JP2013001795A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低転がり抵抗性、操縦安定性及び加工性を従来レベルよりも更に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】変性S−SBR20〜45重量%、未変性のS−SBR30〜70重量%、E−SBR10〜25重量%からなるゴム100重量部に、総オイル量を30重量部以下、シリカ及びカーボンブラックの合計60〜120重量部を配合し、各重量平均分子量が前記変性S−SBR30万〜60万、前記S−SBR90万〜130万、前記E−SBR70万〜130万で、前記シリカとカーボンブラックの合計中のシリカ比率が85重量%以上、前記シリカのDBP吸収量が190ml/100g以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積が170〜210m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、低転がり抵抗性、操縦安定性及び加工性を向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
一般に、空気入りタイヤには、燃費性能及び操縦安定性が優れることが求められている。このため、トレッド部を構成するタイヤトレッド用ゴム組成物に、シリカを配合することにより、転がり抵抗を低くして燃費性能を改良することが行われている。また、操縦安定性を改良するため、タイヤトレッド用ゴム組成物の充填剤による補強性を高くしてタイヤ剛性を高くする必要がある。
シリカでゴムに対する補強性能を高くするには、小粒子径のシリカを配合したり、配合量を多くしたりする必要がある。しかし、小粒子径のシリカは、凝集力が強いためジエン系ゴムに良好に分散させることが難しく、更にゴム組成物の粘度が増大して加工性が悪化するという問題があった。また操縦安定性を改良するためにオイル等の軟化剤の配合量を減らしてゴム硬度を高くすることが考えられるが、この場合にもゴム組成物の粘度が増大して加工性が悪化するという問題があった。
特許文献1は、末端をポリオルガノシロキサン等で変性した末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴムにシリカを配合したゴム組成物によりシリカの分散性を改良して、転がり抵抗(60℃のtanδ)を低減することを提案している。このゴム組成物は転がり抵抗を低減する効果が認められるものの、バウンドラバー量が多くなり過ぎるとゴム組成物の粘度が増大して加工性が悪化するという問題があった。
このため、低転がり抵抗性、操縦安定性及び加工性の三者をいずれも従来レベル以上に向上することは達成されていない。
特開2009−91498号公報
本発明の目的は、低転がり抵抗性、操縦安定性及び加工性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S−SBR)を20〜45重量%、未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)を30〜70重量%、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)を10〜25重量%からなるゴム成分100重量部に対し、総オイル量が30重量部以下、シリカ及びカーボンブラックを共に配合しその合計が60〜120重量部であるゴム組成物であって、前記変性S−SBRの官能基がシリカ表面のシラノール基と反応性を有し、前記変性S−SBRの重量平均分子量が30万〜60万、前記S−SBRの重量平均分子量が90万〜130万、前記E−SBRの重量平均分子量が70万〜130万であると共に、前記シリカとカーボンブラックの合計中のシリカ比率が85重量%以上、前記シリカのDBP吸収量が190ml/100g以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が170〜210m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であることを特徴とする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、上述した特定の粒子性状を有する小粒子径のシリカを、カーボンブラックとの合計が60〜120重量になるように配合すると共に、ゴム組成物中の総オイル量を30重量部以下にしたので、ゴム硬度を高くし操縦安定性を向上可能にする。また、シリカ表面のシラノール基と反応性がある官能基を有し、かつ重量平均分子量が30万〜60万の変性S−SBRを20〜45重量%配合するようにしたので、小粒子径のシリカとの親和性を高くすることによりシリカの分散性を向上し、かつ分子量を低めにしたことにより、分子末端に有する官能基の濃度が高くなることから、その効果を高く発揮することができる。また、配合量を20〜45重量%に留めたため、バウンドラバー量が高くなりすぎてゴム組成物の粘度が増大し過ぎることも防ぐことができる。さらに、その他のゴム成分としてはシリカと親和性の高い官能基を有していないものの、重量平均分子量が90万〜130万のS−SBRを30〜70重量%、重量平均分子量が70万〜130万のE−SBRを10〜25重量%というように、高い分子量を有するSBRをそれぞれ配合したので、ゴム分子の末端の密度を低くすることで発熱性を小さくして燃費性能を改良すると共に、ゴム成分をすべてスチレンブタジエンゴムで組成したので操縦安定性を向上することができる。特にE−SBRを配合することによりゴム硬度を高くして操縦安定性を一層向上することができる。
前記変性S−SBRの官能基としては、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、シリカ表面のシラノール基と反応性が優れる。
