WO2011024776A1 - 自動製パン機 - Google Patents

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渡邉 隆
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Abstract

 本発明の自動製パン器1は、製パン原料を入れるパン容器50と、本体10内に設けられ、パン容器50を受け入れる焼成室40と、パン容器50の底部に設けられるブレード回転軸52と、ブレード回転軸52に装着される粉砕ブレード54と、粉砕ブレード54より上側に配置される混練ブレード70と、ブレード回転軸52に回転力を与えるモータ60と、を備える。パン容器50の底部にはブレード回転軸52を囲むように凹部55が形成され、粉砕ブレード54は凹部55内で回転する。

Description

自動製パン機
 本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン機に関する。
 市販の家庭用自動製パン機は、製パン原料を入れたパン容器を本体内の焼成室に入れ、パン容器内の製パン原料を混練ブレードで混練して捏ね上げ、発酵工程を経た後、パン容器をそのままパン焼き型としてパンを焼き上げる仕組みのものが一般的である。特許文献1に自動製パン機の一例を見ることができる。
 製パン原料にレーズンやナッツ等の具材を混ぜ、具材入りパンを焼くこともある。特許文献2には、レーズン、ナッツ類、チーズ等の製パン副材料を自動的に投入する手段を備えた自動製パン機が記載されている。
特開2000-116526号公報 特許第3191645号公報
 パンを製造する場合、これまでは、小麦や米などの穀物を製粉した粉や、それに各種補助原料を混ぜたミックス粉を入手するところから始めなければならなかった。手元に穀物粒(典型的なものは米)があっても、それから直接パンを製造することは困難であった。
 本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、穀物粒から直接パンを製造するのに便利な仕組みを備えた自動製パン機を提供し、パン製造をより身近なものにすることを目的とする。
 上記目的を達成するために本発明の自動製パン機は、製パン原料を入れるパン容器と、本体内に設けられ、前記パン容器を受け入れる焼成室と、前記パン容器の底部に設けられるブレード回転軸と、前記ブレード回転軸に装着される粉砕ブレードと、前記粉砕ブレードより上側に配置される混練ブレードと、前記ブレード回転軸に回転力を与えるモータと、を備え、前記パン容器の底部には前記ブレード回転軸を囲むように凹部が形成され、前記粉砕ブレードは前記凹部内で回転する。
 この構成によると、パン容器内に穀物粒を入れてそれを粉砕ブレードで粉砕することにより、パン容器内で製パン原料を製造することができる。その後、混練ブレードで製パン原料の混練を実施し、さらに発酵、焼成と工程を進めて行くことができる。パン容器内で粉砕した穀物粒を、そのままパン容器内でパンに焼き上げることができる。このため、他の容器内で穀物粒を粉砕してからパン容器に移すのと異なり、他の容器に残留してパン容器に入らない、という移し替えに伴うロスが発生しない。また、穀物粒の粉砕からパンの焼き上がりまで、粉砕ブレードと混練ブレードをパン容器の中に入れたままにしておけるから、操作が簡単である。さらに、粉砕ブレードは、パン容器の底部の凹部の中で回転するから、穀物粒の飛散を抑制することができる。
 上記構成の自動製パン機において、前記粉砕ブレードは、前記ブレード回転軸に回転不能に取り付けられ、前記混練ブレードは、前記凹部より上で回転するように前記ブレード回転軸に装着され、前記混練ブレードと前記ブレード回転軸との間には、両者を連結状態または非連結状態にするクラッチが介在することとしてもよい。
 この構成によると、穀物粒粉砕時には混練ブレードをブレード回転軸から切り離すことができるから、粉砕ブレードのみ高速回転させて、穀物粒を効率良く粉砕することができる。
 上記構成の自動製パン機において、前記クラッチは、前記ブレード回転軸が一方向に回転する時は前記混練ブレードと前記ブレード回転軸を連結状態にし、前記ブレード回転軸が前記一方向と逆方向に回転する時は前記混練ブレードと前記ブレード回転軸を非連結状態にする一方向クラッチであることとしてもよい。
 この構成によると、ブレード回転軸の回転方向を変えるだけで混練ブレードにトルクを与えたり、与えなかったりすることができ、操作が簡単である。
 上記構成の自動製パン機において、前記凹部を隠すディスクが前記混練ブレードに組み合わせられていることとしてもよい。
 この構成によると、パン生地が凹部の中に入り込もうとするのをディスクで阻止することができ、パンの底に凹部の形の突部が生じることを回避できる。また、粉砕ブレードに当たった穀物粒が上方にはね上がるのを阻止できる。
 上記構成の自動製パン機において、前記ブレード回転軸に装着され、前記粉砕ブレードを覆うとともに外面に前記混練ブレードを有するドーム状のカバーを更に備え、前記カバーは前記凹部に収容されることとしてもよい。
 この構成では、粉砕ブレードは、カバー内で穀物粒の粉砕を行うものであるから、粉砕中にパン容器の外に穀物粒が飛び散ることがない。またカバーは凹部の中に収容された状態であり、パン容器の底部から突き出していないため、パンの底に大きな抜き跡を残すようなことはない。
 上記構成の自動製パン機において、前記粉砕ブレードは、前記ブレード回転軸に回転不能に取り付けられ、前記カバーと前記ブレード回転軸との間には両者を連結状態または非連結状態にするクラッチが介在することとしてよい。
 この構成によると、穀物粒粉砕時には混練ブレードをブレード回転軸から切り離すことができるから、粉砕ブレードのみ高速回転させて、穀物粒を効率良く粉砕することができる。
 上記構成の自動製パン機において、前記クラッチは、前記ブレード回転軸が一方向に回転する時は前記カバーと前記ブレード回転軸を連結状態にし、前記ブレード回転軸が前記一方向と逆方向に回転する時は前記カバーと前記ブレード回転軸を非連結状態にすることとしてよい。
