリット孔を通って車両下側へ折返されている。
さらに、ウェビング22の長手方向先端部は、アンカプレート(図示省略)に係止されている。アンカプレートは、鉄等の金属板材によって形成されており、車両の床部(図示省略)又は本ウェビング巻取装置10に対応するシート(図示省略)の骨格部材等に固定されている。
また、本ウェビング巻取装置10が適用された車両用のシートベルト装置は、バックル装置(図示省略)を備えている。バックル装置は、本ウェビング巻取装置10が適用されるシートの車幅方向内側に設けられている。シートに着座した乗員の身体にウェビング22が掛回された状態で、ウェビング22に設けられたタング(図示省略)がバックル装置に係合されることによって、ウェビング22が乗員の身体に装着される。
一方、スプール18のスプール本体20の車両後側には、軸部(図示省略)がスプール18のスプール本体20に対する同軸上で一体的に設けられており、この軸部は、フレーム12の脚板14に形成された孔(図示省略)を通ってフレーム12の車両後側へ延びている。
また、図4に示されるように、フレーム12の脚板14の車両後側には、スプリングハウジング24が設けられている。スプリングハウジング24の内側には、ぜんまいばね等のスプール付勢手段(図示省略)が設けられている。スプール付勢手段は、上記の軸部を介してスプール18に直接又は間接的に係合され、スプール18は、スプール付勢手段の付勢力によって巻取方向(図4及び図5の矢印A方向)へ付勢されている。
さらに、フレーム12の脚板14とスプリングハウジング24との間には、プリテンショナ26が設けられている。プリテンショナ26は、車両緊急時に作動され、プリテンショナ26が作動されることによって、例えば、プリテンショナ26の内部で高圧のガスが発生され、上記の軸部が、この高圧のガスの圧力によって巻取方向へ回転される。これによって、スプール18のスプール本体20が巻取方向(図4及び図5の矢印A方向)へ回転され、ウェビング22がスプール18のスプール本体20に巻取られる。
一方、フレーム12の脚板16の車両前側には、ロック機構28のロックハウジング30が設けられている。また、図6に示されるように、ロック機構28は、ロック回転体としてのロックベース32を備えている。ロックベース32の車両後側部分は、スプール18の車両前側端からスプール18の内側に挿入されており、ロックベース32の車両前側部分は、ロック機構28のロックハウジング30の内側に配置されている。ロック機構28は、車両衝突時等の車両緊急時に作動され、ロック機構28が作動されると、ロックベース32の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転がロック部材(図示省略)によって制限される。
また、図6に示されるように、本ウェビング巻取装置10は、フォースリミッタを構成する第1フォースリミッタ機構34(以下、第1フォースリミッタ機構34を「第1FL機構34」と称する)を備えており、第1FL機構34は、トーションバー36を備えている。トーションバー36は、略車両前後方向に長い棒状に形成されている。トーションバー36の車両後側部分は、スプール18のスプール本体20の内側でスプール本体20に係合されている。これによって、スプール18は、トーションバー36の車両後側部分に対する相対回転が制限されていると共に、トーションバー36に対する車両後側への相対変位が制限されている。
これに対して、トーションバー36の車両前側部分は、ロック機構28のロックベース32が係合されている。これによって、ロックベース32は、トーションバー36の車両前側部分に対する相対回転が制限されていると共に、トーションバー36の車両前側部分に対する車両前側への相対変位が制限されている。
このため、ロック機構28のロックベース32は、トーションバー36を介してスプール18のスプール本体20に繋がっており、ロックベース32は、スプール18に対する相対回転が制限されている。したがって、ロック機構28が作動され、ロックベース32の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転がロック部材によって制限されると、スプール18のスプール本体20の引出方向への回転が間接的に制限される。これによって、スプール18のスプール本体20からのウェビング22の引出しが制限される。
一方、図4及び図6に示されるように、スプール18のスプール本体20とフレーム12の脚板16との間には、回転力吸収手段としてフォースリミッタを構成する第2フォースリミッタ機構38(以下、第2フォースリミッタ機構38を「第2FL機構38」と称する)が設けられている。図5及び図6に示されるように、第2FL機構38は、支持部材40を備えている。支持部材40は、筒状に形成されており、支持部材40の外周形状は、円形とされ、支持部材40の内周形状は、多角形(本実施の形態では、六角形)、スプライン形状等の非円形とされている。
図6に示されるように、第2FL機構38の支持部材40の内側の車両後側部分には、スプール18の取付部42が挿入されている。スプール18の取付部42は、スプール18のスプール本体20の車両前側に設けられており、取付部42は、スプール本体20に対する同軸上でスプール本体20に一体に形成されている。スプール18の取付部42の断面形状は、第2FL機構38の支持部材40の内周形状と同じ形状とされており、支持部材40のスプール18に対する相対回転が制限されている。このため、支持部材40は、スプール18と共に一体回転される。
また、図5及び図6に示されるように、第2FL機構38の支持部材40には、抑制手段としての複数の凸部44を備えている。これらの凸部44は、支持部材40の中心軸線周りに所定間隔をおいて設けられ、支持部材40の外周部から突出されている。
さらに、第2FL機構38は、変速手段の一態様である増速手段として回転力伝達手段を構成する回転力伝達機構46を備えている。回転力伝達機構46は、入力部材としてのキャリアプレート48を備えている。キャリアプレート48は、略円板形状とされており、キャリアプレート48の略中央には、貫通孔50が形成されている。キャリアプレート48の貫通孔50には、第2FL機構38の支持部材40が貫通配置されている。
