JPH11312861A - 回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション - Google Patents

回路基板の製造方法、回路基板及び磁気ヘッドサスペンション

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JPH11312861A
JPH11312861A JP30009498A JP30009498A JPH11312861A JP H11312861 A JPH11312861 A JP H11312861A JP 30009498 A JP30009498 A JP 30009498A JP 30009498 A JP30009498 A JP 30009498A JP H11312861 A JPH11312861 A JP H11312861A
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conductive layer
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Satoru Kuramochi
持 悟 倉
Hiroto Yoshinuma
沼 洋 人 吉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路基板の保護層を容易かつ精度良く作製す
ることができる回路基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板12上に絶縁層23を介して第1導
電層22が設けられる。次に転写用基材51上にフォト
レジスト層52を設けるとともに、基材51の露出部に
第2導電層54および保護層20を設けることによって
保護層用転写シート50を作製する。次に基板12の第
1導電層22上に保護層20が当接するよう保護層用転
写シート50を積層し、基材51およびフォトレジスト
層52を剥離することにより、第1導電層22上に保護
層20と第2導電層54が形成される。第2導電層54
をエッチングにより除去することにより回路基板1が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路基板の製造方法
に係り、とりわけ精度良く簡単に保護層を有する回路基
板を製造することができる回路基板の製造方法、その製
造方法によって製造された回路基板、及び磁気ヘッドサ
スペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板、半導体周辺、各種ディス
プレー等に使用される回路基板の製造工程においては導
電性、絶縁性のパターン層を高密度に形成する必要があ
る。導電性の配線を無電界メッキあるいは真空薄膜のサ
ブトラクティブ加工により形成していくビルドアップ配
線工法は、導電性配線層の形成プロセスが煩雑でコスト
高のものになっている。また層間絶縁膜や配線保護膜を
得るために、一般印刷法によるパターン形成法が用いら
れている。この一般印刷法による方法は安価で量産的な
方法であるが、得られたパターンの精度が悪く又細線の
印刷ができず高精度高密度パターンの形成には適してい
ない。
【0003】一方、感光性樹脂を用いるフォトグラフィ
法は、極めて高精度および高密度の微細パターンの形成
が可能で、良く知られているように半導体電子部品その
他の微細加工に良く用いられている。しかしながらその
工程は長くかつ複雑で設備も高価となり、その結果、パ
ターン形成に長時間を要しコストが高くなる。またこの
場合、順次感光性絶縁層材料を塗布、パターンニング形
成し、単層または多層に積層する感光法(フォトリソグ
ラフィー法)は、現像により捨てる部分の面積が多くコ
スト高になっている。
【0004】ところで上述のような回路基板を組込んだ
磁気ディスク装置が開発されている。このような磁気デ
ィスク装置は、ロードビームとマウントプレートとフレ
キシャからなるジンバルサスペンションと(磁気ヘッド
サスペンション)、磁気ヘッドサスペンションの先端に
取り付けられ磁気ヘッドを有するスライダとから構成さ
れる。ロードビームは磁気ヘッドを有するスライダに所
定の荷重を与えるためのものであり十分に高い剛性を有
し、磁気ヘッドサスペンションは磁気ヘッドを搭載した
スライダがディスク面のうねりに追従するためのもので
あり十分に低い剛性を有す。そして、磁気ディスク装置
において、ディスク停止中はスライダとディスクは接触
しており、ディスクが回転することにより、スライダと
ディスク間に発生する浮上力と、サスペンションによる
押しつけ荷重とがつり合う位置でスライダが浮上する。
【0005】また、磁気ヘッドの磁気コアと、ドライブ
装置本体の電気回路とは、一部が絶縁被覆チューブに挿
入されたワイヤからなるリード線により接続され、絶縁
被覆チューブは磁気ヘッドサスペンション上に引き回し
配置され、固定爪でロードビーム及びマウントプレート
にかしめられて固定されている。
【0006】近年、磁気ディスク装置の小型化、薄型化
が進んでディスク間隔が狭くなり、これにより、スライ
ダや磁気ヘッドサスペンションの小型化、薄型化の要求
が強くなってきた。このため、絶縁被覆チューブがスラ
イダや磁気ヘッドサスペンションに対して相対的に大き
くなり絶縁被覆チューブの剛性による負荷がスライダの
ディスク面へのうねりへの追従特性を低下させたり、デ
ィスク面に絶縁被覆チューブが接触して断線するといっ
た問題が生じている。
【0007】磁気ヘッドの構造は、一体機械加工によっ
てコイル手巻きを行なうモノリシック構造から分割機械
加工でコイル手巻きであるコンポジットへと変化し、現
在では、薄膜法による書き込み・読み込みのコイル形成
であるインダクティブが主流となっている。
【0008】しかしながら、近年の磁気ディスク装置の
記憶容量の増大を達成するため、高感度の磁気ヘッドと
して、MR(Magnetro-Resistive)ヘッドの開発が進ん
でいる。このMRヘッドは読み込み専用の高感度磁気ヘ
ッドであるため、書き込み用の薄膜ヘッドが必要であ
る。磁気ヘッドの磁気コアとドライブ装置本体の電気回
路は、従来2本のリード線で接続されていたのに対し、
4本のリード線を必要としている。その結果、従来の絶
縁被覆チューブでは、絶縁被覆チューブの剛性が大きく
なりスライダの運動特性に悪影響を及ぼす傾向にある。
【0009】これらの問題を解決する方法として、特開
平1−162212には、絶縁被覆チューブの代わりに
複数の導体を含んだ絶縁プラスチックフィルムを用いて
磁気ヘッドの磁気コアと磁気ヘッドサスペンションとの
電気的接続を行ない、結果として絶縁プラスチックフィ
ルムが防振材の役割を果たすものが示されている。
【0010】また、特開平4−272635には、絶縁
被覆チューブの代わりにロードビームあるいは磁気ヘッ
ドサスペンションに絶縁層を形成し、この絶縁層上に電
気導電路を形成し、結果としてスライダに余計な負荷が
かかることなくスライダのディスク面のうねりへの良好
な追従特性が保たれ、磁気ヘッドサスペンションの振動
を抑制できるものが示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの様な
配線付き磁気ヘッドサスペンションの製造法として用い
られる、導電性の配線を無電界メッキあるいは真空薄膜
のサブトラクティブ加工により形成していくビルドアッ
プ配線工法は、導電性配線層の形成プロセスが煩雑でコ
スト高のものになっている。また層間絶縁膜や配線保護
膜を得るのに、一般印刷法によるパターン形成法は安価
で量産的な方法であるが、得られたパターンの精度が悪
く又細線の印刷ができず高精度高密度パターンの形成に
