WO2022045078A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供する。サイド部およびクリンチ部を有する空気入りタイヤであって、子午線断面において、ビードベースラインからクリンチ部の幅方向外側部までの距離Ha>幅方向内側部までの距離Hbであると共に、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定されたサイド部の複素弾性率E <クリンチ部の複素弾性率E であり、さらに、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの断面幅をWt、外径をDtとし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積Vとしたとき、(式1)、(式2)を満足する。 1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1) [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10・・(式2)

Description

空気入りタイヤ
 本開示は、空気入りタイヤに関する。
 近年、環境問題への関心の高まりや経済性といった観点から、自動車に対して低燃費化の要求が強くなっており、自動車に装着される空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)に対しても燃費性能の向上が強く求められている。
 タイヤの低燃費性は、転がり抵抗によって評価することができ、転がり抵抗が小さいほど、低燃費性に優れたタイヤであることが知られている。
 そこで、従来、タイヤのトレッド部を構成するゴム組成物の配合を工夫することにより、転がり抵抗の低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献1~4)。
特開2018-178034号公報 特開2019-089911号公報 WO2018/186367号公報 特開2019-206643号公報
 しかしながら、上記した従来技術で製造されたタイヤは、転がり抵抗の低減を図ることはできるものの、高速走行に際して、トレッド部に偏摩耗が発生し易く、また、耐久性能も未だ十分とは言えない。
 そこで、本開示は、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供することを課題とする。
 本開示者は、上記課題の解決について鋭意検討を行い、以下に開示の構成により上記課題が解決できることを見出した。
 本開示は、
 サイド部およびクリンチ部を有する空気入りタイヤであって、
 子午線断面において、ビードベースラインから、前記サイド部と前記クリンチ部との接合面における前記クリンチ部の幅方向外側部までの距離をHa(mm)、幅方向内側部までの距離をHb(mm)としたとき、Ha>Hbであると共に、
 温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の複素弾性率をE (MPa)、前記クリンチ部の複素弾性率をE (MPa)としたとき、E <E であり、
 さらに、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの断面幅をWt(mm)、外径をDt(mm)とし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積V(mm)としたとき、下記(式1)および(式2)を満足することを特徴とする空気入りタイヤである。
  1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1)
  [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10 ・・(式2)
 本開示によれば、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供することができる。
本開示の一実施の形態に係る空気入りタイヤの一部子午線断面図である。
[1]本開示に記載のタイヤの特徴
 最初に、本開示のタイヤの特徴について説明する。
1.概要
 本開示のタイヤは、側面に配置されるサイド部、および、ビード部のリムフランジに接する領域に配置されるクリンチ部を有する空気入りタイヤであり、以下に示す特徴を有している。
 まず、本開示のタイヤは、子午線断面において、ビードベースラインからサイド部とクリンチ部との接合面におけるクリンチ部の幅方向外側部までの距離をHa(mm)、幅方向内側部までの距離をHb(mm)としたとき、Ha>Hbであることを特徴としている。
 次に、本開示のタイヤは、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定されたサイド部の複素弾性率をE (MPa)、クリンチ部の複素弾性率をE (MPa)としたとき、E <E であることを特徴としている。なお、各Eは、GABO社製「イプレクサー(登録商標)」などの粘弾性測定装置を用いて測定される値である。
 さらに、本開示のタイヤは、正規リムに組み込み、内圧を250kPa(乗用車用空気入りタイヤにおける正規内圧)とした際のタイヤの断面幅をWt(mm)、外径をDt(mm)とし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積V(mm)としたとき、下記(式1)および(式2)を満足することを特徴としている。
  1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1)
  [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10 ・(式2)
 これらの特徴を備えることにより、転がり抵抗が低減されているだけではなく、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供することができる。
 なお、上記記載において、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMA(日本自動車タイヤ協会)であれば「JATMA YEAR BOOK」に記載されている適用サイズにおける標準リム、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば「STANDARDS MANUAL」に記載されている“Measuring Rim”、TRA(The Tire and Rim Association, Inc.)であれば「YEAR BOOK」に記載されている“Design Rim”を指す。そして、規格に定められていないタイヤの場合には、リム組み可能であって、内圧が保持できるリム、即ちリム/タイヤ間からエア漏れを生じさせないリムの内、最もリム径が小さく、次いでリム幅が最も狭いものを指す。
 そして、上記記載において、タイヤの外径Dtとは、タイヤを正規リムに組付け、内圧を250kPaにして無負荷とした状態のタイヤの外径であり、タイヤの断面幅Wtとは、タイヤを正規リムに組付け、内圧を250kPaにして無負荷とした状態のタイヤにおいて、タイヤ側面の模様や文字など全てを含むサイドウォール間の直線距離(タイヤの総幅)からタイヤの側面の模様、文字などを除いた幅である。また、Ha、Hbは、タイヤを正規リムに組付け、内圧を250kPaにして無負荷とした状態のタイヤにおいて測定された値である。
 また、タイヤの仮想体積V(mm)は、具体的には、タイヤを正規リムに組付け、内圧を250kPaにして無負荷とした状態のタイヤにおけるタイヤの外径Dt(mm)、タイヤの断面高さ(ビード部底面からトレッド最表面までの距離であり、タイヤの外径とリム径の呼びとの差の1/2)Ht(mm)、タイヤの断面幅Wt(mm)に基づいて、以下の式により求めることができる。
  V=[(Dt/2)-{(Dt/2)-Ht}]×π×Wt
 また、上記記載において、「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”を指し、例えば、乗用車用空気入りタイヤの場合には「250kPa」である。
2.本開示のタイヤにおける効果発現のメカニズム
 本開示のタイヤにおける効果発現のメカニズム、即ち、転がり抵抗が低減されているだけではなく、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能が発揮されるメカニズムについては、以下のように推測される。
 上記したように、本開示のタイヤにおいては、タイヤの断面幅Wt(mm)と外径Dt(mm)とが、1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4(式1)を満足するようにしている。
 上記(式1)は、タイヤの断面幅Wtに対して、タイヤを横方向から見たときの面積[(Dt/2)×π)=(Dt×π/4)]を大きくして、(式1)に規定する数値範囲を満足することにより、単位時間当たりの変形の繰り返しが減り、その結果、熱交換に使える時間が長くなることでサイド部の熱放出性を向上させると共に、トレッド部と路面との間の摩擦を軽減させることができるため、低転がり抵抗化および耐久性の向上を図ることができると考えられる。
 なお、(式1)において、(Dt×π/4)/Wtは、1700以上であるとより好ましく、1704以上であるとさらに好ましく、1731以上であるとさらに好ましく、1733以上であるとさらに好ましく、1737以上であるとさらに好ましく、1755以上であるとさらに好ましく、1758以上であるとさらに好ましく、1772以上であるとさらに好ましく、1781以上であるとさらに好ましく、1789以上であるとさらに好ましく、1805以上であるとさらに好ましく、1816以上であるとさらに好ましく、1822以上であるとさらに好ましく、1865以上であるとさらに好ましく、1870以上であるとさらに好ましく、1963.4以上であるとさらに好ましく、2014以上であるとさらに好ましく、2018以上であるとさらに好ましく、2021以上であるとさらに好ましく、2032以上であるとさらに好ましく、2045以上であるとさらに好ましく、2107以上であるとさらに好ましい。
 しかしながら、このようなタイヤは、タイヤを横方向から見たときの面積が大きく、即ち、外径Dtが大きくなるにつれて、高速走行時にトレッド部全体に作用する遠心力が増大することによって、タイヤの部分的な不均一性が助長され、偏摩耗が生じ易くなる。特に、走行速度を上げていくと、それに伴って、遠心力も大きくなるため、より偏摩耗が生じ易い。
 そこで、本開示のタイヤにおいては、さらに、タイヤの仮想体積V(mm)および断面幅Wt(mm)が、[(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10(式2)を満足するようにしている。
 このように、タイヤの断面幅Wtの減少に合わせてタイヤの仮想体積Vを減少させ、タイヤそのものの体積を減らすことにより、転がり抵抗を低減させた状態で、遠心力の増加に伴う外径の成長を抑制して、トレッド部の変形を小さくすることができるため、発熱性の低下を図るだけでなく、偏摩耗の発生を抑制することができると考えられる。
