JPH1071930A - プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター - Google Patents

プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター

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JPH1071930A
JPH1071930A JP8246952A JP24695296A JPH1071930A JP H1071930 A JPH1071930 A JP H1071930A JP 8246952 A JP8246952 A JP 8246952A JP 24695296 A JP24695296 A JP 24695296A JP H1071930 A JPH1071930 A JP H1071930A
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JP
Japan
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bobbin
pretensioner
retractor
webbing
seat belt
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Application number
JP8246952A
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English (en)
Inventor
Katsuyasu Ono
勝康 小野
Satoshi Hirase
敏 平瀬
Sadanori Osumi
貞▲徳▼ 大隅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で十分な機能を果たすことができ
るプリテンショナー機構及びエネルギー吸収機構を備え
た良好なシートベルト用リトラクターを提供する。 【解決手段】 プリテンショナー付きシートベルト用リ
トラクター100 は、リトラクターベース1に回転可能に
取付けられると共に一端にロッキングベース5が一体的
に結合されたトーションバー2と、車両緊急時に前記ロ
ッキングベース5のウェビング引出し方向の回転を阻止
する緊急ロック手段300 と、ウェビングが巻装されると
共に前記トーションバー2の他端に一体回転するように
取付けられるボビン3と、車両衝突時にボビン3をシー
トベルトの弛みが除去される方向にトーションバー2を
介さずに直接的に回転させるプリテンショナー機構500
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルトのリ
トラクター(巻取装置)に関し、特にプリテンショナー
機構及びエネルギー吸収機構を備えたプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の乗員の身体を座席に安
全に保持するためのシートベルト装置においては、乗員
のシートベルト装着感を低減するためにリトラクターが
シートベルトを巻取る力を低くする傾向がある。これに
より、乗員の身体に装着されたシートベルトのたるみが
増加するため、車両衝突等の緊急時に大きな力がシート
ベルトに加わるとシートベルトが伸び出す量が増え、乗
員の身体を効果的に拘束することができないおそれがあ
った。そこで、車両緊急時にウェビングを引き込むこと
によってウェビングの弛みを除去するプリテンショナー
機構を設け、衝突初期に乗員をシートに拘束する性能を
向上させたシートベルト装置がある。
【0003】一方、衝突による衝撃力が極めて大きい時
には、衝突後の時間の経過と共にウェビング張力が増大
するため、乗員の身体に急激な減速度を生じることにな
り、ウェビングから乗員にかかる負荷が極めて大きくな
る。そこで、ウェビングに作用する荷重が予め設定した
所定値以上となった際、シートベルトを所定量繰り出さ
せることにより、乗員の身体に生じる衝撃を吸収するエ
ネルギー吸収機構を備え、乗員の身体をより確実に保護
するようにしたシートベルト装置も種々提案されてい
る。
【0004】そこで、上述の如きプリテンショナー機構
