JP4101919B2 - 転写用部材の製造法及び転写用部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細パターンを有する転写用部材とその製造方法に関する。特に多層プリント配線板等の製造に用いることができる、導電性基板上にパターン化された導電層等からなる転写層が形成されている転写用部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気分野における技術の飛躍的な発展により、CSPに代表されるように半導体パッケージの小型化、ベアチップ実装等の高密度実装技術が急速に進展している。それに伴って、プリント配線板も片面配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型軽量化が進められている。
【0003】
このようなプリント配線板の製造方法には、一般にサブトラクティブ法と、アディティブ法が用いられている。
【0004】
サブトラクティブ法は、典型的にはエッチングレジストを形成した後、銅張積層板をエッチングして導体回路を形成する方法である。この方法は、技術的にはほぼ完成されており、低コストではあるが、エッチングの際に銅箔の厚さ等による制約があるため、微細パターンの形成には限界がある。
【0005】
一方、アディティブ法は、典型的には、基板上に触媒核を付与した後、めっきレジストを形成し、無電解銅めっき処理を行うことにより、導体回路を形成する方法である。この方法は、微細パターンの形成は可能であるが、コスト低減や、信頼性のさらなる向上が求められている。
【0006】
これらの方法で作製した片面あるいは両面のプリント配線板は、さらにプリプレグと共に加圧積層され、多層基板が製造される。このような多層基板では、通常、一括での多層化後に、内部に無電解めっき等を施したスルーホールを形成することによって各層の導体回路の接続を行っているが、スルーホールの精度のさらなる向上が求められている。
【0007】
近年上述のような要求を満たすものとして、コア基板の表面に絶縁層を介して回路パターンを積み上げて形成するビルドアップ方式の多層プリント配線板が注目されている。このビルドアップ方式の多層プリント配線板は、従来のスルーホールを用いる多層基板に比べ、スルーホールによって配線が邪魔されないために配線ピッチが同じであっても配線密度が向上する。しかしながら、中間工程での不良の修正が困難であり、プロセスが煩雑であるために、製造コストの低減に支障を来たしている。
【0008】
このような問題を解決するために、基板と基板上に順次転写される複数の配線パターン層を有する多層プリント配線板であって、各配線パターン層が導電層と導電層を基板あるいは下層の配線パターン層に固定する絶縁樹脂層を有するもの、及びその製造方法が提案されている(特開平8−116172)。
【0009】
図1に、このような転写用部材及びプリント配線板の製造方法の典型例を示す。まず図1(a)に示すように、導電性基板1を用意し、図1(b)に示すように導電性基板1上にマスクパターン2を形成する。次いで図1(c)に示すように、パターニングを行う。さらに図1(d)に示すように、非マスク部3に電解めっき等により導電層4を形成する。さらに図1(e)に示すように、導電層のパターン上に電着法等により粘接着層5を形成させる。このようにして製造された転写用部材は、次いで図1(f)に示すように被転写基板6に転写され、図1(g)に示すようなプリント配線板が製造される。
【0010】
しかしながら、この方法においては、通常転写後にワイヤボンディングを行うために、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきが施されている。この従来の方法においては、無電解めっき液を使用していくにつれて、除去不可能な副成物が堆積するため、数ターン毎にめっき液の全交換が必要となるという点の改善が望まれている。また、無電解めっきは、高温のアルカリ条件下で、長時間の処理を行うため、転写用部材の材料に制約が生じる問題点がある。また、無電解めっきの場合、接続性めっき層とボンディングボールとの密着性(シェア強度)が電着法によって形成した接続性めっき層に比べて低い、析出速度が遅く、生産性が低いなどの問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決しようとするものであって、本発明の目的は、被転写基板へ転写した後に行う無電解めっき法による接続性めっき層の形成を不要とする、転写用部材の製造方法及び転写用部材を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、被転写基板へ転写した後に無電解めっきで行っていた接続性めっき層の形成を転写版上で電着法により行うことによって、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