JP2011255685A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来と同等以上のドライ性能を確保しつつウェット性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】車両装着時における接地領域Cに、周方向に延在する2本以上の主溝が形成され、この接地領域Gにおいて、車両内側ショルダー部接地領域SINには、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の内側ラグ溝31がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置されるとともに、車両外側ショルダー部接地領域SOUTには、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の外側ラグ溝41がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置され、内側ラグ溝31のピッチ数nは、外側ラグ溝41のピッチ数mの1.2倍〜1.6倍であり、且つ、車両外側ショルダー部接地領域SOUTにおける溝面積比率が、車両内側ショルダー部接地領域SINにおける溝面積比率に対して50%〜75%の範囲に設定される。
【選択図】図1
【解決手段】車両装着時における接地領域Cに、周方向に延在する2本以上の主溝が形成され、この接地領域Gにおいて、車両内側ショルダー部接地領域SINには、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の内側ラグ溝31がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置されるとともに、車両外側ショルダー部接地領域SOUTには、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の外側ラグ溝41がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置され、内側ラグ溝31のピッチ数nは、外側ラグ溝41のピッチ数mの1.2倍〜1.6倍であり、且つ、車両外側ショルダー部接地領域SOUTにおける溝面積比率が、車両内側ショルダー部接地領域SINにおける溝面積比率に対して50%〜75%の範囲に設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
従来、乾燥路における操縦安定性、いわゆるドライ性能と湿潤路における操縦安定性いわゆるウェット性能との両立を図るために、車両装着時においてタイヤ赤道面を挟んで内側となる領域(以下、「車両内側領域」という。)と外側となる領域(以下、「車両外側領域」という。)とでトレッドパターンを非対称の形状にしたタイヤが知られている。例えば、特許文献1には、車両内側領域のショルダーブロック列のブロック個数(Nin)を50〜90個、車両外側領域のショルダーブロック列のブロック個数(Nout)を40〜70個とし、かつ、それらのブロック個数の比(Nin/Nout)を1.1〜1.5の範囲に設定した空気入りタイヤが示されている。
しかしながら、上述した空気入りタイヤでは昨今のドライ性能とウェット性能の両立の要求に対して十分に応えることができていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、従来と同等以上のドライ性能を確保しつつウェット性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、車両装着時における接地領域に、周方向に延在する2本以上の主溝が形成され、前記接地領域において、最も車両内側に位置する主溝よりも車両内側の領域を車両内側ショルダー部接地領域とし、最も車両外側に配置される主溝よりも車両外側の領域を車両外側ショルダー部接地領域としたときに、前記車両内側ショルダー部接地領域には、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の内側ラグ溝がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置されるとともに、前記車両外側ショルダー部接地領域には、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の外側ラグ溝がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置され、前記内側ラグ溝のピッチ数は、前記外側ラグ溝のピッチ数の1.2倍以上1.6倍以下であり、且つ、前記車両外側ショルダー部接地領域における溝面積比率が、前記車両内側ショルダー部接地領域における溝面積比率に対して50%以上75%以下の範囲にあることを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、車両外側ショルダー部接地領域では、車両内側ショルダー部接地領域と比べて大きな接地面積が確保されるため、従来と同等以上のドライ性能を確保することが可能となる。