WO2005040941A1 - 加熱部材、加熱部材表層の作製方法、定着部材、加熱装置、定着方法、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱部材、加熱部材表層の作製方法、定着部材、加熱装置、定着方法、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

明 細 書
加熱部材、加熱部材表層の作製方法、定着部材、加熱装置、定着方法、 定着装置及び画像形成装置
技術分野
[0001] 本発明は、加熱装置や定着装置に用いられ、被加熱部材を加熱する加熱部材、そ の加熱部材の表層の作製方法、前記加熱部材力 なりシート状の被加熱部材 (記録 材)の未定着画像を定着する定着部材、前記加熱部材を用いた加熱装置、前記定 着部材を用いて未定着画像を記録材に定着する定着方法及び定着装置、前記カロ 熱装置を用いて未定着画像を記録材に定着する定着方法及び定着装置に関するも のであり、より詳しくは、未定着画像を形成するトナーとの離型性を要する表層の加 熱効率の向上を図った加熱部材及び定着部材と、その加熱部材を用いた加熱装置 、その定着部材ゃ加熱装置を用いた定着方法及び定着装置に関する。
[0002] また、本発明は、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、印刷装置などの、画像形成 プロセスと転写プロセスを利用してシート状の記録材上に未定着画像を形成し、前記 の定着方法や定着装置を用いて未定着画像を記録材に定着する画像形成装置に 関する。
[0003] 更に本発明は、定着装置に通紙する紙が定着装置から抜け出る瞬間に、紙の後端 が定着ローラに強く接触し、定着ローラに線状の帯電域を残すことで画像に悪影響 を残すという現象の防止、また、定着ローラへのトナーの静電付着防止に関する。
[0004] 又、本発明は、定着ローラの最表面のトナーとの離型性を要する層の加熱効率の向 上に関する。
背景技術
[0005] 電子写真方式の画像形成装置の定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発さ れているが、現在最も一般的な方法は熱ローラによる圧着加熱方式である。
[0006] 加熱ローラ(定着ローラ)による圧着加熱方式の定着装置では、トナーに対し離型性 を有する材料 (主にフッ素榭脂)で表面を形成した定着ローラを用い、定着ローラの 表面にシート状の被加熱部材 (記録用紙、 OHPシート、葉書等の記録材)のトナー 像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行なうものである。
[0007] このような定着装置において、トナーとの離型性を要する定着ローラの最表面の層の 加熱効率の向上を図ったものが知られている。例えば、特許文献 1には、定着ローラ の表面をフッ素榭脂の粒子を混入したニッケル被膜で構成し、熱導電性を良くするこ とが提案されている。また、特許文献 2には、定着ローラ表面のフッ素榭脂中に炭素 繊維を入れて熱伝導率の向上を図ることが提案されている。また、特許文献 3には、 結晶化グラフアイトシートを用いて熱伝導率の向上を図った加熱ローラ及び定着装置 が提案されている。さらに、定着ローラに関するものではないが、特許文献 4には、高 熱伝導性複合体を形成するために、マトリックス榭脂中にフィラーを分散させて、融点 力 00°C以下の低融点金属または共晶合金によって網目状に形成された金属網を 介して上記フィラーを相互に連続的に溶着させているものが提案されている。また、 特許文献 5には、磁性体を用いて熱伝導性粉体を接触させて導電性シートを作製し たものが提案されている。さらに、電磁誘導加熱に関するものとして、特許文献 6には 、表面発熱層として、表面に薄いフッ素コートをした厚さ 0. 3mmの磁性を有する SU S403でなる薄肉導電層を有する発熱ローラが記載されているが、通常、離型性、耐 久性を維持するために 20乃至 30 m程度のフッ素コート層が必要で、これが伝熱 効率を落とす原因となる。また、特許文献 7には、潤滑性発熱層が電磁誘導発熱層と して機能すると共に、加熱部材としての円筒状の定着フィルムの内周面の潤滑性を 向上させることが記載されている。また、特許文献 8には、コイルのローラ部材への接 触による漏電を防止し、安全性に優れた加熱ローラ及びローラ加熱装置を提供する ことが記載されている。
[0008] 特許文献 9には、フッ素榭脂に、このフッ素榭脂の焼成温度以下でかつローラ使用 温度以上の融点を有する金属粉を体積比で 0.5乃至 40%配合し非帯電性とすること が提案されている (熱伝導性の向上目的ではない)。特許文献 10には、ローラの表 面層として金属粉末を分散含有する榭脂被覆層を設けることが提案されている。特 許文献 11には、 3次元のテトラポット状の導電性のウイスカを添加して分散させ、ウイ スカによりローラ表面と各ローラのシャフトが電気的に導通してローラ表面の電荷を有 効に除電することが提案されている (実施例中で熱伝導性向上にも触れている)。特 許文献 12では金属ローラ表面に非粘着離型性榭脂層を被覆した定着ローラにおい て、前記榭脂層がフレーク状金属を含有するものが提案されている。
[0009] 特許文献 13では、適正な定着部材の電圧を離型層と芯金の間のプライマー層に力 一ボンブラックを含有させ、あるいは、定着ローラにバイアス電圧を印加することにより 電圧を維持し、トナーの静電付着防止に、帯電したローラによる画像乱れを防いでい る。特許文献 14は中間転写体に関するものである力 この構成では電位コントロー ルのためにバリスタ粉末をベルト中に分散させている。特許文献 15は、入口ガイドの 転写紙対向面に導電性部としての導電性マイラを接着し、更にその上に非導電性シ ート部としての絶縁性マイラを接着する構成を開示している。更に、導電性マイラ〖こ 導電性部バイアス印加手段として電源から + 2 [KV]の定電圧ノ ィァスを印加する構 成が開示されている。これによつて、入口ガイドに転写紙が近接もしくは接触すること により生じる恐れのある転写紙全面でのトナーチリの発生を防止することを提案して いる。
[0010] 特許文献 16には、連通孔を有する金属多孔体に、ポリマーまたはセラミックスを被覆 、含浸、充填、積層またはこれらの 2種以上の組み合わせ力 なる方法により複合ィ匕 することを特徴とする誘導発熱体の製造方法が開示されている。
[0011] しかしながら、上記特許文献 1に記載の発明は、ニッケル被膜にフッ素榭脂の粒子を 混入させているだけなので、定着ローラ表面の離型性が悪ぐオフセットが発生して 画像を汚してしまう恐れがある。また、電磁誘導を利用した加熱方式では、渦電流が 流れる必要があるため絶縁体で分離された電気伝導体では十分な発熱を期待出来 ず、本発明の目的に用いることはできない。上記特許文献 2に記載の発明では、炭 素繊維の混入過多は、離型性を阻害することが述べられており、熱伝導率の向上に も限界がある。上記特許文献 3に記載の発明では、離型性を確保するために結晶化 グラフアイトシートの上に離型層が必要であり、熱伝導率の向上にも限界がある。上 記特許文献 4に記載の発明では、単に高熱伝導性複合体を形成して!/ヽるだけである ので、定着ローラの最重要特性であるトナーとの離型性を持たず、すぐトナーが固着 してしまうため、定着ローラに用いることができない。上記特許文献 5に記載の発明の ように磁性を用いた方法では、磁場発生源の近くに磁性粒子が凝集しやすい。その ためこの方式を離型層に応用しょうとすると離型性が必要な表面に離型性の悪い磁 性粒子が集中することになり、離型性を確保できないため、定着ローラに用いること ができない。上記特許文献 6に記載の発明では、耐久性を維持するために 20乃至 3 O /z m程度のフッ素コート層が必要で、これが伝熱効率を落とすため、通常のハロゲ ンランプのものと性能が近くなる。上記特許文献 7に記載の発明では、発熱層が内側 にあるため伝熱効率が悪ぐ連続通紙時は、熱の供給が間に合わず、立ち上げ時は 、最表面の温度が上がるのに時間が力かるという問題がある。
[0012] 上記特許文献 9の構成は、熱伝導性の向上に必要な金属の体積比は非帯電性に必 要な体積比よりも多ぐまた溶融した金属はフッ素榭脂にはぬれにくいため熱伝導性 の向上に必要な体積比で添加すると金属同士が凝集してしまい冷却後は粒径の大 きな金属粒となってしまう。このため粒径の大きな金属粒が露出すると、その上にトナ 一が付着し易くなり、オフセットが発生してしまう恐れがある。特許文献 10の構成は、 金属粉末を単純に添加するだけではフッ素榭脂の断熱領域があるため十分な熱伝 導性を得ようとすると配合量を多くする必要があり離型性を損なう。オフセットが発生 してしまう恐れがある。特許文献 11の構成は、単純に添加するだけではゥイス力間に フッ素榭脂の断熱領域があるため十分な熱伝導性を得ようとすると配合量を多くする 必要があり離型性を損なう。オフセットが発生してしまう恐れがある。特許文献 12の構 成は、金属フレークを単純に添加するだけではフッ素榭脂の断熱領域があるため十 分な熱伝導性を得ようとすると配合量を多くする必要があり離型性を損なう。オフセッ トが発生してしまう恐れがある。
[0013] 特許文献 13の構成では、最表面に高抵抗の部分が残るためどうしても帯電電圧の 高い部分が残り、これがトナーチリを引き起こす。特許文献 14の構成では、バリスタ 粉末を用いて電位コントロールを行う思想は同じであるが、定着部材と違い軟ィ匕した トナーの離型性を考慮する必要がなく十分なバリスタ粉末を分散させて目的を達する ことができる。従って、同様の構造を定着部材に適応すると軟化トナーの付着が起き てしまい使用できない。それに対し、本発明では、表面にでる無機粉末部分を極小 にして電位コントロールをすることを狙っている。特許文献 15の構成は、特許文献 13 の構成同様、部分的なトナーチリを防ぐことは難しい。 [0014] 特許文献 16の構成では、連通孔を有する金属多孔体を先に作製し、その隙間に榭 脂等を含浸するためローラ上、ベルト上で、融点の高い榭脂 (高粘度のため含浸しに くい)を用いて、均一な構造を作製することが困難である。
特許文献 1:実開平 1-164463号公報
特許文献 2:特開平 6-43776号公報
特許文献 3:特開 2001—117402号公報
特許文献 4:特開平 6— 196884号公報
特許文献 5:特開 2001—267480号公報
特許文献 6:特開 2001-5315号公報
特許文献 7:特開 2001— 6868号公報
特許文献 8 :特開平 10- 153918号公報
特許文献 9:特公平 07 - 036097号公報
特許文献 10 :特開平 02-047671号公報
特許文献 11 :特開 2002-91217号公報
特許文献 12 :特開平 04-067187号公報
特許文献 13:特開平 7-325498号公報
特許文献 14:特開 2002— 229346号公報
特許文献 15:特開 2004-145021号公報
特許文献 16 :特開平 10— 165311号公報
非特許文献 1 :斉藤信夫著、「導電性榭脂の実際技術」(株)シーエムシー、 p. 64(20 00)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] 電子写真方式の画像形成装置の定着工程において重要なことは、被加熱部材から 定着ローラ等の定着部材へのトナー粒子のオフセットが通常の操作中に生じないこと である。定着部材上へのトナー粒子のオフセットは、その後、装置の他の部分あるい は後のコピーサイクルでの被加熱部材 (記録材)上に転写することがあり、力べして地 汚れ (背景)を増大させるか、またはコピーする材料を干渉する。ここで、上記オフセ ットにはコールドオフセットとホットオフセットがある。
[0016] コールドオフセットとは、熱ローラ定着方式において、トナーと用紙との界面付近が充 分溶力されない場合、定着ローラとの接着力ゃ静電吸着力により、トナー画像の一部 が取り去られることであり、低温オフセットとも言う。また、これが起こるときのローラの 設定温度をコールドオフセット温度として 、る。
[0017] ホットオフセットとは、熱ローラ定着方式において、トナーが過加熱されトナーの凝集 力が定着ローラおよび用紙との接着力を下回った場合に、トナー層が分断して起こる オフセット現象をいい、高温オフセットとも言う。また、これが起こるときのローラの設定 温度をホットオフセット温度として 、る。
[0018] ホットオフセットは、トナーの温度上昇により、トナー粒子が液状ィ匕し溶融トナーの分 割が定着操作中に起
こる温度まで上昇し、トナーの一部が定着部材に残った場合に生ずる。ホットオフセ ット温度またはホットオフセット温度の低下は定着ローラの剥離特性の尺度であり、従 つて、低表面エネルギーを有して必要な剥離を与える定着ローラ表面を提供すること が望ましい。多くの材料は、連続使用において最初は良好な剥離特性を有して機能 するけれども、トナーのホットオフセットの結果として、紙繊維、紙片およびトナーによ り汚染されがちであり、そのため、定着ローラの表面エネルギーを増大させ剥離性能 を落とす原因となる。し力も、一旦、定着ローラの表面が汚染されると、ホットオフセッ ト温度は低下し始めて、トナー像を定着させるに必要な最低温度近ぐまたはそれ以 下のレベルにまでなることがあり、そのため、トナー像の不完全定着及びトナー像の 定着ローラへのオフセットの両方をもたらす。定着ローラが 1度汚染され始めると、汚 染物は、定着ローラに圧接する加圧ローラ (圧力ローラ)が一般に高表面エネルギー 材料を有するために、加圧ローラ側に移行する。そして加圧ローラに汚染物が移行し て付着すると、定着時に被加熱部材の裏面に汚染物が付着して裏汚れの原因となる 。このように、定着ローラ表面の離型性は、ホットオフセットを防止するための重要な 尺度となる。
[0019] また、定着ローラは、熱をトナーに渡す役目をしているため、発熱体からトナーまでの 熱伝達障害を最少にするように設定されることが重要である。 [0020] 一方、像定着時に転写材上のトナーが定着ローラに静電的に転移することに因る静 電ォフセットの発生力 従来から問題となっている。
[0021] 転写材と定着ローラの摩擦帯電によってもしくは転写材の転写電荷によって、転写材 上のトナーが定着ローラに引き寄せられる電界が生じ、トナーの一部が定着ローラ上 に転移してしまう。転移したトナーは定着ローラが一周した後転写材上に戻り、画像 上ゴーストとなってしま 、、これを静電オフセットと称する。
[0022] 静電オフセットには大きく分けて二つの出方があり、ここでは全面オフセットと剥離ォ フセットに分類する。全面オフセットは転写材、定着ローラが互いに摩擦帯電等で電 荷のやりとりをし、オフセット電界が定常的に発生するものであり、オフセットは画像全 体に連続的に出る。
[0023] 一方、剥離オフセットは転写材後端が定着器を抜けるときに転写材後端がはねて定 着ローラと強く接触しローラ長手に一直線に電位履歴を残し、この電位がオフセットを 発生させるものであり画像上では走査方向に一直線上に発生するため両者を判別 することができる。
[0024] またオフセットを発生させる電界を制御するためには定着ローラの抵抗値は低い方が 好ましいが、低すぎると転写電荷のリークという弊害が発生する。これは、転写材が保 持していた転写電荷が逃げることによって、トナーを転写材にひきつけておく力が弱 まり、結果として静電オフセットを引き起こしてしまう現象である。
[0025] これを防止するためには定着ローラの表面抵抗は 1 X 106ΩΖ口以上である必要が ある。これに対して、特許文献 1乃至 8の従来の加熱効率の向上を目的とした定着装 置では、加熱部材の表面抵抗が低すぎ、これは、転写材が保持していた転写電荷が 逃げることによって、トナーを転写材にひきつけておく力が弱まり、結果として静電ォ フセットを引き起こしてしまう問題を回避できな力つた。
[0026] 電子写真の定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されている力 現在最も 一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。加熱ローラによる圧着加熱 方式は、トナーに対し離型性を有する材料 (主にフッ素榭脂)で表面を形成した熱口 一ラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめること により定着を行うものである。定着工程において重要なことは支持体力ゝら定着機部材 へのトナー粒子のオフセットが通常の操作中に生じないことである。定着機部材上へ のトナー粒子のオフセットは、その後、装置の他の部分あるいは後のコピーサイクル での支持体上に転写することがあり、力べして地汚れを増大させる。いわゆる"ホットォ フセッド'はトナーの温度上昇により、トナー粒子が液状ィ匕し溶融トナーの分割が定着 操作中に起こる温度まで上昇しトナーの一部が定着機部材に残った場合に生ずる。 ホットオフセット温度またはホットオフセット温度の低下は定着ロールの剥離特性の尺 度であり、従って、低表面エネルギーを有して必要な剥離を与える定着表面を提供 することが望ましい。多くの材料は、連続使用において最初は良好な剥離特性を有し て機能するけれども、トナーのホットオフセットの結果として、紙繊維、紙片およびトナ 一により汚染されがちであり、そのため、ロールの表面エネルギーを増大させ剥離性 能を落とす。しかも、ー且、ロールが汚染されると、ホットオフセット温度は低下し始め てトナー像を定着させるに必要な最低温度近くまたはそれ以下のレベルにまでなるこ とがあり、そのため、トナー像の不完全定着およびトナー像の定着ロールへのトナー のオフセットの両方をもたらす。定着ロールが 1度汚染され始めると、汚染物は、加圧 ロールにも移行する。このように、離型性は、重要な尺度である。
[0027] また、定着ローラは、熱をトナーに渡す役目をしているため、発熱体からトナーまで、 熱伝達障害を最少にするように設定される。本発明では、離型層が、良熱伝導層で あるため、低熱伝導の従来フッ素榭脂材料で、起こるローラ表面の温度低下を小さく できる。そのため、連続通紙時、従来の画像形成装置で、表面温度低下の時に行わ れる、紙の通紙速度の減速等を行わずにすみ、安定した画像形成が可能となる。ま た、熱伝導率の向上は、未定着画像をローラの温度をどこまで下げて定着できるかと いうコールドオフセット温度の測定でも評価できる。
[0028] また、定着ローラは、紙や加圧ローラと摩擦するため通常負に帯電しやすい。この帯 電により主に 3つの現象が誘起される。
[0029] 1.装置内に浮遊する負帯電トナーを遠ざける。逆に、定着ローラを導電性にして、ァ ースに落とすと静電塗装の原理で、定着ローラにトナーが付着しトナー固着などが起 こりやすくなる。
[0030] 2.紙上の未定着トナーを散らばらせる。いわゆるトナーチリが発生する。これによる 画質劣化が発生する。
[0031] 3.定着ローラに紙を巻き付力せる。静電気力により紙が分離しに《なり、ジャム発生 の要因となる。
[0032] これらの内、負帯電が強いと 2.と 3.のような不具合が発生する。適正な電位は、紙の 線速とう多くの要因により決まってくる力 一定の電圧に定着ローラ全面でコントロー ルできることが望ましい。このように、本発明では、フッ素榭脂と電流を流す部分を 3 次元的に分離させ、機能分離を行い、表面の離型性に依存するホットオフセットを防 ぎながら、定着ローラの電位コントロールを表面の微細な部分まで行うことを目的とし ている。
[0033] また、定着ローラは、熱をトナーに渡す役目をしているため、発熱体からトナーまで、 熱伝達障害を最少にするように設定される。本発明では、離型層が、発熱層、熱伝 導層を兼ねているため非常に装置の立ち上げ時間を短くできる。通常用いられる画 質向上のためのシリコンゴム等を発熱部より奥に配置できるため、加熱のタイムラグを 極小にすることができる。通常の構成では、離型性を確保するために、必須のフッ素 榭脂は、熱伝導率が低いため加熱効率低下になるが本発明ではこの点非常に有利 である。
[0034] そこで、本発明は、離型性と電気伝導性、詳しくは、誘導加熱性を満たす定着部材を 提供し、それを用いた加熱装置を提供することを目的として!ヽる。
[0035] 本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、表層の離型性を保ちながら熱伝導性 または電気伝導性の良好な加熱部材を提供することを目的とする。より詳しくは、離 型性を損なわずに榭脂表層に熱伝導性または電気伝導性を与え、加熱効率を向上 した加熱部材を提供することを目的とする。また、本発明は、離型性を損なわずに榭 脂表層に熱伝導性または電気伝導性を与えることができる加熱部材表層の作製方 法を提供することを目的とする。さらに本発明は、上記の加熱部材を用い、通常のヒ ータ加熱において加熱効率を向上した定着部材を提供することを目的とする。また、 本発明は、上記の加熱部材を用い、電磁誘導加熱での加熱効率を向上した定着部 材を提供することを目的とする。さらに本発明は、上記の加熱部材を用い、電磁誘導 加熱での加熱効率を向上した回転体を備えた加熱装置を提供することを目的とする 。さらに本発明は、上記の定着部材または加熱装置を用いて、トナーとの離型性向 上を計ることができ、ワックスや離型剤の離型性の限界以内で定着することができ、 定着時の加熱効率も向上することができる定着方法及び定着装置を提供することを 目的とする。さらに本発明は、上記の定着方法または定着装置を用いて、高耐久、高 画質、省エネの特性を持った画像形成装置を提供することを目的とする。
[0036] 又、表層の離型性を保ちながら熱伝導性および抵抗制御性の良好な加熱部材を提 供することを目的とする。より詳しくは、離型性を損なわずに榭脂表層に熱伝導性ま たは与え、かつ中抵抗として加熱効率を向上し静電オフセットと剥離オフセットも防ぎ うる加熱部材を提供することを目的とする。
[0037] 更に、上記の加熱部材を用い、通常のヒータ加熱において加熱効率を向上した定着 部材を提供することを目的とする。
[0038] 更に、上記の加熱部材を用い、電磁誘導加熱での加熱効率を向上した定着部材を 提供することを目的とする。
[0039] 更に、離型性を損なわずに榭脂表層に熱伝導性および中抵抗を与えることができる 加熱部材表層の作製方法を提供することを目的とする。
[0040] 更に、上記の加熱部材を用い、電磁誘導加熱での加熱効率を向上した回転体を備 えた加熱装置を提供することを目的とする。
[0041] 更に、上記の定着部材または加熱装置を用いて、トナーとの離型性向上を計ることが でき、ワックスや離型剤の離型性の限界以内で定着することができ、定着時の加熱効 率も向上することができる定着方法及び定着装置を提供することを目的とする。
[0042] 更に、上記の定着方法または定着装置を用いて、高耐久、高画質、省エネの特性を 持った画像形成装置を提供することを目的とする。
[0043] 更に、本発明は、定着熱効率を上げる画像形成の生産性を向上することができる定 着部材を提供することを目的として 、る。
[0044] より具体的には、少ない熱良導体添加で、伝熱特性の良好な定着部材を提供し効率 のよ!、定着装置を得ることを目的とする。
[0045] 又、少な ヽ熱良導体添加で、伝熱特性の良好な定着部材を提供し効率のよ!、定着 装置を得ることを目的とする。 [0046] 更に、光沢度の高い画像を得ることことを目的とする。
[0047] 更に、効率よぐ少ない熱良導体添加での離型性のよい定着部材の表層構造を作製 できることを目的とする。
[0048] 更に、トナーとの離型性向上を計り、耐久性を持つ定着方法を得ることを目的とする。
[0049] 更に、トナーとの離型性向上を計り、耐久性を持つ定着装置を得ることことを目的とす る。
[0050] 更に、しつ力りとしたトナー定着を得ることことを目的とする。
[0051] 更に、トナー付着を防止するため、ワックスや離型剤の離型性の限界以内で定着す ることを目的とする。
[0052] 更に、高耐久、高画質、省エネの特性を持った画像形成装置を得ることことを目的と する。
[0053] 又、本発明は、少ないバリスタ特性を持つ粒子添加で、定着ローラの電位コントロー ルの良好な定着部材を得ることを目的とする。
[0054] 又、少ないバリスタ特性を持つ粒子添加で、定着ローラの電位コントロールの良好な 定着部材を得ることを目的とする。
[0055] 又、少ないバリスタ特性を持つ粒子添加で、安定した定着ローラの電位コントロール の良好な定着部材を得ることを目的とする。
[0056] 又、少ない
ノリスタ特性を持つ粒子添加で、定着ローラの電位コントロール特性の良好な離型 性のょ 、定着部材の表層構造を作製可能とすることを目的とする。
[0057] 又、良好な離型性のよい定着部材の表層構造を作製可能とすることを目的とするで きる。
[0058] 又、定着時に破損することなぐ耐久性を持つ定着部材を得ることを目的とする。
[0059] 又、光沢度の高!ヽ画像を得ることを目的とする。
[0060] 又、トナーとの離型性向上を計り、耐久性を持つ定着方法を得ることを目的とする。
[0061] 又、しっかりとしたトナー定着を得ることを目的とする。
[0062] 又、トナー付着を防止するため、ワックスや離型剤の離型性の限界以内で定着するこ とを目的とする。
[0063] 又、高耐久、高画質、省エネの特性を持った画像形成装置を得ることを目的とする。
[0064] 又、発熱できる導電層を提供し効率のよ!ヽ加熱装置を得ることを目的とする。
[0065] 又、榭脂表層に電気伝導性を与え誘導加熱に用いることができる導電層を得ることを 目的とする。
[0066] 又、無電解メツキ層同士を接続させ榭脂表層に電気伝導性を与え誘導加熱に用い ることができる導電層を得ることを目的とする。
[0067] 又、離型性を損なわずに榭脂表層に電気伝導性を与え誘導加熱に用いることができ る導電層を得ることを目的とする。
[0068] 又、効率よぐ電気伝導性と離型性を持った導電層を形成できることを目的とする。
[0069] 又、耐久性のより、加熱装置を得ることを目的とする。
[0070] 又、トナーとの離型性向上を計り、耐久性を持つ加熱装置を得ることを目的とする。
[0071] 又、両面同時定着を効率よく行うことを目的とする。
課題を解決するための手段
[0072] 上記目的を達成するため、本発明では、以下のような手段を採っている。
[0073] 第 1の手段は、被加熱部材に接触し該被加熱部材を加熱する加熱部材において、 離型性を有する榭脂材料に熱伝導性と導電性のいずれか一方または両方を有する 材料が混在した表層を有し、その熱伝導性と導電性の 、ずれか一方または両方を有 する材料が連接して ヽることを特徴とする (請求項 1)。
[0074] ここで、連接とは、連続して接触している状態を指しており、本発明では、熱伝導性と 導電性の!/、ずれか一方または両方を有する材料の粒子ゃフイラ一が、 3つ以上連続 して接触して 、る状態を連接と表現して 、る。
[0075] 第 2の手段は、第 1の手段の加熱部材において、離型性を有する榭脂材料はフッ素 榭脂であることを特徴とする (請求項 2)。
[0076] 第 3の手段は、第 2の手段の加熱部材にお 、て、熱伝導性と導電性の!/、ずれか一方 または両方を有する材料は金属であり、その金属がフッ素榭脂に混在した表層を有 し、前記金属が連接していることを特徴とする (請求項 3)。 [0077] 第 4の手段は、第 3の手段の加熱部材において、前記フッ素榭脂として、融点の異な る 2種類以上のフッ素榭脂を含み、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂は、連接し た金属に取り囲まれていることを特徴とする(請求項 4)。
[0078] 第 5の手段は、第 3または第 4の手段の加熱部材にお 、て、連接して!/、る金属が球殻 またはその変形形状をしており、それら球殻が連接していることを特徴とする(請求項
5)。
[0079] 第 6の手段は、第 3乃至第 5のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記金属 材料として、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン 、錫、ビスマスのいずれかの金属または、これら金属のいずれか 1つ以上を含む金属 または合金の粒子またはフィラーを含むことを特徴とする(請求項 6)。
[0080] 第 7の手段は、第 3乃至第 6のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記金属 材料として、(1)錫 銀系、(2)錫 銅系、(3)錫 亜鉛系、(4)錫 銀 系、(5)錫"!良ービ スマス系、(6)錫 H —ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマス、 (11)銀-ビスマス系のいずれかの金属または合金を含むことを特徴とする(請求項 7)
[0081] 第 8の手段は、第 1乃至第 7のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記フッ 素榭脂に、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることを特徴とする (請求項 8)。
[0082] 第 9の手段は、第 1乃至第 8のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記表層 の水に対する接触角が 80° 以上であることを特徴とする(請求項 9)。
[0083] 第 10の手段は、第 3乃至第 9のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記表 層の金属部分は、その断面において厚さが 50 m以下であることを特徴とする(請 求項 10)。
[0084] 第 11の手段は、第 3乃至第 10のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記表 層の金属部分は、その断面において最大幅部が 30 m以下であることを特徴とする (請求項 11)。
[0085] 第 12の手段は、第 3乃至第 11のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記表 層に含まれる金属は、被加熱部材を加熱する時の温度より高い融点を有することを 特徴とする (請求項 12)。
[0086] 第 13の手段は、第 1乃至第 12のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記表 層の表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以下にすることを特徴とする(請求 項 13)。
[0087] 第 14の手段は、第 1乃至第 13のいずれか一つの手段の加熱部材において、ローラ 状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を有し 、前記表層が熱伝導層として機能することを特徴とする (請求項 14)。
[0088] 第 15の手段は、第 1乃至第 13のいずれか一つの手段の加熱部材において、ローラ 状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が導電層として機能し、該導 電層に渦電流を発生させて発熱させることを特徴とする (請求項 15)。
[0089] 第 16の手段は、第 15の手段の加熱部材において、前記基材は、前記表層が形成さ れる面に弾性層もしくは断熱層を有することを特徴とする (請求項 16)。
[0090] 第 17の手段は、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフッ素榭 脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の基材に静電塗装した後、 加熱し、膜としたことを特徴とする (請求項 17)。
[0091] 第 18の手段は、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフッ素榭 脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを水溶液中に分散し、その塗装液により 、加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする (請求項 18)。
[0092] 第 19の手段は、第 17または第 18の手段の加熱部材表層の作製方法において、フッ 素榭脂粒子に金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属粉を混合しながら 機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱に より金属粉を固着させて作製した金属被覆粉体、または、金属粉体を衝撃力によりフ ッ素榭脂に固定ィ匕して作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴とする (請求項 19)
[0093] 第 20の手段は、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉体と を、機械混合し、その混合した粉体を加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、 膜としたことを特徴とする (請求項 20)。
[0094] 第 21の手段は、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉体と を、水溶液中に分散し、それを塗装液として加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、 膜としたことを特徴とする (請求項 21)。
[0095] 第 22の手段は、第 17乃至第 21のいずれか一つの手段の加熱部材表層の作製方 法において、フッ素榭脂の融点以上に加熱することを特徴とする(請求項 22)。
[0096] 第 23の手段は、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上 のフッ素榭脂粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装した後、最も融点が高 ヽフ ッ素榭脂粒子の融点よりも低 ヽ温度で加熱して膜とすることを特徴とする(請求項 23
) o
[0097] 第 24の手段は、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上 のフッ素榭脂粒子を積層するように加熱部材の基材に静電塗装した後、最も融点が 高 、フッ素榭脂粒子の融点よりも低 、温度で加熱して膜とすることを特徴とする(請 求項 24)。
[0098] 第 25の手段は、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上 のフッ素榭脂粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部材の基材 に塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜と することを特徴とする (請求項 25)。
[0099] 第 26の手段は、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上 のフッ素榭脂粒子を、それぞれ水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部材の 基材に積層するように塗装した後、最も融点が高 、フッ素榭脂粒子の融点よりも低 、 温度で加熱して膜とすることを特徴とする(請求項 26)。
[0100] 第 27の手段は、第 23乃至第 26のいずれか一つの手段の加熱部材表層の作製方 法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属粉 を混合しながら、機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または 摩擦による加熱により金属粉を固着させて作製した金属被覆粉体、または、金属粉 体を衝撃力によりフッ素榭脂に固定化して作製した金属被覆粉体を用いたことを特 徴とする (請求項 27)。
[0101] 第 28の手段は、被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱し、 記録材上の未定着画像を定着する定着部材において、第 14乃至第 16のいずれか 一つの手段の加熱部材力 なることを特徴とする(請求項 28)。
[0102] 第 29の手段は、加熱装置であって、励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦電 流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備え 、前記加熱部材として第 15または第 16の手段の加熱部材を用いたことを特徴とする (請求項 29)。
[0103] 第 30の手段は、加熱装置であって、シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回 転体と、該回転体を加熱する加熱手段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧 する加熱装置において、前記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体 に設けられた導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手 段から成り、 2つの回転体のいずれか一方または両方に、第 15または第 16の手段の 加熱部材を用いたことを特徴とする (請求項 30)。
[0104] 第 31の手段は、第 30の手段の加熱装置において、前記加熱手段を 2つ備え、 2つ の回転体が 2つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることを特徴とする(請求項 31)。
[0105] 第 32の手段は、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接 される加圧部材とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される 領域を通過する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像 を定着する定着方法において、前記定着部材として第 28の手段の定着部材を用い たことを特徴とする (請求項 32)。
[0106] 第 33の手段は、第 32の手段の定着方法において、ワックス含有のトナーを用いて記 録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする (請求項 33)。
[0107] 第 34の手段は、定着方法であって、第 29の手段の加熱装置を用い、ワックス含有の トナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 34)
[0108] 第 35の手段は、定着方法であって、第 30または第 31の手段の加熱装置を用い、 2 つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接 部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材 に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 35)。
[0109] 第 36の手段は、第 32、第 33、第 34、第 35のいずれか一つの手段の定着方法にお いて、前記加熱部材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と加圧部材のうち 少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを特徴とする (請求項 36)。
[0110] 第 37の手段は、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接 される加圧部材とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過す る記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定 着装置において、前記定着部材として第 28の手段の定着部材を用いたことを特徴と する(請求項 37)。
[0111] 第 38の手段は、第 37の手段の定着装置において、ワックス含有のトナーを用いて記 録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 38)。
[0112] 第 39の手段は、定着装置であって、第 29の手段の加熱装置を備え、ワックス含有の トナーを用いてシート状の被加熱部材に形成された画像の定着を行うことを特徴とす る(請求項 39)。
[0113] 第 40の手段は、定着装置であって、第 30または第 31の手段の加熱装置を備え、 2 つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接 部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材 に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 40)。
[0114] 第 41の手段は、第 37、第 38、第 39、第 40のいずれか一つの手段の定着装置にお いて、前記加熱部材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と前記加圧部材 のうち少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを特徴とする (請求項 41)。
[0115] 第 42の手段は、第 37、第 38、第 39、第 40、第 41のいずれか一つの手段の定着装 置にお 、て、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で 前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商が、 0. 5 [kgfZcm2]以上となるよう にしたことを特徴とする (請求項 42)。
[0116] 第 43の手段は、第 37、第 38、第 39、第 40、第 41、第 42のいずれか一つの手段の 定着装置にお!ヽて、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [c m2]で前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 4. 0[kgfZcm2]以下とな るようにしたことを特徴とする(請求項 43)。
[0117] 第 44の手段は、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記 録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前記定着 部に、第 32乃至第 36のいずれか一つの手段の定着方法を用いたことを特徴とする( 請求項 44)。
[0118] 第 45の手段は、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記 録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前記定着 部に、第 37乃至第 43のいずれか一つの手段の定着装置を備えたことを特徴とする( 請求項 45)。
[0119] 第 46の手段は、被加熱部材に接触し該被加熱部材を加熱する加熱部材において、 離型性を有する榭脂材料に、少なくとも 1種類の熱伝導性の金属材料および少なくと も 1種類の熱伝導性の非金属材料が混在した表層を有し、その熱伝導性の金属材 料および熱伝導性の非金属材料が連接して ヽることを特徴とする (請求項 46)。
[0120] ここで、連接とは、連続して接触している状態を指しており、本発明では、熱伝導性と 導電性の!/、ずれか一方または両方を有する材料の粒子ゃフイラ一が、 3つ以上連続 して接触して 、る状態を連接と表現して 、る。
[0121] 第 47の手段は、第 1の手段の加熱部材において、離型性を有する榭脂材料はフッ 素榭脂であることを特徴とする (請求項 47)。
[0122] 第 48の手段は、第 48の手段の加熱部材において、前記フッ素榭脂として、融点の 異なる 2種類以上のフッ素榭脂を含み、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂は、連 接した金属材料および非金属材料に取り囲まれていることを特徴とする(請求項 48)
[0123] 第 49の手段は、第 47または第 48の手段の加熱部材にお 、て、連接して!/、る金属材 料および非金属材料が球殻またはその変形形状をしており、それら球殻が連接して V、ることを特徴とする(請求項 49)。
[0124] 第 50の手段は、第 47乃至第 49のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 金属材料として、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チ タン、錫、ビスマスのいずれかの金属または、これら金属のいずれか 1つ以上を含む 金属または合金の粒子またはフィラーを含むことを特徴とする(請求項 50)。
[0125] 第 51の手段は、第 47乃至第 50のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 金属材料として、(1)錫 銀系、(2)錫 銅系、(3)錫 亜鉛系、(4)錫 銀 ^¾系、(5)錫— 銀 ビスマス系、(6)錫 H —ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマ スの ヽずれかの金属または合金を含むことを特徴とする(請求項 51)。
[0126] 第 52の手段は、第 46乃至第 51のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 フッ素榭脂に、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることを特徴とする (請求項 5 2)。
[0127] 第 53の手段は、第 46乃至第 52のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 表層の水に対する接触角が 80° 以上であることを特徴とする(請求項 53)。
[0128] 第 54の手段は、第 47乃至第 53のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 表層の金属部分は、その断面において厚さが 50 m以下であることを特徴とする( 請求項 54)。
[0129] 第 55の手段は、第 47乃至第 54のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 表層の金属部分は、その断面において最大幅部が 30 m以下であることを特徴とす る(請求項 55)。
[0130] 第 56の手段は、第 47乃至第 55のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 表層に含まれる金属は、被加熱部材を加熱する時の温度より高!、融点を有すること を特徴とする(請求項 56)。
[0131] 第 57の手段は、第 46乃至第 56のいずれか一つの手段の加熱部材において、前記 表層の表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以下にすることを特徴とする(請 求項 57)。
[0132] 第 58の手段は、第 46乃至第 57のいずれか一つの手段の加熱部材において、ロー ラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を有 し、前記表層が熱伝導層として機能することを特徴とする (請求項 58)。
[0133] 第 59の手段は、第 46乃至第 57のいずれか一つの手段の加熱部材において、ロー ラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が熱伝導性と導電性の両 方を有する材料および熱伝導性と絶縁性の両方を有する材料が混在し、その熱伝 導性と導電性の両方を有する材料および熱伝導性と絶縁性の両方を有する材料が 連接している熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生させて発熱しう る導電層を有することを特徴とする(請求項 59)。
[0134] 第 60の手段は、第 59の手段の加熱部材において、前記基材は、前記表層が形成さ れる面に弾性層もしくは断熱層を有することを特徴とする (請求項 60)。
[0135] 第 61の手段は、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法にぉ 、て、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した粉体ま たは、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の 基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする (請求項 61)。
[0136] 第 62の手段は、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法にぉ 、て、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した粉体ま たは、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを水溶液中に 分散し、その塗装液により、加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特 徴とする (請求項 62)。
[0137] 第 63の手段は、第 61または第 62の手段の加熱部材表層の作製方法において、フッ 素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆したものとして、フッ素榭脂〖こ 金属材料粉および非金属材料粉を混合しながら機械的な圧力と剪断力を加え、混 合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属材料粉および非金属材料 粉を固着させて作製した被覆粉体、または、金属材料粉および非金属材料粉を衝撃 力によりフッ素榭脂に固定ィ匕して作製した被覆粉体を用いたことを特徴とする (請求 項 63)。
[0138] 第 64の手段は、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または金属材 料および非金属材料を榭脂に分散した粉体とを、機械混合し、その混合した粉体を 加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする (請求項 64)。
[0139] 第 65の手段は、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または金属材 料および非金属材料を榭脂に分散した粉体とを、水溶液中に分散し、それを塗装液 として加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする(請求項 65)
[0140] 第 66の手段は、第 61乃至第 65のいずれか一つの手段の加熱部材表層の作製方 法において、フッ素榭脂の融点以上に加熱することを特徴とする(請求項 66)。
[0141] 第 67の手段は、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装 した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とするこ とを特徴とする (請求項 67)。
[0142] 第 68の手段は、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を積層するように加熱部材の基材に静電 塗装した後、最も融点が高 、フッ素榭脂粒子の融点よりも低 、温度で加熱して膜と することを特徴とする(請求項 68)。 [0143] 第 69の手段は、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗 装液を、加熱部材の基材に塗装した後、最も融点が高い
フッ素榭脂粒子の融点よりも低 ヽ温度で加熱して膜とすることを特徴とする(請求項 6 9)。
[0144] 第 70の手段は、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製方 法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が 高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を、それぞれ水溶液中に分散して作製し た塗装液を、加熱部材の基材に積層するように塗装した後、最も融点が高いフッ素 榭脂粒子の融点よりも低 ヽ温度で加熱して膜とすることを特徴とする(請求項 70)。
[0145] 第 71の手段は、第 67乃至第 70のいずれか一つの手段の加熱部材表層の作製方 法にぉ ヽて、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆したものとし て、フッ素榭脂に金属材料粉および非金属材料粉を混合しながら、機械的な圧力と 剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属材料粉 および非金属材料粉を固着させて作製した被覆粉体、または、金属材料粉および非 金属材料粉を衝撃力によりフッ素榭脂に固定化して作製した被覆粉体を用いたこと を特徴とする (請求項 71)。
[0146] 第 72の手段は、被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱し、 記録材上の未定着画像を定着する定着部材において、第 59乃至第 61のいずれか 一つの手段の加熱部材力 なることを特徴とする(請求項 72)。
[0147] 第 73の手段は、加熱装置であって、励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦電 流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備え 、前記加熱部材として第 59または第 60の手段の加熱部材を用いたことを特徴とする (請求項 73)。
[0148] 第 74の手段は、加熱装置であって、シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回 転体と、該回転体を加熱する加熱手段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧 する加熱装置において、前記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体 に設けられた導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手 段から成り、 2つの回転体のいずれか一方または両方に、第 59または第 60の手段の 加熱部材を用いたことを特徴とする (請求項 74)。
[0149] 第 75の手段は、第 74の手段の加熱装置において、前記加熱手段を 2つ備え、 2つ の回転体が 2つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることを特徴とする(請求項 75)。
[0150] 第 76の手段は、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接 される加圧部材とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過 する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する 定着方法において、前記定着部材として第 72の手段の定着部材を用いたことを特 徴とする (請求項 76)。
[0151] 第 77の手段は、第 76の手段の定着方法において、ワックス含有のトナーを用いて記 録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする (請求項 77)。
[0152] 第 78の手段は、定着方法であって、第 73の手段の加熱装置を用い、ワックス含有の トナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 78)
[0153] 第 79の手段は、定着方法であって、第 74または第 75の手段の加熱装置を用い、 2 つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接 部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材 に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 79)。
[0154] 第 80の手段は、第 76、第 77、第 79の 、ずれか一つの手段の定着方法にお!、て、 前記定着部材と加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを特徴 とする(請求項 80)。
[0155] 第 81の手段は、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接 される加圧部材とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過す る記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定 着装置において、前記定着部材として第 72の手段の定着部材を用いたことを特徴と する(請求項 81)。
[0156] 第 82の手段は、第 81の手段の定着装置において、ワックス含有のトナーを用いて記 録材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 82)。
[0157] 第 83の手段は、定着装置であって、第 73の手段の加熱装置を備え、ワックス含有の トナーを用いてシート状の被加熱部材に形成された画像の定着を行うことを特徴とす る(請求項 83)。
[0158] 第 84の手段は、定着装置であって、第 74または第 75の手段の加熱装置を備え、 2 つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接 部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材 に形成された画像の定着を行うことを特徴とする(請求項 84)。
[0159] 第 85の手段は、第 81、第 82、第 84のいずれか一つの手段の定着装置において、 前記定着部材と前記加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを 特徴とする (請求項 85)。
[0160] 第 86の手段は、第 81、第 82、第 84、第 85のいずれか一つの手段の定着装置にお V、て、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記記 録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 0. 5 [kgfZcm2]以上となるようにしたこ とを特徴とする (請求項 86)。
[0161] 第 87の手段は、第 81、第 82、第 84、第 85、第 86のいずれか一つの手段の定着装 置にお 、て、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で 前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商が、 4. 0 [kgfZcm2]以下となるよう にしたことを特徴とする(請求項 87)。
[0162] 第 88の手段は、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記 録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前記定着 部に、第 76乃至第 80のいずれか一つの手段の定着方法を用いたことを特徴とする( 請求項 88)。
[0163] 第 89の手段は、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記 録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前記定着 部に、第 81乃至第 87のいずれか一つの手段の定着装置を備えたことを特徴とする( 請求項 89)。
[0164] 第 90の手段は、発熱手段を有し周面が周回するように支持された定着部材と前記定 着部材に圧接される加圧部材とを有し、前記加圧部材が前記定着部材と圧接される 領域を通過する記録材を加熱および加圧して該記録材上に担持されたトナー像を 定着する定着装置に用いる請求項 28に記載の定着部材であって、その表層が、フッ 素榭脂と熱良導体からなり、前記熱良導体は連接しており、前記熱良導体は前記フ ッ素榭脂の融点よりも低融点の熱良導体を少なくとも 1種類含み、前記熱良導体は前 記フッ素榭脂の融点よりも高融点でありかつ形状異方性を有する熱良導体を少なくと も 1種類含み、前記形状異方性を有する熱良導体は、前記フッ素榭脂の融点よりも 低融点の熱良導体に取り囲まれている構造を有することを特徴とする表層を持つこと を特徴とする (請求項 90)。
[0165] 第 91の手段は、第 90の手段の定着部材であって、形状異方性を有する熱良導体と して予め金属に被覆されている熱良導体を使用することを特徴とする(請求項 91)。
[0166] 第 92の手段は、第 90又は 91の手段の定着部材において、連接している熱良導体 が球殻または、その変形形状をし、それら球殻が連接していることを特徴とする (請求 項 92)。
[0167] 第 93の手段は、第 90乃至 92のいずれかの手段の定着部材において、水に対する 接触角が 80° 以上であることを特徴とする表層を有することを特徴とする (請求項 93)
[0168] 第 94の手段は、第 90乃至 93のいずれかの手段の定着部材において、その表層の 表面粗さが、 Rz (10点平均粗さ)として 5 μ m以下にすることを特徴とする表層を持つ ことを特徴とする (請求項 94)。
[0169] 第 95の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材の表層を作製する方法 であって、フッ素榭脂粒子に金属が表面被覆されて!、る複合粉体と形状異方性を有 する熱良導体を混合して前記回転体に静電塗装した後、加熱して膜とすることを特 徴とする (請求項 95)。 [0170] 第 96の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材の表層を作製する方法 であって、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した複合粉体として、フッ素榭脂に金属 粉を混合しながら、機械的な圧力とセン断力で、混合粉体を外部からの加熱、または 、摩擦による加熱により金属粉を固着させ作製した金属被覆粉体または、金属粉体 を衝撃力により、フッ素榭脂に固定ィ匕し作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴と する(請求項 96)。
[0171] 第 97の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材を用いた定着装置を用 いた定着方法であって、表層の表面に離型剤を供給することを特徴とする (請求項 9 7)。
[0172] 第 98の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材を用いた定着装置にお いて、表層の表面に離型剤を供給する手段を具備したことを特徴とする (請求項 98)
[0173] 第 99の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材を用いた電子写真画像 の定着装置或いは第 98の手段の電子写真画像の定着装置にお 、て、 2つの回転 体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を 割った商力 0.5 [kgfZcm2]以上となるようにしたことを特徴とする (請求項 99)。
[0174] 第 100の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材を用いた電子写真画 像の定着装置或いは第 98の手段の電子写真画像の定着装置において、 2つの回 転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf] を割った商力 4.0 [kgfZcm2]以下となるようにしたことを特徴とする (請求項 100)。
[0175] 第 101の手段は、第 90乃至 94のいずれかの手段の定着部材を用いた電子写真画 像の定着装置或いは第 98乃至 100のいずれかの手段の電子写真画像の定着装置 を用いることを特徴とする (請求項 101)。
[0176] 第 102の手段は、発熱手段を有し、周面が周回するように支持された定着部材と前 記定着部材に圧接される加圧部材とを有し、前記加圧部材が前記定着部材と圧接さ れる領域を通過する記録材を加熱および加圧して該記録材上に担持されたトナー像 を定着する定着装置に用いる請求項 28に記載の定着部材において、バリスタ特性 を持つ粒子と,または、さらに他の金属粒子とフッ素榭脂よりなる表層であって、その 粒子が連接していることを特徴とした表層を持つ (請求項 102)。
[0177] 第 103の手段は、第 102の手段の定着部材の作製方法において、フッ素榭脂粒子 にバリスタ特性を持つ粒子,または、さらに他の金属粒子をフッ素榭脂の表面に固定 した粉体を作製し、その粉体を一部または、全部使用し、前記回転体に塗装した後、 加熱し、膜としたことを特徴とする (請求項 103)。
[0178] 第 104の手段は、前記フッ素榭脂粒子にバリスタ特性を持つ粒子,または、さらに他 の金属粒子をフッ素榭脂の表面に固定した粉体の作製法として、フッ素榭脂にパリス タ特性を持つ粒子,または、さらに他の金属粒子を混合しながら、機械的な圧力とセ ン断力で、混合粉体を外部からの加熱、または、摩擦による加熱により金属粉を固定 化し作製した金属被覆粉体または、金属粉体を衝撃力により、フッ素榭脂に固定ィ匕 し作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴とした第 103の手段の定着部材表層の 作製方法である (請求項 104)。
[0179] 第 105の手段は、第 103又は 104の手段の作製方法において、フッ素榭脂の融点 以上に加熱することを特徴とする (請求項 105)。
[0180] 第 106の手段は、第 102の手段の定着部材において、その表層は、金、銀、銅、鉛、 ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズのいずれか 1つ以上を 含む金属相を持つことを特徴とする (請求項 106)。
[0181] 第 107の手段は、前記バリスタ特性を持つ粒子として酸ィ匕亜鉛を主成分としプラセォ ジゥム、ランタン、コバルトを含む粉体を用いることを特徴とした表層を持つ第 102, 1
03又は 104の手段の定着部材である (請求項 107)。
[0182] 第 108の手段は、第 104乃至 105の何れかの手段の作製方法において、静電塗装 を用い、その後加熱し膜とすることを特徴とする (請求項 108)。
[0183] 第 109の手段は、第 104乃至 105の手段の作製方法において、バリスタ特性を持つ 粒子,または、さらに他の金属粒子をフッ素榭脂の表面に固定した粉体を水に分散さ せ、コーティングした後加熱し膜とすることを特徴とする (請求項 109)。
[0184] 第 110の手段は、第 102の手段の定着部材において、その表層の水に対する接触 角が 80° 以上であることを特徴とする表層を持つ (請求項 110)。
[0185] 第 111の手段は、第 102の手段の定着部材において、その表層の金属相は、その 断面において、最大厚さが 50 m以下であることを特徴とする表層を持つ (請求項 11
[0186] 第 112の手段は、第 102, 106, 107の何れかの手段の定着部材において、その表 層に含まれる金属は、定着時の温度より高い融点を有することを特徴とする表層を持 つ (請求項 112)。
[0187] 第 113の手段は、第 102, 106, 107の何れかの手段の定着部材において、その表 層の表面粗さが、 Rz (10点平均粗さ)として 5 μ m以下にすることを特徴とする表層を 持つ (請求項 113)。