 なお、[(V+1.5×10)/Wt]は、2.87×10以下であるとより好ましく、2.85×10以下であるとさらに好ましく、2.77×10以下であるとさらに好ましく、2.61×10以下であるとさらに好ましく、2.55×10以下であるとさらに好ましく、2.50×10以下であるとさらに好ましく、2.49×10以下であるとさらに好ましく、2.42×10以下であるとさらに好ましく、2.27×10以下であるとさらに好ましく、2.24×10以下であるとさらに好ましく、2.21×10以下であるとさらに好ましく、2.19×10以下であるとさらに好ましく、2.18×10以下であるとさらに好ましく、2.17×10以下であるとさらに好ましく、2.16×10以下であるとさらに好ましい。
 このとき、[(V+2.0×10)/Wt]≦2.88×10(式3)であることが好ましく、2.83×10以下であるとより好ましく、2.80×10以下であるとさらに好ましく、2.77×10以下であるとさらに好ましく、2.76×10以下であるとさらに好ましく、2.64×10以下であるとさらに好ましく、2.50×10以下であるとさらに好ましく、2.49×10以下であるとさらに好ましく、2.47×10以下であるとさらに好ましく、2.46×10以下であるとさらに好ましく、2.44×10以下であるとさらに好ましく、2.41×10以下であるとさらに好ましい。
 また、[(V+2.5×10)/Wt]≦2.88×10(式4)であることが好ましく、2.85×10以下であるとさらに好ましく、2.78×10以下であるとさらに好ましく、2.75×10以下であるとさらに好ましく、2.71×10以下であるとさらに好ましく、2.69×10以下であるとさらに好ましく、2.68×10以下であるとさらに好ましく、2.66×10以下であるとさらに好ましい。
 本開示のタイヤにおいては、さらに、クリンチ部とサイド部とを、Ha>Hbとなるように接合すると共に、E <E として、クリンチ部の剛性がサイド部よりも高くなるようにしている。これにより、高速走行時、クリンチ部とサイド部との界面に掛かる負荷を小さくして、高速走行時における偏摩耗の発生をより抑制することができると考えられる。なお、このとき、サイド部の端部が、クリンチ部の端部に覆われていると、高速走行時における偏摩耗の発生をより抑制するという効果が、より顕著に発揮されて好ましい。
 なお、上記において、具体的なHaとHbとの差(Ha-Hb)は、12mm以上であることが好ましく、22mm以上であるとより好ましく、23mm以上であるとさらに好ましく、35mm以上であるとさらに好ましい。また、具体的なE とE との差(E -E )は、2.1MPa以上であることが好ましく、2.7MPa以上であるとより好ましく、3.7MPa以上であるとさらに好ましく、4.3MPa以上であるとさらに好ましい。
[2]本開示のタイヤにおけるより好ましい態様
 本開示のタイヤは、以下の態様を取ることにより、さらに大きな効果を得ることができる。
1.扁平率
 本開示のタイヤにおいては、扁平率が40%以上のタイヤであることが好ましく、これにより、タイヤのサイド部の高さを大きくして、サイド部の面積を大きくすることができるため、トレッド部における発熱の寄与を下げて、タイヤ全体の放熱性をさらに向上させることができる。この結果、トレッド部やサイド部における剛性の低下を十分に抑制して、高速走行時における偏摩耗の発生をさらに抑制することができる。
 なお、上記した扁平率(%)は、内圧を250kPaとしたときのタイヤの断面高さHt(mm)と断面幅Wt(mm)を用いて、下式により求めることができる。
    (Ht/Wt)×100(%)
 そして、上記した扁平率は、41%以上であるとより好ましく、45%以上であるとさらに好ましく、47.5%以上であるとさらに好ましく、49%以上であるとさらに好ましく、50%以上であるとさらに好ましく、52.5%以上であるとさらに好ましく、53%以上であるとさらに好ましく、55%以上であるとさらに好ましく、58%以上であるとさらに好ましい。なお、上限は特にないが、例えば、100%以下である。
2.E (MPa)、E (MPa)およびWt(mm)の関係
 断面幅Wtが大きくなるに伴って、トレッドセンター部の接地圧とトレッドショルダー部の接地圧との差が大きくなりやすくなり、偏摩耗が生じ易くなると想定される。一方、クリンチ部の複素弾性率E をサイド部の複素弾性率E に比べて大きくした場合には、剛性が高いクリンチ部によって剛性が低いサイド部を押さえ込むことができ、偏摩耗の抑制に好ましいと考えられる。
 そこで、断面幅Wtが大きくなるに伴って、クリンチ部とサイド部における複素弾性率の差、即ち、E -E を大きくすれば、偏摩耗を抑制できると考え、E -E (MPa)とWt(mm)との関係について検討した。その結果、(E -E )/Wt>0.04×10-1(式5)を満たしていれば、偏摩耗を効果的に抑制でき好ましいことが分かった。
 そして、上記した(E -E )/Wtは、0.08×10-1以上であるとより好ましく、0.09×10-1以上であるとさらに好ましく、0.10×10-1超であるとさらに好ましく、0.11×10-1以上であるとさらに好ましく、0.12×10-1以上であるとさらに好ましく、0.13×10-1以上であるとさらに好ましく、0.14×10-1以上であるとさらに好ましく、0.15×10-1超であるとさらに好ましく、0.16×10-1以上であるとさらに好ましく、0.18×10-1以上であるとさらに好ましく、0.21×10-1以上であるとさらに好ましく、0.24×10-1以上であるとさらに好ましいことが分かった。
3.Ha(mm)、Hb(mm)およびWt(mm)の関係
 前記したように、断面幅Wtが大きくなるに伴って、トレッドセンター部の接地圧とトレッドショルダー部の接地圧との差が大きくなりやすくなり、偏摩耗が生じ易くなると想定される。一方、Haに比べてHbを大きくした場合には、前記したように、高速走行時、クリンチ部とサイド部との界面に掛かる負荷を小さくして、高速走行時における偏摩耗の発生をより抑制することができると考えられる。そして、サイド部の端部が、クリンチ部の端部に覆われていると、クリンチ部によってサイド部を広い範囲で押さえ込むことができるため、高速走行時における偏摩耗の発生を抑制するという効果を、より顕著に発揮させることができると考えられる。
 そこで、断面幅Wtが大きくなるに伴って、Ha-Hbを大きくすれば、偏摩耗を抑制できると考え、Ha、HbおよびWtの関係について検討した。その結果、(Ha-Hb)/Wt>0.04(式7)を満たしていれば、偏摩耗を効果的に抑制でき好ましいことが分かった。
 そして、上記した(Ha-Hb)/Wtは、0.05以上であるとより好ましく、0.06以上であるとさらに好ましく、0.09以上であるとさらに好ましく、0.10超であるとさらに好ましく、0.11以上であるとさらに好ましく、0.12以上であるとさらに好ましく、0.15超であるとさらに好ましく、0.17以上であるとさらに好ましく、0.20以上であるとさらに好ましいことが分かった。
 なお、本開示のタイヤにおいて、Ha、HbのHtに対する比率は、5%以上、80%以下であることが好ましい。そして、E は、耐偏摩耗性能及び耐久性能の総合的観点から、6.1MPa以上、8.3MPa以下であることが好ましい。E は、2MPa以上、5MPa以下であることが好ましく、4MPa以下であることがより好ましく、3.5MPa以下であるとさらに好ましい。
4.サイド部の損失正接(tanδ)
 本開示のタイヤにおいて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定されたサイド部の損失正接(tanδ)は、0.095以下であることが好ましく、0.090以下であるとより好ましく、0.085以下であるとさらに好ましい。さらに、0.080以下であると前記値より好ましく、0.075以下であるとより好ましく、0.070以下であるとさらに好ましく、0.065以下であることが最も好ましい。これにより、サイド部での発熱性を低減させると共に、サイド部の熱放出性をより一層高めることができると考えられる。
 上記tanδの測定は、タイヤの少なくとも溝底よりも半径方向外側、好ましくは最も深い周方向溝の半分の深さよりも半径方向外側から切り出したゴムに対して行う。具体的には、例えば、GABO社製「イプレクサー(登録商標)」の粘弾性測定装置を用いて測定することができる。また、このtanδは、上記したEの測定と同時に行うことができる。
 そして、最大幅位置で測定されたサイド部の厚みをTs(mm)としたとき、(tanδ×Ts)は、0.40以上であることが好ましく、0.45以上であるとより好ましく、0.50以上であるとさらに好ましい。このように、tanδとTsとを制御することにより、サイド部での発熱性を適切にコントロールすることができると考えられる。なお、具体的なTsとしては、例えば、1~20mmである。
5.トレッド部の溝
 本開示のタイヤは、タイヤ周方向に連続して延びる周方向溝をトレッド部に有しており、トレッド部の接地面における周方向溝の溝幅Lに対する周方向溝の最大の深さの80%の深さにおける溝幅L80の比(L80/L)が、0.3~0.7であることが好ましい。これにより、トレッド部の陸部の底面で陸部全体の動きを抑制して、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗の抑制と耐久性の向上を十分に図ることができる。0.35~0.65であるとより好ましく、0.40~0.60であるとさらに好ましく、0.45~0.55であると特に好ましい。
 上記したLおよびL80は、正規リムに装着し、内圧を250kPaとし、無負荷の状態としたタイヤのトレッド周方向溝のトレッド表面部における溝端部の直線距離(L)、および、溝深さ80%の位置での溝壁部の最小距離(L80)を指しており、簡易的には、タイヤを幅2~4cmで半径方向に切り出したセクションのビード部間を、リム幅に合わせて押さえつけた状態にすることで求めることができる。
 そして、トレッド部に、複数本の周方向溝が形成され、複数本の周方向溝の断面積の合計が、トレッド部の断面積の10~30%であることが好ましい。これにより、トレッド部の動きを抑制して、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗の抑制と耐久性の向上を十分に図ることができる。15~27%であるとより好ましく、18~25%であるとさらに好ましく、21~23%であると特に好ましい。
 上記した周方向溝の断面積は、正規リムに装着し、内圧を250kPaとし、無負荷の状態としたタイヤにおいて、トレッド周方向溝の端部を繋いだ直線と溝壁とにより構成される面積の合計値を指しており、簡易的には、タイヤを幅2~4cmで半径方向に切り出したセクションのビード部間を、リム幅に合わせて押さえつけた状態にすることで求めることができる。なお、周方向溝は、周方向に連続して延びる溝であればよく、ジグザグ状、波状など、直線状でない溝も周方向溝に含まれる。
 また、トレッド部に、タイヤ軸方向に延びる複数本の横溝が形成されており、複数本の横溝の容積の合計が、トレッド部の体積の2.0~5.0%であることが好ましい。これにより、トレッド部の動きを抑制して、トレッド部の偏摩耗の抑制と耐久性の向上を十分に図ることができる。2.2~4.0%であるとより好ましく、2.5~3.5%であるとさらに好ましく、2.7~3.0%であると特に好ましい。