とエネルギー吸収機構とを備えたベルトリトラクター
が、例えば特開平6−156187号及び特開平6−1
56884号公報等に開示されている。前記特開平6−
156187号公報に開示されたベルトリトラクター
は、ベルト予張力装置(プリテンショナー機構)による
駆動力が歯車伝達装置を介してベルトドラム(ボビン)
に伝達され、車両衝突時にベルトドラムをベルト巻取り
方向に回転させる。前記歯車伝達装置は、ベルト予張力
装置により回転駆動される第1歯車と、フリーホイール
連結装置を介してベルトドラムに連結されると共に前記
第1歯車に噛合する第2歯車とから成る。前記第1歯車
が別のフリーホイール連結装置を介してねじり棒の第1
端部と連結され、該ねじり棒の第2端部がハウジングに
対して相対回転しないように支持されている。
【0005】そこで、ベルトウェブ(ウェビング)に張
力がかかると、フリーホイール連結装置を介してねじり
棒に連結された前記歯車伝達装置が、該ねじり棒をねじ
り変形させることによりピークのエネルギーを減少させ
る。又、前記特開平6−156884号公報に開示され
たベルト引込装置は、ベルト巻取ドラム(ボビン)とこ
れに予引張装置(プリテンショナー機構)からのトルク
を伝える締付けローラ結合機構(クラッチ機構)との間
にねじり棒が配置されている。
【0006】そこで、ベルト(ウェビング)の引締後に
このベルトに負荷が働くと、この棒がねじられてエネル
ギーが消費される。このねじり棒の塑性変形でこのベル
トシステムに働く負荷のピークを吸収する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−156187号公報等に開示されたベルトリト
ラクターの場合は、ベルト予張力装置作動後にのみエネ
ルギー吸収機構を作動させると共に、エネルギー吸収機
構作動時にはベルト予張力装置を分離する為に、ベルト
予張力装置とベルトドラムとの間に複数のフリーホイー
ル連結装置が必要となる。そこで、リトラクターの構造
が複雑になり製造コストが高くなり易いという問題があ
る。
【0008】又、上記特開平6−156884号公報等
に開示されたベルト引込装置の場合は、予引張装置から
のトルクがねじり棒を介してベルト巻取ドラムに伝わる
ので、予引張装置の駆動トルクがねじり棒のねじれ強度
を上回ってしまうと、予引張装置作動時にねじり棒が捩
じれて塑性変形を起こしてしまう。そこで、予引張装置
作動時には十分なウェビング引込みトルクをベルト巻取
ドラムに伝達できなくなると共に、エネルギー吸収機構
作動時にはねじり棒の塑性変形ストロークの少なくとも
一部が既に使用されてしまっている為に十分なエネルギ
ー吸収機能を果たせなくなってしまうという問題があ
る。
【0009】更に、上述の如きベルトリトラクター及び
ベルト引込装置の場合、エネルギー吸収機構作動中は、
リトラクターに取付けられたベルトドラムロック機構
(緊急ロック機構)がキャンセルされないとベルトウェ
ブをリトラクターから繰り出せない。そこで、前記ベル
トドラムロック機構の作動を阻止する為のキャンセル機
構が必要になり、構造が複雑になるという問題がある。
【0010】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、簡単な構造で十分な機能を果たすことが
できるプリテンショナー機構及びエネルギー吸収機構を
備えた良好なプリテンショナー付きシートベルト用リト
ラクターを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、リ
トラクターベースに回転可能に取付けられると共に車両
緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止されるロッ
ク部と、ウェビングが巻装されると共に前記ロック部と
相対回転可能な円筒状のボビンと、ロック部とボビンと
を所定荷重で相対回転可能に係合する塑性変形手段と、
車両衝突時に前記ボビンをシートベルトの弛みが除去さ
れる方向に回転させるプリテンショナー機構とを備えた
プリテンショナー付きシートベルト用リトラクターにお
いて、プリテンショナー機構とボビンとの間には、プリ
テンショナー機構の駆動トルクが前記塑性変形手段を介
さず、直接的に前記ボビンに伝えるための伝達手段が設