前記E−SBRとしては、該E−SBR100重量部に対し油展オイルを37.5重量部含有したときの粘度が65以上であることが好ましい。これによりゴム強度を一層高くすることができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、低転がり抵抗性、操縦安定性及び加工性を従来レベルよりも向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はスチレンブタジエンゴムで組成される。そのスチレンブタジエンゴムは末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(以下、「変性S−SBR」という。)、変性されていない溶液重合スチレンブタジエンゴム(以下、「S−SBR」という。)及び乳化重合スチレンブタジエンゴム(以下、「E−SBR」という。)の3種のゴムの合計が100重量%になるようにする。
本発明において、変性S−SBRを配合することにより、小粒子径のシリカを配合したとき、シリカとの親和性を高くして分散性を良好にすることにより、ゴム組成物の発熱性を小さくして転がり抵抗を低減することができる。変性S−SBRは、その分子末端の両方又は片方をシリカ表面のシラノール基と反応性を有する官能基で変性した溶液重合スチレンブタジエンゴムである。シラノール基と反応する官能基としては、好ましくはヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでもヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基がより好ましい。
本発明において、変性S−SBRとしては、上述した変性基を有する溶液重合スチレンブタジエンゴムであり、炭化水素溶媒中、有機活性金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とを共重合させた活性共役ジエン系重合体鎖に、その重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する少なくとも1種類の化合物を反応させた末端変性基を有し、この末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むものである。
共役ジエン系重合体は、上述した共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体を、炭化水素溶媒中で有機活性金属化合物を開始剤として共重合して調製する。炭化水素溶媒としては、通常使用される溶媒であればよく、例えばシクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等が例示される。
使用する有機活性金属触媒としては、有機アルカリ金属化合物が好ましく使用され、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物が挙げられる。また、3,3−(N,N−ジエメチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジエチルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−(N,N−ジプロピルアミノ)−1−プロピルリチウム、3−モルホリノ−1−プロピルリチウム、3−イミダゾール−1−プロピルリチウム及びこれらをブタジエン、イソプレン又はスチレン1〜10ユニットにより鎖延長した有機リチウム化合物なども使用することができる。
また、重合反応において、芳香族ビニル単量体を共役ジエン系単量体とランダムに共重合する目的で、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラハイドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類等の非プロトン性極性化合物を添加することも実施可能である。
共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体を共重合して得られた活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に、反応可能な官能基を有する化合物を少なくとも1種結合させることにより、末端変性基を生成することができる。ここで、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に反応可能な官能基を有する化合物は、少なくとも一つの活性共役ジエン系重合体鎖と結合すればよく、一つの化合物に一つ以上の活性共役ジエン系重合体鎖が結合することができる。すなわち、変性スチレンブタジエンゴムは、共役ジエン系重合体の両末端に変性基を有した変性ゴム、任意にその変性基が1以上の他の共役ジエン系重合体と結合した変性ゴム及びこれら複数の変性ゴムの混合物を含むことができる。また、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端とこの活性末端に反応可能な官能基を有する化合物との反応は、一段或いは多段に反応させることができる。また同一或いは異なる化合物を、逐次的に反応させることができる。
活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物としては、例えばスズ化合物、ケイ素化合物、シラン化合物、アミド化合物および/またはイミド化合物、イソシアネートおよび/またはイソチオシアネート化合物、ケトン化合物、エステル化合物、ビニル化合物、オキシラン化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、ポリスルフィド化合物、ポリシロキサン化合物、ポリオルガノシロキサン化合物、ポリエーテル化合物、ポリエン化合物、ハロゲン化合物、フラーレン類などを有する化合物を挙げることができる。なかでもポリオルガノシロキサン化合物が好ましい。これら化合物は一種類の化合物、或いは複数の化合物を組み合わせて、重合体に結合させることができる。
ポリオルガノシロキサン化合物としては、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物が好ましい。すなわち、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応可能な官能基を有する化合物は、これらのポリオルガノシロキサン化合物から選ばれる少なくとも1種類を含むとよく、複数の種類を組み合わせてもよい。またこれらのポリオルガノシロキサン化合物と、活性末端と反応可能な官能基を有する他の化合物とを組み合わせてもよい。