 この構成によると、ブレード回転軸の回転方向を変えるだけで、カバーの外面に設けられる混練ブレードにトルクを与えたり、与えなかったりすることができ、操作が簡単である。
 上記構成の自動製パン機において、前記カバー外周部と前記凹部内面との間には製パン原料の流動を可能とする間隙が形成され、前記カバーにはカバー内空間とカバー外空間を連通させる窓が形成されていることとしてよい。
 この構成によると、凹部の上に存在した穀物粒と液体の混合物が、間隙を通じて凹部に入り、凹部からカバーの中に入り、カバーの中で粉砕ブレードにより粉砕され、カバーの窓から凹部の上に戻るという循環を生じさせられ、効率良く穀物粒の粉砕を行うことができる。
 本発明によると、手持ちの穀物粒を用いてパンを焼き上げることができ、穀物粉を買い求める必要がなくなる。米の場合で言えば、玄米から白米まで、好みの精白度の米でパンを焼くことができる。そして、穀物粒の粉砕からパンの焼成までを、一貫して焼成室内のパン容器の中で行うことができるから、パン生地に異物が混入する危険が少ない。さらに、他の容器内で穀物粒を粉砕してからパン容器に移すのと異なり、粉砕穀物粒が他の容器に付着して残るという、移し替えに伴うロスが発生しない。粉砕ブレードと混練ブレードは最初から最後までパン容器の中に入れたままで良いから取り扱いが簡単であり、また、粉砕ブレードはパン容器の底部の凹部の中で回転するから、穀物粒の飛散を抑制することができる。そして、凹部のカバーを収容する構成では、カバー内で穀物粒を粉砕できるので、パン容器外に穀物粒を飛び散らせることなく粉砕を行い易い。また、カバーは凹部の中に収容された状態であり、パン容器の底部から突き出していないため、パンの底に大きな抜き跡を残すようなことはない。
本発明の第1実施形態の自動製パン機の垂直断面図 第1実施形態の自動製パン機を図1と直角の方向に断面した垂直断面図 第1実施形態の自動製パン機における混練工程時のパン容器の上面図 第1実施形態の自動製パン機の制御ブロック図 第1態様パン製造工程の全体フローチャート 第1態様パン製造工程の粉砕前含浸工程のフローチャート 第1態様パン製造工程の粉砕工程のフローチャート 第1態様パン製造工程の混練工程のフローチャート 第1態様パン製造工程の発酵工程のフローチャート 第1態様パン製造工程の焼成工程のフローチャート 第2態様パン製造工程の全体フローチャート 第2態様パン製造工程の粉砕後含浸工程のフローチャート 第3態様パン製造工程の全体フローチャート 本発明の第2実施形態の自動製パン機の垂直断面図 第2実施形態の自動製パン機を図14と直角の方向に断面した垂直断面図 第2実施形態の自動製パン機における混練工程時のパン容器の上面図 第2実施形態の自動製パン機における粉砕工程時のパン容器の上面図 第2実施形態の自動製パン機が備える、混練ブレードを取り付けたカバーの斜視図 第2実施形態の自動製パン機が備える、混練ブレードを取り付けたカバーの側面図 第2実施形態の自動製パン機が備える、混練ブレードを取り付けたカバーを下方向から見た斜視図 第2実施形態の自動製パン機が備える、混練ブレードを取り付けたカバーの底面図 第2実施形態の自動製パン機における、混練ブレードが開き姿勢になったカバーの底面図 第2実施形態の自動製パン機の制御ブロック図
 以下に本発明の自動製パン機の第1実施形態及び第2実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
 まず、図1から図4を参照しながら第1実施形態の自動製パン機の構成について説明する。なお、図1において、図の左側が自動製パン機1の正面(前面)側、図の右側が自動製パン機1の背面(後面)側である。また、自動製パン機1に正面から向き合った観察者の左手側が自動製パン機1の左側、右手側が自動製パン機1の右側であるものとする。
 自動製パン機1は合成樹脂製の外殻により構成される箱形の本体10を有する。本体10の上部には運搬用のハンドル11が取り付けられている。本体10の上面前部には操作部20が設けられる。操作部20には、図3に示す通り、パンの種類(小麦粉パン、米粉パン、具材入りパンなど)の選択キー、調理内容の選択キー、タイマーキー、スタートキー、取り消しキーなどといった操作キー21の一群と、設定された調理内容やタイマー予約時刻などを表示する表示部22が設けられている。表示部22は液晶表示パネルにより構成される。
 操作部20から後ろの本体上面は合成樹脂製の蓋30で覆われる。蓋30は図示しない蝶番軸で本体10の背面側の縁に取り付けられており、その蝶番軸を支点として垂直面内で回動する。
 本体10の内部には焼成室40が設けられる。焼成室40は板金製で、上面が開口しており、ここからパン容器50が入れられる。焼成室40は水平断面矩形の周側壁40aと底壁40bを備える。
 本体10の内部には板金製の基台12が設置されている。基台12には、焼成室40の中心にあたる箇所に、アルミニウム合金のダイキャスト成型品からなるパン容器支持部13が固定されている。パン容器支持部13の内部は焼成室40の内部に露出している。
 パン容器支持部13の中心には原動軸14が垂直に支持されている。原動軸14の下端にはプーリ15が固定されている。プーリ15を回転させるのは基台12に支持されたモータ60である。モータ60は竪軸であって、下面から出力軸61が突出する。出力軸61には、プーリ15にベルト63で連結されるプーリ62が固定されている。パン容器支持部13は、パン容器50の底面に固定された筒状の台座51を受け入れてパン容器50を支える。台座51もアルミニウム合金のダイキャスト成型品である。
 パン容器50は板金製で、バケツのような形状をしており、口縁部には手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器50の水平断面は四隅を丸めた矩形である。パン容器50の底部中心にはブレード回転軸52が、シール対策を施した上で垂直に支持されている。ブレード回転軸52には、原動軸14よりカップリング53を介して回転力が伝えられる。カップリング53を構成する2部材のうち、一方の部材はブレード回転軸52の下端に固定され、他方の部材は原動軸14の上端に固定される。カップリング53の全体は台座51とパン容器支持部13に囲い込まれる。