また、キャリアプレート48には、複数の凹部52が設けられている。これらの凹部52は、キャリアプレート48の貫通孔50の内周面で開口されている。また、これらの凹部52の車両後側端は、開口されている。さらに、キャリアプレート48の中心軸線周りの凹部52の形成位置は、第2FL機構38の支持部材40の中心軸周りの複数の凸部44の形成位置に対応されている。
このため、支持部材40がキャリアプレート48の貫通孔50に車両後側から入ることによって、図6に示されるように、支持部材40の凸部44は、キャリアプレート48の凹部52の内側に入ることができる。支持部材40の凸部44がキャリアプレート48の凹部52の内側に入った状態では、支持部材40の凸部44の車両前側端は、キャリアプレート48の凹部52の内側の車両前側端に対して支持部材40の中心軸線方向に対向される。このため、支持部材40の凸部44の車両前側端がキャリアプレート48の凹部52の内側の車両前側端に当接されることによって、支持部材40に対するキャリアプレート48の車両後側へのそれ以上の相対移動が制限される。
また、支持部材40の凸部44がキャリアプレート48の凹部52の内側に入った状態では、支持部材40の凸部44における支持部材40の周方向両側端は、キャリアプレート48の凹部52の内側におけるキャリアプレート48の周方向両側端に対して支持部材40の周方向に対向される。このため、支持部材40が巻取方向(図4及び図5の矢印A方向)又は引出方向(図4及び図5の矢印B方向)へ回転されると、キャリアプレート48が支持部材40と共に回転される。
さらに、図5及び図6に示されるように、キャリアプレート48には、一対の円孔54が形成されている。これらの円孔54は、キャリアプレート48を貫通しており、一方の円孔54は、キャリアプレート48の貫通孔50を挟んで他方の円孔54の反対側に形成されている。これらの円孔54の内周形状は、円形とされており、キャリアプレート48の貫通孔50の中心から一方の円孔54の中心までの距離は、キャリアプレート48の貫通孔50の中心から他方の円孔54の中心までの距離と同じにされている。
キャリアプレート48の各円孔54には、第1中間部材として回転部材を構成する遊星ギヤ56が設けられている。遊星ギヤ56は、第1軸部58を備えている。遊星ギヤ56の第1軸部58は、円柱形状とされている。遊星ギヤ56の第1軸部58は、キャリアプレート48の円孔54の内側に配置されている。
また、遊星ギヤ56の第1軸部58の車両前側には、第1ギヤ部60が設けられており、遊星ギヤ56の第1軸部58の車両後側には、第2ギヤ部62が設けられている。遊星ギヤ56の第1ギヤ部60及び第2ギヤ部62の各々は、外歯の平歯車とされており、第1ギヤ部60の歯先円は、遊星ギヤ56の第1軸部58の外周形状よりも小さくされ、第2ギヤ部62の歯先円は、遊星ギヤ56の第1軸部58の外周形状よりも大きくされている。また、第1ギヤ部60の歯数は、第2ギヤ部62の歯数よりも少なくされている。
さらに、回転力伝達機構46のキャリアプレート48の車両後側には、支持手段及び抜止部材としての中間リング64が設けられている。中間リング64は、リング形状の板状とされており、第2FL機構38の支持部材40は、中間リング64の内側を通っている。中間リング64は、ねじ等の固定部材(図示省略)によってキャリアプレート48に固定されており、中間リング64がキャリアプレート48に固定された状態では、回転力伝達機構46の遊星ギヤ56の第2ギヤ部62が中間リング64とキャリアプレート48とによって挟まれている。これによって、遊星ギヤ56がキャリアプレート48の円孔54から抜けることを防止している。
一方、回転力伝達機構46は、第2中間部材としてのギヤプレート66を備えている。ギヤプレート66は、内歯ギヤ部68を備えている。ギヤプレート66の内歯ギヤ部68は、リング状とされ、内歯ギヤ部68の内周部には、平歯の内歯が形成されており、遊星ギヤ56の第1ギヤ部60の外歯がギヤプレート66の内歯ギヤ部68の内歯に噛合っている。ギヤプレート66の内歯ギヤ部68の車両前側端は、プレート部70によって閉止されている。
また、ギヤプレート66のプレート部70の略中央には、プレート孔部72が形成されている。ギヤプレート66のプレート孔部72は、略円形とされ、支持部材40がギヤプレート66のプレート孔部72に貫通配置されている。これによって、ギヤプレート66は、支持部材40に対する同軸上で、支持部材40に対して相対回転自在とされている。
さらに、ギヤプレート66の側方(車両下側)には、切替部材としてのパウル74が設けられている。パウル74の基端側部分は、車両前後方向を軸方向とする軸周りに回動可能に設けられており、プリテンショナ26が作動されることによってパウル74が回動される。また、パウル74の先端側部分には係合歯(図示省略)が設けられている。パウル74の先端側部分の係合歯に対応して、回転力伝達機構46のギヤプレート66の外周部には、外歯76が形成されている。ギヤプレート66の外歯76は、ラチェット歯状とされ、パウル74が回動されることによって、パウル74の係合歯は、ギヤプレート66の外歯76に噛合うことができ、パウル74の係合歯がギヤプレート66の外歯76に噛合うことによって、ギヤプレート66の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転が制限される。
一方、第2FL機構38は、慣性質量体としてのフライホイール84を備えており、フライホイール84は、フライホイール本体86を備えている。フライホイール84のフライホイール本体86は、円板状に形成されており、フライホイール本体86の厚さ方向は、車両前後方向(すなわち、スプール18の中心軸線方向)に平行とされている。
フライホイール84のフライホイール本体86の径寸法は、例えば、スプール18のスプール本体20においてウェビング22を巻取る部分のスプール本体20の径寸法よりも大きくされている。また、フライホイール84のフライホイール本体86の厚さ寸法は、例えば、第2FL機構38のキャリアプレート48及びギヤプレート66の厚さ寸法よりも大きくされている。
