JP2000091748A - 多層配線基板とその製造方法 - Google Patents

多層配線基板とその製造方法

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JP2000091748A
JP2000091748A JP26145498A JP26145498A JP2000091748A JP 2000091748 A JP2000091748 A JP 2000091748A JP 26145498 A JP26145498 A JP 26145498A JP 26145498 A JP26145498 A JP 26145498A JP 2000091748 A JP2000091748 A JP 2000091748A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に、低コストで作製でき、且つ、多層基
板を形成する各配線基板間の電気的接続が信頼でき、更
には、電気的特性の優れた、高精細、高密度配線の多層
配線基板を提供する。 【解決手段】 所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通
孔の少なくとも1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性
あるいは接着絶縁性の電着樹脂層を設けたシート状の金
属材料をベース基板とし、該ベース基板の貫通孔に導電
性物質を充填形成し、充填タイプのスルホールを設け、
且つ、該ベース基板の第1の面に配線を1層形成し、配
線を前記充填タイプのスルホールと接続して形成した単
層配線基板を、複数個、それぞれ、同じ向きにして積層
した多層配線基板であって、使用する際に、ベース基板
のシート状の金属材料部分をグランド基板として使用す
ることができるように、各単層配線基板は、少なくとも
配線の一部を、その表面部に電着樹脂層を設けていない
金属材料の貫通孔部に設けられた充填タイプのスルホー
ルを介して金属材料に接続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板とそ
の製造方法に関するもので、特に、高信頼性を有す充填
タイプのスルーホールを形成した単層配線基板を積層し
た多層基板で、各単層配線基板のコア材である金属材料
部をグランド基板として使用することができる多層配線
基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高密度化に伴い、プリント基
板、半導体周辺に使用される回路基板、各種ディスプレ
イに用いられる配線基板等、各種配線基板においても、
高密度化の要求が強く、これに対応するため、金属配線
の片面配線から両面配線への転換、更に多層化、薄型化
が進められている。このような中、配線基板の金属配線
の形成は、一般には、絶縁性の基板の上全面に金属配線
部を形成するための金属層を形成しておき、これをエッ
チング等により金属層の所定領域を除去して配線部を形
成するサブトラクティブ法、あるいはめっき等により形
成された金属配線部を直接ないし間接的に絶縁性の基板
に、付け加え形成していくアディティブ法が用いられて
いる。サブトラクティブ法の場合は、通常、絶縁性基板
に貼りつけられた金属層(銅箔)をエッチング加工によ
り配線部を形成するもので、技術的に完成度が高く、コ
ストも安いが、金属層の厚さ等によるる制約から配線部
の微細加工が難しいという問題がある。一方、アディテ
ィブ法の場合は、めっきにより金属配線部を形成するた
め、配線部の微細化は可能であるが、コスト信頼性の面
で難がある。尚、配線基板のベース基板としてはBTレ
ジン基板等の、ガラスクロスをその中に含んだ絶縁性の
エポキシ樹脂基板が一般に用いられる。そして、ベース
基板の一面ないし両面に金属配線部を形成したものが単
層の配線基板である。
【0003】多層配線基板は、ベース基板の片面ないし
両面に金属配線部を形成した単層の配線基板、複数層
を、各単層の配線基板間にガラス布にエポキシ樹脂等を
含浸させた半硬化状態のプリプレグを置き、加圧積層し
たものである。多層配線基板の単層配線基板同志の接続
は、通常、ドリル加工により作成されたスルホール内部
に無電界メッキを施す等により行っており、その作製は
煩雑で、製造コスト面でも問題があった。また、バイア
ホールを作成することにより層間接続を行う場合には、
複雑なフォトリソグラフィー工程が必要であり、製造コ
ストの低減の妨げとなっていた。
【0004】結局、サブトラックティブ法により作製さ
れた多層基板は、配線の微細化に限界があるという理由
で高密度化には限界があり、且つ、製造面や製造コスト
面でも問題があった。
【0005】これに対応するため、基材上に、一面にめ
っきにより形成された金属層(銅めっき層)をエッチン
グすることにより作成された金属配線(配線部)と絶縁
層とを順次積層して、図7に示すような構造の多層配線
基板を作製するビルトアップ法と呼ばれる多層基板の作
製方法が試みられるようになってきた。図7中、700
は多層配線基板、710は配線基板、711はベース基
材、715は配線、717はスルーホール、720は1
層目の絶縁樹脂層、725は配線、727はビア、73
0は2層目の絶縁樹脂層、735は配線、737はビア
である。この方法の場合には、高精細の配線と任意の位
置での金属配線間の接続が可能となる。BTレジン等か
らなる絶縁性のベース基材711上ないし絶縁性樹脂層
720、730上への金属層(銅めっき層)からなる配
線(715、725、735)およびビア727、73
7の形成は、通常、絶縁性の基材711上ないし絶縁性
樹脂層720、730上へスパッタリング、蒸着、無電
解めっき等で導通層となる金属薄膜を直接形成した後、
電気めっき等により全面に厚付け金属層を形成し、次い
で該金属層上にレジストを所定のパターンに形成して、
該レジストを耐腐蝕マスクとしてレジストの開口部から
露出した部分のみをエッチングすることにより行う。し
かし、このビルトアップ法による多層基板の作製方法
は、金属層のめっき形成工程、レジストのパターニング
工程、エッチング工程を交互に複数回行うため、工程が
複雑となる。基材上に金属配線(配線部)と、絶縁層と
を1層づつ積み上げる直接プロセスのため、中間工程で
トラブルが発生すると、製品の再生が困難となり、且
つ、製造コストが割高となるという問題がある。
【0006】また、このビルトアップ法による多層基板
の作製方法においては、層間絶縁膜や配線保護膜を得る
のに一般印刷によるパターン形成は安価で量産的な方法
であるが、この方法は、得られるパターンの精度が悪
く、細線の印刷ができず、高精度、高密度のパターンの
形成には適していない。この為、高精細、高密度のパタ
ーンの層間絶縁膜や配線保護膜を得るための、高精細、
高密度のパターンの形成には、印刷法でなく、感光性絶
縁材料(樹脂)を用いたフォトリソグラフィー法による
形成が用いられるが、フォトリソグラフィー法の場合、
工程が長くなり、設備も高価となり、パターン形成に長
時間を要し、生産コストが高くなる。更に、現像により
捨てる感光性絶縁材料の量が多く、コスト高の一因とな
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、多層基板の作製方法においては、ビルトアップ法に
比べ、簡単に、低コストで作製でき、且つ、多層基板を
形成する各配線基板間の電気的接続が信頼でき、更に
は、電気的特性の優れた、高精細、高密度配線の多層配
線基板が求められていた。本発明は、これに対応するも
ので、簡単に、低コストで作製でき、且つ、多層基板を
形成する各配線基板間の電気的接続が信頼でき、更に
は、電気的特性の優れた、高精細、高密度配線の多層配
線基板を提供しようとするものである。具体的には、所
定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通孔の少なくとも1
つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性あるいは接着絶縁
性の電着樹脂層を設けたシート状の金属材料をベース基
板とし、該ベース基板の貫通孔に導電性物質を充填形成
し、充填タイプのスルホールを設け、且つ、該ベース基
板の第1の面に配線を1層形成し、配線を前記充填タイ
プのスルホールと接続して形成した単層配線基板を、複
数個、それぞれ、同じ向きにして積層した多層配線基板
であって、使用する際に、ベース基板のシート状の金属
材料部分をグランド基板として使用することができるよ
うに、各単層配線基板は、少なくとも配線の一部を、そ
の表面部に電着樹脂層を設けていない金属材料の貫通孔
部に設けられた充填タイプのスルホールを介して金属材
料に接続している多層配線基板を提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通孔の少なく
とも1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性あるいは接
着絶縁性の電着樹脂層を設けたシート状の金属材料をベ
ース基板とし、該ベース基板の貫通孔に導電性物質を充
填形成し、充填タイプのスルホールを設け、且つ、該ベ
ース基板の第1の面に配線を1層形成し、配線を前記充
填タイプのスルホールと接続して形成した単層配線基板
を、複数個、それぞれ、同じ向きにして積層した多層配
線基板であって、使用する際に、ベース基板のシート状
の金属材料部分をグランド基板として使用することがで
きるように、各単層配線基板は、少なくとも配線の一部