は適していない。一方感光性樹脂を用いるフォトグラフ
ィ法は極めて高精度高密度微細パターンの形成が可能
で、良く知られているように半導体電子部品その他の微
細加工に良く用いられている。しかしその工程が長くか
つ複雑で設備も高価となり、その結果パターン形成に長
時間を要しコストが高くなることも公知の事実である。
またこの場合、順次感光性絶縁層材料を塗布、パターン
ニング形成し、単層または多層に積層する感光法(フォ
トリソグラフィー法)は、現像により捨てる部分の面積
が多くコスト高になっている。
【0012】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、磁気ディスク装置等に組込まれる回路基板
を精度良くかつ簡単に製造することができる回路基板の
製造方法、その製造方法によって製造された回路基板、
及び磁気ヘッドサスペンションを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に第1
電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工程と、保護
層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を形
成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分に第
2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により第2
電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製する
工程と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられ
た基板に対して保護層用の転写シートを積層する工程
と、保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を
剥離して、基板上に第1電着性樹脂層を介して設けられ
た第1導電層上に、第2電着性樹脂層と第2導電層を設
ける工程と、第2導電層を除去することにより、基板上
に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂
層を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたこと
を特徴とする回路基板の製造方法、基板上に第1電着性
樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層して
なり、上記記載の製造方法によって製造された回路基
板、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2
電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造方法によ
って製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペン
ション、基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層
を設ける工程と、保護層用の転写用基材上に保護層を設
けることにより保護層用の転写シートを作製する工程
と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基
板に対して転写シートを積層する工程と、保護層用の転
写シートの転写用基材を剥離して、基板上に第1電着性
樹脂層を介して設けられた第1導電層上に、保護層を設
けることにより、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電
層および保護層を積層してなる回路基板を得る工程と、
を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、基板上
に第1電着性樹脂層、第1導電層および保護層を積層し
てなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基
板、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および保護
層を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造さ
れた回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、基
板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設ける工
程と、第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた
基板を第2電着性樹脂を含む電着液中に入れて電着を施
し、第1導電層上に第2電着性樹脂層を設けることによ
り、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2
電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、を
備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、基板上に
第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層
を積層してなり、上記記載の製造方法によって製造され
た回路基板、基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
よび第2電着性樹脂層を積層してなり、上記記載の製造
方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気ヘッド
サスペンション、絶縁性を有する基板上に第1導電層を
設ける工程と、保護層用の転写用基材上に露出部分を残
してレジスト層を形成するとともに、保護層用の転写用
基材の露出部分に第2導電層を形成し、この第2導電層
上に電着により第2電着性樹脂層を設けて保護層用の転
写シートを作製する工程と、第1導電層が設けられた基
板に対して保護層用の転写シートを積層する工程と、保
護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離し
て、基板上に設けられた第1導電層上に、電着性樹脂層
と第2導電層を設ける工程と、第2導電層を除去するこ
とにより、基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積
層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを特徴
とする回路基板の製造方法、絶縁性を有する基板上に第
1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記記載
の製造方法によって製造された回路基板、絶縁性を有す
る基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層してな
り、上記記載の製造方法によって製造された回路基板を
組込んだ磁気ヘッドサスペンション、絶縁性を有する基
板上に第1導電層を設ける工程と、保護層用の転写用基
材上に保護層を設けることにより保護層用の転写シート
を作製する工程と、第1導電層が設けられた基板に対し
て転写シートを積層する工程と、保護層用の転写シート
の転写用基材を剥離して、基板上に設けられた第1導電
層上に、保護層を設けることにより、基板上に第1導電
層および保護層を積層してなる回路基板を得る工程と、
