JP2005132890A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リードフレームへの密着強度が高く、耐半田性に優れるエポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供すること。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材及び(E)2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、より好ましくは前記2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを樹脂組成物に対して0.004〜2重量%の割合で含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、並びにこれらを用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材及び(E)2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、より好ましくは前記2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを樹脂組成物に対して0.004〜2重量%の割合で含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、並びにこれらを用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
Description
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
近年、半導体装置は生産性、コスト、信頼性等のバランスに優れることからエポキシ樹脂組成物を用いて封止されるのが主流となっている。半導体装置の表面実装化により半導体装置が半田浸漬あるいは半田リフロー工程で急激に200℃以上の高温にさらされ、吸水した水分が爆発的に気化する際の応力によって、半導体素子、リードフレーム、インナーリード上の各種メッキされた各接合部分とエポキシ樹脂組成物の硬化物の界面で剥離が生じたり、半導体装置にクラックが発生し信頼性が著しく低下する問題が生じている。
半田処理による信頼性低下を改善するために、エポキシ樹脂組成物中の無機充填材の充填量を増加させることで低吸湿化、高強度化、低熱膨張化を達成し耐半田性を向上させるとともに、低溶融粘度の樹脂を使用して、成形時に低粘度で高流動性を維持させる手法が一般的となりつつある。
一方、半田処理後の信頼性において、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部に存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界面の接着性は非常に重要になってきている。界面での接着力が弱いと半田処理後の基材との界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発生する。
従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物中に添加されてきた。しかし近年、実装時のリフロー温度の上昇や、鉛フリーハンダに対応し、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプリプレーティングフレームの出現等、益々厳しくなっている耐半田性に対する要求に対して、これらのシランカップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
その対処法として、アルコキシシランカップリング剤によりリードフレームの表面処理をする方法(例えば、特許文献1参照。)やトリアジン化合物を添加した樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、前者のシランカップリング剤は、熱時安定性が悪く耐半田処理において密着向上効果が低下する欠点があり、また、後者の化合物は樹脂との反応性が低いために密着付与剤としての効果が少ないことがわかっていた。
一方、半田処理後の信頼性において、エポキシ樹脂組成物の硬化物と半導体装置内部に存在する半導体素子やリードフレーム等の基材との界面の接着性は非常に重要になってきている。界面での接着力が弱いと半田処理後の基材との界面で剥離が生じ、更にはこの剥離に起因し半導体装置にクラックが発生する。
従来から耐半田性の向上を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のシランカップリング剤がエポキシ樹脂組成物中に添加されてきた。しかし近年、実装時のリフロー温度の上昇や、鉛フリーハンダに対応し、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプリプレーティングフレームの出現等、益々厳しくなっている耐半田性に対する要求に対して、これらのシランカップリング剤だけでは充分に対応できなくなっている。
その対処法として、アルコキシシランカップリング剤によりリードフレームの表面処理をする方法(例えば、特許文献1参照。)やトリアジン化合物を添加した樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、前者のシランカップリング剤は、熱時安定性が悪く耐半田処理において密着向上効果が低下する欠点があり、また、後者の化合物は樹脂との反応性が低いために密着付与剤としての効果が少ないことがわかっていた。
本発明は、半田処理においてリードフレームとの剥離が発生しない信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物、及び半導体装置を提供するものである。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)硬化促進剤、(D)無機質充填材及び(E)一般式(1)で表される2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[2]前記一般式(1)で表される化合物が、樹脂組成物に対して0.004〜2重量%の割合で含有される第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3]第[1]又は[2]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
[3]第[1]又は[2]項記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて得られた半導体装置は、リードフレームとの密着強度が強く、信頼性に優れている。
本発明は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機質充填材及び2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを含むことにより、半田処理においてリードフレームとの剥離が発生しない信頼性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定するものではないが、例えば、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても併用してもよい。
