WO2012176877A1 - 歯科用修復材 - Google Patents

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Abstract

 本発明により、 (A)重合性単量体を10~50質量%と、(B)平均粒径が1μm以下の無機微細フィラーを有機マトリックス中に分散させてなる平均粒径が5.0~50μmの有機無機複合フィラーを5~80質量%と、(C)平均粒径1.1~5.0μmの第三成分無機フィラーを10~60質量%と、を含む歯科用修復材であって、 32℃における、(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕と(B)有機無機複合フィラーの屈折率〔nB〕との差の絶対値|nC-nB|が0.005~0.07であり、且つ32℃における、(A)重合性単量体の硬化後の屈折率〔nA〕と(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕との差の絶対値|nA-nC|が0.005~0.05である歯科用修復材が開示される。

Description

歯科用修復材
 本発明は、歯牙に対する色調適合性が優れた歯科用修復材に関する。本歯科用修復材は、歯科用修復材、歯冠修復材、CAD/CAMブロック等の用途に好適に使用される。
 歯科用修復材は、天然歯牙色に近い色調を付与できることや、歯牙の治療時の操作が容易であることから、齲蝕等を生じた歯牙の修復材料として急速に普及している。従って、近年は、前歯の治療の大部分に適用されている。特に、最近は高い咬合圧のかかる臼歯部等の修復にも使用され始めている。
 歯科用修復材は、重合性単量体と、フィラーと、及び重合開始剤とから主に構成される高粘稠のペースト状組成物である。フィラーは、用いるフィラーの種類、形状、粒子径、及び充填量等に応じて、歯科用修復材の硬化体の審美性及び機械的物性等に大きな影響を与える。例えば、平均粒径が1μm以下の無機粒子及び/又はその凝集体からなる無機微細フィラーを配合する場合は、歯科用修復材に良好な耐研磨性、表面滑沢性を付与できる。
 しかし、無機微細フィラーは、比表面積が非常に大きい。従って、この無機微細フィラーを含む、硬化前のペースト状の歯科用修復材は粘稠度が高い。この歯科用修復材を操作性に適した粘稠度にするためには、単量体の配合量を多くせざるを得ない。しかし、この場合は、歯科用修復材の操作性が低下すると共に、硬化体の重合収縮量が増加し、さらには機械的強度の低下等が生じる問題がある。
 一方、上記無機微細フィラーを用いる場合の特徴である優れた表面滑沢性や耐磨耗性を実現しながら、上記の問題を生じさせない手法として、有機無機複合フィラーを用いる方法が見出された。有機無機複合フィラーは、無機微細フィラーと重合性単量体とを予め混合して得られる混合物を重合硬化させた後、得られる重合樹脂を粉砕して製造される。この有機無機複合フィラーには無機微細フィラーが含有されているので、前記優れた表面滑沢性や耐磨耗性を歯科用修復材の硬化体に付与する。更に、無機微細フィラーは既に硬化した重合性単量体で構成される有機マトリックス中に分散されているので、硬化前のペースト状の歯科用修復材の粘稠度を過度に高くすることがない。
 ところが、この有機無機複合フィラーを配合する歯科用修復材の場合においても、その硬化体の色調が歯牙の色調と融和し難くなる場合がある。この場合は、高審美性が求められる歯牙治療の場合、患者に十分の満足感を与えられないことになる。具体的に記述すると、患者の歯牙の色調や透明性と十分融和している硬化前のペースト状の歯科用修復材を選択して歯牙の修復を行ったにも拘らず、硬化体が、歯牙の色調や透明性と融和しない場合である。この場合は、実際の歯牙の修復後において、歯牙に充填した歯科用修復材の硬化体が、周辺歯牙の色調や質感を正確に再現していない場合である。更に、該周辺歯牙と硬化体との境界が視覚的に認識できる場合である。
 一方、歯科用修復材の有する光学的特性の中で、審美性に大きな影響を与える物性の一つに光拡散性がある。ここで、光拡散性とは、歯科用修復材の硬化体のような半透明材料内に光が入射する場合に、半透明材料中で入射光が様々な方向に拡散される性質を示す。入射光の拡散は、半透明材料内部の充填物によって、入射光が屈折及び反射されることにより起きる。
 入射光の拡散により生じる反射、拡散光は、半透明材料の色調やその背景色を反映する色調を帯びる。従って、光拡散性が高い歯科用修復材ほど、その硬化体の色と背景色との違いを希薄化し、硬化体と歯牙との間の輪郭を不明瞭にする効果が高くなる。即ち、歯牙と硬化体との色調適合性が高くなる。
 上記光拡散性の指標の一つとして、下式で表される拡散度(D)が提案されており、この値が大きいほど半透明材料中を透過する光の拡散性が高い。
D={(I20/cos20゜)+(I70/cos70゜)}/(2×I
(但し、上記式中のI、I20、及びI70は、歯科用修復材を硬化させて作製した所定の厚さの板状試料に、該試料の表面に対して垂直に光を照射した場合において、光の入射方向に対してそれぞれ、0゜、20゜、及び70゜の方向に透過した光の強度である。)
  こうした背景にあって、上記有機無機複合フィラーを配合した歯科用修復材の拡散度(D)を高めた歯科用修復材が提案されている(特許文献1参照)。この歯科用修復材は、該拡散度(D)を高めることにより、歯牙の損傷箇所に充填した歯科用修復材の硬化体(充填物)と、周辺歯牙との色調適合性を向上させている。
 この歯科用修復材の硬化体の拡散度を高める具体的手法として、特許文献1は、下記(1)及び(2)に示す条件を満足する有機無機複合フィラーを配合することを提案している(請求項3)。
(1) 平均粒径が1~20μmであること。
(2) n-nの絶対値が0.01以上であること。但し、nは有機無機フィラーの屈折率である。nは、当該歯科用修復材の硬化体を構成するマトリックス樹脂の屈折率である。
 特許文献1には、この歯科用修復材に、有機無機複合フィラーの他に、他の無機フィラー(第三成分無機フィラー)を配合しても良いと記載されている。具体的には、この歯科用修復材には、平均粒径1μm以下の微細な球状無機フィラーを配合することが記載されている。このフィラーを配合する主目的は、硬化前のペースト状の歯科用修復材の充填操作性を向上させることにある(段落〔0020〕)。その他の目的としては、有機無機複合フィラーに関する上記(2)の要件を満足させるために、球状無機フィラーをマトリックス部分の屈折率の調整成分として機能させることも記載されている(段落〔0065〕)。しかし、この微細な球状無機フィラーの平均粒径は、可視光の波長(0.4~0.7μm)に近い。従って、球状無機フィラーがマトリックス部分の屈折率を変化させる作用は僅かなものである。即ち、この微細な球状無機フィラーを歯科用修復材に配合する場合、硬化体の拡散度に与える影響は小さい。
特開2002-138008号公報
 本発明者等は、配合する有機無機複合フィラーとして、上記(1)及び(2)に示す条件を満足するフィラーを用いて、拡散度を0.01以上に高めた歯科用修復材を製造し、その硬化体の色調適合性を検討した。その結果、この歯科用修復材の硬化体は、かなり良好な周辺歯牙に対する色調適合性を有することが分った。しかし、実施例で示されるように、硬化体の拡散度自体は、あまり高くなることはなかった。即ち、この歯科用修復材は、色調適合性が不十分であった。
 従って、本発明の目的とするところは、有機無機複合フィラーを配合してなる、耐研磨性、表面滑沢性、操作性、機械的強度等に優れる歯科用修復材において、その硬化体と周辺歯牙との色調適合性が、一層改善された歯科用修復材を提供することにある。
 上記課題に鑑み、本発明者らは、鋭意研究を続けた。その結果、有機無機複合フィラーと共に配合する第三成分無機フィラーの粒径を、比較的大きい平均粒径1.1~5.0μmにすることに想到した。更に、この第三成分無機フィラーの屈折率と、有機無機複合フィラーの屈折率と、該歯科用修復材の硬化体の有機マトリックス樹脂の屈折率とを、特定の範囲に制御することに想到した。本発明者らは、上記構成を採用することにより、周辺歯牙に対する色調適合性が良好な歯科用修復材が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