を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法、絶縁層
を有する基板上に第1導電層および保護層を積層してな
り、上記記載の製造方法によって製造された回路基板、
絶縁性を有する基板上に第1導電層および保護層を積層
してなり、請求項16記載の製造方法によって製造され
た回路基板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、絶縁
性を有する基板上に第1導電層を設ける工程と、第1導
電層が設けられた基板を電着性樹脂を含む電着液中に入
れて電着を施し、第1導電層上に電着性樹脂層を設ける
ことにより、基板上に、第1導電層および電着性樹脂層
を積層してなる回路基板を得る工程と、を備えたことを
特徴とする回路基板の製造方法、絶縁性を有する基板上
に第1導電層および電着性樹脂層を積層してなり、上記
記載の製造方法によって製造された回路基板、絶縁性を
有する基板上に第1導電層および電着性樹脂層を積層し
てなり、上記記載の製造方法によって製造された回路基
板を組込んだ磁気ヘッドサスペンション、絶縁性を有す
る基板上に第1導電層を設ける工程は、基板用の転写用
基材上に露出部分を残してレジスト層を形成するととも
に、基板用の転写用基材の露出部分に第1導電層を形成
して基板用の転写シートを作成する工程と、基板に対し
て基板用の転写シートを積層する工程と、基板用の転写
シートの転写用基板とレジスト層を剥離して、基板上に
第1導電層を設ける工程と、を有することを特徴とする
上記記載の回路基板の製造方法、絶縁性を有する基板上
に第1導電層、および電着性樹脂層または保護層を積層
してなり、上記記載の製造方法によって製造された回路
基板、および絶縁性を有する基板上に第1導電層、およ
び電着性樹脂層または保護層を積層してなり、上記記載
の製造方法によって製造された回路基板を組込んだ磁気
ヘッドサスペンションである。
【0014】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1乃至図10は本発明による回路基板の製造方
法の一実施の形態を示す図である。
【0015】まず本発明による回路基板の応用例である
磁気ヘッドサスペンションについて説明する。図1乃至
図3に示すように、回路基板を構成する磁気ヘッドサス
ペンション1は、20μm厚のSUS304製基板12
と、基板12上に絶縁層23を介して設けられた導電層
(Cu配線)22とからなっている。この磁気ヘッドサ
スペンション1は75μm厚のSUS304からなるロ
ードビーム11と、300μm厚のSUS304からな
るマウントプレート13と組合せられる。また磁気ヘッ
ドサスペンション1の先端にはスライダSが設けられて
いる。
【0016】次に図4および図5により磁気ヘッドサス
ペンション(回路基板)1について詳述する。図4に示
すように、磁気ヘッドサスペンション1は20μm厚の
SUS304製基板12と、基板12上に絶縁層23を
介して設けられた導電層(Cu配線)22とからなり、
導電層22は保護層20により覆われている。また絶縁
層23は電着性の接着材料からなっている。この電着性
接着材料は単体でSUS304製基板12と、Cu配線
22の電気的絶縁機能と接着機能を持たせている。この
場合、絶縁層23と、導電層22と、保護層20とによ
って配線部21が構成されている。
【0017】また、図4に示す回路基板1の代わりに、
図5に示すように基板12と、基板12上に絶縁層23
を介して設けられた導電層22と、保護層20とによっ
て回路基板1を構成してもよい。図5において絶縁層2
3は、絶縁機能を有する絶縁機能層23aと、接着機能
を有する接着機能層23bとからなる二層構成体からな
っている。
【0018】次に回路基板1を構成する各部の材料につ
いて説明する。
【0019】まず、基板12は、上述のようにSUS3
04製となっており、また導電層22はCu製となって
いる。
【0020】さらにまた、図5に示す絶縁機能層23a
は感光性樹脂または熱硬化性樹脂からなっている。
【0021】また図4に示す絶縁層23、および図5に
示す接着機能層23bは電着性樹脂材料からなってい
る。また保護層20も電着性樹脂材料からなっている。
【0022】ここで絶縁層23、接着機能層23bおよ
び保護層20を構成する電着性樹脂材料は、常温もしく
は加熱により粘着性を示すものであればよい。例えば、
使用する高分子としては、粘着性を有するアニオン性、
またはカチオン性の合成高分子樹脂をあげることができ
る。
【0023】具体的には、アニオン性合成高分子樹脂と
しては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化
油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これら
の樹脂の任意の組み合わせによる混合物として使用でき
る。さらに、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂
とを併用してもよい。また、カチオン性合成高分子樹脂
としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組み合わせ
による混合物として使用できる。さらに、上記のカチオ
ン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂
等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
【0024】また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与す
るためにロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着性
付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
【0025】上記高分子樹脂は、後述する製造方法にお
いてアルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶
化された状態、または水分散状態で電着法に供される。
すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛
性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性
合成高分子樹脂は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸等
の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された
高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈さ
れた状態で使用される。
【0026】また、上記の電着性樹脂材料の絶縁性、耐
熱性などの信頼性を高める目的で、上記高分子樹脂にブ
ロックイソシアネート等の熱重合性不飽和結合を有する
公知の熱硬化性樹脂を添加し、熱処理によって接着材料
を硬化させてもよい。もちろん、熱硬化性樹脂以外に
も、重合性不飽和結合(例えば、アクリル基、ビニル
基、アリル基等)を有する樹脂を添加しておけば、電子
線照射によって接着材料を硬化させることができる。
【0027】電着性樹脂材料としては、上記の他に、常
温もくしは加熱により接着性を示すものであれば、熱可
塑性樹脂はもちろんのこと、熱硬化性樹脂で硬化後粘着
性を失うような粘着性樹脂でもよい。また、塗膜の強度
を出すめたに有機あるいは無機のフィラーを含むもので