 上記した横溝の容積は、正規リムに装着し、内圧を250kPaとし、無負荷の状態としたタイヤにおいて、横溝の端部を繋いだ面と溝壁とにより構成される容積の合計値を指しており、簡易的には、タイヤを幅2~4cmで半径方向に切り出したセクションのビード部間をリム幅に合わせて押さえつけた状態で、個々の横溝の容積を算出し、溝の数を乗じることで求めることができる。また、トレッド部の体積は、前記セクションからトレッド部の横溝を含まない部分の面積を算出して外径を乗じたものから、前記横溝の容積との差を求めることにより、算出することができる。
 なお、トレッド部の偏摩耗の抑制と耐久性のさらなる向上を図るためには、これらの横溝に、溝深さGdに対する溝幅Gwの比(Gw/Gd)が、0.50~0.80である横溝が含まれていることが好ましく、0.53~0.77であるとより好ましく、0.55~0.75であるとさらに好ましく、0.60~0.70であると特に好ましい。
 上記した横溝の溝幅、溝深さは、内圧を250kPaとし、無負荷の状態としたタイヤにおいて、横溝のトレッド表面端部を繋いだ直線のうち、溝方向に対して垂直かつ最大であるもの、および、横溝の最大深さを指しており、簡易的には、タイヤを幅2~4cmで半径方向に切り出したセクションのビード部間をリム幅に合わせて押さえつけた状態から算出することができる。
6.タイヤの形状
 本開示のタイヤにおいて、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際、具体的な外径Dt(mm)としては、例えば、515mm以上であることが好ましく、558mm以上であるとより好ましく、585mm以上であるとさらに好ましく、648mm以上であるとさらに好ましく、658mm以上であるとさらに好ましく、662mm以上であるとさらに好ましく、664mm以上であるとさらに好ましく、665mm以上であるとさらに好ましく、671mm以上であるとさらに好ましく、673mm以上であると最も好ましい。
 一方、843mm未満であることが好ましく、735mm以下であるとより好ましく、725mm未満であるとさらに好ましく、719mm以下であるとさらに好ましく、717mm以下であるとさらに好ましく、716mm以下であるとさらに好ましく、714mm以下であるとさらに好ましく、711mm以下であるとさらに好ましく、707mm未満であるとさらに好ましく、691mm以下であるとさらに好ましく、690mm以下であるとさらに好ましく、685mm以下であるとさらに好ましく、685mm未満であるとさらに好ましく、680mm以下であるとさらに好ましく、675mm以下であるとさらに好ましい。
 そして、具体的な断面幅Wt(mm)としては、例えば、115mm以上であることが好ましく、130mm以上であるとより好ましく、150mm以上であるとさらに好ましく、170mm以上であるとさらにより好ましく、174mm以上であるとさらにより好ましく、175mm以上であるとさらにより好ましく、176mm以上であるとさらにより好ましく、178mm以上であるとさらにより好ましく、181mm以上であるとさらにより好ましく、183mm以上であるとさらにより好ましく、185mm以上であると特に好ましく、193mm以上であると最も好ましい。
 一方、305mm未満であることが好ましく、245mm未満であるとより好ましく、235mm以下であるとさらに好ましく、231mm以下であるとさらに好ましく、230mm以下であるとさらに好ましく、229mm以下であるとさらに好ましく、228mm以下であるとさらに好ましく、224mm以下であるとさらに好ましく、210mm未満であるとさらに好ましく、205mm未満であるとさらに好ましく、203mm以下であるとさらに好ましく、202mm以下であるとさらに好ましく、200mm以下であるとさらに好ましく、200mm未満であるとさらに好ましい。
 そして、具体的な断面高さHt(mm)としては、例えば、37mm以上であることが好ましく、69mm以上であるとより好ましく、70mm以上であるとさらに好ましく、71mm以上であるとさらに好ましく、77mm以上であるとさらに好ましく、78mm以上であるとさらに好ましく、79mm以上であるとさらに好ましく、80mm以上であるとさらに好ましく、87mm以上であるとさらに好ましく、89mm以上であるとさらに好ましく、90mm以上であるとさらに好ましく、95mm以上であるとさらに好ましく、96mm以上であるとさらに好ましく、98mm以上であるとさらに好ましく、99mm以上であるとさらに好ましい。
 一方、180mm未満であることが好ましく、116mm以下であるとより好ましく、114mm以下であるとさらに好ましく、112mm未満であるとさらに好ましく、104mm以下であるとさらに好ましく、101mm以下であるとさらに好ましく、101mm未満であるとさらに好ましい。
 そして、具体的な仮想体積Vとしては、例えば、13,000,000mm以上であることが好ましく、22,647,919mm以上であるとより好ましく、23,279,803mm以上であるとさらに好ましく、23,518,082mm以上であるとより好ましく、28,585,634mm以上であるとより好ましく、28,719,183mm以上であるとより好ましく、29,000,000mm以上であるとさらに好ましく、29,087,378mm以上であるとより好ましく、30,132,749mm以上であるとより好ましく、30,349,719mm以上であるとより好ましく、34,192,251mm以上であるとより好ましく、35,836,776mm以上であるとより好ましく、36,000,000mm以上であるとさらに好ましく、36,203,610mm以上であるとさらに好ましく、36,418,787mm以上であるとさらに好ましく、36,616,393mm以上であるとさらに好ましく、36,682,357mm以上であるとさらに好ましい。
 一方、66,000,000mm未満であることが好ましく、52,265,389mm以下であるとより好ましく、44,000,000mm未満であるとさらに好ましく、43,355,989mm以下であるとさらに好ましく、41,835,961mm以下であるとさらに好ましく、40,755,756mm以下であるとさらに好ましく、38,800,000mm未満であるとさらに好ましい。
 また、本開示のタイヤにおいて、走行時の乗り心地の安定性を考慮すると、(Dt-2×Ht)は、450(mm)以上であることが好ましく、456(mm)以上であるとより好ましく、458(mm)以上であるとさらに好ましく、470(mm)以上であるとさらに好ましく、480(mm)以上であるとさらに好ましく、482(mm)以上であるとさらに好ましく、483(mm)以上であるとさらに好ましく、484(mm)以上であるとさらに好ましい。
 一方、トレッド部の変形を考慮すると、560(mm)未満であることが好ましく、559(mm)以下であるとより好ましく、558(mm)以下であるとさらに好ましく、534(mm)以下であるとさらに好ましく、533(mm)以下であるとさらに好ましく、530(mm)未満であるとさらに好ましく、510(mm)未満であるとさらに好ましく、509(mm)以下であるとさらに好ましく、508(mm)以下であるとさらに好ましく、507(mm)以下であるとさらに好ましい。
[3]本開示の具体的な実施の形態
 以下、実施の形態に基づいて、本開示を具体的に説明する。
1.タイヤの形状
 図1は、本開示の実施の形態に係るタイヤの一部子午線断面図である。図1において、1はタイヤ、2はサイド部、3はクリンチ部、4はビードコア、5はカーカスプライ、6はビードエイペックス、7はインナーライナーである。また、Haはビードベースラインからサイド部2とクリンチ部3との接合面におけるクリンチ部3の幅方向外側部までの距離(mm)であり、Hbはクリンチ部3の幅方向内側部までの距離(mm)である。なお、サイド部2は、図示しないトレッド部に接合されている。
 図1に示すように、本実施の形態に係るタイヤにおいて、クリンチ部3は、その端部がサイド部2の端部と重ね合わされて、Ha>Hbとなるように配置されてサイド部2と接合されている。なお、図1では、サイド部の端部が、クリンチ部の端部に覆われているが、本開示はこの図の形態に限られない。
 本実施の形態において、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定されるサイド部2の複素弾性率E (MPa)は、クリンチ部3の複素弾性率E (MPa)よりも小さい。
 そして、本実施の形態においては、タイヤを正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際の断面幅をWt(mm)、外径をDt(mm)とし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積V(mm)としたとき、下記(式1)および(式2)を満足している。
  1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1)
  [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10 ・(式2)
 本実施の形態に係るタイヤをこのように構成することにより、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、さらに、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供することができる。
2.ゴム組成物
 本実施の形態に係るタイヤを構成する主要部材であるサイド部、クリンチ部、およびトレッド部は、それぞれ、以下に示す各種配合材料を所望する物性に合わせて配合されたゴム組成物(サイド部用ゴム組成物、クリンチ部用ゴム組成物、トレッド部用ゴム組成物)により形成されている。
(1)サイド部用ゴム組成物およびクリンチ部用ゴム組成物
 本実施の形態において、サイド部用ゴム組成物およびクリンチ部用ゴム組成物は、以下に記載するゴム成分、充填剤、軟化剤、加硫剤および加硫促進剤などの各種配合材料について、その種類や量、特に、充填剤と軟化剤とを、適宜、調整して、それぞれに対応した物性とすることにより、容易に得ることができる。
(a)ゴム成分
 各ゴム組成物のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレン系ゴム、ニトリルゴム(NBR)などのタイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を用いることができるが、これらの内でも、ブタジエンゴム(BR)、およびイソプレン系ゴムを使用することが好ましい。
(イ)BR
 各ゴム組成物において、ゴム成分100質量部中のBRの含有量は、40質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であるとより好ましく、55質量部以上であるとさらに好ましい。一方、75質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であるとより好ましく、65質量部以下であるとさらに好ましい。