[0188] 第 114の手段は、第 102, 106, 107の何れかの手段の定着部材を用い、ワックス含 有のトナーを用いて定着を行うことを特徴とする電子写真画像の定着装置である (請 求項 114)。
[0189] 第 115の手段は、第 102, 106, 107の何れかの定着部材を用い、ワックス含有のト ナーを用いて定着を行うことを特徴とする電子写真画像の定着装置である (請求項 1 15)。
[0190] 第 116の手段は、第 102, 106, 107の何れかの手段の定着部材を用いる定着方法 、第 114の手段の定着方法或 、は第 114の手段の定着装置を用いた定着方法にお いて、回転体の一方または、その両方に離型剤を塗布することを特徴とする (請求項 116)。
[0191] 第 117の手段は、だい 102, 106, 107の何れかの手段の定着部材を用いた定着装 置、第 114又は 116の手段の定着方法を用いた定着装置或いは第 115の手段の定 着装置において、回転体の一方または、その両方に離型剤を塗布することを特徴と する電子写真画像の定着装置である (請求項 117)。
[0192] 第 118の手段は、第 115又は 117の手段の電子写真画像の定着装置において用い る定着方法であって、 2つの回転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定 着部材に対する加圧力 F[kgf ]を割った商力 0.5 [kgf/cm2]以上となるようにしたこ とを特徴とする (請求項 118)。
[0193] 第 119の手段は、第 115又は 117の手段の電子写真画像の定着装置において、 2 つの回転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F [kgf]を割った商力 4.0 [kgf/cm2]以下となるようにしたことを特徴とする (請求項 119)。
[0194] 第 120の手段は、第 102, 106, 107のいずれかの手段の定着部材を用いた定着装 置と画像形成部とを備え、該画像形成部でシート上にトナー画像を形成し、前記定 着装置でシートにトナー画像を定着させることを特徴とする画像形成装置である (請 求項 120)。
[0195] 第 121の手段は、励磁手段と該励磁手段によって発熱体に設けられた導電層に渦 電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段とを有してなり、前記発 熱手段は前記発熱体に設けられた導電層が金属とフッ素榭脂よりなり、金属が球殻 またはその変形形状を有しそれら球殻が接続している表層を持つことを特徴とする手 段 29の加熱装置である (請求項 121)。
[0196] 第 122の手段は、シートを挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体を加熱する加熱 手段とを備え、シートを加熱及び加圧する請求項 29に記載の加熱装置において、前 記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体に設けられた導電層に渦電 流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段とを有してなり、前記発熱 手段は前記回転体に設けられた導電層が金属とフッ素榭脂よりなり、金属が球殻ま たはその変形形状を有しそれら球殻が接続している表層を持つことを特徴とする (請 求項 122)。
[0197] 第 123の手段は、第 121又は 122の手段の加熱装置の作製方法であって、前記導 電層を、無電解メツキにより生成することを特徴とする (請求項 123)。
[0198] 第 124の手段は、第 121又は 122の手段の加熱装置において、前記導電層が、 (1) 錫—銀系、(2)錫一銅系、(3)錫—亜鉛系、(4)錫"!良一銅系、(5)錫—銀—ビスマス系、(6)錫 —銀" ^—ビスマス系、(7)錫、(8)ビスマスのいずれかの金属を含むことを特徴とする( 請求項 124)。
[0199] 第 125の手段は、第 121, 122, 124のいずれかの手段の加熱装置において、前記 導電層を前記回転体の表層とし、被加熱体と接する構成としたことを特徴とする (請求 項 125)。
[0200] 第 126の手段は、第 125の手段の加熱装置において、前記回転体の導電層の水に 対する接触角が 80° 以上であることを特徴とする (請求項 126)。
[0201] 第 127の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126のいずれ力の手段のカロ熱装置に おいて、前記導電層の金属部分は、その断面において、最大幅部が 30 m以下であ ることを特徴とする (請求項 127)。
[0202] 第 128の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力の手段のカロ熱装 置にぉ 、て用いる前記導電層の作製法にぉ 、て、フッ素榭脂に無電解メツキした粉 体単独または粉体とフッ素榭脂粉体とを機械混合し、前記回転体に静電塗装した後
、加熱し、膜とすることを特徴とした導電層の作製方法である (請求項 128)。
[0203] 第 129の手段は、第 121, 122, 124, 125, 127のいずれ力の手段の。カロ熱装置に おける前記導電層の作製法にぉ 、て、フッ素榭脂に金属コーティングした粉体単独 でまたは粉体とフッ素榭脂粉体とを水溶液中に分散し、その塗装液により前記回転 体に塗装した後、加熱し、膜とすることを特徴とする (請求項 129)。
[0204] 第 130の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力の手段のカロ熱装 置において、前記導電層に含まれる金属または合金は、定着加熱時の温度より高い 融点を有することを特徴とする (請求項 130)。
[0205] 第 131の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力の手段のカロ熱装 置において、その最表層の表面粗さ力 Rz (10点平均粗さ)として 5 m以下にする ことを特徴とする (請求項 131)。
[0206] 第 132の手段は、カロ熱装置。第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131のい ずれかの手段の加熱装置において、前記加熱手段を 2つ備え、 2つの回転体が 2つ の加熱手段によりそれぞれ加熱されることを特徴とする (請求項 132)。
[0207] 第 133の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ かの手段の加熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて定着を行なうことを特徴 とする電子写真画像の定着方法である (請求項 133)。
[0208] 第 134の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ かの手段の加熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて定着を行なうことを特徴 とする電子写真画像の定着装置である (請求項 134)。
[0209] 第 135の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ かの手段の加熱装置を用いた定着方法、第 133の手段の定着方法或偉大 134の手 段の定着装置に用 、る定着方法であって、回転体の一方またはその両方に離型剤 を塗布することを特徴とする電子写真画像の定着方法である (請求項 135)。
[0210] 第 136の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ かの手段の加熱装置を用いた定着装置、第 133の手段の定着方法を用いた定着装 置或いは第 134の手段の定着装置であって、回転体の一方またはその両方に離型 剤を塗布してなることを特徴とする電子写真画像の定着装置である (請求項 136)。
[0211] 第 137の手段は、第 134又は 136の手段の電子写真画像の定着装置において、 2 つの回転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F [kgf]を割った商力 0.5 [kgf/cm2]以上となるようにしたことを特徴とする (請求項
137)。
[0212] 第 138の手段は、第 134又は 136の手段の電子写真画像の定着装置において、 2 つの回転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F [kgf]を割った商力 4.0 [kgf/cm2]以下となるようにしたことを特徴とする (請求項
138)。
[0213] 第 139の手段は、第 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ かの手段の加熱装置と画像形成部とを備え、該画像形成部でシート上にトナー画像 を形成し、前記加熱装置でシートにトナー画像を定着させることを特徴とする画像形 成装置である (請求項 139)。
発明の効果
[0214] 第 1、第 2の手段の加熱部材では、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に 、熱伝導性と導電性の!/ヽずれか一方または両方を有する材料が混在した表層を有し 、その熱伝導性と導電性の 、ずれか一方または両方を有する材料が連接して 、るこ とにより、熱伝導性の材料が連接している場合には、単純に分散した状態では達成 できない熱伝導率を得ることが可能となり、加熱効率が向上し、加熱時の温度低下を 低減することができる。また、導電性を有する材料が連接している場合には、表層を 導電層として機能させることができ、電磁誘導加熱により表層を発熱させることができ 、加熱部材の表面温度を素早く上昇させることが可能となり、加熱効率を向上させる ことができる。また、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に混在する、熱伝 導性と導電性のいずれか一方または両方を有する材料を連接させることにより、該材 料の添加量を少なくできるため、表層の離型性の低下を実質的に無視できる程度に することができる。
[0215] 第 3の手段の加熱部材では、熱伝導性と導電性のいずれか一方または両方を有す る材料は金属であり、その金属がフッ素榭脂に混在した表層を有し、前記金属が連 接していることにより、離型性を損なわずに榭脂表層に熱伝導性や電気伝導性を与 え、加熱効率を向上した加熱部材を得ることができる。また、フッ素榭脂に混在する 金属の粒子ゃフイラ一を連接させることにより、金属材料の添加量を少なくできるため 、表層の離型性の低下を実質的に無視できる程度にすることができる。
[0216] ところで、フッ素榭脂を加熱溶融させて表層を形成する際に、単一のフッ素榭脂の構 成では、加熱前にフッ素榭脂を取り囲んでいた金属の連接状態がフッ素榭脂の流動 に伴な 、乱されてしま 、、製造ロット間で熱伝導性や導電性のバラツキが生じる虞が あるが、第 4の手段の加
熱部材では、フッ素榭脂として、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を含み、少な くとも最も融点が高いフッ素榭脂は、連接した金属に取り囲まれていることにより、フッ 素榭脂の溶融流動による金属連接部の連接状態の乱れを抑制することができ、十分 な熱伝導性や導電性を確保することができる。
[0217] 第 5の手段の加熱部材では、連接している金属が球殻またはその変形形状をしてお り、それら球殻が連接していることにより、加熱部材の表層の厚さ力 種々のものが要 求された場合でも、球殻が接する構造にしたため単にそれを積み重ねるだけで、熱 や電気の通り道を効率よく形成できる。
[0218] 第 6の手段では、前記金属材料として、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミ- ゥム、マグネシウム、チタン、錫、ビスマスのいずれかの金属または、これら金属のい ずれ力 1つ以上を含む金属または合金の粒子またはフィラーを含むことにより、加熱 部材の表層の強度、硬さが、種々のものが要求された場合でも、金属の種類を選択 することにより、熱や電気の通りの効率がよい、要求特性にあった表層を形成すること ができる。 また、第 7の手段では、前記金属材料として、(1)錫 銀系、(2)錫 系、 (3)錫 亜鉛系、(4)錫"!良 銅系、(5)錫 銀 ビスマス系、(6)錫"!良 銅 ビスマス系、 (7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマス、(11)銀 ビスマス系のいずれかの金属ま たは合金を含むことにより、加熱部材の表層の強度、硬さ力 種々のものが要求され た場合でも、金属同士をこれらの低融点金属で接合できるため、熱の通りの効率がよ い、要求特性にあった表層を形成することができる。
[0219] さらに、第 8の手段では、前記フッ素榭脂に、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用 いることにより、表層の耐磨耗性と熱伝導性を向上することができる。
[0220] 第 9の手段では、前記表層の水に対する接触角が 80° 以上であることにより、金属 の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形での表面エネルギーをフッ素 榭脂単体の状態で保持でき、これにより、トナーの離型性を確保できる。つまり、小さ な金属部分の露出では、マクロな接触角には影響が少ないため、離型性を確保でき る。
[0221] また、第 10の手段では、前記表層の金属部分は、その断面において厚さが 50 m 以下であるので、金属の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形での表 面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態で保持でき、これにより、トナーの離型性を確 保できる。つまり、小さな金属部分の露出では、マクロな接触角には影響が少ないた め、離型性を確保できる。
[0222] また、第 11の手段では、第 3乃至第 10のいずれか一つの手段の加熱部材において 、前記表層の金属部分は、その断面において最大幅部が 30 m以下であるので、 金属の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形での表面エネルギーを フッ素榭脂単体の状態で保持でき、これにより、トナーの離型性を確保できる。つまり 、小さな金属部分の露出では、マクロな接触角には影響が少ないため、離型性を確 保できる。
[0223] 第 12の手段では、前記表層に含まれる金属は、被加熱部材を加熱する時の温度よ り高い融点を有することにより、加熱時に金属が溶融して連接が破壊されるということ が防止され、表層の耐久性が向上する。
[0224] また、第 13の手段では、前記表層の表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以 下にすることにより、例えば定着部材に応用した際に、画質、特にベタ画像は、定着 部材の表面が転写されるため、表面がなめらかな加熱部材により光沢度が向上する
[0225] 第 14の手段では、第 1乃至第 13のいずれか一つの手段の加熱部材において、ロー ラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を有 し、前記表層が熱伝導層として機能することにより、発熱手段の熱を効率良く表面に 熱伝導することができ、加熱効率が向上し、加熱時の温度低下を低減することができ る。
[0226] 第 15の手段では、第 1乃至第 13のいずれか一つの手段の加熱部材において、ロー ラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が導電層として機能し、該 導電層に渦電流を発生させて発熱させることにより、電磁誘導加熱により表層を発熱 させることができ、加熱部材の表面温度を素早く上昇させることが可能となり、加熱効 率を向上させることができる。
[0227] また、第 16の手段では、第 15の手段の加熱部材において、前記基材は、前記表層 が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有することにより、表層で発生した熱が基 材側に逃げることが防止され、被加熱部材を効率良く加熱することができる。
[0228] 第 17の手段では、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフッ素 榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の基材に静電塗装した後 、加熱し、膜としたことにより、粉体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂の コート工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0229] また、第 18の手段では、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の 作製方法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフ ッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを水溶液中に分散し、その塗装 液により、加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことにより、粉体の調整( 分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の 加熱部材の表層を作製可能となる。
[0230] さらに第 19の手段では、第 17または第 18の手段の加熱部材表層の作製方法にお いて、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属粉を混合 しながら機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部力 の加熱または摩擦によ る加熱により金属粉を固着させて作製した金属被覆粉体、または、金属粉体を衝撃 力によりフッ素榭脂に固定ィ匕して作製した金属被覆粉体を用いたことにより、フッ素 榭脂に金属粉を機械的な圧力とセン断力や、衝撃力により金属粉を打ち込み固定 化する方法で、比較的容易にフッ素榭脂を金属粉で覆うことができる。この粉体を用 いることにより、容易に熱や電気の通り道を構成でき、少ない金属添加量で、熱伝導 率や導電率を上げることができる。さらにフッ素榭脂と金属の分布を均一にできるた め、離型性の悪い部分が生じにくい。
[0231] 第 20の手段では、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉体 とを、機械混合し、その混合した粉体を加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、 膜としたことにより、粉体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程 を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0232] また、第 21の手段は、第 3乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作 製方法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉 体とを、水溶液中に分散し、それを塗装液として加熱部材の基材に塗装した後、加 熱し、膜としたことにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコー ト工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0233] さらに第 22の手段では、第 17乃至第 21のいずれか一つの手段の加熱部材表層の 作製方法において、フッ素榭脂の融点以上に加熱することにより、フッ素榭脂同士が 強く接続し、耐久性のある膜を形成することができる。
[0234] 第 23の手段では、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点 が高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以 上のフッ素榭脂粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装した後、最も融点が高 いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることにより、粉体の調整( 帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の 加熱部材の表層を作製可能となる。 [0235] また、第 24の手段では、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の 作製方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も 融点が高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種 類以上のフッ素榭脂粒子を積層するように加熱部材の基材に静電塗装した後、最も 融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることにより、粉 体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく 本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0236] 第 25の手段では、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点 が高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以 上のフッ素榭脂粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部材の基 材に塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して 膜とすることにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコート工程 を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0237] また、第 26の手段は、第 4乃至第 16のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作 製方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融 点が高いフッ素榭脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類 以上のフッ素榭脂粒子を、それぞれ水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部 材の基材に積層するように塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも 低い温度で加熱して膜とすることにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフ ッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能と なる。
[0238] さらに第 27の手段では、第 23乃至第 26のいずれか一つの手段の加熱部材表層の 作製方法において、フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に 金属粉を混合しながら、機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱 または摩擦による加熱により金属粉を固着させて作製した金属被覆粉体、または、金 属粉体を衝撃力によりフッ素榭脂に固定化して作製した金属被覆粉体を用いたこと により、フッ素榭脂に金属粉を機械的な圧力とセン断力や、衝撃力により金属粉を打 ち込み固定化する方法で、比較的容易にフッ素榭脂を金属粉で覆うことができる。こ の粉体を用いることにより、容易に熱や電気の通り道を構成でき、少ない金属添加量 で、熱伝導率や導電率を上げることができる。さらにフッ素榭脂と金属の分布を均一 にできるため、離型性の悪い部分が生じにくい。
[0239] 第 28の手段では、被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱 し、記録材上の未定着画像を定着する定着部材において、第 14乃至第 16のいずれ か一つの手段の加熱部材カもなることにより、第 14乃至第 16のいずれかの手段と同 様の効果が得られる定着部材を得ることができる。
[0240] 第 29の手段では、加熱装置であって、励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦 電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備 え、前記加熱部材として第 15または第 16の手段の加熱部材を用いたことにより、カロ 熱部材の表層が導電層として機能し、該導電層に渦電流を発生させて発熱させるこ とにより、電磁誘導加熱により表層を発熱させることができ、加熱部材の表面温度を 素早く上昇させることが可能となり、加熱効率を向上させることができる。また、加熱部 材の基材の、表層が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有する構成では、表層 で発生した熱が基材側に逃げることが防止
され、被加熱部材を効率良く加熱することができる。
[0241] 第 30の手段では、シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体 を加熱する加熱手段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧する加熱装置にお いて、前記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体に設けられた導電 層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段から成り、 2つの 回転体のいずれか一方または両方に、第 15または第 16の手段の加熱部材を用いた ことにより、離型層兼用の導電層部分で発熱させることができるため、回転体の表面 温度を素早く上昇させることができ、被加熱部材を効率よく加熱することができる。ま た、導電層を金属とフッ素榭脂で構成したことにより、離型性も確保できる。また、カロ 熱部材の基材の、表層が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有する構成では、 表層で発生した熱が基材側に逃げることが防止され、被加熱部材を効率良く加熱す ることがでさる。 [0242] また、第 31の手段では、第 30の手段の加熱装置において、前記加熱手段を 2っ備 え、 2つの回転体が 2つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることにより、被加熱部材 の両面力も効率良く加熱することができる。
[0243] 第 32の手段では、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧 接される加圧部材とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通 過する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着す る定着方法において、前記定着部材として第 28の手段の定着部材を用いたことによ り、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。
[0244] また、第 33の手段では、第 32の手段の定着方法において、ワックス含有のトナーを 用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、トナー中のワックスによりさら に離型性が向上する。
[0245] 第 34の手段は、定着方法であって、第 29の手段の加熱装置を用い、ワックス含有の トナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱によ る定着を行うことができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することが できる。また、トナー中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0246] また、第 35の手段では、定着方法であって、第 30または第 31の手段の加熱装置を 用い、 2つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材 の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて 記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱による定着を行うこ とができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。また、ト ナ一中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0247] さらに第 36の手段では、第 32、第 33、第 34、第 35のいずれか一つの手段の定着方 法において、前記加熱部材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と加圧部 材のうち少なくとも定着部材に離型剤を塗布することにより、離型剤により、トナーとト ナ一に接する加熱部材 (定着部材)の離型性がさらに向上する。
[0248] 第 37の手段では、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧 接される加圧部材とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過 する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する 定着装置において、前記定着部材として第 28の手段の定着部材を用いたことにより 、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。
[0249] また、第 38の手段では、第 37の手段の定着装置において、ワックス含有のトナーを 用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、トナー中のワックスによりさら に離型性が向上する。
[0250] 第 39の手段では、定着装置であって、第 29の手段の加熱装置を備え、ワックス含有 のトナーを用いてシート状の被加熱部材に形成された画像の定着を行うことにより、 電磁誘導加熱による定着を行うことができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効 率を向上することができる。また、トナー中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0251] また、第 40の手段では、定着装置であって、第 30または第 31の手段の加熱装置を 備え、 2つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材 の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて 記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱による定着を行うこ とができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。また、ト ナ一中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0252] さらに第 41の手段では、第 37、第 38、第 39、第 40のいずれか一つの手段の定着装 置において、前記加熱部材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と前記カロ 圧部材のうち少なくとも定着部材に離型剤を塗布することにより、離型剤により、トナ 一とトナーに接する加熱部材 (定着部材)の離型性がさらに向上する。
[0253] 第 42の手段では、第 37、第 38、第 39、第 40、第 41のいずれか一つの手段の定着 装置にお 、て、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2] で前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商が、 0. 5 [kgfZcm2]以上となるよ うにしたので、多くのトナーでの定着は、圧力に依存し、特に、 0. 5 [kgfZcm2]以上 かけることにより、画像の定着性が向上する。
[0254] また、第 43の手段では、第 37、第 38、第 39、第 40、第 41、第 42のいずれか一つの 手段の定着装置にお!ヽて、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面 積 S [cm2]で前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 4. 0[kgfZcm2]以 下となるようにしたので、 4. 0[kgfZcm2]以上の条件では、トナーの持つワックス、ま たはシリコンオイルなどの離型剤力 トナー榭脂とローラ離型層力もでてしまうが、この 圧力以下であると離型性が維持できる。
[0255] 以上の本発明に係る加熱部材 (定着部材)では、離型層が良熱伝導層であるため、 低熱伝導の従来のフッ素榭脂材料で起こる加熱部材 (定着部材)表面の温度低下を 小さくできる。そのため、画像形成装置の定着装置に用いた場合に、連続通紙時、 従来の画像形成装置で、表面温度低下の時に行われる、紙の通紙速度の減速等を 行わずにすみ、安定した画像形成が可能となる。また、熱伝導率の向上は、未定着 画像を定着部材の温度をどこまで下げて定着できるかというコールドオフセット温度 の測定でも評価できる。このように、本発明では、定着時の加熱効率を上げることが でき、画像形成の生産性を向上することができる定着部材を提供することができ、そ れを用いた定着装置を提供することができる。
[0256] また、本発明に係る加熱部材では、表層の離型層が、発熱層(導電層)、熱伝導層を 兼ねる構成とすることができるため、加熱時の立ち上げ時間を非常に短くすることが できる。また、通常用いられる画質向上のためのシリコンゴム層等を発熱部より奥 (基 材側)に配置できるため、加熱のタイムラグを極小にすることができる。また、通常の 構成では、離型性を確保するために必須のフッ素榭脂は、熱伝導率が低いため加熱 効率低下になるが、本発明では離型層が、発熱層(導電層)、熱伝導層を兼ねている ため、離型性を損なわずに表層に電気伝導性を与え、電磁誘導加熱に用いることが できるので、非常に有利である。
[0257] 第 44の手段では、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記 記録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置にお!ヽて、前記定 着部に、高離型性で熱伝導率または導電率の高い表層を持つ加熱部材 (定着部材 )を利用した定着方法を用いたことにより、高耐久で信頼性の高い、エネルギー効率 のよ 、高画質な画像形成装置を提供できる。
[0258] また、第 45の手段では、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と 、前記記録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前 記定着部に、高離型性で熱伝導率または導電率の高い表層を持つ加熱部材 (定着 部材)を利用した定着装置を備えたことにより、高耐久で信頼性の高い、エネルギー 効率のよ!ヽ高画質な画像形成装置を提供できる。
[0259] 第 46,第 47の手段の加熱部材では、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂) に、少なくとも 1種類の熱伝導性の金属材料および少なくとも 1種類の熱伝導性の非 金属材料が混在した表層を有し、その熱伝導性の金属材料および熱伝導性の非金 属材料が連接していることにより、熱伝導性の材料が連接している場合には、単純に 分散した状態では達成できない熱伝導率を得ることが可能となり、加熱効率が向上し 、加熱時の温度低下を低減することができる。また、本発明における非金属材料はケ ィ素ゃ炭化ケィ素、酸ィ匕亜鉛等の半導体もしくはアルミナ、結晶性シリカ、窒化ホウ 素、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケィ素、ダイヤモンド等の絶縁 体を意味し、熱伝導性の金属材料と、熱伝導性の非金属材料の比率を制御すること により、熱伝導性の金属材料のみを混在させ連接した場合に比べて表層を表面抵抗 が 1. O X 106ΩΖ口以上の中抵抗に制御した加熱部材を得ることができる。
[0260] これにより、転写材が保持していた転写電荷が逃げることによって、トナーを転写材に ひきつけておく力が弱まり、結果として静電オフセットを引き起こしてしまう現象を防止 することができる。
[0261] また、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に混在する、熱伝導性の金属材 料および熱伝導性の非金属材料を連接させることにより、該材料の添加量を少なくで きるため、表層の離型性の低下を実質的に無視できる程度にすることができる。
[0262] ところで、フッ素榭脂を加熱溶融させて表層を形成する際に、単一のフッ素榭脂の構 成では、加熱前にフッ素榭脂を取り囲んでいた金属材料および非金属材料の連接 状態がフッ素榭脂の流動に伴ない乱されてしまい、製造ロット間で熱伝導性や導電 性のバラツキが生じる虞があるが、第 48の手段の加熱部材では、フッ素榭脂として、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を含み、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂 は、連接した金属材料および非金属材料に取り囲まれていることにより、フッ素榭脂 の溶融流動による連接部の連接状態の乱れを抑制することができ、十分な熱伝導性 や抵抗制御性を確保することができる。
[0263] 第 49の手段の加熱部材では、連接している金属材料および非金属材料が球殻また はその変形形状をしており、それら球殻が連接していることにより、加熱部材の表層 の厚さが、種々のものが要求された場合でも、球殻が接する構造にしたため単にそ れを積み重ねるだけで、熱や電気の通り道を効率よく形成できる。
[0264] 第 50の手段では、前記金属材料として、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミ 二ゥム、マグネシウム、チタン、錫、ビスマスのいずれかの金属または、これら金属の いずれか 1つ以上を含む金属または合金の粒子またはフィラーを含むことにより、加 熱部材の表層の強度、硬さが、種々のものが要求された場合でも、金属の種類を選 択することにより、熱や電気の通りの効率がよい、要求特性にあった表層を形成する ことができる。
[0265] また、第 51の手段では、前記金属材料として、(1)錫 銀系、(2)錫 銅系、(3)錫 亜鉛 系、(4)錫 銀 ^¾系、(5)錫"!良 ビスマス系、(6)錫 銀 ビスマス系、(7)錫系、(8) 錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマスのいずれかの金属または合金を含むことにより、加熱 部材の表層の強度、硬さが、種々のものが要求された場合でも、金属同士をこれらの 低融点金属で接合できるため、熱の通りの効率がよい、要求特性にあった表層を形 成することができる。
[0266] さらに、第 52の手段では、前記フ
ッ素榭脂に、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることにより、表層の耐磨耗性 と熱伝導性を向上することができる。
[0267] 第 53の手段では、前記表層の水に対する接触角が 80° 以上であることにより、金属 材料および非金属材料の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形での 表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態で保持でき、これにより、トナーの離型性を 確保できる。つまり、小さな金属部分およびセラミック部分の露出では、マクロな接触 角には影響が少ないため、離型性を確保できる。
[0268] また、第 54の手段では、前記表層の金属部分およびセラミック部分は、その断面に おいて厚さが 50 m以下であるので、金属材料および非金属材料の大きさと分布を コントロールすることにより、マクロな形での表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態 で保持でき、これにより、トナーの離型性を確保できる。つまり、小さな金属部分およ びセラミック部分の露出では、マクロな接触角には影響が少ないため、離型性を確保 できる。
[0269] また、第 55の手段では、第 2乃至第 9の 、ずれか一つの手段の加熱部材にお!/、て、 前記表層の金属部分およびセラミック部分は、その断面において最大幅部が 30 m 以下であるので、金属材料および非金属材料の大きさと分布をコントロールすること により、マクロな形での表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態で保持でき、これに より、トナーの離型性を確保できる。つまり、小さな金属部分の露出では、マクロな接 触角には影響が少ないため、離型性を確保できる。
[0270] 第 56の手段では、前記表層に含まれる金属材料および非金属材料は、被加熱部材 を加熱する時の温度より高い融点を有することにより、加熱時に金属材料および非金 属材料が溶融して連接が破壊されるということが防止され、表層の耐久性が向上する
[0271] また、第 57の手段では、前記表層の表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以 下にすることにより、例えば定着部材に応用した際に、画質、特にベタ画像は、定着 部材の表面が転写されるため、表面がなめらかな加熱部材により光沢度が向上する
[0272] 第 58の手段では、第 46乃至第 57のいずれか一つの手段の加熱部材において、口 ーラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を 有し、前記表層が熱伝導層として機能することにより、発熱手段の熱を効率良く表面 に熱伝導することができ、加熱効率が向上し、加熱時の温度低下を低減することがで きる。
[0273] 第 59の手段では、第 46乃至第 57のいずれか一つの手段の加熱部材において、口 ーラ状もしくは無端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が熱伝導性と導電性の 両方を有する材料および熱伝導性と絶縁性の両方を有する材料が混在し、その熱 伝導性と導電性の両方を有する材料および熱伝導性と絶縁性の両方を有する材料 が連接している熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生させて発熱 しうる導電層を有し、該導電層に渦電流を発生させて発熱させることにより、電磁誘 導加熱により発熱させることができ、熱伝導層を介して加熱部材の表面温度を素早く 上昇させることが可能となり、加熱効率を向上させることができる。 [0274] ここで、導電層は、榭脂材料に、熱伝導性の金属材料が混在し、その熱伝導性の金 属材料が連接して ヽるものであっても良 ヽし、あるいは榭脂材料に鱗片状の導電性 材料を充填したものでも良 、。
[0275] また、第 60の手段では、第 59の手段の加熱部材において、前記基材は、前記表層 が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有することにより、表層で発生した熱が基 材側に逃げることが防止され、被加熱部材を効率良く加熱することができる。
[0276] 第 61の手段では、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法にお!、て、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した粉体 または、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の 基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことにより、粉体の調整 (帯電可能化)により 、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を 作製可能となる。
[0277] また、第 62の手段では、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層 の作製方法にぉ ヽて、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆し た粉体または、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを水溶 液中に分散し、その塗装液により、加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜とした ことにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく 変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0278] さらに第 63の手段では、第 61または第 62の手段の加熱部材表層の作製方法にお いて、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆したものとして、フッ 素榭脂に金属材料粉および非金属材料粉を混合しながら機械的な圧力と剪断力を 加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属材料粉および非 金属材料粉を固着させて作製した被覆粉体、または、金属材料粉および非金属材 料粉を衝撃力によりフッ素榭脂に固定化して作製した被覆粉体を用いたことにより、 フッ素榭脂に金属材料粉および非金属材料粉を機械的な圧力とセン断力や、衝撃 力により金属材料粉および非金属材料粉を打ち込み固定ィ匕する方法で、比較的容 易にフッ素榭脂を金属材料粉および非金属材料粉で覆うことができる。この粉体を用 いることにより、容易に熱や電気の通り道を構成でき、少ない添加量で、熱伝導率の 向上や抵抗制御ができる。さらにフッ素榭脂と金属の分布を均一にできるため、離型 性の悪い部分が生じにくい。
[0279] 第 64の手段では、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または金属 材料および非金属材料を榭脂に分散した粉体とを、機械混合し、その混合した粉体 を加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことにより、粉体の調整 (帯電 可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の加熱 部材の表層を作製可能となる。
[0280] また、第 65の手段は、第 47乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の 作製方法において、フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または 金属材料および非金属材料を榭脂に分散した粉体とを、水溶液中に分散し、それを 塗装液として加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の 加熱部材の表層を作製可能となる。
[0281] さらに第 66の手段では、第 61乃至第 65のいずれか一つの手段の加熱部材表層の 作製方法において、フッ素榭脂の融点以上に加熱することにより、フッ素榭脂同士が 強く接続し、耐久性のある膜を形成することができる。
[0282] 第 67の手段では、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点 が高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装 した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とするこ とにより、粉体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変 えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0283] また、第 68の手段では、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層 の作製方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも 最も融点が高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されて おり、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を積層するように加熱部材の基 材に静電塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱 して膜とすることにより、粉体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート 工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能となる。
[0284] 第 69の手段では、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の作製 方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点 が高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗 装液を、加熱部材の基材に塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点より も低い温度で加熱して膜とすることにより、粉体の調整 (分散性向上)により、従来の フッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の加熱部材の表層を作製可能 となる。
[0285] また、第 70の手段は、第 48乃至第 60のいずれか一つの手段の加熱部材の表層の 作製方法において、融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も 融点が高いフッ素榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており 、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子を、それぞれ水溶液中に分散して 作製した塗装液を、加熱部材の基材に積層するように塗装した後、最も融点が高い フッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることにより、粉体の調整 (分 散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコート工程を大きく変えることなく本構成の加 熱部材の表層を作製可能となる。
[0286] さらに第 71の手段では、第 67乃至第 70のいずれか一つの手段の加熱部材表層の 作製方法にぉ ヽて、フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した ものとして、フッ素榭脂に金属材料粉および非金属材料粉を混合しながら、機械的な 圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属 材料粉および非金属材料粉を固着させて作製した被覆粉体、または、金属材料粉 および非金属材料粉を衝撃力によりフッ素榭脂に固定ィ匕して作製した被覆粉体を用 いたことにより、フッ素榭脂に金属材料粉および非金属材料粉を機械的な圧力とセン 断力や、衝撃力により金属材料粉および非金属材料粉を打ち込み固定ィ匕する方法 で、比較的容易にフッ素榭脂を金属材料粉および非金属材料粉で覆うことができる。 この粉体を用いることにより、容易に熱や電気の通り道を構成でき、少ない添加量で 、熱伝導率や抵抗制御性を上げることができる。さらにフッ素榭脂と金属材料および 非金属材料の分布を均一にできるため、離型性の悪い部分が生じにくい。
[0287] 第 72の手段では、被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱 し、記録材上の未定着画像を定着する定着部材において、第 58乃至第 60のいずれ か一つの手段の加熱部材カもなることにより、第 58乃至第 60のいずれかの手段と同 様の効果が得られる定着部材を得ることができる。
[0288] 第 73の手段では、加熱装置であって、励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦 電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備 え、前記加熱部材として第 59または第 60の手段の加熱部材を用いたことにより、カロ 熱部材の表層が導電層として機能し、該導電層に渦電流を発生させて発熱させるこ とにより、電磁誘導加熱により発熱させることができ、熱伝導層を介して加熱部材の表 面温度を素早く上昇させることが可能となり、加熱効率を向上させることができる。
[0289] また、加熱部材の基材の、表層が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有する構 成では、表層で発生した熱が基材側に逃げることが防止され、被加熱部材を効率良 く加熱することができる。
[0290] 第 74の手段では、シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体 を加熱する加熱手段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧する加熱装置にお いて、前記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体に設けられ た導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段から成り、 2つの回転体のいずれか一方または両方に、第 59または第 60の手段の加熱部材を 用いたことにより、導電層部分で発熱させることができるため、回転体の表面温度を 素早く上昇させることができ、被加熱部材を効率よく加熱することができる。また、カロ 熱部材の基材の、表層が形成される面に弾性層もしくは断熱層を有する構成では、 表層で発生した熱が基材側に逃げることが防止され、被加熱部材を効率良く加熱す ることがでさる。
[0291] また、第 75の手段では、第 74の手段の加熱装置において、前記加熱手段を 2っ備 え、 2つの回転体が 2つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることにより、被加熱部材 の両面力も効率良く加熱することができる。
[0292] 第 76の手段では、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧 接される加圧部材とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通 過する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着す る定着方法において、前記定着部材として第 72の手段の定着部材を用いたことによ り、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。
[0293] また、第 77の手段では、第 76の手段の定着方法において、ワックス含有のトナーを 用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、トナー中のワックスによりさら に離型性が向上する。
[0294] 第 78の手段は、定着方法であって、第 73の手段の加熱装置を用い、ワックス含有の トナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱によ る定着を行うことができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することが できる。また、トナー中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0295] また、第 79の手段では、定着方法であって、第 74または第 75の手段の加熱装置を 用い、 2つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材 の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて 記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱による定着を行うこ とができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。また、ト ナ一中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0296] さらに第 80の手段では、第 76、第 77、第 79のいずれか一つの手段の定着方法に おいて、前記定着部材と加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布するこ とにより、離型剤により、トナーとトナーに接する定着部材の離型性がさらに向上する
[0297] 第 81の手段では、周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧 接される加圧部材とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過 する記録材を加熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する 定着装置において、前記定着部材として第 72の手段の定着部材を用いたことにより 、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。 [0298] また、第 82の手段では、第 81の手段の定着装置において、ワックス含有のトナーを 用いて記録材に形成された画像の定着を行うことにより、トナー中のワックスによりさら に離型性が向上する。
[0299] 第 83の手段では、定着装置であって、第 73の手段の加熱装置を備え、ワックス含有 のトナーを用いてシート状の被加熱部材に形成された画像の定着を行うことにより、 電磁誘導加熱による定着を行うことができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効 率を向上することができる。また、トナー中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0300] また、第 84の手段では、定着装置であって、第 74または第 75の手段の加熱装置を 備え、 2つの回転体の一方を定着部材、他方を加圧部材とし、定着部材と加圧部材 の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持搬送し、ワックス含有のトナーを用いて 記録材に形成された画像の定着を行うことにより、電磁誘導加熱による定着を行うこ とができ、離型性を確保しながら定着時の加熱効率を向上することができる。また、ト ナ一中のワックスによりさらに離型性が向上する。
[0301] さらに第 85の手段では、第 81、第 82、第 84のいずれか一つの手段の定着装置に おいて、前記定着部材と前記加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布 することにより、離型剤により、トナーとトナーに接する定着部材の離型性がさらに向 上する。
[0302] 第 86の手段では、第 81、第 82、第 84、第 85のいずれか一つの手段の定着装置に ぉ 、て、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記 記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 0. 5 [kgfZcm2]以上となるようにした ので、多くのトナーでの定着は、圧力に依存し、特に、 0. 5 [kgfZcm2]以上かけるこ とにより、画像の定着性が向上する。
[0303] また、第 87の手段では、第 81、第 82、第 84、第 85、第 86のいずれか一つの手段の 定着装置にお!ヽて、前記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [c m2]で前記記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 4. 0[kgfZcm2]以下とな るようにしたので、 4. 0 [kgf/cm2]以上の条件では、トナーの持つワックス、または シリコンオイルなどの離型剤力 トナー榭脂とローラ離型層力もでてしまうが、この圧 力以下であると離型性が維持できる。
[0304] 以上の本発明に係る加熱部材 (定着部材)では、離型層が良熱伝導層であるため、 低熱伝導の従来のフッ素榭脂材料で起こる加熱部材 (定着部材)表面の温度低下を 小さくできる。そのため、画像形成装置の定着装置に用いた場合に、連続通紙時、 従来の画像形成装置で、表面温度低下の時に行われる、紙の通紙速度の減速等を 行わずにすみ、安定した画像形成が可能となる。また、熱伝導率の向上は、未定着 画像を定着部材の温度をどこまで下げて定着できるかというコールドオフセット温度 の測定でも評価できる。このように、本発明では、定着時の加熱効率を上げることが でき、画像形成の生産性を向上することができる定着部材を提供することができ、そ れを用いた定着装置を提供することができる。
[0305] また、本発明に係る加熱部材では、表層が、熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側に あり渦電流を発生させて発熱しうる導電層を有し、熱伝導層が離型層を兼ねる構成と することができるため、加熱時の立ち上げ時間を非常に短くすることができる。また、 通常用いられる画質向上のためのシリコンゴム層等を発熱部より奥 (基材側)に配置 できるため、加熱のタイムラグを極小にすることができる。また、通常の構成では、離 型性を確保するために必須のフッ素榭脂は、熱伝導率が低 、ため加熱効率低下に なるが、本発明では離型層力 熱伝導層を兼ねているため、非常に有利である。
[0306] 第 88の手段では、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記 記録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置にお!ヽて、前記定 着部に、高離型性の熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生させて 発熱しうる導電層を有する表層を持つ加熱部材 (定着部材)を利用した定着方法を 用いたことにより、高耐久で信頼性の高い、エネルギー効率のよい高画質な画像形 成装置を提供できる。
[0307] また、第 89の手段では、シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と 、前記記録材にトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、前 記定着部に、高離型性の熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生さ せて発熱しうる導電層を有する表層を持つ加熱部材 (定着部材)を利用した定着装 置を備えたことにより、高耐久で信頼性の高い、エネルギー効率のよい高画質な画 像形成装置を提供できる。
[0308] 第 90の手段では、熱の良導体が連接することにより、単純に分散した状態では達成 できな 、熱伝導率を得ることができ、定着部材の定着時の温度低下を低減すること ができる。また、熱の良導体添加量を少なくできたため、離型性の低下を実質的に無 視できる程度にすることができる。
[0309] 第 91の手段では、表層形成時、低融点の熱良導体は形状異方性を有する熱良導 体の表面を被覆もしくは表面に付着し、拡散が押さえられ、溶融した低融点の熱良 導体による熱伝導路の形成が促進される。このため熱伝導率を十分に向上させるこ とがでさる。
[0310] 第 92の手段では、定着部材の表層の厚さ力 種々のものが要求された場合でも、球 殻が接する構造にしたため単にそれを積み重ねるだけで、熱の通り道を効率よく形 成できる。
[0311] 第 93の手段では、本構成の熱良導体の大きさと分布をコントロールすることにより、 マクロな形での表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態を保持でき、これにより、ト ナ一の離型性を確保できる。つまり、小さな熱良導体部分の露出では、マクロな接触 角には影響が少な力つたため確保できた。
[0312] 第 94の手段では、画質、特にベタ画像は、定着部材の表面が転写されるため、表面 がなめらかなローラにより光沢度が向上する。
[0313] 第 95の手段では、粉体の調整 (帯電可能化)により、従来のフッ素榭脂のコート工程 を大きく変えることなく本構成を作成可能となった。
[0314] 第 96の手段では、フッ素榭脂に金属粉を機械的な圧力とセン断力や、衝撃力により 金属粉を打ち込み固定ィ匕する方法で、比較的容易にフッ素榭脂を金属粉で覆うこと ができる。この粉体を用いることにより、容易に熱の通り道を構成でき、少ない金属添 加量で、熱の伝導率を上げることができる。さらにフッ素榭脂と金属の分布を均一に できるため、離型性の悪い部分が生じにくい。
[0315] 第 97又は 98の手段では、離型剤により、トナーとトナーに接する定着部材の離型性 が向上する。
[0316] 第 99の手段では、多くのトナーでの定着は、圧力に依存し、特に、 0.5 [kgf/cm2] 以上かけることにより、画像の定着性が向上する。
[0317] 第 100の手段では、 4.0 [kgf /cm2]以上の条件では、トナーの持つワックス、または 、シリコンオイルなどの離型剤が、トナー榭脂とローラ離型層からでてしまう。この圧力 以下であると離型性が維持できる。
[0318] 第 101の手段では、高離型性の熱伝導率の高い表層を持つローラを使用することに より信頼性の高!ヽ、エネルギー効率のよ!、画像形成装置を提供できる。
[0319] 第 102の手段では、バリスタ粉末が接続することにより、単純に分散した状態では達 成できな!/、電気特性を得ることができ、定着部材の定着時の電気的な特性をコント口 ールしてトナーチリ等を低減することができる。また、粉末添加量を少なくできたため 、離型性の低下を実質的に無視できる程度にすることができる。
[0320] 第 103の手段では、バリスタ粉末が接続することにより、単純に分散した状態では達 成できな!/、電気特性を得ることができ、定着部材の定着時の電気的な特性をコント口 ールしてトナーチリ等を低減することができる。また、粉末添加量を少なくできたため 、離型性の低下を実質的に無視できる程度にすることができる。
[0321] 第 104の手段では、フッ素榭脂に粉末を機械的な圧力とせん断力や、衝撃力により 金属粉を打ち込み固定ィ匕する方法で、比較的容易にフッ素榭脂を粉末で覆うことが できる。この粉体を用いることにより、容易に熱の通り道を構成でき、少ない粉末添カロ 量で、電気特性を上げることができる。さらにフッ素榭脂とバリスタ粉末の分布を均一 にできるため、離型性の悪い部分が生じにくい。