一般式(I)
Figure 2013001795
(上記式(I)において、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X1およびX4は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基、または炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、X1およびX4は互いに同一であっても相違してもよい。X2は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3の一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
一般式(II)
Figure 2013001795
(上記式(II)において、R9〜R16は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X5〜X8は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
一般式(III):
Figure 2013001795
(上記式(III)において、R17〜R19は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違してもよい。X9〜X11は、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。)
上記一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R1〜R8、X1およびX4を構成する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアリール基の中では、メチル基が特に好ましい。
一般式(I)のポリオルガノシロキサンにおいて、X1、X2およびX4を構成する重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基としては、炭素数1〜5のアルコキシル基、2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基、およびエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましい。
1、X2およびX4を構成する炭素数1〜5のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。なかでも、メトキシ基が好ましい。X1、X2およびX4の少なくとも一つが炭素数1〜5のアルコキシル基の場合、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端にアルコキシル基を有するポリオルガノシロキサンを反応させると、ケイ素原子とアルコキシル基の酸素原子との結合が開裂して、そのケイ素原子に活性共役ジエン系重合体鎖が直接結合して単結合を形成する。
1、X2およびX4を構成する2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基としては、下記一般式(IV)で表される基が好ましく挙げられる。
Figure 2013001795
(式(IV)中、jは2〜10の整数である。特にjは2であることが好ましい。)
このようにX1,X2及びX4の少なくとも一つが2−ピロリドニル基を含有する炭化水素基を含むポリオルガノシロキサンを、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端に反応させると、2−ピロリドニル基を構成するカルボニル基の炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に重合体鎖が結合した構造を形成する。
1、X2およびX4を構成するエポキシ基を有する炭素数4〜12の基としては、下記一般式(V)で表される基が好ましく挙げられる。
一般式(V): ZYE
上記式(V)中、Zは炭素数1〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、Yはメチレン基、硫黄原子または酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。これらの中でも、Yが酸素原子であるものが好ましく、Yが酸素原子かつEがグリシジル基であるものがより好ましく、Zが炭素数3のアルキレン基、Yが酸素原子かつEがグリシジル基であるものが特に好ましい。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X1、X2およびX4の少なくとも一つがエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基の場合、活性共役ジエン系重合体鎖の活性末端にポリオルガノシロキサンを反応させると、エポキシ環を構成する炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に重合体鎖が結合した構造を形成する。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X1およびX4としては、上記の中でも、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基または炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、X2としては、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が好ましい。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基である。2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基としては、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2013001795
