JP3009512U - 高気密高断熱性家屋 - Google Patents

高気密高断熱性家屋

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JP3009512U
JP3009512U JP1994012970U JP1297094U JP3009512U JP 3009512 U JP3009512 U JP 3009512U JP 1994012970 U JP1994012970 U JP 1994012970U JP 1297094 U JP1297094 U JP 1297094U JP 3009512 U JP3009512 U JP 3009512U
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JP1994012970U
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English (en)
Inventor
小野  誠
悦見 遠藤
昭一 千葉
Original Assignee
有限会社オノ建築企画室
有限会社岩代工務店
有限会社千葉電設
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自然エネルギー及び生活排熱を有効利用して
省エネルギー化し、温度むらを生じることなく結露を生
じず、遮音性が高く、生活臭を拡散することがない家屋
を提供する。 【構成】 断熱材を埋設し外気に対して閉鎖的な床下を
形成するコンクリート基礎部8、内壁材16の外側に貼
設したアルミニウム被覆断熱ボード17と外壁材23と
の間に地上から屋根部まで連通する外壁通気層24を形
成した外壁構造体、外側屋根材とアルミニウム被覆断熱
ボード28との間に外壁通気層24と連通する屋根通気
層19を形成し、屋根通気層の最上部に棟換気部37を
形成した屋根構造体、家屋内全室を循環する空気循環式
空調装置50,51,52,53,54により高気密高
断熱性家屋を構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、高気密でかつ高断熱性であり、太陽熱や地熱等の自然熱や生活排熱 を有効利用し、省エネルギー化するとともに、遮音性が高くかつ耐久性の高い家 屋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より各種の高気密性で高断熱性で通気空間を有し換気可能とし、冷暖房の 効率を向上させた家屋に関する技術が提案されている。
【0003】 しかしながら、従来の家屋はいずれもその性能は充分ではない。即ち、各居住 室にエアコンを取り付けても、例えば、部屋は暖かくても廊下、トイレ、脱衣室 は冷えている等、空調用に多くの費用を要する割合には各室間に温度差を生じ、 湿度むらを生じている。また、冬は窓ガラスに結露を生じ、壁や天井にカビやダ ニを多量に発生し、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の原因となったり、家屋の汚損 を生じる。そのほか床下の換気を考慮していないので、床下の臭いが発生し、じ めじめするので、住宅寿命を短縮することになる。更には、トイレや台所臭等の 生活臭が充分排気されず、室内の一酸化炭素や二酸化炭素の濃度が上昇するほか 室外の騒音が侵入したり及び室内音が放散したりする等の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本考案は、家屋を高気密性でかつ高断熱性のものとし、しかも温 度むらを生じないようにして結露を防止し、太陽熱や地熱の自然熱及び照明など の生活廃熱を有効に利用して省エネルギー化し、遮音性が高くかつ生活臭を拡散 することがない家屋を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決するため、断熱材を埋設し外気に対して閉鎖的な床下 を形成するとともに立上り部外周周壁に断熱材を設けたコンクリート基礎部、内 壁材の外側に設けた気密性アルミニュウム被覆断熱ボードと外壁材との間に地上 から屋根部まで連通する外壁通気層を有する外壁構造体、外側屋根材と屋内側に 設けた気密性アルミニュウム被覆断熱ボードとの間に前記外壁通気層の上端部と 連通する屋根通気層を形成し、屋根通気層の最上部に換気用小屋根部を形成した 屋根構造体、家屋内全室を循環する空気循環式空調装置とによって、高気密高断 熱性家屋を構成したものである。
