JP3585826B2 - 省エネルギー住宅及びそれにおける床暖房装置の形成方法 - Google Patents

省エネルギー住宅及びそれにおける床暖房装置の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高気密,高断熱で冷・暖房装置にかかる負荷を抑えるとともに、快適な室内温度・湿度環境を実現することができ、また、健康的な住空間を実現することができる一般住宅や体育館,病院,コンビニエンスストア等の各施設等を含む省エネルギー住宅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の住宅では、各室に暖房装置や冷房装置を備えて各室毎に暖房や冷房の空調を行っていた。このため、各室毎に暖房や冷房の費用がかかるとともに、空調された室と空調されていない室との温度差が大きくなるので人間の体に負担を与えるという課題を有していた。
そこで、近年では、住宅内全体を暖房して室毎の温度差を低くした床暖房装置を備えた住宅が普及している。また、床暖房や冷房装置の効率を上げて省エネルギー化を図るために、高気密性,高断熱性を有すとともに、給気口と排気口について明確な計画がなされ住宅内の空気を強制的に外気と交換する計画換気システムを備えた省エネルギー住宅が普及している。
近年の省エネルギー住宅としては、特開平11−200646号公報(以下、イ号公報という)の「木造住宅の外気に面した居室の壁と天井と床の構造内に断熱層及び、気密防湿層と木炭層で構成された省エネルギー性と健康性を兼ね備えて持っている省エネ健康層を設け、空調設備には室内空気循環型の熱交換機及び木炭層を持つ健康ダクトを取り付けた空調換気設備を取り付け、外気に面する建具に木製3重ガラスサッシュを取り付けた省エネルギー健康住宅」や、「200mmのグラスウールを使用した壁,床,天井からなり、住宅内の空気を換気するための熱交換型機械換気を備えた省エネルギー住宅」(以下、ロ号という)、等が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の省エネルギー住宅は、以下の課題を有していた。
イ号公報やロ号では、壁等の断熱材としてグラスウールを使用しているため、外壁材と内壁材の空間をグラスウールの断熱材で完璧に埋めることができず隙間ができるとともに、グラスウールの断熱材が垂れ下がる現象が出るためこの隙間が経時変化でより拡大し断熱効果を長期に渡って維持することができない。また、グラスウールからなる断熱材では、断熱材の内部で空気が移動するため断熱材の断熱効果に欠ける。よって、イ号公報の省エネルギー健康住宅やロ号の省エネルギー住宅の床に床暖房装置を備えたとしても、壁や隙間,開口部等から暖房した熱が逃げるため、室内を効率的に暖房することができず、特に、多層階の住宅の場合は、各階毎に暖房設備が必要となっているのが現状である。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、冷・暖房装置にかかる負荷を抑えて少ないエネルギーで1年を通して住宅内を快適な温度・湿度環境に維持することができるとともに健康的な住空間を実現することができ、また、長期に渡って高い気密性能や断熱性能を維持することができ耐久性に優れた省エネルギー住宅を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明における省エネルギー住宅は、以下の構成を有している。
【0006】
本発明の請求項1に記載の省エネルギー住宅は、無機質材からなる内壁材と有機発泡材からなる断熱材とを備えた壁部と、無機質材からなる内壁材を備えた天井部と、前記天井部又は屋根部に設けられた有機発泡材からなる断熱材と、少なくとも下層階の床部に備えた床暖房装置と、を有し、前記床暖房装置が、(a)メッシュ筋と、前記メッシュ筋上に配管された温水パイプを埋設した蓄熱層と、(b)前記蓄熱層の土台の端部に配設された合板と、(c)前記合板と土台との間に配設されたヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材と、を備えている構成を有している。
【0007】
これにより、以下の作用を有する。
(1)床部に床暖房装置を備えるとともに、壁部と天井部に無機質材からなる内壁材を備えているので、床暖房装置により床部から発生した遠赤外線を無機質材からなる内壁材の結晶水や凝縮水等の分子運動に作用させて内壁材から輻射熱を得ることができ、床暖房装置から直接得られる熱と内壁材からの輻射熱の両方で室内を暖めることができ、床暖房装置にかかる負荷を抑えることができるとともに床暖房装置による室内の暖房効果を向上できる。
(2)壁部と天井部の内壁材に、熱の伝導率の低い無機質材を用いているので、床暖房装置から得られる遠赤外線で壁部と天井部に蓄熱させることができ、室内の保温性に優れる。
(3)壁部と天井部の内壁材に表面が多孔質な無機質材を用いているので、外気と室内空気との湿度差に応じて、内壁材の内部で空気中の水蒸気を凝縮させたり、内壁材の内部で凝縮された水分を室内空気中へ水蒸気として吐出させたりすることができ、自然に室内の湿度調整をすることができる。
(4)壁部,天井部又は屋根部に有機発泡材からなる断熱材を備えているので、壁部や天井部又は屋根部から外部へ逃げる熱量を抑えることができ断熱性を向上できるとともに、室内の空気の温度が外気温度の影響を受けて変動するのを著しく抑制することができる。
(5)壁部,天井部又は屋根部に有機発泡材からなる断熱材を備えているので、室内への外気の流入や室内の空気の流失を著しく抑えることができ、熱損失量を著しく抑えることができ室内の冷・暖房効果を向上でき冷・暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図るこことができる。
(6)床部に床暖房装置を備えているので、従来のように各室毎に各種暖房装置を設置し各室毎の暖房を行うのではなく、床部に設けられた床暖房装置による輻射熱により住宅内全体を暖めることができる
(7)床暖房装置の蓄熱層に等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋を備え、また、メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されているので、床暖房装置の施工時にメッシュ筋の格子を基準にして温水パイプを置き、温水パイプをメッシュ筋に結束固定するだけで、必要な場所だけに温水パイプを容易に配管することができ、従来の温水パイプの配管位置を決めるスミ出し等の作業が不要となり、温水パイプの配管作業性を向上できる。
(8)メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されるため、温水パイプの配管後に温水パイプを避けてメッシュ筋上を容易に歩き回ることができるので、床暖房装置の施工作業性を向上できる。
(9)床暖房装置の蓄熱層の外周にヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材を備えているので、蓄熱層の温度変化等による蓄熱層や構造材の伸縮を伸縮吸収材で吸収することができ、該省エネルギー住宅の基礎部分が歪むのを防止できる。
【0008】
ここで、無機質材からなる内壁材としては、石膏ボードやコンクリート板等の熱伝導率が低く蓄熱性を有すとともに難燃性のものが好適に用いられる。
床暖房装置としては、該省エネルギー住宅が総二階建ての場合等下層階と上層階との間に吹き抜け部がない場合には、下層階と上層階の両方の床部に形成してもよい。これにより、下層階と上層階の両方を各床暖房装置で暖房することができる。尚、下層階と上層階との間に吹き抜け部を備えている場合は、下層階の床部に設けた床暖房装置による輻射熱が吹き抜け部を通り上層階まで届き上層階も暖房することができるので、上層階の床部に床暖房装置を備えなくてもよい。
0009
本発明の請求項2に記載の省エネルギー住宅は、請求項1に記載の発明において、外屋根部の下面に配設された屋根部の上側構造用板と、前記上側構造用板の下部に形成された屋根部の通気層を介して配設された屋根部の下側構造用板と、屋根部の頂部に開口され前記通気層と棟換気部を連通した通気連通部と、前記通気連通部に連通した前記棟換気部の通気路と、前記通気路に連通し前記棟換気部の上面に開口して形成された排気開口部と、前記通気層に連通した軒先吸気ガラリと、を備えた構成を有している。
0010
