JP2000068628A - 転写用部材、プリント配線板、及び転写用部材の製造方法 - Google Patents
転写用部材、プリント配線板、及び転写用部材の製造方法Info
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- JP2000068628A JP2000068628A JP10239169A JP23916998A JP2000068628A JP 2000068628 A JP2000068628 A JP 2000068628A JP 10239169 A JP10239169 A JP 10239169A JP 23916998 A JP23916998 A JP 23916998A JP 2000068628 A JP2000068628 A JP 2000068628A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】転写前の配線の消失、剥離を生ぜず、かつ被転
写材への転写性が良好な転写用部材およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】少なくとも片側表面に導電性を有する導電
性基板に対して、該導電性基板表面に無電解Ni−Pめ
っき層を形成する工程と、熱処理を行う工程と、前記導
電性基板のNi−Pめっき層の表面に電気絶縁性マスク
パターンを形成する工程と、前記導電性基板のマスクパ
ターンを形成した側の非マスク部に少なくとも1層の導
電層を形成する工程と、該導電層上に必要に応じてバリ
アー導電層を形成する工程と、さらに該バリアー導電層
上に粘接着層を形成する工程を具備し、 前記導電性基
板上に、少なくとも前記導電層及び前記粘接着層が積層
されて成るパターン化された転写層を形成する。
写材への転写性が良好な転写用部材およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】少なくとも片側表面に導電性を有する導電
性基板に対して、該導電性基板表面に無電解Ni−Pめ
っき層を形成する工程と、熱処理を行う工程と、前記導
電性基板のNi−Pめっき層の表面に電気絶縁性マスク
パターンを形成する工程と、前記導電性基板のマスクパ
ターンを形成した側の非マスク部に少なくとも1層の導
電層を形成する工程と、該導電層上に必要に応じてバリ
アー導電層を形成する工程と、さらに該バリアー導電層
上に粘接着層を形成する工程を具備し、 前記導電性基
板上に、少なくとも前記導電層及び前記粘接着層が積層
されて成るパターン化された転写層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターンを有
する転写用部材とその製造方法に関する。特に多層プリ
ント配線板、ハードディスク磁気ヘッド用配線付きサス
ペンション、非接触ICカード用コイル配線等の製造に
用いることができる、基板上にパターン化された導電層
等からなる転写層が形成されている転写用部材とその製
造方法に関する。
する転写用部材とその製造方法に関する。特に多層プリ
ント配線板、ハードディスク磁気ヘッド用配線付きサス
ペンション、非接触ICカード用コイル配線等の製造に
用いることができる、基板上にパターン化された導電層
等からなる転写層が形成されている転写用部材とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気分野における技術の飛躍的な発展に
より、CSPに代表されるように半導体パッケージの小
型化、ベアチップ実装等の高密度実装技術が急速に進展
している。それに伴って、 プリント配線板も片面配線
から両面配線へ、さらに多層化、薄型軽量化が進められ
ている。
より、CSPに代表されるように半導体パッケージの小
型化、ベアチップ実装等の高密度実装技術が急速に進展
している。それに伴って、 プリント配線板も片面配線
から両面配線へ、さらに多層化、薄型軽量化が進められ
ている。
【0003】このようなプリント配線板の製造方法に
は、一般にサブトラクティブ法と、アディティブ法が用
いられている。
は、一般にサブトラクティブ法と、アディティブ法が用
いられている。
【0004】サブトラクティブ法は、典型的にはエッチ
ングレジストを形成した後、銅張積層板をエッチングし
て導体回路を形成する方法である。この方法は、技術的
にはほぼ完成されており、 低コストではあるが、エッ
チングの際に銅箔の厚さ等による制約があるため、微細
パターンの形成には限界がある。
ングレジストを形成した後、銅張積層板をエッチングし
て導体回路を形成する方法である。この方法は、技術的
にはほぼ完成されており、 低コストではあるが、エッ
チングの際に銅箔の厚さ等による制約があるため、微細
パターンの形成には限界がある。
【0005】一方、アディティブ法は、典型的には、基
板上に触媒核を付与した後、めっきレジストを形成し、
無電解銅めっき処理を行うことにより、導体回路を形成
する方法である。この方法は、微細パターンの形成は可
能であるが、コスト低減や、信頼性のさらなる向上が求
められている。
板上に触媒核を付与した後、めっきレジストを形成し、
無電解銅めっき処理を行うことにより、導体回路を形成
する方法である。この方法は、微細パターンの形成は可
能であるが、コスト低減や、信頼性のさらなる向上が求
められている。
【0006】これらの方法で作製した片面あるいは両面
のプリント配線板は、さらにプリプレグと共に加圧積層
され、多層基板が製造される。このような多層基板で
は、通常、一括での多層化後に、内部に無電解めっき等
を施したスルーホールを形成することによって各層の導
体回路の接続を行っているが、スルーホールの精度のさ
らなる向上が求められている。
のプリント配線板は、さらにプリプレグと共に加圧積層
され、多層基板が製造される。このような多層基板で
は、通常、一括での多層化後に、内部に無電解めっき等
を施したスルーホールを形成することによって各層の導
体回路の接続を行っているが、スルーホールの精度のさ
らなる向上が求められている。
【0007】近年上述のような要求を満たすものとし
て、コア基板の表面に絶縁層を介して回路パターンを積
み上げて形成するビルドアップ方式の多層プリント配線
板が注目されている。このビルドアップ方式の多層プリ
ント配線板は、従来のスルーホールを用いる多層基板に
比べ、スルーホールによって配線が邪魔されないために
配線ピッチが同じであっても配線密度が向上する。しか
しながら、中間工程での不良の修正が困難であり、プロ
セスが煩雑であるために、製造コストの低減に支障を来
たしている。
て、コア基板の表面に絶縁層を介して回路パターンを積
み上げて形成するビルドアップ方式の多層プリント配線
板が注目されている。このビルドアップ方式の多層プリ
ント配線板は、従来のスルーホールを用いる多層基板に
比べ、スルーホールによって配線が邪魔されないために
配線ピッチが同じであっても配線密度が向上する。しか
しながら、中間工程での不良の修正が困難であり、プロ
セスが煩雑であるために、製造コストの低減に支障を来
たしている。
【0008】このような問題を解決するために、基板と
基板上に順次転写される複数の配線パターン層を有する
多層プリント配線板であって、各配線パターン層が導電
層と導電層を基板あるいは下層の配線パターン層に固定
する絶縁樹脂層を有するもの、及びその製造方法が提案
されている(特開平8−116172)。
基板上に順次転写される複数の配線パターン層を有する
多層プリント配線板であって、各配線パターン層が導電
層と導電層を基板あるいは下層の配線パターン層に固定
する絶縁樹脂層を有するもの、及びその製造方法が提案
されている(特開平8−116172)。
【0009】この方法を、図3に模式的に示す。まず図