 本発明は、
(A)重合性単量体を10~50質量%、
(B)平均粒径が1μm以下の無機微細フィラーを有機マトリックス中に分散させてなる平均粒径が5.0~50μmの有機無機複合フィラーを5~80質量%、
(C)平均粒径1.1~5.0μmの無機フィラーを10~60質量%、
を含む歯科用修復材であって、
32℃における、(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕と(B)有機無機複合フィラーの屈折率〔nB〕との差の絶対値|nC-nB|が0.005~0.07であり、且つ
32℃における、(A)重合性単量体の硬化後の屈折率〔nA〕と(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕との差の絶対値|nA-nC|が0.005~0.05、
である歯科用修復材である。
 本発明の歯科用修復材は、有機無機複合フィラーと第三成分無機フィラーとがそれぞれ充分の量で配合されている。従って、本歯科用修復材は、歯牙の治療に際して操作性に優れる。更に、本歯科用修復材の硬化体は、機械的強度、表面滑沢性、耐摩耗性に優れる。
 第三成分無機フィラーの平均粒径は1.1~5.0μmであり、比較的大きい。更に、第三成分無機フィラーの屈折率と有機無機複合フィラーの屈折率との差は、特定の範囲内に制御されている。また更に、第三成分無機フィラーの屈折率と、歯科用修復材に配合されている重合性単量体が硬化した硬化樹脂の屈折率との差は、特定の範囲内に制御されている。従って、推定される下記理由により、硬化体の拡散度(D)は極めて大きくなる。その結果、歯牙の治療等において、この歯科用修復材を歯牙に充填し、硬化させて得られる硬化体(充填物)と、周辺歯牙との色調適合性は顕著に優れる。
 すなわち、第三成分無機フィラーの上記比較的大きい平均粒径は、可視光領域の波長よりも大きい。従って、該第三成分無機フィラーが多量に配合されている歯科用修復材の硬化体の光学的特性は、当該第三成分無機フィラーの屈折率〔nC〕の影響を強く受ける。本発明の歯科用修復材においては、(C)第三成分無機フィラーの屈折率〔nC〕と、(B)有機無機複合フィラーの屈折率〔nB〕とは、これらの差の絶対値|nC-nB|が0.005~0.07になるように調整されている。
 一方、前記のように第三成分無機フィラーの配合量は多いので、歯科用修復材の硬化体内において、(B)有機無機複合フィラーの周囲は多量の該第三成分無機フィラーにより取り巻かれている。
 ここで、この有機無機複合フィラーを取り巻く第三成分無機フィラーの屈折率は、前記の如く、有機無機複合フィラーの屈折率と比較して、有意な差異を有している。従って、硬化体に入射する光は、有機無機複合フィラーと第三成分無機フィラーとの境界領域において、激しく屈折し、反射する。これらの屈折、反射により、歯科用修復材の硬化体の拡散度(D)は増加する。
 加えて、本発明の歯科用修復材においては、(C)第三成分無機フィラーの屈折率〔nC〕と、このフィラーが分散されている硬化体のマトリックス部分である、(A)重合性単量体の硬化樹脂の屈折率〔nA〕とは、これらの差の絶対値|nA-nC|が0.005~0.05になるように調整されている。
 従って、硬化体に入射する光は、この第三成分無機フィラーとマトリックス部分との境界において、強く屈折し、反射する。ゆえに、本発明の歯科用修復材の硬化体は、前記有機無機複合フィラーと第三成分無機フィラーとの境界領域における屈折、反射の影響に加えて、第三成分無機フィラーと硬化体のマトリックス部分との境界における屈折、反射の影響も加わり、硬化体の拡散度はさらに増加する。
 更に、前記有機無機複合フィラーと、これを取り巻く第三成分無機フィラーとの界面においては、上記第三成分無機フィラーと硬化体のマトリックス部分との境界で生じる屈折、反射の繰返しと、前記有機無機複合フィラーと第三成分無機フィラーとの境界で生じる屈折、反射とが、極めて近接した領域内で繰返し起きる。これらの屈折、反射により、硬化体に入射する光は、様々の方向に複雑に拡散する。以上、述べた理由により、硬化体の拡散度の増加効果は、十分高まる。
 本発明の歯科用修復材は、(A)重合性単量体、(B)有機無機複合フィラー、および(C)無機フィラーを少なくとも含んでなる。
 本発明の歯科用複合材料は、上記必須成分以外に、重合開始剤を含み、更に着色料や安定剤等の任意添加剤を含んでいても良い。これらの各成分を含む本歯科用複合材料は、比較的粘稠なペースト状である。本歯科用複合材料は、例えば、歯牙の欠損部に充填され、これを重合させることにより、硬化される。得られる硬化体は(A)重合性単量体が重合して形成される硬化樹脂からなる有機マトリックス部分と、前記有機マトリックス部分に分散される(B)有機無機フィラー及び(C)第三成分無機フィラーとを少なくとも含んで構成される。この硬化体により歯牙の欠損部分等は修復される。
 以下、これらの各成分について説明する。
 <(A)重合性単量体>
 本発明において、(A)重合性単量体としては、歯科用複合材料の製造用として使用可能な、公知の重合性単量体が、何ら制限なく使用できる。歯牙と硬化体との色調適合性を勘案すると、(A)重合性単量体が硬化した硬化樹脂の32℃における屈折率は、1.45~1.65が好ましく、1.50~1.60がより好ましい。
 このような重合性単量体としては、下記A~Dに示される各単量体が例示される。
 A 単官能性ビニル単量体
 メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
 アクリル酸、メタクリル酸、p-メタクリロイルオキシ安息香酸、N-2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル-N-フェニルグリシン、4-メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、及びその無水物、6-メタクリロイルオキシヘキサメチレンマロン酸、10-メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2-メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、10-メタクリロイルオキシデカメチレンジハイドロジェンフォスフェート、2-ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフォネート等。
 B 二官能性ビニル単量体
 B-1 芳香族化合物系単量体
 2,2-ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(以下、bis-GMAと略記する)、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、D-2.6Eと略記する)、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン)、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4-メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)-2(4-メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4-メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)-2(4-メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4-メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)-2-(4-メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパンおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