これにより、請求項1の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)屋根部に通気層,軒先吸気ガラリを有しているとともに、通気層に連通した棟換気部を有しているので、軒先吸気ガラリから通気層に外気を流入させて棟換気部から排出させることにより、常時屋根部内に空気を流すことができ、その結果、小屋裏が結露するのを防止することができ、屋根部の構造用板や断熱材等の耐久性を向上させることができるとともに、断熱材の性能が低下するのを防止でき、また、特に夏場に小屋裏が高温になるのを防止し、冷房装置による冷房効果を向上できるとともに冷房装置にかかる負荷を押さえることができ、冷房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
0011
本発明の請求項に記載の省エネルギー住宅は、請求項1又は2に記載の発明において、前記天井部又は前記屋根部,前記壁部の熱貫流率が0.1〜0.7W/m2Kである構成を有している。
0012
これにより、請求項1又は2の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)天井部又は屋根部,壁部の熱貫流率が0.1〜0.7W/m2Kなので、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量を抑え室内の気密性や断熱性を高めることができ、その結果、室内の冷・暖房した空気の熱が天井部又は屋根部,壁部から逃げるのを著しく抑えることができ、室内の冷・暖房装置による冷・暖房効果を向上でき冷・暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。また、熱貫流率が低いので、室温の外気温による影響を小さくすることができる。
0013
ここで、熱貫流率が小さくなるにつれ、天井部又は屋根部,壁部の厚みが厚くなり天井部又は屋根部,壁部の施工が困難になる傾向が有り、0.1W/m2Kより小さくなるとこの傾向がより顕著になり、また、熱貫流率が大きくなるにつれ、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量が増加し該省エネルギー住宅の気密性や断熱性が低下するため、床暖房装置や冷房装置等による冷・暖房効果が低下し省エネルギー化を図ることができなくなり、0.7W/m2Kより大きくなるとこの傾向がより顕著になる。
尚、天井部又は屋根部の熱貫流率は壁部の熱貫流率よりも低い熱貫流率で形成される。これは、天井部又は屋根部では小屋裏の方に太陽や外気温による負荷がかかるためである。
0014
本発明の請求項4に記載の省エネルギー住宅は、請求項1又は2に記載の発明において、前記天井部又は前記屋根部,前記壁部の熱貫流率が0.15〜0.35W/m 2 Kである構成を有している。
0015
これにより、請求項1又は2の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)天井部又は屋根部,壁部の熱貫流率が0.15〜0.35W/m 2 Kなので、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量を抑え室内の気密性や断熱性を高めることができ、その結果、室内の冷・暖房した空気の熱が天井部又は屋根部,壁部から逃げるのを著しく抑えることができ、室内の冷・暖房装置による冷・暖房効果を向上でき冷・暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。また、熱貫流率が低いので、室温の外気温による影響を小さくすることができる。
0016
ここで、熱貫流率が0.15W/m 2 Kより小さくなるにつれ、天井部又は屋根部,壁部の厚みが厚くなり天井部又は屋根部,壁部の施工が困難になる傾向が有り、また、熱貫流率が0.35W/m 2 Kより大きくなるにつれ、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量が増加し該省エネルギー住宅の気密性や断熱性が低下するため、床暖房装置や冷房装置等による冷・暖房効果が低下し省エネルギー化を図ることができなくなる傾向がある。
尚、天井部又は屋根部の熱貫流率は壁部の熱貫流率よりも低い熱貫流率で形成される。これは、天井部又は屋根部では小屋裏の方に太陽や外気温による負荷がかかるためである。
0017
本発明の請求項に記載の省エネルギー住宅は、請求項1乃至の内いずれか1項に記載の発明において、吹き抜け開口率が前記下層階の床面積の15%〜50%の吹き抜け部を備えた構成を有している。
0018
これにより、請求項1乃至の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)下層階の床部に備えた床暖房装置の輻射熱を吹き抜け部を通って上層階へ伝えることができ、上層階に床暖房装置や各種暖房装置を備えることなく、下層階と上層階の両方を下層階の床部に備えた床暖房装置だけで暖房することができ、省エネルギー化を図ることができる。
(2)該省エネルギー住宅の壁部,天井部又は屋根部が請求項1に記載の構成を有しているとともに、下層階の床部に床暖房装置を備えているので、下層階の床面積の15%〜50%の開口率からなる吹き抜け部を形成することができる。
0019
ここで、本発明の吹き抜け部の開口率には階段部分の開口率は含まない。これは、階段部の下の床暖房効率が低いので階段部の下の床暖房の必要性が低いためである。
吹き抜け部の開口率が下層階の床面積の20%より小さくなるにつれ、床暖房装置の輻射熱を上層階へ伝えにくくなり上層階の暖房効果が低くなり、また、開口率が下層階の床面積の50%より大きくなると、上層階の床面積が狭くなりすぎ居住面積が狭くなり経済性に欠けるとともに上層階の実用性に欠ける。
尚、床暖房装置の輻射熱は吹き抜け部を通って上層階の天井部へ伝えられるため、上層階の天井部の内、吹き抜け部の上部に当たる部分(床暖房装置の輻射熱が直接当たる部分)だけに、無機質板からなる内壁材を備えてもよい。
0020
本発明の請求項6に記載の省エネルギー住宅は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の発明において、吹き抜け開口率が前記下層階の床面積の20%〜50%の吹き抜け部を備えた構成を有している。
0021
これにより、請求項1乃至4の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)下層階の床部に備えた床暖房装置の輻射熱を吹き抜け部を通って上層階へ伝えることができ、上層階に床暖房装置や各種暖房装置を備えることなく、下層階と上層階の両方を下層階の床部に備えた床暖房装置だけで暖房することができ、省エネルギー化を図ることができる。
(2)該省エネルギー住宅の壁部,天井部又は屋根部が請求項1に記載の構成を有しているとともに、下層階の床部に床暖房装置を備えているので、下層階の床面積の20%〜50%の開口率からなる吹き抜け部を形成することができる。
0022
ここで、本発明の吹き抜け部の開口率には階段部分の開口率は含まない。これは、階段部の下の床暖房効率が低いので階段部の下の床暖房の必要性が低いためである。
吹き抜け部の開口率が下層階の床面積の20%より小さくなるにつれ、床暖房装置の輻射熱を上層階へ伝えにくくなり上層階の暖房効果が低くなり、また、開口率が下層階の床面積の50%より大きくなると、上層階の床面積が狭くなりすぎ居住面積が狭くなり経済性に欠けるとともに上層階の実用性に欠ける。
尚、床暖房装置の輻射熱は吹き抜け部を通って上層階の天井部へ伝えられるため、上層階の天井部の内、吹き抜け部の上部に当たる部分(床暖房装置の輻射熱が直接当たる部分)だけに、無機質板からなる内壁材を備えてもよい。
0023
本発明の請求項に記載の省エネルギー住宅は、請求項1乃至の内いずれか1項に記載の発明において、熱貫流率が1.4〜2.5/m2 の開口部を備えた構成を有している。
0024
これにより、請求項1乃至の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)開口部の熱貫流率が1.4〜2.5/m2 なので、窓部や玄関等の扉部等の開口部から外部へ逃げる熱損失量を抑えることができ、該省エネルギー住宅の高気密性,高断熱性を維持することができるとともに、該省エネルギー住宅の床暖房装置や冷房装置にかかる負荷を抑えることができ少ないエネルギーで室内の暖房効率や冷房効率を向上できる。
0025
ここで、開口部とは、窓部や玄関,勝手口等の屋外との連通部をいう。
窓部等の開口部に使用するガラスとしては、高断熱複層ガラス、金属膜コート(LOW−E)された遮熱複層ガラス、金属膜コート(LOW−E)され間にアルゴンガス等の不活性ガスが封入されたペア強化ガラス等の複層ガラス、若しくは、二重や三重に配設した単板ガラス等が用いられる。