を、その表面部に電着樹脂層を設けていない金属材料の
貫通孔部に設けられた充填タイプのスルホールを介して
金属材料に接続していることを特徴とするものである。
そして、上記において、単層配線基板は全て、同じ形状
のベース基板を用い、同じ位置、形状に充填タイプのス
ルホールを設けたもので、各単層配線基板の同じ位置、
形状に充填タイプのスルホール同志が、重なるように各
単層配線基板が重ねられていることを特徴とするもので
ある。そしてまた、上記における単層配線基板は、充填
タイプのスルホールの、ベース基板の第1の面に対向す
る第2の面側の部分を、あるいは、該部分に一体的に連
結した導電性層を盛り上げて設けてこれを、他の単層配
線基板あるいは外部回路と電気的に接続するための外部
端子部としているものであることを特徴とするものであ
る。また、上記において、隣接する単層配線基板間の、
配線と外部端子部との電気的接続は、接触ないし一体的
に連結されており、隣接する単層配線基板同志は、隣接
する単層配線基板間の電気的接続領域を除き、隣接する
単層配線基板間を埋めるように設けられた絶縁性の接着
剤層により接着されていることを特徴とするものであ
る。また、上記において、ベース基板の貫通孔に充填形
成される導電性物質が、銅であることを特徴とするもの
である。また、上記において、単層配線基板の配線の最
表面に金層を設けていることを特徴とするものである。
また、上記において、ベース基板の第2の面側の導電性
物質の最表面に金層を設けていることを特徴とするもの
である。また、上記における粘着絶縁性あるいは接着絶
縁性の電着樹脂層がポリイミド樹脂層であることを特徴
とするものである。また、上記において、金属材料がニ
ッケルであることを特徴とするものである。また、上記
において、多層配線基板の一方の面である、単層配線基
板のベース基板の第2の面側に、外部端子部に電気的に
接続する配線を設けたことを特徴とするものである。
【0009】本発明の多層配線基板の製造方法は、所定
の位置に複数の貫通孔を設け、貫通孔の少なくとも1つ
の表面部を除き、表面に粘着絶縁性あるいは接着絶縁性
の電着樹脂層を設けたシート状の金属材料をベース基板
とし、該ベース基板の貫通孔に導電性物質を充填形成
し、充填タイプのスルホールを設け、且つ、該ベース基
板の第1の面に配線を1層形成し、配線を前記充填タイ
プのスルホールと接続して形成した配線基板で、充填タ
イプのスルホールの、ベース基板の第1の面に対向する
第2の面側の部分を、あるいは、該部分に一体的に連結
した導電性層を盛り上げて設けてこれを、他の配線基板
あるいは外部回路と電気的に接続するための外部端子部
としている単層配線基板を、複数個、それぞれ、同じ向
きにして積層した多層配線基板の製造方法であって、多
層配線基板を形成するための上記の各単層配線基板を、
それぞれ個別に作製し、且つ、隣接する単層配線基板間
に絶縁性の接着剤層を挟んだ状態で、順に繰り返しプレ
スにより積層して、あるいは一度にプレスにより積層し
て形成するものであることを特徴とするものである。
【0010】そして、上記における多層配線基板を形成
するための単層配線基板は、少なくとも順に、(A)所
定の貫通孔部の表面のみマスキングしながら、充填タイ
プのスルホール形成用の貫通孔を所定の位置に設けたシ
ート状の金属材料の表面に、電着により絶縁性の電着樹
脂層を形成して、ベース基板を作製するベース基板作製
工程と、(B)少なくとも一面が導電性である基材の導
電性面に、充填タイプのスルホールと接続し、且つ充填
タイプのスルホール形成領域を覆うための端子部を含む
配線部を選択めっきによりめっき形成した転写版と、前
記電着樹脂層を形成したベース基板とを、転写版の配線
部側をベース基板の第1の面側にして、位置合わせし
て、密着させる工程と、(C)転写版の配線部側をベー
ス基板の第1の面側に密着させた状態のまま、第2の面
側から露出した、配線部の端子部に導電性層を電解めっ
きによりめっき形成して、ベース基板の貫通孔部を、第
2の面に達するように埋めて、充填タイプのスルホール
を形成するめっき工程と、(D)配線部のみをベース基
板に残した状態で、転写版を剥離する転写版剥離工程を
行い、作製されるものであることを特徴とするものであ
り、転写版の配線部は、導電性である基材の導電性面側
から順に、金、ニッケル、銅、ニッケルの4層、あるい
は、金、ニッケル、銅の3層をめっき形成したものであ
ることを特徴とするものであり、あるいは、錫、銅の2
層をめっき形成したものであることを特徴とするもので
ある。あるいはまた、上記における多層配線基板を形成
するための単層配線基板は、少なくとも順に、(E)所
定の貫通孔部の表面のみマスキングしながら、充填タイ
プのスルホール形成用の貫通孔を所定の位置に設けたシ
ート状の金属材料の表面に、電着により絶縁性の電着樹
脂層を形成して、ベース基板を作製するベース基板作製
工程と、(F)導電性を有するフィルムをベース基板の
第1の面に圧着する導電性を有するフィルム圧着工程
と、(G)ベース基板の第1の面と対向する第2の面側
から露出した、導電性を有するフィルムに導電性層を電
解めっきによりめっき形成して、ベース基板の貫通孔部
を、第2の面に達するように埋めて、充填タイプのスル
ホールを形成するめっき工程と、(H)ベース基板の第
1の面側に圧着された導電性を有するフィルムの表面に
作製する配線部の形状に合わせてレジストを製版し、レ
ジストを耐エッチング性マスクとしてエッチングし、更
にレジストのみを剥離して配線部を形成する配線部形成
工程を行い、作製されるものであることを特徴とするも
のである。あるいはまた、上記における多層配線基板を
形成するための単層配線基板は、少なくとも順に、少な
くとも順に、(a)所定の貫通孔部の表面のみマスキン
グしながら、充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を
所定の位置に設けたシート状の金属材料の表面に、電着
により絶縁性の電着樹脂層を形成して、ベース基板を作
製するベース基板作製工程と、(b)ベース基板の第1
の面側に銅箔をラミネートするラミネート工程と、
(c)ベース基板の第1の面と対向する第2の面側から
露出した、銅箔部に導電性層を電解めっきによりめっき
形成して、ベース基板の貫通孔部を、第2の面に達する
ように埋めて、充填タイプのスルホールを形成するめっ
き工程と、(d)ベース基板の第1の面側にラミネート
された銅箔の表面に作製する配線部の形状に合わせてレ
ジストを製版し、レジストを耐エッチング性マスクとし
てエッチングし、更にレジストのみを剥離して配線部を
形成する配線部形成工程を行い、作製されるものである
ことを特徴とするものである。
【0011】また、上記のめっき工程において、ベース
基板の第2の面の貫通孔領域周辺にまで達し、盛り上が
る様に導電性層を電解めっきによりめっき形成して、貫
通孔部に充填タイプのスルホールを形成するとともに、
該充填タイプのスルホールに一体的に連結した外部端子
部を形成することを特徴とするものである。また、上記
において、ベース基板の第2の面側のめっき形成された
外部端子部の最表面は、金めっきが施されたものである
ことを特徴とするものである。
【0012】また、上記における貫通孔を所定の位置に
設けたシート状の金属材料の形成は、少なくとも一面が
導電性である基材の、導電性面に、貫通孔を形成する領
域のみにレジストを設け、該導電性面のレジストに覆わ
れていない領域に導電性層をめっき形成した後、めっき
形成された導電性層を前記基材から剥離して形成するも
のであることを特徴とするものである。あるいはまた、
上記における貫通孔を所定の位置に設けたシート状の金
属材料の形成は、所定の厚さの金属シートを素材として
用い、形成する貫通孔部に対応する形状にレジストを該
金属シート面に製版して、レジストを耐エッチング性マ
スクとして金属シートをエッチングして形成するもので
あることを特徴とするものである。あるいはまた、上記
における貫通孔を所定の位置に設けたシート状の金属材
料の形成は、所定の厚さの金属シートを素材として用
い、打抜きにより貫通孔を設けて形成するものであるこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明の多層配線基板は、このような構成にす
ることにより、簡単に、低コストで作製でき、且つ、多
層基板を形成する各配線基板間の電気的接続が信頼で
き、更には、電気的特性の優れた、高精細、高密度配線
の多層配線基板の提供を可能としている。具体的には、
所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通孔の少なくとも
1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性あるいは接着絶
縁性の電着樹脂層を設けたシート状の金属材料をベース
基板とし、該ベース基板の貫通孔に導電性物質を充填形
成し、充填タイプのスルホールを設け、且つ、該ベース
基板の第1の面に配線を1層形成し、配線を前記充填タ
イプのスルホールと接続して形成した単層配線基板を、
複数個、それぞれ、同じ向きにして積層した多層配線基
板であって、使用する際に、ベース基板のシート状の金
属材料部分をグランド基板として使用することができる
ように、各単層配線基板は、少なくとも配線の一部を、
その表面部に電着樹脂層を設けていない金属材料の貫通
孔部に設けられた充填タイプのスルホールを介して金属
材料に接続していることにより、これを達成している。
即ち、各単層配線基板は、電気的な接続の面で信頼性の
