WO2000022215A1 - Filet a structure tridimensionnelle, et materiau structurel composite utilisant ledit filet - Google Patents

Description

明 細 書 立体構造状ネッ トと、 このネッ トを用いた複合構造材

[ 技術 分野 ]

本発明は、 経編編成による立体構造状ネッ ト、 特にネッ ト目空間を 1}成す る立体紐部の構造安定性や保形性、 耐圧性および弾力性に優れ、 各種の用途 に広く好適に使用できる立体構造状ネッ 卜と、 このネッ 卜を用いた複合構造 材に関するものである。

[ 背景技術 ]

従来より、 経編編成の二重編地によるネットとして、 少なくとも一方が網 状をなす表裏の素地を連結糸により連結し、 ネット目空間 （ネットの網目 孔） を画成する紐部を立体構造にして、 厚みおよび空隙保有率を高くした立 体構造のネッ トが知られている。

この経編編成の立体構造のネッ トは、 経編編成による二重編地の欠点とし て、 連結糸のループ形成形態等の編成構造による特有の方向性を有しており、

1方向 （主として編方向） に倒れ易くなつている。 とりわけ、 ネッ トの厚み が大きいものほど前記の欠点が顕在化する。

また、 二重編によるネッ 卜目空間を画成する紐部が表裏の素地に対して略 垂直の壁状をなすものの場合は、 ネッ トの厚みが大きくなるほど、 連結糸の 長さ （ネット目空間を画成する紐部の高さ） が大きくなつて、 倒れ等に対す る安定性が損われる。 これを補うためには、 例えば立体の紐部の開脚度を大 きく し、 ネット目空間の開口径をある程度大きくしなければならない。 すな わち、 厚みの大きい立体構造のネッ トは、 ネッ ト目空間が必然的に大きなも のになる。

しかしながら、 ネッ ト目空間の開口径が大きくなると、 外部からの荷重を 受ける部分が立体の紐部のみであるために、 単位面積当りの受圧部分が少な くかつ部分的なものになり、 充分な耐圧強度が得られない。 その上、 表面を 編織布等のシート材でカバ一したとしても、 表面には、 ネッ ト目空間の部分 が凹みとなってネッ 卜特有の凹凸があらわれることになり、 不体裁でしかも 当触感も悪くなる。 また部分的に耐圧強度が異なることにもなる。

したがって、 厚みが大きくて十分な弾力性や耐圧性を持ち、 しかもネッ ト 目空間の小さいことが望まれるスベーサ一、 靴のインソール、 クッション材 あるいはマツ ト材等としては、 満足できるものではない。

また、 大きな耐圧性や弾力性および構造安定性が要求される場合には、 ネ ッ トの厚みゃネッ ト目空間の開口径 （差し渡し） は、 あまり大きくすること ができないものであり、 その用途は限定されている。 すなわち全体として大 きな網目のネッ 卜にすることができない。

さらにまた、 耐圧性や弾力性および構造安定性が要求され、 かつネッ ト目 空間の小さいことが望まれる衣料用スぺ一サ一等の衣料品ゃクッシヨン材等 の場合、 従来の立体構造のネッ トでは空隙保有率が低下し、 かつ目付 〔重量

( g ) /単位面積（m ² ) 〕 が大きくなり、 使用上およびコス ト上では不利 になる。

また、 本発明の出願人は、 経編編成による立体構造状ネッ トとして、 マツ ト材ゃクッション材その他の各種の用途に広く利用できるようにするために、 耐圧性や構造安定性を向上させるように工夫したネッ トを提案している 〔例 えば、 （a ) 特許第 2 7 6 2 0 5 2号公報、 （b ) 特開平 1 0— 1 3 1 0 0 8号公報〕 。

因みに、 前記 （ a ) は、 ネッ ト目空間を画成する紐部を交互に左右に傾斜 させて トラス構造にしたものであり、 また前記 （b ) では、 ネッ ト目空間を 画成する立体の紐部を構成する連結糸を X字状に掛け渡して倒れを防止する こととしている。 従来は、 前記のような技術によって、 絰編編成による立体構造のネッ トの 構造安定性を確保するようにしたのであるが、 これらいずれの場合も、 ネッ ト目空間の大きさと、 連結糸の長さのバランスが取れないと、 十分な構造安 定性が得られない。 のみならず、 立体構造自体も確保できない場合があり、 また、 空隙保有率も低下し、 目付 （g /m ² ) も大きくなる。

例えば、 前記 （ a ) のトラス構造のネッ 卜の場合は、 ネッ 卜の厚みが大き くなると、 ネッ ト目空間の開口径も大きくなつて、 ネッ ト厚み方向の荷重に 対する支えの力が弱くなり、 厚み方向の耐圧強度や弾性力が低下することに なる。 すなわち倒れ等に対する構造上の安定性を出すには、 厚みが厚いもの 程、 ネッ ト目空間の開口径を大きく しなければならない。

また、 前記トラス構造のネッ トの場合、 ネッ ト目空間を画成する紐部が編 方向に交互に左右に傾斜するように、 表裏の素地の網目を形成する紐条部同 士の結節部の位置をずらせて編成している関係で、 ネッ ト状に拡開した状態 においては必然的にジグザグ状をなす表裏の紐条部同士がクロスする （平面 的に見て） ところができる。 したがって、 ネッ ト状に拡開して熱セッ ト等の 加工を施した状態では、 表裏の素地の紐条部間に掛け渡された連結糸の編目 形成位置間の距離が異なっている。 すなわち、 表裏の結節部同士の間の距離 が最も長くなり、 前記のクロス部分の間の距離が最も短くなる。

—方、 表裏の紐条部間に掛け渡される連結糸の長さは基本的に一定である ために、 距離が最も長い前記結節部間では連結糸が直線に近い状態となるが、 距離が最も短い前記クロス部分では連結糸が屈曲した状態となって、 十分な 耐圧強度を発揮できないことになる。 また前記結節部間の連結糸は最も傾斜 した状態になるために、 その耐圧強度は連結糸が垂直方向をなす場合よりも 小さくなる。

また、 前記のようにジグザグ状をなす表裏の紐条部同士がクロスしたタイ プの立体構造状ネッ トでは、 表裏の素地に対し直立方向の連結糸と傾斜した 連結糸がある。 この連結糸の効果は、 耐圧力と横方向の倒れに対する力とに 二分され、 耐圧力を出そうとして直立の連結糸を多くすると、 倒れに対する 力が弱くなり、 またこれとは逆に倒れに対する力を大きくするために、 傾斜 した連結糸を多くすると、 ネッ ト面に対し垂直方向 （ネッ ト厚み方向） の耐 圧力を減ずることになる。 また、 ネッ ト厚み方向の耐圧力と横方向の倒れに 対する力との完全なバランスが取れないので、 耐圧力に対する安定性に欠け る。

したがって、 前記 （ a ) および （b ) の立体構造状ネッ トの提案では、 方 向性の問題を解決する狙いもあつたが、 経編編成による二重編地特有の編方 向の倒れに対する対策としては、 必ずしも充分な効果が得られず、 その使用 上、 耐圧性に問題が生じることがあった。 そのため、 ネッ ト目空間の大きさ と連結糸の長さに一定の制限が付与され、 その用途や使用形態も制限される 結果となっていた。

そこで、 本発明は、 上記の問題を解決した立体構造状ネッ ト、 すなわちネ ッ ト目空間を画成する立体紐部の保形性がよく、 特に経編特有の方向性を打 ち消すことに大きな力を発揮し、 構造安定性および耐圧性に優れるとともに、 良好な弾力性を保持でき、 また張力を与えるだけで簡単にネッ ト目空間を画 成する立体紐部を構成でき、 しかも空隙保有率が高く軽量で取り扱い易く、 これらの特性を利用して、 各種衣料、 マッ ト材ゃクッション材、 あるいはそ れらの中間材等の工業材料として、 さらには法面の植生ネッ トゃ保護ネッ ト その他の各種の用途に広く好適に使用することができる立体構造状ネッ トを 提供するものであり、 さらにこの立体構造状ネヅ トを用いた複合構造材を提 供するものである。

[発明の開示 ]

本発明は、 経編編成により、 網状をなす表裏の素地と、 これら両素地を所 要の間隔を存して連結する連結糸とにより形成されてなる立体構造状ネッ ト であって、 表裏の素地の網目の大きさを表裏で異にして編成され、 表裏一方 の素地の大きい網目を形成する紐条部と他方の素地の小さい網目を形成する 紐条部とに連結糸が掛け渡されて立体紐部が形成されており、 この立体紐部 は、 その全部または一部において、 前記連結糸が、 大きい網目の側の紐条部 から小さい網目の側の複数の紐条部に掛け渡されることにより、 小さい網目 を形成する側で該紐部内に小さい網目を保有する幅を持った立体状をなして いることを特徴とする。

この立体構造状ネッ トによれば、 表裏の素地の網目が大小をなし、 一方の 網目が他方の網目より小さいために、 比較的大きいネッ ト目空間を有するも のであっても、 小さい網目の側を表側にして使用すれば、 表面の体裁および 当触感が良好であり、 特にシート材で被覆した状態において外表面にネッ ト の凹凸があらわれることもない。 また大きい網目と小さい網目との組合せで、 比較的大きなネッ ト目空間を形成できるため、 空隙率が高く、 例えば 8 0 % 以上の空隙率を有するものとすることができ、 厚みがあっても軽量化できる。 中でも 9 0 %以上のものは一層軽量で取扱い易いものとなる。

しかも、 ネッ ト目空間を画成する立体紐部の全部または一部において、 連 結糸が、 大きい網目の側の紐条部から小さい網目の側の複数の紐条部に掛け 渡されることにより、 小さい網目を形成する側で該紐部内に小さい網目を保 有する幅を持った立体状をなしているため、 弾力性を良好に保持して、 しか も立体紐部の構造安定性がよく、 経編の二重編地特有の方向性が抑えられ、 倒れ等が生じないものになり、 耐圧性も良好に保持される。

