明細書 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 技術分野
本発明は、 エポキシ樹脂組成物、 及びこれを用いた半導体装置に関するもの であり、 特に流動性、 離型性、 連続成形性に優れた特性を有するエポキシ樹脂 組成物及びそれを用いた耐半田リフロー性に優れた半導体装置に関するもので ある。 背景技術
近年、 電子機器の小型化、 軽量化、 高性能化の市場動向において、 半導体の 高集積化が年々進み、 また半導体パッケージの表面実装化が促進されてきてい る。 更に地球環境へ配慮した企業活動が重要視され、 有害物質である鉛を 2 0 0 6年までに特定用途以外で全廃することが求められている。 しかしながら、 鉛フリ一半田の融点は従来の鉛/スズ半田に比べて高いこめ、赤外線リフロー、 半田浸漬等の半田実装時の温度も従来の 2 2 0〜2 4 0 °Cから、 今後 2 4 0 °C 〜2 6 0 °Cへと高くなる。 このような実装温度の上昇により、 実装時に樹脂部 にクラックが入り易くなり、 信頼性を保証することが困難になってきていると いう問題が生じている。 更にリードフレームについても、 外装半田メツキも脱 鉛する必要があるとの観点から、 外装半田メツキの代わりに事前にニッケル · パラジウムメツキを施したリードフレームの適用が進められている。 このニッ ケル ·パラジウムメツキは一般的な封止材料との密着性が低く、 実装時に界面 において剥離が生じ易く、 樹脂部にクラックも入り易い。
このような課題に対し、 半田耐熱性の向上に対して低吸水性のエポキシ樹脂 や硬化剤を適用することにより(例えば、 特許文献 1、 2、 3参照)、 実装温度 の上昇に対して対応が取れるようになってきた。その半面、このような低吸水 · 低弾性率を示すエポキシ樹脂組成物は架橋密度が低く、 硬化直後の成形物は軟 らかく、 連続生産では金型への樹脂トラレ等の成形性での不具合が生じ、 生産 性を低下させる問題があった。
また、 生産性向上への取り組みとしては、 離型効果の高い離型剤の適用が提 案されている(例えば、 特許文献 4参照)が、 離型効果の高い離型剤は必然的に 成形品の表面に浮き出しやすぐ、 連続生産すると成形品の外観を著しく汚して しまう欠点がぁ た。 成形品外観に優れるエポキシ樹脂組成物として特定の構 造を有するシリコーン化合物を添加する手法等が提案されている(例えば、特許 文献 5、 6参照。 )が、 離型性は不十分で連続成形においてエアベント部分で樹 脂が付着してエアベントを塞ぐことにより、 未充填等の成形不具合を生じさせ る等、 生産性の低下を引き起こす問題があった。 以上より、 半田耐熱性、 離型 性、 連続成形性、 成形品外観、 金型汚れ全ての課題に対応した半導体封止用ェ ポキシ榭脂組成物が要求されている。
[特許文献 1] 特開平 9一 3 161号公報 (第 2〜5頁)
[特許文献 2] 特開平 9一 235353号公報(第 2〜 7頁)
[特許文献 3] 特開平 1 1 _ 140277号公報(第2〜1 1頁)
[特許文献 4] 特開 2002— 80695号公報(第 2〜 5頁)
[特許文献 5] 特開 2002— 97344号公報(第 2〜10頁)
[特許文献 6] 特開 2001 - 310930号公報(第 2〜8頁) 発明の開示
本発明は、 上記事情に鑑みてなされたものであり、 その目的は、 流動性、 離 型性、 連続成形性に優れた特性を有するエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた 耐半田リフロー性に優れた半導体装置を提供することにある。
すなわち、 本発明は、
[1] (A)エポキシ樹脂、 (B)フエノール樹脂、 (C)硬化促進剤、 (D)無機質 充填材、 並びに(E)カルボキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリル共 重合体 1)及び 又はカルボキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリ ル共重合体(e 1)とエポキシ樹脂との反応生成物(e 2)を必須成分として含 み、 前記(e 1)成分として全エポキシ樹脂組成物中に 0.01重量%以上、 1重 量0 /0以下の割合で含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2] 前記(A)エポキシ樹脂がビフヱニル型エポキシ樹脂(a 1)、 ビフエ-レ ン骨格を有するフヱノールァラルキル型エポキシ樹脂(a 2)から選ばれる少な
