JP2001077513A - 被膜配線の形成方法と配線基板 - Google Patents

被膜配線の形成方法と配線基板

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JP2001077513A
JP2001077513A JP25215399A JP25215399A JP2001077513A JP 2001077513 A JP2001077513 A JP 2001077513A JP 25215399 A JP25215399 A JP 25215399A JP 25215399 A JP25215399 A JP 25215399A JP 2001077513 A JP2001077513 A JP 2001077513A
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Mitsuo Mikami
光夫 三上
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 配線層を転写により作製する配線基板で、配
線の狭ピッチ化がさらに進んだ場合においても、層間お
よび配線間の絶縁信頼性を確保する。 【解決手段】 基材110の導電性を有する一面に、所
定形状の開口を有する耐めっき性のレジスト膜120を
設け、レジスト膜の開口から露出した、基材の一面の所
定領域に、配線の主材となる導電性層130をめっき形
成し、めっき形成された導電性層の露出部に第1のバリ
ア性金属層140をめっき形成し、導電性層と第1のバ
リア性金属層からなる転写層を形成する転写版形成工程
と、配線用基板(ワーク、被転写基板)180の一面に
設けられた絶縁樹脂層160上に、導電性層と第1のバ
リア性金属層からなる転写層を熱圧着し、転写層のみを
配線用基板に残し、転写版の基材を剥離する、転写工程
と、配線用基板上の転写層の露出した表面部に、第2の
バリア性金属層170をめっき形成するめっき工程とを
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線の主材となる
導電性層の表面部をバリア性金属層の被膜で覆った状態
で配線部を配線用基板に形成する、被膜配線の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の、ますます高集積
化、高性能化と伴行して、CSP(Chip Scal
e Package)に代表される半導体パッケージの
小型化、ベアチップ実装等、高密度実装化が急速に進め
られている。これに伴い、プリント配線板については、
片面配線から両面配線へ、さらに多層化、薄型軽量化へ
と進められている。プリント基板の製造方法としては、
主に、サブトラクティブ法とアディティブ法が用いられ
ている。サブトラクティブ法は、フォトリソグラフィー
技術を用い、銅張積層板をエッチングして導体回路を形
成する方法で、技術的には完成されており、低コストで
あるが、銅箔の厚さ等による制約があるため、微細配線
の形成は困難である。アディティブ法では、基板上に触
媒を付与した後、めっきレジストを形成し、無電解めっ
き処理をすることにより、導体回路を形成する方法で、
微細配線の形成は可能であるが、コストが高く、信頼性
に難がある。多層基板の場合には、上記の方法で作製し
た片面あるいは両面のプリント配線板をプリプレグと共
に加圧積層する方法が用いられ、層間接続はスルーホー
ルを形成し、内部に無電解めっき等を施すことにより行
っている。上記サブトラクティブ法により作製された多
層プリント配線板を用いた多層基板の作製は、両面プリ
ント配線板のスルーホールの精度とエッチング加工の微
細化に限界があり、製造コストの低減が困難であった。
【0003】一方、近年では上述のような要求を満たす
ものとして、コア基板の表面に絶縁層を介して回路パタ
ーンを積み上げて形成するビルトアップ方式の多層プリ
ント配線板が注目されている。このビルトアップ方式の
多層プリント配線板では、一括で多層化した後、スルー
ホールにより各層の導体回路が接続される従来の多層プ
リント配線板に比べ、スルーホールによって配線が邪魔
されないため配線ピッチが同じでも配線密度が向上す
る。しかしながら、中間工程での不良の修正が困難であ
り、プロセスが煩雑であるため、製造コストの低減に支
障を来していた。
【0004】このような中、転写版に選択めっき形成さ
