JP2011079997A - タイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性を両立したタイヤ用ゴム組成物と、それを用いたスタッドレスタイヤとを提供する。
【解決手段】共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤を用いて重合し、重合終了後に窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を含有する変性剤で変性して得られる重合体と、エポキシ化率が0.5〜50モル%のエポキシ化ジエン系ゴムとを含むゴム成分と、シリカとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
氷雪路走行に使用される空気入りタイヤは、従来のスパイクタイヤに代わりスタッドレスタイヤが多く使用されるようになり、氷上性能の向上が一段と要求されてきている。氷雪上性能を向上させるためには、ガラス転移点(Tg)を下げ、低温(ここで、低温とは、氷雪上走行時の温度であり、−20〜0℃程度である)での弾性率を低く設定したものが多い。しかしながら、一般に、低温での弾性率を下げると、高温での弾性率も低下する傾向があるため、従来のスタッドレスタイヤは、ドライ路面を走行する際には、操縦安定性が低いという問題があった。
上記の問題に対し、シリカを配合したゴム組成物において、ゴム成分に特定の極性基を導入する試みが提案されている。この試みによれば、シリカに対する親和性をゴム成分に持たせることができ、シリカの分散性を向上することができる。したがって、低温時の弾性率を低く設定した場合であっても、高温時の弾性率の低下を抑制することが可能となる。
上記試みの例として、特許文献1では、アミノ基及びアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性されたジエン系ゴムが開示され、特許文献2では、スズ変性ブタジエンゴムが開示され、特許文献3及び4では、エポキシ化天然ゴムが開示され、特許文献5では、エポキシ化された共役ジエン系共重合体が開示されている。しかしながら、これらの方法によっても、シリカの分散性については必ずしも充分なものではなく、氷上性能と、ドライ路面での操縦安定性(ドライ操縦安定性)とをバランスよく改善する方法が要望されていた。
特開2000−344955号公報 特開2006−63143号公報 特開2007−169317号公報 特開2007−182100号公報 特開2006−188571号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性を両立したタイヤ用ゴム組成物と、それを用いたスタッドレスタイヤとを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ゴム成分として、シリカに対する親和性を持たせた特定の重合体と、エポキシ化ジエン系ゴムとを組み合わせて用いることにより、シリカが特定の重合体中に偏在して分散されることを防止し、全体としてシリカの分散が向上し、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性をバランスよく改善できることを見出した。
すなわち本発明は、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤を用いて重合し、重合終了後に窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を含有する変性剤で変性して得られる重合体と、エポキシ化率が0.5〜50モル%のエポキシ化ジエン系ゴムとを含むゴム成分と、シリカとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
また、上記重合体の重量平均分子量が5×10〜1×10であることが好ましい。
また、上記共役ジエン化合物がブタジエンおよび/またはイソプレンであり、上記芳香族ビニル化合物がスチレンおよび/またはアルキル置換スチレンであることが好ましい。
また、ゴム成分100質量%中の上記重合体の含有量が10〜70質量%であることが好ましい。
また、ゴム成分100質量%中の上記エポキシ化ジエン系ゴムの含有量が10〜30質量%であることが好ましい。
また、上記エポキシ化ジエン系ゴムが、エポキシ化天然ゴムまたはエポキシ化ブタジエンゴムであることが好ましい。
また、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを5〜150質量部含むことが好ましい。
本発明はまた、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分として、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤を用いて重合し、重合終了後に窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を含有する変性剤で変性して得られる重合体と、特定のエポキシ化率のエポキシ化ジエン系ゴムと、シリカとを組み合わせることで、シリカの分散性が改善されたタイヤ用ゴム組成物が得られるため、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性をバランスよく改善できる。該タイヤ用ゴム組成物は、タイヤの各部材に好適に適用でき、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性をバランスよく改善したスタッドレスタイヤを提供できる。
本発明の重合体は、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤を用いて重合し、重合終了後に、窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を含有する変性剤で変性して得られる重合体である。
共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、モノマー入手の容易性など、実用面の観点から1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン、スチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよい。なかでも、モノマー入手の容易性など、実用面の観点からアルキル置換スチレン、スチレンが好ましい。なお、共役ジエン化合物と、芳香族ビニル化合物を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤に含まれるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。なかでも、リチウムが好ましい。
リチウムを含む重合開始剤としては、リチウムアミド化合物、ヒドロカルビルリチウム等の有機リチウム化合物が好ましく用いられる。有機リチウム化合物のなかでも、炭素数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。