高い充填タイプのスルホールを形成した構造で、表裏の
電気的接続を信頼できるものとしている。そして、使用
する際に、ベース基板のシート状の金属材料部分をグラ
ンド基板として使用することができるように、配線の一
部を、その表面部に電着樹脂層を設けていない金属材料
の貫通孔部に設けられた充填タイプのスルホールを介し
て金属材料に接続していることにより、ベース基板のシ
ート状の金属材料部分をグランド基板として使用するこ
とにより、電気的な特性を良くできるものとしている。
そしてまた、各単層配線基板の配線部を選択めっき形成
により作製した転写版より、転写形成することもできる
構造で、配線の微細化にも対応できる。即ち、配線の高
精細、高密度配線にも対応できる。
【0014】更に具体的には、単層配線基板は全て、同
じ形状のベース基板を用い、同じ位置、形状に充填タイ
プのスルホールを設けたもので、各単層配線基板の同じ
位置、形状に充填タイプのスルホール同志が、重なるよ
うに各単層配線基板が重ねられていることにより、各単
層配線基板の配線設計を簡単なものとでき、且つ、各単
層配線基板のベース基板が同じ形状のものであることに
より、作製する際にも有利である。また、単層配線基板
は、充填タイプのスルホールの、ベース基板の第1の面
に対向する第2の面側の部分を、あるいは、該部分に一
体的に連結した導電性層を盛り上げて設けてこれを、他
の単層配線基板あるいは外部回路と電気的に接続するた
めの外部端子部としているものであることにより、全体
の構成を複雑にせず単純なものとしている。
【0015】隣接する単層配線基板間の、配線と外部端
子部との電気的接続は、接触ないし一体的に連結する方
式が適用できる。尚、一体的に連結する方式としては、
例えば、配線の最表面を金層とし、外部端子部の最表面
を金層ないし錫層として、共晶により接合する方式が挙
げられる。また、隣接する単層配線基板同志は、隣接す
る単層配線基板間の電気的接続領域を除き、隣接する単
層配線基板間を埋めるように設けられた絶縁性の接着剤
層により接着する方式が適用できる。
【0016】ベース基板の貫通孔に充填形成される導電
性物質としては、導電性、コスト的な面から銅が挙げら
れるが、特にこれに限定はされない。また、配線として
は、導電性、処理性、経済的な面から銅を主材質とする
ことが好ましい。また、単層配線基板の配線の最表面に
金層を設けていることにより、配線部全を化学的に安定
なものとし、且つ、外部端子部の最表面を金層ないし錫
層とした場合には、単層配線基板間の電気的接続を、共
晶により接合することができるものとしている。同様
に、ベース基板の第2の面側の導電性物質の最表面に金
層を設けていることにより、外部端子部を化学的に安定
なものとし、配線の最表面に金層を設けてある場合に
は、単層配線基板間の電気的接続を、共晶により接合す
ることができるものとしている。
【0017】また、粘着絶縁性あるいは接着絶縁性の電
着樹脂層としては、電気絶縁性、強度、化学的安定性等
が要求されるが、ポリイミド樹脂層が挙げられる。
【0018】また、金属材料としては、導電性、作業性
(硬さ)等の性質が要求され、好ましい材質としてはニ
ッケルが挙げられるが、銅(Cu)、アルミニウム(A
l)等の他の材質も使用できる。
【0019】尚、多層配線基板としては、多層配線基板
の一方の面である、単層配線基板のベース基板の第2の
面側に、外部端子部に電気的に接続する配線を設けるこ
とにより、さらに、その使用適用範囲を広げることがで
きる。
【0020】本発明の多層配線基板の製造方法は、この
ような構成にすることにより、比較的、簡単に、本発明
の多層配線基板の作製を可能とするものである。特に、
各単層配線基板のベース基板の第1面側に転写版にめっ
き形成した配線部を、電着樹脂層を介して転写形成する
場合には、配線部の微細化を可能としている。また、単
層配線基板のベース基板の第1面側に、異方性導電性フ
ィルムを圧着して、エッチングにより配線部を形成する
場合には、該配線部の形成をより簡単なものとできる。
また、単層配線基板のベース基板の第1面側に、電着樹
脂層を介しラミネート銅箔をエッチングして配線部を形
成する場合には、該配線部の形成をより簡単なものとで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を挙げて、図
に基づいて説明する。図1(a)は本発明の多層配線基
板の実施の形態の第1の例の一部断面図で、図1(b)
は本発明の多層配線基板の実施の形態の第2の例の一部
断面図で、図2(a)は、図1(a)、図1(b)に用
いられる単層配線基板を示した断面図で、図2(b)は
その配線形状を説明するための図で、図2(c)は配線
の層構成を説明するための断面図で、図2(d)は別の
単層配線基板を示した断面図で、図3(a)はベース基
板の作製工程図で、図3(b)は所定の位置に貫通孔を
設けた金属材料のエッチング加工工程を示した断面図
で、図4は転写版を用いた単層配線基板の製造工程図
で、図5は別の単層配線基板の製造工程図で、図6は多
層配線基板の一面の外部端子部側に更に配線を設け工程
を説明するための図である。各図ともに、説明を分かり
易くするために、特徴部の一部断面を示したものであ
る。図1(a)、図1(b)においては、図を分かり易
くするため、外部端子部155、155Aについては、
その表面部の層構成は分けずに示してある。また、図2
(c)は図2(a)のA1−A2における断面図を示
し、図2(b)の点線領域は充填タイプのスルホール領
域を示す。図1〜図6中、100、100Aは単層配線
基板、110はベース基板、110Aは第1の面、11
0Bは第2の面、110Mは金属材料、115、115
Mは貫通孔部、120は電着樹脂層、133は配線部
(めっき導電性層)、133Aは端子部、133Bはリ
ード、141、143はニッケル層、142は銅層、1
44は金層、150、150Aは充填タイプのスルホー
ル、155、155Aは外部端子部、160は下地めっ
き層、165は金めっき層、190、195は接着剤
層、210は導電性基板、220はレジスト、230は
マスキング材、250は金属シート、260はレジス
ト、265は開口部、270はバッキング材、400は
転写版、410は導電性基板、420はレジスト、43
0導電性層、540は銅箔、550はレジスト、610
は銅箔、620はレジストである。尚、ここでは、充填
タイプのスルホールのうち金属材料110Mの貫通孔の
表面に電着樹脂層120を設け、金属材料110Mと電
気的に接続していないものを150とし、金属材料11
0Mの貫通孔の表面に電着樹脂層120を設けずに金属
材料110Mと電気的に接続しているものを150Aと
している。そして、充填タイプのスルホール150、1
50Aに一体的に設けられた外部端子部をそれぞれ、1
55、155Aとしている。
【0022】はじめに、本発明の多層配線基板の実施の
形態の例を挙げる。先ず、第1の例を図1(a)、図2
に基づいて説明する。第1の例の多層配線基板は、図2
(a)に示す、所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通
孔の少なくとも1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性
あるいは接着絶縁性の電着樹脂層120を設けたシート
状の金属材料をベース基板110とし、該ベース基板1
10の貫通孔に導電性物質を充填形成し、充填タイプの
スルホールを設け、且つ、該ベース基板110の第1の
面110Aに配線を1層形成し、配線133を前記充填
タイプのスルホール150、150Aと接続して形成し
た単層配線基板100を用いたもので、図1(a)に示
すように、単層配線基板100を複数個、それぞれ、同
じ向きにして積層した多層配線基板である。そして、使
用する際に、ベース基板110のシート状の金属材料1
10M部分をグランド基板として使用することができる
ように、各単層配線基板100は、少なくとも配線13
3の一部を、その表面部に電着樹脂層120を設けてい
ない金属材料の貫通孔部に設けられた充填タイプのスル
ホール150Aを介して金属材料110Mに接続してい
るものである。また、第1の例においては、単層配線基
板100は全て、同じ形状のベース基板110を用い、
同じ位置、形状に充填タイプのスルホール150、15
0Aを設けたもので、各単層配線基板の同じ位置、形状
に充填タイプのスルホール150、150A同志が、重
なるように各単層配線基板100が重ねられている。
尚、各単層基板の配線133は、それぞれ、使用目的に
合わせた所定の形状に設けられている。
【0023】また、第1の例における単層配線基板10
0は、図2(a)にも示すように、充填タイプのスルホ
ールの、ベース基板の第1の面110Aに対向する第2
の面110B側の部分に一体的に連結した導電性層を盛
り上げて設けてこれを、他の単層配線基板あるいは外部
回路と電気的に接続するための外部端子部155、15
5Aとしている。充填タイプのスルホール150、15
0Aは、ベース基板110の貫通孔部を埋めるように、
導電性物質によりめっき形成されており、配線133の
端子部133Aに直接めっき接続している。貫通孔を埋
め、外部端子部155、155Aの一部を形成する導電
性物質としては、銅が挙げられるが、これに限定はされ
ない。外部端子部155、155Aの表面部は、図2
(a)に示す単層配線基板の場合には、充填タイプのス
ルホール150、150Aを形成する導電性物質と同じ
で一体的に連結した導電性物質上に、下引き層160と