半導体装置の耐半田性を向上させることを目的に、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の配合量を増大させ、得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物の低吸湿化、低熱膨張化、高強度化を達成させる場合には、常温で結晶性を示し融点を越えると極めて低粘度の液状となる結晶性エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に30重量%以上用いることが特に好ましい。
半導体装置の耐半田性を向上させることを目的に、エポキシ樹脂組成物中の無機質充填材の配合量を増大させ、得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物の低吸湿化、低熱膨張化、高強度化を達成させる場合には、常温で結晶性を示し融点を越えると極めて低粘度の液状となる結晶性エポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中に30重量%以上用いることが特に好ましい。
本発明に用いられるフェノール樹脂としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、ナフトールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格等を有する)、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、ビスフェノール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのフェノール樹脂は単独で用いても2種類以上併用してもよい。
全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2.0、特に好ましくは0.7〜1.5である。上記範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下する可能性がある。
全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基との当量比としては、好ましくは0.5〜2.0、特に好ましくは0.7〜1.5である。上記範囲を外れると、硬化性、耐湿信頼性等が低下する可能性がある。
本発明に用いられる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との架橋反応の触媒となり得るものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用いることができる。例えばトリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は単独で用いても併用してもよい。
本発明に用いられる無機質充填材としては、一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に使用されているものを用いることができ、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。これらの無機質充填材は単独でも併用してもよい。
無機質充填材の配合量を多くする場合、溶融シリカを用いるのが一般的である。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に溶融球状シリカの配合量を多くするためには、溶融球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。無機質充填材は、予めシランカップリング剤等で表面処理されているものを用いてもよい。
無機質充填材の配合量を多くする場合、溶融シリカを用いるのが一般的である。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に溶融球状シリカの配合量を多くするためには、溶融球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが望ましい。無機質充填材は、予めシランカップリング剤等で表面処理されているものを用いてもよい。
本発明で用いられる2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンは、下記一般式(1)に示すとおりトリアジンチオール構造を有する化合物であり、樹脂組成物の硬化物とリードフレームとの密着性を向上させ、ひいては樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止してなる半導体装置の耐湿信頼性、耐リフロークラック性を改善させる役割を果たす。トリアジンチオール構造を有する化合物は、特に樹脂組成物の硬化物とメッキを施された銅リードフレーム(銀メッキリードフレーム、ニッケルメッキリードフレーム、ニッケル/パラジウム合金に金メッキが施されたプレプリーティングフレーム等)との密着性を向上させる効果が顕著であるため、上記リードフレームを用いた時に、半導体装置の信頼性が大幅に向上する。
2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンの配合量については特に限定するものではないが、樹脂組成物全体に対して0.004〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。上記の下限値を下回ると、樹脂組成物の硬化物とリードフレームとの密着性を向上させる効果が不充分となり、ひいては樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止してなる半導体装置の耐湿信頼性、耐リフロークラック性を改善させる効果が不充分となる恐れがあるので好ましくない。また、上記の上限値を超えると、樹脂組成物の流動性が低下する恐れがあるので好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填材、硬化促進剤及び2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンの他、必要に応じて、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機充填材、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて混合後、ロール、ニーダー、押出機等の混練機で加熱混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合単位は重量部とする。
実施例1
実施例1
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
0.2重量部
溶融球状シリカ(平均粒径28μm) 85.0重量部
0.2重量部
溶融球状シリカ(平均粒径28μm) 85.0重量部
カルナバワックス 0.2重量部
カーボンブラック 0.3重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
カーボンブラック 0.3重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。