れた配線層を、単層ないし複数層、順次、絶縁性樹脂層
を介して配線用基板に転写形成して配線基板を形成しよ
うとする試みが、行われるようになってきた。特開平8
−116172号公報には、転写版に配線層となる導電
性層を選択めっき形成した後、導電性層上に、電着によ
り絶縁性樹脂層を形成し、電着形成された絶縁性樹脂層
を介して、配線用基板に配線層を形成する方法が記載さ
れている。尚、めっき形成された配線層を配線用基板
(ベース基板とも言う)に固定し、且つ、重なる配線間
を絶縁する絶縁層(接着剤層)の形成方法としては、他
に、印刷方法、感光性樹脂のフォトリソグラフィー法等
が知られている。印刷方法は、スクリーン印刷等の印刷
によるもので、量産的で、安価となるが、精度的に問題
があり、高精度高密度の配線形成には適していない。感
光性樹脂のフォトリソグラフィー法の場合、高精度高密
度の配線形成には適しているが、工程が長く、作業時間
が長く、且つ複雑で、設備も高価となり、結果コスト高
となる。
【0005】上記転写による配線基板の製造方法は、配
線の微細化に対応でき、配線を多層化でき、且つ、量産
性に優れている。この方法の場合、配線層となる導電性
層としては銅めっき層が用いられるのが普通であるが、
その場合、銅イオンが絶縁性樹脂層中に溶出する、いわ
ゆるイオンマイグレーションが発生し、高温度、高湿度
の環境で該絶縁性樹脂層が10μm程度と比較的薄い場
合には層間絶縁不良を起こ可能性がある。尚、この方法
において、銅めっき層と絶縁性樹脂層との間に0.5〜
1.0μm程度の薄いニッケルめっきを施すこともある
が、配線ピッチの微細可に伴って層間のみならず線間の
耐イオンマイグレーション性も要求されるようになって
きており、この対応が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、配線の
微細化に対応でき、配線を多層化でき、且つ、量産性に
優れている転写による作製される配線基板においては、
配線の狭ピッチ化がさらに進んだ場合においても、配線
層間および同一配線層の配線間の絶縁信頼性が確保でき
る耐イオンマイグレーション性を有するものが求められ
ている。本発明は、これに対応するもので、配線層を転
写により作製する配線基板で、配線の狭ピッチ化がさら
に進んだ場合においても、配線層間および同一配線層の
配線間の絶縁信頼性が確保できる耐イオンマイグレーシ
ョン性を有する配線基板を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の被膜配線の形成
方法は、配線の主材となる導電性層の表面部をバリア性
金属層の被膜で覆った状態で配線部を配線用基板に形成
する、被膜配線の形成方法であって、順に、(a)基材
の導電性を有する一面に、所定形状の開口を有する耐め
っき性のレジスト膜を設け、レジスト膜の開口から露出
した、前記基材の一面の所定領域に、配線の主材となる
導電性層をめっき形成し、めっき形成された導電性層の
露出部に第1のバリア性金属層をめっき形成し、導電性
層と第1のバリア性金属層からなる転写層を形成する転
写版形成工程と、(b)配線用基板(ワーク、被転写基
板とも言う)の一面に設けられた絶縁樹脂層上に、導電
性層と第1のバリア性金属層からなる転写層を熱圧着
し、転写層のみを配線用基板に残し、転写版の基材を剥
離する、転写工程と、(c)配線用基板上の転写層の露
出した表面部に、第2のバリア性金属層をめっき形成す
るめっき工程とを行うことを特徴とするものである。そ
して、上記において、配線の主材となる導電性層を銅め
っき層ないし銅合金めっき層とすることを特徴とするも
のである。そしてまた、上記において、第1のバリア性
金属層の厚さを、転写工程における熱圧着時に転写層が
絶縁樹脂層に沈み込む、しずみ込み量よりも大きくして
おくことを特徴とするものである。また、上記におい
て、第1のバリア性金属層を、ニッケルないしニッケル
合金とすることを特徴とするものである。また、上記に
おいて、絶縁樹脂層がポリイミド樹脂であることを特徴
とするものであり、該ポリイミド樹脂が、熱可塑性であ
ることを特徴とするものである。あるいは、上記におけ
るポリイミド樹脂が、熱硬化性であることを特徴とする
ものである。また、上記において、第2のバリア性金属
層のめっき形成を無電解めっきにより行うことを特徴と
するものであり、該無電解めっきが無電解ニッケルめっ
