JP4153602B2 - 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション - Google Patents

回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション Download PDF

Info

Publication number
JP4153602B2
JP4153602B2 JP30009498A JP30009498A JP4153602B2 JP 4153602 B2 JP4153602 B2 JP 4153602B2 JP 30009498 A JP30009498 A JP 30009498A JP 30009498 A JP30009498 A JP 30009498A JP 4153602 B2 JP4153602 B2 JP 4153602B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
layer
conductive layer
circuit board
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30009498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11312861A (ja
Inventor
持 悟 倉
沼 洋 人 吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP30009498A priority Critical patent/JP4153602B2/ja
Publication of JPH11312861A publication Critical patent/JPH11312861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4153602B2 publication Critical patent/JP4153602B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回路基板の製造方法に係り、とりわけ精度良く簡単に保護層を有する回路基板を製造することができる回路基板の製造方法、その製造方法によって製造された回路基板、及び磁気ヘッドサスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板、半導体周辺、各種ディスプレー等に使用される回路基板の製造工程においては導電性、絶縁性のパターン層を高密度に形成する必要がある。導電性の配線を無電界メッキあるいは真空薄膜のサブトラクティブ加工により形成していくビルドアップ配線工法は、導電性配線層の形成プロセスが煩雑でコスト高のものになっている。また層間絶縁膜や配線保護膜を得るために、一般印刷法によるパターン形成法が用いられている。この一般印刷法による方法は安価で量産的な方法であるが、得られたパターンの精度が悪く又細線の印刷ができず高精度高密度パターンの形成には適していない。
【0003】
一方、感光性樹脂を用いるフォトグラフィ法は、極めて高精度および高密度の微細パターンの形成が可能で、良く知られているように半導体電子部品その他の微細加工に良く用いられている。しかしながらその工程は長くかつ複雑で設備も高価となり、その結果、パターン形成に長時間を要しコストが高くなる。またこの場合、順次感光性絶縁層材料を塗布、パターンニング形成し、単層または多層に積層する感光法(フォトリソグラフィー法)は、現像により捨てる部分の面積が多くコスト高になっている。
【0004】
ところで上述のような回路基板を組込んだ磁気ディスク装置が開発されている。このような磁気ディスク装置は、ロードビームとマウントプレートとフレキシャからなるジンバルサスペンションと(磁気ヘッドサスペンション)、磁気ヘッドサスペンションの先端に取り付けられ磁気ヘッドを有するスライダとから構成される。ロードビームは磁気ヘッドを有するスライダに所定の荷重を与えるためのものであり十分に高い剛性を有し、磁気ヘッドサスペンションは磁気ヘッドを搭載したスライダがディスク面のうねりに追従するためのものであり十分に低い剛性を有す。そして、磁気ディスク装置において、ディスク停止中はスライダとディスクは接触しており、ディスクが回転することにより、スライダとディスク間に発生する浮上力と、サスペンションによる押しつけ荷重とがつり合う位置でスライダが浮上する。
【0005】
また、磁気ヘッドの磁気コアと、ドライブ装置本体の電気回路とは、一部が絶縁被覆チューブに挿入されたワイヤからなるリード線により接続され、絶縁被覆チューブは磁気ヘッドサスペンション上に引き回し配置され、固定爪でロードビーム及びマウントプレートにかしめられて固定されている。
【0006】
近年、磁気ディスク装置の小型化、薄型化が進んでディスク間隔が狭くなり、これにより、スライダや磁気ヘッドサスペンションの小型化、薄型化の要求が強くなってきた。このため、絶縁被覆チューブがスライダや磁気ヘッドサスペンションに対して相対的に大きくなり絶縁被覆チューブの剛性による負荷がスライダのディスク面へのうねりへの追従特性を低下させたり、ディスク面に絶縁被覆チューブが接触して断線するといった問題が生じている。
【0007】
磁気ヘッドの構造は、一体機械加工によってコイル手巻きを行なうモノリシック構造から分割機械加工でコイル手巻きであるコンポジットへと変化し、現在では、薄膜法による書き込み・読み込みのコイル形成であるインダクティブが主流となっている。
【0008】
しかしながら、近年の磁気ディスク装置の記憶容量の増大を達成するため、高感度の磁気ヘッドとして、MR(Magnetro-Resistive)ヘッドの開発が進んでいる。このMRヘッドは読み込み専用の高感度磁気ヘッドであるため、書き込み用の薄膜ヘッドが必要である。磁気ヘッドの磁気コアとドライブ装置本体の電気回路は、従来2本のリード線で接続されていたのに対し、4本のリード線を必要としている。その結果、従来の絶縁被覆チューブでは、絶縁被覆チューブの剛性が大きくなりスライダの運動特性に悪影響を及ぼす傾向にある。
【0009】
これらの問題を解決する方法として、特開平1−162212には、絶縁被覆チューブの代わりに複数の導体を含んだ絶縁プラスチックフィルムを用いて磁気ヘッドの磁気コアと磁気ヘッドサスペンションとの電気的接続を行ない、結果として絶縁プラスチックフィルムが防振材の役割を果たすものが示されている。
【0010】
