JP2011073511A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ周方向に複数の周方向溝が形成され、トレッド面とカーカスとの間にベルトを備える空気入りタイヤであって、前記タイヤの扁平率は55%以上であり、タイヤ幅方向において最も外側に形成された前記周方向溝よりもタイヤ幅方向外方であるショルダー領域における溝面積比率は9%以下であり、前記ショルダー領域における前記ベルトのタイヤ幅方向に沿った断面形状は、タイヤ回転軸と平行、又は、前記ベルトに対してタイヤ径方向外側に曲率中心を有する凸形状であることを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】図2
Description
以下、第1の実施形態の乗用車用空気入りタイヤについて、詳細に説明する。本実施形態の空気入りタイヤは乗用車用として説明するが、他のカテゴリーの車両に用いることもできる。
まず、図1を参照して、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッド面の一例を示す平面図である。
また、ラグ溝20は、タイヤ幅方向と平行な溝に限定されない。ラグ溝20は、例えば、図1に示されるように、タイヤ幅方向に対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、ラグ溝20の幅は、1.5mm以上である。
また、図1に示される空気入りタイヤのタイヤ幅方向の接地端Eは、JATMA YEAR BOOK 2009(日本自動車タイヤ協会規格)に規定される適用リムに空気入りタイヤを装着し、乗用車用タイヤの場合には、空気圧を220kPa、JATMAに規定される最大負荷能力の88%に相当する荷重を負荷した状態において、トレッド面が路面と接地する端部である。乗用車用以外のタイヤの場合は、JATMAに規定される最大負荷能力に対応する空気圧、最大負荷能力に相当する荷重を負荷した状態において、トレッド面が路面と接地する端部である。
ビードコア30は、空気入りタイヤのタイヤ幅方向両側の一対を一組として構成される。カーカス32は、左右のビードコア30間にトロイド状に架け渡される。ベルト40は、タイヤ径方向において、カーカス32の外側に配置される。
また、タイヤ幅方向において最も外側に形成された周方向溝18の底部からベルト40の端部までの長さをLとする。Lは、10mm以上であることが好ましい。Lが10mm以上であることにより、転がり抵抗をより低減することができる。本実施形態では、L=20mmである。さらに、Lは、70mm以下であることが好ましい。
また、タイヤ最大幅位置Mにおけるサイドゴム34の厚さをWとする。Wは、3mm以上であることが好ましい。Wが3mm以上であることにより、転がり抵抗をより低減することができる。本実施形態では、W=6mmである。さらに、Wは、10mm以下であることが好ましい。
また、空気入りタイヤの扁平率は、55%以上であることが好ましい。本実施形態の空気入りタイヤの扁平率は、65%である。
第1の実施形態の変形例1について、図3を参照して説明する。図3は、変形例1の空気入りタイヤのプロファイル断面図である。変形例1の空気入りタイヤの基本的な構成は、図1及び図2を参照して説明した第1の実施形態の空気入りタイヤと同様である。
変形例1の空気入りタイヤは、ショルダー領域Tsにおけるベルト40のタイヤ幅方向に沿った断面形状が、第1の実施形態と異なる。図3に示されるように、変形例1の空気入りタイヤのベルト40は、タイヤ幅方向に沿った断面において、ショルダー領域Tsにおける形状がタイヤ回転軸と平行である。
次に、図4を参照して、第2の実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを説明する。図4は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッド面の一例を示す図である。本実施形態の空気入りタイヤの基本的な構成は、図1及び図2を参照して説明した第1の実施形態の空気入りタイヤと同様である。
本実施形態の空気入りタイヤは、第1の実施形態と同様、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率が9%以下である。本実施形態の空気入りタイヤは、ショルダー領域Tsにサイプ22が形成されている。
ここで、サイプとは、溝幅が1.5mm未満の細溝である。
ドラム径1707mmのドラム試験機を用い、空気圧230kPa、荷重4.0kN、速度80km/hの条件でこの空気入りタイヤの抵抗力を測定し、これを転がり抵抗とした。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例の空気入りタイヤを100とする転がり抵抗指数で示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が少ないことを意味する。転がり抵抗指数が101以上の場合に、優位な効果があると判断した。
水深10mmの直進路にて走行速度を徐々に上昇させ、車両速度と試験タイヤの回転速度とから求められるタイヤのスリップ率が10%に達する最低速度を計測した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど耐ハイドロプレーニング性能が優れていることを意味する。耐ハイドロプレーニング性能が100以下であるが95以上の場合に、耐ハイドロプレーニング性能の低下を抑制することができると判断した。