アルカリ金属を含む重合開始剤(例えば、有機リチウム化合物)を用い、アニオン重合によって重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤(例えば、有機リチウム化合物)を用い、必要に応じてランダマイザーの存在下でアニオン重合させることにより、目的の重合体が得られる。
炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒中のモノマー(共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物の合計)濃度は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が5質量%未満では、得られる重合体の量が少なく、コストが高くなる傾向がある。また、溶媒中のモノマー濃度は50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。溶媒中のモノマー濃度が50質量%をこえると、溶液粘度が高くなりすぎて撹拌が困難となり、重合しにくくなる傾向がある。
また、前記ランダマイザーとは、重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1、2−結合、イソプレンにおける3、4−結合の増加など、あるいは重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。
ランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、入手や取り扱いの容易性などの理由から、テトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが好ましい。
ランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上が好ましく、0.05モル以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル未満では、添加効果が小さく、ランダム化しにくい傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モルに対して、1000モル以下が好ましく、500モル以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モルをこえると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
本発明で使用する変性剤は、窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する化合物である。該変性剤は、少なくとも重合体の活性末端と反応することによりポリマーと結合し、かつ、フィラーとの相互作用もある化合物である。
官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、エポキシ基、ニトリル基、ピリジル基等があげられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、入手や取り扱いが容易であることや、ポリマーと良好に結合するなどの理由から、アミノ基(アルキル置換アミノ基)、アルコキシシリル基、エーテル基、エポキシ基が好ましい。
変性剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−グリシジル−4−(2−ピリジル)ピペラジン、1−グリシジル−4−フェニルピペラジン、1−グリシジル−4−メチルピペラジン、1−グリシジル−4−メチルホモピペラジン、1−グリシジルヘキサメチレンイミン、11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、1−ベンジル−4−グリシジルピペラジン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(6−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、2,2−ジエトキシ−1,6−ジアザ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジメトキシ−1,6−ジアザ−2−シラシクロオクタン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,4−ジニトロベンゼンスルホニルクロライド、2,4−トリレンジイソシアナート、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−ビニルピリジン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリメトキシシラン、2−ラウリルチオエチルフェニルケトン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1,3−ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(1,3−ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3,4−ジアミノ安息香酸、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシジエトキシ)シラン、3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエトキシ(メチル)シリルプロピル無水コハク酸、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)ジエトキシメチルシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸、3−トリエトキシシリルプロピル無水酢酸、3−トリフェノキシシリルプロピル無水コハク酸、3−トリフェノキシシリルプロピル無水酢酸、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−トリエトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4’−(イミダゾール−1−イル)−アセトフェノン、4−〔3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピル〕モルホリン、4−グリシジル−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジニルオキシ、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−ビニルピリジン、4−モルホリノアセトフェノン、4−モルホリノベンゾフェノン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)サクシンイミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ピロール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−3−[アミノ(ポリプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[5−(トリエトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル]カプロラクタム、N−[5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル]カプロラクタム、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−アリル−アザ−2,2−ジエトキシシラシクロペンタン、N−アリル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジエトキシシラシクロペンタン、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、N,N,N’,N’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチルチオ尿素、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−エチレン尿素、N,N’−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−ジエチルアミノベンゾフラン、N,N’−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N’−ジエチル尿素、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N,N−ジオクチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、N,N−ジオクチル−N’−トリメトキシシリルプロピルウレア、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N−ジグリシジルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−エチルアミノイソブチルトリエトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ビニルベンジルアザシクロヘプタン、N−フェニルピロリドン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−メチルインドリノン、N−メチルピロリドン、p−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノ)−3−イソブチルジエトキシシラン、(アミノエチルアミノ)−3−イソブチルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、アクリル酸、アジピン酸ジエチル、アセタミドプロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノベンゾフェノン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、エチレンオキシド、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロリド、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリセロールトリステアレート、クロロトリエトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロポリジメチルシロキサン、クロロメチルジフェノキシシラン、ジアリルジフェニルスズ、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジエチル(グリシジル)アミン、ジエチル、ジチオカルバミン酸2−ベンゾチアゾイルエステル、ジエトキシジクロロシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリメトキシシラン、ジグリシジルポリシロキサン、ジクロロジフェノキシシラン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジビニルベンゼン、ジフェニルカルボジイミド、ジフェニルシアナミド、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジブチルジクロロスズ、ジメチル(アセトキシ−メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジメチル(メトキシ−メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルエチレン尿素、ジメチルジクロロシラン、ジメチルスルホモイルクロライド、シルセスキオキサン、ソルビタントリオレイン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、チタンテトラキス(2−エチルヘキシオキシド)、テトラエトキシシラン、テトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラフェノキシシラン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)シアヌレート、トリフェニルホスフェート、トリフェノキシクロロシラン、トリフェノキシメチルケイ素、トリフェノキシメチルシラン、二酸化炭素、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス[(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(2−メチルブトキシ)メチルクロロシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−N−メチルアミン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、ビニルベンジルジエチルアミン、ビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルトリブチルスズ、ビニルベンジルピペリジン、ビニルベンジルピロリジン、ピロリジン、フェニルイソシアナート、フェニルイソチオシアナート、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、フタル酸アミド、ヘキサメチレンジイソシアナート、ベンジリデンアニリン、ポリジフェニルメタンジイソシアネート、ポリジメチルシロキサン、メチル−4−ピリジルケトン、メチルカプロラクタム、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ラウリルチオプロピオン酸メチル、四塩化ケイ素等があげられる。
上記変性剤のなかでも、ポリマーとの結合性がよい、フィラーとの親和性が高いという理由から、下記一般式(I)、(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011079997
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、アルキル置換アミノ基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、またはアルキル基を表す。rは整数を表す。)