尚、開口部の熱貫流率が1.4/m2 より小さくなるにつれ窓部や玄関等の扉等が重くなり開閉が困難で実用性に欠ける傾向が有り、また、開口部の熱貫流率が2.5/m2 より大きくなるにつれ、開口部から室内の熱が外部へ逃げたり外気の熱が室内に流入したりして開口部からの熱損失量が増加し該省エネルギー住宅の気密性や断熱性が低下するため、結露を防止できないとともに床暖房装置や冷房装置等による冷・暖房効果が低下し省エネルギー化も図ることができなくなる。
0026
本発明の請求項に記載の省エネルギー住宅は、請求項1乃至の内いずれか1項に記載の発明において、前記壁部の前記断熱材、及び、前記天井部又は前記屋根部の前記断熱材が、前記壁部の外壁側の構造用板,前記天井部又は前記屋根部の構造用板に吹きつけられた軟質発泡ウレタンからなる構成を有している。
0027
これにより、請求項1乃至の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)壁部、天井部又は屋根部の断熱材が軟質発泡ウレタンからなり、壁部の外壁側の構造用板や天井部又は屋根部の構造用板に吹きつけられているので、あらゆる隙間に軟質発泡ウレタンを密着して接着させることができ、経時変化で軟質発泡ウレタンが構造用板から剥がれる等の劣化を防ぎ、長期に渡って高い断熱効果を維持することができる。
(2)軟質発泡ウレタンを構造用板に吹きつけているので、住宅の建築現場で吹きつけ作業をすることにより気密性を有した断熱材を形成することができ、住宅の施工作業性を向上できる。
(3)断熱材が軟質発泡ウレタンからなるので、地震等の揺れや構造材の乾燥による縮み等に断熱材を追従させることができ、断熱材が割れたり構造用板や構造材から断熱材が剥離したりするのを防止でき断熱材の耐久性に優れる。
0028
ここで、軟質発泡ウレタンとしては、アイシネンフォーム(アイシネン・インク製:製品名)やセレクション500(商品名)等のポリエチレンフォーム,架橋ポリエチレンフォーム,ポリプロピレンフォーム,ユリア樹脂フォーム等が用いられる。これにより、軟質発泡ウレタンを構造用板に吹きつける簡単な施工で壁部、天井部又は屋根部に断熱材を形成することができるとともに、天井部又は屋根部、壁部の熱貫流率を0.15〜0.35W/m2 Kにすることができ、高い気密性や断熱性を有した省エネルギー住宅の施工性を向上できる。尚、アイシネンフォームは、発泡体が連続発泡体となるため柔軟性に優れるとともに、紫外線や水分による劣化がなく耐久性に優れ、また、難燃性で安全性に優れるため、特に好適に用いられる。
軟質発泡ウレタンを吹きつける構造用板(構造用パネル)の表面を滑面加工せず粗面にしておくのが好ましい。これにより、軟質発泡ウレタンを構造用板に吹きつけた際に軟質発泡ウレタンが構造用板の表面の凹凸によるアンカー効果のため、軟質発泡ウレタンの構造用板に対する接着強度を向上させることができる。
0029
本発明の請求項9に記載の床暖房装置の形成方法は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の発明において、前記床暖房装置が、構造材(土台)の内側に沿って断熱材の上方に伸縮吸収材、合板を立設し、断熱材の上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層を所定厚さ形成した後、等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋を蓄熱層の上面に敷設し、温水パイプをメッシュ筋に結束固定し、その後、メッシュ筋、温水パイプの上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層をさらに所定厚さ形成し、床暖房装置を形成する工程を有するという構成を有している。
0030
これにより、請求項1乃至の作用に加えて、以下の作用を有する。
(1)床暖房装置の蓄熱層の外周にヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材を備えているので、蓄熱層の温度変化等による蓄熱層や構造材の伸縮を伸縮吸収材で吸収することができ、該省エネルギー住宅の基礎部分が歪むのを防止できる。
(2)メッシュ筋が温水パイプの下方に敷設されているので、床暖房装置の施工時にメッシュ筋の格子を基準にして温水パイプをメッシュ筋に結束するだけで容易に同ピッチで温水パイプを配管することができ、温水パイプの配管作業性を向上でき、また、メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されるので、温水パイプの配管後に温水パイプを踏むことなくメッシュ筋の上を歩くことができ床暖房装置の施工作業性を向上できる。
(2)格子状のメッシュ筋の格子を基準に温水パイプを配管することができるので、温水パイプを配管する際のスミ出し作業が不要になり配管作業性を向上できるとともに、流し台の部分等の床暖房が不要な部分を除いて温水パイプを配管する作業が簡単にでき、温水パイプを無駄なく必要な部分に配管することができる。
0031
ここで、メッシュ筋の格子としては、温水パイプの配管のピッチに応じて適宜決定されるが、主に、100〜420mm、好ましくは100〜150mmのピッチで形成される。これにより、温水パイプをメッシュ筋の格子に合わせて敷設することができ、温水パイプの配管作業性を向上できる。
尚、メッシュ筋の格子ピッチが100mmより小さくなると温水パイプをメッシュ筋の格子に合わせて曲げることが困難でメッシュ筋に合わせて温水パイプを配管することができなくなり、温水パイプの配管作業性の向上を図ることができなくなる傾向があり、また、150mmより大きくなるにつれ温水パイプの配管のピッチが大きくなるので温水パイプを密に配管できなくなる傾向があり、特に420mmより大きくなるとこの傾向が顕著になり、床暖房装置による床暖房の暖房ムラを引き起こす傾向がある。
0032
計画換気装置を備えた場合、相当隙間面積が0.3〜0.6cm2 /m2 の高気密な室内にしても、一年を通じて室内の湿度を40%〜60%の最適湿度範囲に維持することができ、カビやダニの発生や室内結露を防止することができ、快適な住空間を実現することができる。また、計画換気装置により全室内の空気を強制的に換気させることができるので、高気密な室内の空気を常時新鮮な空気に交換することができ、室内環境を向上することができる。
0033
計画換気装置としては、室内の所定部に配設された給気口と、各室内に配設された吸込口と、吸込口に連通した換気ダクトと、換気ダクトと連通した換気ファンと、換気ファン及び外気と連通した排気口と、を備えた装置等、室内の空気を外気と交換して室内の空気を常時新鮮な空気に維持することができるものであればよく、また、熱交換装置や空気清浄装置等を備えたものや、給気口に空気清浄フィルターを備えたもの等を用いてもよい。特に、熱交換装置を備えた場合、換気により室内の温度が上下するのを防止でき常に快適な室内温度を維持することができ、また、空気清浄フィルターや空気清浄装置を備えた場合、室内に花粉やウィルス、虫、埃、排気ガス等の臭気等が侵入するのを防止できるとともに煙草や料理等の室内の臭気や浴室等や人の呼吸時の湿気を除去することができ室内の空気を清浄に保つことができる。
0034
【発明の実施の形態】
(実施の形態)
本発明の省エネルギー住宅について、吹き抜け部を有した2階建ての省エネルギー住宅の場合を例に、以下図面を用いて説明する。
0035
図1は実施の形態における2階建ての省エネルギー住宅の要部断面図であり、図2は図1のA部の拡大図であり、図3は図1のB部の拡大図であり、図4は図1のC部の拡大図である。
図1において、1は実施の形態における本発明の2階建ての省エネルギー住宅、2は省エネルギー住宅1の屋根部、3Aは省エネルギー住宅1の2階の壁部、3Bは省エネルギー住宅1の1階の壁部、4Aは省エネルギー住宅1の2階の床部、4Bは省エネルギー住宅1の1階の床部、5Aは省エネルギー住宅1の2階の天井部、5Bは省エネルギー住宅1の1階の天井部、6は壁部3A,3Bの所定部に形成された熱貫流率が1.4〜2.5/m2 の窓部(開口部)、7は1階の床面積の15%〜50%若しくは20%〜50%の開口率で開口し1階と2階を連通した吹き抜け部、8は屋根部2の頂上部に配設された棟換気部である。尚、本実施の形態では吹き抜け部7の開口率に階段部分の開口率を含まない。また、開口部として窓部6のみを図示したが、玄関や勝手口等の扉部等(図示せず)も開口部であり、窓部6と同様に1.4〜2.5/m2 の熱貫流率で形成される。