く とも 1種のエポキシ樹脂を含み、 かつ前記(B)フエノール樹脂がフエ二レン 骨格を有するフ ノールァラルキル型樹脂(b 1)、 ビフエ二レン骨格を有する フヱノールァラルキル型樹脂(b 2)から選ばれる少なく とも 1種のフエノール 樹脂を含む [ 1 ]記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 前記(A)エポキシがビフエニル型エポキシ樹脂(a 1)を含み、 かつ前記( B )フヱノール樹脂がフエニレン骨格を有するフ ノールァラルキル型樹脂( b 1 )を含む [ 1 ]記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[ 4 ] 前記(A)エポキシがビフヱユレン骨格を有するフヱノールァラルキル型 エポキシ樹脂(a 2)を含み、 かつ前記(B)フエノール榭脂がビフエ二レン骨格 を有するフエノールァラルキル型樹脂(b 2)を含む [1]記載の半導体封止用ェ ポキシ樹脂組成物、
[5] 前記(e 1)成分に含まれるナトリゥムイオン量が 1 0 p pm以下、 塩素 イオン量が 450 p p m以下である [1]ないし [4]のいずれか 1項に記載の半 導体封止用ェポキシ樹脂組成物。
[6] 前記カルボキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリル共重合体 ( e 1)がー般式(1) :
H00C [ (Bu)x (ACN) y ]z C00H (i)
(ただし、 上記一般式(1)において、 B uはブタジエン由来の繰り返し単位、 ACNはアクリロニトリル由来の繰り返し単位を表し、 (B u)と(ACN)の付 加形式はブロックであってもランダムであってもよく、 Xは 1未満の正数、 y は 1未満の正数、 x + y= l、 zは 50〜80の整数である)
で表される化合物である [ 1 ]ないし [ 5 ]のいずれか 1項に記載の半導体封止用 エポキシ樹脂組成物、
[7] 前記カルボキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリル共重合体( し e 1)が酸化防止剤を含むものである [1 ]ないし [6]のいずれか 1項に記載の 半導体封止用ェポキシ樹脂組成物。
[8] 前記酸化防止剤が非リン系酸化防止剤である [7]記載の半導体封止用ェ ポキシ樹脂組成物、
[9] 前記酸化防止剤がフエノール系酸化防止剤である [ 8 ]記載の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、
[10] (F)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン(f 1)及ぴノ又 はカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン( f 1)とエポキシ樹脂との 反応生成物(f 2)を含み、 (f 1)成分として全エポキシ樹脂組成物中に 0.01 重量%以上、 3重量%以下の割合で含む [ 1 ]ないし [ 9 ]のいずれか 1項に記载 の半導体封止用ェポキシ樹脂組成物、
[1 1] 前記カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン(f 1)が一般式 (2) :
R
Si一 CD
(ただし、 上記一般式(2)において、 Rは少なくとも 1つ以上がカルボキシル基 を有する炭素数 1〜40の有機基であり、 残余の基は水素、 フ ニル基、 又は メチル基から選ばれる基であり、 互いに同一であっても異なっていてもよく、 nは平均値で、 1〜 50の正数である)
で表されるオルガノポリシロキサンである [10]記載の半導体封止用エポキシ 樹脂組成物、 及び、
[12] [1] ないし [1 1]のいずれか 1項に記載のエポキシ樹脂組成物を用 いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
を提供するものである。 発明を実施するための最良の形態
本発明は、 (A)エポキシ樹脂、 (B)フエノール樹脂、 (C)硬化促進剤、 (D) 無機質充填材、 (E)ブタジエン 'アタリ口-トリル共重合体(e 1)及びノ又は カルボキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリル共重合体(e 1)とェポ キシ樹脂との反応生成物( e 2 )を必須成分として含むことにより、 成形封止す る時の離型性、 連続成形性に優れ、 かつ低応力性であり、 耐半田リフロー性に 優れた半導体封止用ェポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、 発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(A)は、 分子中に 2個以上のエポキシ基を 有するモノマー、 オリゴマー、' ポリマー全般であり、 例えば、 フエノールノボ ラック型エポキシ樹脂、 クレゾ一ルノボラック型エポキシ樹脂、 ビフエニル型 エポキシ樹脂、 ビスフエノール型エポキシ樹脂、 スチルベン型エポキシ樹脂、 トリフエノールメタン型エポキシ樹脂、フエノールァラルキル型エポキシ樹脂、 ナフ トール型エポキシ樹脂、 アルキル変性トリフエノールメタン型エポキシ樹 脂、 トリアジン核含有エポキシ樹脂、 ジシクロペンタジェン変性フエノール型 エポキシ樹脂等が挙げられるが、 これらに限定されるものではない。 