Figure 2011079997
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、アルキル置換アミノ基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。Rは、環状エーテル基を表す。p及びqは整数を表す。)
上記式(I)で表される化合物において、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、アルキル置換アミノ基、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは炭素数1〜3)等が挙げられる。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。
上記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
上記アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基等が挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基等を挙げることができる。
上記アルキル置換アミノ基とは、アミノ基に含まれる水素原子がすべてアルキル基により置換されたアミノ基をいう。置換されるアミノ基としては、例えば、上記R、R及びRのアルキル基と同様の基を挙げることができる。アルキル置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、1−ピロリジニル基、ピペロジノ基、パーヒドロアジピニル基等が挙げられる。
、R及びRとしては、フィラーとの結合性がよい、又はフィラーとの親和性が高い、入手が容易であるという理由から、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基が好ましい。
上記式(I)で表される化合物において、R及びRのアルキル基としては、例えば、上記R、R及びRのアルキル基と同様の基を挙げることができる。
r(整数)としては、入手の容易性という理由から1〜5が好ましい。更には、rは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。rが0であると−NRが脱離するためフィラーとの親和性が低くなる傾向があり、rが6以上であると入手が困難な場合や高価であることが多い。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、上記変性剤として例示した3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記式(II)で表される化合物において、R、R及びRは、上記式(I)で表される化合物におけるR、R及びRと同様である。
上記式(II)で表される化合物において、Rの環状エーテル基としては、例えば、オキシラン基、オキセタン基、オキソラン基、オキサン基、オキセパン基、オキソカン基、オキソナン基、オキセカン基、オキセト基、オキソール基等のエーテル結合を1つ有する環状エーテル基、ジオキソラン基、ジオキサン基、ジオキセパン基、ジオキセカン基等のエーテル結合を2つ有する環状エーテル基、トリオキサン基等のエーテル結合を3つ有する環状エーテル基等が挙げられる。なかでも、エーテル結合を1つ有する炭素数2〜7の環状エーテル基が好ましく、エーテル結合を1つ有する炭素数2〜4の環状エーテル基がより好ましく、オキシラン基が更に好ましい。また、環状エーテル基は環骨格内に不飽和結合を有していないことが好ましい。
p(整数)としては、入手の容易性という理由から1〜5が好ましい。更には、pは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。pが0であると、−O−(CH−Rが脱離するためフィラーとの親和性が低くなる傾向があり、pが6以上であると入手が困難な場合や高価であることが多い。
q(整数)としては、入手が容易という理由から0〜6が好ましい。更には、qは0〜3がより好ましく、1が最も好ましい。qが7以上であると入手が困難な場合や高価であることが多い。
上記式(II)で表される化合物の具体例としては、上記変性剤として例示した3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。なかでも、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
変性剤による重合体の変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、重合体と変性剤とを接触させればよく、調製した重合体溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
本発明においては、重合体と変性剤とを反応させた後に、必要に応じて、公知の老化防止剤や重合反応を停止する目的でアルコールなどを加えてもよい。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、5×10〜1×10が好ましく、上限は7×10がさらに好ましい。Mwが5×10未満ではヒステリシスロスが大きく十分な低燃費性が得られにくいだけでなく、耐摩耗性も低下する傾向がある。一方、Mwが1.0×10を越えると加工性が低下する傾向がある。
なお、重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
重合体の重合末端の変性率(末端変性率)は5%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。末端変性率が5%未満では、フィラーとの親和性が低くなる傾向がある。また、該末端変性率の上限は、特に限定されない。
なお、末端変性率は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
ゴム成分100質量%中の重合体の含有量は、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。8質量%未満であると、氷上性能とドライ操縦安定性の改善効果が得られにくくなる傾向がある。該重合体の含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、破壊強度が極端に悪化する傾向がある。
エポキシ化ジエン系ゴムとしては、例えば、エポキシ化天然ゴム、エポキシ化イソプレンゴム、エボキシ化ブタジエンゴム、エポキシ化ブタジエンアクリロニトリルゴム、エポキシ化スチレンブタジエンゴム、エポキシ化イソプレンブタジエンゴムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせてもよいが、これらの中で、入手が容易であるなどの実用面での観点からエポキシ化天然ゴム、エポキシ化ブタジエンゴムが好ましい。
