JPH1151440A - 防湿機能を備えた建築物 - Google Patents
防湿機能を備えた建築物Info
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- JPH1151440A JPH1151440A JP22106397A JP22106397A JPH1151440A JP H1151440 A JPH1151440 A JP H1151440A JP 22106397 A JP22106397 A JP 22106397A JP 22106397 A JP22106397 A JP 22106397A JP H1151440 A JPH1151440 A JP H1151440A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造部分の湿潤化を一層確実に防止し得る防
湿機能を備えた建築物を提供する。 【解決手段】 壁(1)、床(2)及び天井(3)が気
密断熱構造を備えた木造または鉄骨木造の建築物におい
て、気密断熱構造は、室内側から室外側に向けて順次に
配置された第1の防湿材(12,22,32)、断熱材
(13,23,33)、第2の防湿材(15,25,3
5)及び通気空間(14,24,34)とから成り、通
気空間(14,24,34)は、躯体の通気口(26,
36)のダンパー装置(5)によって外気を通気または
遮蔽可能に構成される。そして、各ダンパー装置(5)
は、第2の防湿フィルム(15,25又は35)を挟み
込む状態で躯体に対して気密に取り付けられ、シール材
と協働的に機能する蓋部材により通気口(26,36)
を気密に封止する。
湿機能を備えた建築物を提供する。 【解決手段】 壁(1)、床(2)及び天井(3)が気
密断熱構造を備えた木造または鉄骨木造の建築物におい
て、気密断熱構造は、室内側から室外側に向けて順次に
配置された第1の防湿材(12,22,32)、断熱材
(13,23,33)、第2の防湿材(15,25,3
5)及び通気空間(14,24,34)とから成り、通
気空間(14,24,34)は、躯体の通気口(26,
36)のダンパー装置(5)によって外気を通気または
遮蔽可能に構成される。そして、各ダンパー装置(5)
は、第2の防湿フィルム(15,25又は35)を挟み
込む状態で躯体に対して気密に取り付けられ、シール材
と協働的に機能する蓋部材により通気口(26,36)
を気密に封止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿機能を備えた
建築物に関するものであり、詳しくは、特定のダンパー
装置によって開閉可能な一体的な通気層によって外周側
が包囲され、屋内と屋外を仕切る壁、天井、床などの構
造部分の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず防
止でき、耐久性を一層向上し得る防湿機能を備えた建築
物に関するものである。
建築物に関するものであり、詳しくは、特定のダンパー
装置によって開閉可能な一体的な通気層によって外周側
が包囲され、屋内と屋外を仕切る壁、天井、床などの構
造部分の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず防
止でき、耐久性を一層向上し得る防湿機能を備えた建築
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木造または鉄骨木造の建築物において
は、空調設備によって快適な居住空間を構成し且つ省エ
ネルギー化を図るため、躯体の高気密化および高断熱化
が促進されている。一方、従来型の通気層構造において
は、壁内の断熱材と外壁材の間に常時外気に通じる通気
層を形成することにより、壁内の湿潤化を防止せんとし
ているが、居室内の冷房時には、壁内の空気の絶対湿度
が高く且つ居室側から冷却される状態となるめ、断熱材
の内部などの壁内で結露すると言う問題がある。その結
果、断熱材の湿潤化による性能劣化や、柱、間柱などの