ここで、本実施の形態における省エネルギー住宅1は、相当隙間面積が0.3〜0.6cm2 /m2 で形成されている。
0036
図2において、9は石綿ストレート葺きの屋根部2の外屋根部、10aは外屋根部9の下面(天井部5A側)に配設された構造用合板からなる屋根部2の構造用板、10bは構造用板10aの下部に形成された屋根部2の通気層11を介して構造用板10aの下方に配設された構造用合板からなる屋根部2の構造用板、12aは構造用板10bの下面に吹きつけられた有機発泡材の軟質発泡ウレタンからなる屋根部2の断熱材、12bは屋根部2と2階の天井部5Aの間の壁部3A側に吹きつけられた有機発泡材の軟質発泡ウレタンからなる断熱材、13は屋根部2の軒先に通気層11に連通して形成された軒先吸気ガラリ、14は屋根部2の軒先で軒先吸気ガラリ13の下方に配設された樋である。
15は壁部3A,3Bの外壁材、16は外壁材15より室内側に形成された壁部3A,3Bの通気層、16aは屋根部2の下方で通気層16の上端部に通気層16に連通して形成された軒天見切部、17は通気層16を介して外壁材15より室内側に配設された合成樹脂シートやフィルムからなる壁部3A,3Bの防風透湿材、18は防風透湿シート17より室内側に配設された構造用合板からなる壁部3A,3Bの構造用板、19は構造用板18の背面に吹きつけられた有機発泡材の軟質発泡ウレタンからなる壁部3A,3Bの断熱材、20aは断熱材19の室内側に配設された2枚(2重)の石膏ボード等の無機質材からなる壁部3Aの内壁材、21aは2階の天井部5Aの2階の室内側に配設された石膏ボード等の無機質材からなる内壁材である。
0037
図3において、20bは壁部3Bの断熱材19の室内側に配設された石膏ボード等の無機質材からなる壁部3Bの内壁材、21bは1階の天井部5Bの1階の室内側に配設された石膏ボード等の無機質材で2重に配設された内壁材、22は2階の床部4Aと1階の天井部5Bの間で壁部3B側(断熱材19)に吹きつけられた有機発泡材の軟質発泡ウレタンからなる断熱材、23は2階の床部4Aの木製フロアー、24は木製フロアー23の下面(1階側)に配設された構造用合板からなる構造用板、25は構造用板24の下面に配設された遮音板、26は遮音板25の下面に配設された構造用合板からなる構造用板、27aは壁部3A,3B側の床部4Aの構造用板24の下面に配設されたゴム,独立気泡の高発泡樹脂製の気密パッキン、27bは気密パッキン27aの下面に配設された構造材(枠材)である。
0038
図4において、28は省エネルギー住宅1の基礎、29は基礎28の上端面に配設された防湿シート、30aは防湿シート29と壁部3Bの断熱材19の下端部との間に配設された構造材(土台)30b間に配設された気密パッキン、31は基礎28の上方の通気層16の下端部に通気層16に連通して形成された水切り部、32は床部4Bの下方に形成された床暖房装置、33は地面に砂利や真砂土等を盛土した床暖房装置32の盛土層、34は盛土層33の上方に所定長さ配設された板状の発泡材からなる床暖房装置32の断熱材、35は断熱材34の上方に盛土された床暖房装置32の上部盛土層、36は上部盛土層35の上面に敷設された床暖房装置32の防湿シート、37は防湿シート36の上方に配設された床暖房装置32の土間コンクリート層、38は土間コンクリート層37の上面に敷設された床暖房装置32の防湿シート、39は防湿シート38の上方に配設された板状の発泡材からなる床暖房装置32の断熱材、40は基礎28に沿って断熱材34,39の間に配設された断熱材、41は断熱材39の上方に形成されたモルタルやコンクリートからなる床暖房装置32の蓄熱層、42は蓄熱層41に埋設された100〜150mmの等間隔ピッチの格子状に形成されたメッシュ筋、43はメッシュ筋42の格子を基準にメッシュ筋42の上方に配管され蓄熱層41に埋設された直径16mmのポリブテンパイプからなる温水パイプ、44は蓄熱層41の壁部3B側の端部に配設された合板、45は合板44と構造材30bの間に配設されたヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材、46は床暖房装置32の蓄熱層41の上面に配設された床部4Bの床下地合板、47は床下地合板46の上面に配設された床部4Bの床材である。
尚、省エネルギー住宅1の建築地盤が弱い場合は、盛土層33の下方にコンクリート層が形成され地盤や基礎の補強がされる。
0039
ここで、本実施の形態では、窓部6に金属膜コート(LOW−E)され間にアルゴンガスが封入されたペア強化ガラスを用い、窓部6の熱貫流率を2.5w/m2k又は1.7/m2 としている。
また、本実施の形態では、屋根部2,壁部3A,3Bの有機発泡材の軟質発泡ウレタンからなる断熱材12a,12b,19,22として、製品名アイシネンフォーム(アイシネン・インク製)を用い、屋根部2の熱貫流率を0.15/m2 ,壁部3A,3Bの熱貫流率を0.35/m2 としている。尚、アイシネンフォームの代わりに、商品名セレクション500等のポリエチレンフォーム,架橋ポリエチレン,ポリプロピレンフォーム,ポリウレタンフォーム,ユリア樹脂フォーム等を用いてもよい。これにより、構造用板10b,18等にアイシネンフォームを所定厚さに吹きつけるだけで建築現場で簡単に気密性を有した断熱材を必要な部分に形成することができ施工作業性を向上できるとともに、高い断熱性を有した屋根部2,壁部3A,3Bを実現できる。
更に、本実施の形態では、壁部3A,3B,天井部5A,5Bの無機質材からなる内壁材20a,20b,21a,21bとして、石膏ボードやコンクリート板等の熱伝導率が低く蓄熱性を有すとともに難燃性のものを用いている。これにより、床暖房装置32から得られる遠赤外線を壁部3A,3B,天井部5A,5Bで輻射することができ、その輻射熱で省エネルギー住宅1の室内を暖めることができるとともに、壁部3A,3B,天井部5A,5Bに蓄熱させることができ室内の保温性を向上させることができる。また、内壁材20a,20b,21a,21bが表面に微細な空隙部を多く有しているので、外気と室内の空気との湿度差に応じて内壁材20a,20b,21a,21bで室内の空気中の水蒸気を凝縮したり凝縮した水蒸気を室内の空気中へ水蒸気として吐出したりすることができ自然に湿度調整を行うことができ、更に、火災に対する安全性を備えることができる。
尚、省エネルギー住宅1において、内壁材20a,20b,21a,21bの室内側の面には、繊維等をクロスした壁紙材,例えば、ビスコース繊維等からなる旭化成製のラフィトクロス(商品名)等、若しくは桐や檜,松,杉,パイン等の木板等が貼着される。
また、構造用板10aの上面には、防水シートが敷設され、次いで、瓦等が設置される。
0040
次に、床部4Bに備えた床暖房装置32の温水パイプ43の配管について、以下図面を用いて説明する。
図5は実施の形態における省エネルギー住宅の床暖房装置の温水パイプの配管を示す1階平面図である。
図中、48は屋外に設置された床暖房装置32のボイラー、49は温水パイプ43に温水を供給するポンプ、50はポンプ49を介してボイラー48に接続され各方向の各温水パイプ43へ温水を供給する供給管、51は各温水パイプ43が接続された集合管(ヘッダ)、52は集合管51とボイラー48に接続され各温水パイプ43を循環した温水がボイラー48へ戻るための戻り管である。
尚、温水パイプ43は、1階の床面積や間取り等に応じて1乃至複数本用いられ、各温水パイプ43の両端は供給管50と集合管51に接続される。また、温水パイプ43を1本しか用いない場合は、集合管51は必要なく、温水パイプ43は直接戻り管52に接続される。
ここで、実施の形態では、図5に示すように、温水パイプ43を浴室の洗い場やトイレ、押入等の部分にも配管している。これにより、浴室やトイレ、押入等内の温度と部屋の温度との温度差を無くすことができ、浴室やトイレ、押入等に結露が生じカビが発生するのを防止できる。
0041
床暖房装置32を床部4Bの下方に施工する際、図4に示すように、地面に砂利や真砂土等を盛土して盛土層33を形成し、次に、盛土層33の上方及び基礎28に側部に沿わせて板状の発泡材からなる断熱材34,40を配設する。次いで、断熱材34の上方に上部盛土層35を形成し、上面を押圧しながらならした後、上部盛土層35の上面に防湿シート36を敷設する。次いで、防湿シート36の上方に土間コンクリート層37を打設し、乾燥後、土間コンクリート層37の上面に防湿シート38を敷設する。次いで、防湿シート38の上方に板状の発泡材からなる断熱材39を敷設する。