きであることを特徴とするものである。あるいはまた、
上記において、第2のバリア性金属層のめっき形成を電
解めっきにより行うことを特徴とするものである。尚、
ここでは、配線の主材となる導電性層のイオンマイグレ
ーションに対してバリア性のある層をバリア性金属層と
言っており、配線の主材となる導電性層としては、銅め
っき層、銅合金めっき層、銀等のイオンマイグレーショ
ンを起こすめっき層を、対象としている。また、配線用
基板とは、配線を転写形成するための被転写基板で、す
でに配線を1層以上形成している基板も含まれる。
【0008】本発明の配線基板は、上記本発明の被膜配
線の形成方法により、配線用基板上に、配線の主材とな
る導電性層の表面部をバリア性金属層の被膜で覆った状
態で配線部を形成したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明の被膜配線の形成方法は、このような構
成にすることにより、配線層を転写により作製する配線
基板で、配線の狭ピッチ化がさらに進んだ場合において
も、配線層間および同一配線層の配線間の絶縁信頼性が
確保できる耐イオンマイグレーション性を有する配線基
板の製造方法の提供を可能とするものである。具体的に
は、順に、(a)基材の導電性を有する一面に、所定形
状の開口を有する耐めっき性のレジスト膜を設け、レジ
スト膜の開口から露出した、前記基材の一面の所定領域
に、配線の主材となる導電性層をめっき形成し、めっき
形成された導電性層の露出部に第1のバリア性金属層を
めっき形成し、導電性層と第1のバリア性金属層からな
る転写層を形成する転写版形成工程と、(b)配線用基
板(ワーク、被転写基板)の一面に設けられた絶縁樹脂
層上に、導電性層と第1のバリア性金属層からなる転写
層を熱圧着し、転写層のみを配線用基板に残し、転写版
の基材を剥離する、転写工程と、(c)配線用基板上の
転写層の露出した表面部に、第2のバリア性金属層をめ
っき形成するめっき工程と、を行うことにより、これを
達成している。即ち、配線の主材となる導電性層を、第
1のバリア性金属層と第2のバリア性金属層とで、その
表面を覆うことにより、耐イオンマイグレーション性に
優れたものとしている。
【0010】本発明の配線基板は、上記のように構成す
ることにより、配線の主材となる導電性層を、第1のバ
リア性金属層と第2のバリア性金属層とで、その表面を
覆った状態で、配線部を形成することができ、配線の狭
ピッチ化にも対応できるものとしている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の被膜配線の形成方法の実
施の形態例の1例を、図1を基に説明する。図1は本発
明の被膜配線の形成方法の実施の形態の1例の工程図
で、図1(g)は本発明の配線基板の実施の形態の1例
の一断面図である。尚、図1は配線部形成箇所の一断面
を示したものである。図1中、110は導電性基材(転
写版のベース基材)、120はレジスト膜(単にレジス
トないしレジストパターンとも言う)、125は開口、
130は導電性層(めっき層)、140は第1のバリア
性金属層、150は転写版、155は転写層、160は
絶縁樹脂層、170は第2のバリア性金属層、180は
配線用基板である。本例は、配線の主材となる導電性層
130の表面部をバリア性金属層の被膜で覆った状態で
配線部を1層、配線用基板180上に形成する、被膜配
線の形成方法である。これにより、導電性層130のイ
オンマイグレーションを防止し、隣接する配線間の絶縁
性を良くしようとするものである。
【0012】以下、図1に基づいて本例を説明する。先
ず、配線部の主材となる導電性層130を転写版150
に形成する。導電性基材110を用意し(図1
(a))、その一面に、形成する配線に合わせ、所定形
状の開口125を有するレジスト層120を設ける。
(図1(b))導電性基材110としては、銅、ニッケ
ル、ステンレス、鉄、アルミニウム、42アロイ、スパ
ッタリング等でメタライズした樹脂フィルム等、少なく
とも表面が導電性を有するものであれば特に制限はない
が、銅、ニッケル、クロム、金、銀、白金、錫、はんだ
等の主な電解めっきが析出可能で、該導電性基材から析
出金属を剥離することが容易なもので、具体的にはステ
ンレス材、チタン材等が挙げられる。このような導電性
基材の厚さは特に制限されないが、通常、0.05mm