また、車両外側ショルダー部接地領域の溝面積比率を車両内側ショルダー部接地領域の溝面積比率と比べて小さくすることで、ドライ路面での旋回性能を向上させることが可能となる。一方、車両内側ショルダー部接地領域では、車両外側ショルダー部接地領域と比べて大きな溝面積が確保されるため、従来に比してウェット性能を向上させることが可能となる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記内側ラグ溝のピッチ数が50個以上90個以下の範囲にあり、前記外側ラグ溝のピッチ数が40個以上70個以下の範囲にあることを特徴とする。
また、本発明の空気入りタイヤによれば、内側ラグ溝及び外側ラグ溝のピッチ数を上記範囲とすることで、車両内側ショルダー部接地領域と車両外側ショルダー部接地領域の両方で十分なブロック剛性を確保しつつ、ウェット性能を向上させることが可能となる。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記外側ラグ溝の溝幅が前記内側ラグ溝の溝幅に対して80%以上95%以下の範囲であることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、内側ラグ溝の溝幅に対する外側ラグ溝の溝幅を上記範囲とすることで、車両内側ショルダー部接地領域と車両外側ショルダー部接地領域における大幅なブロック剛性の低下を防ぎつつ、ウェット性能を向上させることが可能となる。
本発明の空気入りタイヤは、さらに、前記車両外側ショルダー部接地領域には、前記主溝よりも幅が短い副溝が形成され、前記車両外側ショルダー部接地領域における溝面積には、前記副溝の面積を含むことが好ましい。さらに、前記車両内側ショルダー部接地領域には、前記主溝よりも幅が短い副溝が形成され、前記車両内側ショルダー部接地領域における溝面積には、前記副溝の面積を含むことも好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、従来と同等以上のドライ性能を確保しつつ、ウェット性能を向上させることができる。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう側、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる側をいう。ここで、タイヤ赤道面とは、空気入りタイヤの回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面上にあって空気入りタイヤの周方向に沿う線をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周方向である。
空気入りタイヤは、ビードコアと、カーカス層と、ベルト層と、トレッドゴムと、サイドウォールゴムとを含む。ビードコアは、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。カーカス層は、左右のビードコア間にトロイド状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。ベルト層は、積層された複数のベルト材から成り、カーカス層のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴムは、カーカス層およびベルト層のタイヤ径方向外周に配置されて空気入りタイヤのトレッド部を構成する。トレッド部には、後述するようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に延在する複数の溝が形成されている。これら複数の溝で構成される模様をトレッドパターンという。サイドウォールゴムは、カーカス層のタイヤ幅方向外側に配置されて空気入りタイヤのサイドウォール部を構成する。また、トレッド部の一部からサイドウォールとの間はショルダー部とよばれる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す展開図である。本実施の形態に係る空気入りタイヤは、車両装着時に車両に対する内側、外側の装着方向が指定されたものである。また、空気入りタイヤのトレッドパターンは、回転方向指定のないトレッドデザインで形成されている。図1において、「車両内側」とは空気入りタイヤを車両に装着した際の車両の内側であり、「車両外側」は空気入りタイヤを車両に装着した際の車両の外側である。