3(A)に示すように、導電性基板6上に電気絶縁性フ
ォトレジスト層7を形成する。次いで図3(B)に示す
ように、所定のフォトマスクを介して露光、現像を行う
ことにより、電気絶縁性マスクパターン7’を形成す
る。さらに図3(C)に示すように、非マスク部5に電
解めっきにより導電性パターン8を形成する。そして、
図3(D)に示すように、該導電性パターン8上に電着
法により粘接着層9を選択的に析出させるものである。
3(A)に示すように、導電性基板6上に電気絶縁性フ
ォトレジスト層7を形成する。次いで図3(B)に示す
ように、所定のフォトマスクを介して露光、現像を行う
ことにより、電気絶縁性マスクパターン7’を形成す
る。さらに図3(C)に示すように、非マスク部5に電
解めっきにより導電性パターン8を形成する。そして、
図3(D)に示すように、該導電性パターン8上に電着
法により粘接着層9を選択的に析出させるものである。
【0010】上記のように形成された転写用部材は、最
終的に粘接着層9を介して導電性パターン8を被転写材
に転写し、目的のプリント配線板を得る。しかしなが
ら、導電性基板と導電性パターンの密着性が強すぎると
転写用部材の被転写材への転写が良好に行われなくなっ
てしまう。また逆に導電性基板と導電性パターンの密着
性が必要とされるレベルより弱い場合は、導電性パター
ン、バリアー導電層、または粘接着層形成工程中の通電
ないしは水洗中に、導電性パターンの一部が剥離、消失
する等の問題を生じる。特に、導電性パターン上にバリ
アー導電層を形成した場合に、この導電性パターンの剥
離が深刻な問題となる。
終的に粘接着層9を介して導電性パターン8を被転写材
に転写し、目的のプリント配線板を得る。しかしなが
ら、導電性基板と導電性パターンの密着性が強すぎると
転写用部材の被転写材への転写が良好に行われなくなっ
てしまう。また逆に導電性基板と導電性パターンの密着
性が必要とされるレベルより弱い場合は、導電性パター
ン、バリアー導電層、または粘接着層形成工程中の通電
ないしは水洗中に、導電性パターンの一部が剥離、消失
する等の問題を生じる。特に、導電性パターン上にバリ
アー導電層を形成した場合に、この導電性パターンの剥
離が深刻な問題となる。
【0011】バリアー導電層形成時の問題は以下のよう
にして生じる。導電性パターン形成に銅めっきを使用し
た場合には、銅イオンが粘接着層中に溶出する、いわゆ
るイオンマイグレーションが発生する。粘接着層は、絶
縁性樹脂で形成され、絶縁層の役割も果たしているが、
高温高湿度の環境で前記粘接着層が10μm程度と比較
的薄い場合には絶縁不良をおこす可能性がある。前記の
イオンマイグレーションの発生を防止することを目的と
し、銅めっき層と粘接着層の間に0.5〜1.0μm程
度の薄いニッケルめっきを施したバリアー導電層を形成
する。しかし、銅めっきに比べてニッケルめっきの内部
応力は大きく銅めっき層とニッケルめっき層の間に内部
応力差を生じ、導電層、バリアー導電層、または粘接着
層形成工程中の通電ないしは水洗中に、導電性パターン
の一部が剥離、消失する現象が起き易く大きな問題とな
る。
にして生じる。導電性パターン形成に銅めっきを使用し
た場合には、銅イオンが粘接着層中に溶出する、いわゆ
るイオンマイグレーションが発生する。粘接着層は、絶
縁性樹脂で形成され、絶縁層の役割も果たしているが、
高温高湿度の環境で前記粘接着層が10μm程度と比較
的薄い場合には絶縁不良をおこす可能性がある。前記の
イオンマイグレーションの発生を防止することを目的と
し、銅めっき層と粘接着層の間に0.5〜1.0μm程
度の薄いニッケルめっきを施したバリアー導電層を形成
する。しかし、銅めっきに比べてニッケルめっきの内部
応力は大きく銅めっき層とニッケルめっき層の間に内部
応力差を生じ、導電層、バリアー導電層、または粘接着
層形成工程中の通電ないしは水洗中に、導電性パターン
の一部が剥離、消失する現象が起き易く大きな問題とな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状のもとになされたものであって、導電性基板と導電性
パターン間の適切な密着性を得ることを目的とし、特に
バリアー導電層が形成されたような場合、それに起因す
る金属めっき間の内部応力差による導電性パターンの剥
離が生じることがない転写用部材およびその製造方法を
提供すべくなされたものである。
状のもとになされたものであって、導電性基板と導電性
パターン間の適切な密着性を得ることを目的とし、特に
バリアー導電層が形成されたような場合、それに起因す
る金属めっき間の内部応力差による導電性パターンの剥
離が生じることがない転写用部材およびその製造方法を
提供すべくなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、導電性基板
上にNi−Pめっきを行い、熱処理を行うことにより、
導電性基板と導電性パターンとの間の適度な密着性が生
じ、導電性パターンの剥離等の上記課題が解決されるこ
とを見出した。すなわち、 本発明の転写用部材は、少
なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板と、該導
電性基板表面に形成されたNi−Pめっき層と、該Ni
−Pめっき層上に形成された少なくとも1層の導電層か
らなる導電体層と、該導電体層上に形成された粘接着層
からなるような構成とした。
上にNi−Pめっきを行い、熱処理を行うことにより、
導電性基板と導電性パターンとの間の適度な密着性が生
じ、導電性パターンの剥離等の上記課題が解決されるこ
とを見出した。すなわち、 本発明の転写用部材は、少
なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板と、該導
電性基板表面に形成されたNi−Pめっき層と、該Ni
−Pめっき層上に形成された少なくとも1層の導電層か
らなる導電体層と、該導電体層上に形成された粘接着層
からなるような構成とした。
【0014】さらに、本発明の転写用部材は、少なくと
も片側表面に導電性を有する導電性基板と、該導電性基
板表面に形成されたNi−Pめっき層と、該Ni−Pめ
っき層上に形成された少なくとも1層の導電層からなる
導電体層と、該導電体層上に形成されたバリアー導電層
と、該バリアー導電層上に形成された粘接着層からなる
ような構成とした。
も片側表面に導電性を有する導電性基板と、該導電性基
板表面に形成されたNi−Pめっき層と、該Ni−Pめ
っき層上に形成された少なくとも1層の導電層からなる
導電体層と、該導電体層上に形成されたバリアー導電層
と、該バリアー導電層上に形成された粘接着層からなる
ような構成とした。
【0015】そして、本発明の転写用部材の製造方法で
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に、すくなくとも1層の導電層を形
成する工程と、該導電層上に粘接着層を形成する工程、
を具備してなり、前記導電性基板上に、すくなくとも前
記導電層及び前記粘接着層が積層されて成る転写層を形
成する。
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に、すくなくとも1層の導電層を形
成する工程と、該導電層上に粘接着層を形成する工程、
を具備してなり、前記導電性基板上に、すくなくとも前
記導電層及び前記粘接着層が積層されて成る転写層を形
成する。
【0016】さらに、本発明の転写用部材の製造方法で
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパターンを形
成する工程と、前記導電性基板のマスクパターンを形成
した側の非マスク部に少なくとも1層の導電層を形成す
る工程と、該導電層上に粘接着層を形成する工程、を具