〜1.0mm程度が好ましい。また、後述するように、
転写により導電性基材110の表面形状が反映される導
電性層130が得られるため、導電性基板の表面粗さ
(中心線平均粗さ)Ra=0.01〜0.3μm(触針
式表面粗さ計で測定)と比較的小さい粗度を有すること
が好ましく、特に、Ra=0.01〜0.15μmの粗
度を有する導電性基板が好ましい。レジスト膜120と
しては、耐めっき性のもので処理性の良いものであれば
良く、特にに限定されない。レジスト層120の形成
は、フォトレジスト法、スクリーン印刷法、精密ディス
ペンス法等、特に限定されないが、微細パターンを形成
することから、フォトレジスト法が好ましい。処理に、
耐酸性、耐溶剤性、耐電圧性等が要求される場合には、
フォトレジストの使用が特に好ましい。フォトレジスト
としては、環化ゴム系レジスト、熱硬化性を有するアク
リル系レジスト、メラミン系レジスト、水溶性コロイド
系フォトレジスト等が使用できる。尚、必要に応じ、め
っき前処理を行っておく。
【0013】次いで、レジスト膜120の開口125か
ら露出した、前記導電性基材110の一面の所定領域
に、配線の主材となる導電性層130を電解めっき(電
着とも言う)によりめっき形成する。(図1(c)) 電解めっきによる導電性層130の形成は公知のめっき
法に従って行われ、導電性層を形成する材料としては、
電解めっきで形成されるものであり、ここでは、特に、
イオンマイグレーションを起こす、銅めっき層、銅合金
めっき層、Agめっき層等のめっき層を導電性層130
とする。通常、導電性、コスト面から銅めっき層が用い
られる。
【0014】次いで、めっき形成された導電性層130
の露出部に第1のバリア性金属層140を電解めっきに
よりめっき形成し、転写版150を形成する。(図1
(d)) 転写版150の転写層155は、導電性層130と第1
のバリア性金属層140からなる。第1のバリア性金属
層140の形成は公知のめっき法に従って行われ、第1
のバリア性金属層140を形成する材料としては、電解
めっきで形成されるものであれば特に限定はされない。
例えば、イオンマイグレーション防止の面から、ニッケ
ル、ニッケル合金、錫−ニッケル合金、クロム、金等が
挙げられるが、コスト面等から第1のバリア性金属層1
40としては、ニッケルないしニッケル合金が好まし
い。
【0015】次いで、転写版の転写層155を、配線用
基板側にして、配線用基板180の一面に配設された絶
縁樹脂層160を介して、転写版150と配線用基板1
80とを熱圧着した(図1(e))後、転写層155の
みを配線用基板180に残し、転写版150の導電性基
材110を剥離する。(図1(f)) これにより、転写層155が転写版150から配線用基
板180側に、絶縁樹脂層160を介して転写されたこ
ととなる。
【0016】絶縁樹脂層160としては、常温あるいは
加熱により粘接着性を示し、絶縁性を有するものであれ
ば使用可能である。具体的には、絶縁樹脂層を形成する
高分子化合物としては、例えば、天然系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド樹脂、マレイ
ン化油系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられ
る。特に、絶縁性、化学的安定性、強度等からポリイミ
ド樹脂であることが好ましく、熱可塑性のもの、熱硬化
性ものが適用できる。尚、転写の熱圧着時に転写層15
5が絶縁樹脂層160に沈み込むため、第1のバリア性
金属層140の厚さを、しずみ込み量よりも大きくして
おくことと良い。
【0017】次いで、配線用基板180上の転写層15
5の露出した表面部に、第2のバリア性金属層170を
めっき形成し、第1のバリア性金属層140と第2のバ
リア性金属層170にその表面部全体を覆われた被膜配
線を、配線用基板180に形成される。(図1(g)) この後、必要に応じ、更に熱処理を施し、絶縁樹脂層1
60を硬化させる。
【0018】第2のバリア性金属層170のめっき形成
は、公知のめっき法により行われ、電解めっき法、無電
解めっき法が適用できる。第2のバリア性金属層170
を形成する材料としは、めっき法で導電膜が形成され、
イオンマイグレーション防止の効果があるものであれば
特に制限されない。例えば、電解めっき法では、第1の
バリア性金属層140と同様、ニッケル、ニッケル合