 2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような-OH基を有するビニル単量体と、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加反応により得られるジアダクト等。
 B-2 脂肪族化合物系のもの
 エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと略記する)、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
 2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような-OH基を有するビニル単量体と、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加反応により得られるジアダクト等。
 無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2-ビス(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2-メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート等。
 C 三官能性ビニル単量体
 トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
 D 四官能性ビニル単量体
 ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加から得られるジアダクト等。
 上記重合性単量体の中でも、得られる硬化樹脂の機械的強度や生体安全性等が良好であることから、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性単量体が好ましい。これら重合性単量体は、重合性が高く、更に得られる硬化体の機械的物性が適度に高くなる。これら重合性単量体の好ましい配合例としては、二官能性ビニル単量体を主成分として90質量%以上、好ましくは92~98質量%と、単官能性ビニル単量体や三官能性以上の多官能性ビニル単量体を10質量%以下、好ましくは2~8質量%との配合が挙げられる。上記範囲内に於いて配合割合を調節することにより、得られる硬化樹脂の物性を調節できる。
 本発明において、(A)重合性単量体の配合量は、本歯科用修復材の必須成分である(A)の重合性単量体と、(B)の有機無機複合フィラーと、(C)の無機フィラーとの合計質量に対して10~50質量%である。
 (A)重合性単量体の配合量が10質量%より小さい場合は、有機無機複合フィラーや無機フィラーの分散性が不十分になる。その結果ペースト状の歯科用修復材の操作性や、その硬化体の機械的強度が低下する。一方、(A)重合性単量体の配合量が50質量%より大きい場合は、有機無機複合フィラーや無機フィラーの配合量が不十分になり、ペースト状の歯科用修復材の操作性や、その硬化体の機械的強度が低下する。更に、硬化体の表面滑沢性や耐摩耗性が低下する。これ等の性状に与える影響を勘案すると、(A)重合性単量体の配合量は、15~43質量%がより好ましい。
 <(B)有機無機複合フィラー>
 本発明において、有機無機複合フィラーは、無機微細フィラーを有機マトリックス(樹脂)中に分散させてなる複合フィラーと定義される。有機無機複合フィラーは、例えば、重合性単量体に無機微細フィラーを分散させた硬化性組成物を重合硬化させて得られる重合樹脂を粉砕することにより製造できる。有機マトリックス中に分散させる無機微細フィラーの平均粒径は、1.0μm以下であり、0.05~1.0μmが好ましく、0.1~0.5μmがより好ましい。また、有機無機複合フィラーの平均粒径は、5.0~50μmで、8~20μmが好ましい。
 有機マトリックス中に分散される無機微細フィラーの平均粒径は1.0μm以下であるので、フィラー同士の隙間は小さい。その結果、この隙間に存在する重合体のみで構成される部分は小さくなる。重合体のみで構成される部分は破壊が起りやすい。従って、本有機無機複合フィラーは、機械的強度の低下が避けられる。さらに、得られる有機無機複合フィラーは、良好な耐研磨性、表面滑沢性を有する。一方、該無機フィラーの平均粒径は0.05μm以上であるので、無機微細フィラー同士の凝集性はあまり強くない。従って、有機無機複合フィラーの製造時に、無機微細フィラーに重合性単量体を均一に浸透させ易くなる。その結果、得られる有機無機複合フィラーの屈折率の均一性が向上する。
 有機無機複合フィラーの屈折率が不均一な場合は、有機無機複合フィラーの光拡散効果が低下する。この場合は、歯科用修復材の硬化体と歯牙との色調適合性が低下する。
 重合性単量体が不均一に無機フィラーに浸透した状態で製造された有機無機複合フィラーの場合は、得られる歯科用修復材の硬化体の機械的強度が低下する。更に、前記耐研磨性や表面滑沢性も十分に発現され難い。これらの観点から、有機マトリックス中に分散させる無機微細フィラーの平均粒径は0.1~0.5μmであることがより好ましい。
 有機無機複合フィラーの平均粒径が前記範囲内である場合、有機無機複合フィラーは適度な比表面積を有する。その結果、歯科用修復材の硬化体内に於いて、光の反射屈折を活発に生じさせることが可能になり、この有機無機複合フィラーを配合した歯科用複合材料の硬化体の拡散度を高めることができる。さらに、有機無機複合フィラーの平均粒径は50μm以下であるので、これを用いて製造されるペースト状の歯科用修復材は、まとまりの悪さや粘り着くといった操作性の悪さを避けられる。更に、硬化体の機械的強度の低下等の問題を生じ難い。これらの観点から、有機無機複合フィラーの平均粒径は、8~20μmであるのが好ましい。
 有機無機複合フィラーにおいて、重合樹脂からなる有機マトリックス中に分散される無機微細フィラーの平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いて測定できる。測定に際しては、先ず無機微細フィラーの顕微鏡写真を撮影し、この写真を用いて無機微細フィラーの直径を測定することにより求める。直径の測定は、無作為に選択した100個以上の無機微細フィラー粒子について、上記の方法で粒子径(円相当径)を計測し、下記式によって無機微細フィラーの平均粒径を算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
    
 また、有機無機複合フィラーの平均粒径は、レーザー回折-散乱法によって粒度分布を求め、このデータを用いて求めたメディアン径である。測定に供するサンプルは、0.1gの有機無機複合フィラーをエタノール10mlに均一に分散させた分散液である。
 有機無機複合フィラーにおいて、有機マトリックス中に分散させる無機微細フィラーの配合量は、50~90質量%(有機マトリックス50~10質量%)が好ましく、70~85質量%がより好ましい。上記配合量を採用することにより、有機無機複合フィラーの機械的強度や屈折率を好ましい値に制御できる。
 ここで、重要な点は、後述する(C)第三成分無機フィラーの32℃における屈折率と、上記有機無機複合フィラーの32℃における屈折率との差の絶対値|nC-nB|が0.005~0.07であることである。この差|nC-nB|が0.005未満の有機無機複合フィラーを用いる場合は、得られる歯科用修復材の硬化体の拡散度は低く、周辺歯牙との色調適合性は悪くなる。他方、差|nC-nB|が0.07を超える有機無機複合フィラーを用いる場合は、歯科用修復材の硬化体の不透明性は大きくなり、周辺歯牙との色調適合性は悪くなる。