もよい。
【0028】また、電着性樹脂材料は、常温もしくは加
熱により流動性を示す電着性接着材料であってもよい。
【0029】次に磁気ヘッドサスペンション(回路基
板)1の製造方法について図6乃至図11を用いて説明
するまず、基板用の転写シート30を作製する。すなわ
ち図6(a)(b)(c)に示すように、導電性の転写
用基材31上にフォトレジストを塗布してフォトレジス
ト層32を形成し、所定のフォトマスクを用いてフォト
レジスト層32を密着露光し現像し、転写用基材31に
配線パターン用の露出部分31aを形成する。次に、導
電性転写用基材31の露出部分31a上にめっき法によ
りCu製の導電層22を形成する。その後、導電層22
上に電着法により絶縁層23を形成する。これにより、
基材31と、フォトレジスト層32と、導電層22と、
絶縁層23とを有する基板用の転写シート30が得られ
る。
【0030】転写シートの導電性転写用基材31として
は、少なくとも表面が導電性を有するものであればよ
く、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チ
タン等の導電性の金属板、あるいはガラス板、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、
アクリル等の樹脂フィルムの絶縁性基板の表面に導電性
薄膜を形成したものも使用することができる。また、転
写シートとしての耐刷性を高めるために、転写用基材3
1の表面にクロム、セラミックカニゼン(Kanige
n社製、Ni+P+SiC)等の薄膜を形成してもよ
い。
【0031】次にSUS304製の基板12を準備し、
図6(d)(e)に示すように、基板用の転写シート3
0を基板12上に絶縁層23が基板12に当接するよう
に圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレート圧着、
真空圧着等のいづれの方法でもよい。また、絶縁層23
が加熱により粘着性あるいは接着性を発現する場合に
は、熱圧着を行なうこともできる。その後、転写用基材
31とフォトレジスト層32を剥離して、基板12上に
絶縁層23と導電層22とからなる配線部21を転写す
る。このようにして回路基板1が得られる。
【0032】なお、図6(a)(b)(c)(d)
(e)に示す回路基板1の製造方法の代わりに、図7
(a)(b)(c)に示す製造方法によって回路基板1
を製造してもよい。
【0033】すなわち、まず図7(a)に示すように、
転写用基材31上にフォトレジスト層32と、導電層2
2と、接着機能層23bとを設けることにより基板用の
転写シート30を作製する。
【0034】次に、SUS304製基板12上に、感光
性樹脂41を塗布する。塗布方法は、インライン処理の
場合は、カーテンコート、ロールコート、スクリーンコ
ート等が使用でき、枚葉処理の場合は、スピンコート、
カーテンコート、スクリーンコート等が使用できる。感
光性樹脂41は塗布した後、乾燥される。
【0035】次に図7(b)に示すように、感光性樹脂
41が塗布された基板12上に転写シート30が圧着さ
れる。このようにして基板12に塗布された感光性樹脂
41上に接着機能層23bと導電層22が転写される。
【0036】次に接着機能層23bと導電層22とから
なる配線部21をマスクとして感光性樹脂41を露光、
現像することにより、配線部21の下方のみに絶縁機能
層23aを形成する。次に絶縁機能層23aと接着機能
層23bを硬化することにより、SUS304製基板1
2上に、絶縁機能層23aと接着機能層23bとからな
る絶縁層23を介して導電層22が設けられた回路基板
1が得られる(図7(c))。
【0037】また図7(a)(b)(c)に示す回路基
板1において、感光性樹脂41によって絶縁機能層23
aを設けた例を示したが、感光性樹脂41の代わりにワ
ニス状の熱硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、基板
12上にワニス状の熱硬化性樹脂を塗布する。塗布方法
も感光性樹脂を用いた場合と同様である。ワニス状の熱
硬化性樹脂を塗布した後、プリベークする。その後、転
写用シート30を基板12に圧着する。次に接着機能層
23bと導電層22とからなる配線部21を基板12上
に転写し、この配線部21をマスクとして熱硬化性樹脂
をウェットエッチングにより除去して、熱硬化性樹脂か
ら絶縁機能層23aを作製する。
【0038】次に回路基板1の導電層22上に保護層2
0を設ける工程について、図8乃至図10により説明す
る。
【0039】まず図8(a)に示すように、保護層用の
転写シート50を作製する。すなわち図8(a)に示す
ように、転写用基材51上に露出部分を残してフォトレ
ジスト層52を形成し、転写用基材51の露出部分に導
電層54を形成する。次に導電層54上に電着により電
着性樹脂により保護層20を形成し、このようにして保
護層用の転写シート50を作製する。
【0040】保護層用の転写シート50は、基板用の転
写シート30(図6(c))と同一の構成を有してお
り、この場合、保護層用の転写シート50のうち、転写
用基材51、フォトレジスト層52、導電層54および
保護層20は、各々基板用の転写シート30の転写用基
材31、フォトレジスト層32、導電層22および絶縁
層23に対応している。
【0041】次に基板12上に絶縁層(第1電着性樹脂
層)23を介して設けられた導電層(第1導電層)22
に対して、保護層用の転写シート50が第1導電層22
に保護層20が当接するように積層される。この場合、
基板用転写シート30と保護層用の転写シート50は同
一構成となっているので、第1導電層22と保護層20
の位置合せを容易に行なうことができる。
【0042】次に図8(b)に示すように、転写シート
50の転写用基材51およびフォトレジスト層52が剥
離され、第1導電層22上に保護層(第2電着樹脂層)
20および導電層(第2導電層)54が転写される。
【0043】その後第2導電層54がエッチングにより
除去され、このようにして回路基板の第1導電層22上
に保護層20が形成される(図8(c))。
【0044】なお、図8(a)(b)(c)に示す転写
シート50を用いる代わりに、図9に示すように保護層
用の転写シート60として、転写用基材61上に電着性
樹脂からなる保護層20を設けたものを使用してもよ
い。この場合は、基板12上に絶縁層(第1電着樹脂
層)23を介して設けられた導電層(第1導電層)22
上に転写シート60の保護層20を転写する。
【0045】また図10に示すように、基板12上に絶
縁層23を介して導電層22を設けてなる回路基板1を
電着樹脂液71が収納された電着槽70内に入れ、電着
樹脂液71中の電着樹脂を電着により導電層22上に付
着させてもよい。このような電着により、基板12上に
絶縁層(第1電着樹脂層)23を介して設けられて導電
層(第1導電層)22上に保護層(第2電着樹脂層)2
0を設けることができる。
【0046】なお、上記各実施の形態において、導電層
22を一部保護層20から露出させ、この露出された導
電層22にNi/Auめっきを施してもよい。これは、
磁気ヘッドのスライダSと磁気ヘッドサスペンション1
の電気的接続と、磁気ヘッドサスペンション1から制御
側への電気的接続のための表面処理であり、Ni/Au
めっきに限ったものではない。またこのようにSUS3
04製基板12上に絶縁層23と導電層22を形成した
後、任意の形状にするためにSUS304製基板12を
エッチングしてもよく、この基板12は予めエッチング