金、錫−ニッケル合金、クロム、金等が挙げられるが、
コスト面等から第1のバリア性金属層140としては、
ニッケルないしニッケル合金が好ましい。また、無電解
めっき法では、ニッケル−リン合金、ニッケル−ホウ素
合金等が挙げられる。
【0019】図1に示す本例は1層の配線層を形成した
ものであるが、配線の主材となる導電性層130の表面
部をバリア性金属層の被膜で覆った状態で配線部を2層
以上、配線用基板180上に形成する、被膜配線形成方
法も挙げることができる。この場合、各配線層は、上記
本例と同様にして作製され、各配線層毎に、本例と同様
にして、転写工程、第2のバリア性金属層をめっき形成
するめっき工程が行われる。即ち、配線層の数に対応し
て、配線用基板側から、絶縁層、配線層を繰り返し積層
していく。尚、めっき形成された配線層を配線用基板
(ベース基板とも言う)に固定し、且つ、重なる配線間
を絶縁する絶縁層(接着剤層)の形成方法としては、印
刷方法、感光性樹脂のフォトリソグラフィー法等が挙げ
られる。
【0020】
【実施例】実施例を挙げて本発明を更に説明する。 (実施例1)実施例1は、図1に実施の形態の1例を実
施したもので、配線の主材となる導電性層の表面部をバ
リア性金属層の被膜で覆った状態で配線部を1層、配線
用基板上に形成したものである。以下、図1に基づいて
説明する。先ず、転写版150を以下のようにして作製
した。厚さ0.1mmのステンレス板SUS304CS
P(H)(新日本製鉄株式会社製)を導電性基材110
として用意し(図1(a))、この一面に環化ゴム系フ
ォトレジストOMR85(東京応化工業株式会社製、1
00cps)を約2μmの厚さに塗布し、85°Cのク
リーンオーブンで30分間プレベークした。次いで、所
定のパターン版(フォトマスクとも言う)を用い、下記
条件で露光を行い、所定の現像液で現像し、さらに所定
の所定のリンス液でリンスした後、145°Cのクリー
ンオーブンで30分間ポストベークをし、導電性基材1
10の一面に所定の開口125を有するレジスト膜12
0を形成した。(図1(b)) (露光条件) 密着露光機 大日本スクリーン製造株式会社製 P−202−G 真空引き 30秒 露光時間 30カウント
【0021】次いで、レジスト膜120を形成した導電
性基材110を以下の硫酸銅めっき浴中に浸漬し、導電
性基材110を陰極として、含燐銅陽極と対向させ、直
流電源により2A/cm2 の電流密度で25分間通電し、
レジスト膜120の開口125から露出した、導電性基
材110の一面の所定領域に、配線の主材となる導電性
層130である銅めっき層を10μmの厚さに電解めっ
き形成した。(図1(c)) (硫酸銅めっき浴組成) CuSO4 ・5H2 O 75g/l H2 SO4 180g/l HCl 0.15ml/l(Clとして60ppm) Cu−Board HA MU 10ml/l (荏原ユージライト株式会社製)
【0022】導電性層130が形成された導電性基材1
10を電解ニッケル陽極と対向させ、下記組成のワット
ニッケルめっき浴中に浸漬し、導電性基材110を陰極
として、定電流電源により1A/cm2 の電流密度で15
分間通電し、露出した導電性層(銅めっき層)130上
に厚さ3μmのニッケルめっきからなる第1のバリア性
金属層140を形成した。(図1(d)) (ワットニッケルめっき浴組成) NiSO4 ・6H2 O 300g/l NiCl2 ・6H2 O 40g/l H3 BO3 40g/l PCニッケル A−1(上村工業株式会社製) 10ml/l PCニッケル A−2(上村工業株式会社製) 10ml/l このようにして、銅めっき層からなる導電性層130
と、ニッケルめっき層からなる第1のバリア性金属層1
40とから形成される転写層155を有する転写版15
0を形成した。
【0023】一方、厚さ0.1mmのステンレス板SU
S304CSP(H)(新日本製鉄株式会社製)を配線
用基板180として、この一面に、下記層構成の巴川製
作所株式会社製)のテープHG−5200(LOCテー
プとも言う)を温度150°Cでテーピングしておき、
これを絶縁樹脂層160としておき、前記転写版150
の転写層155を、配線用基板180側にして、配線用
基板180の一面に配設された絶縁樹脂層160を介し
て、転写版150と配線用基板180とを熱圧着した
(図1(e))後、転写層155のみを配線用基板18