 硬化体の拡散度をより高める観点からは、(nC-nB)は正になることが好ましい。さらに、拡散度を顕著に高め、得られる硬化体の透明性を確保しつつ、色調適合性を特に優れたものにする観点から、(nC-nB)は0.01~0.03であることが、より好ましい。
 その原因は、必ずしも明らかではないが、以下のような原理によるものと推察される。|nC-nB|が0.005より大きい場合、有機無機複合フィラーの表面近傍においては光の反射や屈折が起こり、この効果で光の拡散が起きる。屈折率差(nC-nB)が負である場合には、有機無機複合フィラーの表面近傍で光の反射が起こると共に、屈折率差により有機無機複合フィラー内に入射する光は収束するように屈折する。
 これに対して、(nC-nB)が正である場合には、有機無機複合フィラーの表面近傍で光の反射が起こると共に屈折率差により有機無機複合フィラー内に入射する光は発散する方向に屈折する。この場合は、光は発散する方向に屈折するのであるから、硬化体が光を拡散させる効果は特に高くなる。
 有機無機複合フィラーおいて、有機無機複合フィラーのマトリックス部分は、重合性単量体が重合することにより形成される。このマトリックス部分の原料となる重合性単量体としては、前記(A)成分として説明した重合性単量体と同じ単量体が、単独で又は複数種組合せて使用できる。
 有機無機複合フィラーに分散させる無機微細フィラーの材質は、前記|nC-nB|の要件を満足できる限り特に限定されない。例えば、非晶質シリカ、アルミナ等の金属酸化物;シリカと周期律表第I、II、III、及び第IV族の金属よりなる群から選ばれる金属の酸化物を含む複合酸化物(好適には、シリカ-ジルコニア、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム等);ホウ珪酸ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等のガラス;フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム等の金属フッ化物、等の無機化合物が挙げられる。
 これらの材質のうち、X線造影性を有し、より耐摩耗性に優れた硬化体が得られることから、シリカとジルコニアとを主な構成成分とする複合酸化物が特に好ましい。これらの無機微細フィラーの製造方法としては、特に限定されないが、いわゆるゾルゲル法が好ましい。ゾルゲル法による場合は、形状が球状または略球状であって、単分散の無機微細フィラーを工業的に、有利に製造できる。さらに、ゾルゲル法による場合は、無機微細フィラーの屈折率の調整や、X線造影性の付与が容易である。
 ゾルゲル法においては、先ず、加水分解可能な有機ケイ素化合物、あるいはこの化合物に、加水分解可能な他の有機金属化合物を加えた混合溶液を用意する。次いで、前記混合溶液を、これらの有機金属化合物は溶解するが反応生成物は実質的に溶解しないアルカリ性溶媒中に添加し、加水分解反応を進行させる。加水分解反応の進行に従って、反応生成物が析出する。その後、析出物を単離し、析出物を乾燥させる。
 有機無機複合フィラーのマトリックス部分になる重合性単量体に対する分散性を改良することを目的として、無機微細フィラーの表面は疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理は特に限定されず、公知の処理方法が制限なく採用される。代表的な疎水化処理方法を例示すれば、無機微細フィラーとシランカップリング剤(疎水化剤)とを、ボールミル等を用いて、適当な溶媒中で分散混合し、次いでエバポレーター又はスプレードライで乾燥し、その後50~150℃に加熱する方法が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、γ-メタクリロイルオキシアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等の有機珪素化合物が挙げられる。
 更に、無機微細フィラーと上記疎水化剤とを数時間程度、アルコール等の溶剤の存在下で加熱還留する方法が挙げられる。さらに、チタネート系カップリング剤を用いる方法や、無機微細フィラー表面に前記重合性単量体をグラフト重合させる方法等が挙げられる。
 疎水化剤の配合量は、特に制限がない。得られる歯科用修復材の硬化体の機械的物性等を予め実験で確認した上で、疎水化剤の最適配合値を決定すればよい。一般的な、配合値の範囲を例示すれば、無機微細フィラー100質量部に対して1~30質量部である。
 無機微細フィラーとしては、粒度分布や材質が異なる複数種類を混合して用いることもできる。
 有機無機複合フィラーを製造する際には、重合性単量体及び無機微細フィラーを含む硬化性組成物を硬化させる。硬化性組成物を硬化させるためには、通常、重合開始剤を用いて重合性単量体を重合させる。用いる重合開始剤の種類および使用量は、後述する本発明の歯科用修復材の硬化用に通常配合される重合開始剤の種類および使用量と同様である。硬化性組成物には、重合禁止剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、重合助触媒、顔料等の任意添加剤が配合されていてもよい。
 上記重合性単量体及び無機微細フィラーを含む硬化性組成物を硬化させて得られる重合体を粉砕することで、有機無機複合フィラーが得られる。重合体の粉砕は、ボールミルや振動ミル、ジェットミル等が好適に使用できる。粉砕物は、フルイ、エアー分級機、あるいは水篩分級等により、所望の粒径のものに分級すれば良い。
 有機無機複合フィラーとしては、特願2011-005207号に示される方法により得られる有機無機複合フィラーも好適に使用できる。この方法は、有効量の重合開始剤と重合性単量体とを有機溶媒で希釈してなる希釈溶液に、無機微細フィラーの凝集粒子を浸漬し、次いで凝集粒子から該有機溶媒を除去し、その後重合性単量体を重合硬化させることにより重合体を得、必要に応じて重合体を粉砕することにより、有機無機複合フィラーを製造する方法である。
 この方法で得られる有機無機複合フィラーは、無機微細フィラー粒子相互間に特定の細孔容積の凝集間隙が形成されている。この方法で製造される有機無機複合フィラーを配合する歯科用修復材においては、無機微細フィラー粒子の凝集間隙に多量の重合性単量体が入り込んでいる。従って、この歯科用修復材を硬化させると、重合性単量体の重合体が無機微細フィラー粒子の凝集間隙に嵌め込まれることになる。その結果、無機微細フィラー粒子の界面で機械的な嵌合力が生じ、有機無機複合フィラーの界面における破壊が起こり難くなる。即ち、歯科用修復材の硬化体の機械的強度をより優れたものにできる。
 有機無機複合フィラーは、歯科用修復材に配合する前に、予め、洗浄、脱色、表面処理等が行なわれていてもよい。脱色方法としては、一般的には、適切な溶媒に有機無機複合フィラーを分散させ、この分散液に過酸化物を溶解し、撹拌し、必要により加熱する方法が例示される。過酸化物としては公知の過酸化物が制限なく使用できる。
 表面処理方法としては、前述の無機微細フィラーの表面処理方法に準じる。
 本発明の歯科用修復材において、(B)有機無機複合フィラーの配合量は、歯科用修復材の必須成分である(A)の重合性単量体と、(B)の有機無機複合フィラーと、(C)の無機フィラーとの合計質量に対して5~80質量%で、7~50質量%がより好ましい。(B)有機無機複合フィラーの配合量が5質量%未満の場合、または80質量%を超える場合、得られる歯科用修復材の硬化体は、周辺歯牙との色調適合性が低下し、機械的強度も不足する。
 <(C)第三成分無機フィラー>
 本発明の歯科用修復材においては、フィラー成分として、上記(B)有機無機複合フィラーに加えて、(C)平均粒径が1.1~5.0μm、好ましくは1.5~3.0μmの無機フィラーを配合する。第三成分無機フィラーの平均粒径は1.1μm以上である。この粒径は可視光領域の波長よりも長いので、歯科用修復材の硬化体の拡散度(D)は確実に増加する。その結果、硬化体は周辺歯牙との色調適合性に優れたものになる。
