JP3265366B2 - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法

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JP3265366B2
JP3265366B2 JP34039194A JP34039194A JP3265366B2 JP 3265366 B2 JP3265366 B2 JP 3265366B2 JP 34039194 A JP34039194 A JP 34039194A JP 34039194 A JP34039194 A JP 34039194A JP 3265366 B2 JP3265366 B2 JP 3265366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層プリント配線板およ
びその製造方法に係り、特に、低コストで製造でき、高
精細なパターンを有することはもとより、配線パターン
が重なり合う箇所において確実な絶縁ができ、信頼性に
優れる多層プリント配線板およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体技術の飛躍的な発展により、半導
体パッケージの小型化、多ピン化、ファインピッチ化、
電子部品の極小化などが急速に進み、いわゆる高密度実
装の時代に突入した。それに伴って、プリント配線板も
片面配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型化が進め
られている。
【0003】現在、プリント配線板の銅パターンの形成
には、主としてサブトラクティブ法と、アディティブ法
が用いられている。
【0004】サブトラクティブ法は、銅張り積層板に穴
を開けた後に、穴の内部と表面に銅メッキを行い、フォ
トエッチングによりパターンを形成する方法である。こ
のサブトラクティブ法は技術的に完成度が高く、またコ
ストも安いが、銅箔の厚さ等による制約から微細パター
ンの形成は困難である。
【0005】一方、アディティブ法は無電解メッキ用の
触媒を含有した積層板上の回路パターン形成部以外の部
分にレジストを形成し、積層板の露出している部分に無
電解銅メッキ等により回路パターンを形成する方法であ
る。このアディティブ法は、微細パターンの形成が可能
であるが、コスト、信頼性の面で難がある。
【0006】多層基板の場合には、上記の方法等で作製
した片面あるいは両面のプリント配線板を、ガラス布に
エポキシ樹脂等を含浸させた半硬化状態のプリプレグと
一緒に加圧積層する方法が用いられている。この場合、
プリプレグは各層の接着剤の役割をなし、層間の接続は
スルーホールを作成し、内部に無電解メッキ等を施して
行っている。
【0007】また、高密度実装の進展により、多層基板
においては薄型、軽量化と、その一方で単位面積当りの
高い配線能力が要求され、一層当たりの基板の薄型化、
層間の接続や部品の搭載方法等に工夫がなされている。
【0008】しかしながら、上記のサブトラクティブ法
により作製された両面プリント配線板を用いた多層基板
の作製は、両面プリント配線板の穴形成のためのドリル
加工の精度と、微細化限界の面から高密度化に限界があ
り、製造コストの低減も困難であった。
【0009】一方、近年では上述のような要求を満たす
ものとして、基材上に導体パターン層と絶縁層とを順次
積層して作製される多層配線板が開発されている。この
多層配線板は、銅メッキ層のフォトエッチングと感光性
樹脂のパターニングを交互に行って作製されるため、高
精細な配線と任意の位置での層間接続が可能となってい
る。
【0010】しかしながら、この方式では銅メッキとフ
ォトエッチングを交互に複数回行うため、工程が煩雑と
なり、また、基板上に1層づつ積み上げる直列プロセス
のため、中間工程でトラブルが発生すると、製品の再生
が困難となり、製造コストの低減に支障を来していた。
【0011】さらに、従来の多層配線板においては、層
間の接続がバイアホールを作成することにより行われて
いたため、煩雑なフォトリソグラフィー工程が必要であ
り、製造コスト低減の妨げとなっていた。
【0012】このような問題を解決するために、本出願
人は、すでに、基板と、該基板上に順次転写された複数
の配線パターン層を備え、該配線パターン層は導電性層
と該導電性層の下部に形成された絶縁樹脂層を有すると
ともに、該絶縁樹脂層によって前記基板あるいは下層の
配線パターン層に固着されているような構成の多層プリ
ント配線板およびその製造方法を提案している(特願平
6−220962号)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案においては、配線パターンが重なり合う箇所における
確実な絶縁という観点からの配慮が十分とは言えず、信
頼性向上の面からさらなる改良が望まれていた。
【0014】このような実情のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、配線パターンが重なり合
う箇所において確実な絶縁ができ、極めて信頼性に優れ
る多層プリント配線板およびその製造方法を提供するこ
とにある。さらには、高電圧に耐えられるデバイスも制
作可能な多層プリント配線板およびその製造方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の多層プリント配線板は、基板と、該
基板上に順次転写された複数の配線パターン層を備える
多層プリント配線板であって、前記配線パターン層は導
電性層と該導電性層の下部に形成された絶縁樹脂層を有
するとともに、前記絶縁樹脂層によって前記基板あるい
は下層の配線パターン層に固着されており、配線パター
ン層同士が重なり合う部分に絶縁層を介在させるように
構成される。また、本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、導電性基板の上に、導電性層と該導電性層上に
積層された粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層とを有す
る配線パターン層を設けた転写用原版を複数作製し、次
に、多層プリント配線板用の基板の一方の面に前記転写
用原版を圧着し、前記導電性基板を剥離することにより
前記配線パターン層を転写する操作を順次繰り返し、前
記基板上に複数の前記配線パターン層を積層する多層プ
リント配線板の製造方法であって、配線パターン層同士
を積層する前に、予め、配線パターン層同士が重なり合
う予定部分に絶縁層を形成させておくように構成され
る。
【0016】
【作用】特に、導電性層と絶縁樹脂層を有する配線パタ
ーン層同士が重なり合う部分に別途、絶縁層を介在させ
ているので、配線パターンが重なり合う箇所において確
実な絶縁ができ、信頼性に優れる多層プリント配線板が
提供できる。また、高電圧に耐えられるデバイスも制作
可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0018】図1は本発明の多層プリント配線板の一例
を示す概略断面図である。図1において、多層プリント
配線板1は、基板2と、基板2上に設けられた第1層目
の配線パターン層3と、この配線パターン層3上に積層
された第2層目の配線パターン層4と、更に配線パター
ン層4上に積層された第3層目の配線パターン層5とを
備えた3層構成の多層プリント配線板である。
【0019】そして、図1に示されるように、第1層目
の配線パターン層3とこの配線パターン層3上に積層さ
れた第2層目の配線パターン層4とが重なり合う箇所に
は、絶縁層61が介在される。さらに、第2層目の配線
パターン層4とこの配線パターン層4上に積層された第
3層目の配線パターン層5とが重なり合う箇所には、絶
縁層63が介在される。絶縁層63は、帯状の第2層目
の配線パターン層4の一部を覆っているのであるが、図
1は断面図で示されているのでそのイメージが掴みにく
く、図6の斜視図を参照することにより具体的構成が容
易に理解ができる。
【0020】なお、第1層目の配線パターン層3と、第
3層目の配線パターン層5とが重なりを生じる場合にも