してニッケル層を設け、その上に金めっき層165が最
表面となるように形成されているが、外部端子部15
5、155Aの層構成は、これに限定はされない。配線
133はその表面部に金層を設けることにより、化学的
に安定となるとともに、単層配線基板を積層した場合、
配線部に対応する外部端子部の最表面を金層や錫層とし
ておくことにより、共晶させて接続することができる。
【0024】第1の例においては、隣接する単層配線基
板間の、配線133と外部端子部150、150Aとの
電気的接続は、接触ないし一体的に連結されている。そ
して、隣接する単層配線基板100同志は、隣接する単
層配線基板間の電気的接続領域を除き、隣接する単層配
線基板間を埋めるように設けられた絶縁性の接着剤層1
90により接着されている。
【0025】配線部133は、めっき形成された転写版
から転写形成されたもの、あるいは、導電性樹脂層ある
いは銅箔をエッチング形成したもので、配線の微細化が
可能で、高精細、高密度配線に対応できる。配線部13
3が、めっき形成された転写版から転写形成されたもの
の場合、図2(c)に示すように、配線133の層構成
の1例としては、銅層142を配線133の主材質と
し、電着樹脂層120側から順にニッケル層141、銅
層142、ニッケル層143、金層144を積層した構
成が挙げられる。この場合、ニッケル層141は、転写
版に銅層142をめっき形成する際の下引き層で、14
4は隣接する単層配線基板の外部端子部との接続を容易
とするためのもので、ニッケル層143は金層144の
下引き層である。ニッケル層141、銅層142、ニッ
ケル層143、金層144の各層厚さはそれぞれ、1μ
m、10μm、1μm、0.5μm程度が好ましいが、
これ以外の厚さでも適用できる。尚、配線133の層構
成は、必ずしもこれに限定はされない。また、配線13
3の表面、全体に金層を設けた場合には、化学的に安定
した構成となり、好ましい。配線133の別の層構成と
しては、例えば、銅層を配線133の主材質とし、電着
樹脂層120側から順に銅層、ニッケル層、金層を設け
た構成や、銅を主材質とし、電着樹脂層120側から順
に銅層、錫層を設けた構成が挙げられる。また、場合に
よっては、配線133を銅単層として配線基板を作製す
る場合もある。図2(b)に示すように、各配線部13
3の充填タイプのスルホール150あるいは150Aと
接続する端子部133Aは、リード133Bに接続して
いる。本例では端子部133Aは、充填タイプのスルホ
ール150あるいは150Aの形成領域全体(図2
(b)の点線円領域内)を覆うように設けられている
が、必ずしも全体を覆う必要はない。このことは、配線
部133(端子部133Aを含む)の形成する際に、形
成精度をそれほど必要しないことを意味する。図2
(b)は、配線形状の1例で、配線の形状は使用目的に
合わせてとる。
【0026】金属材料110Mとしては導電性、作業性
(硬さ)等の性質が要求され、好ましい材質としてはニ
ッケルが挙げられるが、銅(Cu)、アルミニウム(A
l)等の他の材質も使用できる。
【0027】電着樹脂層120は、常温、加熱により接
着絶縁性を示すもので、電気的絶縁性、強度等に優れる
ものが好ましく、特に限定はされないが、ポリイミド樹
脂層が挙げられる。電着樹脂層120は、シート状の金
属材料110Mの表面を覆い、金属材料110Mととも
にベース基板110を形成しており、配線部133は、
この電着樹脂層120にて金属材料110Mに接着保持
されている。
【0028】次いで、第2の例を図1(b)に基づいて
説明する。図1(b)に示す第2の例の多層配線基板
は、図1(a)第1の例の多層配線基板に、更に、接着
剤層195を介して配線135を設けたものである。そ
の他の点については、第1の例と同じである。
【0029】図1(a)に示す第1の例、図1(b)に
第2の例ともに、単層配線基板は全て、同じ形状のベー
ス基板を用い、同じ位置、形状に充填タイプのスルホー
ルを設けたもので、各単層配線基板の同じ位置、形状に
充填タイプのスルホール同志が、重なるように各単層配
線基板が重ねられていることにより、配線設計を簡単な
ものとでき、且つ、各単層配線基板のベース基板が同じ
形状のものであることにより、作製する際にも有利であ
る。
【0030】これらの変形例の多層配線基板としては、
異なるベース基板を用いた単層配線基板を積層したもの
が挙げられる。また、積層する単層配線基板の数を変え
たものが挙げられる。単層配線基板100の変形例とし
ては、図2(d)に示すように、外部端子部155、1
55Aを殆ど盛り上げない構造のもの、即ち、充填タイ
プのスルホール150、150Aのベース基板110の
第2面側110Bの面に、直接下地めっき層160を施
し、その上に金めっき層165を施した構造のものがあ
る。図1(a)、図1(b)において、単層配線基板1
00に代え、図2(d)に示す単層配線基板100Aを
用いたものも、変形例の多層配線基板として挙げること
ができる。
【0031】次に、本発明の多層配線基板の製造方法の
実施の形態の1例を挙げる。図3、図4に基づいて説明
する。本例は、図1(a)に示す、本発明の多層配線基
板の実施の形態の第1の例で、各単層配線基板100の
配線部133が、それぞれめっき形成された転写版から
転写形成されたものの、製造方法の1例である。本例
は、簡単には、積層する単層配線基板100それぞれ作
製しておき、接着剤層190を介して、これらを位置合
わせした状態で重ねた後、プレスにて圧をかけて、隣接
する単層配線基板の配線部133と外部端子部 15
0、150Aが機械的に接触するようにして、圧着する
ものである。位置合わせ方法としては、特に限定はされ
ないが、所定の位置合わせ治具を用いる方法が、通常は
採られる。1度に全単層配線基板をプレスしても良い
し、順次、1枚づつ単層配線基板を積層していっても良
い。
【0032】次に、各単層配線基板100の作製方法
を、以下説明する。はじめに、以下のようにして、ベー
ス基板110を図3(a)のようにして作製する。ま
ず、導電性基材210の一面に、貫通孔を形成する領域
のみにレジスト220を設け(図3(a)(イ))、該
導電性基板210の一面のレジスト220に覆われてい
ない領域に導電性層をめっき形成して、シート状の金属
材料110Mを形成した(図3(a)(ロ))後、金属
材料110Mを導電性基材210から剥離する。(図3
(a(ハ)) 次に、シート状の金属材料110Mの所定の貫通孔部1
15Mの表面のみマスキング材230でマスキングしな
がら、充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を所定の
位置に設けたシート状の金属材料の表面に、電着により
絶縁性の電着樹脂層を形成して、ベース基板110を作
製する。(図3(a)(ニ)) 充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を所定の位置に
設けたシート状の金属材料の作製する第2の方法として
は、図3(b)に示すように、所定の厚さの金属シート
260を素材として用い、形成する貫通孔部に対応する
形状にレジスト260を該金属シート250の一面に製
版して、且つ、他の一面を耐エッチング性のバッキング
材270で覆い(図3(b)(イ))、レジスト260
を耐エッチング性マスクとして金属シート250をエッ
チングして(図3(b)(ロ))、レジスト260、バ
ッキング材270を剥がし、シート状の金属材料110
Mを得る(図3(b)(ハ))方法が挙げられる。更
に、充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を所定の位
置に設けたシート状の金属材料の作製する第3の方法と
して、所定の厚さの金属シートを素材として用い、打抜
きにより貫通孔を設けてシート状の金属材料110Mを
形成する方法が挙げられる。これらは方法は、適宜、そ
の目的に応じて用いられる。
【0033】電着樹脂層120は、電着により、金属材
料110Mの表面に形成されるが、常温あるいは加熱に
より接着性(粘着性)を示すもので、絶縁信頼性、化学
的安定性、強度に優れたものが好ましい。電着樹脂層1
20を電着形成するための電着液に用いられる高分子と
しては、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオ
ン性合成高分子樹脂を挙げることができる。アニオン性
高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン化油樹脂、ボリブタジエン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あ
るいは、これらの樹脂の任意の組合せによる混合物とし
て使用できる。さらに、上記のアニオン性合成樹脂とメ
ラミン樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性
樹脂とを併用しても良い。また、カチオン性合成高分子
樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組合せに
よる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン
性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等
の架橋性樹脂を併用しても良い。また、上記の高分子樹
脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、