こ らの エポキシ樹脂は単独で用いても 2種類以上併用してもよい。 これらの内で特に 耐半田性が求められる場合、 常温では結晶性の固体であるが、 融点以上では極 めて低粘度の液状となり、 無機質充填材を高充填化できるビフ ニル型ェポキ シ樹脂、 ビスフエノール型エポキシ樹脂、 スチルベン型エポキシ樹脂等が好ま しい。その他のエポキシ樹脂も極力粘度の低いものを使用することが望ましい。 更に可撓性、 低吸湿化のためには、 フヱニレン骨格又はビフヱ二レン骨格を有 するフエノールァラルキル型エポキシ樹脂の使用が好ましい。 しかし低粘度や 可撓性を有するエポキシ樹脂を用いることにより無機質充填材を高充填化でき るが、 架橋密度が低くなるため離型性が低下するという問題点もあり、 後述の ( E )成分を用いることにより離型性を改善できる。
本発明で用いられるフエノール樹脂(B )は、 分子中に 2個以上のフエノール 性水酸基を有するモノマー、 オリゴマー、 ポリマー全般であり、 例えば、 フエ ノールノポラック樹脂、 クレゾールノポラック樹脂、 トリフヱノールメタン樹 月旨、 テルペン変性フエノール樹脂、 ^シクロペンタジェン変性フエノール樹脂、 フヱニレン骨格又はビフヱ二レン骨格を有するフエノールァラルキル樹脂、 フ ヱ二レン骨格又は、 ビフヱ二レン骨格を有するナフトールァラルキル樹脂等が 挙げられるが、 これらに限定されるものではない。 これらのフヱノール樹脂は 単独で用いても 2種類以上併用してもよい。 これらの内で特に耐半田性が求め られる場合、 エポキシ樹脂と同様に低粘度の樹脂が無機質充填材の高充填化で き、 更に可撓性、 低吸湿化のためには、 フエ二レン骨格又はビフヱ二レン骨格 を有するフニノールァラルキル樹脂の使用が好ましい。 低粘度や可撓性を有す
るフエノール樹脂は、 架橋密度が低くなるため離型性が低下するという問題点 もあり、 後述の離型剤を用いることにより離型性を改善できる。
本発明に用いられる全ェポキシ樹脂のェポキシ基と全フエノール樹脂のフヱ ノール性水酸基の当量比としては、 好ましくは 0 . 5以上、 2以下であり、 特に 好ましくは 0 . 7以上、 1 . 5以下である。 上記範囲にすることで、 耐湿性、 硬 化性等の低下を抑えることができる。
本発明で用いられる硬化促進剤(C )としては、 エポキシ樹脂中のエポキシ基 とフエノ一ル榭脂中のフ二ノール性水酸基との硬化反応の触媒となり得るもの を指し、例えばトリブチルァミン、 1, 8—ジァザビシク口(5, 4, 0 )ゥンデセ ンー 7等のアミン系化合物、 トリフエニルホスフィン、 テトラフェニルホスホ „二ゥム .テトラフエ-ルポレート塩等の有機リン系化合物、 2—メチルイミダ ゾール等のィミダゾール化合物等が挙げられるが、 これらに限定されるもので はない。 またこれらの硬化促進剤は単独でも混合して用いてもよい。
本発明で用いられる無機質充填材(D )としては、 一般に半導体封止用ェポキ シ樹脂組成物に使用されているものを用いることができ、 特に限定されるもの ではないが、 例えば溶融シリカ、 結晶シリカ、 アルミナ、 窒化珪素、 窒化アル ミ等が挙げられる。 無機質充填材の配合量を特に多くする場合は、 溶融シリカ を用いるのが一般的である。 溶融シリカは破砕状、 球状のいずれでも使用可能 であるが、 溶融シリカの配合量を高め、 かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の 上昇を抑えるためには、 球状のものを主に用いる方が好ましい。 更に球状シリ 力の配合量を高めるためには、 球状シリカの粒度分布がより広くなるように調 整することが望ましい。
本発明においては、 (E )力ルポキシル基を有するブタジエン 'アタリロニト リル共重合体(e 1 )及び/又はカルボキシル基を有するブタジエン 'アタリ口 二トリル共重合体(e 1 )とエポキシ樹脂との反応生成物(e 2 )を含み、 かつ前 記(e 1 )成分として全エポキシ樹脂組成物中に 0 . 0 1重量%以上、 1重量。 /0以 下の割合で含むことが必須である。 前記カルボキシル基を有するブタジエン · アタリロニトリル共重合体(e 1 )は、 ブタジエンとアタリロニトリルの共重合 体であり、 (e 1 )及び(6 1 )とエポキシ樹脂との反応生成物(e 2 )を樹脂組成 物に配合すると、 優れた耐クラック性が得られるのみならず、 離形性を向上さ