当然想定でき、この場合にも重なり合う箇所には絶縁層
61が介在される。
【0021】前記多層プリント配線板1を構成する各配
線パターン層3,4,5は、それぞれ導電性層3a,4
a,5aと、この導電性層の下部に形成された絶縁樹脂
層3b,4b,5bとを有している。そして、多層プリ
ント配線板1は、各配線パターン層3,4,5を基板2
の上、あるいは下層の配線パターン層の上に順次転写積
層した重ね刷り型の構造であり、各配線パターン層が相
互に重なり合う箇所には、上述のごとく絶縁層61,6
3が介在されており、上下の配線パターン層間の絶縁を
確実なものとしている。すなわち、上下の配線パターン
層間の絶縁は上層の配線パターン層を構成する絶縁樹脂
層によっても可能ではあるものの、本発明においては、
これとは別途に、新たな絶縁層61,63を介在させ
て、多層プリント配線板1の信頼性を向上させているの
である。
【0022】なお、本発明の多層プリント配線板1は、
各配線パターン層が相互に重なり合う箇所に積極的に絶
縁層を介在させた構造をとっているので、その他の場所
では配線パターン層3,4,5の導電性層3a,4a,
5aは部分的に常に裸出されており、配線パターン層の
交差部近傍あるいは各配線パターン層が相互に近接する
部位(近接部)における各配線パターン層相互の接続を
行うことができる。
【0023】本発明の多層プリント配線板1を構成する
基板2は、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、アル
ミナセラミック基板、ガラスエポキシとポリイミドの複
合基板等、多層プリント配線板用の基板として公知の基
板を使用することができる。この基板2の厚さは5〜1
000μmの範囲であることが好ましい。
【0024】各配線パターン層3,4,5の厚みは、後
述する積層転写における下層の配線パターン層の乗り越
えを欠陥なく行うために、100μm以下、好ましくは
5〜60μmの範囲とする。また、各配線パターン層
3,4,5を構成する導電性層3a,4a,5aの厚み
は、配線パターン層の電気抵抗を低く抑えるため1μm
以上、好ましくは3〜40μmの範囲とする。さらに、
絶縁樹脂層3b,4b,5bの厚みは、使用する絶縁樹
脂にもよるが、交差部においてもある程度の絶縁を保つ
ために少なくとも1μm以上、好ましくは2〜30μm
の範囲とする。このような配線パターン層3,4,5の
線幅は、最小幅10μm程度まで任意に設定することが
できる。
【0025】導電性層3a,4a,5aの材料は、後述
するように電着法により薄膜形成が可能なものであれば
特に制限はなく、例えば、銅、銀、金、ニッケル、クロ
ム、亜鉛、すず、白金等を用いることができる。
【0026】また、絶縁樹脂層3b,4b,5bの材料
は 常温もしくは加熱により粘着性を示す電着性絶縁物
質であればよい。例えば、使用する高分子としては、粘
着性を有するアニオン性、またはカチオン性の合成高分
子樹脂を挙げることができる。
【0027】具体的には、アニオン性合成高分子樹脂と
して、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油
樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの
樹脂の任意の組み合わせによる混合物として使用でき
る。さらに、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂
とを併用してもよい。
【0028】また、カチオン性合成高分子樹脂として、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独
で、あるいは、これらの任意の組み合わせによる混合物
として使用できる。さらに、上記のカチオン性合成高分
子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹
脂とを併用してもよい。
【0029】また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与す
るためにロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着付
与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
【0030】上記の高分子樹脂は、後述する本発明の製
造方法においてアルカリ性または酸性物質により中和し
て水に可溶化された状態、または水分散状態で電着法に
供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、ト
リメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノール
アミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アン
モニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。また、
カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和され水に可溶
化された高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水
に希釈された状態で使用される。
【0031】また、上記の粘着性を示す電着性絶縁物質
の絶縁性、耐熱性等の信頼性を高める目的で、上記の高
分子樹脂にブロックイソシアネート等の熱重合性不飽和
結合を有する公知の熱硬化性樹脂を添加し、多層プリン
ト配線板の全層を転写形成後、熱処理によってすべての
絶縁樹脂層を硬化させてもよい。勿論、熱硬化性樹脂以
外にも、重合性不飽和結合(例えば、アクリル基、ビニ
ル基、アリル基等)を有する樹脂を電着性絶縁物質に添
加しておけば、多層プリント配線板の全層を転写形成
後、電子線照射によってすべての絶縁樹脂層を硬化させ
ることができる。
【0032】絶縁樹脂層の材料としては、上記の他に、
常温もしくは加熱により粘着性を示すものであれば、熱
可塑性樹脂はもちろんのこと、熱硬化性樹脂で硬化後は
粘着性を失うような粘着性樹脂でもよい。また、塗膜の
強度を出すために有機あるいは無機のフィラーを含むも
のでもよい。また、絶縁樹脂層3b,4b,5bの材料
は 常温もしくは加熱により流動性を示す電着性の接着
剤であってもよい。
【0033】前記配線パターン層同士が重なり合う部分
に介在される絶縁層61,63は、図1および図6に示
されるように、重なり合う部分における配線パターン層
の上面および側面部の全体を完全に覆うような形態とす
ることが望ましい。絶縁性を完全に担保するためであ
る。このような絶縁層の材質や、形成方法については後
述する。
【0034】次に、上記の多層プリント配線板1の製造
を例にして図2乃至図5を参照しながら本発明の多層プ
リント配線板の製造方法を説明する。
【0035】まず、本発明で用いる転写用原版を作成す
るために、転写基板としての導電性基板11上にフォト
レジストを塗布してフォトレジスト層12を形成(図2
(A))する。そして、所定のフォトマスクを用いてフ
ォトレジスト層12を密着露光し現像して絶縁層12´
とし、導電性基板11のうち配線パターン部分11aを
露出させる(図2(B))。次に、導電性基板11の配
線パターン部分11a上にメッキ法により導電性層14
を形成する(図2(C))。その後、導電性層14上に
電着法により粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層15を
形成する(図2(D))。これにより、導電性層14と
絶縁樹脂層15とを有する第1層目の配線パターン層1
3を設けた配線パターン層用の転写用原版10が得られ
る。同様にして、図3および図4に示されるように、導
電性基板21,31上に絶縁層32´と、導電性層2
4,34および絶縁樹脂層25,35を有する配線パタ
ーン層23,33を設けた第2層目の配線パターン層用
の転写用原版20、第3層目の配線パターン層用の転写
用原版30を作製する。
【0036】次に、基板2上に、上記の配線パターン層
用の転写用原版10を絶縁樹脂層15が基板2に当接す
