JP2019206643A - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びに優れたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に、ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーを0.3質量部以上と、シリカを配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量に対し5〜18質量%配合したゴム組成物の製造方法であって、ミキサーに前記変性ポリマー、シリカおよびシランカップリング剤を共に投入し、混合した後、前記ジエン系ゴムを投入、混練することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びに優れたタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
従来、空気入りタイヤには、安全性を高めるためウェットグリップ性能に優れ、かつ燃費性能を高くするため転がり抵抗を小さくすることが求められている。例えばウェットグリップ性能および低転がり性を改良するためタイヤ用ゴム組成物にシリカを配合し動的粘弾性特性を改質することが知られている。
シリカを含有するゴム組成物のウェットグリップ性能および低転がり抵抗性をより優れたものにするため、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性を改良すべく、シランカップリング剤を配合したり、予め表面処理を施したシリカを用いることが知られている。しかし、ジエン系ゴムにシリカを良好に分散させないと、所期の特性が得られず、更に引張り破断伸びが低下することがある。特許文献1,2は、ゴム組成物の構成成分を逐次投入および/または分割混練することによりシリカの分散性を改良することを提案している。しかし、表面処理シリカを使用したり、逐次投入および/または分割混練を行うことは工数が増加し、生産コストが高くなるという問題があった。
特開2016−151018号公報 特開2016−169268号公報
本発明の目的は、ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びに優れたタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴム100質量部に、ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーを0.3質量部以上と、シリカを配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量に対し5〜18質量%配合したゴム組成物の製造方法であって、ミキサーに前記変性ポリマー、シリカおよびシランカップリング剤を共に投入し、混合した後、前記ジエン系ゴムを投入、混練することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、変性ポリマー、シリカおよびシランカップリング剤の全量をミキサーに投入し混合した後、ジエン系ゴムを投入し混練するようにしたので、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤が接触しやすくすると共に、ミキサーの温度を低くさせてジエン系ゴムを投入した後、高いせん断力がかかるようにしてシリカの分散性を一層良好にすることができ、ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びに優れたタイヤ用ゴム組成物を得ることができる。
本発明の製造方法は、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤と共に、カーボンブラックおよび/またはアロマオイルを投入し混合することができる。前記シリカは、前記ジエン系ゴム100質量部に、40〜180質量部配合するとよい。
前記変性ポリマーは、窒素原子およびケイ素原子を含むアミン系官能基を有する変性ブタジエンポリマーであるとよい。また前記変性ポリマーの重量平均分子量は1000〜15000、分子量分布は2.0以下であるとよい。
一般的にタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴム、シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラック、アロマオイル、および加硫系配合剤を除く配合剤を、混合、混練する混練工程(第一段階の混合工程)と、第一段階の混合工程の後、得られた混合物を冷却してから加硫系配合剤を混合する工程(最終段階の混合工程)の少なくとも2つの工程からなる。本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、上述した混練工程(第一段階の混合工程)を、1番目にシリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤の全量をミキサーに投入し混合するステップと、この1番目の投入・混合ステップの後、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を含むミキサーにジエン系ゴムを投入、混練する、2番目の投入・混合ステップからなる少なくとも2つのステップで構成することを特徴とする。
タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、第一段階の混合工程を、ミキサーにシリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤の全量を1番目に投入し混合するステップを行うことにより開始する。これによりシリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を互いに接触しやすくし、変性ポリマーおよびシランカップリング剤がより効果的にシリカに作用するようになる。これにより従来、別の工程でシリカの表面処理を施す場合と比べ、工数を削減し生産コストを低減することができる。またシリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を先に混合することにより、ミキサーの温度を低下させ、次にジエン系ゴムを混練するときの温度を下げ、ミキサー内の混練強度をより大きくしシリカの分散性をよりよくすることができる。最初にジエン系ゴムをミキサーに投入、混練した後、各種配合剤を投入、混練するという従来の第一段階の混合工程では、ジエン系ゴムの混練によりミキサー内の温度が高くなりジエン系ゴムの粘度が低下するので、後からシリカを投入、混練するとき高いせん断力をかけることができないため、シリカを良好に分散させることができない。
ミキサーに1番目に投入する変性ポリマーの量は、2番目に投入するジエン系ゴム100質量部に対し、0.3質量部以上、好ましくは1質量部以上10質量部未満にする。変性ポリマーが0.3質量部未満であるとシリカを良好に分散させる作用が不足する。また変性ポリマーは、同時に投入するシリカの量に対し、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは2〜10質量%であるとよい。シリカ量に対する変性ポリマーの配合量をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びをいっそう改良することができる。
ミキサーに投入するシランカップリング剤の量は、シリカ量に対し5〜18質量%、好ましくは6〜15質量%になるようにする。シランカップリング剤の配合量をシリカ量の5質量%以上にすることによりシリカの分散を改良することができる。またシランカップリング剤の配合量をシリカ量の18質量%以下にすることによりシランカップリング剤同士の縮合を抑制し、所望の硬度や強度を有するゴム組成物を得ることができる。
シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤の混合は、通常タイヤ用ゴム組成物の製造に用いられるミキサーを使用することができる。またミキサーを構成するローターの形式は噛み合い式、非噛み合い式のいずれでもよい。ローターの回転数は、タイヤ用ゴム組成物を製造するときの通常の回転数に設定することができる。
タイヤ用ゴム組成物の製造方法において、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を混合する温度は、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜70℃にすることができる。特に混合するときの上限温度を70℃にすることにより、このステップに続き、ジエン系ゴムを投入、混練するステップを行うことにより、せん断力を大きくしシリカの分散性を良好にすることができる。シリカおよびシランカップリング剤の混合温度は、ミキサーの温度により調節することができる。ミキサーの温度は、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜70℃にするとよい。
シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を混合する時間は、好ましくは5秒〜2分、より好ましくは20秒〜90秒にすることができる。混合時間を20秒以上にすることにより、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤を混合し十分に接触させることができる。また混合時間を90秒以下にすることにより生産性の低下を抑制することができる。
タイヤ用ゴム組成物の製造方法において、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤の混合を終えたミキサーに、ジエン系ゴムを投入し混練する。ミキサーへのジエン系ゴムの投入は、通常の投入条件の範囲内で行うことができる。またシリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤とジエン系ゴムを混練する条件も通常の範囲内で行うことができる。
タイヤ用ゴム組成物の製造方法において、シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤と共に、カーボンブラックおよび/またはアロマオイルを投入し混合することができ、転がり抵抗をより小さくし、耐摩耗性をより大きくすることができる。シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤と同時に、カーボンブラックおよびアロマオイルをミキサーに投入するときの混合条件は、上記と同じにすることができる。
また、カーボンブラックおよび/またはアロマオイルは、シリカおよびシランカップリング剤の投入時の他、ジエン系ゴムの投入と同時に投入してもよいし、ジエン系ゴムを投入、混練した後に投入してもよい。なお、カーボンブラックおよびアロマオイルは、互いに異なるタイミングで投入し、混合することができる。アロマオイルは、シリカおよびシランカップリング剤の投入時、またはジエン系ゴムを投入、混練した後に、投入し、混合するとよく、更に好ましくはシリカおよびシランカップリング剤と共に、投入するとよい。
タイヤ用ゴム組成物に配合する、加硫系配合剤を除く配合剤は、ジエン系ゴムと同時に投入し混練しても、ジエン系ゴムの混練を終えた後に投入し混合してもよい。加硫系配合剤を除く配合剤としては、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を例示することができる。これら配合剤は、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えばカーボンブラックなどのシリカ以外の充填剤をジエン系ゴムの投入と同時に投入、混練したり、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤などの所謂ゴム薬をジエン系ゴムの投入と同時に投入、混練したり、或はジエン系ゴムの混練を終えた後にアロマオイルを投入し混合してもよい。