式(VI)中、tは2〜20の整数であり、R1は炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、R3は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1〜10のアルコキシル基またはアリーロキシ基である。これらの中でも、tが2〜8の整数であり、R1が炭素数3のアルキレン基であり、R3が水素原子であり、かつR2がメトキシ基であるものが好ましい。
上記一般式(II)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R9〜R16は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。X5〜X8は、重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。
上記一般式(III)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、R17〜R19は炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。X9〜X11は、重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基である。sは1〜18の整数である。
上記一般式(II)および上記一般式(III)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ならびに重合体鎖の活性末端と反応する官能基を有する基は、一般式(I)のポリオルガノシロキサンについて説明したものと同様である。
さらに、上記反応により生成した末端変性基は、シリカとの相互作用を有する官能基を有する。このシリカとの相互作用を有する官能基は、上述した化合物の構造に含まれた官能基でよい。また、上記化合物と活性末端との反応により生じ得た官能基でもよい。シリカとの相互作用を有する官能基としては、特に制限されるものではないが、例えばオルガノシロキサン基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基等が例示される。なかでもオルガノシロキサン基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造が好ましい。このように末端変性基がシリカとの相互作用を有する官能基を含むことにより、シリカとの親和性をより高くし、分散性を大幅に改良することができる。
変性S−SBRが有する末端変性基の濃度は、変性S−SBRの重量平均分子量(Mw)との関係で決められる。変性S−SBRの重量平均分子量は30万〜60万、好ましくは35万〜55万である。変性S−SBRの重量平均分子量が30万未満であると、変性S−SBRの分子量が低いために、強度、剛性を改良する効果が十分に得られず、タイヤにしたとき操縦安定性が不足してしまうことがある。また変性S−SBRの重量平均分子量が60万を超えると、分子末端の官能基の濃度が低くなり小粒子径のシリカとの親和性が小さくなってしまう。なお変性S−SBRの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
変性S−SBRの配合量は、ゴム成分100重量%中20〜45重量%、好ましくは25〜40重量%にする。上述した重量平均分子量をもつ変性S−SBRの配合量をこの範囲内にすることにより、総オイル量が30重量部以下のゴム組成物中の末端変性基の濃度が適性化され、シリカとの良好な親和性を有しながら、バウンドラバー量が増えすぎることもなく、良好な加工性を有することができる。
変性S−SBRは、スチレン単位含有量が好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%、更に好ましくは15〜30重量%であるとよい。変性S−SBRのスチレン単位含有量をこのような範囲内にすることにより、粘弾性特性のバランスをグリップ性能と転がり抵抗性能の両面から見て最適な領域に持っていくことができる。なお変性S−SBRのスチレン単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。
変性S−SBRのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、好ましくは−80〜−10℃にするとよい。変性S−SBRのTgをこのような範囲内にすることにより、操縦安定性を確保すると共に、転がり抵抗を低減することができる。変性S−SBRのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、変性S−SBRが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態における変性S−SBRのガラス転移温度とする。
本発明では、変性されていない分子量の高いS−SBRを配合することによりゴム硬度を高くし、タイヤの操縦安定性を高くすることができる。また使用するS−SBRは、その重量平均分子量を90万〜130万、好ましくは95万〜120万にする。S−SBRの重量平均分子量が90万未満であると、ゴム分子の末端部の濃度が高くなるため発熱性が大きくなりタイヤにしたときの転がり抵抗が大きくなる。またS−SBRの重量平均分子量が130万を超えると、ゴム組成物のゴム粘度が大きくなり加工性が悪化する。S−SBRの重量平均分子量は、上述した変性S−SBRの重量平均分子量と同様に測定するものとする。
S−SBRのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、好ましくは−40〜−15℃にするとよい。S−SBRのTgをこのような範囲内にすることにより、操縦安定性を確保すると共に、転がり抵抗を低減することができる。S−SBRのTgは、上述した変性S−SBRのTgと同様に測定するものとする。