明の転写用部材の製造方法は、少なくとも片側表面に導電性を有する基板に対して、前記基板の導電性を有する前記表面に、電気絶縁性のマスクパターンを形成する工程と、前記基板のマスクパターンを形成した側の非マスク部に接続性めっき層を電着法で形成する工程と、前記接続性めっき層上に少なくとも一層以上の導電層を電着法により形成する工程と、前記導電層上に粘接着層を形成する工程、を具備してなり、前記表面に導電性を有する基板上に、少なくとも接続性めっき層、導電層及び前記導電層上に、粘接着層が積層されてなるパターン化された転写層を形成することを特徴とする方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
転写用部材の製造方法
図2を用いて、本発明の転写用部材の製造方法を具体例によって説明する。
【0014】
まず、図2(a)に示す導電性基板1を用意し、図2(b)に示すように、導電性基板1上にマスク2を形成する。さらに図2(c)に示すように、パターニングを行うことによりマスクパターン2と非マスク部3を形成する。次いで、図2(d)に示すように、非マスク部3に接続性めっき層8を形成し、図2(e)に示すように、非マスク部3上に形成した接続性めっき層8のパターン上に下地導電層9を形成する。さらに図2(f)に示すように、下地導電層9のパターン上に導電層4を形成し、図2(g)に示すように導電層4のパターン上にバリア導電層7を形成する。次いで、図2(h)に示すように、バリア導電層7のパターン上に粘接着層5を形成させることにより転写用部材を製造する。
【0015】
本発明の転写用部材の典型例は、図2(h)に模式的に示すように、導電性基板1の表面に、任意のパターンのマスクパターン2と、非マスク部3に接続性めっき層8と、下地導電層9と、導電層4と、バリア導電層7と、粘接着層5をその順番で積層してなる転写層が形成されたものである。その後本発明の転写用部材を典型的には図2(i)に示すように被転写基板6に圧着し、接続性めっき層8と、下地導電層9と、導電層4と、バリア導電層7と、粘接着層5からなる転写層(配線パターン)を被転写基板6に転写することによって、図2(j)に示すプリント配線板が製造される。
【0016】
以下、本発明の転写用部材の製造方法をより一層詳しく説明する。
【0017】
接続性めっき層
本発明の転写用部材における接続性めっき層の材料は、ボンディングまたは、はんだ付けなどの際に、良好に接続できる導電性のめっき層が形成できる材料であれば、特に限定されるものではない。このようなものとしては、例えば金、金合金、銀、パラジウム、スズ、はんだ及びスズニッケル合金が挙げられる。このうち金、金合金、銀及びパラジウムは、金線を用いたワイヤボンディングとはんだによる接続の両方が可能である点で特に好ましい。
【0018】
接続性めっき層の厚みは、通常0.05〜2μm、好ましくは0.3〜2μm、より好ましくは、0.5〜2μmとすることが、導電層を構成する金属の接続性めっき層表面への拡散を防止する上で好ましい。
【0019】
接続性めっき層の形成方法は、電着法によって行う。電着法を用いることは、短時間の処理でめっきが行え、アルカリ浴、酸性浴、中性浴と選択が可能であって、転写用部材の材料面での制約が緩和されること、及び接続性めっき層とボンディングボールとの密着性(シェア強度)が高まる点、さらに電着工程が集中することによる製造コストの低下及び、工程の簡略化の点で有利である。また、電解めっき液は用途に応じてアルカリ性、中性、酸性と適宜選択が可能である。
【0020】
導電性基板
本発明の転写用部材における導電性基板の材料は、少なくとも片側の表面が導電性を有するものであれば特に制限されるものではない。このようなものとしては、例えば各種の金属板及び各種の絶縁体に金属を被覆したもの、例えば銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、42アロイ及びスパッタリング等でメタライズした樹脂フィルム等を挙げることができる。好ましくは、電解めっき法によって、銅、ニッケル、クロム、金、銀、白金、錫、はんだ等が析出可能で、該導電性基板から析出金属層を剥離することが可能な材料、具体的には、例えばステンレス鋼、チタン系材料等が好ましい。
【0021】
導電性基板の厚さは特に制限されないが、0.05〜1.0mm程度が一般的に好ましい。
【0022】
マスクパターンの形成
本発明の転写用部材に用いられる電気絶縁性のマスクパターンの形成方法および材料は、絶縁性を有する層をパターニングすることが可能であれば、特に限定されない。この方法としては、例えばフォトレジスト、スクリーン印刷、精密ディスペンスが挙げられる。このうち、微細パターンを形成に有利なフォトレジストを使用することが好ましい。また、後の工程において耐酸性、耐溶剤性、耐電圧性等が要求される場合があるため、このような特性を有するものを使用することがより好ましい。特に好ましい具体例としては、環化ゴム系フォトレジスト、熱硬化性を有するアクリル系レジスト、メラミン系レジスト、水溶性コロイド系フォトレジスト等が挙げられる。