石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加するこ
とも可能である。上記高分子樹脂は、アルカリ性または
酸性物質により中和して水に可溶化された状態、または
水分散状態で電着法に供される。すなわち、アニオン性
合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールア
ミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アル
カリで中和する。カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、
ぎ酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、
中和された水に可溶化された高分子樹脂は、水分散型ま
たは溶解型として水に希釈された状態で使用される。
【0034】特に、絶縁性、強度、化学的安定性の面か
ら電着樹脂層120がポリイミド樹脂であるとが好まし
い。
【0035】一方、ステンレス(SUS304)等の導
電性基材410の一面にレジスト420を塗布し、所定
形状に開口部を設けた(図4(a))後、レジスト42
0の開口から露出した領域に電解めっきにより、導電性
層430をめっき形成して、配線部形成用の転写版40
0を形成しておく。(図4(b)) レジスト420としては、ノボラックレジスト等が用い
られるが、耐めっき性のもので処理性の良いものであれ
ば、これに限定されない。尚、必要に応じ、めっき前処
理を行っておく。また、転写版の導電性層430(配線
部)は、導電性基材基材の面側から順に、金、ニッケ
ル、銅、ニッケルの4層形成したものを用いた場合に
は、作製される配線基板の配線部133の層構成は、図
2(c)に示すようなる。
【0036】次いで、転写版400と、前記電着樹脂層
120を形成したベース基板110とを、転写版の導電
性層430(配線部)側をベース基板110の第1の面
110A側にして、位置合わせして、密着させる。(図
4(c)) 密着は、必要に応じ、所定の圧、熱をかけて行う。
【0037】次いで、転写版400の導電性層430
(配線部)側をベース基板110の第1の面110A側
に密着させた状態のまま、第1の例と同様、第2の面1
10B側から露出した、導電性層430(配線部)に導
電性層を電解めっきによりめっき形成して、ベース基板
の貫通孔部を埋めて、充填タイプのスルホール150、
150Aを形成し(図4(d))、更に電解めっきを継
続し、ベース基板110の第2の面110Bの貫通孔1
15領域周辺にまで達し、盛り上がる様に導電性層を形
成し、貫通孔部115に充填タイプのスルホール15
0、150Aを形成するとともに、該充填タイプのスル
ホールに一体的に連結した外部端子部155、155A
を形成する。(図4(e)) 尚、この電解めっきはめっき浴中で行うため、転写版4
00の裏面(導電性層430形成側と反対の面)は、場
合によっては、他のレジストやマスキング材で覆っても
良い。
【0038】次いで、必要に応じ、更に外部端子部15
5、155Aの表面に、下地めっき層160としてニッ
ケルめっき層をめっきし、最表層に金めっき層165を
設けた後、導電性層430(配線部133)のみをベー
ス基板110に残した状態で、転写版400を剥がす。
(図4(f)) 上記のようにして、図1や図2(a)に示す単層配線基
板100は作製できる。
【0039】次に、単層配線基板を作製する別の方法を
挙げ、図5に基づいて説明する。この方法は、配線13
3を銅箔をエッチングして作製する製造する方法の例で
ある。先ず、図3(a)(イ)〜図3(a)(ニ)のよ
うにして、シート状の金属材料110Mの表面に電着樹
脂層120を形成したベース基板を用意してお。く次い
で、ベース基板110の第1の面110A側に銅箔54
0をラミネートする。(図5(a)) 銅箔540は、厚さ9〜18μm程度のものを用い、電
着樹脂層120を接着剤層としてラミネートする。
【0040】次いで、ベース基板110の第1の面11
0Aと対向する第2の面110B側から露出した、銅箔
部240に導電性層を電解めっきによりめっき形成し
て、ベース基板110の貫通孔部115を、埋めて、充
填タイプのスルホール150、150Aを形成し(図5
(b))、更に電解めっきを継続し、ベース基板110
の第2の面110Bの貫通孔115領域周辺にまで達
し、盛り上がる様に導電性層を形成し、貫通孔部115
に充填タイプのスルホール150、150Aを形成する
とともに、該充填タイプのスルホールに一体的に連結し
た外部端子部155、155Aを形成する。(図5
(c)) 電解めっきとしては、銅めっきが挙げられる。尚、この
電解めっきはめっき浴中で行う。
【0041】次いで、ベース基板110の第1の面11
0A側にラミネートされた銅箔540の表面に作製する
配線部の形状に合わせてレジスト550を製版し(図5
(d))、レジスト550を 耐エッチング性マスクと
してエッチングし(図5(e))、更にレジスト550
のみを剥離して配線133を形成する。(図5(f)) レジスト550としては処理性の良いものが好ましい
が、特に限定はされない。エッチング液としては、塩化
第2鉄溶液等が用いられる。尚、レジスト550の塗布
は、銅箔540をラミネートした後に、充填タイプのス
ルホール150、150Aをめっき形成する前にの行っ
ても良い。
【0042】この後、必要に応じ、更に外部端子部15
5、155Aの表面に、下地めっき層160としてニッ
ケルめっき層をめっきし、最表層に金めっき層165を
設けておく。(図2(a)) 上記のようにして、図1や図2(a)に示す単層配線基
板100は作製できる。
【0043】この、単層配線基板を作製する方法の変形
例としては、銅箔540に代え、導電性樹脂層をベース
基板の第1の面110Aに圧着しておき、同様にして、
これを用い充填タイプのスルホール150、150Aや
外部端子部155、155Aを形成し、且つ、これを製
版してエッチングして配線133を形成する方法もあ
る。
【0044】次に、図1、図6に基づいて、図1(b)
に示す、本発明の多層配線基板の実施の形態の第2の例
の製造方法を説明しておく。先ず、上記のようにして作
製された本発明の多層配線基板の実施の形態の第1の例
の多層配線基板(図1(a))の、外部端子150、1
550A側に、絶縁性の接着剤層195を介して銅箔6
10をラミネートする。(図6(a)) 次いで、銅箔610の露出した面に、作成する配線に合
わせた形状に耐エッチング性のレジスト620を製版し
ておく。(図6(b)) 次いで、レジスト620をマスクとして、銅箔610の
露出部をエッチングし、レジスト620を除去して、配
線135を形成する。(図1(b)) このようにして、第2の例の多層配線基板は作成され
る。
【0045】
【実施例】更に、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。 (実施例1)実施例1は、図1に示す第1の例の多層配
線基板と同じ形態のもので、単層配線基板を3層(それ
ぞれ単層配線基板A10、A20、A30とする)と
し、且つ、各単層配線基板100の配線133の層構成
が銅単体とするものを、上記第1の例の多層配線基板の
製造方法により作成したものである。図3、図4に基づ
いて説明する。先ず、各単層配線基板用の配線に応じ、
転写版400(図4(a))を以下のようにして作成し
た。尚、転写版の配線は各単層配線基板とも異なる。導
電性基材410として厚さ0.1mmのステンレス材
(SUS304)を用意し、この一面に市販のフォトレ
ジスト、OMR−85(東京応化工業株式会社製)をス
ピンコート法により膜厚約1μmに塗布して、オーブン
85°C、30分間乾燥を行った。そして、所定のフォ
トマスクを用いて、露光装置P−202−G(大日本ス
クリーン製造株式会社製)を用いて密着露光を行った。
露光条件は、30countとした。その後、現像、水
洗、乾燥をし、所定のパターンを有するレジスト層(図
4(a)の420に相当)を形成した。(図4(a)) 上記、導電性基材410と含燐銅電極とを対向させて下
記の組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬し、直流電源の陽極
に含燐銅電極を、陰極に導電性基材410を接続し、電
流密度2A/dm2 で24分間の通電を行い、レジスト
420に覆われていない導電性基材410の露出部に膜
厚約10μmの銅めっき膜を導電性層430として形成
し、転写版400を得た。(図4(b)) (硫酸銅めっき浴の組成) CuSO4 ・5H2 0 200g/l H2 SO4 50g/l HCl 0.15ml/l(Clとして60ppm)
【0046】また、シート状の金属材料110Mの作製
を以下のようにして行った。導電性基材210として厚
さ0.1mmのステンレス材(SUS304)を用意
し、この一面に市販のフォトレジスト、AR−900
(東京応化工業株式会社製)をスピンコート法により膜
厚約20μmに塗布して、オーブン85°C、30分間
乾燥を行った。そして、所定のフォトマスクを用いて、
露光装置P−202−G(大日本スクリーン製造株式会
社製)を用いて密着露光を行った。露光条件は、600
countとした。その後、現像、水洗、乾燥をし、所
定のパターンを有するレジスト層(図3(a)の220
に相当)を形成した。(図3(a)(イ)) 導電性基材210とNi電極とを対向させ、下記組成の
スルファミン酸ニッケル浴中に浸漬し、直流電源の陽極
