JP4270678B2 - 配線形成方法および転写版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法、およびそれに用いられる転写版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高密度化、高機能化が進む中、益々、半導体装置の高密度化、高機能化、半導体パッケージの小型化、多ピン化、外部端子のファインピッチ化が求められている。
半導体素子、半導体装置の極小化、薄型化が進み、高密度実装の時代となった。
LSIを直接プリント配線板に実装、あるいはCSP(Chip Size Package)、BGA(Ball Grid Array)をプリント配線板に実装するようになってきた。
最近では、半導体素子(フリフチップ)をマザーボードであるプリント配線板に搭載するための中間的な配線となるインターポーザ(配線基板)や、BGA(Ball Grid Array)タイプの半導体装置を形成するための配線基板も、高密度化の要求に対応して、開発されるようになってきた。
これに伴い、マザーボード(プリント配線板)についても、益々、配線の高密度化が求められ、図4に示すような、CSP、BGA、インターポーザ等の外部端子部と接合するためのピン端子415を二次元的に配列(エリアアレイ)させ、ピン端子415からの配線410を多層配線としている、ビルトアップ法により作製された多層配線基板も開発されている。
尚、図4(b)は、ビルトアップ基板の一部を示した平面図で、図4(a)はそのA3領域をA4−A5方向からみた場合の配線位置を示したものである。
図4(b)はそれをA1−A2方向からみた図に相当する。
図4中、410は配線、413は(充填タンプの)バイアホール、415はピン端子、417は外部端子、421、422、423は絶縁層である。
【0003】
一般に、多層配線基板の配線部の形成方法としては、主としてサブトラクティブ法とアディティブ法があるが、図4に示すビルトアップ法による多層配線基板の配線部の形成方法は、配線の微細化の点からアディティブ法が採られている。配線層およびバイアホールを1層づつ、絶縁層を介して積み上げ形成していく方法をビルトアップ法と言い、通常、絶縁性の基材上ないし絶縁性樹脂層上へスパッタリング、蒸着、無電解めっき等で導通層となる金属薄膜を直接形成した後、電気めっき等により全面に厚付け金属層を形成し、次いで該金属層上にレジストを所定のパターンに形成して、該レジストを耐腐蝕マスクとしてレジストの開口部から露出した部分のみをエッチングすることにより配線部の形成を行う。
図4に示すようなビルトアップ法による多層配線基板については、絶縁層を介した配線間の接続にバイアホールを形成する必要があり、レーザやフォトリソグラフィーにより絶縁層に孔開加工を施し、めっきにより、あるいは導電性ペーストを埋め込み、接続をとるが、この場合、接続の信頼性を維持しつつ、密度を上げることが難しい。
また、ビルトアップ法による多層配線基板の製造は手間がかかる。
【0004】
尚、一般には、絶縁性の基板の上全面に金属配線部を形成するための金属層(銅箔)を形成しておき、これをエッチング等により金属層の所定領域を除去して配線部を形成する方法をサブトラクティブ法と言い、めっき等により形成された金属配線部を直接ないし間接的に絶縁性の基板に、付け加え形成していく方法をアディティブ法と言う。
そして、サブトラクティブ法の場合は、通常、絶縁性基板に貼りつけられた金属層(銅箔)をエッチング加工により配線部を形成するもので、技術的に完成度が高く、コストも安いが、金属層の厚さ等による制約から配線部の微細加工が難しいという問題があり、アディティブ法の場合は、めっきにより金属配線部を形成するため、配線部の微細化は可能であるが、コスト信頼性の面で難がある。
【0005】
上記のように、ビルトアップ法による多層配線基板やその製造方法には種々問題がある為、最近、配線の微細化を達成しつつ多層配線を比較的簡単に可能とする多層配線基板の製造方法として、複数の転写版に、それぞれ、所定の形状にめっき形成された配線層を、配線を形成するベース基板に順次、配線を固定する接着剤層である絶縁層を介して転写して、配線層を多層に形成する多層配線基板の製造方法も提案されている。
この方法の場合、配線を固定し、且つ重なる配線間を絶縁する絶縁層(接着剤層)の形成方法としては、▲1▼印刷方法、▲2▼感光性樹脂のフォトリソグラフィー法、▲3▼電着形成法がある。
▲1▼印刷方法は、スクリーン印刷等の印刷によるもので、量産的で、安価となるが、精度的に問題があり、高精度高密度の配線形成には適していない。
▲2▼感光性樹脂のフォトリソグラフィー法の場合、高精度高密度の配線形成には適しているが、工程が長く、作業時間が長く、且つ複雑で、設備も高価となり、結果コスト高となる。
さらに、ビルトアップ法による多層配線基板の作製に適用する場合、材料費がはらむ。
▲3▼電着形成法としては、本出願人により、導電性基板上に、配線層をめっき形成し、更に配線層上に電着により、配線を固定し、且つ重なる配線間を絶縁する絶縁層(接着剤層)の形成する方法が提案されている。
【0006】
▲3▼電着形成法を、図3に基づいて簡単に説明する。
図3(a)は、レジスト320の膜厚より厚く、配線となる導電性層330を形成する場合で、レジスト320をつけた状態で、更に導電性層330上に電着樹脂層340が形成されている。
レジスト320と電着樹脂層340の接触する領域は少なく、レジストを付けたこの状態で、配線形成用基板(図示していない)と圧着して、電着樹脂層340を介して配線となる導電性層330が転写される。
この場合は、レジスト製版をいくら微細に行っても、マッシュルーム状に配線となる導電性層330がめっき形成されるため、配線の幅の精度が確保できない。
図3(b)は、レジスト320の膜厚より薄く、配線となる導電性層330を形成する場合である。