【0006】
【作用】
本考案は、上記のように構成したので、床下からは年間を通して温度変化の少 ない熱を受けるとともに室内の熱の床下への急速な放散は防止され、外壁通気層 の地上部分から屋根通気層を経て棟換気口に至る通気路によって屋根や外壁から 室内側に伝達されようとする熱は、通気流によって棟換気口部から外部に放散さ れるとともに、断熱ボードによる熱の伝導抵抗によって外壁の内面から室内側に 至る輻射熱の伝播を防ぐ。そして室内の熱は断熱ボードによって外部への放散は 防止され、かつ外壁側との温度差を生じることが防がれ結露が防止される。また 、室内は外部と高気密状態となるので熱の漏れが少なく遮音性が高く、冬季の日 射侵入による太陽熱を室内に取入れて逃がすことがなく、全室循環式空調装置に よって各室間の温度差が小さくなり、結露が防止されるほか、トイレや台所等の 空気を最後に直接空調機に吸入させることにより生活臭を他室に拡散することが なくなる。
【0007】
【実施例】
本考案の実施例を図面に沿って説明する。図1は本考案による家屋の全体構造 を示し、この家屋の建築にあたっては図2に細部を示すような基礎工事を行う。 即ち、地面1を所定深さ及び形状に掘削して割栗石2を敷設する。その際の掘削 地面は、コンクリート基礎外周囲予定部から床下に至る部分に法面3を形成する 。割栗石2の上には砕石4を転圧して固め、その上面には防湿性のポリエチレン フィルム5を適宜重ね代をとりつつ、また、テーピングにより接着しつつ全面に 貼設する。ポリエチレンフィルム5の上には、前記法面3部分及びこの法面3の 上端から床下に延びる略1mの範囲に、外周囲をポリエチレンフィルム防湿紙で 被覆された25mm厚程度の硬質ウレタンフォーム製断熱ボード6を貼着配置す る。その上に型枠形成と共に鉄筋7を配置し、型枠内にコンクリートを流し込み 、また、床下基礎部8の上面を適宜整えてコンクリートを硬化させる。基礎立上 がり部9の外周には30mm厚程度のコンクリート打込用硬質ウレタンフォーム 製断熱ボード10を貼り、その上面にラス張りを施こしてモルタル11の金ゴテ 押えを行う。断熱ボード10の下端外周で転圧した砕石4上のポリエチレンフィ ルム5上面には押えコンクリート12を配置し、基礎立上がり部9の外周囲に掘 削した土を埋め戻して基礎形成を終了する。
【0008】 基礎立上がり部9の上端面13には、免震座金を併用した免震基礎パッキン1 4を介在させて耐湿性の大きなヒバ、ヒノキ、栗等の木材を用いた土台15を載 置し、その上に各種柱を組み上げる。その際、1階の床13の床下14は外気か らは気密上遮断されるが、内部的には開放される。土台の上に組み上げた柱15 の室内側には内装材16が、外側には断熱ボード17としての厚さ40mm程度 の硬質ウレタンフォームを貼着する。硬質ウレタンフォームは、外壁面及び屋根 面においては、外側面をビニールコーティングしたクラフト紙を貼り、内側面を ビニールコーティングしたアルミ箔を貼ったものを用いる。この時、室内側のア ルミ箔は気密層、室外側のクラフト紙側はウレタン内部のガスが逃げ出さないた めの層として作用する。そして、断熱ボード17のアルミ箔側の気密層を連続さ せるために継手部分には、あらかじめスポンジ状の両面気密テープを貼っておく 。なお、以降、前記材料をビニールコーティングしたアルミ箔を貼った断熱ボー ドと総称する。
【0009】 建築した家屋の外壁に面する部分には、窓等を除いて全て上記のようなビニー ルコーティングしたアルミ箔を貼った断熱ボードを貼る。また、この断熱ボード が縦胴縁のかかり材等の各種構造材18と当接する部分には、両者間の間隙から 空気が漏れることがないように、また多少の段差に追随して気密層の連続性を可 能にするために断熱ボードのアルミ箔側にスポンジ状の両面気密テープを貼り、 更に断熱ボード保護のため外側から防水テープ20を貼る。更に、前記基礎の立 上がり部9の外周に貼った断熱ボード10の上端部において構造材18と当接す る部分に形成される空間を塞ぎ、かつ地震その他の挙動によっても隙間が生じる ことを防ぐため、この空間にスポンジ状の両面気密テープにより気密層を連続し つつシリコン21を充填してシールを行う。なお、断熱ボードを貼る前にあらか じめ継手部分にスポンジ状の両面気密テープを貼ることにより気密性を確保した 上、防水テープあるいはシリコンは、断熱材の外面側継手部分等、空隙の生じる おそれのある部分には、適宜いずれかを選択して施行し、断熱ボード内部のガス の流出を防ぎ、断熱ボードそのものの寿命を伸ばす。
