JP4586406B2 - 定着装置、定着ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

定着装置、定着ベルトおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置は、図9に示したように、円筒状の芯金111に耐熱性弾性体層112と、その外周面に離型層113とが積層して形成され、芯金111の内部にはハロゲンヒータ等からなる加熱源114が配設された定着ロール110と、この定着ロール110に対して圧接配置され、芯金121に耐熱性弾性体層122と、その外周面に耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層123とが積層して形成された加圧ロール120とで構成されている。そして、定着ロール110と加圧ロール120との間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、2ロール方式と呼ばれて、従来より一般に広く利用されている。
ところが、2ロール方式のように、定着ロールの内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設し、このハロゲンヒータ等からの輻射熱によって定着ロールを内部から加熱する構成では、ハロゲンヒータ等と定着ロール内周面との間に存在する空気層が断熱層として作用することや、さらには定着ロール自体が熱容量を有すること等によって、ハロゲンヒータ等が発熱を開始してから定着ロール表面に熱が伝達されるまでにタイムラグが発生する。そのため、定着装置においては、定着ロールを室温から定着可能温度まで上昇させるための時間、すなわち「ウォームアップタイム」が存在する。
そこで、定着装置においてウォームアップタイムを短縮するための技術として、磁性金属部材である鉄製の芯金シリンダからなる定着ロールに対し、磁束発生手段としての誘導コイルアセンブリを定着ロールの内部に配設し、誘導コイルアセンブリに交流電流を印加することで誘導磁界を作り出し、定着ロールの芯金シリンダに渦電流を誘起してジュール熱を発生させることで、定着ロールを直接的に加熱するように構成した誘導加熱方式の定着装置に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−186322号公報(第4−5頁)
ところで、誘導加熱方式の定着装置では、高周波電源によって誘導コイルに高周波交流電流を流し、誘導コイルから発生した磁束が加熱部材の金属層を横切ることにより、金属層に渦電流を誘起させて発熱させている。その際、上記した特許文献1に記載された定着装置のように、加熱部材として定着ロールを用いた場合には、定着ロールの金属層が直接加熱されることからウォームアップタイムを短縮する効果はあるが、他方で、定着ロールの金属層には、ニップ部での加圧力(ニップ圧)の下で定着ロールの変形(撓み)を抑えるだけの強度を確保するために、ある程度の肉厚が必要となる。そのために、定着ロールの熱容量は大きなものとなり、誘導加熱による直接加熱のメリットを充分に生かすことができない。
それに対して、加熱部材を熱容量の小さいベルト部材で形成すれば、加熱部材の熱容量を小さく構成することができるので、誘導加熱による直接加熱のメリットを充分に生かして、ウォームアップタイムを充分に短縮することが可能となる。その場合には、ベルト部材を金属による薄膜体で構成するか、樹脂ベルト基材上に薄肉状の金属層を設けた構成とすることが可能である。例えば、ベルト部材として、Ni電鋳や塑性加工により薄肉化したステンレス等の金属薄層上に、トナー離型層としてフッ素樹脂層を形成した構成を用いることができる。また、ポリイミド等の耐熱樹脂基材上に、発熱層として金属薄層を形成し、金属薄層の上にトナー離型層としてフッ素樹脂層を形成した構成を用いることもできる。
しかしながら、加熱部材を熱容量の小さいベルト部材で形成した場合には、ベルト部材はニップ部を通過する際に加圧されながら回動するので、金属薄層上に薄層に形成されたトナー離型層には、特に記録紙のエッジが当接することによる摩耗が生じ易く、それによって、ベルト部材表面に段差状の傷が形成される場合がある。ベルト部材表面に傷が生じると、その部分にはトナーが堆積し易い。そのため、その堆積して固着したトナーに記録紙上のトナー像からトナーがオフセットし、そのオフセットトナーが定着画像にトナー汚れを生じさせる場合がある。また、ベルト部材表面の傷が進行した場合には、最終的にトナー離型層自体の剥離につながり、その場合には高品質な定着画像を形成することが困難となる場合もある。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、誘導加熱方式の定着装置に使用可能なベルト部材において、トナーに対する離型性を維持しながら、ベルト部材表面の耐摩耗性や耐剥離性の向上を図ることにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、外表面に離型層が形成されたベルト部材と、ベルト部材を加熱する加熱部材と、ベルト部材に圧接しながら記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え、ベルト部材は、離型層がフッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成されていることを特徴としている。
ここで、ベルト部材の離型層は、フッ素系化合物微粒子がPTFE微粒子またはフッ化ピッチ微粒子であることを特徴とすることをができる。また、ベルト部材の離型層は、フッ素系化合物微粒子の添加量が10〜30重量%であることを特徴とすることもできる。さらに、ベルト部材の離型層は、ニッケルまたは銅を金属マトリックスとしたことを特徴とすることもできる。さらにまた、ベルト部材の離型層は、10〜100μmの膜厚で形成された構成とすることもできる。
また、加熱部材は、電磁誘導加熱部材であることを特徴とすることもできる。
また、本発明を定着ベルトと捉え、本発明の定着ベルトは、記録材に担持されたトナー像を定着する定着ベルトであって、基材層と、基材層の外表面に配設され、フッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成された離型層とを備えたことを特徴としている。
ここで、離型層は、フッ素系化合物微粒子を分散させた硫酸銅めっき浴またはピロリン酸銅めっき浴によって複合めっきされて形成されたことを特徴とすることができる。また、離型層は、フッ素系化合物微粒子が界面活性剤により処理されていることを特徴とすることができる。さらに、基材層はポリイミド樹脂により形成され、基材層に無電解めっきにより金属膜を形成した後、金属膜上に電解めっきにより離型層が形成されたことを特徴とすることもできる。
さらに、本発明を画像形成装置と捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、フッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成された離型層が外表面に形成されたベルト部材と、ベルト部材を加熱する電磁誘導加熱部材と、ベルト部材に圧接しながら記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備えたことを特徴としている。