るように圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレート
圧着、真空圧着等、いずれの方法にしたがってもよい。
また、絶縁樹脂層が加熱により粘着性あるいは接着性を
発現する絶縁樹脂からなる場合には、熱圧着を行うこと
もできる。その後、導電性基板11を剥離して配線パタ
ーン層13を基板2上に転写することにより、導電性層
3aと絶縁樹脂層3bを有する第1層目の配線パターン
層3を基板2上に形成する(図5(A))。
【0037】このように形成された第1層目の配線パタ
ーン層3と、次工程で積層される第2層目の配線パター
ン層4および第3層目の配線パターン層5とが重なり合
う予定部分に絶縁層が形成される。重なり合う予定部分
とは、次工程で積層される配線パターン層が転写されれ
ば、必然的に重なりを生じる箇所をいう。図5に示され
る実施例では、理解を容易にするために第1層目の配線
パターン層3に対しては、第2層目の配線パターン層4
のみが重なり合うことを想定しており(実際には、第3
層目の配線パターン層5にも重なり合うことが多々あ
る)絶縁層61は、配線パターン層同士が重なり合う予
定部分のパターンに対応するように予め作製されたスク
リーン印刷版を用いて、スクリーン印刷にて形成される
(図5(B))。印刷用のインキ組成物としては、塗布
乾燥後の絶縁性が担保できれば、特に制限はないが、よ
り好適な具体例としては、ポリイミド樹脂溶液(東レ製
セミコファイン SP−110)、エポキシ樹脂溶液
が挙げられる。好ましくはポリイミド樹脂である。
【0038】その後、第1層目の配線パターン層3が転
写形成された基板2上に、第2層目の配線パターン層用
の転写用原版20を用いて第1層目の配線パターン層に
対する位置合わせを行ったうえで同様に配線パターン層
の転写を行い、導電性層4aと絶縁樹脂層4bを有する
第2層目の配線パターン層4を形成する(図5
(C))。この際、第1層目の配線パターン層3と第2
層目の配線パターン層4との重なり合う部分には絶縁層
61が介在されている。
【0039】次いで、今度は第2層目の配線パターン層
4と、次工程で積層される第3層目の配線パターン層5
とが重なり合う予定部分に絶縁層63が形成される。第
2層目の配線パターン層4に対しては、第3層目の配線
パターン層5のみが重なり合うことを想定しており、絶
縁層63は、配線パターン層同士が重なり合う予定部分
のパターンに対応するように予め作製されたスクリーン
印刷版を用いて、スクリーン印刷にて形成される(図5
(D))。図5(D)の断面図からは、絶縁層63が第
2層目の配線パターン層4を覆うというイメージが現れ
ていないので、図6の斜視図を参考されたい。図6のA
−A’矢視図が、図5(D)の断面図に相当する。
【0040】次いで、第1層目の配線パターン層3およ
び第2層目の配線パターン層4が転写形成された基板2
上に、第3層目の配線パターン層用の転写用原版30を
用いて同様に位置合わせを行って配線パターン層の転写
を行い、導電性層5aと絶縁樹脂層5bを有する第3層
目の配線パターン層5を形成する(図5(E))。この
際、第2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パタ
ーン層5との重なり合う部分には絶縁層63が介在され
ている。なお、図5における配線パターン層同士の重な
り合う部分の数は、理解を容易にするために極力少ない
例をとって説明したまでで、もちろんこの数に限定され
るものではない。
【0041】上述のように、各配線パターン層3,4,
5の積層は、配線パターン層用の転写用原版10,2
0,30の配線パターン層13,23,33を基板上に
順次転写することにより行われるため、多層プリント配
線板1は各配線パターン層3,4,5からなる、いわゆ
る重ね刷り型の構造である。
【0042】尚、上述の例では、配線パターン層用の転
写用原版10,20,30は、フォトレジストからなる
絶縁層と導電性層と、この導電性層上に形成された粘着
性あるいは接着性の絶縁樹脂層とからなっているが、第
1層目の配線パターン層用の転写用原版10について
は、絶縁樹脂層15が形成されていないものでもよい。
この場合、予め基板2上に絶縁性の粘着剤層あるいは接
着剤層を設けておけば、第1層目の配線パターン層を基
板2上に転写することができる。
【0043】次に、配線パターン層同士が重なり合う部
分に絶縁層を介在させる第2の実施例を図7に沿って説
明する。
【0044】図7(A)は、基板2上に導電性層3aと
絶縁樹脂層3bを有する第1層目の配線パターン層3を
転写した状態を示したものであり、第1層目の配線パタ
ーン層3は、前記図5(A)と同じ手法で形成される。
【0045】次いで、第1層目の配線パターン層3を転
写、硬化させた基板2に、図7(B)に示すように感光
性絶縁材料、特に好ましくは、感光性ポリイミド樹脂を
主成分とする感光性塗布液を塗布・乾燥させて感光性絶
縁塗膜70を形成する。塗布方法としては、プレートコ
ーティング法、バーコーティング法、ディッピング法、
スピンコーティング法等いずれの方法であってもよい。
その後、第1層目の配線パターン層3と、次工程で積層
される第2層目の配線パターン層4および第3層目の配
線パターン層5とが重なり合う予定部分のパターンに対
応するように予め作製されたフォトマスク71を用い
て、感光性絶縁塗膜70を密着露光する(図7
(B))。しかる後、現像して、重なり合う予定部分の
パターニングを行った後、基板をオーブンまたはホット
プレートで熱処理し、絶縁塗膜を硬化させて絶縁層61
を形成させる(図7(C))。 その後、第1層目の配
線パターン層3が転写形成された基板2上に、第2層目
の配線パターン層用の転写用原版20を用いて第1層目
の配線パターン層に対する位置合わせを行ったうえで同
様に配線パターン層の転写を行い、導電性層4aと絶縁
樹脂層4bを有する第2層目の配線パターン層4を形成
する(図7(D))。この際、第1層目の配線パターン
層3と第2層目の配線パターン層4との重なり合う部分
には絶縁層61が介在されている。
【0046】次いで、今度は第2層目の配線パターン層
4と、次工程で積層される第3層目の配線パターン層5
とが重なり合う予定部分に絶縁層63が形成される(図
7(E))。絶縁層63の形成は、前記絶縁層61の形
成に準じて(図7(B)〜(C)に示される工程に沿っ
て行えばよい。なお、図7(E)の断面図からは、絶縁
層63が第2層目の配線パターン層4を覆うというイメ
ージが現れていないので、前述した図6の斜視図を参考
されたい。図6のA−A’矢視図が、図7(E)の断面
図に相当する。
【0047】次いで、第1層目の配線パターン層3およ
び第2層目の配線パターン層4が転写形成された基板2
上に、第3層目の配線パターン層用の転写用原版30を
用いて同様に位置合わせを行って配線パターン層の転写
を行い、導電性層5aと絶縁樹脂層5bを有する第3層
目の配線パターン層5を形成する(図7(F))。この
際、第2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パタ
ーン層5との重なり合う部分には絶縁層63が介在され
ている。なお、図7における配線パターン層同士の重な
り合う部分の数は、理解を容易にするために極力少ない
例をとって説明したまでで、もちろんこの数に限定され
るものではない。
【0048】また、図7に示される絶縁層を形成するた
めの感光性絶縁材料としては、前述したように感光性ポ
リイミド樹脂を用いることが好ましい。感光性ポリイミ
ド樹脂を用いることにより、より高い絶縁性が得られる
というメリットが生じる。
【0049】次に、配線パターン層同士が重なり合う部
分に絶縁層を介在させる第3の実施例を図8〜図9に沿
って説明する。
【0050】図8(A)は、基板2上に導電性層3aと
絶縁樹脂層3bを有する第1層目の配線パターン層3を
転写した状態を示したものであり、前記図5(A)と同
じ手法で形成される。
【0051】次いで、第1層目の配線パターン層3を転
写、硬化させた基板2に、図8(B)に示すように絶縁