次いで、構造材30bに沿って断熱材39の上方に伸縮吸収材45,合板44を立設し、断熱材39の上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層41を所定厚さ形成した後、等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋42を蓄熱層41の上面に敷設する。次に、図5に示すように、温水パイプ43をメッシュ筋42の格子を基準に外気の影響の大きい壁部側の位置から渦巻き状に配管し、温水パイプ43をメッシュ筋42に結束固定する。ここで、温水パイプ43は、図5に示すように、台所の流しの位置や浴槽の位置等、床面上に物が置かれ床暖房が不要となる場所を除いて1階の略全面に配管される。
その後、メッシュ筋42,温水パイプ43の上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層41をさらに所定厚さ形成し、床暖房装置32を形成する。
0042
次に、床暖房装置32による省エネルギー住宅1の暖房効果について、以下説明する。
床暖房装置32が作動すると、温水パイプ43に温水が循環し、温水パイプ43を流れる温水の熱により蓄熱層41が暖められ蓄熱層41に蓄熱されるとともに床部4Bが暖められる。また、床部4Bが暖められると床部4Bから遠赤外線が発生し、その遠赤外線が1階の壁部3B,1階の天井部5Bの無機質材からなる内壁材20b,21bの結晶水等の分子運動に作用する。その結果、内壁材20b,21bに熱が蓄熱されるとともに内壁材20b,21bから熱が輻射され、省エネルギー住宅1の1階の全室内が輻射熱により暖房される。
また、省エネルギー住宅1には、開口率が1階の床面積の15%〜50%若しくは20%〜50%で開口された吹き抜け部7を備えているので、1階の輻射熱が吹き抜け部7を通って2階に伝えられるとともに、吹き抜け部7の下方の床部4Bから発生する遠赤外線が吹き抜け部7を通り2階の天井部5Aの無機質材からなる内壁材21aに当たり、内壁材21aに熱が蓄熱されるとともに熱が輻射され、その輻射熱が2階の壁部3Aの無機質材からなる内壁材20aに当たり、更に、内壁材20aにも熱が蓄熱されるとともに熱が輻射され、省エネルギー住宅1の2階の全室内も輻射熱により暖房される。
ここで、2階の天井部5Aの無機質材からなる内壁材21aとしては、天井部5Aの吹き抜け部7に当たる部分(吹き抜け部7の上方の天井部5A)のみに配設してもよい。少なくとも、吹き抜け部7に当たる部分に、無機質材からなる内壁材21aを配設していれば、床部4Bから発生する遠赤外線による輻射熱を天井部5Aの内壁材21aで受けて蓄熱及び熱の輻射をすることができ2階も輻射熱で暖房することができるからである。
尚、2階の間仕切り壁として、壁部3A,3Bと同様に無機質材からなる内壁材を用いるとよい。これにより、1階の床暖房装置32による輻射熱で間仕切り壁に蓄熱させることができるとともに間仕切り壁から輻射熱を得ることができ、2階における暖房効率や暖房性能を向上させることができる。
0043
次に、実施の形態における省エネルギー住宅1の計画換気装置について、以下図面を用いて説明する。
図6は実施の形態における省エネルギー住宅の計画換気装置を示す要部断面斜視図である。
図中、53は省エネルギー住宅1の各階の所定の壁面に外気と連通して形成された計画換気装置の給気口、54は省エネルギー住宅1の1階と2階の各室内の天井部5B,5Aの所定部に形成された計画換気装置の吸込口、55は各吸込口54に各々連通され各階の天井裏に配設された計画換気装置の換気ダクト、56は各階の天井裏に配設され各換気ダクト55が接続された計画換気装置の分岐部、57は1階の天井裏に配設され各分岐部56に換気ダクト55を介して接続された計画換気装置の換気ファン、58は換気ダクト55を介して換気ファン57に接続され省エネルギー住宅1の外壁の所定部に形成された計画換気装置の排気口である。
また、図中の矢印aは給気口53からの外気の給気を示し、矢印bは各吸込口54からの各室内の空気の吸い込みを示し、矢印cは各吸込口54から吸い込まれた各室内の空気を排気口58から外部へ排気する排気を示す。
尚、換気ファン57の代わりに、熱交換装置を備えた熱交換気装置を用いてもよく、また、給気口53に空気清浄フィルターを備えてもよい。
熱交換気装置を用いた場合、室内の換気により室内温度が上下するのを防止でき、常時一定の室内温度を保つことができ室内環境を快適にすることができる。また、給気口53に空気清浄フィルターを備えた場合、外気中の花粉や虫、ウィルス、埃、排気ガス等の臭気等が室内に侵入するのを防止できるとともに料理や煙草等の室内の臭気や浴室等や人の呼吸時の湿気を除去することができ、室内環境の衛生性を向上することができる。
0044
次に、実施の形態における計画換気装置による省エネルギー住宅1内の計画換気について、以下その動作を説明する。
換気ファン57を駆動すると、各吸込口54から室内の空気が吸い込まれるとともに、給気口53から室内に外気が給気される。これにより、各室内の空気が外気と交換されて各室内の空気が換気される。尚、各吸込口54から吸い込まれた室内の空気は、換気ダクト55,分岐部56,換気ファン57を介して排気口58から屋外へ排気される。
0045
次に、実施の形態における省エネルギー住宅1の壁部3A,3B及び屋根部2における換気について、以下図面を用いて説明する。
図7は実施の形態における省エネルギー住宅の棟換気部を示す要部断面図である。
図中、59は屋根部2の頂部に開口され通気層11と棟換気部8を連通した通気連通部、60は通気連通部59に連通した棟換気部8の通気路、61は通気路60に連通し棟換気部8の上面に開口して形成された排気開口部である。尚、図中の矢印は通気層11に流入した外気の流れを示す。
省エネルギー住宅1の屋根部2では、構造用板10a,10bの間に形成された通気層11に連通した軒先吸気ガラリ13(図2参照)から通気層11に外気が流入する。通気層11に流入した外気は、図7中の矢印で示すように、通気層11を通って通気連通部59から棟換気部8へ流入し、次いで、棟換気部8の通気路60を通り排気開口部61から外部へ排出される。
また、省エネルギー住宅1の壁部3A,3Bでは、通気層16の下端部に連通した水切り部31(図4参照)から通気層16に外気が流入する。通気層16に流入した外気は、通気層16を通り、通気層16の上端部に連通して形成された軒天見切部16a(図2参照)から外部へ排出される。
0046
尚、本実施の形態の省エネルギー住宅1では、軟質発泡ウレタンからなる有機発泡材の断熱材12aを屋根部2の構造用合板10bの下面に吹きつけた場合について説明したが、屋根部2に断熱材12aを形成する代わりに、天井部5A,5Bの無機質材からなる内壁材21aの上面(天井裏側)に構造用合板を配設し、その構造用合板に軟質発泡ウレタンからなる有機発泡材を吹きつけ、天井部5A,5Bに断熱層を形成してもよい。
0047
以上のように実施の形態における省エネルギー住宅は構成されているので、以下の作用を有する。
(1)1階の床部に床暖房装置を備えているとともに、壁部と天井部に無機質材からなる内壁材を備えているので、床暖房装置により床部から発生した遠赤外線が内壁材に当たることにより、内壁材に蓄熱するとともに内壁材で熱を輻射させることができ、その結果、床暖房装置により直接得られる床からの暖房効果と、壁部や天井部の内壁材から得られる輻射熱による暖房効果の両方の暖房効果を得ることができるので、従来のように床暖房装置の直接的な暖房効果だけに頼ることなく、輻射熱を利用して室内全体を暖房することができ、暖房装置にかかる負荷を抑えることができ少ないエネルギーで室内全体を効率良く暖房することができる。
(2)内壁材に石膏ボードやコンクリート板等の熱伝導率が低く蓄熱性を有すとともに難燃性のものを用いているので、床暖房装置から得られる遠赤外線を壁部や天井部で輻射した輻射熱で該省エネルギー住宅の室内を暖めることができるとともに、壁部や天井部に蓄熱させることができ室内の保温性を向上でき、更に、火災に対する安全性に優れる。また、特に内壁材を2重にした1階の天井部や2階の壁部では、内壁材の蓄熱性を向上させることができるとともに、遮音性を向上できる。
(3)壁部や屋根部の構造用板に吹きつけられた軟質発泡ウレタンからなる有機発泡材で断熱材を形成しているので、壁部や屋根部の断熱性に優れ、室内の温度が外気温度に左右されて変動するのを著しく抑えることができ、快適な室内温度環境を維持することができる。
(4)壁部や屋根部の断熱材が、構造用板に吹きつけた軟質発泡ウレタンからなるので、住宅の建築現場で軟質発泡ウレタンの吹きつけ作業をすることにより、容易に必要な部分に気密性を有した断熱層を形成することができ、壁部や屋根部の施工作業性を向上できる。