備してなり、前記導電性基板上に、すくなくとも前記導
電層及び前記粘接着層が積層されて成るパターン化され
た転写層を形成する。
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパターンを形
成する工程と、前記導電性基板のマスクパターンを形成
した側の非マスク部に少なくとも1層の導電層を形成す
る工程と、該導電層上に粘接着層を形成する工程、を具
備してなり、前記導電性基板上に、すくなくとも前記導
電層及び前記粘接着層が積層されて成るパターン化され
た転写層を形成する。
【0017】加えて、本発明の転写用部材の製造方法で
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパターンを形
成する工程と、前記導電性基板のマスクパターンを形成
した側の非マスク部に少なくとも1層の導電層を形成す
る工程と、該導電層上にバリアー導電層を形成する工程
と、該バリアー導電層上に粘接着層を形成する工程、を
具備してなり、前記導電性基板上に、少なくとも前記導
電層、前記バリアー導電層及び前記粘接着層が積層され
て成るパターン化された転写層を形成する。
は、少なくとも片側表面に導電性を有する導電性基板に
対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層を形成す
る工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基板のNi
−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパターンを形
成する工程と、前記導電性基板のマスクパターンを形成
した側の非マスク部に少なくとも1層の導電層を形成す
る工程と、該導電層上にバリアー導電層を形成する工程
と、該バリアー導電層上に粘接着層を形成する工程、を
具備してなり、前記導電性基板上に、少なくとも前記導
電層、前記バリアー導電層及び前記粘接着層が積層され
て成るパターン化された転写層を形成する。
【0018】
【発明の実施の形態】転写用部材の製造方法 図1、図2を用いて、本発明の転写用部材の製造方法を
具体例によって説明する。
具体例によって説明する。
【0019】まず、本発明の転写用部材は、図1に模式
的に示されるように、表面が無電解Ni−Pめっきで覆
われた銅、銅合金またはコバールからなる導電性基板
1’の表面に任意のパターンの電気絶縁性マスクパター
ン2’と、非マスク部に導電性パターン3とその上の必
要に応じて形成されるバリアー導電層3’、さらにその
上に積層した粘接着層4からなる転写層が形成されたも
のである。
的に示されるように、表面が無電解Ni−Pめっきで覆
われた銅、銅合金またはコバールからなる導電性基板
1’の表面に任意のパターンの電気絶縁性マスクパター
ン2’と、非マスク部に導電性パターン3とその上の必
要に応じて形成されるバリアー導電層3’、さらにその
上に積層した粘接着層4からなる転写層が形成されたも
のである。
【0020】次に図2を使用し、各工程を追って本発明
の転写用部材の製造方法を説明する。はじめに、図2
(A)に示す導電性基板1を用意し、これに無電解Ni
−Pめっきを施して図2(B)に示す無電解Ni−Pめ
っき皮膜で被覆された導電性基板1’を得る。次いで、
図2(C)に示すように電気絶縁性フォトレジスト層2
を形成し、この電気絶縁性フォトレジスト層2に所定の
パターンのフォトマスクを介して紫外線を照射、現像を
行うことにより図2(D)に示される電気絶縁性マスク
パターン2’と非マスク部5を得る。さらに、図2
(E)に示すように、非マスク部5に導電性パターン3
を形成し、さらにその上に必要に応じバリアー導電層
3’を形成する。そして、図2(F)に示すように、バ
リアー導電層3’上に粘接着層4を形成する。
の転写用部材の製造方法を説明する。はじめに、図2
(A)に示す導電性基板1を用意し、これに無電解Ni
−Pめっきを施して図2(B)に示す無電解Ni−Pめ
っき皮膜で被覆された導電性基板1’を得る。次いで、
図2(C)に示すように電気絶縁性フォトレジスト層2
を形成し、この電気絶縁性フォトレジスト層2に所定の
パターンのフォトマスクを介して紫外線を照射、現像を
行うことにより図2(D)に示される電気絶縁性マスク
パターン2’と非マスク部5を得る。さらに、図2
(E)に示すように、非マスク部5に導電性パターン3
を形成し、さらにその上に必要に応じバリアー導電層
3’を形成する。そして、図2(F)に示すように、バ
リアー導電層3’上に粘接着層4を形成する。
【0021】以下、本発明の転写用部材の製造方法をよ
り一層詳しく説明する。
り一層詳しく説明する。
【0022】導電性基板へのNi−Pめっき 本発明の転写用部材を製造するために、導電性基板の表
面に無電解めっき法をもちいてNi−P合金を析出させ
る。無電解めっき液浸漬の前処理としては、パラジウム
触媒を付与するために塩化パラジウムと塩酸の混合液に
浸漬する方法や、塩化スズと塩酸の混合液に浸漬後に塩
化パラジウムと塩酸の混合液に浸漬するセンシタイジン
グ−アクチベーティング法、電解でフラッシュNiめっ
きを行う方法等がある。無電解めっきとは、金属イオン
を還元剤によって化学的に還元し、素地上に任意の厚さ
のめっき皮膜を析出させる方法をいい、電源、電極が不
要で、 不導体上へのめっきが可能、均一な膜厚が得ら
れるなどの特徴がある。
面に無電解めっき法をもちいてNi−P合金を析出させ
る。無電解めっき液浸漬の前処理としては、パラジウム
触媒を付与するために塩化パラジウムと塩酸の混合液に
浸漬する方法や、塩化スズと塩酸の混合液に浸漬後に塩
化パラジウムと塩酸の混合液に浸漬するセンシタイジン
グ−アクチベーティング法、電解でフラッシュNiめっ
きを行う方法等がある。無電解めっきとは、金属イオン
を還元剤によって化学的に還元し、素地上に任意の厚さ
のめっき皮膜を析出させる方法をいい、電源、電極が不
要で、 不導体上へのめっきが可能、均一な膜厚が得ら
れるなどの特徴がある。
【0023】Ni−Pめっきは、次亜リン酸ナトリウム
を還元剤とする自己還元タイプの無電解めっき浴で、浴
組成によって析出するNi−PのP濃度が変化する。
Ni−P皮膜中のP含有率は、好ましくは8〜13%で
ある。前記P濃度が8%より少なくなると、導電性基板
上に形成したNi−Pめっき皮膜と導電性パターンの密
着性が強くなりすぎ、被転写材への転写用部材の転写が
困難になる。また、前記P濃度が13%を超えるNi−
P皮膜を得るためのめっき液を作製すると、Ni−Pめ
っき浴中の還元剤である次亜リン酸ナトリウムの濃度を
高める必要が生じ、めっき析出の効率が著しく低下し、
無電解Ni−P皮膜形成が困難になる。
を還元剤とする自己還元タイプの無電解めっき浴で、浴
組成によって析出するNi−PのP濃度が変化する。
Ni−P皮膜中のP含有率は、好ましくは8〜13%で
ある。前記P濃度が8%より少なくなると、導電性基板
上に形成したNi−Pめっき皮膜と導電性パターンの密
着性が強くなりすぎ、被転写材への転写用部材の転写が
困難になる。また、前記P濃度が13%を超えるNi−
P皮膜を得るためのめっき液を作製すると、Ni−Pめ
っき浴中の還元剤である次亜リン酸ナトリウムの濃度を
高める必要が生じ、めっき析出の効率が著しく低下し、
無電解Ni−P皮膜形成が困難になる。
【0024】具体的に無電解めっきを行うには、触媒付
与等の前処理を施した銅または銅合金基板を無電解浴中
に浸漬すればよく、析出反応は連鎖的に行われるため、
基板を浴から取り出すことによってめっき終了となる。
与等の前処理を施した銅または銅合金基板を無電解浴中
に浸漬すればよく、析出反応は連鎖的に行われるため、
基板を浴から取り出すことによってめっき終了となる。
【0025】無電解Ni−Pめっきに対する熱処理の方