 パン容器支持部13の内周面と台座51の外周面には、それぞれ図示しない突起が形成される。これらの突起は周知のバヨネット結合を構成する。すなわちパン容器50をパン容器支持部13に取り付ける際、台座51の突起がパン容器支持部13の突起に干渉しないようにしてパン容器50を下ろす。そして、台座51がパン容器支持部13にはまり込んだ後、パン容器50を水平にひねると、パン容器支持部13の突起の下面に台座51の突起が係合して、パン容器50が上方に抜けなくなる。この操作で、カップリング53の連結も同時に達成される。パン容器50の取り付け時のひねり方向は後述する混練ブレードの回転方向に一致させ、混練ブレードが回転してもパン容器50が外れないようにしておく。
 焼成室40の内部に配置された加熱装置41がパン容器50を包囲し、製パン原料を加熱する。加熱装置41はシーズヒータにより構成される。
 ブレード回転軸52には粉砕ブレード54が回転不能に取り付けられる。粉砕ブレード54はステンレス鋼板製であり、飛行機のプロペラのような形状を有している。パン容器50の底部には平面形状円形の凹部55が形成されており、粉砕ブレード54はこの凹部55の内部で回転する。
 粉砕ブレード54は中心にハブ54aを有し、ハブ54aの下面には、それを直径方向に横断する溝(図示せず)が形成されている。ブレード回転軸52を水平に貫く図示しないピンがハブ54aを受け止め、また前記溝に係合して、ハブ54aをブレード回転軸52に対し回転不能に結合する。粉砕ブレード54はブレード回転軸52から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業後の洗浄や、切れ味が悪くなったときの交換を手軽に行うことができる。
 ブレード回転軸52の上端には混練ブレード70が装着される。混練ブレード70もアルミニウム合金のダイキャスト成型品であり、ブレード回転軸52に嵌合するハブ71と、ハブ71の下に設けられた水平なディスク72と、ディスク72の上面に垂直に立ち上がる平面形状く字形のブレード73と、を有する。ディスク72は凹部55より少しだけ小さい直径を有し、ほぼ凹部55を隠す。
 混練ブレード70のハブ71とブレード回転軸52の間には図示しない一方向クラッチが介在する。この一方向クラッチは、ブレード回転軸52が図3において反時計方向に回転するときにはブレード回転軸52と混練ブレード70を連結状態にし、ブレード回転軸52が図3において時計方向に回転するときにはブレード回転軸52と混練ブレード70を非連結状態にする。
 ハブ71はブレード回転軸52から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業後の混練ブレード70の洗浄を手軽に行うことができる。
 自動製パン機1の動作制御は、図4に示す制御装置80によって行われる。制御装置80は本体10内の適所(焼成室40の熱の影響を受けにくい箇所が望ましい)に配置された回路基板により構成され、操作部20及び加熱装置41の他、モータ60のモータドライバ81と温度センサ83が接続される。温度センサ83は焼成室40内に配置され、焼成室40の温度を検知する。84は各構成要素に電力を供給する商用電源である。
 続いて、自動製パン機1を用いて穀物粒からパンを製造する工程を、図5から図13までの図を参照しつつ説明する。その中で、図5から図10までの図に示すのが第1態様パン製造工程である。
 図5は第1態様パン製造工程の全体フローチャートである。図5に示すように第1態様パン製造工程では、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、混練工程#30、発酵工程#40、焼成工程#50の順で工程が進行する。続いて、各工程の内容を説明する。
 図6に示す粉砕前含浸工程#10では、まずステップ#11において、使用者が穀物粒を計量し、所定量をパン容器50に入れる。穀物粒としては米粒が最も入手しやすいが、それ以外の穀物、例えば小麦、大麦、粟、稗、蕎麦、とうもろこしなどの粒も利用可能である。
 ステップ#12では使用者が液体を計量し、所定量をパン容器50に入れる。液体として一般的なのは水であるが、だし汁のような味成分を有する液体でもよく、果汁でもよい。アルコールを含有していてもよい。なおステップ#11とステップ#12は順序が入れ替わっても構わない。
 パン容器50に穀物粒と液体を入れる作業は、パン容器50を焼成室40から出して行ってもよく、パン容器50を焼成室40に入れたまま行ってもよい。
 焼成室40内のパン容器50に穀物粒と液体を入れたら、あるいは外部で穀物粒と液体を入れたパン容器50をパン容器支持部13に取り付けたら、蓋30を閉じる。ここで使用者は操作部20の中の所定の操作キーを押し、液体含浸のタイムカウントをスタートさせる。この時点からステップ#13が始まる。
 ステップ#13では穀物粒と液体の混合物をパン容器50内で静置し、穀物粒に液体を含浸させる。一般的に、液体温度が高くなるほど含浸が促進されるので、加熱手段41に通電して焼成室40の温度を高めるようにしてもよい。
 ステップ#14では穀物粒と液体の静置を開始してからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら粉砕前含浸工程#10は終了する。このことは、操作部20における表示や、音声などで使用者に報知される。
 粉砕前含浸工程#10に続き、図7に示す粉砕工程#20が遂行される。使用者が操作部20を通じ粉砕作業データ(穀物粒の種類や量、これから焼くパンの種類など)を入力し、スタートキーを押すと、ステップ#21が開始される。
 ステップ#21では制御装置80がモータ60を駆動し、ブレード回転軸52を図3において時計方向に回転させる。すると、一方向クラッチの作用により混練ブレード70はブレード回転軸52に対し非連結状態となり、混練ブレード70にはブレード回転軸52からトルクが与えられず、粉砕ブレード54のみブレード回転軸52と共に回転する。