けられていることを特徴とするプリテンショナー付きシ
ートベルト用リトラクターにより達成される。
【0012】尚、好ましくは前記塑性変形手段が、一端
側でボビンと一体回転するように取付けられ、他端側の
ロック部でウェビング引出し方向の回転を阻止されるの
に応答して捩れることにより、乗員の身体に作用する衝
突エネルギーを変形仕事として吸収するトーションバー
としての巻取シャフトによって構成される。又、好まし
くは前記伝達手段が、前記ボビンの端部に一体的に設け
られてリトラクターベースの側板を貫通するスリーブ部
材によって構成され、前記プリテンショナー機構の駆動
力が前記塑性変形手段を介さず、該スリーブ部材を介し
て直接的に前記ボビンに伝達される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施
形態に基づくプリテンショナー付きシートベルト用リト
ラクター100の縦断面正面図であり、図2は図1に示
したプリテンショナー付きシートベルト用リトラクター
100の要部分解斜視図である。
【0014】前記シートベルト用リトラクター100
は、リトラクターベース1に回転可能に取付けられると
共に少なくとも一端にロック部である円盤状のロッキン
グベース5が一体的に結合される巻取シャフトである円
柱状のトーションバー2と、車両緊急時に前記ロッキン
グベース5のウェビング引出し方向の回転を阻止する緊
急ロック手段300と、ウェビングが巻装されると共に
前記トーションバー2の他端に一体回転するように取付
けられる円筒状のボビン3と、前記ロッキングベース5
と前記ボビン3の対向部分に配設されたストッパ手段4
00と、車両衝突時にボビン3をシートベルトの弛みが
除去される方向(巻取り方向)に一体的に回転させるプ
リテンショナー機構500とを備えている。
【0015】前記リトラクターベース1は、その大部分
がコの字状断面を有し、対向する側板1a,1bには前
記ボビン3と組み合わされたトーションバー2が回動自
在に橋架されている。側板1bを挿通したトーションバ
ー2の一端部(図1中、右端部)には、ウェビングを巻
取る方向(図2中、矢印X1 方向)に該トーションバー
2を常時付勢している周知の巻取りバネ装置(図示せ
ず)が配設されている。
【0016】前記トーションバー2の一端側にはボビン
3と一体回転可能な結合を果たすボビン結合部2bを有
し、他端側にはロッキングベース5と一体回転可能な結
合を果たすロッキングベース結合部2aを有している。
これらの各結合部2a,2bは、断面形状を六角形に成
形したものである。前記トーションバー2のロッキング
ベース結合部2aは断面六角形状を有し、ロッキングベ
ース5の断面六角形の挿通穴5aに嵌挿することで、ロ
ッキングベース5と一体回転可能に結合される。
【0017】本発明において、車両緊急時に前記ロッキ
ングベース5のウェビング引出し方向への回転を拘束す
る緊急ロック手段300の具体的な構成は、公知の種々
のものを採用することができる。例えば、本実施形態の
場合は、図2に示すように、ロッキングベース5の支軸
17には、先端に係止歯16aを備えたポール16が回
動可能に軸支されている。また、前記側板1aに開口さ
れたシャフト貫通穴20の外側には、前記係止歯16a
が噛合可能な係合内歯25を内周に備えた内歯ラチェッ
ト21が並設されている。該内歯ラチェット21は、前
記シャフト貫通穴20の周縁部に穿設された孔22と、
該内歯ラチェット21の外周縁に設けられた孔23とを
嵌通したリベット26により鋲着される。
【0018】そして、センサーカバー35内に配設され
た緊急ロック手段300は、車両緊急時に前記ポール1
6の係止歯16aを前記内歯ラチェット21の係合内歯
25に噛合させることで、ロック部としてのロッキング
ベース5のウェビング引出し方向への回転を阻止する構
成となっている。前記トーションバー2を介してリトラ
クターベース1に支持される前記ボビン3は、アルミダ
イキャスト又は亜鉛ダイキャストにより略円筒形に一体
成形されており、ウェビングが巻回される胴部には、ウ
ェビングの端部を挿通させて保持するために、径方向に
貫通するスリット開口3aが設けられている。
【0019】前記ボビン3の軸方向両端部には、トーシ