S−SBRの配合量は、ゴム成分100重量%中30〜70重量%、好ましくは35〜60重量%にする。S−SBRの配合量が30重量%未満であると、ゴムの強度が不足し高い操縦安定性を発揮することができない。またS−SBRの配合量が70重量%を超えると、相対的に他のSBRの比率が減ってしまうことから、良好な性能と加工性のバランスをとることができなくなる。
本発明では、E−SBRを配合することによりゴム強度を高くし、タイヤの操縦安定性を高くすることができる。使用するE−SBRは重量平均分子量を70万〜130万、好ましくは70万〜120万にする。E−SBRの重量平均分子量が70万未満であると、ゴム強度を十分に高くすることができない。またゴム分子の末端部の濃度が高くなるため発熱性が大きくなりタイヤにしたときの転がり抵抗が大きくなる。E−SBRの重量平均分子量が130万を超えると、ゴム組成物のゴム粘度が大きくなり加工性が悪化する。
E−SBRとしては、E−SBR100重量部に対し油展オイルを37.5重量部含有したときの粘度が65以上であることが好ましい。E−SBRの粘度を65以上にすることによりゴム組成物のゴム強度を一層高くすることができ、タイヤにしたときの操縦安定性を一層高くすることができる。本発明においてE−SBRの粘度は、JIS K 6300に基づき100℃で測定したムーニー粘度とする。
本発明で使用するE−SBRは、乳化重合で製造されたスチレンブタジエンゴムであり、スチレン含有量が好ましくは25〜50重量%、より好ましくは30〜45重量%であるとよい。E−SBRのスチレン含有量をこのような範囲内にすることにより、ゴム硬度を高くしタイヤにしたときの操縦安定性を高くすることができる。また、E−SBRは、Tgが好ましくは−50〜−20℃、より好ましくは−45〜−25℃であるとよい。なお、重量平均分子量、スチレン含有量、ガラス転移温度(Tg)は、それぞれ上述した変性S−SBRと同様の方法で測定するものとする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シリカを配合することによりゴム組成物の発熱性を抑制し、タイヤにしたときの転がり抵抗を低減する。特に後述する特定の粒子性状を有する小粒子径のシリカを配合することにより、ゴム組成物の補強性を高くして操縦安定性を確保する。更にカーボンブラックを配合することにより、ゴム硬度を高くして操縦安定性を確保する。
本発明において、シリカ及びカーボンブラックの配合量の合計は、上述した変性S−SBR、S−SBR、E−SBRの合計からなるゴム成分100重量部に対し60〜120重量部、好ましくは70〜100重量部にする。シリカ及びカーボンブラックの配合量が60重量部未満であると、ゴム強度が不足するためタイヤにしたときの操縦安定性を確保することができない。シリカ及びカーボンブラックの配合量が120重量部を超えるとゴム粘度が増大し加工性が悪化すると同時に、燃費性能も不十分となってしまう。
シリカ及びカーボンブラックの合計に対するシリカの比率は85重量%以上、好ましくは90〜98重量%にする。シリカの比率が85重量%未満であると、転がり抵抗を低減することができない。
本発明で使用するシリカとしては、DBP吸収量が190ml/100g以上のものを使用する。シリカのDBP吸収量が190ml/100g未満であると、シリカの分散性が悪化し、加工性とゴムの強度が悪化する。なお、シリカのDBP吸収量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して求めるものとする。
シリカの窒素吸着比表面積は194〜225m2/gにする。シリカの窒素吸着比表面積が194m2/g未満であると、ゴム組成物に対する補強性が不十分となり操縦安定性が不足する。またシリカの窒素吸着比表面積が225m2/gを超えると、シリカの分散性が低下し転がり抵抗が大きくなる。なおシリカの窒素吸着比表面積はJIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
シリカのCTAB比表面積(CTAB)は170〜210m2/g、好ましくは185〜205m2/gにする。シリカのCTABが170m2/g未満であると、ゴム組成物に対する補強性が不十分となり操縦安定性が不足する。またシリカのCTABが210m2/gを超えると、シリカの分散性が低下し転がり抵抗が大きくなる。なおシリカのCTABはJIS K6217−3に準拠して求めるものとする。
また上述したN2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4にする。シリカの特性比(N2SA/CTAB)が0.9未満であると、ゴム組成物に対する補強性が不十分となり操縦安定性が不足する。またシリカの特性比(N2SA/CTAB)が1.4を超えると、シリカの分散性が低下し転がり抵抗が大きくなる。
本発明で使用するシリカは、上述した特性を有するシリカであればよく、製品化されたもののなかから適宜選択してもよいし、通常の方法で上述した特性を有するように製造してもよい。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。シリカの市販製品としては、例えばRhodia社製Zeosil Premium 200MP、Evonik Degussa社製Ultrasil9000GR、東ソーシリカ社製ニプシルAQ等を例示することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しスチレンブタジエンゴムに対する補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%配合するとよい。シランカップリング剤がシリカ重量の3重量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤が15重量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、シリカ及びカーボンブラック以外の充填剤を配合することによりゴムの強度を高くすることができる。このような充填剤としては、例えばクレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等が例示される。
