JP6070754B2 - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤ等に用いられるゴム組成物に含まれるポリマーとして、ニトロン基を有する化合物(ニトロン化合物)で変性された変性ポリマーが知られている。
例えば、特許文献1には、「変性ブタジエンゴムを5〜100重量%含むジエン系ゴム100重量部にシリカを10〜120重量部配合したゴム組成物であって、前記変性ブタジエンゴムが、シス含量が90%以上のブタジエンゴムを、窒素含有複素環を分子中に有するニトロン化合物で変性したものであることを特徴とするゴム組成物。」が開示されている([請求項1])。また、特許文献1には、ニトロン化合物により変性することで発熱性が低減することが示されている([0006]など)。
特開2013−32471号公報
本発明者らは、上記特許文献1について検討し、先般、特願2014−16822号において「カルボキシ基を有するニトロン化合物を用いて変性した変性ブタジエンゴムを特定量配合したゴム組成物を用いることで、良好な発熱性の低減効果を維持しつつ、ウェットスキッド性能に優れた空気入りタイヤを作製することができる」旨を提案している。
しかしながら、カルボキシ基を有するニトロン化合物を用いてブタジエンゴムを変性して得られる変性ブタジエンゴムを配合したゴム組成物は、発熱性等については良好な特性を発現するものの、ムーニー粘度が上昇しやすい傾向にあり、すなわち、加工性において更なる改善が必要であることが明らかとなった。また、変性ブタジエンゴム自体についても、その製造時における混練後のロール作業時に加工性が悪い場合があり、ゴム配合材料である変性ブタジエンゴムの加工性の改善も併せて必要であることが明らかとなった。
そこで、本発明は、良好な発熱性の低減効果を維持しつつ、加工性が良好なゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、カルボキシ基を有するニトロン化合物で未変性ブタジエンゴムを変性して得られる変性ブタジエンゴムをジエン系ゴムに対して特定量配合したゴム組成物において、上記未変性ブタジエンゴムの一部を特定の特性を有する低分子量ブタジエンゴムとすることで、良好な発熱性の低減効果を維持しつつ、加工性が良好なゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。また、上記低分子量ブタジエンゴムを含む未変性ブタジエンゴムをカルボキシ基を有するニトロン化合物で変性して得られる変性ブタジエンゴムは、ゴム配合材料として良好な加工性を有していることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) カルボキシ基を有するニトロン化合物(B)によって未変性ブタジエンゴム(A)を変性することで得られる変性ブタジエンゴムを5〜70質量%含むジエン系ゴムを含有し、
上記未変性ブタジエンゴム(A)が、ビニル結合を1.5〜60モル%有し、且つ、数平均分子量(Mn)が2000〜60000である未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)を、上記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)よりも数平均分子量(Mn)が大きい未変性ブタジエンゴム(A2)100質量部に対して2〜45質量部で含む、ゴム組成物。
(2) さらに、白色充填剤を含む、(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記ニトロン化合物(B)が、N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンおよびN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群より選択される化合物である、(1)または(2)に記載のゴム組成物。
(4) 上記変性ブタジエンゴムの変性率が、0.01〜2.0mol%である、(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
ここで、変性率は、上記未変性ブタジエンゴム(A)が有する共役ジエンに由来する全ての二重結合のうち、上記ニトロン化合物(B)によって変性された割合(mol%)を表す。
(5) 上記未変性ブタジエンゴム(A)に対して反応させる上記ニトロン化合物(B)の量が、上記未変性ブタジエンゴム(A)100質量部に対して0.3質量部〜10質量部である、(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物。
(6) 上記白色充填剤の含有量が、上記変性ブタジエンゴム100質量部に対して8〜130質量部である、(2)〜(5)のいずれかに記載のゴム組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、良好な発熱性の低減効果を維持しつつ、加工性が良好なゴム組成物、およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のゴム組成物、および、そのゴム組成物を用いた空気入りタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、カルボキシ基を有するニトロン化合物(B)によって未変性ブタジエンゴム(A)を変性することで得られる変性ブタジエンゴムを5〜70質量%含むジエン系ゴムを含有し、