図1に例示されるトレッドパターンでは、タイヤ周方向に延在する4本の主溝11,12,13,14がタイヤ一周に亘って形成され、これらの主溝11〜14により、タイヤ周方向に沿って複数の陸部21〜25が区画されている。ここで、「主溝」とは、タイヤ周方向に延びる幅4.0mm以上という特徴を有する溝である。なお、主溝11,12,13,14は、車両内側から車両外側に向かって、主溝11,主溝12,主溝13,主溝14の順で配置されている。
なお、図1に示す例では、主溝を4本形成したが、主溝は、少なくとも2本形成されていればよく、その数は特に限定されない。また、本実施形態では、主溝11と主溝12との間の陸部22及び主溝13と主溝14との間の陸部24に溝を形成していないが、発明はこれに限定されず、タイヤ周方向に沿って円弧状に延在する複数の円弧溝が形成されていてもよい。
ここで、空気入りタイヤのうち、JATMAに規定される空気圧−負荷能力対応表において、最大負荷能力に対応する空気圧をタイヤに充填し、その最大負荷能力の80%の荷重をかけたときに接地する領域を、車両装着時におけるタイヤの接地領域Gとする。具体的には、接地領域は、タイヤ幅方向において車両内側の接地位置である接地最内端26と、車両外側の接地位置である接地最外端27とで囲まれる領域である。なお、接地内端26と、接地最外端27とは、周方向の全周にある。
この、車両装着時における接地領域Gにおいて、最も車両内側に位置する主溝11よりも車両内側の領域を、車両内側ショルダー部接地領域SIN(以下、「車両内側ショルダー部SIN」と省略)とし、最も車両外側に配置される主溝14よりも車両外側の領域を、車両外側ショルダー部接地領域SOUT(以下、「車両外側ショルダー部SOUT」と省略)とする。
車両内側ショルダー部SINには、主溝11と隣接する態様でタイヤ周方向に延在する細溝32がタイヤ一周に亘って形成されるとともに、タイヤ幅方向に略平行に延在する複数の内側ラグ溝31がタイヤ一周に亘ってタイヤ周方向に所定のピッチ長で形成されている。複数の内側ラグ溝31は、その車両外側の端部が細溝32と連通している。このように、車両内側ショルダー部SINに溝を形成することで、車両内側ショルダー部SINのうち、細溝32と接地最内端26との間の領域は、タイヤ幅方向に延在する複数の内側ラグ溝31によって分断されてタイヤ周方向に反復的に配置されるブロック状のブロック部33となる。また、車両内側ショルダー部SINのうち、主溝11と細溝32との間の領域は、タイヤ周方向に延在する細幅陸部34となる。
なお、本実施形態では、ブロック部33をラグ溝によって完全に分断した形状としたが、ブロック部33同士が一部でつながった形状としてもよい。後述する車両外側ショルダー部SOUTのブロック部43も同様とする。
ここで、内側ラグ溝31のピッチ長とは、ブロック部33のタイヤ周方向の長さと内側ラグ溝31のタイヤ周方向の溝幅との和を意味する。図1に示す例では、タイヤ一周に亘って配置されるn本の内側ラグ溝31のピッチ長PIN1,PIN2,PIN3,・・,PINnはすべて同じ長さとなる。しかしながら、これは一例であり、内側ラグ溝31のピッチ長PIN1,PIN2,PIN3,・・,PINnが異なる長さとしてもよい。
車両外側ショルダー部SOUTには、タイヤ幅方向に延在する複数の外側ラグ溝41がタイヤ一周に亘ってタイヤ周方向に所定のピッチ長で形成されている。複数の外側ラグ溝41は、その車両内側の端部が主溝14と連通している。このように、車両外側ショルダー部SOUTに溝を形成することで、車両外側ショルダー部SOUTのうち、主溝14と接地最外端27との間の領域は、複数の外側ラグ溝41によって分断された、複数のブロック43が形成される。
ここで、外側ラグ溝41のピッチ長とは、ブロック43のタイヤ周方向の長さと外側ラグ溝41のタイヤ周方向の溝幅との和を意味する。図1に示す例では、タイヤ一周に亘って配置されるm本の外側ラグ溝41のピッチ長POUT1,POUT2,・・・,POUTmはすべて同じ長さとなる。しかしながら、これは一例であり、外側ラグ溝41のピッチ長POUT1,POUT2,・・,POUTmが異なる長さとしてもよい。
ここで、空気入りタイヤは、車両内側ショルダー部SINの内側ラグ溝31のピッチ数を、車両外側ショルダー部SOUTの外側ラグ溝41のピッチ数の1.2倍以上1.6倍以下とし、且つ、車両外側ショルダー部SOUTにおける溝面積比率(%)を、車両内側ショルダー部SINにおける溝面積比率に対して50%以上75%以下の範囲としている。
ここで、内側ラグ溝31のピッチ数とは、タイヤ一周に亘って所定のピッチ長で形成される内側ラグ溝31の本数nであり、外側ラグ溝41のピッチ数とは、タイヤ一周に亘って所定のピッチ長で形成される外側ラグ溝41の本数mである。