この場合は、配線となる導電性層上に、電着により電着樹脂層340を形成すると、微細配線を形成するための微細な幅のレジストの開口部を形成するためにはレジスト320の厚さをある程度以下に薄くすることが必要で、通常、図3(b)のように電着樹脂層はマッシュルーム状に形成されるが、レジスト320を電着樹脂層340との接触領域が大で、レジスト320をつけたまま、配線形成用基板(図示していない)と圧着して、電着樹脂層340を介して配線となる導電性層330を転写することは難しい。
このため、図3(b)の状態からレジスト320を剥離した後に、転写する方法も考えられるが、この方法の場合、微細配線のめっき形成自体は可能であるが、レジストの剥離処理において、電着樹脂層340の破損があり、転写が均一に行えない、即ち転写性が悪くなるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、簡便に、配線の高密度化ができて、品質的にも高信頼性がある配線形成方法が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、具体的には、転写版に、形成された配線層上に、上記▲3▼電着形成法を用いて電着樹脂層を形成し、該電着樹脂層を介して配線を、配線形成用基板に転写形成する方法で、配線の高密度化、即ち微細化に対応でき、且つ、品質的にも高信頼性がある配線形成方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線形成方法は、めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法であって、順次(A)めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(B)レジストを剥離後、ベース基板の配線形成側の面、全面にわたりソフトエッチングで除去可能な厚さに、導電性層をめっき形成して導電性被膜を形成する工程と、(C)ベース基板の全面にわたりめっき形成された導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(D)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(E)配線部のみが残るように、露出した部分をソフトエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するソフトエッチング工程とを含むことを特徴とするものである。
そして上記において、めっき剥離性の導電性基材がステンレス材であることを特徴とするものである。
あるいはまた、本発明の配線形成方法は、めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法であって、順次(a)その一面に剥離性の導電性被膜を設けたベース基板の、該導電性被膜上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(b)レジストを剥離後、配線部および露出した剥離性の導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(c)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、ベース基板の全面にわたり形成された導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(d)配線部のみが残るように、露出した部分をエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するエッチング工程とを含むことを特徴とするものであり、剥離性の導電性被膜の厚さは、ソフトエッチングで除去可能な厚さで、エッチング工程におけるエッチングはソフトエッチングであることを特徴とするものである。
【0009】
そして、上記いずれかにおいて、配線形成用基板は、配線部を1層ないし複数層設けたものであり、配線形成用基板の前記配線部上へ、更にめっき形成された配線を形成するものであることを特徴とするものであり、レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、配線部の所定領域を露出するように孔を開けて、電着により電着樹脂層を形成し、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することを特徴とするものである。
あるいはまた、レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、電着により電着樹脂層を形成した後、配線部の所定領域を露出するように、電着樹脂層に孔を開け、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することを特徴とするものである。
具体的には、配線形成用基板が、半導体を多数、面付けして形成したウエハ(基板)が挙げられる。
【0010】
また、上記いずれかにおいて、電着樹脂層が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、該ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物より電着により形成され、乾燥、熱処理された絶縁性の樹脂層であることを特徴とするものである。
尚、半導体作製においては、ウエハ上で目的とする半導体を多数、面付けして形成するが、その1単位を半導体ペレットと言い、半導体素子あるいは半導体素子群、配線、端子部、最終保護膜(パッシベーション層)等がこの中には備えられる。
【0011】
本発明の転写版は、めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上にめっき形成された配線を設けた転写版であって、ベース基板の一面上にめっき形成された配線部を設け、その上に、全面にソフトエッチングで除去可能な厚さの導電性層、電着樹脂層を配設していることを特徴とするものである。