[0322] 第 105の手段では、フッ素榭脂の融点以上に加熱する工程を経ることにより、フッ素 榭脂同士が強く接続し、耐久性のある膜を形成することができる。
[0323] 第 106の手段では、定着部材の表層の強度、硬さ力 種々のものが要求され
た場合でも、金属の種類を選択することにより、電気特性がよい、要求特性にあった 表層を形成できる。
[0324] 第 107の手段では、プラセォジゥム等の添カ卩により、より安定した電位特性を得ること ができる。
[0325] 第 108の手段では、粉体の調整 (帯電可能化)は容易であり、従来のフッ素榭脂のコ ート工程を大きく変えることなく本構成を作製可能となり、生産性を上げることができる [0326] だい 109の手段では、粉体の調整 (分散性向上)は容易であり、従来のフッ素榭脂の コート工程を大きく変えることなく本構成を作製可能となり、生産性を上げることができ る。
[0327] 第 110の手段では、粉体の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形で の表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態を保持でき、これにより、トナーの離型性 を確保できる。つまり、小さな粉体部分の露出では、マクロな接触角には影響が少な かったため確保できた。
[0328] 第 111の手段では、本構成のバリスタ特性を持つ粒子を第 109の手段も含めて粉体 の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形での表面エネルギーをフッ素 榭脂単体の状態を保持でき、これにより、トナーの離型性を確保できる。つまり、小さ な粉体部分の露出では、マクロな接触角には影響が少な力つたため確保できた。
[0329] 第 112の手段では、融点より高い温度では、応力により液体となった金属が破壊して しまうため材料の耐久性が著しく低下する。
[0330] 第 113の手段では、画質、特にベタ画像は、定着部材の表面が転写されるため、表 面がなめらかなローラにより光沢度が向上する。
[0331] 第 114又は 115の手段では、トナーの中のワックスにより離型性が向上する。
[0332] 第 116又は 117の手段では、離型剤により、トナーとトナーに接する定着部材の離型 性が向上する。
[0333] 第 118の手段では、多くのトナーでの定着は、圧力に依存し、特に、 0.5 [kgf/cm2] 以上かけることにより、画像の定着性が向上する。
[0334] 第 119の手段では、 4.0 [kgf /cm2]以上の条件では、トナーの持つワックス、または
、シリコンオイルなどの離型剤が、トナー榭脂とローラ離型層からでてしまう。この圧力 以下であると離型性が維持できる。
[0335] 第 120の手段では、高離型性の熱伝導率の高い表層を持つローラを使用することに より信頼性の高!ヽ、エネルギー効率のよ!、画像形成装置を提供できる。
[0336] 第 121の手段では、離型層部分で発熱させることができるため、被加熱体の温度を 素早く上昇させることができる。また、フッ素榭脂との構成により離型性、被粘着性も 確保できる。
[0337] 第 122の手段では、離型層部分で発熱させることができるため、定着ローラの表面温 度を素早く上昇させることができるためトナーを効率よく加熱することができる。また、 フッ素榭脂との構成により離型性も確保できる。
[0338] 第 123の手段では、金属メツキ層を接続させているため、電磁誘導による渦電流を流 せる構成〖こすることがでさる。
[0339] 第 124の手段では、金属メツキ層同士を低融点金属により、容易に金属接合できる。
そのため、より効率よく渦電流が流れ、誘導加熱で効率よく発熱させることが可能で ある。
[0340] 第 125の手段では、離型層を発熱層としても作用させることができるため表層として 使用でき効率のょ 、定着が可能である。
[0341] 第 126の手段では、本構成の金属を第 127の手段も含めて金属の大きさと分布をコ ントロールすることにより、マクロな形での表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態を 保持でき、これにより、トナーの離型性を確保できる。つまり、小さな金属部分の露出 では、マクロな接触角には影響が少な力 たため確保できた。
[0342] 第 127の手段では、金属の大きさと分布をコントロールすることにより、マクロな形で の表面エネルギーをフッ素榭脂単体の状態を保持でき、これにより、トナーの離型性 を確保できる。つまり、小さな金属部分の露出では、マクロな接触角には影響が少な かったため確保できた。
[0343] 第 128の遮断では、粉体の調整により、従来のフッ素榭脂の静電塗装によるコートェ 程を大きく変えることなく本構成を作成可能となった。
[0344] 第 129の手段では、粉体の調整 (分散性向上)により、従来のフッ素榭脂のコートェ 程を大きく変えることなく本構成を作成可能となった。
[0345] 第 130の手段では、融点より高い温度では、応力により軟ィ匕した金属が破壊してしま うため材料の耐久性が著しく低下する。
[0346] 第 131の手段では、画質、特にベタ画像は、定着部材の表面が転写されるため、表 面がなめらかなローラにより光沢度が向上する。
[0347] 第 132の手段では、 1度に両面の定着が可能であるため、プリント生産性が向上する [0348] 第 133又は 134の手段では、トナーの中のワックスにより離型性が向上する。
[0349] 第 135又は 136の手段では、離型剤により、トナーとトナーに接する定着部材の離型 性が向上する。
[0350] 第 137の手段では、多くのトナーでの定着は、紙に接触する圧力が必要であるため、 圧力に依存し、特に、 0.5 [kgfZcm2]以上かけることにより、画像の定着性が向上す る。
[0351] 第 138の手段では、 4.0 [kgf /cm2]以上の条件では、トナーの持つワックス、または 、シリコンオイルなどの離型剤が、トナー榭脂とローラ離型層からでてしまう。この圧力 以下であると離型性が維持できる。
[0352] 第 139の手段では、高離型性の発熱表層を持つローラを使用することにより信頼性 の高 、、エネルギー効率のょ 、画像形成装置を提供できる。
図面の簡単な説明
[0353] [図 1]本発明の実施例 1乃至 7に係る一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図 である。
[図 2]本発明の実施例 1乃至 7に係る一実施形態を示す定着装置の概略断面図であ る。
[図 3]本発明の実施例 1乃至 7に係る別の実施形態を示す定着装置の概略断面図で ある。
[図 4]本発明の実施例 1乃至 7に係るさらに別の実施形態を示す定着装置の概略断 面図である。
[図 5]本発明の実施例 1乃至 7に係るさらに別の実施形態を示す定着装置の概略断 面図である。
[図 6]本発明に実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図 であり、表層の一部の表面に沿った方向の断面を示す図である。
[図 7]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図 であり、表層の一部の表面に垂直な方向の断面を示す図である。
[図 8]フッ素榭脂の周囲に金属粉を固着させる装置として用いられるノ、イブリダィゼー シヨンシステムの概略構成図である。
[図 9]Ag-Bi系の状態図である。
圆 10]本発明の実施例 1乃至 7に係る 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の加熱 部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図であり、表層の一部の表面に沿った方向 の断面を示す図である。
圆 11]本発明の実施例 1乃至 7に係る 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の加熱 部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図であり、表層の一部の表面に垂直な方向 の断面図である。
圆 12]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の一 例を示す図である。
圆 13]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の別 の例を示す図である。
圆 14]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の別 の例を示す図である。
圆 15]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の別 の例を示す図である。
圆 16]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の別 の例を示す図である。
圆 17]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の構成例を示す図であり 、表面に垂直な方向の断面を示す図である。
圆 18]本発明の実施例 1乃至 7に係る加熱部材 (定着部材)の別の構成例を示す図 であり、表面に垂直な方向の断面を示す図である。
[図 19]実施例 4に示す導電層のサンプルの表面の一部を拡大してスケッチした図で ある。
[図 20]図 19に示す導電層のサンプルの断面を示す図である。
[図 21]実施例 4に示す導電層の構成材料の焼成後の断面を模式的に示す図である
[図 22]PFAの熱伝導率に対する表層の材料の熱伝導率の倍率を示す図である。 圆 23]本発明の実施例 8乃至 13に係る一実施形態を示す画像形成装置の概略構 成図である。
[図 24]本発明の実施例 8乃至 13に係る一実施形態を示す定着装置の概略断面図 である。
[図 25]本発明の実施例 8乃至 13に係る別の実施形態を示す定着装置の概略断面 図である。
圆 26]本発明の実施例 8乃至 13に係るさらに別の実施形態を示す定着装置の概略 断面図である。
圆 27]本発明の実施例 8乃至 13に係るさらに別の実施形態を示す定着装置の概略 断面図である。
圆 28]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示 す図であり、表層の一部の表面に沿った方向の断面を示す図である。
圆 29]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示 す図であり、表層の一部の表面に垂直な方向の断面を示す図である。
圆 30]フッ素榭脂の周囲に金属粉を固着させる装置として用いられるハイブリダィゼ ーシヨンシステムの概略構成図である。
[図 31]Ag-Bi系の状態図である。
圆 32]本発明の実施例 8乃至 13に係る 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の加 熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図であり、表層の一部の表面に沿った方 向の断面を示す図である。
圆 33]本発明の実施例 8乃至 13に係る 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の加 熱部材 (定着部材)の表層の構成例を示す図であり、表層の一部の表面に垂直な方 向の断面図である。
圆 34]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の 一例を示す図である。
圆 35]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の 別の例を示す図である。
圆 36]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の 別の例を示す図である。
圆 37]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の 別の例を示す図である。
圆 38]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の表層の作製方法の 別の例を示す図である。
圆 39]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の構成例を示す図であ り、表面に垂直な方向の断面を示す図である。
圆 40]本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)の別の構成例を示す 図であり、表面に垂直な方向の断面を示す図である。
[図 41]導電層の断面を示す図である。
[図 42]実施例 11に示す導電層の構成材料の焼成後の断面を模式的に示す図であ る。
[図 43]PFAの熱伝導率に対する表層の材料の熱伝導率の倍率を示す図である。 圆 44]実施例 14乃至 22に係る本発明による画像形成装置を説明するための図であ る。
[図 45]図 44に示される定着部分の概略を示す図である。
[図 46]図 45に示される定着ローラの表層を説明するための図である。
[図 47]ノ、イブリダィゼーシヨンシステムの概略構成図である。
[図 48]図 46に示される表層の断面図である。
[図 49]実施例 15のサンプルを示す図である。
[図 50]実施例 16のサンプルを示す図である。
[図 51]実施例 17のサンプルを示す図である。
圆 52]実施例 23乃至 27に係る本発明による画像形成装置を説明するための図であ る。
[図 53]図 52に示される定着部分の概略を示す図である。
[図 54]図 53に示される定着ローラの表層を説明するための図である。
[図 55]図 54に示される表層の断面図である。
[図 56]ハイブリダィゼーシヨンシステムの概略構成図である。 [図 57]実施例 28乃至 39に係る本発明による画像形成装置を説明するための図であ る。
[図 58]図 57に示される定着部分の概略を示す図である。
[図 59]実施例 30における図 58に示される定着ローラの表層を説明するための図で ある。
[図 60]実施例 30における図 59に示される定着ローラの表層の断面図である。
[図 61]実施例 30における定着ローラ表層部の材料焼成後の模式図である。
[図 62]実施例 37における定着部分の基本構成を示す。
[図 63]実施例 38におけるテスト機の基本構成を示す。
符号の説明
[0354] 1:感光体 2:帯電ローラ 3:光走査装置 4:現像装置 5:転写ローラ 6, 6A, 6B , 6C:定着装置 (加熱装置) 7:クリーニング装置 8:除電装置 11, 11A, 11B, 1 1C:定着ローラ (定着部材 (加熱部材)) 12:磁束生成コイル (加熱手段) 13:加圧 ローラ (加圧部材) 14:ハロゲンヒータ (発熱手段) 15:表層 16:温度検知素子 17:基材 (芯金) 18:断熱層(または弾性層) 19A, 19B:離型剤塗布部材 21:コ ァ 30:リッツ線 41:フッ素榭脂部 41A:融点が高いフッ素榭脂 41B:融点が低 いフッ素榭脂 42:連接部 43:フッ素榭脂 44:金属粒子 (または金属フィラー) 4 4a:金属材料 44b:非金属材料
発明を実施するための最良の形態
[0355] 以下、図面を参照しながら本発明にかかる加熱部材、定着部材、加熱装置、定着装 置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
[0356] 図 1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。画像 形成装置は、周知の電子写真方式の画像形成プロセスと静電転写プロセスを実行 することによって、シート状の被加熱部材 (記録用紙、 OHPシート、葉書等の記録材 )に画像を得ることができるものであって、像担持体として円筒状に形成された光導電 性の感光体 1を有している。この感光体 1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ 2 、現像装置 4、転写ローラ 5、クリーニング装置 7、除電装置 8が配備されている。また 、それらの他に、画像形成装置は、光走査装置 3と定着装置 6を備えている。尚、帯 電手段としては、帯電ローラ 2の他、コロナチャージャ等を用いることができる。また、 転写手段としては、転写ローラ 5の他、転写チャージャ、転写ベルト等を用いることが できる。
[0357] 光走査装置 3は、半導体レーザ (LD)等の光源と光偏向器と結像光学系などからなり 、帯電ローラ 2と現像装置 4との間の感光体面で光走査による露光を行い、画像デー タに対応した静電潜像を形成する。また、光走査装置 3に代えて、発光ダイオードお ED)アレイや、液晶シャッターアレイ等を利用した光書込み装置を用 Vヽても良 、。
[0358] 現像装置 4は、トナーからなる一成分現像剤、あるいはトナーと磁性キャリア力 なる 二成分現像剤を用い、該現像剤中のトナーで感光体 1上の静電潜像を現像する。
[0359] クリーニング装置 7は、クリーニングブレードやクリーニングブラシ等で感光体 1上の残 留トナーや紙粉等を清掃する。
[0360] 定着装置 6は、発熱手段を有するローラ状の定着部材 (定着ローラ) 11と、その定着 ローラ 11Aに圧接するローラ状の加圧部材 (加圧ローラ) 13とからなり、定着ローラ 1 1と加圧ローラ 13との圧接部でシート状の被加熱部材 Sを挟持搬送し、被加熱部材 上の未定着画像を定着する。発熱手段としては、定着ローラ 11の内部に配置される ノ、ロゲンヒータや電気ヒータなどがある力 この他、定着ローラ自体を発熱手段にして 電磁誘導加熱方式で発熱させる方式がある。
[0361] 図 1に示す画像形成装置で画像形成を実行する際は、感光体 1が図 1の時計回り〖こ 回転され、その表面が帯電ローラ 2により均一に帯電される。そして、図示しない原稿 読取部で読み取られた原稿の画像データ、あるいは図示しな!、外部機器 (パーソナ ルコンピュータ、ワードプロセッサ等)から入力される画像データ、あるいは通信回線 を通して送信されて来た画像データに応じて、光走査装置 3の駆動が制御され、光 走査装置 3の露光により感光体 1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は 現像装置 4のトナーにより反転現像され、感光体 1の表面にトナー画像が形成される 。このトナー画像は、感光体 1のトナー画像が転写位置へ移動するのとタイミングを合 わせて図示されな!ヽ給紙機構により転写部へ送り込まれたシート状の被加熱部材( 例えば記録用紙) Sと重ね合わされ、転写ローラ 5の作用により、記録用紙 Sへ静電 転写される。トナー画像を転写された記録用紙 Sは、定着装置 6でトナー画像を定着 された後、装置外部の図示しない排紙部へ排出される。また、トナー画像を記録用紙
Sに転写した後の感光体 1の表面は、クリーニング装置 7により残留トナーや紙粉など が除去され、さらに除電装置 8により除電される。
[0362] 次に図 1に示す画像形成装置に用いられる定着装置 6の構成例について説明する。
図 2は本発明に係る加熱部材 (定着部材)を用いた定着装置の一実施形態を示す 概略構成図である。この定着装置 6Aは、ローラ状の定着部材 (定着ローラ) 11 Aと、 その定着ローラ 11Aに圧接するローラ状の加圧部材 (加圧ローラ) 13と、定着ローラ 11Aの基材の内側に配設された発熱手段 (例えばハロゲンヒータ) 14と、定着ローラ 11 Aの表面温度を検知する温度検知素子 (例えばサーミスタ) 16とを有している。加 圧ローラ 13と圧接する定着ローラ 11Aは時計回りに回転し、定着されるべき未定着ト ナー画像 TIを有するシート状の記録材 (例えば記録用紙) Sをこれら定着ローラ 11A と加圧ローラ 13とで挟圧して矢印方向に搬送するようになっている。発熱手段である ハロゲンヒータ 14は定着ローラ内部から加熱しており、定着ローラ 11Aの基材を介し て表層 15が加熱される。定着ローラ 11 Aの表面温度は温度検知素子 16で検出され 、その検出された温度が図示しない制御部にフィードバックされ、定着ローラの表面 温度が制御される。
[0363] 本実施形態では、定着ローラ 11Aの表層 15は、定着ローラ 11Aの表面に形成され ており、この表層 15は、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に、熱伝導性 を有する材料 (例えば金属)が混在しており、その熱伝導性を有する材料 (例えば金 属)が連接している構造を有している。尚、表層の構成に付いては後述する。或いは 他の実施例 (図 23乃至 43)では、この表層 15は、離型性を有する榭脂材料 (例えば フッ素榭脂)に、熱伝導性を有する材料 (例えば金属材料および非金属材料)が混 在しており、その熱伝導性を有する材料 (例えば金属材料および非金属材料)が連 接している構造を有している。尚、表層の構成に付いては後述する。
[0364] 次に図 3は本発明に係る加熱部材を用いた電磁誘導加熱方式の加熱装置からなる 定着装置 6Bの一実施形態を示す概略構成図である。また、図 3では、 2つの回転体 (例えば定着ローラ 11Bと加圧ローラ 13)と、加熱手段 (磁束生成コイル) 12との位置 関係も示している。図 3において、符号 11Bは定着ローラ、 13は加圧ローラ、 21は磁 束生成コイル 12のコア、 30は磁束生成コイル 12のリッツ線、 31、 32はコア 21の突出 部 22、 23と定着ローラ 11Bの外側表面との隙間を示している。図 3では、分かりやす いように各部の寸法を実際とは変えて描いてある。また、リッツ線 30の断面は、その 多くを省略して 8個の断面のみを描いてある。
[0365] 磁束生成コイル 12は、定着ローラ 11Bに対して図 3に示したような位置に配設されて いる。すなわち、磁束生成コイル 12は、そのコア 21が-ップ部以外の定着ローラ 11 B外周面のうち、 -ップ部入口に近い側を覆うようにして、コア 21の突出部 22、 23を 定着ローラ 11Bに向けて配設されている。また、コア 21の突出部 22、 23と定着ロー ラ 11B外側表面との間隔が一定になるように配設されている。コア 21の突出部 22、 2 3が定着ローラ 11Bの外側表面に接近しているほど効率よく定着ローラ 11Bを電磁 誘導加熱することができる。本実施形態では、このコア 21の突出部 22、 23と定着口 ーラ 11B外側表面との隙間の距離を lmmにした。尚、リッツ線 30と定着ローラ 11B 外周面との隙間の距離が、コア 21の突出部 22、 23と定着ローラ外側表面との隙間 の距離よりも長くなるように、コア 21の突出部 22、 23の高さを確保している。そのよう にしておくと、コア 21の突出部 22、 23と定着ローラ外側表面とに隙間を確保できて いるときは、リッツ線 30が定着ローラ 11Bの外周面に触れることがないから、定着ロー ラ 11Bを傷つけることはない。したがって、磁束生成コイル 12と定着ローラ 11Bとの接 触を防止することが容易になる。
[0366] 本実施形態では、定着ローラ 11Bの表層 15は、定着ローラ 11Bの表面に形成されて おり、この表層 15は、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に、導電性を有 する材料 (例えば金属)が混在しており、その導電性を有する材料 (例えば金属)が 連接している構造を有しており、表層 15が導電層(発熱手段)として機能する。或い は他の実施例 (図 23乃至 43)では、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に 、熱伝導性の金属材料および熱伝導性の非金属材料が混在し、その熱伝導性の金 属材料および熱伝導性の非金属材料が連接している熱伝導層と該熱伝導層よりも 基材側にあり渦電流を発生させて発熱しうる導電層を有しており、導電層が発熱手段 として機能する。従って、磁束生成コイル 12による電磁誘導により、定着ローラ 11B の表層(導電層) 15に渦電流を発生させて発熱させることができる。尚、表層の構成 に付いては後述する。
[0367] 図 3の例では、加熱手段である磁束生成コイル 12は、上側のローラ 11Bに対しての み設けられているが、下側のローラ 13も定着ローラ 11と同じく導電層を有する構成に して、加熱手段 (磁束生成コイル)を設けることにより(すなわち、 2つのローラに対して それぞれ磁束生成コイルを設けることにより)、被加熱部材 (記録用紙等)の両面から カロ熱することがでさる。
[0368] 図 4はその一例を示すもので、 2つの回転体 11B, 11Cの両方が加熱部材で構成さ れた定着装置 6Cであり、両方の回転体に電磁誘導加熱方式の加熱手段 (磁束生成 コイル) 12を有している。すなわち、図 4の構成では、 2つの回転体 11B, 11Cは定着 ローラ(定着部材)であり、定着ローラ 11B, 11Cの表層 15は、定着ローラ 11B, 11C の表面に形成されている。この表層 15は、離型性を有する榭脂材料 (例えばフッ素 榭脂)に、導電性を有する材料 (例えば金属)が混在しており、その導電性を有する 材料 (例えば金属)が連接している構造を有しており、表層 15が導電層(発熱手段) として機能する。或いは他の実施例 (図 23乃至 43)では、この表層 15は、離型性を有 する榭脂材料 (例えばフッ素榭脂)に、熱伝導性の金属材料および熱伝導性の非金 属材料が混在し、その熱伝導性の金属材料および熱伝導性の非金属材料が連接し ている熱伝導層と該熱伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生させて発熱しうる導電 層を有しており、導電層が発熱手段として機能する。従って、磁束生成コイル 12によ る電磁誘導により、 2つの定着ローラ 11B, 11Cの表層(導電層) 15に渦電流を発生 させて発熱させることができ、記録用紙 Sの両面に形成された未定着トナー像 TIを効 率良く加熱して定着することができる。また、図 4に示す構成では、 2つの定着ローラ 11B, 11Cは、芯金(基材) 17と表層 15の間にシリコンゴム等力もなる断熱層(または 弾性層) 18が設けられており、表層 15で発熱した熱が芯金 (基材) 17側に逃げない ようになつている。従って、加熱時の立ち上がりが非常に早ぐかつ加熱効率が大幅 に向上されている。尚、表層や断熱層(または弾性層)の構造に付いては後述する。
[0369] 次に図 5は本発明に係る加熱部材を用いた電磁誘導加熱方式の加熱装置からなる 定着装置の別の実施形態を示す概略構成図である。この定着装置 6Bの構成は図 3 と同様であるが、定着ローラ 1 IBと加圧ローラ 13
の表面にそれぞれ離型剤(例えばシリコンオイル)を塗布する塗布部材 19A, 19Bが 設けられている。この定着装置では、塗布部材 19A, 19Bによりローラ表面に離型剤 が塗布されるので、ローラ表面の離型性を向上することができる。
[0370] 尚、図 5では、定着ローラ 11Bと加圧ローラ 13の両方に離型剤塗布部材を設けてい るが、少なくとも定着ローラ 11B側に設けられていれば良い。また、このような離型剤 塗布部材は、図 2に示した定着装置の定着ローラ 11Aや、図 4に示した定着装置の 定着ローラ 11B, 11Cにも設けることが好ましい。
[0371] 以上、本発明に係る画像形成装置と、その画像形成装置に用いられる定着装置 (加 熱装置)の構成例について説明したが、本発明に係る定着装置の定着部材 (加熱部 材)としては図示のローラ形状に限らず、無端ベルト状の定着部材 (定着ベルト)でも 良い。尚、定着ベルトを用いる場合は、定着ベルトを支持するローラ等に発熱手段( ノ、ロゲンヒータ等)を設ける方式や、定着ベルトの裏面 (基材側の面)にサーマルへッ ド等の発熱手段を接触させる方式、あるいは、定着ベルト自身を発熱手段として電磁 誘導加熱で発熱させる方式などがある。
[0372] 本発明は、以上に示したような定着装置 (加熱装置)に用いられるローラ状または無 端ベルト状の定着部材 (加熱部材)の表層の構成に特徴を有するものであり、定着部 材 (加熱部材)の表層の離型性を保ちながら、熱伝導性あるいは導電性を向上させ て、加熱効率を向上するものである。以下、定着部材 (加熱部材)の表層の構成につ いて説明する。
[0373] 図 6は、本発明の実施例 1乃至 7における定着部材 (加熱部材)の表層 15の構成例 を示す図であり、表層 15の一部の水平断面 (表面に沿った断面)を示している。この 例では、母材であるフッ素榭脂部 41の周りに金属 (金属粒子や金属フィラーある!/、は 金属の球殻) 44が連接して金属連接部 42を形成して ヽる状態を示しており、フッ素 榭脂部 41が面積的に大きく占め、離型性を確保している。金属連接部 41は、面積 的には 5%程度である力 ほとんどの金属 44が連接しているため熱伝導率や導電率 への寄与が大きい。また、水平方向での熱伝導率や導電率も高い。ここで、連接とは 、 3つ以上の熱や電気の良導体粒子 (あるいは良導体のフィラーや球殻)が接触して いる状態を指す。図 7に表層 15の一部の垂直断面を示す。水平断面と同様に垂直 方向も金属連接部が、表面から基板 (基材) 17まで続いており、熱伝導率や導電率 の向上に寄与している。
[0374] 尚、ここで述べて 、る金属粒子等は、カーボン粒子などと違 、明確に接触して 、な!/ヽ と導通性を示さない。そして、複数接触していないと実質的な熱伝導性や導電性に 寄与できないため、連続して接触しているということで、このような状態を連接と表現し ている (参考:非特許文献 1)。
[0375] 本発明に係る定着部材 (加熱部材)の表層 15に用いられるフッ素榭脂 43としては、 焼成による溶融成膜性のよい、比較的融点の低いものが好ましく選択される。具体的 には、低分子量ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)、テトラフロォロエチレン一へキサ フルォロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキル ビニルエーテル共重合体 (PFA)の微粉末が挙げられる。より具体的には、低分子量 ポリテトラフルォロエチレン (PTFE)粉末は、ルブロン (登録商標) L 5、 L 2 (ダイキ ン工業社製)、 MP1100、 1200、 1300、 TLP— 10F— 1 (三井デュポンフロロケミカル 社製)が知られている。テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重合体( FEP)粉末は、 532— 8000 (デュポン社製)が知られている。テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)は、 MP— 10、 MP102 (三井 デュポンフロロケミカル社製)が知られている。また、これらのフッ素榭脂に炭素系材 料 (例えばカーボン)を含有した榭脂を用いることもできる。
[0376] 低融点合金としては、(1)錫"!良系、(2)錫 ^¾系、(3)錫-亜鉛系、(4)錫"!良-銅系、(5) 錫 銀 ビスマス系、(6)錫"!良 銅 ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビ スマス、(11)銀 ビスマス系のいずれかの金属または合金などを用いることができる。 また、金属粒子や金属フイラ一としては、金 (Au)、銀 (Ag)、銅 (Cu)、鉛 (Pb)、 -ッ ケル (Ni)、亜鉛 (Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム (A1)、マグネシウム(Mg)、チタン (Ti) 、錫(Sn)、ビスマス(Bi)のいずれか 1つ以上を含む金属、合金の粒子ゃフイラ一が 使用できる。これらを球状、球殻、針状フィラー、繊維状フイラ一として用い、フッ素榭 脂の周囲に金属粉を固着させる。
[0377] フッ素榭脂の周囲に金属粉を固着させる装置として、ハイブリダィゼーシヨンシステム ( (株)奈良機械製作所)の例を図 8に示す。図中の符号 151は本体ケーシング、 158 はステーター、 177はステータージャケット、 163はリサイクルパイプ、 159は排出ノ ルブ、 164は原料投入シュートである。
[0378] この装置において、原料投入シュート 164から供給された粉体粒子及び他の微小固 体粒子は、衝撃室 168内で主として高速で回転している回転ローター 162に配置さ れた複数のローターブレード 155によって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のス テーター 158に衝突して粉体粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほ ぐしながら系内に分散させると同時に、粉体粒子表面に他の微小固体粒子を静電気 力、ファンデルワールス力等により付着させる力、粉体粒子のみの場合は、粒子の角 取り又は球形ィ匕が行なわれる。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行く。 すなわち、ローターブレード 155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子 は、リサイクルパイプ 163を複数回通過することにより処理される。さらにローターブレ ード 155及びステーター 158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、他 の微小固体粒子は、粉体粒子表面またはその近傍に均一に分散し固定化される。
[0379] 上記で作製した金属被覆粉体を単独、もしくは通常のフッ素榭脂で作製した粉体と 機械的に混合した粉体を、金属部材等からなる基材 17に静電塗装するか、または、 上記粉体を水溶液に分散した湿式塗料にて基材 17に塗布し、焼成することにより表 層 15を作製する。また、上記粉体を低融点金属と一緒に焼成することにより、フイラ 一同士が連接し、強度、熱伝導性の両方の特性を向上できる。但し、低融点金属と 実際の使用温度 (定着加熱時の温度)との関係に注意しておく必要がある。
[0380] また、上記の粉体を低融点金属と一緒に焼成することにより、フィラー同士が連接し、 導電性を向上することができ、渦電流を十分流すことが可能となり、発熱体として用い ることができる。低融点金属の割合が少なくてもその長さによって、フイラ一間の接続 の確率が高ぐ電気伝導性を向上することができる。本発明においては、低融点金属 は、加熱装置の温度の異常オーバーシュートによる焼損に対する安全装置の役割も 果たす。すなわち、金属は、液体になった場合、急激に電気特性が変化するため、 磁束発生回路のインピーダンス変化による検出が可能であり、かつ液体金属は、抵 抗値が急激に上がるため発熱効率が落ちる。また、磁性金属に非磁性金属を合金 化し、キュリー温度をコントロールし、ある温度以上で発熱効率を落とすようにすること も可能である。
[0381] さらに、低融点金属はフイラ一の充填量の 5乃至 50重量部が好ましい。また、低融点 金属は、耐食性が劣るものが多いため、フィラーより少ないことが望ましい。また、画 像形成装置の定着部では、記録用紙等力 の水蒸気の環境に曝されるため、必要 以上の量は避けることが望まし!/、。
[0382] 尚、一例として、低融点金属としてビスマス (Bi)を用い、金属フイラ一として銀 (Ag)を 用いた場合について図 9の状態図を用いて説明する。これは、共晶型と呼ばれる状 態図である。この例では、フッ素榭脂の焼成時(300°C以上)にこの共晶点以上の温 度で液体相が生じ、その後、共晶点以下にすることにより、銀を接続する。本発明の 目的である熱伝導性または導電性を向上させるためには、その特性のよい銀が多い 方が有利である。そのため、ビスマスはこれを接続する役目を持つ。通常の定着装置 での使用時は、加熱温度は最大 230°C程度であるため問題なく使用できる。
[0383] ところで、図 6、図 7には、フッ素榭脂 43を単独で使用したフッ素榭脂部 41の例を示 したが、フッ素榭脂として融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用い、少なくとも最 も融点が高いフッ素榭脂は、連接した金属に取り囲まれている構成とすることもできる 。図 10は 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の定着部材 (加熱部材)の表層の構 成例を示す図であり、表層 15の一部の水平断面 (表面に沿った断面)を示している。 この例では、最も融点の高いフッ素榭脂 41Aの周りに金属粒子が連接して金属連接 部 42を形成し、その周りに、より融点の低いフッ素榭脂 41Bを充填している状態を示 しており、 2種類のフッ素榭脂 41A, 41Bからなるフッ素榭脂部 41が面積的に大きく 占め、離型性を確保している。金属連接部 42は、面積的には 5%程度である力 ほと んどが連接しているため熱伝導率や導電率への寄与が大きい。また、水平方向での 熱伝導率や導電率も高い。図 11に表層 15の一部の垂直断面を示す。水平断面と同 様に垂直方向も金属連接部 42が、表面力も基材 17まで続いており、熱伝導率向上 に寄与している。
[0384] 本発明の定着部材 (加熱部材)の表層は、金属が連接して取り囲んだフッ素榭脂粒 子を加熱溶融させて膜形成することにより形成されるが、表層のフッ素榭脂部分が 1 種類のフッ素榭脂からなる場合には、加熱前に金属が連接してフッ素榭脂粒子を取 り囲んで 、ても、表層形成時にピンホールの無 、表層とするためにはフッ素榭脂を溶 融流動させる必要があるため、金属連接部の連接状態が乱されてしまい、熱伝導率 は向上する力 製造ロット間の熱伝導率のバラツキが大きくなつてしまうことがある。
[0385] これに対して、フッ素榭脂部分が融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂からなり、図 1 0、図 11に示すように、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂粒子 41Aを金属が連接 して取り囲んで 、れば、最も融点が高 、フッ素榭脂 41Aが流動しな 、温度で加熱し て、より融点が低い他のフッ素榭脂粒子 41Bを溶融流動させることにより、最も融点 が高いフッ素榭脂 41Aの周りを取り囲む金属連接部 42の連接状態を乱さずに済む 。このため熱伝導率や導電率を向上させ、かつ製造ロット間の熱伝導率や導電率の ノ ラツキを小さくすることができる。
[0386] 尚、フッ素榭脂は融点を超えて加熱されると流動する力 温度が低いほど流動性が 小さいため、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの融点を超えていても、金属連接部 42 の連接状態を乱さな 、程度の流動性にとどまる温度であれば良 、。
[0387] このような 2種類以上のフッ素榭脂を組み合わせた表層に用いられるフッ素榭脂とし ては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。具 体的にはポリテトラフルォロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルォロエチレン エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重 合体 (FEP)、テトラフルォロエチレン フッ化ビ-リデン共重合体 (TFEZVdF)、テト ラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン パーフルォロアルキルビニルエーテ ル共重合体(EPA)、ポリクロ口トリフルォロエチレン(PCTFE)、クロ口トリフルォロェ チレン エチレン共重合体(ECTFE)、クロ口トリフルォロエチレンーフッ化ビ-リデン 共重合体(CTFEZVdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF) などが挙げられ
る。例えばポリテトラフルォロエチレン (PTFE)粉末は、テフロン (登録商標) 7A— J、 7 0— J (三井デュポンフロロケミカル社製)が知られている。テトラフルォロエチレン一へキ サフルォロプロピレン共重合体 (FEP)粉末は、 532-8000 (デュポン社製)が知られ て 、る。テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(P FA)は、 MP— 10、 MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、 MP— 103 (三井デュ ボンフロロケミカル社製)が知られている。また、これらのフッ素榭脂に炭素系材料 (例 えばカーボン)を含有した榭脂を用いることもできる。
[0388] 本発明においては、これらの中力 融点の異なる 2種類以上のフッ素樹脂を適宜選 定して使用すれば良い。尚、フッ素榭脂の融点の例を下記の表 1に示す。
[0389] [表 1]
Figure imgf000071_0001
融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用いる場合、少なくとも最も融点が高いフ ッ素榭脂 41Aの周囲には前述した金属粉を固着させる。固着させる金属としては前 述した低融点金属や合金、金属または合金のフィラーが用いられる。固着させる装置 としては、図 8に示したハイブリダィゼーシヨンシステム( (株)奈良機械製作所)が用 いられる。尚、この装置による金属被覆粉体の作製方法は前述した通りである。
[0390] 図 12に示すように、作製した粉体 (最も融点が高いフッ素樹脂 41Aの周囲に金属連 接部 42を形成した粉体)を、より融点の低いフッ素樹脂 41Bと混合したものを、静電 塗装、または、湿式塗料にて塗布し、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの融点よりも低 い温度で焼成することにより表層を作製する。
[0391] あるいは、図 13の(a)または (b)に示すように、作製した粉体 (最も融点が高いフッ素 榭脂 41Aの周囲に金属連接部 42を形成した粉体)とより融点の低いフッ素榭脂 41B 力 静電塗装や湿式塗料の塗布により複数層積層するように塗装し、最も融点が高 いフッ素榭脂 41Aの融点よりも低い温度で焼成することにより表層 15を作製すること によっても熱伝導性や導電性を向上させることができる。
[0392] また、もちろん、図 14や図 15に示すように、より融点が低いフッ素榭脂 41Bにも金属 粉を固着させて金属連接部 42を形成し、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの周囲に 金属連接部 42を形成した粉体と混合して用いても構わな ヽ。
[0393] さらに、表層 15の表面粗さを所定の値 (例えば 10点平均粗さ Rzとして 5 m以下)に する必要がある場合には、図 16に示すように、焼成後に研磨処理を施すことにより表 面粗さを所定の値にすることが可能である。
[0394] また、 2種類以上のフッ素榭脂を用いる場合にも、低融点金属と一緒に焼成すること により、フィラー同士が連接し、強度、熱伝導性 (または導電性)の両方の特性を向上 できる。このとき、低融点金属の融点は最も融点が高いフッ素榭脂 41Aに比べて低 い必要がある。例えば最も融点が高いフッ素榭脂が PTFEであった場合、低融点金 属としては錫(Sn)を使用する。
[0395] ここで融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂が、融点が 200°C以上である PTFE、 P FA、 FEP、 ETFE、 PCTFE力 選ばれることが使用時の表層の熱安定性において 好ましい。さらに、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aとして PTFEを使用すると溶融粘 度が他のフッ素榭脂に比べて非常に大きいため膜形成時に融点を超えたとしてもほ とんど流動せず金属の連接状態を乱さないため、より望ましい。
[0396] ところで、本発明の加熱部材 (定着部材)を図 3乃至 5に示したような電磁誘導加熱方 式の定着装置に用いる場合は、表層 15で発生した熱が基材 17側に逃げないように 、表層 15と基材 17の間に断熱層(または弾性層) 18を設けると良い。図 17と図 18は その一例を示しており、表層の一部の垂直断面を示す図である。図 17の例は、基材 17側の表面にシリコンゴム力もなる断熱層(または弾性層) 18を設け、その上に図 6, 7と同様の構成の表層 15を形成したものである。また、図 18の例は、基材 17側の表 面にシリコンゴム力もなる断熱層(または弾性層) 18を設け、その上に図 10乃至 16の V、ずれかと同様の構成の表層 15を形成したものである。 [0397] 図 17または図 18の構成の場合、表層 15に外部から高周波電磁界を印加すると、表 層 15の金属連接部 42に渦電流が発生し発熱するが、このとき、表層 15はシリコンゴ ムカもなる断熱層 18で断熱されているため、素早い温度上昇を行うことができる。ま た、横方向は熱的にも連続しているため、一部の熱低下が発生しても素早く均一化さ れる。従って、立ち上がりが早ぐ熱の均一化も良ぐ加熱効率の良い加熱部材 (定 着部材)を得ることができる。
[0398] 本発明の加熱部材 (定着部材)においては、表層 15の水に対する接触角が 80° 以 上である。これにより、トナー中から出て表層側に付着したワックス力 表層上ではじ かれることがないため、直接トナーの榭脂等が表層に触れてオフセットしたり、ホットメ ルト接着剤のように機能して定着部材に記録材が卷きつくと ヽつたことが生じな 、。
[0399] この水に対する接触角が、 80° 未満になると濡れ過ぎるため、トナー榭脂自身の接 着力が急激に増大してワックスによる付着防止効果を上回り、トナー全体が表層側に 移行し、定着不良を生じる。尚、本発明における接触角の測定は、加熱部材 (定着部 材)の表層材料の平面状の試験片を形成し、協和界面科学社製の CA - X型で室温 にお ヽて液滴法によって測定した。
[0400] 加熱部材 (定着部材)の表層 15の水に対する接触角を、 80° 以上の範囲内に調整 する方法としては、表層 15の形成材料であるフッ素榭脂と金属との配合比を変化さ せ、水に対する接触角を制御する方法がある。この場合、フッ素榭脂と金属の種類、 混合方法、加熱温度の組合せで水に対する接触角を制御することができる。
[0401] また、加熱部材 (定着部材)の表層 15の金属部分は、その断面において厚さが 50 m以下である。また、表層 15の金属部分は、その断面において最大幅部が 30 m 以下である。
[0402] このように、表層の金属部分がその断面にぉ 、て最大幅部が 30 μ m以下となるよう に表層を形成した場合、仮にフッ素榭脂よりも非粘着性に劣る金属部分が表面に露 出したとしても、トナーが金属部分に直接接触する面積力 、さくなるため、オフセット 防止に対して有利な構造となる。
[0403] 以下、本発明に係る加熱部材 (定着部材)とその作製方法の具体的な実施例につい て説明する。 実施例 1
[0404] まず、図 2に示すような構成の定着装置 6Aに用いられ、図 6, 7に示したような構成の 表層 15を有する加熱部材 (定着部材) 11 Aの実施例にっ 、て説明する。
[0405] [実施例 1 1] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 1. 2 μ ηύを体積換算で、 Niが 1 0%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダ ィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた。 Niは、 PFA粉上を ほぼ覆っている状態であることを、走査型電子顕微鏡 (SEM)による観察で確認した 。この粉体を、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 μ m)と混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた 後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。これ〖こより、 100 m厚のシート を作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積 比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。下記の表 2に、 Ni固着 PFA粉: PFA粉の体 積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求め た体積比であり、粉体の体積比ではない。さら〖こ、比較例として、 PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 1. 2 μ m)を体積換算で Niが 5%となる量を倉敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK-500を用いて 混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Niを 5%としているのは、静電塗装では、こ れ以上では成膜できないためである。尚、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で 求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率の測定値で割ったものであり、 PFAの熱伝導
Figure imgf000074_0001
ヽる。
[0406] [表 2] Ni固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) 熱伝導率の倍率
1 : 9 1.71
2 : 8 2.73
4 : 6 10.80
5 : 5 1 1.50
6 : 4 1 1.93
比較用 5%Ni— PFA膜 2.30
[実施例 1一 2] 実施例 1-1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 1. 2 μ m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機 械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着さ せた。次に下記の表 3の割合で混合して、定着ローラの芯金 (基材) 17となるアルミ二 ゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコラン ダム粒子で研磨を行 ヽ、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作 製し、定着ローラ 11 Aとした。表層の最終厚みは 40 /z mである。このローラを (株)リコ 一製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部 を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置) に通して定着した。この MF4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4 570に 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。 観察結果を下記の表 3に示す。表 3に示すように、特に大きな付着は観察されず。通 常のものと何ら変わりがな力つた。
[表 3] Ni固着 PFA粉: PFA粉 水の 付着
(体積比) 接触角 トナー
1 : 9 108° なし
2 : 8 108° なし
4 : 6 105° なし
5 : 5 106° なし
6 : 4 98。 なし
10 : 0 82。 なし
[比較例] 上記の実施例 1 2に対し、トナー付着が発生する比較例を以下に示す
[0408] フッ素樹脂として PFA粉体 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )、耐熱樹脂 としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)粉体(ビクトレックス ·ェムシ一製 PEEK 150XF)を用い、前記粉体同士を所定の重量比で混合し混合粉体を作製する。一 方、基材については、例えば直径 φ 40mmで、定着部の肉厚が 1.5mmのアルミ-ゥ ム製の定着ローラの芯金表面をブラスト処理し粗面化する。
[0409] その後、前記混合粉体をアルミニウム製の定着ローラの芯金に静電塗装し、 380°C で 30分加熱し、加熱炉の外で強送風により急冷する。
[0410] 尚、粉体の種類や混合比によっては離型層の表面粗さが大きい場合もあるが、表面 粗さを所定の大きさに揃える必要がある場合には、例えばテープ研磨装置にかけ研 磨することで可能である。例えばコランダムの # 800, # 1500にてテープ研磨した場 合、表面粗さを Rzで 2 m以下とできた。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成 装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成し た未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着し た。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察したときの PFA: PEEK (重量比)による比較例を下記の表 4に示す。 [表 4]
Figure imgf000077_0001
[実施例 1 3] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 20 /ζ πι)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 /x m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダ ィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PFA粉上に固着させた。銀は、 PFA粉上をほ ぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFA粉( MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 20 /X m)と混合し、アルミ二 ゥム基板に静電塗装し、
380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製し た。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測 定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。下記の表 5に、銀固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す。ここで体 積比とは、重量比と比重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない。また、 熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率の測 定値で割ったものであり、 PF Aの熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示して ヽる。
[表 5]
Figure imgf000078_0001
[実施例 1-4] 実施例 1-1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 / m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良 機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PFA粉上に固着さ せた。次に下記の表 6の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に 静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子 で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表 層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570 の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー 画像を、図 2に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の 黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察したときの観察結果を下記 の表 6に示す。表 6に示すように、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変 わりがな力つた。また、下記の表 7に示すように、トナーの定着できる温度範囲である コールドオフセット温度とホットオフセット温度から求めると、コールドオフセット温度が 下がり、定着温度幅が広くなつていることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温 度の低下が発生しても安定した定着が行えることがわ力つた。尚、表 7中のカーボン 3 %含有 PFAは、比較用の従来品である。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 m) を体積換算で銀力 %となる量を倉敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混 合し、同様にシートを作製した。ここで、銀を 5%としているのは、静電塗装では、これ 以上では成膜できな!/、ためである。
[0413] [表 6]
Figure imgf000079_0001
[0414] [表 7]
銀固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000080_0001
[実施例 1-5] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 12 m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 1. 2 μ να)を体積 比 5%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 /z m)体積比 2%を混入し、図 8に示すような構成の( 株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉と Sn粉を PF A粉上に固着させた。さらに、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA 重量に対し、上記で作製した銀、 Snを PFA粉に固着した粉体を比重力 計算した体 積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム 管にスプレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後 に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。このロー ラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の 画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナー の付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わり がなかった。
[実施例 1-6] 実施例 1— 1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 1. 2 μ ΐΆ )を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械 製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた 。次に定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂 を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。この ローラを (株)リコー製の画像形成装置 IMAGIO NEO 750の定着部に装着した。この IMAGIO NEO 750のトナーは離型性が不十分なため、定着ローラにシリコンオイル を塗布するシリコンオイル含侵されたオイル塗布部材を追加して 、る。この IMAGIO NEO 750の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構 成のテスト機(定着装置)を用い、 10000枚の黒ベタ画像を通して定着を繰返した後 、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。観察の結果、特に大きな付着は観察さ れず、通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0416] [実施例 1-7] 実施例 1-1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に鱗片状の Ni粉 (厚さ平均 0. 8 m、直径平均 50 μ m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、定着ロー ラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後 に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 μ m以下としたもの を作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコ 一製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部 を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置) に通して定着した。この MF4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4 570に 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結 果、 1000枚程度でトナーの付着が発生した。観察によると研磨により、 Niの粉が広く 表面に現れたところにトナーが付着していた。同様の大きさのマイ力(雲母)について もほぼ同様の結果であった。しかし、直径平均が 30 /z m程度の鱗片状の Ni粉では、 10000枚まで行った結果では、トナーの付着は見られなかった。
[0417] [実施例 1 8] 実施例 1 2と同様にローラーを作製し、表面粗さを Rzで 2 /z mとした ものを作製した。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着ユニット に用いた定着試験機を作製し、 MF4570の未定着画像を加圧力を変えて通紙した 。試験結果を下記の表 8に示す。表 8に示すように、加圧力が 0. 5 (kgf/cm2)以下で は、定着性が非常に悪ぐ加圧力が 4. 0 (kgf/cm2)以上では、定着ローラへのトナー 付着が見られた。定着性は、定着後のベた画像に面の布を擦りつけ顕著に布にトナ 一が付いてものを定着不良とし、簡易判定した。
[表 8]
加圧力による比較例
Figure imgf000082_0001
[実施例 1 9] 表層の構成材料として、錫 80 銀 20の低融点合金粉 (平均粒径 1 . 1 m)に、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン 、の各金属粉 (平均粒径各 1. を、それぞれ錫 80~|良 20の低融点合金粉に対 して、同体積混合した粉体をそれぞれ作製した。混合には倉敷紡績 (株)製の攪拌装 置 KK-500を用いた。この同体積混合した粉体を PFA粉 (低温焼成タイプ平均粒 径 φ 20 m)中に体積換算で、 10%となる量混入し、図 8に示すような構成の (株) 奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、各同体積混合した金 属粉体を PFA粉上にそれぞれ固着させた。各金属粉体は、 PFA粉上をほぼ覆って いる状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この後、実施例 1 2と同様に定 着ローラをそれぞれ作製した。各ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の 定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画 像を、図 2に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。この MF4570 のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4570に 10000枚の黒ベタ画像を 通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。観察結果を下記の表 9に示す。表 9に示すように、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0419] [表 9]
Figure imgf000083_0001
次に、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホットオフセット 温度から求める、各金属: PFA粉 (体積比)による比較例を下記の表 10に示す。表 1 0からわかるように、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広くなつているこ とがわかった。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安定した定着が 行えることがわ力つた。尚、表 10には、比較例として PFA粉 (MP102 (三井デュポン フロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 μ m)のみのものも示す。
[0420] [表 10] 各金属: PFA粉 (体積比)による比較例
Figure imgf000084_0001
[実施例 1-10] 実施例 1-4と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 μ m)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 / m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良 機械製作所製のハイブリダィゼーションシステムに投入し、銀粉を PFA粉上に固着さ せた。 5 : 5の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した樹脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行!、 、表面粗さを Rzで 2 μ m以下、 3 m、 5 m, 7 mとしたものを作製し、定着ローラ とした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未 定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着した。 1 0000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察したときの観察 結果を下記の表 11に示す。
この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、 1000 o枚の黒ベタ画像を通して定着を繰り返し、ローラ表面のトナー付着量と紙の巻き付 きを見た。この結果、表面粗さが Rzで 5 μ πι以下であれば、効果があることが確認さ れた。また、 7 μ πιのものは、 MF4570でジャムが多発したため実験を取りやめてい る。
[0422] [表 11]
粗さによる比較例
Figure imgf000085_0001
実施例 2
[0423] 次に、図 2に示すような構成の定着装置 6Aに用いられ、図 10乃至 16に示したような 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用いた構成の表層 15を有する加熱部材 (定 着部材) 11 Aの実施例について説明する。
[0424] [実施例 2— 1] 表層の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉
(平均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような 構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を P TFE粉上に固着させた。 Niは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SE Mによる観察で確認した。この粉体を、 PTFEより融点の低いフッ素榭脂である PFA 粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))と混合し、アルミニウム基板に静電 塗装し、 380°Cで焼成し、樹脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプル を作製した。これ〖こより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡 散率を測定した。そして、別に測定
した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。下記の表 12に N個着 PTFE粉: PF A粉の体積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重 により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記 の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率の測定値で割ったものであり、 PF Aの熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示して ヽる。
[0425] 比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )中に Ni粉(平均 粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉 上に固着させた。 Niは、 PF A粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる 観察で確認した。この粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)) と 6 :4の体積比で混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を 溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0426] さら〖こ、別の比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni粉 (平 均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で Niが 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシート を作製した。ここで、 Niを 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0427] [表 12]
Ni固着 PTFE粉: PFA粉 (体積比) 熱伝導率の倍率
1 : 9 1.71
2 : 8 2.72
4 : 6 10.80
5 : 5 11.50
6 : 4 12.03
比較用 Ni固着 PFA粉: PFA粉 =6: 4 11.93
比較用 5 % Ni混合一 PTFE/PFA膜 2.30
[実施例 2-2] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合 し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステ ムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた。 Niは、 PFA粉上をほぼ覆っている状態 であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFAより融点の低レ、フッ素 樹脂である FEP粉(532— 8110 (デュポン社製) )と混合し、アルミニウム基板に静電 塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプル を作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡 散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。 下記の表 13に Ni固着 PFA粉: FEP粉の体積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す。 ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない 。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 FEPの熱伝導 率の測定値で割ったものであり、 FEPの熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示して 、る 比較例として、 FEP粉(532-8110 (デュポン社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m) を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械 製作所製のハイブリダィゼーションシステムに投入し、 Ni粉を FEP粉上に固着させた 。 Niは、 FEP粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。 この粉体を、 FEP粉 (532— 8110 (デュポン社製))と 6 :4の体積比で混合し、アルミ ニゥム基板に静電塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より 剥離し、サンプルを作製した。
[0429] さらに、別の比較例として、 PFA粉 (MP 102 (三井デュポンフロロケミカル社製))中 に FEP粉(532— 8110 (デュポン社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni 粉 (平均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で Niが 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様に シートを作製した。ここで、 Niを 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成 膜できないためである。
[0430] [表 13]
Figure imgf000088_0001
[実施例 2-3] 実施例 2-1と同様に PTFE粉 (7A-J (デュポン社製))中に Ni粉( 平均粒径 0. 5 ;z m)を体積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構 成の(株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PT FE粉上に固着させた。次に下表の割合で PF A粉 (MP 102 (三井デュポンフロロケミ カル社製) )と混合して、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミニウム管に静電塗装し 、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行 い、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 μ πι以下としたものを作製し、定着ローラとし た。表層の最終厚みは 40 mである。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装 置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した 未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着した 。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果を 下記の表 14に示す。表 14に示すように、特に大きな付着は観察されず。通常のもの と何ら変わりがな力 た。
[表 14]
Figure imgf000089_0001
[実施例 2— 4] 表層の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に銀 粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すよう な構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PTFE粉上に固着させた。銀は、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SE Mによる観察で確認した。この粉体を、 PTFEより融点の低いフッ素榭脂である PFA 粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))と混合し、アルミニウム基板に静電 塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプル を作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡 散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。 下記の表 15に銀固着 PTFE粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す 。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではな い。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝 導率の測定値で割ったものであり、 PFAの熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示して 、 る。
[0432] 比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )中に銀粉 (平均 粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の ( 株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PFA粉上 に固着させた。銀は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察 で確認した。この粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と 6: 4の体積比で混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融 させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0433] さら〖こ、別の比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに銀粉 (平 均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で銀が 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシート を作製した。ここで、銀を 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0434] [表 15]
銀固着 PTFE粉: PFA粉 (体積比) 熱伝導率の倍率
1 : 9 2.25
2 : 8 3.16
4 : 6 12.19
5 : 5 12.41
6 : 4 14.81
比較用銀固着 PFA粉: PFA粉 =6 : 4 12.46
比較用 5%銀混合— PTFE/PFA膜 2.73
[実施例 2— 5] 実施例 2— 1と同様に PTFE粉 (7A— J (デュポン社製))中に銀粉( 平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 8に示すような構 成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PF A粉上に固着させた。次に下表の割合で PFA粉 (MP 102 (三井デュポンフロロケミ カル社製))と混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380 °Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表 面粗さを Rzで 2 ;z m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 4 0 z mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着 し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示 すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通 し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果を下記の表 16に示す。表 16に示 すように、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また、 下記の表 17に示すように、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温 度とホットオフセット温度力 求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅 が広くなつていることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生し ても安定した定着が行えることがわ力つた。尚、表 17中のカーボン 3%含有 PFAは 比較用の従来品である。
[0435] また、比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 (三井デ ュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で Agが 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様に定着ローラ を作製した。ここで、 Agを 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0436] [表 16]
Figure imgf000092_0001
[0437] [表 17]
銀固着 PTFE粉: PFA粉 コールドオフセット ホットオフセット (体積比) / ilx. '皿 1ス
1 : 9 105°C 190°C
2 : 8 105°C 190°C
4 : 6 105°C 190°C
5 : 5 105°C 190°C
6 : 4 1 10°C 190°C 比較用カーボン 3%含有 PFA 130°C 200°C 比較用 5%銀— PTFE/PFA膜 110°C 165°C
[実施例 2— 6] 表層の構成材料として PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に体積 換算で、銀粉 (平均粒径 0. を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 15. 体積 比 2%を混入し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼー シヨンシステムに投入し、銀粉と Sn粉を PTFE粉上に固着させた。さらに、デュポン社 製の湿式フッ素塗料 (EN700CL)の乾燥 PFA重量に対し、上記で作製した銀、 Sn を PTFE粉に固着した粉体を比重力も計算した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌 分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行い、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラと した。表層の最終厚みは 40 μ πιである。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成 装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成し た未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着し た。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、 特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力 た。
実施例 3
次に、図 2に示すような構成の定着装置 6Αに用いられ、金属相にビスマスやビスマ ス系の材料を含む構成の表層 15を有する加熱部材 (定着部材) 11 Αの実施例につ いて説明する。
[0439] [実施例 3— 1] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 4 m)、ビスマス粉 (平均粒 径 0. 8 /z m)を体積換算で、銀が 4. 5vol%で、ビスマスが 0. 5vol%となる量を混合し 合わせて、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨン システムに投入し、(銀 +ビスマス)粉として、 PFA粉上に固着させた。(銀 +ビスマス )は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。こ の(銀 +ビスマス)固着 PFA粉を、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社 製)、平均粒径 φ 20 m)と下記の表 18に示す体積比の割合で混合し、アルミ-ゥ ム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離 し、サンプルを作製した。これにより、 100 m厚のシート
を作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積 比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。下記の表 18に (銀 +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比 重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上 記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率の測定値で割ったものであり 、 PFAの熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示している。
[0440] さら〖こ、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒 径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 m)を体積換算で銀が 5%となる量を倉敷 紡績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様に焼成し、シートを作製した 。ここで、銀を 5%としているのは、混合粉での静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0441] [表 18] (銀 +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) 熱伝導率の倍率
1 : 9 0.80
2 : 8 2.30
4 : 6 1 1.02
5 : 5 1 1.34
6 : 4 12.30
比較用 5%銀— PFA膜 0.96
[実施例 3-2] 実施例 3— 1と同様に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に (銀 +ビスマス)粉を体積換算で、銀が 4. 5vol% で、ビスマスが 0. 5vol%となる量を混合し、(銀 +ビスマス)固着 PF A粉とした。この 粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m) と下記の表 19、表 20に示す体積比の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアル ミニゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコ ランダム粒子で研磨を行 、、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたもの を作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコ 一製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部 を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置) に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態 を観察したところ、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた 。また、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホットオフセット 温度から求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広くなつているこ とがわかった。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安定した定着が 行えることがわ力つた。尚、表 19中のカーボン 3%含有 PFAは比較用の従来品であ る。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均 粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 1.2 μ m)を体積換算で銀が 5vol%となる量を倉 敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様にシートを作製した。同 時に同じ材料で、平板にサンプルを作製し、水の接触角を測定した。すべての金属 部の断面観察では、厚さは、 50 μπι以下であった。
[表 19]
(銀 +ビスマス) PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000096_0001
表 20]
(銀 +ビスマス) 固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) 水の接触角
1 :9 108°
2:8 108°
4:6 105°
5:5 106°
6:4 98°
10:0 82° [実施例 3-3] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0. 4 m)、ビスマス粉 (平均 粒径 0. 8 m)を体積換算で、 Niが 4. 5vol%で、ビスマスが 0. 5vol%となる量を混 合し合わせて、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシ ヨンシステムに投入し、(Ni +ビスマス)粉として、 PF A粉上に固着させた。(Ni +ビス マス)は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した 。この(Ni+ビスマス)固着 PFA粉を、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル 社製)、平均粒径 φ 20 m)と下記の表 21に示す体積比の割合で混合し、アルミ- ゥム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥 離し、サンプルを作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシ ュ法により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を 計算し求めた。下記の表 21〖こ (Ni +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱 伝導率の倍率の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比 であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求 めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率の測定値で割ったものであり、 PFAの熱伝導率 の何倍の熱伝導率かを示して!/ヽる。
[0444] さら〖こ、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒 径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 1.2 μ m)を体積換算で Niが 5%となる量を倉敷紡 績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様に焼成し、シートを作製した。 ここで、 Niを 5%としているのは、混合粉での静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0445] [表 21] (Ni +ビスマス) 固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) 熱伝導率の倍率
1 : 9 0.80
2 : 8 2.30
4 : 6 8.34
5 : 5 8.87
6 : 4 9.20
比較用 5%Ni— PFA膜 2.30
[実施例 3-4] 実施例 3— 3と同様に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に (Ni+ビスマス)粉を体積換算で、 Niが 4. 5vol% で、ビスマスが 0. 5vol%となる量を混合し、(Ni+ビスマス)固着 PFA粉とした。この 粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 /z m) と下記の表 22と表 23に示す体積比の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアル ミニゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコ ランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製し、定着口 ーラとした。表層の最終厚みは 40 /z mである。この定着ローラを (株)リコー製の画像 形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作 成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定 着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した 結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、トナ 一の定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホットオフセット温度力も求 めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広くなつていることがわ力 た 。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安定した定着が行えることが わかった。尚、表 22中のカーボン 3%含有 PFAは比較用の従来品である。さらに、比 較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、均粒径 φ 20 m) 中に Ni粉 (平均粒径 1. 2 μ ηύを体積換算で Niが 5%となる量を倉敷紡績 (株)製の 攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様にシートを作製した。同時に同じ材料で 平板にサンプルを作製し、水の接触角を測定した。
[0446] [表 22]
(Ni+ビスマス) PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000099_0001
[0447] [表 23]
Figure imgf000099_0002
[実施例 3— 5] 表層の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (EN700 CL)に乾燥 PFA重量に対し、銀粉 (平均粒径 1. 2 m)を体積比 5%と、 Bi粉 (平均 粒径 2. 8 m)体積比 2%を混入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミ -ゥム管にスプレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、そ の後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。この 定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 1と同様 の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2に示すような構成 のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面 のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと 何ら変わりがな力つた。
実施例 4
[0448] 次に、図 3に示すような構成の電磁誘導加熱方式の定着装置 (加熱装置) 6Bに用い られる加熱部材 (定着部材) 11Bの実施例にっ 、て説明する。
[0449] [実施例 4 1] 導電層を兼ねた表層の構成材料として、液晶高分子 (LCP)中に、 重量換算で、 Ni粉 (平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8gZcm2) 10wt%と、 Sn粉( 平均粒径 15. 8 m、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混合した。次に加熱混合し て、冷却後、再粉砕して、平均粒径 12 mの粉体を得た。この金属含有 LCP粉と PF A粉を混合し、常温圧縮の後、 2mm程度の厚さの状態とした。 380°Cで焼成し、榭 脂を溶融させた後に冷却し、サンプルを作製した。金属含有 LCP粉と PFA粉の混合 重量比は 2 : 8である。この金属含有 LCPと PFAにより表層(導電層)を構成した。図 1 9にこのサンプルの表面の一部を拡大してスケッチした図を示す。
[0450] このサンプルでは、 PFAは透明なものを使用したため光学顕微鏡により細部が観察 できた。また、 LCP部が互いに連接しており、サンプルを調理用の電磁調理機に載 せて電磁誘電加熱試験を行ったところ、電磁調理機上で良好に発熱した。
[0451] [実施例 4-2] 実施例 4-1と同様に、導電層の構成材料として、 LCP中に Ni粉 (平 均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8gZcm2) 10wt%と、 Sn粉(平均粒径 15. 8 m、 見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混合した。次に加熱混合して、冷却後、再粉砕し て、平均粒径 12 mの粉体を得た。この金属含有 LCP粉と PFA粉を混合し、この混 合粉を用いて定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装し た榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表 層(導電層)の最終厚みは 50 μ mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨 を行い、最表層の表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 m以下としたものを作製した 。図 19にその導電層の表面を示した。 PFAは、透明なため上力も見た状態ですベて が見えるようになつている。図 20に図 19の表層(導電層)の断面を示す。アルミ地金 に金属含有 LCPが接着しており、それらに接するように PFAが覆って ヽる。
[0452] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同 様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構 成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ 画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特 に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用 した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによ る内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施 例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800 Wの場合)。
[0453] [実施例 4 3] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (E N700CL)に、乾燥 PFA重量に対し、 Ni粉(平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8g Zcm2) 10wt%と、 Sn粉(平均粒径 15. 8 m、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混 入し、攪拌して塗装液を作成した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレ 一塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨する ことにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 mである。これを粒 径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、最表層の表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz) で 2 m以下としたものを作製した。図 21に、この材料の焼成後の模式図を示す。こ の材料ではフイラ一 Niが低融点金属 Sn— 3. 5Agまたは、 Snにより結ばれて金属連 接部 42を形成している。それにより、少ない量のフィラーで電気伝導性が確保できる 。また、母相が絶縁性でも、熱伝導性と
電気伝導性を確保できる。本実施例では、母相としてフッ素榭脂 41を用いており、離 型性を確保することができる。 [0454] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同 様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構 成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ 画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特 に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用 した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部 加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電 磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場 合)。
[0455] [実施例 4 4] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の PFA粉体 (平均粒 径 40 m)と、 Ni粉(平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8gZcm2)と、錫— 3. 5銀の 粉 (平均粒径 10. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8g/cm2)を、ホソカワミクロン社製メカのフ ユージョンシステム AMSに投入し、 PFA粉体に Niと錫— 3. 5銀の粉が付着したもの を作成した。 Niは 10wt%、錫— 3. 5銀は 3wt%である。これを定着ローラの芯金とな るアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、そ の後に研磨することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 mで ある。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、最表層の表面粗さを、 10点 平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製した。
[0456] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同 様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構 成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ 画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特 に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用 した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部 加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電 磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場 合)。
実施例 5 [0457] 次に、図 3乃至 5のいずれかに示すような構成の電磁誘導加熱方式の定着装置 (カロ 熱装置)に用いられる、図 6, 7に示すような構成の表層 15を有する加熱部材 (定着 部材)の実施例にっ 、て説明する。
[0458] [実施例 5— 1] 表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフ ロロケミカル社製)平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0. 3 m)と Sn粉 (平均 粒径 2. 4 m)を体積換算で、 Niが 10vol%となる量で、 Snは 2vol%を混入し、図 8 に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入 し、 Ni粉と Sn粉とを PFA粉上に固着させた (これを粉体 1とする)。金属粉は、 PFA 粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体 1を、 アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基 板より剥離し、表層のサンプルを作製した。この表層のサンプルにより、厚さが 30 mで 50mm X 50mmの大きさのシートを作製し、これをパイレックス(登録商標)製シ ヤーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後、シャーレ内に純水 100ml を入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナル製 KZ— PH1 (空鍋検知 システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生させて、水温上昇を測定した 。また、上記のサンプルシートと同様の大きさで厚さが 30 /z mの Ni箔を用い、同様の 条件で測定を行い、サンプルとの差を比較した。具体的には室温力も + 30°C上昇す るのに要する時間を比較した。その結果、この実施例の構成では、厚さ 30 /z mの Ni 箔の加熱時間に対し、 1. 2倍の時間で加熱できた。すなわち、 PFA中に Niと Snを 混在させ、連接させることにより、離型性を保ちながら金属単体と略同等の発熱性能 が得られた。
[0459] [実施例 5— 2] 実施例 5—1の粉体 1を、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミニウム 管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨す ることにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 /z mである。これを粒 径の異なるコランダム粒子で研磨を行 、、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以 下としたものを作製した。このときの表面の状態は図 6のようなる。 PFAは透明なため 、上力も見た状態ですべてが見えるようになつている。また、その表層の断面は図 7の ようになる。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用 い、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示 すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。この MF4 570のトナーは、ワックス入りのトナーである。尚、このトナーのワックスを除いたものを 作製し、カスケード現像により未定着画像を作成し、テスト機に通した場合は、 1枚で トナー付着による紙の巻き付きが発生した。
[0460] 上記のテスト機を用い、通常のワックス入りのトナーを用いて作成した 10000枚の黒 ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は 観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材) は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部加熱では 、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加 熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0461] [実施例 5— 3] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (E N700CL)に、乾燥 PFA重量に対し実施例 5— 1の Ni粉と Sn粉とを PFA粉上に固着 させた粉体 (粉体 1)を 70%混入し、攪拌した後、定着ローラの芯金 (基材)となるアル ミニゥム管にスプレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、 その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 /z m である。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以 下としたものを作製した。この材料の焼成後の断面構造は図 7と同様である。この定 着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同様の構 成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構成の電 磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通 し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、 通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定着部の 管の厚みが 1. 5mmと厚く、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表 面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着 ローラでは、 10秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0462] [実施例 5— 4] 表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフ ロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ag粉 (平均粒径 0. 3 m)を体積換算 で、 10%となる量混入し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイプリ ダイゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた (これを粉体 2とす る)。金属粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確 認したこの粉体 2を、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融さ せた後に冷却し、基板より剥離し、表層のサンプルを作製した。これにより、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmのシートを作製し、この表層のサンプルにより、厚さ 力 S30 μ mで 50mm X 50mmの大きさのシートを作製し、これをパイレックス(登録商 標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナル製 KZ— PH1 (空 鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生させて、水温上昇を 測定した。また、上記のサンプルシートと同様の大きさで厚さが 30 mの Ag箔を用 い、同様の条件で測定を行い、サンプルとの差を比較した。具体的には室温から + 3 0°C上昇するのに要する時間を比較した。その結果、この実施例の構成では、厚さ 3 O /z mの Ag箔の加熱時間に対し、 1. 3倍の時間で加熱できた。すなわち、 PFA中の Agを連接させることにより、離型性を保ちながら金属単体と略同等の発熱性能が得 られた。
[実施例 5— 5] 実施例 5— 4の粉体 2を、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静 電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することに より、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 mである。これを粒径の異 なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。 その表面は、実施例 5— 2と同様であった。 PFAは、透明なため上力も見た状態です ベてが見えるようになって!/、る。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4 570の定着部に用い、図 1と同様の構成の画像形成部を用 V、て作成した未定着トナ 一画像を、図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に通して 定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察し た結果、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また、こ のとき使用した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲン ヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である 力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 15秒程度であった(両方とも定 格出力 800Wの場合)。
[0464] [実施例 5— 6] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (E N700CL)に、乾燥 PFA重量に対し、実施例 5—4の Ag粉を PFA粉上に固着させた 粉体 (粉体 2)を 70%混入、攪拌した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にス プレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨 することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 /z mである。これを 粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを 作製した。この材料の焼成後の断面構造は図 7と同様である。この定着ローラを (株) リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同様の構成の画像形成 部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用 のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面 のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと 何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1 . 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180 °Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 9 秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0465] [実施例 5— 7] 表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (低温焼成タイプ、平均粒 径 φ 20 m)中に Ag粉 (平均粒径 0. 3 m)を体積換算で、 10vol%となる量混入し 、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステム に投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた(
これを粉体 3とする)。金属粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEM による観察で確認した。次に定着ローラの芯金 (基材)となるアルミニウム管上にシリ コンゴム層を 300 mの厚さで形成したものを用い、上記の粉体 3を、アルミニウム管 上のシリコンゴム層の上に重ねて静電塗装し、 340°Cで焼成溶融させた後に冷却し、 定着ローラとした。表層(PFA部)の厚みは 50 mである。これを粒径の異なるコラン ダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。この表層 の表面は図 6と同様の構造である。 PFAは、透明なため上から見た状態ですべてが 見えるようになつている。また、定着ローラの断面構造は図 17のようになり、表層 15と 芯金 (基材) 17の間にシリコンゴムカゝらなる断熱層(または弾性層) 18を有する構成と なる。
[0466] この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成と し、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構成の電磁 誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚のカラーのベタ画像 を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察され ず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定着 部の管の厚みが 1. 5mmと厚く、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラ の表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式の 定着ローラでは、 15秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。また、本実 施例の構成では、最表面に発熱層があるためモノクロ機並みの立ち上げ時間となつ ている。
[0467] [実施例 5 - 8] 表層(導電層)の構成材料として、錫 80 -銀 20の低融点合金粉 (平 均粒径 1. l .u m)に、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシゥ ム、チタン、の各金属粉 (平均粒径各 1. 5 m)をそれぞれ錫 80~|良 20の低融点合 金粉に対して、同体積混合した粉体をそれぞれ作製した。この同体積混合した粉体 を PFA粉 (低温焼成タイプ、平均粒径 φ 20 m)中に体積換算で、 10%となる量混 入し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、各同体積混合した金属粉体を PFA粉上にそれぞれ固着させた (これ を粉体 Aとする)。各金属粉体は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SE Mによる観察で確認した。この後、実施例 5— 7と同様に定着ローラをそれぞれ作製し た。これらの定着ローラを図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着 装置)に装着し、加熱試験を行ったところ、それぞれの含有金属毎にローラの表面温 度が 180°Cになるまでの時間は、金: 15 ± 1秒、銀: 15 ± 1秒、銅: 15 ± 1秒、鉛: 30 士 1秒、ニッケル: 20士 1秒、亜鉛: 25士 1秒、鉄: 30士 1秒、アルミニウム: 26士 1秒、 マグネシウム: 21 ± 1秒、チタン: 23 ± 1秒であった。また、比較としての通常のハロゲ ンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要であ る。
[0468] [実施例 5— 9] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (E N700CL)に、乾燥 PFA重量に対し、実施例 5-8の各金属粉体 (粉体 A)力 PFA 粉上をほぼ覆っている粉体を 70%混入、攪拌した後、厚さ 300 mのシリコンゴム層 を付けた定着ローラの芯金となるアルミニウム管上に、さらに重ねてスプレー塗布を 行い、 340°Cで焼成溶融させた後に冷却し、定着ローラとした。この後、実施例 5— 8 と同様に、定着ローラを図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装 置)に装着し、加熱試験を行って評価した。それぞれの含有金属毎にローラの表面 温度が 180°Cになるまでの時間は、金: 23± 1秒、銀: 25± 1秒、銅: 28 ± 1秒、鉛: 40 ± 1秒、ニッケル: 30 ± 1秒、亜鉛: 35 ± 1秒、鉄: 40± 1秒、アルミニウム: 32 ± 1 秒、マグネシウム: 32± 1秒、チタン: 34 ± 1秒であった。また、比較としての通常のハ ロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要 である [実施例 5-10] 表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井 デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0. 3 m)と Sn粉(平均粒径 2. 4 m)を体積換算で、 Niが 10vol%となる量、 Snは 5vol%を混 入し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。次に下記の表 24に示す体積 比の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面 粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層(導電層)の最終 厚みは 40 μ mである。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定 着部に用い、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を 、図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特 に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0469] [表 24] Ni+Sn固着 PFA粉: PFA粉 (体積比) 水の接触角 付着トナー
1 : 9 108° なし
2 : 8 108° なし
4 : 6 105° なし
5 : 5 106° なし
6 : 4 98° なし
10 : 0 82° なし
[トナー付着が発生する比較例] フッ素榭脂として PFA粉体 (MP102 (三井デュ ボンフロロケミカル社製))、耐熱榭脂として PEEK粉体 (ビタトレックス 'ェムシ一社製 PEEK 150XF)を用い、前記粉体同士を所定の重量比で混合し混合粉体を作製 する。一方、基材については、例えば φ 40mmで、定着部の肉厚が 1.5mmのアルミ ニゥム製の定着ローラ芯金表面をブラスト処理し粗面化する。その後、前記混合粉体 をアルミニウム製の定着ローラの芯金に静電塗装し、 380°Cで 30分加熱し、加熱炉 の外で強送風により急冷する。尚、粉体の種類や混合比によっては離型層の表面粗 さが大きい場合もあるが、表面粗さを所定の大きさに揃える必要がある場合には、例 えばテープ研磨装置にかけ研磨することで可能である。例えばコランダムの # 800, # 1500にてテープ研磨した場合、表面粗さを Rzで 2 μ m以下とできる。
[0470] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同 様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構 成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ 画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。その結果を下記の表 25に 示す。
[0471] [表 25] PFA : PEEK (重量比) による比較例
Figure imgf000110_0001
[実施例 5— 11] 以上の実施例 5— 2乃至 5— 10では、図 3に示す構成の定着装置 6Bに実施例 5に係る定着ローラ 11Bを装着してテストした例を示した力 図 4に示す ような構成の加熱手段 12を 2つ備えた定着装置 6Cにも同様に適用でき、上下の 2つ のローラに実施例 5に係る定着ローラを用いることにより、記録用紙 Sの両面を同時に 加熱できるようになる。従って、この構成では、記録用紙 Sの両面から効率良く加熱で きるようになり、さらには、記録用紙の両面に付いた未定着トナー像を同時に定着す ることがでさる。
[実施例 5 - 12] 表層(導電層)の構成材料として、実施例 5 - 1の粉体 1を、定着口 一ラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた 後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終 厚みは 50 // mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。その表面の状態は図 6と同様である。 PFAは 、透明なため上力も見た状態ですべてが見えるようになつている。また、この定着ロー ラの断面構造は図 7と同様である。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 IMAGIO 750の定着部に用い、画像形成部を用いて作製した未定着画像を、図 5に 示すような構成の電磁誘導加熱用のテスト機に通した。この IMAGIO 750のトナーは 離型性が不十分なため、テスト機の少なくとも定着ローラ 11Bには、シリコンオイルを 含侵されたオイル塗布部材 19Aを追加している。尚、図 5に示す定着装置の基本構 成は図 3と同様であり、オイル塗布部材 19A, 19Bを追カ卩した点のみ異なる。この定 着装置を用いて定着を行い、 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの 付着状態を観察した結果、特に大きなトナー付着は観察されず、通常のものと何ら変 わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚く 、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要であるが、本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であつ た(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0473] [実施例 5— 13] 実施例 5— 2と同様に定着ローラーを作製し、表面粗さを Rzで 2 m としたものを作製した。この定着ローラを図 3に示すような構成の電磁誘導加熱用の テスト機に装着し、定着性を評価した。評価結果を下記の表 26に示す。
[0474] ここで、定着ローラ 11Bと加圧ローラ 13の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で記録 材に対する加圧力 F[kgf]を割った商が、 0. 5 [kgfZcm2]以下では、定着性が非常 に悪ぐ 4. 0[kgfZcm2]以上では、定着ローラへのトナー付着が見られた。定着性 は、定着後のベタ画像に面の布を擦りつけ顕著に布にトナーが付いてものを定着不 良とし、簡易判定した。
[0475] 以上の評価の結果、定着ローラ 11Bと加圧ローラ 13の圧接する接触部分の面積 S [ cm2]で記録材に対する加圧力 F[kgf]を割った商力 0. 5 [kgf/cm2]以上で、力 つ、 4. 0[kgfZcm2]以下となるようにするのがよいことが分かる。
[0476] [表 26] 加圧力による比較例
Figure imgf000112_0001
実施例 6
[0477] 次に、図 3乃至 5のいずれかに示すような構成の電磁誘導加熱方式の定着装置 (カロ 熱装置)に用いられる加熱部材 (定着部材)で、図 10乃至 16に示すような融点の異 なる 2種類以上のフッ素榭脂を用いて構成した表層を有する加熱部材 (定着部材)の 実施例について説明する。
[0478] [実施例 6— 1] (a)表層(導電層)の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)と Sn粉 (平均粒径 1. O ^ m)を体積換算で、 Niが 10 %、 Snが 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製の ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PTFE粉上に固着させた。 Niと Snは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認 した。この粉体を、同様に Ni粉と Sn粉を固着させた PFA粉 (MP102 (三井デュポン フロロケミカル社製))と混合し、図 14の上図に示すように、アルミニウム基板 (基材 17 )に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、表 層(導電層)のサンプルを作製した。この表層 15のサンプルの断面の模式図は図 14 の下図のようになる。(b)比較例として、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製))中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 111)と311粉(平均粒径1. 0 m)を体積換算で 、 Niが 10%、 Snが 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製 作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PFA粉上に固着 させた。 Niと Snは、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察 で確認した。この粉体を、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を 溶融させた後に冷却
し、基板より剥離し、比較用のサンプルを作製した。(c)さらに、別の比較例として、 P TFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル 社製) )を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni粉 (平均粒径 0. 5 μ ηι)を体積換 算で Niが 3%となる量、 Sn粉 (平均粒径 1. 0 m)を体積換算で Snが 2%となる量を 通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Niが 3%となる量、 Snが 2%と なる量としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないためである。
[0479] 以上により、厚さが 30 mで大きさが 50mm X 50mmのシートを各々作製し、これを ノィレックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後 、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナ ル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生さ せて、水温上昇を測定し、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmの Ni箔との差を 比較した。具体的には、室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。
[0480] (a)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 5倍の時間で加熱することができた。
[0481] これに対して、(b)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 2倍の時間にとどまつ た。
[0482] (c)の構成例では、水温上昇は検知できなかった。
