JP2000091719A - 絶縁被膜付き部材とそれを用いた配線基板、及び絶縁被膜付き部材の製造方法と配線基板の製造方法 - Google Patents

絶縁被膜付き部材とそれを用いた配線基板、及び絶縁被膜付き部材の製造方法と配線基板の製造方法

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JP2000091719A
JP2000091719A JP10360299A JP36029998A JP2000091719A JP 2000091719 A JP2000091719 A JP 2000091719A JP 10360299 A JP10360299 A JP 10360299A JP 36029998 A JP36029998 A JP 36029998A JP 2000091719 A JP2000091719 A JP 2000091719A
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hole
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electrodeposition
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Satoru Kuramochi
悟 倉持
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア基板の一面に半導体素子を搭載し、他の
面には外部端子部を設け、コア部に設けられたスルホー
ルを介して 両面を電気的に接続するタイプのエリアア
レイタイプの樹脂封止型半導体装置用の基板で、近年の
更なる多端子化にも対応できる微細配線、多層配線がで
き、且つ、コア部に設けるスルーホールを高い信頼性を
有する充填タイプのスルーホールとすることができる配
線基板を提供する。 【解決手段】 貫通孔部に電解めっきにより金属めっき
を形成して、充填タイプのスルーホールとして、ベース
基板の片面に配線部のみを形成した配線基板であって、
スルーホール部に充填される電解めっきは、ベース基板
の配線部を形成していない他方の面側に、はみ出るよう
に電解めっきにより金属めっきが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板用のベー
ス基板と配線基板に関し、特に、高信頼性を有す充填タ
イプのスルーホールを形成した絶縁被膜付きの配線部材
と、該配線部材を用いた配線の微細化、高密度化に対応
できる配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高密度化に伴い、プリント基
板、半導体周辺に使用される回路基板、各種ディスプレ
イに用いられる配線基板等、各種配線基板においても、
高密度化の要求が強く、これに対応するため、金属配線
の片面配線から両面配線への転換、更に多層化、薄型化
が進められている。このような中、配線基板の金属配線
の形成は、一般には、絶縁性の基板の上全面に金属配線
部を形成するための金属層を形成しておき、これをエッ
チング等により金属層の所定領域を除去して配線部を形
成するサブトラクティブ法、あるいはめっき等により形
成された金属配線部を直接ないし間接的に絶縁性の基板
に、付け加え形成していくアディティブ法が用いられて
いる。サブトラクティブ法の場合は、通常、絶縁性基板
に貼りつけられた金属層(銅箔)をエッチング加工によ
り配線部を形成するもので、技術的に完成度が高く、コ
ストも安いが、金属層の厚さ等によるる制約から配線部
の微細加工が難しいという問題がある。一方、アディテ
ィブ法の場合は、めっきにより金属配線部を形成するた
め、配線部の微細化は可能であるが、コスト信頼性の面
で難がある。尚、配線基板のベース基板としてはBTレ
ジン基板等の、ガラスクロスをその中に含んだ絶縁性の
エポキシ樹脂基板が一般に用いられる。そして、ベース
基板の一面ないし両面に金属配線部を形成したものが単
層の配線基板である。
【0003】多層配線基板は、ベース基板の片面ないし
両面に金属配線部を形成した単層の配線基板、複数層
を、各単層の配線基板間にガラス布にエポキシ樹脂等を
含浸させた半硬化状態のプリプレグを置き、加圧積層し
たものである。多層配線基板の単層配線基板同志の接続
は、通常、ドリル加工により作成されたスルーホール内
部に無電界メッキを施す等により行っており、その作製
は煩雑で、製造コスト面でも問題があった。また、バイ
アホールを作成することにより層間接続を行う場合に
は、複雑なフォトリソグラフィー工程が必要であり、製
造コストの低減の妨げとなっていた。
【0004】結局、サブトラックティブ法により作製さ
れた多層基板は、配線の微細化に限界があるという理由
で高密度化には限界があり、且つ、製造面や製造コスト
面でも問題があった。
【0005】これに対応するため、基材上に、一面にめ
っきにより形成された金属層(銅めっき層)をエッチン
グすることにより作成された金属配線(配線部)と絶縁
層とを順次積層して、図6に示すような構造の多層配線
基板を作製するビルトアップ法と呼ばれる多層基板の作
製方法が試みられるようになってきた。図6中、700
は多層配線基板、710は配線基板、711はベース基
材、715は配線、717はスルーホール、720は1
層目の絶縁樹脂層、725は配線、727はビア、73
0は2層目の絶縁樹脂層、735は配線、737はビア
である。この方法の場合には、高精細の配線と任意の位
置での金属配線間の接続が可能となる。BTレジン等か
らなる絶縁性のベース基材711上ないし絶縁性樹脂層
720、730上への金属層(銅めっき層)からなる配
線(715、725、735)およびビア727、73