フライホイール本体86の車両前側には、回転力伝達機構46の出力部材を構成する太陽ギヤ部88が設けられている。太陽ギヤ部88は、外歯の平歯車とされており、フライホイール本体86に対する同軸上でフライホイール本体86に対して一体に形成されている。
また、第2FL機構38のフライホイール84(すなわち、フライホイール本体86及び太陽ギヤ部88)には、フライホイール孔部90が形成されている。フライホイール孔部90は、フライホイール84の略中央に形成されており、フライホイール84を貫通している。フライホイール84のフライホイール孔部90の内側には、支持部材40が貫通配置されている。これによって、フライホイール84は、支持部材40に対する同軸上で、支持部材40に対して相対回転自在とされている。
フライホイール84の太陽ギヤ部88には、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62が噛合っている。すなわち、キャリアプレート48、遊星ギヤ56、ギヤプレート66、フライホイール84は、遊星歯車列を構成している。ここで、フライホイール84の質量は、ギヤプレート66の質量よりも大きくされており、フライホイール84を回転させるために必要な遊星ギヤ56の回転力は、ギヤプレート66を回転させるために必要な遊星ギヤ56の回転力よりも大きくされている。
このため、キャリアプレート48の回転は、遊星ギヤ56を介してフライホイール84の太陽ギヤ部88とギヤプレート66の内歯ギヤ部68の双方へ伝達されるが、ギヤプレート66の回転が制限されていない状態では、キャリアプレート48の回転によってギヤプレート66が回転され、フライホイール84の回転は、抑制される。これに対して、ギヤプレート66の回転が制限された状態では、キャリアプレート48の回転によってフライホイール84がキャリアプレート48の回転方向と同じ方向へキャリアプレート48よりも速く回転される。
一方、図5に示されるように、上述した第2FL機構38の中間リング64には、一対の孔部94が設けられている。一方の孔部94は、中間リング64の中心を挟んで他方の孔部94とは反対側に形成されており、一方の孔部94は、他方の孔部94に対し、中間リング64の中心を対称点とする点対称形状とされている。図1に示されるように、中間リング64の孔部94は、軸配置部96を備えている。孔部94の軸配置部96は、略車両前後方向に見て略円形とされており、孔部94の軸配置部96の内側には、回転力伝達機構46の遊星ギヤ56の軸部としての第2軸部98が配置されている。第2軸部98は、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62の車両後側で、遊星ギヤ56の第1軸部58、第1ギヤ部60、第2ギヤ部62に対する同軸上に設けられている。
遊星ギヤ56の第2軸部98の直径寸法は、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62の歯先円の直径寸法よりも小さい。また、遊星ギヤ56の第2軸部98の直径の最大許容寸法は、中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面の直径の最小許容寸法よりも小さくされており、遊星ギヤ56の第2軸部98が中間リング64の孔部94の軸配置部96に挿入されることによって、中間リング64は、遊星ギヤ56の第2軸部98を支持可能である。但し、遊星ギヤ56の第2軸部98の直径の寸法公差及び中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面の直径の寸法公差に起因する隙間が、遊星ギヤ56の第2軸部98と中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面との間に形成されることがある。
また、中間リング64の孔部94は、スライダ配置部100を備えており、スライダ配置部100は、孔部94の軸配置部96に繋がっている。スライダ配置部100には、押圧手段としてのスライダ102が設けられている。スライダ102は、中間リング64の中心軸直交方向であるスライド方向(図1から図3の矢印C方向)へスライド可能に中間リング64の孔部94のスライダ配置部100の縁に支持されている。スライダ102は、押圧部104を備えており、スライダ102がスライド方向へスライドされることによって、スライダ102の押圧部104は、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面へ接近される。
スライダ102の押圧部104が遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面へ当接された状態で、スライダ102が更にスライド方向(図1から図3の矢印C方向)へスライドされると、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面は、スライダ102の押圧部104によって押圧部104の面直交方向(図3の矢印D方向)へ押圧される。この遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面がスライダ102の押圧部104から受ける押圧力の方向は、第2FL機構38の回転力伝達機構46における遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い部分側とされている。
また、スライダ102は、複数の突起106を備えている。これらの突起106は、スライダ102における押圧部104とは反対側の面に形成されており、スライド方向(図1から図3の矢印C方向)に並んでいる。さらに、中間リング64には、係合爪108が設けられている。係合爪108は、スライダ102を挟んで遊星ギヤ56の第2軸部98とは反対側に配置されている。この係合爪108に対応して中間リング64には、支持軸110が設けられており、係合爪108の基端部は、支持軸110周り方向(図1から図3の矢印E方向及びその反対の矢印F方向)へ回動可能に中間リング64の支持軸110に支持されている。