また、 表裏の一方の網目が小さいことで、 ネッ ト状に拡開し張設するのも 容易で、 ネッ ト全体としての平面的な寸法安定性が増し、 拡開状態での立体 形状の安定性や寸法安定性も良好になる。 したがって、 用途に応じて、 表裏 の網目ゃネッ ト目空間の大きさを自由に選択して実施できる。 特に、 前記立体紐部を、 その全部または一部において、 前記連結糸の掛け 渡し部分が傾斜して掛け渡されることにより、 その内部に、 例えば断面が略 三角形、 略逆三角形、 略台形または逆台形等の立体空隙を有する実質的に中 空の立体形状をなしているものとするのがよい。

これにより、 立体紐部における傾斜した連結糸の掛け渡し部分が、 特に大 きい網目の側の紐条部からみて主に両側に傾斜することになつてつつばり作 用を果す。 そのため耐圧性がよくて形が崩れ難く、 立体紐部の構造安定性に さらに優れ、 バランスもよく、 経編の二重編地特有の方向性が抑えられ、 倒 れ等が生じないものになる。 したがって、 網状をなす表裏の素地に対して、 略直角に力が加わった場合にも、 立体構造状ネッ トは表裏面に対し垂直方向 に圧縮され、 良好なクッション性を発揮する。

さらに前記の立体構造状ネッ トにおいて、 前記立体紐部は、 傾斜した連結 糸により形成される立体空隙が編方向および/または編幅方向に連続する 卜 ンネル状をなし、 実質的に連通状態をなすように形成されてなるものが好適 である。

すなわち、 このように形成された立体紐部は、 立体構造状ネッ トとして拡 開しあるいは展張して張設することにより、 トンネル状に連続した立体形状 が形成されるため、 立体形状を安定化する効果が大きく、 前記の構造安定性 や倒れ防止の効果がさらに増大する。 また前記のように トンネル状に連続し た立体紐部内部の空隙は、 通気、 通水等の流通部として有効に利用できる。 例えば、 法面等の緑化安定用の植生用ネッ トに使用した場合に、 ネッ ト目空 間に客土等の他物が充填されても、 前記の立体紐部の内部にトンネル状の立 体空隙を保有することで、 良好な通気、 通水性を確保できる。

また、 床ずれ防止マッ ト、 自動車の空気調整機能を備えたシートあるいは 靴の中材ゃィンソ一ル等に使用した場合には、 前記立体空隙のトンネル構造 のみならず、 ネッ ト目空間による大きな立体空隙率と、 ネッ トのクッション 性によるポンプ効果とによって、 常に充分な空気が供給されることになり、 通気性の良いマツ ト材料として好適に使用できる。

本発明の前記立体構造状ネッ トとして、 表裏一方の素地において大きい網 目を形成する紐条部が、 1ゥエール若しくは複数ゥエールの編目列により構 成され、 また他方の素地において小さい網目を形成する紐条部が、 1ゥエー ル若しくは前記大きい網 gを形成する紐条部より少ないゥエールの編目列に より構成され、 それそれ編方向の所要間隔毎に両側に隣接する紐条部と交互 に結節されることによりジグザグ状をなして、 多角形の網目を形成している ものとすることができる。

これにより、 前記立体紐部における連結糸が、 大きい網目を形成する紐条 部または該紐条部同士の結節部から、 両側に傾斜した形で他方の複数の紐条 部に掛け渡された状態になって、 前記のような内部に立体空隙を有する立体 形状とすることができる。 しかもこれにより、 前記の連結糸によるつっぱり 作用が良好確実になされ、 バランスがよくなり、 全体としての耐圧強度や保 形性がさらに良好なものになる。

また、 本発明の前記立体構造状ネッ トとして、 表裏の一方の素地において 網目を形成する紐条部が、 1ゥエールの鎖編による編目列と該編目列に対し て横振り挿入される挿入糸とによるマ一キュゼッ 卜組織で編成されることに より、 該素地の網目が角目状をなし、 また他方の素地において網目を形成す る紐条部が、 複数ゥエールの編目列により構成されるとともに、 該紐条部が 編方向の所要間隔毎に両側に隣接する紐条部と交互に結節されてジグザグ状 をなすことにより、 該素地の網目が多角形をなしているものとすることがで きる。

この場合、 表裏の一方の素地のマーキュゼ、ソ ト組織により、 経緯に充分な 引張り強度を持ち、 経緯の寸法安定性や保形性に優れ、 耐圧性も良好に保持 される。 そのため、 特に引っ張り強度が要求される用途に好適に使用できる。 前記の立体構造状ネッ トは、 編方向において、 表裏一方の素地の大きい網 目の 1個分の編成コース数または複数個分の編成コース数が、 他方の素地の 小さい網目の 1個分の編成コース数の複数倍になっており、 編方向および編 幅方向において、 表裏一方の素地の大きい網目の 1個または複数個が、 他方 の素地の小さい網目の、 前記大きい網目の数より多い複数個分に相当するよ うに形成されてなるものとする。

このように、 表裏の大きい網目と小さい網目の大きさを、 用途に応じて適 宜設定することにより、 経編編成により容易に製造できることになる。 本発明は、 前記の立体構造状ネッ トにおいて、 表裏一方の素地の大きい網 目の略中央部に、 他方の素地の小さい網目の少なく とも一つが対応位置する ように編成され、 この対応する双方の網目を画成する紐条部間に網目全周に わたって連結糸が掛け渡され、 その内方に形成されたネッ ト目空間が略漏斗 状をなしているものとすることができる。

このような構成による立体構造状ネッ トは、 大きい網目で開口するネッ ト 目空間の周囲の立体紐部が、 その全周にわたって断面略三角形等の立体空隙 を有する立体形状をなし、 かっこの立体形状がトンネル状に連続することに もなるため、 厚み方向の圧縮荷重に対してバランスよく支えることができ、 二重編地特有の方向性が殆どなくなり、 構造安定性や耐圧性がさらに向上す また本発明は、 前記の立体構造状ネッ トにおいて、 表裏一方の大きい網目 の側の素地における紐条部同士の結節部と大きい網目の略中央部とに、 それ それ他方の素地の紐条部同士の結節部が対応位置するように編成され、 大き い網目の側の結節部において、 他方の素地における対応位置の結節部に掛け 渡される垂直方向の連結糸と、 大きい網目の略中央部に対応位置する両側の 結節部に掛け渡される傾斜方向の連結糸とを有してなるものとすることもで きる。 このように大きい網目の側の結節部において、 垂直方向の連結糸と、 その 両側に傾斜する連結糸とを有することになつて、 十分な耐圧強度を確保でき、 倒れ等が生じず、 やはり構造安定性が向上する。

本発明は前記の立体構造状ネッ トにおいて、 表裏の素地間の連結糸が、 立 体紐部における編方向の任意の個所において、 相対応するゥエールの編目列 より少なくとも 1ゥエール以上左右に移行して掛け渡されており、 この連結 糸の掛け渡し部分が、 立体紐部の内部またはネッ 卜目空間において略 X状に 交叉しているものとすることができる。 これにより、 立体紐部の保形性がさ らに良好になり、 倒れ等が生じず、 表裏面に対し垂直方向に良好なクッショ ン性を保持して、 ネッ ト全体に亘つて略均一でかつ良好な耐圧強度を保持で きる。

また本発明は、 前記の立体構造状ネッ トにおいて、 編方向の所要個所で、 表裏の素地の網目の大きさおよび/または形状を変化させて編成したものと することができる。

このように、 表裏の素地の網目の大きさや形状を部分的に変化させること により、 厚み方向の圧縮荷重に対するパランスがよくなり、 経編の二重編地 特有の方向性を抑制でき、 経緯の寸法安定性、 構造安定性、 耐圧性等がさら に向上する。 さらに意匠的変化も与えることができる。

本発明の前記立体構造状ネッ トにおいて、 編幅方向の任意の位置の立体紐 部および/または各立体紐部の編幅方向の任意の位置に、 表裏の紐条部間に 連結糸のない空間部分が形成され、 前記空間部分が編方向および/または編 幅方向に連通状態をなすように形成されてなるものとすることができる。 この立体構造状ネッ トによると、 立体紐部の中の連結糸のない空間部分が 編方向および/または編幅方向にほぼ直線状に連通した立体的な空間となる ので、 この空間部分に、 他の部材との結合のための部材ゃ張設のための部材 等、 種々の機能を持つ長尺体を挿入することが可能になり、 特に前記長尺体 をクロス状に挿入することもできる。 これにより、 用途に応じた機能を持つ た複合資材として好適に使用できる。

本発明の前記立体構造状ネッ 卜において、 編幅方向の両側耳部において、

1もしくは複数の紐条部間の連結糸を除いて編成されることにより編方向に 連続する筒部が形成されてなるものとすることができる。 これにより、 両側 耳部の筒部に、 他の部材との結合のための接着や縫合のための部材ゃ張設ゃ 取付けのための長尺部材を揷入することが可能になる。 この筒部を扁平化さ せて他のネッ トゃシ一ト材との結合用に利用することもできる。

さらに本発明は、 前記構成のいずれかの立体構造状ネッ 卜の複数を重ね合 せてなる複合構造材を特徴とする。

このような複合構造材によると、 複数の立体構造状ネッ トを重ね合せたこ とにより、 相対接する両ネッ トの素地同士が相互に変形および二重編地特有 の方向性を規制するように作用し、 しかも対接した素地の部分が厚み方向の 中間部において補強層としての役目を果し、 厚みがかなり大きなものであつ ても、 全体としての保形性や構造安定性および耐圧性がきわめて良好に保持 される。 また、 例えば大きい網目の側の素地同士を重ね合せることにより、 空隙保有率を高く して、 しかも表裏両面を小さい網目の構造材とすることが できる。 さらに、 弾性力の高いものと低いものとを組合せることによって、 厚み方向の加圧に対して底つき感をなくすことができる。 したがって、 例え ばクッション材ゃマツ ト材、 衝撃吸収材その他の立体ネヅ ト構造を利用でき る各種用途に好適に使用できる。