7の形成は、通常、絶縁性の基材711上ないし絶縁性
樹脂層720、730上へスパッタリング、蒸着、無電
解めっき等で導通層となる金属薄膜を直接形成した後、
電気めっき等により全面に厚付け金属層を形成し、次い
で該金属層上にレジストを所定のパターンに形成して、
該レジストを耐腐蝕マスクとしてレジストの開口部から
露出した部分のみをエッチングすることにより行う。し
かし、このビルトアップ法による多層基板の作製方法
は、金属層のめっき形成工程、レジストのパターニング
工程、エッチング工程を交互に複数回行うため、工程が
複雑となる。基材上に金属配線(配線部)と、絶縁層と
を1層づつ積み上げる直接プロセスのため、中間工程で
トラブルが発生すると、製品の再生が困難となり、且
つ、製造コストが割高となるという問題がある。
【0006】また、このビルトアップ法による多層基板
の作製方法においては、層間絶縁膜や配線保護膜を得る
のに一般印刷によるパターン形成は安価で量産的な方法
であるが、この方法は、得られるパターンの精度が悪
く、細線の印刷ができず、高精度、高密度のパターンの
形成には適していない。この為、高精度、高密度のパタ
ーンの層間絶縁膜や配線保護膜を得るための、高精度、
高密度のパターンの形成には、印刷法でなく、感光性絶
縁材料(樹脂)を用いたフォトリソグラフィー法による
形成が用いられるが、フォトリソグラフィー法の場合、
工程が長くなり、設備も高価となり、パターン形成に長
時間を要し、生産コストが高くなる。更に、現像により
捨てる感光性絶縁材料の量が多く、コスト高の一因とな
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、簡便に、配線の高密度化ができ、高信頼性がある多
層配線基板と、その製造方法が求められていた。本発明
は、これに対応するもので、特に、BTレジン(ビスマ
レイド樹脂)基板を用いたBGA(Ball Grid
Array)用の基板のように、コア基板の一面に半
導体素子を搭載し、他の面には外部端子部を設け、コア
部に設けられたスルホールを介して 両面を電気的に接
続するタイプのエリアアレイタイプの樹脂封止型半導体
装置用の基板で、近年の更なる多端子化にも対応できる
微細配線、多層配線ができ、且つ、コア部に設けるスル
ーホールを高い信頼性を有する充填タイプのスルーホー
ルとすることができる配線基板を提供をしようとするも
のである。同時にそのような配線基板を容易に作製する
ことができる配線部材を提供しよとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁被膜付き部
材は、金属基材と、その表面全体を被膜する電着絶縁材
料を備えたことを特徴とするものである。そして、上記
において、金属基材には、孔加工が施されていることを
特徴とするものである。そしてまた、上記において、電
着絶縁材料が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂
と、該ポリイミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記
イオン性基と極性が異なるイオン性化合物からなる電着
塗料組成物より電着により形成され、乾燥、熱処理され
た絶縁性の樹脂層であることを特徴とするものである。
また、上記において、配線用部材であることを特徴とす
るものであり、金属基材の熱膨張係数は略17ppmで
あることを特徴とするものである。そして、上記配線用
部材は、金属基材は板状で、金属基材には、スルホール
を形成するための、貫通孔が形成されていることを特徴
とし、該貫通孔部に電解めっきにより金属めっきを形成
して、あるいは、貫通孔部に導電性ペーストを埋め込ん
で、充填タイプのスルーホールを形成してあることを特
徴とするものである。
【0009】本発明の配線基板は、金属基材は板状でス
ルホールを形成するための、貫通孔が形成されており、
且つ、貫通孔部に電解めっきにより金属めっきを形成し
て、充填タイプのスルーホールを形成してある、あるい
は貫通孔部に導電性ペーストを埋め込んで、充填タイプ
のスルーホールを形成してある、上記本発明の配線用部
材である絶縁被膜付き部材の、片面ないし両面に、配線
部を1層ないし複数層形成したことを特徴とするもので
ある。そして、上記において、貫通孔部に電解めっきに
より金属めっきを形成して、充填タイプのスルーホール
として、金属基材の片面に配線部のみを形成した配線基
板であって、スルーホール部に充填される電解めっき
は、金属基材の配線部を形成していない他方の面側に、
はみ出るように電解めっきにより金属めっきが形成され
ていることを特徴とするものである。そしてまた、上記
において、少なくとも一部の配線部は、転写版にめっき
形成した配線部を接着剤層を介して転写形成して作製さ
れたものであることを特徴とするものであり、接着剤層
は、転写版にめっき形成される配線部上に電着形成され
る電着生成物であることを特徴とするものである。
【0010】本発明の絶縁被膜付き部材の製造方法は、
所定の位置に貫通孔を設け、且つ表面部を電着絶縁材料
で覆ったシート状の金属基材の、前記貫通孔部に金属め
っきを充填形成して充填タイプのスルーホールを形成し
た、配線用部材用の絶縁被膜付き部材の製造方法であっ
て、順に、(a)シート状の金属材料の所定の位置にス
ルーホール形成用の貫通孔を設ける工程と、(b)電着
により、該シート状の金属材料の表面部に電着絶縁材料
を被膜する工程と、(c)表面部に電着絶縁材料が被膜
されたシート状の金属材料の片面に金属シートをラミネ
ートする工程と、(d)金属シートを介して電解めっき
により、金属めっきを貫通孔部に充填形成するめっき工
程と、(e)めっき工程後に、金属シートをエッチング
等により除去する工程とを有することを特徴とするもの
である。