にNi電極を、陰極に導電性基材210を接続し、電流
密度5A/dm2 で20分間の通電を行い、レジスト2
20に覆われていない導電性基材210の露出部に膜厚
約20μmのNiめっき膜を形成して、シート状の金属
材料110Mを形成した。(図3(a)(ロ)) この後これを剥がしてシート状の金属材料110Mのみ
を得た。(図3(a)(ハ)) (スルファミン酸ニッケル浴の組成) Ni(NH2 SO3 2 ・6H2 0 400g/l H3 BO3 30g/l NiCl2 /6H2 0 15g/l 添加剤(メルテック株式会社製) ナイカルPC−3 30ml/l ニッケルグリームNAW−4 0.02ml/l 浴温度 55°C pH 4.0
【0047】次いで、シート状の金属材料110Mの所
定位置の貫通孔のみマスキング材230でその表面を覆
い、シート状の金属材料110Mを白金電極と対向さ
せ、下記のようにして調整したアニオン型の電着液中に
浸漬し、定電圧電源の陽極にシート状の金属材料110
Mを、陰極に白金電極を接続し、150Vの電圧で5分
間の電着を行い、これを150°C、5分間で乾燥、熱
処理して、金属材料110Mの表面に厚さ15μmの接
着性を有する絶縁樹脂層(電着樹脂層120に相当)を
形成して、ベース基板110を得た。(図3(a)
(ニ)) 以下のようにポリイミドワニスを作製し、電着液の調整
を行った。 <ポリイミドワニスの製造>11容量の三つ口セパラブ
ルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器,窒素導入管及
びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管
をつけた還流冷却器を取り付ける。窒素気流中を流しな
がら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフ
ラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示す。3、
4、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無
水物(以後BTDAと呼ぶ)32.22g(0.lモ
ル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)
スルホン(m−BAPS)21.63g(0.05モ
ル),γ−バレロラクトン1.5g(0.015モ
ル)、ピリジン2.37g(0.03モル)、NMP
(N−メチル−2−ピロリドンの略)200g、トルエ
ン30gを加えて、窒素を通じながらシリコン浴中,室
温で30分撹件(200rpm)、ついで昇温して18
0℃、l時間、200rpmに攪拌しながら反応させ
る。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、
BTDA16.11g(0.05モル)、3、5ジアミ
ノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)15.22g(0.
1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、
室温で30分攪拌したのち(200rpm)、次いで昇
温して180℃に加熱攪拌しトルエンー水留出分15m
lを除去する。その後、トルエンー水留出分を系外に除
きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終
了した。20%ポリイミドワニスを得た。 <電着液の調製>20%濃度ポリイミドワニス100g
に3SN(NMP:テトラヒドロチオフェンー1、l−
ジオキシド=l:3(重量)の混合溶液)150g、ベ
ンジルアルコール75g、メチルモルホリン5.0g
(中和率200%)、水30gを攪拌して水性電着液を
調製する。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4
%、pH7.8、暗赤褐色透明液である。
【0048】上記のようにして作製した転写版400の
導電性層430(配線部に相当)形成側を、上記ベース
基板110の第1の面110Aに下記条件にて圧着させ
(図4(c))、圧着状態のまま、下記の銅めっき浴中
で、ベース基板110の、第2の面側から露出した、転
写版400の導電性層430(配線部に相当)上に導電
性層を電解めっきによりめっき形成して、ベース基板1
10の貫通孔部を、埋めて、充填タイプのスルホール1
50、150Aを形成し(図4(d))、更に電解めっ
きを継続し、ベース基板110の第2の面110Bの貫
通孔115領域周辺にまで達し、盛り上がる様に導電性
層を形成し、貫通孔部115に充填タイプのスルホール
150、150Aを形成するとともに、該充填タイプの
スルホールに一体的に連結した外部端子部155、15
5Aを形成した。(図4(e))尚、電解めっきは、直
流電源の陽極に含燐銅電極、陰極に転写版400の導電
性基材410を接続し、接続し、電流密度4A/dm2
で30分間の通電を行い、ベース基板の貫通孔部に膜厚
約25μmの銅めっき膜を形成したものである。 (圧着条件) 圧力 5kg/cm2 温度 200°C (硫酸銅めっき浴の組成) CuSO4 ・5H2 0 200g/l H2 SO4 50g/l HCl 0.15ml/l(Clとして60ppm)
【0049】次いで、外部端子部155、155A表面
のみにニッケルめっきを施し、次いで金めっきを施し
た。 (ニッケルめっき浴組成) めっき液:日本高純度化学株式会社製のWHN pH 2.8 液温 50°C (金めっき液) メッキ液:テンペレジストK−91S(日本高純度化学
株式会社製) pH 7.3 液温 65°C この後、転写版を剥がして、図1、図2(a)に示す第
1の例の単層配線基板と同じ形態の、単層配線基板A1
0、A20、A30を作製した。尚、各単層配線基板の
配線は、それぞれ使用した転写版の配線形状に対応する
もので、各単層配線基板で異なる。
【0050】次いで、上記のようにして得られた単層配
線基板A10、A20、A30を絶縁性の接着剤層19
5(ポリイミド樹脂層)を介して、位置合わせして重ね
た後、下記条件で圧着し、多層配線基板を得た。 (圧着条件) 圧力 5kgf/cm2 温度 250°C
【0051】(実施例2)実施例2も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板B1
0、B20、B30とする)とするものであるが、実施
例1とは異なり、銅を主材質とし、表面部にニッケルめ
っきを下地とし、表面に金めっき層を設けた配線を有す
るもので、転写版400の導電性層430(配線部に相
当)を導電性基材410の面側から順に、金めっき、ニ
ッケルめっき、銅めっきとしたものである。それ以外に
ついては、実施例1と同じであるため、ここでは、転写
版400の作成工程のみを説明する。実施例1と同様に
して、導電性基材410として厚さ0.1mmのステン
レス材(SUS304)を用意し、この一面に市販のフ
ォトレジスト、OMR−85(東京応化工業株式会社
製)をスピンコート法により膜厚約1μmに塗布して、
オーブン85°C、30分間乾燥を行った。そして、所
定のフォトマスクを用いて、露光装置P−202−G
(大日本スクリーン製造株式会社製)を用いて密着露光
を行った。露光条件は、30countとした。その
後、現像、水洗、乾燥をし、所定のパターンを有するレ
ジスト層(図4(a)の420に相当)を形成した。
(図4(a)) 次いで、上記、導電性基材410と白金チタン電極を対
向させてテンペレジストK−91S(日本高純度化学株
式会社製)の電解金めっき浴中で浸漬し、直流電源の陽
極に白金電極を、陰極に導電性基材410を接続し、電
流密度0.4A/dm2 で4.5分間の通電を行い、レ
ジスト420に覆われていない露出部に膜厚約1μmの
金めっき層を形成した。次いで、金めっき層を形成した
導電性基材410を、下記のニッケルめっき液WHN
(日本高純度化学株式会社製)に浸漬し、直流電源の陽
極に電解ニッケル板を、陰極に導電性基材410を接続
し、電流密度1A/dm2 で5分間の通電を行い、金め
っきが形成されている部分上に約1μmのニッケル膜を
形成した。次いで、ニッケル膜を形成された導電性基材
410と、含燐銅電極を対向させ、下記組成の硫酸銅め
っき浴中に浸漬し、直流電源の陽極に含燐銅電極、陰極
に導電性基材410を接続し、接続し、電流密度2A/
dm2 で24分間の通電を行い、ベース基板の貫通孔部
に膜厚約10μmの銅めっき膜を形成した。 (金めっき液) メッキ液:テンペレジストK−91S(日本高純度化学株式会社製) pH 7.3 液温 65°C (ニッケルめっき浴組成) めっき液:WHN(日本高純度化学株式会社製) pH 2.8 液温 50°C (硫酸銅めっき浴の組成) CuSO4 ・5H2 0 200g/l H2 SO4 50g/l HCl 0.15ml/l(Clとして60ppm)
【0052】(実施例3)実施例3も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板C1
0、C20、C30とする)とするものであるが、実施
例1における、外部端子部155、155A表面にニッ
ケルめっきを施し、次いで金めっきを施す工程を省い
た、外部端子部が銅のみの単層配線基板を用いたもので
ある。それ以外については、実施例1と同じである。
【0053】(実施例4)実施例4も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板D1