本発明の効果として、誘導加熱方式の定着装置にベルト部材を用い、このベルト部材のトナーに対する離型性を維持しながら、ベルト部材表面の耐摩耗性や耐剥離性の向上を図ることで、ウォームアップタイムを充分に短縮するとともに、長期に亘りトナー汚れや画像不良等のない高品質な定着画像を形成することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。図2は、本実施の形態における定着装置60の構成を示す側断面図である。図2に示すように、定着装置60は、ベルト部材の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61の外周面に近接して配設された交流磁界を発生させる電磁誘導加熱部材の一例としての磁場発生ユニット85、定着ベルト61に対向するように配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される圧力パッド64により主要部が構成されている。
定着ベルト61は、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じないように、原形が円筒形状に形成された例えば直径が30mmの継ぎ目がないエンドレスベルトであり、定着ベルト61の内部に配置された圧力パッド64とベルトガイド部材63、さらには定着ベルト61の両端部に配置されたエッジガイド部材80(後段の図3参照)によって回動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて加圧ロール62に対して圧接されるように配置され、加圧ロール62に従動して回動する。
ここで、定着ベルト61を支持する構成について述べる。図3は定着ベルト61が支持される構成を説明する断面構成図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図3に示すように、定着ベルト61の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド部材80が固設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、定着ベルト61の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
そして、定着ベルト61は、ニップ部Nとその近傍を除いて、両側部の内周面がベルト走行ガイド部801の外周面に支持され、ベルト走行ガイド部801の外周面に沿って回動する。したがって、ベルト走行ガイド部801は、定着ベルト61がスムーズに回動することができるように摩擦係数の小さな材質で形成され、さらには、定着ベルト61から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、定着ベルト61の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、定着ベルト61が回動する際には、定着ベルト61の端部がフランジ部802の内側面に当接することによって、定着ベルト61の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限されている。このように、定着ベルト61は、エッジガイド部材80によって片寄りが規制されるように支持されている。
また、定着ベルト61の両端部を除く長手方向の領域では、定着ベルト61は圧力パッド64とベルトガイド部材63とに支持されている(図2も参照)。そして、定着ベルト61の両端部を除く領域では、定着ベルト61の内周面が圧力パッド64とベルトガイド部材63とに摺擦しながら回動する。
ベルトガイド部材63は、定着ベルト61の内部に配置されたホルダ65に取り付けられており、定着ベルト61の回動方向に向けた複数のリブで形成されている。そのため、ベルトガイド部材63は、定着ベルト61内周面との接触面積が極めて小さく、さらには、摩擦係数が低く、かつ熱伝導率が低いPFAやPPS等の耐熱性樹脂で形成されているので、定着ベルト61内周面との摺動抵抗が小さく、ベルトガイド部材63からの熱の発散も低くなるように構成されている。
次に、圧力パッド64は、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧されてニップ部Nを形成する弾性部材からなり、バネや弾性体によって加圧ロール62を例えば35kgfの荷重で押圧するようにホルダ65に支持されている。圧力パッド64を構成する弾性部材は、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体からなり、加圧ロール62側の面は、略フラットな平面状に形成されている。そのため、ニップ部Nにおいては、略均一なニップ圧が形成されている。なお、本実施の形態の定着装置60では、圧力パッド64として、ゴム硬度が20°(JIS−A)のシリコーンゴムを用い、幅8.5mm、ゴム厚5mmに設定している。
また、圧力パッド64を通過した後の定着ベルト61は、圧力パッド64の加圧ロール62側の面から離れる際に、急激な曲率の変化を生じるため、定着後の用紙Pは、定着ベルト61に巻き付くことなく、定着ベルト61から剥離される。
なお、ニップ部Nの下流側近傍には、剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転方向と対向する方向(カウンタ方向)に向けて、定着ベルト61と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。そして、定着ベルト61から剥離された用紙Pを完全に定着ベルト61から分離し、画像形成装置の排出部へ向かう排紙通路に誘導する。
また、圧力パッド64と定着ベルト61との間には、低摩擦シート68が配設されている。低摩擦シート68は、定着ベルト61内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を低減するために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が用いられる。具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、またガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シート、FEPフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
ここで、低摩擦シート68は、表面に凹凸を有するとともに、潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成されることが望ましい。低摩擦シート68の表面に凹凸を形成することで、低摩擦シート68と定着ベルト61内周面との間の接触面積を減らし、摺動抵抗を一層低減することができる。また、低摩擦シート68を潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成することで、潤滑剤が低摩擦シート68に滲みこむことを抑制できるので、摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持を可能とする。また、潤滑剤が圧力パッド64に浸み込んで膨潤し、ニップ圧が低下することを防ぐこともできる。
なお、低摩擦シート68は、圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成しても、いずれでもよい。本実施の形態の定着装置60では、低摩擦シート68は圧力パッド64と別体に構成し、両端をホルダ65に固定して、圧力パッド64と定着ベルト61との間に挟持されるように構成している。