【0023】
本発明の転写用部材に用いられる電気絶縁性のマスクパターンは典型的には以下のように形成する。導電性基板の粗度調整した表面に公知の方法でマスクを形成する。次いで所定パターンのフォトマスクを介してマスクパターンに紫外線を照射し、露光・現像する。かくして、導電性基板の表面に所定パターンのマスクパターン及び非マスク部が形成される。
【0024】
導電層の形成
導電層の形成方法及び材料は、通常の配線板に用いることができるものであれば限定されるものではない。典型的な例としては非マスク部に電着法により導電層を形成する方法がある。電着法による導電層の形成は公知のめっき法に従って行うことができる。導電層を形成する材料は、好ましくは電着法で導電性薄膜が形成されるものであり、例えば、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、白金等が挙げられる。
【0025】
また、好ましくは、後述する下地導電層および/またはバリア導電層を設けることができる。
【0026】
粘接着層の形成
本発明の転写用部材に用いられる粘接着層は、典型的には導電層の表面に電着法によって形成することができる。電着法は、例えば電着塗装として従来から用いられており、皮膜形成材料を含有するイオン性の電着液を用いて行うことができる。本発明における電着は公知の電着法に従って行うことができる。
【0027】
本発明の転写用部材に用いられる粘接着層の材料は、常温あるいは加熱により粘接着性を示すものであり、転写用部材を被転写基板に圧着し、導電層を粘接着層によって被転写基板に固着させることができるものであれば特に限定されない。好ましくは転写後に配線間及び被転写基板と配線間との絶縁性をもたせるために、粘接着層は絶縁体とする。また、電着液に含有させて電着させることが可能な物質、例えばイオン性高分子化合物を用いることも好ましい。
【0028】
電着液に含有される絶縁性粘接着層を形成する好ましいイオン性高分子化合物としては、例えば、天然系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、マレイン化油系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。アニオン性高分子化合物としてはカルボキシル基等のアニオン性基を有するものが、カチオン性高分子化合物としてはアミノ基等のカチオン性基を有するものが包含される。本発明においては、粘接着層に要求される性能に従って最適なイオン性高分子化合物を適宜選択することができる。また、必要に応じてこれらのイオン性高分子化合物とともに、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着付与剤を使用することができる。
【0029】
上記の高分子化合物は、アルカリ性物質または酸性物質によって中和して水に可溶化された状態で、あるいはに水分散した状態で電着を行うことができる。アニオン性高分子化合物は、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機のアルカリで中和することができる。カチオン性高分子化合物は、例えば、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和することができる。
【0030】
粘接着層の厚みは粘接着性及び必要に応じた絶縁性が満たされれば、特に限定されるものではないが、一般的には1〜100μmであり、好ましくは10〜50μmとすることが好ましい。
【0031】
下地導電層
本発明の転写用部材において、好ましくは、接続性めっき層と導電層との間に下地導電層を設けることができる。この下地導電層の材料は、接続性めっき層と導電層との間の密着性を高める材料、ボンディングに適した硬度を付与できる材料、導電層の金属が接続性めっき層へ拡散することを防ぐためのバリア層の少なくとも1つ以上の効果が期待できる材料であれば、特に限定されるものではない。このようなものとしては、例えばニッケル、スズ・ニッケル合金及びクロムが挙げられる。このうちニッケルは添加剤の使用により、低応力かつピンホールが少ない層が形成可能な点で特に好ましい。また、レベリング剤などの添加によって、光沢を高めためっきであることもできる。
【0032】
下地導電層の厚みは、上記の作用を有する範囲であれば特に限定されないが、一般的には0.1〜2.0μmであり、好ましくは0.5〜2.0μmとすることが充分なバリア性を保つことができる点で好ましい。
【0033】
下地導電層の形成方法は、電着法によって行う。電着法を用いることは、低温短時間の処理でめっきが行え、転写用部材の材料面での制約緩和されること、及び工程数が少ない点で有利である。