加硫系配合剤としては、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等を例示することができる。加硫系配合剤を混合する方法は、通常のタイヤ用ゴム組成物の製造方法と同様にして行うことができる。なお、最終段階の混合工程の前に、第一段階の混合工程で得られた混合物を、さらに混練する第二段階の混合工程や第三段階の混合工程を行ってもよい。第二段階の混合工程は、第一段階の混合工程のミキサーから、混練物を取出し、必要に応じ冷却し、同じミキサーまたは別のミキサーに投入し混合するものである。第三段階の混合工程は、第二段階の混合工程で得られた混合物に対し、上記と同様にして混合するものである。第二段階の混合工程および/または第三段階の混合工程では、それぞれの前段階の混合工程で得られた混合物を投入しそのまま混合してもよいし、更に混合物に対し配合剤を追加投入して混合してもよい。
タイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部にシリカを好ましくは40〜180質量部配合し、シランカップリング剤をシリカ量の5〜18質量%配合したものである。
ジエン系ゴムは、通常タイヤ用ゴム組成物に用いられるものであれば特に制限されるものではなく、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
これらジエン系ゴムは、その分子鎖の末端および/または側鎖が官能基で変性されたジエン系ゴムでもよい。官能基として、エポキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、アミド基、オキシシリル基、シラノール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボニル基、アルデヒド基等が例示される。
変性されたジエン系ゴムとして、例えばエポキシ基変性天然ゴム、エポキシ基変性イソプレンゴム、アミノ基変性スチレン−ブタジエンゴム、ヒドロキシ基変性スチレン−ブタジエンゴム、シリル基変性スチレン−ブタジエンゴム、オキシシリル基変性スチレン−ブタジエンゴム、シラノール基変性スチレン−ブタジエンゴム、イミノ基変性スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエンゴム、スズ基変性スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ基変性スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。なお、本明細書において、上述した変性されたジエン系ゴムは、変性ポリマーとは異なるものとする。
変性されたジエン系ゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上含有するとよい。また変性されたジエン系ゴムは、100質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下含有するとよい。変性されたジエン系ゴムの含有量を30質量%以上にすることにより、シリカの分散性をいっそう良好にし、ウェットグリップ性能、低転がり抵抗性および引張り破断伸びにさらに優れたものにすることができる。
シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。またシリカの表面をシランカップリング剤により表面処理が施された表面処理シリカを使用してもよい。
シリカのCTAB吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは150〜300m2/g、より好ましくは160〜260m2/gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積を150m2/g以上にすることにより、ゴム組成物の耐摩耗性を確保することができる。またシリカのCTAB吸着比表面積を300m2/g以下にすることにより、ウェットグリップ性能および低転がり抵抗性を良好にすることができる。本明細書において、シリカのCTAB比表面積は、ISO 5794により測定された値とする。
シリカは、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは40〜240質量部、より好ましくは50〜200質量部配合する。シリカの配合量を40質量部以上にすることにより、ウェットグリップ性能および低転がり抵抗性を改良することができる。またシリカの配合量を220質量部以下にすることにより、引張り破断伸びを確保することができる。
シランカップリング剤は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであれば特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤等を例示することができる。シランカップリング剤として、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等の硫黄含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、等のアミノ基含有シランカップリング剤を挙げることができる。シリカの質量に対するシランカップリング剤の配合量は、前述したとおりである。すなわち、シリカの質量に対し5〜18質量%、好ましくは6〜15質量%にする。