せるという特徴も得られるものである。 、
前記カルボキシル基を有するブタジエン ·アタリロニトリル共重合体(e 1) としては、 特に限定するものではないが、 その構造の両端にカルボキシル基を 有する化合物が好ましく、 一般式(1)で表される化合物がより好ましい。 この カルボキシル基が極性を有しているため、 封止用エポキシ樹脂組成物の原料と して含まれるエポキシ樹脂中でのブタジエン 'アタリロニトリル共重合体の分 散性が良好となり、 金型表面の汚れや成形品表面の汚れの進行を抑えることが でき、 また連続成形性を向上させることができる。 一般式(1)の Xはプタジェ ン由来の繰り返し単位の含有モル分率を表し、 1未満の正数、 yはァクリロ二 トリル由来の繰り返し単位の含有モル分率を表し、 1未満の正数、 x + y= l、 Zは 5 Q〜80の整数である。 また、 本発明の樹脂組成物には、 (E)成分とし て、 カルボキシル基を有するブタジエン ·アタリロニトリル共重合体(e 1)の 全量又は一部を、 エポキシ樹脂と硬化促進剤により予め溶融 ·反応させた反応 生成物(e 2)を用いることもできる。 ここで言う、 エポキシ樹脂とは、 1分子 内にエポキシ基を 2個以上有するモノマー、 オリゴマー、 ポリマー全般であり、 その分子量、 分子構造を特に限定するものではなく、 エポキシ樹脂(A)として 前述したものと同じものを用いることができる。また、 ここで言う硬化促進剤と は、 力ルポキシル基を有するブタジエン 'アタリロニトリル共重合体中のカル ボキシル基とェポキシ樹脂中のエポキシ基との硬化反応を促進させるものであ ればよく、 前述した硬化促進剤(C)として使用することができる硬化促進剤と して例示したものと同じものを用いることができる。 本発明に用いる(e 1)成 分としての配合量は、全エポキシ樹脂組成物中 0. 0 1重量%以上、 1重量%以 下が必須であるが、 0. 05重量%以上、 0. 5重量%以下が好ましく、 より好 ましくは 0. 1重量%以上、 0. 3重量%以下である。 上記範囲にすることで、 流動性の低下による成形時における充填不良の発生や高粘度化による金線変形 等の不具合の発生を抑えることができる。
H00C [ (Bu)x (ACN) y ]z COOH d )
(ただし、 上記一般式(1)において、 B uはブタジエン由来の繰り返し単位、 . A CNはアクリロニトリル由来の繰り返し単位を表し、 (B u)と(ACN)の付加
形式はブロックであってもランダムであってもよく、 Xは 1未満の正数、 yは 1未満の正数、 x + y = l、 zは 5 0〜8 0の整数である)
本発明に用いられるカルポキシル基を有するブタジエン,アクリロニトリル 共重合体(e 1 )中のァクリロニトリル由来の繰り返し単位の含有モル分率 yは 、 0 . 0 5以上、 0 . 3 0以下が好ましく、 より好ましくは 0 . 1 0以上、 0 . 2 5以下である。 この yの値は、 エポキシ樹脂マトリックスとの相溶性に影響し 、 上記範囲内であると、 カルボキシル基末端ブタジエン ·アクリロニトリル共 重合体とエポキシ樹脂マトリックスとが相分離を起こして金型汚れや樹脂硬化 物外観の悪化を引き起こすのを抑えることができる。 また、 流動性が低下する ことによって、 成形時に充填不良等が生じたり、 高粘度化により半導体装置内 の金線変形等の不都合を引き起こす恐れが少なレ、。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン 'アクリロニトリル 共重合体(e 1 )の数平均分子量は、 2 0 0 0以上、 5 0 0 0以下が好ましく、 より好ましくは 3 0 0 0以上、 4 0 0 0以下である。 上記範囲内にすることで 、 流動性の低下による成形時における充填不良の発生や高粘度化による金線変 形等の不具合の発生を抑えることができる。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン 'アクリロニトリル 共重合体(e 1 )のカルボキシル基当量は 1 2 0 0以上、 3 0 0 0以下が好まし く、 より好ましくは 1 7 0 0以上、 2 5 0 0以下である。 上記範囲内にするこ とで、 樹脂組成物の成形時における流動性や離型性を低下させることなく、 金 型や成形品の汚れがより発生し難く、 連続成形性が特に良好となる効果が得ら れる。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン 'アクリロニトリル 共重合体(e 1 )に含まれるナトリゥムイオン量は 1 0 p p m以下、 塩素イオン 量は 4 5 0 p p m以下であることが好ましい。 ナトリウムイオン量及ぴ塩素ィ オン量は以下の方法で求めることができる。 カルボキシル基を有するブタジェ ン ·アタリロニトリル共重合体(e 1 )を乾式分解 ·灰化後酸溶解し、 I C P発 光分析法にてナトリゥムイオン量を測定する。 また塩素イオン量はイオンクロ マトグラフ法にて測定する。 ナトリゥムイオン量や塩素イオン量が上記範囲内 であると、 ナトリウムイオンや塩素イオンによる回路の腐食が進み易くなるこ