タイヤトレッド用ゴム組成物には、上述した充填剤以外にも、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。このようなゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用することができる。この加工性が優れたゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、高い品質で安定的に製造することが可能で、しかも転がり抵抗が低く燃費性能意が優れることに加え、操縦安定性が優れる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる15種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例1〜4、比較例1〜11)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお、表1,2中、変性S−SBR3、S−SBR1,2、E−SBR1,2が37.5重量部の油展オイルを含むゴムであるため、配合量の欄の記載は実際の配合量と共に、括弧内に油展オイルを除いたSBR正味の配合量を示した。また、これらSBRに含まれる油展オイルと、後添加したオイルの合計量を、総オイル量の欄に括弧付きで示した。
得られた15種類のタイヤトレッド用ゴム組成物のムーニー粘度を下記に示す方法で測定し加工性の指標とした。
加工性:ムーニー粘度(ML1+4
得られたゴム組成物をJIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表し表1,2に示した。この指数が小さいほどゴム粘度が小さく、加工性が優れることを意味する。
得られた15種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を、所定形状の金型中で、160℃、25分間プレス加硫して加硫ゴムサンプルを作製し、下記に示す方法でtanδ(60℃)を測定し、転がり抵抗の指標とした。
転がり抵抗:tanδ(60℃)
得られた加硫ゴムサンプルのtanδ(60℃)を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度60℃の条件で測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として、表1,2に示した。この指数が小さいほど低発熱で、タイヤにしたときの転がり抵抗が低く、燃費性能が優れることを意味する。
次に、タイヤサイズが225/50R17の空気入りタイヤを、上述した15種類のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に使用して4本ずつ製作した。得られた15種類の空気入りタイヤの操縦安定性を下記に示す方法により評価した。
操縦安定性
得られた空気入りタイヤをリムサイズ7×Jのホイールに組付け、国産2.5リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧230kPaの条件で乾燥路面からなる1周2.6kmのテストコースを実車走行させ、そのときの操縦安定性を専門パネラー3名による感応評価により採点した。得られた結果は、10点法の評点で評価し、表1,2に示した。この指数が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
Figure 2013001795
Figure 2013001795
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
変性S−SBR1:末端にヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造を有する溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS616、重量平均分子量が51万、非油展品
変性S−SBR2:末端にN−メチル−2−ピロリドン基を有する溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS116、重量平均分子量が45万、非油展品
変性S−SBR3:末端にヒドロキシル基を有する溶液重合スチレンブタジエンゴム、旭化成ケミカルズ社製タフデン E581、重量平均分子量が126万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
S−SBR1:未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、Dow Chemical社製SLR6430、重量平均分子量が101万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
S−SBR2:未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS460、重量平均分子量が78万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品
E−SBR1:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1739、重量平均分子量が76万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品、ムーニー粘度が54
E−SBR2:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 9548、重量平均分子量が78万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品、ムーニー粘度が69
E−SBR3:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502、重量平均分子量が40万、非油展品、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を油展したときのムーニー粘度が50