上記未変性ブタジエンゴム(A)が、ビニル結合を1.5〜60モル%有し、且つ、数平均分子量(Mn)が2000〜60000である未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)を、上記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)よりも数平均分子量(Mn)が大きい未変性ブタジエンゴム(A2)100質量部に対して2〜45質量部で含む、ゴム組成物である。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分としてこのような変性ブタジエンゴムを特定量含有しているため、良好な発熱性の低減効果を維持しつつ、加工性を良好なものとすることができる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
まず、先般出願した特願2014−16822号に記載した通り、ブタジエンゴムは、カルボキシ基を有するニトロン化合物により変性することにより、コンパウンドの調製の際に任意の成分として添加される白色充填剤(特にシリカ)や他の充填剤(特にカーボンブラック)の取り込みが改善され、その結果、これらの充填剤の分散が良好となるため、発熱性が低減するものと考えられる。
一方、カルボキシ基を有するニトロン化合物を用いて低分子量ブタジエンゴムを含むブタジエンゴムを変性すると、ニトロン化合物は、主に、低分子量ブタジエンゴムを含むブタジエンゴム中に存在するビニル基と反応する。このとき、低分子鎖である低分子量ブタジエンゴム中に含まれるニトロン化合物由来のカルボキシ基と、高分子鎖のブタジエンゴム(低分子量ブタジエンゴム以外のより数平均分子量の大きいブタジエンゴム)中に含まれるニトロン化合物由来のカルボキシ基とが分子間相互作用によって緻密なネットワークを形成する。つまり、低分子鎖である低分子量ブタジエンゴムのニトロン変性物が導入されることによって、高分子鎖ブタジエンゴムのみの強固なネットワークと比較して緩やかなネットワークとなり、その結果、加工性が改善されるものと推測される。さらに、今般の発明者らの検討により、低分子量ブタジエンゴムの数平均分子量が所定範囲でない場合や、ビニル結合量が所定範囲でない場合には上記の作用効果は発現しにくいことも見出されている。
上記の作用効果は、後述する実施例からも明らかであり、すなわち、比較例11〜13に示されるようにカルボキシ基を有するニトロン化合物で変性されたブタジエンゴムに未変性低分子量ブタジエンゴムを配合したゴム組成物では加工性が改善できないこと、さらには比較例2〜5に示されるように、仮にカルボキシ基を有するニトロン化合物で変性された低分子量ブタジエンゴムを使用しても、低分子量ブタジエンゴムの特性によっては加工性改善効果が得られないこと等からも推測される。
以下、ジエン系ゴム、変性ブタジエンゴムおよびその調製方法、ならびに、白色充填剤を含む他の添加剤について詳述する。
〔ジエン系ゴム〕
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴムは、後述する変性ブタジエンゴムを5〜70質量%含み、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、未変性ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、後述する変性ブタジエンゴムと併用するジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)であるのが好ましい。
本発明においては、ジエン系ゴムにおける後述する変性ブタジエンゴムの含有量は、5〜70質量%であり、5〜40質量%であるのが好ましく、5〜20質量%であるのがより好ましく、10〜20質量%であるのが最も好ましい。
〔変性ブタジエンゴム〕
本発明のゴム組成物が含有する変性ブタジエンゴムは、未変性ブタジエンゴム(A)を、カルボキシ基を有するニトロン化合物(B)によって変性することで得られる変性ポリマーである。
<未変性ブタジエンゴム(A)>
上記未変性ブタジエンゴム(A)は、炭素−炭素不飽和結合を有するブタジエンゴムである。
なお、ここでいう「未変性」とは、後述するニトロン化合物(B)により変性されていないことを意味するものであり、他の成分により変性(特に末端変性)されたポリマーを排除するものではない。
上記未変性ブタジエンゴム(A)としては、発熱性の低減効果がより大きくなる理由から、特許文献1と同様、ハイシス構造を有するブタジエンゴムであるのが好ましく、具体的には、シス−1,4結合の含有量が90%以上、好ましくは95%以上のブタジエンゴムであるのがより好ましい。
なお、このようなハイシス構造のブタジエンゴムは、チーグラー系触媒やネオジウム触媒などを用いた通常の方法で重合することができる。
未変性ブタジエンゴム(A)は、ビニル結合を1.5〜60モル%有し、且つ、数平均分子量(Mn)が2000〜60000である、未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)と、上記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)よりも数平均分子量(Mn)の大きい未変性ブタジエンゴム(A2)(以下、単に「未変性ブタジエンゴム(A2)」ともいう)とを含んで構成される。