さらに、中間リング64の支持軸110には、爪付勢手段としての捻りコイルばね112が設けられており、係合爪108は、捻りコイルばね112によって、支持軸110周り方向の一方である係合方向(図1から図3の矢印E方向)へ付勢されている。このため、係合爪108の先端部は、スライダ102の押圧部104とは反対側部分へ当接されている。
スライダ102がスライド方向(図1から図3の矢印C方向)へスライドされることによって、スライダ102の突起106が係合爪108に当接され、この状態で、スライダ102が更にスライド方向へスライドされると、係合爪108は、スライダ102の突起106のスライド方向側面に案内され、捻りコイルばね112の付勢力に抗して係合方向とは反対側(図1から図3の矢印F方向)へ回動される。これによって、スライダ102は、スライド方向へスライドできる。これに対して、係合爪108の先端部がスライダ102の突起106に対してスライド方向とは反対側から突起106へ当接された状態では、スライダ102のスライド方向とは反対方向へのスライドが制限される。
<第1の実施の形態の作用、効果>
先ず、ウェビング巻取装置10の動作について説明する。
本ウェビング巻取装置10では、車両衝突時等の車両緊急時になると、ロック機構28が作動される。ロック機構28が作動されると、ロック機構28のロックベース32の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転がロック機構28のロック部材によって制限される。ロック機構28のロックベース32は、第1FL機構34のトーションバー36を介してスプール18のスプール本体20に繋がっている。このため、ロック機構28のロックベース32の引出方向への回転が制限されることによって、スプール18の引出方向への回転が制限される。これによって、スプール18のスプール本体20からのウェビング22の引出しが制限されるため、乗員の身体をウェビング22によって拘束でき、乗員の身体の車両前側への慣性移動を抑制できる。
また、車両衝突時等の車両緊急時になると、プリテンショナ26が作動される。プリテンショナ26が作動されると、スプール18のスプール本体20に一体的に設けられた軸部(図示省略)が巻取方向へ回転される。これによって、スプール18のスプール本体20が巻取方向(図4及び図5の矢印A方向)へ回転され、ウェビング22がスプール18のスプール本体20に巻取られる。これによって、乗員の身体に装着されたウェビング22の弛みが除去され、乗員の身体がウェビング22によって更に強く拘束される。また、プリテンショナ26が作動されることによって、パウル74が回動され、パウル74の係合歯が、第2FL機構38のギヤプレート66の外歯76に噛合う。これによって、ギヤプレート66の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転が制限される。
このように、プリテンショナ26が作動されてから、乗員が車両前側へ慣性移動しようとすると、ウェビング22が乗員の身体によって引張られる。これによって、引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転力がスプール18のスプール本体20に付与される。スプール18のスプール本体20に付与された引出方向への回転力の大きさが、第1FL機構34のトーションバー36の捻り変形に必要な大きさを上回ると、スプール18が引出方向へ回転される。これによって、トーションバー36が捻り変形され、このスプール18の回転量分だけ、スプール18のスプール本体20からウェビング22が引出されて、乗員が車両前側へ慣性移動される。さらに、スプール18の引出方向への回転力の一部、すなわち、乗員の身体からウェビング22に付与される引張力の一部が、トーションバー36の捻り変形に供されて吸収される。
また、このようにスプール18が引出方向(図4及び図5の矢印B方向)へ回転されると、スプール18の引出方向への回転が第2FL機構38の支持部材40を介して第2FL機構38のキャリアプレート48に伝達される。この状態では、上記のように、ギヤプレート66の引出方向への回転がパウル74によって制限されている。このため、この状態では、第2FL機構38の回転力伝達機構46は、インターナルギヤであるギヤプレート66が固定され、キャリアプレート48に入力された回転が遊星ギヤ56を介してフライホイール84の太陽ギヤ部88に増速されて伝達される遊星歯車列となる。したがって、スプール18の引出方向への回転力が増速されてフライホイール84の太陽ギヤ部88に伝達される。
このとき、スプール18が引出方向(図4及び図5の矢印B方向)へ加速回転されていると、第2FL機構38のフライホイール84が加速回転されて、フライホイール84に回転方向とは反対方向の慣性力が作用される。このフライホイール84に作用された慣性力は、スプール18の取付部42に対してスプール18の引出方向への回転の抵抗力として伝達される。したがって、この状態では、スプール18に付与された引出方向への回転力の大きさが、第1FL機構34のトーションバー36の捻り変形に必要な大きさと、フライホイール84に作用された慣性力に抗するための大きさとの和を上回ることによってスプール18が引出方向へ回転される。
これによって、スプール18の回転量分だけ、スプール18のスプール本体20からウェビング22が更に引出され、乗員は、車両前側へ慣性移動できる。さらに、スプール18の引出方向(図4及び図5の矢印B方向)への回転力の一部、すなわち、乗員の身体からウェビング22に付与される引張力の一部が、第1FL機構34のトーションバー36の捻り変形と、第2FL機構38のフライホイール84の慣性力に抗する回転力とに供されて吸収される。
次に、ウェビング巻取装置10における第2FL機構38の中間リング64に対する回転力伝達機構46の遊星ギヤ56の組付けについて説明する。遊星ギヤ56の第2軸部98は、中間リング64の車両前側から中間リング64の孔部94の軸配置部96へ挿入される。この状態で、スライダ102がスライド方向(図1から図3の矢印C方向)へスライドされる。これによって、スライダ102の押圧部104が遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面へ当接される。さらに、この状態からスライダ102がスライド方向へスライドされる。これによって、図3に示されるように、遊星ギヤ56の第2軸部98は、スライダ102の押圧部104によって押圧部104の面直交方向(図3の矢印D方向)へ押圧される。