前記の複合構造材において、 編ゲージ、 糸の太さ、 網目の大きさ等を異に して構成された複数の立体構造状ネッ トを重ね合せることができる。 この場 合にも、 用途に応じた強度や弾力性およびネッ ト目構造をもつた複合構造材 を得ることができる。

また本発明の他の複合構造材は、 上記した構成のいずれかの立体構造状ネ ッ トと、 他の構造のネッ ト体とを重ね合せてなるものである。 この場合も、 立体構造状ネッ トの保形性や構造安定性を高め、 立体構造による空隙保有性 や弾力性および耐圧性を利用した各種の用途に好適に使用できる。

また本発明の他の複合構造材は、 上記した立体構造状ネッ トを含む複合構 造材として、 表裏の少なく とも一方および/または中間部に、 編織布、 パイ ル布、 不織布、 綿状物、 ウレタンフォーム、 合成樹脂フィルム、 紙等のシ一 ト材、 あるいは合成樹脂や木もしくは金属、 セラミック、 セメント等よりな る板状物、 あるいは空気または水や油等の液状物の入ったマツ トゃクッショ ン材等の少なくとも 1種を重ね合せて接合してなるものである。

この場合、 立体構造状ネッ トの耐圧性や構造安定性をさらに良好に保持で き、 立体構造状ネッ トと重ね合せた部材のそれそれの特性を活かして、 マツ ト材ゃクッシヨン材あるいは構造物の壁材ゃ断熱材その他の各種の用途に好 適に使用できる。

本発明のさらに他の複合構造材は、 上記した立体構造状ネッ トを含む複合 構造材であって、 表裏に非通気性シ一トまたは通気性シートを貼り合せて被 覆し、 内部に気体、 液体、 粉粒体の 1種もしくはこれらの複数の混合体を封 入するか、 または粒状物等の固体を充填してなるものである。 これにより、 立体構造状ネッ トの持つ弾力性や耐圧性と、 内部に封入または充填した物質 の変形許容性とが相俟って、 ベッ ドや枕等の寝具類、 椅子やソファ一、 靴の ィンソールその他の用途に好適に利用できる。

[図面の簡単な説明]

図 1は、 本発明の 1実施例の立体構造状ネッ トを略示する一部を欠截した 斜視図である。

図 2は、 同上の一部の略示拡大平面図である。

図 3は、 図 2の X— X線の一部の略示拡大断面図である。 図 4は、 図 2の Y— Y線の一部の略示拡大断面図である。

図 5は、 同上のネッ トの一部の略示拡大斜視図である。

図 6は、 同上のネッ 卜の編組織の 1例を示す各構成糸のラッビング図であ 0

図 7は、 本発明のネッ 卜の他の実施例を示す一部の略示平面図である。 図 8は、 前図の Ζ— Ζ線の一部の略示拡大断面図である。

図 9は、 本発明のネッ 卜のさらに他の実施例を示す一部の略示拡大断面図 である。

図 1 0は、 同上のネッ トの編組織を例示する各構成糸のラッビング図であ る。

図 1 1は、 本発明のネッ トのさらに他の実施例を示す一部の略示平面図で め ο

図 1 2は、 同上のネッ トの一部の略示拡大断面図である。

図 1 3は、 同上のネッ卜の編組織を例示する各構成糸のラッピング図であ る 0

図 1 4は、 本発明のネッ 卜のさらに他の実施例を示す一部の略示拡大断面 図である。

図 1 5は、 前図とは挿入糸の掛け渡し形態を異にした例を示す一部の略示 拡大断面図である。

図 1 6は、 図 1 4のネヅ 卜の編組織を例示する各構成糸のラッビング図で ある。

図 1 7は、 本発明のネッ 卜のさらに他の実施例を示す一部の略示拡大断面 図である。

図 1 8は、 同上のネットの編組織を例示する各構成糸のラッピング図であ る ο

図 1 9は、 本発明のネッ トのさらに他の実施例を示す一部の略示平面図で ある。

図 2 0は、 同上のネッ トの一部の略示拡大断面図である。

図 2 1は、 本発明のネッ トのさらに他の実施例を示す一部の略示断面図で ある。

図 2 2は、 本発明のネッ トのさらに他の実施例を示す一部の略示断面図で ある。

図 2 3は、 本発明のネッ トのさらに他の実施例を示す一部の略示断面図で

¾)る。

図 2 4は、 本発明にかかる複合構造材の 1実施例を示す一部欠截略示斜視 図である。

図 2 5は、 同上の複合構造材の一部の略示断面図である。

図 2 6は、 本発明の複合構造材の他の実施例を示す一部の略示断面図であ o

図 2 7は、 本発明の複合構造材のさらに他の実施例を示す一部の略示断面 図である。

図 2 8は、 本発明の複合構造材のさらに他の実施例を示す一部の略示断面 図である。

図 2 9は、 本発明の立体構造状ネッ トを寝具用のマツ トレスに使用した例 を示す一部欠截斜視図である。

図 3 0は、 本発明の立体構造状ネッ トを椅子のクッション材に使用した例 を示す一部欠截斜視図である。

図 3 1は、 本発明の立体構造状ネッ トをバッグに使用した例を示す一部欠 截斜視図である。

[発明を実施するための最良の形態] 図 1は、 主として適度に剛性および弾性を付与できる合成繊維糸条により 絰編編成された本発明の 1実施例に係る立体構造状ネッ 卜 Aを略示しており、 図 2は同上の一部の略示拡大平面図、 図 3および図 4はそれぞれ図 2の X— X線および Y— Y線の一部の略示拡大断面図、 図 5は同上のネッ 卜の一部の 略示拡大斜視図である。 図 6はこの立体構造状ネッ 卜 Aの編組織を示してい る。

図 1〜図 5において、 図中の符号 1 , 2はそれそれ表裏の網状をなす素地、 1 1， 2 1は表裏それそれにおいて網目 1 2 , 2 2を形成する紐条部を示し、 また 3は前記表裏両素地 1， 2を所要の間隔を存して連結する連結糸を示し ており、 これらにより、 所要の厚みを持つ空隙率の高い立体構造状ネッ ト A が形成されている。

この実施例の立体構造状ネッ ト Aにおいては、 表裏の素地 1 , 2の一方、 例えば、 素地 1の網目 1 2が他方の素地 2の網目 2 2より大きく形成され、 一方の素地 1の大きい網目 1 2を形成する紐条部 1 1 と、 他方の素地 2の小 さい網目 2 2を形成する紐条部 2 1とに連結糸 3が掛け渡されて、 通気およ び通水可能な空隙を内部に有する立体紐部 4が形成されている。 この立体紐 部 4は、 その全部または一部において、 前記連結糸 3が、 大きい網目 1 2の 側の紐条部 1 1から小さい網目 2 2の側の複数の紐条部 2 1に掛け渡される ことにより、 小さい網目 2 2の側で該紐部内に小さい網目 2 2を保有する幅 を持った立体状をなしている。

特に、 前記の立体紐部 4の全部または一部において、 前記連結糸 3の掛け 渡し部分が、 大きい網目 1 2の側から見て両側に傾斜して小さい網目 2 2の 側の紐条部 2 1に掛け渡されることにより、 断面が略三角形、 略逆三角形、 略台形または略逆台形等の立体空隙を内部に有する実質的に中空の立体形状 をなすように編成されている。 この立体紐部 4に囲まれた空間がネッ ト目空 間 Sとなる。 これにより、 前記立体紐部 4において両側に傾斜した連結糸 3 の掛け渡し部分が、 厚み方向の荷重に対してつっぱり作用を果すようになつ ている。

前記の立体紐部 4は、 傾斜した連結糸 3により形成される立体空隙が、 編 方向および/または編幅方向に連続する トンネル状をなし、 実質的に連通状 態をなすように形成しておくことができる。

具体的には、 例えば、 前記表裏一方の素地 1において大きい網目 1 2を形 成する紐条部 1 1が、 鎖編糸と、 鎖編ゥエールに対して横振り挿入される揷 入糸とによる複数ゥエール （図の場合は 2ゥエール） の編目列により構成さ れ、 また、 他方の素地 2において小さい網目 2 2を形成する紐条部 2 1が、 前記大きい網目 1 2を形成する紐条部 2 1よりも少ないゥエールの同様の編 目列 （図の場合は 1ゥエール） により構成されて、 それぞれ編方向の所要間 隔毎に両側に隣接する紐条部と交互に結節されることにより、 ジグザグ状を なして編方向に連続しており、 これにより略六角形や略四角形 （菱形等） の 多角形の網目 1 2， 2 2が形成されている。

そして、 表裏の素地 1 , 2の紐条部 1 1， 2 1の対応するゥエールの編目 列間に前記連結糸 3が掛け渡されて編成されることにより、 前記立体紐部 4 の全部または一部の連結糸 3が、 大きい網目 1 2の側の紐条部 1 1から、 小 さい網目 2 2の側の 2本以上 （図の場合は 2本） の紐条部 2 1に前記のよう に両側に傾斜して掛け渡されており、 これによつて前記のように実質的に中 空の立体形状、 つまり内部に立体空隙を有する立体形状をなすように形成さ れている。 1 3は紐条部 1 1 , 1 1同士の結節部、 2 3は紐条部 2 1 , 2 1 同士の結節部を示している。

前記一方の素地 1の大きい網目 1 2 と、 他方の素地 2の小さい網目 2 2の 大きさの割合については、 編方向および編幅方向ともに適宜任意に設定でき る。 その割合は、 編方向および編幅方向において大きい網目 1 2の 1個が小 さい網目 2 2の複数個分に相当する場合のほか、 前記大きい網目 1 2の複数 個が、 小さい網目 2 2の複数個 （ただし大きい網目の数より多い） 分に相当 するように設定することもできる。 このように設定することにより、 絰編編 成が容易になる。

例えば、 図 1〜図 5の実施例の場合、 その編方向において、 表裏一方の素 地 1の大きい網目 1 2の 1個分の編成コース数、 つまり隣接する二つの紐条 部 1 1 , 1 1間の結節部 1 3から次の結節部 1 3までの編成コース数が、 他 方の素地 2の小さい網目 2 2の 1個分の編成コース数の 2倍、 すなわち大き い網目 1 2が小さい網目 2 2の 2倍となるようにし、 さらに編幅方向におい ても表裏一方の素地 1の大きい網目 1 2が、 他方の素地 2の小さい網目 2 2 の 2個分について 1個の割合で、 つまりは幅が 2倍になるように形成してい る。