木材の腐朽を惹起すると言う実情がある。
は、空調設備によって快適な居住空間を構成し且つ省エ
ネルギー化を図るため、躯体の高気密化および高断熱化
が促進されている。一方、従来型の通気層構造において
は、壁内の断熱材と外壁材の間に常時外気に通じる通気
層を形成することにより、壁内の湿潤化を防止せんとし
ているが、居室内の冷房時には、壁内の空気の絶対湿度
が高く且つ居室側から冷却される状態となるめ、断熱材
の内部などの壁内で結露すると言う問題がある。その結
果、断熱材の湿潤化による性能劣化や、柱、間柱などの
木材の腐朽を惹起すると言う実情がある。
【0003】そこで、本発明者は、先に、高気密、高断
熱化を図るうえで壁内での結露を有効に防止し得る防湿
機能を備えた新規な建築物に関する技術を提案してい
る。斯かる建築物は、壁、床および天井が気密断熱構造
を備え、前記の気密断熱構造は、内装材の室外側表面か
ら室外側に向けて順次に配置された第1の防湿材、断熱
材および第2の防湿材と、前記断熱材と前記第2の防湿
材の間に形成された通気空間とから成り、壁、床および
天井の各通気空間は、当該建築物の外周側を包囲する一
体的な構造体通気層として連続させられ且つ外気を通気
または遮蔽可能に構成され、そして、斯かる一体的な構
造体通気層の湿度を常に所定値以下に保持せんとするも
のである(特開平9−132944号公報参照)。
熱化を図るうえで壁内での結露を有効に防止し得る防湿
機能を備えた新規な建築物に関する技術を提案してい
る。斯かる建築物は、壁、床および天井が気密断熱構造
を備え、前記の気密断熱構造は、内装材の室外側表面か
ら室外側に向けて順次に配置された第1の防湿材、断熱
材および第2の防湿材と、前記断熱材と前記第2の防湿
材の間に形成された通気空間とから成り、壁、床および
天井の各通気空間は、当該建築物の外周側を包囲する一
体的な構造体通気層として連続させられ且つ外気を通気
または遮蔽可能に構成され、そして、斯かる一体的な構
造体通気層の湿度を常に所定値以下に保持せんとするも
のである(特開平9−132944号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平9−
132944号公報に記載された建築物の構造体通気層
は、湿度が一定に保持されるバリヤーとして機能する
が、斯かる構造体通気層においては、特に、これを遮蔽
した際、壁内の空気と外気とを完全に遮断し得る構造が
必要とされる。本発明の目的は、特定のダンパー装置に
よって上記の構造体通気層を開閉可能に構成することに
より、屋内と屋外を仕切る壁、天井、床などの構造部分
の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず一層確実
に防止し得る防湿機能を備えた建築物を提供することに
ある。
132944号公報に記載された建築物の構造体通気層
は、湿度が一定に保持されるバリヤーとして機能する
が、斯かる構造体通気層においては、特に、これを遮蔽
した際、壁内の空気と外気とを完全に遮断し得る構造が
必要とされる。本発明の目的は、特定のダンパー装置に
よって上記の構造体通気層を開閉可能に構成することに
より、屋内と屋外を仕切る壁、天井、床などの構造部分
の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず一層確実
に防止し得る防湿機能を備えた建築物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る防湿機能を備えた建築物は、壁、床お
よび天井が気密断熱構造を備えた木造または鉄骨木造の
建築物において、前記気密断熱構造は、内装材の室外側
表面から室外側に向けて順次に配置された第1の防湿
材、断熱材および第2の防湿材と、前記断熱材と前記第
2の防湿材の間に形成された通気空間とから成り、前記
壁、床および天井の通気空間は、当該建築物の外周側を
包囲する一体的な構造体通気層として連続させられ、か
