JP2015044918A - ゴム組成物およびその製造方法並びに空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびその製造方法並びに空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐スコーチ性および加工性に優れるゴム組成物を提供する。【解決手段】ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを含有し、上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜200質量部であり、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%であり、上記酸化カルシウムの含有量が、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である、ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびその製造方法並びに空気入りタイヤに関する。
近年、車両走行時の燃費性能を向上するため、タイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。そのため、タイヤのトレッド部を構成するジエン系ゴムに、シリカを配合してヒステリシスロス(特に高温時のtanδ)を小さくすることにより低発熱性にし、タイヤの転がり抵抗を低減する方法が知られている。
しかし、シリカはジエン系ゴムとの親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ジエン系ゴムに単にシリカを配合してもシリカが分散せず、タイヤの転がり抵抗を低減する効果が十分に得られないという問題があった。
このような問題を解決する手段として、本出願人は、特許文献1において、「ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、特定のメルカプトシラン(1)を上記シリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、特定のメルカプトシラン(2)を上記シリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合し、温度145〜185℃で混合するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法」を提案している([請求項1])。
特許文献1には、上記方法により製造したタイヤ用ゴム組成物を用いることで、タイヤのヒステリシスロスを小さくし、転がり抵抗を十分に低減できる旨が記載されている。
一方、タイヤ用などのゴム組成物には、生産性等の観点から、耐スコーチ性や加工性に優れることが求められる。
特開2010−270247号公報
このようななか、本発明者らが特許文献1をもとに、ジエン系ゴム、シリカおよびメルカプト系シランカップリング剤を含有するゴム組成物について検討したところ、耐スコーチ性および加工性が昨今求められるレベルを満たしていないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、シリカおよびメルカプト系シランカップリング剤を含有する場合であっても耐スコーチ性および加工性に優れるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、シリカに対して特定量の酸化カルシウムを配合することで、シリカおよびメルカプト系シランカップリング剤を含有する場合であっても耐スコーチ性および加工性が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを含有し、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜200質量部であり、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%であり、上記酸化カルシウムの含有量が、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である、ゴム組成物。
(2) 上記メルカプト系シランカップリング剤が、後述する式(1)で表される化合物である、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記シリカの窒素吸着比表面積が、170m2/g以上である、上記(1)または(2)に記載のゴム組成物。
(4) ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを140℃以下の混合温度で混合して上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物を製造する、ゴム組成物の製造方法。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物、または、上記(4)に記載の製造方法により製造されたゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、シリカおよびメルカプト系シランカップリング剤を含有する場合であっても耐スコーチ性および加工性に優れるゴム組成物を提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のゴム組成物、および本発明のゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤについて説明する。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(以下、本発明の組成物ともいう)は、ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを含有する。
ここで、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜200質量部であり、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%であり、上記酸化カルシウムの含有量は、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、耐スコーチ性および加工性に優れるものと考えられる。
その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明者らの検討によると、ゴム組成物がシリカを含有する場合、ゴム組成物中のシリカが水を吸着し、そのようなゴム組成物を加工した場合には、シリカから脱離した水の影響(加硫促進剤の活性化など)により、耐スコーチ性や加工性が悪化することが分かっている。
本発明の組成物は、上述のとおり酸化カルシウムを含有するため、シリカから脱離した水は酸化カルシウムと反応し、水酸化カルシウムとなる。すなわち、シリカから水が脱離しても、酸化カルシウムと反応して水酸化カルシウムになるため、水として残存しない。結果として、本発明の組成物は耐スコーチ性および加工性に優れるものと考えられる。
特に、本発明の組成物は、酸化カルシウムの含有量が特定である点に特徴がある。すなわち、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して特定の範囲であるため、シリカから脱離した水と酸化カルシウムとの反応が速やかに進み、結果として、優れた耐スコーチ性および加工性を示すものと考えられる。このことは、後述する比較例が示すように、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して特定の範囲を下回る場合(比較例1)や特定の範囲を上回る場合(比較例2)には、耐スコーチ性や加工性が不十分になることからも推測される。
なお、後述する比較例が示すように、酸化カルシウムの代わりにモレキュラーシーブを用いて脱水した場合(比較例10)や酸化アルミニウムを用いて脱水した場合(比較例11)には耐スコーチ性や加工性の向上はほとんど見られなかった。これは、モレキュラーシーブや酸化アルミニウムの場合、シリカと同様にモレキュラーシーブや酸化アルミニウムの細孔内に吸着した水が加工時に脱離して、脱離した水が耐スコーチ性や加工性を悪化させるためと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、変性ゴムであることが好ましい。なかでも、ヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがあることが好ましく、末端がヒドロキシ基で変性された変性ゴムであることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムとしては、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム(特に末端がヒドロキシ基で変性されたもの)を用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、上記ジエン系ゴムの50〜100質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともに上記ブタジエンゴム(BR)を併用する場合、上記ブタジエンゴム(BR)の含有量は、得られるタイヤのウェット性能および耐摩耗性の観点から、上記ジエン系ゴムの5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量は、得られるタイヤの靭性と本発明の組成物の取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