(5)断熱材に軟質発泡ウレタン(アイシネンフォーム)を用いているとともに、吹きつけにより断熱層を形成しているので、あらゆる隙間に軟質発泡ウレタンを密に接着させることができ、高い断熱性を実現できるとともに、経時変化で軟質発泡ウレタンが構造用板から剥がれ落ちる等の劣化を防止することができ、長期に渡って高い断熱効果を維持することができ耐久性に優れる。
(6)断熱材が軟質発泡ウレタンからなるので、断熱材の伸縮性に富み、地震等の揺れや構造材の乾燥による縮み等に断熱材を追従させることができ、断熱材が割れたり構造材や構造用板から断熱材が剥離したりする等の損傷の発生を防止でき断熱材の耐久性に優れるとともに、断熱性や気密性の性能を長期に渡って維持することができ断熱や気密の耐久性に優れる。
(7)断熱材に軟質発泡ウレタンを用い、屋根部と壁部の熱貫流率を0.15〜0.35/m2 としているので、屋根部や壁部からの熱損失量を抑えて室内の気密性や断熱性を高めることができ、その結果、室内の冷・暖房した空気の熱が屋根部や壁部から逃げるのを著しく抑えることができ、冷房装置や床暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
(8)該省エネルギー住宅の相当隙間面積が0.3〜0.6cm2 /m2 で形成されているとともに、断熱材を備えた壁部や屋根部の熱貫流率が0.15〜0.35/m2 ,窓部の熱貫流率が1.4〜2.5/m2 ,で形成されているので、該省エネルギー住宅の気密性や断熱性に優れ、該省エネルギー住宅の熱損失係数を1.4/m2 以下にすることができ、その結果、室内の冷・暖房効果を向上でき、冷房装置や床暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
(9)1階の床部に床暖房装置を備え、また、1階の床面積の15%〜50%若しくは20%〜50%の開口率の吹き抜け部を備えているので、床暖房装置により1階を暖房するだけでなく、床暖房装置により1階の床部から発生する遠赤外線を吹き抜け部を通して2階の天井や壁面の無機質材からなる内壁に当てて輻射熱を得ることができるとともに1階を暖房している輻射熱を吹き抜け部から2階へ伝えることができ、1階の床暖房装置による輻射熱で2階も暖房することができ、従来のように各室毎に各種暖房装置を備える必要がなく1階の床暖房装置だけで住宅内を暖房することができ、暖房にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
(10)床暖房装置の蓄熱層に等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋を備え、また、メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されているので、床暖房装置の施工時にメッシュ筋の格子を基準にして温水パイプを置き、温水パイプをメッシュ筋に結束固定するだけで、必要な場所だけに温水パイプを容易に配管することができ、従来の温水パイプの配管位置を決めるスミ出し等の作業が不要となり、温水パイプの配管作業性を向上できる。
(11)メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されるため、温水パイプの配管後に温水パイプを避けてメッシュ筋上を容易に歩き回ることができるので、床暖房装置の施工作業性を向上できる。
(12)床暖房装置の蓄熱層の外周にヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材を備えているので、蓄熱層の温度変化等による蓄熱層や構造材の伸縮を伸縮吸収材で吸収することができ、該省エネルギー住宅の基礎部分が歪むのを防止できる。
(13)床暖房装置の温水パイプを外気の影響の大きい壁部側の位置から渦巻き状に配管しているので、ボイラーから供給された温度の高い温水を外気に近い壁部側に流すことができ、その結果、床暖房装置により床部の略全面を略均等に暖めることができ、暖房性能を向上することができる。
(14)室内の空気を強制的に換気する計画換気装置を備えているので、相当隙間面積が0.3〜0.6cm2 /m2 の高気密な室内であっても、室内の空気を外気と入れ換えて換気して室内の湿度等の室内環境を好環境に維持することができる。特に、24時間換気や朝夕の換気等住宅に応じた換気を行うことにより、一年を通じて室内の湿度を40%〜60%の最適湿度範囲に維持することができ、カビやダニの発生や室内結露を防止して快適な住空間を実現することができる。
(15)屋根部に通気層,軒先吸気ガラリを有しているとともに、通気層に連通した棟換気部を有しているので、軒先吸気ガラリから通気層に外気を流入させて棟換気部から排出させることにより、常時屋根部内に空気を流すことができ、その結果、小屋裏が結露するのを防止することができ、屋根部の構造用板や断熱材等の耐久性を向上させることができるとともに、断熱材の性能が低下するのを防止でき、また、特に夏場に小屋裏が高温になるのを防止し、冷房装置による冷房効果を向上できるとともに冷房装置にかかる負荷を押さえることができ、冷房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
(16)壁部に通気層を有しているとともに、通気層の下端部に連通した水切り部と、通気層の上端部に連通した軒天見切部を有しているので、水切り部から通気層へ外気を流入させて軒天見切部から排出させることにより、常時壁部内に空気を流すことができ、その結果、壁部内で結露し壁部内にカビ等が発生するのを防止することができ、壁部の構造用板や断熱材の耐久性を向上させることができるとともに、断熱材の性能が低下するのを防止することができる。
(17)夏期は、床暖房装置の温水パイプに水を流すことにより、足元を冷やすことができ冷房効果を高めることができる。
0048
(実験例)
実施の形態の省エネルギー住宅1と同様に建築された本願発明の省エネルギー住宅における冬と夏の室内温度,室内湿度、及び同日の屋外の温度,湿度を一週間にわたって計測した。
図8(a)は省エネルギー住宅1における冬の室内温度,室内湿度の変化図であり、図8(b)は冬の屋外の温度,湿度の変化図であり、図9(a)は省エネルギー住宅1における夏の室内温度,室内湿度の変化図であり、図9(b)は夏の屋外の温度,湿度の変化図である。
尚、図8,9の横軸は計測した月日を示し、縦軸の上側は室内温度(℃),下側は室内湿度(%)を示す。
図8から、冬の屋外温度が0℃になっても室内温度が20℃前後を保っていることがわかる。また、屋外湿度が大きく変動しているのに対し、室内湿度は最適湿度範囲である40%前後で略一定していることがわかる。
また、図9から、夏の屋外温度が30℃をこえても室内温度が25℃前後を保っていることがわかる。また、屋外湿度が大きく変動しているのに対し、室内湿度は最適湿度範囲である60%前後で略一定に保たれていることがわかる。
以上の結果から、本願発明の省エネルギー住宅は、気密性,断熱性に優れ、外気温度や湿度に左右されることなく1年を通して快適な温度環境,湿度環境を維持することができ、健康的で快適な住空間を実現できることがわかった。
0049
(実験成績証明)
本願発明の省エネルギー住宅における年間暖冷房負荷の評価を、(財)建築環境・省エネルギー機構の熱負荷計算プログラム「SMASH」を用い、株式会社ビルダーズシステム研究所で行った。
図10はSMASH計算を行ったモデル住宅の2階平面図である。尚、SMASH計算を行ったモデル住宅の1階平面図は図5と同様である。ここで、モデル住宅の延床面積は149.06m2 ,気積は401.88m3 ,1階床面積は82.81m2 ,天井面積は149.06m2 ,外壁面積は147.3m2 ,窓部の開口部は38.02m2 ,ドア部(扉部)の開口部は4.62m2 であり、窓部の熱貫流率は2.00/m2 ,ドア部の熱貫流率は2.11/m2 である。
また、図5,図10で示すモデル住宅において、在来構法で建築され実施の形態と同様に壁部と屋根部にアイシネンフォームからなる断熱材を備えたもの(H1),在来構法で建築され壁部と天井部にアイシネンフォームからなる断熱材を備えたもの(H2),枠組構法で建築され実施の形態と同様に壁部と屋根部にアイシネンフォームからなる断熱材を備えたもの(H3),枠組構法で建築され壁部と天井部にアイシネンフォームからなる断熱材を備えたもの(H4)の4種についてSMASH計算を行った。
尚、SMASH計算を行う際の計算条件は以下のようにした。
・使用気象データ都市は福岡とする。
・暖房期間は日平均外気温15℃以下の全期間とする。
・冷房期間は暖房期間以外の全期間とする。
・全館、連続暖冷房を行う。
・暖房は18℃以上で湿度はなりゆきとする。