あるいはまた、めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上に、めっき形成された配線を設けた転写版であって、その一面に剥離性の導電性被膜を設けたベース基板の、該導電性被膜上に、めっき形成された配線部を設け、更に配線部および剥離性の導電性被膜上に、電着樹脂層を配設していることを特徴とするものであり、剥離性の導電性被膜はソフトエッチングで除去可能な厚さであることを特徴とするものである。
そして、上記いずれかにおいて、転写版の配線部の所定位置に接続し、転写する先の配線形成用基板の配線に接続するための接続部を、電着樹脂層を貫通させて設けていることを特徴とするものである。
具体的には、配線形成用基板としては、半導体を多数、面付けして形成したウエハ(基板)が挙げられる。
【0012】
【作用】
本発明の配線形成方法は、このような構成にすることにより、転写版に、形成された配線層上に、上記▲3▼電着形成法を用いて電着樹脂層を形成し、該電着樹脂層を介して配線を、配線形成用基板に転写形成する方法で、配線の高密度化、即ち微細化に対応でき、且つ、品質的にも高信頼性がある配線形成方法の提供を可能とするものである。
具体的には、順次(A)めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(B)レジストを剥離後、ベース基板の配線形成側の面、全面にわたりソフトエッチングで除去可能な厚さに、導電性層をめっき形成して導電性被膜を形成する工程と、(C)ベース基板の全面にわたりめっき形成された導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(D)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(E)配線部のみが残るように、露出した部分をソフトエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するソフトエッチング工程とを含むことにより、あるいは、順次(a)その一面に剥離性の導電性被膜を設けたベース基板の、該導電性被膜上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(b)レジストを剥離後、配線部および露出した剥離性の導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(c)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、ベース基板の全面にわたり形成された導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(d)配線部のみが残るように、露出した部分をエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するエッチング工程とを含むことにより、これを達成している。
即ち、本発明の配線形成方法においては、配線を形成するためのレジストを剥離した状態で、電着により電着樹脂層を設け、且つ、めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板から剥離して、あるいはベース基板の一面に設けられた剥離性の導電性被膜とともに剥離して、配線、電着樹脂層を転写する構成であるため、配線形成においては、レジスト開口におさまるように配線となる導電性層のめっき形成を行うため、レジスト開口に合わせた配線の線幅を得ることができ、配線の高密度化(微細化)に対応できるとともに、転写には配線を形成するためのレジストの影響は無く、転写性が優れている。
結局、配線の高密度化(微細化)に対応でき、且つ、転写性が優れている配線形成方法の提供が可能となる。
【0013】
レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、配線部の所定領域を露出するように孔を開けて、電着により電着樹脂層を形成し、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することにより、あるいはまた、レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、電着により電着樹脂層を形成した後、配線部の所定領域を露出するように、電着樹脂層に孔を開け、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することにより、配線形成用基板に予め設けられている配線部上へ、配線を転写形成するとともに接続部の形成を行なうことができるものとしている。
これにより、半導体を多数、面付けして形成したウエハ上に、ウエハの電極パッドに接続する配線部を転写形成することを可能としており、半導体ペレットの端子形成に大きな自由度を与えるものである。
【0014】
また、電着樹脂層が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、該ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物より電着により形成され、乾燥、熱処理された絶縁性の樹脂層であることにより、品質的に優れた、配線形成を可能としている。
【0015】
本発明の転写版は、このような構成にすることにより、上記本発明の配線形成方法の実施を可能とするもので、配線の高密度化(微細化)に対応でき、且つ、転写性が優れている配線形成方法の実施を可能とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を挙げ、図に基づいて説明する。
図1は本発明の配線形成方法の実施の形態の第1の例の工程断面図で、図2は本発明の配線形成方法の実施の形態の第2の例の工程断面図で、図5は本発明の配線形成方法の実施の形態の第3の例の工程断面図ある。