とによる半導体装置の耐湿信頼性の低下を引 'き起こす恐れが少ない。
本発明に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン 'アクリロニトリル 共重合体(e 1 )は、 酸化防止剤を含むものであることが好ましく、 該酸化防止 剤としては非リン系酸化防止剤が好ましい。 非リン系酸化防止剤としては、 ,フ ェノール系酸化防止剤、 アミン系酸化防止剤、 チォエーテル系酸化防止剤等が ある。 なかではフエノール系酸化防止剤が好ましく、 特に限定するものではな いが例えば、 2 , 6—ジー tert—ブチルー 4ーメチノレフエノーレ、 2 , 6—ジー tert—プチルー 4一ェチルフエノール、 2, 2 '—ェチリデンビス(4 , 6—ジー tert—ブチノレフエノ一ノレ)、 2, 2 '—ェチリデンビス( 2, 4—ジー tert—ブチノレ フエノール)及び 4, 6ージー tert—ブチルフエノール等が挙げられる。 リン系 酸化防止剤では、 リン酸イオンによる回路の腐食が進み易くなり半導体装置の 耐湿信頼性が低下するため好ましくない。
本発明においては、 ( F )カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン( f 1 )及び/又はカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン(f 1 )とェポ キシ樹脂との反応生成物(f 2 )を用いることもできる。 本発明に用いることが できるカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン( f 1 )は、 1分子中に 個以上のカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンである。 前記(F ) カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン( f 1 )及ぴ Z又はカルボキシ ル基を有するオルガノポリシロキサン(f 1 )とエポキシ樹脂との反応生成物 ( f 2 )を用いることにより、 樹脂組成物の成形時における流動性や離型性を低 下させることなく、 金型や成形品の汚れがより発生し難く、 連続成形性が特に 良好となる効果が得られる。
本発明で用いるこどができる力ルポキシル基を有するオルガノポリシロキサ ン(f 1 )としては、 特に限定するものではないが、 一般式(2 )で示されるオル ガノポリシロキサンが望ましい。 一般式(2 )の式中の Rは有機基であり、 全有 機基の内、 少なく とも 1個以上がカルボキシル基を有する炭素数 1〜4 0の有 機基であり、 残余の有機基は水素、 フエニル基、 又はメチル基から選ばれる基 であり、 互いに同一であっても異なっていてもよい。 カルボキシル基を有する 有機基の炭素数を上記範囲にすることで、 樹脂との相溶性が低下することによ る成形品の外観の悪化を抑えることができる。 また、 一般式(2 )中の nは平均
値で、 1 ~ 5 0の整数である。 nの値を上記範囲にすることで、 オイル単体の 粘度が高くなることによる流動性の低下を抑えることができる。 一般式( 2 )で 示されるオルガノポリシロキサンを使用すると、流動性の低下を引き起こさず、 成形品の外観が特に良好になる。 更に、 力ルポキシル基を有するオルガノポリ シロキサン(f 1 )の全量又は一部をエポキシ樹脂と硬化促進剤により予め溶 融,反応させた反応生成物(f 2 )を用いることで、 連続成形後の型汚れがより 発生し難く、 連続成形性が極めて良好になる。 ここで言う硬化促進剤とは、 ォ ルガノポリシロキサン( f 1 )中のカルボキシル基とエポキシ樹脂中のエポキシ 基との硬化反応を促進させるものであればよく、 前述した硬化促進剤( C )とし て使用することができる硬化促進剤として例示したものと同じものを用いるこ とができる。 尚、 一般式(2 )で示されるオルガノポリシロキサンのカルボキシ ル基を有する有機基の炭素数とは、 有機基中の炭化水素基とカルボキシル基の 炭素数を合計したものを指す。
R R R
(ただし、上記一般式(2 )において、 Rは少なくとも 1つ以上がカルボキシル基 を有する炭素数 1〜4 0の有機基であり、 残余の基は水素、 フエニル基、 又は メチル基から選ばれる基であり、 互いに同一であっても異なっていてもよい。 nは平均値で、 1〜5 0の正数である。 )
本発明で用いることができる(f 1 )成分の配合量は、 全エポキシ樹脂組成物 中 0 . 0 1重量%以上、 3重量%以下が好ましい。 配合量を上記範囲にすること で、 離型剤や過剰のオルガノポリシロキサン( f 1 )による成形品の外観汚れを 抑え、 良好な連続成形性を得ることができる。
また、 本発明においては、 (F )カルボキシル基を有するオルガノポリシロキ サン(f 1 )及び/又はカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン(f 1 ) とエポキシ樹脂との反応生成物(f 2 )を添加する効果を損なわない範囲で、 他
のオルガノポリシロキサンを併用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、 (A)〜(F )成分以外に、 必要に応じて臭素 化エポキシ樹脂、 三酸化アンチモン、 リン化合物、 金属水酸化物等の難燃剤、 γーグリシドキシプロビルトリメ トキシシラン等の力ップリング剤、 カーボン ブラック、 ベンガラ等の着色剤、 カルナバヮ、ックス等の天然ワックス、 ポリエ チレンワックス等の合成ワックス、 ステアリン酸ゃステアリン酸亜鉛等の高級 脂肪酸及びその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤、 酸化ビスマス水和物 等の酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。 更に、 必要に応じて無 機質充填材をカップリング剤ゃェポキシ樹脂あるいはフエノール樹脂で予め表 面処理して用いてもよく、 表面処理の方法としては、 溶媒を用いて混合した後 に溶媒を除去する方法や、 直接無機質充填材に添加し、 混合機を用いて処理す る方法等がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、 (A)〜(F )成分及びその他の添加剤等を、 ミキサー等を用いて混合後、 加熱ニーダ、 熱ロール、 押し出し機等を用いて加 熱混練し、 続いて冷却、 粉砕して得られる。
本発明のエポキシ榭脂組成物を用いて半導体素子等の電子部品を封止し、 半 導体装置を製造するには、 トランスファーモールド、 コンプレツシヨンモール ド、ィンジヱクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
実施例
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 配合割合は重量部とする。
実施例 1
E— 1 :式(3 )で表されるエポキシ樹脂 [日本化薬 (株)製、 N C 3 0 0 0 P、 軟化点 5 8 °C、 エポキシ当量 2 7 4 ] 8 . 0 7重量部
H— 1 :式(4)で表されるフエノール樹脂 [明和化成 (株)製、 MEH— 785 1 S S、 軟化点 107 ° (:、 水酸基当量 203] 5.98重量部
1, 8一ジァザビシク口(5, 4, 0)ゥンデセン一 7 (以下、 DBUとレヽう)
0. 15重量部 溶融球状シリ力(平均粒径 21 m) 85.00重量部 ブタジエン 'アタリロニトリル共重合体 1 [宇部興産(株)製、 HYCAR C ΤΒΝ 1008— S P、 [一般式(1)において、 x = 0.82、 y = 0. 1 8、 zの平均値は 62、 数平均分子量 3550、 カルボキシル基当量 2200 g / e q、 ナトリウムイオン量 5 p pm、 塩素イオン量 200 ρ ρ πι、 非リン系酸 化防止剤(2, 6ージ一 tert—プチルー 4一メチルフエノール)含有]
0.20重量部 カツプリング剤 一グリシドキシプロピルトリメ トキシシラン)
0.20重量部 力ーポンブラック 0.20重量部 カルナバワックス 0.20重量部 を混合し、 熱ロールを用いて、 95 °Cで 8分間混練して冷却後粉砕し、 ェポキ シ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を、 以下の方法で評価した。 結果を第 1表に示す。
評価方法
スパイラルフロー:低圧トランスファー成形機を用いて、 EMMI -1 -6
6に準じたスパイラルフロー測定用金型に、 金型温度 175°C、 注入圧力 6.
9MPa、硬化時間 1 20秒の条件でエポキシ樹脂組成物を注入し、流動長を測 定した。 単位は cm。'判定基準は 100 cm未満を不合格(X)、 100 c m以 上を合格(〇)とした。
連続成形性:低圧トランスファー自動成形機を用いて、 金型温度 1 75°C,
注入圧力 9. 6 MP a、 硬化時間 7 0秒の条件で、 8 0 p QF P (C uリードフ レーム、 ノ ッケージ外寸: 1 4 mmX 2 0 mmX 2 mm厚、 ッドサイズ: 6. 5 mmX 6. 5 mm、 チップサイズ 6. OmmX 6. Omm)を連続で 7 0 0ショ ットまで成形した。 判定基準は、 未充填等全く問題なく 7 0 0ショットまで連 続成形できたものを◎、 未充填等全く問題なく 5 0 0ショットまで連続成形で きたものを〇、 5 0 0ショ ットまでに未充填が発生したものを Xとした。
成形品外観及び金型汚れ:上記連続成形において 5 0 0及ぴ 7 0 0ショット 経過後のパッケージ及び金型について、 目視で汚れを評価した。 パッケージ外 観及び金型汚れの判定基準は、 7 0 0ショットまで汚れていないものを◎で、 5 0 0ショットまで汚れていないものを〇で、 5 0 0ショッ-トまでに汚れが発 生したものを Xとした。
金線変形:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度 1 7 5°C、圧力 9. 3MPa、 硬化時間 1 2 0秒で、 1 6 0 p L Q F P ( P P Fフレーム、 ノ ッケー ジサイズ 2 4 mmX 24 mmX 1. 4 mm, チップサイズ 7. OmmX 7. 0m m、 金線の太さ 2 5 μ m、 金線の長さ 3 mm)を成形した。 パッケージ成形した 1 6 0 p Q F Pパッケージを軟 X線透視装置で観察し、 金線の変形率を(流れ 量) Z (金線長)の比率で算出した。 判定基準は、 変形率 4%以下のものを〇、 変 形率 4%を超えるものを Xとした。
半田耐熱性:上記連続成形性の評価において成形したパッケージを、 1 7 5 °C 8時間で後硬化し、 8 5。C、 相対湿度 8 5 %で 1 6 8時間加湿処理後、 2 6 0°Cの半田槽にパッケージを 1 0秒間浸漬した。 顕微鏡でパッケージを観 察し、 クラック発生率 [(クラック発生率) (外部クラック発生パッケージ数) /(全パッケージ数) X 1 0 0]を算出した。 単位は%。 評価したパッケージの数 は 1 0個。 また、 半導体素子とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面の密着状 態を超音波探傷装置により観察した。 評価したパッケージの数は 1 0個。 耐半 田クラック性判断基準は、 クラック発生率が 0%で、 かつ剥離なし:〇、 クラ ックもしくは剥離が発生したものは Xとした。
実施例 2〜: 1 3、 比較例 1 3
第 1表、 第 2表及び第 3表の配合に従い、 実施例 1と同様にしてエポキシ樹 脂組成物を得て、 実施例 1と同様にして評価した。 結果を第 1表、 第 2表及ぴ
第 3表に示す。
実施例 1以外で用いた原材料を以下に示す。
E- 2.:式(5)で表されるビフヱ;ル型エポキシ樹脂 [ジャパンエポキシレ ジン(株)製、 YX— 4000、 エポキシ当量 185 g/e q、 融点 105°C]
H— 2 :式(6)で表されるパラキシリレン変性ノボラック型フエノール樹脂 [三井化学 [株]製、 XLC— 4L、 水酸基当量 168 gZe q、 軟化点 62 °C]