【0010】 断熱ボード17の外側には厚み30mm程度の空隙を縦胴縁22により形成し 、外壁材23を固定する。この空隙は外壁通気層24を形成しており、その下端 部は地面1に近い部分において開口し、後述する屋根通気層19にその上端が開 口し、屋根面及び外壁が太陽光で加熱され、その裏面に熱伝導し、外壁通気層2 4内の空気を暖める時、その空気は入口と出口の圧力差による煙突現象によって 上昇し屋根通気層に抜け、地面近傍の空気を開口25から吸入して連続的な通気 がなされる。
【0011】 このように周囲の壁や床、天井内部を気密工法により室内と同様に空調された 空気が循環しているから、これらの表面温度が常に室内空気と均衡状態に保たれ るため、従来工法のように室内側空気の一部にだけ熱を加えるために対流を生じ 、相対的に低温側である外部開口部や周囲の壁や天井、床に向かって熱の移動が 起こり、いわゆる逆輻射による熱が奪われるという現象は皆無となる。 また、気密性が高く熱伝導率が非常に小さい断熱ボード17によって室外側へ の熱伝導は防止される。なお、図示されない外気側がアルミ製、室内側がプラス チック製の複合タイプ、内外共プラスチック製等の気密性2等級以上かつ断熱性 2.6Kcal/m2 ・h・℃以下の性能を有する窓形成用サッシ枠の外周と断 熱ボード17との当接部においても前記シール手段を断熱ボード内外に施こし、 室内外の気密性と断熱ボードの耐久性を高める。また、経年変化によって躯体の 変形、挙動が予想され、それにより断熱性、気密性の悪化が予想される部分には 、スポンジ状の両面気密テープにシリコンシーラント処理を併用しておくことが 好ましい。
【0012】 屋根部分については図1及び図3に示すように、柱15の上端部に設けた桁材 16の上方に適宜の支持によって所定の傾斜のタルキ27を組み上げ、屋根の基 本構造を構成し、その上に前記外壁部の断熱ボード17と同様のビニールコーテ ィングしたアルミ箔を貼った断熱ボード28を全面に、前記と同様両面にわたる シール手段を施こしつつ貼り付ける。外壁部の断熱ボード17上端部と屋根部の 断熱ボード28の接続部にも、スポンジ状の両面気密テープ30で気密層を連続 しつつシリコン31を充填してシールを行う。断熱ボード28の上方にはタルキ 32で空隙を保持して杉材等の野地板33を張り、その上に屋根材として例えば アスファルトルーフィング34を設けて屋根35を形成する。屋根35の端面3 6は外壁部と同様の外壁材23によって塞ぐ。タルキ32で形成された空隙は屋 根通気層19として下端部において外壁通気層24と密封状に連通し、一連の通 気層を形成している。
【0013】 図4に示すように、左右の屋根材の突き合わせ部、即ち屋根の最高位置部分に は棟換気部37を設けている。即ち、左右の屋根35の屋根材の突き合わせ部に は開口38が設けられ、この開口38を覆うように外側にステンレス板等の板金 40を被覆した棟包み下地41を、屋根35の外面との間にハニカム状通路42 を有するポリプロピレン材からなるリッヂベンツ43を介在させつつ丸針44で 屋根35に打ちつけることにより固定している。リッヂベンツ43の開口38側 端面は、開口38から上昇する気流をリッヂベンツ43内のハニカム状通路42 内に円滑に導くことができるように、下方に開放状に形成されており、その下端 側開口44は略水平方向に傾斜して形成されている。なお、暴風雨時に屋根35 上を吹き上げる雨水が開口38内に流入を防止するため、屋根35の開口端部に 板金からなる水返し45を設ける。また、屋根部の断熱ボード28の突き合わせ 部には契状の断熱ボード46を埋め、その上面を防水気密テープ47を貼り、シ ールを行う。なお、屋根35の面積が大きく外壁通気層24を透空気が棟換気部 37で充分放熱できない場合は、図5に示すようにビス49により取り付けられ たリッヂベンツ43内のハニカム状通路42を大きくしてもよい。