図1、図2、図5中、110はベース基板、120はレジスト、125は開口部、130は導電性層(配線層とも言う)、135は導電性層(接続部とも言う)、140は導電性被膜(導電性層とも言う)、150は電着樹脂層、155は孔部(開口部とも言う)、180は配線形成用基板、190はウエハ(ウエハ基板とも言う)、191は電極パッド、195は保護層(パッシベーション層とも言う)、210ベース基板、211は基材、215は導電性被膜、220はレジスト、225は開口部、230は導電性層(配線層とも言う)、250は電着樹脂層、280は配線形成用基板である。
図1、図2は、説明を分かり易くするため、一配線を横切る断面のみを示した図で、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(e)、図5(f)は一配線を横切る断面のうち接続部を含む範囲を示した図で、図5(c1)は一配線に沿った断面のうち接続部を含む範囲を示した図である。
【0017】
本発明の配線形成方法の実施の形態の第1の例を図1に基づいて説明する。
第1の例は、めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法である。
先ず、めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板110の一面上に、作製する配線の形状に対応した所定の形状にレジスト製版する。(図1(a))
ベース基板110としては、ステンレス材が挙げられるが、これに限定はされない。
レジスト膜厚は作製する配線の厚さよりも厚く形成しておく。
レジスト120としては、所望の解像性があり、耐めっき性があり、処理性の良いものが好ましく、例えば、ノボラックレジストが挙げられる。
次いで、レジスト120の開口部125にレジスト120の膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部となる導電性層130を形成する。(図1(b))
この後、所定の剥離液にてベース基板110からレジスト120を剥離しておく。(図1(c))
導電性層130としては、導電性やコスト面からめっき銅が一好ましいが、これに限定はされない。多層の導電性層としても良い。
必要に応じてNi(ニッケル)、Au(金)、Cr(クロム)、Ag(銀)、Pt(白金)等でも良く、めっき銅の場合、その厚さは、配線の幅にもよるが1μm以上は必要である。
レジスト120を剥離後、ベース基板110の配線形成側の面、全面にわたりソフトエッチングで除去可能な厚さに、導電性被膜(導電性層)140をめっき形成する。(図1(d))
尚、ソフトエッチングとは、極めて短時間のエッチングをを言い、特に配線となる導電性層130に影響がでない程度のエッチングを言う。
次いで、ベース基板110の全面にわたりめっき形成された導電性被膜(導電性層)140上、全面に、電着により電着樹脂層150を形成する。(図1(e))
電着樹脂層150は、電気的絶縁性、化学的安定性、強度の点で優れたものが好ましいが、特に限定はされない。
電着樹脂層150の厚さは、転写性、絶縁性を考慮して決める。
図1(e)に示すものは、配線部となる導電性層130を配線形成用基板に転写するための版で、通常、転写版と呼ばれる。
【0018】
電着樹脂層150を電着形成するための電着液に用いられる高分子としては、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性合成高分子樹脂を挙げることができる。
アニオン性高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ボリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの樹脂の任意の組合せによる混合物として使用できる。さらに、上記のアニオン性合成樹脂とメラミン樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用しても良い。
また、カチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組合せによる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂を併用しても良い。
また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
上記高分子樹脂は、アルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。
特に、絶縁性、強度、化学的安定性の面から電着樹脂層150がポリイミド樹脂であるとが好ましい。
例えば、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、該ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物より電着により形成され、乾燥、熱処理された絶縁性の樹脂層が挙げられる。
【0019】
次いで、ベース基板110を、その一面に設けられた電着樹脂層150を介して、配線を形成する配線形成用基板180に圧着する。(図1(f))
そして、ベース基板110のみを剥離して、ベース基板110の全面にわたりめっき形成された導電性被膜(導電性層)140、配線部となる導電性層130を配線形成用基板180側に転写する。(図1(g))
配線形成用基板180については、特に限定されない、フィルム、ガラス、金属等、種々の材質が適用できる。
また、配線部が1層ないし複数層設けられていても良い。
【0020】
次いで、配線部となる導電性層130のみが残るように、露出した部分をソフトエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層150を介して形成する。(図1(h))
導電性層130、導電性被膜(導電性層)140がめっき銅の場合には、エッチング液としては、塩化第二鉄溶液が使用できる。
このように、第1の例の配線形成方法により、単層ないし、多層の配線基板を形成することができる。