ここで、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面と、中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面との間に、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面の直径の寸法公差及び中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面の直径の寸法公差に起因する隙間が形成されている場合、遊星ギヤ56の第2軸部98がスライダ102の押圧部104に押圧されることによって、遊星ギヤ56の第2軸部98は、押圧方向側へ移動される。
これによって、遊星ギヤ56の第2軸部98の移動方向側では、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面と、中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面との間の隙間が小さくなり、遊星ギヤ56の第2軸部98の移動方向側では、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面が、中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面へ当接される。このような遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面と中間リング64の孔部94の軸配置部96の内側面との当接を維持できるまで、スライダ102は、スライド方向(図1から図3の矢印C方向)へスライドされると共に、係合爪108によってスライダ102のスライド方向とは反対方向(図1から図3の矢印C方向とは反対方向)への移動が制限される。
これによって、第2FL機構38の回転力伝達機構46の遊星ギヤ56の第2軸部98の中心軸線が傾くような遊星ギヤ56の変位を、中間リング64及びスライダ102の押圧部104によって抑制できる。このため、遊星ギヤ56の第2軸部98の中心軸線が傾くことによる遊星ギヤ56の第1ギヤ部60とギヤプレート66の内歯ギヤ部68との噛合い範囲の減少、遊星ギヤ56の第1ギヤ部60とギヤプレート66の内歯ギヤ部68との噛合いの抵抗の増加等を抑制できる。
また、このような遊星ギヤ56の第2軸部98の中心軸線が傾くような遊星ギヤ56の変位を、中間リング64及びスライダ102の押圧部104によって抑制できるため、遊星ギヤ56の第2軸部98の中心軸線が傾くことによる遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い範囲の減少、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合いの抵抗の増加等を抑制できる。
さらに、上記のように、遊星ギヤ56の第1ギヤ部60とギヤプレート66の内歯ギヤ部68との噛合い範囲の減少、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い範囲の減少を抑制できる。このため、遊星ギヤ56の第1ギヤ部60及び第2ギヤ部62は、歯の厚さ(遊星ギヤ56の中心軸線方向に沿った第1ギヤ部60及び第2ギヤ部62の各々の歯の寸法)を小さくできる。これによって、遊星ギヤ56の大型化を抑制でき、ひいては、第2FL機構38の大型化を抑制でき、更には、ウェビング巻取装置10全体の体格の大型化を抑制できる。
特に、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62が噛合う太陽ギヤ部88は、慣性質量体としてのフライホイール84に形成される。このため、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62の回転力がフライホイール84の太陽ギヤ部88に伝達される際に、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62は、フライホイール84の太陽ギヤ部88から荷重(反力)を受ける。しかしながら、上記のように、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い範囲の減少を抑制できるため、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62の歯を特に厚くしなくてもフライホイール84の太陽ギヤ部88からの荷重(反力)に耐えることができる。
また、上記のように、遊星ギヤ56の第1ギヤ部60とギヤプレート66の内歯ギヤ部68との噛合いの抵抗の増加、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合いの抵抗の増加を抑制できる。このため、スプール18とフライホイール84との間での回転力の伝達効率の低下を抑制できる。これによって、車両緊急時にスプール18の引出方向への回転力をフライホイール84の慣性力によって効果的に吸収できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7から図9の各図に示されるように、本実施の形態では、第2FL機構38の回転力伝達機構46を構成する遊星ギヤ56は、第2軸部98に代わる第2軸部122を備えている。遊星ギヤ56の第2軸部122は、略円錐台形状にされている。遊星ギヤ56の第2軸部122は、遊星ギヤ56の第1軸部58、第1ギヤ部60、第2ギヤ部62に対する同軸上に形成されており、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62から離間するに従って外径寸法が小さくされている。