また、 図示していないが、 その編方向において、 表裏一方の素地 1の大き い網目 1 2の 1個分の編成コース数が、 他方の素地 2の小さい網目 2 2の 3 個分の編成コース数になるようにし、 さらに編幅方向においては、 大きい網 目 1 2の 1個が、 小さい網目 2 2の 2個分に相当するように編成して実施す ることができる。

さらに、 図 1〜図 5の実施例の場合、 表裏一方の素地 1の大きい網目 1 2 の略中央部に、 他方の素地 2の小さい網目 2 2の 1個が対応位置するように 編成され、 この対応する双方の網目 1 2 , 2 2を画成する紐条部 1 1， 2 1 間に網目 1 2 , 2 2の全周にわたって連結糸 3が掛け渡されて、 その内方に 形成されたネッ ト目空間 Sが略漏斗状をなすように形成されている。

これにより、 ネッ ト目空間 Sの周囲の立体紐部 4が、 その全周にわたって 内部に立体空隙を有する断面略≡角形等の実質的に中空の立体形状をなし、 かっこの立体形状がトンネル状に連続して、 厚み方向の圧縮荷重に対してバ ランスよく支えることができるようになつている。 また、 前記の立体形状を なす立体紐部 4が、 ネッ ト全体にわたって トンネル状に連続していることで、 構造安定性や倒れ防止の効果がさらに大きくなり、 また内部の立体空隙を、 通気、 通水等のための流通空間として有効に利用できるようになつている。 前記立体紐部 4の立体形状において、 大きい網目 1 2の側の紐条部 1 1よ り両側に傾斜する連結糸 3の掛け渡し部分がなす角度ひが、 4 5 ° 〜7 5 ° 、 特に好ましくは 6 0 ° 前後となる断面が略正三角形に近い立体形状をなすよ うに、 網目の大きさやネッ トの厚みを設定して編成すれば、 構造安定性が最 も良好なものになるが、 用途に応じて要求されるネッ トの厚み、 目合の大き さ、 及び使用される糸条によっては、 前記角度より大きい場合や、 小さい場 合もあり、 前記角度に限られるものではない。

前記の立体構造状ネッ ト Aは、 2列の針床を有するダブルラッシェル機に よって絰編編成されるもので、 その編成の具体例を図 6に基いて説明する。 ダブルラッシェル機のフロント側においては、 それそれ鎖編糸を 2本ずつ 交互に導糸する 2種の鎖編箴 L 2 および L 3 と、 挿入糸を 2ゥエール毎に導 糸する揷入糸箴 L 1 とにより、 鎖編箴 L 2 および L 3 による鎖編ゥエールに 対してそれそれ挿入糸を横振り挿入しながら、 2ゥエールにわたる編目列に より表側の網状の素地 1の紐条部 1 1をそれそれ編成する。 そして結節部に 相当するコース位置において、 前記鎖編箴 L 2 , L 3 の鎖編糸をそれそれ左 右交互に 2ゥエール分横に相互に移行させて編目形成することにより、 左右 に隣接する紐条部 1 1 と交互に結節する編成を繰返す。

また、 バック側においては、 前記のフロント側とは異なり、 それそれ鎖編 糸を 1本づっ交互に導糸する 2種の鎖編箴 L 5 および L 6 と、 挿入糸を各ゥ エール毎に導糸する挿入糸箴 L 7 とにより、 鎖編箴 L 5 , L 6 による鎖編ゥ エールに対してそれそれ挿入糸をジグザグ状に挿入して、 1 ゥエールの編目 列により裏側の網状の素地 2の紐条部 2 1をそれぞれ編成する。 そして前記 フロント側の編成コース数の 1 / 2の編成コース数毎に、 例えばフロン ト側 の結節コース位置に対応するコース位置と、 その中間のコース位置とにおい て、 前記鎖編箴 L 5 ， L 6 の鎖編糸をそれそれ左右交互に 1ゥエール分横に 相互に移行させて編目形成することにより、 左右に隣接する紐条部 2 1 と交 互に結節する編成を繰返す。 これにより、 バック側には図 2のようにフロン ト側の網目 1 2の 1 / 2の編方向の長さおよび幅を持つ網目 2 2が形成され ることになる。

また連結糸 3については、 それぞれ連結糸を各ゥエール毎に導糸する連結 糸箴 L 4 を用い、 表裏で互いに対応するゥエールの編目列、 すなわち表側の 素地 1の紐条部 1 1を構成するそれぞれ 2ゥエールの編目列と、 これに対応 する裏側の素地 2の紐条部 2 1を構成する編目列とに交互に掛け渡して編目 形成することにより、 前記両素地 1 , 2を連結糸 3で連結編成する。

なお、 特に図示はしていないが、 2種 （ 2枚） の連結糸箴を用いることと して、 鎖編箴 L 2 ， L 3 が左右交互に 2ゥエール分横に相互に移行すること により結節部を形成する部分では、 これら 2枚の連結糸箴についても、 前記 移行部分において左右交互に 2ゥエール分横に相互に移行させて連結編成す ることができ、 これにより、 表裏の素地相互の強力の均一化が図られ、 さら に安定性のよい構造となる。 また、 図 2の Y— Yに相当する位置でも、 同様 に連結糸を 2ゥエール分横に相互に移行させることによって、 連結糸が交叉 して立体紐部の横方向の倒れに対して一層安定することになる。

前記のような編組織で編成すれば、 これを編幅方向に拡開あるいは展張す るだけで、 前記連結糸 3が大きい網目 1 2の側の紐条部 1 1から見て両側に 傾斜して小さい網目 2 2の側の 2本の紐条部 2 1に掛け渡されて、 立体紐部 4が断面略 3角形等の立体空隙を内部に有する実質的に中空の立体形状をな して トンネル状に連続するとともに、 これによつて囲まれた各ネッ ト目空間 Sが表裏の網目 1 2 , 2 2間において略漏斗状をなすことになる。 しかも表 裏の一方の網目 2 2が小さいため、 前記のように拡閧し展張するのも容易で、 拡開状態での立体形状の安定性や寸法安定性も良好になる。

したがって、 前記のように編成されたネッ トを適当に編幅方向に拡開ある いは展張して、 必要に応じて熱セッ トすれば、 使用糸に適度に保形力や剛性 および弾性力が付与されて、 図 1〜図 5のような形態をなす安定性のよい立 体構造状ネッ ト Aが得られる。 しかも表裏の一方の素地 2の網目 2 2が小さ く、 該素地の表面の体裁や当触感が良好で、 かつシート材で被覆した状態に おいても、 外表面にネッ トの凹凸が殆どあらわれないものとなる。

それゆえ、 前記の立体構造状ネッ ト Aは、 表裏の素地 1， 2の一方を大き い網目 2 1、 他方を小さい網目 2 2として、 高い空隙率を保有し、 軽量で、 しかも寸法や形状を安定させることができ、 特に耐圧性や構造安定性が要求 される用途、 例えばマッ ト材ゃクッション材、 あるいはこれらの芯材ゃ中綿 材等の中間材ゃカバ一材、 あるいは枕、 バッグ、 鞫、 靴の中材等に好適に利 用できることになる。

また、 ドレープ性のある糸を表裏の素地 1 , 2に使用した場合にも、 前記 のように拡閧するだけで立体構造になるので、 用途が拡大し、 衣料用ゃスポ —ヅ、 アウト ドアグッズ用のスぺーサ一、 インテリャ、 カーテン、 帽子、 リ ストパンド、 プロテク夕一、 ベス ト、 シャツ、 パンツ等にも好適に利用でき る。

さらに前記の立体紐部 4の内部空間を、 通気や通水のための流通部として 有効に利用でき、 例えば前記立体構造状ネッ トを法面等の緑化安定用の植生 ネッ トに好適に使用できる。 すなわち、 植生ネッ トとしての使用において、 前記立体紐部 4の卜ンネル状の内部空間により良好な排水性や通気性を確保 でき、 また降雨時には効率よく分散排水できて法面への過度の侵水を防止で き、 雨水によるエロ一ジョンや滑り崩落を防止できる。 また立体形状の安定 化により、 客土や植物の保持力を高めるだけでなく、 片側面の小さい網目 2 2により法面の客土等の流失や崩落をも防止できる。 さらに前記ネ、 Jヽ トは建 設用ゃ農業用の給排水ドレーン材としても利用できる。

図 7および図 8は、 本発明の立体構造状ネッ ト Aの第 2の実施例を示して いる。 この実施例において、 表裏一方の大きい網目 1 2の側の素地 1におけ る紐条部 1 1 , 1 1同士の結節部 1 3 と大きい網目 1 2の略中央部とに、 そ れそれ他方の素地 2の紐条部 2 1 , 2 1同士の結節部 2 3が対応位置するよ うに編成され、 大きい網目 1 2の側の結節部 1 3において、 他方の素地 2に おける対応位置の結節部 2 3に掛け渡される垂直方向の連結糸 3と、 大きい 網目 1 2の略中央部に対応位置する両側の結節部 2 3， 2 3に掛け渡される 傾斜方向の連結糸 3とを有するように編成している。 これにより、 この部分 において立体紐部 4が断面略三角形、 略逆三角形、 略台形または略逆台形等 の立体空隙を内部に有する実質的に中空の立体形状を形成している。

この実施例の場合、 立体紐部 4により囲まれたネッ ト目空間 Sは、 一方の 素地 1側では大きい網目 1 2の閧口径を持ち、 且他方の素地 2側では、 二つ の小さい網目 2 2 , 2 2で開口することになる。

そして、 前記の結節部 1 3の部分における厚み方向の圧縮荷重に対しては、 図 8に示すように、 両側の傾斜した連結糸 3の間の部分がつっぱり作用を果 すとともに左右の振れや倒れを規制し、 かつ垂直方向の連結糸 3の部分で垂 直方向の力を受けて、 全体として優れた耐圧性を発揮でき、 前記同様に各種 用途に好適に利用できる。