法はホットプレート、クリーンオーブン、真空焼成炉、
リフロー炉等が使用可能である。PのNi−P皮膜表面
への拡散を目的としているため、熱処理温度は、望まし
くは150〜350℃であり、特に望ましくは200〜
300℃である。熱処理温度が150℃より低いばあい
は、Pの表面への拡散が十分でないため、導電性パター
ンと無電解Ni−Pめっきを施した導電性基板の密着性
が強くなりすぎ被転写材への導電性パターンの転写が困
難になる。350℃を超える処理温度では、Ni3Pが
生成し、めっき析出を阻害するために不適当である。加
熱雰囲気は、大気中、酸素雰囲気、あるいは、窒素雰囲
気、アルゴンなどの不活性雰囲気などがあるが、酸化防
止という観点で窒素、アルゴン雰囲気が好ましい。
法はホットプレート、クリーンオーブン、真空焼成炉、
リフロー炉等が使用可能である。PのNi−P皮膜表面
への拡散を目的としているため、熱処理温度は、望まし
くは150〜350℃であり、特に望ましくは200〜
300℃である。熱処理温度が150℃より低いばあい
は、Pの表面への拡散が十分でないため、導電性パター
ンと無電解Ni−Pめっきを施した導電性基板の密着性
が強くなりすぎ被転写材への導電性パターンの転写が困
難になる。350℃を超える処理温度では、Ni3Pが
生成し、めっき析出を阻害するために不適当である。加
熱雰囲気は、大気中、酸素雰囲気、あるいは、窒素雰囲
気、アルゴンなどの不活性雰囲気などがあるが、酸化防
止という観点で窒素、アルゴン雰囲気が好ましい。
【0026】このようなNi−Pめっき層の厚さは特に
制限はないが、0.5〜10μmが好ましい。Ni−P
めっき層の厚さが薄すぎると無電解Ni−Pめっき皮膜
を熱処理中に下の導電性基板の材料金属がマイグレーシ
ョンによって無電解Ni−Pめっき皮膜中に拡散し、無
電解Ni−Pめっき層と導電性パターンの密着性に影響
を及ぼしてしまう。また、無電解Ni−Pめっき層が厚
すぎると、Ni−Pめっき皮膜中の内部応力によって導
電性基板のそりを生じる等の問題を引き起こす可能性が
ある。
制限はないが、0.5〜10μmが好ましい。Ni−P
めっき層の厚さが薄すぎると無電解Ni−Pめっき皮膜
を熱処理中に下の導電性基板の材料金属がマイグレーシ
ョンによって無電解Ni−Pめっき皮膜中に拡散し、無
電解Ni−Pめっき層と導電性パターンの密着性に影響
を及ぼしてしまう。また、無電解Ni−Pめっき層が厚
すぎると、Ni−Pめっき皮膜中の内部応力によって導
電性基板のそりを生じる等の問題を引き起こす可能性が
ある。
【0027】導電性基板 本発明の転写用部材に用いられる導電性基板の材料は、
銅または導電性基板であれば特に制限されないが、容易
に無電解Ni−Pめっきができるという点で、銅、銅合
金またはコバールが好ましい。
銅または導電性基板であれば特に制限されないが、容易
に無電解Ni−Pめっきができるという点で、銅、銅合
金またはコバールが好ましい。
【0028】このような導電性基板の厚さは特に制限さ
れないが、通常、0.05〜1.0mm程度が好まし
い。また、主に本発明の転写用部材は被転写体に圧着
し、導電層を粘接着性絶縁層によって被転写物に固着さ
せることによって、配線パターンを転写することによっ
て使用する。そのため、転写によって導電性基板の表面
形状が反映された表面を有する導電層が得られる。よっ
て、導電性基板の表面粗さは、接触式表面粗さ計で測定
したときの中心線平均粗さRa=0.01〜0.3μm
と比較的小さい粗度を有することが好ましく、特にRa
=0.01〜0.1 5μmの粗度を有する導電性基板が
好ましい。
れないが、通常、0.05〜1.0mm程度が好まし
い。また、主に本発明の転写用部材は被転写体に圧着
し、導電層を粘接着性絶縁層によって被転写物に固着さ
せることによって、配線パターンを転写することによっ
て使用する。そのため、転写によって導電性基板の表面
形状が反映された表面を有する導電層が得られる。よっ
て、導電性基板の表面粗さは、接触式表面粗さ計で測定
したときの中心線平均粗さRa=0.01〜0.3μm
と比較的小さい粗度を有することが好ましく、特にRa
=0.01〜0.1 5μmの粗度を有する導電性基板が
好ましい。
【0029】マスクパターンの形成 本発明の転写用部材に用いられる電気絶縁性マスクパタ
ーンの形成方法及び材料は、絶縁性を有する層をパター
ニングすることが可能であれば、特に限定されない。こ
の方法としては、例えばフォトレジスト、スクリーン印
刷、精密ディスペンスが挙げられる。この内、微細パタ
ーンを形成するのに有利なフォトレジストを使用するこ
とが好ましい。また、後の工程において耐酸性、耐溶剤
性、耐電圧性等が要求される場合があるため、このよう
な特性を有するものを使用することがより好ましい。特
に好ましい具体例としては、環化ゴム系フォトレジス
ト、熱硬化性を有するアクリル系レジスト、メラミン系
レジスト、水溶性コロイド系フォトレジスト等が挙げら
れる。
ーンの形成方法及び材料は、絶縁性を有する層をパター
ニングすることが可能であれば、特に限定されない。こ
の方法としては、例えばフォトレジスト、スクリーン印
刷、精密ディスペンスが挙げられる。この内、微細パタ
ーンを形成するのに有利なフォトレジストを使用するこ
とが好ましい。また、後の工程において耐酸性、耐溶剤
性、耐電圧性等が要求される場合があるため、このよう
な特性を有するものを使用することがより好ましい。特
に好ましい具体例としては、環化ゴム系フォトレジス
ト、熱硬化性を有するアクリル系レジスト、メラミン系
レジスト、水溶性コロイド系フォトレジスト等が挙げら
れる。
【0030】本発明の転写用部材に用いられる電気絶縁
性マスクパターンは典型的には以下のように形成する。
Ni−Pめっきを施した導電性基板の表面にフォトレジ
スト層を形成する。次いで所定パターンのフォトマスク
を介してフォトレジスト層に紫外線を照射し、続いて現
像、ポストベークを行う。かくして、Ni−Pめっきを
施した導電性基板の表面に所定のパターンのマスクパタ
ーンが形成される。
性マスクパターンは典型的には以下のように形成する。
Ni−Pめっきを施した導電性基板の表面にフォトレジ
スト層を形成する。次いで所定パターンのフォトマスク
を介してフォトレジスト層に紫外線を照射し、続いて現
像、ポストベークを行う。かくして、Ni−Pめっきを
施した導電性基板の表面に所定のパターンのマスクパタ
ーンが形成される。
【0031】導電性パターンの形成 本発明の転写用部材に用いられる導電性パターンの形成
方法及び材料は、通常の配線板に用いることができるも
のであれは、特に限定されるものではない。典型的な例
としては非マスク部に電着法により導電性パターンを形
成する方法がある。電着法による導電性パターンの形成
は公知のめっき法に従って行うことができる。導電性パ
ターンを形成する材料は、好ましくは電着法で導電性薄
膜が形成されるものであり、例えば、銅、銀、金、パラ
ジウム、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、白金等が挙げ
られる。導電性パターンの厚さは、微細パターン形成の
観点から、導体抵抗が許される範囲で、(典型的には、
レジストが薄いためキノコ状になるので)薄い方が好ま
しく、好ましくは、 5〜30μm、より好ましくは5〜
20μm、特に好ましくは5〜15μmである。
方法及び材料は、通常の配線板に用いることができるも
のであれは、特に限定されるものではない。典型的な例
としては非マスク部に電着法により導電性パターンを形
成する方法がある。電着法による導電性パターンの形成
は公知のめっき法に従って行うことができる。導電性パ
ターンを形成する材料は、好ましくは電着法で導電性薄
膜が形成されるものであり、例えば、銅、銀、金、パラ