つ、躯体の通気口に取り付けられた複数のダンパー装置
によって外気を通気または遮蔽可能に構成され、前記各
ダンパー装置は、前記通気口に重畳する開口部を有し且
つ前記第2の防湿フィルムを挟み込む状態で躯体に対し
て気密に取り付けられたベース部材と、シール材を介し
て前記ベース部材の前記開口部を気密に封止する蓋部材
と、前記ベース部材に対して前記蓋部材を接近離間させ
る蓋駆動装置とを備えていることを特徴とする。
め、本発明に係る防湿機能を備えた建築物は、壁、床お
よび天井が気密断熱構造を備えた木造または鉄骨木造の
建築物において、前記気密断熱構造は、内装材の室外側
表面から室外側に向けて順次に配置された第1の防湿
材、断熱材および第2の防湿材と、前記断熱材と前記第
2の防湿材の間に形成された通気空間とから成り、前記
壁、床および天井の通気空間は、当該建築物の外周側を
包囲する一体的な構造体通気層として連続させられ、か
つ、躯体の通気口に取り付けられた複数のダンパー装置
によって外気を通気または遮蔽可能に構成され、前記各
ダンパー装置は、前記通気口に重畳する開口部を有し且
つ前記第2の防湿フィルムを挟み込む状態で躯体に対し
て気密に取り付けられたベース部材と、シール材を介し
て前記ベース部材の前記開口部を気密に封止する蓋部材
と、前記ベース部材に対して前記蓋部材を接近離間させ
る蓋駆動装置とを備えていることを特徴とする。
【0006】躯体の通気口に取り付けられた複数のダン
パー装置は、建築物の外周側を包囲する一体的な構造体
通気層として構成された壁、床および天井の通気空間を
開放し又は遮蔽する。そして、上記の通気空間を遮蔽す
る際、ダンパー装置は、ベース部材が第2の防湿フィル
ムを挟み込む状態で取り付けられ、蓋部材がシール材を
介してベース部材の開口部を気密に封止するため、壁内
の空気と外気とを完全に遮断する。
パー装置は、建築物の外周側を包囲する一体的な構造体
通気層として構成された壁、床および天井の通気空間を
開放し又は遮蔽する。そして、上記の通気空間を遮蔽す
る際、ダンパー装置は、ベース部材が第2の防湿フィル
ムを挟み込む状態で取り付けられ、蓋部材がシール材を
介してベース部材の開口部を気密に封止するため、壁内
の空気と外気とを完全に遮断する。
【0007】また、上記の建築物においては、各ダンパ
ー装置を効率的に作動させるため、各ダンパー装置の蓋
駆動装置は、エアシリンダ装置によって構成され、か
つ、コンプレッサー及び当該コンプレッサーに通じる配
管によって圧縮空気が一括して供給可能になされている
のが好ましい。
ー装置を効率的に作動させるため、各ダンパー装置の蓋
駆動装置は、エアシリンダ装置によって構成され、か
つ、コンプレッサー及び当該コンプレッサーに通じる配
管によって圧縮空気が一括して供給可能になされている
のが好ましい。
【0008】また、壁、床および天井の各通気空間は、
外気を遮蔽した際に除湿装置によって除湿可能になされ
ていることにより、より低湿度に保持される。そして、
斯かる態様においては、各通気空間の湿度を一層効率的
に制御するため、天井の通気空間と床の通気空間とを接
続する空気循環路が設けられ、かつ、当該空気循環路に
送風機が設置されているのが好ましい。
外気を遮蔽した際に除湿装置によって除湿可能になされ
ていることにより、より低湿度に保持される。そして、
斯かる態様においては、各通気空間の湿度を一層効率的
に制御するため、天井の通気空間と床の通気空間とを接
続する空気循環路が設けられ、かつ、当該空気循環路に
送風機が設置されているのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る建築物の基
本的な構造例を示す縦断面図である。図2は、本発明に
係る建築物の具体例の一部を示す縦断面図である。図3
は、床の通気空間を開閉するためのダンパー装置の配置
例を示す平面図であり、図4は、天井の通気空間を開閉
するためのダンパー装置の配置例を示す平面図である。
図5は、本発明に係る建築物における各機器の運転方法
を示すフローチャートである。図6から図9は、ダンパ