0、D20、D30とする)とするものであるが、実施
例1における、外部端子部155、155A表面にニッ
ケルめっきを施し、次いで金めっきを施す工程に代え、
外部端子部155、155Aの表面に金めっきを以下の
条件にて施して、各単層配線基板を得たものである。そ
れ以外については、実施例1と同じである。 (金めっき液) メッキ液:テンペレジストK−91S(日本高純度化学
株式会社製) pH 7.3 液温 65°C 電流密度:0.4A/dm2 で4.5分間の通電
【0054】(実施例5)実施例5も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板E1
0、E20、E30とする)とするものであるが、実施
例1における、外部端子部155、155A表面にニッ
ケルめっきを施し、次いで金めっきを施す工程に代え、
外部端子部155、155Aの表面に錫めっきを以下の
条件にて施して、各単層配線基板を得たものである。そ
れ以外については、実施例1と同じである。 (錫めっきえきおよびめっき条件) 硫酸第一錫 55g/l 硫酸 100g/l クレゾールスルホン酸 100g/l ゼラチン 2g/l ベータナフトール 1g/l 電流密度:1A/dm2 液温 20°C
【0055】(実施例6)実施例6も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板F1
0、F20、F30とする)とするものであるが、実施
例1における各単層配線基板の配線部133の形成を、
図5に示す工程にて行ったものであり、それ以外につい
ては、実施例1と同じである。以下、図5の工程のみを
説明する。電解銅箔540を下記条件にて、ベース基板
110の第1面110A貼り合わせた(ラミネートし
た)後、ポジ型のレジスト550(AR−900、東京
応化工業株式会社製)を銅箔540の全面に塗布して8
0°C30分間乾燥した。(図5(a)) 次いで、実施例1と同様にして、ベース基板110の第
1の面と対向する第2の面側から露出した、銅箔540
部に銅めっきしてベース基板の貫通孔部を、導電性層を
電解めっきによりめっき形成して、埋めて、充填タイプ
のスルホール150、150Aを形成し(図5(1
b)、さらに継続して銅めっきを行い、外部端子部15
5、155Aを形成した。(図5(c)) この後、ベース基板110の第1の面110A側の銅箔
540面にポジ型のレジスト550を塗布、所定のマス
クで露光し、現像し(図5(d))、銅箔240が露出
している部分を塩化第2鉄(43ボーメ)で除去し(図
5(e))、レジスト550を除去した。(図5
(f)) さらに、250°C、1時間硬化熱処理して配線基板を
得た。
【0056】(実施例7)実施例7も、実施例1と同
様、図1に示す第1の例の多層配線基板と同じ形態のも
ので、単層配線基板を3層(それぞれ単層配線基板G1
0、G20、G30とする)とするものであるが、実施
例1における、シート状の金属材料110Mの作製を図
3(b)に示す方法にて行ったもので、それ以外につい
ては、実施例1と同じである。以下、金属材料110M
のエッチング加工工程のみを記す。約20μm厚の電解
銅箔(図3(b)の250に相当)にポジ型のレジスト
AR−900(図3(b)の260に相当)、東京応化
工業株式会社製)を約10μm厚に塗布形成した後、所
望の充填タイプのスルーホール領域に合わせた形状のマ
スクを用いて露光し、現像を行い、レジストから露出し
た部分を塩化第2鉄でエッチング除去し、該レジスト2
60を剥離し、且つバッキング材270を剥がして金属
材料110Mを得た。
【0057】
【発明の効果】本発明は、上記のように、簡単に、低コ
ストで作製でき、且つ、多層基板を形成する各配線基板
間の電気的接続が信頼でき、更には、電気的特性の優れ
た、高精細、高密度配線の多層配線基板の提供を可能と
した。より具体的には、本発明の多層配線基板は、信頼
性の高い充填タイプのスルホールを形成した単層配線基
板を積層した構造で、電気的接続を信頼できるものとし
ている。更に、本発明の多層配線基板は、使用する際
に、各単層配線基板のベース基板のシート状の金属材料
部分をグランド基板として使用することができるよう
に、配線の一部を、その表面部に電着樹脂層を設けてい
ない金属材料の貫通孔部に設けられた充填タイプのスル
ホールを介して金属材料に接続していることにおり、各
単層配線基板のベース基板のシート状の金属材料部分を
グランド基板として使用することにより、電気的な特性
を良くできる。また、各単層配線基板の配線部を選択め
っき形成により作製した転写版より、転写形成すること
もできる構造で、配線の微細化にも対応できる。そし
て、同時に、そのような多層配線基板の製造方法の提供
を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の実施の形態の第1の
例、第2の例の特徴部を示した図
【図2】単層配線基板を説明するための図
【図3】ベース基板の製造工程を説明するための断面図
【図4】単層配線基板の製造方法の1例を説明するため
の工程図
【図5】単層配線基板の製造方法の他の1例を説明する
ための工程図
【図6】本発明の多層配線基板の製造方法を説明するた
めの図
【図7】ビルトアップ法を説明するための図
【符号の説明】
100、100A 単層配線基板 110 ベース基板 110A 第1の面 110B 第2の面 110M 金属材料 115、115M 貫通孔部 120 電着樹脂層 133 貫通孔部 133A 端子部 133B リード 141、143 ニッケル層 142 銅層 144 金層 150、150A 充填タイプのスルホール 155、155A 外部端子部 160 下地めっき層(Niめっき
層) 165 金めっき層 190、195 接着剤層 210 導電性基板 220 レジスト 230 マスキング材 250 金属シート 260 レジスト 265 開口部 270 バッキング材 400 転写版 410 導電性基板 420 レジスト 430 導電性層 540 銅箔 550 レジスト 610 銅箔 620 レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA03 AA06 AA12 AA15 AA22 AA32 AA43 BB04 BB06 BB16 CC10 CC32 CC33 CC37 CC38 DD01 DD12 DD31 DD32 DD48 EE02 EE08 EE31 FF04 FF14 FF24 FF35 FF36 GG01 GG15 GG17 GG22 GG23 GG28 HH01 HH07 HH26 HH33 5F033 GG00 HH07 HH11 HH13 KK07 KK11 KK13 MM08 PP27 RR22 VV05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫通
    孔の少なくとも1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁性
    あるいは接着絶縁性の電着樹脂層を設けたシート状の金
    属材料をベース基板とし、該ベース基板の貫通孔に導電
    性物質を充填形成し、充填タイプのスルホールを設け、
    且つ、該ベース基板の第1の面に配線を1層形成し、配
    線を前記充填タイプのスルホールと接続して形成した単
    層配線基板を、複数個、それぞれ、同じ向きにして積層
    した多層配線基板であって、使用する際に、ベース基板
    のシート状の金属材料部分をグランド基板として使用す
    ることができるように、各単層配線基板は、少なくとも
    配線の一部を、その表面部に電着樹脂層を設けていない
    金属材料の貫通孔部に設けられた充填タイプのスルホー
    ルを介して金属材料に接続していることを特徴とする多
    層配線基板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、単層配線基板は全
    て、同じ形状のベース基板を用い、同じ位置、形状に充
    填タイプのスルホールを設けたもので、各単層配線基板
    の同じ位置、形状に充填タイプのスルホール同志が、重
    なるように各単層配線基板が重ねられていることを特徴
    とする多層配線基板。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2における単層配線基板
    は、充填タイプのスルホールの、ベース基板の第1の面
    に対向する第2の面側の部分を、あるいは、該部分に一
    体的に連結した導電性層を盛り上げて設けてこれを、他
    の単層配線基板あるいは外部回路と電気的に接続するた
    めの外部端子部としているものであることを特徴とする
    多層配線基板。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3において、隣接する単
    層配線基板間の、配線と外部端子部との電気的接続は、
    接触ないし一体的に連結されており、隣接する単層配線
    基板同志は、隣接する単層配線基板間の電気的接続領域
    を除き、隣接する単層配線基板間を埋めるように設けら
    れた絶縁性の接着剤層により接着されていることを特徴
    とする多層配線基板。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、ベース基板
    の貫通孔に充填形成される導電性物質が、銅であること
