JPH0643776A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0643776A
JPH0643776A JP21843892A JP21843892A JPH0643776A JP H0643776 A JPH0643776 A JP H0643776A JP 21843892 A JP21843892 A JP 21843892A JP 21843892 A JP21843892 A JP 21843892A JP H0643776 A JPH0643776 A JP H0643776A
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JP
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toner image
fixing device
roller
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JP21843892A
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English (en)
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Hideo Nagafuji
秀夫 長藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来−数KVに達していた加圧ローラ30帯
電を、−200〜+200Vに安定させ、負極性トナー
が定着ローラ20へ付着する静電オフセットを防止す
る。 【構成】 定着ローラ20を芯金21上にフッ素樹脂層
22を設け、かつ芯金21内部にヒータ23を設けて構
成する。加圧ローラ30は芯金31上に弾性層32を設
けて構成する。この弾性層32を高抵抗のシリコーンゴ
ムを主材質とし、これにアンモニウム塩を1〜15重量
%(wt%)いれたもので形成する。アンモニウム塩を
入れたことで加圧ローラ30の弾性層32の帯電を、−
200〜+200V程度にすることができた。このた
め、自然に−200〜−500V程度に帯電している定
着ローラ20との間に大きな電位差が生じない。また、
加圧ローラ30の弾性層32は高抵抗層になっているの
で、転写電流が紙を通して加圧ローラ30に流れること
もなく、転写ヌケなどの転写不良を防止できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置に採用される定着装置
に係り、詳しくは、定着装置における、トナー像担持体
のトナー像面に側に配設された定着ローラやこのトナー
像面と反対側に配設された加圧ローラ等の定着用部材の
材質の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の定着用部材の材質について
は種々の提案がなされている。定着用部材の帯電防止に
関連して、 (a)特開平1−293376号公報では、加圧ローラ
の弾性体にカチオン処理した充填剤(ミリカ及び石英
粉)を入れ帯電をおさえ、その芯金を接地または電圧を
印加し、オフセットを防止することが提案されている。 (b)特開昭63−8677号公報では、加圧ローラの
シリコーンゴムにカーボンブラックを入れて導電性を良
くし、そのローラの芯金を接地し、帯電を防止すること
が提案されている。 (c)特開昭63−55579号公報では、定着ローラ
を導電性にし、アースに接地して摩擦帯電を防止するこ
とが提案されている。また、定着用部材の熱伝導性の向
上に関連して、 (d)実開平1−164463号公報では、定着ローラ
の表面をフッ素樹脂の粒子を混入したニッケル被膜で構
成し、熱導電性を良くすることが提案されている。 (e)特開昭64−72185号公報では、エラストマ
ー表面層に窒化硼素充填剤粒子を含有させ、剥離特性を
維持しながら高熱伝導性を得ることことが提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来実用化されている
定着装置においては、加圧ローラが金属の芯金上に例え
ばシリコーンゴムなどの弾性体を設けて構成されてお
り、定着ローラとともに転写紙等のトナー像担持体を挾
持搬送する際、加圧ローラ表面の帯電電位は−数KVに
達する。定着ローラの帯電電位は通常+100〜−30
0Vであるため、定着ローラと加圧ローラの間に大きな
電位差が生じ、その間にはさまれているトナー像担持体
上の−帯電トナーは、その電位差の影響で定着ローラに
くっつきやすくなる。このような電位差に基づいて、ト
ナー像担持体上のトナーが定着ローラにくっついてしま
う現象は、静電オフセットと呼ばれ、これにより定着ロ
ーラに付着したトナーがオフセットトナーと呼ばれ、画
像を汚す原因になる。
【0004】上記(a)の発明は、このような静電オフ
セットを防止するために提案されたものであるが、加圧
ローラにカチオン処理した充填剤(シリカ、石英)を入
れただけでは、通紙時−1KV程度帯電してしまい、多
少効果はあるもののそれだけでは効果が不充分で、加圧
ローラに電圧を印加せざるを得ない。このため、高価な
電圧印加機構が必要になり、大幅なコストUPになって
しまう。
【0005】また、上記(b)及び(c)の発明は、加
圧ローラや定着ローラが導電性であり、しかも接地され
ているため、トナー像担持体が転写部と定着部にまたが
っているとき等に、転写電流が、紙→加圧ローラ→接地
という経路で流れてしまい転写ヌケが発生してしまうこ
とがある。この転写ヌケは特に高湿環境下で発生しやす
い。
【0006】また、上記(d)の発明は、ニッケル被膜
にフッ素樹脂の粒子を混入させているだけなので、定着
ローラ表面の離型性が悪く、オフセットが発生して画像
を汚してしまう恐れがある。
【0007】また、上記(e)の発明は、定着ローラ表
面の離型性が不充分で、オフセットが発生して画像を汚
す恐れがあり、また、製造工程が複雑になりコストアッ
プになる。
【0008】そこで、本発明の第1の目的は、定着用部
材の帯電を、−200〜+200Vに安定させ、静電オ
フセットを防止することである。また、その第2の目的
は、上記第1の目的に加え転写ヌケも防止することであ
る。また、その第3の目的は、上記第1の目的に加え封
筒通紙時しわの発生も防止することである。また、その
第4の目的は、上記第3の目的に加え転写ヌケも防止す
ることである。
【0009】また、その第5の目的は、離型性を維持し
ながら熱伝導性も良好な定着用部材を用いて、オフセッ
トを防止するととも定着率も向上させることである。ま
た、その第6の目的は、上記第5の目的に加え静電オフ
セットも防止することである。また、その第7の目的
は、上記第6の目的に加え、転写ヌケも防止することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、トナー像を担持したトナ
ー像担持体に少なくとも圧力を加えて該トナー像を該ト
ナー像担持体に定着させるための定着用部材を備えた定
着装置において、該定着用部材の材質としてアンモニウ
ム塩を含ませたものを用いることを特徴とするものであ
る。上記第2の目的を達成するために、請求項2の発明
は、請求項1の定着装置において、上記材質として高抵
抗のものを用いることを特徴とするものである。上記第
3の目的を達成するために、請求項3の発明は、請求項
1の定着装置において、上記定着用部材の表層を、導電
性のフッ素樹脂で形成したことを特徴とするものであ
る。上記第4の目的を達成するために、請求項4の発明
は、請求項3の定着装置において、上記定着用部材を、
装置側板により電気絶縁状態で支持したことを特徴とす
るものである。
【0011】上記第5の目的を達成するために、請求項
5の発明は、トナー像を担持したトナー像担持体に少な
くとも熱を加えて該トナー像を該トナー像担持体に定着
させるための定着用部材を備えた定着装置において、該
定着用部材の表面を、ピッチ系炭素繊維を混入したフッ
素樹脂で形成したことを特徴とするものである。また、
請求項6の発明は、請求項5の定着装置において、上記
ピッチ系炭素繊維の混入量が5重量%以上かつ30重量
%以下の範囲内であることを特徴とするものである。上
記第6の目的を達成するために、請求項7の発明は、請
求項5の定着装置において、上記定着用部材を、電気絶
縁状態で装置側板により支持し、かつ、該定着用部材表
面に近接して除電部材を配設したことを特徴とするもの
である。また、請求項8の発明は、請求項5の定着装置
において、上記ピッチ系炭素繊維として長さが6mm以下
のものを用いたことを特徴とするものである。上記第7
の目的を達成するために、請求項9の発明は、上記定着
用部材を、上記トナー像担持体のトナー像担持面に圧接
するように配設し、かつ、該トナー像担持体の反対側の
面に圧接するように、他の定着用部材を配設した請求項
5の定着装置において、該他の定着用部材の表面を導電
性材料で形成し、かつ、該表面に対向して除電部材を配
設したことを特徴とするものである。また、請求項10
の発明は、請求項9の定着装置において、上記他の定着
用部材を、高抵抗の材質から成る層の上に、上記導電性
材料からなる表層を形成して構成し、かつ、上記除電部
材を上記表面に近接するように配設したことを特徴とす
るものである。
【0012】
【作用】請求項1乃至4の発明においては、少なくとも
圧力を加えてトナー像をトナー像担持体に定着させるた
めの定着用部材の材質としてアンモニウム塩を含ませた
ものを用い、該定着用部材の帯電電位を−200〜+2
00Vに安定させる。これにより、この定着用部材とと
もにトナー像担持体を挾持して定着を行う他の定着用部
材との間に、静電オフセットを生じさせるような電位差
が形成されないようにする。特に、請求項2の発明にお
いては、上記材質として高抵抗のものを用い、トナー像
担持体が転写部と定着部にまたがっているとき等に、転
写電流が、紙→定着用部材→接地という経路で流れるの
を防止する。また、請求項3の発明においては、従来か
ら封筒通紙時しわの発生を防ぐ効果が知られているフッ
素樹脂を導電化したもので上記定着用部材の表層を形成
し、封筒通紙時しわの発生を防ぐとともに、絶縁性のフ
ッ素樹脂を用いる場合に比して定着部材の帯電を軽減す
る。また、請求項4の発明においては、上記定着用部材
を、装置側板により電気絶縁状態で支持し、トナー像担
持体が転写部と定着部にまたがっているとき等に、転写
電流が、紙→定着用部材→接地という経路で流れるのを
確実に防止する。
【0013】請求項5乃至10の発明においては、少な
くとも熱を加えてトナー像をトナー像担持体に定着させ
るための定着用部材の表面をピッチ系炭素繊維を5重量
%以上混入したフッ素樹脂で形成し、これにより、フッ
素樹脂の離型性を維持しながらピッチ系炭素繊維で熱伝
導性を向上させる。特に、請求項6の発明においては、
上記ピッチ系炭素繊維の混入量が30重量%以下になる
ようにし、これにより、ピッチ系炭素繊維の混入過多に
よる離型性の過剰低下を防止する。また、請求項7の発
明においては、上記定着用部材を、電気絶縁状態で装置
側板により支持し、トナー像担持体が転写部と定着部に
またがっているとき等に、転写電流が、紙→定着用部材
→接地という経路で流れるのを防止する。また、該定着
用部材表面に近接して除電部材を配設し、該定着用部材
が過剰に帯電するのを防止する。また、請求項8の発明
においては、上記ピッチ系炭素繊維として長さが6mm以
下のものを用い、これにより、該ピッチ系炭素繊維の分
散性を良好にして、フッ素樹脂への比較的少ない混入量
で熱伝導率を向上させるようにする。また、請求項9の
発明においては、トナー像担持体の上記定着用部材と対
向するのとは反対側の面に圧接するように配設した他の
定着用部材についても、その表面を導電性材料で形成
し、かつ、該表面に対向して除電部材を配設し、これに
より、該他の定着用部材についても、過剰な帯電を防止
して、トナーの帯電極性によらず静電オフセットを防止
できるようにする。また、請求項10の発明において
は、上記他の定着用部材を、高抵抗の材質から成る層の
上に、上記導電性材料からなる表層を形成して構成し、
かつ、上記除電部材を上記表面に近接するように配設
し、これにより、トナー像担持体が転写部と定着部にま
たがっているとき等に、転写電流が、紙→定着用部材→
接地という経路で流れるのを防止する。
【0014】
【実施例】以下、本発明をレーザープリンターの定着装
置に適用した実施例について説明する。図2は本実施例
の定着装置を適用できるレーザープリンターの概略構成
図である。図2において、感光体ベルト1は、帯電チャ
ージャー2によって表面を帯電され、レーザー光学系3
からのレーザー光が照射され、これにより、静電潜像が
形成される。この静電潜像は、現像器4の帯電トナーに
よって可視像化され、これにより、感光体ベルト1上に
トナー像が形成される。このトナー像は、給紙カセット
5から搬送され、かつ、レジストローラ対6によってタ
イミングを合わせて感光体ベルト1に搬送された転写紙
に、転写チャージャー7により転写される。転写後の感
光体ベルト1は、除電装置8によって除電後、クリーニ
ング装置9によって残留トナーが除去され、次の画像形
成に備えられる。一方、トナー像が転写された転写紙
は、定着装置10によりトナー像が定着され、排紙部1
1に排出される。
【0015】図1に示すように、本実施例の定着装置1
0は、トナー像を担持した転写紙上面に接するように配
設された定着ローラ20と、転写紙下面に接して定着ロ
ーラ20とともに転写紙を挾持する加圧ローラ30とを
備えている。上記定着ローラ20は、筒状芯金21上に
離型性の良いフッ素樹脂層22を形成したものであり、
この芯金21の中空内部にはヒータ23が設けられてい
る。上記芯金21は肉厚が例えば0.5〜2.5mmのA
l又は肉厚が例えば0.08〜0.3mmのNi(電鋳法
によるNiのシームレス管や押出材)で形成することが
できる。また上記フッ素樹脂層22は、パーフルオロア
ルコキシ樹脂、四弗化エチレン樹脂、又は、これら両樹
脂の混合物などからなり、厚さが例えば10〜50μm
になるように形成されている。また、上記加圧ローラ3
0は、芯金31上に弾性層32を形成して構成されてい
る。この芯金31はSUSまたはSUM22などの金属
からなり、両ローラ20,30間に圧接力を生じさせる
ために、加圧バネ40により定着ローラ20側に付勢さ
れている。上記弾性層32の材質については後述する。
そして、この例では定着ローラ20に図示しない駆動伝
達機構により駆動を与え、この定着ローラ20に圧接し
ている加圧ローラ30を従動回転させるようにしてい
る。
【0016】ここで、本定着装置10の加圧ローラ30
の弾性層32は、体積抵抗1010Ω・cm以上の高抵抗の
シリコーンゴムを主材質とし、これにアンモニウム塩( の化合物)を1〜15重量%(wt%)いれたもので形
成されている。
【0017】以上のように加圧ローラ30の弾性層32
を、アンモニウム塩を入れた材料で形成することによ
り、加圧ローラ30の弾性層23が負に大きく帯電する
ことを防止し、通紙時の帯電電位を、−200〜+20
0V程度にすることができた。このため、自然に−20
0〜−500V程度に帯電している定着ローラ20との
間に、大きな電位差が生じることがない。特に、転写紙
上のトナー像が負帯電トナーで構成されている場合に
は、電位差の関係で転写紙上の負帯電トナーを加圧ロー
ラ30側へ移動させようとする向きの静電気力を及ぼす
だけなので、トナー像に接触する定着ローラ20表面に
トナーが付着する静電オフセットを有効に防止すること
ができる。また、加圧ローラ30の弾性層32は高抵抗
層になっているので、転写電流が紙を通して加圧ローラ
30に流れることもなく、転写ヌケなどの転写不良を防
止できる。
【0018】なお、図3(a)に示すように、加圧ロー
ラ30の弾性層32を、例えば膜厚30〜100μmの
PFA等のフッ素樹脂からなるチューブ33で被覆し
て、封筒通紙時にしわ等のない良好な定着ができるよう
にしてもよい。この場合、チューブ33が絶縁性である
と、通紙時に−数KVに帯電し、オフセット発生の原因
となるので、導電性PFA等の導電性フッ素樹脂からな
るチューブ33を用いる。これによれば、紙と接触する
表面が導電性で、また、その内側の弾性層32もアンモ
ニウム塩を加えているので、通紙時の帯電電位を−20
0〜+200Vに安定させ、静電オフセットを防止でき
る。また、表面層のみ導電性で電気容量も小さく(膜厚
が薄いため)その内側の弾性層32が高抵抗であるの
で、転写ヌケも発生しない。
【0019】また、転写ヌケを確実に防止するために
は、定着ローラ20のフッ素樹脂層22も、体積抵抗1
10Ω・cm以上の高抵抗層になるようにすることが望ま
しい。更に、図3(b)に示すように、例えば加圧ロー
ラ30の軸受30aを高抵抗の樹脂で形成し、加圧ロー
ラ30を絶縁状態で側板に支持するようにしても良い。
これによれば、転写電流が他の部分に流れることを防げ
るので、一層の転写ヌケ防止効果が得られる。また、こ
れによれば、弾性層32が高抵抗層でない場合にも、転
写ヌケを防止することができる。無論、加圧ローラ30
ばかりでなく、定着ローラ20も同様に絶縁状態にする
ことが望ましい。
【0020】また、上記実施例においては、定着用部材
20,30がいずれもローラ状であるが、無端ベルト状
である場合にも本発明は適用できる。例えば、図4は転
写紙のトナー像を担持している面に接触する側の定着用
部材をベルト状に構成した場合の一例を示すものであ
る。図4において、転写紙のトナー像を担持している面
に接触する側の定着ベルト60は、例えば厚さ10〜2
0μmのポリイミド樹脂からなるベース62上に厚さ1
0〜50μmのフッ素樹脂層をコーティン又は貼り合わ
せにより設けて構成されている。この定着ベルト60は
駆動ローラ61a、従動ローラ61bに支承されてい
る。そして、加圧ローラ30との対向部が、加圧バネ6
4により加圧ローラ30側に付勢された定着ベルト60
を加熱するための例えばセラミックヒーター64によ
り、加圧ローラ30に押しつけられるようになってい
る。加圧ローラ3はこの定着ベルト60と圧接して従動
する。
【0021】また、上記実施例においては、転写紙のト
ナー像を担持していない面に接触し、かつ、加熱源を備
えていない定着用部材である加圧ローラ30の弾性層3
2をアンモニウム塩を含ませた材料で形成したものであ
るが、転写紙のトナー像を担持している面に接触する定
着用部材、又は、加熱源を備えた定着用部材が、過剰な
マイナス帯電により静電オフセットを生じる恐れがある
場合には、このような定着用部材を、アンモニウム塩を
含ませた材料で形成しても良い。
【0022】次に、図5を用いて本発明の他の実施例に
ついて説明する。本実施例は、離型性を維持しながら熱
伝導性も良好な定着用部材を用いた定着装置に関するも
のである。図5において、本実施例の定着装置も転写紙
のトナー像担持面に接触するヒーター23を内蔵した定
着ローラ20とこれと圧接される加圧ローラ30とを有
している。本実施例においても、上記定着ローラ20
は、筒状芯金21上に離型性の良いフッ素樹脂層22を
形成したものであり、この芯金21の中空内部にはヒー
タ23が設けられている。上記芯金21は肉厚が例えば
0.5〜2.5mmのAl又は肉厚が例えば0.08〜
0.3mmのNi(電鋳法によるNiのシームレス管や押
出材)で形成することができる。また上記フッ素樹脂層
22は、厚さが例えば10〜50μmになるように形成
されている。このフッ素樹脂層22については後に詳述
する。また、上記加圧ローラ30は、芯金31上に弾性
層32を形成して構成されている。この芯金31はSU
SまたはSUM22などの金属からなり、両ローラ2
0,30間に圧接力を生じさせるために、加圧バネ40
により定着ローラ20側に付勢されている。上記弾性層
32は例えば高抵抗のシリコーンゴムで形成されてい
る。そして、この例では定着ローラ20に図示しない駆
動伝達機構により駆動を与え、この定着ローラ20に圧
接している加圧ローラ30を従動回転させるようにして
いる。
【0023】ここで、本定着装置10の定着ローラ20
のフッ素樹脂層22は、パーフルオロアルコキシ樹脂、
四弗化エチレン樹脂、又は、これら両樹脂の混合物など
を主成分とし、これに、熱伝導率を向上により定着率を
向上させるためにピッチ系炭素繊維が混入されたもので
ある。このピッチ系炭素繊維としては、石炭ピッチ系炭
素繊維、石油ピッチ系炭素繊維のいずれも使用可能であ
る。例えば、大日本インキ株式会社製のドナカーボS−
231、同S−331、同S−241、同S−242、
同S−244(いずれも商品名)、三菱化成株式会社製
のダイアリードK223、同K661(いずれも商品
名)などの石油ピッチ系の単繊維タイプのものや、日本
石油株式会社製のグラノックチョップドなどの石油ピッ
チ系のものなどを使用できる。
【0024】このようなピッチ系炭素繊維は、分散性を
良好にして比較的少量でも所定の効果が得られるよう
に、長さを6mm以下にして上記樹脂に混入することが望
ましい。これより長いと、樹脂面から繊維が突き出し
て、この樹脂面を定着ローラ30の表面とする場合に
(樹脂層上に被服層を設けない場合に)、オフセットの
原因にもなる。
【0025】そして、ピッチ系炭素繊維の樹脂への混入
量は、熱伝導率向上効果の観点から5重量%以上であっ
て、かつ、副作用である離型性低下によるオフセットを
防止する観点から30重量%以下の範囲内であることが
望ましい。図6(a)はピッチ系炭素繊維の混入量と定
着率との関係を調べた実験結果を示すグラフであり、図
6(b)はピッチ系炭素繊維の混入量とオフセットとの
関係を調べた実験結果を示すグラフである。なお、図7
は比較のためにピッチ系炭素繊維に代えPAN系炭素繊
維を上記樹脂に混入させた場合について、その混入量と
定着率との関係を調べた実験結果を示すグラフである。
この図7からPAN系炭素繊維の混入では定着率向上が
少ないことが判る。
【0026】本実施例は、定着ローラ20のフッ素樹脂
層22を、ピッチ系炭素繊維の混入して形成することに
よって定着率を向上できるので、プリント速度の高速化
により、定着温度を高めたり、定着ローラ20と加圧ロ
ーラ30の圧接力を高めてニップ幅を広くしたりするだ
けでは、充分な定着性を維持できない場合に特に有効で
ある。また、ピッチ系炭素繊維を5重量%以上混入する
と、フッ素樹脂層の摩耗量が減少して定着ローラ20の
耐久寿命が長くなるという効果も確認された。
【0027】更に、定着ローラ20のフッ素樹脂層22
はピッチ系炭素繊維を混入して抵抗が低下しているの
で、定着ローラ20の帯電を軽減できる。従って、定着
ローラ22の過剰な帯電による静電オフセットを軽減で
きる。これのみでは静電オフセットの防止効果が不充分
な場合には、図5(a)中に示したように、定着ローラ
20表面に例えば1mmの間隔をおいて除電ブラシ50を
非接触で対向させ、これにより若干蓄積されたフッ素樹
脂層22の電荷を空中放電で除電するようにしても良
い。図5(b)は、除電ブラシ50の斜視図である。こ
れによれば、定着ローラ20自体はアースされておら
ず、かつ、除電ブラシ50も定着ローラ20に非接触で
あるので、例えば、定着ローラ全体を導電化してアース
に接地する場合と異なり、高湿環境下でも、転写紙が転
写部と定着部との間に介在したときに転写電流が定着ロ
ーラを介してアースにながれて転写ヌケが発生するよう
なことはない。
【0028】また、図8に示すように、加圧ローラ30
の過剰帯電による静電オフセットを防止するためには、
弾性層32の上に導電性PFA等からなるチューブ33
を設け、加圧ローラ30の表層を導電性にして帯電しに
くくしても良い。これに代え、又は、これに加え、加圧
ローラ30の表面にも除電ブラシ50を対向させて配設
しても良い。この場合にも、転写ヌケを防止するため
に、除電ブラシ50を非接触で配設することが望まし
い。これによれば、定着ローラ20と加圧ローラ30の
いずれも過剰帯電が防止されるので、トナーの極性によ
らず静電オフセットを防止することができる。更に、加
圧ローラ30の過剰帯電による静電オフセットを防止す
るためには、前記実施例の加圧ローラ30のように、加
圧ローラ30の弾性層32をアンモニウム塩を含ませた
もので構成しても良い。
【0029】
【発明の効果】請求項1乃至4の発明によれば、少なく
とも圧力を加えてトナー像をトナー像担持体に定着させ
るための定着用部材の材質としてアンモニウム塩を含ま
せたものを用い、該定着用部材の帯電電位を−200〜
+200Vに安定させ、これにより、この定着用部材と
ともにトナー像担持体を挾持して定着を行う他の定着用
部材との間に、静電オフセットを生じさせるような電位
差が形成されないようにするので、静電オフセットを防
止することができる。
【0030】特に、請求項2の発明によれば、上記材質
として高抵抗のものを用い、トナー像担持体が転写部と
定着部にまたがっているとき等に、転写電流が、紙→定
着用部材→接地という経路で流れるのを防止するので、
転写ヌケも防止することもできる。また、請求項3の発
明によれば、従来から封筒通紙時しわの発生を防ぐ効果
が知られているフッ素樹脂を導電化したもので上記定着
用部材の表層を形成したので、封筒通紙時しわの発生を
防ぐとともに、絶縁性のフッ素樹脂を用いる場合に比し
て定着部材の帯電を軽減することができる。また、請求
項4の発明によれば、上記定着用部材を、装置側板によ
り電気絶縁状態で支持し、トナー像担持体が転写部と定
着部にまたがっているとき等に、転写電流が、紙→定着
用部材→接地という経路で流れるのを確実に防止するの
で、転写ヌケも防止することができる。
【0031】請求項5乃至10の発明によれば、少なく
とも熱を加えてトナー像をトナー像担持体に定着させる
ための定着用部材の表面をピッチ系炭素繊維を混入した
フッ素樹脂で形成し、これにより、フッ素樹脂の離型性
を維持しながらピッチ系炭素繊維で熱伝導性を向上させ
るので、オフセットを防止するとともに定着率も向上さ
せることができる。また、ピッチ系炭素繊維を混入する
ことによってフッ素樹脂層の耐摩耗性を高めることがで
きるので、このフッ素樹脂層を表層とした場合にも定着
用部材の寿命を長くすることができる。
【0032】特に、請求項6の発明によれば、上記ピッ
チ系炭素繊維の混入量が5重量%以上かつ30重量%以
下の範囲内になるようにし、これにより、ピッチ系炭素
繊維の混入過多による離型性の過剰低下を防止するの
で、オフセットを有効に防止できる。また、請求項7の
発明によれば、上記定着用部材を、電気絶縁状態で装置
側板により支持し、トナー像担持体が転写部と定着部に
またがっているとき等に、転写電流が、紙→定着用部材
→接地という経路で流れるのを防止するので、転写ヌケ
も防止することことができる。また、該定着用部材表面
に近接して除電部材を配設し、該定着用部材が過剰に帯
電するのを防止するので、静電オフセットも防止でき
る。また、請求項8の発明によれば、上記ピッチ系炭素
繊維として長さが6mm以下のものを用い、これにより、
該ピッチ系炭素繊維の分散性を良好にして、フッ素樹脂
への比較的少ない混入量で熱伝導率を向上させるように
する。また、請求項9の発明によれば、トナー像担持体
の上記定着用部材と対向するのとは反対側の面に圧接す
るように配設した他の定着用部材についても、その表面
を導電性材料で形成し、かつ、該表面に対向して除電部
材を配設し、これにより、該他の定着用部材について
も、過剰な帯電を防止するので、トナーの帯電極性によ
らず静電オフセットを防止できる。また、請求項10の
発明によれば、上記他の定着用部材を、高抵抗の材質か
ら成る層の上に、上記導電性材料からなる表層を形成し
て構成し、かつ、上記除電部材を上記表面に近接するよ
うに配設し、これにより、トナー像担持体が転写部と定
着部にまたがっているとき等に、転写電流が、紙→定着
用部材→接地という経路で流れるのを防止するので、転
写ヌケを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る定着装置の概略構成を示す正面
図。
【図2】同定着装置を適用できるプリンターの概略構成
を示す正面図。
【図3】(a)は同定着装置の加圧ローラの変形例を示
す正面図、(b)は同加圧ローラの支持機構を示す斜視
図。
【図4】同定着装置の変形例を示す正面図。
【図5】(a)は他の実施例に係る定着装置の概略構成
を示す正面図、(b)は(a)中の除電ブラシの斜視
図。
【図6】(a)はピッチ系炭素繊維の混入量と定着率の
関係を示すグラフ、(b)は非燐寸系炭素繊維の混入量
とオフセットの関係を示すグラフ。
【図7】PAN系炭素繊維の混入量と定着率の関係を示
すグラフ。
【図8】同定着装置の変形例を示す正面図。
【符号の説明】
20 定着ローラ 21 芯金 22 フッ素樹脂層 23 ヒーター 30 加圧ローラ 31 芯金 32 弾性層 33 チューブ 40 加圧バネ 50 除電ブラシ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー像を担持したトナー像担持体に少な
    くとも圧力を加えて該トナー像を該トナー像担持体に定
    着させるための定着用部材を備えた定着装置において、 該定着用部材の材質としてアンモニウム塩を含ませたも
    のを用いることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】上記材質として高抵抗のものを用いること
    を特徴とする請求項1の定着装置。
  3. 【請求項3】上記定着用部材の表層を、導電性のフッ素
    樹脂で形成したことを特徴とする請求項1の定着装置。
  4. 【請求項4】上記定着用部材を、装置側板により電気絶
    縁状態で支持したことを特徴とする請求項3の定着装
    置。
  5. 【請求項5】トナー像を担持したトナー像担持体に少な
    くとも熱を加えて該トナー像を該トナー像担持体に定着
    させるための定着用部材を備えた定着装置において、 該定着用部材の表面を、ピッチ系炭素繊維を混入したフ
    ッ素樹脂で形成したことを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】上記ピッチ系炭素繊維の混入量が5重量%
    以上かつ30重量%以下の範囲内であることを特徴とす
    る請求項5の定着装置。
  7. 【請求項7】上記定着用部材を、電気絶縁状態で装置側
    板により支持し、かつ、該定着用部材表面に近接して除
    電部材を配設したことを特徴とする請求項5の定着装
    置。
  8. 【請求項8】上記ピッチ系炭素繊維として長さが6mm以
    下のものを用いたことを特徴とする請求項5の定着装
    置。
  9. 【請求項9】上記定着用部材を、上記トナー像担持体の
    トナー像担持面に圧接するように配設し、かつ、該トナ
    ー像担持体の反対側の面に圧接するように、他の定着用
    部材を配設した請求項5の定着装置において、 該他の定着用部材の表面を導電性材料で形成し、かつ、
    該表面に対向して除電部材を配設したことを特徴とする
    請求項5の定着装置。
  10. 【請求項10】上記他の定着用部材を、高抵抗の材質か
    ら成る層の上に、上記導電性材料からなる表層を形成し
    て構成し、かつ、上記除電部材を上記表面に近接するよ
    うに配設したことを特徴とする請求項9の定着装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0048440B1 (en) * 1980-09-17 1985-12-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Flow control valve
JP2008165024A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Canon Inc 加熱回転体、その加熱回転体の製造方法、及びその加熱回転体を有する像加熱装置
US7426364B2 (en) 2003-12-19 2008-09-16 Sharp Kabushiki Kaisha Fixing method, fixing device, and image forming apparatus
US7558520B2 (en) 2003-10-24 2009-07-07 Ricoh Company, Ltd. Heating member for an image forming apparatus, having improved releasibility and conductivity
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JP2015108746A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 シャープ株式会社 定着装置、画像形成装置及び除電部材の取り付け方法

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