JP5466475B2 - ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ Download PDF

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本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
氷雪路走行に使用される空気入りタイヤは、従来のスパイクタイヤに代わりスタッドレスタイヤが多く使用されるようになり、氷上性能の向上が一段と要求されてきている。氷雪上性能を向上させるためには、ガラス転移点(Tg)を下げ、低温(ここで、低温とは、氷雪上走行時の温度であり、−20〜0℃程度である)での弾性率を低く設定したものが多い。しかしながら、一般に低温での弾性率を下げると高温での弾性率も低下する傾向があるため、従来のスタッドレスタイヤは、ドライ路面を走行する際には、操縦安定性に劣るという問題があった。
シリカ配合において上記の問題に対し、ゴムに特定の極性基を付けることによりシリカと親和性を持たせ、シリカの分散性を上げることで、高温の弾性率の低下を抑える試みがなされている。たとえば、特許文献1では、ゴムをアミノ基とアルコキシ基とを含有する有機ケイ素化合物で変性することによりシリカとの親和性を上げる試みがなされているが、充分な効果を得ることができない。
また、特許文献2では、スズ変性ポリブタジエンゴムを使用する試みがなされているが、この方法でも、シリカの分散性は必ずしも充分なものではない。
特開2000−344955号公報 特許2006−63143号公報
本発明は、前記課題を解決し、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立したスタッドレスタイヤを供することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、共役ジエン化合物と、下記一般式
Figure 0005466475
(式中、R及びRは水素、
Figure 0005466475
又は
Figure 0005466475
であり、少なくともR及びRのいずれかは水素ではない。Rは水素又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Xは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。Xは
Figure 0005466475
又は
Figure 0005466475
で置換されていてもよい。Zは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。R〜Rは水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基、炭素数5〜30の芳香族炭化水素基、又は環構成原子数3〜30の複素環基を表す。R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。R及びR〜R14は水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基又は炭素数5〜30の芳香族炭化水素基を表す。R及びR〜R14は同じであっても異なっていてもよい。lは3〜10の整数を表す。m及びnは1〜9の整数を表す。)
で表される窒素含有化合物とを共重合して得られた重合体を含むゴム成分および、該ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを1〜20質量部、シリカを20〜120質量部含有するゴム組成物に関する。
前記重合体における窒素含有化合物の含有量が0.1〜30質量%であることが好ましい。
ゴム成分100質量%中に、前記重合体を5質量%以上70質量%以下含むことが好ましい。
また、本発明は、上記ゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤに関する。
本発明によれば、特定の窒素含有化合物を共役ジエン化合物とともに共重合して得られた重合体と、所定量のカーボンブラック及びシリカとを含有するゴム組成物であるので、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立させるスタッドレスタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、共役ジエン化合物と、下記一般式
Figure 0005466475
(式中、R及びRは水素、
Figure 0005466475
又は
Figure 0005466475
であり、少なくともR及びRのいずれかは水素ではない。Rは水素又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Xは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。Xは
Figure 0005466475
又は
Figure 0005466475
で置換されていてもよい。Zは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。R〜Rは水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基、炭素数5〜30の芳香族炭化水素基、又は環構成原子数3〜30の複素環基を表す。R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。R及びR〜R14は水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基又は炭素数5〜30の芳香族炭化水素基を表す。R及びR〜R14は同じであっても異なっていてもよい。lは3〜10の整数を表す。m及びnは1〜9の整数を表す。)
で表される窒素含有化合物とを共重合して得られた重合体を含むゴム成分および、該ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを1〜20質量部、シリカを20〜120質量部含有する。
及びR〜R14が脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜30であり、好ましくは1〜5である。また、R及びR〜R14が脂環族炭化水素基である場合、炭素数は3〜30であり、好ましくは3〜10である。更に、R及びR〜R14が芳香族炭化水素基である場合、炭素数は5〜30であり、好ましくは5〜10である。
また、R及びR〜R14は、水素又は炭素数1〜2の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
は、水素又は炭素数1〜2の炭化水素基であることが好ましい。
〜Rが脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜30であり、好ましくは1〜10である。また、R〜Rが脂環族炭化水素基である場合、炭素数は3〜30であり、好ましくは3〜10である。更に、R〜Rが芳香族炭化水素基である場合、炭素数は5〜30であり、好ましくは5〜10である。そして、R〜Rが複素環基(芳香族複素環基を含む)である場合、環構成原子数は3〜30であり、好ましくは3〜10である。
また、R〜Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基であることが好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
lの値は、3〜10であり、好ましくは3〜7である。m及びnの値は、1〜9であり、好ましくは1〜6である。
lの値は3〜10であるため、(CR)は複数存在する。複数の(CR)のそれぞれは同じであっても異なってもよい。同様に、mが2以上の場合、複数の(CR1011)のそれぞれは同じであっても異なってもよく、nが2以上の場合、複数の(CR1314)のそれぞれは同じであっても異なってもよい。
本明細書において、飽和形環形成部とは、飽和環基の一部であることを意味する。すなわち、上記一般式において、XとNとは飽和環基を構成し、ZとNとは飽和環基を構成する。
前記重合体は、共役ジエン化合物と、前記一般式で表される窒素含有化合物とを共重合して得られたものであって、該窒素含有化合物に由来する単位は、主鎖部に含まれている。ここで、主鎖部とは、末端部も含む概念である。