この実施例の立体構造状ネッ ト Aは、 図 6における編組織と基本的に同様 の導糸構造にして、 図 6の場合とはバック側の結節コース位置を、 編成方向 に 1 リビートの 1 / 4に相当するコース分だけ位置をずらせて編成すること により得ることができる。

なお、 表裏の一方の大きい網目 1 2を形成する素地 1の紐条部 1 1につい ては、 上記した実施例のように複数ゥエールで構成するもののほか、 特に 2 種の連結糸箴を用いることにより、 図 9のように、 1ゥェ一ルの編目列によ り構成することも可能である。 この場合、 他方の小さい網目 2 2を形成する 素地 2側の紐条部 2 1についても、 1 ゥエールの編み目列で構成する。 図 1 0はその編組織の 1例を示している。 すなわち、 この編組織のように、 フロント側では、 鎖編糸を 1本づっ交互に導糸する 2種の鎖編箴 L 2 および L 3 と各ゥエール毎に導糸する挿入糸箴 L 1 とにより、 大きい網目 1 2を形 成する紐条部 1 1を 1ゥエールの編目列で編成し、 またバック側でも、 鎖編 箴 L 6 および L 7 と挿入糸箴 L 8 とにより、 小さい網目 2 2を形成する紐条 部 2 1を 1ゥエールの編目列で編成し、 さらに連結糸 3を 1本ずつ交互に導 糸する 2種の連結糸箴 L 4 , L 5 を用い、 連結糸を、 1コース毎にフロント 側からバック側へ、 またバック側からフロント側へ掛け渡す際に、 それぞれ 隣接ゥエールに移行させて斜めに掛け渡して編成する。

これにより、 大きい網目を形成する紐条部が 1ゥエールの編目列よりなる ものでありながら、 連結糸 3が、 大きい網目 1 2の側の紐条部 1 1から見て 両側に傾斜して小さい網目 2 2の側の 2本の紐条部 2 1に掛け渡されて、 立 体紐部 4が断面略 3角形等の立体空隙を内部に有する立体形状をなすネッ ト が得られる。

図 1 1および図 1 2は、 大きい網目 1 2の側の一方の素地 1の紐条部 1 1 を 3ゥエールの編目列で編成し、 他方の素地 2の紐条部 2 1を 1ゥエールの 編目列で編成し、 両者の編目列間に連結糸 3を掛け渡して、 その少なく とも 一部において断面が略三角形状や略台形状等の安定性のよい実質的に中空の 立体形状をなす立体紐部 4を形成した場合を示している。

図 1 3は前記の立体構造状ネッ 卜 Aの編組織を示す。 この編組織において、 フロント側では、 3ゥエールずつ交互に鎖編糸を導糸する鎖編箴 L 2 , L 3 により、 網目 1 2に対応した所定の編成コース毎に左右に交互に 3ゥエール 横振りして結節するように編成するとともに、 この鎖編ゥエールに対し挿入 糸箴 L 1 により 3ゥエール毎に 1本ずつ導糸される挿入糸を 3ゥエール間に 横振り挿入することにより、 網目 1 2を形成する紐条部 1 1を編成している。 バヅク側については、 上記の実施例と同様に、 各ゥエール毎に交互に鎖編 糸を導糸する鎖編箴 L 6 , L 7 と挿入糸を導糸する挿入糸箴 L 8 により、 網 目 2 2に相当する所定の編成コース毎に左右に交互に横振りして結節するよ うにして、 素地 2の網目 2 2を形成する紐条部 2 1を編成している。

前記の挿入糸箴 L 1 ， L 8 により導糸する挿入糸の役割としては、 素地の 網目形状を安定させ、 ネッ ト全体の寸法安定性を出すことが上げられる。 ま た挿入糸に弾性糸を使った場合には、 伸縮性を付与することができる。 また 挿入糸に熱収縮性糸を使えば、 地素地が一層締まり、 形状安定性をより高め ることができる。

そして連結糸 3については、 3ゥエールずつ交互に導糸する 2種の連結糸 箴 L 4 , L 5 を用い、 表裏で互いに対応するゥエールの編目列に交互に掛け 渡して編目形成するとともに、 所要のコース位置で数ゥエール横のゥエール に移行させるようにして、 両素地 1 , 2を連結編成する。

このように編成することにより、 図 1 1および図 1 2のように、 少なく と も大きい網目 1 2を形成する紐条部 1 1， 1 1同士の結節部 1 3の個所で、 略三角形や略台形の実質的に中空の立体形状をなす立体紐部 4が形成される。 この立体紐部 4に囲まれた部分は、 図示の例のように、 一方の素地 1の側で は大きい網目 1 2で開口し、 他方の素地 2の側では一つまたは複数の小さい 網目 2 2で開口するネッ ト目空間 Sとなり、 このネッ ト目空間 Sが大きい網 目 1 2から小さい網目 2 2に向って略漏斗状をなしている。 また立体紐部 4 はトンネル状をなして編方向およびノまたは編幅方向に連続することになる。 それに加えて、 連結糸が部分的に交差することになるので、 編幅方向の形状 安定性も増す。

それゆえ、 図 1〜 5の実施例の場合と同様に、 耐圧性や構造安定性および 倒れ防止効果に優れ、 また通気、 通水のための流通部を立体紐部で確保でき、 マッ ト材、 クッション材、 衣料用スぺーサ一および植生用ネッ ト等の各種の 用途に好適に使用できる。 なお、 前記の一方の素地 1の紐条部 1 1を 3ゥエールの編目列により形成 する場合において、 そのうちの 1ゥエールの編目列とこれに対応する他方の 素地 2の編目列との間の連結糸を抜いて編成することもできる。

前記のほか、 表裏一方の素地の大きい網目を形成する紐条部を 3ゥエール を越える複数ゥエールの編目列により、 他方の素地の小さい網目を形成する 紐条部を前記大きい網目を形成する紐条部より少ないゥエールの編目列によ り構成して実施することもできる。

上記の各実施例の立体構造状ネッ トにおいて、 図 1 4、 図 1 5及び図 1 7 に例示するように、 表裏の素地 1， 2に掛け渡される連結糸 3を、 立体紐部 4における編方向の任意の個所において、 表裏で相対するゥエールより少な くとも 1ゥエール以上、 例えば 2 ~ 3ゥェ一ル左右に移行させて斜めに掛け 渡して編成することにより、 この斜めの掛け渡し部分 3 1を、 例えば図のよ うに立体紐部 4の内部の任意の位置および/またはネッ ト目空間 Sの内部の 任意の位置において略 X状に交叉させることもできる。 これにより立体紐部 4の保形力が増し、 倒れが生じ難く、 立体構造がさらに良好に保持される。 特に、 斜めに傾斜した連結糸が重なりあって、 表裏の素地面に対して垂直の 方向 （ネッ トの厚み方向） に比較的柔軟なクッション性を保有し、 しかも耐 圧性も良好なものになる。

図 1 4の立体構造状ネッ ト Aは、 例えば図 1 6の編組織のように編成する。 この編組織において、 フロント側は鎖編箴 L 2 ， L 3 と挿入糸箴 L 1 とによ り、 またバック側は鎖編箴 L 6 , L 7 と挿入糸箴 L 8 により、 それそれ図 6 の編組織における L 2 , L 3 , L 1 及び L 5 , L 6 , L 7 と同様に編成する ；が、 連結糸 3については、 2ゥエール毎に各 1本の連結糸を交互に導糸する 2種の連結糸箴 L 4 ， L 5 により、 所要コース毎に交互に左右に隣接するゥ エールに掛け渡して編成する。 この図 1 6の編組織の場合、 大きい網目 1 2 を形成する紐条部 1 1の 2ゥエールに対応するように、 連結糸箴 L 4 , L 5 の連結糸 3を導糸して編成する場合を示している。

前記の編組織における挿入糸の導糸方法を異にして、 大きい網目 1 2の側 の隣り合う紐状部 1 1 , 1 1の相隣接するゥエールに、 連結糸箴 L4 , L5 の連結糸 3を導糸して編成することにより、 例えば図 1 5のように、 連結糸 3の掛け渡し部分 3 1を、 大きい網目 1 2によるネッ ト目空間 Sおよび立体 紐部 4の中で略 X状に交叉させることができる。 この場合、 ネッ トの厚みと 小さい網目 2 2との関係で、 連結糸 3の傾斜角度をより大きくすることがで き、 厚みがあってかつ安定した立体構造状ネッ トとすることができる。

また図 17の立体構造状ネッ ト Aは、 例えば図 1 8の編組織のように、 フ ロント側は鎖編箴 L2 , L3 と挿入糸箴 L1 とにより、 またバック側は鎖編 箴 L6 ， L7 と挿入糸箴 L8 により、 それそれ図 1 3の編組織における L2 , L3 , L1 および L6 ， L7 , L8 と同様に編成するとともに、 連結糸 3に ついては、 3ゥエール毎に 2本の連結糸を導糸する連結糸箴 L4 および 3ゥ エール毎に 1本の連結糸を導糸する連結糸箴 L5 とを用いて、 一方の連結糸 箴 L4 は 2本の連結糸を交互に左右に隣接するゥエールに掛け渡して編成し、 また他方の連結糸箴 L5 は 1本の連結糸を交互に左右に 2ゥエール横のゥェ —ルに掛け渡して編成することにより得ることができる。

なお図 13、 図 1 6あるいは図 1 8の編組織において、 フロント側の挿入 糸箴 L1 を 3ゥエール毎に 2本の揷入糸を導糸して、 2ゥエール間に横振り 挿入することもでき、 この素地 1の紐条部 1 1はやや厚地となって、 構造が さらに安定化する。 この場合もまた、 大きい網目 1 2の中で連結糸を略 X状 に交叉させることができ、 より安定した立体構造状ネッ トとすることができ る。

また、 図 6の編組織、 さらには図 9、 図 1 3、 図 1 6および図 1 8の各編 組織において、 バック側の挿入糸箴 L7 あるいは L8 により導糸する挿入糸 のテンションを高く し、 該挿入糸を編方向に略直線状に挿入するように編成 することにより、 紐条部 1 1 , 2 1の伸びを規制し、 形態安定性をさらに高 めることができる。