 粉砕ブレード54による粉砕は、穀物粒に液体が浸み込んだ状態で行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。粉砕は凹部55の内部で行われるから、穀物粒の飛散が抑制される。
 ステップ#22では、所望の粉砕穀物粒を得るために設定通りの粉砕パターン(粉砕ブレードを連続回転させるか、停止期間を織り交ぜて断続回転させるか、断続回転させる場合、どのようにインターバルをとるか、回転時間の長さをどのようにするか等)が完遂されたかどうかを制御装置80がチェックする。
 設定通りの粉砕パターンが完遂されたらステップ#23に進んで粉砕ブレード54の回転を終了し、粉砕工程#20は終了する。このことは、表示部22における表示や、音声などで使用者に報知される。
 以上の説明では、粉砕前含浸工程#10の後、使用者の操作で粉砕工程#20が開始されるものとしたが、使用者が粉砕前含浸工程#10の前か、粉砕前含浸工程#10の途中で粉砕作業データを入力すれば、粉砕前含浸工程#10の終了後、自動的に粉砕工程#20が開始されるように構成してもよい。
 粉砕工程#20に続き、図8に示す混練工程#30が遂行される。混練工程#30に入る時点では、パン容器50の中の穀物粒と液体は、ペースト状またはスラリー状の生地原料となっている。なお本明細書では、混練工程#30の開始時点のものを「生地原料」と呼称し、混練が進行して目的とする生地の状態に近づいたものは、半完成状態であっても「生地」と呼称することとする。
 ステップ#31では使用者が蓋30を開け、生地原料に所定量のグルテンを投入する。必要に応じ、食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料も投入する。自動製パン機1にグルテンや調味材料の自動投入装置を設けておき、使用者の手を煩わすことなくそれらを投入する構成にすることもできる。
 使用者は、ステップ#31に前後して、操作部20よりパンの種類や調理内容の入力を行う。準備が整ったところで使用者がスタートキーを押すと、混練工程#30から発酵工程#40、さらに焼成工程#50へと自動的に連続する製パン作業が開始される。
 ステップ#32では、制御装置80はモータ60を駆動し、ブレード回転軸52を図3において反時計方向に回転させる。すると、一方向クラッチの作用により混練ブレード70とブレード回転軸52が連結状態となり、混練ブレード70がブレード回転軸52と共に回転する。
 ここで制御装置80は、加熱装置41に通電し、焼成室40の温度を上げる。混練ブレード70が回転するに従い生地原料は混練され、所定の弾力を備える、一つにつながった生地(dough)に練り上げられて行く。混練ブレード70が生地を振り回してパン容器50の内壁にたたきつけることにより、混練に「捏ね」の要素が加わることになる。凹部55の中の生地原料も、混練ブレード70が混練している生地原料の塊に次第に同化して行く。
 ステップ#33では混練ブレード70の回転開始以来どれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したらステップ#34に進む。
 ステップ#34では使用者が蓋30を開け、生地にイースト菌を投入する。この時生地に投入するイースト菌はドライイーストでよい。イースト菌の代わりにベーキングパウダーを用いてもよい。イースト菌やベーキングパウダーについても自動投入装置を採用し、使用者の手間を省くことができる。
 ステップ#35では生地にイースト菌を投入してからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所望の生地を得るのに必要な時間が経過したらステップ#36へ進んで混練ブレード70の回転が終了する。この時点で、一つにつながり、所要の弾力を備えた生地が完成している。生地が凹部55の中に入り込もうとするのをディスク72が阻止するので、生地の大部分は凹部55より上に留まり、凹部55の中に入り込む量は僅かである。
 具材入りパンを焼く場合は、混練工程#30のいずれかのステップで具材を投入する。具材投入についても自動投入装置の採用が可能である。
 混練工程#30に続き、図9に示す発酵工程#40が遂行される。ステップ#41では混練工程30を経た生地が発酵環境に置かれる。すなわち制御装置80は焼成室40を、必要があれば加熱装置41に通電して、発酵が進む温度帯とする。使用者は生地を、必要に応じ形を整えて静置する。
 ステップ#42では生地を発酵環境に置いてからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら発酵工程#40は終了する。
 発酵工程#40に続き、図10に示す焼成工程#50が遂行される。ステップ#51では発酵した生地が焼成環境に置かれる。すなわち制御装置80はパン焼きに必要な電力を加熱装置41に送り、焼成室40の温度をパン焼き温度帯まで上昇させる。
 ステップ#52では生地を焼成環境に置いてからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら焼成工程#50は終了する。ここで表示部22における表示または音声により製パン完了の報知がなされるので、使用者は蓋30を開けてパン容器50を取り出す。そしてパン容器50からパンを取り出す。パンの底には混練ブレード70の抜き跡は残るものの、生地が凹部55に落ち込むのをディスク72が阻止していたので、パンの底に凹部55の形の突部は生じない。
 続いて第2態様パン製造工程を図11と図12に基づき説明する。図11は第2態様パン製造工程の全体フローチャートである。図11では、粉砕工程#20、粉砕後含浸工程#60、練り工程#30、発酵工程#40、焼成工程#50の順で工程が進行する。続いて、図12に基づき粉砕後含浸工程#60の内容を説明する。
 ステップ#61では、粉砕工程#20で形成された生地原料がパン容器50の内部で静置される。この生地原料は、粉砕前含浸工程を経ていなかったものである。静置されている間に、粉砕穀物粒に液体が浸み込んで行く。制御装置80は必要に応じ加熱装置41に通電して生地原料を加熱し、含浸を促進する。