また、車両内側ショルダー部SINにおける溝面積比率とは、車両内側ショルダー部SINの総面積(本実施形態では、内側ラグ溝31、細溝32、ブロック部33及び幅細陸部34合計面積)に対する溝部(下実施形態では、細溝32及び内側ラグ溝31の合計面積)の面積の比率であり、車両外側ショルダー部SOUTにおける溝面積比率とは、車両外側ショルダー部SOUTの総面積(本実施形態では、外側ラグ溝41とブロック部43の合計面積)に対する溝部(本実施形態では、外側ラグ溝41)の面積の比率をいう。なお、溝部の面積は、開口の面積である。
上記のまた、溝部とは、具体的には車両外側ショルダー部SOUT及び車両内側ショルダー部SINに配置される溝幅(溝の開口の幅)が0.5mm以上4.0mm未満の溝を指し、タイヤ幅方向に延在する溝、タイヤ周方向に延在する溝の両方を含む。なお、溝部には、主溝11及び主溝14を含まないものとする。また、溝部に含まれる溝の形状は、直線状、曲線状、ジグザグ状、円弧状等のいずれであってもよい。また、サイプも溝部に含む。
車両内側ショルダー部SINの溝面積比率AINを調整する方法としては、内側ラグ溝31の溝幅及び本数を増やすもしくは減らす、サイプを加える、または、細溝の本数を増減させるといった方法が挙げられる。また、車両外側ショルダー部SOUTの溝面積比率AOUTを調整する方法としても、外側ラグ溝41の溝幅及び本数を増やすもしくは減らす、サイプを加える、または、細溝の本数を増減させるといった方法が挙げられる。
空気入りタイヤは、上記構成とすることで、ドライ性能とウェット性能の両方を高い性能とすることができる。つまり、ドライ性能を低下させることなく、ウェット性能を向上させることができる。または、ウェット性能を低下させることなく、ドライ性能を向上させることができる。
具体的には、空気入りタイヤは、ショルダー部の形状を、上記構成とすることで、車両外側ショルダー部SOUTを、車両内側ショルダー部SINと比べて大きな接地面積とすることができ、従来と同等以上のドライ性能を確保することが可能となる。また、車両外側ショルダー部SOUTの溝面積比率を車両内側ショルダー部SINの溝面積比率と比べて小さくすることができ、ドライ路面での旋回性能を向上させることが可能となる。
また、車両内側ショルダー部SINでは、車両外側ショルダー部SOUTと比べて大きな溝面積を確保できるため、従来に比してウェット性能を向上させることが可能となる。特に、高速走行が想定される車両では、通常、ネガティブキャンバーが設定されており、それに伴い車両内側ショルダー部SINのタイヤ周方向の接地長が車両外側ショルダー部SOUTのタイヤ周方向の接地長よりも長い傾向にある。そのため、車両内側ショルダー部SINの溝面積比率を大きくすることで、効率的にウェット性能を向上させることができる。
より具体的には、内側ラグ溝31のピッチ数nを外側ラグ溝41のピッチ数mの1.2倍以上とすることで、ウェット性能を向上させることができる。また、内側ラグ溝31のピッチ数nを外側ラグ溝41のピッチ数mの1.6倍以下とすることで、車両内側ショルダー部SINにおけるブロック部33の剛性を向上させることができる。
また、車両外側ショルダー部SOUTの溝面積比率AOUTを車両内側ショルダー部SINの溝面積比率AINの50%以上とすることで、車両内側ショルダー部SINの溝面積が車両外側ショルダー部SOUTの溝面積に比して大きくなりすぎることがなく、車両内側ショルダー部SINにおけるブロック部33の剛性を低下させることなくウェット性能を向上させることができる。一方、外側ラグ溝41の溝面積比率AOUTを内側ラグ溝31の溝面積比率AINの75%以下とすることで、車両内側ショルダー部SINの溝面積の大きさが必要十分に確保することができ、所望のウェット性能を得ることができる。
また、空気入りタイヤは、車両が乗用車である場合、内側ラグ溝31のピッチ数nを50個以上90個以下の範囲とし、外側ラグ溝41のピッチ数mを40個以上70個以下の範囲とすることが好ましい。内側ラグ溝31と外側ラグ溝41の各ピッチ数をそれぞれ上記範囲内とすることで、車両外側ショルダー部SOUTと車両内側ショルダー部SINの両方のブロック剛性を十分に確保しつつ、車両内側ショルダー部SINのウェット性能を確実に向上させることができる。
さらに、空気入りタイヤは、外側ラグ溝41の溝幅WOUTを内側ラグ溝31の溝幅WINに対して80%以上95%以下の範囲とすることが好ましい。なお、外側ラグ溝41及び内側ラグ溝31はいずれも、その溝幅が必ずしも一定であるとは限らない。このため、本実施の形態では、車両外側ショルダー部SOUTにおける外側ラグ溝41のタイヤ幅方向長さをdとし、主溝14から距離d/4,2d/4,3d/4離れたそれぞれの位置における溝幅の平均値を、外側ラグ溝41の溝幅WOUTとする。同様に、車両内側ショルダー部SINにおける内側ラグ溝31のタイヤ幅方向長さをd´とし、細溝32から距離d´/4,2d´/4,3d´/4離れたそれぞれの位置における溝幅の平均値を、内側ラグ溝31の溝幅WINとする。外側ラグ溝41の溝幅WOUTを内側ラグ溝31の溝幅WINに対して上記範囲とすることで、車両外側ショルダー部SOUTのブロック剛性の大幅な低下を防止しつつ、車両内側ショルダー部SINのウェット性能を確実に向上させることができる。