前記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点から1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
前記一般式で表される窒素含有化合物としては、例えば3−または4−(2−アゼチジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ピロリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ピペリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ヘキサメチレンイミノエチル)スチレン、3−または4−(2−ヘプタメチレンイミノエチル)スチレン、3−または4−(2−オクタメチレンイミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(2,5−ジメチルピロリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2−メチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(3−メチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−メチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2−エチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−(1−ピロリジニル)ピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−ピペリジノピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2,6−ジメチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(3,3−ジメチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(3,5−ジメチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1−メチルピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1−エチルピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1−メチルホモピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−モルホリノエチル)スチレン、3−または4−(2−(2,6−ジメチルモルホリノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−チアゾリジリノエチル)スチレン、3−または4−(2−トオモルホリノエチル)スチレン、3−または4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−エチルメチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジエチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルプロピルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルイソプロピルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−エチルイソプロピルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジプロピルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−ジイソプロピルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルブチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−エチルブチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチル−tert−ブチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−tert−ブチルイソプロピルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジブチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(ジ−sec−ブチル)アミノエチル)スチレン、3−または4−(2−ジイソブチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(tert−アミル−tert−ブチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジペンチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルヘキシルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジヘキシルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(tert−アミル−tert−オクチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジオクチルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジデシルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルオクタデシルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルアニリノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジフェニルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−フェニルベンジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−フェニル−1−ナフチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−フェニル−2−ナフチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−ベンジルメチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−エチルベンジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−イソプロピルベンジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−ブチルベンジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−(tert−ブチル)ベンジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−ジベンジルアミノエチル)スチレン、3−または4−(2−(N−メチルフェネチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(N−ベンジル−2−フェネチルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−ベンジルピペリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1−フェニルピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1−ベンジルピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−インドリノエチル)スチレン、3−または4−(2−(2−メチルインドリノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−フェノキサジノエチル)スチレン、3−または4−(2−フェノチアジノエチル)スチレン、3−または4−(2−アニリノピリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−(2−ベンジルアミノピリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2,2’−ジピリジルアミノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2−メチルアミノ)ピリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−(1−(2−ピリジル)ピペラジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(2−(2−メチルアミノエチル)ピリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−(エチルアミノメチル)ピリジノ)エチル)スチレン、3−または4−(2−(4−(エチルアミノメチル)ピリジノ)エチル)スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明で使用する前記重合体は、前記窒素含有化合物を、共役ジエン化合物と共重合させることにより製造する。