 ステップ#62では静置開始以来どれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら粉砕後含浸工程#60は終了する。粉砕後含浸工程#60が終了すれば自動的に混練工程#30に移行する。混練工程#30以降の工程は第1態様パン製造工程と同じである。
 続いて第3態様パン製造工程を図13に基づき説明する。図13は第3態様パン製造工程の全体フローチャートである。ここでは、粉砕工程#20の前に第1態様の粉砕前含浸工程#10を置き、粉砕工程#20の後に第2態様の粉砕後含浸工程60を置いている。混練工程30以降の工程は第1態様パン製造工程と同じである。
 粉砕ブレード54は、穀物粒を粉砕するだけでなく、ナッツ類や葉物野菜などの具材の細片化にも用いることができる。このため、粒の細かい具材を入れたパンを焼くことができる。粉砕ブレード54は、パンに混ぜる具材以外の食材や、生薬原料の粉砕にも利用できる。
 この実施形態では、単一の制御装置80により、粉砕ブレード54の回転と混練ブレード70の回転を互いに関連づけて制御することが可能であるから、穀物粒を粉砕する段階と、粉砕後の穀物粉を混練する段階において、穀物粒の種類や量に適した回転を粉砕ブレード54と混練ブレード70に与え、パンの品質を向上させることができる。
(第2実施形態)
 次に、図14から図23を参照しながら第2実施形態の自動製パン機の構成について説明する。なお、図14において、図の左側が自動製パン機100の正面(前面)側、図の右側が自動製パン機100の背面(後面)側である。また、自動製パン機100に正面から向き合った観察者の左手側が自動製パン機100の左側、右手側が自動製パン機100の右側であるものとする。
 自動製パン機100は合成樹脂製の外殻により構成される箱形の本体110を有する。本体110の上面前部には操作部120が設けられる。操作部120には、図示は省略するが、パンの種類(小麦粉パン、米粉パン、具材入りパンなど)の選択キー、調理内容の選択キー、タイマーキー、スタートキー、取り消しキーなどといった操作キー群と、設定された調理内容やタイマー予約時刻などを表示する表示部が設けられている。表示部は液晶表示パネルと発光ダイオードを光源とする表示ランプにより構成される。
 操作部120から後ろの本体上面は合成樹脂製の蓋130で覆われる。蓋130は図示しない蝶番軸で本体110の背面側の縁に取り付けられており、その蝶番軸を支点として垂直面内で回動する。
 本体110の内部には焼成室140が設けられる。焼成室140は板金製で、上面が開口しており、ここからパン容器150が入れられる。焼成室140は水平断面矩形の周側壁140aと底壁140bを備える。
 本体110の内部には板金製の基台112が設置されている。基台112には、焼成室140の中心にあたる箇所に、アルミニウム合金のダイキャスト成型品からなるパン容器支持部113が固定されている。パン容器支持部113の内部は焼成室140の内部に露出している。
 パン容器支持部113の中心には原動軸114が垂直に支持されている。原動軸114に回転を与えるのはプーリ115、116である。プーリ115と原動軸114の間、及びプーリ116と原動軸114の間にはそれぞれクラッチが配置されていて、プーリ115を一方向に回転させて原動軸114に回転を伝えるとき、原動軸114の回転はプーリ116には伝わらず、プーリ116をプーリ115とは逆方向に回転させて原動軸114に回転を伝えるとき、原動軸114の回転はプーリ115には伝わらない仕組みになっている。
 プーリ115を回転させるのは基台112に支持された混練モータ160である。混練モータ160は竪軸であって、下面から出力軸161が突出する。出力軸161には、プーリ115にベルト163で連結されるプーリ162が固定されている。混練モータ160自身が低速・高トルクタイプであり、その上プーリ162がプーリ115を減速回転させるので、原動軸114は低速・高トルクで回転する。
 プーリ116を回転させるのは同じく基台112に支持された粉砕モータ164である。粉砕モータ164も竪軸であって、上面から出力軸165が突出する。出力軸165には、プーリ116にベルト167で連結されるプーリ166が固定されている。
 粉砕モータ164は後述する粉砕ブレードに高速回転を与える役割を担う。そのため、粉砕モータ164には高速回転タイプのものが選定され、プーリ166とプーリ116の減速比もほぼ1:1になるように設定されている。
 パン容器支持部113は、パン容器150の底面に固定された筒状の台座151を受け入れてパン容器150を支える。台座151もアルミニウム合金のダイキャスト成型品である。
 パン容器150は板金製で、バケツのような形状をしており、口縁部には手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器150の水平断面は四隅を丸めた矩形である。パン容器150の底部中心には垂直なブレード回転軸152が、シール対策を施した上で垂直に支持されている。ブレード回転軸152には、原動軸114よりカップリング153を介して回転力が伝えられる。カップリング153を構成する2部材のうち、一方の部材はブレード回転軸152の下端に固定され、他方の部材は原動軸114の上端に固定される。カップリング153の全体は台座151とパン容器支持部113に囲い込まれる。
 パン容器支持部113の内周面と台座151の外周面には、それぞれ図示しない突起が形成される。これらの突起は周知のバヨネット結合を構成する。すなわちパン容器150をパン容器支持部113に取り付ける際、台座151の突起がパン容器支持部113の突起に干渉しないようにしてパン容器150を下ろす。そして、台座151がパン容器支持部113にはまり込んだ後、パン容器150を水平にひねると、パン容器支持部113の突起の下面に台座151の突起が係合して、パン容器150が上方に抜けなくなる。この操作で、カップリング153の連結も同時に達成される。パン容器150の取り付け時のひねり方向は後述する混練ブレードの回転方向に一致させ、混練ブレードが回転してもパン容器150が外れないようにしておく。