材料(ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂)、特に好ましく
はポリイミド樹脂を主成分とする塗布液を塗布・乾燥さ
せて絶縁塗膜61aを形成する。塗布方法としては、プ
レートコーティング法、バーコーティング法、ディッピ
ング法、スピンコーティング法等いずれの方法であって
もよい。
【0052】次いで、図8(C)に示すように、フォト
レジスト層81を形成し乾燥させる。フォトレジスト層
81の形成は、プレートコーティング法、バーコーティ
ング法、ディッピング法、スピンコーティング法等いず
れの方法であってもよい。その後、第1層目の配線パタ
ーン層3と、次工程で積層される第2層目の配線パター
ン層4(および第3層目の配線パターン層5)とが重な
り合う予定部分のパターンに対応するように予め作製さ
れたフォトマスク85を用いて、フォトレジスト層81
を密着露光する(図8(C))。
【0053】しかる後、現像して、重なり合う予定部分
のパターニングを行った後(レジスト82の形成)、絶
縁塗膜61aの露出部分をエッチング除去する(図8
(D))。さらに、レジスト82をエッチング除去した
後、基板をオーブンまたはホットプレートで熱処理し、
残余の絶縁塗膜を硬化させて絶縁層61を形成させる
(図8(E))。
【0054】その後、第1層目の配線パターン層3が転
写形成された基板2上に、第2層目の配線パターン層用
の転写用原版20を用いて第1層目の配線パターン層に
対する位置合わせを行ったうえで同様に配線パターン層
の転写を行い、導電性層4aと絶縁樹脂層4bを有する
第2層目の配線パターン層4を形成する(図9
(A))。この際、第1層目の配線パターン層3と第2
層目の配線パターン層4との重なり合う部分には絶縁層
61が介在されている。
【0055】次いで、今度は第2層目の配線パターン層
4と、次工程で積層される第3層目の配線パターン層5
とが重なり合う予定部分に絶縁層63が形成される(図
9(B))。絶縁層63の形成は、前記絶縁層61の形
成に準じて(図8(B)〜(E)に示される工程に沿っ
て行えばよい。なお、図9(B)の断面図からは、絶縁
層63が第2層目の配線パターン層4を覆うというイメ
ージが現れていないので、前述した図6の斜視図を参考
されたい。図6のA−A’矢視図が、図9(B)の断面
図に相当する。
【0056】次いで、第1層目の配線パターン層3およ
び第2層目の配線パターン層4が転写形成された基板2
上に、第3層目の配線パターン層用の転写用原版30を
用いて同様に位置合わせを行って配線パターン層の転写
を行い、導電性層5aと絶縁樹脂層5bを有する第3層
目の配線パターン層5を形成する(図9(C))。この
際、第2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パタ
ーン層5との重なり合う部分には絶縁層63が介在され
ている。なお、図8および図9における配線パターン層
同士の重なり合う部分の数は、理解を容易にするために
極力少ない例をとって説明したまでで、もちろんこの数
に限定されるものではない。
【0057】次に、配線パターン層同士が重なり合う部
分に絶縁層を介在させる第4の実施例を図10〜図11
に沿って説明する。
【0058】第4の実施例において、絶縁層は、配線パ
ターン層同士が重なり合う予定部分のパターンに対応す
る絶縁層パターンを備える絶縁層転写基板を予め作製
し、この絶縁層パターンを多層プリント配線板用の基板
側に転写して形成される。従って、まず最初に、図10
に示されるごとく絶縁層転写基板90(図10(D))
が作製される。すなわち、絶縁層転写基板としての導電
性基板91上にフォトレジストを塗布してフォトレジス
ト層92を形成(図10(A))する。その後、上述し
てきたような第1層目の配線パターン層3と、次工程で
積層される第2層目の配線パターン層4(および第3層
目の配線パターン層5)とが重なり合う予定部分のパタ
ーンに対応するように予め作製されたフォトマスク(図
示せず)を用いて、フォトレジスト層92を密着露光し
現像して、導電性基板91のうち絶縁パターン部分91
aを露出させる(図10(B))。次に、導電性基板9
1の絶縁パターン部分91a上にメッキ法により導電性
層94を形成する(図10(C))。この場合、導電性
層94は剥離層として使用される。その後、導電性層9
4上に電着法により粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層
95を形成し乾燥させて絶縁層転写基板を作製する(図
10(D))。同様にして、第2層目の配線パターン層
4と、次工程で積層される第3層目の配線パターン層5
とが重なり合う予定部分のパターンに対応する絶縁層パ
ターンを備える絶縁層転写基板も予め準備される(図示
せず)。なお、導電性層94および絶縁樹脂層95の材
料としては、それぞれ、前記導電性層3a,4a,5a
とおよび絶縁樹脂層3b,4b,5bと同様な材料を用
いればよい。
【0059】このようにして準備された絶縁層転写基板
90等を用いて多層プリント配線板を作製する例が図1
1に示される。
【0060】図11(A)は、基板2上に導電性層3a
と絶縁樹脂層3bを有する第1層目の配線パターン層3
を転写した状態を示したものであり、前記図5(A)と
同じ手法で形成される。
【0061】この第1層目の配線パターン層3が形成さ
れた基板の上に、上記絶縁層転写基板90を圧着する。
この際の圧着は、ローラ圧着、プレート圧着、真空圧着
等のいずれの方法を用いてもよい。また、絶縁樹脂層9
5が加熱により粘着性あるいは接着性を発現する絶縁樹
脂からなる場合には、熱圧着を行うこともできる。その
後、絶縁層転写基板90を剥離して絶縁層パターンを転
写することにより、導電層94aおよび絶縁層95aと
を有する絶縁層パターンを基板上に形成し、転写後、絶
縁層を硬化させる(図11(B))。
【0062】その後、第1層目の配線パターン層3が転
写形成された基板2上に、第2層目の配線パターン層用
の転写用原版20を用いて第1層目の配線パターン層に
対する位置合わせを行ったうえで同様に配線パターン層
の転写を行い、導電性層4aと絶縁樹脂層4bを有する
第2層目の配線パターン層4を形成する(図11
(C))。この際、第1層目の配線パターン層3と第2
層目の配線パターン層4との重なり合う部分には絶縁層
95a(導電層94a)が介在されている。
【0063】次いで、第2層目の配線パターン層4と、
次工程で積層される第3層目の配線パターン層5とが重
なり合う予定部分のパターンに対応する絶縁層パターン
を備える絶縁層転写基板を転写して、導電層98aおよ
び絶縁層99aとを有する絶縁層パターンを基板上に形
成し、転写後、絶縁層を硬化させる(図11(D))。
【0064】次いで、第1層目の配線パターン層3およ
び第2層目の配線パターン層4が転写形成された基板2
上に、第3層目の配線パターン層用の転写用原版30を
用いて同様に位置合わせを行って配線パターン層の転写
を行い、導電性層5aと絶縁樹脂層5bを有する第3層
目の配線パターン層5を形成する(図11(E))。こ
の際、第2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パ
ターン層5との重なり合う部分には絶縁層99aが介在
されている。なお、図11における配線パターン層同士
の重なり合う部分の数は、理解を容易にするために極力
少ない例をとって説明したまでで、もちろんこの数に限
定されるものではない。
【0065】次いで、前記第1の実施例のスクリーン印
刷法に類似するディスペンスによる絶縁層の介在方法
を、前述の図5を再度用いて説明する。ディスペンスと
は、例えば、注射器の針の先から、塗布液を押し出し塗
設する方法を想定すれば容易に理解ができる。
【0066】まず、第1層目の配線パターン層3は、前
記図5(A)と同じ手法で形成される。このように形成
された第1層目の配線パターン層3を転写、硬化させた
基板2にあらかじめ配線パターンが重なり合う予定部分
にのみあらかじめ溶液塗布装置(ミクロ技研(株)製
XYD−4550ZC)を用いてディスペンス法により
絶縁層が形成される((図5(B))。ディスペンス用
のインキとしては塗布乾燥後の絶縁性が担保できれば、