ョンバー2を挿通する貫通穴が各々貫通形成されてい
る。又、前記プリテンショナー機構500側のボビン3
の端部には、側板1bのシャフト貫通穴24に嵌挿され
るリテーナ6が冠着されている。該リテーナ6は、図3
に示すように、前記トーションバー2のボビン結合部2
bが嵌合される六角穴6aと、前記ボビン3の端部に凹
設された断面六角形の嵌合凹部33に嵌合される六角フ
ランジ部6bとを備えた鋼製のスリーブ部材である。勿
論、これらボビン結合部2bや嵌合凹部33は、断面六
角形に限定されるものではなく、相対回転を不能とする
多角形又は非対称な形状であれば良い。
【0020】後述する如く、該リテーナ6にはプリテン
ショナー機構500の駆動トルクがスリーブ41を介し
て伝えられる。従って、該リテーナ6の六角フランジ部
6bとボビン3の嵌合凹部33は、プリテンショナー機
構500の駆動トルクをトーションバー2を介さずに直
接的にボビン3に伝える伝達手段を形成する。ここで、
本実施形態のリトラクター100の如くダイキャスト製
のボビンを使用する場合、アルミ又は亜鉛のダイキャス
ト製ボビンは鋼製の巻取シャフトに比べて材料強度が低
いので、側板に軸支される部分の径を大きくしないと、
シャフト貫通穴によって軸支部が剪断される可能性があ
り、ウェビング張力を受け止めることができない。とこ
ろが、本実施形態のボビン3は、十分な剛性を有するリ
テーナ6を介して側板1bに軸支されるので、側板1b
を貫通するリテーナ6の径をを小さくしてシャフト貫通
穴24を小さくすることができる。
【0021】そこで、リトラクターベースには強度低下
を招くような大きなシャフト貫通穴を空ける必要がなく
なると共に、側板1bよりボビンの胴部が突出すること
もなくなる。従って、プリテンショナー機構500が側
板1bに取り付け難くなったり、大型化することはな
い。前記ストッパ手段400は、前記ロッキングベース
5のボビン側端面に刻設されたC字形状の有底溝である
ガイド溝12と、該ガイド溝12と対向すべく前記ボビ
ン3のロッキングベース側端面に圧入固定されたロック
プレート4に形成されたC字形状のガイド溝11と、こ
れらガイド溝11及び12の内壁面に沿って摺動可能な
略繭状に形成されたロックピース15とから成り、該ロ
ックピース15がガイド溝11及び12に対して摺動可
能な範囲ではロッキングベース5とボビン3とを相対回
転可能とする。尚、前記ロックプレート4は、ボビン3
と別体に成形された鋼板製の円環状部材である。
【0022】ここで、前記ボビン3又は前記ロッキング
ベース5は、別体に形成した円盤部材にそれぞれガイド
溝11又は12を厚さ方向に貫通する貫通溝として形成
し、これら円盤部材を各々ボビン3又はロッキングベー
ス5と組立時に一体にする構成としても良い。そして、
ガイド溝11とガイド溝12は、どちらか一方だけが形
成される構成も好適である。また、車両特性によって
は、前記ストッパ手段400を廃止(削除)しても良
い。
【0023】即ち、ボビン3とロッキングベース5の間
には、塑性変形手段としてのトーションバー2を主体と
するエネルギー吸収機構200が構成されており、前記
緊急ロック手段300によりウェビングの引出しが阻止
された状態で、ロッキングベース5に所定以上の荷重
(ボビン3を回転させる方向)が負荷されたときには、
該トーションバー2の前記結合部2a,2b間に所定以
上の回転トルクが作用し、これらの結合部2a,2b間
が捩じれ変形を起こしてボビン3を回転させることがで
きるので、ウェビングが所定量引出し可能となり、緊急
ロック手段300によってロッキングベース5のウェビ
ングの引出し方向の回転が阻止されているにも係わら
ず、乗員の身体に作用する衝撃エネルギーが吸収され
る。
【0024】前記プリテンショナー機構500は、側板
1bのシャフト貫通穴24を貫通した前記リテーナ6の
ボス部6cに嵌着されたスリーブ41の周りを回動可能
に配設されたクラッチローター42と、ガス発生器50
が発生するガス圧力で押圧駆動されるラック43と常時
噛み合わされたピニオンギヤ44により前記クラッチロ
ーター42を回転駆動する駆動手段60と、前記ピニオ
ンギヤ44の回転により前記クラッチローター42を増
速回転させるべくピニオンギヤ44とクラッチローター
42の間に配設された増速歯車伝動装置45と、車両衝