本発明で製造するタイヤ用ゴム組成物は、シリカおよびシランカップリング剤と共に、ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーを配合する。ヘテロ原子として、窒素原子、ケイ素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、なかでも窒素原子、ケイ素原子が好ましい。更にヘテロ原子を含む官能基として、窒素原子およびケイ素原子を有するアミン系官能基が好ましい。変性ポリマーのベースとなるポリマーとして、例えばブタジエンポリマー、イソプレンポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−イソプレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−αオレフィンコポリマー、プロピレン−αオレフィンコポリマー等を挙げることができる。なかでもブタジエンポリマー、イソプレンポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−イソプレン−ブタジエンコポリマーが好ましく、ブタジエンポリマーがより好ましい。ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーとして、窒素原子およびケイ素原子を含むアミン系官能基を有する変性ブタジエンポリマーが好ましい。
ヘテロ原子を含む官能基は、好ましくは窒素原子およびケイ素原子を含む官能基であり、より好ましくは窒素原子をアミノ基(−NR2:Rは水素原子または炭化水素基)として含み、ケイ素原子をヒドロカルビルオキシシリル基(≡SiOR:Rは炭化水素基)として含むむとよい。このような官能基は、下記式(M)で表される基であることが好ましい。
Figure 2019206643
(式(M)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基、Lは2価の有機基を表し、mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表し、n+m=3の関係を満たし、*は結合位置を表す。)
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基は1価の置換基であれば特に制限されない。置換基として、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、およびこれらの置換基を有してもよい炭化水素基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
1は、所期の効果がより優れる理由から、水素原子、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜10)、アルキルシリル基(好ましくは、炭素数1〜10)、芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜18)であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。R1が複数あるとき、R1は互いに同一でも異なってもよい。
2は、所期の効果がより優れる理由から、ヒドロカルビルオキシ基(−OR基:Rは炭化水素基)であることが好ましく、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜10)であることがより好ましい。
Lは、単結合又は2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基)、芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基、好ましくは炭素数6〜18のアリーレン基)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基(−Cm2mO−:mは正の整数)、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。Lは、所期の効果がより優れる理由から、アルキレン基(好ましくは、炭素数1〜10)であることが好ましい。
上記式(M)中、nは0〜2の整数を表し、所期の効果がより優れる理由から、2であることが好ましい。mは、1〜3の整数を表し、所期の効果がより優れる理由から、1であることが好ましい。またm、nはn+m=3の関係を満たす。
変性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000以上15,000以下である。なかでも、所期の効果がより優れる理由から、5,000以上10,000未満であることがより好ましい。
変性ポリマーの数平均分子量(Mn)は、所期の効果がより優れる理由から、好ましくは1,000以上15,000以下、より好ましくは5,000以上10,000未満であるとよい。本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定(溶媒;テトラヒドロフラン、検出器;RI検出器)により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
また変性ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2.0以下であるとよく、所期の効果がより優れる理由から、1.7以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましく、1.3以下であることがさらにより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)の下限は、通常1.0以上である。
ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーは、好ましくは窒素原子およびケイ素原子を含むアミン系官能基を有する変性ブタジエンポリマーであるとよい。変性ブタジエンポリマーは、ビニル構造の割合は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、10〜50モル%であることが好ましく、20〜40モル%であることがより好ましい。ここで、ビニル構造の割合とは、ブタジエンに由来する繰り返し単位のうち、ビニル構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