【0034】
バリア導電層の形成
一般に前記の転写用部材において、導電層に銅などを使用した場合には、銅などの金属イオンが絶縁樹脂中に溶出する現象、いわゆるイオンマイグレーションが発生し、高湿度の環境で絶縁樹脂層が10μm程度と比較的薄い場合には絶縁性に悪影響を及ぼす可能性がある。本発明の転写用部材においては、好ましくは、イオンマイグレーションを防止するためのバリア導電層を銅めっき層と粘接着層との間に設けることができる。また、バリア導電層は、導電層と粘接着層の密着性を向上させる作用もある。
【0035】
バリア導電層を形成する材料としては、好ましくは、安定な酸化被膜を有するイオンマイグレーションが発生しにくい金属、具体的にはニッケル、クロム、スズニッケル合金などを用いることができる。この層の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.5〜1.0μm程度である。
【0036】
このバリア導電層の形成方法は特に限定されるものではないが、好ましくは電着法、無電解めっき法、蒸着法、スパッタリングなどを用いることができ、特に好ましくは電着法である。このバリア導電層は、好ましくはレベリング剤などの添加剤を添加せずに光沢がないものあるいは、表面が粗いものが粘接着層との密着性の向上の点で好ましい。
【0037】
【実施例】
実施例1
ステンレス鋼(SUS304CSP(H))の薄板(厚さ0.1mm)を導電性基板として、転写用部材を以下の工程により作製した。
【0038】
(1)マスクパターンの形成
上記基板に環化ゴム系ネガ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製OMR85 35cP)を約2μmの厚さに塗布し、85℃のクリーンオーブンにおいて30分間プレベークを行った。その後、所定のパターンを有するフォトマスクを用い、下記条件で露光を行い、現像液(東京応化工業(株)製OMR現像液)で現像し、リンス液(東京応化工業(株)製OMRリンス液)でリンスを行った。次いで、145℃のクリーンオーブンにおいて30分間ポストベークを行い、マスクパターンを形成した。
露光条件
アライメント露光機 大日本スクリーン製造(株)製 MAP-1200
露光時間 5秒
【0039】
(2)接続性めっき層の形成
該マスクパターンを形成した導電性基板を、白金チタン陽極と対向させて下記条件の亜硫酸金めっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、定電流電源により0.4A/dm2の電流密度で4.5分間通電した。その結果、該導電性基板の上記銅めっき層上に厚さ1μmの金めっきからなる接続性めっき層が形成された。
めっき液 K−91S(日本高純度化学(株)製)
pH 7.3
浴温 65℃
【0040】
(3)導電層の形成
該マスクパターンを形成した基材を電解ニッケル陽極と対向させて下記組成のワットニッケルめっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、定電流電源により1A/dm2の電流密度で5分間通電し、厚さ1μmの金めっきの下地導電層として、Niめっき層を形成した。
ワットニッケルめっき浴の組成(浴温55℃、pH4.0)
NiS04・6H20 300g/l
NiCl2・6H20 40g/l
3B03 40g/l
PCニッケルA−1(上村工業(株)製) 10ml/l
PCニッケルA−2(上村工業(株)製) 1ml/l
【0041】
その後、該導電性基板を含燐銅陽極と対向させて下記組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、直流電源により2A/dm2の電流密度で25分間通電した。その結果、該導電性基板の金めっき上に厚さ10μmの銅めっきからなる導電層が形成された。
Figure 0004101919
【0042】
次いで、該マスクパターンを形成した基材を、電解ニッケル陽極と対向させて下記組成のワットニッケルめっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陽極として、定電流電源により1A/dm2の電流密度で2.5分間通電した。厚さ0.5μmのNiめっきからなるバリア導電層が形成された。
ワットニッケルめっき浴の組成(浴温50℃、pH2.9)
NiS04・6H20 280g/l
NiCl2・6H20 50g/l
3B03 30g/l
その結果、該導電性基板の接続めっき層上にニッケル/銅/ニッケルの3層からなる導電層が形成された。
【0043】
(4)粘接着層の形成
(アニオン性電着液の調製)
(i) ポリイミドワニスの製造