勿論、第1の例の配線形成方法を繰り返すことにより、この形成方法のみによる多層の配線を形成した多層配線基板の提供が可能となる。
【0021】
次に、本発明の配線形成方法の実施の形態の第2の例を図2に基づいて説明する。
第2の例も、第1の例と同様、めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法である。
先ず、その一面に剥離性の導電性被膜215を設けたベース基板210の、導電性被膜215上に、作製する配線の形状に対応した所定の形状にレジスト製版する。(図2(a))
レジスト膜厚は作製する配線の厚さよりも厚く形成しておく。
レジスト220としては、第1の例と同様、所望の解像性があり、耐めっき性があり、処理性の良いものが好ましい。
基材211としては、導電性被膜215を剥離性の良いものとする基材であれば、特に限定はされない。絶縁性の樹脂、ガラスやステンレス等の導電性のものも適用できる。
次いで、レジスト220の開口部215にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部となる導電性層230を形成する。(図2(b))
導電性層230については、第1の例と同様のものが適用できる。
Cu(めっき銅)を主材とし導電性被膜215側から順に、Au層、Ni層、Cu層とした場合には、後の導電性被膜215側のエッチング処理の際に、耐エッチング性の良いものとできる。
この後、ベース基板210からレジスト220を剥離しておく。(図2(c))
所定の剥離液にてレジスト220を剥離しておく。
【0022】
レジスト220を剥離後、配線部となる導電性層230および露出した剥離性の導電性被膜215上、全面に、電着により電着樹脂層250を形成する。(図2(d))
電着樹脂層250としては、第1の例と同様のものが使用できる。
図2(d)に示すものは、配線部となる導電性層230を配線形成用基板に転写するための版で、通常、転写版と呼ばれる。
【0023】
次いで、ベース基板210を、その一面に設けられた電着樹脂層250を介して、配線を形成する配線形成用基板280に圧着する。(図2(e))
そして、ベース基板210の基材211のみを剥離して、ベース基板210の全面にわたりめっき形成された導電性被膜215、配線部となる導電性層230を配線形成用基板280側に転写する。(図2(f))
配線形成用基板280については、第1の例と同様、特に限定されない、配線部が1層ないし複数層設けられていても良い。
【0024】
次いで、配線部となる導電性層230のみが残るように、露出した導電性被膜215をエッチングして、配線部を配線形成用基板280上に電着樹脂層250を介して形成する。(図2(g))
導電性層230、導電性被膜215をともに、銅単層とした場合には、エッチングは、配線部となる導電性層230を残し、導電性被膜215のみをエッチングする。
この場合は、導電性被膜215としては、薄いものを用い、導電性被膜215のみをソフトエッチングするのが好ましい。
導電性層230として、Cuを主材として導電性被膜215側から、順にAu層、Ni層、Cu層とした場合には、必ずしもソフトエッチングにする必要はない。
【0025】
次に、本発明の配線形成方法の実施の形態の第3の例を図5に基づいて説明する。
第3の例は、配線部を1層ないし複数層設けた配線形成用基板(配線基板)の配線部上へ、更にめっき形成された配線を形成する例の一つで、配線基板をウエハ基板とし、その電極パッドに配線を接続させながら、ウエハ基板上に配線部を転写形成するものである。
先ず、第1の例の図1(a)〜図1(e)と同様にして、ベース基板110の一面上に、配線層130、導電性被膜(導電性層)140、電着樹脂層150を、順に形成する。(図5(a))
次いで、配線形成用基板(ここではウエハ基板)の電極パッド位置に合わせ、電着樹脂層150の所定位置に配線層130を露出させる孔部155を形成する。(図5(b))
孔部155の形成方法としては、YAGレーザ等による孔開け法、あるいは、レジスト製版により孔部領域を覆い電着樹脂層を電着形成する方法等が挙げられる。
次いで、配線層130上の、孔部155から露出した導電性被膜(導電性層)140上に、導電性層135をめっき形成する。(図5(c)、図5(d))
導電性被膜(導電性層)140は、配線形成用基板(ここではウエハ基板)の電極パッドと配線層130とを接続する接続部となるものである。
導電性被膜(導電性層)140の材質としては、配線層130と同様のものが用いられ、電極パッドの形状に合わせその厚さを決める。
図5(c)、図5(d)に示すものが転写版である。
【0026】
次いで、転写版の電着樹脂層150側を配線形成用基板(ここではウエハ基板)の電極パッド側に向け、位置合わせをして、転写版と配線形成用基板とを圧着する。(図5(d))
接続部となる導電性層135が電極パッド191と圧着され、電極パッド191と配線層130とが電気的に接続される。
次いで、第1の例と同様に、ベース基板110を剥離し(図5(e)),露出した導電性被膜(導電性層)140、配線層130の一部をソフトエッチングして、導電性被膜(導電性層)140を除去する。(図5(f))
このようにして、ウエハ基板上に配線層を形成することができる。
【0027】
このように、第2の例の配線形成方法により、単層ないし、多層の配線基板を形成することができる。
勿論、第2の例の配線形成方法を繰り返すことにより、この形成方法のみによる多層の配線を形成した多層配線基板の提供が可能となる。
尚、第1の例の配線形成方法と第2の例の配線形成方法の両方を交互に採り入れて多層の配線基板を形成することもできることは、言うまでもない。
【0028】
次に、本発明の転写版の実施の形態を説明する。
第1の例として、上記、図1に示す第1の例の配線形成方法において作製される転写版(図1(e)に示すものに相当)、第2の例として、上記図2に示す第2の例の配線形成方法において作製される転写版(図2(d)に示すものに相当)、第3の例として、上記図5に示す第3の例の配線形成方法において作製される転写版(図5(c)、図5(c1)に示すものに相当)を挙げる。