・冷房は27℃以下で相対湿度は60%以下とする。
・室内で発生する顕熱及び潜熱を延床面積から一様に常時一定量とし、顕熱は 691.47W,潜熱は173.90Wとする。尚、在室者、照明等による 発熱量は0とする。
・外気が25℃以下の場合は、冷房を行わず通風を行うものとする。
0050
以上のような条件でSMASH計算を行った結果、H1の年間暖冷房負荷は341.87MJ/m2 、H2の年間暖冷房負荷は318.51MJ/m2 、H3の年間暖冷房負荷は343.54MJ/m2 、H4の年間暖冷房負荷は320.14MJ/m2 となり、いずれの場合も年間暖冷房負荷が318MJ/m2 〜344MJ/m2 の範囲内で、次世代省エネルギー基準である福岡の年間暖冷房負荷の基準値460MJ/m2 より低く、本願発明の省エネルギー住宅が次世代省エネルギー基準以上の性能を有しているという評価を得た。
0051
【発明の効果】
以上のように本発明における省エネルギー住宅によれば、以下の優れた効果を実現できる。
0052
請求項1に記載の発明によれば、
(1)床部に床暖房装置を備えるとともに、壁部と天井部に無機質材からなる内壁材を備えているので、床暖房装置により床部から発生した遠赤外線を無機質材からなる内壁材の結晶水等の分子運動に作用させることができ、その結果、内壁材から輻射熱を得ることができるので、床暖房装置から直接得られる熱による暖房効果と、輻射熱による暖房効果の両方で室内を暖房することができ暖房効果に優れ、従来のように床暖房装置の直接的な暖房効果だけに頼ることなく、輻射熱を利用して室内全体を暖房することができ、床暖房装置にかかる負荷を著しく抑えることができ少ないエネルギーで室内全体を効率良く暖房することができ省エネルギー化を実現することができる。
(2)無機質材からなる内壁材を備えているので、床暖房装置から得られる遠赤外線で壁部や天井部に蓄熱させることができ室内の保温性に優れ、床暖房装置にかかる負荷を著しく抑え省エネルギー化を実現することができる。
(3)壁部と天井部の内壁材に多孔質な無機質材を用いているので、外気と室内空気との湿度差に応じて、内壁材の内部で空気中の水蒸気を凝縮させたり、内壁材の内部で凝縮された水分を室内空気中へ水蒸気として吐出させたりすることができ、自然に室内の湿度調整をすることができ、室内を安定した湿度に維持し快適な湿度環境を実現することができる。
(4)壁部,天井部又は屋根部に有機発泡材からなる断熱材を備えているので、壁部や天井部又は屋根部から室内の熱が外部へ逃げるのを著しく抑えることができ、壁部や天井部又は屋根部の断熱性を向上でき、その結果、室内温度が外気温度の影響を受けて変動するのを著しく抑えることができ、外気温度に関係なく、また床暖房装置や冷房装置の負荷を上げることなく室内を快適な温度に維持することができる。
(5)壁部,天井部又は屋根部に有機発泡材からなる断熱材を備え壁部や天井部又は屋根部が高い断熱性を有しているので、室内への外気の流入や室内の空気の流出を著しく抑えることができ、その結果、該省エネルギー住宅の熱損失量を著しく抑えることができ、従来より低い冷・暖房能力で住宅内の冷・暖房を十分に行うことができ、冷房装置や床暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー性に優れる。
(6)床部に床暖房装置を備えているとともに、壁部や天井部に無機質材からなる内壁材を備えているので、床暖房装置だけで住宅内の暖房を十分に行うことができ、従来のように各室毎に各種暖房装置を備えることなく省エネルギー性に優れ、また、住宅内を暖房するため従来のように各室毎の温度差が生じるのを防止でき健康的で快適な住空間を実現することができる。
(7)床暖房装置の蓄熱層に等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋を備え、また、メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されているので、床暖房装置の施工時にメッシュ筋の格子を基準にして温水パイプを置き、温水パイプをメッシュ筋に結束固定するだけで、必要な場所だけに温水パイプを容易に配管することができ、従来の温水パイプの配管位置を決 めるスミ出し等の作業が不要となり、温水パイプの配管作業性の向上を実現することができる。
(8)メッシュ筋の上方に温水パイプが配管されるため、温水パイプの配管後に温水パイプを避けてメッシュ筋上を容易に歩き回ることができるので、床暖房装置の施工作業性の向上を実現することができる。
(9)床暖房装置の蓄熱層の外周にヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材を備えているので、蓄熱層の温度変化等による蓄熱層や構造材の伸縮を伸縮吸収材で吸収することができ、該省エネルギー住宅の基礎部分の歪みの防止を実現することができる。
0053
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、
(1)屋根部に通気層,軒先吸気ガラリを有しているとともに、通気層に連通した棟換気部を有しているので、軒先吸気ガラリから通気層に外気を流入させて棟換気部から排出させることにより、常時屋根部内に空気を流すことができ、その結果、小屋裏が結露するのを防止することができ、屋根部の構造用板や断熱材等の耐久性の向上を実現させることができるとともに、断熱材の性能が低下するのを防止でき、また、特に夏場に小屋裏が高温になるのを防止し、冷房装置による冷房効果の向上を実現できるとともに冷房装置にかかる負荷を押さえることができ、冷房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を実現することができる。
0054
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、
(1)天井部又は屋根部,壁部の熱貫流率が0.1〜0.7/m2 なので、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量を抑え室内の気密性や断熱性を高めることができ、冷・暖房した室内の空気の熱が天井部又は屋根部,壁部から逃げるのを著しく抑えることができ、その結果、冷房装置や床暖房装置の低い冷・暖房能力で十分に冷・暖房効果を得ることができ冷房装置や床暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を実現できる。
0055
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、
(1)天井部又は屋根部,壁部の熱貫流率が0.15〜0.35W/m 2 Kなので、天井部又は屋根部,壁部からの熱損失量を抑え室内の気密性や断熱性を高めることができ、冷・暖房した室内の空気の熱が天井部又は屋根部,壁部から逃げるのを著しく抑えることができ、その結果、冷房装置や床暖房装置の低い冷・暖房能力で十分に冷・暖房効果を得ることができ冷房装置や床暖房装置にかかるエネルギーの省エネルギー化を実現できる。
0056
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の効果に加えて、
(1)下層階の床面積の15%〜50%の開口率の吹き抜け部を有しているので、下層階の床部に備えた床暖房装置による輻射熱を吹き抜け部を通って上層階へ伝えることができるとともに、床暖房装置からの遠赤外線を上層階の天井部の内壁材に当てて更に輻射熱を得ることができ、上層階に床暖房装置や各種暖房装置を備えることなく、下層階の床暖房装置だけで下層階と上層階の両方を暖房することができ、省エネルギー化を実現することができ、また、従来より著しく広い吹き抜け部の形成と省エネルギーで高い暖房効果の両方を一度に実現することができる。
(2)吹き抜け部の開口率が下層階の床面積の15%〜50%なので、下層階の床暖房装置で上層階も十分に暖房することができるとともに、上層階の床面積も確保することができ該省エネルギー住宅の実用性に優れる。
0057
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の効果に加えて、
(1)下層階の床面積の20%〜50%の開口率の吹き抜け部を有しているので、下層階の床部に備えた床暖房装置による輻射熱を吹き抜け部を通って上層階へ伝えることができるとともに、床暖房装置からの遠赤外線を上層階の天井部の内壁材に当てて更に輻射熱を得ることができ、上層階に床暖房装置や各種暖房装置を備えることなく、下層階の床暖房 装置だけで下層階と上層階の両方を暖房することができ、省エネルギー化を実現することができ、また、従来より著しく広い吹き抜け部の形成と省エネルギーで高い暖房効果の両方を一度に実現することができる。