また、特開平4−272635には、絶縁被覆チューブの代わりにロードビームあるいは磁気ヘッドサスペンションに絶縁層を形成し、この絶縁層上に電気導電路を形成し、結果としてスライダに余計な負荷がかかることなくスライダのディスク面のうねりへの良好な追従特性が保たれ、磁気ヘッドサスペンションの振動を抑制できるものが示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの様な配線付き磁気ヘッドサスペンションの製造法として用いられる、導電性の配線を無電界メッキあるいは真空薄膜のサブトラクティブ加工により形成していくビルドアップ配線工法は、導電性配線層の形成プロセスが煩雑でコスト高のものになっている。また層間絶縁膜や配線保護膜を得るのに、一般印刷法によるパターン形成法は安価で量産的な方法であるが、得られたパターンの精度が悪く又細線の印刷ができず高精度高密度パターンの形成には適していない。一方感光性樹脂を用いるフォトグラフィ法は極めて高精度高密度微細パターンの形成が可能で、良く知られているように半導体電子部品その他の微細加工に良く用いられている。しかしその工程が長くかつ複雑で設備も高価となり、その結果パターン形成に長時間を要しコストが高くなることも公知の事実である。またこの場合、順次感光性絶縁層材料を塗布、パターンニング形成し、単層または多層に積層する感光法(フォトリソグラフィー法)は、現像により捨てる部分の面積が多くコスト高になっている。
【0012】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、磁気ディスク装置等に組込まれる回路基板を精度良くかつ簡単に製造することができる回路基板の製造方法、その製造方法によって製造された回路基板、及び磁気ヘッドサスペンションを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により第2電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製する工程と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板に対して保護層用の転写シートを積層する工程と、保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離して、基板上に第1電着性樹脂層を介して設けられた第1導電層上に、第2電着性樹脂層と第2導電層を設ける工程と、第2導電層を除去することにより、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、保護層用の転写用基材上に保護層を設けることにより保護層用の転写シートを作製する工程と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板に対して転写シートを積層する工程と、保護層用の転写シートの転写用基材を剥離して、基板上に第1電着性樹脂層を介して設けられた第1導電層上に、保護層を設けることにより、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および保護層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および保護層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および保護層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板を第2電着性樹脂を含む電着液中に入れて電着を施し、第1導電層上に第2電着性樹脂層を設けることにより、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程と、保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製する工程と、第1導電層が設けられた基板に対して保護層用の転写シートを積層する工程と、保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離して、基板上に設けられた第1導電層上に、電着性樹脂層と第2導電層を設ける工程と、第2導電層を除去することにより、基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程と、保護層用の転写用基材上に保護層を設けることにより保護層用の転写シートを作製する工程と、第1導電層が設けられた基板に対して転写シートを積層する工程と、保護層用の転写シートの転写用基材を剥離して、基板上に設けられた第1導電層上に、保護層を設けることにより、基板上に第1導電層および保護層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
絶縁層を有する基板上に第1導電層および保護層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および保護層を積層してなり、請求項16記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程と、第1導電層が設けられた基板を電着性樹脂を含む電着液中に入れて電着を施し、第1導電層上に電着性樹脂層を設けることにより、基板上に、第1導電層および電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、
絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程は、基板用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、基板用の転写用基材の露出部分に第1導電層を形成して基板用の転写シートを作成する工程と、基板に対して基板用の転写シートを積層する工程と、基板用の転写シートの転写用基板とレジスト層を剥離して、基板上に第1導電層を設ける工程と、を有することを特徴とする上記記載の回路基板の製造方法、
絶縁性を有する基板上に第1導電層、および電着性樹脂層または保護層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、および
絶縁性を有する基板上に第1導電層、および電着性樹脂層または保護層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンションである。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図10は本発明による回路基板の製造方法の一実施の形態を示す図である。