変性ブタジエンポリマーの1,4−トランス構造の割合は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、10〜70モル%であることが好ましく、30〜50モル%であることがより好ましい。ここで、1,4−トランス構造の割合とは、ブタジエンに由来する全繰り返し単位のうち、1,4−トランス構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
また変性ブタジエンポリマーの1,4−シス構造の割合は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、10〜50モル%であることが好ましく、20〜40モル%であることがより好ましい。ここで、1,4−シス構造の割合とは、ブタジエンに由来する全繰り返し単位のうち、1,4−シス構造を有する繰り返し単位が占める割合(モル%)を言う。
変性ブタジエンポリマーのガラス転移温度(Tg)は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、−100℃〜−60℃であることが好ましく、−90℃〜−70℃であることがより好ましく、−85℃〜−75℃であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で測定し、中点法にて算出したものとする。
変性ブタジエンポリマーの製造方法は特に制限されず、通常の方法を用いることができる。分子量及び分子量分布を特定の範囲する方法は特に制限されないが、開始剤とモノマーと停止剤との量比、反応温度、および開始剤を添加する速度などを調整する通常の方法などが挙げられる。
変性ブタジエンポリマーを製造する好適な態様として、例えば有機リチウム化合物を用いてブタジエンを重合し、その後、窒素原子及びケイ素原子を含む求電子剤を用いて重合を停止する方法が挙げられる。
有機リチウム化合物は特に制限されないが、その具体例としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物;1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチオペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,10−ジリチオデカン、1,1−ジリチオジフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物が挙げられる。なかでも、所期の効果がより優れる理由から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのモノ有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物の使用量は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、ブタジエンに対して、0.001〜10モル%であることが好ましい。
有機リチウム化合物を用いてブタジエンを重合する方法は特定に制限されないが、ブタジエンを含有する有機溶媒溶液に上述した有機リチウム化合物を加え、0〜120℃(好ましくは30〜100℃)の温度範囲で撹拌する方法などが挙げられる。
変性ブタジエンポリマーの製造方法では、窒素原子及びケイ素原子を含む求電子剤(以下、「特定求電子剤」とも言う)を用いてブタジエンの重合を停止する。特定求電子剤を用いて重合を停止することで、特定の官能基を末端に有する変性ブタジエンポリマーが得られる。特定求電子剤は窒素原子およびケイ素原子を含む化合物であれば特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、窒素原子をアミノ基(−NR2:Rは水素原子又は炭化水素基)として含むのが好ましく、ケイ素原子をヒドロカルビルオキシシリル基(≡SiOR:Rは炭化水素基)として含むのが好ましい。特定求電子剤は、所期の効果がより優れる理由から、シラザンであることが好ましく、環状シラザンであることがより好ましい。ここで、シラザンとは、ケイ素原子と窒素原子とが直接結合した構造を有する化合物(Si−N結合を有する化合物)を意図する。
上記環状シラザンは、所期の効果がより優れる理由から、下記式(S)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019206643
(上記式(S)中、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、Lは、2価の有機基を表す。)
上記式(S)において、R1〜R3により表される置換基の具体例及び好適な態様は上述した式(M)中のR1およびR2と同じである。またLにより表される2価の有機基の具体例及び好適な態様は、上述した式(M)中のLと同じである。
上記式(S)中、R1は、所期の効果がより優れる理由から、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜10)、アルキルシリル基(好ましくは、炭素数1〜10)、芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜18)であることが好ましい。
上記式(S)中、R2及びR3は、所期の効果がより優れる理由から、それぞれ独立に、ヒドロカルビルオキシ基(−OR基:Rは炭化水素基)であることが好ましく、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜10)であることがより好ましい。
上記式(S)中、Lは、所期の効果がより優れる理由から、アルキレン基(好ましくは、炭素数1〜10)であることが好ましい。
上記式(S)で表される化合物としては、例えば、N−n−ブチル−1,1−ジメトキシ−2−アザシラシクロペンタン、N−フェニル−1,1−ジメトキシ−2−アザシラシクロペンタン、N−トリメチルシリル−1,1−ジメトキシ−2−アザシラシクロペンタン、N−トリメチルシリル−1,1−ジエトキシ−2−アザシラシクロペンタンなどが挙げられる。なお、環状シラザンのケイ素原子は求電子性を示すと考えられる。