【0014】 上記のようにして建築される家屋には、床材や内壁材を張る前に図1、図6、 図7に示すようにエアダクト50を配設する。家屋の一部には熱交換器付き空調 機51を設け、所定の温度の空気を第1ダクト52により1階の居住室に、第2 ダクト53により2階の居住室に送給する。また、第3ダクト54により、台所 55に供給する。そして、図6、図7に示すように1階、2階の居住室には対角 線上に給気口(+)と排気口(−)を設け、矢印に示す方向に空気流を形成して 室全体の空調を行い、1階の空気は廊下60を通って熱交換器付き空調機51の 吸引口58に吸引される。また2階の空気は廊下60を通って階段61を通り、 1階の居住室からと同様に熱交換器付き空調機51の吸引口58に吸引される。 また台所55に供給された空気はダクトを通して直接熱交換器付き空調機51へ 回収される。更に熱交換器付き空調機51の第4ダクト62は屋外に開放して空 気を排出し、第5ダクト63は屋外からの空気を吸引し換気時の排出空気の温湿 度の廃熱回収をする。なお、風呂56、トイレ57、乾燥室59の空気は、外気 が快適な5月、10月頃に熱交換器付き空調機51を停止した場合でも熱交換装 置65を通して常時排気される。更に図1、図2に示すように、第1ダクト52 から分岐した第6ダクト66を床下の基礎コンクリート部8上に配設し、一方小 屋裏空間から熱交換器付き空調機51まで第7ダクト67を配設する。床下の基 礎コンクリート部8上に配設したアルミダクト66には適宜の空気排出孔68を 設けて空調された空気を床下へ排出するようにする。なお、熱交換装置65は点 検を容易にするために1階と2階との間の室内と連通したところに設置すると便 利である。
【0015】 基礎コンクリート全体を蓄熱槽として外気の影響が少ない安定的な季節毎の主 たる熱源としている。夏は約16℃の地熱を冷房の一部とし、冬は約13℃の地 熱を暖房の一部として取り出す。通常の利用方法は、前記した第6ダクト66に より常時床下へ空調された空気は送り続けられると、不特定の内壁内部を木部の 乾燥状態を伴いながら通過して小屋裏空間へと到達する。そこで第7ダクト67 に再び引き込まれ、熱交換器付き空調機51へ戻された後、熱回収されてから屋 外へ汚染空気(コンクリートに接する空気にはラドンガスが含まれており、その まま屋内に送りこまれると肺ガンの危険性が増大する。)として排気され知らな いうちにその作用は行われているのである。そして、この定常的な継続により気 温が高い夏には相対的に低い地熱によって冷房効果を得、気温が低い冬には外部 開口部から侵入する日射や照明、人体発熱等の生活排熱などを暖房の熱源として 昼間のうちに床下の蓄熱槽へ供給し続ける。そして夜間になり、室温のゆるやか な低下と共にこの逆作用が働き、蓄熱槽がゆっくり放熱を始めるようになる。こ うして、たとえ外気温が急激に変動しても熱容量の非常に大きなコンクリートの 性質を利用した蓄熱と放熱のサイクルを都合よく利用することにより、極めて変 動の少ない室内空間に仕上げられるのである。
【0016】 万一、こうした作用の効率を上げる目的で、地熱の回収を床下から直接室内に 引き込もうとすると、危険なラドンガスをも同様に室内に呼び込んでしまうこと になる。そこで、図示されないスチールダクトを基礎コンクリート中になるべく 長い距離で打設して、まず床下空気とは完全に隔離したルートを設定してもよい 。そして、その中に新鮮な清浄空気を送りつづけることによってスチールダクト からコンクリートを媒介して地熱との熱交換現象を起こさせる。
【0017】 こうして、夏は室温に対して相対的に低い地熱をほぼ直接取り出し、また冬は 外気温に対して相対的に高い地熱を夏とは逆の現象で取り出す。そして冬の蓄熱 作用もこの方法によって飛躍的に高めることになるのである。この原理で取り出 した熱はそのまま生活空間へ導入しても全く問題のない空気の中に含まれている ため、ロスもなく一段上の低ランニングコストで冷暖房を実現する。
【0018】 上記空調システムにおいては、上記の機能を行うため、三方切換弁等を適宜配 置し、制御装置によって自動的に切替えを行われるが、それらは周知のものであ るので説明は省略する。また、上記空調システムに用いるエアダクトとしては、 螺旋ワイヤにより補強された筒状グラスウール体の内外周をビニールコーティン グしたもの等、周知の各種の断熱性エアダクトを使用することができる。
【0019】 上記のような構成に建築された家屋は、夏季の日中において外壁及び屋根は太 陽熱により高温に加熱されるが、その熱は外壁材及び屋根材を通して室内側に伝 熱するが、室内側には外壁通気層及び屋根通気層が存在するので、その空気を加 熱することとなる。これらの加熱された空気は全て煙突現象もしくは外気風力に より無動力で上昇し、外壁通気層の最下部に設けた開口から吸入する地面近傍の 空気と共に外壁通気層、屋根通気層を通り、屋根通気層の最上部に設けた棟換気 のハニカム状通気路を通って外部に排出される。この気流によって外壁材及び屋 根材を通って室内に至る熱のほとんどは排出される。