上記エポキシ化ジエン系ゴムは、市販のエポキシ化ジエン系ゴムを使用しても、ジエン系ゴム(例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム等)をエポキシ化したものを使用してもよい。ジエン系ゴムをエポキシ化する方法は、特に限定されず、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などがあげられる(特公平4−26617号公報、特開平2−110182号公報、英国特許第2113692号明細書等)。過酸法としては例えば、ジエン系ゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法などがあげられる。なお、有機過酸の量や反応時間を調整することにより、様々なエポキシ化率のエポキシ化ジエン系ゴムを調製することができる。
エポキシ化されるNRとしては、特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
エポキシ化されるBRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、シス含量が90質量%以上のものが好ましい。
エポキシ化ジエン系ゴムのエポキシ化率は、0.5モル%以上、好ましくは1.0モル%以上、より好ましくは2.0モル%以上である。エポキシ化率が0.5モル%未満では、フィラーとの親和性が低いため、フィラーが前述の末端変性重合体側に偏在する傾向があり、耐摩耗性、走行安定性(特に、ドライ路面での走行安定性)の改善効果が充分に得られない傾向がある。また、エポキシ化率は、50モル%以下、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。エポキシ化率が50モル%をこえると、ゴムの硬度が上がるため、充分な氷上性能が得られにくくなる傾向がある。
なお、本発明において、エポキシ化率とは、エポキシ化される前のゴム中の二重結合の総数に対するエポキシ化された二重結合の数の割合(モル%)のことである。
また、エポキシ化率は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
ゴム成分100質量%中のエポキシ化ジエン系ゴムの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、氷上性能とドライ操縦安定性の改善効果が得られにくくなる傾向がある。該エポキシ化ジエン系ゴムの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。30質量%を超えると、フィラーがエポキシ化ジエン系ゴム側に偏在する傾向があり、耐摩耗性、走行安定性(特に、ドライ路面での走行安定性)の改善効果が充分に得られない傾向がある。
上記重合体、エポキシ化ジエン系ゴム以外に使用できるゴム成分としては、例えば、NR、BR、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などのジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、氷上性能、ドライ操縦安定性、および耐摩耗性をバランスよく示すことから、NR、BR、SBRが好ましい。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。NR、BRとしては、上記NR、BRを好適に使用できる。なお、本明細書において、単にジエン系ゴムと記載する場合には、上記重合体、エポキシ化ジエン系ゴムを含まないこととする。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。該BRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。
本発明では、氷上グリップ性能向上を目的としてシリカが使用される。これにより、転がり抵抗とウェットグリップ性能のバランスも改善できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上である。50m/g未満であると、補強効果が小さく、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。300m/gを超えると、分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し、燃費性能が低下する傾向にある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。5質量部未満では、耐摩耗性の向上効果が充分に得られない傾向がある。該シリカの含有量は、150質量部以下、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、シリカとともにシランカップリング剤を併用しても良い。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。20質量部を超えると、その配合量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、カーボンブラック等の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、軟化剤、可塑剤などのタイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤および添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
本発明では、補強剤としてカーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができるとともに、耐摩耗性を高めることができる。使用できるカーボンブラックの例としては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は80m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。80m/g未満では、十分な氷上性能(ウェットグリップ性能)が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は280m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、175m/g以下が更に好ましい。280m/gを超えると、分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、スタッドレスタイヤの各部材(特に、トレッドゴム)に好適に使用できる。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階で各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。本発明により得られるスタッドレスタイヤは、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能及びドライ操縦安定性をバランスよく改善できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例1〜4(重合体(1)〜(4)の合成)で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
シクロヘキサン:関東化学(株)製のシクロヘキサン
スチレン:関東化学(株)製のスチレン