【0011】本発明の配線基板の製造方法は、所定の位
置に貫通孔を設け、且つ表面部を電着絶縁材料で覆った
シート状の金属基材に対し、貫通孔部に充填タイプのス
ルーホールを設け、且つ金属材料の片面ないし両面に配
線部を設けた配線基板を製造する方法であって、順に、
(a)シート状の金属材料の所定の位置にスルーホール
形成用の貫通孔を設ける工程と、(b)電着により、該
シート状の金属材料の表面部に電着絶縁材料を被膜する
工程と、(c)貫通孔部に電解めっきにより金属めっき
を形成して貫通孔部を充填するめっき工程と、(d)転
写版にめっき形成した配線部を、転写版から接着剤層を
介して、シート状の金属材料の側へ転写形成する工程と
を有することを特徴とするものである。そして、上記に
おけるめっき工程は、表面部に電着絶縁材料を被膜され
たシート状の金属材料の片面に金属シートをラミネート
した状態で、該金属シートを介して電解めっきにより、
金属めっきを貫通孔部に充填形成するものであることを
特徴とするものであり、金属めっきを貫通孔部に充填形
成後、金属シートを所定形状にエッチングして配線部を
形成することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の絶縁被膜付き部材は、このような構成
にすることにより、種々の絶縁被膜付き部材の提供を可
能とするもので、特に、簡便に配線基板の作製に使用で
きるものとしている。配線基板の作製の他には、各種形
状の部品、特に微細な孔を有する部品の被膜にも適用で
き、その用途は広い。そして、金属基材が板状で、配線
基板用の配線用部材として利用される場合で且つ、充填
タイプのスルーホールを設けたものを使用した場合に
は、配線を形成して、配線部材である絶縁被膜付き部材
の両面の導通を信頼性高い充填タイプのスルーホールで
行うことができ、導通の信頼性高い充填タイプの配線基
板の提供を可能とする。
【0013】本発明の配線基板は、このような構成にす
ることにより、簡便に、且つ、配線の高密度化ができ、
高信頼性がある多層配線基板の作製を可能としている。
詳しくは、本発明の充填タイプのスルーホールを有する
絶縁被膜付きの配線部材を用いることにより、BTレジ
ン(ビスマレイド樹脂)基板を用いたBGA(Ball
Grid Array)用の基板のように、コア基板
の一面に半導体素子を搭載し、他の面には外部端子部を
設け、コア部に設けられたスルホールを介して両面を電
気的に接続するタイプのエリアアレイタイプの樹脂封止
型半導体装置用の基板で、近年の更なる多端子化にも対
応できる微細配線、多層配線湯有し、且つ、コア部に設
けるスルーホールを高い信頼性を有する充填タイプのス
ルーホールとすることができる配線基板の提供を可能と
している。特に、電解めっきによる金属めっき充填形成
による充填タイプのスルーホールを設けた絶縁被膜付き
部材で、絶縁被膜付き部材の配線部を形成していない他
方の面側に、はみ出るように電解めっきにより金属めっ
きが形成されている絶縁被膜付き部材を用いた場合に
は、はみ出し部をそのまま、エリアアレイタイプの樹脂
封止型半導体装置用の配線基板の外部端子として使用す
ることができる。そして、配線部を転写版にめっき形成
した配線部を接着剤層を介して転写形成して作製された
ものとすることにより、配線部の微細化を可能とすると
ともに、配線部の多層化を簡単に可能としている。
【0014】本発明の絶縁被膜付き部材の製造方法は、
このような構成にすることにより、、信頼性の高い充填
タイプのスルーホールを有する配線基板の製造方法の提
供を可能としており、更に、比較的簡単に、エリアアレ
イタイプの樹脂封止型半導体装置用の配線基板の外部端
子をも、充填タイプのスルーホールの作製とともに作る
ことが可能としている。
【0015】本発明の配線基板の製造方法は、このよう
な構成にすることにより、コア基板の一面に半導体素子
を搭載し、他の面には外部端子部を設け、両面をコア部
に設けられたスルホールを介して接続するタイプのエリ
アアレイタイプの樹脂封止型半導体装置用の基板で、更
なる多端子化にも対応できる微細配線を有し、且つ多層
配線ができ、コア部にもうけるスルーホールを高い信頼
性を有する充填タイプのスルーホールとすることができ
る配線基板の製造方法の提供を可能としている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を挙げて、図
に基づいて説明する。図1(a)〜図1(d)は、それ
ぞれ、本発明の絶縁被膜付き部材の実施の形態の第1の
例〜第4の例を示した断面図で、図2(a)〜図2
(c)は、それぞれ、本発明の配線基板の実施の形態の
第1の例〜第3の例を示した断面図で、図3は本発明の
配線基板の実施の形態の第1の例の製造方法を示した断
面図で、図4は本発明の配線基板の実施の形態の第2の
例の製造方法を説明するための断面図で、図5は、本発
明の配線基板の実施の形態の第3の例の製造方法を説明
するための断面図である。尚、図3には、本発明の絶縁
被膜付き部材の実施の形態の第2の例の製造方法も図示
されている。図1〜図5中、110は金属シート(金属
基材)、115は貫通孔部、120は電着絶縁材料、1
30は金属めっき(充填用めっき)、131、132は
めっき層、135は(実装用)表面めっき、138は外
部端子部、140金属層(金属シート)、150絶縁性
層、155配線部、160は導電性ペースト、170、
175はレジストである。
【0017】先ず、本発明の絶縁被膜付き部材の実施の
形態を挙げて説明する。第1の例は、板状の配線基板用
の絶縁被膜付き部材であって、図1(a)にその断面を
示すように、金属シート110の表面部が電着絶縁材料
120にて被膜されている。金属シート110の、少な
くとも一面側に配線部を転写法等により形成して、配線