ジウム、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、白金等が挙げ
られる。導電性パターンの厚さは、微細パターン形成の
観点から、導体抵抗が許される範囲で、(典型的には、
レジストが薄いためキノコ状になるので)薄い方が好ま
しく、好ましくは、 5〜30μm、より好ましくは5〜
20μm、特に好ましくは5〜15μmである。
【0032】バリアー導電層の形成 導電性パターン上には、必要に応じてバリアー導電層が
形成される。一般に、前記導電性パターンに銅などの金
属を使用した場合、銅などのイオンが粘接着層を構成す
る絶縁樹脂中に溶出する現象、いわゆるイオンマイグレ
ーションが発生し、高温高湿度の環境で粘接着層が10
μm程度と比較的薄い場合、絶縁性に悪影響を及ぼす可
能性がある。バリアー導電層はこのようなイオンマイグ
レーションを防止する効果をも有する。さらに、バリア
ー導電層は、導電性パターンと粘接着層との密着性を向
上させる作用もある。バリアー導電層を形成する材料と
しては、好ましくは、安定した酸化皮膜を有するマイグ
レーションの発生し難い金属、具体的にはニッケル、ク
ロム、スズ、スズ合金、スズ・ニッケル合金等を用いる
ことができる。この場合、ニッケル等の磁性体によって
導電性パターンを被覆した場合には高周波特性が改善す
る。このバリアー導電層の厚みは特に限定されるもので
はないが、好ましくは0.5〜1.0μm程度である。
形成される。一般に、前記導電性パターンに銅などの金
属を使用した場合、銅などのイオンが粘接着層を構成す
る絶縁樹脂中に溶出する現象、いわゆるイオンマイグレ
ーションが発生し、高温高湿度の環境で粘接着層が10
μm程度と比較的薄い場合、絶縁性に悪影響を及ぼす可
能性がある。バリアー導電層はこのようなイオンマイグ
レーションを防止する効果をも有する。さらに、バリア
ー導電層は、導電性パターンと粘接着層との密着性を向
上させる作用もある。バリアー導電層を形成する材料と
しては、好ましくは、安定した酸化皮膜を有するマイグ
レーションの発生し難い金属、具体的にはニッケル、ク
ロム、スズ、スズ合金、スズ・ニッケル合金等を用いる
ことができる。この場合、ニッケル等の磁性体によって
導電性パターンを被覆した場合には高周波特性が改善す
る。このバリアー導電層の厚みは特に限定されるもので
はないが、好ましくは0.5〜1.0μm程度である。
【0033】粘接着層の形成 本発明の転写用部材に用いられる粘接着層は、典型的に
は導電性パターン上に必要に応じて形成したバリアー導
電層の表面に電着法によって、形成することができる。
電着法は、例えば電着塗装として従来から用いられてお
り、皮膜形成材料を含有するイオン性電着液を用いて行
うことができる。本発明における電着は公知の電着法に
従って行うことができる。
は導電性パターン上に必要に応じて形成したバリアー導
電層の表面に電着法によって、形成することができる。
電着法は、例えば電着塗装として従来から用いられてお
り、皮膜形成材料を含有するイオン性電着液を用いて行
うことができる。本発明における電着は公知の電着法に
従って行うことができる。
【0034】本発明の転写用部材に用いられる粘接着層
の材料は、常温あるいは加熱により粘接着性を示すもの
であり、転写用部材を被転写基板に圧着し、導電性パタ
ーンを粘接着層によって被転写材に固着できるものであ
れは特に限定されない。好ましくは転写後に配線間及び
被転写基板と配線の間の絶縁性を持たせるため、粘接着
層は絶縁体とする。また、電着液に含有させて電着させ
ることが可能な物質、例えばイオン性高分子化合物を用
いることも好ましい。
の材料は、常温あるいは加熱により粘接着性を示すもの
であり、転写用部材を被転写基板に圧着し、導電性パタ
ーンを粘接着層によって被転写材に固着できるものであ
れは特に限定されない。好ましくは転写後に配線間及び
被転写基板と配線の間の絶縁性を持たせるため、粘接着
層は絶縁体とする。また、電着液に含有させて電着させ
ることが可能な物質、例えばイオン性高分子化合物を用
いることも好ましい。
【0035】電着液に含有される絶縁性の粘接着層を形
成する好ましいイオン性高分子化合物としては、例え
ば、天然系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アルキッド系樹脂、マレイン化油系樹脂、ポリブタ
ジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂等が挙げられる。アニオン性高分子化合
物としてはカルボキシル基等のアニオン性基を有するも
のが、カチオン性高分子化合物としては、アミノ基等の
カチオン性基を有するものが包含される。本発明に於い
ては、絶縁性の粘接着層に要求される性能にしたがって
最適なイオン性高分子化合物を適宜選択することができ
る。また、必要に応じてこれらのイオン性高分子化合物
とともに、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着
付与剤を使用することができる。
成する好ましいイオン性高分子化合物としては、例え
ば、天然系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アルキッド系樹脂、マレイン化油系樹脂、ポリブタ
ジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂等が挙げられる。アニオン性高分子化合
物としてはカルボキシル基等のアニオン性基を有するも
のが、カチオン性高分子化合物としては、アミノ基等の
カチオン性基を有するものが包含される。本発明に於い
ては、絶縁性の粘接着層に要求される性能にしたがって
最適なイオン性高分子化合物を適宜選択することができ
る。また、必要に応じてこれらのイオン性高分子化合物
とともに、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系等の粘着
付与剤を使用することができる。
【0036】上記の高分子化合物は、アルカリ性物質又
は酸性物質によって中和して水に可溶化された状態で、
あるいは水分散した状態で電着を行うことができる。ア
ニオン性高分子化合物は、例えばトリメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン
類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する
ことができる。カチオン性高分子化合物は、例えば、酢
酸、蟻酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和することが
できる。
は酸性物質によって中和して水に可溶化された状態で、
あるいは水分散した状態で電着を行うことができる。ア
ニオン性高分子化合物は、例えばトリメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン
類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する
ことができる。カチオン性高分子化合物は、例えば、酢
酸、蟻酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和することが
できる。
【0037】粘接着層の厚みは粘接着性及び必要におお
じた絶縁性が満たされれば、特に限定されるものではな
いが、一般的には1〜100μmであり、好ましくは1
0〜50μmとする。
じた絶縁性が満たされれば、特に限定されるものではな
いが、一般的には1〜100μmであり、好ましくは1
0〜50μmとする。
【0038】
【実施例】実施例1 銅板(OLIN7025 厚さ0.125mm)を導電