<シリカ>
本発明の組成物に含有されるシリカは特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
上記シリカとしては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
上記シリカは、ゴムの補強性の観点から、湿式シリカを含むことが好ましい。
上記シリカは、得られるタイヤのウェット性能および耐摩耗性の観点から、窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜300m2/gであることが好ましい。なかでも、酸化カルシウムによる耐スコーチ性および加工性が向上する効果がより顕著になる理由から、170m2/g以上であることが好ましく、190m2/g以上であることがより好ましい。
ここで、N2SAは、シリカがゴム分子との吸着に利用できる表面積の代用特性であり、シリカ表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物において、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部である。なかでも、20〜150質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることがより好ましい。
シリカの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して5質量部未満であると、タイヤにしたときに低転がり抵抗性および耐摩耗性が不十分になる。また、シリカの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して200質量部を超えると、加工性が不十分になる。
<メルカプト系シランカップリング剤>
本発明の組成物に含有されるメルカプト系シランカップリング剤は、メルカプト基(−SH)および加水分解性基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、メルカプト基以外の有機官能基を有していてもよい。
そのような有機官能基としては特に制限されないが、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基などが挙げられる。
メルカプト系シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記メルカプト系シランカップリング剤の具体例としては、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤、および/または、ポリシロキサン構造(−Si−O−)を有するメルカプト系シランカップリング剤であることが好ましい。
ここで、ポリエーテル鎖とは、エーテル結合を2以上有する側鎖であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する側鎖が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
上記ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。なお、lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)中、R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。ポリエーテル基とは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する基が挙げられる。RaおよびRbの定義および好適な態様は、上述したRaおよびRbと同じである。なお、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基の好適な態様としては、例えば、下記式(2)で表される基が挙げられる。
上記式(2)中、R21は、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基、または、直鎖状のアルキニル基を表し、なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。上記直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
上記式(2)中、R22は、直鎖状のアルキレン基、直鎖状のアルケニレン基、または、直鎖状のアルキニレン基を表し、なかでも直鎖状のアルキレン基が好ましい。上記直鎖状のアルキレン基としては、炭素数1〜2の直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
上記式(2)中、pは、1〜10の整数を表し、3〜7であることが好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、R13は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基(フェニル基など)を表す。
上記式(1)中、R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表し、なかでも炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
上記式(1)中、lは1〜2の整数を表し、1であることが好ましい。上記式(1)中、mは1〜2の整数を表し、2であることが好ましい。nは0〜1の整数を表し、0であることが好ましい。l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。
一方、上記ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、下記式(3)で表される繰り返し単位および下記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合物が挙げられる。
上記式(3)および(4)中、R31およびR41は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。なかでも、プロピレン基が好ましい。複数あるR31およびR41はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(3)および(4)中、R32およびR42は、それぞれ独立に、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニレン基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニレン基を表し、なかでも、炭素数3〜20のものが好ましい。R32が末端である場合、R32は、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基を表し、なかでも、炭素数3〜20のものが好ましい。R42が末端である場合、R42の定義、具体例および好適な態様は、上記R32と同じである。複数あるR32およびR42はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(3)および(4)中、R33およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するもの、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するものを表す。R43は、末端に水酸基を有する基であることが好ましい。R32およびR33は、R32とR33とで環を形成していてもよい。R42およびR43は、R42とR43とで環を形成していてもよい。複数あるR33およびR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
34は、炭素数1〜13のアルキル基を表し、なかでも、炭素数3〜10のアルキル基が好ましい。炭素数3〜10のアルキル基の具体例としては、たとえばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。複数あるR34はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、耐スコーチ性および加工性がより優れる理由から、上記ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤であるよりも、上記ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤である方が好ましい。
本発明の組成物において、上記メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である。なかでも、1〜18質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
メルカプト系シランカップリング剤の含有量がシリカの含有量に対して0.1質量%未満であると、タイヤにしたときに低転がり抵抗性および耐摩耗性が不十分になる。また、メルカプト系シランカップリング剤の含有量がシリカの含有量に対して20質量%を超えると、加工性が不十分になる。