基板として用いるための絶縁被膜付き部材である。金属
シート110の材質としては、アルミニウム、銅、ニッ
ケル、鉄、ステンレス、チタン等の導電性の金属板が挙
げられるが、通常、配線部として用いられる銅に、熱膨
張係数の近いものが好ましく、熱膨張係数が略17pp
mであるものが好ましい。具体的には、ステンレス(S
US304)等が好ましい。電着絶縁材料120として
は、各種樹脂が挙げられるが、絶縁性、強度、化学的安
定性からポリイミドを変性したイオン性基を含有する樹
脂と溶剤、水、イオン性化合物からなる電着塗料組成物
より塗膜形成され、乾燥されたものが好ましい。
【0018】第2の例は、板状の配線基板用の絶縁被膜
付き部材であって、図1(b)にその断面を示すよう
に、所定の位置に貫通孔が設けられている金属シート1
10の表面部が電着絶縁材料120にて被膜されてい
る。金属シート110の、少なくとも一面側に配線部を
転写法等により形成して、配線基板として用いるための
絶縁被膜付き部材で、貫通孔部にスルホールないしビア
ホールを形成することにより、その両面に形成される配
線部を、前記スルホールないしビアホールで導通をとる
両面配線基板としても用いることができる。金属シート
110、電着絶縁材料120の材質としては、第1の例
と同様のものが用いられる。
【0019】第3の例は、板状の配線基板用の絶縁被膜
付き部材であって、図1(c)にその断面を示す図1
(b)に示す第2の例の絶縁被膜付き部材での貫通孔部
115に電解めっきにより金属めっき130を形成し
て、充填タイプのスルーホールとしてある。金属シート
110の、少なくとも一面側ないし両面に配線部を転写
法等により形成して、配線基板として用いるための絶縁
被膜付き部材で、両面に配線部を形成する場椎には、両
面に形成される配線部を、前記スルホールなで導通をと
る両面配線基板としても用いることができる。金属シー
ト110、電着絶縁材料120の材質としては、第1の
例と同様のものが用いられる。金属めっき130として
は、電解銅めっき等が好ましいが、これに限定はされな
い。尚、本例の変形例としては、図1(b)に示す第2
の例の配線基板用の絶縁被膜付き部材の貫通孔部115
に導電性ペーストを埋め込んで、充填タイプのスルーホ
ールとしたものも挙げられる。
【0020】第4の例は、板状の配線基板用の絶縁被膜
付き部材であって、図1(d)にその断面を示す図1
(b)に示す第2の例の配線基板用の絶縁被膜付き部材
の貫通孔部115に電解めっきにより金属めっきを形成
して、充填タイプのスルーホールとしてあるもので、且
つ、スルーホール部(図1(b)の貫通孔部115)に
充填される金属めっき130は、該絶縁被膜付き部材の
一方の面にはみ出るように、その断面形状がマッシュル
ーム形状となるように形成されており、この部分を、エ
リアアレイタイプの半導体装置用の外部端子部としてそ
のまま用いるためのものである。尚、金属めっき130
の外部端子部側の表面には、実装の際に必要な表面めっ
き135を施しておく。金属シート110、電着絶縁材
料120、金属めっき130材質としては、第3の例と
同様である。表面めっき135としては、最も外側に、
金等の貴金属めっきを施しておくが、その下地めっきと
してはニッケルめっき等が挙げられる。
【0021】次いで、本発明の配線基板の実施の形態を
挙げて説明する。第1の例は、図2(a)に示すよう
に、図1(d)に示す本発明の絶縁被膜付き部材の第4
の例の、表面めっきが施されていない面側に金属シート
をエッチングして、金属層140からなる配線部を形成
した構造の配線基板である。金属層140からなる配線
部と外部端子部138とは、金属めっき130からなる
充填スルホールを介して電気的に接続がとれている。
【0022】第2の例は、図2(b)に示すように、第
1の例の配線基板の配線部形成側の面に対し、さらに、
転写法により、絶縁性層150を介して配線部155を
転写形成したもので、転写した配線部155と下の金属
層140との導通は、導電性ペースト160によりとら
れている。第1の例と同様、金属層140からなる配線
部と外部端子部138とは、金属めっき130からなる
充填スルホールを介して電気的に接続がとれている。本
例の転写法による配線層の形成は、転写版にめっき形成
した配線部と、さらに配線部上電着形成された接着性の
絶縁層(接着剤層)150を介して転写形成して作製さ
れたものであり、配線部155、絶縁層(接着剤層)1
50を微細に形成することができる。
【0023】第3の例は、図2(c)に示すように、図
1(d)に示す本発明の絶縁被膜付き部材の第4の例
の、表面めっきが施されていない面側に、転写法によ
り、配線部155を絶縁性層150を介して2層に形成
している配線基板である。下層側の配線部155と充填
スルホールを形成する金属めっき部130とは、導電性
ペースト160により電気的に接続されており、下層側
の配線部155と外部端子部138とは、金属めっき1
30からなる充填スルホールを介して電気的に接続がと
れている。本例の転写法による第1層目、第2層目の配
線層の形成は、それぞれ、転写版にめっき形成した配線
部155と、さらに配線部上電着形成された接着性の絶
縁層(接着剤層)150を介して転写形成して作製され
たものであり、配線部155、絶縁層(接着剤層)15
0を微細に形成することができる。
【0024】次いで、本発明の絶縁被膜付き部材の製造
方法を説明する。図1(a)に示す第1の例、図1
(b)に示す第2の例における、金属シート110の表
面への、電着絶縁材料120の形成は、電着により行
う。図1(b)の絶縁被膜付き部材の場合は金属シート
110の所定の位置に貫通孔115を開けた後に電着を
行う。
【0025】図1(b)の絶縁被膜付き部材の作製方法
の1例を図3(a)〜図3(d)に基づいて説明する。