未変性ブタジエンゴム(A)において、上記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)の配合量は、上記未変性ブタジエンゴム(A2)100質量部に対して2〜45質量部であり、5〜40質量部であるのが好ましく、8〜40質量部であるのがより好ましい。未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)の配合量が、未変性ブタジエンゴム(A2)100質量部に対して2質量部未満であると加工性の改善効果が発現しにくく、45質量部を超えると密着性が増し、加工性が悪化する。
未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)中におけるビニル結合量は、1.5〜60モル%であり、15〜56モル%であるのが好ましく、25〜56モル%であるのがより好ましい。ここで、「ビニル結合量」とは、ブタジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)中におけるビニル結合量を上記の範囲とすることで、優れた加工性改善効果が発現する。
また、未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)の数平均分子量(Mn)は、2000〜60000であり、2000〜40000であるのが好ましく、2500〜25000であるのがより好ましい。上記の範囲とすることで、加工性と低発熱性のバランスをとる事ができる。
一方、未変性ブタジエンゴム(A2)の数平均分子量(Mn)は、上記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)の数平均分子量(Mn)よりも大きければ特に限定されないが、100,000〜250,000であることが好ましく、120,000〜200,000であることがより好ましい。
また、未変性ブタジエンゴム(A2)の重量平均分子量(Mw)は、50000〜1000000であることが好ましく、200000〜800000であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)をこのような範囲にすることにより、ブタジエンゴムの耐摩耗性および低温特性を一層向上することができる。
なお、本発明において重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。また測定器としては、カラム(Polymer Laboratories製MIXED−B)三本を直列に連結し、検出器として示差屈折計(東ソー(株)製RI−8020)、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラム温度として40℃の条件を採用する。
<ニトロン化合物(B)>
上記ニトロン化合物(B)としては、少なくとも1個のカルボキシ基(−COOH)を有するニトロン(以下、便宜的に「カルボキシニトロン」ともいう。)であれば特に限定されないが、例えば、下記式(b)で表されるカルボキシニトロンが好適に用いられる。なお、ニトロンとは、酸素原子がシッフ塩基の窒素原子に結合した化合物の総称である。
式(b)中、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜5の整数を示し、mとnとの合計が1以上である。
mが示す整数としては、ニトロン化合物を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
nが示す整数としては、ニトロン化合物を合成する際の溶媒への溶解度が良好になり合成が容易になるという理由から、0〜2の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
また、mとnとの合計(m+n)は、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
このような式(b)で表されるカルボキシニトロンとしては特に制限されないが、下記式(b1)で表されるN−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(b2)で表されるN−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(b3)で表されるN−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、下記式(b4)で表されるN−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、下記式(b5)で表されるN−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、および、下記式(b6)で表されるN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群より選択される化合物であることが好ましい。
ニトロン化合物(B)の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ヒドロキシアミノ基(−NHOH)を有する化合物と、アルデヒド基(−CHO)を有する化合物とを、ヒドロキシアミノ基とアルデヒド基とのモル比(−NHOH/−CHO)が1.0〜1.5となる量で、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等)下で、室温で1〜24時間撹拌することにより、両基が反応し、ニトロン基を有するニトロンを与える。
<変性ブタジエンゴムの調製方法>
変性ブタジエンゴムの製造方法としては特に制限されないが、上述した未変性ブタジエンゴム(A)とニトロン化合物(B)とを、例えば100〜200℃で1〜30分間混合する方法が挙げられる。