重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に重合体の設計の自由度、加工性等の観点から溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。溶液重合法においては、例えばリチウム化合物を重合開始剤とし、前記窒素化合物を、共役ジエン化合物とアニオン重合させることにより、目的の重合体を製造することができる。
溶液重合法を用いた場合には、溶液中のモノマー濃度は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が5質量%未満では、得られる重合体の量が少なく、コストが高くなる傾向がある。また、溶液中のモノマー濃度は50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が50質量%をこえると、溶液粘度が高くなりすぎて撹拌が困難となり、重合しにくくなる傾向がある。
アニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。前記有機リチウム化合物としては、炭素数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルーフェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。
前記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物と一般式で表される窒素含有化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、必要に応じてランダマイザーの存在下でアニオン重合させることにより、目的の重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記ランダマイザーとは、重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1、2−結合、イソプレンにおける3、4−結合の増加など、あるいは重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ランダマイザーの使用量は特に制限はないが、ランダマイザーの使用量が有機リチウム化合物1モル当たり500モル当量をこえると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
本発明においては、この反応後に、必要に応じて、公知の老化防止剤や重合反応を停止する目的でアルコールなどを加えることができる。
前記重合体における窒素含有化合物の含有量は0.1〜30質量%が好ましく、特に0.1〜20質量%であることが好ましい。窒素含有化合物の含有量が0.1質量%未満では、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立させることが難しく、一方、30質量%を超えると高コストになってしまう傾向がある。
前記重合体の重量平均分子量Mwは1.0×10〜2.0×10が好ましく、下限は2.0×10が、上限は1.5×10がより好ましい。重量平均分子量が1.0×10未満ではヒステリシスロスが大きく十分な低燃費性が得られにくいだけでなく、耐摩耗性も低下する傾向がある。一方、2.0×10を超えると加工性が低下する傾向がある。
前記重合体の末端は、下記一般式のいずれかで表される変性剤で変性されていることが好ましい。
−M−(OR15
(式中、Qはハロゲン又は水素を表す。Mは金属、炭素又はケイ素を表す。R15は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基又は脂環族炭化水素基を表す。a及びbはa+b=4の関係を満たす整数を表す。)
Figure 0005466475
(式中、R16、R17及びR18は、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R16、R17及びR18の少なくとも1つはアルコキシ基である。R16、R17及びR18は、同じであっても異なっていてもよい。R19及びR20は、水素原子、又はアルキル基を表す。R19及びR20は、同じであっても異なっていてもよい。rは整数を表す。)
Qが表すハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。a個のハロゲンは、1種であってもよいし、2種以上であっても良い。
Mとしては特に限定されないが、入手容易性などの点から、炭素、ケイ素、チタン、スズなどが好ましい。一方、Mがアルカリ金属又はアルカリ土類金属である場合、第二化合物によって変性された重合体が活性となり、加水分解するため、不適であることが多い。
15の炭素数は、1〜10であり、好ましくは1〜6である。R15の炭素数が10を超えると、変性反応が進みにくくなり、氷上性能やドライ路面での操縦安定性の改善効果が得られにくくなる傾向がある。
なお、上記一般式において、a及びbは0以上の整数である。
16、R17及びR18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは炭素数1〜3)などが挙げられる。
16、R17及びR18のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)などが挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基などの炭素数5〜8のシクロアルコキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基などの炭素数6〜8のアリールオキシ基など)も含まれる。
16、R17及びR18のシリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数5〜20の芳香族炭化水素基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基など)などが挙げられる。
16、R17及びR18のアセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基などが挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基などを挙げることができる。
16、R17及びR18としては、良好に変性反応が進行し、氷上性能及びドライ路面での操縦安定性が改善されるという理由から、アルコキシ基、アルキル基が好ましい。
19及びR20のアルキル基としては、例えば、R16、R17及びR18のアルキル基と同様の基を挙げることができる。
r(整数)としては、入手が容易であるとともに、氷上性能を改善できるという理由から、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜4、最も好ましくは3である。rが1の場合、変性反応が阻害されやすくなる傾向がある。また、rが6以上であると変性剤としての効果が薄れる傾向がある。
変性剤を表す2つの一般式の内、前者の式で表される化合物の具体例としては、四塩化ケイ素、四塩化チタン、塩化スズ、ジクロロメタン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、ジクロロジイソプロポキシチタン、臭化スズなどが挙げられる。なかでも、入手し易く、取り扱いが容易であるという点で、四塩化ケイ素、テトラエトキシシラン、四塩化チタン、塩化スズが好ましい。