【0020】 また、室内の空調機からの冷熱は、内壁、床、天井等を通って外へ伝熱しよう とするが、その熱は家屋の外囲全周に設けた断熱ボードによって伝熱が遮断され 、熱の放散は防止される。また、この断熱ボードにはアルミニウム被覆を施こし ているので、気密性が高く熱伝導率が極めて低いことから、外部からの熱を室内 側に伝えることは最小限となる。更に、断熱ボードの継手等には各種二重シール を施こしており、これらの部分からの空気の漏洩は防止され、断熱ボードの端部 にもシールを施こしているので断熱ボード内の気泡の中に閉じ込められたガスの 流出も防止される。また、1階の床下は断熱材を埋設したコンクリートにより外 気に対して閉鎖的空間を形成しているので、従来のもののような床下への放熱が 防止されるばかりでなく、年間を通してほぼ一定の地熱を取り出すことができ、 基礎の立ち上がり部外周に断熱ボードを設けることにより、より断熱効果を高め ることができ、これらの相乗によって小型の空調機によって屋内全室の空調を行 うことができるとともに、空調機の運転経費を減少することができる。
【0021】 一方、冬季においては窓等からの太陽熱によって室温は上昇し、各室は前記の ように断熱性及び気密性が高いので、その熱は全室に循環し、温度むらを生じる ことがなくなるほか、高効率の空調を行うことができる。また、外壁から室内壁 に冷熱が伝熱することがなく、上記のように屋内に温度むらを生じることがない ので、従来のような結露を生じることがなく、それによるかびの発生、ダニの発 生が防止され、居住者のぜんそくやアトピー性皮膚炎等のアレルギー性病気の発 生を防ぐことができる。
【0022】 更に、家屋全体の気密性が高まるので、ピアノや音響製品からの音が隣家にほ とんど伝わることがなくなり、また、外部の車等の騒音及び隣家の騒音等の侵入 を防止することができる。
【0023】 また、家屋内における台所、風呂、トイレ等生活臭を発散する室の空気は、各 室内を循環した空気が取り入れられ、その空気が臭気とともに空調機に直接吸引 されて処理されるので、風呂、トイレ等は常時負圧室となり、ドアを開けても外 気が入るのみで室内の異臭は外部に漏れることがない。
【0024】 上記構成からなる家屋を実際に建築し換気回数を計測した結果、下記のような データが得られた。 気密仕様の床面積 142.13m3 … 小屋裏の気積 83.55m3 … 床下の気積 30.4m3 …… 小屋裏と床下の合計気積(+) 113.95m3 … の気積の床面積への換算 ∴ 113.95m3/2.6m≒43.83m2 … 気密測定結果により総隙間相当面積αA=65cm2 ……… 建物外被の実効延べ面積(+) S=142.13+43.83=185.96m2 … 床面積1m2当りの隙間相当面積(/) C=65/185.96≒0.3495(cm2/m2) 建物全体の気積 525.05m3 測定結果による50pa時の確定流量 229m3/h ∴ 換気回数=229/525.05≒0.436回/h/50pa という結果が得られ、世界的な省エネルギー住宅の代表とも言われるカナダのR −2000住宅の1.5回/h/50paと比較しても極めて高い気密性能を実 現することができた。
【0025】 このような気密性と断熱材の効果によって、約60坪の建屋の空調は、約40 00kcal/h程度の空調機1台で充分であり、その家屋の測定結果によると 、 冬季の室温 18℃前後 湿度 50%内外 夏季の室温 28℃前後 湿度 50〜60% と外気の温度、湿度の大きな変化にかかわらず、小型の空調機でほぼ設定通りの 安定した温度及び湿度を維持できることが確認された。
【0026】
【考案の効果】
本考案は上記のように構成し作用するので、極めて断熱性及び気密性が良く、 床下、室内壁内を含めて屋内全体を均一な温度に維持でき、太陽熱及び地熱等の 自然エネルギー及び家屋内の生活排熱を有効利用でき、省エネルギーな家屋とす ることができ、温度むらを生じないことにより結露を生じず、その結果かびを生 じることがなく、ダニが発生せず、これらによるアレルギー性の病気を防止する ことができる。また、遮音性が高く屋内からの音漏れ及び外部からの音の侵入を 防止できるほか、屋内の生活臭は家屋内を循環する空気によって最終的に排出さ れ、家内に拡散することがない。また、室内の空気中に浮遊するホコリは常時回 収されるので、目視によっても非常に清浄であることが確認できる。