なお、図1に示した車両内側ショルダー部SIN及び車両外側ショルダー部SOUTのトレッドパターンはあくまでも一例であり、他のトレッドパターンであっても構わない。すなわち、内側ラグ溝31のピッチ数nと外側ラグ溝41のピッチ数mとの関係、及び、車両内側ショルダー部SINの溝面積比率AINと車両外側ショルダー部SOUTの溝面積比率AOUTの関係が上述した条件を満たしていれば、いかなる態様であってもよい。
例えば、車両内側ショルダー部SINにおいて細溝32を形成せず、内側ラグ溝31の車両外側の端部を主溝11に連通させる態様としてもよく、また、内側ラグ溝31の車両外側の端部を主溝11に連通させない態様としてもよい。また、車両外側ショルダー部SOUTにおいて、外側ラグ溝41の車両内側の端部を主溝14に連通させない態様としてもよく、また、主溝14に隣接してタイヤ周方向に延在する細溝を形成し、外側ラグ溝41の車両内側の端部をこの細溝に連通させる態様としてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。実施例1〜実施例4の4つの実施例、比較例1,2の2つの比較例、従来例の合計7種類の空気入りタイヤを試作し、これらの空気入りタイヤの性能評価試験を実施した。なお、実施例1〜4、比較例1,2及び従来例のトレッドパターンは、溝面積比率(溝の大きさ等)、ピッチ数が異なる以外は、図1に示したトレッドパターンと同様の形状である。すなわち、車両内側ショルダー部SINの溝部がタイヤ周方向に延在する細溝32とタイヤ幅方向に延在する内側ラグ溝31とで構成され、内側ラグ溝31の車両外側の端部が細溝32に連通している。そして、車両外側ショルダー部SOUTの溝部は外側ラグ溝41のみで構成され、外側ラグ溝41の車両内側の端部が主溝14に連通している。内側ラグ溝31、細溝32、外側ラグ溝41の溝幅は一定とする。
実施例1〜4、比較例1,2及び従来例の空気入りタイヤは、図2に示すように、ショルダー部ピッチ数(車両内側ショルダー部SINのピッチ数nと車両外側ショルダー部SOUTのピッチ数m)、ピッチ数比(n/m)、ショルダー部溝面積比率(車両内側ショルダー部SINの溝面積比率AINと車両外側ショルダー部SOUTの溝面積比率AOUT)、溝面積比率比(AOUT/AIN)、ショルダー部ラグ溝幅(内側ラグ溝31の溝幅WINと外側ラグ溝41の溝幅WOUT)、ラグ溝幅比(WIN/WOUT)をそれぞれ変えたものである。
実施例1の空気入りタイヤは、ピッチ数比(n/m)と溝面積比率比(AOUT/AIN)が本発明の上述した範囲内に設定されている。また、実施例2の空気入りタイヤは、ピッチ数比(n/m)と溝面積比率比(AOUT/AIN)に加えて、ラグ溝幅比(WIN/WOUT)が本発明の上述した範囲内に設定されている。また、実施例3及び実施例4の空気入りタイヤは、ピッチ数比(n/m)、溝面積比率比(AOUT/AIN)、ラグ溝幅比(WIN/WOUT)に加えて、ショルダー部ピッチ数(n,m)が本発明の上述した範囲内に設定されている。
一方、比較例1の空気入りタイヤは、溝面積比率比AOUT/AINのみが本発明の範囲内に設定されているが、それ以外は本発明の条件を満たしていない。また、比較例2の空気入りタイヤは、ショルダー部ピッチ数(n,m)とピッチ数比(n/m)が本発明の範囲内に設定されているが、それ以外は本発明の条件を満たしていない。
性能試験では、タイヤサイズ215/50R17の空気入りタイヤをJATMA規定の正規リムに装着して実施した。空気入りタイヤには230[kPa]の内圧およびJATMA規定の荷重を負荷した。そして、この空気入りタイヤを排気量2000[cc]のエンジンを搭載した試験車両(国産FRセダン)に装着した。
ドライ性能に関する性能試験では、試験車両がドライ路面のテストコースを周回し、テストドライバーがタイヤの操縦安定性について官能評価を行い、その結果を従来例を3とする5点法による指数で評価した。この値が大きいほど、操縦安定性に優れている。
ウェット性能に関する性能試験では、直進排水性の評価を行った。すなわち、水深が平均10mmのウェット路面に試験車両が直進走行して突入した際にハイドロプレーニング現象が発生する速度を測定し、その結果を、従来例を100とする指数で評価した。なお、指数は、値が大きいほど、直進時の排水性が優れている。