尚、各部については、それぞれの配線形成方法で説明してあるので、ここでは説明を省略する。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
実施例1は、図1に示す第1の例の配線形成方法により、配線用基板に、3層に配線を形成した多層配線基板の製造例である。
図1に基づいて説明する。
先ず、第1層目の配線、第2層目の配線、第3層目の配線を形成するための転写版(図1(e)に示すものに相当)A10、A20、A30を以下のようにして作製した。
導電性のベース基板110として0.1mm厚のステンレス板(SUS304)を準備し、このステンレス板からなる導電性のベース基板110の一面上に市販のフォトレジスト(東京応化工業株式会社製 PMER AR900)をスピンコート法により膜厚約10μmに塗布し、オーブンで85°C、30分間乾燥を行った。 そして、各作製する配線層に対応する所定のフォトマスクを用いて、露光装置P−202−G(大日本スクリーン製造株式会社製)を用いて密着露光を行い、現像、水洗、乾燥をし、所定のパターンを有するレジスト120を形成した。(図1(a))
露光条件は30countとした。
次いで、その一面上にフォトレジストが製版された導電性のベース基板110と含燐銅電極を対向させて下記の組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬し、直流電源の陽極に含燐銅電極を、陰極に、それぞれ、ベース基板110を接続し、電流密度2A/dm2 で18分間の通電を行い、フォトレジストで被膜されていないベース基板110の露出部に膜厚約7μmの銅めっき膜からなる導電性層130をめっきを形成し、配線とした。(図1(b))
(めっき浴組成)
CuSO4 ・5H2 O 200g/l
2 SO4 50g/l
HCl 0.15ml/l(Clとして60ppm)
【0030】
次いで、レジストを所定の剥離液で剥離し(図1(c))、めっき形成された銅めっき膜からなる導電性層(配線部)130上、および露出した導電性のベース基板110の面上に、上記めっき浴を用い、電流密度2A/dm2 で1分間の通電を行い、膜厚約1μmの銅めっき膜からなる導電性被膜(導電性層)140をめっきを形成した。(図1(d))
【0031】
次いで、以下のようにして、絶縁樹脂層からなる電着樹脂層150を電着形成し、各転写版A10、A20、A30を得た。(図1(e))
導電性のベース基板110を白金電極と対向させ、下記のようにして調整したアニオン型の電着液中に浸漬し、定電圧電源の陽極にベース基板110を、陰極に白金電極を接続し、150Vの電圧で5分間の電着を行い、これを150°C、5分間で乾燥、熱処理して、ベース基板110の導電性層130からなる配線の表面に厚さ15μmの接着性を有する絶縁樹脂層(電着樹脂層150に相当)を形成した。
ポリイミドワニスを作製し、電着液の調整は以下のように行った。
<ポリイミドワニスの製造>
11容量の三つ口セパラブルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器,窒素導入管及びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管をつけた還流冷却器を取り付ける。窒素気流中を流しながら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示す。
3、4、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以後BTDAと呼ぶ)32.22g(0.lモル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン(m−BAPS)21.63g(0.05モル),γ−バレロラクトン1.5g(0.015モル)、ピリジン2.37g(0.03モル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドンの略)200g、トルエン30gを加えて、窒素を通じながらシリコン浴中,室温で30分撹件(200rpm)、ついで昇温して180℃、l時間、200rpmに攪拌しながら反応させる。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、BTDA16.11g(0.05モル)、3、5ジアミノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)15.22g(0.1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、室温で30分攪拌したのち(200rpm)、次いで昇温して180℃に加熱攪拌しトルエンー水留出分15mlを除去する。その後、トルエンー水留出分を系外に除きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終了した。20%ポリイミドワニスを得た。
<電着液の調製>
20%濃度ポリイミドワニス100gに3SN(NMP:テトラヒドロチオフェンー1、l−ジオキシド=l:3(重量)の混合溶液)150g、ベンジルアルコール75g、メチルモルホリン5.0g(中和率200%)、水30gを攪拌して水性電着液を調製する。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4%、pH7.8、暗赤褐色透明液である。
【0032】
次いで、厚さ100μmのポリイミドフィルムからなる配線形成用基板180上に、上記の配線となる導電性層130と、電着樹脂層150を設けた転写版A10を、下記の条件で圧着して(図1(f))、ベース基板110のみを剥離して第1層目の配線層を配線形成用基板180側に転写形成した。(図1(g))
(圧着条件)
圧力:5kgf/cm2
温度:200℃
【0033】
