JP6177407B1 - かつらベース、かつら及びかつらベースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、マス目の異なるネット組織を全面一体に編み併せる工程は、複雑な工程を要し、生産性が非常に低くなる問題が生じる。
第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備えている。
上記のかつらベースを製造する方法であって、
第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、
前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、
工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、
を含む。
第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備えている。
前記密なメッシュ領域及び前記粗なメッシュ領域の境界部に繊維の結び目を有さない。
前記密なメッシュ領域が分髪部に配置されている。
前記密なメッシュ領域が前記基布の縁取り部に配置されている。
前記基布の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されている。
実施態様1から5の何れかのかつらベースを製造する方法であって、
第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、
前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、
工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、を含む。
はじめに、図1から図3を参照ながら、本発明の幾つかの実施形態に係るかつらベースの説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースを示す平面図であり、図2及び図3は、本発明のその他の実施形態に係るかつらベースを示す平面図である。
図1から図3に示す全ての実施形態において、かつらベース2は、第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域4と、密なメッシュ領域4に比べ第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域6とを有する抜蝕加工布帛である基布8を備えている。図1から図3では、メッシュの形状は模式的に示されている。
本実施形態では、第1の繊維が、抜蝕により溶解または分解される繊維であり、第2の繊維が、抜蝕により溶解も分解もされない繊維である。なお、第1の繊維に、複数の繊維が含まれる場合もあり得るし、第2の繊維に、複数の繊維が含まれる場合もあり得る。
このような密なメッシュ状の布帛の所定の領域に抜蝕剤を塗布して、第1の繊維10を除去することにより、密なメッシュ状の領域及び粗なメッシュ状の領域を有する抜蝕加工布帛を形成することができる。なお、図4(a)〜(d)に示す布帛は、単なる一例であって、第1の繊維10及び第2の繊維12が、その他の任意のパターンで編み込まれた布帛を用いることができる。
形成された基布8では、密なメッシュ領域4及び粗なメッシュ領域6の境界部に、これまでのような分髪部とメッシュ部を縫製する際にできる繊維の結び目を有さないので、基布8を用いたかつらでは、着用者の頭部が結び目に当たって、違和感や不快感を与えることがなく、装着快適性に優れたかつらを実現できる。
補強部材20として、メッシュがより密な布状部材を用いることができる。また、太めの糸を縫い付けることにより、補強部材とすることもできるし、その他の任意の部材を補強部材として用いることができる。
本発明に用いる布帛として、編物、織物が挙げられる。編物としては、例えば、平編み、ゴム編及びパール編等の緯編、トリコット編、コード編及びアトラス編等の経編が挙げられる。織物として、例えば、平織、綾織及び朱子織等が挙げられる。ただし、これに限定されるものではない。これらの中でも、伸縮性を有し、適度な透け感及び付け心地を重視する観点から編物が好適に用いられる。
また、柔軟に組織を設計することができるため、2種以上の組織を組み合わせた複合組織を用いることが好ましい。
また、第2の繊維の組織としては、耐久性を高めるために、編組織のアトラス編または2目編で編成されることが好ましい。更に、伸縮性を向上させる交編による組み合わせが好適に用いられる。
また、第1の繊維が20重量%以上、つまり、第2の繊維が80重量%以下であれば、抜蝕の際に布帛の形態を確保できる。
また、第1の繊維が75重量%以下、つまり、第2の繊維が25重量%以上であれば、かつらベース材としての強度を確保し易い。
第1の繊維の単糸繊度は、1〜4デシテックスが好ましく、1〜3デシテックスがより好ましい。単糸繊度が、4デシテックス以下であれば、柔軟性が十分に得られ、溶解または分解においてバラツキが軽減する。単糸繊度が、1デシテックス以上であれば、充分な柔軟性が得られ、着用者の着け心地が向上する。
第2の繊維の単糸繊度は、1〜9デシテックスが好ましく、1〜6デシテックスがより好ましい。単糸繊度が6デシテックス以下であれば、柔軟性が十分に得られ、更に、着用者の着け心地が向上する。また、単糸繊度が、1デシテックス以上であれば、抜蝕加工された粗なメッシュ領域6においても充分な強度が得られる。
第1の繊維は、抜蝕加工によって抜蝕される繊維、つまり抜蝕剤で溶解または分解される繊維であれば、特に限定されない。第1の繊維を、用いられる抜蝕剤の種類に基づいて決定することができる。
一例を挙げると、抜蝕剤が、グアニジン弱酸塩、水酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物等を含むアルカリ性水溶液の場合には、第1の繊維として、アルカリ性溶解性のカチオン可染ポリエステル繊維等が例示される。
この場合、第2の繊維として、ナイロン系繊維、レギュラーポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、綿、レーヨン用のセルロース系繊維、及びこれらの複合された繊維を用いることができる。
この場合、第2の繊維として、これら繊維以外の繊維であるポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウール、シルク等の動物系天然繊維等を用いることができる。
次に、図5を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースの製造方法の説明を行う。図5は、本発明の1つの実施形態に係るかつらベースの製造方法を示すフローチャートである。
ただし、抜蝕剤の塗布はインクジェット方式を用いる場合だけでなく、例えば、シルクスクリーンをはじめとするスクリーン式やローラ式のプリント装置を用いることもできる。
<かつらベース>
以上のようにして製造されたかつらベースの実施例を図6に示す。図6は、本発明に係るかつらベースの実施例を示す斜視図(写真)である。図6に示す実施例では、密なメッシュ領域4が分髪部及び基布の縁取り部に配置されている。
かつらベース2のメッシュを構成するフィラメントに擬毛を結び付けることにより、かつらを製造することができる。擬毛としては、人毛を用いることもできるし、合成繊維製の人工毛を用いることもできる。フィラメントに擬毛を結び付けるには、既知の任意の結束方法を採用することができる。
本発明に係るかつらが、上記の任意の作用効果を奏することができることは言うまでもない。
4 密なメッシュ領域
6 粗なメッシュ領域
8 基布
10 第1の繊維
12 第2の繊維
20 補強部材
30 かつら
32 擬毛
Claims (7)
- 第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された密なメッシュ領域と、前記密なメッシュ領域に比べ前記第1の繊維が除かれている粗なメッシュ領域とを有する抜蝕加工布帛である基布を備え、
前記第1の繊維の単糸繊度が1〜4デシテックスであり、前記第2の繊維の単糸繊度が1〜6デシテックスであることを特徴とするかつらベース。 - 前記密なメッシュ領域及び前記粗なメッシュ領域の境界部に繊維の結び目を有さないことを特徴とする請求項1に記載のかつらベース。
- 前記密なメッシュ領域が分髪部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のかつらベース。
- 前記密なメッシュ領域が前記基布の縁取り部に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のかつらベース。
- 前記基布の少なくとも一部が着用者の頭皮と近似する色に着色されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のかつらベース。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のかつらベースに擬毛が植設されたことを特徴とするかつら。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のかつらベースを製造する方法であって、
第1の繊維及び第2の繊維を含む2種以上の繊維により形成された布帛を準備する工程1と、
前記第1の繊維を溶解または分解し前記第2の繊維を溶解も分解もしない抜蝕剤を、前記布帛の一部の領域に塗布し、必要に応じて前記布帛を加熱する工程2と、
工程2の後、前記布帛を洗浄して、溶解または分解された前記第1の繊維を除去する工程3と、
を含むことを特徴とするかつらベースの製造方法。
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