【0015】
まず本発明による回路基板の応用例である磁気ヘッドサスペンションについて説明する。図1乃至図3に示すように、回路基板を構成する磁気ヘッドサスペンション1は、20μm厚のSUS304製基板12と、基板12上に絶縁層23を介して設けられた導電層(Cu配線)22とからなっている。この磁気ヘッドサスペンション1は75μm厚のSUS304からなるロードビーム11と、300μm厚のSUS304からなるマウントプレート13と組合せられる。また磁気ヘッドサスペンション1の先端にはスライダSが設けられている。
【0016】
次に図4および図5により磁気ヘッドサスペンション(回路基板)1について詳述する。図4に示すように、磁気ヘッドサスペンション1は20μm厚のSUS304製基板12と、基板12上に絶縁層23を介して設けられた導電層(Cu配線)22とからなり、導電層22は保護層20により覆われている。また絶縁層23は電着性の接着材料からなっている。この電着性接着材料は単体でSUS304製基板12と、Cu配線22の電気的絶縁機能と接着機能を持たせている。この場合、絶縁層23と、導電層22と、保護層20とによって配線部21が構成されている。
【0017】
また、図4に示す回路基板1の代わりに、図5に示すように基板12と、基板12上に絶縁層23を介して設けられた導電層22と、保護層20とによって回路基板1を構成してもよい。図5において絶縁層23は、絶縁機能を有する絶縁機能層23aと、接着機能を有する接着機能層23bとからなる二層構成体からなっている。
【0018】
次に回路基板1を構成する各部の材料について説明する。
【0019】
まず、基板12は、上述のようにSUS304製となっており、また導電層22はCu製となっている。
【0020】
さらにまた、図5に示す絶縁機能層23aは感光性樹脂または熱硬化性樹脂からなっている。
【0021】
また図4に示す絶縁層23、および図5に示す接着機能層23bは電着性樹脂材料からなっている。また保護層20も電着性樹脂材料からなっている。
【0022】
ここで絶縁層23、接着機能層23bおよび保護層20を構成する電着性樹脂材料は、常温もしくは加熱により粘着性を示すものであればよい。例えば、使用する高分子としては、粘着性を有するアニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂をあげることができる。
【0023】
具体的には、アニオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの樹脂の任意の組み合わせによる混合物として使用できる。さらに、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。また、カチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組み合わせによる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
【0024】
また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与するためにロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
【0025】
上記高分子樹脂は、後述する製造方法においてアルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。
【0026】
また、上記の電着性樹脂材料の絶縁性、耐熱性などの信頼性を高める目的で、上記高分子樹脂にブロックイソシアネート等の熱重合性不飽和結合を有する公知の熱硬化性樹脂を添加し、熱処理によって接着材料を硬化させてもよい。もちろん、熱硬化性樹脂以外にも、重合性不飽和結合(例えば、アクリル基、ビニル基、アリル基等)を有する樹脂を添加しておけば、電子線照射によって接着材料を硬化させることができる。
【0027】
電着性樹脂材料としては、上記の他に、常温もくしは加熱により接着性を示すものであれば、熱可塑性樹脂はもちろんのこと、熱硬化性樹脂で硬化後粘着性を失うような粘着性樹脂でもよい。また、塗膜の強度を出すめたに有機あるいは無機のフィラーを含むものでもよい。
【0028】
また、電着性樹脂材料は、常温もしくは加熱により流動性を示す電着性接着材料であってもよい。
【0029】
次に磁気ヘッドサスペンション(回路基板)1の製造方法について図6乃至図11を用いて説明する
まず、基板用の転写シート30を作製する。すなわち図6(a)(b)(c)に示すように、導電性の転写用基材31上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層32を形成し、所定のフォトマスクを用いてフォトレジスト層32を密着露光し現像し、転写用基材31に配線パターン用の露出部分31aを形成する。次に、導電性転写用基材31の露出部分31a上にめっき法によりCu製の導電層22を形成する。その後、導電層22上に電着法により絶縁層23を形成する。これにより、基材31と、フォトレジスト層32と、導電層22と、絶縁層23とを有する基板用の転写シート30が得られる。
【0030】
転写シートの導電性転写用基材31としては、少なくとも表面が導電性を有するものであればよく、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン等の導電性の金属板、あるいはガラス板、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、アクリル等の樹脂フィルムの絶縁性基板の表面に導電性薄膜を形成したものも使用することができる。また、転写シートとしての耐刷性を高めるために、転写用基材31の表面にクロム、セラミックカニゼン(Kanigen社製、Ni+P+SiC)等の薄膜を形成してもよい。
【0031】
次にSUS304製の基板12を準備し、図6(d)(e)に示すように、基板用の転写シート30を基板12上に絶縁層23が基板12に当接するように圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレート圧着、真空圧着等のいづれの方法でもよい。また、絶縁層23が加熱により粘着性あるいは接着性を発現する場合には、熱圧着を行なうこともできる。その後、転写用基材31とフォトレジスト層32を剥離して、基板12上に絶縁層23と導電層22とからなる配線部21を転写する。このようにして回路基板1が得られる。