しかも、遊星ギヤ56の第2軸部122には、軸孔部124が形成されている。軸孔部124は、遊星ギヤ56の第2軸部122において遊星ギヤ56に対する同軸上に形成されており、第2軸部122における遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とは反対側の端面で開口されている。さらに、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124は、略円錐台形状にされており、軸孔部124の内径寸法は、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62側へ向けて小さくされている。
また、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側部分には、複数の突起126が遊星ギヤ56の第2軸部122の中心軸線方向に並んで形成されている。さらに、遊星ギヤ56の第2軸部122には、スリット128が形成されている。スリット128は、遊星ギヤ56の第2軸部122の径方向外側面及び径方向内側面の双方で開口されていると共に遊星ギヤ56の第2軸部122における遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とは反対側の端面で開口されている。
これによって、遊星ギヤ56の第2軸部122は、第2軸部122の周方向に複数(本実施の形態では4つ)の軸片130に分割されている。このため、遊星ギヤ56の第2軸部122における遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とは反対側の端面の直径寸法が変化するように、遊星ギヤ56の第2軸部122は、変形できる。
一方、本実施の形態では、第2FL機構38の中間リング64には、孔部94に代わる孔部132が形成されている。孔部132は、略円錐台形状とされており、孔部132の内径寸法は、車両後側へ向けて小さくされている。さらに、中間リング64の孔部132の車両前側端の直径の最小許容寸法は、遊星ギヤ56の第2軸部122の車両前側端の直径の最大許容寸法よりも大きくされており、中間リング64の孔部132の車両後側端の直径の最小許容寸法は、遊星ギヤ56の第2軸部122の車両後側端の直径の最大許容寸法よりも大きくされている。
このため、中間リング64の孔部132には、車両前側から遊星ギヤ56の第2軸部122を挿入でき、遊星ギヤ56の第2軸部122が中間リング64の孔部132に挿入されることによって、中間リング64は、遊星ギヤ56の第2軸部122を支持可能である。但し、遊星ギヤ56の第2軸部122の直径の寸法公差及び中間リング64の孔部132の内側面の直径の寸法公差に起因する隙間が、遊星ギヤ56の第2軸部122と中間リング64の孔部132の軸配置部96の内側面との間に形成されることがある。
また、本実施の形態では、遊星ギヤ56の第2軸部122に、押圧手段としての押圧部材134が設けられている。押圧部材134は、円錐台形状とされている。押圧部材134の中心軸線方向は、車両前後方向に沿っており、押圧部材134の直径寸法は、車両前側へ向けて小さくされている。押圧部材134の車両前側端の直径寸法は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の車両後側端の直径寸法以下とされ、押圧部材134を車両後側から遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124へ入れることができる。
さらに、押圧部材134の中心軸線に対する押圧部材134の外側面の傾斜角度は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の中心軸線に対する軸孔部124の内側面の傾斜角度よりも大きくされている。このため、押圧部材134が、一定の長さ以上、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124へ入ると、遊星ギヤ56の第2軸部122は、軸孔部124の内側から押圧部材134に押圧され、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130は、第2軸部122の径方向外側へ互いに離間するように変形される(図9参照)。
また、押圧部材134の外周部には、複数の係合部138が押圧部材134の中心軸線方向に並んで形成されている。押圧部材134が遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側に入ると、押圧部材134の係合部138は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側部分に形成された複数の突起106のうち、遊星ギヤ56の中心軸線方向に隣合う突起106の間に入る。この状態では、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124から抜出る方向(すなわち、車両後側)への押圧部材134の移動が、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の突起106によって制限される。
<第2の実施の形態の作用、効果>
本実施の形態では、第2FL機構38の中間リング64に対する回転力伝達機構46の遊星ギヤ56の組付けに際して、遊星ギヤ56の第2軸部122は、中間リング64の車両前側から中間リング64の孔部132の軸配置部96へ挿入される。この状態で、押圧部材134が、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側へ車両後側から入れられる。この状態で、押圧部材134が、一定の長さ以上、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124へ入れられると、遊星ギヤ56の第2軸部122は、軸孔部124の内側から押圧部材134に押圧される。