変性剤を表す2つの一般式の内、後者の式で表される化合物の具体例としては、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシランなどが挙げられる。
上記一般式で表される変性剤以外に使用できる変性剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5ジヒドロイミダゾールなどが挙げられる。
変性とは、前記重合体の末端カルボアニオンの部位と前記変性剤が反応して末端変性されることである。末端変性すると、フィラー上にある特性基などとの親和性が向上する、または、フィラー上にある特性基などとの親和性が向上するため、フィラーの分散性が良くなり、操縦安定性が向上する傾向がある。ここで、フィラー上の特性基とは、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、スルホン基、スルフィン基、エステル基、ニトロ基、チオール基、アミノ基などである。変性剤としては、ケイ素化合物などが挙げられ、ケイ素化合物としては、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、四塩化ケイ素などが挙げられる。
本発明において、ゴム組成物のゴム成分としては、前記重合体以外に、ジエン系ゴムを用いることが好ましい。ジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴムからなり、ジエン系合成ゴムとしては、たとえば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。中でも、グリップ性能および耐摩耗性をバランスよく示すことから、NR、BR、SBRが好ましい。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
前記重合体は、ゴム成分100質量%中、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。5質量%未満であると氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立させにくい傾向がある。上限は特に限定されないが、70質量%以下、特に60質量%以下であることが好ましい。70質量%を超えると、破壊強度が極端に悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物においては、補強剤としてカーボンブラックおよびシリカが配合される。
前記カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、80m/g以上が好ましく、特には100m/g以上が好ましい。カーボンブラックのNSAが80m/g未満では十分な氷上性能が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは280m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましい。カーボンブラックのNSAが280m/gをこえると、分散性に劣り、操縦安定性が低下する傾向がある。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上である。また、当該含有量は、20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。カーボンブラックの含有量が1質量部未満では、放電特性が低下する傾向がある。一方、カーボンブラックの含有量が20質量部をこえると、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立が難しくなり、また、燃費性能も悪くなる傾向がある。カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上であることが好ましく、特には80m/g以上であることが好ましい。チッ素吸着比表面積が50m/g未満のシリカでは補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、300m/g以下であることが好ましく、特には250m/g以下であることが好ましい。300m/gを超えるシリカでは分散性が悪く、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立が難しくなる傾向がある。
また前記シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上、好ましくは30質量部以上である。また、当該含有量は、120質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。シリカの配合量が20質量部未満であると耐摩耗性が十分でない傾向があり、一方、シリカの配合量が120質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。シリカは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、シリカとともにシランカップリング剤を併用しても良い。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。シランカップリング剤の配合量が20質量部をこえると、その配合量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
本発明は、前記ゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤに関し、該タイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種薬品を配合した本発明のゴム組成物を未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。このようにして得られた本発明のタイヤは、氷上性能とドライ路面での操縦安定性を両立させることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、モノマー(1)〜(5)の合成で用いた各種薬品について説明する。
シクロヘキサン:関東化学(株)のシクロヘキサン
ピロリジン:関東化学(株)製のピロリジン
ジビニルベンゼン:シグマアルドリッチ社製のジビニルベンゼン
チオモルホリン:東京化成工業(株)製のチオモルホリン
4−モルホリノピペリジン:シグマアルドリッチ社製の4−モルホリノピペリジン
4−ジメチルアミノピペリジン:シグマアルドリッチ社製の4−ジメチルアミノピペリジン
ジプロピルアミン:シグマアルドリッチ社製のジプロピルアミン
1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
イソプロパノール:関東化学(株)製のイソプロパノール
製造例1(モノマー(1)の合成)
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン50ml、ピロリジン50mmol、ジビニルベンゼン6.5gを加え、0℃にて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7ml(1.1mmol)を加えて攪拌した。1時間後、イソプロパノールを加えて反応を停止させ、抽出・精製を行うことでモノマー(1)を得た。
製造例2〜5(モノマー(2)〜(5)の合成)
表1に示す処方に従って、モノマー(1)と同様の処方にてモノマー(2)〜(5)を得た。
Figure 0005466475
以下に、重合体(1)〜(9)の合成で用いた各種薬品について説明する。
シクロヘキサン:関東化学(株)製のシクロヘキサン
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製の1,3−ブタジエン
テトラヒドロフラン:関東化学(株)製のテトラヒドロフラン(THF)
開始剤溶液:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
末端変性剤:アヅマックス社製の3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
イソプロパノール:関東化学(株)製のイソプロパノール