により形状を定めてもよい。第2の実施の形態 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0047】まず図12により磁気ヘッドサスペンショ
ン(回路基板)101について詳述する。図12に示す
ように、磁気ヘッドサスペンション101は20μm厚
の絶縁性を有する基板112と、基板112上に設けら
れた導電層(Cu配線)122とからなり、導電層12
2は保護層120により覆われている。
【0048】この場合、導電層122と、保護層120
とによって配線部21が構成されている。
【0049】次に回路基板101を構成する各部の材料
について説明する。
【0050】まず、基板112は、上述のように絶縁性
を有し、また導電層122はCu製となっている。
【0051】ここで保護層120を構成する電着性樹脂
材料は、常温もしくは加熱により粘着性を示すものであ
ればよい。例えば、使用する高分子としては、粘着性を
有するアニオン性、またはカチオン性の合成高分子樹脂
をあげることができる。
【0052】具体的には、アニオン性合成高分子樹脂と
しては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化
油樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これら
の樹脂の任意の組み合わせによる混合物として使用でき
る。さらに、上記のアニオン性合成高分子樹脂とメラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂
とを併用してもよい。また、カチオン性合成高分子樹脂
としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組み合わせ
による混合物として使用できる。さらに、上記のカチオ
ン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂
等の架橋性樹脂とを併用してもよい。
【0053】また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与す
るためにロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着性
付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
【0054】上記高分子樹脂は、後述する製造方法にお
いてアルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶
化された状態、または水分散状態で電着法に供される。
すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛
性カリ等の無機アルカリで中和する。また、カチオン性
合成高分子樹脂は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸等
の酸で中和する。そして、中和された水に可溶化された
高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈さ
れた状態で使用される。
【0055】また、上記の電着性樹脂材料の絶縁性、耐
熱性などの信頼性を高める目的で、上記高分子樹脂にブ
ロックイソシアネート等の熱重合性不飽和結合を有する
公知の熱硬化性樹脂を添加し、熱処理によって接着材料
を硬化させてもよい。もちろん、熱硬化性樹脂以外に
も、重合性不飽和結合(例えば、アクリル基、ビニル
基、アリル基等)を有する樹脂を添加しておけば、電子
線照射によって接着材料を硬化させることができる。
【0056】電着性樹脂材料としては、上記の他に、常
温もくしは加熱により接着性を示すものであれば、熱可
塑性樹脂はもちろんのこと、熱硬化性樹脂で硬化後粘着
性を失うような粘着性樹脂でもよい。また、塗膜の強度
を出すめたに有機あるいは無機のフィラーを含むもので
もよい。
【0057】また、電着性樹脂材料は、常温もしくは加
熱により流動性を示す電着性接着材料であってもよい。
【0058】次に磁気ヘッドサスペンション(回路基
板)1の製造方法について図13乃至図17を用いて説
明するまず、基板用の転写シート130を作製する。す
なわち図13(a)(b)(c)に示すように、導電性
の基板用の転写用基材131上にフォトレジストを塗布
してフォトレジスト層132を形成し、所定のフォトマ
スクを用いてフォトレジスト層132を密着露光し現像
し、転写用基材131に配線パターン用の露出部分13
1aを形成する。次に、導電性転写用基材131の露出
部分131a上にめっき法によりCu製の導電層122
を形成する。これにより、基材131と、フォトレジス
ト層132と、導電層122とを有する基板用の転写シ
ート130が得られる。
【0059】転写シートの導電性転写用基材131とし
ては、少なくとも表面が導電性を有するものであればよ
く、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、チ
タン等の導電性の金属板、あるいはガラス板、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレン、
アクリル等の樹脂フィルムの絶縁性基板の表面に導電性
薄膜を形成したものも使用することができる。また、転
写シートとしての耐刷性を高めるために、転写用基材1
31の表面にクロム、セラミックカニゼン(Kanig
en社製、Ni+P+SiC)等の薄膜を形成してもよ
い。
【0060】次に絶縁性を有する基板112を準備し、
図13(c)(d)に示すように、基板用の転写シート
130を基板112上に導電層122が基板112に当
接するように圧着する。この圧着は、ローラ圧着、プレ
ート圧着、真空圧着等のいづれの方法でもよい。その
後、転写用基材131とフォトレジスト層132を剥離
して、基板112上に導電層122からなる配線部12
1を転写する。このようにして回路基板101が得られ
る。
【0061】次に回路基板101の導電層122上に保
護層120を設ける工程について、図14乃至図16に
より説明する。
【0062】まず図14(a)に示すように、保護層用
の転写シート150を作製する。すなわち図14(a)
に示すように、保護層用の転写用基材151上に露出部
分を残してフォトレジスト層152を形成し、転写用基
材151の露出部分に導電層154を形成する。次に導
電層154上に電着により電着性樹脂により保護層12
0を形成し、このようにして保護層用の転写シート15
0を作製する。
【0063】次に絶縁性を有する基板112上に設けら
れた導電層(第1導電層)122に対して、保護層用の
転写シート150が第1導電層122に保護層120が
当接するように積層される。
【0064】次に図14(b)に示すように、転写シー
ト150の転写用基材151およびフォトレジスト層1
52が剥離され、第1導電層122上に保護層(電着樹
脂層)120および導電層(第2導電層)154が転写
される。
【0065】その後第2導電層154がエッチングによ
り除去され、このようにして回路基板の第1導電層12
2上に保護層120が形成される(図14(c))。
【0066】なお、図14(a)(b)(c)に示す転
写シート150を用いる代わりに、図15に示すように
保護層用の転写シート160として、転写用基材161
上に電着性樹脂からなる保護層120を設けたものを使
用してもよい。この場合は、基板112上に設けられた
導電層(第1導電層)122上に転写シート160の保
護層120を転写する。
【0067】また図16に示すように、基板112上に
導電層122を設けてなる回路基板101を電着樹脂液
171が収納された電着槽170内に入れ、電着樹脂液