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製の1,3−ブタジエン
THF:関東化学(株)製のテトラヒドロフラン
トルエン:関東化学(株)製のトルエン
メタノール:関東化学(株)製のメタノール
1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン:アヅマックス社製の3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン(式(I)において、R、R及びR=エトキシ基、R及びR=メチル基、r=3)
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン:信越化学工業(株)製の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(式(II)において、R、R及びR=エトキシ基、R=オキシラン基、p=3、q=1)
イソプロパノール:関東化学(株)製のイソプロパノール
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:関東化学(株)製の2,6−tert−ブチル−p−クレゾール
得られた重合体の分析は以下の方法で行った。
(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定)
MwおよびMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用い、標準ポリスチレンにより換算して測定した。
(重合体の重合末端の変性率(末端変性率)の測定)
重合体の末端変性率は、下記式を用いて計算した。
末端変性率(%)=(F−G)/(H/I)×100
(式中、Fは変性剤添加量(mol)、Gは重合終了後の変性剤の残量(mol)、Hは得られた重合体の重量、Iは重合体の数平均分子量を表す。Gは、反応溶液の一部を抜き取りアルコールでゴムを沈殿させた後、溶媒に残留する変性剤の比率を島津製作所(株)製ガスクロマトグラフィーGC2010(FID検出器)を使用し、検量線法を用いて計算した。)
(製造例1)
(重合体(1)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器にシクロヘキサン600ml、ブタジエン1mol、THF1mlを加え、40℃に加温後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4mlを加えて撹拌した。3時間後、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシランを1mmol添加した。さらに30分攪拌した後、イソプロパノール3mlを加えた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(1)を50g得た。重合体(1)のMwは23.5×10、Mnは22.6×10、末端変性率は93%であった。
(製造例2)
(重合体(2)の合成)
製造例1において、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン1mmolを3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1mmolに変えた以外は、製造例1と同様の操作を行い、重合体(2)を52g得た。重合体(2)のMwは23.2×10、Mnは22.3×10、末端変性率は90%であった。
(製造例3)
(重合体(3)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器にシクロヘキサン600ml、ブタジエン1mol、スチレン50mmol、THF1mlを加え、40℃に加温後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4mlを加えて撹拌した。3時間後、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシランを1mmol添加した。さらに30分撹拌させた後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(3)を54g得た。重合体(3)のMwは27.0×10、Mnは25.7×10、末端変性率は88%であった。
(製造例4)
(重合体(4)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器にシクロヘキサン600ml、ブタジエン1mol、THF1mlを加え、40℃に加温後、1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.4mlを加えて撹拌した。3時間後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(4)を53g得た。重合体(4)のMwは19.8×10、Mnは18.7×10、末端変性率は0%(未変性)であった。
以下、製造例5〜9(過酢酸溶液(1)、エポキシ化ジエン系ゴム(1)〜(4)の合成)で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:野村貿易(株)製のHYTEX(固形分60%)
30%過酸化水素水:関東化学(株)製の30%過酸化水素水
氷酢酸:関東化学(株)製の99.7%酢酸
界面活性剤:花王(株)製のエマルゲン120
1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
メタノール:関東化学(株)製のメタノール
BR150B:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
トルエン:関東化学(株)製のトルエン
ギ酸:関東化学(株)製のギ酸
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:関東化学(株)製の2,6−tert−ブチル−p−クレゾール
得られたエポキシ化ジエン系ゴムの分析は以下の方法で行った。
(エポキシ化率の測定)
得られたエポキシ化ジエン系ゴムを重水素化クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴(NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズ))分光分析により、エポキシ化されていないジエンユニット数とエポキシ化されたジエンユニット数の比を求め、以下の算出式を用いて算出した。
(エポキシ化率E%)=(ゴムの主鎖に含まれるエポキシの数)/(ゴムの主鎖に含まれるジエンユニットの数(エポキシ化されたユニットも含む))×100
(製造例5)
(過酢酸溶液の作成)
300ml三角フラスコに氷酢酸57gと30%過酸化水素水107gを加え、攪拌後、恒温槽で40℃に保ったまま24時間静置し、過酢酸溶液(1)を得た。
(製造例6)
(エポキシ化ジエン系ゴム(1)の作成)
1Lガラス容器に天然ゴムラテックス300g、蒸留水300g、界面活性剤3.6gを加え10℃に冷却し、攪拌しながら過酢酸溶液(1)164gを10分間かけて滴下した。滴下終了後ラテックス溶液を5分間攪拌し、さらに1Lメタノールにゆっくり注ぎ込み凝集させ、得られた凝集物を1cm程度に粉砕し、2Lの水に入れて一晩放置させた。凝集物を水で数回洗浄し、1日風乾後、減圧乾燥させ、エポキシ化ジエン系ゴム(1)(エポキシ化天然ゴム)176gを得た。エポキシ化ジエン系ゴム(1)のエポキシ化率は10.0モル%であった。