【0032】
なお、図6(a)(b)(c)(d)(e)に示す回路基板1の製造方法の代わりに、図7(a)(b)(c)に示す製造方法によって回路基板1を製造してもよい。
【0033】
すなわち、まず図7(a)に示すように、転写用基材31上にフォトレジスト層32と、導電層22と、接着機能層23bとを設けることにより基板用の転写シート30を作製する。
【0034】
次に、SUS304製基板12上に、感光性樹脂41を塗布する。塗布方法は、インライン処理の場合は、カーテンコート、ロールコート、スクリーンコート等が使用でき、枚葉処理の場合は、スピンコート、カーテンコート、スクリーンコート等が使用できる。感光性樹脂41は塗布した後、乾燥される。
【0035】
次に図7(b)に示すように、感光性樹脂41が塗布された基板12上に転写シート30が圧着される。このようにして基板12に塗布された感光性樹脂41上に接着機能層23bと導電層22が転写される。
【0036】
次に接着機能層23bと導電層22とからなる配線部21をマスクとして感光性樹脂41を露光、現像することにより、配線部21の下方のみに絶縁機能層23aを形成する。次に絶縁機能層23aと接着機能層23bを硬化することにより、SUS304製基板12上に、絶縁機能層23aと接着機能層23bとからなる絶縁層23を介して導電層22が設けられた回路基板1が得られる(図7(c))。
【0037】
また図7(a)(b)(c)に示す回路基板1において、感光性樹脂41によって絶縁機能層23aを設けた例を示したが、感光性樹脂41の代わりにワニス状の熱硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、基板12上にワニス状の熱硬化性樹脂を塗布する。塗布方法も感光性樹脂を用いた場合と同様である。ワニス状の熱硬化性樹脂を塗布した後、プリベークする。その後、転写用シート30を基板12に圧着する。次に接着機能層23bと導電層22とからなる配線部21を基板12上に転写し、この配線部21をマスクとして熱硬化性樹脂をウェットエッチングにより除去して、熱硬化性樹脂から絶縁機能層23aを作製する。
【0038】
次に回路基板1の導電層22上に保護層20を設ける工程について、図8乃至図10により説明する。
【0039】
まず図8(a)に示すように、保護層用の転写シート50を作製する。すなわち図8(a)に示すように、転写用基材51上に露出部分を残してフォトレジスト層52を形成し、転写用基材51の露出部分に導電層54を形成する。次に導電層54上に電着により電着性樹脂により保護層20を形成し、このようにして保護層用の転写シート50を作製する。
【0040】
保護層用の転写シート50は、基板用の転写シート30(図6(c))と同一の構成を有しており、この場合、保護層用の転写シート50のうち、転写用基材51、フォトレジスト層52、導電層54および保護層20は、各々基板用の転写シート30の転写用基材31、フォトレジスト層32、導電層22および絶縁層23に対応している。
【0041】
次に基板12上に絶縁層(第1電着性樹脂層)23を介して設けられた導電層(第1導電層)22に対して、保護層用の転写シート50が第1導電層22に保護層20が当接するように積層される。この場合、基板用転写シート30と保護層用の転写シート50は同一構成となっているので、第1導電層22と保護層20の位置合せを容易に行なうことができる。
【0042】
次に図8(b)に示すように、転写シート50の転写用基材51およびフォトレジスト層52が剥離され、第1導電層22上に保護層(第2電着樹脂層)20および導電層(第2導電層)54が転写される。
【0043】
その後第2導電層54がエッチングにより除去され、このようにして回路基板の第1導電層22上に保護層20が形成される(図8(c))。
【0044】
なお、図8(a)(b)(c)に示す転写シート50を用いる代わりに、図9に示すように保護層用の転写シート60として、転写用基材61上に電着性樹脂からなる保護層20を設けたものを使用してもよい。この場合は、基板12上に絶縁層(第1電着樹脂層)23を介して設けられた導電層(第1導電層)22上に転写シート60の保護層20を転写する。
【0045】
また図10に示すように、基板12上に絶縁層23を介して導電層22を設けてなる回路基板1を電着樹脂液71が収納された電着槽70内に入れ、電着樹脂液71中の電着樹脂を電着により導電層22上に付着させてもよい。このような電着により、基板12上に絶縁層(第1電着樹脂層)23を介して設けられて導電層(第1導電層)22上に保護層(第2電着樹脂層)20を設けることができる。
【0046】
なお、上記各実施の形態において、導電層22を一部保護層20から露出させ、この露出された導電層22にNi/Auめっきを施してもよい。これは、磁気ヘッドのスライダSと磁気ヘッドサスペンション1の電気的接続と、磁気ヘッドサスペンション1から制御側への電気的接続のための表面処理であり、Ni/Auめっきに限ったものではない。またこのようにSUS304製基板12上に絶縁層23と導電層22を形成した後、任意の形状にするためにSUS304製基板12をエッチングしてもよく、この基板12は予めエッチングにより形状を定めてもよい。
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0047】
まず図12により磁気ヘッドサスペンション(回路基板)101について詳述する。図12に示すように、磁気ヘッドサスペンション101は20μm厚の絶縁性を有する基板112と、基板112上に設けられた導電層(Cu配線)122とからなり、導電層122は保護層120により覆われている。
【0048】
この場合、導電層122と、保護層120とによって配線部21が構成されている。
【0049】
次に回路基板101を構成する各部の材料について説明する。
【0050】
まず、基板112は、上述のように絶縁性を有し、また導電層122はCu製となっている。
【0051】
ここで保護層120を構成する電着性樹脂材料は、常温もしくは加熱により粘着性を示すものであればよい。例えば、使用する高分子としては、粘着性を有するアニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂をあげることができる。
【0052】