 BRの重量平均分子量は、例えば、10万超、200万未満である。BRのビニル結合量は、例えば1質量%超、30質量%未満である。BRのシス含有量は、例えば1質量%超、98質量%未満である。BRのトランス量は、例えば、1質量%超、60質量%未満である。なお、シス含有量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
 BRとしては特に限定されず、高シス含有量(シス含有量が90%以上)のBR、低シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。中でも、ハイシスBRが好ましい。ハイシスBRとは、シス含有量が90質量%以上のブタジエンゴムである。
 BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよく、変性BRとしては、例えば、下記式で表される化合物(変性剤)により変性されたBRを使用できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 なお、式中、R、RおよびRは、同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(-COOH)、メルカプト基(-SH)またはこれらの誘導体を表す。RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはアルキル基を表す。RおよびRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。
 上記式で表される化合物(変性剤)により変性された変性BRとしては、重合末端(活性末端)を上記式で表される化合物により変性されたBRを使用できる。
 R、RおよびRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基)。RおよびRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1~5、より好ましくは2~4、更に好ましくは3である。また、RおよびRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4~8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
 上記変性剤の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 また、変性BRとしては、以下の化合物(変性剤)により変性された変性BRも使用できる。変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;ビス-(1-メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、N,N-ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N-ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3-ビス-(グリシジルオキシプロピル)-テトラメチルジシロキサン、(3-グリシジルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;(トリメチルシリル)[3-(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;エチレンイミン、プロピレンイミン等のN-置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-ビス-(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基および/または置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4-N,N-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基および/または置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-メチル-5-メチル-2-ピロリドン等のN-置換ピロリドン;N-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン等のN-置換ピペリドン;N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム等のN-置換ラクタム類の他、N,N-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)-アニリン、4,4-メチレン-ビス-(N,N-グリシジルアニリン)、トリス-(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン類、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルマレイミド、N,N-ジエチル尿素、1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、4-N,N-ジメチルアミノアセトフェン、4-N,N-ジエチルアミノアセトフェノン、1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン等を挙げることができる。なお、上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。なお、これらの変性BRは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
(ロ)イソプレン系ゴム
 各ゴム組成物において、ゴム成分100質量部中のイソプレン系ゴムの含有量(合計含有量)は、25質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であるとより好ましく、35質量部以上であるとさらに好ましい。一方、55質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であるとより好ましく、45質量部以下であるとさらに好ましい。
 イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられるが、強度に優れるという点からNRが好ましい。
 NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のIR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(ハ)その他のゴム成分
 また、その他のゴム成分として、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)などのタイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を含んでもよい。
(b)ゴム成分以外の配合材料
(イ)カーボンブラック
 各ゴム組成物においは、補強剤として、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、200質量部未満である。
 カーボンブラックとしては特に限定されず、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCFおよびECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FTおよびMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPCおよびCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック)などを挙げることができる。市販品としては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用でき、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
 カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、例えば30m/g超、250m/g未満である。カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、例えば50ml/100g超、250ml/100g未満である。なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、ASTM D4820-93に従って測定され、DBP吸収量は、ASTM D2414-93に従って測定される。
 各ゴム組成物には、上記したカーボンブラックの他に、タイヤ工業において一般的に用いられている、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤をさらに含有してもよい。これらの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、200質量部未満である。
(ロ)軟化剤
 ゴム組成物は、オイル(伸展油を含む)や液状ゴム等を軟化剤として含んでもよい。これらの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1.0質量部超が好ましく、8.0質量部超がより好ましい。また、100.0質量部未満が好ましく、40.0質量部未満がより好ましく、30.0質量部未満がさらに好ましい。なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
 オイルとしては、例えば、鉱物油(一般にプロセスオイルと言われる)、植物油脂、またはその混合物が挙げられる。プロセスオイル(鉱物油)としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 具体的なプロセスオイル(鉱物油)としては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
 軟化剤として挙げた液状ゴムとは、常温(25℃)で液体状態の重合体であり、かつ、固体ゴムと同様のモノマーを構成要素とする重合体である。液状ゴムとしては、ファルネセン系ポリマー、液状ジエン系重合体及びそれらの水素添加物等が挙げられる。
 ファルネセン系ポリマーとは、ファルネセンを重合することで得られる重合体であり、ファルネセンに基づく構成単位を有する。ファルネセンには、α-ファルネセン((3E,7E)-3,7,11-トリメチル-1,3,6,10-ドデカテトラエン)やβ-ファルネセン(7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン)などの異性体が存在する。
 ファルネセン系ポリマーは、ファルネセンの単独重合体(ファルネセン単独重合体)でも、ファルネセンとビニルモノマーとの共重合体(ファルネセン-ビニルモノマー共重合体)でもよい。
 液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
 液状ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、例えば、1.0×10超、2.0×10未満である。なお、本明細書において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