製造例6(重合体(1)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン650ml、ブタジエン1mol、THF1mmolを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4ml(0.64mmol)を加えて撹拌した。3時間後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(1)を得た。
製造例7(重合体(2)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン650ml、ブタジエン1mol、THF1mmolを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4ml(0.64mmol)を加えて撹拌した。3時間後、3−(N,N―ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランを1mmol添加した。さらに30分撹拌させた後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(2)を得た。
製造例8(重合体(3)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン650ml、ブタジエン1mol、モノマー(1)0.3mmol、THF1mmolを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4ml(0.64mmol)を加えて3時間撹拌した。さらに、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン1mmol添加し30分攪拌後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(3)を得た。
製造例9(重合体(4)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン650ml、ブタジエン1mol、モノマー(1)3.4mmol、THF1mmolを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4ml(0.64mmol)を加えて撹拌した。3時間後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(4)を得た。
製造例10(重合体(5)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン650ml、ブタジエン1mol、モノマー(1)3.4mmol、THF1mmolを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4ml(0.64mmol)を加えて撹拌した。3時間後、3−(N,N―ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランを1mmol添加した。さらに30分撹拌させた後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(5)を得た。
製造例11〜14(重合体(6)〜(9)の合成)
表2の配合で、製造例10と同様の方法で、それぞれの重合体を合成した。
Figure 0005466475
(重量平均分子量Mwの測定)
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用いて測定した。校正は、標準ポリスチレンによって行った。
(重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量の測定)
重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて測定した。
実施例1〜9および比較例1〜6
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のハイシスBR150B
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積(NSA):125m/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(チッ素吸着比表面積(NSA):210m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
オイル:出光興産(株)製のミネラルオイルPW−380
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
表3に示す配合処方にしたがって、混練り配合し、各種供試ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、これらについて以下に示す試験方法により氷上性能およびドライ路面での操縦安定性を評価した。
動的粘弾性試験
ティ・エス・インスツルメント(株)製の粘弾性測定試験機を用いて、温度0℃、周波数5Hz、振幅0.1%における弾性率(0.1%G)、および振幅40%における弾性率(40%G)から0.1%Gを引いた値(ΔG)を測定した。
氷上性能と操縦安定性は、次式
s=(ΔG)÷(0.1%G
で表される指数sを用い(sは0<s<1の値である)、標準品(BR150Bを使用した比較例6)のsを100とした相対値sを指標とした。sが0に近いほど、氷上性能と操縦安定性のバランスが良いことを示す。
Figure 0005466475
比較例1及び2は、指数sが高くなり、氷上性能と操縦安定性が悪くなることを示している。比較例3は、ポリマーの末端変性を行うことで指数sは低下するが、氷上性能と操縦安定性のバランスは満足のいくものではない。実施例1〜9は、指数sが低く、氷上性能と操縦安定性のバランスがよくなることを示している。また、比較例4のようにカーボンブラックが40部では、指数sが大きくなる傾向があり、比較例5のようにシリカの量が150部と多く配合すると、指数sが大きくなる傾向があり、いずれの場合も氷上性能と操縦安定性が悪くなることを示している。

Claims (4)

  1. 共役ジエン化合物と、下記一般式
    Figure 0005466475
    (式中、R及びRは水素、
    Figure 0005466475
    又は
    Figure 0005466475
    であり、少なくともR及びRのいずれかは水素ではない。Rは水素又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Xは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。Xは
    Figure 0005466475
    又は
    Figure 0005466475
    で置換されていてもよい。Zは(CR、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、又は、(CR1011−S−(CR1314からなる飽和形環形成部を表す。R〜Rは水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基、炭素数5〜30の芳香族炭化水素基、又は環構成原子数3〜30の複素環基を表す。R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。R及びR〜R14は水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基又は炭素数5〜30の芳香族炭化水素基を表す。R及びR〜R14は同じであっても異なっていてもよい。lは3〜10の整数を表す。m及びnは1〜9の整数を表す。)
    で表される窒素含有化合物とを共重合して得られた重合体及び天然ゴムを含むゴム成分を含有し、該ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを1〜20質量部、シリカを20〜120質量部含有するゴム組成物。
  2. 前記重合体における窒素含有化合物の含有量が0.1〜30質量%である請求項1記載のゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量%中に、前記重合体を5質量%以上70質量%以下含む請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤ。
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