次いで、メルテック株式会社製AD485によるソフトエッチングにて、配線となる導電性層130を残して、薄い導電性被膜(導電性層)140をエッチング除去した。(図1(h))
次いで、洗浄処理等を行った後、電着樹脂層150を300度C、1時間熱処理して硬化させた。
このようにして、配線形成用基板180の一面に、転写版10の配線となる導電性層130を電着樹脂層150を介して転写し、第1層目の配線を転写形成した。
【0034】
第2層目の配線、第3層目の配線を同様にして形成した。
ポリイミドフィルムからなる配線形成用基板180の、第1層目の配線が形成された側の面上に、同様にして、転写版A20、次いで転写版A30を用い、第2層目の配線、第3層目の配線を形成した。
尚、1層目の配線と2層目ないし3層目の配線、あるいは2層目の配線と3層目の配線で、交叉ないし近接して、電気的な接続が必要な箇所は、電着樹脂層150をレーザーで開口し、導電性ペーストを塗布した。
【0035】
(実施例2)
実施例2は、ウエハ基板上に配線を形成した例で、簡単には、第2の例の配線形成方法の図2(a)〜図2(c)に示すようにして、配線層を形成した後、ウエハ基板の電極バンプと接続する接続部を形成するための孔部形成領域をレジスト製版により覆い、孔部形成領域を除き、第2の例と同様にして、導電性被膜(図2(c)の215に相当)、配線層(図2(c)の230に相当)上に電着樹脂層を電着形成し、レジストを除去して、孔部を配設した電着樹脂層を形成し、更に図5に示す第3の例の配線形成方法のように、孔部に接続部を形成して転写版としたものである。
先ず、接続部となる導電性層を形成した転写版を、以下のようにして、作製した。
導電性のベース基板として0.1mm厚のステンレス板(SUS304)を準備し、このステンレス板からなるベース基板の配線層形成面側を、ウエットブラスト処理により粗面化した。
ウエットブラスト処理は、マコー株式会社製のウエットブラスト加工装置にて、アルミナ砥材#1000(平均粒径11. 5μm)、砥材濃度20%、ポンプ圧0. 7kg/cm2 、処理速度10m/minの条件下で処理を行った。
【0036】
次いで、ウエットブラスト処理が施された面、全面に、以下のようにして、電解銅めっき、電解光沢ニッケルめっきを順に行い、ソフトエッチング可能な厚さに導電性被膜を形成した。
Figure 0004270678
【0037】
次いで、ベース基板に形成された導電性被膜上に、ドライフィルムレジストAX110、30μm厚(旭化成工業製)を形成する配線層の形状に合わせ製版し、これを耐めっきレジストとして、電解金めっき、電解光沢ニッケルめっき、電解銅めっき、電解無光沢ニッケルめっき、電解金めっきを順に行ない、配線部をめっき形成した。
Figure 0004270678
Figure 0004270678
【0038】
次いで、ドライフィルムレジストAX110、30μm厚(旭化成工業製)を形成する接続部の形状、位置に合わせ製版し、これを電着樹脂層を電着形成する際の耐電着レジストとして、実施例1と同様の条件で電着樹脂層を形成し、減圧下、70℃、60分、乾燥を行なった。
この後、レジストを剥離し、膜厚30μmのポリイミド層上に、接続部を形成するための25μmφの孔部が形成された電着樹脂層を得た。
孔部より、接続部を形成するための配線部の所定領域が露出された。
【0039】
次いで、電着樹脂層の孔部に、電解光沢ニッケルめっき、電解銅めっき、電解無光沢ニッケルめっき、電解金めっきを順に行ない、接続部を形成した。
Figure 0004270678
これにより、配線部と接続部を形成した転写版が形成された。
【0040】
次いで、転写版に形成された接続部の露出した表面部に、導電性ペーストを塗布し、転写版の配線部形成側と、ウエハ基板の電極パッド形成側とを向かい合わせ、230℃、6kg/cm2 の圧力で、90sec間、圧着した後、転写版のベースい版のみを剥離し、転写版の配線部と接続部とを、電着樹脂層を介して、ウエハ基板上に転写形成した。
次いで、露出した前述のソフトエッチング可能な導電性被膜(銅めっき層とニッケルめっき層)をソフトエッチングにより除去した。
次いで、洗浄処理を行なってから、350℃、1時間、窒素雰囲気下で熱処理を行なった。
このようにして、ウエハ基板上に配線層を転写形成した。
【0041】
(実施例3)
実施例3も、実施例2と同様、ウエハ基板上に配線を形成した例で、簡単には、第2の例の配線形成方法の図2(a)〜図2(d)に示すようにして、配線層、電着樹脂層を形成した後、電着樹脂層の所定領域にレーザにより孔部を形成した後、図5に示す第3の例の配線形成方法のように、孔部に接続部をめっき形成して転写版としたものである。
電着樹脂層の所定領域へのレーザによる孔部形成は、UV−YAG機(株式会社大洋テクノサービス製)により、加工径25μmで、スパイラル法にて加工した。
他の処理については、実施例2と同様に行なった。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、転写版に、形成された配線層上に、上記▲3▼電着形成法を用いて電着樹脂層を形成し、該電着樹脂層を介して配線を、配線形成用基板に転写形成する方法で、配線の高密度化、即ち微細化に対応でき、且つ、品質的にも高信頼性がある配線形成方法の提供を可能とした。
配線の微細化、量産化を可能とし、フィルム、ガラス金属等、種々の材質からなる配線形成用基板への適用を可能としている。
具体的には、PCBやFPCの他、MCM、BGA等の高密度配線形成や、磁気ヘッドサスペンション等の配線の作製、ウエハ基板上への配線の形成に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線形成方法の実施の形態の第1の例の工程断面図
【図2】本発明の配線形成方法の実施の形態の第2の例の工程断面図
【図3】絶縁層の電着形成と、転写性を説明するための図
【図4】ビルトアップ基板の1例を説明するための図
【図5】本発明の配線形成方法の実施の形態の第3の例の工程断面図
【符号の説明】