(2)吹き抜け部の開口率が下層階の床面積の20%〜50%なので、下層階の床暖房装置で上層階も十分に暖房することができるとともに、上層階の床面積も確保することができ該省エネルギー住宅の実用性に優れる。
0058
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の効果に加えて、
(1)窓部や玄関等の扉部等の開口部の熱貫流率が1.4〜2.5/m2 なので、開口部から外部へ逃げる室内の熱や開口部から室内に入る外気の熱による熱損失量を抑えることができ、該省エネルギー住宅の高気密性,高断熱性を維持することができるとともに、該省エネルギー住宅の冷房装置や床暖房装置にかかる負荷を抑えることができ、少ないエネルギーで室内の空調を行うことができる。
0059
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の効果に加えて、
(1)壁部、天井部又は屋根部の断熱材が軟質発泡ウレタンからなり、壁部や天井部又は屋根部の構造用板に吹きつけられているので、あらゆる隙間に軟質発泡ウレタンを密着に接着させることができ、従来のグラスウールや硬質ウレタン等のように構造用板と断熱材との間に隙間が形成されることなく断熱性をさらに上げることができ、また、従来のグラスウールや硬質ウレタン等のように経時変化で構造用板から剥がれる等の劣化を防止でき耐久性に優れるとともに、長期に渡って高い断熱効果を維持することができ断熱性能の信頼性に優れる。
(2)軟質発泡ウレタンを構造用板に吹きつけて断熱材を形成しているので、住宅の建築現場で吹きつけ作業をするだけで容易に必要な場所に断熱材を形成することができ、住宅の施工作業性を向上できる。
(3)軟質発泡ウレタンからなるため、断熱材が柔軟性を有し断熱材を地震等の揺れや構造材の乾燥による縮み等に追従させることができ、従来の硬質ウレタンのように揺れや構造材の伸縮等により割れたり構造材や構造用板から剥離したりすることなく断熱材の耐久性に優れる。
0060
請求項に記載の発明によれば、請求項1乃至の効果に加えて、
(1)床暖房装置の蓄熱層の外周にヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材を備えているので、蓄熱層の温度変化等による蓄熱層や構造材の伸縮を伸縮吸収材で吸収することができ、該省エネルギー住宅の基礎部分の歪みの防止を実現することができる。
)床暖房装置の蓄熱層に温水パイプの下方に敷設された等間隔の格子状のメッシュ筋を備えているので、温水パイプの配管時にメッシュ筋の格子を基準に温水パイプを配管することができ、従来のような温水パイプを配管する際のスミ出し作業が不要となり、温水パイプの配管作業性に優れる。
)メッシュ筋の格子を基準に温水パイプを配管できるので、流し台の部分等の床暖房の不要な部分を除き必要な部分だけに容易に温水パイプを配管することができ、床暖房装置の施工作業性に優れる。
)メッシュ筋の上方に温水パイプ結束して配管しているので、温水パイプの配管後に温水パイプを踏むことなく温水パイプを避けて容易にメッシュ筋の上を歩き回ることができ、床暖房装置の施工作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における2階建ての省エネルギー住宅の要部断面図
【図2】図1のA部の拡大図
【図3】図1のB部の拡大図
【図4】図1のC部の拡大図
【図5】実施の形態における省エネルギー住宅の床暖房装置の温水パイプの配管を示す1階平面図
【図6】実施の形態における省エネルギー住宅の計画換気装置を示す要部断面斜視図
【図7】実施の形態における省エネルギー住宅の棟換気部を示す要部断面図
【図8】(a)省エネルギー住宅1における冬の室内温度,室内湿度の変化図
(b)冬の屋外の温度,湿度の変化図
【図9】(a)省エネルギー住宅1における夏の室内温度,室内湿度の変化図
(b)夏の屋外の温度,湿度の変化図
【図10】SMASH計算を行ったモデル住宅の2階平面図
【符号の説明】
1 省エネルギー住宅
2 屋根部
3A,3B 壁部
4A,4B 床部
5A,5B 天井部
6 窓部(開口部)
7 吹き抜け部
8 棟換気部
9 外屋根部
10a,10b 構造用板
11 通気層
12a,12b 断熱材
13 軒先吸気ガラリ
14 樋
15 外壁材
16 通気層
16a 軒天見切部
17 防風透湿材
18 構造用板
19 断熱材
20a,20b,21a,21b 内壁材
22 断熱材
23 木製フロアー
24 構造用板
25 遮音板
26 構造用板
27a,30a 気密パッキン
27b,30b 構造材
28 基礎
29 防湿シート
31 水切り部
32 床暖房装置
33 盛土層
34,39,40 断熱材
35 上部盛土層
36,38 防湿シート
37 土間コンクリート層
41 蓄熱層
42 メッシュ筋
43 温水パイプ
44 合板
45 伸縮吸収材
46 床下地合板
47 床材
48 ボイラー
49 ポンプ
50 供給管
51 集合管
52 戻り管
53 給気口
54 吸込口
55 換気ダクト
56 分岐部
57 換気ファン
58 排気口
59 通気連通部
60 通気路
61 排気開口部

Claims (9)

  1. 無機質材からなる内壁材と有機発泡材からなる断熱材とを備えた壁部と、無機質材からなる内壁材を備えた天井部と、前記天井部又は屋根部に設けられた有機発泡材からなる断熱材と、少なくとも下層階の床部に備えた床暖房装置と、を有し、前記床暖房装置が、(a)メッシュ筋と、前記メッシュ筋上に配管された温水パイプを埋設した蓄熱層と、(b)前記蓄熱層の土台の端部に配設された合板と、(c)前記合板と土台との間に配設されたヤシ材の繊維からなるフェルト状の伸縮吸収材と、を備えたことを特徴とする省エネルギー住宅。
  2. 外屋根部の下面に配設された屋根部の上側構造用板と、前記上側構造用板の下部に形成された屋根部の通気層を介して配設された屋根部の下側構造用板と、屋根部の頂部に開口され前記通気層と棟換気部を連通した通気連通部と、前記通気連通部に連通した前記棟換気部の通気路と、前記通気路に連通し前記棟換気部の上面に開口して形成された排気開口部と、前記通気層に連通した軒先吸気ガラリと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の省エネルギー住宅。
  3. 前記天井部又は前記屋根部、前記壁部の熱貫流率が0.1〜0.7W/mKであることを特徴とする請求項1又は2に記載の省エネルギー住宅。
  4. 前記天井部又は前記屋根部、前記壁部の熱貫流率が0.15〜0.35W/m Kであることを特徴とする請求項1又は2に記載の省エネルギー住宅。
  5. 吹き抜け開口率が前記下層階の床面積の15%〜50%の吹き抜け部を備えていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の省エネルギー住宅。
  6. 吹き抜け開口率が前記下層階の床面積の20%〜50%の吹き抜け部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか 1 項に記載の省エネルギー住宅
  7. 熱貫流率が1.4〜2.5/m2 の開口部を備えていることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の省エネルギー住宅。
  8. 前記壁部の前記断熱材、及び、前記天井部又は前記屋根部の前記断熱材が、前記壁部の外壁側の構造用板,前記天井部又は前記屋根部の構造用板に吹きつけられた軟質発泡ウレタンからなることを特徴とする請求項1乃至の内いずれか1項に記載の省エネルギー住宅。
  9. 、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の省エネルギー住宅の床暖房装置の形成方法において、構造材(土台)の内側に沿って断熱材の上方に伸縮吸収材、合板を立設し、断熱材の上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層を所定厚さ形成した後、等間隔の格子状に形成されたメッシュ筋を蓄熱層の上面に敷設し、温水パイプをメッシュ筋に結束固定し、その後、メッシュ筋、温水パイプの上方にモルタルやコンクリートからなる蓄熱層をさらに所定厚さ形成し、床暖房装置を形成する工程を有することを特徴とする床暖房装置の形成方法。
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