性基板として転写用部材を以下の工程により作製した。 無電解Ni−Pめっき及び熱処理 上記基板を80℃のアルカリ性脱脂浴(日本マルセル
(株)製 マルクリーンSP 30g/l)中に10分
間浸積した後、表面を十分に水洗し、乾燥した。脱脂処
理済み基板を10%硫酸に30秒間浸積した後、水洗を
行い、以下の条件の触媒付与剤に浸漬し、1分間の水洗
後、下記の無電解Ni−Pめっき浴でめっきした。めっ
き終了後、十分に水洗し乾燥させた。
性基板として転写用部材を以下の工程により作製した。 無電解Ni−Pめっき及び熱処理 上記基板を80℃のアルカリ性脱脂浴(日本マルセル
(株)製 マルクリーンSP 30g/l)中に10分
間浸積した後、表面を十分に水洗し、乾燥した。脱脂処
理済み基板を10%硫酸に30秒間浸積した後、水洗を
行い、以下の条件の触媒付与剤に浸漬し、1分間の水洗
後、下記の無電解Ni−Pめっき浴でめっきした。めっ
き終了後、十分に水洗し乾燥させた。
【0039】触媒付与条件 処理薬品 AT−450(上村工業(株)製) 濃度 100ml/l 液温 常温 処理時間 3分 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンHDX(上村工業(株)製) 浴温 90℃ pH 4.5 処理時間 10分(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 13% 次いで、真空焼成炉(真空引き後、窒素フロー)を用い
て、300℃で30分間熱処理した。
て、300℃で30分間熱処理した。
【0040】マスクパターンの形成 上記Ni−P被覆銅板上に環化ゴム系ネガ型フォトレジ
スト(東京応化工業(株)製 OMR85 100c
P)を約2μmの厚さに塗布し、85℃のクリーンオー
ブンで30分間プレベークした。その後、プリント配線
板の配線パターンを有するフォトマスクを用い、下記条
件で露光を行い、現像液(東京応化工業(株)製 OM
R現像液)で現像し、リンス液(東京応化工業(株)製
OMRリンス液)でリンスした。次いで、前記フォト
レジストを塗布した基板を145℃のクリーンオーブン
で30分間ポストベークし、マスクパターンを完成させ
た。 露光条件 密着露光機 大日本スクリーン製造(株)製
P−202−G 真空引き 30秒 露光量 30カウント
スト(東京応化工業(株)製 OMR85 100c
P)を約2μmの厚さに塗布し、85℃のクリーンオー
ブンで30分間プレベークした。その後、プリント配線
板の配線パターンを有するフォトマスクを用い、下記条
件で露光を行い、現像液(東京応化工業(株)製 OM
R現像液)で現像し、リンス液(東京応化工業(株)製
OMRリンス液)でリンスした。次いで、前記フォト
レジストを塗布した基板を145℃のクリーンオーブン
で30分間ポストベークし、マスクパターンを完成させ
た。 露光条件 密着露光機 大日本スクリーン製造(株)製
P−202−G 真空引き 30秒 露光量 30カウント
【0041】導電層の形成 上記のマスクパターンを形成した導電性基板を、含リン
陽極と対向させて下記組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬
し、該導電性基板を陰極として、直流電源により2A/
dm2の電流密度で25分間通電した。その結果、該導
電性基板の非マスク部上に厚さ10μmの銅めっきから
なる導電性パターンが形成された。なお、電気絶縁性マ
スクパターンと導電性基板の間への銅めっきの染み込み
は生じなかった。 硫酸銅めっき浴の組成(浴温25℃) CuSO4・5H2O 75g/l H2SO4 180g/l HCl 0.15ml/l (Cl-として60ppm) Cu−Board HA MU 10ml/l (荏原ユージライト(株)製)
陽極と対向させて下記組成の硫酸銅めっき浴中に浸漬
し、該導電性基板を陰極として、直流電源により2A/
dm2の電流密度で25分間通電した。その結果、該導
電性基板の非マスク部上に厚さ10μmの銅めっきから
なる導電性パターンが形成された。なお、電気絶縁性マ
スクパターンと導電性基板の間への銅めっきの染み込み
は生じなかった。 硫酸銅めっき浴の組成(浴温25℃) CuSO4・5H2O 75g/l H2SO4 180g/l HCl 0.15ml/l (Cl-として60ppm) Cu−Board HA MU 10ml/l (荏原ユージライト(株)製)
【0042】次いで、十分な水洗の後、該導電性基板を
電解ニッケル陽極と対向させて下記組成のワットニッケ
ルめっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、定
電流電源により1A/dm2の電流密度で5分間通電し
た。その結果、該導電性基板の上記めっき層上に厚さ1
μmのニッケルめっきからなるバリアー導電層が形成さ
れた。なお金属めっきの内部応力による導電層の剥離は
全く生じなかった。 ワットニッケルめっき浴の組成(浴温50℃、pH4.
0) NiSO4・6H2O 300g/l NiCl2・6H2O 50g/l H3BO3 40g/l
電解ニッケル陽極と対向させて下記組成のワットニッケ
ルめっき浴中に浸漬し、該導電性基板を陰極として、定
電流電源により1A/dm2の電流密度で5分間通電し
た。その結果、該導電性基板の上記めっき層上に厚さ1
μmのニッケルめっきからなるバリアー導電層が形成さ
れた。なお金属めっきの内部応力による導電層の剥離は
全く生じなかった。 ワットニッケルめっき浴の組成(浴温50℃、pH4.
0) NiSO4・6H2O 300g/l NiCl2・6H2O 50g/l H3BO3 40g/l
【0043】粘接着性絶縁層の形成 (アニオン性電着液の調整) (i)ポリイミト゛ワニスの製造 1リットル容量の三つ口セパラブルフラスコにステンレ
ス鋼製イカリ攪拌器、窒素導入管及びストップコックの
付いたトラップの上に玉付き冷却管を付けた還流冷却器
を取り付けた。窒素気流を流しながら温度調整機のつい
たシリコーン浴中にセパラブルフラスコを浸積して加熱
した。反応温度は浴温で示した。
ス鋼製イカリ攪拌器、窒素導入管及びストップコックの
付いたトラップの上に玉付き冷却管を付けた還流冷却器
を取り付けた。窒素気流を流しながら温度調整機のつい
たシリコーン浴中にセパラブルフラスコを浸積して加熱
した。反応温度は浴温で示した。
【0044】3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸ジ無水物(以後、BDTAと呼ぶ)32.
22g(0.1モル)、ビス(4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル)スルホン(m−BAPS)21.63
g(0.05モル)、γバレロラクトン1.50g
(0.015モル)、ピリジン2.37g(0.03モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)200
g、トルエン30g、を加えて、窒素を通じながらシリ
コン浴中、室温で30分攪拌(200rpm)、ついで
昇温して180℃、1時間、200rpmに攪拌しなが
ら反応させる。トルエン−水留出分15mlを除去し、
空冷して、BTDA16.11g(0.05モル)、
3,5−ジアミノ安息香酸(DABz)15.22g
(0.1モル)、NMP119g、トルエン30gを添
加し、室温で30分攪拌した後(200rpm)、昇温
して180℃に加熱攪拌しトルエン−水留出分15ml
を除去する。その後、トルエン−水留出分を系外に除き
ながら、180℃、3時間、加熱、攪拌して反応を終了
した。この操作により、20%ポリイミドワニスを得
た。酸当量(1個のCOOHあたりのポリマー量は85
1.74)は65.87である。
ラカルボン酸ジ無水物(以後、BDTAと呼ぶ)32.