 一方、第三成分無機フィラーは、平均粒径が5.0μm以下である。従って、硬化体の研磨性は良好である。また、平均粒径が5.0μm以下であるので、有機無機複合フィラーの周囲を第三成分無機フィラーが良好に取り巻いて位置することができる。その結果、有機無機複合フィラーと第三成分無機フィラーとの境界における光の屈折反射を、激しく生じさせることが可能になる。
 本発明において、前記したように、第三成分無機フィラーの32℃における屈折率と、(B)有機無機複合フィラーの32℃における屈折率との差の絶対値|nC-nB|は、0.005~0.07である。更に、32℃における該第三成分無機フィラーの屈折率と、(A)重合性単量体の硬化した硬化樹脂の32℃における屈折率〔nA〕との差の絶対値|nA-nC|は、0.005~0.05である。
 この|nA-nC|が0.005未満の場合、歯科用修復材の硬化体は、高い拡散度を示さない。その結果、硬化体は、周辺歯牙との色調適合性が悪い。一方、|nA-nC|が0.05より大きい場合、歯科用修復材の硬化体は不透明性が増す。その結果、硬化体と周辺歯牙との色調適合性は悪くなる。拡散度をより向上させ、色調適合性をより優れたものにする観点からは、|nA-nC|は0.01~0.03が好ましい。
 拡散度を更に高めるために、(A)重合性単量体の硬化した硬化樹脂の屈折率〔nA〕から、(C)第三成分無機フィラーの屈折率〔nC〕を、引算して得られる値(nA-nC)は、正であることがより好ましい。その理由は、前述の(C)第三成分無機フィラーの屈折率と、(B)有機無機複合フィラーの屈折率との関係と同じ理由に基づく。
 第三成分無機フィラーの材質は、前記有機無機複合フィラーに分散させる無機微細フィラーと同様の材質から選択される。また、第三成分無機フィラーは、その分散性を改良する目的で表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理としては、上記有機無機複合フィラーに分散させる無機微細フィラーの疎水化処理と同様の手法が採用される。
 本発明の歯科用修復材において、(C)第三成分無機フィラーの配合量は、歯科用修復材の必須成分である(A)の重合性単量体と、(B)の有機無機複合フィラーと、(C)の無機フィラーとの合計質量に対して10~60質量%であり、20~50質量%がより好ましい。(C)第三成分無機フィラーの配合量が10質量%未満の場合、得られる歯科用修復材の硬化体の拡散度(D)を高める効果は低下する。その結果、周辺歯牙との色調適合性が不十分になる。一方、(C)第三成分無機フィラーの配合量が60質量%を超える場合、歯牙の治療に際し、ペースト状の歯科用修復材の操作性、硬化体の表面滑沢性や研磨性が悪くなる。
 <|nC-nB|および|nA-nC|の調整>
 前記のように、本発明の歯科用修復材の硬化体は、|nC-nB|が0.005~0.07に調整され、|nA-nC|が0.005~0.05に調整されている。ここで、(C)第三成分無機フィラーの屈折率(nC)は、その材質を選定することにより変動させることができる。一般に、前記例示したような材質の無機フィラーの屈折率は、1.40~1.70の範囲、好適には1.50~1.60の範囲にある。従って、フィラーの材質を選定することにより、フィラーの屈折率を調整できる。
 (A)重合性単量体が硬化した硬化樹脂の屈折率(nA)は、重合性単量体の種類と、重合性単量体同士の組合せを選定することにより変動させることができる。前記のように、歯牙との適合性の観点から、重合性単量体は、通常その硬化樹脂の屈折率が1.45~1.65の範囲、好適には1.50~1.60の範囲になる重合性単量体から採択される。
 (B)有機無機複合フィラーの屈折率(nB)は、有機マトリックス部分の形成原料である重合性単量体の種類の選定と、有機マトリックス部分内に分散させる無機微細フィラーの材質の選定と、該有機マトリックス部分内に分散させる無機微細フィラーの含有量と、によって変動させることができる。一般に、有機無機複合フィラーの屈折率(nB)は1.45~1.65の範囲、好適には1.50~1.60の範囲から採択できる。
 <重合開始剤>
 本発明の歯科用修復材は、重合を加熱等により行う場合は、特に重合開始剤を配合しなくても硬化させることができる。しかし、通常は(A)重合性単量体を硬化させるために、重合開始剤が配合される。重合開始剤は、公知のものが特に制限なく用いられ、重合性単量体の重合方法に応じて重合開始剤を適宜に選定すれば良い。重合方法には、上記加熱による方法の他に、紫外線や可視光線等の光エネルギーを利用する方法、過酸化物と促進剤との反応を利用する方法等がある。
 例えば、光エネルギーにより生じる反応(以下、光重合という)を利用する重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類;ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルベンゾフェノン、4-メタクリロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;ジアセチル、2,3-ペンタジオンベンジル、カンファーキノン、9,10-フェナントラキノン、9,10-アントラキノンなどのα‐ジケトン類;2,4-ジエトキシチオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン化合物;ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)―フェニルホスフィンオキサイドなどのビスアシルホスフィンオキサイド類等が使用できる。
 なお、光重合開始剤には、しばしば還元剤が添加される。還元剤の例としては、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、N-メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン類;ラウリルアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどのアルデヒド類;2-メルカプトベンゾオキサゾール、1-デカンチオール、チオサルチル酸、チオ安息香酸などの含イオウ化合物などを挙げることができる。
 熱重合に使用できる重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラキス(p-フロルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸トリエタノールアミン塩等のホウ素化合物;5-ブチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸等のバルビツール酸類;ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム等のスルフィン酸塩類等が挙げられる。
 本発明において、重合開始剤の配合量は、当業者に公知の有効量である。一般的には歯科用修復材の任意添加剤も含めた全組成に対して0.01~1質量%である。
 <任意添加剤>
 本発明の歯科用修復材には、前記(C)第三成分無機フィラーよりも平均粒径が小さい、好適には平均粒径が0.05~0.5μmの無機微細フィラーを配合しても良い。この無機微細フィラーを配合する目的は、ペースト状の歯科用修復材の充填操作性やその硬化体の強度の向上、並びに屈折率の調整等にある。この任意添加剤である無機微細フィラーの形状は特に制限がない。高い表面滑沢性や耐磨耗性を得るためには、球状または略球状の無機微細フィラー及び/又はその凝集体が好ましい。この無機微細フィラーは、任意添加剤も含めた歯科用修復材の全組成に対して40質量%以下、好適には10~30質量%、より好適には10~20質量%の範囲で配合することが好ましい。
 また、本発明の歯科用修復材には、その効果を著しく阻害しない範囲で、公知の添加剤を配合することができる。特に、歯牙色に着色するために、酸化チタン等の白顔料や、その他の有機・無機顔料が少量配合されるのが普通である。この他、添加剤としては、重合禁止剤、紫外線吸収剤等が適宜に配合される。