<酸化カルシウム>
本発明の組成物に含有される酸化カルシウムは、特に制限されない。
本発明の組成物において、上記酸化カルシウムの含有量は、上記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である。なかでも、加工性がより優れる理由から、1.0〜15.0質量%であることが好ましく、2.0〜10.0質量%であることがより好ましい。
酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して0.1質量%未満であると、耐スコーチ性および加工性が不十分になる。また、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して20質量%を超えると、加工性が不十分になる。
<任意成分>
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、メルカプト系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤(例えば、エボニックデグッサ社製Si69)、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
本発明の組成物は、酸化カルシウムによる耐スコーチ性および加工性が向上する効果がより顕著になる理由から、上記ジエン系ゴムと、上記シリカと、上記メルカプト系シランカップリング剤と、上記酸化カルシウムとを140℃以下の混合温度で混合して製造するのが好ましい。混合温度の下限は特に制限されないが、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<標準例、比較例1〜11、実施例1〜5>
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて第1表に示す混合温度で5分間混合し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
第1表中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
また、第1表中、「酸化カルシウム/シリカ」は、シリカの含有量に対する酸化カルシウムの含有量の割合(質量比)を表したものである。
<ムーニースコーチ>
得られたゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
結果を第1表に示す。結果は、標準例を100とする指数で表した。指数が大きいほどスコーチタイムが長く、耐スコーチ性が優れることを示す。
<ムーニー粘度>
得られたゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。
結果を第1表に示す。結果は、標準例を100とする指数で表した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性が優れることを示す。
上記第1表に示されている各成分の詳細は以下のとおりである。
・ジエン系ゴム(SBR):E581(末端にヒドロキシル基を有するスチレンブタジエンゴム、油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%)、スチレン含有量:40質量%、ビニル結合量:44%、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製)
・ジエン系ゴム(BR):BR1220(日本ゼオン社製)
・シリカ:Zeosil 1165MP(N2SA:165m2/g、ローディア社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(N2SA:90m2/g、キャボットジャパン社製)
・シランカップリング剤1:VP Si363(エボニックデグッサ社製)(上記式(1)で表される化合物。ここで、R11:−OC25、R12:−O(C24O)5−C1327、R14:−(CH23−、l=1、m=2、n=0。)
・シランカップリング剤2:NXT−Z45(Momentive社製)(上記式(3)で表される繰り返し単位および上記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合物。ここで、上記式(3)で表される繰り返し単位の割合が55モル%、上記式(4)で表される繰り返し単位の割合が45モル%である。)
・比較シランカップリング剤1:NXTシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)
・比較シランカップリング剤2:Si69(エボニックデグッサ社製)(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸YR(NOFコーポレーション社製)
・老化防止剤:Santoflex 6PPD(Solutia Europe社製)
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・酸化カルシウム:CML−21(近江化学社製)
・モレキュラーシーブ:モレキュラーシーブ
・酸化アルミニウム:酸化アルミニウム
・硫黄:油処理イオウ(軽井沢精錬所社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:Perkacit DPG(Flexsys社製)
第1表から分かるように、酸化カルシウムを含有しない標準例および比較例3〜5と比較して、酸化カルシウムを含有する実施例1〜5は優れた耐スコーチ性および/または加工性を示した。なかでも、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して2.0〜10.0質量%である実施例2はより優れた加工性を示した。
実施例2と5との対比から、メルカプト系シランカップリング剤が上記式(3)で表される繰り返し単位および上記式(4)で表される繰り返し単位を有する共重合物である実施例5の方がより優れた耐スコーチ性および加工性を示した。
酸化カルシウムを含有するが、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して0.1質量%未満である比較例1は耐スコーチ性および加工性が不十分であった。また、酸化カルシウムを含有するが、酸化カルシウムの含有量がシリカの含有量に対して20質量%を超える比較例2は加工性が不十分であった。
標準例と比較例10および11との対比から分かるように、酸化カルシウムの代わりにモレキュラーシーブや酸化アルミニウムを使用しても耐スコーチ性の向上はほとんど見られず、また、加工性については逆に悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを含有し、
    前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜200質量部であり、前記メルカプト系シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%であり、前記酸化カルシウムの含有量が、前記シリカの含有量に対して0.1〜20質量%である、ゴム組成物。
  2. 前記メルカプト系シランカップリング剤が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のゴム組成物。
    (式(1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表す。R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。R13は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基を表す。R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表す。lは1〜2の整数を表し、mは1〜2の整数を表し、nは0〜1の整数を表し、l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  3. 前記シリカの窒素吸着比表面積が、170m2/g以上である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト系シランカップリング剤と、酸化カルシウムとを140℃以下の混合温度で混合して請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を製造する、ゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物、または、請求項4に記載の製造方法により製造されたゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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JP2015203079A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社ブリヂストン ゴム組成物および空気入りタイヤ
CN113968998A (zh) * 2020-07-24 2022-01-25 中国石油化工股份有限公司 含二巯基丁二酸的用于鞋底的橡胶组合物及其应用、硫化橡胶及其制备方法和应用以及鞋底

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