0に残し、転写版150の導電性基材110を剥離し
た。(図1(f)) 熱圧着は温度160°C、圧力1Kg/cm2 で30秒
間行った。導電性層130と第1のバリア性金属層14
0からなる転写層155は100%、配線用基板180
側に転写された。この後、転写層155を転写後の配線
用基板180の絶縁樹脂層160を窒素雰囲気下で25
0°C、1時間のキュアを行った。 (テープ層構成)熱硬化性ポリイミド20μm、ユーピ
レックス50μm、熱硬化ポリイミド20μmの3層構
【0024】次いで、配線用基板180上の転写層15
5の露出した表面部に、第2のバリア性金属層170
を、以下のようにして無電解めっきニッケルめっきし
て、形成した。(図1(g)) 転写層155を転写後の配線用基板180を、10%硫
酸に30秒間浸漬した後、以下の条件の触媒付与剤に浸
漬し、1分間の水洗後、下記の無電解Ni−Pめっき浴
でめっきした。めっき終了後、十分水洗し、乾燥させ
た。 (触媒付与条件) 処理薬品 AT−450(上村工業株式会社製) 濃度 100ml/l 液温 常温 処理時間 3分 (無電解Ni−Pめっき条件) めっき液 ニムデンHDX(上村工業株式会社製) 浴温 90°C 処理時間 10分(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 12〜13%
【0025】このようにして得られたプリント配線板に
対して、下記条件の塩水噴霧試験を行い、光学顕微鏡で
外観の観察を行った。結果、導電性層(銅めっき層)1
30の露出による緑青の発生は見られず、バリア性金属
層(140、1709による良好な被膜性を示した。 (塩水噴霧試験条件) 噴霧液 5wt%NaCl水溶液 温度 35°C 噴霧時間 24hr
【0026】また、下記条件のイオンマイグレーション
試験(高温高湿バイアス試験)を行い、絶縁性の劣化
(判断基準1×108 Ω)は見られなかった。 (イオンマイグレーション試験条件) 温度 85°C 湿度 85% 印加電圧 60V 試験時間 1000時間 測定点数 線間各々20箇所
【0027】(実施例2)実施例2は、配線の主材とな
る導電性層の表面部をバリア性金属層の被膜で覆った状
態で配線部を2層、配線用基板上に形成したものであ
る。本例の場合、各配線層は、上記実施例1と同様にし
て作製され、各配線層毎に、実施例1と同様にして、転
写工程、第2のバリア性金属層をめっき形成するめっき
工程を行った。実施例1と同様にして第1の配線層を形
成した後、第2の配線層の転写工程を行う前に、以下の
ようにして調整した、ポリイミドワニスを用いてスクリ
ーン印刷法により塗布し、乾燥、熱処理して、熱硬化性
のポリイミド樹脂からなる絶縁樹脂層を形成しておい
た。
【0028】ポリイミドワニスの作製は、以下のように
行った。 <ポリイミドワニスの製造>11容量の三つ口セパラブ
ルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器,窒素導入管及
びストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管
をつけた還流冷却器を取り付ける。窒素気流中を流しな
がら温度調整機のついたシリコーン浴中にセパラブルフ
ラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示す。3、
4、3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無
水物(以後BTDAと呼ぶ)32.22g(0.lモ
ル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)
スルホン(m−BAPS)21.63g(0.05モ
ル),γ−バレロラクトン1.5g(0.015モ
ル)、ピリジン2.37g(0.03モル)、NMP
(N−メチル−2−ピロリドンの略)200g、トルエ
ン30gを加えて、窒素を通じながらシリコン浴中,室
温で30分撹件(200rpm)、ついで昇温して18
0℃、l時間、200rpmに攪拌しながら反応させ
る。トルエン−水留出分15mlを除去し、空冷して、
BTDA16.11g(0.05モル)、3、5ジアミ
ノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)15.22g(0.