(製造例7)
(エポキシ化ジエン系ゴム(2)の作成)
過酢酸溶液(1)の量を9g、滴下時間を20秒にした以外は製造例6と同じ操作を行い、エポキシ化ジエン系ゴム(2)(エポキシ化天然ゴム)175gを得た。エポキシ化ジエン系ゴム(2)のエポキシ化率は0.7モル%であった。
(製造例8)
(エポキシ化ジエン系ゴム(3)の作成)
天然ゴムラテックスの量を150g、蒸留水の量を150g、界面活性剤の量を3g、過酢酸溶液(1)の量を492g、滴下時間を30分にした以外は製造例6と同じ操作を行い、エポキシ化ジエン系ゴム(3)(エポキシ化天然ゴム)92gを得た。エポキシ化ジエン系ゴム(3)のエポキシ化率は57.8モル%であった。
(製造例9)
(エポキシ化ジエン系ゴム(4)の作成)
100gのBR150Bを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、撹拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸6mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温させた。溶液を撹拌しながら、30%過酸化水素水30gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持した撹拌を続け、3時間後2,6−tert−ブチル−p−クレゾールを0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、エポキシ化ジエン系ゴム(4)(エポキシ化ブタジエンゴム)を99g得た。エポキシ化ジエン系ゴム(4)のエポキシ化率は12.3モル%であった。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
重合体(1)〜(4):製造例(1)〜(4)で調製した重合体(1)〜(4)
エポキシ化ジエン系ゴム(1)〜(4):製造例(6)〜(9)で調製したエポキシ化ジエン系ゴム(1)〜(4)
エポキシ化ジエン系ゴム(5):MRB(マレーシア)社製のエポキシ化天然ゴム(エポキシ化率:25モル%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:125m/g)
シリカ:テグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
オイル:出光興産(株)製のミネラルオイルPW−380
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
実施例1〜9及び比較例1〜4
表1に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、2.0mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(動的粘弾性試験)
得られた加硫ゴム組成物について、ティ・エス・インスツルメント(株)製の粘弾性測定試験機を用いて、温度0℃、周波数5Hz、振幅0.1%における弾性率(0.1%G*)、および振幅40%における弾性率40%G*から0.1%G*を引いた値(ΔG*)を測定した。
氷上性能とドライ操縦安定性のバランスの指標として、次式
s=(ΔG*)/(0.1%G*)
で表される指標sを用い(sは0<s<1の値である)、比較例4を100として指数表示した。sが小さいほど、氷上性能とドライ操縦安定性のバランスが良いことを示す。
(ランボーン摩擦試験)
ランボーン摩耗試験機(岩本製作所製)を用い温度20℃、試験時間5分、試験表面速度80m/分、落砂量15g/分、加重3.0kgfおよびスリップ率20%の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果を比較例4の容積損失量を100として指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れている。
(LAT摩耗試験)
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果を比較例4の容積損失量を100として指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れている。
Figure 2011079997
表1に示す様に、ゴム成分として、特定の重合体と、特定のエポキシ化率のエポキシ化ジエン系ゴムとを組み合わせ、シリカを含む実施例は、耐摩耗性を維持しつつ、氷上性能とドライ操縦安定性をバランスよく改善できた。
一方、特定の重合体を配合しなかった比較例1、2は、実施例と比較して、氷上性能とドライ操縦安定性のバランスに劣っていた。特定のエポキシ化率よりもエポキシ化率が高いエポキシ化ジエン系ゴムを配合した比較例3では、氷上性能とドライ操縦安定性のバランスの改善は見られたものの、その改善効果も充分ではなく、さらに、耐摩耗性を維持することもできなかった。エポキシ化ジエン系ゴムを配合しなかった比較例4は、実施例と比較して、氷上性能とドライ操縦安定性のバランスに劣っていた。

Claims (8)

  1. 共役ジエン化合物または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アルカリ金属を含む重合開始剤を用いて重合し、重合終了後に窒素、酸素、およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を含有する変性剤で変性して得られる重合体と、エポキシ化率が0.5〜50モル%のエポキシ化ジエン系ゴムとを含むゴム成分と、シリカとを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記重合体の重量平均分子量が5×10〜1×10である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記共役ジエン化合物がブタジエンおよび/またはイソプレンであり、前記芳香族ビニル化合物がスチレンおよび/またはアルキル置換スチレンである請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量%中の前記重合体の含有量が10〜70質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量%中の前記エポキシ化ジエン系ゴムの含有量が10〜30質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記エポキシ化ジエン系ゴムが、エポキシ化天然ゴムまたはエポキシ化ブタジエンゴムである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを5〜150質量部含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製したスタッドレスタイヤ。
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