所定の前処理が施された金属シートを用意し(図3
(a))、この両面に所定の形状に、金属シートをエッ
チングして貫通孔を作製する際の、耐エッチング性レジ
スト170を製版して形成した(図3(b))後、金属
シート110を所定のエッチング液でエッチングして貫
通孔を形成し、次いでレジスト170を所定の剥離液に
て除去しておく。(図3(c)) この後、金属シート110の洗浄処理等を行った後、金
属シート110の表面部に電着により、絶縁層120を
電着形成する。(図3(d)) このようにして、図1(b)の絶縁被膜付き部材は作製
されるが、貫通孔の形成工程を除けば、図1(a)に示
す絶縁被膜付き部材も同様にして作製することができ
る。
【0026】電着剤としてに用いられる高分子として
は、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性
合成高分子樹脂を挙げることができる。アニオン性合成
高分子樹脂としては、アクリル性樹脂、ポリエステル樹
脂、マレイン化油樹脂、ボリブタジエン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あ
るいは、これらの樹脂の任意の組合せによる混合物とし
て使用できる。さらに、上記のアニオン性合成樹脂とメ
ラミン樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性
樹脂とを併用しても良い。また、カチオン性合成高分子
樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組合せに
よる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン
性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等
の架橋性樹脂を併用しても良い。また、上記の高分子樹
脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、
石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加するこ
とも可能である。上記高分子樹脂は、後述する製造方法
においてアルカリ性または酸性物質により中和して水に
可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供され
る。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニ
ア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。カチオン性
合成高分子樹脂は、酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、乳酸等
の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された
高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈さ
れた状態で使用される。
【0027】特に、絶縁性、強度、化学的安定性の点か
ら、好ましい電着剤としては、イオン性基を含有するポ
リイミド樹脂と、前記ポリイミド樹脂を溶解可能な有機
溶剤、水、前記イオン性基と極性が異なるイオン性化合
物からなる電着塗料組成物が挙げられる。ポリイミドと
しては、溶剤可溶で、耐熱性、絶縁性、機械的強度を保
てれば良く、各種の芳香族酸ジ無水物と、芳香族ジアミ
ンとを、目的、機能により選択する。これらの芳香族酸
ジ無水物と、芳香族ジアミンとを加熱、脱水してポリイ
ミドが合成される。電着する機能を付加させるために、
官能基、イオン性基を導入する。例えば、カルボン酸を
導入する。この場合の方法としては、芳香族ジアミンと
して、芳香族ジアミノカルボン酸等を用いることができ
る。尚、良好な接着性を持たせるためには、ジアミノジ
フェニルスルホンなどを導入する。
【0028】次いで、図1(c)、図1(d)の絶縁被
膜付き部材の作製方法を、図3に基づき簡単に説明して
おく。上記のようにして、図1(b)に示す絶縁被膜付
き部材は作製されるが、このようにして作製された絶縁
被膜付き部材(図3(d))の1面に金属層(金属シー
ト)140を貼り合わせる。(図3(e)) 貼り合わせ法としては、プレス法、ラミネート法が挙げ
られる。次いで、金属層140をレジスト175で覆い
(図3(f))、金属層140を電極として、電解めっ
きを行い、貫通孔部115を金属めっき130にて埋め
た図1(c)に示す状態のめっき状態とし、レジスト1
75、金属層140を除去して図1(c)に示す第3の
例の絶縁被膜付き部材を作製する。このようにして、図
1(c)に示す絶縁被膜付き部材は作製される。一方、
レジスト175、金属層140を除去せず、更にこの状
態から、電解めっきを継続して図1(d)に示す状態の
めっき状態へとすすめ、図3(g)に示すように、絶縁
被膜付き部材の配線部を形成していない他方の面側に、
はみ出るように電解めっきにより金属めっきを形成す
る。貫通孔部115に電解めっきにより金属めっきを形
成して、充填タイプのスルーホールが形成され、且つ外
部端子部の形状かほぼ形成される。図3(g)に示す状
態から、実装用の表面めっき135を施して外部端子部
135が形成され、レジスト175、金属層140を除
去して、図1(d)に示す第4の例の絶縁被膜付き部材
が得られる。めっき層132は金等の貴金属めっきが施
されるが、金属めっき130が銅めっきである場合、通
常、下地めっき層131としてはニッケルめっき等が施
される。
【0029】次に、本発明の配線基板の製造方法の実施
の形態の1例を挙げる。第1の例は、図2(a)に示