密着強度:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、リードフレーム上に2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。リードフレームには銅フレームに銀メッキしたもの(フレーム1)とNiPd合金フレームに金メッキしたもの(フレーム2)の2種類を用いた。その後、自動せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレームとのせん断強度を測定した。10個の試験片のせん断強度の平均値を表1に示す。単位はN/mm2。
耐半田性:176ピンLQFPパッケージ(パッケージサイズは24×24mm、厚み2.0mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは176pinプリプレーティングフレーム、NiPd合金にAuメッキ加工したもの。)を、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間120秒の条件でトランスファー成形し、175℃で8時間の後硬化をした。得られたパッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した。その後このパッケージを260℃の半田槽に10秒間浸漬した。半田処理を行ったパッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、チップ(SiNコート品)とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した剥離発生率[(剥離発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。
密着強度:トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒の条件で、リードフレーム上に2mm×2mm×2mmの密着強度試験片を1水準当たり10個成形した。リードフレームには銅フレームに銀メッキしたもの(フレーム1)とNiPd合金フレームに金メッキしたもの(フレーム2)の2種類を用いた。その後、自動せん断強度測定装置(DAGE社製、PC2400)を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレームとのせん断強度を測定した。10個の試験片のせん断強度の平均値を表1に示す。単位はN/mm2。
耐半田性:176ピンLQFPパッケージ(パッケージサイズは24×24mm、厚み2.0mm、シリコンチップのサイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは176pinプリプレーティングフレーム、NiPd合金にAuメッキ加工したもの。)を、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間120秒の条件でトランスファー成形し、175℃で8時間の後硬化をした。得られたパッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した。その後このパッケージを260℃の半田槽に10秒間浸漬した。半田処理を行ったパッケージを超音波探傷装置を用いて観察し、チップ(SiNコート品)とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した剥離発生率[(剥離発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。
実施例2〜4、比較例1〜3
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。これらの結果を表1に示す。用いたエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の詳細は表2に示す。
また、比較例3では、2−アミノ−4、6−ジメルカプト−s−トリアジンの替わりに式(5)で示される2−ジブチルアミノ−4,6−メルカプト−s−トリジンを用いた。
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。これらの結果を表1に示す。用いたエポキシ樹脂およびフェノール樹脂の詳細は表2に示す。
また、比較例3では、2−アミノ−4、6−ジメルカプト−s−トリアジンの替わりに式(5)で示される2−ジブチルアミノ−4,6−メルカプト−s−トリジンを用いた。
実施例1により、2−[p−ヒドロキシフェニル]−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを添加したエポキシ樹脂組成物は、リードフレームとの密着強度が高く、また、信頼性に優れているという結果が得られた。また、実施例2により樹脂の種類により差はあるが2−ヒドロキシフェニル−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを添加することにより密着強度が大きくなっている。実施例3、4は添加量を変化させたものであるがいずれも密着強度が大きくなっている。比較例1,2は2−[p−ヒドロキシフェニル]−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを添加しない系であるが、樹脂の種類に関わらず密着強度が低く、かつ、信頼性も低い結果が得られた。比較例3は従来から用いられてきた2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン(式(5))を用いたものであるが、置換基の樹脂との反応性が低いために相溶性が不充分となり、密着強度と信頼性の結果が2−[p−ヒドロキシフェニル]−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンを添加した場合よりも劣る結果が得られた。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて得られた半導体装置は、リードフレームとの密着強度が強く、信頼性に優れることになるため、本発明のエポキシ樹脂組成物は各種の樹脂封止型半導体装置に広く用いることができる。特に樹脂組成物の硬化物とメッキを施された銅リードフレーム(銀メッキリードフレーム、ニッケルメッキリードフレーム、ニッケル/パラジウム合金に金メッキが施されたプレプリーティングフレーム等)との密着性を向上させる効果が顕著であるため、メッキ付きリードフレームを使用する半導体装置に好適に用いることができる。
Claims (3)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003368130A JP2005132890A (ja) | 2003-10-28 | 2003-10-28 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-10-28 JP JP2003368130A patent/JP2005132890A/ja active Pending
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CN108602984A (zh) * | 2016-01-29 | 2018-09-28 | 三星Sdi株式会社 | 用于密封半导体器件的环氧树脂组合物及通过使用其密封的半导体器件 |
CN108602984B (zh) * | 2016-01-29 | 2021-01-29 | 三星Sdi株式会社 | 用于密封半导体器件的环氧树脂组合物及通过使用其密封的半导体器件 |
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