 液状ゴムとしては、例えば、クラレ(株)、クレイバレー社等の製品を使用できる。
(ハ)老化防止剤
 各ゴム組成物においては、老化防止剤を含むことが好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、10質量部未満である。
 老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
 なお、老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
(ニ)ステアリン酸
 各ゴム組成物においては、ステアリン酸を含んでもよい。ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部超、10.0質量部未満である。ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
(ホ)酸化亜鉛
 各ゴム組成物においては、酸化亜鉛を含んでもよい。酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部超、10質量部未満である。酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
(ヘ)ワックス
 各ゴム組成物においては、ワックスを含むことが好ましい。ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5~20質量部、好ましくは1.0~15質量部、より好ましくは1.5~10質量部である。
 ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 なお、ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
(ト)架橋剤および加硫促進剤
 各ゴム組成物においては、硫黄等の架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、10.0質量部未満である。
 硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 なお、硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
 硫黄以外の架橋剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレクシス社製のDURALINK HTS(1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)等の硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。
 各ゴム組成物においては、加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.3質量部超、10.0質量部未満である。
 加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(チ)その他
 各ゴム組成物においては、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、脂肪酸金属塩、カルボン酸金属塩、有機過酸化物、グラファイト等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、200質量部未満である。
(2)トレッド部用ゴム組成物
 本実施の形態において、トレッド部用ゴム組成物は、所定のゴム成分、その他の配合材料を含有している。
(a)ゴム成分
 トレッド部用ゴム組成物は、ゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレン系ゴム、ニトリルゴム(NBR)などのタイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を用いることができるが、これらの内でも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびイソプレン系ゴムを使用することが好ましい。これらのゴムは、各ゴム相のそれぞれを相分離させて、互いに絡まった形とすることができるため、ゴム内部の歪みを小さくすることができる。
(イ)SBR
 ゴム成分100質量部中のSBRの含有量は、1質量部以上、100質量部未満である。なかでも5質量部超が好ましく、15質量部超がより好ましく、25質量部超が特に好ましい。また、65質量部未満が好ましく、55質量部未満がより好ましく、45質量部未満がさらに好ましく、35質量部未満が特に好ましい。
 SBRの重量平均分子量は、例えば、10万超、200万未満である。SBRのスチレン含量は、5質量%以上、特に8質量%以上である。また、35質量%未満が好ましく、25質量%未満がより好ましく、15質量%未満がさらに好ましい。SBRのビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、例えば、5質量%超、70質量%未満である。なお、SBRの構造同定(スチレン含量、ビニル結合量の測定)は、例えば、日本電子(株)製JNM-ECAシリーズの装置を用いて行うことができる。
 SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。SBRは、非変性SBR、変性SBRのいずれでもよく、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖および末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
 上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。
 また、変性SBRとして、前述の官能基が導入された変性SBRを使用できる。
 SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。なお、SBRは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ロ)イソプレン系ゴム
 イソプレン系ゴムとしては、上記した天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等を使用でき、トレッド部用ゴム組成物において、ゴム成分100質量部中のイソプレン系ゴムの含有量(合計含有量)は、5質量部超が好ましく、25質量部超がより好ましく、35質量部超さらに好ましく、50質量部超が特に好ましい。一方、イソプレン系ゴムの含有量の上限は特に限定されないが、100質量部未満が好ましく、80質量部未満がより好ましい。
(ハ)BR
 トレッド部用ゴム組成物においては、さらに、上記したBRを含んでもよい。この場合、ゴム成分100質量部中のBRの含有量は、5質量部超が好ましい。また、100質量部未満が好ましく、30質量部未満がより好ましく、20質量部未満であることがさらに好ましい。
(ニ)その他のゴム成分
 また、トレッド部用ゴム組成物においては、その他のゴム成分として、ニトリルゴム(NBR)などのタイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を含んでもよい。
(b)ゴム成分以外の配合材料
(イ)シリカ
 トレッド部用ゴム組成物においては、充填補強材としてシリカを含むことが好ましい。シリカのBET比表面積は、良好な耐久性能が得られる観点から140m/g超が好ましく、160m/g超がより好ましい。一方、良好な高速走行時の転がり抵抗性を得られる観点からは250m/g未満が好ましく、220m/g未満であることがより好ましい。また、ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量は、60質量部超が好ましく、70質量部超がより好ましい。また、150質量部未満が好ましく、140質量部未満がより好ましく、130質量部未満がさらに好ましい。なお、上記したBET比表面積は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定されるNSAの値である。
 シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
 シリカとしては、例えば、エボニック社、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
(ロ)シランカップリング剤
 また、トレッド部用ゴム組成物においては、シリカと共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
 シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、例えば、3質量部超、25質量部未満である。
(ハ)カーボンブラック
 また、トレッド部用ゴム組成物においては、上記「(1)サイド部用ゴム組成物およびクリンチ部用ゴム組成物」に示したカーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、200質量部未満である。
 なお、上記したシリカ、カーボンブラックの他に、タイヤ工業において一般的に用いられている、例えば、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤をさらに含有してもよい。これらの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、200質量部未満である。
(ニ)軟化剤
 トレッド部用ゴム組成物においては、軟化剤として、同様に、上記「(1)サイド部用ゴム組成物およびクリンチ部用ゴム組成物」に示したオイル(伸展油を含む)や液状ゴム等を含むことが好ましい。これらの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して5質量部超が好ましく、10質量部超がより好ましい。一方、70質量部未満が好ましく、50質量部未満がより好ましく、30質量部未満がさらに好ましい。
(ホ)樹脂成分
 また、トレッド部用ゴム組成物においては、樹脂成分を含有することが好ましい。樹脂成分は、常温で固体であっても、液体であってもよく、具体的な樹脂成分としては、例えば、スチレン系樹脂、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、C5樹脂、C9樹脂、C5C9樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上を併用しても良い。樹脂成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2質量部超で、45質量部未満が好ましく、30質量部未満がより好ましい。
(スチレン系樹脂)
 スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いたポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体およびこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