このとき、下記式(I)または下記式(II)に示すように、未変性ブタジエンゴム(A)が有する共役ジエンに由来する二重結合とニトロン化合物(B)が有するニトロン基との間で、環化付加反応が起こり、五員環を与える。なお、下記式(I)は1,4−結合とニトロン化合物との反応を表し、下記式(II)は1,2−ビニル結合とニトロン化合物との反応を表す。また、式(I)および(II)はブタジエンが1,3−ブタジエンの場合の反応を表すものであるが、ブタジエンが1,3−ブタジエン以外の場合も同様の反応により五員環を与える。
未変性ブタジエンゴム(A)を変性するために使用するニトロン化合物(B)の量(以下、「CPN量換算値」ともいう。)は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることが好ましい。CPN量換算値が上記範囲内にあることで、変性を効率的に行う事ができる。
なお、例えば、100質量部のジエン系ゴム中に35質量部の変性ブタジエンゴムが含まれ、変性ブタジエンゴムが100質量部の未変性ブタジエンゴム(A)と1質量部のニトロン化合物(B)とを反応させることで得られたものである場合、35質量部の変性ブタジエンゴムのうち、変性ブタジエンゴムの合成に使用されたニトロン化合物(B)は、0.35質量部(=35×(1/101))であるので、CPN量換算値は0.35質量部である。
ここで、未変性ブタジエンゴム(A)に反応させるニトロン化合物(B)の量(仕込み量)は、未変性ブタジエンゴム(A)100質量部に対して、0.3〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましい。
本発明においては、このようにして調製される変性ブタジエンゴムの変性率は特に制限されないが、発熱性の低減効果がより大きくなる理由から、0.01〜2.0mol%であることが好ましく、0.02〜1.5mol%であることがより好ましい。
ここで、変性率とは、未変性ブタジエンゴム(A)が有する共役ジエンに由来する全ての二重結合のうち、ニトロン化合物(B)によって変性された割合(mol%)を表し、より具体的には、ニトロン化合物(B)による変性によって上記式(I)または上記式(II)の構造が形成された割合(mol%)を表す。変性率は、例えば、未変性ブタジエンゴム(A)および変性ブタジエンゴム(すなわち、変性前後のポリマー)のNMR測定を行うことで求めることができる。
〔白色充填剤〕
本発明のゴム組成物は白色充填剤を含有するのが好ましい。
上記の白色充填剤としては、具体的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性ブタジエンゴムの変性基(カルボキシ基)との相互作用の観点から、シリカが好ましい。
シリカとしては、具体的には、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記白色充填剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して8〜130質量部であるのが好ましく、30〜100質量部であるのがより好ましい。
〔カーボンブラック〕
本発明のゴム組成物はカーボンブラックを含有するのが好ましい。
上記カーボンブラックは、特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの含有量は特に制限されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜80質量部であることが好ましく、3〜50質量部であることがより好ましい。
〔シランカップリング剤〕
本発明のゴム組成物は、上述した白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、タイヤの補強性能を向上させる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を配合する場合の含有量は、上記白色充填剤100質量部に対して、3〜15質量部であるのが好ましく、4〜10質量部であるのがより好ましい。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、補強性改善効果の観点から、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよび/またはビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用することが好ましく、具体的には、例えば、Si69[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;エボニック・デグッサ社製]、Si75[ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド;エボニック・デグッサ社製]等が挙げられる。
〔他の添加剤〕
本発明のゴム組成物は、上記ジエンゴムおよび上記白色充填剤ならびに上記カーボンブラックおよび上記シランカップリング剤以外に、炭酸カルシウムなどのフィラー;硫黄等の加硫剤;スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チオウレア系、チウラム系などの加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸などの加硫促進助剤;ワックス;アロマオイル;老化防止剤;可塑剤;等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種のその他添加剤を配合することができる。
これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、硫黄は0.5〜5質量部、加硫促進剤は0.1〜5質量部、加硫促進助剤は0.1〜10質量部、老化防止剤は0.5〜5質量部、ワックスは1〜10質量部、アロマオイルは5〜30質量部、それぞれ配合してもよい。
〔ゴム組成物の製造方法〕
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に混合し(例えば、60〜160℃で混合し)、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を使用した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに使用した空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ニトロン化合物(カルボキシニトロン)の合成>
2Lナスフラスコに、40℃に温めたメタノール(900mL)を入れ、ここに、下記式(2)で表されるテレフタルアルデヒド酸(30.0g)を加えて溶かした。この溶液に、下記式(1)で表されるフェニルヒドロキシアミン(21.8g)をメタノール(100mL)に溶かしたものを加え、室温で19時間撹拌した。撹拌終了後、メタノールからの再結晶により、下記式(3)で表されるニトロン化合物を得た(41.7g)。収率は86%であった。
<変性ブタジエンゴム1(変性BR1)の合成>
120℃のバンバリーミキサーに低分子量ブタジエンゴム(低分子量BR1:CRAY VALLEY社製 Ricon 130、ビニル結合量28モル%、数平均分子量2500)8.1質量部および上記低分子量ブタジエンゴムよりも数平均分子量が大きいブタジエンゴム(BR1(以下、「他のブタジエンゴム」とも称する):日本ゼオン社製 NIPOL BR1220、数平均分子量:1.8×10)100質量部を投入して2分間素練りを行い、ブタジエンゴム混合物を調製した。
その後、上述のとおり合成したニトロン化合物を、低分子量ブタジエンゴムと他のブタジエンゴムとの総量100質量部に対して1.2質量部の量で投入し、160℃で5分間混合することで、上記のブタジエンゴム混合物をニトロン化合物によって変性し、変性ブタジエンゴム(変性ブタジエンゴム1(変性BR1))を得た。
得られた変性ブタジエンゴム1についてNMR測定を行い、変性率を求めたところ、変性ブタジエンゴム1の変性率は0.12mol%であった。変性率は、具体的には以下のとおり求めた。すなわち、変性前後のポリマーについて、CDClを溶媒としたH−NMR測定(CDCl、400MHz、TMS)により、8.08ppm付近(カルボキシ基に隣接する2つのプロトンに帰属する)のピーク面積を測定し、変性率を求めた。なお、変性ブタジエンゴムのH−NMR測定は、変性ブタジエンゴムをトルエンに溶解して、メタノールに沈殿させる精製を2回繰り返した後に、減圧下で乾燥したサンプルを用いて測定した。
<変性ブタジエンゴム2(変性BR2)の合成>
上述の変性ブタジエンゴム1(変性BR1)の合成において、低分子量BR1を別の低分子量ブタジエンゴム(低分子量BR2:CRAY VALLEY社製 Ricon 142、ビニル結合量55モル%、数平均分子量3900)とした以外は、変性ブタジエンゴム1と同様の方法・配合により、変性ブタジエンゴム2(変性BR2)を得た。変性ブタジエンゴム2の変性率は0.11mol%であった。
<変性ブタジエンゴム3(変性BR3)の合成>
上述の変性ブタジエンゴム1(変性BR1)の合成において、低分子量BR1および他のブタジエンゴムを、低分子量成分と高分子量成分とが混合されたブタジエンゴム(BR2:NIPOL BRX 5000(日本ゼオン製))とした以外は、変性ブタジエンゴム1と同様の方法・配合により、変性ブタジエンゴム3(変性BR3)を得た。変性ブタジエンゴム3の変性率は0.14mol%であった。
<比較変性ブタジエンゴム1〜4(比較変性BR1〜4)の合成>
上述の変性ブタジエンゴム1(変性BR1)の合成において、低分子量BR1を表1に示す組成配合(尚、各成分については後述する。)に変更した以外は、変性ブタジエンゴム1と同様の方法・配合により、比較変性ブタジエンゴム1〜4(比較変性BR1〜4)を合成した。尚、比較変性ブタジエンゴム1では低分子量ブタジエンゴムを配合せず、また、比較変性ブタジエンゴム2では低分子量ブタジエンゴムの代わりにオイルを使用した(表2の比較変性ブタジエンゴム2におけるオイル含量は2質量部である)。比較変性ブタジエンゴム1〜4の変性率は、それぞれ0.11mol%、0.12mol%、0.11mol%、0.11mol%であった。
得られた各変性ブタジエンゴムについて、下記の方法により加工性を評価した。
<変性ポリマーの加工性>
「A」:ロール作業性は良好。
「B」:ロールに巻きつくがバギングし、ロール作業性が悪い。
「C」:ロールに巻きつかない、バサバサとなりまとまらない。
「D」:ロールに密着し、ロール作業性が悪い。
「E」:ロールに強固に密着し、ロールから剥がす際に細かく破断する。
変性ブタジエンゴム1〜3および比較変性ブタジエンゴム1〜4の仕込み配合量、および得られた各変性ブタジエンゴムの加工性評価を表1にまとめて示す。
上記表1に示す結果から明らかなように、特定の特性を有する低分子量ブタジエンゴムを所定量含むブタジエンゴムをニトロン化合物で変性した変性ブタジエンゴム(変性BR1、2、3)は、加工性に優れていることが分かった(尚、表2に記載される「変性ポリマーの加工性」は、上記表1に示される「変性ポリマーの加工性」の評価結果と同一である)。