[0483] [実施例 6— 2] (a)表層(導電層)の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)と Sn粉 (平均粒径 1. O ^ m)を体積換算で、 Niが 10 %、 Snが 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製の ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PTFE粉上に固着させた。 Niと Snは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認 した。また、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))中に Ni粉 (平均粒 径 0. 5 m)と Sn粉(平均粒径 1. O ^ m)を体積換算で、 Niが 10%、 Snが 2%となる 量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーショ ンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。 Niと Snは、 PFA粉上を ほぼ覆って 、る状態であることを、 SEMによる観察で確認した。
[0484] 次に、図 15 (a)の上図に示すように、最初に Niと Snに覆われた PFA粉 (融点が低い フッ素榭脂 41B)をアルミニウム基板 (基材 17)に静電塗装し、次にその上に Niと Sn に覆われた PTFE粉 (融点が高いフッ素榭脂 41A)を静電塗装し、最後に再び Niと S nに覆われた PFA粉 (融点が低 ヽフッ素榭脂 41B)を静電塗装して積層した後、 380 °Cで焼成し、融点が低いフッ素榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、表層 (導電層)のサンプルを作製した。このサンプルの断面の模式図は図 15 (a)の下図の ようになる。(b)比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)) 中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)と Sn粉 (平均粒径 1. O ^ m)を体積換算で、 Niが 10 %、 Snが 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製の ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。 Ni と Snは、 PF A粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。 この粉体を、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後 に冷却し、基板より剥離し、比較用のサンプルを作製した。(c)さらに、別の比較例と して、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製))中に PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケ ミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni粉 (平均粒径 0. を体 積換算で Niが 3%となる量、 Sn粉 (平均粒径 1 μ m)を体積換算で Snが 2%となる量 を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Niが 3%となる量、 Snが 2% となる量としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないためである。
[0485] 以上により、厚さが 30 mで大きさが 50mm X 50mmのシートを各々作製し、これを ノィレックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後 、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナ ル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生さ せて、水温上昇を測定し、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmの Ni箔との差を 比較した。具体的には、室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。
[0486] (a)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 5倍の時間で加熱できた。 [0487] これに対して、(b)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 2倍の時間にとどまつ た。
[0488] (c)の構成例では、水温上昇は検知できなかった。
[0489] [実施例 6— 3] (a)表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポン フロロケミカル社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)と Sn粉 (平均粒径 1. 0 m)を 体積換算で、 Niが 10%、 Snが 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株) 奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を PFA 粉上に固着させた。 Niと Snは、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEM による観察で確認した。この粉体を、同様に Ni粉と Sn粉を固着させた FEP粉(532— 81 10 (デュポン社製))と混合し、図 14の上図に示すように、アルミニウム基板 (基材 17)に静電塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し 、表層 15のサンプルを作製した。この表層 15のサンプルの断面の模式図は図 14の 下図のようになる。(b)比較例として、 FEP粉(532— 8110 (デュポン社製))中に Ni 粉 (平均粒径 0. 5 m)と Sn粉 (平均粒径 1. O ^ m)を体積換算で、 Niが 10%、 Sn 力 2%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイプリ ダイゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉を FEP粉上に固着させた。 Niと Snは 、 FEP粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉 体を、アルミニウム基板に静電塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却 し、基板より剥離し、比較用のサンプルを作製した。 (c)さらに、別の比較例として、 P FA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )中に FEP粉(532— 8110 (デュ ボン社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni粉 (平均粒径 0. 5 ;ζ ΐη)を体積 換算で Niが 3%となる量、 Sn粉 (平均粒径 1. 0 m)を体積換算で Snが 2%となる量 を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Niが 3%となる量、 Snが 2% となる量としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないためである。
[0490] 以上により、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmのシートを各々作製し、これを ノィレックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後 、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナ ル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生さ せて、水温上昇を測定し、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmの Ni箔との差を 比較した。具体的には、室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。
[0491] (a)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 5倍の時間で加熱できた。
[0492] これに対して、(b)の構成例では、 Ni箔の加熱時間に対し、 1. 2倍の時間にとどまつ た。
[0493] (c)の構成例では、水温上昇は検知できなかった。
[0494] [実施例 6— 4] 実施例 6—1の(a)の粉体を、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミ- ゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研 磨することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 /z mである。これ を粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行 ヽ、表面粗さを十点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製した。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF45 70の定着部に用い、図 1と同様の構成の画像形成部を用 、て作成した未定着トナー 画像を、図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に通して定 着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した 結果、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また、この とき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータに よる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実 施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 4秒程度であった(両方とも定格出力 80 0Wの場合)。
[0495] さらに図 5に示すように、オイル塗布部材 19Aを用いて本実施例における定着ローラ 11Bの離型層(表層) 15に離型剤を塗布すると、耐熱榭脂部分にオイル成分が保持 されてオフセット防止被覆層は長期にわたり安定した非粘着性を示すことができ、さら に追加で 10000枚の黒ベタ画像を通してローラ表面のトナーの付着状態を観察して も、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0496] [実施例 6— 5] (a)表層(導電層)の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Agが 10%となる量を混合し、図 8に 示すような構成の (株)奈良機械製作所製のノ、イブリダィゼーシヨンシステムに投入し 、 Ag粉を PTFE粉上に固着させた。 Agは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態である ことを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、同様に Ag粉を固着させた PFA粉( MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))と混合し、図 14の上図のように、アルミ -ゥム基板 (基材 17)に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し 、基板より剥離し、表層のサンプルを作製した。この表層 15のサンプルの断面の模式 図は図 14の下図のようになる。(b)比較例として、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフ ロロケミカル社製) )中に Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Agが 10%となる 量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーショ ンシステムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた。銀は、 PFA粉上をほぼ覆って いる状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体をアルミニウム基板に 静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、比較 用のサンプルを作製した。(c)さらに、別の比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン 社製) )中に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )を通常の攪拌混合 し、この粉体にさらに Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で Agが 5%となる量を通 常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Agを 5%としているのは、静電塗 装では、これ以上では成膜できないためである。
[0497] 以上により、厚さが 30 mで大きさが 50mm X 50mmのシートを各々作製し、これを ノィレックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後 、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナ ル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生さ せて、水温上昇を測定し、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmの Ag箔との差を 比較した。具体的には、室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。
[0498] (a)の構成例で
は、 Ag箔の加熱時間に対し、 1. 3倍の時間で加熱できた。
[0499] これに対して、(b)の構成例では、 Ag箔の加熱時間に対し、 1. 1倍の時間にとどまつ た。
[0500] (c)の構成例では、水温上昇は検知できなかった。
[0501] [実施例 6— 6] (a)表層(導電層)の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Agが 10%となる量を混合し、図 8に 示すような構成の (株)奈良機械製作所製のノ、イブリダィゼーシヨンシステムに投入し 、 Ag粉を PTFE粉上に固着させた。 Agは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態である ことを、 SEMによる観察で確認した。また、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製) )中に Ag粉 (平均粒径 0. 5 μ ηύを体積換算で、 Agが 10%となる量を混 合し、図 8に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた。 Agは、 PFA粉上をほぼ覆っている 状態であることを、 SEMによる観察で確認した。
[0502] 次に、図 15 (a)の上図に示すように、最初に Agに覆われた PFA粉 (融点が低いフッ 素榭脂 41B)をアルミニウム基板 (基材 17)に静電塗装し、次にその上に Agに覆わ れた PTFE粉 (融点が高!ヽフッ素榭脂 41A)を静電塗装し、最後に再び Agに覆われ た PFA粉 (融点が低 ヽフッ素榭脂 41B)を静電塗装して積層した後、 380°Cで焼成 し、融点が低い榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、表層のサンプルを作 製した。このサンプルの断面の模式図は図 15 (a)の下図のようになる。(b)比較例と して、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))中に Ag粉(平均粒径 0. δ μ ηι)を体積換算で、 Agが 10%となる量を混合し、図 8に示すような構成の (株)奈 良機械製作所製のハイブリダィゼーションシステムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固 着させた。銀は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確 認した。この粉体をアルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融さ せた後に冷却し、基板より剥離し、比較用のサンプルを作製した。(c)さらに、別の比 較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製))中に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフ ロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ag粉 (平均粒径 0. )を体積換算で Agが 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。こ こで、 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないためである。
[0503] 以上により、厚さが 30 mで大きさが 50mm X 50mmのシートを各々作製し、これを ノ ィレックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後 、シャーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナ ル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生さ せて、水温上昇を測定し、厚さが 30 μ mで大きさが 50mm X 50mmの Ag箔との差を 比較した。具体的には、室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。
[0504] (a)の構成例では、 Ag箔の加熱時間に対し、 1. 3倍の時間で加熱できた。
[0505] これに対して、(b)の構成例では、 Ag箔の加熱時間に対し、 1. 1倍の時間にとどまつ た。
[0506] (c)の構成例では、水温上昇は検知できなかった。
[0507] [実施例 6— 7] 実施例 6— 5の(a)の粉体を、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミ- ゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研 磨することにより、定着ローラとした。表層(導電層)の最終厚みは 50 /z mである。これ を粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたもの を作製した。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用 い、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示 すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚 の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付 着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は 、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、 ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導カロ 熱式の定着ローラでは、 14秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0508] [実施例 6— 8] 最初に図 13 (a)の上図に示すように、デュポン社製の湿式フッ素塗 料 (EN700CL)を定着ローラの芯金 (基材 17)となるアルミニウム管にスプレー塗装 を行い、次にその上に、前記湿式フッ素塗料 (EN700CL)に、乾燥 PFA重量に対し 実施例 6— 1 (a)の Ni粉と Sn粉とを PTFE粉上に固着させた粉体を 70%混入し、攪 拌して作製した塗料のスプレー塗装を行 、、最後に再び前記湿式フッ素塗料 (EN7 OOCL)をスプレー塗装して積層した後、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷 却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 50 mで ある。このローラの表層(導電層)の断面の模式図は図 13 (a)の下図のようになる。
[0509] この定着ローラの表面を粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rz で 2 m以下としたものを作製した。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 1と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定 着トナー画像を、図 3に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に 通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を 観察した結果、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。 また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲン ヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である 力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 11秒程度であった(両方とも定 格出力 800Wの場合)。
[0510] [実施例 6— 9] 表層(導電層)の材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ag粉 (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Agが 10%となる量を混合し、図 8に示す ような構成の (株)奈良機械製作所製のノヽイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ag 粉を PTFE粉上に固着させた。 Agは、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを 、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、同様に Ag粉を固着させた PFA粉 (MP1 02 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合した。次に定着ローラの芯金 (基材)と なるアルミニウム管上にシリコンゴム層を 300 μ mの厚さで形成したものを用い、上記 の混合粉体を、アルミニウム管上のシリコンゴム層の上に重ねて静電塗装し、 340°C で焼成溶融させた後に冷却し、定着ローラとした。表層(導電層)の厚みさは 50 m である。この定着ローラの表面を粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗 さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。この定着ローラの断面の層構成は図 18の ようになる。
[0511] この定着ローラを、市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成 とし、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 3に示すような構成の電 磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚のカラーのベタ画 像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察さ れず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定 着部の管の厚みが 1. 5mmと厚く、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ロー ラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式 の定着ローラでは、 13秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。また、本 実施例の構成では、最表面に発熱層があるためモノクロ機並みの立ち上げ時間とな つている。
実施例 7
[0512] 以上の実施例 1乃至 6に示したように、本発明の加熱部材 (定着部材)は、離型性を 有するフッ素榭脂に、金属が混在した表層を有し、その金属が連接して金属連接部 を形成していることにより、表層の離型性を保ちながら熱伝導率や導電率を向上する ことができる。また、フッ素榭脂に混在させる金属としては、熱や電気の良導体で、フ ッ素榭脂の融点よりも高融点の金属 (または合金)と、低融点金属 (または低融点合 金)の組合せが良い。さらに、フッ素榭脂とし、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用 いることにより、表層の熱伝導率や耐久性をさらに向上することができる。
[0513] ここで、図 22は、(A)フッ素榭脂である PFAの熱伝導率に対し、(B) PFAに低融点 金属である Biを混在させたもの、(C)炭素系材料を含有させたフッ素榭脂、 (D) PF Aに Biと Agを混在させたもの、(E)炭素系材料を含有させたフッ素榭脂に Agを混在 させたもの、(F)炭素系材料を含有させたフッ素榭脂に Ag2%と Bi8%を混在させた ものを作成して、それらの熱伝導率を比較したものであり、 PFAの熱伝導率に対する 倍率で表示している。
[0514] 図 22では、(B)の PFAに Bi単体を混在させたものに対し、(D)の PFAに、 Biと Agの 組合せを混在させたもののほうが 1. 4倍程度熱伝導率がよくなつており、熱や電気の 良導体で PFAの融点(310°C)よりも高融点の Ag (融点 961. 9°C)と、低融点金属で ある Bi (融点 271°C)を組合せて用いたほうが熱伝導率を向上することができる。これ はフッ素榭脂と金属を混合した表層を焼成する時に、溶融した低融点金属 (Bi)のみ ではフッ素榭脂に自発的に濡れ広がることが困難であるため、 PFAの融点よりも融点 の高い Agを基点にしてそれを Biが繋ぐ構造となることで熱 (電気)の経路形成に有利 に働いているものと考えられる。すなわち、 Ag等の高融点の金属同士を Bi等の低融 点金属で接合できるため、熱 (電気)の通りの効率がよい、要求特性にあった表層を 形成することができる。
[0515] さらに図 22より明らかなように、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることにより 、熱伝導率をさらに向上することができる。特に炭素系材料含有フッ素榭脂に、 Biと Agの組合せを混在させたものは、 PFAに比べて 11. 89倍の熱伝導率が得られる。 従って、前述の実施例において、表層を構成するフッ素榭脂に、炭素系材料含有フ ッ素榭脂を用いることにより、表層の熱伝導率をさらに改善することが可能となる。
[0516] 以上説明したように、本発明の第 1乃至 7実施例に係る加熱部材 (定着部材)では、 離型層が良熱伝導層であるため、低熱伝導の従来のフッ素榭脂材料で起こる加熱 部材 (定着部材)表面の温度低下を小さくできる。そのため、画像形成装置の定着装 置に用いた場合に、連続通紙時、従来の画像形成装置で、表面温度低下の時に行 われる、紙の通紙速度の減速等を行わずにすみ、安定した画像形成が可能となる。 また、熱伝導率の向上は、未定着画像を定着部材の温度をどこまで下げて定着でき るかというコールドオフセット温度の測定でも評価できる。このように、本発明では、定 着時の加熱効率を上げることができ、画像形成の生産性を向上することができる定着 部材を提供することができ、それを用いた定着装置を提供することができる。
[0517] また、本発明の第 1乃至 7実施例に係る加熱部材では、表層の離型層が、電磁誘導 加熱の発熱層(導電層)を兼ねる構成とすることができるため、加熱時の立ち上げ時 間を非常に短くすることができる。また、通常用いられる画質向上のためのシリコンゴ ム層等を発熱部より奥 (基材側)に配置できるため、加熱のタイムラグを極小にするこ とができる。また、通常の構成では、離型性を確保するために必須のフッ素榭脂は、 熱
伝導率が低いため加熱効率低下になるが、本発明では離型層が、発熱層(導電層) を兼ねているため、離型性を損なわずに表層に電気伝導性を与え、電磁誘導加熱 に用いることができるので、非常に有利である。従って、本発明の加熱部材を用いた 加熱装置は、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリなどの画像形成装置の定着装 置として好適に利用することができ、信頼性の高い、エネルギー効率のよい画像形成 装置を実現できる。
[0518] 以下に、本発明の第 8乃至 13実施例の構成につき、説明する。図 23乃至 27は本発 明の第 8乃至 13実施例の構成を説明するための図であり、上述の第 1乃至 7実施例 の構成の説明に使用した図 1乃至 5に夫々対応する。これらの図に示す各構成要素 は上述の第 1乃至 7実施例の構成の説明に使用した図 1乃至 5に示すものと同様の 構成及び機能を有し、対応する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略 する。
[0519] 図 28は、本発明の第 8乃至 13実施例に係る定着部材 (加熱部材)の表層 15の構成 例を示す図であり、表層 15の一部の水平断面 (表面に沿った断面)を示している。こ の例では、母材であるフッ素榭脂部 41の周りに金属材料 44aおよび非金属材料 44b (金属粒子およびセラミック粒子や金属フィラーおよびセラミックフィラーあるいは金属 の球殻およびセラミックの球殻など)が連接して連接部 42を形成して 、る状態を示し ており、フッ素榭脂部 41が面積的に大きく占め、離型性を確保している。連接部 41 は、面積的には 5%程度である力 ほとんどの金属材料 44aおよび非金属材料 44b が連接しているため熱伝導率や導電率への寄与が大きい。また、水平方向での熱伝 導率も高い。ここで、連接とは、 3つ以上の熱の良導体粒子 (あるいは良導体のフイラ 一や球殻)が接触している状態を指す。図 29に表層 15の一部の垂直断面を示す。 水平断面と同様に垂直方向も連接部が、表面から基板 (基材) 17まで続いており、熱 伝導率の向上に寄与して 、る。
[0520] 尚、ここで述べて 、る金属粒子および非金属粒子等は、カーボン粒子などと違い明 確に接触していないと導通性を示さない。そして、複数接触していないと実質的な熱 伝導性に寄与できないため、連続して接触しているということで、このような状態を連 接と表現して!/ヽる (参考:非特許文献 1)。
[0521] 本発明に係る定着部材 (加熱部材)の表層 15に用いられるフッ素榭脂 43としては、 焼成による溶融成膜性のよい、比較的融点の低いものが好ましく選択される。具体的 には、低分子量ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)、テトラフロォロエチレン一へキサ フルォロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキル ビニルエーテル共重合体 (PFA)の微粉末が挙げられる。より具体的には、低分子量 ポリテトラフルォロエチレン (PTFE)粉末は、ルブロン (登録商標) L 5、 L 2 (ダイキ ン工業社製)、 MP1100、 1200、 1300、 TLP— 10F— 1 (三井デュポンフロロケミカル 社製)が知られている。テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重合体( FEP)粉末は、 532— 8000 (デュポン社製)が知られている。テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)は、 MP— 10、 MP102 (三井 デュポンフロロケミカル社製)が知られている。また、これらのフッ素榭脂に炭素系材 料 (例えばカーボン)を含有した榭脂を用いることもできる。
[0522] 低融点合金としては、(1)錫"!良系、(2)錫 ^¾系、(3)錫-亜鉛系、(4)錫"!良-銅系、(5) 錫 銀 ビスマス系、(6)錫"!良 銅 ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビ スマスのいずれかの金属または合金などを用いることができる。また、金属粒子や金 属フイラ一としては、金 (Au)、銀 (Ag)、銅 (Cu)、鉛 (Pb)、ニッケル (Ni)、亜鉛 (Zn) 、鉄(Fe)、アルミニウム(A1)、マグネシウム(Mg)、チタン (Ti)、錫(Sn)、ビスマス(B i)のいずれか 1つ以上を含む金属、合金の粒子ゃフイラ一が使用できる。これらを球 状、球殻、針状フィラー、繊維状フイラ一として用い、フッ素榭脂の周囲に金属粉を固 着させる。
[0523] フッ素榭脂の周囲に金属材料粉および非金属材料粉を固着させる装置として、ハイ ブリダィゼーシヨンシステム( (株)奈良機械製作所)の例を図 30に示す。図中の符号 151は本体ケーシング、 158はステーター、 177はステータージャケット、 163はリサ イタルパイプ、 159は排出バルブ、 164は原料投入シュートである。
[0524] この装置において、原料投入シュート 164から供給された粉体粒子及び他の微小固 体粒子は、衝撃室 168内で主として高速で回転している回転ローター 162に配置さ れた複数のローターブレード 155によって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のス テーター 158に衝突して粉体粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほ ぐしながら系内に分散させると同時に、粉体粒子表面に他の微小固体粒子を静電気 力、ファンデルワールス力等により付着させる力、粉体粒子のみの場合は、粒子の角 取り又は球形ィ匕が行なわれる。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行く。 すなわち、ローターブレード 155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子 は、リサイクルパイプ 163を複数回通過することにより処理される。さらにローターブレ ード 155及びステーター 158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、他 の微小固体粒子は、粉体粒子表面またはその近傍に均一に分散し固定化される。
[0525] 上記で作製した被覆粉体を単独、もしくは通常のフッ素榭脂で作製した粉体と機械 的に混合した粉体を、金属部材等からなる基材 17に静電塗装するか、または、上記 粉体を水溶液に分散した湿式塗料にて基材 17に塗布し、焼成することにより表層 15 を作製する。また、上記粉体を低融点金属と一緒に焼成することにより、フィラー同士 が連接し、強度、熱伝導性の両方の特性を向上できる。但し、低融点金属と実際の 使用温度 (定着加熱時の温度)との関係に注意しておく必要がある。
[0526] また、上記の粉体を低融点金属と一緒に焼成することにより、フィラー同士が連接し、 導電性を向上することができ、渦電流を十分流すことが可能となり、発熱体として用い ることができる。低融点金属の割合が少なくてもその長さによって、フイラ一間の接続 の確率が高ぐ電気伝導性を向上することができる。本発明においては、低融点金属 は、加熱装置の温度の異常オーバーシュートによる焼損に対する安全装置の役割も 果たす。すなわち、金属は、液体になった場合、急激に電気特性が変化するため、 磁束発生回路のインピーダンス変化による検出が可能であり、かつ液体金属は、抵 抗値が急激に上がるため発熱効率が落ちる。また、磁性金属に非磁性金属を合金 化し、キュリー温度をコントロールし、ある温度以上で発熱効率を落とすようにすること も可能である。
[0527] さらに、低融点金属はフイラ一の充填量の 5乃至 50重量部が好ましい。また、低融点 金属は、耐食性が劣るものが多いため、フィラーより少ないことが望ましい。また、画 像形成装置の定着部では、記録用紙等力 の水蒸気の環境に曝されるため、必要 以上の量は避けることが望まし!/、。
[0528] 尚、一例として、低融点金属としてビスマス (Bi)を用い、金属フイラ一として銀 (Ag)を 用いた場合について図 31の状態図を用いて説明する。これは、共晶型と呼ばれる状 態図である。この例では、フッ素榭脂の焼成時(300°C以上)にこの共晶点以上の温 度で液体相が生じ、その後、共晶点以下にすることにより、銀を接続する。本発明の 目的である熱伝導性または導電性を向上させるためには、その特性のよい銀が多い 方が有利である。そのため、ビスマスはこれを接続する役目を持つ。通常の定着装置 での使用時は、加熱温度は最大 230°C程度であるため問題なく使用できる。
[0529] ところで、図 28、図 29には、フッ素榭脂 43を単独で使用したフッ素榭脂部 41の例を 示したが、フッ素榭脂として融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用い、少なくとも 最も融点が高いフッ素榭脂は、連接した金属材料および非金属材料に取り囲まれて いる構成とすることもできる。図 32は 2種類以上のフッ素榭脂を用いた場合の定着部 材 (加熱部材)の表層の構成例を示す図であり、表層 15の一部の水平断面 (表面に 沿った断面)を示している。この例では、最も融点の高いフッ素榭脂 41Aの周りに金 属粒子および非金属粒子が連接して連接部 42を形成し、その周りに、より融点の低 いフッ素榭脂 41Bを充填している状態を示しており、 2種類のフッ素榭脂 41A, 41B 力もなるフッ素榭脂部 41が面積的に大きく占め、離型性を確保している。連接部 42 は、面積的には 5%程度である力 ほとんどが連接しているため熱伝導率への寄与 が大きい。また、水平方向での熱伝導率も高い。図 33に表層 15の一部の垂直断面 を示す。水平断面と同様に垂直方向も連接部 42が、表面カゝら基材 17まで続いてお り、熱伝導率向上に寄与している。
[0530] 本発明の定着部材 (加熱部材)の表層は、金属材料および非金属材料が連接して取 り囲んだフッ素榭脂粒子を加熱溶融させて膜形成することにより形成されるが、表層 のフッ素榭脂部分が 1種類のフッ素榭脂からなる場合には、加熱前に金属材料およ び非金属材料が連接してフッ素榭脂粒子を取り囲んで 、ても、表層形成時にピンホ ールの無い表層とするためにはフッ素榭脂を溶融流動させる必要があるため、連接 部の連接状態が乱されてしまい、熱伝導率は向上するが、製造ロット間の熱伝導率 のバラツキが大きくなつてしまうことがある。
[0531] これに対して、フッ素榭脂部分が融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂からなり、図 3 2、図 33に示すように、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂粒子 41Aを金属材料お よび非金属材料が連接して取り囲んでいれば、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aが流 動しな 、温度で加熱して、より融点が低 、他のフッ素榭脂粒子 41Bを溶融流動させ ることにより、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの周りを取り囲む連接部 42の連接状態 を乱さずに済む。このため熱伝導率を向上させ、かつ製造ロット間の熱伝導率のバラ ツキを小さくすることができる。
[0532] 尚、フッ素榭脂は融点を超えて加熱されると流動するが、温度が低いほど流動性が 小さいため、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの融点を超えていても、連接部 42の連 接状態を乱さな 、程度の流動性にとどまる温度であれば良 、。
[0533] このような 2種類以上のフッ素榭脂を組み合わせた表層に用いられるフッ素榭脂とし ては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。具 体的にはポリテトラフルォロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PF A)、テトラフルォロエチレン エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重 合体 (FEP)、テトラフルォロエチレン フッ化ビ-リデン共重合体 (TFEZVdF)、テト ラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン パーフルォロアルキルビニルエーテ ル共重合体(EPA)、ポリクロ口トリフルォロエチレン(PCTFE)、クロ口トリフルォロェ チレン エチレン共重合体(ECTFE)、クロ口トリフルォロエチレンーフッ化ビ-リデン 共重合体(CTFEZVdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF) などが挙げられる。例えばポリテトラフルォロエチレン(PTFE)粉末は、テフロン (登 録商標) 7A— J、 70— J (三井デュポンフロロケミカル社製)が知られている。テトラフル ォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重合体(FEP)粉末は、 532-8000 (デュ ポン社製)が知られている。テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルェ 一テル共重合体(PFA)は、 MP— 10、 MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、 MP— 103 (
三井デュポンフロロケミカル社製)が知られている。また、これらのフッ素榭脂に炭素 系材料 (例えばカーボン)を含有した榭脂を用いることもできる。
[0534] 本発明においては、これらの中力 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を適宜選 定して使用すれば良い。尚、フッ素榭脂の融点の例を下記の表 27に示す。
[0535] [表 27]
フッ素樹脂 融点 (°c)
PTFE 327
PFA 310
FEP 270
ETFE 260
PCTFE 210
PVDF 177 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用いる場合、少なくとも最も融点が高いフ ッ素榭脂 41Aの周囲には前述した金属材料粉および非金属材料粉を固着させる。 固着させる金属材料および非金属材料としては前述した低融点金属や合金、金属ま たは合金またはセラミックのフィラーが用いられる。固着させる装置としては、図 30に 示したノ、イブリダィゼーシヨンシステム((株)奈良機械製作所)が用いられる。尚、この 装置による被覆粉体の作製方法は前述した通りである。
[0536] 図 34に示すように、作製した粉体 (最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの周囲に連接部 42を形成した粉体)を、より融点の低いフッ素榭脂 41Bと混合したものを、静電塗装、 または、湿式塗料にて塗布し、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aの融点よりも低い温 度で焼成することにより表層を作製する。
[0537] あるいは、図 35の(a)または (b)に示すように、作製した粉体 (最も融点が高いフッ素 榭脂 41Aの周囲に連接部 42を形成した粉体)とより融点の低いフッ素榭脂 41Bが、 静電塗装や湿式塗料の塗布により複数層積層するように塗装し、最も融点が高いフ ッ素榭脂 41Aの融点よりも低い温度で焼成することにより表層 15を作製することによ つても熱伝導性や導電性を向上させることができる。
[0538] また、もちろん、図 36や図 37に示すように、より融点が低いフッ素榭脂 41Bにも金属 材料粉および非金属材料粉を固着させて連接部 42を形成し、最も融点が高 ヽフッ 素榭脂 41Aの周囲に連接部 42を形成した粉体と混合して用いても構わない。
[0539] さらに、表層 15の表面粗さを所定の値 (例えば 10点平均粗さ Rzとして 5 m以下)に する必要がある場合には、図 38に示すように、焼成後に研磨処理を施すことにより表 面粗さを所定の値にすることが可能である。
[0540] また、 2種類以上のフッ素榭脂を用いる場合にも、低融点金属と一緒に焼成すること により、フィラー同士が連接し、強度、熱伝導性の両方の特性を向上できる。このとき 、低融点金属の融点は最も融点が高いフッ素榭脂 41Aに比べて低い必要がある。例 えば最も融点が高 ヽフッ素榭脂が PTFEであった場合、低融点金属としては錫(Sn) を使用する。
[0541] ここで融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂が、融点が 200°C以上である PTFEP、 PFA、 FEP、 ETFE、 PCTFEから選ばれることが使用時の表層の熱安定性におい て好ましい。さらに、最も融点が高いフッ素榭脂 41Aとして PTFEを使用すると溶融 粘度が他のフッ素榭脂に比べて非常に大きいため膜形成時に融点を超えたとしても ほとんど流動せず金属材料および非金属材料の連接状態を乱さな!/ヽため、より望ま しい。
[0542] ところで、本発明の加熱部材 (定着部材)を図 25乃至 27に示したような電磁誘導カロ 熱方式の定着装置に用いる場合は、表層 15で発生した熱が基材 17側に逃げないよ うに、表層 15と基材 17の間に断熱層(または弾性層) 18を設けると良い。図 39と図 4 0はその一例を示しており、表層の一部の垂直断面を示す図である。図 39の例は、 基材 17側の表面にシリコンゴム力もなる断熱層(または弾性層) 18を設け、その上に 図 28, 29と同様の構成の表層 15を形成したものである。また、図 40の例は、基材 1 7側の表面にシリコンゴム力もなる断熱層(または弾性層) 18を設け、その上に図 32 乃至 38の!、ずれかと同様の構成の表層 15を形成したものである。
[0543] 図 39または図 40の構成の場合、表層 15に外部から高周波電磁界を印加すると、表 層 15の導電層 42に渦電流が発生し発熱する力 このとき、表層 15はシリコンゴムか らなる断熱層 18で断熱されているため、素早い温度上昇を行うことができる。また、 横方向は熱的にも連続しているため、一部の熱低下が発生しても素早く均一化され る。従って、立ち上がりが早ぐ熱の均一化も良ぐ加熱効率の良い加熱部材 (定着 部材)を得ることができる。
[0544] 本発明の加熱部材 (定着部材)においては、表層 15の水に対する接触角が 80° 以 上である。これにより、トナー中から出て表層側に付着したワックス力 表層上ではじ かれることがないため、直接トナーの榭脂等が表層に触れてオフセットしたり、ホットメ ルト接着剤のように機能して定着部材に記録材が卷きつくと ヽつたことが生じな 、。
[0545] この水に対する接触角が、 80° 未満になると濡れ過ぎるため、トナー榭脂自身の接 着力が急激に増大してワックスによる付着防止効果を上回り、トナー全体が表層側に 移行し、定着不良を生じる。尚、本発明における接触角の測定は、加熱部材 (定着部 材)の表層材料の平面状の試験片を形成し、協和界面科学社製の CA - X型で室温 にお ヽて液滴法によって測定した。
[0546] 加熱部材 (定着部材)の表層 15の水に対する接触角を、 80° 以上の範囲内に調整 する方法としては、表層 15の形成材料であるフッ素榭脂と金属との配合比を変化さ せ、水に対する接触角を制御する方法がある。この場合、フッ素榭脂と金属の種類、 混合方法、加熱温度の組合せで水に対する接触角を制御することができる。
[0547] また、加熱部材 (定着部材)の表層 15の金属材料および非金属材料部分は、その断 面において厚さが 50 m以下である。また、表層 15の金属材料および非金属材料 部分は、その断面において最大幅部が 30 m以下である。
[0548] このように、表層の金属材料および非金属材料部分がその断面において最大幅部 が 30 m以下となるように表層を形成した場合、仮にフッ素榭脂よりも非粘着性に劣 る金属材料および非金属材料部分が表面に露出したとしても、トナーが金属材料お よび非金属材料部分に直接接触する面積が小さくなるため、オフセット防止に対して 有利な構造となる。
[0549] 以下、本発明に係る加熱部材 (定着部材)とその作製方法の具体的な実施例につい て説明する。
実施例 8
[0550] まず、図 24に示すような構成の定着装置 6Aに用いられ、図 28, 29に示したような構 成の表層 15を有する加熱部材 (定着部材) 11 Aの実施例にっ 、て説明する。
[0551] [実施例 8— 1] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒 径 0. 5 /z m)を体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%となる量を混合し、図 30に 示すような構成の (株)奈良機械製作所製のノ、イブリダィゼーシヨンシステムに投入し 、 (Ni +炭化ケィ素)粉を PFA粉上に固着させた。(Ni +炭化ケィ素)粉は、 PFA粉 上をほぼ覆っている状態であることを、走査型電子顕微鏡 (SEM)による観察で確認 した。この粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)と混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融さ せた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。これ〖こより、 100 m厚のシ ートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した 体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。また、三菱油化株式会社製高抵抗計「 ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測定した。下記の表 28に、(Ni+炭化ケィ素 )固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率および表面抵抗の関係を示す。 ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない 。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP 102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均 粒径 φ 20 μ m)中に Ni粉(平均粒径 0. 5 μ m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を 体積換算で、 Niが 2. 5%、炭化ケィ素が 2. 5%となる量を倉敷紡績 (株)製の攪拌 装置 KK 500を用いて混合し、同様にシートを作製した。ここで、 Niが 2. 5%、炭化 ケィ素が 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないためであ る。尚、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導 率で割ったものであり、
Figure imgf000131_0001
、る。
[表 28]
Figure imgf000131_0002
[実施例 8— 2] 実施例 8-1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0. 5 μ m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 μ ηι)を体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%と なる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼ ーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素)粉を PFA粉上に固着させた。次に下 記の表 29, 30の割合で混合して、定着ローラの芯金 (基材) 17となるアルミニウム管 に静電塗装し、 380°Cで塗装した樹脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒 子で研磨を行レ、、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製し、 定着ローラ 11Aとした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製 の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を 用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定着装置) に通して定着した。この MF4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4 570に 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電ォ フセット発生の有無を観察した。観察結果を下記の表 29に示す。表 29, 30に示すよ うに、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
[表 29]
Figure imgf000132_0001
[比較例 1一 1]比較例として、 Ni粉(平均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で、 Niが 10% となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィ ゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させ、同様に定着ローラとした 場合につ!、ても表 30に結果を示した。
[表 30] 水の 付着 静電
Ni固着 PFA粉: PFA粉(体積比)
接触角 トナー オフセッ卜
1 : 9 108° なし なし
2 : 8 108° なし なし
4 : 6 105° なし 転写電荷リーク
5 : 5 106° なし 転写電荷リーク
6 : 4 98。 なし 転写電荷リーク
10 : 0 82。 なし 転写電荷リーク
[比較例 1 2] 上記の実施例 8— 2に対し、トナー付着が発生する比較例を以下に 示す。
[0555] フッ素樹脂として PFA粉体 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )、耐熱樹脂 としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)粉体(ビタトレックス ·ェムシ一製 PEEK 150XF)を用い、前記粉体同士を所定の重量比で混合し混合粉体を作製する。一 方、基材については、例えば直径 φ 40mmで、定着部の肉厚が 1.5mmのアルミ-ゥ ム製の定着ローラの芯金表面をブラスト処理し粗面化する。
[0556] その後、前記混合粉体をアルミニウム製の定着ローラの芯金に静電塗装し、 380°C で 30分加熱し、加熱炉の外で強送風により急冷する。
[0557] 尚、粉体の種類や混合比によっては離型層の表面粗さが大きい場合もあるが、表面 粗さを所定の大きさに揃える必要がある場合には、例えばテープ研磨装置にかけ研 磨することで可能である。例えばコランダムの # 800, # 1500にてテープ研磨した場 合、表面粗さを Rzで 2 m以下とできた。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成 装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成し た未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着 した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電ォ フセット発生の有無を観察したときの PFA: PEEK (重量比)による比較例を下記の表 31に示す。
[表 31]
Figure imgf000134_0001
[実施例 8— 3] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉(平均粒径 0. 5 /X m)、アルミナ(平均粒 径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、アルミナが 5%となる量を混合し、図 30に示す ような構成の (株)奈良機械製作所製のノ、イブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた。(銀 +アルミナ)粉は、 PFA粉上をほぼ覆 つている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFA粉 (MP1 02 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)と混合し、アルミニウム 基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し 、サンプルを作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法 により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算 し求めた。また、三菱油ィ匕株式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵 抗を測定した。下記の表 32に、(銀 +アルミナ)固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱 伝導率の倍率および表面抵抗の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重によ り求めた体積比であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測 定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率で割ったものであり、 PFAの熱伝導 率の何倍の熱伝導率かを示して!/、る。
[表 32]
Figure imgf000135_0001
[実施例 8— 4] 実施例 8-1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 μ m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、アルミナが 5%となる量 を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーショ ンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた。次に下記の表 33 , 34の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380 °Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表 面粗さ Rzで、 2 μ ΐη以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 4 0 mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着 し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に 示すような構成のテスト機 (定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を 通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の有無を観察したと きの観察結果を下記の表 33に示す。表 33に示すように、特に大きな付着は観察され ず、通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0560] 比較例として、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 1. 2 m)を体積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに 投入し、銀粉を PFA粉上に固着させた。次に下記の表 33, 34の割合で混合して、 定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融 させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 以下 としたものを作製し、定着ローラとした場合についても表 34に結果を示した。
[0561] また、下記の表 35に示すように、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセ ット温度とホットオフセット温度から求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温 度幅が広くなつていることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発 生しても安定した定着が行えることがわかった。尚、表 35中のカーボン 3%含有 PFA は、比較用の従来品である。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポン フロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)、アルミナ( 平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%となる量を倉敷紡 績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様にシートを作製した。ここで、 銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜で きないためである。
[0562] [表 33]
(銀 +アルミナ)固着 PFA粉: PFA粉
付着トナー 静電オフセット (体積比)
1:9 なし なし
2:8 なし なし
4:6 なし なし
5:5 なし なし
6:4 なし なし
[0563] [表 34]
Figure imgf000137_0001
[0564] [表 35] (銀 +アルミナ) PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000138_0001
[実施例 8— 5] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 12 m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 0. δ μ ηύ体積 比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 m)体積 比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼ ーシヨンシステムに投入し、 (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉上に固着させた。さらに 、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、上記で作製した (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉に固着した粉体を比重力 計算した体積比で 50: 5 0として混入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー 塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨すること により、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー 製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部 を用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定着装置 )に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態 および静電オフセット発生の有無を観察した結果、特に大きな付着は観察されず。 通常のものと何ら変わりがな力つた。 [0565] 比較例として、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 12 μ m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 1. 2 m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 15 . 8 m)体積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハ イブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。さら に、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、上記で作製し た銀、 Snを PFA粉に固着した粉体を比重力も計算した体積比で 50 : 50として混入し 、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行い、 3 80°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着口 ーラとした場合についても同様の評価を行った。その結果、付着トナーは見られなか つたが、転写電荷リークによる静電オフセット発生が見られた。