 <歯科用修復材の硬化体の拡散度(D)>
 前述のとおり、本発明の歯科用修復材の硬化体は、下式で示される拡散度(D)が大きく、周辺歯牙との色調適合性に優れる。
 D={(I20/cos20゜)+(I70/cos70゜)}/(2×I
(但し、上記式中のI、I20、及びI70は、板状試料に、該試料の表面に対して垂直に光を照射した場合において、光の入射方向に対してそれぞれ、0゜、20゜、及び70゜の方向に板状試料を透過した光強度を意味する。板状試料は、歯科用修復材を厚さ0.5mmの板状に硬化させたものである。)
 なお、上記拡散度(D)の測定において、光強度(光度)は、変角光度計を用いて簡単に測定することができる。また、三角関数(cos)は光度を測定した方向(角度)の余弦を意味し、角度の単位は度(゜)である。
 なお、拡散度(D)の測定に供する板状試料の厚さは、前記特許文献1の場合も含めて、従来は0.3mmが通常採用されている。しかし、光の拡散性は該板状試料の厚さが大きいほど感度良く測定でき、拡散度(D)の変化も大きくなる。従って、本発明においては、この板状試料の厚さは0.5mmを採用する。本発明の歯科用修復材の硬化体の場合、拡散度(D)の値は、具体的には通常5以上、より好適には10以上、特に好適には20~40を達成することも可能である。
 以下、実施例、比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。
 以下の実施例及び比較例において用いた重合性マトリックス、有機無機複合フィラー、無機粒子等の略称を以下に示す。
 [重合性マトリックス]
 ・A-1
 8gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における硬化体の屈折率1.567)、1gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における硬化体の屈折率1.509)、1gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における硬化体の屈折率1.510)、0.02gのカンファーキノン、0.02gのp-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、0.01gのヒドロキノンモノメチルエーテル、0.002gのジブチルヒドロキシトルエンを暗所下にて溶解し均一溶液としたもの〔硬化体の屈折率(32℃)1.555〕。
 ・A-2
 6gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における硬化体の屈折率1.567)、2gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における硬化体の屈折率1.509)、2gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における硬化体の屈折率1.510)、0.02gのカンファーキノン、0.02gのp-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、0.01gのヒドロキノンモノメチルエーテル、0.002gのジブチルヒドロキシトルエンを暗所下にて溶解し均一溶液としたもの〔硬化体の屈折率(32℃)1.543〕。
 ・A-3
 3gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における硬化体の屈折率1.567)、3gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における硬化体の屈折率1.509)、4gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における硬化体の屈折率1.510)、0.02gのカンファーキノン、0.02gのp-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、0.01gのヒドロキノンモノメチルエーテル、0.002gのジブチルヒドロキシトルエンを暗所下にて溶解し均一溶液としたもの〔硬化体の屈折率(32℃)1.543〕。
 ・A-4
 4.5gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における硬化体の屈折率1.567)、3gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における硬化体の屈折率1.509)、2.5gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における硬化体の屈折率1.510)、0.02gのカンファーキノン、0.02gのp-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、0.01gのヒドロキノンモノメチルエーテル、0.002gのジブチルヒドロキシトルエンを暗所下にて溶解し、均一溶液としたもの〔硬化体の屈折率(32℃)1.543〕。
 [有機無機複合フィラー]
 ・B-1
 80gの球状シリカ-ジルコニア〔平均粒径;0.2μm、屈折率(32℃)1.521、変動係数9%〕をγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理した無機微細フィラーと、
 重合性単量体として6gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における硬化体の屈折率1.509)、14gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における硬化体の屈折率1.510)、及び重合開始剤として0.06gのアゾビスイソブチロニトリルを混合したマトリックス単量体と、
 を混練することによりペーストを得た。このペーストを、100℃、窒素加圧下で1時間加熱することによって、重合硬化させた。得られた重合体を、振動ボールミルで30分粉砕することによって、有機無機複合フィラーB-1を得た〔平均粒径11.5μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数53%〕。
 ・B-2
 無機微細フィラーに混合する重合性単量体を、0.9gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における重合体の屈折率1.567)、0.5gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における重合体の屈折率1.509)、0.6gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における重合体の屈折率1.510)に変更した以外はB-1と同様にして、有機無機複合フィラーB-2〔平均粒径12.2μm、屈折率(32℃)1.528、変動係数56%〕を作製した。
 ・B-3
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から60分に変更した以外はB-1と同様にして、有機無機複合フィラーB-3〔平均粒径6.3μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数61%〕を作製した。
 ・B-4
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から45分に変更した以外はB-1と同様にして、有機無機複合フィラーB-4〔平均粒径9,1μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数59%〕を作製した。
 ・B-5
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から20分に変更した以外はB-1と同様にして、有機無機複合フィラーB-5〔平均粒径18.7μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数48%〕を作製した。