有機リチウム化合物に対する特定求電子剤の量は特に制限されないが、所期の効果がより優れる理由から、モル比で、0.1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、HMF、SRF等のファーネスカーボンブラックが挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、特に制限されるものではないが、好ましくは70〜240m2/g、より好ましくは90〜200m2/gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積を70m2/g以上にすることにより、ゴム組成物の機械的特性および耐摩耗性を確保することができる。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積を240m2/g以下にすることにより、低転がり抵抗性を良好にすることができる。本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
カーボンブラックは、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜80質量部配合することができる。カーボンブラックの配合量を5質量部以上にすることにより、ゴム組成物の機械的特性および耐摩耗性を確保することができる。またカーボンブラックの配合量を100質量部以下にすることにより、低転がり抵抗性を確保することができる。
タイヤ用ゴム組成物は、シリカ、カーボンブラック以外の他の充填剤を配合することができる。他の充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムを挙げることができる。これらを単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アロマオイルとしては、例えば、ASTM D2140に準拠して求められた芳香族系炭化水素の質量百分率が15質量%以上のものが好適に使用される。すなわち、その分子構造的に芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素を含有することができ、芳香族系炭化水素の含有比率が15質量%以上のものが好ましく、17質量%以上のものがより好ましい。また、アロマオイル中の芳香族系炭化水素の含有比率は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下であるとよい。
アロマオイルの市販品としては、例えば昭和シェル石油社製エキストラクト4号S、出光興産社製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58、ジャパンエナジー社製のプロセスNC300S、プロセスX−140などが挙げられる。
タイヤ用ゴム組成物において、アロマオイルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは3〜50質量部、より好ましくは5〜40質量部であるとよい。アロマオイルの配合量を3質量部以上にすることにより、低転がり抵抗性を確保することができる。また、アロマオイルの配合量を50質量部以下にすることにより、耐摩耗性を確保することができる。
タイヤ用ゴム組成物は、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。またかかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す配合を有するゴム組成物1〜6について、製造方法を異ならせてタイヤ用ゴム組成物の製造を行った。以下の実施例および比較例で調製されるゴム組成物は、表1の「ゴム組成物の処方」の欄に示された、表2の対応するゴム組成物の配合を有する。表2のゴム組成物の配合は、ジエン系ゴム(SBR)100質量部に対する配合量を記載し、各成分の略号並びに第一段階および第二段階、最終段階のいずれの混合工程でミキサーに投入したかを記載した。ゴム組成物の製造において、第一段階の混合で、表2の「第一段階の混合」の欄に記載した各成分の全量をミキサー(容量1.7リットルの密閉式バンバリーミキサー、神戸製鋼社製)に表1に示す「1番目の投入」「2番目の投入」および「3番目の投入」の順番で投入し混練し、混練物を得、ミキサーから放出して冷却した。冷却の後、混練物を再度ミキサーに投入し、表2の「最終段階の混合」の欄に記載した各成分を投入し混合することにより、10種類の製造方法でゴム組成物を調製した(実施例1〜5、標準例、比較例1〜4)。
バンバリーミキサーの温調は、60℃に設定した状態で、各種原料の温度は、常温(23℃)で混合を開始する。第一段階の混合において、混合条件として、1番目に投入した成分の混合時間及びの混合完了後の温度と2番目に投入した成分の混合開始温度を表1に記載した。2、3番目に投入した成分の混合時間は、それぞれ1分間とした。第一段階の混合で得られた混練物の機外での空冷は23℃になるまで冷却した。加硫剤を配合した後の混合(最終段階の混合)は、バンバリーミキサーで1.5分間とした。
得られたタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型(内寸;長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、10分間加硫し、加硫ゴム試験片を作成した。得られた加硫ゴム試験片を使用して、以下に示す試験方法でウェット性能、転がり抵抗性および引張り破断伸びを測定した。
ウェット性能および転がり抵抗性[0℃および60℃のtanδ]