ここで、遊星ギヤ56の第2軸部122の外側面と、中間リング64の孔部132の内側面との間に、遊星ギヤ56の第2軸部122の外側面の直径の寸法公差及び中間リング64の孔部132の内側面の直径の寸法公差に起因する隙間が形成されている場合、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側から押圧部材134に押圧されることによって第2軸部122の径方向外側へ互いに離間するように変形される。
これによって、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側部分と、中間リング64の孔部132の車両後側部分の内側面との間の隙間が小さくなり、図9に示されるように、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側部分が中間リング64の孔部132の車両後側部分における内側面へ当接される。
このような遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側部分と中間リング64の孔部132の車両後側部分の内側面との当接を維持できるまで、押圧部材134が遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側へ入れられ、押圧部材134の車両後側への移動は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側の突起126によって制限される。
これによって、遊星ギヤ56の第2軸部122の中心軸線が傾くような遊星ギヤ56の変位を、中間リング64によって抑制できる。このように、本実施の形態は、遊星ギヤ56の第2軸部122の中心軸線が傾くような遊星ギヤ56の変位を抑制できるため、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、押圧部材134は、中間リング64等に特に支持させておく必要がなく、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124に押圧部材134を入れるだけで遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側部分と、中間リング64の孔部132の車両後側部分の内側面との間の隙間を小さくできる。このため、構造が複雑になることを抑制でき、低コストである。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。
図10から図12の各図に示されるように、本実施の形態では、第2FL機構38の回転力伝達機構46を構成する遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側面には、突起106に代わって雌ねじ142が形成されている。また、本実施の形態では、係合部138に代わって雄ねじ144が押圧手段としての押圧部材134の外側面に形成されている。
押圧部材134の雄ねじ144は、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の雌ねじ142に螺合可能とされており、押圧部材134の雄ねじ144が遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の雌ねじ142に螺合された状態で、押圧部材134が押圧部材134の中心軸線周りの一方(図10の矢印G方向)へ回転されると、押圧部材134は、車両前側へ移動され、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124の内側へ入ると共に、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130は、軸孔部124の内側から押圧部材134に押圧される。これによって、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130は、第2軸部122の径方向外側へ互いに離間するように変形される。
このようにして、本実施の形態では、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側端部と、中間リング64の孔部132の車両後側端部の内側面との間の隙間が小さくなり、遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の車両後側端部が、中間リング64の孔部132の車両後側端部における内側面へ当接される。このため、本実施の形態は、前記第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、押圧部材134が押圧部材134の中心軸線周りの一方(図10の矢印G方向)へ1回転されると、押圧部材134は、押圧部材134の雄ねじ144の1ピッチ分だけ車両前側へ移動される。しかも、押圧部材134は、押圧部材134の中心軸線周りに任意の位置で回転停止できるため、押圧部材134の押圧による遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の変形量の調整が容易である。さらに、押圧部材134は、押圧部材134の中心軸線周りの他方(図10の矢印G方向とは反対方向)へ回転されることによって、車両後側へ移動される。これによって、押圧部材134の押圧による遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の変形を戻すことができる。この意味でも、押圧部材134の押圧による遊星ギヤ56の第2軸部122の各軸片130の変形量の調整が容易である。
なお、前記第1の実施の形態では、遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面が押圧部材としてのスライダ102の押圧部104によって第2FL機構38の回転力伝達機構46における遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い部分側へ押圧される構成であった。しかしながら、押圧部材による遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面の押圧方向は、遊星ギヤ56の第2ギヤ部62とフライホイール84の太陽ギヤ部88との噛合い部分側とは反対側であってもよく、押圧部材による遊星ギヤ56の第2軸部98の外周面の押圧方向に関しては、特に限定されるものではない。