【0027】 更に、空調機からは各室への給気は低速循環流によるため、気流による空調の 不快感がなくなり、家屋は湿気を完全に防ぐことができるので、木造の住宅でも 70年、100年と長期間使用することが可能となるほか、防蟻処理等の有害な 薬剤散布等が不要となり、また、日照条件の悪い家でも年間を通して安定した地 熱の影響により快適な生活空間を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による家屋の実施例を示す全体概要図で
ある。
【図2】同基礎部近傍の断面図である。
【図3】同屋根部近傍の断面図である。
【図4】同棟換気部近傍の断面図である。
【図5】同棟換気部近傍の他の実施例の断面図である。
【図6】本考案による家屋の1階の換気空調ダクト配管
系統を示す全体概要図である。
【図7】同2階の換気空調ダクト配管系統を示す全体概
要図である。
【図8】本考案による家屋の1階の換気ルートを示す全
体概要図である。
【図9】同2階の換気ルートを示す全体概要図である。
【符号の説明】
1 地面 2 割栗石 3 法面 4 砕石 5 ポリエチレンフィルム 6 断熱ボード 7 鉄筋 8 床下基礎コンクリート部 9 基礎立上り部 10 断熱ボード 11 モルタル 12 押えコンクリート 13 上端面 14 免震基礎パッキン 15 土台 16 内壁材 17 断熱ボード 18 縦胴縁のかかり材等の構造材 19 屋根通気層 20 防水テープ 21 シリコン 22 縦胴縁 23 外壁材 24 外壁通気層 25 外壁通気層の流入口 27 下タルキ 28 断熱ボード 30 スポンジ状の両面気密テープ 31 シリコン 32 上タルキ 33 野地板 34 アスファルトルーフィング 35 屋根 36 破風板 37 棟換気部 38 開口 40 板金 41 棟包み下地 42 ハニカム状通路 43 リッヂベンツ 44 棟換気の排気口 45 水返し 46 断熱ボード 47 防水気密テープ 50 エアダクト 51 熱交換器付き空調機 52 第1ダクト 53 第2ダクト 54 第3ダクト 55 台所 56 風呂 57 トイレ 58 吸引口 60 廊下 61 空調室 62 第4ダクト 63 第5ダクト 66 第6ダクト 67 第7ダクト
フロントページの続き (72)考案者 遠藤 悦見 東京都町田市常盤町3241番地 (72)考案者 千葉 昭一 東京都八王子市弐分方町316番地の3

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱材を埋設し外気に対して閉鎖的な床
    下を形成するとともに立上り部外周周壁に断熱材を設け
    たコンクリート基礎部、内壁材の外側に設けた気密性ア
    ルミニュウム被覆断熱ボードと外壁材との間に地上から
    屋根部まで連通する外壁通気層を有する外壁構造体、外
    側屋根材と屋内側に設けた気密性アルミニュウム被覆断
    熱ボードとの間に前記外壁通気層の上端部と連通する屋
    根通気層を形成し屋根通気層の最上部に棟換気部を形成
    した屋根構造体、家屋内全室を循環する空気循環式空調
    装置からなることを特徴とする高気密高断熱性家屋。
  2. 【請求項2】 コンクリート基礎立上り部上端面と土台
    間に免震材を設けたものである請求項1記載の高気密高
    断熱性家屋。
  3. 【請求項3】 空調装置は屋内の生活臭発生個所に周囲
    の室から循環空気を供給し、該個所の空気を直接空調機
    に排出し、熱回収の上屋外へ排気したものである請求項
    1記載の高気密高断熱性家屋。
  4. 【請求項4】 空調装置はコンクリート基礎部より取り
    出される年間にわたりほぼ一定の地熱を主熱源として利
    用したものである請求項1記載の高気密高断熱性家屋。
JP1994012970U 1994-09-27 1994-09-27 高気密高断熱性家屋 Expired - Lifetime JP3009512U (ja)

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JP1994012970U Expired - Lifetime JP3009512U (ja) 1994-09-27 1994-09-27 高気密高断熱性家屋

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