特に制限はないが、より好適な具体例としてはポリイミ
ド樹脂を主成分とする溶液(東レ(株)製 セミコファ
イン SP−110)が挙げられる。このものが塗布、
乾燥されて絶縁層61が形成される。
【0067】その後、第1層目の配線パターン層3が転
写形成された基板2上に、第2層目の配線パターン層用
の転写用原版20を用いて第1層目の配線パターン層に
対する位置合わせを行ったうえで同様に配線パターン層
の転写を行い、導電性層4aと絶縁樹脂層4bを有する
第2層目の配線パターン層4を形成する(図5
(C))。この際、第1層目の配線パターン層3と第2
層目の配線パターン層4との重なり合う部分には絶縁層
61が介在されている。
【0068】次いで、今度は第2層目の配線パターン層
4と、次工程で積層される第3層目の配線パターン層5
とが重なり合う予定部分に絶縁層63が形成される。第
2層目の配線パターン層4に対しては、第3層目の配線
パターン層5のみが重なり合うことを想定しており、絶
縁層63は、配線パターン層同士が重なり合う予定部分
のパターンに対応してするようにディスペンスを行い形
成される(図5(D))。
【0069】次いで、第1層目の配線パターン層3およ
び第2層目の配線パターン層4が転写形成された基板2
上に、第3層目の配線パターン層用の転写用原版30を
用いて同様に位置合わせを行って配線パターン層の転写
を行い、導電性層5aと絶縁樹脂層5bを有する第3層
目の配線パターン層5を形成する(図5(E))。この
際、第2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パタ
ーン層5との重なり合う部分には絶縁層63が介在され
ている。
【0070】次に、本発明の多層プリント配線板に用い
られる配線パターン層を作るために用いられる転写用原
版の他の態様を説明する。
【0071】図12は本発明に用いられる転写用原版の
一態様である凹版タイプの転写用原版の概略構成図であ
る。図12において、転写用原版10Aは少なくとも表
面が導電性を示す導電性基板11と、該導電性基板11
にエッチングにより形成された凹部18と、この凹部1
8内に設けられた絶縁性物質からなる絶縁層16とを備
えている。絶縁層16はその表面が導電性基板11の表
面より所定の高さだけ突出して形成されている。隣り合
う絶縁層16により囲まれた凹版部分は導電性層形成部
19をなす。ここで、凹部18はエッチング時のサイド
エッチング効果により上面が広い椀状をなしているた
め、導電性層形成部19はその底面中央部に導電性基板
11の表面が裸出し、辺縁部は絶縁層16からなる。そ
して、この底面中央部の導電面裸出部が出発電極となっ
て導電性層形成部19内に導電性層14が形成され、こ
の導電性層14上に粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層
15が形成されている。
【0072】図13は、図12に示す凹版タイプの転写
用原版の製造方法の説明図である。図13において、ま
ず公知の方法によって導電性基板11上にフォトレジス
ト層を形成し、所定パターンのフォトマスクを介して該
フォトレジスト層に紫外線を照射後、露光・除去(現
像)して所定パターンのマスキング層17を形成する
(図13(A))。次に、このマスキング層17をエッ
チング用マスクとして導電性基板11のマスキング層非
形成部分をエッチングして凹部18を形成するが、この
際、マスキング層17縁辺下部の基板部分に入り込んで
サイドエッチング部が形成され、このサイドエッチング
部を含む凹部18の上面面積はマスキング層非形成部分
の面積よりも大きく形成され、凹部18は椀状をなす
(図13(B))。
【0073】次に、このように椀状に形成された凹部1
8内に絶縁性物質を電着させることによって絶縁層16
を形成する(図13(C))。絶縁層16の表面はマス
キング層17の表面と略同一の高さに形成される。その
後、このマスキング層17を除去して導電性基板11の
導電面を裸出して凹版状の導電性層形成部19とする
(図13(D))。そして、この導電性層形成部19に
電着により導電性層14を形成した後、導電性層14上
に電着により粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層15を
形成して本発明の転写用原版10Aとする(図13
(E))。
【0074】上述の転写用原版10Aでは、凹状の導電
性層形成部19の中央部分を出発電極として、導電性層
14が水平並びに垂直方向に等方的に成長するため、導
電性層14は表面が略均一な平面となって形成される。
そして、導電性層14は、底部の一部において導電性基
板11と接触しているにすぎず、その分導電性基板11
との密着性が低減できるため、転写時の導電性層14の
引き抜きが容易に行われ、絶縁層16に接触剥離力の影
響を与えない。また、導電性層14は、マスキング層1
7除去跡の導電性層形成部19内に形成されることか
ら、最終の配線パターンの面積は初期エッチングレジス
トパターンであるマスキング層17のパターンと同一面
積となり、マスキング層5を所定の微細パターンにて形
成しておけば、このパターン通りに導電性層14を形成
することができるので、寸法調整の必要のない高い寸法
精度で配線パターンを得ることができる。
【0075】図14は本発明に用いられる転写用原版の
他の態様である平版タイプ電着転写用原版の概略構成図
である。図14において、転写用原版10Bは少なくと
も表面が導電性を示す導電性基板11と、該導電性基板
11にエッチングにより上面面積が広く椀状に形成され
た凹部18と、この凹部18内に設けられた絶縁性物質
からなる絶縁層16とを備えている。絶縁層16はその
表面が導電性基板11の表面と略同一の高さに形成され
ている。隣り合う絶縁層16により囲まれた導電面裸出
部分は導電性層形成部19をなす。ここで、凹部18は
エッチング時のサイドエッチング効果により上面が広い
椀状をなしているため、導電性層形成部19はその底面
中央部が導電面裸出部をなし、辺縁部が絶縁層16をな
す。そして、この底面中央部の狭められた導電面裸出部
が出発電極となって電着物が析出され、導電性層形成部
19上に導電性層14が水平並びに垂直方向に等方的に
形成されている。さらに、導電性層14上に電着により
粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層15が形成されてい
る。
【0076】図15は、図14に示す平版タイプの転写
用原版10Bの製造方法の説明図である。図15におい
て、図13の場合と同様にして導電性基板11上にフォ
トレジスト層を形成し、所定パターンのフォトマスクを
介して該フォトレジスト層に紫外線を照射し後、露光・
除去(現像)して所定パターンのマスキング層17を形
成する(図15(A))。次に、このマスキング層17
をエッチング用マスクとして導電性基板11のマスキン
グ層非形成部分をエッチングして凹部18を形成する
が、図13の場合と同様にマスキング層17の縁辺の基
板部分に入り込んでサイドエッチング部が形成され、こ
のサイドエッチング部を含む凹部18の上面面積はマス
キング層非形成部分の面積よりも大きく形成され、凹部
18は椀状をなす(図15(B))。
【0077】次に、このように椀状に形成された凹部1
8内に絶縁性物質を電着させることによって絶縁層16
を形成する(図15(C))が、平版タイプの原版にお
いては絶縁層16は導電性基板11の表面と略同一の高
さに形成される。その後、マスキング層17を除去して
導電性基板11の導電面を裸出して導電性層形成部19
とする(図15(D))。そして、この導電性層形成部
19に電着により導電性層14を形成した後、導電性層
14上に電着により粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層
15を形成して本発明の転写用原版10Bとする(図1
5(E))。
【0078】上記の転写用原版10Bでは、導電性層形
成部19の導電面裸出部は、絶縁層16のサイドエッチ
ング部による幅広部分によって狭められており、この狭
められた導電面裸出部を出発電極として、電着物質が基