続いて、ホルダ65には、定着装置60の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67が配設されている。潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト61内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤を適量供給する。これにより、定着ベルト61と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介した定着ベルト61と圧力パッド64との摺動抵抗をさらに低減して、定着ベルト61の円滑な回動を図っている。また、定着ベルト61の内周面や低摩擦シート68表面の摩耗を抑制する効果も有している。
ここで、潤滑剤としては、定着温度環境下での長期使用に対する耐久性を有し、かつ、定着ベルト61内周面との濡れ性を維持できるものが適している。例えば、シリコーンオイルやフッ素オイル等の液体状のオイルや、固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにはこれらを組み合わせたものを用いることができる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等が挙げられるが、摺動抵抗を低減させる効果や取り扱い性の観点から、アミノ変性シリコーンオイルが好適である。
次に、加圧ロール62は、例えば直径18mmの中実の鉄製コア (円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆した例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層622と、さらに例えば厚さ50μmのPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成されている。
そして、加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転し、この回転により定着ベルト61を従動させるように構成している。さらに加圧ロール62は、加圧ロール62と圧力パッド64とにより定着ベルト61を挟持した状態で保持してニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を担持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着している。
続いて、本実施の形態の定着ベルト61の構成について説明する。
図4は定着ベルト61の層構造を示した図である。図4に示したように、定着ベルト61は、耐熱性の高いフィルム状部材からなる基材層611と、基材層611の外周面上に積層された導電性離型層612とにより構成されている。
定着ベルト61の基材層611は、厚さ10〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの耐熱性の高いフィルムで形成され、例えば熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン等の合成樹脂を使用することができる。なお、定着ベルト61の両端部がエッジガイド部材80に突き当たった場合でも、座屈等が生じない程度の剛性を確保することが好ましく、基材層611としては、例えば厚さ80μmの熱硬化性ポリイミドフィルムが好適に使用される。
定着ベルト61の導電性離型層612は、フッ素系化合物樹脂の微粒子が分散された金属めっき浴を用いて、フッ素系化合物樹脂が共析された金属複合めっき膜により形成されている。このように導電性離型層612を金属複合めっき膜(以下、単に「めっき膜」ともいう。)によって形成することで、導電性離型層612は、磁場発生ユニット85から発生した交流磁界を受けて渦電流を誘起し、その渦電流によるジュール熱によって加熱される発熱層としての機能と、用紙Pに担持されるトナー像に対する離型層としての機能とを併せ持つことができる。
すなわち、本実施の形態の定着ベルト61では、基材層611がアルカリエッチング処理によって粗面化処理され、それに例えばニッケル無電解めっき処理が施されて0.5μm程度の薄いニッケル層(金属膜)が形成された後、この基材層611をフッ素系化合物樹脂の微粒子が分散された金属めっき浴に浸し、基材層611に形成された金属膜を陰極とし、金属板を陽極として、両電極に電流を流す(電解めっき)ことで複合めっきが行われ、導電性離型層612が形成される。ここで、フッ素系化合物樹脂としては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂やフッ化ピッチが用いられる。また、めっき金属としては導電率の高いニッケル(Ni)や銅(Cu)等が用いられる。
導電性離型層612では、複合めっき処理によって、めっき浴に分散されたフッ素系化合物樹脂の微粒子が基材層611表面に吸着している間に、次々と析出金属によってめっき膜内に埋め込まれ、図4に示したように、共析した微粒子は金属マトリックスの中で均一な分散相を形成する。さらには、めっき膜の表面近傍の微粒子は、その一部分が金属中に埋め込まれ、残りがめっき膜の表面に露出した状態を形成する。
このように、導電性離型層612は、金属めっき膜で形成されているので、優れた導電性を有している。また、導電性離型層612は、金属マトリックスの中でフッ素系化合物樹脂微粒子が均一な分散相を形成し、さらには、めっき膜の表面近傍において、フッ素系化合物樹脂微粒子の一部分が金属中に埋め込まれ、残りがめっき膜の表面に露出した状態が形成されているので、トナーに対する優れた離型性も有している。
また、導電性離型層612は、金属マトリックスの中においてフッ素系化合物樹脂微粒子が均一な分散相を形成した構造を有することから、強度が高く、優れた耐摩耗性を発揮する。さらに、基材層611に形成された金属膜は、アルカリエッチング処理によって粗面化された表面に形成されているので、金属膜はアンカー効果等の機械的結合力や化学的結合力、物理的結合力によって基材層611に強固に結合されている。そして、導電性離型層612は、この金属膜に複合めっきされているので、金属膜とめっき膜とは金属同士の結合を形成し、化学的結合力や物理的結合力によって強固に固着される。そのため、めっき膜と基材層611との間において、剥離の発生が極めて生じ難い構成をも作り出している。
なお、この導電性離型層612の厚さは、薄すぎる(10μmより小さい)場合には、耐摩耗性の面で充分でないととともに、誘導加熱時において導電性離型層612の電気抵抗を高くして発熱効率を低下させる。一方、厚すぎる(100μmより大きい)場合には、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムを短縮する観点からネガティブである。そこで、本実施の形態の定着装置60では、耐摩耗性と電気抵抗、および熱容量とのバランスを考慮して、導電性離型層612の厚さは10〜100μmに設定するのが好適である。
また、導電性離型層612の中のフッ素系化合物樹脂微粒子の添加量としては、めっき浴中の分散状態等により決定されるものであり、10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%が好適である。これは、添加量が10重量%より少ない場合には、充分なトナーに対する離型性が得られず、添加量が30重量%より多い場合には、導電性離型層612の電気抵抗値が高くなり、充分な発熱効率を得ることができず、ウォームアップタイムの短縮効果が小さくなるからである。