 前記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1-ブテン、1-ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物等が例示できる。
(クマロン系樹脂)
 クマロン系樹脂の中でも、クマロンインデン樹脂が好ましい。クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロンおよびインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
 クマロンインデン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1.0質量部超、50.0質量部未満である。
 クマロンインデン樹脂の水酸基価(OH価)は、例えば、15mgKOH/g超、150mgKOH/g未満である。なお、OH価とは、樹脂1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
 クマロンインデン樹脂の軟化点は、例えば、30℃超、160℃未満である。なお、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
(テルペン系樹脂)
 テルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂およびそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素およびその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオールなどが挙げられる。
 ポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β-ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。テルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した樹脂、および該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物およびホルマリンを縮合させた樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる樹脂、および該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
(C5樹脂、C9樹脂、C5C9樹脂)
 「C5樹脂」とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいう。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
 「C9樹脂」とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
 「C5C9樹脂」とは、前記C5留分と前記C9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
(アクリル系樹脂)
 アクリル系樹脂としては特に限定されないが、例えば、無溶剤型アクリル系樹脂を使用できる。
 無溶剤型アクリル系樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42-45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。なお、本開示において、(メタ)アクリルは、メタクリルおよびアクリルを意味する。
 上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
 また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
 上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。また、上記アクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてもよい。
 樹脂成分としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
(ヘ)老化防止剤
 トレッド部用ゴム組成物においては、上記「(1)サイド部用ゴム組成物およびクリンチ部用ゴム組成物」に示した老化防止剤を含むことが好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、10質量部未満である。
(ト)ステアリン酸
 トレッド部用ゴム組成物においては、同様に、上記に示したステアリン酸を含んでもよい。ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部超、10.0質量部未満である。
(チ)酸化亜鉛
 トレッド部用ゴム組成物においては、同様に、上記に示した酸化亜鉛を含んでもよい。酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部超、10質量部未満である。
(リ)架橋剤および加硫促進剤
 トレッド部用ゴム組成物においては、同様に、上記に示した架橋剤および加硫促進剤を含むことが好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、10.0質量部未満である。そして、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.3質量部超、10.0質量部未満である。
(ヌ)その他
 トレッド部用ゴム組成物においては、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、脂肪酸金属塩、カルボン酸金属塩、有機過酸化物等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、200質量部未満である。
(3)各ゴム組成物の混練
 以下、各ゴム組成物の混練について、具体的に説明する。
 混練は、上記したように、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどを用いて行うことができる。
 ベース練り工程の混練温度は、例えば、50℃超、200℃未満であり、混練時間は、例えば、30秒超、30分未満である。ベース練り工程では、上記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル等の軟化剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤などを必要に応じて適宜添加、混練してもよい。
 仕上げ練り工程では、前記ベース練り工程で得られた混練物と架橋剤とが混練される。仕上げ練り工程の混練温度は、例えば、室温超、80℃未満であり、混練時間は、例えば、1分超、15分未満である。仕上げ練り工程では、上記成分以外にも、加硫促進剤、酸化亜鉛等を必要に応じて適宜添加、混練してもよい。
3.タイヤの製造
 本開示のタイヤは、前記仕上げ練り工程を経て得られた各未加硫ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、各未加硫ゴム組成物を、サイド部、クリンチ部、トレッド部、それぞれの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材と共に、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、まず、未加硫タイヤを作製する。
 具体的には、成形ドラム上に、タイヤの気密保持性を確保するための部材としてのインナーライナー、タイヤの受ける荷重、衝撃、充填空気圧に耐える部材としてのカーカス、カーカスを強く締付けトレッドの剛性を高める部材としてのベルトなどを巻回し、両側縁部にカーカスの両端を固定すると共に、タイヤをリムに固定させるための部材としてのビード部を配置して、トロイド状に成形した後、外周の中央部にトレッド、径方向外側にカーカスを保護して屈曲に耐える部材としてのサイドウォール部を貼り合せることにより、未加硫タイヤを作製する。
 なお、本実施の形態においては、ベルトとして、タイヤ周方向に対して、55°超、75°未満の角度で傾斜して延びる傾斜ベルト層を設けることが好ましく、これにより、タイヤの耐久性を確保すると共に、トレッドの剛性を十分に維持することができる。
 その後、作製された未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。加硫工程は、公知の加硫手段を適用することで実施できる。加硫温度としては、例えば、120℃超、200℃未満であり、加硫時間は、例えば、5分超、15分未満である。
 このとき、前記タイヤは、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際、上記した(式1)および(式2)を満足する形状に成形される。
 なお、上記(式1)および(式2)を満足し得る具体的なタイヤとしては、145/60R18、145/60R19、155/55R18、155/55R19、155/70R17、155/70R19、165/55R20、165/55R21、165/60R19、165/65R19、165/70R18、175/55R19、175/55R20、175/55R22、175/60R18、185/55R19、185/60R20、195/50R20、195/55R20等のサイズ表記のタイヤが挙げられる。
 本実施の形態においては、(式1)および(式2)を満足し得るタイヤの内でも、乗用車用空気入りタイヤに適用することが好ましく、これらの各式を満足することにより、転がり抵抗の低減に加えて、高速走行におけるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制され、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供するという本開示における課題の解決に対して、より好適に貢献することができる。
 なお、ここで言う乗用車用空気入りタイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されるタイヤであって、最大負荷能力が1000Kg以下のタイヤを言う。ここで、最大負荷能力とは、そのタイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定める最大負荷能力であり、例えば、JATMA規格(日本自動車タイヤ協会規格)であればロードインデックス(LI)に基づく最大負荷能力、TRA(The Tire and Rim Association, Inc.)であれば“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”を指す。
 最大負荷能力は、1000Kg以下であれば、特に限定されないが、一般的に最大負荷能力の増加に伴い、タイヤ重量が増加しやすく、それに合わせて慣性により制動距離も長くなることから、900Kg以下であることが好ましく、800Kg以下であることがより好ましく、さらに700Kg以下であることが好ましい。