ー装置の構造例を示す図であり、それぞれ、図6はダン
パー装置の組立図、図7はダンパー装置の一部破断の側
面図、図8はダンパー装置の背面図、図9はダンパー装
置における蓋部材の案内構造を示す部分的な斜視図であ
る。
本的な構造例を示す縦断面図である。図2は、本発明に
係る建築物の具体例の一部を示す縦断面図である。図3
は、床の通気空間を開閉するためのダンパー装置の配置
例を示す平面図であり、図4は、天井の通気空間を開閉
するためのダンパー装置の配置例を示す平面図である。
図5は、本発明に係る建築物における各機器の運転方法
を示すフローチャートである。図6から図9は、ダンパ
ー装置の構造例を示す図であり、それぞれ、図6はダン
パー装置の組立図、図7はダンパー装置の一部破断の側
面図、図8はダンパー装置の背面図、図9はダンパー装
置における蓋部材の案内構造を示す部分的な斜視図であ
る。
【0010】先ず、本発明に係る建築物の基本的な構造
を説明する。本発明の建築物は、図1に示す様に、壁
(1)、床(2)及び天井(3)が気密断熱構造を備え
た木造または鉄骨木造の建築物であり、上記の気密断熱
構造は、内装材(11,21,31)の室外側表面から
室外側に向けて順次に配置された第1の防湿材(12,
22,32)、断熱材(13,23,33)及び第2の
防湿材(15,25,35)と、断熱材(13,23,
33)と第2の防湿材(15,25,35)の間に形成
された通気空間(14,24,34)とから構成され
る。図中、符号(4)は屋根、符号(20)は基礎をそ
れぞれ示す。
を説明する。本発明の建築物は、図1に示す様に、壁
(1)、床(2)及び天井(3)が気密断熱構造を備え
た木造または鉄骨木造の建築物であり、上記の気密断熱
構造は、内装材(11,21,31)の室外側表面から
室外側に向けて順次に配置された第1の防湿材(12,
22,32)、断熱材(13,23,33)及び第2の
防湿材(15,25,35)と、断熱材(13,23,
33)と第2の防湿材(15,25,35)の間に形成
された通気空間(14,24,34)とから構成され
る。図中、符号(4)は屋根、符号(20)は基礎をそ
れぞれ示す。
【0011】壁(1)を一例として上記の気密断熱構造
を説明すると、内装材(11)は、石膏ボードなどの下
地材であり、柱や間柱(図示せず)の室内側に配置され
る。第1の防湿材(12)は、柱や間柱の室内側、すな
わち、内装材(11)の室外側(壁内側)の表面に配置
される。第1の防湿材(12)としては、空気中の水蒸
気を実質的に透過しない限り、非透湿性の各種のフィル
ムやシート等を使用でき、具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のオレフィンの他、ポリ塩化ビニル等
の熱可塑性樹脂から成る約0.1〜1.0mmの厚さの
フィルムやシートが使用される。なお、シートとは、防
湿層を形成し得る各種の面状体を意味し、フィルムの
他、防湿シートやフィルムを貼合した所謂防湿パネルを
含む。
を説明すると、内装材(11)は、石膏ボードなどの下
地材であり、柱や間柱(図示せず)の室内側に配置され
る。第1の防湿材(12)は、柱や間柱の室内側、すな
わち、内装材(11)の室外側(壁内側)の表面に配置
される。第1の防湿材(12)としては、空気中の水蒸
気を実質的に透過しない限り、非透湿性の各種のフィル
ムやシート等を使用でき、具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のオレフィンの他、ポリ塩化ビニル等
の熱可塑性樹脂から成る約0.1〜1.0mmの厚さの
フィルムやシートが使用される。なお、シートとは、防
湿層を形成し得る各種の面状体を意味し、フィルムの
他、防湿シートやフィルムを貼合した所謂防湿パネルを
含む。
【0012】断熱材(13)は、第1の防湿材(12)
の室外側の表面に密着させて設けられる。断熱材(1
3)としては、発泡樹脂などの各種の素材にて形成され
た断熱材を使用することも出来るが、通常、見かけの厚