[0566] [実施例 8-6] 実施例 8— 1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0. 5 m )、炭化ケィ素 (平均粒径 0. 5 μ ηύを体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%とな る量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のノ、イブリダィゼー シヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素)粉を PFA粉上に固着させた。次に定着 ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させ た後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下とし たものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 /z mである。このローラを( 株)リコー製の画像形成装置 IMAGIO NEO 750の定着部に装着した。この IMAGIO NEO 750のトナーは離型性が不十分なため、定着ローラにシリコンオイルを塗布す るシリコンオイル含侵されたオイル塗布部材を追加している。この IMAGIO NEO 750 の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテス ト機 (定着装置)を用い、 10000枚の黒ベタ画像を通して定着を繰返した後、ローラ 表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の有無を観察した。観察の結果 、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0567] [実施例 8-7] 実施例 8— 1と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に鱗片状の Ni粉 (厚さ平均 0. 8 m、直径平均 50 μ m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 ^ m)を体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%となる量を混合し、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に 静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子 で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表 層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570 の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナ 一画像を、図 24に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。この MF 4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4570に 10000枚の黒ベタ画 像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、 1000枚程度でトナーの 付着が発生した。観察によると研磨により、 Niの粉が広く表面に現れたところにトナー が付着していた。同様の大きさのマイ力(雲母)についてもほぼ同様の結果であった。 しかし、直径平均が 30 /z m程度の鱗片状の Ni粉では、 10000枚まで行った結果で は、トナーの付着は見られな力つた。
[0568] [実施例 8— 8] 実施例 8— 2と同様にローラを作製し、表面粗さを Rzで 2 mとしたも のを作製した。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着ユニットに 用いた定着試験機を作製し、 MF4570の未定着画像を加圧力を変えて通紙した。 試験結果を下記の表 36に示す。表 36に示すように、加圧力が 0. 5 (kgf/cm2)以下 では、定着性が非常に悪ぐ加圧力が 4. 0 (kgf/cm2)以上では、定着ローラへのトナ 一付着が見られた。定着性は、定着後のベた画像に面の布を擦りつけ顕著に布にト ナ一が付いてものを定着不良とし、簡易判定した。
[0569] [表 36]
加圧力による比較例
Figure imgf000141_0001
[実施例 8— 9] 表層の構成材料として、錫 80 銀 20の低融点合金粉 (平均粒径 1 . l ^ m)に、金、銀、銅、鉛、 -ッケノレ、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン 、の各金属粉 (平均粒径各 1. 5 /z m)および窒化アルミ(平均粒径 0. 5 /z m)を、それ ぞれ 25: 25: 50の比率で混合した粉体をそれぞれ作製した。混合には倉敷紡績 (株 )製の攪拌装置 KK 500を用いた。この同体積混合した粉体を PFA粉 (低温焼成タ イブ平均粒径 φ 20 m)中に体積換算で、 10%となる量混入し、図 30に示すような 構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、各同体 積混合した粉体を PFA粉上にそれぞれ固着させた。各粉体は、 PFA粉上をほぼ覆 つている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この後、実施例 8— 2と同様 に定着ローラをそれぞれ作製した。各ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF457 0の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナ 一画像を、図 24に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。この MF 4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4570に 10000枚の黒ベタ画 像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の有無を観察し た。観察結果を下記の表 37に示す。表 37に示すように、特に大きな付着は観察され ず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
[表 37] 金属成分 付着トナー 静電オフセット
金 なし なし
銀 なし なし
銅 なし なし
亜鉛 なし なし
ニッケル なし なし
鉄 なし なし
アルミニウム なし なし
マグネシウム なし なし
チタン なし なし
次に、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホ
ットオフセット温度力も求める、各金属: PFA粉 (体積比)による比較例を下記の表 38 に示す。表 38からわ力るように、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広く なっていることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安 定した定着が行えることがわ力 た。尚、表 38には、比較例として PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 μ m)のみのものも示す。
[表 38]
各金属: PFA粉(体積比)による比較例
Figure imgf000143_0001
[実施例 8-10] 実施例 8— 4と同様に、表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉(平均粒径 0. 5 μ m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、アルミナが 5%となる量 を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーショ ンシステムに投入し、(銀+アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた。 PF A粉と 5 : 5の 割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗 装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ を Rzで 2 μ m以下、 3 m、 5 μ m, 7 mとしたものを作製し、定着ローラとした。表 層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570 の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナ 一画像を、図 24に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000 枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の 有無を観察したときの観察結果を下記の表 39に示す。
[0572] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、 1000 0枚の黒ベタ画像を通して定着を繰り返し、ローラ表面のトナー付着量と紙の巻き付 きを見た。この結果、表面粗さが Rzで 5 m以下であれば、効果があることが確認さ れた。また、 7 mのものは、 MF4570でジャムが多発したため実験を取りやめてい る。
[0573] [表 39]
粗さによる比較例
Figure imgf000144_0001
実施例 9
[0574] 次に、図 24に示すような構成の定着装置 6Aに用いられ、図 32乃至 38に示したよう な融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂を用いた構成の表層 15を有する加熱部材( 定着部材) 11 Aの実施例について説明する。
[0575] [実施例 9 1] 表層の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉
(平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 5%、炭 化ケィ素が 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製 のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素)粉を PTFE粉上に固 着させた。(Ni +炭化ケィ素)粉は、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PTFEより融点の低いフッ素榭脂である P FA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合し、アルミニウム基板に静 電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプ ルを作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱 拡散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた 。また、三菱油ィ匕株式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測 定した。下記の表 40に Ni固着 PTFE粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率およ び表面抵抗の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比で あり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求め た熱伝導率を、 PFAの熱伝導率で割ったものであり、 PFAの熱伝導率の何倍の熱 伝導率かを示している。
[0576] 比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )中に Ni粉(平均 粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素 (平均粒径 0. 5 μ ηύを体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ 素が 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイ ブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素)粉を PFA粉上に固着させた 。 (Ni +炭化ケィ素)粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによ る観察で確認した。この粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と 6 : 4の体積比で混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を 溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0577] さら〖こ、別の比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni粉 (平 均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 2. 5%、炭 化ケィ素が 2. 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、 N iが 2. 5%、炭化ケィ素が 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜 できないためである。
[0578] [表 40] (Ni+炭化ケィ素) 固着 PTFE粉: PFA粉 熱伝導率 ι5抵饥 (体積比) の倍率 (Ω/D)
1:9 1.71 1 X1010
2:8 2.72 5X109
4:6 10.80 1 X108
5:5 11.50 5X107
6:4 12.03 1 X107 比較用 (Ni+炭化ゲイ素)固着 PFA粉: PFA粉 =6:4 11.93 2X107 比較用 2.5%Ni+2.5。6炭化ケィ素混合― PTFE/PFA膜 2.30 5 109
[実施例 9 2] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102(三井デュポンフロロケミ カルネ土製) )中に Ni粉 (平均粒径 0.5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0.5 μ m)を体積 換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株 )奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素) 粉を PFA粉上に固着させた。(Ni+炭化ケィ素)粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている 状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFAより融点の低いフ ッ素榭脂である FEP粉(532-8110 (デュポン社製) )と混合し、アルミニウム基板に 静電塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サン プルを作製した。これ〖こより、 100 /zm厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により 熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求め た。また、三菱油化株式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測 定した。下記の表 41に (Ni+炭化ケィ素)固着 PFA粉: FEP粉の体積比と、熱伝導 率の倍率の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比であり 、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求めた熱 伝導率を、 FEPの熱伝導率で割ったものであり、 FEPの熱伝導率の何倍の熱伝導 率かを示している。
比較例として、 FEP粉(532-8110 (デュポン社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0.5 m) 、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 5%、炭化ケィ素が 5%となる 量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシ ヨンシステムに投入し、(Ni +炭化ケィ素)粉を FEP粉上に固着させた。(Ni +炭化ケ ィ素)粉は、 FEP粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認し た。この粉体を、 FEP粉(532— 8110 (デュポン社製))と 6 :4の体積比で混合し、ァ ルミ-ゥム基板に静電塗装し、 300°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板 より剥離し、サンプルを作製した。
[0580] さらに、別の比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製))中 に FEP粉(532— 8110 (デュポン社製) )を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに Ni 粉 (平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 2. 5 %、炭化ケィ素が 2. 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。こ こで、 Niが 2. 5%、炭化ケィ素が 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上で は成膜できな 、ためである。
[0581] [表 41]
Figure imgf000147_0001
[実施例 9 3] 実施例 9 1と同様に PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉 ( 平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、 Niが 5%、炭 化ケィ素が 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製 のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ素)粉を PTFE粉上に固 着させた。次に下表の割合で PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と 混合して、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗 装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ を 10点平均粗さ (Rz)で 2 /z m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最 終厚みは 40 w mである。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の 定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー 画像を、図 24に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚 の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の有 無を観察した結果を下記の表 42に示す。表 42に示すように、特に大きな付着は観 察されず。通常のものと何ら変わりがな力 た。
[表 42]
Figure imgf000148_0001
比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)を体 積換算で、 Niが 10%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製 作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PTFE粉上に固着させた 。次に下表の割合で PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合して 、定着ローラの芯金 (基材)となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭 脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを 10点平 均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製し、定着ローラとした場合にっ 、ても表 43 に結果を示した。
[表 43]
Figure imgf000149_0001
[実施例 9 4] 表層の構成材料として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に銀 粉 (平均粒径 0. 5 m)、アルミナ (平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、ァ ルミナが 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製の ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PTFE粉上に固着さ せた。(銀 +アルミナ)粉は、 PTFE粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMに よる観察で確認した。この粉体を、 PTFEより融点の低いフッ素榭脂である PFA粉( MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合し、アルミニウム基板に静電塗装 し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作 製した。これ〖こより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率 を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。また、 三菱油ィ匕株式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測定した。 下記の表 44に (銀 +アルミナ)固着 PTFE粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率 および表面抵抗の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積 比であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で 求めた熱伝導率を、 PF Aの熱伝導率で割ったものであり、 PF Aの熱伝導率の何倍 の熱伝導率かを示して 、る。
[0584] 比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )中に銀粉 (平均 粒径 0. 5 /z m)、アルミナ(平均粒径 0. 5μτη)を体積換算で、銀が 5%、アルミナが 5 %となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダ ィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた。 (銀 + ァ
ルミナ)粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認 した。この粉体を、 PFA粉(MP102(三井デュポンフロロケミカル社製))と6:4の体 積比で混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた 後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0585] さらに、別の比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 ( 三井デュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに銀粉 (平 均粒径 0. 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 2. 5%、アルミ ナが 2. 5%となる量を通常の攪拌混合し、同様にシートを作製した。ここで、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できない ためである。
[0586] [表 44]
(銀 +アルミナ) 固着 PTFE粉: PFA粉 熱伝導率 表面抵キ几
(体積比) の倍率 (Ω/D)
1:9 2.25 1 109
2:8 3.16 4 108
4:6 12.19 1 io7
5:5 12.41 4 106
6:4 16.32 1 X 106 比較用 (銀 +ァルミナ)固着 PFA粉: PFA粉 = 6: 4 14.81 2 106 比較用 2.5%銀 +2.5%アルミナ混合一 PTFE/PFA膜 2.73 7 108 [実施例 9 5] 実施例 9 1と同様に PTFE粉 (7A— J (デュポン社製))中に銀粉( 平均粒径 0. 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、アルミ ナが 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイ ブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた。 次に下表の割合で PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合して、 定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融 させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下 としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。このローラ を (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の 画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト 機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナ 一の付着状態および静電オフセット発生の有無を観察した結果を下記の表 45に示 す。表 45に示すように、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな かった。
[0587] 比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)を体 積換算で、銀が 10%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作 所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉を PFA粉上に固着させた。次 に下表の割合で PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製) )と混合して、定 着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融さ せた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下と したものを作製し、定着ローラとした場合についても表 46に結果を示した。
[0588] また、下記の表 47に示すように、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセ ット温度とホットオフセット温度から求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温 度幅が広くなつていることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発 生しても安定した定着が行えることがわかった。尚、表 47中のカーボン 3%含有 PFA は比較用の従来品である。
[0589] また、比較例として、 PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に PFA粉 (MP102 (三井デ ュポンフロロケミカル社製))を通常の攪拌混合し、この粉体にさらに銀粉 (平均粒径 0 . 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5 %ととなる量を通常の攪拌混合し、同様に定着ローラを作製した。ここで、銀が 2. 5 %、アルミナが 2. 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜できないた めである。
[0590] [表 45]
Figure imgf000152_0001
[0591] [表 46]
Figure imgf000152_0002
[0592] [表 47] コ一ルド ホット
(銀 +アルミナ) PTFE粉: PFA粉
オフセット オフセット (体積比)
/皿 b '皿'ス
1 : 9 105°C 190°C
2 : 8 105°C 190°C
4 : 6 105°C 190°C
5 : 5 105°C 190°C
6 : 4 1 10°C 190°C 比較用カーボン 3%含有 PFA 130°C 200°C 比較用 2.5%銀 +2.5%アルミナ— PTFE/PFA膜 1 10°C 165°C
[実施例 9 6] 表層の構成材料として PTFE粉(7A— J (デュポン社製) )中に体積 換算で、銀粉 (平均粒径 0. 5 m)体積比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 /z m)体積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株 )奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、銀粉と Sn粉を PTF E粉上に固着させた。さらに、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (EN700CL)の乾燥 P FA重量に対し、上記で作製した (銀 +アルミナ + Sn)粉を PTFE粉に固着した粉体 を比重カゝら計算した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯 金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行 、、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた 後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 μ mである。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装 着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 2 4に示すような構成のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像 を通し、ローラ表面のトナーの付着状態および静電オフセット発生の有無を観察した 結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。
比較例として、 PTFE粉 (7A-J (デュポン社製) )中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 0 . 5 m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 m)体積比 2%を混入し、図 30に示 すような構成の (株)奈良機械製作所製のノヽイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 銀粉と Sn粉を PTFE粉上に固着させた。さら〖こ、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (E N700CL)の乾燥 PFA重量に対し、上記で作製した銀、 Snを PTFE粉に固着した 粉体を比重カゝら計算した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、定着ローラ の芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融さ せた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとしたとした場合について も同様の評価を行った。その結果、付着トナーは見られな力 たが、転写電荷リーク による静電オフセット発生が見られた。
実施例 10
次に、図 24に示すような構成の定着装置 6Aに用いられ、金属相にビスマスやビスマ ス系の材料を含む構成の表層 15を有する加熱部材 (定着部材) 11 Aの実施例につ いて説明する。 [実施例 10-1] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デ ュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)体積 比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 /z m)体積比 2. 5%とビスマス粉(平均粒径 0. 8 m )体積比 0. 5%を混合し合わせて、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所 製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ +ビスマス)粉として、 P FA粉上に固着させた。(銀 +アルミナ +ビスマス)は、 PFA粉上をほぼ覆っている状 態であることを、 SEMによる観察で確認した。この(銀 +アルミナ +ビスマス)固着 PF A粉を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)と 下記の表 48に示す体積比の割合で混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°C で焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。これ により、 100 /z m厚のシートを作製し、レーザフラッシュ法により熱拡散率を測定した。 そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。また、三菱油化株 式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測定した。下記の表 48 に (銀 +アルミナ +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉の体積比と、熱伝導率の倍率およ び表面抵抗の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比重により求めた体積比で あり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上記の測定と計算で求め た熱伝導率を、 PFAの熱伝導率で割ったものであり、 PF Aの熱伝導率の何倍の熱 伝導率かを示している。
[0595] さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒 径 φ 20 m)中に銀粉(平均粒径 0. 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 ^ m)を体積 換算で、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%を倉敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK-500を 用いて混合し、同様に焼成し、シートを作製した。ここで、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%としているのは、混合粉での静電塗装では、これ以上では成膜できないためであ る。
[0596] [表 48]
Figure imgf000155_0001
[実施例 10-2] 実施例 10-1と同様に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)体積比 2%、アルミ ナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 2. 5%とビスマス粉 (平均粒径 0. 8 m)体積比 0. 5 %となる量を混合し、(銀 +アルミナ +ビスマス)固着 PFA粉とした。この粉体を、 PF A粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)と下記の表 4 9、表 50に示す体積比の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に 静電塗装し、 380°Cで塗装した樹脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子 で研磨を行い、表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 m以下としたものを作製し、定 着ローラとした。表層の最終厚みは 40 /z mである。このローラを (株)リコー製の画像 形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて 作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定着装置)に通し て定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察 したところ、特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また 、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホットオフセット温度か ら求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広くなつていることがわか つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安定した定着が行えるこ とがわかった。尚、表 49中のカーボン 3%含有 PFAは比較用の従来品である。さらに 、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 2 0 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で 、銀が 2. 5%、アルミナが 2. 5%を倉敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK-500を用いて 混合し、同様にシートを作製した。同時に同じ材料で、平板にサンプルを作製し、水 の接触角を測定した。すべての金属部の断面観察では、厚さは、 50 m以下であつ た。
[表 49]
(銀 +ビスマス) PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000157_0001
50]
Figure imgf000157_0002
[実施例 10-3] 表層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケ ミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均 粒径 0. 5 m)、ビスマス粉 (平均粒径 0. 8 m)を体積換算で、 Niが 2%、炭化ケィ 素が 2. 5%、ビスマスが 0. 5%となる量を混合し合わせて、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(Ni+炭化ケィ 素 +ビスマス)粉として、 PFA粉上に固着させた。(Ni +炭化ケィ素 +ビスマス)は、 P FA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この(Ni + 炭化ケィ素 +ビスマス)固着 PFA粉を、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカ ル社製)、平均粒径 φ 20 m)と下記の表 51に示す体積比の割合で混合し、アルミ -ゥム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より 剥離し、サンプルを作製した。これ〖こより、 100 m厚のシートを作製し、レーザフラッ シュ法により熱拡散率を測定した。そして、別に測定した体積比熱とから、熱伝導率 を計算し求め
た。また、三菱油化株式会社製高抵抗計「ハイレスタ」で 10V印加時の表面抵抗を測 定した。下記の表 51に (Ni+炭化ケィ素 +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉の体積比 と、熱伝導率の倍率および表面抵抗の関係を示す。ここで体積比とは、重量比と比 重により求めた体積比であり、粉体の体積比ではない。また、熱伝導率の倍率は、上 記の測定と計算で求めた熱伝導率を、 PFAの熱伝導率で割ったものであり、 PFAの 熱伝導率の何倍の熱伝導率かを示して ヽる。
[0599] さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒 径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 ^ m)を体 積換算で、 Niが 2. 5%、炭化ケィ素が 2. 5%となる量を倉敷紡績 (株)製の攪拌装 置 KK 500を用いて混合し、同様に焼成し、シートを作製した。ここで、 Ni粉 (平均 粒径 0. 5 m)、炭化ケィ素 (平均粒径 0. 5 μ ηύを体積換算で、 Niが 2. 5%、炭化 ケィ素が 2. 5%としているのは、混合粉での静電塗装では、これ以上では成膜でき ないためである。
[0600] [表 51] (Ni+炭化ケィ素 +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉 熱伝導率の倍率 (体積比)
1 : 9 2.05
2 : 8 3.01
4 : 6 10.59
5 : 5 1 1.38
6 : 4 13.42 比較用 2.5%Ni+2.5%炭化ケィ素混合— PFA膜 2.30
[実施例 10-4] 実施例 10-3と同様に PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミ カル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0. 5 μ m)、炭化ケィ素(平均 粒径 0. 5 m)、ビスマス粉 (平均粒径 0. 8 μ m)を体積換算で、 Niが 2%、炭化ケィ 素が 2. 5%、ビスマスが 0. 5%となる量を混合し、(Ni+炭化ケィ素 +ビスマス)固着 PFA粉とした。この粉体を、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平 均粒径 φ 20 m)と下記の表 52と表 53に示す体積比の割合で混合して、定着ロー ラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した樹脂を溶融させた後 に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 μ πι以下としたもの を作製し、定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 mである。この定着ローラを (株 )リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像 形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定 着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付 着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな かった。また、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホットオフ セット温度から求めると、コールドオフセット温度が下がり、定着温度幅が広くなつて いることがわ力つた。これにより、高速通紙時での温度の低下が発生しても安定した 定着が行えることがわ力つた。尚、表 52中のカーボン 3%含有 PFAは比較用の従来 品である。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製 )、均粒径 φ 20 // m)中に Ni粉 (平均粒径 1. 2 // m)を Ni粉 (平均粒径 0. 5 m)、 炭化ケィ素(平均粒径 0. 5 /z m)を体積換算で、 Niが 2. 5%、炭化ケィ素が 2. 5%と なる量を倉敷紡績 (株)製の攪拌装置 KK 500を用いて混合し、同様にシートを作 製した。同時に同じ材料で、平板にサンプルを作製し、水の接触角を測定した。
[0601] [表 52]
(Ni+炭化ゲイ素 +ビスマス) PFA粉: PFA粉 (体積比) による比較例
Figure imgf000160_0001
[0602] [表 53]
(Ni+炭化ケィ素 +ビスマス)固着 PFA粉: PFA粉
水の接触角
(体積比)
1 : 9 108°
2 : 8 108°
4 : 6 107°
5 : 5 106°
6 : 4 98。
10 : 0 82°
[実施例 10— 5] 表層の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (EN70 OCL)に乾燥 PFA重量に対し、銀粉 (平均粒径 0. 5 μ m)体積比 2%、アルミナ(平 均粒径 0. 5 m)体積比 2. 5%とビスマス粉 (平均粒径 0. 8 m)体積比 0. 5%を混 入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行 い、 380°Cで塗装した樹脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、 定着ローラとした。表層の最終厚みは 40 /i mである。この定着ローラを (株)リコー製 の画像形成装置 MF4570の定着部に装着し、図 23と同様の構成の画像形成部を 用いて作成した未定着トナー画像を、図 24に示すような構成のテスト機 (定着装置) に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態 を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力 た
実施例 11
[0603] 次に、図 25に示すような構成の電磁誘導加熱方式の定着装置 (加熱装置) 6Bに用 V、られる加熱部材 (定着部材) 11Bの実施例にっレ、て説明する。
[0604] [実施例 11— 1] 導電層構成材料として、液晶高分子 (LCP)中に、重量換算で、 Ni 粉 (平均粒径 2. 5 πι、見掛け密度 0. 8gZcm2) 10wt%と、 Sn粉 (平均粒径 15. 8 μ πι、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混合した。次に加熱混合して、冷却後、再粉 砕して、平均粒径 12 /z mの粉体を得た。この金属含有 LCP粉と PFA粉を混合し、常 温圧縮の後、 2mm程度の厚さの状態とした。 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後 に冷却し、サンプルを作製した。金属含有 LCP粉と PFA粉の混合重量比は 2 : 8であ る。この金属含有 LCPと PFAにより導電層を構成した。さらにその上に実施例 8—1と 同様にして (Ni+炭化ケィ素)固着 PFA粉: PFA粉の体積比 = 5: 5で熱伝導層を形 成した。 LCP部が互いに連接しており、サンプルを調理用の電磁調理機に載せて電 磁誘電加熱試験を行ったところ、電磁調理機上で良好に発熱した。
[0605] [実施例 11— 2] 実施例 11—1と同様に、導電層の構成材料として、 LCP中に Ni粉( 平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8gZcm2) 10wt%と、 Sn粉(平均粒径 15. 8 m 、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混合した。次に加熱混合して、冷却後、再粉砕し て、平均粒径 12 mの粉体を得た。この金属含有 LCP粉と PFA粉を混合し、この混 合粉を用いて定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、さらにその上に 実施例 8— 2と同様にして (Ni+炭化ケィ素)固着1^八粉 八粉の体積比= 5 : 5で 混合して、定着ローラの芯金 (基材) 17となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで 塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとし た。表層の最終厚みは 100 mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を 行い、最表層の表面粗さを 10点平均粗さ (Rz)で 2 m以下としたものを作製した。 図 41に導電層の断面を示す。アルミ地金に金属含有 LCPが接着しており、それらに 接するように PFAが覆って 、る。
[0606] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 23と 同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような 構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒べ タ画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、 特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使 用した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータに よる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実 施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 80 OWの場合)。 [0607] [実施例 11—3] 導電層の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (EN70 OCL)に、乾燥 PFA重量に対し、 Ni粉(平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8g/cm2 ) 10wt%と、 Sn粉(平均粒径 15. 8 /ζ πι、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混入し、 攪拌して塗装液を作成した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗 装を行い、さらにその上に実施例 8— 5と同様に、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロ 口ケミカル社製)、平均粒径 φ 12 m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 0. 5 m) 体積比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 m) 体積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダ ィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉上に固着させ、さら に、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、上記で作製し た (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉に固着した粉体を比重から計算した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、スプレー塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を 溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終 厚みは 100 mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、最表層の 表面粗さを、 10点平均粗さ (Rz)で 2 /z m以下としたものを作製した。図 42に、導電 層の焼成後の模式図を示す。この材料ではフイラ一 Niが低融点金属 Sn— 3. 5Agま たは、 Snにより結ばれて金属連接部 42を形成している。それにより、少ない量のフィ ラーで電気伝導性が確保できる。
[0608] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 23と 同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような 構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒べ タ画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、 特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使 用した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内 部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の 電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの 場合)。
[0609] [実施例 11 4]導電層の構成材料として、デュポン社製の PFA粉体 (平均粒径 40 /z m)と、 Ni粉(平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8gZcm2)と、錫 3. 5銀の粉(平 均粒径 10. 5 μ ι,見掛け密度 0. 8gZcm2)を、(株)奈良機械製作所製のハイプリ ダイゼーシヨンシステムに投入し、 PFA粉体に Niと錫 3. 5銀の粉が付着したものを 作成した。 Niは 10wt%、錫— 3. 5銀は 3wt%である。これを定着ローラの芯金となる アルミニウム管に静電塗装し、さらにその上に実施例 8— 2と同様にして (Ni+炭化ケ ィ素)固着1^八粉^ 八粉の体積比= 5 : 5で混合して、定着ローラの芯金 (基材) 17 となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し 、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 100 /z mである 。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、最表層の表面粗さを、 10点平 均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製した。
[0610] この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 23と 同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような 構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒べ タ画像を通して定着を繰返した後、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、 特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使 用した芯金は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内 部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の 電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの 場合)。
実施例 12
[0611] 次に、図 25乃至 27のいずれかに示すような構成の電磁誘導加熱方式の定着装置( 加熱装置)に用いられる、図 28, 29に示すような構成の表層 15を有する加熱部材( 定着部材)の実施例について説明する。
[0612] [実施例 12— 1]導電層の構成材料として、 P
FA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 ( 平均粒径 0. 3 m)と Sn粉 (平均粒径 2. 4 /z m)を体積換算で、 Niが 10vol%となる 量で、 Snは 2vol%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハ イブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉と Sn粉とを PFA粉上に固着させた(これ を粉体 1とする)。金属粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによ る観察で確認した。この粉体 1を、アルミニウム基板に静電塗装し、さらにその上に実 施例 8—2と同様にして (Ni+炭化ケィ素)固着 PFA粉: PFA粉の体積比 = 5: 5で混 合して、静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離 し、表層のサンプルを作製した。この表層のサンプルにより、厚さ力 S 30 mで 50mm X 50mmの大きさのシートを作製し、これをパイレックス(登録商標)製シャーレの内 側の底面にポリイミドテープにより固定した後、シャーレ内に純水 100mlを入れた。こ れを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナル製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は 無効にしている))上に置き、電磁波を発生させて、水温上昇を測定した。また、上記 のサンプルシートと同様の大きさで厚さが 30 mの Ni箔を用い、同様の条件で測定 を行い、サンプルとの差を比較した。具体的には室温から + 30°C上昇するのに要す る時間を比較した。その結果、この実施例の構成では、厚さ 30 mの Ni箔の加熱時 間に対し、 1. 2倍の時間で加熱できた。すなわち、 PFA中に Niと Snを混在させ、連 接させることにより、離型性を保ちながら金属単体と略同等の発熱性能が得られた。
[0613] [実施例 12— 2] 実施例 12-1と同様の表層を、定着ローラの芯金 (基材)となるアル ミニゥム管上に形成した後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚み は 100 mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを 10 点平均粗さ (Rz)で 2 μ m以下としたものを作製した。このときの表面の状態は図 28の ようなる。 PFAは透明なため、上力も見た状態ですべてが見えるようになつている。ま た、その表層の断面は図 29のようになる。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成 装置 MF4570の定着部に用い、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した 未定着トナー画像を、図 25に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装 置)に通して定着した。この MF4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。尚、こ のトナーのワックスを除いたものを作製し、カスケード現像により未定着画像を作成し 、テスト機に通した場合は、 1枚でトナー付着による紙の巻き付きが発生した。
[0614] 上記のテスト機を用い、通常のワックス入りのトナーを用いて作成した 10000枚の黒 ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は 観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材) は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部加熱では 、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加 熱式の定着ローラでは、 5秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[実施例 12— 3] 導電層の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料 (EN70 OCL)に、乾燥 PFA重量に対し、 Ni粉(平均粒径 2. 5 /ζ πι、見掛け密度 0. 8g/cm2 ) 10wt%と、 Sn粉(平均粒径 15. 8 /ζ πι、見掛け密度 0. 7gZcm2) 2wt%を混入し、 攪拌して塗装液を作成した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗 装を行い、さらにその上に実施例 8— 5と同様に、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロ 口ケミカル社製)、平均粒径 φ 12 m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 0. 5 m) 体積比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 m) 体積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダ ィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉上に固着させ、さら に、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、上記で作製し た (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉に固着した粉体を比重から計算した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレ 一塗装を行い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨する こと〖こより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 100 mである。これを粒径の異な るコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。こ の材料の焼成後の断面構造は図 29と同様である。この定着ローラを (株)リコー製の 画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 23と同様の構成の画像形成部を用い て作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト 機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナ 一の付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変 わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1. 5m mと厚く、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cに なるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 10秒 程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。 [0616] [実施例 12— 4] 導電層の構成材料として、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフロロケ ミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に Ag粉 (平均粒径 0. 3 m)を体積換算で、 1 0%となる量混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィ ゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた (これを粉体 2とする)。 金属粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認し た。この粉体 2を、アルミニウム基板に静電塗装し、さらにその上に、実施例 8— 4と同 様に、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中 に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5% 、アルミナが 5%となる量を混合し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製 のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着さ せた粉体を静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥 離し、表層のサンプルを作製した。この表層のサンプルにより、厚さが 100 m (離型 層 70 m、導電層 30 μ m)で 50mm X 50mmの大きさのシートを作製し、これをパイ レックス (登録商標)製シャーレの内側の底面にポリイミドテープにより固定した後、シ ヤーレ内に純水 100mlを入れた。これを汎用の電磁調理器 (IH調理器:ナショナル 製 KZ— PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている))上に置き、電磁波を発生させ て、水温上昇を測定した。また、上記のサンプルシートと同様の大きさで厚さが 30 mの Ag箔を用い、同様の条件で測定を行い、サンプルとの差を比較した。具体的に は室温から + 30°C上昇するのに要する時間を比較した。その結果、この実施例の構 成では、厚さ 30 mの Ag箔の加熱時間に対し、 1. 3倍の時間で加熱できた。
[0617] [実施例 12— 5] 実施例 12— 4の表層を、定着ローラの芯金となるアルミニウム管上 に形成し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。表層の最終厚みは 100 mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 以下としたものを作製した。その表面は、実施例 12— 2と同様であった。この定着ロー ラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の定着部に用い、図 23と同様の構成の 画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような構成の電磁誘 電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、 ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察されず。通 常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定着部の管 の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面 温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式の定着口 ーラでは、 15秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。