1リットル容量の三つ口セパラブルフラスコにステンレス鋼製イカリ撹拌器、窒素導入管及びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管をつけた還流冷却器を取り付けた。窒素気流を流しながら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示した。
【0044】
3,4,3′,4′‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以下、BTDAと呼ぶ)32.22g(0.1モル)、ビス(4‐(3‐アミノフェノキシ)フェニル)スルホン(m−BAPS)21.63g(0.1モル)、バレロラクトン1.5g(0.015モル)、ピリジン2.4g(0.03モル)、Nメチル2ピロリドン(以下NMPと呼ぶ)200g、トルエン30g、を加えて、窒素を通じながらシリコン浴中、室温で30分撹拌(200rpm)、ついで180℃に昇温して、1時間200rpmで撹拌しながら反応させた。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、BTDA6.11g(0.05モル)、3,5ジアミノ安息香酸(以下DABzと呼ぶ)15.216g(0.1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、室温で30分撹拌したのち(200rpm)、次いで180℃に昇温して加熱撹拌しトルエン−水留出分15mlを除去した。その後、トルエン−水留出分を系外に除きながら、180℃に加熱、3時間、撹拌して反応を終了させた。20%のポリイミドワニスを得た。酸当量(1個のCOOHあたりのポリマー量は1554)は70であった。
(ii)電着液の調製
濃度20%のポリアミドワニス100gに3SN(NMP:テトラヒドロチオフェン‐1,1‐ジオキシド=1:3(重量)の混合溶液)150g、ベンジルアルコール75g、メチルモルホリン5.0g、(中和率200%)、水30gを加え撹拌して水性電着液を調製した。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4%、pH7.8、暗赤褐色透明液であった。
【0045】
(電着)
前記導電性パターンを有する導電性基板を、ステンレス鋼製陽極(SUS430MA)と対向させて上記のアニオン性電着液中に浸漬し、該導電性基板を陽極として、直流電源により100Vの電圧で3分間通電した。水洗後、80℃のホットプレートで3分間乾燥した。その結果、該導電性基板のバリア導電層上に厚さ10μmの上記ポリイミドからなる電着塗膜が形成された。
【0046】
(5)転写
該転写用部材を厚さ30μmのステンレス鋼(SUS304TA)箔上に、160℃、圧力1kgf/cm2の条件で圧着し、該導電性基板を剥離して転写を行った。その後、窒素雰囲気下で350℃、1時間のキュアを行った。こうして得られた配線板に対して、UVオゾン処理を行い、下記条件でワイヤボンディング試験を行った結果、70MPaと十分なシェア強度を示した。
ワイヤボンディング条件
ワイヤボンダー MODEL7700A(WEST BOND社製)
ワイヤ Au 直径30μm
荷重 60gf
周波数 60KHz
出力 0.6W
時間 0.25sec
シェア強度測定 ボンドテスターPC2400(Dage社製)
【0047】
比較例1
ステンレス鋼(SUS304CSP(H))の薄板(厚さ0.1mm)を導電性基板として転写用部材を以下の工程により作製した。
【0048】
(1)マスクパターンの形成
上記基板上に環化ゴム系ネガ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製OMR85 35cP)を約2μmの厚さに塗布し、85℃のクリーンオーブンで30分間プレベークした。その後、所定のパターンを有するフォトマスクを用い、下記条件で露光を行い、現像液(東京応化工業(株)製OMR現像液)で現像し、リンス液(東京応化工業(株)製OMRリンス液)でリンスした。次いで、145℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、マスクパターンを形成させた。
露光条件
アライメント露光機 大日本スクリーン製造(株)製 MAP−1200
露光時間 5秒
【0049】
(2)導電層の形成
上記のマスクパターンを形成した導電性基板を、含燐銅陽極と対向させて下記組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、直流電源により2A/dm2の電流密度で25分間通電した。その結果、該導電性基板の非マスク部上に厚さ10μmの銅めっきからなる導電層が形成された。
Figure 0004101919
【0050】
次いで、該マスクパターンを形成した基材を電解ニッケル陽極と対向させて下記組成のワットニッケルめっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陽極として、定電流電源により1A/dm2の電流密度で2.5分間通電し、厚さ0.5μmのNiめっきからなるバリア導電層が形成された。