上記のいずれの実施例においても、 図 1 9および図 2 0のように、 任意の 位置の立体紐部 4の連結糸 3を除いて編成することにより、 表裏の紐条部 1 1 , 2 1間に連結糸 3の存在しない空間部分 5を編方向に形成しておくこと ができる。

このような立体構造状ネッ ト Aは、 例えば図 6の編組織において、 連結糸 箴 L 4 のうちの、 空間部分 5を形成する立体紐部 4に相当するゥエール位置 の連結糸 3を抜いて編成すれば、 表裏素地 1 ， 2の紐条部 1 1 , 2 1間に連 結糸を有さないで編方向に連続する空間部分 5が形成されて、 図 1 9のよう な立体構造状ネッ ト Aが得られる。

前記の連結糸のない空間部分 5の位置は、 前記連結糸箴の糸抜きのゥエー ル位置を選択することによって任意に設定でき、 例えば編幅方向の一定間隔 位置に設けることができる。

前記連結糸を有さない空間部分 5は、 編方向に略直線状に連通することに なるので、 この空間部分 5に、 図 2 1のように、 他の部材との結合用ゃ張設 用のロープやテープ等の紐状物あるいは針金等の線状材ゃ棒状体等の種々の 長尺体 6を挿入することができる。

このほか、 不織布、 綿、 ポリウレタンフォーム、 各種パイプ類、 多孔質の エアパイプ、 クッション材、 繊維糸条、 接着または縫合用テープやロープ等 の各種ロープ類、 弾性糸もしくは弾性体、 線状や棒状および板状あるいは長 尺形材その他の金属資材、 電気もしくは熱伝動体や発熱体、 通水性ネッ ト、 肥料袋、 植生基材袋、 保水材、 吸出防止材、 抗菌資材、 断熱材、 防音材、 防 麈材、 防電磁波材、 防放射線材、 シード帯、 シード袋等の長尺体を挿入する ことができ、 用途に応じた機能を持つ複合資材として好適に使用できる。 なお、 図示していないが、 ネッ ト目空間を構成する立体紐部の編方向の任 意の位置に、 表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分を形成し、 ネッ ト展張 状態において前記空間部分が編幅方向に連通状態をなすように設けておくこ ともできる。 この場合も、 前記と同様に、 編幅方向に連通する空間部分に前 記同様の長尺体を揷入することが可能になる。 特に、 前記の編方向に連通し た空間部分 5と編幅方向に連通する空間部分とを同時に形成しておくことに より、 前記の長尺体をクロス状に挿入することも可能になる。

さらに上記の各実施例の立体構造状ネッ ト Aにおいて、 図 2 2のように、 編幅方向の両側端の複数ゥエールにわたる所要幅の耳部に、 表裏両素地 1， 2の紐条部 1 1， 2 1間の連結糸 3を省略した編方向に連続する筒部 7を形 成しておくことができる。

この耳部においては、 表裏の紐条部 1 1 , 2 1を網目を形成するようにジ グザグ状に屈曲させずにおき、 この耳部の両側を除く中央部分の連結糸を省 略して筒部 7を形成するように編成する。 この場合、 この耳部の紐条部 1 1， 2 1をジグザグ状に屈曲させないために、 この部分の素地 1 2の構成糸とし て、 熱収縮性糸を用いるか、 あるいは弾性糸を用いて編成する。 これにより、 耳部ではジグザグ状にならなくても、 編幅方向の内方部では各紐条部 1 1， 2 1がジグザグ状に屈曲して網目 1 3， 2 3を形成できることになる。 この 耳部の筒部 7には、 使用上必要な取付部材もしくは連結部材やその他の長尺 体を揷入あるいは取着することができる。

上記したいずれの実施例の立体構造状ネッ ト Aにおいても、 表裏の素地 1， 2における紐条部 1 1 , 2 1は、 それそれ実施例の組織図で示すように、 鎖 編糸と挿入糸とによる編目列により構成するのが強度上好ましい。

また、 各実施例の立体構造状ネッ ト Aにおいて、 表裏の素地 1 , 2の一方 または双方における結節部 1 3または 2 3の結節長さ （結節コース数） や、 結節部間の長さ （コース数） の増減によって、 表裏の網目 1 2 , 2 2の多角 形の形状、 ひいてはネッ 卜目空間 Sの開口形状や大きさは任意に設定できる。 特に表裏の網目 1 2 , 2 2の形状が異なったネッ トとすることができる。 さらに、 前記の各実施例の立体構造状ネッ ト Aにおいて、 編方向の所要個 所で、 表裏の素地 1 , 2の網目 1 2 , 2 2の大きさおよび/または形状を変 化させて編成することができる。 特に、 組織的には、 表裏の素地 1 ， 2の網 目 1 2 , 2 2の大小を表裏で逆にすることも可能である。

このように、 表裏の素地 1 , 2の網目の大きさや形状を部分的に変化させ ることにより、 表裏の網目密度に変化や意匠的変化を与え、 かつネッ トの弾 力性や耐圧強度等を部分的に異なったものとすることができ、 用途に応じた 素材を作ることが可能になる。 またこれにより、 厚み方向の圧縮荷重に対す るバランスがよくなり、 経編の二重編地特有の方向性を抑制でき、 構造安定 性や耐圧性がさらに向上する。 また任意のコース毎に打ち込み密度を変化さ せることができ、 耐圧強度を変化させることができる。 さらに表裏の素地 1 : 2の編成ゲージを、 異なるゲージにして編成することも可能であり、 これに より表裏素地の大小の網目形成が容易になる。

なお、 図示していないが、 本発明の前記立体構造状ネッ トとして、 表裏の 一方の素地において網目を形成する紐条部、 例えば小さい網目を形成する紐 条部を、 1ゥエールの鎖編による編目列と該編目列に対して横振り挿入され る挿入糸とによるマ一キュゼッ ト組織で編成して、 該素地の網目を角目状に 形成する等、 変化ネッ トとすることができる。 この場合、 他方の素地におい て網目を形成する紐条部については、 上記した実施例と同様の組織で編成し て、 該素地の網目を多角形に形成して実施する。 そして表裏の両素地を連結 する連結糸を、 大きい網目の側の紐条部から小さい網目の側の複数の紐条部 に掛け渡すことにより、 上記同様の立体空隙を内部に有する立体紐部を形成 する。

前記のように一方の素地をマ一キュゼヅ ト組織にすることにより、 経緯の 引張り強度が大きくなり、 経緯の寸法安定性や保形性に優れ、 引っ張り強度 が要求される用途に好適に使用できるものとなる。

上記の立体構造状ネッ ト Aにおいて、 表裏の素地 1 , 2の構成糸、 すなわ ち鎖編糸や挿入糸等の糸条は、 特に限定されるものではなく、 用途に応じて 適宜選択されるが、 通常は合成繊維糸が使用され、 ナイロン糸や炭素繊維糸 その他の各種の合成繊維のマルチフィラメント糸ゃモノフィラメント糸、 あ るいはその加工糸や引き揃え糸、 合成繊維紡績糸等が好適に用いられる。 も ちろん各種の天然繊維糸や混紡繊維の糸を用いることもできる。

特に、 少なくとも表裏一方の素地の全部または一部に、 マルチフィラメン ト糸ゃ天然繊維糸等の柔軟性を有する糸を使用して、 表面をソフ トなものと することができる。 例えば、 小さい網目 2 2の側の素地 2の構成糸の全部ま たは一部に柔軟性を有する糸を使用すると、 この素地 2が柔軟なものとなり、 これが小さい網目 2 2であることと相俟って、 ネッ ト目空間が比較的大きい 立体構造状ネッ ト Aであるにも拘らず、 表面の当触感や風合がソフ 卜になり、 クッション材ゃマッ ト材あるいは衣料用のスぺ一サ一等として好適に使用で き、 特にそのまま露出させて使用することができる。

また、 前記素地の構成糸と併せて、 連結糸の全部または一部にも柔軟性の 糸を用いて編成することができ、 これにより表裏の素地 1， 2の前記風合や ソフ ト感がー層良好なものになる。

さらに、 表裏の素地 1， 2の少なく とも一方の素地の構成糸の全部もしく は一部に、 熱収縮性糸または弾性糸を用いて編成することもできる。 この場 合において、 連結糸 3の全部または一部にも前記同様の熱収縮性糸または弾 性糸を用いることができる。 これにより、 ネッ トが編方向に適度に収縮し、 網目を形成する紐条部の編目が締まり、 保形性や安定性がさらに良好になる。 特に弾性糸を使用した場合、 弾性糸の具有弾性力と連結糸の持つ復元力とに より、 ネッ トの弾性回復力の向上を図ることができる。

例えば、 図 1 3や図 1 8の編組織において、 挿入糸箴 L 8 により導糸する 挿入糸に熱収縮性糸を用いた場合、 網目の寸法安定性が増すとともに、 立体 構造自体の形状安定性も増す。

また、 いずれか一方の素地、 例えば素地 2に熱収縮性糸もしくは弾性糸を 使用して、 上記した編組織の立体構造に編成することにより、 図 2 2のよう に、 前記素地 2の側が収縮して、 湾曲した立体構造状ネッ トを形成すること ができる。 このように形成される立体構造状ネッ トは、 その湾曲形状と弾力 性を利用して、 例えばヘルメッ 卜の内部緩衝材あるいは湾曲構造部分等に好 適に使用することができる。

また、 弾性糸を用いて伸縮性を持った中空立体構造のネッ トとした場合、 弹性糸を使用していないネッ トよりも小さい網目とすることができ、 また前 記ネッ トでは得られないフィ ッ ト性ゃ弾力性が得られることになり、 スボ一 ッ、 衣料、 医療用ネッ ト等に好適に使用できる。 また、 1若しくは数ゥェ一 ル每に、 弾性糸、 天然糸および合成繊維糸の糸種を変更して、 保形とソフ ト 感のある立体構造とすることも可能である。