板上に水平並びに垂直方向に等方的に成長するため、導
電性層14は表面が略均一な平面となって形成される。
そして、導電性層14は、底部の一部において導電性基
板11と接触しているにすぎず、その分導電性基板11
との密着性が低減できるため、転写時の導電性層14の
剥離が容易に行われ、絶縁層16に接触剥離力の影響を
与えない。また、版の構造上、転写時に絶縁樹脂層15
と導電性層14が優先的且つ選択的に基板2に加圧密着
されるため、絶縁層16は接触剥離力を受けず、絶縁層
16が変形したり損傷を受けることがない。
【0079】図16は本発明に係る転写用原版の他の態
様である凸版タイプの転写用原版の概略構成図である。
図16において、転写用原版10Cは少なくとも表面が
導電性を示す導電性基板11と、該導電性基板11に形
成された凹部18と、この凹部18内に設けられた絶縁
性物質からなる絶縁層16とを備えている。絶縁層16
はその表面が導電性基板11の表面より所定の高さだけ
低くなるように形成されている。隣り合う絶縁層16に
より囲まれた導電性基板11の導電面裸出部が導電性層
形成部19をなし、この導電性層形成部19に導電性層
14が形成され、この導電性層14上に粘着性あるいは
接着性の絶縁樹脂層15が形成されている。
【0080】図17は、図16に示す凸版タイプの転写
用原版10Cの製造方法の説明図である。図17におい
て、まず公知の方法によって導電性基板11上にフォト
レジスト層を形成し、所定パターンのフォトマスクを介
して該フォトレジスト層に紫外線を照射後、露光・除去
(現像)して所定パターンのマスキング層17を形成す
る(図17(A))。次に、このマスキング層17をエ
ッチング用マスクとして導電性基板11のマスキング層
非形成部分をエッチングしてマスクパターンに忠実な凹
部18を形成する(図17(B))。
【0081】次に、このように形成された凹部18内に
絶縁性物質を電着させることによって絶縁層16を形成
する(図17(C))。絶縁層16の表面はマスキング
層17の表面より低くなるように形成される。その後、
このマスキング層17を除去して導電性基板11の導電
面を裸出して導電性層形成部19とする(図17
(D))。そして、この導電性層形成部19に電着によ
り導電性層14を形成した後、導電性層14上に電着に
より粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層15を形成して
本発明の転写用原版10Cとする(図17(E))。
【0082】上述の転写用原版10Cでは、絶縁層16
の表面が導電性基板11よりも低くなるように形成され
ているため、転写時に絶縁層16が基板2と接触するこ
とがない。したがって、絶縁層16は接触剥離力の影響
を受けず、変形や損傷を防止することができる。さら
に、導電性層14は、マスキング層17除去跡の導電性
層形成部19に形成されることから、最終の配線パター
ンの面積は初期エッチングレジストパターンであるマス
キング層17のパターンと同一面積となり、マスキング
層5を所定の微細パターンにて形成しておけば、このパ
ターン通りに導電性層14を形成することができるの
で、寸法調整の必要のない高い寸法精度で配線パターン
を得ることができる。
【0083】本発明に用いられる転写用原版において、
導電性基板11,21,31としては、少なくとも表面
が導電性を有するものであればよく、アルミニウム、
銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン等の導電性の金
属板、あるいはガラス板、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリイミド、ポリエチレン、アクリル等の樹脂フ
ィルム等の絶縁性基板の表面に導電性薄膜を形成したも
のを使用することができる。このような導電性基板1
1,21,31の厚さは0.05〜1.0mm程度が好
ましい。また、原版としての耐刷性を高めるために、導
電性基板の表面に、クロム(Cr)、セラミックカニゼ
ン(Kanigen社製 Ni+P+SiC)等の薄膜
を形成してもよい。この薄膜の厚さは0.1〜1.0μ
m程度が好ましい。
【0084】マスキング層17は、例えばイオンプレー
ティング法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気
相蒸着法(CVD法)等の各種の薄膜形成法により、基
板の上にシリカ(SiO2 )薄膜、チッ化シリコン(S
iNx )薄膜、96%アルミナ薄膜、ベリリヤ薄膜、フ
ォルステライト薄膜等の電気絶縁性の高い薄膜を形成
し、次に、この薄膜上にフォトレジストを塗布してから
所定形状のマスクを介して露光・現像することにより形
成することができる。あるいは薄膜を形成することなく
導電性基板11上にフォトレジストを塗布してマスキン
グ層を形成してもよい。これらマスキング層17の形成
に使用するフォトレジストとしては、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール等に重クロム酸塩等の感光剤
を添加したものを挙げることができる。このように形成
されるマスキング層17の厚さは0.5〜10.0μm
程度が好ましい。
【0085】そして、このマスキング層17をエッチン
グ用マスクとしての導電性基板11のエッチングは、デ
ィップ、スプレー等のウエットエッチングや、ドライエ
ッチング等の公知の慣用的手段で行うことができるが、
例えば導電性基板がSUS板の場合は塩化第二鉄液に接
触(浸漬など)させることによって、導電性基板がTi
板の場合にはHF−H22 −H2 O液に接触させるこ
と等によって、好適に行われる。なお、Ti基板の場
合、エッチング後にさらにHF−NH4 F液、HF液等
に数十秒間程度浸漬させることによって、凹部表面をよ
り粗面化させるようにしてもよい。このようにすること
により、凹部18内に電着形成される絶縁性物質の凹部
内への定着性のさらなる向上を図ることができる。
【0086】絶縁層16は絶縁性物質からなる電着材料
である。絶縁パターンの電着材料は、一般に有機材料
(高分子材料)からなり、その原形は電着塗装法として
よく知られている。電着塗装では、電気化学的な主電極
との反応によりカチオン電着とアニオン電着とがある。
これは、電着材料がカチオンとして存在するか、アニオ
ンとして挙動するかで分類される。電着に用いられる有
機高分子物質としては、天然油脂系、合成油脂系、アル
キッド樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、
エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系等の種々の有機高分
子物質が挙げられる。アニオン型では、古くからマレイ
ン化油やポリブタジエン系樹脂が知られており、電着物
質の硬化は酸化重合反応による。カチオン型はエポキシ
樹脂系が多く、単独あるいは変性されて使用できる。そ
の他に、メラミン樹脂系、アクリル樹脂系等のいわゆる
ポリアミノ系樹脂が多く用いられ、熱硬化や光硬化等に
より強固な絶縁層を形成できる。
【0087】特に離型性を良好にするために、上記樹脂
にフッ素を導入したものや、フッ素系ポリマー粒子を分
散させたもの等が好適に用いられる。これらフッ素系樹
脂としては、四フッ化エチレン分散型電着樹脂やアクリ
ル主鎖あるいは側鎖へのフッ素結合型電着樹脂などが特
に好適に用いられ、四フッ化エチレン分散型電着樹脂と
してはフッ素アクリル樹脂(PAFC)等が例示的に挙
げられ、アクリル主鎖へのフッ素結合型電着樹脂として
は主鎖にフッ素を含むフルオロオレフィン−ビニルエー
テル共重合体等が例示的に挙げられる。また、塗膜の強
度を高めるために、熱硬化性メラミン樹脂を共析させ、
熱処理を行うとよい。
【0088】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。実験例1 (1) 絶縁樹脂層用電着液Aの調製 アクリル酸ブチル13.2重量部、メタクリル酸メチル
1.6重量部、ジビニルベンゼン0.2重量部および過
硫酸カリウム1%水溶液85重量部を混合し、80℃、
5時間重合して無乳化剤の乳化重合を行ってポリアクリ