さらに、基材層611に無電解めっき処理を行って形成するニッケル等の金属膜の厚さとしては、0.2〜1.0μmに形成するのが好ましい。金属膜の厚さが0.2μmより薄い場合には、複合めっき処理の際の電極としての電気抵抗が高くなり好ましくないからである。また、1.0μmより厚い場合には、金属膜の硬度により定着ベルト61の可とう性が失われ、定着ベルト61のニップ部Nでの変形が不充分となり、定着性に影響を与える可能性があるからである。
ここで、導電性離型層612を形成する際の複合めっき処理について詳細に説明する。
まず、導電性離型層612を構成する金属マトリックスとしては、上述したようなニッケル(Ni)や銅(Cu)等のめっき可能な金属材料であることが必要であるが、その中でも導電性の高い金属材料は、膜厚が薄くても電気抵抗を低く抑えることができ、高い発熱効率が得られるので、薄膜化によって熱容量を低く抑えることが可能となり、ウォームアップタイムの短縮に対する効果が大きい。その代表的な金属材料として、銅(Cu)が好適に用いられる。
その場合、銅めっき層を形成するためのめっき浴としては、定着ベルト61に用いる場合には、硫酸銅めっき浴あるいはピロリン酸銅めっき浴が好ましい。硫酸銅めっき浴では、シアン化銅めっき浴やフッ化ホウ素酸銅めっき浴等と比較して、高導電性かつ高比重(緻密)であるので、良好な誘導加熱特性を得ることができるからである。さらには、硫酸銅めっき浴による銅めっき層は、柔軟性(可とう性)が高いことから、変形しながら回動する定着ベルト61に用いても、内部応力の少ない金属膜を形成することができ、機械的特性にも優れているからである。また、ピロリン酸銅めっき浴では、pHが中性付近にあり、界面活性剤の効果が充分得られ、フッ素系化合物の分散性がよい銅めっき層を形成することが可能なためである。
めっき浴に分散させるフッ素系化合物樹脂微粒子としては、上述したようにPFA、PTFE等のフッ素樹脂やフッ化ピッチが適している。ここで、フッ化ピッチは、組成式CFx(0.5≦x≦1.8)であらわされる化合物で、各炭素原子にフッ素が1〜3個共有結合された層状構造の粉体である。ピッチをフッ素ガスと反応させることで得られ、高温でフッ素ガスによって反応するため、末端が完全にフッ素化されており、通常のフッ素樹脂(PTFEやPFA等)と比較して、−CF基が多く、その結果フッ素樹脂以上に撥水性・撥油性・非粘着性に優れている。そのため、フッ素系化合物樹脂微粒子にフッ化ピッチを用いることで、トナーに対する高い離型性を得ることができる。
また、銅めっき浴に分散させる際に、あらかじめ界面活性剤によりフッ素系化合物樹脂微粒子を表面処理しておくことで、分散性を向上させることが可能となる。その場合、界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、フッ素系化合物の充填量や種類、形成する膜厚、めっき浴の組成・温度・pH等により適したものを選択することで、分散性を確保することができる。特には、めっきを行う浴においてカチオン性を示す界面活性剤分子、例えば、水溶性のカチオン系やノニオン系の界面活性剤、或いはめっき浴のpHでカチオン性を示す両性界面活性剤は好適に用いることができる。また、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤といった複数の界面活性剤による処理を施すことによって、分散性の向上と、共析効率の改善とを同時に図ることも可能となる。
ここで、フッ素系化合物樹脂微粒子の表面がカチオン性を示すように処理することが好ましい理由は以下の通りである。すなわち、めっきを行なう場合には、金属陽イオンの供給源となる陽極(銅めっきの場合には、銅あるいは含リン銅等の銅化合物)と、陰極となるワーク(定着ベルト61の場合は、導電性のベルト基材層611、或いは絶縁性のベルト基材層611表面を無電解めっきにより導電化したベルト表層)との間に、交流を整流して得られる直流電流を電源から供給して、電流の強さに応じて陽極金属をめっき浴中に溶かし出し、イオン化した金属陽イオンがワークまで泳動し、陰極であるワーク上で陰イオンを受け取ることで、金属が電解析出して金属膜が形成される。その際、フッ素系化合物樹脂微粒子をめっき浴に分散させておくことで、フッ素系化合物樹脂微粒子が金属イオンとともに析出されて分散相を形成するが、陰極であるワーク表面への吸着・共析を効率よくするためには、フッ素系化合物樹脂微粒子も正帯電していることが好ましく、そのためにはフッ素系化合物樹脂微粒子の表面処理として、カチオン性を示す状態にしておくことが好ましい。
このような界面活性剤を例示すると、カチオン性界面活性剤としては、第2/第3アミン類、4級アンモニウム塩、イミダゾリン類等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、スルホン系やカルボン酸系のものが挙げられる。特に硫酸銅めっき浴のような酸性めっき浴では、分散性を良好にする効果が得られるものとして、ノニオン系界面活性剤が用いられ、例えばポリエチレンイミン系、エステル系、ポリオキシエチレン系等の界面活性剤が挙げられる。また、いずれの界面活性剤においても、フッ素系界面活性剤を用いることで分散性が向上する。
上述したように、硫酸銅めっき浴は、高導電性・高密度・低表面硬度(可とう性)等の観点から、誘導加熱方式の定着ベルト61の発熱層として好適に使用できるが、硫酸銅めっき浴のような酸性の強い(pH1以下)めっき浴の場合には、フッ素系化合物樹脂微粒子にノニオン系界面活性剤を用いることでもカチオン性を示すため、ノニオン性のフッ素系界面活性剤を硫酸銅めっき浴において適用すれば、良好なフッ素系化合物樹脂微粒子の析出効果が得られる。
また、上記した界面活性剤によってめっき浴中でのフッ素系化合物樹脂微粒子の良好な分散性を保つと同時に、めっきを行なう際には、めっき浴を攪拌することで、めっき浴中でフッ素系化合物樹脂微粒子の沈殿や分離を生じることなく、共析させることが可能となる。この場合の攪拌方法としては、特に限定するものではなく、一般的に用いられる機械攪拌を行うことが可能である。例えばポンプ等で攪拌しながらめっき浴を循環させることによって、フッ素系化合物樹脂微粒子の分散性を維持し、めっき浴中の金属イオン濃度を保つとともに、めっき金属の析出に伴う浴の温度上昇を抑制することもできる。
また、めっき浴の温度を一定に保つ必要がある場合には、適宜ヒータによる加温や、水循環パイプをめっき浴中に配置することによる冷却等によって、めっき浴の温度を所望の温度に保つことができる。それによって、めっき膜厚のバラツキを抑制する効果も得られる。一般的には、硫酸銅めっき浴を用いる場合には、室温〜30℃前後でめっきを行うことが可能だが、外気温等の環境変動の影響を受けず、条件を安定させるためには25〜30℃程度にめっき浴の温度をコントロールすることが好ましい。また、ピロリン酸銅めっき浴を用いる場合には、50〜60℃程度に加温することで、めっき膜の組成・膜厚・電着効率を安定して制御することが可能となる。
また、めっき膜の内部応力を除去したり、めっき膜のレベリング性の向上や高導電化を図るため、適宜めっき浴に応じた適当な光沢剤を添加することも可能である。