また、 前記の立体構造状ネッ トにおいて、 表裏の素地 1 , 2の構成糸に、 剛性や柔軟性等の特性、 色、 材質、 風合、 あるいは染めその他の加工効果を 異にする異種の糸を用いて編成することができ、 これによつて表裏で外観や 性質を異にしたネッ トが得られる。

さらに、 前記連結糸 3としては、 表裏の素地 1 , 2を連結して立体状に支 えるのに適するように、 前記した表裏の素地の構成糸と同様に、 各種の合成 繊維糸や天然繊維糸あるいは混紡繊維糸や加工糸等から、 弾性や柔軟性及び 強度等を考慮してネッ 卜の用途に応じて適宜選択され、 主に耐圧性が要求さ れる場合は、 立体構造保持の点からモノフイラメント糸が好適に用いられる。 これらはいずれも単糸で使用するほか、 複数本の引き揃え糸として用いるこ とができる。 また、 モノフィラメント糸と柔軟性のある糸等の性質の異なる 2種以上の糸を用いることもできる。 例えば縫製を要する部分に柔軟性のあ る糸を用いることもできる。

これらの糸条は、 編成後の熱セッ トもしくは合成樹脂加工等により、 適度 に剛性および耐圧縮性あるいは弾力性を与えることができる。 また表裏の素 地 1， 2を連結する連結糸 3の本数が多くなり密度が高くなるほど、 厚み方 向の耐圧強度や弾性力が増す。 またナイ口ン等の同質素材では太い糸の場合 ほど腰が強くなる。

これらの糸条の太さや素材は、 用途によって要求される強度や張力、 弾性 等を考慮して決定される。 例えば、 クッション材ゃマッ ト材あるいは各種車 両のシ一ト用クッション材等の工業用材料としては、 ダブルラッシェル機に より 1 8〜6ゲージ （針本数 /インチ） で編成する場合、 網状の素地には 5 0- 2000デニール、 好ましくは 1 00〜 1 000デニールの糸が、 また 連結糸としては 1 00〜 5 00 0デニール、 好ましくは 1 00〜 3000デ ニールの糸が好適に用いられる。 また植生用ネッ トとしては、 網状の素地に は 1 00〜2000デニール、 好ましくは 20 0~600デニールの糸が、 また連結糸としては 1 00〜3 0 00デニール、 好ましくは 200 ~ 1 50 0デニールの糸が好適に用いられる。

しかし、 弾力性のあるネッ トを編成する場合、 あるいは経済的に編成した い場合には、 細いゲージ、 例えば 2 2〜 1 8ゲージにして上記より細い糸を 使用できる。 また物理的強度を高めたい場合は、 4. 5〜3ゲージにして上 記よりさらに太い糸を使用できる。 また表裏で太さの異なる糸を用いて編成 することもでき、 素地の強度をさらに高め、 また立体構造の安定性やクッシ ヨン性も高めることができる。

また、 前記の表裏の素地 1， 2を構成する糸条および連結糸どして、 綿、 レーヨン、 人造絹糸その他の天然繊維等の腐食性繊維、 あるいは酵素により 分解する酵素分解性繊維もしくは微生物ゃ菌により分解する生物分解性繊維 等の分解性化学繊維、 あるいはこれらと合成繊維との混紡繊維よりなる糸を 用いることもできる。 この場合、 立体構造状ネッ トが絰年使用により腐食あ るいは分解することになり、 植生用ネッ ト等として好適に使用できるほか、 クッシヨン材はじめ水切材ゃ生鮮品の載置用材その他の各種工業用資材とし て好適に用いられる。 また使用後のネッ トの廃棄処理が容易になり、 産業廃 棄物の発生問題の解決にも貢献できる。

立体構造状ネッ 卜の使用目的に応じて、 高吸水性樹脂を塗布あるいはディ ッビング等の手段によりコ一ティ ングした糸等の吸水性糸、 肥料や鉄等の金 属、 抗菌剤、 防黴剤その他の薬品、 あるいは菌類を付着または練り込んで特 殊機能を付与した糸を使用することもできる。

さらに立体構造状ネッ トの編成後に、 金属蒸着加工により金属を付着させ て， 電磁波を吸収可能なネッ トあるいは通電可能なネッ トとして使用するこ ともできる。 このほか活性炭や遠赤外線材料等の各種機能素材を糊剤等で付 着させて使用することもできる。

また表裏の素地 1 2を構成する糸条および連結糸の全部または一部に、 熱 硬化性繊維、 熱収縮性繊維、 熱溶融性繊維のいずれか 1種、 または該繊維を 含む混紡繊維もしくは引揃え糸を用いて、 編成後の熱加工により編目構造を 変形させたり補強することとして、 ネッ トの保気、 保水性を高めたり、 また 形状安定を図ることができる。

本発明の立体構造状ネッ ト Aの厚み、 ネッ ト目空間 Sや立体紐部 4の大き さは、 その用途等によって異なり、 各種のクッション材ゃマッ ト材としての 使用上は、 ネヅ 卜の厚み 2〜 1 0 0 m m、 大きい網目 1 2のさし渡し 5〜 1 0 0 m ms 小さい網目のさし渡し 1〜 5 0 m mの範囲、 また植生用ネッ ト等 としての使用上は、 ネヅ トの厚み 3 ~ 1 5 0 m m、 大きい網目 1 2のさし渡 し 5〜 1 5 0 mm、 小さい網目のさし渡し 3〜 8 0 m mの範囲のものが一般 に用いられる。 もちろん前記寸法外での実施も可能で、 例えばスぺーサ一等 の衣料用の場合、 前記よりさらに小さい寸法とすることができる。 いずれに しても、 糸条の太さとの関係で、 ネッ トの空隙率が 8 0 %以上、 特に好まし くは 9 0 %以上になるように設定するのがよく、 これにより軽量性を確保す ることができる。 用途によっては、 空隙率を前記より低くすることも可能で

¾)る。

上記の立体構造状ネッ ト Aは、 上記した構造上の特性を利用して、 各種の 用途に単独で使用するほか、 複数のネッ 卜を重ね合せた複合構造材として使 用することができる。 図 2 4および図 2 5は、 その 1例を示している。 この 実施例では、 2枚の立体構造状ネッ ト Aを、 大きい網目 1 2の側の素地 1 1 同士を相対接させて重ね合せている。 この重ね合せた両ネッ ト A , Aは、 必 要に応じて、 対接する素地同士を縫合や接着等の結合手段により結合一体化 して使用する。

この複合構造材は、 相対接する両ネッ ト A， Aの素地 1， 1同士が相互に 変形および二重編地特有の方向性を規制するように作用し、 しかも対接した 素地 1， 1の部分が補強層としての役目を果し、 厚みが大きく空隙保有率の 高いものであっても、 全体としての保形性や構造安定性および耐圧性がきわ めて良好に保持される。 そのため、 前記の特性を利用して、 例えばベッ ドの 芯材、 枕、 椅子やソファのクヅシヨン材あるいはフロアーマッ ト、 プール用 や浴場用のマツ ト等の各種のマツ ト材、 衝撃吸収材、 あるいは衣料、 医療用 素材、 フィルター、 リュックサック、 バッグ、 靴のインソールやクッション 材、 その他の芯材ゃクッション材等、 各種用途に好適に使用できる。

なお、 図示していないが、 小さい網目 2 2の側同士、 あるいは大きい網目 1 2の側と小さい網目 2 2の側とを対接させるようにしてもよい。 大きい網 目 1 2の側の素地 1 , 1同士を重ね合せた場合、 表裏両面を小さい網目 2 2 にして、 しかも全体の空隙保有率を高く し軽量化することができる。 用途に 応じた強度や耐圧性を得るために、 さらには底つき感のないクッシヨン性を 得るために、 重ね合せる複数の立体構造状ネッ ト Aの編ゲージ、 糸の太さ、 網目の大きさ等を異にしたり、 弾性力が異なったものとすることができる。 さらに用途によっては、 図 2 6に例示するように、 上記の立体構造状ネッ ト Aと、 平面状や立体構造状等の他の構造のネッ ト体 Bとを重ね合せた複合 構造材とすることもでき、 必要に応じて、 前記ネッ ト Aとネッ ト体 Bを縫合 や接着等の結合手段により結合する。 これにより、 立体構造状ネッ ト Aの保 形性や構造安定性を高め、 立体構造による空隙保有性や弾力性を利用した各 種の用途に好適に使用できる。

また、 図 2 7に示すように、 立体構造状ネッ ト Aを含む複合構造材として、 表裏の少なくとも一方および/または中間部、 例えば図のように表裏両面に、 編織布、 パイル布、 不織布、 合成樹脂フィルム、 紙等のシート材 Cを重ね合 せて縫合、 貼合等の手段により接合したものとすることができる。 このシ一 ト材 Cの周縁部を閉合して、 立体構造状ネッ ト等の全体をシート材 Cで包被 したものとすることができる。 立体構造状ネッ ト Aが単独のものに限らず、 図 2 4や図 2 6の複合構造材においても、 前記シ一ト材 Cを前記同様に表裏 の少なくとも一方および Zまたは複数のネッ ト間の中間部に重ね合せて実施 することができる。

この場合も、 上記した立体構造状ネッ ト Aの耐圧性や構造安定性をさらに 良好に保持できる上、 立体構造状ネッ トとシート材の特性を活かして、 例え ば各種マツ ト材ゃ各種クッシヨン材等として好適に使用できる。 特にネッ ト の弾性力を適当に選択することにより底突き感のないものとすることができ る。 またァラミ ド繊維等の強力糸を用いて構成した立体構造状ネッ トを基布 として、 これに前記合成樹脂等のシート材を重ね合わせた複合構造材とする ことにより、 強度および耐久性を高めることができる。

なお、 図示していないが、 立体構造状ネッ ト Aに、 合成樹脂や木、 金属、 セラミック、 セメント等よりなる板状物を重ね合せて接合した形状安定性の 高い複合構造材とすることもでき、 特に構造物の壁材ゃ断熱材その他の用途 に好適に使用できる。