ル酸ブチルポリメタクリル酸メチル共重合エマルジョン
溶液を調製した。
【0089】次に、このエマルジョン溶液72重量部、
電着担体としてカルボキシル基を有するアクリル系共重
合体樹脂2重量部、ヘキサメトキシメラミン0.85重
量部、中和剤としてトリメチルアミン0.35重量部、
エタノール3重量部、ブチルセロソルブ3重量部および
水18.8重量部を混合攪拌してアニオン型電着液Aを
調製した。 (2) 絶縁樹脂層用電着液Bの調製 アクリロニトリル7重量部、アクリル酸エチル5重量
部、アクリル酸2重量部を混合したもの100重量部に
対し、ラウリル硫酸エステルソーダ0.5重量部、過硫
酸ソーダ0.2重量部を添加したものを、イオン交換水
中で窒素ガスを通じながら5時間反応させ、さらに、添
加アクリル酸の1/2当量のキシリレンジアミンを添加
して、不揮発分19%のアニオン型電着液Bを調製し
た。 (3) 絶縁樹脂層用電着液Cの調製 攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を備えた反応容器
に、ビス〔4-{4-(アミノフェノキシ)フェノキシ}フ
ェニル〕スルホン30.835g(0.05mol)と
N.N-ジメチルアセトアミド236.5gを入れ、ピロメ
リット酸二無水物10.9g(0.05mol)を常
温、窒素雰囲気下で溶液温度の上昇に注意しながら加
え、約20時間攪拌してポリアミド酸を得た。調製した
ポリアミド酸の対数粘度(N.N-ジメチルアセトアミドを
溶媒とし、温度35℃、濃度0.5g/100mlで測
定)は1.52dl/gであった。
【0090】次に、このポリアミド酸溶液にジメチルエ
タノールアミン8.9g(対カルボキシル当量90mo
l%)を徐々に加え、20分間常温にて攪拌後、水13
0.2gを攪拌しつつ徐々に加えて希釈してポリアミド
酸電着液Cを調製した(樹脂濃度10重量%)。 (4) 転写用原版における導電性層の形成(図2
(C)対応)) 導電性基板として、表面を研磨した厚さ0.2mmのス
テンレス板を準備し、このステンレス板上に市販のメッ
キ用フォトレジスト(東京応化工業(株)製PMER P-AR9
00)を厚さ20μmに塗布乾燥し、配線パターンが形成
されている3種のフォトマスクを用いてそれぞれ密着露
光を行った後、現像・水洗・乾燥し、さらに熱硬化を行
って絶縁層を備えた転写用原版(3種)を作製した。
【0091】上記の転写用原版と白金電極を対向させて
下記の組成のピロ燐酸銅メッキ浴(pH=8,液温=5
5℃)中に浸漬し、直流電源の陽極に白金電極を陰極に
上記の転写基板を接続し、電流密度10A/dm2 で5
分間の通電を行い、フォトレジストで被覆されていない
導電性基板の裸出部に厚さ10μmの銅メッキ膜を形成
し導電性層とした。この導電性層形成を3種の転写用原
版について行った。
【0092】 (ピロ燐酸銅メッキ浴の組成) ピロ燐酸銅 … 94g/l ピロ燐酸銅カリウム … 340g/l アンモニア水 … 3cc/l (5) 転写用原版における絶縁樹脂層Aの形成(図2
(D)対応)) 上記(4)において導電性層を形成した3種の転写用原
版の各々と白金電極とを対向させて上記の(1)で調製
したアニオン型電着液A中に浸漬し、直流電源の陽極に
転写用原版を陰極に白金電極をそれぞれ接続し、50V
の電圧で1分間の電着を行い、これを180℃、30分
間で乾燥・熱処理して、導電性層上に厚さ15μmの粘
着性を有する絶縁樹脂層Aを形成して3種の配線パター
ン層用の転写用原版A1、A2、A3とした。 (6) 転写用原版における絶縁樹脂層Bの形成(図2
(D)対応)) 上記(4)において導電性層を形成した3種の転写用原
版の各々と白金電極とを対向させて上記の(2)で調製
したアニオン型電着液B中に浸漬し、直流電源の陽極に
転写用原版を陰極に白金電極をそれぞれ接続し、20V
の電圧で30秒間の電着を行い、これを120℃、10
分間で乾燥・熱処理して、導電性層上に厚さ15μmの
粘着性を有する絶縁樹脂層Bを形成して3種の配線パタ
ーン層用の転写用原版B1、B2、B3とした。 (7) 転写用原版における絶縁樹脂層Cの形成(図2
(D)対応)) 上記(4)において導電性層を形成した3種の転写用原
版の各々と白金電極とを対向させて上記の(3)で調製
したアニオン型電着液C中に浸漬し、直流電源の陽極に
転写用原版を陰極に白金電極をそれぞれ接続し、20V
の電圧で2秒間の電着を行い、これをN.N-ジメチルアセ
トアミドを50重量%含有した水溶液で洗浄して常温乾
燥させた後、150℃、1時間の熱処理を行って、導電
性層上に厚さ10μmの絶縁樹脂層Cを形成して3種の
配線パターン層用の転写用原版C1、C2、C3とし
た。 (8) 多層プリント配線板の作製1(図5対応) 上記の(5)において作製した3種の配線パターン層用
の転写用原版A1、A2、A3を、この順序で厚さ50
μmのポリイミドフィルム基板上に下記の条件で圧着し
て導電性層と絶縁樹脂層Aからなる3種の配線パターン
層をフィルム基板上に転写して多層プリント配線板を作
製した。
【0093】(圧着条件) 圧 力 : 20kgf/cm2 温 度 : 180℃ なお、第1層目の配線パターン層3と、次工程で積層さ
れる第2層目の配線パターン層4とが重なり合う部分に
は、重なり合う部分のパターンに対応するように予め作
製されたスクリーン印刷版を用いて、スクリーン印刷に
て絶縁層61を介在させた。同様に、第2層目の配線パ
ターン層4に対しては、第3層目の配線パターン層5が
重なり合う部分のパターンに対応するように予め作製さ
れたスクリーン印刷版を用いて、スクリーン印刷にて絶
縁層63を介在させた。
【0094】絶縁層61,絶縁層63形成のためのイン
キ組成物としては、東レ株式会社製、セミコファイン
SP−110を用いた。 (9) 多層プリント配線板の作製2(図7対応) 上記の(6)において作製した3種の配線パターン層用
の転写用原版B1、B2、B3を、この順序で厚さ50
μmのポリイミドフィルム基板上に下記の条件で圧着し
て導電性層と絶縁樹脂層Bからなる3種の配線パターン
層をフィルム基板上に転写して多層プリント配線板を作
製した。
【0095】(圧着条件) 圧 力 : 50kgf/cm2 温 度 : 200℃ なお、第1層目の配線パターン層3と、次工程で積層さ
れる第2層目の配線パターン層4とが重なり合う部分に
は、重なり合う部分のパターンに対応するように予め作
製されたフォトマスクを用いて、フォトリソグラフィー
法にてポリイミド樹脂からなる絶縁層61を介在させ
た。同様に、第2層目の配線パターン層4に対しては、
第3層目の配線パターン層5が重なり合う部分のパター
ンに対応するように予め作製されたフォトマスクを用い
て、フォトリソグラフィー法にてポリイミド樹脂からな
る絶縁層63を介在させた。
【0096】絶縁層61,絶縁層63形成のための感光
性樹脂組成物としては東レ株式会社製、フォトニース
UP−5100Fを用いた。 (10) 多層プリント配線板の作製3(図8および図
9対応) 上記の(7)において作製した3種の配線パターン層用
の転写用原版C1、C2、C3を、この順序で厚さ50
μmのポリイミドフィルム基板上に下記の条件で圧着し
て導電性層と絶縁樹脂層Cからなる3種の配線パターン
層をフィルム基板上に転写し、多層プリント配線板を作
製した。
【0097】(圧着条件) 圧 力 : 40kgf/cm2 温 度 : 200℃ なお、第1層目の配線パターン層3と、次工程で積層さ
れる第2層目の配線パターン層4とが重なり合う部分に
は、図8および図9に示される製造方法によってポリイ
ミド樹脂からなる絶縁層61を介在させた。同様に、第
2層目の配線パターン層4と第3層目の配線パターン層
5が重なり合う部分にも、同様の方法でポリイミド樹脂
からなる絶縁層63を介在させた。
【0098】絶縁層61,絶縁層63形成のためのポリ
イミド樹脂含有塗布組成物として東レ株式会社製、セミ
コファイン SP−341を用いた。 (11) 多層プリント配線板の作製4(図11対応) 上記の(5)において作製した3種の配線パターン層用
の転写用原版A1、A2、A3を、この順序で厚さ50
μmのポリイミドフィルム基板上に下記の条件で圧着し