上記表1に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・BR1:NIPOL BR 1220(数平均分子量:1.8×10、日本ゼオン社製)
・BR2:NIPOL BRX 5000〔高分子量ブタジエンゴム(重量平均分子量:7.4×10,数平均分子量:2.5×10)100質量部に対して低分子量ブタジエンゴム(重量平均分子量:2.0×10,数平均分子量:1.1×10)を40質量部ブレンドしたもの(日本ゼオン社製)〕
・CPN:上記の通り合成したニトロン化合物(カルボキシニトロン)
・低分子量BR1:Ricon 130〔ビニル結合量28モル%、数平均分子量2500(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR2:Ricon 142〔ビニル結合量55モル%、数平均分子量3900(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR3:Ricon 150〔ビニル結合量70モル%、数平均分子量3900(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR4:Ricon 154〔ビニル結合量90モル%、数平均分子量5200(CRAY VALLEY社製)〕
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
<標準例1(比較例1)、比較例2〜15および実施例1〜3>
下記表2に示す成分を、下記表2に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記表2に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、80℃のバンバリーミキサーで5分間混合した。次に、ロールを用いて、硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
なお、表中の「変性低分子量BR」は下記の方法により変性して得られたものである。
<変性低分子量BRの合成>
120℃のバンバリーミキサーに低分子量ブタジエンゴム(低分子量BR1:CRAY VALLEY社製 Ricon 130、ビニル結合量28モル%、数平均分子量2500)100質量部を投入して2分間素練りを行った。その後、上述のとおり合成したニトロン化合物を、上記低分子量ブタジエンゴム(低分子量BR1)100質量部に対して1.2質量部の量で投入し、160℃で5分間混合することで、上記低分子量ブタジエンゴム(低分子量BR1)をニトロン化合物によって変性し、変性低分子量ブタジエンゴム(変性低分子量BR)を得た。
得られた変性低分子量BRについてNMR測定を行い、変性率を求めたところ、変性低分子量BRの変性率は0.10mol%であった。
<コンパウンド加工性(各ゴム組成物の加工性)>
得られた各ゴム組成物(未加硫)について、ムーニー粘度(ML)を測定することにより、コンパウンドとしての加工性を評価した。
各ゴム組成物のムーニー粘度は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計にてL型ロータ(38.1mm径、5.5mm厚)を使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃、2rpmの条件で測定した。
<評価用加硫ゴムシートの作製>
得られた各ゴム組成物(未加硫)を、金型(15cm×15cm×0.2cm)中、160℃20分間プレス加硫して、加硫ゴムシートを作製した。
<発熱性:tanδ(20℃)>
上述のとおり作製した加硫ゴム試験片について、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度20℃の損失正接tanδ(20℃)を測定し、発熱性を評価した。結果を表2に示す。結果は、得られた数値の逆数を指数化したもので、値が大きいほど、タイヤにしたときに低発熱性に優れる。なお、下記表2では、標準例1の測定結果を「100」として指数表示した。指数表示の値が大きいほど発熱性が低く、好ましい。
上記表2に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・天然ゴム:TSR20
・溶液重合SBR:E581〔ゴム分100質量部に対する油展量:37.5質量部(68.75質量部中のゴム分は50質量部)、スチレン量:37質量%、ビニル量:43質量%、ガラス転移温度:−27℃(旭化成社製)〕
・BR1:NIPOL BR 1220(数平均分子量:1.8×10、日本ゼオン社製)
・BR2:NIPOL BRX 5000〔高分子量ブタジエンゴム(重量平均分子量:7.4×10,数平均分子量:2.5×10)100質量部に対して低分子量ブタジエンゴム(重量平均分子量:2.0×10,数平均分子量:1.1×10)を40質量部ブレンドしたもの(日本ゼオン社製)〕
・変性BR1〜3、比較変性BR1〜4:上記表1に記載された変性ブタジエンゴム
・低分子量BR1:Ricon 130〔ビニル結合量28モル%、数平均分子量2500(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR2:Ricon 142〔ビニル結合量55モル%、数平均分子量3900(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR3:Ricon 150〔ビニル結合量70モル%、数平均分子量3900(CRAY VALLEY社製)〕