具体的には、アニオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの樹脂の任意の組み合わせによる混合物として使用できる。さらに、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。また、カチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組み合わせによる混合物として使用できる。さらに、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
【0053】
また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与するためにロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
【0054】
上記高分子樹脂は、後述する製造方法においてアルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供される。すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。
【0055】
また、上記の電着性樹脂材料の絶縁性、耐熱性などの信頼性を高める目的で、上記高分子樹脂にブロックイソシアネート等の熱重合性不飽和結合を有する公知の熱硬化性樹脂を添加し、熱処理によって接着材料を硬化させてもよい。もちろん、熱硬化性樹脂以外にも、重合性不飽和結合(例えば、アクリル基、ビニル基、アリル基等)を有する樹脂を添加しておけば、電子線照射によって接着材料を硬化させることができる。
【0056】
電着性樹脂材料としては、上記の他に、常温もくしは加熱により接着性を示すものであれば、熱可塑性樹脂はもちろんのこと、熱硬化性樹脂で硬化後粘着性を失うような粘着性樹脂でもよい。また、塗膜の強度を出すめたに有機あるいは無機のフィラーを含むものでもよい。
【0057】
また、電着性樹脂材料は、常温もしくは加熱により流動性を示す電着性接着材料であってもよい。
【0058】
次に磁気ヘッドサスペンション(回路基板)1の製造方法について図13乃至図17を用いて説明する
まず、基板用の転写シート130を作製する。すなわち図13(a)(b)(c)に示すように、導電性の基板用の転写用基材131上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層132を形成し、所定のフォトマスクを用いてフォトレジスト層132を密着露光し現像し、転写用基材131に配線パターン用の露出部分131aを形成する。次に、導電性転写用基材131の露出部分131a上にめっき法によりCu製の導電層122を形成する。これにより、基材131と、フォトレジスト層132と、導電層122とを有する基板用の転写シート130が得られる。
【0059】
転写シートの導電性転写用基材131としては、少なくとも表面が導電性を有するものであればよく、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン等の導電性の金属板、あるいはガラス板、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、アクリル等の樹脂フィルムの絶縁性基板の表面に導電性薄膜を形成したものも使用することができる。また、転写シートとしての耐刷性を高めるために、転写用基材131の表面にクロム、セラミックカニゼン(Kanigen社製、Ni+P+SiC)等の薄膜を形成してもよい。
【0060】
次に絶縁性を有する基板112を準備し、図13(c)(d)に示すように、基板用の転写シート130を基板112上に導電層122が基板112に当接するように圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレート圧着、真空圧着等のいづれの方法でもよい。その後、転写用基材131とフォトレジスト層132を剥離して、基板112上に導電層122からなる配線部121を転写する。このようにして回路基板101が得られる。
【0061】
次に回路基板101の導電層122上に保護層120を設ける工程について、図14乃至図16により説明する。
【0062】
まず図14(a)に示すように、保護層用の転写シート150を作製する。すなわち図14(a)に示すように、保護層用の転写用基材151上に露出部分を残してフォトレジスト層152を形成し、転写用基材151の露出部分に導電層154を形成する。次に導電層154上に電着により電着性樹脂により保護層120を形成し、このようにして保護層用の転写シート150を作製する。
【0063】
次に絶縁性を有する基板112上に設けられた導電層(第1導電層)122に対して、保護層用の転写シート150が第1導電層122に保護層120が当接するように積層される。
【0064】
次に図14(b)に示すように、転写シート150の転写用基材151およびフォトレジスト層152が剥離され、第1導電層122上に保護層(電着樹脂層)120および導電層(第2導電層)154が転写される。
【0065】
その後第2導電層154がエッチングにより除去され、このようにして回路基板の第1導電層122上に保護層120が形成される(図14(c))。
【0066】
なお、図14(a)(b)(c)に示す転写シート150を用いる代わりに、図15に示すように保護層用の転写シート160として、転写用基材161上に電着性樹脂からなる保護層120を設けたものを使用してもよい。この場合は、基板112上に設けられた導電層(第1導電層)122上に転写シート160の保護層120を転写する。
【0067】
また図16に示すように、基板112上に導電層122を設けてなる回路基板101を電着樹脂液171が収納された電着槽170内に入れ、電着樹脂液171中の電着樹脂を電着により導電層122上に付着させてもよい。このような電着により、基板112上に設けられた導電層(第1導電層)122上に保護層(電着樹脂層)120を設けることができる。
【0068】
なお、上記各実施の形態において、導電層122を一部保護層120から露出させ、この露出された導電層122にNi/Auめっきを施してもよい。これは、磁気ヘッドのスライダS(図1および図2参照)と磁気ヘッドサスペンション101の電気的接続と、磁気ヘッドサスペンション101から制御側への電気的接続のための表面処理であり、Ni/Auめっきに限ったものではない。
【0069】
【実施例】
第1の具体的実施例
次に本発明の具体的実施例について説明する。第1の具体的実施例は図1乃至図11に示す第1の実施の形態に対応している。