ワットニッケルめっき浴の組成(浴温50℃、pH2.9)
NiS04・6H20 280g/l
NiCl2・6H20 50g/l
3B03 30g/l
その結果、該導電性基板の非マスク部に銅/ニッケルの2層からなる導電層が形成された。
【0051】
(3)粘接着層の形成
実施例1と同様である。
【0052】
(4)転写
該転写用部材を厚さ30μmのステンレス鋼(SUS304TA)箔上に、160℃、圧力1kgf/cm2の条件で圧着し、該導電性基板を剥離して転写を行った。その後、窒素雰囲気下で350℃、1時間のキュアを行った。こうして得られた配線板に対して、UVオゾン処理を行った。
【0053】
(5)接続性めっき層の形成
下記条件で無電解ニッケル/金めっきを行い、ニッケル1μm、金1μmの無電解めっき層が形成された。
無電解ニッケル/金めっき条件(日立化成工業(株)製)
触媒付与 SA−100 pH2.3 25℃ 浸漬5分間
無電解ニッケルめっき NIPS−100 pH4.5 85℃ 浸漬5分間
置換金めっき HGS−100 pH8.0 80℃ 浸漬10分間
還元金めっき HGS−2000 pH7.5 65℃ 浸漬60分間
なお、各工程間に30秒の水洗を含む。
【0054】
次いで、下記条件でワイヤボンディング試験を行った結果、ボンディング不可能な部分もあり、可能な部分でも25MPaと低い値を示した。また、ESCA分析の結果、被転写基板であるSUS304TA箔上に微量の金の析出がみられた。
ワイヤボンディング条件
ワイヤボンダー MODEL7700A(WEST BOND社製)
ワイヤ Au 直径30μm
荷重 60gf
周波数 60KHz
出力 0.6W
時間 0.25sec
シェア強度測定 ボンドテスターPC2400(Dage社製)
【0055】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、転写版上で接続性めっき層、導電層、粘接着層とが一体となった配線パターンが実現し、これを被転写基板に転写することによって、接続性めっき層が露出するため、転写後の無電解めっき等が省ける。よって、めっき工程の集中による工程の簡略化、電気めっきを使用することによるスループットの向上、ワイヤボンディング性の改善が期待できる。また、電解めっき液は寿命が長く、コストメリットもある。また、高温の無電解めっき液に浸漬しないため、被転写基板が影響を受けないことも有利な点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の転写用部材の製造方法の概略説明図である。
【図2】本発明の転写用部材の製造方法の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 導電性基板
2 マスクパターン
3 非マスク部
4 導電層
5 粘接着層
6 被転写基板
7 バリア導電層
8 接続性めっき層
9 下地導電層

Claims (6)

  1. 少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に対して、
    前記基板の導電性を有する前記表面に、電気絶縁性のマスクパターンを形成する工程と、
    前記基板のマスクパターンを形成した側の非マスク部に接続性めっき層を電着法によって形成する工程と、
    前記接続性めっき層上に下地導電層を形成する工程と、
    前記下地導電層上に少なくとも一層以上の導電層を電着法によって形成する工程と、
    前記導電層上に、表面が粗いバリア導電層を形成する工程と、
    前記バリア導電層上に粘接着層を形成する工程とを備えてなり、
    前記導電性基板上に、少なくとも前記接続性めっき層、前記下地導電層、前記導電層、前記バリア導電層及び前記粘接着層が積層されてなるパターン化された転写層を形成することを特徴とする、転写用部材の製造方法。
  2. 前記接続性めっき層が、金、金合金、銀及びパラジウムからなる群より選ばれるものからなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記下地導電層がニッケルからなり、前記導電層が銅からなり、前記バリア導電層がニッケルからなる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記粘接着層の形成が、電着法を用いて行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を用いて製造されてなる、転写用部材。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を用いて製造されてなる、プリント配線板。
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