突時に前記ガス発生器50を作動させる図示しない制御
手段とを備えている。
【0025】前記スリーブ41と前記クラッチローター
42との間には、通常状態ではクラッチローター42を
スリーブ41と非係合とし、プリテンショナー作動時に
はクラッチローター42とスリーブ41を一体的にウェ
ビング巻取方向へ回転させるクラッチ機構と、プリテン
ショナー作動後に前記ボビン3がウェビング伸び出し方
向に回転された際、前記クラッチローター42と前記ス
リーブ41との係合を解除するクラッチ解除機構とが配
設されている(例えば、これらクラッチ機構及びクラッ
チ解除機構は、クラッチローター42とスリーブ41と
の間に配設された一方向クラッチ手段により構成され
る)。
【0026】次に、上記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター100の動作について説明する。先
ず、通常使用状態においては、緊急ロック手段300が
作動せず、前記リトラクター100はウェビングを巻取
りバネ装置の付勢力で巻取り可能であると共に、バネ力
に抗してウェビングを引出し自在となっている。
【0027】一方、前記プリテンショナー機構500
も、通常使用状態においてはクラッチ機構によりボビン
3と非係合な状態であり、リトラクターからのウェビン
グの引出し巻取り及び緊急ロック手段300の作動に影
響を与えることはない。次に、急ブレーキ等のある程度
の大きさの減速度が車両に発生すると、緊急ロック手段
300が作動し、トーションバー2の一端に結合された
ロッキングベース5のウェビング引出し方向への回転が
阻止される。この時、ロッキングベース結合部2aがロ
ッキングベース5に連結され、ボビン結合部2bがボビ
ン3に連結されたトーションバー2には、所定以上の捩
じり力が作用せず、該トーションバー2が捩じり変形す
ることはない。
【0028】従って、ボビン3のウェビング引出し方向
の回転もロックされ、ウェビングの伸び出しが阻止され
るが、図示しない制御手段がガス発生器50を作動させ
ることはないので、ボビン3は駆動手段60によりウェ
ビング巻取り方向へ駆動されることはない。一方、車両
衝突時等におけるような極めて大きな所定の減速度が生
じると、図示しない制御手段がこの減速度を検知してガ
ス発生器50を点火する。点火されたガス発生器50が
駆動ガスを噴出すると、図示しないピストンを介してラ
ック43がウェビング巻取り駆動方向へ押圧駆動され
る。
【0029】前記ラック43が押圧駆動され、ピニオン
ギヤ44がウェビング巻取り方向へ回転駆動されると、
クラッチローター42が増速歯車伝動装置45により増
速回転させられる。すると、クラッチ機構が作動してク
ラッチローター42はスリーブ41を一体的にウェビン
グ巻取方向へ回転駆動する。そして、該スリーブ41を
嵌着したリテーナ6が、ボビン3及びトーションバー2
をウェビング巻取方向へ一体的に回転させるので、ウェ
ビングが締付けられ、シートベルトの遊びが除去され
る。
【0030】この際、プリテンショナー機構500から
のトルクは、リテーナ6を介してボビン3に直接伝わる
ので、ロッキングベース結合部2aとボビン結合部2b
との間には所定以上の回転トルクが作用することはな
く、トーションバー2が捩じれて塑性変形を起こすこと
はない。そこで、プリテンショナー機構500は十分な
ウェビング引込みトルクをボビン3に伝達することがで
きる。
【0031】そして、駆動ガスの膨張圧力による駆動手
段60の駆動が終了する頃、乗員の前方移動により、ウ
ェビングには大きなテンションが生じ、ボビン3を介し
てトーションバー2には所定以上の衝撃的なウェビング
引き出し方向(矢印X2 方向)の回動力が作用されるの
で、上述の緊急ロック手段300が作動する。この時、
ロッキングベース結合部2aがロッキングベース5に連
結されていると共にボビン結合部2bがボビン3に連結
されているトーションバー2に所定以上の捩じり力が作
用すると、該トーションバー2は捩じり変形する。従っ
て、前記シートベルト用リトラクター100は、ボビン
3がウェビング引出し方向に回転する際、トーションバ
ー2を捩じり変形させることで一定のベルト張力を維持
したままウェビングを伸び出させて効果的に衝撃エネル