171中の電着樹脂を電着により導電層122上に付着
させてもよい。このような電着により、基板112上に
設けられた導電層(第1導電層)122上に保護層(電
着樹脂層)120を設けることができる。
【0068】なお、上記各実施の形態において、導電層
122を一部保護層120から露出させ、この露出され
た導電層122にNi/Auめっきを施してもよい。こ
れは、磁気ヘッドのスライダS(図1および図2参照)
と磁気ヘッドサスペンション101の電気的接続と、磁
気ヘッドサスペンション101から制御側への電気的接
続のための表面処理であり、Ni/Auめっきに限った
ものではない。
【0069】
【実施例】第1の具体的実施例 次に本発明の具体的実施例について説明する。第1の具
体的実施例は図1乃至図11に示す第1の実施の形態に
対応している。まず以下のようにして保護層用転写シー
ト150を作製した。すなわちSUS304転写用基材
151上に東京応化製レジスト「OMR−85」を乾燥
後1μmに塗布し、露光量60mJ/cm2 、指定現像
液にて現像し、ポストベーク145℃、30minによ
りフォトレジスト層52を形成した。
【0070】次に硫酸銅メッキにより10μmの導電層
54を形成した。このときの電解銅メッキの液組成物及
び条件は以下のとおりである。 硫酸銅(5水塩) 75 g/l 硫酸 190 g/l 塩素イオン 60mg/l スルカップAC−90M 2.5ml 温度 30℃ 電流密度 2A/dm2 時間 24分 次に調整された電着塗料を2リッターの硝子セル中に入
れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4c
m、電圧30vで120secで電着してウェット膜厚
20μmの塗膜を得た。その後150℃、3minで乾
燥し、乾燥膜厚10μmの保護層120を得た。このよ
うにして保護層用転写シート50を作製した。
【0071】この場合、電着塗料としては、電着ポリイ
ミドを調整して用いた。電着ポリイミドの仕込みモノマ
ーおよび合成法は表1のとおりである。
【0072】
【表1】 また電着ポリイミドの調整は以下のとおりとした。
【0073】すなわち固形分濃度25%の電着ポリイミ
ド溶液100gにNMP300g、フェノキシエタノー
ル50g、アニソール50gを加え攪拌した。さらに中
和剤としてトリエタノールアミンを2g添加し、十分に
攪拌した。ついで、水50gを加え更に攪拌を一昼夜行
ない、電着液とした。
【0074】一方、予め保護層用転写シート50と略同
一の方法で基板用転写シート30を作製しておき、この
基板用転写シート30を用いて基板12上に絶縁層23
と導電層(第1導電層)22を形成しておく。
【0075】次に基板12上の絶縁層23と第1導電層
22に対して、保護層用転写シート50を導電層22上
に保護層20が当接するよう積層する。この場合、保護
層用転写シート50を200℃に加熱し、1分間、1k
g/cm2 にて熱転写する。
【0076】次に常温に戻してから転写シート50の転
写用基材51とフォトレジスト層52を剥離する。
【0077】次に300℃で、N2 雰囲気中で1hr加
熱硬化処理を行なった。加熱処理により膜厚は10μm
から5μmになった。このようにして基板12上に絶縁
層23、第1導電層22、保護層20および第2導電層
54が順次設けられた。
【0078】次に保護層20上の第2導電層54をエッ
チングにより除去し、このようにして回路基板1を得
た。
【0079】第2導電層54のエッチングを行なう際、
以下のような保護レジスト膜を用いた。
【0080】ポジ型レジストAR900(東京応化製)
で製版し、スピンコート1600rpm、400mj/
cm2 指定現像により得られた。
【0081】またエッチング液は塩化第2鉄48ポー
メ、50℃、ディッピングを用いた。
【0082】以上のようにして得られた回路基板1の第
1導電層のパターンは、均一に形成されていた。また、
保護層20を硬化し、その特性を確認したところ、35
0℃で5%以内の熱重量変化であった。また10μmの
塗膜の保護層20両面に金属電極を形成し、80℃、8
5%、の環境下で30vのバイアスを印可し、抵抗値を
測定したところ、体積抵抗で1013Ω/cm以上を10
00時間以上確保できていた。
【0083】次に基板12上に絶縁層23を介して第1
導電層22を設けてなる回路基板1に対して電極リード
80を接続した。この例について、図11により説明す
る。
【0084】まず第1導電層22のパット部の位置に合
わせ、絶縁性のカバー81を付けた電極リード80を接
続した。次に第1導電層22上に以上のような電着によ
り保護層20を形成した。
【0085】すなわち基板12を調整された電着塗料
(2リッター)中に入れ、スターラーで攪拌しながら、
温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで
電着ウェット膜厚20μmの塗膜を得た。
【0086】150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚1
0μmの保護層20を得た。このものを300℃で、N
2 雰囲気中で1hr加熱処理を行なった。膜厚は10μ
mから5μmに変化した。第2の具体的実施例 次に第2の具体的実施例について説明する。第2の具体
的実施例は、図12乃至図17に示す第2の実施の形態
について対応している。まず以下のようにして保護層用
転写シート150を作製した。すなわちSUS304転
写用基材151上に東京応化製レジスト「OMR−8
5」を乾燥後1μmに塗布し、露光量60mJ/c
2 、指定現像液にて現像し、ポストベーク145℃、
30minによりフォトレジスト層152を形成した。
【0087】次に硫酸銅メッキにより10μmの導電層
154を形成した。このときの電解銅メッキの液組成物
及び条件は以下のとおりである。 硫酸銅(5水塩) 75 g/l 硫酸 190 g/l 塩素イオン 60mg/l スルカップAC−90M 2.5ml 温度 30℃ 電流密度 2A/dm2 時間 24分 次に調整された電着塗料を2リッターの硝子セル中に入
れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4c
m、電圧30vで120secで電着してウェット膜厚
20μmの塗膜を得た。その後150℃、3minで乾
燥し、乾燥膜厚10μmの保護層20を得た。このよう
にして保護層用転写シート150を作製した。
【0088】この場合、電着塗料としては、電着ポリイ
ミドを調整して用いた。電着ポリイミドの仕込みモノマ
ーおよび合成法は表1に示すとおりである。
【0089】また電着ポリイミドの調整は以下のとおり
とした。
【0090】すなわち固形分濃度25%の電着ポリイミ
ド溶液100gにNMP300g、フェノキシエタノー
ル50g、アニソール50gを加え攪拌した。さらに中
和剤としてトリエタノールアミンを2g添加し、十分に
攪拌した。ついで、水50gを加え更に攪拌を一昼夜行
ない、電着液とした。
【0091】一方、予め転写用基材131上にフォトレ
ジスト層132と導電層122を設けて基板用転写シー
ト130を作製しておき、この基板用転写シート130
を絶縁性を有する基板(プリプレグ、東芝ケミカル株式
会社製TCL556)112上に積層する。次に基板1
12に対して基板用転写シート130を150℃、10
kg/cm2で圧着し、常温に戻してから基板用転写シート
130の転写用基材131とフォトレジスト層132を
剥離する。このようにして基板112上に導電層(第1
導電層)122を形成しておく。ところで、基板用転写
シート130を作製する場合、フォトレジスト層132