    を特徴とする多層配線基板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5において、単層配線基
    板の配線の最表面に金層を設けていることを特徴とする
    多層配線基板。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6において、ベース基板
    の第2の面側の導電性物質の最表面に金層を設けている
    ことを特徴とする多層配線基板。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7における粘着絶縁性あ
    るいは接着絶縁性の電着樹脂層がポリイミド樹脂層であ
    ることを特徴とする多層配線基板。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8において、金属材料が
    ニッケルであることを特徴とする多層配線基板。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9において、多層配線
    基板の一方の面である、単層配線基板のベース基板の第
    2の面側に、外部端子部に電気的に接続する配線を設け
    たことを特徴とする多層配線基板。
  11. 【請求項11】 所定の位置に複数の貫通孔を設け、貫
    通孔の少なくとも1つの表面部を除き、表面に粘着絶縁
    性あるいは接着絶縁性の電着樹脂層を設けたシート状の
    金属材料をベース基板とし、該ベース基板の貫通孔に導
    電性物質を充填形成し、充填タイプのスルホールを設
    け、且つ、該ベース基板の第1の面に配線を1層形成
    し、配線を前記充填タイプのスルホールと接続して形成
    した配線基板で、充填タイプのスルホールの、ベース基
    板の第1の面に対向する第2の面側の部分を、あるい
    は、該部分に一体的に連結した導電性層を盛り上げて設
    けてこれを、他の配線基板あるいは外部回路と電気的に
    接続するための外部端子部としている単層配線基板を、
    複数個、それぞれ、同じ向きにして積層した多層配線基
    板の製造方法であって、多層配線基板を形成するための
    上記の各単層配線基板を、それぞれ個別に作製し、且
    つ、隣接する単層配線基板間に絶縁性の接着剤層を挟ん
    だ状態で、順に繰り返しプレスにより積層して、あるい
    は一度にプレスにより積層して形成するものであること
    を特徴とする多層配線基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11における多層配線基板を形
    成するための単層配線基板は、少なくとも順に、(A)
    所定の貫通孔部の表面のみマスキングしながら、充填タ
    イプのスルホール形成用の貫通孔を所定の位置に設けた
    シート状の金属材料の表面に、電着により絶縁性の電着
    樹脂層を形成して、ベース基板を作製するベース基板作
    製工程と、(B)少なくとも一面が導電性である基材の
    導電性面に、充填タイプのスルホールと接続し、且つ充
    填タイプのスルホール形成領域を覆うための端子部を含
    む配線部を選択めっきによりめっき形成した転写版と、
    前記電着樹脂層を形成したベース基板とを、転写版の配
    線部側をベース基板の第1の面側にして、位置合わせし
    て、密着させる工程と、(C)転写版の配線部側をベー
    ス基板の第1の面側に密着させた状態のまま、第2の面
    側から露出した、配線部の端子部に導電性層を電解めっ
    きによりめっき形成して、ベース基板の貫通孔部を、第
    2の面に達するように埋めて、充填タイプのスルホール
    を形成するめっき工程と、(D)配線部のみをベース基
    板に残した状態で、転写版を剥離する転写版剥離工程を
    行い、作製されるものであることを特徴とする多層配線
    基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12における転写版の配線部
    は、導電性である基材の導電性面側から順に、金、ニッ
    ケル、銅、ニッケルの4層、あるいは、金、ニッケル、
    銅の3層をめっき形成したもの、あるいは、錫、銅の2
    層をめっき形成したものであることを特徴とする配線基
    板の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11における、多層配線基板を
    形成するための単層配線基板は、少なくとも順に、
    (E)所定の貫通孔部の表面のみマスキングしながら、
    充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を所定の位置に
    設けたシート状の金属材料の表面に、電着により絶縁性
    の電着樹脂層を形成して、ベース基板を作製するベース
    基板作製工程と、(F)導電性を有するフィルムをベー
    ス基板の第1の面に圧着する導電性を有するフィルム圧
    着工程と、(G)ベース基板の第1の面と対向する第2
    の面側から露出した、導電性を有するフィルムに導電性
    層を電解めっきによりめっき形成して、ベース基板の貫
    通孔部を、第2の面に達するように埋めて、充填タイプ
    のスルホールを形成するめっき工程と、(H)ベース基
    板の第1の面側に圧着された導電性を有するフィルムの
    表面に作製する配線部の形状に合わせてレジストを製版
    し、レジストを耐エッチング性マスクとしてエッチング
    し、更にレジストのみを剥離して配線部を形成する配線
    部形成工程を行い、作製されるものであることを特徴と
    する多層配線基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11における、多層配線基板を
    形成するための単層配線基板は、少なくとも順に、少な
    くとも順に、(a)所定の貫通孔部の表面のみマスキン
    グしながら、充填タイプのスルホール形成用の貫通孔を
    所定の位置に設けたシート状の金属材料の表面に、電着
    により絶縁性の電着樹脂層を形成して、ベース基板を作
    製するベース基板作製工程と、(b)ベース基板の第1
    の面側に銅箔をラミネートするラミネート工程と、
    (c)ベース基板の第1の面と対向する第2の面側から
    露出した、銅箔部に導電性層を電解めっきによりめっき
    形成して、ベース基板の貫通孔部を、第2の面に達する
    ように埋めて、充填タイプのスルホールを形成するめっ
    き工程と、(d)ベース基板の第1の面側にラミネート
    された銅箔の表面に作製する配線部の形状に合わせてレ
    ジストを製版し、レジストを耐エッチング性マスクとし
    てエッチングし、更にレジストのみを剥離して配線部を
    形成する配線部形成工程を行い、作製されるものである
    ことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項12ないし15のめっき工程に
    おいて、ベース基板の第2の面の貫通孔領域周辺にまで
    達し、盛り上がる様に導電性層を電解めっきによりめっ
    き形成して、貫通孔部に充填タイプのスルホールを形成
    するとともに、該充填タイプのスルホールに一体的に連
    結した外部端子部を形成することを特徴とする多層配線
    基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項12ないし16において、ベー
    ス基板の第2の面側のめっき形成された外部端子部の最
    表面は、金めっきが施されたものであることを特徴とす
    る多層配線基板の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項12ない17における貫通孔を
    所定の位置に設けたシート状の金属材料の形成は、少な
    くとも一面が導電性である基材の、導電性面に、貫通孔
    を形成する領域のみにレジストを設け、該導電性面のレ
    ジストに覆われていない領域に導電性層をめっき形成し
    た後、めっき形成された導電性層を前記基材から剥離し
    て形成するものであることを特徴とする多層配線基板の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項12ない17における貫通孔を
    所定の位置に設けたシート状の金属材料の形成は、所定
    の厚さの金属シートを素材として用い、形成する貫通孔
    部に対応する形状にレジストを該金属シート面に製版し
    て、レジストを耐エッチング性マスクとして金属シート
    をエッチングして形成するものであることを特徴とする
    多層配線基板の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項12ない17における貫通孔を
    所定の位置に設けたシート状の金属材料の形成は、所定
    の厚さの金属シートを素材として用い、打抜きにより貫
    通孔を設けて形成するものであることを特徴とする多層
    配線基板の製造方法。
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