図2に評価結果を示す。図2に示すように、本発明の実施例1〜実施例4はドライ性能、ウェット性能のいずれも従来例と比べて高い評価を得た。具体的には、実施例1は、従来例に比べて、ドライ性能が向上し、かつ、ウェット性能が向上した。また、実施例2の空気入りタイヤは、従来例に比べて、ドライ性能が一定程度向上し、かつ、ウェット性能が大きく向上した。また、実施例3の空気入りタイヤも、従来例に比べて、ドライ性能が一定程度向上し、かつ、ウェット性能が大きく向上した。実施例4の空気入りタイヤは、従来例に比べて、ドライ性能が大きく向上し、かつ、ウェット性能も向上した。この結果から、本発明の実施例1〜実施例4の空気入りタイヤは、従来例の空気入りタイヤと同等以上のドライ性能を確保しつつ、ウェット性能が向上することが判明した。
一方、比較例1の空気入りタイヤは、ドライ性能については従来例よりも高い評価が得られたが、ウェット性能については従来例よりも低い評価となった。比較例1では、ピッチ数比(n/m)と各ピッチ数n,mが本発明の数値範囲未満であるため、従来例に比してブロック剛性が高くなりドライ路面での操縦安定性は良好となるが、車両内側ショルダー部SINの溝面積が十分に確保できないため、ウェット性能が低くなったものと考えられる。
また、比較例2の空気入りタイヤは、ウェット性能については従来よりも若干高い評価が得られたが、ドライ性能については従来例よりも低い評価となった。比較例2では、溝面積比率比AOUT/AINとラグ溝幅比WIN/WOUTが本発明の範囲を超えているため、所望のブロック剛性を得ることができないため、ドライ性能が低くなったものと考えられる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤによれば、従来と同等以上のドライ性能を確保しつつウェット性能を向上させるのに適している。
11,12,13,14 主溝
21,22,23,24,25 陸部
26 車両内側の接地最内端
27 車両外側の接地最外端
31 内側ラグ溝
32 細溝
33 ブロック部
34 細幅陸部
41 外側ラグ溝
43 ブロック部
CL タイヤ赤道線
G 接地領域
SIN 車両内側ショルダー部
SOUT 車両外側ショルダー部
21,22,23,24,25 陸部
26 車両内側の接地最内端
27 車両外側の接地最外端
31 内側ラグ溝
32 細溝
33 ブロック部
34 細幅陸部
41 外側ラグ溝
43 ブロック部
CL タイヤ赤道線
G 接地領域
SIN 車両内側ショルダー部
SOUT 車両外側ショルダー部
Claims (5)
- 車両装着時における接地領域に、周方向に延在する2本以上の主溝が形成され、
前記接地領域において、最も車両内側に位置する主溝よりも車両内側の領域を車両内側ショルダー部接地領域とし、最も車両外側に配置される主溝よりも車両外側の領域を車両外側ショルダー部接地領域としたときに、
前記車両内側ショルダー部接地領域には、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の内側ラグ溝がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置されるとともに、
前記車両外側ショルダー部接地領域には、タイヤ幅方向と略平行に延在する複数本の外側ラグ溝がタイヤ周方向に所定のピッチ長で配置され、
前記内側ラグ溝のピッチ数は、前記外側ラグ溝のピッチ数の1.2倍以上1.6倍以下であり、且つ、前記車両外側ショルダー部接地領域における溝面積比率が、前記車両内側ショルダー部接地領域における溝面積比率に対して50%以上75%以下の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記内側ラグ溝のピッチ数が50個以上90個以下の範囲にあり、前記外側ラグ溝のピッチ数が40個以上70個以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記外側ラグ溝の溝幅が前記内側ラグ溝の溝幅に対して80%以上95%以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- さらに、前記車両外側ショルダー部接地領域には、前記主溝よりも幅が短い副溝が形成され、
前記車両外側ショルダー部接地領域における溝面積には、前記副溝の面積を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - さらに、前記車両内側ショルダー部接地領域には、前記主溝よりも幅が短い副溝が形成され、
前記車両内側ショルダー部接地領域における溝面積には、前記副溝の面積を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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