と導電層122は保護層用転写シート150と略同様に
作製される。
【0092】次に基板112上の第1導電層122に対
して、保護層用転写シート50を導電層122上に保護
層120が当接するよう積層する。この場合、保護層用
転写シート150を200℃に加熱し、1分間、1kg
/cm2 にて熱転写する。
【0093】次に常温に戻してから転写シート150の
転写用基材151とフォトレジスト層152を剥離す
る。
【0094】次に300℃で、N2 雰囲気中で1hr加
熱硬化処理を行なった。加熱処理により膜厚は10μm
から5μmになった。このようにして基板112上に第
1導電層122、保護層120および第2導電層154
が順次設けられた。
【0095】次に保護層120上の第2導電層154を
エッチングにより除去し、このようにして回路基板10
1を得た。
【0096】第2導電層154のエッチングを行なう
際、以下のような保護レジスト膜を用いた。
【0097】ポジ型レジストAR900(東京応化製)
で製版し、スピンコート1600rpm、400mj/
cm2 指定現像により得られた。
【0098】またエッチング液は塩化第2鉄48ポー
メ、50℃、ディッピングを用いた。
【0099】以上のようにして得られた回路基板101
の第1導電層122のパターンは、均一に形成されてい
た。また、保護層120を硬化し、その特性を確認した
ところ、350℃で5%以内の熱重量変化であった。ま
た10μmの塗膜の保護層120両面に金属電極を形成
し、80℃、85%、の環境下で30vのバイアスを印
可し、抵抗値を測定したところ、体積抵抗で1013Ω/
cm以上を1000時間以上確保できていた。
【0100】次に基板112上に第1導電層122を設
けてなる回路基板101に対して電極リード80を接続
した。この例について、図17により説明する。
【0101】まず第1導電層122のパット部の位置に
合わせ、絶縁性のカバー181を付けた電極リード18
0を接続した。次に第1導電層122上に以上のような
電着により保護層120を形成した。
【0102】すなわち基板112を調整された電着塗料
(2リッター)中に入れ、スターラーで攪拌しながら、
温度25℃、極間4cm、電圧30vで120secで
電着ウェット膜厚20μmの塗膜を得た。
【0103】150℃、3minで乾燥し、乾燥膜厚1
0μmの保護層20を得た。このものを300℃で、N
2 雰囲気中で1hr加熱処理を行なった。膜厚は10μ
mから5μmに変化した。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基板上
に第1電着性樹脂を介して設けられた第1導電層に、第
2電着層すなわち保護層を精度良く簡単に設けることが
できる。このため保護層を有する回路基板の製造を容易
に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回路基板の製造方法により得られ
る磁気ヘッドサスペンションを示す平面図
【図2】磁気ヘッドサスペンションの側面図。
【図3】磁気ヘッドサスペンションの斜視図。
【図4】回路基板の側面図。
【図5】他の回路基板の側面図。
【図6】回路基板の製造方法を示す図。
【図7】他の回路基板の製造方法を示す図。
【図8】保護層の形成工程を示す図。
【図9】他の保護層の形成工程を示す図。
【図10】他の保護層の形成工程を示す図。
【図11】導電層に電極リードを接続する状態を示す
図。
【図12】回路基板の側面図。
【図13】回路基板の製造方法を示す図。
【図14】保護層の形成工程を示す図。
【図15】他の保護層の形成工程を示す図。
【図16】他の保護層の形成工程を示す図。
【図17】導電層に電極リードを接続する状態を示す
図。
【符号の説明】
1、101 回路基板 12、112 基板 22、122 第1導電層 23 絶縁層 30、130 基板用転写シート 31、51、61、131、151、161 転写用基
材 32、52、132、152 フォトレジスト層 50、60、150、160 保護層用転写シート 54、154 第2導電層

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導
    電層を設ける工程と、 保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層
    を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分
    に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により
    第2電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製
    する工程と、 第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板に
    対して保護層用の転写シートを積層する工程と、 保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離
    して、基板上に第1電着性樹脂層を介して設けられた第
    1導電層上に、第2電着性樹脂層と第2導電層を設ける
    工程と、 第2導電層を除去することにより、基板上に第1電着性
    樹脂層、第1導電層および第2電着性樹脂層を積層して
    なる回路基板を得る工程と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび第2電着性樹脂層を積層してなり、 請求項1記載の製造方法によって製造された回路基板。
  3. 【請求項3】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび第2電着性樹脂層を積層してなり、 請求項1記載の製造方法によって製造された回路基板を
    組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  4. 【請求項4】基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導
    電層を設ける工程と、 保護層用の転写用基材上に保護層を設けることにより保
    護層用の転写シートを作製する工程と、 第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板に
    対して転写シートを積層する工程と、 保護層用の転写シートの転写用基材を剥離して、基板上
    に第1電着性樹脂層を介して設けられた第1導電層上
    に、保護層を設けることにより、基板上に第1電着性樹
    脂層、第1導電層および保護層を積層してなる回路基板
    を得る工程と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  5. 【請求項5】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび保護層を積層してなり、 請求項4記載の製造方法によって製造された回路基板。
  6. 【請求項6】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび保護層を積層してなり、 請求項4記載の製造方法によって製造された回路基板を
    組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  7. 【請求項7】基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導