 ・B-6
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から15分に変更した以外はB-1と同様にして有機無機複合フィラーB-6〔平均粒径32.1μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数45%〕を作製した。
 ・B-7
 無機微細フィラーに混合する重合性単量体を、1.2gの2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(32℃における重合体の屈折率1.567)、0.4gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における重合体の屈折率1.509)、0.4gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における重合体の屈折率1.510)に変更した以外はB-1と同様にして有機無機複合フィラーB-7〔平均粒径12.2μm、屈折率1.533、変動係数52%〕を作製した。
 ・B-8
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から100分に変更した以外はB-1と同様にして有機無機複合フィラーB-8〔平均粒径3.4μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数75%〕を作製した。
 ・B-9
 振動ボールミル粉砕の時間を30分から5分に変更した以外はB-1と同様にして有機無機複合フィラーB-9〔平均粒径68.7μm、屈折率(32℃)1.516、変動係数39%〕を作製した。
 ・B-10
 100gの球状シリカ-ジルコニア〔平均粒径;0.2μm、屈折率(32℃)1.521、変動係数9%〕を200gの水に入れ、循環型粉砕機SCミルを用いて無機微細フィラーを水に分散させた分散液を得た。ついで、4gのγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランと0.003gの酢酸を80gの水に加え、1時間30分撹拌し、pH4の均一溶液を得た。この溶液を上記無機微細フィラーの分散液に添加し、均一に混合して混合液を得た。その後、前記混合液を軽く混合しながら噴霧乾燥機(スプレードライヤー「TSR-2W」、坂本技研(株)製)に供給して噴霧乾燥法により乾燥した。この噴霧乾燥機は、高速で回転するディスク上に混合液を供給して遠心力で噴霧化し、乾燥する装置である。ディスクの回転速度は20000rpm、空気の温度は200℃であった。
 その後、噴霧乾燥した無機微細フィラーを60℃、18時間真空乾燥して無機微細フィラーの凝集粒子を71g得た。得られた凝集粒子の凝集間隙で形成される細孔の細孔容積は0.18cm/g、平均孔径38nmであった。また、凝集粒子の平均粒径は、40.0μmであった。
 なお、凝集粒子の凝集間隙で形成する細孔容積は、水銀ポロシメータ〔「ポアマスター」(PoreMaster)、クワンタクローマ(Quantachrome)社製〕を用いて測定した。先ず、0.2gの凝集粒子または有機無機複合フィラーを測定セルに入れ、水銀ポロシメータを用いて、凝集粒子等の細孔容積分布を測定した。得られた細孔容積分布孔径1~500nmの範囲の細孔の容積を積算し、細孔容積として求めた。また、この範囲の細孔を対象に、細孔容積分布から求めたメディアン細孔直径を凝集間隙の平均孔径とした。
 次いで、重合性単量体として0.3gのトリエチレングリコールジメタクリレート(32℃における重合体の屈折率1.509)、0.7gの1,6-ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)トリメチルヘキサン(32℃における重合体の屈折率1.510)、0.003gのアゾビスイソブチロニトリル、さらに有機溶媒としてエタノールを5.0g混合した重合性単量体溶液を用意した。この重合性単量体溶液に、上記無機凝集粒子10.0gを浸漬させ、十分攪拌した。この撹拌した混合物がスラリー状になったことを確認した後、1時間静置した。
 上記の混合物をロータリーエバポレーターで攪拌しながら、減圧度10ヘクトパスカル、加熱条件40℃(温水バスを使用)の条件で、有機溶媒の除去を1時間行った。有機溶媒を除去することにより、粘着性の無い粉体が得られた。
 上記の粉体をロータリーエバポレーターで攪拌しながら、減圧度10ヘクトパスカル、加熱条件100℃(オイルバスを使用)の条件で、粉体を1時間加熱した。この加熱により、上記粉体に含まれる重合性単量体を重合硬化させ、有機無機複合フィラーを8.5g得た。上記有機無機複合フィラーの凝集間隙からなる細孔容積は0.07cm/g、平均孔径は21nmであった。また、有機無機複合フィラーの平均粒径は13.6μm、屈折率(32℃)は1.516、変動係数は57%であった。
 [第三成分無機フィラー]
 ・C-1:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;1.5μm、屈折率(32℃)1.535、変動係数34%〕
 ・C-2:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;1.6μm、屈折率(32℃)1.526、変動係数33%〕
 ・C-3:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;1.5μm、屈折率(32℃)1.545、変動係数36%〕。
 ・C-4:球状シリカ-酸化バリウムをγメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;1.4μm、屈折率(32℃)1.570、変動係数35%〕
 ・C-5:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;1.1μm、屈折率(32℃)1.535、変動係数34%〕
 ・C-6:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;4.2μm、屈折率(32℃)1.535、変動係数29%〕。
 ・C-7:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;0.7μm、屈折率(32℃)1.537、変動係数38%〕
 ・C-8:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;0.2μm、屈折率(32℃)1.537、変動係数46%〕
 ・C-9:不定形シリカ-ジルコニアをγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理を行ったもの〔平均粒径;7.3μm、屈折率(32℃)1.536、変動係数33%〕。
 [その他の無機フィラー]
 ・D-1
 球状シリカ-ジルコニア〔平均粒径;0.2μm、屈折率(32℃)1.521、変動係数9%〕をγ-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランにて表面処理を行ったもの。
 上記フィラー等の評価、以下の実施例および比較例における、歯科用修復材の各種物性評価は、以下の測定方法により実施した。
 (1)有機無機複合フィラー中に分散させる無機微細フィラー、および第三成分無機フィラーの平均粒径、および変動係数
走査型電子顕微鏡(XL-30S FEG,フィリップス(PHILIPS)社製)を用い、第三成分無機フィラーまたは有機無機複合フィラーの写真を倍率5000~100000で撮影した。画像解析ソフト(IP-1000PC、旭化成エンジニアリング社製)を用いて写真の画像処理を行い、単位視野内における一次粒子の円相当径(粒径)、最大長、最小幅、粒子数を求めた。粒子数は100個以上であって、顕微鏡の測定条件により自動的に定まる数とした。下記式により一次粒子の平均粒径と変動係数とを算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 (2)有機無機複合フィラーの平均粒径の測定