 焼成室140の内部に配置された加熱装置141がパン容器150を包囲し、製パン原料を加熱する。加熱装置141はシーズヒータにより構成される。
 ブレード回転軸152には、パン容器150の底部より少し上の箇所に、粉砕ブレード154が取り付けられる。粉砕ブレード154はブレード回転軸152に対し回転不能とされる。粉砕ブレード154はステンレス鋼板製であり、図20及び図21に示すように、飛行機のプロペラのような形状を有している。
 粉砕ブレード154の中心部はブレード回転軸152に嵌合するハブ154aとなっている。ハブ154aの下面にはハブ154aを直径方向に横断する溝154bが形成されている。ブレード回転軸152を水平に貫く図示しないピンがハブ154aを受け止め、また溝154bに係合して粉砕ブレード154をブレード回転軸152に対し回転不能に連結する。粉砕ブレード154はブレード回転軸152から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業終了後の洗浄や、切れ味が悪くなったときの交換を手軽に行うことができる。
 ブレード回転軸152の上端には平面形状円形のドーム状カバー170が取り付けられる。カバー170はアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなり、粉砕ブレード154を覆い隠す。カバー170はブレード回転軸152に回転自在に嵌合し、粉砕ブレード154のハブ154aで受け止められる。カバー170もブレード回転軸152から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業終了後の洗浄を手軽に行うことができる。
 カバー170の外面には、ブレード回転軸152から離れた箇所に配置された垂直な支軸171により、平面形状く字形の混練ブレード172が取り付けられている。混練ブレード172もアルミニウム合金のダイキャスト成型品である。支軸171は混練ブレード172に固定ないし一体化されており、混練ブレード172と動きを共にする。
 混練ブレード172は支軸171を中心として水平面内でカバー170に対して回動し、図16に示す折り畳み姿勢と、図17に示す開き姿勢の2姿勢をとる。折り畳み姿勢では、混練ブレード172はカバー170に形成したストッパ部173に当たっており、それ以上カバー70に対し時計方向回動を行うことができない。混練ブレード172の先端は、この時、カバー170から少し突き出している。開き姿勢では、混練ブレード172はストッパ部173から離れ、混練ブレード172の先端はカバー170から大きく突き出す。
 カバー170には、カバー内空間とカバー外空間を連通する窓174が形成される。窓174は粉砕ブレード153に並ぶ高さかそれよりも上の位置に配置される。実施形態では計4個の窓174が90°間隔で配置されているが、それ以外の数と配置間隔を選択することもできる。
 図20及び図21に示すように、カバー170の内面には、各窓174に対応して計4個のリブ175が形成されている。各リブ175はカバー170の中心近傍から外周の環状壁まで半径方向に対し斜めに延び、4個合わさって一種の巴形状を構成する。また各リブ175は、それに向かって押し寄せる製パン原料に対面する側が凸となるように湾曲している。粉砕ブレード154はリブ175の下縁をかすめるようにして回転する。
 カバー170とブレード回転軸152の間にはクラッチ176(図21参照)が介在する。クラッチ176は、混練モータ160が原動軸114を回転させるときのブレード回転軸152の回転方向(この方向の回転を「正方向回転」とする)において、ブレード回転軸152とカバー170を連結する。逆に、粉砕モータ164が原動軸114を回転させるときのブレード回転軸152の回転方向(この方向の回転を「逆方向回転」とする)では、クラッチ176はブレード回転軸152とカバー170の連結を切り離すものである。なお、図16及び図17では、前記「正方向回転」は反時計方向回転となり、「逆方向回転」は時計方向回転となる。
 クラッチ176を構成するのは第1係合体176aと第2係合体176bである。第1係合体176は粉砕ブレード154のハブ154aに固定または一体成形され、従ってブレード回転軸152に回転不能に取り付けられているものである。第2係合体176bは混練ブレード172の支軸171に固定または一体成形されており、混練ブレード172の姿勢変更に伴って角度を変える。
 クラッチ176は、混練ブレード172の姿勢に応じて連結状態を切り換える。すなわち混練ブレード172が図16に示す折り畳み姿勢にあるときは、第2係合体176bは図21の角度にある。この時第2係合体176bは第1係合体176aの回転軌道に干渉しており、ブレード回転軸152が図21において時計方向に、言い換えれば正方向に回転すると、第1係合体176aが第2係合体176bに係合し、ブレード回転軸152の回転力がカバー170及び混練ブレード172に伝達される。混練ブレード172が図17に示す開き姿勢にあるときは、第2係合体176bは図22の角度となる。この時第2係合体176bは第1係合体176aの回転軌道から退避しており、ブレード回転軸152が図22において反時計方向に、言い換えれば逆方向に回転しても、第1係合体176aと第2係合体176bの間に係合が生じない。従ってブレード回転軸152の回転力はカバー170及び混練ブレード172には伝わらない。
 パン容器150の底部には、粉砕ブレード154とカバー170を収容する凹部155が形成されている。凹部155は平面形状円形で、カバー170の外周部と凹部155の内面の間には、製パン原料の流動を可能とする間隙156が形成されている。
 自動製パン機100の動作制御は、図23に示す制御装置180によって行われる。制御装置180は本体110内の適所(焼成室140の熱の影響を受けにくい箇所が望ましい)に配置された回路基板により構成され、操作部120及び加熱装置141の他、混練モータ160のモータドライバ181、粉砕モータ164のモータドライバ182、及び温度センサ183が接続される。温度センサ183は焼成室140内に配置され、焼成室140の温度を検知する。184は各構成要素に電力を供給する商用電源である。