まず、従来例、比較例1、実施例1,2を用いて、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を0%とし、ショルダー領域Tsにおけるベルト40のタイヤ幅方向に沿った断面形状を、ベルト40に対してタイヤ径方向外側に曲率中心を有する凸形状とし、扁平率を55%以上としたときの効果を調べた。
実施例1の空気入りタイヤは、扁平率が55%であり、タイヤサイズが195/55R15である点を除いて、図1及び図2を参照して説明した第1の実施形態の空気入りタイヤと同様である。
実施例2の空気入りタイヤは、図1及び図2を参照して説明した第1の実施形態の空気入りタイヤと同様である。すなわち、実施例2の空気入りタイヤの扁平率は、65%であり、タイヤサイズが195/65R15である。
表1の結果によると、実施例1,2は、従来例、比較例に対して、耐ハイドロプレーニング性能の低下を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。これにより、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を0%とし、ショルダー領域Tsにおけるベルト40のタイヤ幅方向に沿った断面形状を、ベルト40に対してタイヤ径方向外側に曲率中心を有する凸形状とし、扁平率を55%以上とすることにより、耐ハイドロプレーニング性能の低下を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができることが分かった。
次に、実施例3を用いて、ショルダー領域Tsにおけるタイヤ幅方向に沿った断面におけるベルト40の形状をタイヤ回転軸と平行にしたときの効果を調べた。また、実施例4を用いて、ショルダー領域Tsにサイプを形成したときの効果を調べた。
また、実施例4の空気入りタイヤは、図4を参照して説明したように、ショルダー領域Tsにサイプを形成した点を除いて、実施例2の空気入りタイヤと同様である。
表2の結果によると、実施例3,4は、耐ハイドロプレーニング性能の低下を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができる。特に、実施例3より、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を0%とし、ショルダー領域Tsにおけるタイヤ幅方向に沿った断面におけるベルト40の形状をタイヤ回転軸と平行とし、扁平率を55%以上とすることにより、耐ハイドロプレーニング性能の低下を抑制しつつ、転がり抵抗を低減することができることが分かった。また、実施例4より、ショルダー領域Tsにサイプを形成することにより、耐ハイドロプレーニング性能の低下をより抑制することができることが分かった。
上述した実施例1〜4の空気入りタイヤは、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を0%としたが、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率が9%以下となるようにショルダー領域Tsにラグ溝を形成した場合も、実施例1〜4と同様の効果が確認された。また、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を9%よりも大きくした場合、例えば、溝面積比率を10%とした場合、ショルダー領域Tsにおいて、ラグ溝の底とベルト40の間でトレッドゴムにクラックが発生しやすくなることが確認された。これより、ショルダー領域Tsにおける溝面積比率を9%以下とすることにより、ショルダー領域Tsにおいて、ラグ溝の底とベルト40の間でトレッドゴムにクラックが発生するのを抑制することができることが分かった。
12,14,16,18 周方向溝
20,24 ラグ溝
22 サイプ
30 ビードコア
32 カーカス
34 サイドゴム
40 ベルト
Ts ショルダー領域
E 接地端
M タイヤ最大幅位置
Claims (4)
- タイヤ周方向に複数の周方向溝が形成され、トレッド面とカーカスとの間にベルトを備える空気入りタイヤであって、
前記タイヤの扁平率は55%以上であり、
タイヤ幅方向において最も外側に形成された前記周方向溝よりもタイヤ幅方向外方であるショルダー領域における溝面積比率は9%以下であり、
前記ショルダー領域における前記ベルトのタイヤ幅方向に沿った断面形状は、タイヤ回転軸と平行、又は、前記ベルトに対してタイヤ径方向外側に曲率中心を有する凸形状であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - タイヤ幅方向において最も外側に形成された前記周方向溝の底部から前記ベルトの端部までの長さは10mm以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ最大幅位置におけるサイドゴムの厚さは3mm以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記空気入りタイヤは、前記ショルダー領域にサイプが形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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