ギーを吸収することができる。また、前記トーションバ
ー2は、従来のプリテンショナー付きリトラクターのよ
うに、プリテンショナー作動時に塑性変形ストロークの
少なくとも一部が使用されてしまうようなことがないの
で、十分なエネルギー吸収機能を果たすことができる。
【0032】そこで、上述の如きエネルギー吸収機構2
00を備えた前記緊急ロック手段300は、乗員に加わ
る衝撃を効果的に緩和することができる。即ち、上記プ
リテンショナー付きシートベルト用リトラクター100
は、エネルギー吸収機構200がプリテンショナー機構
500とは完全に独立して構成されているので、従来の
ようにプリテンショナー機構とエネルギー吸収機構とを
組み合わせて構成する必要がなく、どの様な構成のプリ
テンショナー機構とも組合せが容易である。又、前記エ
ネルギー吸収機構200は、緊急ロック手段300が作
動状態のままウェビングをリトラクターから繰り出すこ
とができるので、従来のようにエネルギー吸収機構作動
中に緊急ロック手段300の作動を阻止する為のキャン
セル機構も必要がない。
【0033】そこで、上記プリテンショナー付きシート
ベルト用リトラクター100は、リトラクターの構造が
簡単になって従来のプリテンショナー付きシートベルト
用リトラクターよりも製造コストが安くなると共に、特
にプリテンショナー付きリトラクターにおける緊急ロッ
ク手段の信頼性を著しく向上することができる。尚、上
記実施形態におけるリテーナ6は、前記ボビン3の端部
に凹設された断面六角形の嵌合凹部33に嵌合されるこ
とにより、ボビン3と共に一体回転するように結合され
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、種
々の形態を採り得る。例えば、図4に示したように、ボ
ビン30の端部に突設した一対の係合突起31,31
と、これら係合突起31,31に対応すべくリテーナ7
0のフランジ部に形成した一対の嵌合穴71,71とを
嵌合させることにより、リテーナ70をボビン30と共
に一体回転するように結合する伝達手段を構成しても良
い。
【0034】又、ウェビングが巻装されるボビンが十分
な材料強度を有している場合には、上記実施形態の如き
スリーブ部材としてのリテーナ6を介さずに、トーショ
ンバー2のボビン結合部2bをボビンのプリテンショナ
ー機構500側端部に直接結合させる伝達手段により、
駆動手段60の駆動力がボビンに伝達されるように構成
しても良い。
【0035】又、本発明のプリテンショナー付きシート
ベルト用リトラクターにおける巻取シャフト、ボビン、
ロック部、塑性変形手段、伝達手段及びプリテンショナ
ー機構等は、上記実施形態の構成に限定されるものでは
なく、種々の形態を採りうることは言うまでもない。本
発明における塑性変形手段は、上記実施形態の如きトー
ションバー2に限るものではなく、例えば、ボビンを巻
取シャフトに対して常時相対回転自在とすると共に、上
記ストッパー手段400を構成しているガイド溝12,
13の溝幅をロックピース15よりも狭くし、ボビンと
ロッキングプレート5とが相対回転すると、案内部13
に配設されたロックピース15がガイド溝12,13を
押し広げるか、或いは削るかして該ガイド溝12,13
を変形させながら相対移動することによって、乗員の身
体に作用する衝突エネルギーを変形仕事として吸収する
ように構成することもでき、トーションバー2と組み合
わせることもできる。
【0036】又、トーションバー2が充分な許容捩じり
角を有している場合には、該トーションバー2がねじ切
れる前に車両衝突が終了するので、ストッパー手段によ
ってトーションバー2の所定以上の捩じれを阻止する必
要はない。更に、上記実施形態における緊急ロック手段
では、ロッキングベースに回動可能に軸支されたポール
をリトラクターの被係合部に係止させることによって、
ロック部である該ロッキングベースのウェビング引出し
方向の回転を阻止する構成としたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、ロッキングベースにラッチ歯を
設けると共にリトラクターにポールを回動可能に軸支し
てロック手段を構成しても良い。
【0037】