さらに、 図 2 8のように、 立体構造状ネッ ト Aを含む複合構造材として、 その表裏に合成樹脂フィルム等の非通気性シート Dを貼り合せて被覆し、 内 部に気体、 液体、 粉粒体の 1種もしくはこれらの複数の混合体を封入したも のとすることができる。 また前記非通気性シートに代えて、 通気性シ一卜で 立体構造状ネッ 卜 Aを被覆して、 内部に粒状物等の固体を充填したものとす ることもできる。

これにより、 立体構造状ネッ ト Aの持つ弾力性や耐圧性と、 内部に封入ま たは充填した物質の変形許容性とが相俟って、 ベッ ドや枕等の寝具類、 椅子 やソファ一等の家具、 自動車のシート、 カバ一や内装材その他の用途に好適 に利用できる。

また立体構造状ネッ ト Aに、 空気または水や油等の液状物の入ったエアー マツ トゃゥォ一夕一マツ ト等のマツ ト材あるいはクッション材等を重ね合せ た複合構造材とすることもできる。 この場合、 両者の固有のクッション性を 活かしたクッション材とすることができる。 またエア一ぺッ ドゃウォーター ベッ ドでは通気性が悪いが、 前記のように複合構造とすることにより、 良好 な通気性とクッショク性を有するものとなる。 これらもまた、 ベッ ド、 枕等 の寝具、 椅子やソファー等の家具、 自動車のシートやそのカバ一材等の内装 材、 その他の用途に好適に使用できる。

図 2 9は、 複数の立体構造状ネッ ト Aを重ね合せ、 これを編織布等のシー ト材 Cで包被して寝具用のマッ トレスに使用した例を示し、 図 3 0は、 同様 にして椅子に使用した例を示してしている。 また図 3 1は、 本発明の立体構 造状ネッ ト Aをバッグに使用した例を示している。

特に、 図示を省略するが、 ネッ ト目空間が比較的小さいものの場合、 例え ば小さい網目の側を表面に露出させるようにして、 外装材を兼ねる使用も可 能である。 [産業上の利用可能性]

上記したように本発明の立体構造状ネッ ト Aは、 表裏の素地の網目を大小 異にしたもので、 比較的大きなネッ ト目空間を有するものでも、 小さい網目 の側では当触感や外観的な体裁が良好であり、 しかもネッ ト目空間を画成す る立体紐部の保形性がよくて、 経編特有の方向性を打ち消すことができ、 構 造安定性および耐圧性に優れ、 かつ良好な弾力性を保持できる。 また張力を 与えるだけで簡単にネット目空間を画成する立体紐部を構成でき、 ネッ ト全 体の空隙保有率が高く軽量で、 しかも立体紐部自体の内部に立体空隙を有す る立体形状のために通気性のよいものとなる。 またこの立体構造状ネッ トを 複合構造材とすることにより、 厚みが大きく空間保有率が高いものでも、 そ の構造安定性をさらに高めることができ、 良好な耐圧性や弾力性および通気 性を保有する。

したがって、 本発明の立体構造状ネッ トおよび複合構造材は、 その特性を 利用して、 ベッ ド等の寝具類の芯材ゃクッション材、 マッ ト材ゃ力一ペッ ト 材、 椅子や家具等のクッション材、 自動車のシートや内装材、 航空機用の内 装材ゃ構造材、 あるいはそれらの中間材ゃ下地材もしくはカバ一材、 輸送用 クッシヨン材ゃ梱包材その他の各種の工業材料として、 またスぺーサ一等の 衣料品もしくは医療用の保護ネットとして、 さらには法面の保全および緑化 のための植生工法に用いる植生ネッ トゃ保護ネッ ト、 護岸の保護ネットゃ護 岸の植生ネッ ト、 造成地等の集排水用ネッ ト、 産業廃棄物処理場保護ネット、 工事用の安全ネッ トや建築用保護ネッ ト、 コンクリート補強ネッ ト、 モル夕 ルゃ合成樹脂等の吹付け等における補強材ゃ構造物作成ネッ ト、 またスキー、 スノーボード、 アイススケート等の滑走面の保護を兼ねる着雪または着氷ネ ヅトその他のあらゆる産業分野に広く好適に使用することができる。

Claims

請 求 の 範 囲 . 経編編成により、 網状をなす表裏の素地と、 これら両素地を所要の間隔 を存して連結する連結糸とにより形成されてなる立体構造状ネヅ トであつ て、

表裏の素地の網目の大きさを表裏で異にして編成され、 表裏一方の素地 の大きい網目を形成する紐条部と他方の素地の小さい網目を形成する紐条 部とに連結糸が掛け渡されて立体紐部が形成されており、

この立体紐部は、 その全部または一部において、 前記連結糸が、 大きい 網目の側の紐条部から小さい網目の側の複数の紐条部に掛け渡されること により、 小さい網目を形成する側で該紐部内に小さい網目を保有する幅を 持った立体状をなしていることを特徴とする立体構造状ネッ ト。

. 前記立体紐部は、 その全部または一部において、 前記連結糸の掛け渡し 部分が傾斜して掛け渡されることにより、 その内部に立体空隙を有する立 体形状をなしていることを特徴とする請求項 1に記載の立体構造状ネッ ト. 前記立体紐部は、 傾斜した連結糸により形成される立体空隙が編方向お よび/または編幅方向に連続する トンネル状をなし、 実質的に連通状態を なすように形成されてなる請求項 2に記載の立体構造状ネッ ト。

. 表裏一方の素地において大きい網目を形成する紐条部が、 1ゥエール若 しくは複数ゥェ一ルの編目列により構成され、 また他方の素地において小 さい網目を形成する紐条部が、 1ゥエール若しくは前記大きい網目を形成 する紐条部より少ないゥエールの編目列により構成され、 それぞれ編方向 の所要間隔毎に両側に隣接する紐条部と交互に結節されることによりジグ ザグ状をなして、 表裏で大きさの異なる多角形の網目を形成している請求 項 1〜 3のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。

. 表裏の一方の素地において網目を形成する紐条部が、 1 ゥエールの鎖編 による編目列と該編目列に対して横振り挿入される挿入糸とによるマ一キ ュゼッ 卜組織で編成されることにより、 該素地の網目が角目状をなし、 ま た他方の素地において網目を形成する紐条部が、 1ゥエール若しくは複数 ゥエールの編目列により構成されるとともに、 該紐条部が編方向の所要間 隔毎に両側に隣接する紐条部と交互に結節されてジグザグ状をなすことに より、 該素地の網目が多角形をなしていることを特徴とする請求項 1〜 3 のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ 卜。

. 編方向において、 表裏一方の素地の大きい網目の 1個分の編成コース数 または複数個分の編成コース数が、 他方の素地の小さい網目の 1個分の編 成コース数の複数倍になっており、 編方向および編幅方向において、 表裏 一方の素地の大きい網目の 1個または複数個が、 他方の素地の小さい網目 の、 前記大きい網目の数より多い複数個分に相当するように形成されてな る請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。

. 表裏一方の素地の大きい網目の略中央部に、 他方の素地の小さい網目の 少なくとも一つが対応位置するように編成され、 この対応する双方の網目 を画成する紐条部間に該網目全周にわたって連結糸が掛け渡され、 その内 方に形成されたネッ ト目空間が略漏斗状をなしている請求項 1〜 6のいず れか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。

. 表裏一方の大きい網目の側の素地における紐条部同士の結節部と大きい 網目の略中央部とに、 それぞれ他方の素地の紐条部同士の結節部が対応位 置するように編成され、 大きい網目の側の結節部において、 他方の素地に おける対応位置の結節部に掛け渡される垂直方向の連結糸と、 大きい網目 の略中央部に対応位置する両側の結節部に掛け渡される傾斜方向の連結糸 とを有してなる請求項 1 ~ 6のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。. 表裏の素地間の連結糸が、 立体紐部における編方向の任意の個所におい て、 相対応するゥエールの編目列より少なく とも 1ゥエール以上左右に移 行して掛け渡されており、 この連結糸の掛け渡し部分が、 立体紐部の内部 またはネッ ト目空間において略 X状に交叉していることを特徴とする請求 項 1 ~ 8のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。

10. 編方向の所要個所において、 表裏の素地の網目の大きさ及び/又は形状 が変化している請求項 1〜9のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ ト。

11. 編幅方向の任意の位置の立体紐部および/または各立体紐部の編幅方向 の任意の位置に、 表裏の紐条部間に連結糸のない空間部分が形成され、 前 記空間部分が編方向および/または編幅方向に連通状態をなすように形成 されてなる請求項 1〜 1 0のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ 卜。

12. 編幅方向の両側耳部において、 1もしくは複数の紐条部間の連結糸を除 いて編成されることにより、 編方向に連続する筒部が形成されてなる請求 項 1〜 1 1のいずれか 1項に記載の立体構造状ネット。

13. 請求項 1 ~ 1 2のいずれかに記載の立体構造状ネッ 卜の複数を重ね合せ てなる複合構造材。

14. 編ゲージ、 糸の太さ、 網目の大きさ等を異にして構成された複数の立体 構造状ネッ 卜を、 重ね合せてなる請求項 1 3に記載の複合構造材。

15. 請求項 1〜 1 2のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ トと、 他の構造 のネット体とを重ね合せてなる複合構造材。

16. 請求項 1〜 1 2のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ トを含む複合構 造材であって、 表裏の少なくとも一方および/または中間部に、 編織布、 パイル布、 不織布、 綿状物、 ウレタンフォーム、 合成樹脂フィルム、 紙等 のシート状物、 あるいは合成樹脂や木もしくは金属等の板状物、 あるいは 空気または水や油等の液状物の入ったマツトゃクッシヨン材等の少なくと も 1種を重ね合せて接合してなることを特徴とする複合構造材。

17. 請求項 1〜 1 2のいずれか 1項に記載の立体構造状ネッ トを含む複合構 造材であって、 表裏に非通気性シ一トまたは通気性シ一トを貼り合せて被 覆し、 内部に気体、 液体、 粉粒体の 1種もしくは複数の混合体を封入する か、 または粒状物等の固体を充填してなることを特徴とする複合構造材。