22g(0.1モル)、ビス(4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル)スルホン(m−BAPS)21.63
g(0.05モル)、γバレロラクトン1.50g
(0.015モル)、ピリジン2.37g(0.03モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)200
g、トルエン30g、を加えて、窒素を通じながらシリ
コン浴中、室温で30分攪拌(200rpm)、ついで
昇温して180℃、1時間、200rpmに攪拌しなが
ら反応させる。トルエン−水留出分15mlを除去し、
空冷して、BTDA16.11g(0.05モル)、
3,5−ジアミノ安息香酸(DABz)15.22g
(0.1モル)、NMP119g、トルエン30gを添
加し、室温で30分攪拌した後(200rpm)、昇温
して180℃に加熱攪拌しトルエン−水留出分15ml
を除去する。その後、トルエン−水留出分を系外に除き
ながら、180℃、3時間、加熱、攪拌して反応を終了
した。この操作により、20%ポリイミドワニスを得
た。酸当量(1個のCOOHあたりのポリマー量は85
1.74)は65.87である。
【0045】(ii)電着液の調整 20%濃度ポリイミドワニス100gに3SN(NM
P:テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド=
1:3(重量)の混合溶液)150g、ベンジルアルコ
ール75g、メチルモルホリン5.0g(中和率200
%)、水30gを攪拌して水性電着液を調整する。得ら
れた水性電着液は、ポリイミド7.4%、pH7.8、
暗赤褐色透明液であった。
P:テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド=
1:3(重量)の混合溶液)150g、ベンジルアルコ
ール75g、メチルモルホリン5.0g(中和率200
%)、水30gを攪拌して水性電着液を調整する。得ら
れた水性電着液は、ポリイミド7.4%、pH7.8、
暗赤褐色透明液であった。
【0046】(電着)前記導電性パターンを有する導電
性基板をステンレス製陰極(SUS430MA)と対向
させて上記のアニオン性絶縁性電着液中に浸漬し、該導
電性基板を陽極として、直流電流により100Vの電圧
で3分間通電した。水洗後、80℃のホットプレートで
3分間乾燥した。その結果、該導電性基板の導電性パタ
ーン上に厚さ20μmの上記ポリイミドからなる電着塗
膜が形成され、本発明の転写用部材を得た。
性基板をステンレス製陰極(SUS430MA)と対向
させて上記のアニオン性絶縁性電着液中に浸漬し、該導
電性基板を陽極として、直流電流により100Vの電圧
で3分間通電した。水洗後、80℃のホットプレートで
3分間乾燥した。その結果、該導電性基板の導電性パタ
ーン上に厚さ20μmの上記ポリイミドからなる電着塗
膜が形成され、本発明の転写用部材を得た。
【0047】転写 以上の工程で得られた転写用部材を厚さ30μmのステ
ンレス箔(SUS304TA)上に、200℃圧力1k
g/cm2の条件で圧着し、該導電性基板を剥離して転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。よって、適切な濃度の無電解Ni−Pめっ
き皮膜に熱処理を行うことによって、導電性パターンと
基板との適度な密着性が得られ、導電性パターンと粘接
着性絶縁層との間にバリアー導電層が設けられた場合で
も、バリアー導電層の応力による配線剥離が防止され、
かつパターンの転写性が保持されることが立証された。
ンレス箔(SUS304TA)上に、200℃圧力1k
g/cm2の条件で圧着し、該導電性基板を剥離して転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。よって、適切な濃度の無電解Ni−Pめっ
き皮膜に熱処理を行うことによって、導電性パターンと
基板との適度な密着性が得られ、導電性パターンと粘接
着性絶縁層との間にバリアー導電層が設けられた場合で
も、バリアー導電層の応力による配線剥離が防止され、
かつパターンの転写性が保持されることが立証された。
【0048】実施例2 ハードディスク磁気ヘッド用配線付サスペンションパタ
ーンを有するフォトマスクを用い、実施例1と同様にし
て転写用部材を形成、転写し、ハードディスク磁気ヘッ
ド用配線付サスペンションを得た。
ーンを有するフォトマスクを用い、実施例1と同様にし
て転写用部材を形成、転写し、ハードディスク磁気ヘッ
ド用配線付サスペンションを得た。
【0049】実施例3 非接触ICカード用コイル配線パターンを有するフォト
マスクを用い、実施例1と同様にして、転写用部材を形
成、転写し、非接触ICカード用コイル配線を得た。
マスクを用い、実施例1と同様にして、転写用部材を形
成、転写し、非接触ICカード用コイル配線を得た。
【0050】実施例4 工程(1)で使用する無電解Ni−Pめっき浴が異なる
こと以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。工程(1)で使用した無電解Ni−Pめっ
き条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンスーパー(上村工業(株)) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 3分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 8%
こと以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。工程(1)で使用した無電解Ni−Pめっ
き条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンスーパー(上村工業(株)) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 3分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 8%
【0051】比較例1 導電性基板にステンレス基板(SUS304CSP(厚
さ0.1mm))を用い、工程(1)を行わないこと以
外は実施例1と同様にして転写用部材を作製したが、工
程(3)のワットニッケルめっき後に該導電性基板上の
非マスク部に形成される導電層の消失、剥離が生じ、良
好な転写用部材は得られなかった。
さ0.1mm))を用い、工程(1)を行わないこと以
外は実施例1と同様にして転写用部材を作製したが、工
程(3)のワットニッケルめっき後に該導電性基板上の
非マスク部に形成される導電層の消失、剥離が生じ、良
好な転写用部材は得られなかった。
【0052】比較例2 工程(1)で皮膜中P濃度が低い無電解めっき浴を使用
すること以外は、実施例1と同様にして転写部材を作
製、転写したが、転写用部材から導電層が剥離せず、配
線はステンレス箔上に全く転写しなかった。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンLPX(上村工業(株)
製) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 6分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 3%
すること以外は、実施例1と同様にして転写部材を作
製、転写したが、転写用部材から導電層が剥離せず、配
線はステンレス箔上に全く転写しなかった。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンLPX(上村工業(株)
製) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 6分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 3%
【0053】実施例5 工程(1)の真空焼成炉での熱処理温度を150℃とす
ること、及び工程(5)の転写温度を250℃とするこ
と以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転写
をおこなったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。。
ること、及び工程(5)の転写温度を250℃とするこ
と以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転写
をおこなったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。。
【0054】実施例6 工程(1)で使用する無電解Ni−Pめっき浴が異なる
こと、及び真空焼成炉での熱処理温度を350℃とする
こと以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。工程(1)で使用した無電解Ni−Pめっ
き条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンSX(上村工業(株)) 浴温 90℃ pH 4.8 処理時間 4分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 10%
こと、及び真空焼成炉での熱処理温度を350℃とする
こと以外は、実施例1と同様にして転写部材を作製、転
写を行ったところ、パターンはすべて転写された。ま
た、同様な条件で配線パターンを形成して、プリント配
線板を得た。工程(1)で使用した無電解Ni−Pめっ
き条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンSX(上村工業(株)) 浴温 90℃ pH 4.8 処理時間 4分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 10%
【0055】比較例3 工程(1)で使用するNi−Pめっき浴がことなるこ
と、及び真空焼成炉での熱処理温度を100℃とするこ
と以外は、実施例1と同様にして、転写部材を作製、転
写したが、転写用部材から導電層が剥離せず、配線はス
テンレス箔上に全く転写しなかった。工程(1)で使用
した無電解Ni−Pめっき条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンスーパー((上村工業
(株)) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 4分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 8%