さらに、複合めっき膜を形成した後、配合したフッ素系化合物樹脂微粒子の軟化温度程度の温度で、定着ベルト61を加熱処理してもよい。このような加熱処理を行うことで、フッ素系化合物樹脂微粒子が軟化してレベリング化することで、金属マトリックスとの結合がより強くなり、導電性離型層612からのフッ素系化合物樹脂微粒子の欠落を防ぐことが可能となる。その際には、金属マトリックスの加熱による酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気中で加熱処理を行うことが好ましい。
ところで、定着ベルト61の構成に関しては、本実施の形態の定着ベルト61では、基材層611と導電性離型層612とにより構成されたものを用いたが、定着ベルト61の基材層611と導電性離型層612との間に弾性層を形成した構成とすることもできる。その場合には、弾性層は、シリコーンゴム等の弾性体で形成される。弾性層を設けることによって、用紙Pに担持されるトナー像は粉体であるトナーが積層して形成されているため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体にムラなく熱を供給することができるように、用紙P上のトナー像の凹凸に倣うように定着ベルト61を変形させることができる。
次に、定着ベルト61の導電性離型層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱する磁場発生ユニット85について説明する。磁場発生ユニット85は、断面が定着ベルト61の形状に沿ったアール形状で形成され、定着ベルト61の外周表面と0.5〜2mm程度の間隙を保持して設置されている(図2参照)。また磁場発生ユニット85は、定着ベルト61の移動方向と直交する方向を長手方向として、定着ベルト61の全幅に亘って伸びた長方形状で形成されている。なお、磁場発生ユニット85は、定着ベルト61の内側に設置してもよい。
図5は磁場発生ユニット85の構成と作用とを説明する概略断面図である。なお、図5では、説明を分かり易くするため構成を概略的に表現している。図5に示したように、磁場発生ユニット85は、磁界を発生させる励磁コイル851と、励磁コイル851を保持するコイル支持部材852と、励磁コイル851に電流を供給する励磁回路853とで構成されている。
励磁コイル851としては、例えば、相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を20本束ねたリッツ線を長円形状や楕円形状、長方形状等の閉ループ状に巻いたものが用いられる。そして、励磁コイル851は接着剤によって固められ、その形状を維持している。
この励磁コイル851には、励磁回路853によって所定の周波数の交流電流が印加される。これによって励磁コイル851の周囲には交流磁界Hが発生する。この交流磁界Hが定着ベルト61の導電性離型層612を横切る際に、導電性離型層612には電磁誘導作用によってその交流磁界Hの変化を妨げる磁界を発生するように渦電流Iが生じる。この励磁コイル851に印加する交流電流の周波数は、例えば、10〜50kHzに設定されるが、本実施の形態では30kHzに設定されている。
このように、渦電流Iが定着ベルト61の導電性離型層612を流れることによって、この導電性離型層612の抵抗値Rに比例した電力W(W=IR)によるジュール熱が発生し、定着ベルト61を加熱するものである。
また、コイル支持部材852としては、耐熱性のある非磁性材料で構成するのが好ましく、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂が用いられる。なお、励磁コイル851で発生した磁束を効率よく集中させ、定着ベルト61に対する加熱効率を上げるため、コイル支持部材852の中央部にフェライト等の強磁性体を配設してもよい。
このように、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61の導電性離型層612は、金属めっき膜によって形成されているので、導電性離型層612を磁場発生ユニット85による電磁誘導によって直接加熱することができ、ニップ部Nにおいて定着ベルト61からトナー定着のための充分な熱量をインスタントに供給することが可能となる。また、ニップ部Nにおいて定着ベルト61に接触しているのは、定着ベルト61の内側では低摩擦シート68を介した圧力パッド64、定着ベルト61の外側では加圧ロール62だけであり、これらはともに熱伝導率の低いシリコーンゴムやシリコーンスポンジ等で形成されているので、熱が流出し難く、供給したエネルギーを定着処理に有効に使える利点もある。
このため、例えば、A4サイズのL.E.F.(Long Edge Feed)紙に対し30ppmのプリント能力を有し、起動時の定着温度180℃、定常定着時の定着温度170℃に設定された画像形成装置において、ウォームアップタイムを10秒程度(1200W投入時)に短縮することができ、このクラスの画像形成装置ではウォームアップタイムが3〜7分、最速機でも30〜45秒であることを考慮すると、極めて高いファーストプリント能力を達成することが可能となる。また予熱を与えるスタンバイモードやローパワーモード等の設定も必要ないので、省エネルギーの観点からも極めて優れている。
また、導電性離型層612では、導電性離型層612表面近傍のフッ素系化合物微粒子は、その一部分が金属中に埋め込まれ、残りがめっき膜の表面に露出した状態になっているので、トナーに対する離型性が高く、定着ベルト61表面へのトナーオフセットを極めて少なく抑えることができる。また、導電性離型層612は、金属マトリックスの中でフッ素樹脂やフッ素系化合物の微粒子が均一な分散相を形成しているので、強度が高く、優れた耐摩耗性を発揮する。
さらに、基材層611には、アルカリエッチング処理によって粗面化された表面に、アンカー効果等の機械的結合力や化学的結合力、物理的結合力によって強固に結合された金属膜が形成され、導電性離型層612がこの金属膜に複合めっきされているので、導電性離型層612と金属膜とは金属同士の結合によって強固に固着されて、剥離の発生が極めて生じ難い。
さらに、従来のように基材層611上に発熱層と離型層とを別個に設ける場合と比較して、層構造が簡単になり、安価に製造することも可能となる。
以下、実施例およびこれに対する比較例に基づき、本実施の形態の定着ベルト61における導電性離型層612を具体的に説明する。なお、本実施の形態の導電性離型層612は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材としてポリイミド樹脂(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製)からなる膜厚70μm、外径30mmの無端状ベルトを用い、このポリイミド樹脂基材にアルカリエッチング処理を行い、これを洗浄した後に、ニッケル無電解めっき処理を行って膜厚0.5μmのニッケル層を形成した。さらにあらかじめ粒径1μmの球形PTFE粒子を分散させた水/イソプロピルアルコールの10:90混合液を投入して、PTFE粒子を分散浮遊させた電解めっき浴(NiSOO:300g/l、NiClO:50g/l、HBO:40g/l)を50℃に加熱し、ニッケル無電解めっきを行ったポリイミドベルト上に電流密度6A/dmで80分の電解Ni−PTFE複合金属めっき処理を行い、ニッケルとPTFE粒子を同時に析出させた。
この複合めっき処理により、基材の無電解ニッケル膜上に膜厚60μmで、PTFE粒子を15重量%含有した複合ニッケルめっき膜を形成した。このポリイミドベルトの水に対する接触角は120°であった。