また、前記第2の実施の形態及び前記第3の実施の形態では、遊星ギヤ56の第2軸部122及び中間リング64の孔部132が略円錐台形状に形成された構成であった。しかしながら、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸片130が中間リング64の孔部132の内側面に当接された状態で、遊星ギヤ56の第2軸部122が中間リング64に回転自在に支持される構成であれば、遊星ギヤ56の第2軸部122及び中間リング64の孔部132の形状に関して特に限定されるものではない。
さらに、前記第2の実施の形態及び前記第3の実施の形態では、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124及び押圧部材134が略円錐台形状に形成された構成であった。しかしながら、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124及び押圧部材134の一方が略円錐台形状とされ、他方が円柱形状とされる構成であってもよい。すなわち、押圧部材134が遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124に入ることによって、第2軸部122の各軸片130が押圧部材134によって第2軸部122の軸孔部124の内側から押圧され、これによって、第2軸部122の各軸片130が互いに離間するように変形される構成であれば、遊星ギヤ56の第2軸部122の軸孔部124及び押圧部材134の形状に関して特に限定されるものではない。
また、上記の各実施の形態では、遊星歯車列として構成された第2FL機構38の回転力伝達機構46において、遊星ギヤ56の中心軸線が傾くような遊星ギヤ56の変位を抑制するために本発明が適用された。しかしながら、本発明を、遊星歯車列とは異なる構成の回転伝達手段の回転部材の中心軸線が傾くような回転部材の変位を抑制するために適用してもよい。
さらに、上記の各実施の形態で、第2FL機構38は、スプール18が引出方向へ加速回転されている場合に、スプール18の引出方向への回転力がフライホイール84の慣性力によって吸収される構成であった。しかしながら、第2FL機構38は、スプール18の引出方向への回転速度の変化がない状態等、スプール18が引出方向へ回転が加速されていない状態でスプール18の引出方向への回転力を吸収する構成であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、慣性質量体としてのフライホイール84の慣性力によって車両緊急時におけるスプール18の引出方向への回転力を吸収するための第2FL機構38に本発明が適用された。しかしながら、例えば、モータ等の駆動手段の駆動力をスプール18に伝え、これによって、スプール18が巻取方向又は引出方向へ回転される構成において、モータとスプール18との間に設けられた回転力伝達手段の回転体の中心軸線が傾くような回転体の変位を抑制するために適用してもよい。すなわち、本発明は、スプール18との間で回転力が伝達される構成の回転部材であれば、その具体的な構成や用途に限定されることなく広く適用できる。
さらに、上記の各実施の形態では、回転部材としての遊星ギヤ56に軸部としての第2軸部98、122が設けられ、支持手段としての中間リング64に孔部94、132が設けられた構成であった。しかしながら、回転部材に孔部が設けられ、支持手段に軸部が設けられる構成であってもよい。
10 ウェビング巻取装置
18 スプール
22 ウェビング
56 遊星ギヤ(回転部材)
64 中間リング(支持手段)
84 フライホイール(慣性質量体)
94 孔部
98 第2軸部(軸部)
102 スライダ(押圧手段)
122 第2軸部(軸部)
124 軸孔部
132 孔部
134 押圧部材(押圧手段)

Claims (7)

  1. 巻取方向へ回転されることによってウェビングを巻取るスプールと、
    軸部及び前記軸部が回転自在に挿入される孔部の一方が設けられ、前記スプールとの間で回転力の伝達が可能とされ、回転力が伝わることによって前記軸部を中心に回転される回転部材と、
    前記軸部及び前記孔部の他方が設けられ、前記回転部材を回転可能に支持する支持手段と、
    前記回転部材又は前記支持手段を押圧して、前記軸部の外周部と前記孔部の内周部との間の隙間を小さくする押圧手段と、
    を備えるウェビング巻取装置。
  2. 前記押圧手段は、前記回転部材を押圧することによって前記軸部の外周部を前記孔部の内周部に当接させる請求項1に記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記回転部材は、ギヤ列を構成するギヤとされた請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
  4. 前記押圧手段は、前記回転部材と前記回転部材に噛合う他のギヤとの噛合部分側へ前記回転部材を押圧する請求項3に記載のウェビング巻取装置。
  5. 前記回転部材は、前記軸部を有し、前記軸部は、前記押圧手段によって径方向外側から押圧される請求項1から請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
  6. 前記軸部は、軸方向端面で開口された軸孔部を有し、前記押圧手段が前記軸孔部に挿入されることによって、前記軸部が径方向外側へ変形される請求項1から請求項4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
  7. 前記回転部材は、慣性質量体に連結されて前記スプールの回転力を前記慣性質量体に伝達し、前記慣性質量体は、慣性力によって前記スプールの回転力を吸収する請求項1から請求項6の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
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