 レーザー光散乱法に基づく粒度分布計(ベックマンコールター社製LS230)を用いた。0.1gの有機無機複合フィラーをエタノール10mlに分散させ、超音波で5分間分散処理した後、粒度分布計を用いて、すみやかに平均粒径を測定した。なお、平均粒径は、体積基準で表示したメジアン径の値を採用した。
 (3)有機無機複合フィラーおよび第三成分無機フィラーの屈折率の測定
 32℃における屈折率を、アッベ屈折計(アタゴ社製)を用いて測定した。各フィラーの屈折率は液浸法によって測定した。すなわち、フィラーをエタノール中に分散させ、このスラリーに1-ブロモナフタリンを徐々に滴下した。フィラーと液体との境界が目視で確認できなくなった時の分散液の屈折率を、各フィラーの屈折率とした。
 (4)色調適合性
 異なる色調を有する3種類の人工歯 「サーバス前歯A2色、A3色、C3色」(ジーシー社製)のそれぞれに、ドリルを用いて直径5mmの半球状の孔を形成した。次に、実施例および比較例で製造した各歯科用修復材(サーバス前歯A2色相当に着色)を、各々の人工歯の孔に充填した。十分に光重合を行って各歯科用修復材を硬化させて、硬化体を得た。各硬化体の色調適合性の評価を目視で行った。判定基準を以下に記載した。
◎: いずれの人工歯においても、人工歯と硬化体との境界面が識別できない。
○: 2種類の人工歯において、人工歯と硬化体との境界面が識別できないが、他の1種類においては境界面が識別できる。
△: 1種類の人工歯において、人工歯と硬化体との境界面が識別できないが、他の2種類においては境界面が識別できる。
×: いずれの人工歯においても、人工歯と硬化体との境界面が識別できる。
 (5)拡散度
 厚さ0.5mm板の中央部に直径30mmの貫通孔を形成した型枠に、歯科用修復材を充填した。十分に光重合を行って歯科用修復材を硬化させることにより、硬化体を得た。硬化体を型枠から取り出し、37℃の水中に24時間浸漬して、試験片を得た。この試料片について、ゴニオフォトメーター(村上色彩技術研究所、GP-2000)を用いて、透過光の光度分布を測定した。拡散度Dは以下の式に従って計算した。
D={(I20/cos20゜)+(I70/cos70゜)}/(2×I
 但し、上記式中のI、I20、及びI70は、上記厚さ0.5mmの板状試験片の表面に対して垂直に光を照射した場合において、光の入射方向に対してそれぞれ、0゜、20゜、及び70゜の方向に透過した光強度を意味する。これら光強度(光度)の測定は、変角光度計を用いて簡単に行なうことができる。
 (6)曲げ強度
 2×2×25mmの角柱状の凹部を形成した型枠に歯科用修復材を充填し、十分に光重合を行って硬化させた。型枠から取り出した硬化体を37℃の水中に24時間浸漬して、試験片を得た。この試料片を試験機(島津製作所製、オートグラフ5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で3点曲げ破壊強度を測定した。
 (7)歯科用修復材の操作性
 ペースト状の歯科用修復材の操作性(ペースト性状)について、以下の基準に基づいて評価を行った。この評価は、歯牙の欠損部位への充填操作の容易性を評価するものである。
◎:特に充填操作性に優れる、
○:粘着性や、非粘着性が適度で、充填操作がしやすい、
×:粘着性や、非粘着性が強く、充填操作が困難である。
 (8)表面滑沢性
 縦10×横10×高さ2mmの角柱状の凹部を形成した型枠に歯科用修復材を充填し、十分に光重合を行って硬化させた。硬化体を型枠から取り出し、37℃水中に24時間浸漬することにより、試料片を得た。この試料片表面を耐水研磨紙1500番で研磨後、Sof-lexSuperfine(3M社製)で1分間仕上げ研磨した。その後、表面の光沢度を目視により判定した。
◎:滑沢性に優れる、
○:やや滑沢性が劣る、
×:滑沢性に劣る。
 実施例1
 重合性単量体としてA-1を10gと、有機無機複合フィラーとしてB-1を15gと、無機フィラーとしてC-1を25gとを混合して硬化性ペーストを得た。この硬化性ペーストを、下記顔料
・白顔料:酸化チタン(平均粒径0.25μm)
・黄顔料:ピグメントイエロー95
・赤顔料:ピグメントレッド166
・青顔料:ピグメントブルー60
を用いて、人工歯 「サーバス前歯A2色」(ジーシー社製)相当の色調に着色して歯科用修復材を得た。
 この歯科用修復材は、下記の測定方法で求められる、コントラスト比が0.60であった。また、このコントラスト比の測定に使用した厚さ0.5mmの硬化体の白背景におけるLは71.0であり、aは-0.5であり、bは19.0であった。コントラスト比は、硬化体の不透明度を示す物性値である。
 (コントラスト比の測定)
 歯科用修復材を直径8mm、深さ0.5mmの円盤状孔を有する厚さ1.0mmのテフロン(登録商標)製モールドに充填した。歯科用可視光線照射器で歯科用修復材を30秒間光照射して硬化させた。モールドから硬化体を取外して、厚さ0.5mmの硬化体を得た。色差計(東京電色社製 製品名1800MKII)を用いて、この硬化体の、Y値を測定した。Y値は、黒背景、白背景における、XYZ表色系の三刺激値の内の明るさに関する値である。
 得られた測定値を下式
  Yb(黒背景のY値)/Yw(白背景のY値)=コントラスト比
に代入して、コントラスト比を得た。
 この歯科用修復材について、各種物性を評価した。結果を表3に示した。
 実施例2~20,比較例1~7
 実施例1と同じ方法で、表1および表2に示す組成の歯科用修復材を調製した。この歯科用修復材は人工歯 「サーバス前歯A2色」相当の色調に着色したものであった。
 これらの歯科用修復材について、各種物性を夫々評価した。結果を表3および表4にそれぞれ示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007

Claims (5)

  1. (A)重合性単量体を10~50質量%と、
    (B)平均粒径が1μm以下の無機微細フィラーを有機マトリックス中に分散させてなる平均粒径が5.0~50μmの有機無機複合フィラーを5~80質量%と、
     (C)平均粒径1.1~5.0μmの第三成分無機フィラーを10~60質量%と、
    を含む歯科用修復材であって、
     32℃における、(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕と(B)有機無機複合フィラーの屈折率〔nB〕との差の絶対値|nC-nB|が0.005~0.07であり、且つ
     32℃における、(A)重合性単量体の硬化後の屈折率〔nA〕と(C)無機フィラーの屈折率〔nC〕との差の絶対値|nA-nC|が0.005~0.05、
    である歯科用修復材。
  2. 無機微細フィラーの材質が、シリカージルコニア、シリカーチタニア、シリカーチタニアー酸化バリウム、又は石英からなる請求項1に記載の歯科用修復材。
  3. 第三成分無機フィラーの材質が、シリカージルコニア、シリカーチタニア、シリカーチタニアー酸化バリウム、又は石英からなる請求項1に記載の歯科用修復材。
  4. 重合開始剤が含有されてなる、請求項1に記載の歯科用修復材。
  5. 下式、
     D={(I20/cos20゜)+(I70/cos70゜)}/(2×I
    (但し、上記式中のI、I20、及びI70は、歯科用修復材を硬化させて作製した厚さ0.5mmの板状試料に、該試料の表面に対して垂直に光を照射した場合において、光の入射方向に対してそれぞれ、0゜、20゜、及び70゜の方向に透過した光強度を意味する。)
    で示される、歯科用修復材の硬化体の拡散度(D)が10以上である請求項1に記載の歯科用修復材。
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