て導電性層と絶縁樹脂層Aからなる3種の配線パターン
層をフィルム基板上に転写して多層プリント配線板を作
製した。
【0099】(圧着条件) 圧 力 : 20kgf/cm2 温 度 : 180℃ なお、第1層目の配線パターン層3と、次工程で積層さ
れる第2層目の配線パターン層4とが重なり合う部分に
は、図11に示される製造方法によって絶縁層95aを
介在させた。同様に、第2層目の配線パターン層4と第
3層目の配線パターン層5が重なり合う部分にも、同様
の方法で絶縁層99aを介在させた。絶縁層95a,9
9a形成のために用いた組成物は、前記絶縁樹脂層用電
着液Cと同様とした。
【0100】これらの各多層プリント配線版サンプルに
つき抵抗率を測定し絶縁性を評価した。すなわち、導電
性層の上下間の抵抗率を測定したところ、(印加電圧1
00V、温度22℃、温度50%)1015Ωcm以上の
値を示した。また、さらに絶縁破壊電圧を測定した。す
なわち、絶縁層を間にする導電性層に電圧印加を行ない
測定を行なったところ、絶縁破壊電圧1KV以上と絶縁
性は良好であった。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、基板
と、該基板上に順次転写された複数の配線パターン層を
備える多層プリント配線板であって、前記配線パターン
層は導電性層と該導電性層の下部に形成された絶縁樹脂
層を有するとともに、前記絶縁樹脂層によって前記基板
あるいは下層の配線パターン層に固着されており、配線
パターン層同士が重なり合う部分に絶縁層を介在させる
構成を採択しているために、低コストで製造でき、高精
細なパターンを有することはもとより、配線パターンが
重なり合う箇所において確実な絶縁ができ、信頼性に優
れる多層プリント配線板が提供できる。また、特に、絶
縁層をポリイミド樹脂から構成することにより高電圧に
耐えられるデバイスも制作可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板の一例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図3】本発明の多層プリント配線板の製造方法に使用
する本発明の転写用原版の一例を示す概略断面図であ
る。
【図4】本発明の多層プリント配線板の製造方法に使用
する本発明の転写用原版の一例を示す概略断面図であ
る。
【図5】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図6】配線パターン層の上に絶縁層を形成させた状態
を示す斜視図である。
【図7】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図8】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図9】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説明
するための図面である。
【図10】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説
明するための図面である。
【図11】本発明の多層プリント配線板の製造方法を説
明するための図面である。
【図12】本発明に用いる転写用原版の他の態様を示す
概略断面図である。
【図13】図12に示される転写用原版の製造方法を説
明するための図である。
【図14】本発明に用いる転写用原版の他の態様を示す
概略断面図である。
【図15】図14に示される転写用原版の製造方法を説
明するための図である。
【図16】本発明に用いる転写用原版の他の態様を示す
概略断面図である。
【図17】図16に示される転写用原版の製造方法を説
明するための図である。
【符号の説明】
1…多層プリント配線板 2…基板 3,4,5…配線パターン層 3a,4a,5a…導電性層 3b,4b,5b…絶縁樹脂層 10,10A,10B,10C,20,30…転写用原
版 11,21,31…導電性基板 13,23,33…配線パターン層 14…導電性層 15…絶縁樹脂層 46,51,52,61,62…接合部 61,63,95a,99a…絶縁層

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に順次転写された複数
    の配線パターン層を備える多層プリント配線板であっ
    て、 前記配線パターン層は導電性層と、該導電性層の下部に
    電着粘着剤または電着接着剤により形成された絶縁樹脂
    層を有するとともに、これらの導電性層と絶縁樹脂層
    は、転写の前後で一体化されており、前記絶縁樹脂層に
    よって前記基板あるいは下層の配線パターン層に固着さ
    れており、 配線パターン層同士が重なり合う予定部分のパターンに
    対応するように絶縁層が介在されてなることを特徴とす
    る多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 前記重なり合う予定部分における配線パ
    ターン層の上面および側面部の全体が、完全に覆われて
    なることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配
    線板。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層は、ポリイミド樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層プ
    リント配線板。
  4. 【請求項4】 導電性基板の上に、導電性層と該導電性
    層上に積層された粘着性あるいは接着性の絶縁樹脂層と
    を有する配線パターン層を設けた転写用原版を複数作製
    し、次に、多層プリント配線板用の基板の一方の面に前
    記転写用原版を圧着し、前記導電性基板を剥離すること
    により前記配線パターン層を転写する操作を順次繰り返
    し、前記基板上に複数の前記配線パターン層を積層する
    多層プリント配線板の製造方法であって、 配線パターン層同士を積層する前に、予め、配線パター
    ン層同士が重なり合う予定部分に絶縁層を形成させてお
    くことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁層は、配線パターン層同士が重
    なり合う予定部分のパターンに対応するスクリーン印刷
    版を用いて、スクリーン印刷にて形成されることを特徴
    とする請求項4に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁層は、配線パターン層同士が重
    なり合う予定部分のパターンに対応するフォトマスクを
    用いて、フォトリソグラフィー法で形成されることを特
    徴とする請求項4に記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁層は、絶縁性材料層を形成した
    後、この上に、配線パターン層同士が重なり合う予定部
    分のパターンに対応するレジストパターンを形成し、し
    かる後、絶縁性材料層露出部をエッチング除去し、最後
    にレジストを除去して形成されることを特徴とする請求
    項4に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記絶縁層は、配線パターン層同士が重
    なり合う予定部分のパターンに対応する絶縁層パターン
    を備える絶縁層転写基板を予め作製し、この絶縁層パタ
    ーンを多層プリント配線板用の基板側に転写して形成さ
    れることを特徴とする請求項4に記載の多層プリント配
    線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記絶縁層は、絶縁性材料溶液をディス
    ペンスにより塗布し、乾燥させ、形成されることを特徴
    とする請求項4に記載の多層プリント配線版の製造方
    法。
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