さが50〜150mm程度のグラスウールが使用され
る。断熱材(13)は、内装材(11)に対して密着す
る状態で配置される。断熱材(13)の固定には、接着
剤などを使用してもよいが、施工性を向上し且つ確実に
上記の通気空間(14)を確保するため、適宜の構造の
支持材が使用される。
の室外側の表面に密着させて設けられる。断熱材(1
3)としては、発泡樹脂などの各種の素材にて形成され
た断熱材を使用することも出来るが、通常、見かけの厚
さが50〜150mm程度のグラスウールが使用され
る。断熱材(13)は、内装材(11)に対して密着す
る状態で配置される。断熱材(13)の固定には、接着
剤などを使用してもよいが、施工性を向上し且つ確実に
上記の通気空間(14)を確保するため、適宜の構造の
支持材が使用される。
【0013】第2の防湿材(15)は、第1の防湿材
(12)と同様の材料から成り、通常、柱や間柱の室外
側の側面の取り付けられた胴縁(図示せず)を介してこ
れら柱や間柱の室外側に張り付けられる。上記の胴縁
は、本来、外装材を固定し且つ外装材の内側に通気層
(従来型の通気層)を形成するために設けられる部材で
ある。しかしながら、本発明の建築物においては、胴縁
の外側に第2の防湿材(15)を介して外装材(16)
が取り付けられ、断熱材(13)と第2の防湿材(1
5)の間に構造体通気層としての通気空間(14)が形
成される。通気空間(14)の隙間距離、すなわち、断
熱材(13)と第2の防湿材(15)の離間距離は、通
常、10〜50mm程度とされる。
(12)と同様の材料から成り、通常、柱や間柱の室外
側の側面の取り付けられた胴縁(図示せず)を介してこ
れら柱や間柱の室外側に張り付けられる。上記の胴縁
は、本来、外装材を固定し且つ外装材の内側に通気層
(従来型の通気層)を形成するために設けられる部材で
ある。しかしながら、本発明の建築物においては、胴縁
の外側に第2の防湿材(15)を介して外装材(16)
が取り付けられ、断熱材(13)と第2の防湿材(1
5)の間に構造体通気層としての通気空間(14)が形
成される。通気空間(14)の隙間距離、すなわち、断
熱材(13)と第2の防湿材(15)の離間距離は、通
常、10〜50mm程度とされる。
【0014】なお、第2の防湿材(15)は、柱や間柱
の室外側に貼設された合板などの面材を介して配置され
てもよい。また、図示する様に、壁(1)においては、
室外側の第2の防湿材(15)と外装材(16)の間に
基礎(20)側から小屋裏へ通じる従来型の通気層(1
7)を設けることにより、小屋裏空間の通気性を高める
ことも出来る。
の室外側に貼設された合板などの面材を介して配置され
てもよい。また、図示する様に、壁(1)においては、
室外側の第2の防湿材(15)と外装材(16)の間に
基礎(20)側から小屋裏へ通じる従来型の通気層(1
7)を設けることにより、小屋裏空間の通気性を高める
ことも出来る。
【0015】また、図1に示す床(2)の気密断熱構造
において、内装材(21)は、仕上板または床下地板な
どの床材であり、根太(図示せず)の上面に配置され
る。第1の防湿材(22)は、上記の根太の室内側、す
なわち、内装材(25)の裏面(床下側の表面)に配置
される。断熱材(23)は、各根太の間に挿入されるこ
とにより、第1の防湿材(22)の床下側の表面に密着
させて設けられる。そして、第2の防湿材(25)は基
礎(20)の内側に施工された土間の表面に配置され、
断熱材(23)の下方の床下空間を通気空間(24)と
されている。上記の様に通気空間(24)を構成した場
合は、床下空間の略全体の湿潤化を防止し得る。なお、
防湿材(22)及び(25)は、上記の防湿材(12)
と同様の材料にて構成される。更に、第2の防湿材(2
5)の内方(上方)には、当該防湿材を保護するための
セメントモルタル等の保護材が敷設されていてもよく、
また、第2の防湿材(25)の下方には、断熱材が敷設
されていてもよい。
において、内装材(21)は、仕上板または床下地板な