このポリイミドベルトを定着ベルトとして電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面が短時間(10秒程度)で定着可能温度まで加熱された。また、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで10万枚の通紙試験を行ったところ、定着ベルトにおける層間剥離は未発生で、良好な定着画像が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法でポリイミド樹脂基材上に無電解ニッケル膜を形成し、めっき浴に分散浮遊させるフッ素系化合物樹脂微粒子としてフッ化ピッチを用いたこと以外は実施例1と同様の方法によりニッケル・フッ化ピッチ同時析出膜を形成した。この処理により、無電解ニッケル膜上に膜厚60μmで、フッ化ピッチ粒子を16重量%含有した複合ニッケルめっき膜を形成した。このポリイミドベルトの水に対する接触角は、123°であった。
このポリイミドベルトを定着ベルトとして電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面が短時間(10秒程度)で定着可能温度まで加熱された。また、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで10万枚の通紙試験を行ったところ、定着ベルトにおける層間剥離は未発生で、良好な定着画像が得られた。
(実施例3)
基材としてポリイミド樹脂(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製)からなる膜厚70μm、外径30mmの無端状ベルト基材を用い、このポリイミド樹脂基材にアルカリエッチング処理を行い、これを洗浄した後に、ニッケル無電解めっき処理を行って膜厚0.5μmのニッケル層を形成した。
さらにあらかじめ粒径2.5μmの球形PTFE粒子を、PTFE粒子1gに対してノニオン系のフッ素系界面活性剤を10gで表面処理し、これを光沢剤が添加された硫酸銅めっき浴に添加し、PTFE粒子を分散浮遊させた硫酸銅めっき浴(CuSOO:200g/l、HSO:50g/l、塩素イオン(Cl):10mg/l)を作製した。このめっき浴を30℃に維持し、無電解ニッケルめっきを行ったポリイミドベルト上に電流密度5A/dmで50分の電解Cu−PTFE複合金属めっき処理を行い、銅とPTFE粒子とを同時に析出させた。
このめっき処理により、無電解ニッケル膜上に膜厚25μmで、PTFE粒子を30重量%含有した複合銅めっき膜を形成した。このベルトの水に対する接触角は、126°だった。
このポリイミドベルトを定着ベルトとして電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面が短時間(10秒程度)で定着可能温度まで加熱された。また、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで10万枚の通紙試験を行ったところ、定着ベルトにおける層間剥離は未発生で、良好な定着画像が得られた。
(実施例4)
基材としてポリイミド樹脂(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製)からなる膜厚70μm、外径30mmの無端状ベルト基材を用い、このポリイミド樹脂基材にアルカリエッチング処理を行い、これを洗浄した後に、ニッケル無電解めっき処理を行って膜厚0.5μmのニッケル層を形成した。
さらにあらかじめ粒径2.5μmの球形PTFE粒子を、PTFE粒子1gに対してカチオン系のフッ素系界面活性剤を10gで表面処理して、これを光沢剤が添加されたピロリン酸銅めっき浴に添加し、PTFE粒子を分散浮遊させたピロリン酸銅めっき浴(Cu・3HO:90g/l、K:330g/l、アンモニア水:3ml/l)を作製した。このめっき浴を50°に維持し、無電解ニッケルめっきを行ったポリイミドベルト上に電流密度3.5A/dmで50分の電解Cu−PTFE複合金属めっき処理を行い、銅とPTFE粒子とを同時に析出させた。
このめっき処理により、無電解ニッケル膜上に膜厚30μmで、PTFE粒子を25重量%含有した複合銅めっき膜を形成した。このポリイミドベルトの水に対する接触角は、124°であった。
このポリイミドベルトを定着ベルトとして電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面が短時間(10秒程度)で定着可能温度まで加熱された。また、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで10万枚の通紙試験を行ったところ、定着ベルトにおける層間剥離は未発生で、良好な定着画像が得られた。
(比較例1)
ニッケル電鋳またはSUSを塑性加工した金属ベルト基材上に、層厚30μmのPTFE樹脂層をディップコートにより被覆した定着ベルトを作成した。
この定着ベルトを電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面を定着可能温度まで加熱するまでに、1分程度かかった。また、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで通紙試験を行ったところ、途中でPTFE樹脂層が摩耗し、3万枚の経過時に剥離が生じ、通紙試験を中止した。また、通紙試験中にトナーオフセットの発生も認められた。
(比較例2)
基材としてポリイミド樹脂(商品名:Uワニス、宇部興産(株)製)からなる膜厚70μm、外径30mmの無端状ベルト基材を用い、このポリイミド樹脂基材にアルカリエッチング処理を行い、これを洗浄した後に、ニッケル無電解めっき処理を行って膜厚0.5μmのニッケル層を形成した。
そして、硫酸銅めっき浴(CuSOO:200g/l、HSO:50g/l、塩素イオン(Cl):10mg/l)を30℃に維持し、無電解ニッケルめっきを行ったポリイミドベルト上に電流密度5A/dmで50分の電解Cuめっき処理を行った。さらに、層厚30μmのPTFE樹脂層をディップコートにより被覆した。
このポリイミドベルトを定着ベルトとして電磁誘導方式の定着装置に組み込み、高周波電圧をかけたところ、定着ベルト表面が短時間(10秒程度)で定着可能温度まで加熱された。しかし、定着試験として、富士ゼロックス社製J紙(商品名)を用い、用紙搬送速度190mm/secで通紙試験を行ったところ、途中でPTFE樹脂層が摩耗し、5万枚の経過時に剥離が生じ、通紙試験を中止した。また、通紙試験中にトナーオフセットの発生も認められた。
これらの実施例および比較例の評価結果をまとめたものが図6である。図6に示したように、フッ素系化合物樹脂微粒子を分散させためっき浴によって複合めっきされた導電性離型層612が外周面に形成されている定着ベルト61では、ウォームアップタイムを大きく短縮することができるとともに、定着ベルト61表面が摩耗したり、導電性離型層612が剥離することを抑制する効果が大きいことが確認された。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60においては、定着ベルト61の外周面に、フッ素系化合物樹脂が共析された金属複合めっき膜により形成された導電性離型層612が配設されている。このような構成により、定着ベルト61の導電性離型層612を磁場発生ユニット85による電磁誘導によって直接加熱することができるので、ニップ部Nにおいて定着ベルト61からトナー定着のための充分な熱量をインスタントに供給することが可能となり、ウォームアップタイムを大きく短縮することができる。
また、導電性離型層612表面近傍のフッ素系化合物微粒子は、その一部分が金属中に埋め込まれ、残りが被膜の表面に露出した状態になっているので、トナーに対する離型性が高く、定着ベルト61表面へのトナーオフセットを極めて少なく抑えることができる。さらに、導電性離型層612は、金属マトリックスの中でフッ素樹脂やフッ素系化合物の微粒子が均一な分散相を形成しながら基材層611に強固に固着しているので、強度が高く、優れた耐摩耗性を発揮することができる。そのため、定着ベルト61表面に傷がついたり、導電性離型層612が剥離することを防ぐことが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、加熱手段として外部に配設された電磁誘導加熱部材によって電磁誘導加熱される定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として内部に配設された電磁誘導加熱部材によって電磁誘導加熱される定着ベルト61を用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図7は、本実施の形態における定着装置90の構成を示す側断面図である。図7に示すように、本実施の形態の定着装置90では、ベルト部材の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61の内周面側に配設された交流磁界を発生させる電磁誘導加熱部材の一例としての磁場発生ユニット86、定着ベルト61に対向するように配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62により主要部が構成されている。
磁場発生ユニット86は、磁界を発生させる励磁コイル861と、励磁コイル861を保持するコイル支持部材862と、励磁コイル861に電流を供給する励磁回路(不図示)とで構成されている。その際に、コイル支持部材862の加圧ロール62側の面は、略フラットに形成されている。そして、磁場発生ユニット86は、加圧ロール62に対向する位置において定着ベルト61を介して加圧ロール62に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、磁場発生ユニット86は圧力部材としても機能し、コイル支持部材862の加圧ロール62側の面と加圧ロール62との間で均一なニップ圧を形成している。
さらに、定着ベルト61内周面と磁場発生ユニット86との間には、定着ベルト61の内周面と磁場発生ユニット86のコイル支持部材862との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、磁場発生ユニット86と別体に構成しても、磁場発生ユニット86と一体的に構成しても、いずれでもよい。
なお、ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト61の曲率の変化によって定着ベルト61から剥離される。
一方、加圧ロール62は定着ベルト61に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転に従動して定着ベルト61が回動するように構成されている。加圧ロール62は、コア (円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆した耐熱性弾性体層622と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成されている。
さらに、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト61は、原形が円筒形状に形成された例えば直径が30mmの無端ベルトである。そして、定着ベルト61の層構造は、耐熱性の高いフィルム状部材からなる基材層611と、基材層611の外周面上に積層された導電性離型層612とにより構成されている。
そして、導電性離型層612は、PFA、PTFE等のフッ素樹脂やフッ化ピッチといったフッ素系化合物樹脂の微粒子が分散された、ニッケル(Ni)や銅(Cu)等の導電率の高い金属からなるめっき浴によって、フッ素系化合物樹脂が共析された金属複合めっき膜により形成されている。導電性離型層612が金属複合めっき膜によって形成されることで、導電性離型層612は、磁場発生ユニット86から発生した交流磁界を受けて渦電流を誘起し、その渦電流によるジュール熱によって加熱される発熱層としての機能と、用紙Pに担持されるトナー像に対する離型層としての機能とを併せ持つことができる。
このように、本実施の形態の定着装置90においても、定着ベルト61の外周面に、フッ素系化合物樹脂が共析された金属複合めっき膜により形成された導電性離型層612が形成されているので、定着ベルト61の導電性離型層612を定着ベルト61の内周面側に配設された磁場発生ユニット86による電磁誘導によって直接加熱することができる。そのため、ニップ部Nにおいて定着ベルト61からトナー定着のための充分な熱量をインスタントに供給することが可能となり、ウォームアップタイムを大きく短縮することができる。特に、本実施の形態の定着装置90では、磁場発生ユニット86をニップ部Nに配設することにより、定着ベルト61の発熱部と用紙Pへの熱供給部とが一致した構成であるため、熱の利用効率を極めて高くすることができる。
また、導電性離型層612表面近傍のフッ素系化合物微粒子は、その一部分が金属中に埋め込まれ、残りが被膜の表面に露出した状態になっているので、トナーに対する離型性が高く、定着ベルト61表面へのトナーオフセットを極めて少なく抑えることができる。さらに、導電性離型層612は、金属マトリックスの中でフッ素樹脂やフッ素系化合物の微粒子が均一な分散相を形成しながら基材層611に強固に固着しているので、強度が高く、優れた耐摩耗性を発揮することができる。そのため、定着ベルト61表面に傷がついたり、導電性離型層612が剥離することを防ぐことが可能となる。
[実施の形態3]
実施の形態1では、加熱手段として外部に配設された電磁誘導加熱部材によって電磁誘導加熱される定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態3では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱部材としてセラミックヒータが配設された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態における定着装置91の構成を示す側断面図である。図8に示すように、本実施の形態の定着装置91では、定着ベルト61が用紙Pのトナー像担持面側に配置されている。定着ベルト61の内側に加熱部材の一例として抵抗発熱体であるセラミックヒータ87が配設され、セラミックヒータ87からニップ部Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ86は、加圧ロール62側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト61を介して加圧ロール62に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ86は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト61の曲率の変化によって定着ベルト61から剥離される。
さらに、定着ベルト61内周面とセラミックヒータ86との間には、定着ベルト61の内周面とセラミックヒータ86との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ86と別体に構成しても、セラミックヒータ86と一体的に構成しても、いずれでもよい。
一方、加圧部材の一例としての加圧ロール62は定着ベルト61に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転により定着ベルト61が従動回転するように構成されている。加圧ロール62は、コア (円柱状芯金)621と、コア621の外周面に被覆した耐熱性弾性体層622と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層623とが積層されて構成されている。
また、ニップ部Nの下流側近傍には、定着ベルト61から剥離された用紙Pを完全に定着ベルト61から分離し、画像形成装置の排出部へ向かう排紙通路に誘導するための剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト61と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
そして、図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって定着装置91のニップ部Nに導かれる。用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙P上のトナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と、定着ベルト61側のセラミックヒータ86から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置91でも、加圧ロール62とセラミックヒータ86との間でニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置91においては、定着ベルト61は、原形が円筒形状に形成されたエンドレスベルトであり、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性樹脂やSUS、ニッケル等の金属で形成されたベース層611と、このベース層611の外周面に形成された導電性離型層612とで構成されている。
本実施の形態の定着装置91においても、導電性離型層612は、フッ素系化合物樹脂が共析された金属複合めっき膜により形成されている。そして、導電性離型層612表面近傍のフッ素系化合物微粒子は、その一部分が金属中に埋め込まれ、残りが被膜の表面に露出した状態になっている。そのため、トナーに対する離型性が高く、定着ベルト61表面へのトナーオフセットを極めて少なく抑えることができる。
また、導電性離型層612は、金属マトリックスの中でフッ素樹脂やフッ素系化合物の微粒子が均一な分散相を形成しながら基材層611に強固に固着しているので、強度が高く、優れた耐摩耗性を発揮することができる。そのため、定着ベルト61表面に傷がついたり、導電性離型層612が剥離することを防ぐことが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1における定着装置の構成を示す側断面図である。 定着ベルトが支持される構成を説明する断面構成図である。 定着ベルトの層構造を示した図である。 磁場発生ユニットの構成と作用とを説明する概略断面図である。 実施例および比較例の評価結果をまとめた図である。 実施の形態2における定着装置の構成を示す側断面図である。 実施の形態3における定着装置の構成を示す側断面図である。 従来の定着装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,90,91…定着装置、61…定着ベルト、611…基材層、612…導電性離型層、62…加圧ロール、63…ベルトガイド部材、64…圧力パッド、65…ホルダ、67…潤滑剤塗布部材、68…低摩擦シート、70…剥離補助部材、80…エッジガイド部材、85,86…磁場発生ユニット、851,861…励磁コイル、852,862…コイル支持部材、853…励磁回路、87…セラミックヒータ

Claims (10)

  1. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    外表面に離型層が形成されたベルト部材と、
    前記ベルト部材を電磁誘導加熱する電磁誘導加熱部材と、
    前記ベルト部材に圧接しながら前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え、
    前記ベルト部材は、前記離型層がフッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成され、当該金属複合めっき膜が前記電磁誘導加熱部材により電磁誘導加熱されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルト部材の前記離型層は、前記フッ素系化合物微粒子がPTFE微粒子またはフッ化ピッチ微粒子であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記ベルト部材の前記離型層は、前記フッ素系化合物微粒子の添加量が10〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記ベルト部材の前記離型層は、ニッケルまたは銅を金属マトリックスとしたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記ベルト部材の前記離型層は、10〜100μmの膜厚で形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着ベルトであって、
    基材層と、
    前記基材層の外表面に配設され、フッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成され、当該金属複合めっき膜が電磁誘導加熱される離型層と
    を備えたことを特徴とする定着ベルト。
  7. 前記離型層は、前記フッ素系化合物微粒子を分散させた硫酸銅めっき浴またはピロリン酸銅めっき浴によって複合めっきされて形成されたことを特徴とする請求項記載の定着ベルト。
  8. 前記離型層は、前記フッ素系化合物微粒子が界面活性剤により処理されていることを特徴とする請求項記載の定着ベルト。
  9. 前記基材層はポリイミド樹脂により形成され、当該基材層に無電解めっきにより金属膜を形成した後、当該金属膜上に電解めっきにより前記離型層が形成されたことを特徴とする請求項記載の定着ベルト。
  10. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    フッ素系化合物微粒子を共析させた金属複合めっき膜により形成された離型層が外表面に形成されたベルト部材と、
    前記ベルト部材を加熱する電磁誘導加熱部材と、
    前記ベルト部材に圧接しながら前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え
    前記ベルト部材の離型層は、前記金属複合めっき膜が前記電磁誘導加熱部材により電磁誘導加熱されることを特徴とする画像形成装置。
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