まず以下のようにして保護層用転写シート150を作製した。すなわちSUS304転写用基材151上に東京応化製レジスト「OMR−85」を乾燥後1μmに塗布し、露光量60mJ/cm2 、指定現像液にて現像し、ポストベーク145℃、30minによりフォトレジスト層52を形成した。
【0070】
次に硫酸銅メッキにより10μmの導電層54を形成した。
このときの電解銅メッキの液組成物及び条件は以下のとおりである。
硫酸銅(5水塩) 75 g/l
硫酸 190 g/l
塩素イオン 60mg/l
スルカップAC−90M 2.5ml
温度 30℃
電流密度 2A/dm2
時間 24分
次に調整された電着塗料を2リッターの硝子セル中に入れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで電着してウェット膜厚20μmの塗膜を得た。その後150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚10μmの保護層120を得た。このようにして保護層用転写シート50を作製した。
【0071】
この場合、電着塗料としては、電着ポリイミドを調整して用いた。
電着ポリイミドの仕込みモノマーおよび合成法は表1のとおりである。
【0072】
【表1】
Figure 0004153602
また電着ポリイミドの調整は以下のとおりとした。
【0073】
すなわち固形分濃度25%の電着ポリイミド溶液100gにNMP300g、フェノキシエタノール50g、アニソール50gを加え攪拌した。さらに中和剤としてトリエタノールアミンを2g添加し、十分に攪拌した。ついで、水50gを加え更に攪拌を一昼夜行ない、電着液とした。
【0074】
一方、予め保護層用転写シート50と略同一の方法で基板用転写シート30を作製しておき、この基板用転写シート30を用いて基板12上に絶縁層23と導電層(第1導電層)22を形成しておく。
【0075】
次に基板12上の絶縁層23と第1導電層22に対して、保護層用転写シート50を導電層22上に保護層20が当接するよう積層する。この場合、保護層用転写シート50を200℃に加熱し、1分間、1kg/cm2 にて熱転写する。
【0076】
次に常温に戻してから転写シート50の転写用基材51とフォトレジスト層52を剥離する。
【0077】
次に300℃で、N2 雰囲気中で1hr加熱硬化処理を行なった。加熱処理により膜厚は10μmから5μmになった。このようにして基板12上に絶縁層23、第1導電層22、保護層20および第2導電層54が順次設けられた。
【0078】
次に保護層20上の第2導電層54をエッチングにより除去し、このようにして回路基板1を得た。
【0079】
第2導電層54のエッチングを行なう際、以下のような保護レジスト膜を用いた。
【0080】
ポジ型レジストAR900(東京応化製)で製版し、スピンコート1600rpm、400mj/cm2 指定現像により得られた。
【0081】
またエッチング液は塩化第2鉄48ポーメ、50℃、ディッピングを用いた。
【0082】
以上のようにして得られた回路基板1の第1導電層のパターンは、均一に形成されていた。また、保護層20を硬化し、その特性を確認したところ、350℃で5%以内の熱重量変化であった。また10μmの塗膜の保護層20両面に金属電極を形成し、80℃、85%、の環境下で30vのバイアスを印可し、抵抗値を測定したところ、体積抵抗で1013Ω/cm以上を1000時間以上確保できていた。
【0083】
次に基板12上に絶縁層23を介して第1導電層22を設けてなる回路基板1に対して電極リード80を接続した。この例について、図11により説明する。
【0084】
まず第1導電層22のパット部の位置に合わせ、絶縁性のカバー81を付けた電極リード80を接続した。次に第1導電層22上に以上のような電着により保護層20を形成した。
【0085】
すなわち基板12を調整された電着塗料(2リッター)中に入れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで電着ウェット膜厚20μmの塗膜を得た。
【0086】
150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚10μmの保護層20を得た。
このものを300℃で、N2 雰囲気中で1hr加熱処理を行なった。
膜厚は10μmから5μmに変化した。
第2の具体的実施例
次に第2の具体的実施例について説明する。第2の具体的実施例は、図12乃至図17に示す第2の実施の形態について対応している。
まず以下のようにして保護層用転写シート150を作製した。すなわちSUS304転写用基材151上に東京応化製レジスト「OMR−85」を乾燥後1μmに塗布し、露光量60mJ/cm2 、指定現像液にて現像し、ポストベーク145℃、30minによりフォトレジスト層152を形成した。
【0087】
次に硫酸銅メッキにより10μmの導電層154を形成した。
このときの電解銅メッキの液組成物及び条件は以下のとおりである。
硫酸銅(5水塩) 75 g/l
硫酸 190 g/l
塩素イオン 60mg/l
スルカップAC−90M 2.5ml
温度 30℃
電流密度 2A/dm2
時間 24分
次に調整された電着塗料を2リッターの硝子セル中に入れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで電着してウェット膜厚20μmの塗膜を得た。その後150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚10μmの保護層20を得た。このようにして保護層用転写シート150を作製した。
【0088】
この場合、電着塗料としては、電着ポリイミドを調整して用いた。
電着ポリイミドの仕込みモノマーおよび合成法は表1に示すとおりである。
【0089】
また電着ポリイミドの調整は以下のとおりとした。
【0090】
すなわち固形分濃度25%の電着ポリイミド溶液100gにNMP300g、フェノキシエタノール50g、アニソール50gを加え攪拌した。さらに中和剤としてトリエタノールアミンを2g添加し、十分に攪拌した。ついで、水50gを加え更に攪拌を一昼夜行ない、電着液とした。
【0091】