す、本発明の配線基板の第1の例の製造方法の1例であ
り、図3に基づいて説明する。前述のようにして、図3
(g)に示すようにした後、外部端子部としての実装用
に表面めっき135を施しておく。(図3(h)) 表面めっき135としては、前述のように表側に金等の
貴金属めっきを施すもので、その下地めっきとしてはニ
ッケルめっき等を施す。この後、金属層140をエッチ
ングして配線形成するために、レジスト175を所定形
状に製版して、製版後のレジストを金属層140のエッ
チングマスクとしエッチングを行う。(図3(i)) 次いで、金属層140をエッチングし、レジスト175
を除去しておく。(図3(j))
【0030】第2の例は、図2(b)に示す、本発明の
配線基板の第2の例の製造方法の1例であり、図3
(j)、図4に基づいて説明する。第1の例を作製した
(図3(j))後、さらに、金属層140からなる配線
部上に転写により、絶縁層150を介して配線部155
を転写形成する。(図4(a)) この後、転写した配線部と金属層140の配線部とを電
気的に接続するように導電性ペースト160を局部的に
塗布して、乾燥、焼成して、図2(b)に示す、配線基
板を得る。(図4(b)) 導電性ペースト160の局部的な塗布は、印刷、ディス
ペンス塗布等により行うことができる。尚、本例では、
転写版は、ステンレス(SUS304)等の導電性性基
材の一面に耐めっき性のレジストを配線形状に合わせて
所定形状に製版形成し、該導電性基材を電極として電解
めっきを行い、レジストの開口部に銅めっき等の配線を
形成し、さらに配線部上に電着により、接着性の絶縁層
を形成したもので、転写は、該絶縁層を介して配線を転
写するものである。このように転写により配線部を形成
することにより、配線部の微細化、即ち高密度配線が可
能で、配線の自由度も大きくなる。
【0031】第3の例は、図2(c)に示す、本発明の
配線基板の第3の例の製造方法の1例であり、図3
(h)、図5に基づいて説明する。前述のようにして、
図3(h)の状態を得ることができる。(図5(a)) 次いで、レジスト175、金属層140を除去した(図
5(b))後、レジスト175、金属層140を剥離し
た側に、絶縁層を介して配線部155を形成する転写を
2回行う。(図5(c)) 即ち、転写して形成した第1層目の配線部上に、更に転
写により、絶縁層150を介して配線部155を形成す
る。そして、導電性ペースト160を所定の位置に塗布
し、焼成し、配線部同志の必要な電気的接続、配線部と
スルーホールを介しての外部端子部との電気的接続を行
なっておく。(図5(d)) これにより、図2(d)に示す第3の例の配線基板が作
製される。
【0032】
【実施例】(実施例1)本実施例は、図2(b)に示す
実施の形態の第2の例の配線基板を、図3、図4に示す
実施の形態の第2の例の配線基板の製造方法により作製
した例である。以下、図2(b)、図3、図4を参照に
して本実施例を説明する。図1(b)の絶縁被膜付き部
材の作製方法の1例を図3(a)〜図3(d)に基づい
て説明する。所定の前処理が施された、厚さ0.1mm
のステンレス(SUS304)からなる金属シート11
0を用意し(図3(a))、この両面にスルーホール形
成用の貫通孔をエッチング形成するために、金属シート
110をエッチングして貫通孔を作製する際の、耐エッ
チング性レジスト170を所定の形状に、製版して形成
した。(図3(b)) 次いで、塩化第2鉄溶液を用い、金属シート110をエ
ッチングして200μmΦの貫通孔115を形成した
後、レジストを剥離した。(図3(c)) レジストとしては、カゼインレジストを用いた。
【0033】この後、金属シート110の洗浄処理等を
行った後、金属シート110の表面部に電着により、ポ
リイミドからなる絶縁層120を電着形成した。(図3
(d)) 尚、下記のようにして調整した電着塗料浴中で、電着浴
の液温度25°C、極間4cm、電圧150Vの電圧を
印加し、60secで電着し、ウエット膜厚50μmを
塗膜を得た。
【0034】以下のようにポリイミドワニスを作製し、
電着液の調整を行った。 <ポリイミドワニスの製造>11容量の三つ口セパラブ
ルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器,窒素導入管及
びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管
をつけた還流冷却器を取り付ける。窒素気流中を流しな
がら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフ
ラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示す。3、
4、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無
水物(以後BTDAと呼ぶ)32.22g(0.lモ
ル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)
スルホン(m−BAPS)21.63g(0.05モ
ル),γ−バレロラクトン1.5g(0.015モ
ル)、ピリジン2.37g(0.03モル)、NMP
(N−メチル−2−ピロリドンの略)200g、トルエ
ン30gを加えて、窒素を通じながらシリコン浴中,室
温で30分撹件(200rpm)、ついで昇温して18
0℃、l時間、200rpmに攪拌しながら反応させ
る。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、
BTDA16.11g(0.05モル)、3、5ジアミ
ノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)15.22g(0.