1モル)、NMP119g、トルエン30gを添加し、
室温で30分攪拌したのち(200rpm)、次いで昇
温して180℃に加熱攪拌しトルエンー水留出分15m
lを除去する。その後、トルエンー水留出分を系外に除
きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終
了した。20%ポリイミドワニスを得た。
【0029】配線層2層、配線用基板上に形成した後、
実施例1と同様に、塩水噴霧試験、イオンマイグレーシ
ョン試験(高温高湿バイアス試験)を行った。結果、導
電性層(銅めっき層)の露出による緑青の発生は見られ
ず、バリア性金属層による良好な被膜性を示し、また、
配線層間および同一配線層の配線間に、絶縁性の劣化
(判断基準1×108 Ω)は見られなかった。尚、イオ
ンマイグレーション試験における、配線層間の配線間、
同一配線層の配線間については、測定点数を、それぞれ
20箇所とした。
【0030】(比較例)比較例は、実施例1において、
第2のバリア性金属層170形成を行わない以外は、実
施例と同様にして、プリント配線板を作製したものであ
る。得られたプリント配線板に対して、実施例と同様
に、イオンマイグレーション試験を行った結果、線間の
4箇所においてイオンマイグレーションが発生し、絶縁
性の劣化を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明は、上記のように、配線の主材と
なる導電性層の表面全体をバリア性金属層で覆った状態
で配線部を配線用基板に形成すること可能としており、
配線層を転写により作製する配線基板で、配線の狭ピッ
チ化がさらに進んだ場合においても、層間および配線間
の絶縁信頼性が確保できる耐イオンマイグレーション性
を有する配線基板の提供を可能とした。これより、一層
の配線の狭いピッチ化、高密度に対応でき、且つ、量産
性の良い配線基板の作製を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の被膜配線の形成方法の実施の形
態の1例の工程図で、図1(g)は本発明の配線基板の
実施の形態の1例の一断面図である。
【符号の説明】
110 導電性基材(転写版のベース基材) 120 レジスト膜(単にレジストないしレジス
トパターンとも言う) 125 開口 130 導電性層(めっき層) 140 第1のバリア性金属層 150 転写版 155 転写層 160 絶縁樹脂層 170 第2のバリア性金属層 180 配線用基板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線の主材となる導電性層の表面部をバ
    リア性金属層の被膜で覆った状態で配線部を配線用基板
    に形成する、被膜配線の形成方法であって、順に、
    (a)基材の導電性を有する一面に、所定形状の開口を
    有する耐めっき性のレジスト膜を設け、レジスト膜の開
    口から露出した、前記基材の一面の所定領域に、配線の
    主材となる導電性層をめっき形成し、めっき形成された
    導電性層の露出部に第1のバリア性金属層をめっき形成
    し、導電性層と第1のバリア性金属層からなる転写層を
    形成する転写版形成工程と、(b)配線用基板の一面に
    設けられた絶縁樹脂層上に、導電性層と第1のバリア性
    金属層からなる転写層を熱圧着し、転写層のみを配線用
    基板に残し、転写版の基材を剥離する、転写工程と、
    (c)配線用基板上の転写層の露出した表面部に、第2
    のバリア性金属層をめっき形成するめっき工程とを行う
    ことを特徴とする被膜配線の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、配線の主材となる導
    電性層を銅めっき層ないし銅合金めっき層とすることを
    特徴とする被膜配線の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2において、第1のバリ
    ア性金属層の厚さを、転写工程における熱圧着時に転写
    層が絶縁樹脂層に沈み込む、しずみ込み量よりも大きく
    しておくことを特徴とする被膜配線の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3において、第1のバリ
    ア性金属層を、ニッケルないしニッケル合金とすること
    を特徴とする被膜配線の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4において、絶縁樹脂層
    がポリイミド樹脂であることを特徴とする被膜配線の形
    成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5におけるポリイミド樹脂が、熱
    可塑性であることを特徴とする被膜配線の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項5におけるポリイミド樹脂が、熱
    硬化性であることを特徴とする被膜配線の形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7において、第2のバリ
    ア性金属層のめっき形成を無電解めっきにより行うこと
    を特徴とする被膜配線の形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項8における無電解めっきが無電解
    ニッケルめっきであることを特徴とする被膜配線の形成
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7において、第2のバ
    リア性金属層のめっき形成を電解めっきにより行うこと
    を特徴とする被膜配線の形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10に記載の被膜配線
    の形成方法により、配線用基板上に、配線の主材となる
    導電性層の表面部をバリア性金属層の被膜で覆った状態
    で配線部を形成したことを特徴とする配線基板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011134851A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体装置、その製造法、半導体装置接続用配線基材、半導体装置搭載用配線板及びその製造法
JP2011134850A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体装置、半導体素子搭載用配線基材及びそれらの製造法

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