一方、予め転写用基材131上にフォトレジスト層132と導電層122を設けて基板用転写シート130を作製しておき、この基板用転写シート130を絶縁性を有する基板(プリプレグ、東芝ケミカル株式会社製TCL556)112上に積層する。次に基板112に対して基板用転写シート130を150℃、10kg/cm2で圧着し、常温に戻してから基板用転写シート130の転写用基材131とフォトレジスト層132を剥離する。このようにして基板112上に導電層(第1導電層)122を形成しておく。ところで、基板用転写シート130を作製する場合、フォトレジスト層132と導電層122は保護層用転写シート150と略同様に作製される。
【0092】
次に基板112上の第1導電層122に対して、保護層用転写シート50を導電層122上に保護層120が当接するよう積層する。この場合、保護層用転写シート150を200℃に加熱し、1分間、1kg/cm2 にて熱転写する。
【0093】
次に常温に戻してから転写シート150の転写用基材151とフォトレジスト層152を剥離する。
【0094】
次に300℃で、N2 雰囲気中で1hr加熱硬化処理を行なった。加熱処理により膜厚は10μmから5μmになった。このようにして基板112上に第1導電層122、保護層120および第2導電層154が順次設けられた。
【0095】
次に保護層120上の第2導電層154をエッチングにより除去し、このようにして回路基板101を得た。
【0096】
第2導電層154のエッチングを行なう際、以下のような保護レジスト膜を用いた。
【0097】
ポジ型レジストAR900(東京応化製)で製版し、スピンコート1600rpm、400mj/cm2 指定現像により得られた。
【0098】
またエッチング液は塩化第2鉄48ポーメ、50℃、ディッピングを用いた。
【0099】
以上のようにして得られた回路基板101の第1導電層122のパターンは、均一に形成されていた。また、保護層120を硬化し、その特性を確認したところ、350℃で5%以内の熱重量変化であった。また10μmの塗膜の保護層120両面に金属電極を形成し、80℃、85%、の環境下で30vのバイアスを印可し、抵抗値を測定したところ、体積抵抗で1013Ω/cm以上を1000時間以上確保できていた。
【0100】
次に基板112上に第1導電層122を設けてなる回路基板101に対して電極リード80を接続した。この例について、図17により説明する。
【0101】
まず第1導電層122のパット部の位置に合わせ、絶縁性のカバー181を付けた電極リード180を接続した。次に第1導電層122上に以上のような電着により保護層120を形成した。
【0102】
すなわち基板112を調整された電着塗料(2リッター)中に入れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで電着ウェット膜厚20μmの塗膜を得た。
【0103】
150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚10μmの保護層20を得た。
このものを300℃で、N2 雰囲気中で1hr加熱処理を行なった。
膜厚は10μmから5μmに変化した。
【0104】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、基板上に第1電着性樹脂を介して設けられた第1導電層に、第2電着層すなわち保護層を精度良く簡単に設けることができる。このため保護層を有する回路基板の製造を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路基板の製造方法により得られる磁気ヘッドサスペンションを示す平面図
【図2】磁気ヘッドサスペンションの側面図。
【図3】磁気ヘッドサスペンションの斜視図。
【図4】回路基板の側面図。
【図5】他の回路基板の側面図。
【図6】回路基板の製造方法を示す図。
【図7】他の回路基板の製造方法を示す図。
【図8】保護層の形成工程を示す図。
【図9】他の保護層の形成工程を示す図。
【図10】他の保護層の形成工程を示す図。
【図11】導電層に電極リードを接続する状態を示す図。
【図12】回路基板の側面図。
【図13】回路基板の製造方法を示す図。
【図14】保護層の形成工程を示す図。
【図15】他の保護層の形成工程を示す図。
【図16】他の保護層の形成工程を示す図。
【図17】導電層に電極リードを接続する状態を示す図。
【符号の説明】
1、101 回路基板
12、112 基板
22、122 第1導電層
23 絶縁層
30、130 基板用転写シート
31、51、61、131、151、161 転写用基材
32、52、132、152 フォトレジスト層
50、60、150、160 保護層用転写シート
54、154 第2導電層

Claims (6)

  1. 基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、
    保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により第2電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製する工程と、
    第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板に対して保護層用の転写シートを積層する工程と、
    保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離して、基板上に第1電着性樹脂層を介して設けられた第1導電層上に、第2電着性樹脂層と第2導電層を設ける工程と、
    第2導電層を除去することにより、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、
    を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程は、
    基板用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、基板用の転写用基材の露出部分に第1導電層を形成し、この第1導電層上に電着により第1電着性樹脂層を設けて基板用の転写シートを作成する工程と、
    基板に対して基板用の転写シートを積層する工程と、
    基板用の転写シートの転写用基板とレジスト層を剥離して、基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、
    を有することを特徴とする請求項記載の回路基板の製造方法。
  3. 絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程と、
    保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製する工程と、