    電層を設ける工程と、 第1電着性樹脂層および第1導電層が設けられた基板を
    第2電着性樹脂を含む電着液中に入れて電着を施し、第
    1導電層上に第2電着性樹脂層を設けることにより、基
    板上に第1電着性樹脂層、第1導電層および第2電着性
    樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび第2電着性樹脂層を積層してなり、 請求項7記載の製造方法によって製造された回路基板。
  9. 【請求項9】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層お
    よび第2電着性樹脂層を積層してなり、 請求項7記載の製造方法によって製造された回路基板を
    組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  10. 【請求項10】基板上に第1電着性樹脂層を介して第1
    導電層を設ける工程は、 基板用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を
    形成するとともに、基板用の転写用基材の露出部分に第
    1導電層を形成し、この第1導電層上に電着により第1
    電着性樹脂層を設けて基板用の転写シートを作成する工
    程と、 基板に対して基板用の転写シートを積層する工程と、 基板用の転写シートの転写用基板とレジスト層を剥離し
    て、基板上に第1電着性樹脂層を介して第1導電層を設
    ける工程と、 を有することを特徴とする請求項1、4または7のいず
    れか記載の回路基板の製造方法。
  11. 【請求項11】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層
    および第2電着性樹脂層または保護層を積層してなり、 請求項10記載の製造方法によって製造された回路基
    板。
  12. 【請求項12】基板上に第1電着性樹脂層、第1導電層
    および第2電着性樹脂層または保護層を積層してなり、 請求項10記載の製造方法によって製造された回路基板
    を組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  13. 【請求項13】絶縁性を有する基板上に第1導電層を設
    ける工程と、 保護層用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層
    を形成するとともに、保護層用の転写用基材の露出部分
    に第2導電層を形成し、この第2導電層上に電着により
    第2電着性樹脂層を設けて保護層用の転写シートを作製
    する工程と、 第1導電層が設けられた基板に対して保護層用の転写シ
    ートを積層する工程と、 保護層用の転写シートの転写用基材とレジスト層を剥離
    して、基板上に設けられた第1導電層上に、電着性樹脂
    層と第2導電層を設ける工程と、 第2導電層を除去することにより、基板上に第1導電層
    および電着性樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程
    と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  14. 【請求項14】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び電着性樹脂層を積層してなり、 請求項13記載の製造方法によって製造された回路基
    板。
  15. 【請求項15】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び電着性樹脂層を積層してなり、 請求項13記載の製造方法によって製造された回路基板
    を組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  16. 【請求項16】絶縁性を有する基板上に第1導電層を設
    ける工程と、 保護層用の転写用基材上に保護層を設けることにより保
    護層用の転写シートを作製する工程と、 第1導電層が設けられた基板に対して転写シートを積層
    する工程と、 保護層用の転写シートの転写用基材を剥離して、基板上
    に設けられた第1導電層上に、保護層を設けることによ
    り、基板上に第1導電層および保護層を積層してなる回
    路基板を得る工程と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  17. 【請求項17】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び保護層を積層してなり、 請求項16記載の製造方法によって製造された回路基
    板。
  18. 【請求項18】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び保護層を積層してなり、 請求項16記載の製造方法によって製造された回路基板
    を組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  19. 【請求項19】絶縁性を有する基板上に第1導電層を設
    ける工程と、 第1導電層が設けられた基板を電着性樹脂を含む電着液
    中に入れて電着を施し、第1導電層上に電着性樹脂層を
    設けることにより、基板上に、第1導電層および電着性
    樹脂層を積層してなる回路基板を得る工程と、 を備えたことを特徴とする回路基板の製造方法。
  20. 【請求項20】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び電着性樹脂層を積層してなり、 請求項19記載の製造方法によって製造された回路基
    板。
  21. 【請求項21】絶縁性を有する基板上に第1導電層およ
    び電着性樹脂層を積層してなり、 請求項19記載の製造方法によって製造された回路基板
    を組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
  22. 【請求項22】絶縁性を有する基板上に第1導電層を設
    ける工程は、 基板用の転写用基材上に露出部分を残してレジスト層を
    形成するとともに、基板用の転写用基材の露出部分に第
    1導電層を形成して基板用の転写シートを作成する工程
    と、基板に対して基板用の転写シートを積層する工程
    と、 基板用の転写シートの転写用基板とレジスト層を剥離し
    て、基板上に第1導電層を設ける工程と、 を有することを特徴とする請求項13、16または19
    のいずれか記載の回路基板の製造方法。
  23. 【請求項23】絶縁性を有する基板上に第1導電層、お
    よび電着性樹脂層または保護層を積層してなり、 請求項22記載の製造方法によって製造された回路基
    板。
  24. 【請求項24】絶縁性を有する基板上に第1導電層、お
    よび電着性樹脂層または保護層を積層してなり、 請求項22記載の製造方法によって製造された回路基板
    を組込んだ磁気ヘッドサスペンション。
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JP2015508571A (ja) * 2011-12-23 2015-03-19 インクテック カンパニー リミテッド 金属印刷回路基板の製造方法

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