【発明の効果】本発明のプリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクターによれば、プリテンショナー機構か
らのトルクはボビンに直接伝わるので、ロック部とボビ
ンとの間に配設された塑性変形手段には、プリテンショ
ナー作動時に所定以上の荷重が付与されることはなく、
プリテンショナー機構は十分なウェビング引込みトルク
をボビンに伝達することができる。また、前記塑性変形
手段は、従来のプリテンショナー付きリトラクターのよ
うに、プリテンショナー作動時に塑性変形ストロークの
少なくとも一部が使用されてしまうようなことがないの
で、十分なエネルギー吸収機能を果たすことができる。
【0038】又、前記塑性変形手段は、ロック部が車両
緊急時にウェビング引出し方向の回転を阻止された状態
で塑性変形し、乗員の身体に作用する衝突エネルギーを
変形仕事として吸収することができるので、従来のよう
にエネルギー吸収機構作動中に緊急ロック機構の作動を
阻止する為のキャンセル機構も必要がない。従って、簡
単な構造で十分な機能を果たすことができるプリテンシ
ョナー機構及びエネルギー吸収機構を備えた良好なプリ
テンショナー付きシートベルト用リトラクターを提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に基づくプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの縦断面正面図であ
る。
【図2】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解斜視図である。
【図3】図2に示したボビンの要部拡大斜視図である。
【図4】ボビンとリテーナの変形例を示す要部拡大斜視
図である。
【符号の説明】
1 リトラクターベース 2 トーションバー 3 ボビン 4 ロックプレート 5 ロッキングベース 6 リテーナ 33 嵌合凹部 41 スリーブ 42 クラッチローター 43 ラック 44 ピニオンギヤ 45 増速歯車伝動装置 50 ガス発生器 60 駆動手段 100 プリテンショナー付きシートベルト用リトラ
クター 200 エネルギー吸収機構 300 緊急ロック機構 500 プリテンショナー機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リトラクターベースに回転可能に取付け
    られると共に車両緊急時にウェビング引出し方向の回転
    を阻止されるロック部と、ウェビングが巻装されると共
    に前記ロック部と相対回転可能な円筒状のボビンと、ロ
    ック部とボビンとを所定荷重で相対回転可能に係合する
    塑性変形手段と、車両衝突時に前記ボビンをシートベル
    トの弛みが除去される方向に回転させるプリテンショナ
    ー機構とを備えたプリテンショナー付きシートベルト用
    リトラクターにおいて、 プリテンショナー機構とボビンとの間には、プリテンシ
    ョナー機構の駆動トルクが前記塑性変形手段を介さず、
    直接的に前記ボビンに伝えるための伝達手段が設けられ
    ていることを特徴とするプリテンショナー付きシートベ
    ルト用リトラクター。
JP8246952A 1996-08-30 1996-08-30 プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター Pending JPH1071930A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002037023A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Takata Corp シートベルト巻取り装置
US6354529B1 (en) * 1999-04-16 2002-03-12 Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho Webbing take-up device
KR100468925B1 (ko) * 2002-12-13 2005-02-02 델파이코리아 주식회사 좌석벨트 리트랙터의 프리텐셔너

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