どの床材であり、根太(図示せず)の上面に配置され
る。第1の防湿材(22)は、上記の根太の室内側、す
なわち、内装材(25)の裏面(床下側の表面)に配置
される。断熱材(23)は、各根太の間に挿入されるこ
とにより、第1の防湿材(22)の床下側の表面に密着
させて設けられる。そして、第2の防湿材(25)は基
礎(20)の内側に施工された土間の表面に配置され、
断熱材(23)の下方の床下空間を通気空間(24)と
されている。上記の様に通気空間(24)を構成した場
合は、床下空間の略全体の湿潤化を防止し得る。なお、
防湿材(22)及び(25)は、上記の防湿材(12)
と同様の材料にて構成される。更に、第2の防湿材(2
5)の内方(上方)には、当該防湿材を保護するための
セメントモルタル等の保護材が敷設されていてもよく、
また、第2の防湿材(25)の下方には、断熱材が敷設
されていてもよい。
【0016】図1に示す天井(3)の気密断熱構造にお
いて、内装材(31)は、石膏ボードなどの天井材であ
り、天井根太(図示せず)の下面に配置される。第1の
防湿材(32)は、上記の天井根太の室内側、すなわ
ち、内装材(31)の裏面(小屋裏側の表面)に配置さ
れる。断熱材(33)は、例えば、天井根太の間に挿入
されることにより、第1の防湿材(32)の小屋裏側の
表面に密着させて設けられる。そして、第2の防湿材
(35)は、天井根太の上面側に軒裏下地材を介して配
置される。なお、防湿材(32)及び(35)は、上記
の防湿材(12)と同様の材料にて構成される。
いて、内装材(31)は、石膏ボードなどの天井材であ
り、天井根太(図示せず)の下面に配置される。第1の
防湿材(32)は、上記の天井根太の室内側、すなわ
ち、内装材(31)の裏面(小屋裏側の表面)に配置さ
れる。断熱材(33)は、例えば、天井根太の間に挿入
されることにより、第1の防湿材(32)の小屋裏側の
表面に密着させて設けられる。そして、第2の防湿材
(35)は、天井根太の上面側に軒裏下地材を介して配
置される。なお、防湿材(32)及び(35)は、上記
の防湿材(12)と同様の材料にて構成される。
【0017】本発明の建築物においては、壁(1)、床
(2)及び天井(3)の各通気空間(14,24,3
4)が連続した空間として構成される。すなわち、通気
空間(14,24,34)は、建築物の外周側を包囲す
る一体的な構造体通気層として連続させられている。具
体的には、壁(1)の室内側の第1の防湿材(12)の
上下端部は、各々、天井(3)の第1の防湿材(32)
の各端部と床(2)の第1の防湿材(22)の各端部に
接続されており、また、壁(1)の室外側の第2の防湿
材(15)の上下端部は、各々、天井(3)の第2の防
湿材(35)の各端部と床(2)の第2の防湿材(2
5)の各端部に接続されている。
(2)及び天井(3)の各通気空間(14,24,3
4)が連続した空間として構成される。すなわち、通気
空間(14,24,34)は、建築物の外周側を包囲す
る一体的な構造体通気層として連続させられている。具
体的には、壁(1)の室内側の第1の防湿材(12)の
上下端部は、各々、天井(3)の第1の防湿材(32)
の各端部と床(2)の第1の防湿材(22)の各端部に
接続されており、また、壁(1)の室外側の第2の防湿
材(15)の上下端部は、各々、天井(3)の第2の防
湿材(35)の各端部と床(2)の第2の防湿材(2
5)の各端部に接続されている。
【0018】更に、連続する通気空間(14,24,3
4)(以下「構造体通気層」と言う。)は、躯体の通気
口(26,36)に取り付けられた後述の複数のダンパ
ー装置(5,5…)によって外気を通気または遮蔽可能
に構成されている。すなわち、床下の基礎(20)に設
けられた通気口(26)及び天井根太の上面側の軒裏下
地材に設けられた通気口(36)には、各々に特定のダ
ンパー装置(5)が取り付けられ、これら通気口(2
6,36)は、各ダンパー装置(5)の開閉操作によ
り、外気に対して開放され又は気密状態を保持し得る様
になされている。