と、及び真空焼成炉での熱処理温度を100℃とするこ
と以外は、実施例1と同様にして、転写部材を作製、転
写したが、転写用部材から導電層が剥離せず、配線はス
テンレス箔上に全く転写しなかった。工程(1)で使用
した無電解Ni−Pめっき条件を以下に記す。 無電解Ni−Pめっき条件 めっき液 ニムデンスーパー((上村工業
(株)) 浴温 90℃ pH 6.0 処理時間 4分間(析出膜厚:約1μm) 皮膜中P濃度 8%
【0056】比較例4 工程(1)でNi−P真空焼成炉の雰囲気を酸素とする
(真空引き後、酸素フロー)以外は、実施例1と同様に
して転写部材を作製したが、適度な密着性が得られず、
バリアー導電層形成時に配線が剥離し、良好な転写部材
は得られなかった。
(真空引き後、酸素フロー)以外は、実施例1と同様に
して転写部材を作製したが、適度な密着性が得られず、
バリアー導電層形成時に配線が剥離し、良好な転写部材
は得られなかった。
【0057】
【発明の効果】以上の本発明によれば、絶縁性マスクパ
ターンを形成する前に、導電性基板の表面に適当なP濃
度を有するNi−Pめっき皮膜を形成し、熱処理を行う
ことによって、導電層と基板との間の適度な密着性を有
し、かつ、配線転写可能な転写用部材を得ることができ
る。その結果、導電層と粘接着層の間に形成されたバリ
アー層に起因する金属めっき間の内部応力による配線の
消失を解決し、転写用部材の製造歩留りが向上する。
ターンを形成する前に、導電性基板の表面に適当なP濃
度を有するNi−Pめっき皮膜を形成し、熱処理を行う
ことによって、導電層と基板との間の適度な密着性を有
し、かつ、配線転写可能な転写用部材を得ることができ
る。その結果、導電層と粘接着層の間に形成されたバリ
アー層に起因する金属めっき間の内部応力による配線の
消失を解決し、転写用部材の製造歩留りが向上する。
【図1】本発明の転写用部材の構造を示す概略図であ
る。
る。
【図2】本発明の転写用部材の製造方法の一例を示す概
略説明図である。
略説明図である。
【図3】従来の転写用部材の製造方法の一例を示す概略
説明図である。
説明図である。
1 導電性基板 1’ 無電解Ni−Pめっきで被覆された導電性基板 2 電気絶縁性フォトレジスト層 2’ 電気絶縁性マスクパターン 3 導電性パターン 3’ バリアー導電層 4 粘接着層 5 非マスク部 6 導電性基板 7 電気絶縁性フォトレジスト層 7’ 電気絶縁性マスクパターン 8 導電性パターン 9 粘接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA14 BB01 BB09 BB17 BB33 CC06 DD19 DD21 4F100 AA36B AB02A AB15A AB16B AB17A AB31A AT00A BA05 BA07 BA10A BA10D CB05G DC22B DC22E EC04 EH71B EJ15 EJ59 EJ60 GB41 GB43 JG01A JG01C JG04E JL01 JL11 JL13D YY00B 5E343 AA01 AA22 BB55 CC01 DD32 DD52 DD56 ER33 ER37 GG20
Claims (18)
- 【請求項1】少なくとも片側表面に導電性を有する導電
性基板と、該導電性基板表面に形成されたNi−Pめっ
き層と、該Ni−Pめっき層上に形成された少なくとも
1層の導電層からなる導電体層と、該導電体層上に形成
された粘接着層とからなる転写用部材。 - 【請求項2】少なくとも片側表面に導電性を有する導電
性基板と、該導電性基板表面に形成されたNi−Pめっ
き層と、該Ni−Pめっき層上に形成された少なくとも
1層の導電層からなる導電体層と、該導電体層上に形成
されたバリアー導電層と、該バリアー導電層上に形成さ
れた粘接着層からなる転写用部材。 - 【請求項3】前記導電性基板が銅、銅合金またはコバー
ルである請求項1または2に記載の転写用部材。 - 【請求項4】前記Ni−Pめっき層のP濃度が8〜13
%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写用部
材。 - 【請求項5】前記導電層の形成が、電着法を用いて行わ
れる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写用部
材。 - 【請求項6】前記粘接着層の形成が、電着法を用いて行
われる、請求項1〜5いずれか1項に記載の転写用部
材。 - 【請求項7】前記Ni−Pめっき層上に、導電体層がパ
ターン状に形成されている請求項1〜6いずれか1項に
記載の転写用部材。 - 【請求項8】請求項1〜7いずれか1項に記載の転写用
部材を用いて製造される、プリント配線板。 - 【請求項9】少なくとも片側表面に導電性を有する導電
性基板に対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき層
を形成する工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性基
板のNi−Pめっき層の表面に、すくなくとも1層の導
電層を形成する工程と、該導電層上に粘接着層を形成す
る工程、を具備してなり、前記導電性基板上に、すくな
くとも前記導電層及び前記粘接着層が積層されて成る転
写層を形成することを特徴とする、転写用部材の製造方
法。 - 【請求項10】少なくとも片側表面に導電性を有する導
電性基板に対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき
層を形成する工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性
基板のNi−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパ
ターンを形成する工程と、前記導電性基板のマスクパタ
ーンを形成した側の非マスク部に少なくとも1層の導電
層を形成する工程と、該導電層上に粘接着層を形成する
工程、を具備してなり、前記導電性基板上に、すくなく
とも前記導電層及び前記粘接着層が積層されて成るパタ
ーン化された転写層を形成することを特徴とする、転写
用部材の製造方法。 - 【請求項11】少なくとも片側表面に導電性を有する導
電性基板に対して、該導電性基板表面にNi−Pめっき
層を形成する工程と、熱処理を行う工程と、前記導電性
基板のNi−Pめっき層の表面に電気絶縁性のマスクパ
ターンを形成する工程と、前記導電性基板のマスクパタ
ーンを形成した側の非マスク部に少なくとも1層の導電
層を形成する工程と、該導電層上にバリアー導電層を形
成する工程と、該バリアー導電層上に粘接着層を形成す
る工程、を具備してなり、前記導電性基板上に、少なく
とも前記導電層、前記バリアー導電層及び前記粘接着層
が積層されて成るパターン化された転写層を形成するこ
とを特徴とする、転写用部材の製造方法。 - 【請求項12】前記導電性基板が銅、銅合金またはコバ
ールであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか
1項に記載の転写用部材の製造方法。 - 【請求項13】前記Ni−Pめっき層のP濃度が8〜1
3%である請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造
方法。 - 【請求項14】前記Ni−Pめっき層形成後の熱処理の
温度が150〜350℃である請求項9〜13いずれか
1項に記載の製造方法。 - 【請求項15】前記Ni−Pめっき層形成後の熱処理工
程を窒素雰囲気中で行なうことを特徴とする請求項9〜
14いずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項16】前記マスクパターンの形成をフォトレジ
ストを用いて行うことを特徴とする請求項10〜15い
ずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項17】前記導電層の形成が、電着法を用いて行
われる、請求項9〜16いずれか1項に記載の製造方
法。 - 【請求項18】前記粘接着層の形成が、電着法を用いて
行われる、請求項9〜17いずれか1項に記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10239169A JP2000068628A (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 転写用部材、プリント配線板、及び転写用部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10239169A JP2000068628A (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 転写用部材、プリント配線板、及び転写用部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000068628A true JP2000068628A (ja) | 2000-03-03 |
Family
ID=17040764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10239169A Withdrawn JP2000068628A (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | 転写用部材、プリント配線板、及び転写用部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000068628A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038292A (ja) * | 2000-07-26 | 2002-02-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電鋳母型およびその製造方法 |
-
1998
- 1998-08-25 JP JP10239169A patent/JP2000068628A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038292A (ja) * | 2000-07-26 | 2002-02-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電鋳母型およびその製造方法 |
JP4617542B2 (ja) * | 2000-07-26 | 2011-01-26 | パナソニック株式会社 | 電鋳母型を用いた導電体の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |