JP2005272739A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸湿後の半田処理においてNi含有リードフレームとの剥離が発生しない耐半田性に優れるエポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供すること。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材及び(E)o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、好ましくは上記o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを全エポキシ樹脂組成物に対して0.005〜2重量%の割合で含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、並びにこれらのエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材及び(E)o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、好ましくは上記o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを全エポキシ樹脂組成物に対して0.005〜2重量%の割合で含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、並びにこれらのエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
Description
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
近年、半導体装置は生産性、コスト、信頼性等のバランスに優れることからエポキシ樹脂組成物を用いて封止されるのが主流となっている。半導体装置の表面実装化により半導体装置が半田浸漬あるいは半田リフロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸水した水分が爆発的に気化する際の応力によって、半導体素子、リードフレーム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分とエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面で剥離が生じたり、半導体装置にクラックが発生し信頼性が著しく低下する問題が生じている。
半田処理による信頼性低下を改善するために、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の充填量を増加させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し耐半田性を向上させるとともに、低溶融粘度の樹脂を使用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法が一般的となりつつある。
一方、半田処理後の信頼性において、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部に存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界面の接着性は非常に重要になってきている。界面での接着力が弱いと半田処理後の基材との界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発生する。
従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリング剤をエポキシ樹脂組成物中に添加し、基材との界面の接着性向上を図る検討がなされてきた。しかし近年、実装時のリフロー温度の上昇や、鉛フリーハンダに対応しNi、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプリプレーティングフレームの出現等、益々厳しくなっている耐半田性に対する要求に対して、これらのシランカップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
その対処法として、アルコキシシランカップリング剤によりリードフレームの表面処理をする方法(例えば、特許文献1参照。)やチアゾール系、スルフェンアミド系、及びチウラム系化合物を添加した樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、前者のシランカップリング剤は、熱時安定性が悪く耐半田処理において密着向上効果が低下する欠点があり、また、後者の化合物は金もしくは銀メッキされたフレームに対しては効果があるが、Niを主要成分としたフレームに対しては効果が出にくいことが問題とされてきた。
一方、半田処理後の信頼性において、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部に存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界面の接着性は非常に重要になってきている。界面での接着力が弱いと半田処理後の基材との界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発生する。
従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリング剤をエポキシ樹脂組成物中に添加し、基材との界面の接着性向上を図る検討がなされてきた。しかし近年、実装時のリフロー温度の上昇や、鉛フリーハンダに対応しNi、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプリプレーティングフレームの出現等、益々厳しくなっている耐半田性に対する要求に対して、これらのシランカップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
その対処法として、アルコキシシランカップリング剤によりリードフレームの表面処理をする方法(例えば、特許文献1参照。)やチアゾール系、スルフェンアミド系、及びチウラム系化合物を添加した樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、前者のシランカップリング剤は、熱時安定性が悪く耐半田処理において密着向上効果が低下する欠点があり、また、後者の化合物は金もしくは銀メッキされたフレームに対しては効果があるが、Niを主要成分としたフレームに対しては効果が出にくいことが問題とされてきた。
本発明は、吸湿後の半田処理においてNi含有リードフレームとの剥離が発生しない耐半田性に優れたエポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供するものである。
本発明は、
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質
充填材、及び(E)o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2] 前記のo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドが、全エポキシ樹脂組成物に対して0.005〜2重量%の割合で含有される第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 第[1]又は[2]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質
充填材、及び(E)o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2] 前記のo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドが、全エポキシ樹脂組成物に対して0.005〜2重量%の割合で含有される第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 第[1]又は[2]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明のエポキシ樹脂組成物はリードフレームとの密着強度が強く、これを用いて得られる半導体装置は、半田処理に対する信頼性に優れている。
本発明は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機質充填材、及びo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることにより、吸湿後の半田処理においてNi含有リードフレームとの剥離が発生しない耐半田性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、例えば、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても2種類以上併用してもよい。
本発明に用いられるフェノール樹脂は、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、ビスフェノール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのフェノール樹脂は単独で用いても2種類以上併用してもよい。
全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.7〜1.5である。上記範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下する可能性がある。
全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.7〜1.5である。上記範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下する可能性がある。
本発明に用いられる硬化促進剤は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応の触媒となり得るものであり、例えば、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は単独で用いても2種類以上併用してもよい。
本発明に用いられる無機質充填材としては、一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの無機質充填材は単独で用いても2種類以上併用してもよい。
無機質充填材の配合量を多くする場合、溶融シリカを用いるのが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に溶融球状シリカの配合量を多くするためには、溶融球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。無機質充填材は、予めシランカップリング剤等で表面処理されているものを用いてもよい。
無機質充填材の配合量を多くする場合、溶融シリカを用いるのが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に溶融球状シリカの配合量を多くするためには、溶融球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。無機質充填材は、予めシランカップリング剤等で表面処理されているものを用いてもよい。
本発明で用いられるo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドは、式(1)に例示するような硫黄原子及び窒素原子を有する化合物である。o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドは樹脂組成物とNiフレーム表面との親和性を改善し、界面の剥離を抑える効果があるため、樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止してなる半導体装置の耐湿信頼性、耐リフロークラック性を改善させる役割を果たす。従って、半導体装置の信頼性が向上する。
本発明で用いられるo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドの添加量は、全エポキシ樹脂組成物に対して、0.005〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1重量%である。上記下限値を下回ると、フレームとの密着性を向上させる効果が低下する可能性がある。また、上記上限値を超えると、樹脂組成物の流動性が低下し、耐半田性が低下する可能性がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機質充填材、硬化促進剤、及びo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドの他、必要に応じて、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機質充填材、硬化促進剤、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、及びその他の添加剤等を、ミキサーを用いて混合後、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクショ
ンモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクショ
ンモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合単位は重量部とする。
実施例1
実施例1
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
0.2重量部
溶融球状シリカ(マイクロン製、平均粒径28μm) 85.0重量部
0.2重量部
溶融球状シリカ(マイクロン製、平均粒径28μm) 85.0重量部
カルナバワックス 0.2重量部
カーボンブラック 0.3重量部をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
カーボンブラック 0.3重量部をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。80cm以下であるとパッケージ未充填などの成形不良が生じる。
密着強度:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、リードフレーム上に2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。リードフレームには42alloyフレーム(42alloyとはNi42%、Fe58%を主成分とする合金である。以下、フレーム1とする。)とNiPd合金フレームに金メッキしたもの(以下、フレーム2とする。)の2種類を用いた。その後、自動せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレームとのせん断強度を測定した。10個の試験片のせん断強度の平均値を表1に示す。単位はN/mm2。
耐半田性:80ピンQFPパッケージ(パッケージサイズは24×24mm、厚み2.0mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは80pin42alloyフレーム。)を、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間120秒の条件でトランスファー成形し、175℃で8時間の後硬化をした。得られたパッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した。その後このパッケージ20個を260℃の半田槽に10秒間浸漬した。半田に浸漬させたパッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、チップ(SiNコート品)及びインナーリードとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した剥離発生率[(剥離発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。剥離発生率が10%以下であれば、信頼性が高いと考えられる。
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。80cm以下であるとパッケージ未充填などの成形不良が生じる。
密着強度:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、リードフレーム上に2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。リードフレームには42alloyフレーム(42alloyとはNi42%、Fe58%を主成分とする合金である。以下、フレーム1とする。)とNiPd合金フレームに金メッキしたもの(以下、フレーム2とする。)の2種類を用いた。その後、自動せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレームとのせん断強度を測定した。10個の試験片のせん断強度の平均値を表1に示す。単位はN/mm2。
耐半田性:80ピンQFPパッケージ(パッケージサイズは24×24mm、厚み2.0mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは80pin42alloyフレーム。)を、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間120秒の条件でトランスファー成形し、175℃で8時間の後硬化をした。得られたパッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した。その後このパッケージ20個を260℃の半田槽に10秒間浸漬した。半田に浸漬させたパッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、チップ(SiNコート品)及びインナーリードとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した剥離発生率[(剥離発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。剥離発生率が10%以下であれば、信頼性が高いと考えられる。
実施例2〜4、比較例1〜3
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。これらの結果を表1に示す。用いたエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の詳細は表2に示す。また、比較例3で用いた2−(4'−モルホリノジチオ)ベンゾチア
ゾールの化学構造式については下記に示す。
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。これらの結果を表1に示す。用いたエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の詳細は表2に示す。また、比較例3で用いた2−(4'−モルホリノジチオ)ベンゾチア
ゾールの化学構造式については下記に示す。
実施例1〜2により、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを添加したエポキシ樹脂組成物は、樹脂の種類に関わらず42alloyリードフレームとの親和性が向上し、パッケージ信頼性に優れているという結果が得られた。また、実施例3、4はo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを少量もしくは多量に添加した系であるが、スパイラルフローも低下せずに信頼性の向上は可能である。比較例1、2はo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを添加しない系であるが、樹脂の種類に関わらずパッケージ信頼性が低い結果が得られた。比較例3は2−(4'−モルホリノジチオ)
ベンゾチアゾールを用いたものであるが、パッケージ信頼性が低い結果が得られた。
ベンゾチアゾールを用いたものであるが、パッケージ信頼性が低い結果が得られた。
本発明のエポキシ樹脂組成物はリードフレームとの密着強度が強く、これを用いて得られた半導体装置は半田処理に対する信頼性に優れるため、各種の樹脂封止型半導体装置に広く用いることができる。特に樹脂組成物の硬化物とメッキを施された銅リードフレーム(銀メッキリードフレーム、ニッケルメッキリードフレーム、ニッケル/パラジウム合金に金メッキが施されたプレプリーティングフレーム等)との密着性を向上させる効果が顕著であるため、メッキ付きリードフレームを使用する半導体装置に好適に用いることができる。
Claims (3)
- (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材、及び(E)o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドを必須成分とすることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 前記のo,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドが全エポキシ樹脂組成物に対して0.005〜2重量%の割合で含有される請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004090712A JP2005272739A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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Publications (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008214433A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Hitachi Chem Co Ltd | 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
JP2009249597A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Hitachi Chem Co Ltd | 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
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WO2017099046A1 (ja) * | 2015-12-07 | 2017-06-15 | 住友精化株式会社 | 固結防止剤を含む組成物 |
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-
2004
- 2004-03-26 JP JP2004090712A patent/JP2005272739A/ja active Pending
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