 続いて、自動製パン機100を用いて穀物粒からパンを製造する工程について説明する。ただし、第2実施形態の自動製パン機100を用いて穀物粒からパンを製造する工程については、第1実施形態の自動製パン機1を用いて穀物粒からパンを製造する工程(図5から図13に示すもの)と基本的に同様である。このために、第1実施形態の自動製パン機1と装置構成が違うために異なる部分についてのみ説明し、重複する部分は原則として省略することにする。
 図7に示す粉砕工程時の動作、及び、図8に示す混練工程時の動作について、第2実施形態の自動製パン機100は、第1実施形態の自動製パン機1と異なる部分があるために、これらについて以下説明しておく。まず、図7に示す粉砕工程について説明する。使用者が操作部120を通じ粉砕作業データ(穀物粒の種類や量、これから焼くパンの種類など)を入力し、スタートキーを押すと、ステップ#21が開始される。
 ステップ#21では制御装置180が粉砕モータ164を駆動し、ブレード回転軸152を逆方向回転させる。すると、穀物粒と液体の混合物の中で粉砕ブレード154が回転を開始する。カバー170もブレード回転軸152に追随して回転を開始する。この時のカバー170の回転方向は図16において時計方向であり、混練ブレード172は、それまで折り畳み姿勢であった場合には、穀物粒と液体の混合物から受ける抵抗で開き姿勢に転じる。混練ブレード172が開き姿勢になると、クラッチ176は、第2係合体176bが第1係合体176aの回転軌跡から退避することにより、ブレード回転軸152とカバー170の連結を切り離す。同時に、開き姿勢になった混練ブレード170は図17に示すようにパン容器150の内側壁に当たり、カバー170の回転を阻止する。以後、ブレード回転軸152と粉砕ブレード154が逆方向に高速回転する。カバー170と混練ブレード172が停止しているため、粉砕ブレード154が高速回転しても、穀物粒と液体の混合物がパン容器150の中で渦を巻かない。そのため、渦が周縁で盛り上がり、パン容器150の外にこぼれるようなこともない。
 カバー170が回転を止めている間、粉砕ブレード154は高速回転して穀物粒を粉砕する。粉砕ブレード154による粉砕は、穀物粒に液体が浸み込んだ状態で行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。カバー170の中心近傍から外周の環状壁まで延びるリブ175が、穀物粒と液体の混合物の、粉砕ブレード154の回転方向と同方向の流動を抑制し、粉砕を助ける。すなわち、リブ175が混合物の流れを変更し、粉砕ブレード154との衝突機会を増やすように作用する。粉砕はカバー170の中で行われるから、穀物粒がパン容器150の外に飛び散ることもない。
 粉砕された穀物粒と液体の混合物はリブ175により窓174の方向に誘導され、窓174を通じてカバー170の外に排出される。リブ175は、それに向かって押し寄せる穀物粒と液体の混合物に対面する側が凸となるように湾曲しているので、穀物粒と液体の混合物はリブ175の表面に滞留しにくく、スムーズに窓174の方へ流れて行く。
 カバー170の内部から穀物粒と液体の混合物が排出されるのと入れ替わりに、凹部155の上に存在した穀物粒と液体の混合物が、間隙156を通じて凹部155に入り、凹部155からカバー170の中に入る。カバー170の中で穀物粒は粉砕ブレード154により粉砕され、カバー170の窓174から凹部155の上に戻る。このように穀物粒を循環させつつ粉砕を行うことにより、穀物粒を効率良く粉砕することができる。リブ175の存在により、粉砕ブレード154が生成した粉砕物は速やかに窓174へ誘導され、カバー170の中に滞留しないから、粉砕能率はさらに向上する。
 窓174が配置されているのは粉砕ブレード153に並ぶ高さかそれよりも上の位置なので、粉砕された穀物粒と液体の混合物がカバー170から排出される方向は水平か斜め上向きとなり、穀物粒の循環が促進される。
 ステップ#22では、所望の粉砕穀物粒を得るために設定通りの粉砕パターン(粉砕ブレードを連続回転させるか、停止期間を織り交ぜて断続回転させるか、断続回転させる場合、どのようにインターバルをとるか、回転時間の長さをどのようにするか等)が完遂されたかどうかを制御装置180がチェックする。
 設定通りの粉砕パターンが完遂されたらステップ#23に進んで粉砕ブレード154の回転を終了し、粉砕工程#20は終了する。このことは、表示部122における表示や、音声などで使用者に報知される。
 粉砕工程#20に続き、図8に示す混練工程#30が遂行される。混練工程#30に入る時点では、パン容器150の中の穀物粒と液体は、ペースト状またはスラリー状の生地原料となっている。
 ステップ#31では使用者が蓋130を開け、生地原料に所定量のグルテンを投入する。必要に応じ、食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料も投入する。自動製パン機100にグルテンや調味材料の自動投入装置を設けておき、使用者の手を煩わすことなくそれらを投入する構成にすることもできる。
 使用者は、ステップ#31に前後して、操作部120よりパンの種類や調理内容の入力を行う。準備が整ったところで使用者がスタートキーを押すと、混練工程#30から発酵工程#40、さらに焼成工程#50へと自動的に連続する製パン作業が開始される。
 ステップ#32では、制御装置180は混練モータ160を駆動する。ブレード回転軸152が正方向に回転し、それに追随してカバー170が正方向に回転すると、生地原料からの抵抗を受けて混練ブレード172が開き姿勢から折り畳み姿勢に転じる。これを受けてクラッチ176は、第2係合体176bが第1係合体176aの回転軌跡に干渉する角度となることにより、ブレード回転軸152とカバー170を連結し、カバー170と混練ブレード172はブレード回転軸152と一体になって正方向に回転する。