 タイヤ重量は、上記した慣性による制動距離の観点から、20Kg以下であることが好ましく、15Kg以下であることがより好ましく、さらに12Kg以下、10Kg以下、8Kg以下であることが好ましい。なお、本開示のタイヤには、電子部品が備えられていてもよく、この場合、ここで言うタイヤ重量とは、電子部品及び電子部品取付部材の重量を含むタイヤ重量である。また、内腔部にシーラント、スポンジなどを設けた場合には、それらも含めたタイヤ重量である。
 以下、実施例により、本開示についてさらに具体的に説明する。
[実験1]
 本実験においては、175サイズのタイヤを作製し、評価した。
1.各ゴム組成物の製造
 最初に、各ゴム組成物(サイド部用ゴム組成物、クリンチ部用ゴム組成物、トレッド用ゴム組成物)の製造を行った。
(1)サイド部用ゴム組成物
 まず、上記した各配合材料の内より、ゴム成分としてBRおよびNRを使用し、その他の配合材料としてカーボンブラック、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックス、および老化防止剤と共に、バンバリーミキサーに投入し、150℃の条件下で5分間混練りして、混練物を得た。
 次に、得られた混練物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、サイド部用ゴム組成物を得た。このとき、タイヤのサイド部のE(E )が4.0MPa、また、tanδが0.090となるように、配合材料の内、カーボンブラックとオイルの配合量を調整した。
(2)クリンチ部用ゴム組成物
 上記サイド部用ゴム組成物の場合と同様にして、クリンチ部用ゴム組成物を得た。なお、ここでは、クリンチ部のE(E )が6.1MPa(配合1)、7.7MPa(配合2)、8.3MPa(配合3)、2.8MPa(配合4)、6.7MPa(配合5)の5種類となるように、配合材料の内、カーボンブラックとオイルの配合量を調整した。
(3)トレッド用ゴム組成物
 まず、上記した各配合材料の内より、ゴム成分としてNRおよびSBRを使用し、その他の配合材料としてカーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、オイル、樹脂(ポリマー)、ステアリン酸、酸化亜鉛と共に、バンバリーミキサーに投入し、150℃の条件下で5分間混練りして、混練物を得た。
 次に、得られた混練物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、トレッド用ゴム組成物を得た。
2.タイヤの製造
 得られた各組成物を用いて、サイド部(厚みTs:5mm)、クリンチ部、トレッド部を所定の形状に成形し、他のタイヤ部材と共に貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して、サイズが175タイプの各試験用タイヤ(実施例1-1~実施例1-5および比較例1-1~比較例1-5)を製造した。
3.パラメータの算出
 その後、各試験用タイヤの外径Dt(mm)、断面幅Wt(mm)、扁平率(%)、(Ha-Hb)を求めると共に、仮想体積V(mm)を求めた。結果を、表1および表2に示す。
 併せて、各試験用タイヤのクリンチ部、サイド部のゴム層から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ2mmで切り出して粘弾性測定用ゴム試験片を作製した。各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で、複素弾性率E 、E S、を測定した。結果を、表1および表2に示す。また、サイド部のtanδを測定し、tanδ×Tsを求めた(0.090×5=0.45)。
 そして、(Dt×π/4)/Wt、(V+1.5×10)/Wt、(V+2.0×10)/Wt、(V+2.5×10)/Wt、30℃tanδ×Wt、(E -E )/Wtおよび(Ha-Hb)/Wtを求めた。結果を、表1および表2に示す。
4.性能評価試験
(1)偏摩耗の評価
 各試験用タイヤを車輌(国産のFF車、排気量2000cc)の全輪に装着させて、内圧が250kPaとなるように空気を充填した後、乾燥路面のテストコース上を、120km/hの速度で30周走行し、走行後のトレッドセンター部およびショルダー部における摩耗量を求め、両者の比を算出した。比の値が1に近いほど、偏摩耗の発生が少ないことを示す。
 次いで、比較例1-5における算出結果を100として、下式に基づいて指数化し、高速走行における耐偏摩耗性能を相対的に評価した。数値が大きいほど、偏摩耗が発生しておらず、耐偏摩耗性が優れていることを示す。
 耐偏摩耗性=[(比較例1-5の算出結果)/(試験用タイヤの算出結果)]×100
(2)耐久性能の評価
 各試験用タイヤを車輌(国産のFF車、排気量2000cc)の全輪に装着させて、内圧が250kPaとなるように空気を充填した後、過積載状態にて、乾燥路面のテストコース上を、50km/hの速度で10周走行し、80km/hの速度で路面に設けた凹凸に乗り上げる動きを繰り返し行った。そして、再度、50km/hの速度で周回を行い、その後、速度を徐々に上げて、ドライバーが異変を感じた時点における速度を計測した。
 次いで、比較例1-5における結果を100として、下式に基づいて指数化し、耐久性を相対的に評価した。数値が大きいほど、耐久性が優れていることを示す。
 耐久性=[(試験用タイヤの計測結果)/(比較例1-5の計測結果)]×100
(3)総合評価
 上記(1)、(2)の評価結果を合計して、総合評価とした。
(4)評価結果
 各評価の結果を、表1および表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
[実験2]
 本実験においては、195サイズのタイヤを作製し、評価した。
 実験1と同様にして、表3および表4に示す実施例2-1~実施例2-5および比較例2-1~比較例2-5の各試験用タイヤを製造した後、同様に、各パラメータを求めた。そして、同様に、性能評価試験を行い評価した。なお、本実験においては、比較例2-5における結果を100として、評価を行った。各評価の結果を、表3および表4に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
[実験3]
 本実験においては、225サイズのタイヤを作製し、評価した。
 実験1と同様にして、表5および表6に示す実施例3-1~実施例3-5および比較例3-1~比較例3-5の各試験用タイヤを製造した後、同様に、各パラメータを求めた。そして、同様に、性能評価試験を行い評価した。なお、本実験においては、比較例3-5における結果を100として、評価を行った。各評価の結果を、表5および表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
[実験1~3のまとめ]
 実験1~3の結果(表1~表6)より、175サイズ、195サイズ、225サイズ、いずれのサイズのタイヤにおいても、Ha>Hb、E >E で、上記した(式1)および(式2)が満たされている場合、高速走行によるトレッド部の偏摩耗が十分に抑制されると共に、優れた耐久性能を有する空気入りタイヤを提供できることが分かる。
 そして、請求項2以降に規定する各要件を満たすことにより高速走行によるトレッド部の耐偏摩耗性能および、耐久性能が、さらに改善されたタイヤを提供できることが分かる。
 一方、Ha>Hb、E >E 、(式1)、(式2)のいずれかを満たしていない場合には、高速走行時における偏摩耗を十分に抑制することができず、また、耐久性能を十分には改善できないことが分かる。
[実験4]
 次に、仮想体積Vと断面幅Wtの関係性に大きな差がない3種類(実施例4-1~実施例4-3)のタイヤを、同じ配合で作製し、同様に評価した。なお、ここでは、上記した耐偏摩耗性、耐久性能の評価に加えて、転がり抵抗についても評価した。
 具体的には、各試験用タイヤを車輌(国産のFF車、排気量2000cc)の全輪に装着させて、内圧が250kPaとなるように空気を充填した後、乾燥路面のテストコース上を、100km/hの速度で10km周回した後、アクセルを離し、アクセルをオフにしてから車両が止まるまでの距離を、高速走行時における転がり抵抗として計測した。
 次いで、実施例4-3における結果を100として、下式に基づいて指数化し、高速走行時における転がり抵抗を相対的に評価した。数値が大きいほど、アクセルオフにしたタイミングから車両が止まるまでの距離が長く、定常状態での転がり抵抗が小さく、低燃費性が優れていることを示す。評価結果を表7に示す。
 転がり抵抗=[(試験用タイヤの計測結果)/(実施例4-3の計測結果)]×100
 そして、実験1~3と同様に、各評価結果を合計して総合評価とした。各評価の結果を表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 表7より、仮想体積Vと断面幅Wtの関係性に大きな差がない場合、断面幅Wtが205mm未満、200mm未満と小さくなるにつれて、また、扁平率が高くなるにつれて、高速走行時における耐偏摩耗性能、耐久性能がより一層改善されて、顕著な効果が発揮されることが分かる。
 以上、本開示を実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。本開示と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
 本開示(1)は、
 サイド部およびクリンチ部を有する空気入りタイヤであって、
 子午線断面において、ビードベースラインから、前記サイド部と前記クリンチ部との接合面における前記クリンチ部の幅方向外側部までの距離をHa(mm)、幅方向内側部までの距離をHb(mm)としたとき、Ha>Hbであると共に、
 温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の複素弾性率をE (MPa)、前記クリンチ部の複素弾性率をE (MPa)としたとき、E <E であり、
 さらに、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの断面幅をWt(mm)、外径をDt(mm)とし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積V(mm)としたとき、下記(式1)および(式2)を満足することを特徴とする空気入りタイヤである。
  1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1)
  [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10・・(式2)
 本開示(2)は、
 下記(式3)を満足することを特徴とし、本開示(1)に記載の空気入りタイヤである。
  [(V+2.0×10)/Wt]≦2.88×10・・(式3)
 本開示(3)は、
 下記(式4)を満足することを特徴とし、本開示(2)に記載の空気入りタイヤである。
  [(V+2.5×10)/Wt]≦2.88×10・・(式4)
 本開示(4)は、
 正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの外径をDt(mm)、タイヤの断面高さをHt(mm)としたとき、(Dt-2×Ht)が、470(mm)以上であることを特徴とし、本開示(1)から(3)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(5)は、