1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、
室温で30分攪拌したのち(200rpm)、次いで昇
温して180℃に加熱攪拌しトルエンー水留出分15m
lを除去する。その後、トルエンー水留出分を系外に除
きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終
了した。20%ポリイミドワニスを得た。 <電着液の調製>20%濃度ポリイミドワニス100g
に3SN(NMP:テトラヒドロチオフェンー1、l−
ジオキシド=l:3(重量)の混合溶液)150g、ベ
ンジルアルコール75g、メチルモルホリン5.0g
(中和率200%)、水30gを攪拌して水性電着液を
調製する。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4
%、pH7.8、暗赤褐色透明液である。
【0035】次いで、片面側に銅箔(厚さ12μm)か
らなる金属層140を熱圧着により貼り付けて設けた。
(図3(e)) 該金属層140上に、ドライフィルム(日立化成株式会
社製)のレジスト175を塗布した状態とした。(図3
(f))
【0036】次いで、金属層140を電極として、下記
の組成の銅めっき浴にて、下記の条件で電解めっきを行
い、銅めっきからなる金属めっき130を貫通孔115
に充填させた。(図3(g)) (電解銅めっき浴の液組成、および条件) 硫酸銅(5水塩) 75g/l 硫酸 190g/l 塩素イオン 60mg/l スルカップAC−90M 2.5ml 温度 30°C 電流密度 2A/dm2 時間 24分間 金属シート110の金属層140、レジスト175側で
ない面に金属めっき130がはみ出るようにして、その
断面をマッシュルーム形とした。次いで、ニッケルめっ
きを下地そっき層131として、その上にさらに金めっ
きからなるめっき層132を形成して表面めっき部13
5を形成した。(図3(h))
【0037】次いで、銅箔からなる導電層140をレジ
スト製版して(図3(i))、塩化第2鉄溶液でエッチ
ングして配線を形成した後、レジスト175を所定の剥
離液にて除去した。(図3(j)) 次いで、300°C、30分間で電着生成物を加熱処理
して硬化させ、乾燥膜厚10μmを得た。
【0038】このように形成された基板(図3(j))
に対し、転写版を用いて、所定の配線部155を絶縁層
150を介して、転写形成した。(図4(a)) 転写版は、ステンレス(SUS304)上にレジストO
MR−83(東京応化製)を乾燥後1μmの厚さに塗布
して、露光量60mjで所定のパターン版を介して露光
し、指定現像液にて現像後、145°C、30分間ポス
トベーキンングし、レジストの開口部に、前出のめっき
液組成と同じ組成のめっき液を用い、硫酸銅めっきを1
0μmの厚さに配線部を電解めっき形成し、更に、前出
の調整方法にて作製された電着塗料を2リッターの硝子
セルの中に入れ、スターラーで攪拌しながら該配線部上
に電着形成したものである。電着液温度25°C、極間
4cm、電圧150V、120secでウエット膜厚6
0μmを電着形成し、150°C、30分間乾燥し、乾
燥膜厚30μmを得た。配線パターンの線幅は、30μ
m以上とした。
【0039】そして、転写は、200°C、1分、1K
g/cm2 にて、熱圧着して転写した。転写版の剥離は
常温に戻してから行った。配線パターンは均一に形成さ
れた。
【0040】次いで、所定の部分にABLEBOND7
1−1F(エイブルステック社製)からなる導電製ペー
スト160を100μmの円形の形状にスクリーン印刷
した後、300°Cの熱処理を行って、所望の配線部を
2層とする配線基板を得た。(図4(b))
【0041】このようにして、形成された配線基板の特
性を確認したところ、350°Cで5%以内の熱重量変
化であり、各絶縁膜は10μmの均一な絶縁膜厚であっ
た。取り出し電極を形成し、80°C、85%の環境下
で30vのバイアスを印加し、絶縁抵抗を測定したとこ
ろ、体積抵抗で1013Ω/cm以上1000時間以上確
保でき、実用的にも問題なく絶縁性が確保できた配線基
板を得ることができた。
【0042】
【発明の効果】本発明は、上記のように、簡便に、配線
の高密度化ができ、高信頼性がある多層配線基板用の絶
縁被膜付きの配線部材の提供と、配線基板の提供を可能
とした。特に、BTレジン(ビスマレイド樹脂)基板を
用いたBGA(Ball Grid Array)用の
基板のように、コア基板の一面に半導体素子を搭載し、
他の面には外部端子部を設け、コア部に設けられたスル
ホールを介して 両面を電気的に接続するタイプのエリ
アアレイタイプの樹脂封止型半導体装置用の基板で、近
年の更なる多端子化にも対応できる微細配線、多層配線
ができ、且つ、コア部に設けるスルーホールを高い信頼
性を有する充填タイプのスルーホールとすることができ
る配線基板の提供を可能とした。同時にそのような配線
基板を容易に作製することができる絶縁被膜付きの配線
部材の提供を可能とした。更に、このような、配線基板
の製造方法、絶縁被膜付き配線部材の製造方法の提供を
可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁被膜付き配線部材の実施の形態の
各例を示した断面図
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の各例を示した
断面図
【図3】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の第
1の例を示した断面図
【図4】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の第
2の例を説明するための断面図
【図5】本発明の配線基板の製造方法の実施の形態の第
3の例を説明するための断面図
【図6】ピルトアップ法により形成された多層配線基板
の断面図