 ここで制御装置180は、加熱装置141に通電し、焼成室140の温度を上げる。混練ブレード172が回転するに従い生地原料は混練され、所定の弾力を備える、一つにつながった生地(dough)に練り上げられて行く。混練ブレード172が生地を振り回してパン容器150の内壁にたたきつけることにより、混練に「捏ね」の要素が加わることになる。
 カバー170が回転すればリブ175も回転する。リブ175が回転することにより、カバー170内の生地原料は速やかに窓174から排出され、混練ブレード172が混練している生地原料の塊に同化する。
 ステップ#33では混練ブレード172の回転開始以来どれだけ時間が経過したかを制御装置180がチェックする。所定時間が経過したらステップ#34に進む。
 ステップ#34では使用者が蓋130を開け、生地にイースト菌を投入する。この時生地に投入するイースト菌はドライイーストでよい。イースト菌の代わりにベーキングパウダーを用いてもよい。イースト菌やベーキングパウダーについても自動投入装置を採用し、使用者の手間を省くことができる。
 ステップ#35では生地にイースト菌を投入してからどれだけ時間が経過したかを制御装置180がチェックする。所望の生地を得るのに必要な時間が経過したらステップ#36へ進んで混練ブレード172の回転が終了する。この時点で、一つにつながり、所要の弾力を備えた生地が完成している。生地の大部分は凹部155より上に留まり、凹部155の中に入り込む量は僅かである。具材入りパンを焼く場合は、混練工程#30のいずれかのステップで具材を投入する。具材投入についても自動投入装置の採用が可能である。
 以下、第1実施形態の自動製パン機1と同様に、発酵工程#40(図9参照)、焼成工程(図10参照)が遂行され、パンが焼きあげられる。ところで、パンの底には混練ブレード172の抜き跡が残るが、カバー170は凹部155の中に収容された状態であり、パン容器150の底部から突き出していないため、パンの底に大きな抜き跡を残すようなことはない。
 第1実施形態の自動製パン機1の場合と同様に、粉砕ブレード154は、穀物粒を粉砕するだけでなく、ナッツ類や葉物野菜などの具材の細片化にも用いることができる。このため、粒の細かい具材を入れたパンを焼くことができる。粉砕ブレード154は、パンに混ぜる具材以外の食材や、生薬原料の粉砕にも利用できる。
 この実施形態でも、単一の制御装置180により、粉砕ブレード154の回転と混練ブレード172の回転を互いに関連づけて制御することが可能であるから、穀物粒を粉砕する段階と、粉砕後の穀物粉を混練する段階において、穀物粒の種類や量に適した回転を粉砕ブレード154と混練ブレード172に与え、パンの品質を向上させることができる。
(その他)
 以上、本発明が適用された第1実施形態及び第2実施形態の自動製パン機について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
 本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン機に広く利用可能である。
   1、100  自動製パン機
   10、110 本体
   40、140 焼成室
   50、150 パン容器
   52、152 ブレード回転軸
   54、154 粉砕ブレード
   55、155 凹部
   60 モータ
   70、172 混練ブレード
   72 ディスク
   156 間隙
   160 混練モータ
   164 粉砕モータ
   170 カバー
   174 窓
   176 クラッチ

Claims (8)

  1.  製パン原料を入れるパン容器と、
     本体内に設けられ、前記パン容器を受け入れる焼成室と、
     前記パン容器の底部に設けられるブレード回転軸と、
     前記ブレード回転軸に装着される粉砕ブレードと、
     前記粉砕ブレードより上側に配置される混練ブレードと、
     前記ブレード回転軸に回転力を与えるモータと、
     を備え、
     前記パン容器の底部には前記ブレード回転軸を囲むように凹部が形成され、前記粉砕ブレードは前記凹部内で回転する、自動製パン機。
  2.  前記粉砕ブレードは、前記ブレード回転軸に回転不能に取り付けられ、
     前記混練ブレードは、前記凹部より上で回転するように前記ブレード回転軸に装着され、
     前記混練ブレードと前記ブレード回転軸との間には、両者を連結状態または非連結状態にするクラッチが介在する、請求項1に記載の自動製パン機。
  3.  前記クラッチは、前記ブレード回転軸が一方向に回転する時は前記混練ブレードと前記ブレード回転軸を連結状態にし、前記ブレード回転軸が前記一方向と逆方向に回転する時は前記混練ブレードと前記ブレード回転軸を非連結状態にする一方向クラッチである、請求項2に記載の自動製パン機。
  4.  前記凹部を隠すディスクが前記混練ブレードに組み合わせられている、請求項1から3のいずれかに記載の自動製パン機。
  5.  前記ブレード回転軸に装着され、前記粉砕ブレードを覆うとともに外面に前記混練ブレードを有するドーム状のカバーを更に備え、
     前記カバーは前記凹部に収容される、請求項1に記載の自動製パン機。
  6.  前記粉砕ブレードは、前記ブレード回転軸に回転不能に取り付けられ、
     前記カバーと前記ブレード回転軸との間には両者を連結状態または非連結状態にするクラッチが介在する、請求項5に記載の自動製パン機。
  7.  前記クラッチは、前記ブレード回転軸が一方向に回転する時は前記カバーと前記ブレード回転軸を連結状態にし、前記ブレード回転軸が前記一方向と逆方向に回転する時は前記カバーと前記ブレード回転軸を非連結状態にする、請求項6に記載の自動製パン機。
  8.  前記カバー外周部と前記凹部内面との間には製パン原料の流動を可能とする間隙が形成され、
     前記カバーにはカバー内空間とカバー外空間を連通させる窓が形成されている、請求項5から7のいずれかに記載の自動製パン機。
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