    第1導電層が設けられた基板に対して保護層用の転写シートを積層する工程と、
    保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離して、基板上に設けられた第1導電層上に、電着性樹脂層と第2導電層を設ける工程と、
    第2導電層を除去することにより、基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、
    を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  4. 絶縁性を有する基板上に第1導電層を設ける工程は、
    基板用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するとともに、基板用の転写用基材の露出部分に第1導電層を形成して基板用の転写シートを作成する工程と、
    基板に対して基板用の転写シートを積層する工程と、
    基板用の転写シートの転写用基板とレジスト層を剥離して、基板上に第1導電層を設ける工程と、
    を有することを特徴とする請求項記載の回路基板の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の製造方法により製造された回路基板。
  6. 請求項1乃至4のいずれか記載の製造方法により製造された回路基板を組み込んだ磁気ヘッドサスペンション。
JP30009498A 1998-02-27 1998-10-21 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション Expired - Fee Related JP4153602B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30009498A JP4153602B2 (ja) 1998-02-27 1998-10-21 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4702898 1998-02-27
JP10-47028 1998-02-27
JP30009498A JP4153602B2 (ja) 1998-02-27 1998-10-21 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11312861A JPH11312861A (ja) 1999-11-09
JP4153602B2 true JP4153602B2 (ja) 2008-09-24

Family

ID=26387185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30009498A Expired - Fee Related JP4153602B2 (ja) 1998-02-27 1998-10-21 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4153602B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4887232B2 (ja) * 2007-07-24 2012-02-29 日東電工株式会社 配線回路基板の製造方法
KR101489159B1 (ko) * 2011-12-23 2015-02-05 주식회사 잉크테크 금속 인쇄회로기판의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11312861A (ja) 1999-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR850001363B1 (ko) 후막 파인패턴(thick film fine pattern) 도전체(導電體)의 제조방법
KR100777994B1 (ko) 엄격한 공차로 매입된 소자를 구비하는 인쇄 회로 기판형성 방법
KR100272739B1 (ko) 다층 프린트 배선판과 그 제조방법 및, 전사용 원판과 그 제조방법
JP4153602B2 (ja) 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション
CN111837210B (zh) 布线基板及其制造方法
JP2001111201A (ja) 配線板の製造方法およびそれを用いて製造された配線板
JP4124297B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JPH08288603A (ja) プリント配線板とその製造方法および転写用原版
JPH11261201A (ja) 回路基板およびその製造方法
JP4240597B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JP3935558B2 (ja) パターン形成方法
JPH0918119A (ja) 配線パターン層およびその製造方法
JP3265366B2 (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP2002009203A (ja) 配線形成方法と配線基板
JP2001127409A (ja) メッキ転写原版およびその製造方法とそれを用いた電子部品の製造方法
JP4101919B2 (ja) 転写用部材の製造法及び転写用部材
JP4287000B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JPH1041611A (ja) プリント配線板の製造方法及びプリント配線板
JP2000091719A (ja) 絶縁被膜付き部材とそれを用いた配線基板、及び絶縁被膜付き部材の製造方法と配線基板の製造方法
JP3953621B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JP3953622B2 (ja) 多層配線基板とその製造方法
JPH11261217A (ja) 多層配線基板とその製造方法
JPH11274695A (ja) 転写用部材の製法及び転写用部材
JPS60167307A (ja) プリントコイルの製造方法
JPS5823753B2 (ja) カイロバンザイリヨウ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees