WO2003022193A1

WO2003022193A1 - Element absorbant rendu tridimensionnel dans sa zone centrale par absorption d'eau, et article absorbant faisant appel a celui-ci

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Publication number: WO2003022193A1
Application number: PCT/JP2002/009099
Authority: WO
Inventors: Migaku Suzuki; Katsuhiko Sugiyama; Satomi Takematsu; Kazuyo Mori
Original assignee: Japan Absorbent Technology Institute
Priority date: 2001-09-07
Filing date: 2002-09-06
Publication date: 2003-03-20
Also published as: CN1551752A; JP2003070843A; EP1457185A1; KR20040040453A; US7344522B2; KR100926925B1; JP4229309B2; US20040243081A1; BR0212690A; MXPA04002150A; CN100434056C

Description

明細書吸水により中央部で立体化する吸収体及びそれを用いた吸収体製品技術分野

本発明は、人体からの排泄液を吸収し、そこに固定するための吸収体に関し、さらに詳しくは、吸収時に人体の 3次元的な形状に適合する形状に容易に立体化する易立体化吸収体に関する。さらに本発明は、このような吸水により中央部で立体化する易立体化吸収体を吸収要素として備える吸収体製品に関する。背景技術

液透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、これら両シートの間に介在する吸収体からなる吸収体製品は、種々の用途、例えば尿パッド、尿失禁製品、おむつ等に従来広く用いられている。これらの吸収体製品は、近年、吸収体の厚みによるゴヮツキ感ゃ厶レを解消するために、その厚さを低減することによる薄型化の傾向にある。

しかしながら、薄型吸収体製品は、着用者が動きやすい一方で、身体排出部位への密着性が不十分となりやすいために、排泄直後に体液が身体に沿って流れ、着用者に不快感を与えるという問題を伴いやすい。また、長時間にわたって連続使用した場合には、漏れの原因となっている。

このような問題を解決するために、コアとなる吸収体の中央部に、別に用意した嵩高吸収層を加えて密着性の改善を図ることが提案されている。例えば、特開 2 0 0 0 - 5 1 2 6 9号公報には、パルプ層の長手方向の中央部に、幅の狭いポリマーシー卜層を積層することにより、フィッ卜性の向上を図った吸収体製品が開示されている。しかしながら、上記のような従来の技術では、吸収体の主体である吸収層に、依然として体積が大きい綿状パルプが高い割合で含まれているために、吸収体の厚ぼったさを解消することができない。また、 P及収した液の保持能力が不十分であるために、トップシートにベたつき感が残リ、着用者に不快感を与える場合が多い。

さらに、中央部に立体形状を付与させるためにシー卜状吸収体を新たに積層しなければならないため、材料のコストアップに加えて、装置のコストアップにもつながるという問題点を有している。発明の開示

本発明の目的は、新たにシー卜状吸収体を加えることなく簡便な方法により中央部多層構造部分を形成し、使用前には薄くコンパク卜で、体液吸収後には自発隆起によってさらに優れた身体排出部への密着性を有する吸収体、及びこの吸収体を用いた吸収性製品を提供することである。

本発明に従って、シート状基材の長さ方向に、高吸収成分の存在部位とその非存在部位とが帯状に交互に平行に形成されたシ一卜状吸収体からなリ、前記シー卜状吸収体の前記高吸収成分の非存在部位内の折り曲げ線に沿って前記シート状基材が折リ返されて、前記高吸収成分の存在部位が複数層に重なリ合って形成された少なくとも 1つの帯状の多層構造部分を有し、これによリ前記高吸収成分が乾燥状態にある時には前記多層構造部分の表面と他の部分の表面とはほぼ平坦であるが、吸液に伴って前記多層構造部分が他の部分よリ高く隆起することを特徴とする吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体が提供される。

本発明の好ましい態様を以下に示す。

前記多層構造部分が、シー卜状吸収体の長さ方向の全体に亘つて存在する。前記多層構造部分が、シー卜状吸収体の全長のほぼ 1 Z 2もしくはそれ以下の長さを有し、かつシー卜状吸収体の長さ方向の中央部のみに存在する。

前記多層構造部分の幅方向の両側方に位置する高吸収成分の非存在部位に、シ一卜状吸収体の長さ方向に延びるスリッ卜が形成され、これによリ前記多層構造咅分が他の部分から幅方向の拘束力の影響を受けずに吸液隆起できるようになされている。

前記多層構造部分の中央部において、シー卜状吸収体の長さ方向と直交する方向に延びる離間した 2つのスリツ卜を設けて中央ゾーンが形成されておリ、これにより前記多層構造部分の中央ゾーンが他の部分から長さ方向の拘束力の影響を受けずに容易に吸液隆起できる。

シ一卜状吸収体の中央部分に位置する高吸収成分の存在部位を挟んでその両側に位置する 2つの高吸収成分の非存在部位を、各折リ曲げ部が相互に向き合うように谷折りに折り曲げられることによリ、シー卜状吸収体の中央部に高吸収成分の存在部位が三重となっている多層構造部分が形成されている。

前記相互に向き合った谷折リの折リ曲げ部の間が 5 mm以上の間隔に保持されており、前記多層構造き分が吸液時に 2つの嶺状に隆起する。

シー卜状吸収体の幅方向の中央部に形成された前記多層構造部分の両側に、適当な間隔を隔てて、シート状吸収体を折り畳んで形成されているサイド多層構造部分を有しており、前記中央部多層構造部分と各サイド多層構造部分との間に、液の通路となる谷部が形成されている。

前記サイド多層構造部分の両縁部に沿って延びる帯状のァクイジション層をさらに備えている。

前記中央部多層構造部分と各サイド多層構造部分の少なくとも 1つの多層構造咅分の下面に、その長さ方向に沿って延びる帯状のァクイジシヨン層をさらに備えている。

シー卜状吸収体に形成された前記高吸収成分の存在部位が、 5 0 %以上の高吸液性樹脂を含む高吸収性層で構成され、かつ前記高吸収成分の非存在部位が、前記シー卜状基材のみからなっている。

シー卜状吸収体の高吸収成分の存在部位とその非存在部位が交互に連続細幅ライン状に分布している。

また、本発明によれば、前記吸水にょリ中央部で立体化する易立体化吸収体を P及収要素として備えている吸収体製品が提される。図面の簡単な説明

図 1は、第 1の実施例における易立体化吸収体の幅方向断面図である。

図 2 A、 2 Bは、図 1の易立体化吸収体を搆成するシー卜状吸収体の平面図及び断面図である。

図 3 A、 3 Bは、多層構造部分の一例の未吸液状態及び吸液状態を示す断面の模式図である。

図 4 A、 4 Bは、多層構造部分の一例の未吸液状態及び吸液状態を示す断面の模式図である。

図 5 A、 5 Bは、多層構造部分の一例の未吸液状態及び吸液状態を示す断面の模式図である。

図 6 A、 6 Bは、第 2の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の未吸液状態及び吸液状態を示す断面模式図である。

図 7は、第 3の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の断面模式図であ ^S o

図 8は、第 4の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の断面模式図でめる。

図 9ば、第 5の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の断面模式図である。図 1 0 A、 1 O Bは、第 6の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の斜視國である。

図 1 1 A、 1 1 Bは、第 7の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の斜視図である。

図 1 2は、第 8の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の断面図である。

図 1 3は、第 9の実施例における易立体化吸収体の平面図及び断面図である。図 1 4 A、 1 4 B、 1 4 Cは、第 1 0の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の平面図及び断面図である。

図 1 5 A、 1 5 B、 1 5 C、 1 5 Dは、第 1 1の実施例における易立体ィ匕吸収体の多層構造部分の平面図及び断面図である。

図 1 6 A、 1 6 B、 1 6 Cは、第 1 2の実施例における易立体化吸収体の多層構造部分の平面図及び断面図である。

図 1 7は、本発明の易立体化吸収体を用いて構成された吸収体製品を示す斜視図である。

図 1 8は、図 1 7の F— F ' 線における断面図である。

図 1 9は、本発明の易立体化吸収体を用いて構成された他の吸収体製品を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の易立体化吸収体について図面を参照してさらに詳細に説明する。図 1は、本発明の易立伴化吸収体の基本的な構成を説明するものでぁリ、その長さ方向と直交する線に沿って切断した断面図である。図において、シート状吸収体 1は、不織布のような液体透過性であるシート状基材 1 1の表面に、帯状に高吸収成分の存在部位 1 2と非存在部位 1 3とが交互に形成されたもので、その幅方向の中央部に、シート状吸収体 1を折り畳むことによって形成された多層構造部分 2 0が、シー卜状吸収体 1の長さ方向に延びるように形成されている。なお、図 1では、本発明の易立体化吸収体として、シート状吸収体 1の高吸収成分帯 1 2が設けられている側の表面から立ち上がるように多層構造部分 2 0を形成した例を示しているが、高吸収成分をシート状基材 1 1の下面側に設け、その上面側から立ち上がるように多層構造音分 2 0を形成することもできる。また、シート状吸収体 1は、高吸収成分をシート状基材の間に所定間隔で帯状に平行配置し、各高吸収成分帯間をヒー卜シール等によって接合して形成されているものであってもよい。

図 2 A及び図 2 Bは、図 1に示した易立体化吸収体を構成するのに使用されたシー卜状吸収体 1の一部の平面図及び断面図を示している。このシー卜状吸収体 1は、不織布、好ましくは嵩高性と通気性を有する不織布からなるシート状基材 1 1の表面に、ラインコーティング技術を適用して、シート状基材 1 1の長さ方向に沿って相互に平行な帯状に高吸収成分を塗布することによリ形成されたもので、適当な間隔で配置された複数の高吸収成分帯からなる高吸収成分の存在部位 1 2と、高吸収成分の存在しない部位、すなわち高吸収成分の非存在部位 1 3とが交互に配置されている。

高吸収成分の存在部位 1 2は、易立体化吸収体の吸収の主体をなす部分である。また非存在部位 1 3は、拡散/ァクイジシヨン（a c q u i s i t i 0 n ) 領域として機能し、シート状吸収体 1が液を吸収する前も吸収後も、自由に空気が通過できる通気構造を有していることが望ましい。

シート状吸収体 1に設けられる高吸収成分の存在部位 1 2は、好ましくは、高吸収成分とミクロフイブリル状セルロースとからなる。さらに詳しくは、高吸収成分とミクロフイブリル状セル口ースをプロピレングリコ一ルゃメ夕ノールのような有機溶媒と水との混合溶媒に分散して形成している塗工液を、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系、その他の熱可塑性樹脂、あるいはレーヨン、コットンなどからなる、一般に不織布に用いられている繊維材料を使用して形成されている不織布に帯状に塗工して形成されている。

ミクロフイブリル状セルロースとは、木材パルプを高シェアイ匕で開繊して得られる、平均繊維長 0. 1 %以下の極微細繊維である。シート状吸収体は、高吸収成分を不織布にコーティングして得られるので、任意の幅のラインコートが可能である。塗工パターンは全面コ一卜とラインコートの組み合わせ、ラインコートのみなど選択することができる。

望ましいシー卜状吸収体の形態は、高吸収成分の存在部位と非存在部位が相互に接する連続相を有しているものである。特に、非存在部位がシート状基材のみである場合を例にとると、非存在部位は、存在部位と比較して極めて柔軟であるために、容易に折り畳むことができ、そうすることによって高吸収成分の存在部位同士を折り重ねて相互に接触させることができる。

このように、非存在部位で折り畳んで高吸収成分の存在部位同士を折リ重ねても、シート状基材自体は極めて薄いために、該折り重ね部分の厚さに影響を与えることが少ないし、また、高吸収成分の存在部位にしても、高吸収成分を主成分としているため、従来のパルプ Z高吸収成分混合系と比較して 1 Z 2から 1 5 程度と極めて薄く、前記のように折り重ねても、それによつて生じる凸部はそれほど目立たず、全体的に薄くてコンパク卜な易立体化吸収体を形成することがでさる。

高吸収成分の非存在部位は、幅方向には中央部に、長さ方向には吸収体全長に亘つて配置することにより、非存在部位内に位置する折リ畳み線で折リ畳むことが可能であり、長さ方向に連続な多層構造を形成することができる。また、工業的生産を行う場合には、ガイドブレー卜等の簡単な装置により連続的に容易に折リ畳むことができる。本発明の易立体化吸収体において、シー卜状吸収体に高吸収成分の非存在部位を複数配置しても、必ずしもそれらを全て折り畳む必要はない。高吸収体成分の存在咅位は、任意の幅で、任意の本数を配置することができる。多層構造き分内においても、その最上層は高吸収成分のみからなっていてもよいし、非存在部位が混在していてもよい。

また、本発明の易立体化吸収体は、単一のシート状吸収体を折り曲げて構成してもよく、あるいは複数枚のシート状吸収体を重ねて用いてもよい。 2層以上のシート状吸収体を組み合わせて用いる場合、重ねてから折り畳んでもよいし、シ一卜状吸収体を折り畳んでから下層にシートを重ねてもよい。

再び図 1において、多層搆造部分 2 0の形成は、シート状吸収体 1をその幅方向の中心線を挟んで両側に、適当な幅 Wだけ離れた位置にある 2つの高吸収成分の非存在部位 1 3内で折り曲げ線 S "1及び S 2で山折りに折リ曲げ、両折リ曲げ線 S 1及び S 2よりも外側に位置する高吸収成分の非存在部位 1 3、 1 3内の折リ曲げ線 S 3及び S 4でそれぞれ谷折りに折り曲げることにより行われている。このような折り曲げの結果、折り曲げ線 S 3と曲げ線 S 4とは、間隔 gを隔てて対向することになリ、多層構造部分 2 0では、シ一卜状吸収体 1は、間隔 gの幅を除く大部分において 3層構造となリ、他の部分の 3倍の厚さを有することとなる。

折リ曲げ線 S 3と S 4との間隔 gを小さくすることによって、 3層構造はほぼ均一な厚さとなり、この場合には、多層構造部分 2 0は体液を吸収して膨張し、全体に均一に隆起して、身体に対する密着性を高めることができる。

また、間隔 gの幅を 5 mm以上に離した場合には、中央が〗層、その両サイドが 3層の構造を形成することになる。この場合には多層構造部分 2 0は、吸液による中央部の隆起よりも、その両側での隆起の方が高くなリ、断面形状として M 型となる。これによリ、中央の凹部が液の通路となり、液の拡散性が良好となる。図 3の模式図は、このように、幅方向の中央に多層構造部分 2 0を持つ易立体化吸収体の吸液前の状態 3 Aと、吸液によリ全体が膨潤 ·膨化して厚さを増加した状態 3 Bを示している。 3 A及び 3 Bにおいて、特に、中央の多層構造部分 2 0は、この部分が、アーチ状に隆起して立体化し、着用者の身体の排泄部の溝状部分に沿って密着する。その結果、着用者の運動等によっても所定の位置からズレるおそれはなく、その吸収機能を最大限に発揮する。

本発明において、上記のような折り畳みを複数回にわたって行い、中央部に任意の層を形成することが可能であり、折り畳みが多重になるほど、吸液によりさらに容易に膨化、隆起して自立的に立体化状態に至る。このように中央部が自立的に隆起して容易に立体化状態に至る構造の吸収体を、この明細書では「易立体化吸収体」と称する。

このような自発的に立体化する機能は、その隆起の方向を規定することによつてよリ顕著になリ、しかもその程度を制御することが可能である。

図 3〜図 5は、伸長しないシー卜状基材の長さ方向に沿って相互に平行な帯状に高吸収成分の存在部位とその非存在部位とが交互に形成されたシート状吸収体 1を用いて、その折り曲げ線の位置や間隔等を変えて、異なる形状の多層搆造咅 P 分 2 0を形成した例を模式的に示している。これらの各図において、 Aは未吸収状態、 Bは液を吸収して全体が膨潤 ·膨化によリ厚さを増した状態をそれぞれ示している。

図 6は、本発明の他の実施の形態による易立体化吸収体を示している。この易立体化吸収体は、 S B、 S M Sのような不織布材料、 O E、 P Pなどのフイルムあるいはその積層体などの非伸長性のシー卜状材料 3 0を使用し、その上に多層構造音分 2 0を形成したシー卜状吸収体 1を重ね、多層構造部分 2 0の両側において、ホッ卜メル卜 3 1で非伸長性のシー卜状材料 3 0に固定した構造を有している。この場合には、ホッ卜メル卜で固定されていて多層構造部分 2 0の幅方向におけるシ一卜状吸収体 1の伸長が規制されているため、多層構造部分 2 0の膨化方向は上方のみで可能となり、極めて早い安定した立体化が達成される。

さらに本発明の易立体化吸収体においては、シート状吸収体の幅方向の中央部に設けられた多層構造部分に加えて、その両側部にもサイド多層構造部分を設けることか'できる。

このような構成の一例を図 7に示す。この例の易立体化吸収体を構成するシート状吸収体 1の幅方向の中央部に、高吸収成分を配置した面を下向きにして、図 1に示した易立体化吸収体と同様のセンタ一多層構造部分 2 0が上向きに形成されるとともに、その両側部に、シート状吸収体 1の側縁部の一部を、センタ一多層構造部分 2 0とは反対側 (易立体化吸収体の使用状態における裏面働に折り返して二重にしたサイド多層構造部分 4 0が形成されている。

図 8は、多層構造部分 2 0が形成されている面と同一表面にシート状吸収体 1 を折り返すことにより形成されたサイド多層構造部分 5 0を形成した例を示している。この例の易立体化吸収体においては、センター多層構造部分 2 0と各サイド多層構造部分 5 0との間に、表面側に開口するチャンネル 5 1が形成される。このチャンネル 5 1は、多層構造部分 2 0で吸収されなかった液をチャンネル 5 1内に流入させ、このチャンネル 5 1内の高吸収成分の存在部位 1 2に速やかに P及収、固定させる。

図 9は、サイド多層構造部分 5 0は図 8の例と同じであるが、センター多層構造部分 2 0が、シー卜状吸収体 1の幅方向の中央でその裏面側に折り畳むことにより形成され、これにより、センター多層構造部分 2 0の中央部にチャンネル 5 2が形成される。このチャンネル 5 2は、易立体化吸収体に液が供給されたときに、この液を一旦チャンネル 5 2内に貯留し、時間の経過に応じて、このチヤンネル 5 2を囲む高吸収成分存在部位 1 2に吸収、固定される。また、サイド多層構造部分 5 0は、上方に立ち上がって側縁部における防漏壁の役割を果たす。ここまでに説明してきた各実施例において、本発明の易立体化吸収体の構成は、シート状吸収体を折り畳むことによって幅方向の中央部に形成されている多層構造部分を有するものであるが、シー卜状吸収体の長さ方向に帯状に延びるように複数の多層構造部分を形成し、易立体化吸収体の吸収の主体をなす領域、すなわち長さ方向における中央部分において、多層構造部分を形成するようにすることも可能である。以下に、このような多層構造部分を設けた易立体化吸収体のいくつかの形態を示す。

図 1 O Aは、長さ方向に延びる折り曲げ線に複数 (この例では 4本)の相互に平行な高吸収成分存在部位 1 2を形成したシー卜状吸収体 1を示し、図〗 0 Bは、その中央部に位置して互いに連接する 2つの高吸収成分存在部位 1 2を、シー卜状吸収体 1の長さ方向の中央部のみにおいて互いに寄せ集めて結合して多層構造部分 6 0を形成した易立体化吸収体を示している。

隣接する 2つの高吸収成分存在部位 1 2を互いに寄せ集めて結合する手段として、この実施の形態では、図 1 O Aに示すように、長さ方向に相互に平行に延びるように形成された複数 (この例では 4本)の高吸収成分存在部位 1 2を形成したシート状吸収体 1に、形成すべきセンター多層構造部分の幅方向両側の高吸収成分の非存在部位内の位置においてスリッ卜カツ卜 6 1を形成し、図 1 0 Bに示すように、このスリットカツ卜 6 1で挟まれた部位にある高吸収成分存在部位 1 2 を互いに接触させて、ホットメル卜等を用いて結合面 6 2で結合し、これによりセンター多層構造咅分 6 0を形成している。

あるいは、図 1 1 Aに示すように、長さ方向に相互に平行に延びるように形成された複数 (この例では 4本)の高吸収成分存在部位 1 2を形成したシー卜状吸収体 Uこ、形成すべきセンター多層構造部分の長さ方向中央部の位置において、長さ方向と直交する方向に延びる離間した 2つの平行なスリットカツ卜 7 1、 7 1 を形成し、このスリットカツ卜 7 1 、 7 1で他の部分から切リ離された部位で高吸収成分存在部位 1 2を互いに接触させて、ホットメル卜等を用いて結合線 7 2 で結合し、これによりセンター多層構造部分 7 0を形成することも可能である。上記のようなスリツ卜カツ卜を有する本発明の易立体化吸収体では、その多層構造部分がそれに隣接する部位の拘束から解放されるので、吸液時の隆起がさらに容易になるという利点が得られる。さらにスリットカットを設けることにより、これを通じて排出体液が下層部へ物理的に透過、移動することが可能になるので、易立体化吸収体の裏面に配置される液不透過性裏面シー卜との間で良好に液を拡散させることができ、易立体化吸収体の表裏両面からの吸収を可能とするものである。

以上に述べたような構造を有する本発明の易立体化吸収体は、シー卜状基材の長さ方向に沿って相互に平行な帯状の高吸収成分の存在部位とその非存在部位とが交互に形成されている平坦なシー卜状吸収体と比較して、中央部に多層構造部分が存在することによって優れた吸液 ·固定性能を有するが、さらに多量の液が短時間に集中して供給されるような条件に対応できるように、液を一時的に保持する、いわゆるァクイジシヨン機能を持つ層を追加することができる。

図 1 2は、図 1に示したものと同様の、多層構造部分 2 0を有する易立体化吸収体において、この多層構造部分 2 0の両側に沿って長さ方向に延びるように配置されたァクイジシヨン層 7 3を設けた易立体化吸収体を示している。

このァクイジシヨン層 7 3は、図 1 3に示すように、 Ω字状に折り曲げて形成した多層構造部分 2 0の空間部内に配置することも可能である。

図 1 4〜図 1 6は、本発明に適用可能な他の折り畳み構造を例示している。図 1 4 Aに示すように、複数の相互に平行な高吸収成分存在き位 1 2を設けたシー卜状吸収体 1に、中央に位置する 2つの高吸収成分存在部位 1 2の外側の高吸収成分の非存在部位であるシ一卜状基材 1 1にスリットカツ卜 8 1を形成し、この 2本のスリッ卜カット 8 1で挟まれた部分において、図 1 4 B及び 1 4 Cに示すように、高吸収成分存在部位 1 2の下面同士が互いに接するように接着剤 8 2等を用いて接合し、これにより、易立体化吸収体 1は、その中央部に、他の部分から隆起したセンター多層構造部分 8 0が形成されている。

図 1 5に示した例では、複数列の高吸収成分存在部位 1 2を設けたシー卜状吸収体 1を、適当な位置にある隣接する 2つの高吸収成分存在部位 1 2— "I及び 1 2 - 2にまたがって延びるように、その長さ方向中央部に適当な距離だけ離間した 2本のスリットカット 9 1、 9 1を形成するとともに、該スリットカツ卜間の高吸収成分存在部位 1 2 - 1の内側（1 2— 1と 1 2— 2の間）に位置する高吸収成分の非存在部位内でその長さ方向に延びる折リ曲げ線 9 2に添って谷折リに、反対側の高吸収成分存在部位 1 2— 2の外側に位置する高吸収成分の非存在部位内の折り曲げ線 9 3に沿って山折りに折り曲げて、図 1 5 Cに示すように、この高吸収成分存在部位 1 2 - 1をそれに隣接する高吸収成分存在部位 1 2— 2上に折り重ねて全体で 3層重なった積層構造が形成され、さらに、図 1 5 Dに示すように二重になった高吸収成分存在部位 1 2— 1及び 1 2— 2を 2つのスリツ卜力ッ卜 9 1、 9 1の間の咅分で起立させることにより、他の部分から隆起したセンター多層構造部分 9 0が形成されている。

さらに、図 1 6に示した例では、複数列の高吸収成分存在部位 1 2を設けたシ —卜状吸収体 1に、隣接する複数本（この例では 2本）の高吸収成分存在部位 1 2を長さ方向に適当な距離だけ離れた部分で切り離すように 2本のスリッ卜力ッ卜と、一方のスリッ卜カツ卜の一端から他方のスリッ卜カツ卜の一端に達するように長さ方向に延びるスリットカツ卜からなるコ字形スリットカツ卜 1 0 1 aを設けることによりフラップ 1 0 2 aが形成されている。同様に、このフラップ 1 0 2 aから適当な距離だけ幅方向に離れた位置で、対称形の第 2のスリツ卜カツ卜 1 0 1 bが形成されている。この 2つのフラップ 1 0 2 及び1 0 2 bは、図 1 6 Bに示すように、内側に折り曲げることで、その間に位置するき分の上に重ねられ、これによリ図 1 6 Cに示すようにシート状吸収体 1の中央きにおいて、

2列の高吸収成分存在部位 1 2が 3層に重なったセンター多層構造部分 1 0 0が形成されている。

このような構成のシー卜状吸収体 1は、センター多層構造部分 1 0 0が吸液した場合に高く隆起することが可能であり、さらに、センター多層構造部分 1 0 0 に隣接するフラップ 1 0 2 a及び Ί 0 2 bが形成されていた部分が開口部となつており、この開口部を通じて排出体液が下層部へ物理的に透過、移動することが可能となり、下層部において排出体液の貯留、拡散、吸収が容易に行えるようになる。

上に述べたような種々の形態の多層構造部分を有する本発明の易立体化吸収体は、通常のシート状吸収体として種々の吸収体製品に組み込むことができ、前述のような優れた吸収性能を発揮する。

図 1 7及び図 1 8は、センター多層構造部分 1 2 0を形成した易立体化吸収体 1 2 1を用いて構成された吸収体製品 1 2 2の一例を示している。図 1 7及び図 1 8において、符号 1 2 3はトップシート、 1 2 4はバックシー卜、 1 2 5は弾性部材、 1 2 6はティッシュをそれぞれ示している。このような搆成を有する吸収体製品 1 2 2は、液体が供給されることにより、センター多層搆造部分 1 2 0 の大きい吸収容量により効果的な吸収を行うとともに、このセンター多層構造部分 1 2 0が隆起し、人体の凹凸面にフィットして優れた漏れ防止作用を発揮する。また図 1 9は、同様の易立体化吸収体 1 3 1を用いて構成された他の形態の吸収体製品 1 3 2を示している。

以上に説明したように、本発明の吸収体製品は、液透過性の卜ップシ一卜と液不透過性のバックシートと、これら両シートの間に配置された体液を吸収、保持する吸収体本体からなり、幅方向中央部は折り畳み構造を形成している。前記折リ畳み構造は吸収体本体を折リたたんだ後に卜ップシー卜、バックシートを張り合わせることにより形成してもよいし、その逆に吸収体本体、バックシ一卜を張リ合わせた後に折リ畳んで形成してもよい。産業上の利用の可能性

以上説明したように本発明の易立体ィヒ吸収体は、その幅方向の中央部に、易立体化吸収体を構成しているシー卜状吸収体を少なくとも二重にした多層構造部分を有しているので、供給された液を吸収したとき、この多層構造部分が速やかに吸液すると同時に、他の部分よりも高く隆起して自発立体化し、着用者の身体に密着して、液の漏れを効果的に防止する。従って本発明の易立体化吸収体は人体からの排出液を吸収し固定する吸収体製品に適している。

Claims

請求の範囲

1 . シー卜状基材の長さ方向に、高吸収成分の存在部位とその非存在部位とが帯状に交互に平行に形成されたシー卜状吸収体からなり、前記シー卜状吸収体の前記高吸収成分の非存在部位内の折リ曲げ線に沿って前記シート状基材が折リ返されて、前記高吸収成分の存在部位が複数層に重なり合って形成された少なくとも 1つの帯状の多層構造部分を有することを特徴とする吸水により中央 arc立体化する易立体化吸収体。

2 . 前記多層構造部分が、前記シート状吸収体の長さ方向の全体に亘つて存在することを特徴とする請求項〗記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

3 . 前記多層構造部分が、前記シー卜状吸収体の全長のほぼ 1 / 2もしくはそれ以下の長さを有し、かつシート状吸収体の長さ方向の中央部のみに存在することを特徴とする請求項〗記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

4 . 前記多層構造部分の幅方向の両側方に位置する高吸収成分の非存在部位に、前記シー卜状吸収体の長さ方向に延びるスリッ卜が形成され、これによリ前記多層構造部分が他の部分から幅方向の拘束力の影響を受けずに吸液隆起できるようになされていることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

5 . 前記多層構造部分の中央部において、シート状吸収体の長さ方向と直交する方向に延びる離間した 2つのスリツ卜を設けて中央ゾーンが形成されており、これにより前記多層構造部分の中央ゾーンが他の部分から長さ方向の拘束力の影響を受けずに容易に吸液隆起できることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

6 . 前記シー卜状吸収体の中央部分に位置する高吸収成分の存在部位を挟んでその両側に位置する 2つの高吸収成分の非存在部位を、各折リ曲げ部が相互に向き合うように谷折リに折リ曲げられることによリ、前記シー卜状吸収体の中央部に高吸収成分の存在部位が三重となっている多層構造部分が形成されていることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

7 . 前記相互に向き合った谷折リの折リ曲げ部の間が 5 m m以上の間隔に保持されており、前記多層構造部分が吸液時に 2つの嶺状に隆起することを特徴とする請求項 6に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

8 . 前記シー卜状吸収体の幅方向の中央部に形成された前記多層構造部分の両側に、適当な間隔を隔てて、前記シート状吸収体を折り畳んで形成されているサィド多層構造部分を有しており、前記中央部多層構造部分と各サイド多層構造部分との間に、液の通路となる谷部が形成されていることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

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9 . 前記サイド多層構造部分の両縁部に沿って延びる帯状のァクイジション層をさらに備えていることを特徴とする請求項 8記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

1 0. 前記中央部多層構造部分と各サイド多層構造部分の少なくとも 1つの多層構造咅分の下面に、その長さ方向に沿って延びる帯状のァクイジシヨン層をさらに備えていることを特徵とする請求項 Ίに記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

1 1 . 前記シー卜状吸収体に形成された前記高吸収成分の存在部位が、 5 0 % 以上の高吸液性樹脂を含む高吸収性層で構成され、かつ前記高吸収成分の非存在音位が、前記シート状基材のみからなっていることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

1 2 . 前記シート状吸収体の高吸収成分の存在部位とその非存在部位が交互に連続細幅ライン状に分布していることを特徴とする請求項 1に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体。

1 3 . 請求項 1〜 1 2のいずれか 1項に記載の吸水によリ中央部で立体化する易立体化吸収体を吸収要素として備えていることを特徴とする吸収体製品。