溶融反応物 A: ビスフエノール A型エポキシ樹脂 [ジャパ エポキシレジン 製、 YL— 6810、 エポキシ当量 1 70 g/e q、 融点 47 °C] 66. 1重量 部を 140 °Cで加温溶融し、ブタジエン 'アタリロニトリル共重合体 1 [宇部興 産(株)製、 HY CAR CTBN 1008— S P ] 33. 1重量部及ぴトリフ ェニルホスフ-イン 0.8重量部を添加して、 30分間溶融混合して溶融反応物 A を得た。
ブタジエン ·アタリロニトリル共重合体 2 :—般式(1)のブタジエン ·ァク リロニトリル共重合体 [—般式(1)において x = 0.82、 y = 0. 18、 zの平 均値は 62、 数平均分子量 3550、 力ルポキシル基当量 2200 g / e q、 ナトリウムイオン量 5 p pm、 塩素イオン量 200 p p m、 酸化防止剤として AG I R I丁£製0 e 1 t r o 1 (有機リン系酸化防止剤)含有]
ブタジエン ·ァクリロ二トリル共重合体 3 :—般式(1)のブタジエン ·ァク リ ロニトリル共盍合体 [一般式(1)において x = 0.82、 y = 0. 18、 zの平 均値は 62、 数平均分子量 3550、 カルボキシル基当量 2200 g/e q,
ナトリゥムイオン量 5 0 0 p p m、 塩素ィオン量 1 5 0 0 p p m、 酸化防止剤 として 4, 6—ジ一 tert プチルフヱノール(非リン系酸化防止剤)含有] ブタジエン .アタリロニトリル共重合体 4 :一般式(1)のブタジエン ·ァク リロ -トリル共重合体 [一般式(1)において χ = 0. 8 2、 y = 0. 1 8、 zの平 均値は 6 2、 数平均分子量 3 5 5 0、 カルボキシル基当量 2 2 0 0 gZe q、 ナトリウムイオン量 5 p pm、 S素イオン量 2 0 0 p p m、 酸化防止剤無し] オルガノポリシロキサン 1 :式(7)で示されるオルガノポリシロキサン
H00CH56C28一 C28H56C00H (つ )
オルガノポリシロキサン 2 :式( 8 )で示されるオルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサン 3 :式(9)で示されるオルガノポリシロキサン
HOOCHpnC-i o C10H20COOH
オルガノポリシロキサン 4 :式(1 0)で示されるオルガノポリシ口キサン
1 溶融反応物 B : ビスフエノール A型エポキシ樹脂 [ジャパンエポキシレジン 製、 YL— 6810、 エポキシ当量 70 gZ
e q、 融点
4 7°
C]
6 6· 丄重量 部を 140 °Cで加温溶融し、オルガノポリシロキサン 3 [式(
9 )で示されるオル ガノポリシロキサン] 33. 1重量部及びトリフエニルホスフィン
0·
8重量部 を添加して、 30分間溶融混合して溶融反応物 Bを得た。
第 3表
本発明のエポキシ樹脂組成物は、 低吸湿、 低応力性に優れた特性を有してお り、 これを用いて半導体素子を成形封止する時の離型性、 連続成形性に優れ、 且つリードフレーム、特にメツキを施された銅リードフレーム(銀メツキリード フ.レーム、 ニッケ メツキリードフレーム、 ニッケルノパラジウム合金に金メ ツキが施されたプレブリーティングフレーム等)との密着性に優れており、耐半 田リブロー性に優れた半導体装置を得ることができるため、 無鉛半田を用いて 表面実装を行う半導体装置に好適に用いることができる。