シリカ1:ローディア社製Zeosil Premium 200MP、DBP吸収量が203ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が200m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が197m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.02
シリカ2:ローディア社製Zeosil 1165MP、DBP吸収量が200ml/100g、窒素吸着比表面積(N2SA)が160m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が159m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.01
シリカ3:東ソーシリカ社製ニプシルAQ、DBP吸収量が205ml/100g、窒素吸着比表面積が205m2/g、CTAB比表面積が179m2/g、N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が1.15
カーボンブラック:東海カーボン社製シーストKH
酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
加工助剤:SCHILL&SEILACHER Gmbh.&CO.製STRUKTOL A50P
シランカップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、デグサ社製Si69
オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤1:加硫促進剤CBS、大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤2:加硫促進剤DPG、大内新興化学工業社製ノクセラーD
表1から明らかなように実施例1〜4のタイヤトレッド用ゴム組成物は、加工性(ムーニー粘度)、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)及び操縦安定性が維持・向上することが確認された。比較例1のゴム組成物は、変性S−SBR1の配合量が45重量部を超えるので、実施例1〜5と比べ操縦安定性が劣る。比較例2のゴム組成物は、変性S−SBR2が有する官能基(末端変性基)が異なるので、転がり抵抗が却って悪化する。比較例3のゴム組成物は、変性S−SBR3の重量平均分子量が60万を超え、かつ総オイル量が30重量部を超えるので、転がり抵抗が増加すると共に操縦安定性が悪化する。
表2から明らかなように、比較例4のゴム組成物は、S−SBR2の重量平均分子量が90万未満であるので、転がり抵抗及び操縦安定性が共に悪化する。比較例5のゴム組成物は、S−SBR1の代わりに変性S−SBR3を配合したので変性されたS−SBRの量が過多になり、加工性が悪化する。比較例6のゴム組成物は、E−SBR1の配合量が25重量部を超えるので、転がり抵抗が増大すると共に、加工性が悪化する。比較例7のゴム組成物は、E−SBR1の重量平均分子量が70万未満であるので、転がり抵抗が増大すると共に、操縦安定性を改良することができない。比較例8のゴム組成物は、E−SBR1の代わりにS−SBR1を配合したので操縦安定性を充分に改良することができない。比較例9のゴム組成物は、S−SBR1の配合量が30重量部未満、E−SBR1の配合量が25重量部を超えるので、転がり抵抗が大幅に悪化してしまう。比較例10のゴム組成物は、シリカとカーボンブラックの合計中のシリカの比率が85重量%未満であるので、転がり抵抗が悪化する。比較例11のゴム組成物は、シリカ2のN2SAが190m2/g未満、CTABが170m2/g未満であるので、転がり抵抗が増加すると共に、操縦安定性を十分に改良することができない。

Claims (4)

  1. 末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S−SBR)を20〜45重量%、未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)を30〜70重量%、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)を10〜25重量%からなるゴム成分100重量部に対し、総オイル量が30重量部以下、シリカ及びカーボンブラックを共に配合しその合計が60〜120重量部であるゴム組成物であって、前記変性S−SBRの官能基がシリカ表面のシラノール基と反応性を有し、前記変性S−SBRの重量平均分子量が30万〜60万、前記S−SBRの重量平均分子量が90万〜130万、前記E−SBRの重量平均分子量が70万〜130万であると共に、前記シリカとカーボンブラックの合計中のシリカ比率が85重量%以上、前記シリカのDBP吸収量が190ml/100g以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が194〜225m2/g、CTAB比表面積(CTAB)が170〜210m2/g、前記N2SAとCTABの比(N2SA/CTAB)が0.9〜1.4であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記変性S−SBRの官能基がヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記E−SBRが、該E−SBR100重量部に対し油展オイルを37.5重量部含有するときの粘度が65以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1,2又は3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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