110 ベース基板
120 レジスト
125 開口部
130 導電性層(配線層とも言う)
135 導電性層(接続部とも言う)
140 導電性被膜(導電性層)
150 電着樹脂層
155 孔部(開口部とも言う)
180 配線形成用基板
190 ウエハ(ウエハ基板とも言う)
195 保護層(パッシベーション層とも言う)
210 ベース基板
211 基材
215 導電性被膜
220 レジスト
225 開口部
230 導電性層(配線層)
250 電着樹脂層
280 配線形成用基板

Claims (14)

  1. めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法であって、順次(A)めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(B)レジストを剥離後、ベース基板の配線形成側の面、全面にわたりソフトエッチングで除去可能な厚さに、導電性層をめっき形成して導電性被膜を形成する工程と、(C)ベース基板の全面にわたりめっき形成された導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(D)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(E)配線部のみが残るように、露出した部分をソフトエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するソフトエッチング工程とを含むことを特徴とする配線形成方法。
  2. 請求項1において、めっき剥離性の導電性基材がステンレス材であることを特徴とする配線形成方法。
  3. めっき形成された配線を所望の配線形成用基板に形成するための配線形成方法であって、順次(a)その一面に剥離性の導電性被膜を設けたベース基板の、該導電性被膜上に、レジスト製版し、レジストの開口部にレジストの膜厚よりも薄く選択めっきを施して、配線部を形成した後、ベース基板からレジストを剥離する工程と、(b)レジストを剥離後、配線部および露出した剥離性の導電性被膜上、全面に、電着により電着樹脂層を形成する工程と、(c)ベース基板を、その一面に設けられた電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、ベース基板の全面にわたり形成された導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写する転写工程と、(d)配線部のみが残るように、露出した部分をエッチングして、配線部を配線形成用基板上に電着樹脂層を介して形成するエッチング工程とを含むことを特徴とする配線形成方法。
  4. 請求項3において、剥離性の導電性被膜の厚さは、ソフトエッチングで除去可能な厚さで、エッチング工程におけるエッチングはソフトエッチングであることを特徴とする配線形成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、配線形成用基板は、配線部を1層ないし複数層設けたものであり、配線形成用基板の前記配線部上へ、更にめっき形成された配線を形成するものであることを特徴とする記載の配線形成方法。
  6. 請求項5において、レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、配線部の所定領域を露出するように孔を開けて、電着により電着樹脂層を形成し、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することを特徴とする配線形成方法。
  7. 請求項5において、レジストを剥離後、導電性被膜ないし配線部上、全面に、電着により電着樹脂層を形成した後、配線部の所定領域を露出するように、電着樹脂層に孔を開け、孔部に電解めっきを施し、接続部を形成してから、電着樹脂層を介して、配線を形成する配線形成用基板に圧着し、導電性被膜、配線部を配線形成用基板に転写することを特徴とする配線形成方法。
  8. 請求項6ないし7のいずれかにおいて、配線形成用基板が、半導体を多数、面付けして形成したウエハであることを特徴とする配線形成方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、電着樹脂層が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、該ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物より電着により形成され、乾燥、熱処理された絶縁性の樹脂層であることを特徴とする配線形成方法。
  10. めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上にめっき形成された配線を設けた転写版であって、ベース基板の一面上にめっき形成された配線部を設け、その上に、全面にソフトエッチングで除去可能な厚さの導電性層、電着樹脂層を配設していることを特徴とする転写版。
  11. めっき剥離性の導電性基材からなるベース基板の一面上に、めっき形成された配線を設けた転写版であって、その一面に剥離性の導電性被膜を設けたベース基板の、該導電性被膜上に、めっき形成された配線部を設け、更に配線部および剥離性の導電性被膜上に、電着樹脂層を配設していることを特徴とする転写版。
  12. 請求項11において、剥離性の導電性被膜はソフトエッチングで除去可能な厚さであることを特徴とする転写版。
  13. 請求項10ないし12のいずれかにおいて、転写版の配線部の所定位置に接続し、転写する先の配線形成用基板の配線に接続するための接続部を、電着樹脂層を貫通させて設けていることを特徴とする転写版。
  14. 請求項13において、配線形成用基板が、半導体を多数、面付けして形成したウエハであることを特徴とする転写版。
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