 温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の損失正接(tanδ)が、0.095以下であることを特徴とし、本開示(1)から(4)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(6)は、
 前記tanδが、0.090以下であることを特徴とし、本開示(5)に記載の空気入りタイヤである。
 本開示(7)は、
 扁平率が、40%以上であることを特徴とし、本開示(1)から(6)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(8)は、
 扁平率が、45%以上であることを特徴とし、本開示(7)に記載の空気入りタイヤである。
 本開示(9)は、
 扁平率が、47.5%以上であることを特徴とし、本開示(8)に記載の空気入りタイヤである。
 本開示(10)は、
 扁平率が、50%以上であることを特徴とし、本開示(9)に記載の空気入りタイヤである。
 本開示(11)は、
 下記(式5)を満足することを特徴とし、本開示(1)から(10)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
  (E -E )/Wt>0.04×10-1・・・・・(式5)
 本開示(12)は、
 下記(式6)を満足することを特徴とし、本開示(11)に記載の空気入りタイヤである。
  (E -E )/Wt>0.10×10-1・・・・・(式6)
 本開示(13)は、
 E が、6.1MPa以上、8.3MPa以下であることを特徴とし、本開示(1)から(12)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(14)は、
 下記(式7)を満足することを特徴とし、本開示(1)から(13)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
  (Ha-Hb)/Wt>0.04・・・・・・・・・・・・(式7)
 本開示(15)は、
 下記(式8)を満足することを特徴とし、本開示(14)に記載の空気入りタイヤである。
  (Ha-Hb)/Wt>0.10・・・・・・・・・・・・(式8)
 本開示(16)は、
 タイヤ周方向に連続して延びる複数本の周方向溝がトレッド部に形成されており、
 前記複数本の周方向溝の断面積の合計が、前記トレッド部の断面積の10~30%であることを特徴とし、本開示(1)から(15)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(17)は、
 タイヤ軸方向に延びる複数本の横溝がトレッド部に形成されており、
 前記複数本の横溝の容積の合計が、前記トレッド部の体積の2.0~5.0%であることを特徴とし、本開示(1)から(16)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(18)は、
 温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の損失正接(tanδ)と、最大幅位置で測定された前記サイド部の厚みTs(mm)とが、下記(式9)を満足することを特徴とし、本開示(1)から(17)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
  tanδ×Ts≧0.40・・・・・・・・・・・・・・・(式9)
 本開示(19)は、
 下記(式10)を満足することを特徴とし、本開示(18)に記載の空気入りタイヤである。
  tanδ×Ts≧0.45・・・・・・・・・・・・・・・(式10)
 本開示(20)は、
 正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの外径をDt(mm)としたとき、Dtが、685(mm)未満であることを特徴とし、本開示(1)から(19)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(21)は、
 前記断面幅Wt(mm)が、205mm未満であることを特徴とし、本開示(1)から(20)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
 本開示(22)は、
 前記断面幅Wt(mm)が、200mm未満であることを特徴とし、本開示(21)に記載の空気入りタイヤである。
 本開示(23)は、
 乗用車用空気入りタイヤであることを特徴とし、本開示(1)から(22)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
  1    タイヤ
  2    サイド部
  3    クリンチ部
  4    ビードコア
  5    カーカスプライ
  6    ビードエイペックス
  7    インナーライナー

Claims (23)

  1.  サイド部およびクリンチ部を有する空気入りタイヤであって、
     子午線断面において、ビードベースラインから、前記サイド部と前記クリンチ部との接合面における前記クリンチ部の幅方向外側部までの距離をHa(mm)、幅方向内側部までの距離をHb(mm)としたとき、Ha>Hbであると共に、
     温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の複素弾性率をE (MPa)、前記クリンチ部の複素弾性率をE (MPa)としたとき、E <E であり、
     さらに、正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの断面幅をWt(mm)、外径をDt(mm)とし、タイヤが占める空間の体積を仮想体積V(mm)としたとき、下記(式1)および(式2)を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
    1600≦(Dt×π/4)/Wt≦2827.4 ・・(式1)
    [(V+1.5×10)/Wt]≦2.88×10・・(式2)
  2.  下記(式3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
    [(V+2.0×10)/Wt]≦2.88×10・・(式3)
  3.  下記(式4)を満足することを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
    [(V+2.5×10)/Wt]≦2.88×10・・(式4)
  4.  正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの外径をDt(mm)、タイヤの断面高さをHt(mm)としたとき、(Dt-2×Ht)が、470(mm)以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5.  温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の損失正接(tanδ)が、0.095以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6.  前記tanδが、0.090以下であることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7.  扁平率が、40%以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8.  扁平率が、45%以上であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9.  扁平率が、47.5%以上であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10.  扁平率が、50%以上であることを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11.  下記(式5)を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
    (E -E )/Wt>0.04×10-1・・・・・(式5)
  12.  下記(式6)を満足することを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
    (E -E )/Wt>0.10×10-1・・・・・(式6)
  13.  E が、6.1MPa以上、8.3MPa以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14.  下記(式7)を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
    (Ha-Hb)/Wt>0.04・・・・・・・・・・・・(式7)
  15.  下記(式8)を満足することを特徴とする請求項14に記載の空気入りタイヤ。
    (Ha-Hb)/Wt>0.10・・・・・・・・・・・・(式8)
  16.  タイヤ周方向に連続して延びる複数本の周方向溝がトレッド部に形成されており、
     前記複数本の周方向溝の断面積の合計が、前記トレッド部の断面積の10~30%であることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  17.  タイヤ軸方向に延びる複数本の横溝がトレッド部に形成されており、
     前記複数本の横溝の容積の合計が、前記トレッド部の体積の2.0~5.0%であることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  18.  温度70℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下で測定された前記サイド部の損失正接(tanδ)と、最大幅位置で測定された前記サイド部の厚みTs(mm)とが、下記(式9)を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
    tanδ×Ts≧0.40・・・・・・・・・・・・・・・(式9)
  19.  下記(式10)を満足することを特徴とする請求項18に記載の空気入りタイヤ。
    tanδ×Ts≧0.45・・・・・・・・・・・・・・(式10)
  20.  正規リムに組み込み、内圧を250kPaとした際のタイヤの外径をDt(mm)としたとき、Dtが、685(mm)未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  21.  前記断面幅Wt(mm)が、205mm未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  22.  前記断面幅Wt(mm)が、200mm未満であることを特徴とする請求項21に記載の空気入りタイヤ。
  23.  乗用車用空気入りタイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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