得られた加硫ゴム試験片の動的粘弾性を、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃および60℃の条件にて測定し、tanδ(0℃)およびtanδ(60℃)を求めた。得られた結果は、標準例の値をそれぞれ100にする指数として表1の「ウェット性能」および「転がり抵抗性」の欄に記載した。ウェット性能の指数が110以上であるとき、tanδ(0℃)が大きくウェットグリップ性能が優れることを意味する。また転がり抵抗性の指数が95以下であるとき、tanδ(60℃)が小さく低発熱性であり、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さいことを意味する。
引張り破断伸び
得られた加硫ゴム試験片の引張り破断伸びを、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で切断時伸びを評価した。得られた結果は、標準例の値を100にする指数として表1の「引張り破断伸び」の欄に記載した。引張り破断伸びの指数が100より大きいとき引張り破断伸びが高く、靭性に優れることを意味する。
Figure 2019206643
Figure 2019206643
表2において、使用した原材料の種類は、以下の通りである。
・SBR−1:日本ゼオン製 Nipol 1502
・SBR−2:日本ゼオン製 Nipol 1739(未変性ポリマー)
・変性ポリマー(A):JSR製 HPR850
・変性ポリマー(B):下記の合成法にて調製した。
n−BuLi(関東化学製:1.60mol/L(ヘキサン溶液),50mL(80mmol)を、1,3−ブタジエン(198g,3667mmol)及び2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(東京化成製,0.1mL,0.55mmol)のシクロヘキサン(2.96kg)混合溶液に加えて、室温で6時間攪拌した。
反応後、N−トリメチルシリル−1,1−ジメトキシ−2−アザシラシクロペンタン(30g,137mmol)を投入し、重合を停止した。
得られた溶液を取り出し、減圧下で濃縮した。その濃縮溶液をメタノール(5.0L)に流し込み、メタノール不溶成分を分離した。
その結果、下記式(m1)で表される官能基を末端に有する変性BR(変性ポリマー(B))(182g,Mn=4,100,Mw=4,400,Mw/Mn=1.1)を92%の収率で得た。
なお、IR分析によって、シス/トランス/ビニル=31/45/24と見積もられた。また、Tgは−83℃であった。また、粘度(変性後/変性前)は 196 %であった。
Figure 2019206643
・シリカ:ローディア社製ZEOSIL PREMIUM 200MP、CTAB吸着比表面積が203m2/g
・シランカップリング剤:スルフィド系シランカップリング剤、エボニック デグサ社製Si69、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤1:Solutia Europe社製Santoflex 6PPD
・老化防止剤2:Nocil Limited社製PILNOX TDQ
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粒硫黄(硫黄の含有量95.24質量%)
・加硫促進剤−1:住友化学社製ソクシノールD−G(DPG)
・加硫促進剤−2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ-G(CZ)
表1,2から明らかなように実施例1〜5の製造方法により得られたゴム組成物は、ウェットグリップ性能(0℃のtanδ)、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)および引張り破断伸びを改良することが確認された。
比較例1のゴム組成物の製造方法は、標準例の製造方法において、2番目の投入時に変性ポリマー(A)を添加したが、低転がり抵抗性および引張り破断伸びを改良することができない。
比較例2のゴム組成物の製造方法は、比較例1の製造方法において、変性ポリマー(A)を1番目の投入に変更したが、低転がり抵抗性および引張り破断伸びを改良することができない。
比較例3のゴム組成物の製造方法は、実施例1の製造方法に対して、変性ポリマー(A)を2番目の投入に変更したが、低転がり抵抗性の改良効果が不足し、また引張り破断伸びを改良することができない。
比較例4のゴム組成物の製造方法は、実施例1の製造方法に対して、変性ポリマー(A)を未変性ポリマーに変更したが、低転がり抵抗性および引張り破断伸びを改良することができない。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム100質量部に、ヘテロ原子を含む官能基を有する変性ポリマーを0.3質量部以上と、シリカを配合し、シランカップリング剤を前記シリカ量に対し5〜18質量%配合したゴム組成物の製造方法であって、ミキサーに前記変性ポリマー、シリカおよびシランカップリング剤を共に投入し、混合した後、前記ジエン系ゴムを投入、混練することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記シリカ、変性ポリマーおよびシランカップリング剤と共に、カーボンブラックおよび/またはアロマオイルを投入し、混合することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記シリカを40〜180質量部配合することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記変性ポリマーが、窒素原子およびケイ素原子を含むアミン系官能基を有する変性ブタジエンポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記変性ポリマーの重量平均分子量が1000〜15000、分子量分布が2.0以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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