【符号の説明】
110 金属シート(金属基材) 115 貫通孔部 120 電着絶縁材料 130 金属めっき(充填用めっ
き) 131、132 めっき層 135 (実装用)表面めっき 138 外部端子部 140 金属層 150 絶縁性層 155 配線部 160 導電性ペースト 170、175 レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 K

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材と、その表面全体を被膜する電
    着絶縁材料を備えたことを特徴とする絶縁被膜付き部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金属基材には、孔加
    工が施されていることを特徴とする絶縁被膜付き部材。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、電着絶縁材
    料が、イオン性基を含有するポリイミド樹脂と、該ポリ
    イミド樹脂を溶解可能な有機溶剤、水、前記イオン性基
    と極性が異なるイオン性化合物からなる電着塗料組成物
    より電着により形成され、乾燥、熱処理された絶縁性の
    樹脂層であることを特徴とする絶縁被膜付き部材。
  4. 【請求項4】 配線用部材であることを特徴とする請求
    項1ないし3記載の絶縁被膜付き部材。
  5. 【請求項5】 請求項4において、金属基材の熱膨張係
    数は略17ppmであることを特徴とする絶縁被膜付き
    部材。
  6. 【請求項6】 請求項4ないし5において、金属基材は
    板状で、金属基材には、スルホールを形成するための、
    貫通孔が形成されていることを特徴とする絶縁被膜付き
    部材。
  7. 【請求項7】 請求項6において、貫通孔部に電解めっ
    きにより金属めっきを形成して、充填タイプのスルーホ
    ールを形成してあることを特徴とする絶縁被膜付き部
    材。
  8. 【請求項8】 請求項6において、貫通孔部に導電性ペ
    ーストを埋め込んで、充填タイプのスルーホールを形成
    してあることを特徴とする絶縁被膜付き部材。
  9. 【請求項9】 請求項7ないし8の絶縁被膜付き部材の
    片面ないし両面に、配線部を1層ないし複数層形成した
    ことを特徴とする配線基板。
  10. 【請求項10】 貫通孔部に電解めっきにより金属めっ
    きを形成して、充填タイプのスルーホールとして、金属
    基材の片面に配線部のみを形成した配線基板であって、
    スルーホール部に充填される電解めっきは、金属基材の
    配線部を形成していない他方の面側に、はみ出るように
    電解めっきにより金属めっきが形成されていることを特
    徴とする請求項9に記載の配線基板。
  11. 【請求項11】 少なくとも一部の配線部は、転写版に
    めっき形成した配線部を接着剤層を介して転写形成して
    作製されたものであることを特徴とする請求項9ないし
    10に記載の配線基板。
  12. 【請求項12】 請求項11において、接着剤層は、転
    写版にめっき形成される配線部上に電着形成される電着
    生成物であることを特徴とする配線基板。
  13. 【請求項13】 所定の位置に貫通孔を設け、且つ表面
    部を電着絶縁材料で覆ったシート状の金属基材の、前記
    貫通孔部に金属めっきを充填形成して充填タイプのスル
    ーホールを形成した、配線用部材用の絶縁被膜付き部材
    の製造方法であって、順に、(a)シート状の金属材料
    の所定の位置にスルーホール形成用の貫通孔を設ける工
    程と、(b)電着により、該シート状の金属材料の表面
    部に電着絶縁材料を被膜する工程と、(c)表面部に電
    着絶縁材料が被膜されたシート状の金属材料の片面に金
    属シートをラミネートする工程と、(d)金属シートを
    介して電解めっきにより、金属めっきを貫通孔部に充填
    形成するめっき工程と、(e)めっき工程後に、金属シ
    ートをエッチング等により除去する工程とを有すること
    を特徴とする絶縁被膜付き部材の製造方法。
  14. 【請求項14】 所定の位置に貫通孔を設け、且つ表面
    部を電着絶縁材料で覆ったシート状の金属基材に対し、
    貫通孔部に充填タイプのスルーホールを設け、且つ金属
    材料の片面ないし両面に配線部を設けた配線基板を製造
    する方法であって、順に、(a)シート状の金属材料の
    所定の位置にスルーホール形成用の貫通孔を設ける工程
    と、(b)電着により、該シート状の金属材料の表面部
    に電着絶縁材料を被膜する工程と、(c)貫通孔部に電
    解めっきにより金属めっきを形成して貫通孔部を充填す
    るめっき工程と、(d)転写版にめっき形成した配線部
    を、転写版から接着剤層を介して、シート状の金属材料
    側へ転写形成する工程とを有することを特徴とする配線
    基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14におけるめっき工程は、表
    面部に電着絶縁材料を被膜されたシート状の金属材料の
    片面に金属シートをラミネートした状態で、該金属シー
    トを介して電解めっきにより、金属めっきを貫通孔部に
    充填形成するものであることを特徴とする配線基板の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、金属めっきを貫
    通孔部に充填形成後、金属シートを所定形状にエッチン
    グして配線部を形成することを特徴とする配線基板の製
    造方法。
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