[0618] [実施例 12— 6] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料( EN700CL)に、乾燥 PFA重量に対し、実施例 12— 4の Ag粉を PFA粉上に固着さ せた粉体 (粉体 2)を 70%混入、攪拌した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管 にスプレー塗装を行い、さらにその上に実施例 8— 5と同様に、 PFA粉 (MP102 (三 井デュポンフロロケミカル社製)、平均粒径 12 μ ηύ中に体積換算で、銀粉 (平均 粒径 0. 5 m)体積比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒 径 15. 8 m)体積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所 製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉上に 固着させ、さらに、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し 、上記で作製した (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉に固着した粉体を比重カゝら計算 した体積比で 50 : 50として混入し、攪拌分散した後、スプレー塗装を行い、 380°Cで 塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとし た。表層の最終厚みは 100 mである。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を 行い、表面粗さを Rzで 2 m以下としたものを作製した。この材料の焼成後の断面構 造は図 29と同様である。この定着ローラを (株)リコー製の画像形成装置 MF4570の 定着部に用い、図 23と同様の構成の画像形成部を用いて作成した未定着トナー画 像を、図 25に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に通して定着 した。 10000枚の黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結 果、特に大きな付着は観察されず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このと き使用した芯金 (基材)は、定着部の管の厚みが 1. 5mmと厚ぐ通常のハロゲンヒー タによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要であるが、 本実施例の電磁誘導加熱式の定着ローラでは、 9秒程度であった (両方とも定格出 力 800Wの場合)。
[0619] [実施例 12— 7] 表層(導電層)の構成材料として、 PFA粉 (低温焼成タイプ、平均 粒径 φ 20 m)中に Ag粉 (平均粒径 0. 3 m)を体積換算で、 10vol%となる量混 入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、 Ag粉を PFA粉上に固着させた (これを粉体 3とする)。金属粉は、 PF A粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。次に定着口 一ラの芯金(基材)となるアルミニウム管上にシリコンゴム層を 300 μ mの厚さで形成 したものを用い、上記の粉体 3を、アルミニウム管上のシリコンゴム層の上に重ねて静 電塗装し、さらにその上に、実施例 8-4と同様に、 PFA粉 (MP102 (三井デュポンフ ロロケミカル社製)、平均粒径 φ 20 m)中に銀粉 (平均粒径 0. 5 m)、アルミナ( 平均粒径 0. 5 m)を体積換算で、銀が 5%、アルミナが 5%となる量を混合し、図 30 に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシステムに投入 し、(銀 +アルミナ)粉を PFA粉上に固着させた粉体を静電塗装し、 340°Cで焼成溶 融させた後に冷却し、定着ローラとした。表層の厚みは 100 m (離型層 70 m、導 電層 30 m)である。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さを Rzで 2 μ m以下とし
たものを作製した。この表層の表面は図 28と同様の構造である。また、定着ローラの 断面構造は 39のようになり、表層 15と芯金 (基材) 17の間にシリコンゴム力もなる断 熱層(または弾性層) 18を有する構成となる。
[0620] この定着ローラを市販のカラー複写機の定着部に用い、シリコンオイルレスの構成と し、画像形成部を用いて作成した未定着トナー画像を、図 25に示すような構成の電 磁誘電加熱用のテスト機(定着装置)に通して定着した。 10000枚のカラーのベタ画 像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した結果、特に大きな付着は観察さ れず、通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金 (基材)は、定 着部の管の厚みが 1. 5mmと厚く、通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ロー ラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本実施例の電磁誘導加熱式 の定着ローラでは、 15秒程度であった(両方とも定格出力 800Wの場合)。また、本 実施例の構成では、最表面に発熱層があるためモノクロ機並みの立ち上げ時間とな つている。
[0621] [実施例 12— 8] 表層(導電層)の構成材料として、錫 80—銀 20の低融点合金粉 (平 均粒径 1. l .u m)に、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシゥ ム、チタン、の各金属粉 (平均粒径各 1. 5 m)をそれぞれ錫 80~|良 20の低融点合 金粉に対して、同体積混合した粉体をそれぞれ作製した。この同体積混合した粉体 を PFA粉 (低温焼成タイプ、平均粒径 φ 20 m)中に体積換算で、 10%となる量混 入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、各同体積混合した金属粉体を PFA粉上にそれぞれ固着させた (これ を粉体 Aとする)。各金属粉体は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SE Mによる観察で確認した。この後、実施例 12— 7と同様に定着ローラをそれぞれ作製 した。これらの定着ローラを図 25に示すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機(定 着装置)に装着し、加熱試験を行ったところ、それぞれの含有金属毎にローラの表面 温度が 180°Cになるまでの時間は、金: 15± 1秒、銀: 15± 1秒、銅: 15 ± 1秒、鉛: 30士 1秒、ニッケル: 20士 1秒、亜鉛: 25 ± 1秒、鉄: 30士 1秒、アルミニウム: 26 ± 1 秒、マグネシウム: 21 ± 1秒、チタン: 23 ± 1秒であった。また、比較としての通常のハ ロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要 である。
[実施例 12— 9] 表層(導電層)の構成材料として、デュポン社製の湿式フッ素塗料( EN700CL)に、乾燥 PFA重量に対し、実施例 12-8の各金属粉体 (粉体 A)力 PF A粉上をほぼ覆っている粉体を 70%混入、攪拌した後、厚さ 300 mのシリコンゴム 層を付けた定着ローラの芯金となるアルミニウム管上に、さらに重ねてスプレー塗布 を行い、さらにその上に実施例 8—5と同様に、 PFA粉(MP102 (三井デュポンフロロ ケミカル社製)、平均粒径 φ 12 m)中に体積換算で、銀粉 (平均粒径 0. 5 m)体 積比 2%、アルミナ(平均粒径 0. 5 m)体積比 3%と Sn粉 (平均粒径 15. 8 m)体 積比 2%を混入し、図 30に示すような構成の (株)奈良機械製作所製のハイブリダィ ゼーシヨンシステムに投入し、(銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉上に固着させ、さらに 、デュポン製の湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、上記で作製した (銀 +アルミナ + Sn)粉を PFA粉に固着した粉体を比重力 計算した体積比で 50: 5 0として混入し、攪拌分散した後、スプレー塗装を行い、 340°Cで焼成溶融させた後 に冷却し、定着ローラとした。この後、実施例 12-8と同様に、定着ローラを図 25に示 すような構成の電磁誘電加熱用のテスト機 (定着装置)に装着し、加熱試験を行って 評価した。それぞれの含有金属毎にローラの表面温度が 180°Cになるまでの時間は 、金: 23士 1秒、銀: 25士 1秒、銅: 28士 1秒、鉛: 40士 1秒、ニッケル: 30士 1秒、亜 鉛: 35 ± 1秒、鉄: 40± 1秒、アルミニウム: 32 ± 1秒、マグネシウム: 32 ± 1秒、チタ ン: 34± 1秒であった。また、比較としての通常のハロゲンヒータによる内部加熱では 、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である [実施例 12-10] 以上の 実施例 12-2乃至 12-9では、図 25に示す構成の定着装置 6Bに実施例 12に係る 定着ローラ 11Bを装着してテストした例を示した力 図 26に示すような構成の加熱手 段 12を 2つ備えた定着装置 6Cにも同様に適用でき、上下の 2つのローラに実施例 1 2に係る定着ローラを用いることにより、記録用紙 Sの両面を同時に加熱できるように なる。従って、この構成では、記録用紙 Sの両面力も効率良く加熱できるようになり、さ らには、記録用紙の両面に付いた未定着トナー像を同時に定着することができる。 実施例 13
[0623] 以上の実施例 8乃至 12に示したように、本発明の加熱部材 (定着部材)は、離型性を 有するフッ素榭脂に、少なくとも 1種類の熱伝導性の金属材料および少なくとも 1種類 の熱伝導性の非金属材料が混在した表層を有し、そのその熱伝導性の金属材料お よび熱伝導性の非金属材料が連接していることにより、表層の離型性を保ちながら熱 伝導率や抵抗制御性を向上することができる。また、フッ素榭脂に混在させる金属材 料としては、熱や電気の良導体で、フッ素榭脂の融点よりも高融点の金属 (または合 金)と、低融点金属 (または低融点合金)の組合せが良い。さらに、フッ素榭脂とし、炭 素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることにより、表層の熱伝導率や耐久性をさら に向上することができる。
[0624] ここで、図 43は、(A)フッ素榭脂である PFAの熱伝導率に対し、(B) PFAに低融点 金属である Biとアルミナを混在させたもの、 (C)炭素系材料を含有させたフッ素榭脂 、(D) PFAに Biと Agとアルミナを混在させたもの、(E)炭素系材料を含有させたフッ 素榭脂に Agとアルミナを混在させたもの、(F)炭素系材料を含有させたフッ素榭脂 に Ag2%と Bi8%とアルミナ 2%を混在させたものを作成して、それらの熱伝導率を比 較したものであり、 PFAの熱伝導率に対する倍率で表示して 、る。 [0625] 図 43では、(B)の PFAに Biとアルミナを混在させたものに対し、(D)の PFAに、 Biと Agとアルミナの組合せを混在させたもののほうが 1. 4倍程度熱伝導率がよくなつて おり、熱や電気の良導体で PFAの融点(310°C)よりも高融点の Ag (融点 961. 9°C) と、アルミナ (融点 2053°C)と低融点金属である Bi (融点 271°C)を組合せて用いた ほうが熱伝導率を向上することができる。これはフッ素榭脂と金属を混合した表層を 焼成する時に、溶融した低融点金属 (Bi)のみではフッ素榭脂に自発的に濡れ広が ることが困難であるため、 PFAの融点よりも融点の高い Agとアルミナを基点にしてそ れを Biが繋ぐ構造となることで熱 (電気)の経路形成に有利に働いているものと考えら れる。すなわち、 Ag等の高融点の金属、およびアルミナを Bi等の低融点金属で接合 できるため、熱の通りの効率がよい、要求特性にあった表層を形成することができる。
[0626] さらに図 43より明ら力なように、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることにより 、熱伝導率をさらに向上することができる。特に炭素系材料含有フッ素榭脂に、 Biと Agとアルミナの組合せを混在させたものは、 PFAに比べて 11. 89倍の熱伝導率が 得られる。従って、前述の実施例において、表層を構成するフッ素榭脂に、炭素系材 料含有フッ素榭脂を用いることにより、表層の熱伝導率をさらに改善することが可能と なる。
[0627] 以上説明したように、本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材 (定着部材)では、離 型層が良熱伝導層であるため、低熱伝導の従来のフッ素榭脂材料で起こる加熱部 材 (定着部材)表面の温度低下を小さくできる。そのため、画像形成装置の定着装置 に用いた場合に、連続通紙時、従来の画像形成装置で、表面温度低下の時に行わ れる、紙の通紙速度の減速等を行わずにすみ、安定した画像形成が可能となる。ま た、熱伝導率の向上は、未定着画像を定着部材の温度をどこまで下げて定着できる かというコールドオフセット温度の測定でも評価できる。このように、本発明では、定着 時の加熱効率を上げることができ、画像形成の生産性を向上することができる定着部 材を提供することができ、それを用いた定着装置を提供することができる。
[0628] また、本発明の実施例 8乃至 13に係る加熱部材では、表層の離型層を、電磁誘導 加熱の発熱層(導電層)上に直接形成することができるため、加熱時の立ち上げ時 間を非常に短くすることができる。また、通常用いられる画質向上のためのシリコンゴ ム層等を発熱部より奥 (基材側)に配置できるため、加熱のタイムラグを極小にするこ とができる。また、通常の構成では、離型性を確保するために必須のフッ素榭脂は、 熱伝導率が低いため加熱効率低下になるが、本発明では離型層を、電磁誘導加熱 の発熱層(導電層)上に直接形成することができるため、離型性を損なわずに電磁誘 導加熱に用いることができるので、非常に有利である。従って、本発明の加熱部材を 用いた加熱装置は、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリなどの画像形成装置の 定着装置として好適に利用することができ、信頼性の高い、エネルギー効率のよい画 像形成装置を実現できる。
[0629] 以下に本発明の実施例 14乃至 22について説明する。
[0630] 図 44は、本発明の実施例 14乃至 22に係る画像形成装置の一実施形態を示す。画 像形成装置は、周知の電子写真プロセスを実行することによって画像を得ることがで きるものであって、像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光体 1を有して いる。感光体 1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ 2、現像装置 4、転写ローラ 5、クリーニング装置 7、除電装置 8が配備されている。また、それらのほかに、画像形 成装置は、光走査装置 3と定着装置 6を備えている。帯電手段としては、コロナチヤ一 ジャを用いることもできる。光走査装置は帯電ローラと現像装置との間の感光体面で 光走査による露光を行う。
[0631] 画像形成を実行する際は、感光体 1が図 44の時計回りに回転され、その表面が帯電 ローラ 2により均一に帯電された後、光走査装置 3の露光により感光体 1の表面に静 電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置 4により反転現像され、感光体 1の表 面にトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体 1のトナー画像が転写位置 へ移動するのとタイミングを合わせて図示されない給紙機構により転写部へ送り込ま れた記録媒体 9と重ね合わされ、転写ローラ 5の作用により、記録媒体 9へ静電転写 される。トナー画像を転写された記録媒体 9は、定着装置 6でトナー画像を定着され た後、装置外部へ排出される。トナー画像が転写された後、感光体 1の表面はタリー ニング装置 7により残留トナーや紙粉などが除去され、さらに除電装置 8により除電さ れる。 [0632] 図 45は、定着部分の概略図である。 21は温度検知素子、 TIは、未定着トナー画像、 Sは、記録シートである。 23は、ハロゲンヒーター、 24は、定着ローラ、 25は、定着口 ーラの表層、 26は、力!]圧ローラである。定着装置を示す。 加圧ローラ 26と圧接する 定着ローラ 24は時計回りに回転し、定着されるべきトナー画像 TIを有する記録シート Sをこれら定着ローラ 24と加圧ローラ 26とで挟圧して矢印方向に搬送するようになつ ている。ハロゲン加熱ヒーター 23が定着ローラ内部力も加熱している。定着ローラ 24 の表面温度は温度検知素子 21で検出される。本発明の表層 25は、定着ローラ 24の 表面に形成される。実施例 14乃至 22に係る本発明は、表層 25に関するものが中心 である。図 46は、実施例 14乃至 22に係る本発明の定着ローラの表層 25の構成例で ある。図 46では表層 25の一部の断面を示す。フッ素榭脂が面積的に大きく占め、離 型性を確保
している。熱良導体連接部分は、ほとんどが連接しているため熱伝導率の寄与が大 きい。ここで、連接とは、 3つ以上の熱良導体粒子が接触している状態を指す。連接 部が、表面から基板まで続いており、熱伝導率向上に寄与している。
[0633] 実施例 14乃至 22に係る本発明では熱良導体がフッ素榭脂の融点よりも低融点の熱 良導体を少なくとも 1種類含み、フッ素榭脂の融点よりも高融点でありかつ形状異方 性を有する熱良導体を少なくとも 1種類含み、形状異方性を有する熱良導体が、フッ 素榭脂の融点よりも低融点の熱良導体に取り囲まれている構造とすることにより、表 層形成時、低融点の熱良導体 (例えば低融点金属 Bi,Snなど)は形状異方性を有す る熱良導体の表面を被覆もしくは表面に付着し、拡散が押さえられ、低融点の熱良 導体による熱伝導路の形成が促進される。このため熱伝導率を十分に向上させるこ とがでさる。
[0634] なお、実施例 14乃至 22に係る本発明における形状異方性を有する熱良導体として は、アスペクト比(平均長径 Z平均短径)が 10以上で平均長径が表層の厚さ以下の 熱良導体を指す。
[0635] これに対して形状異方性のな!、粒状の熱良導体のみが連接して 、る場合には、カロ 熱前に熱良導体が連接してフッ素榭脂粒子を取り囲んでいても、表層形成時にピン ホールの無い表層とするためにはフッ素榭脂を溶融流動させる必要があるため連接 部の連接状態が乱されてしまい、熱伝導率は向上するが、乱される度合いによって は熱伝導率向上が不十分となる場合がある。これは、熱良導体の一部もしくは全部 に粒状の低融点の熱良導体を使用しても同様である。
[0636] 尚、実施例 14乃至 22に係る本発明について主に述べている熱良導体の中で、金属 粒子は、カーボン粒子などと違い明確に接触していないと導通性を示さない。そして 、複数接触していないと実質的な熱伝導性に寄与できないため、連続して接触して いるということで、このような状態を連接と表現している。参考:斉藤信夫, 導電性榭 脂の実際技術, (株)シーエムシー, P-64 (2000)。
[0637] 離型層のフッ素榭脂としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定 されるものではない。
[0638] 具体的にはポリテトラフルォロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルォロェチレ ンーパーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルォロエチレン エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共 重合体(FEP)、テトラフルォロエチレン フッ化ビ-リデン共重合体 (TFEZVdF)、 テトラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン パーフルォロアルキルビニルェ 一テル共重合体(EPA)、ポリクロ口トリフルォロエチレン(PCTFE)、クロ口トリフルォ 口エチレン エチレン共重合体(ECTFE)、クロ口トリフルォロエチレン フッ化ビ-リ デン共重合体(CTFEZVdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PV F)などが挙げられる。
[0639] 例えばポリテトラフルォロエチレン (PTFE)粉末は、テフロン (登録商標) 7A— J、 70— J (デュポン)が知られている。テトラフルォロエチレン-へキサフルォロプロピレン共重 合体 (FEP)粉末は、 532— 8000 (デュポン)等が知られている。テトラフルォロェチレ ンーパーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)粉体は、 MP— 10、 MP1 02、 MP103、 MP300等(三井デュポンフロロケミカル)が知られている。
[0640] また、耐摩耗性を付与するためにフッ素榭脂に予めカーボンブラックやグラフアイトを 充填しても良い。
[0641] 熱良導体としては、金属やセラミック等が使用可能である。これらは組み合わせて使 用してちょい。 [0642] 金属フィラーとしては、例えば金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグ ネシゥム、チタン、のいずれか 1つ以上を含む合金のフイラ一等が使用できる。
[0643] セラミックフイラ一としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素、マグネ シァ、窒化アルミニウム、炭化ケィ素、炭化ホウ素、炭化チタン等が使用できる。
[0644] フッ素榭脂の融点よりも低融点の熱良導体としては例えば低融点合金が挙げられ、 低融点合金としては、例えば (1)錫"!良系 (2)錫-銅系 (3)錫-亜鉛系 (4)錫-銀" ^系 (5) 錫一銀一ビスマス系 (6)錫"!良一銅一ビスマス系 (7)錫系 (8)錫 (9)ビスマス系 (10)ビスマス の!、ずれかの金属合金などを用いることができる。
[0645] 実施例 14乃至 22に係る本発明における形状異方性を有する熱良導体としては、ァ スぺタト比(平均長径 Z平均短径)が 10以上で平均長径が表層の厚さ以下の熱良導 体を使用する。本発明の形状異方性を有する熱良導体としては、例えば、板状もしく は鱗片状のもの:マイ力、タルク、ガラスフレーク、金属フレーク等;繊維状のもの:ガラ ス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、金属繊維、セラミック繊維等;針状のもの:金属ウイス 力、セラミツクウイス力; 3次元の放射状形状のもの:テトラポット状酸ィ匕亜鉛ウイスカ等 、公知のものが使用できる。その他の形状異方性を有する熱良導体も適宜使用可能 である。これらは 1種単独でも 2種以上を併用しても用いることができる。
[0646] 次に表層形成に使用される、フッ素榭脂と熱良導体からなる複合粉体の製造方法に つ 、て述べる。具体的には以下の方法で作製可能である。
[0647] フッ素榭脂粒子の周囲にフッ素榭脂の融点よりも低融点の金属粉を含むフッ素榭脂 粒子よりも微小な熱良導体粒子を固着させる。固着させる装置として、ハイブリダィゼ ーシヨンシステム( (株)奈良機械製作所)の例を図 47に示す。 151は本体ケーシング 、 158ίまステーター、 177ίまステータージャケット、 163ίまリサイクノレノィプ、 159« 出バルブ、 164は原料投入シュートである。
[0648] 該装置において、原料投入シュート 164から供給されたフッ素榭脂粒子及びフッ素 榭脂の融点よりも低融点の金属粉を含む熱良導体粒子は、衝撃室 168内で主として 高速で回転している回転ローター 162に配置された複数のローターブレード 155に よって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のステーター 158に衝突してフッ素榭脂 粒子同士または、フッ素榭脂の融点よりも低融点の金属粉を含む熱良導体粒子同士 の凝集をほぐしながら系内に分散させると同時に、フッ素榭脂粒子表面にフッ素榭脂 の融点よりも低融点の金属粉を含む熱良導体粒子を静電気力、ファンデルワールス 力等により付着させるか、フッ素榭脂粒子のみの場合は、粒子の角取り又は球形ィ匕 が行なわれる。この状態は粒子の飛行と衝突に伴って進んで行く。すなわち、ロータ 一ブレード 155の回転により発生する気流の流れに伴って、該粒子は、 163のリサイ クルパイプを複数回通過することにより処理される。さらにローターブレード 155及び ステーター 158から該粒子が繰り返し打撃作用を受けることにより、フッ素榭脂の融 点よりも低融点の金属粉を含む熱良導体粒子は、フッ素榭脂粒子表面またはその近 傍に均一に分散し固定化される。
[0649] その後、フッ素榭脂の融点よりも高融点でありかつ形状異方性を有する熱良導体と 作製した粉体とを単純混合する。
[0650] 形状異方性を有する熱良導体が金属の場合、もしくは熱良導体が金属以外の場合 であれば、形状異方性を有する熱良導体表面を金属で被覆するとフッ素榭脂の融点 よりも低融点の金属に取り囲ませ易くなる。
[0651] 金属で被覆された熱良導体として、市販品では例えば、「スーパーデントール SD— 1 00」(大塚化学 (株)製 銀被覆導電性チタン酸カリウム繊維)等がある。
[0652] また、例えば下記の如く公知の無電界めつき法により形成することが出来る。例えば テトラポット状酸ィ匕亜鉛ウイスカに対して Niめっきを施す場合には酸ィ匕亜鉛ウイスカを 塩化パラジウムの酢酸亜鉛溶液中に浸漬することにより前記酸ィ匕亜鉛ウイスカ上に P d層を形成し、更に無電解めつき浴を行って Niめっき層を形成する。テトラポット状酸 化亜鉛ウイスカとしてはパナテトラ (松下産業情報機器株式会社製)が使用できる。尚 、無電解めつき液としてはトップケミアロイ 66 (pH6.5) (奥野製薬工業 (株)製)等を用 いることがでさる。
[0653] また、例えばテトラポット状酸ィ匕亜鉛ウイスカに対して銅めつきを施す場合には、まず 酸化亜鉛ウイスカ表面上での無電解銅メツキの反応性 (Cu析出反応)を上げるため の前処理として、触媒化を行う。この触媒ィ匕工程は、塩化パラジウム水溶液中に酸ィ匕 亜鉛ウイスカを浸漬し、酸ィ匕亜鉛ウイス力の一部をパラジウムイオンで置換して表面に 触媒被膜を形成することによって行われる。このようにして触媒ィ匕を行った後は、酸 化亜鉛ウイスカを十分水洗いする。続いて、触媒被膜が形成された酸化亜鉛ウイスカ 表面に無電解メツキを施して銅メツキ層を形成する。この無電解メツキ工程は、適宜 調製された無電解銅メツキ浴に酸ィヒ亜鉛ウイスカを浸漬することにより行われる。無電 解銅メツキ浴としては、例えば、適宜の組成に調製された硫酸銅水溶液を用いる。そ して無電解メツキ終了後、必要に応じて N2雰囲気炉にてァニール処理を施す。この ァニール処理温度は 300乃至 500°C程度にするのが好ましい。
[0654] また、例えばテトラポット状酸ィ匕亜鉛ウイスカに対して銀めつきを施す場合には例えば 、公知の無電解メツキにより調製することができる。その際、酸ィ匕亜鉛ウイスカを、メッ キ処理前に、公知の表面粗化処理、感受性処理及び活性化処理を施すことが、高 品質の無電解メツキ皮膜を得るためには好ましい。この前処理は、例えば、酸化亜鉛 ウイスカを中性洗剤で必要に応じて脱脂洗浄し、表面粗ィ匕用溶液 (例えば、 HF水溶 液)中に所定の時間浸漬して、表面粗化処理を行い、水洗後に公知の感受性処理( 例えば、高純度化学研究所製、商品名: S - 1を使用)を行い、次いで、水洗後に公知 の活性ィ匕処理 (例えば、高純度化学研究所製、商品名: P-1を使用)を行うことにより 実施される。このようにしてメツキ前処理を施した酸ィ匕亜鉛ウイス力に対し、例えば、無 電解 Agメツキ液:高純度化学究所製、商品名: S—700、 S— 800、 S— 900中でメツキ 処理を行い、表面に所定の厚さの金属皮膜を形成する。
[0655] また、めっき法によらない方法としては特許 2909744に記載の方法で、熱良導体の 粒子を、不活性雰囲気中で減圧加熱処理し、該加熱処理した熱良導体の粒子をス ノ ッタリング源を納めた回転容器に仕込み、該容器を一定方向に回転させて熱良導 体の粒子の流動層を形成し、容器を回転した状態でスパッタリングすることにより被 覆 (コーティング)材料を熱良導体の粒子に被覆し、被覆済熱良導体の粒子を、不活 性ガス導入と真空排気を組み合わせることによって真空掃除機の原理で前記回転容 器から取り出す、ことにより金属被覆された熱良導体の粒子を得ることが出来る。
[0656] 次に、複合粉体による表層形成工程について述べる。
[0657] 基材については、例えば φ 40mmで、定着部の肉厚が 1.5mmのアルミニウム製の 定着ローラ芯金表面をブラスト処理し粗面化する。
[0658] フッ素榭脂の融点よりも高融点でありかつ形状異方性を有する熱良導体と作製した 粉体とを混合したものを、静電塗装にて塗布し、焼成することにより表層を作製する。
[0659] アルミニウム製の定着ローラの芯金に静電塗装し、例えば 380°Cで 30分加熱し、加 熱炉の外で強送風により急冷する。これにより所望の表層を得ることが出来る。
[0660] 焼成工程において、溶融した低融点金属により熱良導体粒子同士が連接し、強度、 熱伝導性の両方の特性を向上できる。
[0661] ここで原料として使用するフッ素榭脂粒子が球形またはその変形形状である場合は 、連接している熱良導体が球殻または、その変形形状をし、それら球殻が連接してい る構造をとり、離型性を損なわない程度の少量の充填量でも熱伝導性の向上が可能 となる。
[0662] なお粉体の種類や混合比によっては表層の表面粗さが大きい場
合もあるが、表面粗さを所定の大きさに揃える必要がある場合には、例えばテープ研 磨装置にかけ研磨することで可能である。例えばコランダムの # 800, # 1500にて テープ研磨した場合、表面粗さ Rzで、 2 m以下とできた。
実施例 14
[0663] (請求項 90, 92, 95, 96) PFA粉(MP102 平均粒径 φ 20 /ζ πι)中に体積換算で、 Ag粉 (平均粒径 0.5 μ m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 0.5 μ m)体積比 5%を混入し、 (株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉と Sn粉を PFA粉 上に固着させた。 Ag粉と Sn粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEM による観察で確認した。この粉体を、 PFA粉に対して体積比 5%の「ティスモ (Κ20 · nTi〇2で示されるチタン酸カリウム繊維であり、繊維径 0.2乃至 0.6 m、繊維長 10乃 至 20 ;ζ πι)」(大塚化学 (株)製)と混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで 焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。このサ ンプルの断面を図 48に示す。
[0664] 熱良導体が PFA融点 (約 310°C)よりも低融点 (約 232°C)の Snを含み、フッ素榭脂の融 点よりも高融点 (約 1300乃至 1350°C)でありかつ形状異方性を有するティスモを含み、 テイスモカ、フッ素榭脂の融点よりも低融点の Snに取り囲まれている構造となってい ることにより、表層形成時、 Snはティスモの表面を被覆もしくは表面に付着し、拡散が 押さえられ、溶融した Snによる熱伝導路の形成が促進される。このため熱伝導率を十 分に向上させることができる。
[0665] これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定 した。そして、別に測定した比重、比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。ここで体積 比とは、重量比と比重により求めた体積比である。粉体の体積比ではない。
実施例 15
[0666] (請求項 90, 91, 93, 95, 96) PFA粉(MP102 平均粒径 φ 20 m)中に体積換算 で、 Ag粉 (平均粒径 0.5 μ m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 0.5 μ m)体積比 5%を混入 し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。 Ag粉と Sn粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを 、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFA粉に対して体積比 5%の「スーパーデ ントール SD-100 (銀被覆導電性チタン酸カリウム繊維)」(大塚化学 (株)製)と混合 し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し 、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0667] このサンプルの断面を図 49に示す。
[0668] 熱良導体が PFA融点 (約 310°C)よりも低融点 (約 232°C)の Snを含み、フッ素榭脂の融 点よりも高融点 (約 1300乃至 1350°C)でありかつ形状異方性を有するスーパーデント ール SD— 100を含み、スーパーデントール SD— 100力 フッ素榭脂の融点よりも低 融点の Snに取り囲まれている構造となっていることにより、表層形成時、 Snはスーパ 一デントール SD— 100の表面を被覆もしくは表面に付着し、拡散が押さえられ、溶融 した Snによる熱伝導路の形成が促進される。
[0669] このため熱伝導率を十分に向上させることができる。
[0670] これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定 した。そして、別に測定した比重、比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。ここで体積 比とは、重量比と比重により求めた体積比である。粉体の体積比ではない。
実施例 16
[0671] (請求項 90, 92、 95, 96) PFA粉(MP102 平均粒径 φ 20 /ζ πι)中に体積換算で、 Ag粉 (平均粒径 0.5 μ m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 0.5 μ m)体積比 5%を混入し、 (株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉と Sn粉を PFA 粉上に固着させた。 Ag粉と Sn粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFA粉に対して体積比 5%の「パナテトラ (酸 化亜鉛の三次元形状 (テトラポッド形状)針状単結晶体 (ゥイス力)、針状短繊維径 (平均 径) 0.2乃至 3.0 μ m、針状短繊維長 2乃至 50 μ m)」(松下産業情報機器株式会社製) と混合し、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に 冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。
[0672] このサンプルの断面を図 50に示す。
[0673] 熱良導体が PFA融点 (約 310°C)よりも低融点 (約 232°C)の Snを含み、フッ素榭脂の融 点よりも高融点 (加圧下で約 2000°C (昇華点は約 1720°C))でありかつ形状異方性を 有するパナテトラを含み、パナテトラが、フッ素榭脂の融点よりも低融点の Snに取り囲 まれている構造となっていることにより、表層形成時、 Snはパナテトラの表面を被覆も しくは表面に付着し、拡散が押さえられ、溶融した Snによる熱伝導路の形成が促進さ れる。
[0674] これにより、 100 μ m厚のシートを作製し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定 した。そして、別に測定した比重、比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。ここで体積 比とは、重量比と比重により求めた体積比である。粉体の体積比ではない。
実施例 17
[0675] (請求項 90, 91, 92, 95, 96) PFA粉(MP102 平均粒径 φ 20 m)中に体積換算 で、 Ag粉 (平均粒径 0.5 μ m)を体積比 5%と Sn粉 (平均粒径 0.5 μ m)体積比 5%を混 入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ag粉と Sn粉を PFA粉上に固着させた。 Ag粉と Sn粉は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを 、 SEMによる観察で確認した。この粉体を、 PFA粉に対して体積比 5%の「パナテトラ」 を公知の技術で金属被覆 (例えば無電界 Niメツキ)したものと混合し、アルミニウム基 板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、 サンプルを作製した。
[0676] このサンプルの断面を図 51に示す。
[0677] 熱良導体が PFA融点 (約 310°C)よりも低融点 (約 232°C)の Snを含み、フッ素榭脂の融 点よりも高融点 (加圧下で約 2000°C (昇華点は約 1720°C)、 Niの融点は 1455°C)であり かつ形状異方性を有する無電界 Niメツキパナテトラを含み、無電界 Niメツキパナテトラ 力 フッ素榭脂の融点よりも低融点の Snに取り囲まれている構造となっていることによ り、表層形成時、 Snは無電界 Niメツキパナテトラの表面を被覆もしくは表面に付着し、 拡散が押さえられ、溶融した Snによる熱伝導路の形成が促進される。
[0678] これにより、 100 m厚のシートを作製し、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定 した。そして、別に測定した比重、比熱とから、熱伝導率を計算し求めた。ここで体積 比とは、重量比と比重により求めた体積比である。粉体の体積比ではない。 [比較例] 比較例 1として、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 m)で同様にサンプルを作製した。
[0679] 比較例 2として、体積比で Ag粉 5%と Sn粉 5%を PFA粉上に固着させた粉体のみを用い 同様にサンプル 2を作製した。
[0680] さらに、比較例 3として、 PFA粉(MP102平均粒径 φ m)中に Ag粉(平均粒径 1.2 m)を体積換算で Agが 5%となる量を攪拌混合し、同様にサンプル 3を作製した。ここ で、 5%としているのは、静電塗装では、これ以上では成膜が困難であったためである
[0681] 表 54に比較例 1のサンプルに対する各サンプルの熱伝導率の倍率を示す。
[0682] [表 54]
サンプル 熱伝導率の倍率
比較例 1 1.0
比較例 2 2.7
比較例 3 1.2
実施例 14 3.4
実施例 1 5 4.2
実施例 1 6 4.8
実施例 17 5.7
実施例 18
[0683] (請求項 90, 91, 92, 93, 95, 96, 101) 実施例 14乃至 17、比較例と同様にして 、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶 融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 m以 下としたものを作製し、定着ローラとした。このとき、定着ローラの表層構造は実施例 1 4乃至 17、比較例と同じ構造となっていた。表層の最終厚みは 40 /z mである。この口 ーラを (株)リコー製 MF4570に装着した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面 のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変 わりがな力 た。また、トナーの定着できる温度範囲であるコールドオフセット温度とホ ットオフセット温度力 求めると、比較例に比べ、実施例ではコールドオフセット温度 が下がり、定着温度幅が広くなつていることがわかった (表 55)。これにより、高速通紙 時での温度の低下が発生しても安定した定着が行えることがわ力 た。
[0684] [表 55] コールド ホット 定着ローラの表層構造 オフセット オフセット
? a f
比較例 1と同じ構造 130°C 190°C 比較例 2と同じ構造 110°C 190°C 比較例 3と同じ構造 120°C 190°C 実施例 14と同じ構造 103°C 190°C 実施例 15と同じ構造 100°C 190°C 実施例 16と同じ構造 98°C 190°C 実施例 17と同じ構造 95°C 190°C
実施例 19
[0685] (請求項請求項 90, 91, 92, 93, 95, 96, 101) 実施例 14乃至 17、比較例と同様 にして、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭 脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 μ πι以下としたものを作製し、定着ローラとした。このとき、定着ローラの表層構造は 実施例 14乃至 17、比較例と同じ構造となっていた。
[0686] 表層の最終厚みは 40 mである。このローラを (株)リコー製 MF4570に装着した。こ の MF4570のトナーは、ワックス入りのトナーである。この MF4570に 10000枚、黒ベタ 画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した (表 56)。特に大きな付着は 観察されず。通常のものと何ら変わりがな力 た。
[0687] [表 56] 定着ローラの表層構造 水の接触角 付着トナー
比較例 1と同じ構造 1 10°C なし
比較例 2と同じ構造 105°C なし
比較例 3と同じ構造 108°C なし
実施例 14と同じ構造 105°C なし
実施例 15と同じ構造 105°C なし
実施例 16と同じ構造 105°C なし
実施例 17と同じ構造 105。C なし
これに対し、トナー付着が発生する比較例を以下に示す。
[0688] フッ素榭脂として PFA粉体 (三井デュポン MP102)、耐熱榭脂として PEEK粉体 (ビク トレックス.ェムシ一 PEEK (登録商標) 150XF)を用い、前記粉体同士を所定の重量 比で混合し混合粉体を作製する。
[0689] 一方基材については、例えば φ 40mmで、定着部の肉厚が 1.5mmのアルミニウム 製の定着ローラ芯金表面をブラスト処理し粗面化する。
[0690] その後、前記混合粉体をアルミニウム製の定着ローラの芯金に静電塗装し、 380°C で 30分加熱し、加熱炉の外で強送風により急冷する。
[0691] なお粉体の種類や混合比によっては離型層の表面粗さが大きい場合もあるが、表面 粗さを所定の大きさに揃える必要がある場合には、例えばテープ研磨装置にかけ研 磨することで可能である。例えばコランダムの # 800, # 1500にてテープ研磨した場 合、表面粗さ Rzで、 2 m以下とできた。このローラを (株)リコー製 MF4570装着し た。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した (表 57)
[0692] [表 57] PFA i PEEK (重量比) による比較例
Figure imgf000186_0001
実施例 20
[0693] (請求項 94, 101) 実施例 16と同様にして、定着ローラの芯金となるアルミニウム管 に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒 子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとした。 このとき、定着ローラの表層構造は実施例 16と同じ構造となっていた。 表層の最終 厚みは 40 /z mである。
[0694] このローラを(株)リコー製 MF4570に装着し、 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ 表面のトナーの付着状態を観察した。
[0695] また、このローラを (株)リコー製 MF4570に装着し、 10000枚、黒ベタ画像を通し、口 ーラ表面のトナー付着量と紙の巻き付きを見た (表 58)。この結果、表面粗さ Rzで 5 μ m以下であれば、効果があることが確認された。 7 μ mのものは、 5760で、ジャムが 多発したため実験を取りやめている。
[0696] [表 58] 表面粗さ Rz 付着トナー量 紙の巻き付き
なし なし
3 jL m なし なし
見られる なし
フ m 非常に多い ジャムが多発
実施例 21
[0697] (請求項 97, 98, 101) 実施例 16と同様にして、定着ローラの芯金となるアルミ-ゥ ム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダ ム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製し、定着ローラとし た。このとき、定着ローラの表層構造は実施例 16と同じ構造となっていた。 表層の 最
終厚みは 40 μ mである。
[0698] このローラを (株)リコー製 IMAGIO NEO 750に装着した。この IMAGIO NEO 750 のトナーは、離型性が不十分なため定着ローラにシリコンオイルを塗布するシリコン オイル含侵されたオイル塗布部材を追加している。この IMAGIO NEO 750に 10000 枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着 は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
実施例 22
[0699] (請求項 99, 100. 101) 実施例 16と同様にして、定着ローラの芯金となるアルミ- ゥム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコラン ダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 /z m以下としたものを作製し、定着ローラと した。このとき、定着ローラの表層構造は実施例 3と同じ構造となっていた。
[0700] 表層の最終厚みは 40 μ mである。 MF4570の定着ユニットを用いた定着試験機を作 製し、 MF4570の未定着画像を加圧力を変えて、このローラに対して通紙した。 0.5 ( kgf/cm2)以下では、定着性が非常に悪ぐ 4.0 (kgf/cm2)以上では、定着ローラーへ のトナー付着が見られた。定着性は、定着後のベた画像に面の布を擦りつけ顕著に 布にトナーが付いてものを定着不良とし、簡易判定した (表 59)。
[0701] [表 59]
加圧力による比較例
Figure imgf000188_0001
なお、本発明において、定着部材の形態は定着ローラに限定されるものではなぐ 定着ベルト等の任意の形態に適用可能である。
[0702] 以下図と共に、実施例 23乃至 27に係る本発明による加熱装置、定着装置および画 像形成装置の実施の形態について説明する。図 52は、本発明における画像形成装 置の一実施形態を示す。画像形成装置は、周知の電子写真プロセスを実行すること によって画像を得ることができるものであって、像担持体として円筒状に形成された 光導電性の感光体 1を有している。感光体 1の周囲には、帯電手段としての帯電ロー ラ 2、現像装置 4、転写ローラ 5、クリーニング装置 7、除電装置 8が配備されている。ま た、それらのほかに、画像形成装置は、光走査装置 3と定着装置 6を備えている。帯 電手段としては、コロナチャージャを用いることもできる。光走査装置は帯電ローラと 現像装置との間の感光体面で光走査による露光を行う。
[0703] 画像形成を実行する際は、感光体 1が図 52の時計回りに回転され、その表面が帯電 ローラ 2により均一に帯電された後、光走查装置 3の露光により感光体 1の表面に静 電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置 4により反転現像され、感光体 1の表 面にトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体 1のトナー画像が転写位置 へ移動するのとタイミングを合わせて図示されない給紙機構により転写部へ送り込ま れた記録媒体 9と重ね合わされ、転写ローラ 5の作用により、記録媒体 9へ静電転写 される。トナー画像を転写された記録媒体 9は、定着装置 6でトナー画像を定着され た後、装置外部へ排出される。トナー画像が転写された後、感光体 1の表面はタリー ニング装置 7により残留トナーや紙粉などが除去され、さらに除電装置 8により除電さ れる。
[0704] 図 53は、定着部分の概略図である。 21は温度検知素子、 TIは、未定着トナー画像 で負に帯電している。 Sは、記録シートである。 23は、ハロゲンヒーター、 24は、定着 ローラで、 25は、定着ローラの表層摩擦のため負に帯電している。 26は、加圧ローラ である。定着装置を示す。 加圧ローラ 26と圧接する定着ローラ 24は時計回りに回 転し、定着されるべきトナー画像 TIを有する記録シート Sをこれら定着ローラ 24とカロ 圧ローラ 26とで挟圧して矢印方向に搬送するようになって 、る。このとき静電反発に より紙上のトナーが散らばる。また、ハロゲン加熱ヒーター 23が定着ローラ内部から加 熱しており、これによりトナーが軟化されて定着する。定着ローラ 24の表面温度は温 度検知素子 21で検出される。本発明の表層 25は、定着ローラ 24の表面に形成され る。本発明は、 25に関するものが中心である。
[0705] 図 54は、本発明での定着ローラの表層 25の構成例である。
[0706] 図 54では表層 25の一部の水平断面を示す。フッ素榭脂が面積的に大きく占め、離 型性を確保している。バリスタ-金属連接部分は、面積的には、 5%程度であるが、ほ とんどが接続しているため電気伝導の寄与が大きい。水平方向での電気伝導の寄与 も大きい。又、図 54の右側には、その微小部分の拡大模式図を示す。ノリスタの粉 末量と金属量により、維持電位をコントロールしている。ノリスタ(ZnO+Pr,La)は、結 晶界面で非線形特性を示し、一定以上の電圧で、電流として流し、高電位を抑える。 ノリスタ粉末は、微小な ZnOに微量添加物として Pr6011 (酸ィ匕プラセォジユウム)、 La203 (酸化ランタン)、 CoO (酸化コバルト)など 10種類もの酸化物を ppmオーダーで 添カロした場合、これらの添加物の中でイオン半径が Znイオンよりも大き 、Prや Laなど は ZnO中に固溶せずに結晶粒界に集まる。電圧依存性を持つ結晶粒界の厚さは非 常に薄ぐ 100 A程度あるいはそれ以下であると考えられている。この結晶粒界の数 が多いほどより高い電圧設定となる。本発明の目的のための、ノ リスタは、断面での 結晶粒が 0.5 /z m程度のものを大きな固まりとして焼結して作製し、これをまた、粉砕 して、 1乃至数/ z mの粉体としてバリスタ粉末として用いている。従って、バリスタ粉末 の中に結晶粒界が存在しており、これが、電圧コントロールに重要な役割を果たす。 今後このような製法のものをバリスタ粉末と表現する。図 55に表層 25の一部の垂直 断面を示す。水平断面と同様に垂直方向もバリスタ-金属連接部分が、表面から基板 まで続いており、電気伝導向上に寄与している。製造方法に置いて、このような接続 状態を形成するのは容易ではない。本発明では、フッ素榭脂表面に粉体をつけて次 にフッ素榭脂の軟ィ匕による膜作製により、このような構造が可能となった。
[0707] 本発明において用いられるフッ素榭脂としては、焼成による溶融成膜性のよい、比較 的融点の低いもの(好ましくは 250乃至 300°C)が好ましく選択される。具体的には、 低分子量ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)、テトラフロォロエチレン一へキサフルォ 口プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルォロエチレン パーフルォロアアルキアルビ -ルエーテル共重合体 (PFA)の微粉末が挙げられる。低分子量ポリテトラフルォロ エチレン(PTFE)粉末は、ルブロン L— 5、 L 2 (ダイキン工業)、 MP1100、 1200、 1 300、 TLP-10F-1 (三井デュポンフロロケミカル)が知られている。テトラフルォロェ チレン一へキサフルォロプロピレン共重合体(FEP)粉末は、 532-8000 (デュポン) が知られて 、る。テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重 合体(PFA)は、 MP— 10、 MP102、(三井デュポンフロロケミカル)が知られている。
[0708] ノ リスタ粉末としては、前に説明しているように、微小な ZnOに微量添加物として
Pr6011 (酸化プラセォジユウム)、 La203 (酸化ランタン)、 CoO (酸化コバルト)など 10 種類もの酸ィ匕物を ppmオーダーで添カ卩したものを用いている。金属フィラーとしては、 金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン等のいずれ 力 1つ以上を含む合金のフィラーが使用できる。金属フィラーとしての球状、針状フィ ラー、繊維状フイラ一とバリスタ粉末を、フッ素榭脂の周囲に固着させる。固着させる 装置として、ハイブリダィゼーシヨンシステム( (株)奈良機械製作所)の例を図 56に示 す。 151は本体ケーシング、 158はステーター、 177はステータージャケット、 163は リサイクルパイプ、 159は排出バルブ、 164は原料投入シュートである。
[0709] 該装置において、原料投入シュート 164から供給された粉体粒子及び他の微小固体 粒子は、衝撃室 168内で主として高速で回転している回転ローター 162に配置され た複数のローターブレード 155によって瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺のステ 一ター 158に衝突して粉体粒子同士または、他の微小固体粒子同士の凝集をほぐし ながら系内に分散させると同時に、粉体粒子表面に他の微小固体粒子を静電気力、 ファンデルワールス力等により付着させる力、この状態は粒子の飛行と衝突に伴って 進んで行く。すなわち、ローターブレード 155の回転により発生する気流の流れに伴 つて、該粒子は、 163のリサイクルパイプを複数回通過することにより処理される。さら にローターブレード 155及びステーター 158から該粒子が繰り返し打撃作用を受ける ことにより、他の微小固体粒子は、粉体粒子表面またはその近傍に均一に分散し固 定化される。作製した粉体単独、もしくは通常のフッ素榭脂と作製した粉体とを混合し たものを、静電塗装、または、湿式塗料にて塗布し、焼成することにより表層を作製す る。
実施例 23
[0710] ノ リスタ粉末は、微小な ZnOに微量添加物として Pr6011 (酸ィ匕プラセォジユウム)、
La203 (酸化ランタン)、 CoO (酸化コバルト)など 10種類もの酸化物を ppmオーダーで 添カロした場合、これらの添加物の中でイオン半径が Znイオンよりも大き 、Prや Laなど は ZnO中に固溶せずに結晶粒界に集まる。電圧依存性を持つ結晶粒界の厚さは非 常に薄ぐ 100 A程度あるいはそれ以下であると考えられてる。この結晶粒界の数が 多いほどより高い電圧設定となる。本発明の目的のために、ノ リスタ粉末は、断面で の結晶粒カ^ .5 m程度のものを大きな固まりとして焼結して作製し、これをまた、粉 砕して、 1乃至数/ z mの粉体としてバリスタ粉末として用いている。本実施例では、こ のバリスタ粉末(分級し、平均粒径 0.8 μ mのもの)を PFA粉(MP102平均粒径 φ 20 m)に対し、体積換算で、 5vol%の量を混合し合わせて、(株)奈良機械製作所ハイプリ ダイゼーシヨンシステムに投入した。このようにして、バリスタ粉末を、 PFA粉上に固着 させた。ノ リスタ粉末は、 PFA粉上をほぼ覆っている状態であることを、 SEMによる観 察で確認した。このバリスタ粉末固着 PFA粉を、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 / m)と 下表の割合で倉敷紡績 (株)攪拌装置 KK-500を用い、混合し、アルミニウム基板に 静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離し、サン プルを作製した。これにより、 100 /z m厚のシートを作製し、両面から lcm X 1cmの電 極で挟み電圧-電流特性を測定し、その非線形点を測定した。測定は、 10サンプル 行い、さらに、標準偏差を含め下表に示す。ここで体積比とは、重量比と比重により 求めた体積比である。粉体の体積比ではない。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102 平均粒径 φ 20 m)中にバリスタ粉末 (分級し、平均粒径 0.8 μ mのもの)を体積換算 で 5,10,20vol%となる量を混合し、倉敷紡績 (株)攪拌装置 KK-500を用い同様に焼成 し、シートを作製した。また、それぞれのサンプルの水の接触角を測定した。
[0711] [表 60]
Figure imgf000192_0001
実施例 24
[0712] 実施例 23と同様に PFA粉 (MP102平均粒径 20 ^ m)にバリスタ粉末を用いて作製 したバリスタ固着 PFA粉と、 PFA粉 (MP102平均粒径 20 μ m)と下表の割合で混合 して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂 を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 μ m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚み 40 m。このローラを( 株)リコー製 MF4570装着した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの 付着状態を観察した。また、ドットパターンを用い画像力も紙の搬送方向に尾を引くよ うに発生するトナーチリの発生状態を観察した。グラフアイトカーボン 3% PFAの導電 性タイプを比較用としている。さらに、比較例として、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 μ m)中にパリスタ粉末(分級し、平均粒径 0.8 Ju mのもの)を体積換算で5, 10,20vol%とな る量を混合し、同様にローラを作製した。
[0713] [表 61]
Figure imgf000193_0001
実施例 25
[0714] PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 m)中にバリスタ粉末 (分級し、平均粒径 0.8 μ mのも の)、銀粉 (平均粒径 0.4 m)を体積換算で、バリスタ粉末が 4.5vol%で,銀粉が 0.5vol%となる量を混合し合わせて、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシス テムに投入し、 PFA粉上に固着させた。(バリスタ粉末 +銀粉)は、 PFA粉上をほぼ覆 つている状態であることを、 SEMによる観察で確認した。この (バリスタ粉末 +銀粉)固 着 PFA粉を、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 m)と下表の割合で混合し、アルミ-ゥ ム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた後に冷却し、基板より剥離 し、サンプルを作製した。これにより、 100 m厚のシートを作製し、両面から lcm X lcmの電極で挟み電圧-電流特性を測定し、その非線形点を測定した。測定は、 10 サンプル行い、さらに、標準偏差を含め下表に示す。ここで体積比とは、重量比と比 重により求めた体積比である。粉体の体積比ではない。また、それぞれのサンプルの 水の接触角を測定した。
[0715] [表 62]
Figure imgf000194_0001
実施例 26
[0716] 実施例 25と同様に PFA粉 (MP102平均粒径 20 ^ m)にパリスタ粉末と銀粉末を用 レヽて作製した (バリスタ +銀)固着 PFA粉と、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 m)と下 表の割合で混合して、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面 粗さ Rzで、 2 μ m以下としたものを作製し、定着ローラとした。表層の最終厚み 40 μ m 。このローラを (株)リコー製 MF4570装着した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ 表面のトナーの付着状態を観察した。また、ドットパターンを用い画像力 紙の搬送 方向に尾を引くように発生するトナーチリの発生状態を観察した。
[0717] [表 63] (バリスタ粉末)固着 PFA粉: PFA粉(体積比) トナーチリ トナー付着
1 : 4 多い ほとんどない
2 : 3 多い ほとんどない
3 : 2 多い ほとんどない
4 : 1 ない ほとんどない
5 : 0 ない ほとんどない
実施例 27
[0718] デュポン製湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、(バリスタ粉末)固着
PFA粉と (バリスタ +銀)固着 PFA粉を、それぞれバリスタ粉末、(バリスタ +銀)粉末が 密度からの計算上の体積比で 4vol%になるように秤量調整した。次に、攪拌分散した 後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行い、 380°Cで塗装し た榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラとした。最 終厚み 40 // m。このローラを (株)リコー製 MF4570装着した。 10000枚、黒ベタ画像 を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。また、ドットパターンを用い画像 力も紙の搬送方向に尾を引くように発生するトナーチリの発生状態を観察した。また、 上記例と同様に 100 // m厚のシートを作製し、両面から lcm X 1cmの電極で挟み電圧 -電流特性を測定し、その非線形点を測定した。
[0719] [表 64]
変曲点 (v),
試料 水の接触角 標準偏差
(バリスタ)固着 PFA粉 +湿式フッ素塗料 168,32 1 03°
(バリスタ +銀)固着 PFA粉 +湿式フッ素塗料 147,50 102° [0720] [表 65]
Figure imgf000196_0001
以下、実施例 28乃至 39に係る本発明の加熱装置、定着装置および画像形成装 置の実施の形態について説明する。図 57は、本発明における画像形成装置の一実 施形態を示す。画像形成装置は、周知の電子写真プロセスを実行することによって 画像を得ることができるものであって、像担持体として円筒状に形成された光導電性 の感光体 1を有している。感光体 1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ 2、現像 装置 4、転写ローラ 5、クリーニング装置 7、除電装置 8が配備されている。また、それ らのほかに、画像形成装置は、光走査装置 3と定着装置 6を備えている。帯電手段と しては、コロナチャージャを用いることもできる。光走査装置は帯電ローラと現像装置 との間の感光体面で光走査による露光を行う。
[0721] 画像形成を実行する際は、感光体 1が図 57の時計回りに回転され、その表面が帯電 ローラ 2により均一に帯電された後、光走査装置 3の露光により感光体 1の表面に静 電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置 4により反転現像され、感光体 1の表 面にトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体 1のトナー画像が転写位置 へ移動するのとタイミングを合わせて図示されない給紙機構により転写部へ送り込ま れた記録媒体 9と重ね合わされ、転写ローラ 5の作用により、記録媒体 9へ静電転写 される。トナー画像を転写された記録媒体 9は、定着装置 6でトナー画像を定着され た後、装置外部へ排出される。トナー画像が転写された後、感光体 1の表面はタリー ニング装置 7により残留トナーや紙粉などが除去され、さらに除電装置 8により除電さ れる。
[0722] 図 58は、磁束生成コイル 12と定着ローラ 11との位置関係を示す断面図である。図 5 8において、 11は定着ローラ、 13は加圧ローラ、 21は磁束生成コイルのコア、 30は 磁束生成コイル 12のリッツ線 (導体を細分ィ匕することによって同一断面積での高周波 による発熱を低減しょうとしたのがリッツ線です。)、 31、 32はコア 21の突出部 22、 23 と定着ローラ 11の外側表面との隙間を示す。図 58では、分力ゝりやすいように各部の 寸法を実際とは変えて描いてある。また、リッツ線 30の断面は、その多くを省略して 8 個の断面のみを描 、てある。
[0723] 磁束生成コイル 12は、定着ローラ 11に対して図 58に示したように配設されている。
すなわち、磁束生成コイル 12は、そのコア 21が-ップ部以外の定着ローラ 11外周面 のうち-ップ部入口に近い側を覆うようにして、コア 21の突出部 22、 23を定着ローラ 11に向けて配設されている。また、コア 21の突出部 22、 23と定着ローラ 11外側表 面との間隔が一定になるように配設されている。コア 21の突出部 22、 23が定着ロー ラ 11の外側表面に接近しているほど効率よく定着ローラ 11を加熱することができる。 本実施例では、このコア 21の突出部 22、 23と定着ローラ 11外側表面との隙間の距 離を lmmにした。なお、リッツ線 30と定着ローラ 11外周面との隙間の距離力 コア 2 1の突出部 22、 23と定着ローラ 11外側表面との隙間の距離よりも長くなるように、コ ァ 21の突出部 22、 23の高さを確保している。そのようにしておくと、コア 21の突出部 22、 23と定着ローラ 11外側表面とに隙間を確保できているときは、リッツ線 30が定 着ローラ 11外周面に触れることもないから、定着ローラ 11を傷つけることはない。した がって、磁束生成コイル 12と定着ローラ 11との接触を防止することが容易になる。
[0724] 本発明は、たとえばこのような構成において、発熱部を定着ローラ 11の表面に持た せようとするものである。
[0725] 本発明においてもちいられるフッ素榭脂としては、焼成による溶融成膜性のよい、比 較的融点の低いもの(好ましくは 250乃至 300°C)が好ましく選択される。具体的には 、ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)、テトラフロォロエチレン一へキサフルォロプロピ レン共重合体(FEP)、テトラフルォロエチレン パーフルォロアアルキアルビ-ルェ 一テル共重合体 (PFA)の微粉末が挙げられる。ポリテトラフルォロエチレン(PTFE) 粉末は、ルブロン: L— 5、: L— 2 (ダイキン工業)、 MP1100、 1200、 1300、 TLP— 10F —1 (三井デュポンフロロケミカル)が知られている。テトラフルォロエチレン一へキサフ ルォロプロピレン共重合体(FEP)粉末は、 532-8000 (デュポン)が知られて!/、る。 テトラフルォロエチレン パーフルォロアルキルビュルエーテル共重合体(PFA)は、 MP— 10、 MP102、(三井デュポンフロロケミカル)が知られている。