・低分子量BR4:Ricon 154〔ビニル結合量90モル%、数平均分子量5200(CRAY VALLEY社製)〕
・変性低分子量BR:上述の方法により合成した、低分子量BR1のニトロン変性物
・シリカ:Zeosil 1165MP(窒素吸着比表面積:160m/g、CTAB比表面積:159m/g、DBP吸収量:200ml/100gであり、NSA/CTAB:1.0)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(CTAB吸着比表面積:90m/g、キャボットジャパン社)
・シランカップリング剤:エボニック・デグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(日油社製)
・老化防止剤:SANTOFLEX 6PPD(フレキシス社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・亜鉛華:亜鉛華3号(正同化学社製)
・硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所社製)
・加硫促進剤(CZ):ノクセラー CZ−G(大内振興化学工業社製)
上記表2に示す結果から明らかなように、特定の特性を有する低分子量ブタジエンゴムを所定量含むブタジエンゴムをニトロン化合物で変性した変性ブタジエンゴム(変性BR1、2、3)を用いたゴム組成物は、コンパウンド加工性に優れるとともに低発熱化にも優れていることが分かった。
上記結果について詳述すると、ブタジエンゴム成分をカルボキシ基を有するニトロンで変性しない標準例1および比較例6〜9、15のゴム組成物に対し、カルボキシ基を有するニトロン化合物で変性した実施例1〜3、比較例1〜5のゴム組成物は優れた低発熱性を示す。このとき、実施例1〜3のゴム組成物が示すように、ブタジエンゴムにビニル結合量・数平均分子量が所定量の低分子量ブタジエンゴムを含有させることで、さらにコンパウンド加工性をも向上させることができる。
一方、比較例11〜13の結果から明らかなように、配合されるブタジエンゴムのうち、低分子量ブタジエンゴム以外をカルボキシ基を有するニトロン化合物で変性し、低分子量ブタジエンゴムを変性せずに後添加した場合、コンパウンド加工性が改善されないことが分かった。
また、比較例14の結果から明らかなように、カルボキシ基を有するニトロンで変性した低分子量ブタジエンゴムと、カルボキシ基を有するニトロンで変性した高分子量ブタジエンゴムとを混合した場合、コンパウンド加工性が改善されないことが分かった。
また、比較例10の結果から明らかなように、カルボキシ基を有するニトロン化合物で低分子量ブタジエンゴムを変性したものを未変性の高分子量ブタジエンに配合した場合には、組成物中に充分なニトロン量を配合させることができず、低発熱化において効果が見られなかった。

Claims (7)

  1. カルボキシ基を有するニトロン化合物(B)によって未変性ブタジエンゴム(A)を変性することで得られる変性ブタジエンゴムを5〜70質量%含むジエン系ゴムを含有し、 前記未変性ブタジエンゴム(A)が、ビニル結合を1.5〜60モル%有し、且つ、数平均分子量(Mn)が2000〜60000である未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)を、数平均分子量(Mn)が前記未変性低分子量ブタジエンゴム(A1)よりも大きく且つ250,000以下の未変性ブタジエンゴム(A2)100質量部に対して2〜45質量部で含む、ゴム組成物。
  2. さらに、白色充填剤を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ニトロン化合物(B)が、N−フェニル−α−(4−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(3−カルボキシフェニル)ニトロン、N−フェニル−α−(2−カルボキシフェニル)ニトロン、N−(4−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロン、N−(3−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンおよびN−(2−カルボキシフェニル)−α−フェニルニトロンからなる群より選択される化合物である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記変性ブタジエンゴムの変性率が、0.01〜2.0mol%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
    ここで、変性率は、前記未変性ブタジエンゴム(A)が有する共役ジエンに由来する全ての二重結合のうち、前記ニトロン化合物(B)によって変性された割合(mol%)を表す。
  5. 前記未変性ブタジエンゴム(A)に対して反応させる前記ニトロン化合物(B)の量が、前記未変性ブタジエンゴム(A)100質量部に対して0.3質量部〜10質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記白色充填剤の含有量が、前記変性ブタジエンゴム100質量部に対して8〜130質量部である、請求項2〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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