[0726] 低融点合金としては、(1)錫"!良系 (2)錫 "^系 (3)錫-亜鉛系 (4)錫-銀"^系 (5)錫"!良 —ビスマス系 (6)錫—銀"^—ビスマス系 (7)錫(8)
Figure imgf000198_0001
、ずれかの金属、合金な どを用いることができる。また、金属フイラ一として、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、 鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、のいずれか 1つ以上を含む金属、合金のフ イラ一が使用してもよい。これらを球状、針状フィラー、繊維状フイラ一として用い、低 融点金属と一緒に焼成することにより、フィラー同士が連接し、渦電流を十分流すこと が可能となり、発熱体として用いることができる。低融点金属の割合が少なくてもその 長さによって、フイラ一間の接続の確率が高ぐ電気伝導性を向上することができる。 本発明においては、低融点金属は、加熱装置の温度の異常オーバーシュートによる 焼損に対する安全装置の役割も果たす。すなわち、金属は、液体になった場合急激 に電気特性が変化するため、磁束発生回路のインピーダンス変化による検出が可能 であり、かつ液体金属は、抵抗値が急激に上がるため発熱効率が落ちる。磁性金属 に磁性金属を合金化し、キュリー温度をコントロールし、ある温度以上で発熱効率を 落とすことも可能である。
[0727] さらに、低融点金属は、フィラーの充填量の 5乃至 50重量部が好ましい。低融点金属 は、耐食性が劣るものが多いためフイラ一より少ないことが望ましい。定着部では、紙 力もの水蒸気の環境に曝されるため必要以上の量は、避けることが望ま 、。
[0728] ところで、本発明で主に述べている金属粒子は、カーボン粒子などと違い明確に接 触していないと導通性を示さない。そして、複数接触していないと実質的な熱伝導性 に寄与できないため、連続して接触しているということで、このような状態を連接と表 現している。参考:斉藤信夫, 導電性榭脂の実際技術, (株)シーエムシー ,ρ.64 (2000)
実施例 28
[0729] PFA粉(MP102平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0.3 μ m)を体積換算で、 N S 5%となる量を混入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた (粉体 1)。次に、この粉体にニッケルを無電解メツキす る。方法としては、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした方法が適用できる。(詳細は、 表面技術 第 47卷 第 11号 P.896-P.899 など)このメツキ粉体を粉体 Aとする。ここ では、 Niによる事例を中心に説明するが、金属の還元による析出法、銀鏡反応等が 適用できるのはいうまでもない。
[0730] この粉体 Aを、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた 後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。これにより、 30 /z m厚のシート 50mmX50mmを作製し、これをパイレックス(登録商標)製シャーレの内側の底面にポ リイミドテープにより固定した。さら〖こ、純水 100mlを入れた。これを汎用 IH調理器: National製 KZ-PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている。)上に置き、電磁波を 発生させて、水温上昇を測定し、 Ni箔 30 mとの差を比較した。室温から +30°C上昇 するのに要する時間を比較した。この構成例では、 Ni箔 30 mの時間に対し、 1.2倍 の時間で加熱できた。このように、フッ素榭脂を含む構造であっても Ni箔と同等に近 い発熱を得ることができた。
実施例 29
[0731] 実施例 28の粉体 Aを、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラと した。最終厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 μ m以下としたものを作製した。図 59にその表面を示した。 PFA(MP102)は 、透明なため上力も見た状態ですべてが見えるようになつている。図 60に図 59のも のの断面を示す。このローラを (株)リコー製 MF4570の画像形成部を用いて作製し た未定着画像を誘導加熱用のテスト機に通した。この MF4570のトナーは、ワックス入 りのトナーである。このトナーのワックスを除いたものを作製し、カスケード現像により、 未定着画像を作製し、テスト機に通した場合は、 1枚で、トナー付着による紙の巻き付 きが発生した。このテスト機の基本構成は、図 58に示した。 10000枚、黒ベタ画像を 通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。通 常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚み 力 Sl.5mmと厚く通常のハロゲンヒータ による内部加熱では、ローラの表面温度力 S180°Cになるのに 50秒必要である力 本口 ーラでは、 5秒程度であった。(両方とも定格出力 800Wの場合)
実施例 30
[0732] デュポン製湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、実施例 28の粉体 Aを 70%混入、攪拌した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行 い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、 定着ローラとした。最終厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行 い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製した。図 61にこの材料の焼成後の模 式図を示す。
[0733] 図 61は表層一部の垂直断面を示す。金属連接部が上からの高周波を吸収し発熱す る。表層は、シリコンゴム層で断熱されているため素早い温度上昇を行うことができる 。また、横方向は、熱的にも接続しているため一部の熱低下が発生しても素早く均一 化される。
[0734] このローラを (株)リコー製 MF4570の画像形成部を用いて作成した未定着画像を 誘導加熱用のテスト機に通した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの 付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがなか つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1.5mmと厚く通常のハロゲ ンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である 力 本ローラでは、 10秒程度であった。(両方とも定格出力 800Wの場合)
実施例 31
[0735] カーボン含有 PFA粉 (カーボン含有率 3%平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0.3 m)を体積換算で、 Ni力 となる量を混入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼ ーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた (粉体 1)。次に、この粉体 にニッケルを無電解メツキする。方法としては、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした方 法が適用できる。(詳細は、表面技術 第 47卷 第 11号 P.896-P.899 など)このメッ キ粉体を粉体 Bとする。
[0736] この粉体 Bを、アルミニウム基板に静電塗装し、 380°Cで焼成し、榭脂を溶融させた 後に冷却し、基板より剥離し、サンプルを作製した。これにより、 30 /z m厚のシート 50mmX50mmを作製し、これをパイレックス(登録商標)製シャーレの内側の底面にポ リイミドテープにより固定した。さら〖こ、純水 100mlを入れた。これを汎用 IH調理器: National製 KZ-PH1 (空鍋検知システム等は無効にしている。)上に置き、電磁波を 発生させて、水温上昇を測定し、 Ni箔 30 mとの差を比較した。室温から +30°C上昇 するのに要する時間を比較した。この構成例では、 Ni箔 30 mの時間に対し、 1.3倍 の時間で加熱できた。このように、カーボン含有の PFAでも発熱体を形成できた。力 一ボン含有の意味は、耐摩耗性向上である。
実施例 32
[0737] 実施例 31の粉体 Bを、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラと した。最終厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製した。その表面は、実施例 29と同様であった。 PFAは、透明なため上から見た状態ですべてが見えるようになつている。このローラを (株)リコー製 MF4570の画像形成部を用いて作製した未定着画像を誘導加熱用の テスト機に通した。このテスト機の基本構成は、図 58に示した。 10000枚、黒ベタ画像 を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。 通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚 み力 l.5mmと厚く通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度が 180°Cになるのに 50秒必要である力 本ローラでは、 15秒程度であった。(両方とも定 格出力 800Wの場合)また、 MF4570の定着ユニットには、定着ローラに直接接触して 、ローラに巻き付いた紙を分離する分離爪が接触している。これは、定着ローラの摩 耗を引き起こすため、これに耐える耐摩耗性が必要である。分離爪の圧力を通常の 5 倍にして、分離爪による摩耗量を実施例 29のローラと比較した結果 1/3であった。 実施例 33
[0738] デュポン製湿式フッ素塗料 EN700CLに乾燥 PFA重量に対し、実施例 31の粉体 Bを 70%混入、攪拌した後、定着ローラの芯金となるアルミニウム管にスプレー塗装を行 い、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、 定着ローラとした。最終厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行 い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製した。図 61にこの材料の焼成後の模 式図を示す。このローラを (株)リコー製 MF4570の画像形成部を用いて作成した未 定着画像を誘導加熱用のテスト機に通した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表 面のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら 変わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1.5mmと厚く 通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度力 S180°Cになるのに 50 秒必要であるが、本ローラでは、 9秒程度であった。(両方とも定格出力 800Wの場合 )
実施例 34
[0739] PFA粉 (低温焼成タイプ平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉 (平均粒径 0.3 μ m)を体積換 算で、 Niが 5%となる量を混入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステム に投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた (粉体 1)。次に、この粉体にニッケルを無電 解メツキする。方法としては、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした方法が適用できる。 ( 詳細は、表面技術 第 47卷 第 11号 P.896-P.899 など)このメツキ粉体を粉体 Cとす る。
[0740] この粉体 Cを、シリコンゴム層 300 μ mつけた定着ローラの芯金となるアルミニウム管上 にさらに重ねて静電塗装し、 340°Cで焼成溶融させた後に冷却し、定着ローラとした 。 PFA部の厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製した。その表面は、実施例 29と同様であった。 PFAは、透明なため上から見た状態ですべてが見えるようになつている。このローラを 富士ゼロックス社製 DocuCentre Color 500 CPの画像形成部を用いて作製した未定 着画像を誘導加熱用のテスト機に通した。このテスト機の基本構成は、図 58に示した 。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。特に大き な付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使用した芯 金は、定着部の管の厚みが 1.5mmと厚く通常のハロゲンヒータによる内部加熱では、 ローラの表面温度力 80°Cになるのに 50秒必要である力 本ローラでは、 30秒程度で あった。(両方とも定格出力 800Wの場合)最表面に発熱層があるためモノクロ機並み の立ち上げ時間となっている。 実施例 35
[0741] PFA粉 (低温焼成タイプ平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0.3 μ m)を体積換 算で、 Niが 5%となる量を混入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステム に投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた (粉体 1)。次に、この粉体にニッケルを無電 解メツキする。方法としては、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした方法が適用できる。 ( 詳細は、表面技術 第 47卷 第 11号 P.896-P.899 など)このメツキ粉体を粉体 Cとす る。
[0742] この粉体 Cとビスマス粉 (平均粒径 0.9 μ m)を混合した。ビスマス粉は、体積換算で、 3 %である。この混合粉を、シリコンゴム層 300 mつけた定着ローラの芯金となるアルミ -ゥム管上にさらに重ねて静電塗装し、 340°Cで焼成溶融させた後に冷却し、定着 ローラとした。 PFA部の厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い 、表面粗さ Rzで、 2 /z m以下としたものを作製した。その表面は、実施例 29と同様で あった。 PFAは、透明なため上力も見た状態ですべてが見えるようになつている。この ローラを富士ゼロックス社製 DocuCentre Color 500 CPの画像形成部を用いて作製し た未定着画像を誘導加熱用のテスト機に通した。このテスト機の基本構成は、図 58 に示した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観察した。 特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。また、このとき使 用した芯金は、定着部の管の厚みが 1.5mmと厚く通常のハロゲンヒータによる内部加 熱では、ローラの表面温度力 80°Cになるのに 50秒必要である力 本ローラでは、 15 秒程度であった。(両方とも定格出力 800Wの場合)最表面に発熱層があるためモノク 口機並みの立ち上げ時間となっている。さらに、ビスマス分の代わりに、(1)錫"!良系 (2)錫" ^系 (3)錫—亜鉛系 (4)錫„ 系 (5)錫"!良—ビスマス系 (6)錫—銀" ^—ビスマ ス系 (7)錫のそれぞれの微粉を同様に混合した結果も同様であった。
実施例 36
[0743] PFA粉(MP102平均粒径 φ 20 m)中に Ni粉(平均粒径 0.3 μ m)を体積換算で、 N S 5%となる量を混入し、(株)奈良機械製作所ハイブリダィゼーシヨンシステムに投入し、 Ni粉を PFA粉上に固着させた (粉体 1)。次に、この粉体にニッケルを無電解メツキす る。方法としては、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とした方法が適用できる。(詳細は、 表面技術 第 47卷 第 11号 P.896-P.899 など)このメツキ粉体は、粉体 Aである。次 に、 PFA粉 (MP102平均粒径 φ 20 /x m)と粉体 Aを下表の割合で混合して、定着ロー ラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°Cで塗装した榭脂を溶融させた後 に冷却し、これをコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 μ m以下としたもの を作製し、定着ローラとした。表層の最終厚み 40 /z m。このローラを (株)リコー製 M F4570装着した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面のトナーの付着状態を観 察した。特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変わりがな力つた。
[0744] [表 66]
Figure imgf000204_0001
比較として、粉体 Aに体積比 5%の Ni粉体を混合して成膜したものは、水の接触角 78° でトナーの付着が観測された。また、平均粒径が、 30 mの Niを粉体 Aに体積比 0.5%入れたものは、その 30 m程度の Niの部分にトナー付着が観測された。
実施例 37
[0745] 図 62に加熱手段を 2つ備えた例を示す。基本的な構成は、図 58の上部と同じである 。しかし、両面加熱できるため、紙の両面に付いた未定着トナーを定着することがで きる。
実施例 38
[0746] 実施例 28の粉体 Aを、定着ローラの芯金となるアルミニウム管に静電塗装し、 380°C で塗装した榭脂を溶融させた後に冷却し、その後に研磨することにより、定着ローラと した。最終厚み 50 m。これを粒径の異なるコランダム粒子で研磨を行い、表面粗さ Rzで、 2 m以下としたものを作製した。図 59にその表面を示した。 PFAは、透明な ため上から見た状態ですべてが見えるようになつている。図 60に図 59のものの断面 を示す。このローラを (株)リコー製 IMAGIO750の画像形成部を用いて作製した未 定着画像を誘導加熱用のテスト機に通した。この IMAGIO750のトナーは、離型性が 不十分なためテスト機にシリコンオイル含侵されたオイル塗布部材を追加して 、る。こ のテスト機の基本構成は、図 63に示した。 10000枚、黒ベタ画像を通し、ローラ表面 のトナーの付着状態を観察した。特に大きな付着は観察されず。通常のものと何ら変 わりがな力つた。また、このとき使用した芯金は、定着部の管の厚みが 1.5mmと厚く通 常のハロゲンヒータによる内部加熱では、ローラの表面温度力 S180°Cになるのに 50秒 必要であるが、本ローラでは、 5秒程度であった。(両方とも定格出力 800Wの場合) 実施例 39
[0747] 実施例 29と同様にローラを作製し、 Rzを 2 μ mとしたものを作製した。
[0748] 0.5 (kgf/cm2)以下では、定着性が非常に悪ぐ 4.0 (kgf/cm2)以上では、定着ローラ へのトナー付着が見られた。定着性は、定着後のベた画像に面の布を擦りつけ顕著 に布にトナーが付いてものを定着不良とし、簡易判定した。
[0749] [表 67]
加圧力による比較例
加圧力 (kgf/cm2) 付着トナー量 紙の巻き付き
0.3 なし なし
0.5 なし なし
1.0 なし なし
2.0 見られる なし
4.0 非常に多い ジャムが多発 本発明は上述の実施の形態に限られず、以下に記載する請求の範囲に記載の技 術的範囲内で他の様々な実施の形態にて実現することが可能である。
本願は 2003年 10月 24日出願の特願 2003— 364598号、 2004年 3月 17日出願 の 2004- 076530号及び 2004年 10月 18日出願の特願 2004- 302585号を基礎と したものであり、ここで引用することによってその内容をここに組み入れる。

Claims

請求の範囲
[1] 被加熱部材に接触し該被加熱部材を加熱する加熱部材にお!ヽて、 離型性を有す る榭脂材料に熱伝導性と導電性のいずれか一方または両方を有する材料が混在し た表層を有し、その熱伝導性と導電性の 、ずれか一方または両方を有する材料が連 接して 、ることを特徴とする加熱部材。
[2] 請求項 1記載の加熱部材にお 、て、 離型性を有する榭脂材料はフッ素榭脂である ことを特徴とする加熱部材。
[3] 請求項 2記載の加熱部材において、 熱伝導性と導電性のいずれか一方または両方 を有する材料は金属であり、その金属がフッ素榭脂に混在した表層を有し、前記金 属が連接して 、ることを特徴とする加熱部材。
[4] 請求項 3記載の加熱部材において、 前記フッ素榭脂として、融点の異なる 2種類以 上のフッ素榭脂を含み、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂は、連接した金属に取 り囲まれて!/ヽることを特徴とする加熱部材。
[5] 請求項 3または 4記載の加熱部材において、 連接している金属が球殻またはその 変形形状をしており、それら球殻が連接していることを特徴とする加熱部材。
[6] 請求項 3乃至 5のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記金属材料として
、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、錫、ビス マスの 、ずれかの金属または、これら金属の 、ずれか 1つ以上を含む金属または合 金の粒子またはフィラーを含むことを特徴とする加熱部材。
[7] 請求項 3乃至 6のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記金属材料として
、(1)錫—銀系、(2)錫 銅系、(3)錫—亜鉛系、(4)錫—銀 系、(5)錫"!良—ビスマス系、
(6)錫"!良 銅 ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマス、(11)銀 ビス マス系のいずれかの金属または合金を含むことを特徴とする加熱部材。
[8] 請求項 1乃至 7のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記フッ素榭脂に、 炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることを特徴とする加熱部材。
[9] 請求項 1乃至 8のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の水に対 する接触角が 80° 以上であることを特徴とする加熱部材。
[10] 請求項 3乃至 9のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の金属部 分は、その断面において厚さが 50 m以下であることを特徴とする加熱部材。
[11] 請求項 3乃至 10のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の金属部 分は、その断面において最大幅部が 30 m以下であることを特徴とする加熱部材。
[12] 請求項 3乃至 11のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層に含まれ る金属は、被加熱部材を加熱する時の温度より高! ヽ融点を有することを特徴とする加 熱部材。
[13] 請求項 1乃至 12のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の表面粗 さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以下にすることを特徴とする加熱部材。
[14] 請求項 1乃至 13のいずれか一つに記載の加熱部材において、 ローラ状もしくは無 端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を有し、前記表層が 熱伝導層として機能することを特徴とする加熱部材。
[15] 請求項 1乃至 13のいずれか一つに記載の加熱部材において、 ローラ状もしくは無 端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が導電層として機能し、該導電層に渦電 流を発生させて発熱させることを特徴とする加熱部材。
[16] 請求項 15記載の加熱部材において、 前記基材は、前記表層が形成される面に弹 性層もしくは断熱層を有することを特徴とする加熱部材。
[17] 請求項 3乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械 混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、膜とし たことを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[18] 請求項 3乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した粉体または、該粉体をフッ素榭脂粉体と機械 混合した粉体を使用し、それらを水溶液中に分散し、その塗装液により、加熱部材の 基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[19] 請求項 17または 18記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に 金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属粉を混合しながら機械的な圧力と 剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属粉を固 着させて作製した金属被覆粉体、または、金属粉体を衝撃力によりフッ素榭脂に固 定化して作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴とする加熱部材表層の作製方法
[20] 請求項 3乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉体とを、機械混合 し、その混合した粉体を加熱部材の基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことを 特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[21] 請求項 3乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂と、榭脂コートした金属または金属を榭脂に分散した粉体とを、水溶液中 に分散し、それを塗装液として加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを 特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[22] 請求項 17乃至 21のいずれか一つに記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂の融点以上に加熱することを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[23] 請求項 4乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素榭 脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂 粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装した後、最も融点が高 ヽフッ素榭脂粒 子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることを特徴とする加熱部材表層の作製方 法。
[24] 請求項 4乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素榭 脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂 粒子を積層するように加熱部材の基材に静電塗装した後、最も融点が高いフッ素榭 脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることを特徴とする加熱部材表層の作 製方法。
[25] 請求項 4乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素榭 脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂 粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部材の基材に塗装した 後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱して膜とすることを 特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[26] 請求項 4乃至 16のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素榭 脂粒子には金属が表面被覆されており、その融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂 粒子を、それぞれ水溶液中に分散して作製した塗装液を、加熱部材の基材に積層 するように塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度で加熱 して膜とすることを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[27] 請求項 23乃至 26のいずれか一つに記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属粉を混合しなが ら、機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加 熱により金属粉を固着させて作製した金属被覆粉体、または、金属粉体を衝撃力に よりフッ素榭脂に固定ィ匕して作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴とする加熱部 材表層の作製方法。
[28] 被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱し、記録材上の未定 着画像を定着する定着部材において、 請求項 14乃至 16のいずれか一つに記載 の加熱部材からなることを特徴とする定着部材。
[29] 励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導 加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備え、前記加熱部材として請求項 15また は 16に記載の加熱部材を用 、たことを特徴とする加熱装置。
[30] シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体を加熱する加熱手 段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧する加熱装置において、 前記加熱手 段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体に設けられた導電層に渦電流を発生 させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段から成り、 2つの回転体のいずれか 一方または両方に、請求項 15または 16に記載の加熱部材を用 、たことを特徴とする 加熱装置。
[31] 請求項 30記載の加熱装置において、 前記加熱手段を 2つ備え、 2つの回転体が 2 つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることを特徴とする加熱装置。
[32] 周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接される加圧部材 とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過する記録材をカロ 熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定着方法にぉ 、 て、 前記定着部材として請求項 28に記載の定着部材を用いたことを特徴とする定 着方法。
[33] 請求項 32記載の定着方法において、 ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成 された画像の定着を行うことを特徴とする定着方法。
[34] 請求項 29記載の加熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成され た画像の定着を行うことを特徴とする定着方法。
[35] 請求項 30または 31記載の加熱装置を用い、 2つの回転体の一方を定着部材、他方 を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持 搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを 特徴とする定着方法。
[36] 請求項 32、 33、 34、 35のいずれか一つに記載の定着方法において、 前記加熱部 材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と加圧部材のうち少なくとも定着部 材に離型剤を塗布することを特徴とする定着方法。
[37] 周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接される加圧部材 とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過する記録材を加熱 及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定着装置にぉ ヽて 、 前記定着部材として請求項 28に記載の定着部材を用いたことを特徴とする定着 装置。
[38] 請求項 37記載の定着装置において、 ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成 された画像の定着を行うことを特徴とする定着装置。
[39] 請求項 29記載の加熱装置を備え、ワックス含有のトナーを用いてシート状の被加熱 部材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする定着装置。
[40] 請求項 30または 31記載の加熱装置を備え、 2つの回転体の一方を定着部材、他方 を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持 搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを 特徴とする定着装置。
[41] 請求項 37、 38、 39、 40のいずれか一つに記載の定着装置において、 前記加熱部 材に離型剤を塗布する、あるいは前記定着部材と前記加圧部材のうち少なくとも定 着部材に離型剤を塗布することを特徴とする定着装置。
[42] 請求項 37、 38、 39、 40、 41のいずれか一つに記載の定着装置において、 前記定 着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記記録材に対する 加圧力 F[kgf]を割った商力 0.
5 [kgf/cm2]以上となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[43] 請求項 37、 38、 39、 40、 41、 42のいずれか一つに記載の定着装置において、 前 記定着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記記録材に対 する加圧力 F[kgf]を割った商力 4. 0[kgfZcm2]以下となるようにしたことを特徴と する定着装置。
[44] シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記録材にトナー画 像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、 前記定着部に、請求項 3 2乃至 36のいずれか一つに記載の定着方法を用いたことを特徴とする画像形成装 置。
[45] シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記録材にトナー画 像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、 前記定着部に、請求項 3 7乃至 43のいずれか一つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装 置。
[46] 被加熱部材に接触し該被加熱部材を加熱する請求項 1に記載の加熱部材にお ヽて 、 離型性を有する榭脂材料に、少なくとも 1種類の熱伝導性の金属材料および少な くとも 1種類の熱伝導性の非金属材料が混在した表層を有し、その熱伝導性の金属 材料および熱伝導性の非金属材料が連接していることを特徴とする加熱部材。
[47] 請求項 46記載の加熱部材において、 離型性を有する榭脂材料はフッ素榭脂であ ることを特徴とする加熱部材。
[48] 請求項 47記載の加熱部材において、 前記フッ素榭脂として、融点の異なる 2種類 以上のフッ素榭脂を含み、少なくとも最も融点が高いフッ素榭脂は、連接した金属材 料および非金属材料に取り囲まれて!/、ることを特徴とする加熱部材。
[49] 請求項 47または 48記載の加熱部材において、 連接している金属材料および非金 属材料が球殻またはその変形形状をしており、それら球殻が連接していることを特徴 とする加熱部材。
[50] 請求項 47乃至 49のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記金属材料とし て、金、銀、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、錫、ビ スマスの 、ずれかの金属または、これら金属の 、ずれか 1つ以上を含む金属または 合金の粒子またはフィラーを含むことを特徴とする加熱部材。
[51] 請求項 47乃至 50のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記金属材料とし て、(1)錫 銀系、(2)錫 銅系、(3)錫 亜鉛系、(4)錫 銀 系、(5)錫"!良 ビスマス系
、(6)錫 銀 ビスマス系、(7)錫系、(8)錫、(9)ビスマス系、(10)ビスマスのいずれか の金属または合金を含むことを特徴とする加熱部材。
[52] 請求項 46乃至 51のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記フッ素榭脂に
、炭素系材料を含有したフッ素榭脂を用いることを特徴とする加熱部材。
[53] 請求項 46乃至 52のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の水に 対する接触角が 80° 以上であることを特徴とする加熱部材。
[54] 請求項 47乃至 53のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の金属 材料および非金属材料部分は、その断面において厚さが 50 m以下であることを特 徴とする加熱部材。
[55] 請求項 47乃至 54のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の金属 材料および非金属材料部分は、その断面において最大幅部が 30 m以下であるこ とを特徴とする加熱部材。
[56] 請求項 47乃至 55のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層に含ま れる金属材料および非金属材料は、被加熱部材を加熱する時の温度より高!、融点 を有することを特徴とする加熱部材。
[57] 請求項 46乃至 56のいずれか一つに記載の加熱部材において、 前記表層の表面 粗さを、 10点平均粗さ (Rz)として 5 μ m以下にすることを特徴とする加熱部材。
[58] 請求項 46乃至 57のいずれか一つに記載の加熱部材において、 ローラ状もしくは 無端ベルト状の基材上に表層を有し、前記基材の内側に発熱手段を有し、前記表層 が熱伝導層として機能することを特徴とする加熱部材。
[59] 請求項 46乃至 57のいずれか一つに記載の加熱部材において、 ローラ状もしくは 無端ベルト状の基材上に表層を有し、該表層が、少なくとも 1種類の熱伝導性の金属 材料および少なくとも 1種類の熱伝導性の非金属材料が混在した表層を有し、その 熱伝導性の金属材料および熱伝導性の非金属材料が連接して!/ヽる熱伝導層と該熱 伝導層よりも基材側にあり渦電流を発生させて発熱しうる導電層を有することを特徴 とする加熱部材。
[60] 請求項 59記載の加熱部材において、 前記基材は、前記表層が形成される面に弹 性層もしくは断熱層を有することを特徴とする加熱部材。
[61] 請求項 47乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した粉体または、該粉体 をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを加熱部材の基材に静電塗 装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[62] 請求項 47乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆した粉体または、該粉体 をフッ素榭脂粉体と機械混合した粉体を使用し、それらを水溶液中に分散し、その塗 装液により、加熱部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする加熱部 材表層の作製方法。
[63] 請求項 61または 62記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に 金属材料および非金属材料を表面被覆したものとして、フッ素榭脂に金属材料粉お よび非金属材料粉を混合しながら機械的な圧力と剪断力を加え、混合粉体を外部か らの加熱または摩擦による加熱により金属材料粉および非金属材料粉を固着させて 作製した被覆粉体、または、金属材料粉および非金属材料粉を衝撃力によりフッ素 榭脂に固定化して作製した被覆粉体を用いたことを特徴とする加熱部材表層の作製 方法。
[64] 請求項 47乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または金属材料および非 金属材料を榭脂に分散した粉体とを、機械混合し、その混合した粉体を加熱部材の 基材に静電塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする加熱部材表層の作製方法
[65] 請求項 47乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 フッ素榭脂と、榭脂コートした金属材料および非金属材料または金属材料および非 金属材料を榭脂に分散した粉体とを、水溶液中に分散し、それを塗装液として加熱 部材の基材に塗装した後、加熱し、膜としたことを特徴とする加熱部材表層の作製方 法。
[66] 請求項 61乃至 65のいずれか一つに記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂の融点以上に加熱することを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[67] 請求項 48乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素 榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その融点の異な る 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合して加熱部材の基材に静電塗装した後、最も 融点が高 、フッ素榭脂粒子の融点よりも低 、温度で加熱して膜とすることを特徴とす る加熱部材表層の作製方法。
[68] 請求項 48乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素 榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その融点の異な る 2種類以上のフッ素榭脂粒子を積層するように加熱部材の基材に静電塗装した後 、最も融点が高 、フッ素榭脂粒子の融点よりも低 、温度で加熱して膜とすることを特 徴とする加熱部材表層の作製方法。
[69] 請求項 48乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素 榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その融点の異な る 2種類以上のフッ素榭脂粒子を混合し水溶液中に分散して作製した塗装液を、加 熱部材の基材に塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の融点よりも低い温度 で加熱して膜とすることを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[70] 請求項 48乃至 60のいずれか一つに記載の加熱部材の表層の作製方法において、 融点の異なる 2種類以上のフッ素榭脂粒子の中で少なくとも最も融点が高いフッ素 榭脂粒子には金属材料および非金属材料が表面被覆されており、その融点の異な る 2種類以上のフッ素榭脂粒子を、それぞれ水溶液中に分散して作製した塗装液を 、加熱部材の基材に積層するように塗装した後、最も融点が高いフッ素榭脂粒子の 融点よりも低い温度で加熱して膜とすることを特徴とする加熱部材表層の作製方法。
[71] 請求項 67乃至 70のいずれか一つに記載の加熱部材表層の作製方法において、 フッ素榭脂粒子に金属材料および非金属材料を表面被覆したものとして、フッ素榭 脂に金属材料粉および非金属材料粉を混合しながら、機械的な圧力と剪断力をカロ え、混合粉体を外部からの加熱または摩擦による加熱により金属材料粉および非金 属材料粉を固着させて作製した被覆粉体、または、金属材料粉および非金属材料 粉を衝撃力によりフッ素榭脂に固定化して作製した被覆粉体を用いたことを特徴とす る加熱部材表層の作製方法。
[72] 被加熱部材であるシート状の記録材に接触して該記録材を加熱し、記録材上の未定 着画像を定着する定着部材において、 請求項 58乃至 60のいずれか一つに記載 の加熱部材からなることを特徴とする定着部材。
[73] 励磁手段と、該励磁手段によって導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導 加熱による発熱手段を有する加熱部材とを備え、前記加熱部材として請求項 59また は 60に記載の加熱部材を用いたことを特徴とする加熱装置。
[74] シート状の被加熱部材を挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体を加熱する加熱手 段とを備え、前記被加熱部材を加熱及び加圧する加熱装置において、 前記加熱手 段は、励磁手段と、該励磁手段によって回転体に設けられた導電層に渦電流を発生 させて発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段から成り、 2つの回転体のいずれか 一方または両方に、請求項 59または 60に記載の加熱部材を用いたことを特徴とする 加熱装置。
[75] 請求項 74記載の加熱装置において、 前記加熱手段を 2つ備え、 2つの回転体が 2 つの加熱手段によりそれぞれ加熱されることを特徴とする加熱装置。
[76] 周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接される加圧部材 とを用い、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過する記録材をカロ 熱及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定着方法にぉ 、 て、 前記定着部材として請求項 72に記載の定着部材を用いたことを特徴とする定 着方法。
[77] 請求項 76記載の定着方法において、 ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成 された画像の定着を行うことを特徴とする定着方法。
[78] 請求項 73記載の加熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成され た画像の定着を行うことを特徴とする定着方法。
[79] 請求項 74または 75記載の加熱装置を用い、 2つの回転体の一方を定着部材、他方 を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持 搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを 特徴とする定着方法。
[80] 請求項 76, 77, 79のいずれか一つに記載の定着方法において、 前記定着部材と 加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを特徴
とする定着方法。
[81] 周面が周回するように支持された定着部材と、前記定着部材に圧接される加圧部材 とを有し、前記定着部材に前記加圧部材が圧接される領域を通過する記録材を加熱 及び加圧して、該記録材上に担持された未定着画像を定着する定着装置にぉ ヽて 、 前記定着部材として請求項 72に記載の定着部材を用いたことを特徴とする定着 装置。
[82] 請求項 81記載の定着装置において、 ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成 された画像の定着を行うことを特徴とする定着装置。
[83] 請求項 73記載の加熱装置を備え、ワックス含有のトナーを用いてシート状の被加熱 部材に形成された画像の定着を行うことを特徴とする定着装置。
[84] 請求項 74または 75記載の加熱装置を備え、 2つの回転体の一方を定着部材、他方 を加圧部材とし、定着部材と加圧部材の圧接部で被加熱部材である記録材を挟持 搬送し、ワックス含有のトナーを用いて記録材に形成された画像の定着を行うことを 特徴とする定着装置。
[85] 請求項 81, 82, 84のいずれか一つに記載の定着装置において、 前記定着部材と 前記加圧部材のうち、少なくとも定着部材に離型剤を塗布することを特徴とする定着 装置。
[86] 請求項 81, 82, 84, 85のいずれか一つに記載の定着装置において、 前記定着部 材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記記録材に対する加圧 力 F[kgf]を割った商力 0. 5 [kgfZcm2]以上となるようにしたことを特徴とする定着 装置。
[87] 請求項 81, 82, 84, 85, 86のいずれか一つに記載の定着装置において、 前記定 着部材と前記加圧部材の圧接する接触部分の面積 S [cm2]で前記記録材に対する 加圧力 F[kgf]を割った商力 4. 0[kgfZcm2]以下となるようにしたことを特徴とする 定着装置。
[88] シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記録材にトナー画 像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、 前記定着部に、請求項 7 6乃至 80のいずれか一つに記載の定着方法を用いたことを特徴とする画像形成装 置。
[89] シート状の記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、前記記録材にトナー画 像を定着させる定着部を備えた画像形成装置において、 前記定着部に、請求項 8 1乃至 87のいずれか一つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装 置。
[90] 発熱手段を有し周面が周回するように支持された定着部材と前記定着部材に圧接さ れる加圧部材とを有し、前記加圧部材が前記定着部材と圧接される領域を通過する 記録材を加熱および加圧して該記録材上に担持されたトナー像を定着する定着装 置に用いる請求項 28に記載の定着部材であって、その表層が、 フッ素榭脂と熱良 導体からなり、 前記熱良導体は連接しており、 前記熱良導体は前記フッ素榭脂の 融点よりも低融点の熱良導体を少なくとも 1種類含み、 前記熱良導体は前記フッ素 榭脂の融点よりも高融点でありかつ形状異方性を有する熱良導体を少なくとも 1種類 含み、 前記形状異方性を有する熱良導体は、前記フッ素榭脂の融点よりも低融点 の熱良導体に取り囲まれている構造を有することを特徴とする表層を持つ請求項 28 に記載の定着部材。
[91] 請求項 90に記載の定着部材であって、 形状異方性を有する熱良導体として予め 金属に被覆されている熱良導体を使用することを特徴とする定着部材。
[92] 請求項 90又は 91に記載の定着部材において、 連接している熱良導体が球殻また は、その変形形状をし、それら球殻が連接していることを特徴とする定着部材。
[93] 請求項 90乃至 92のいずれかに記載の定着部材において、 水に対する接触角が 8 0° 以上であることを特徴とする表層を有する定着部材。
[94] 請求項 90乃至 93のいずれかに記載の定着部材においてその表層の表面粗さが、 Rz (10点平均粗さ)として 5 μ m以下にすることを特徴とする表層を持つ定着部材。
[95] 請求項 90乃至 94のいずれかに記載の定着部材の表層を作製する方法であって、 フッ素榭脂粒子に金属が表面被覆されている複合粉体と形状異方性を有する熱良 導体を混合して前記回転体に静電塗装した後、加熱して膜とすることを特徴とした定 着部材表層の作製方法。
[96] 請求項 90乃至 94のいずれかに記載の定着部材の表層を作製する方法であって、 フッ素榭脂粒子に金属を表面被覆した複合粉体として、フッ素榭脂に金属粉を混合 しながら、機械的な圧力とせん断力で、混合粉体を外部からの加熱、または、摩擦に よる加熱により金属粉を固着させ作製した金属被覆粉体または、金属粉体を衝撃力 により、フッ素榭脂に固定化し作製した金属被覆粉体を用いたことを特徴とした定着 部材表層の作製方法。
[97] 請求項 90乃至 94の 、ずれかに記載の定着部材を用いた定着装置を用いた定着方 法であって、 表層の表面に離型剤を供給することを特徴とする電子写真画像の定 着方法。
[98] 請求項 90乃至 94のいずれかに記載の定着部材を用いた定着装置において、 表 層の表面に離型剤を供給する手段を具備したことを特徴とする定着装置。
[99] 請求項 90乃至 94の ヽずれかに記載の定着部材を用いた電子写真画像の定着装置 或いは請求項 98に記載の電子写真画像の定着装置において、 2つの回転体の圧 接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を割った 商力 0.5 [kgfZcm2]以上となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[100] 請求項 90乃至 94のいずれかに記載の定着部材を用いた電子写真画像の定着装置 或いは請求項 98に記載の電子写真画像の定着装置において、 2つの回転体の圧 接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を割った 商が、 4.0[kgfZcm2]以下となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[101] 請求項 90乃至 94のいずれかに記載の定着部材を用いた電子写真画像の定着装置 或いは請求項 98乃至 100の 、ずれかに記載の電子写真画像の定着装置を用いる ことを特徴とする画像形成装置。
[102] 発熱手段を有し、周面が周回するように支持された定着部材と前記定着部材に圧接 される加圧部材とを有し、前記加圧部材が前記定着部材と圧接される領域を通過す る記録材を加熱および加圧して該記録材上に担持されたトナー像を定着する定着装 置に用いる請求項 28に記載の定着部材において、 ノ リスタ特性を持つ粒子と,また は、さらに他の金属粒子とフッ素榭脂よりなる表層であって、その粒子が連接している ことを特徴とした表層を持つ定着部材。
[103] 請求項 102に記載の定着部材の作製方法において、 フッ素榭脂粒子にバリスタ特 性を持つ粒子,または、さらに他の金属粒子をフッ素榭脂の表面に固定した粉体を作 製し、その粉体を一部または、全部使用し、前記回転体に塗装した後、加熱し、膜と したことを特徴とした定着部材表層の作製方法。
[104] 前記フッ素榭脂粒子にバリスタ特性を持つ粒子,または、さらに他の金属粒子をフッ 素榭脂の表面に固定した粉体の作製法として、フッ素榭脂にバリスタ特性を持つ粒 子,または、さらに他の金属粒子を混合しながら、機械的な圧力とセン断力で、混合 粉体を外部からの加熱、または、摩擦による加熱により金属粉を固定化し作製した金 属被覆粉体または、金属粉体を衝撃力により、フッ素榭脂に固定化し作製した金属 被覆粉体を用いたことを特徴とした請求項 103に記載の定着部材表層の作製方法。
[105] 請求項請求項 103又は 104に記載の作製方法において、 フッ素榭脂の融点以上 に加熱することを特徴とした定着部材の作製方法。
[106] 請求項 102に記載の定着部材において、 その表層は、金、銀、銅、鉛、ニッケル、 亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズのいずれか 1つ以上を含む金属 相を持つことを特徴とした定着部材。
[107] 前記バリスタ特性を持つ粒子として酸ィ匕亜鉛を主成分としプラセォジゥム、ランタン、 コバルトを含む粉体を用いることを特徴とした表層を持つ請求項 102, 103又は 104 に記載の定着部材。
[108] 請求項 104乃至 105のいずれかに記載の作製方法において、 静電塗装を用い、 その後加熱し膜とすることを特徴とする定着部材の作製方法。
[109] 請求項 104乃至 105のいずれかに記載の作製方法において、 ノリスタ特性を持つ 粒子,または、さらに他の金属粒子をフッ素榭脂の表面に固定した粉体を水に分散さ せ、コーティングした後加熱し膜とすることを特徴とする定着部材の作製方法。
[110] 請求項 102に記載の定着部材において、 その表層の水に対する接触角が 80° 以 上であることを特徴とする表層を持つ定着部材。
[111] 請求項 102に記載の定着部材において、 その表層の金属相は、その断面におい て、最大厚さが 50 m以下であることを特徴とする表層を持つ定着部材。
[112] 請求項 102、 106, 107のいずれかに記載の定着部材において、 その表層に含ま れる金属は、定着時の温度より高い融点を有することを特徴とする表層を持つ定着 部材。
[113] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材において、 その表層の表面 粗さが、 Rz (10点平均粗さ)として 5 μ m以下にすることを特徴とする表層を持つ定着 部材。
[114] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材を用い、ワックス含有のトナー を用いて定着を行うことを特徴とする電子写真画像の定着方法。
[115] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材を用い、ワックス含有のトナー を用いて定着を行うことを特徴とする電子写真画像の定着装置。
[116] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材を用いる定着方法、請求項 1 14に記載の定着方法或いは請求項 114に記載の定着装置を用いた定着方法にお いて、 回転体の一方または、その両方に離型剤を塗布することを特徴とする電子写 真画像の定着方法。
[117] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材を用いた定着装置、請求項 1 14又は 116に記載の定着方法を用いた定着装置或 、は請求項 115に記載の定着 装置において、 回転体の一方または、その両方に離型剤を塗布することを特徴とす る電子写真画像の定着装置。
[118] 請求項 115又は 117に記載の電子写真画像の定着装置において用いる定着方法 であって、 2つの回転体の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に 対する加圧力 F [kgf ]を割った商力 0.5 [kgf/cm2]以上となるようにしたことを特徴 とする電子写真画像の定着方法。
[119] 請求項 115又は 117に記載の電子写真画像の定着装置において、 2つの回転体 の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を割 つた商が、 4.0 [kgf/cm2]以下となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[120] 請求項 102, 106, 107のいずれかに記載の定着部材を用いた定着装置と画像形 成部とを備え、該画像形成部でシート上にトナー画像を形成し、前記定着装置でシ ートにトナー画像を定着させることを特徴とする画像形成装置。
[121] 励磁手段と該励磁手段によって発熱体に設けられた導電層に渦電流を発生させて 発熱させる電磁誘導加熱による発熱手段とを有してなり、 前記発熱手段は前記発 熱体に設けられた導電層が金属とフッ素榭脂よりなり、金属が球殻またはその変形形 状を有しそれら球殻が接続している表層を持つことを特徴とする請求項 29に記載の 加熱装置。
[122] シートを挟持搬送する 2つの回転体と、該回転体を加熱する加熱手段とを備え、シー トを加熱及び加圧する請求項 2
9に記載の加熱装置において、 前記加熱手段は、励磁手段と、該励磁手段によつ て回転体に設けられた導電層に渦電流を発生させて発熱させる電磁誘導加熱による 発熱手段とを有してなり、 前記発熱手段は前記回転体に設けられた導電層が金属 とフッ素榭脂よりなり、金属が球殻またはその変形形状を有しそれら球殻が接続して いる表層を持つことを特徴とする加熱装置。
[123] 請求項 121又は 122に記載の加熱装置の作製方法であって、 前記導電層を、無 電解メツキにより生成することを特徴とする加熱装置の作製方法。
[124] 請求項 121又は 122に記載の加熱装置において、 前記導電層が、(1)錫一銀系、(2) 錫—銅系、(3)錫—亜鉛系、(4)錫„ 系、(5)錫"!良—ビスマス系、(6)錫„ —ビ スマス系、(7)錫、(8)ビスマスのいずれかの金属を含むことを特徴とする加熱装置。
[125] 請求項 121, 122, 124のいずれかに記載の加熱装置において、 前記導電層を前 記回転体の表層とし、被加熱体と接する構成としたことを特徴とする加熱装置。
[126] 請求項 125の加熱装置において、 前記回転体の導電層の水に対する接触角が 80
° 以上であることを特徴とする加熱装置。
[127] 請求項 121, 122, 124, 125, 126のいずれ力に記載のカロ熱装置において、 前記 導電層の金属部分は、その断面において、最大幅部が 30 m以下であることを特徴 とする加熱装置。
[128] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力に記載のカロ熱装置において 用いる前記導電層の作製法において、 フッ素榭脂に無電解メツキした粉体単独ま たは粉体とフッ素榭脂粉体とを機械混合し、前記回転体に静電塗装した後、加熱し、 膜とすることを特徴とした導電層の作製方法。
[129] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力に記載のカロ熱装置における前 記導電層の作製法において、 フッ素榭脂に金属コーティングした粉体単独でまた は粉体とフッ素榭脂粉体とを水溶液中に分散し、その塗装液により前記回転体に塗 装した後、加熱し、膜とすることを特徴とした導電層の作製方法。
[130] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力に記載のカロ熱装置において、 前記導電層に含まれる金属または合金は、定着加熱時の温度より高 ヽ融点を有す ることを特徴とする加熱装置。
[131] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127のいずれ力に記載のカロ熱装置において、 その最表層の表面粗さ力 Rz (10点平均粗さ)として 5 m以下にすることを特徴と する加熱装置。
[132] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131のいずれ力に記載のカロ熱装 置において、 前記加熱手段を 2つ備え、 2つの回転体が 2つの加熱手段によりそれ ぞれ加熱されることを特徴とする加熱装置。
[133] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ力に記載のカロ 熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて定着を行なうことを特徴とする電子写 真画像の定着方法。
[134] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ力に記載のカロ 熱装置を用い、ワックス含有のトナーを用いて定着を行なうことを特徴とする電子写 真画像の定着装置。
[135] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ力に記載のカロ 熱装置を用いた定着方法、請求項 133に記載の定着方法或いは請求項 134に記載 の定着装置に用いる定着方法であって、 回転体の一方またはその両方に離型剤を 塗布することを特徴とする電子写真画像の定着方法。
[136] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ力に記載のカロ 熱装置を用いた定着装置、請求項 133に記載の定着方法を用いた定着装置或いは 請求項 134に記載の定着装置であって、 回転体の一方またはその両方に離型剤 を塗布してなることを特徴とする電子写真画像の定着装置。
[137] 請求項 134又は 136に記載の電子写真画像の定着装置において、 2つの回転体 の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を割 つた商が、 0.5 [kgf/cm2]以上となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[138] 請求項 134又は 136に記載の電子写真画像の定着装置において、 2つの回転体 の圧接する接触部分の面積 S[cm2]で前記被定着部材に対する加圧力 F[kgf]を割 つた商が、 4.0 [kgf/cm2]以下となるようにしたことを特徴とする定着装置。
[139] 請求項 121, 122, 124, 125, 126, 127, 130, 131, 132のいずれ力に記載のカロ 熱装置と画像形成部とを備え、該画像形成部でシート上にトナー画像を形成し、前 記加熱装置でシートにトナー画像を定着させることを特徴とする画像形成装置。
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