4)(以下「構造体通気層」と言う。)は、躯体の通気
口(26,36)に取り付けられた後述の複数のダンパ
ー装置(5,5…)によって外気を通気または遮蔽可能
に構成されている。すなわち、床下の基礎(20)に設
けられた通気口(26)及び天井根太の上面側の軒裏下
地材に設けられた通気口(36)には、各々に特定のダ
ンパー装置(5)が取り付けられ、これら通気口(2
6,36)は、各ダンパー装置(5)の開閉操作によ
り、外気に対して開放され又は気密状態を保持し得る様
になされている。
【0019】また、本発明においては、壁(1)、床
(2)及び天井(3)の乾燥状態を常時維持するため、
上記の構造体通気層は、外気を遮蔽した状態において除
湿可能になされていることが好ましい。上記の空間の除
湿は、例えば、床下の通気空間(24)(床下空間)に
配置された除湿装置(6)によって行われる。除湿装置
(6)としては、構造体通気層を形成する各防湿材(1
2,15,22,25…)の表面積に応じて選択する必
要があるが、例えば、100m2程度の延床面積を有す
る建築物の場合は、50〜500cc/hr.程度の除
湿能力を備えた適宜の型式の装置が使用される。除湿装
置(6)の排水路は床下の通気空間(24)から屋外に
至る様に設置される。なお、除湿装置(6)は建築物の
外部に設置されていてもよい。
(2)及び天井(3)の乾燥状態を常時維持するため、
上記の構造体通気層は、外気を遮蔽した状態において除
湿可能になされていることが好ましい。上記の空間の除
湿は、例えば、床下の通気空間(24)(床下空間)に
配置された除湿装置(6)によって行われる。除湿装置
(6)としては、構造体通気層を形成する各防湿材(1
2,15,22,25…)の表面積に応じて選択する必
要があるが、例えば、100m2程度の延床面積を有す
る建築物の場合は、50〜500cc/hr.程度の除
湿能力を備えた適宜の型式の装置が使用される。除湿装
置(6)の排水路は床下の通気空間(24)から屋外に
至る様に設置される。なお、除湿装置(6)は建築物の
外部に設置されていてもよい。
【0020】更に、本発明の建築物においては、上記の
構造体通気層における除湿効率を一層高めるため、天井
(3)の通気空間(34)と床(2)の通気空間(2
4)とを接続する空気循環路(7)が設けられ、かつ、
空気循環路(7)に送風機(72)が設置されているの
が好ましい。空気循環路(7)は、居室を仕切る間仕切
り壁(図示せず)等を利用して設置され、その上下端
は、各々、通気空間(34)及び通気空間(24)で開
口している。空気循環路(7)の下端開口部には、開閉
弁としての蓋部材(71)が取り付けられ、斯かる蓋部
材(71)は、送風機(72)の作動時に開となり、停
止時に閉となる様に構成される。蓋部材(71)の開閉
機構としては、エアシリンダ装置またはモーター駆動の
開閉装置が使用される。
構造体通気層における除湿効率を一層高めるため、天井
(3)の通気空間(34)と床(2)の通気空間(2
4)とを接続する空気循環路(7)が設けられ、かつ、
空気循環路(7)に送風機(72)が設置されているの
が好ましい。空気循環路(7)は、居室を仕切る間仕切
り壁(図示せず)等を利用して設置され、その上下端
は、各々、通気空間(34)及び通気空間(24)で開
口している。空気循環路(7)の下端開口部には、開閉
弁としての蓋部材(71)が取り付けられ、斯かる蓋部
材(71)は、送風機(72)の作動時に開となり、停
止時に閉となる様に構成される。蓋部材(71)の開閉
機構としては、エアシリンダ装置またはモーター駆動の
開閉装置が使用される。
【0021】次に、上記の通気口(26,36)に取り
付けられるダンパー装置(5)について説明する。ダン
パー装置(5)は、図6及び図7に示す様に、通気口
(26,36)に重畳する開口部(510,530)を
有し且つ躯体に対して第2の防湿材(15,25又は3
5)を挟み込んだ状態で気密に取り付けられるベース部
材(50)と、シール材(531)を介してベース部材
(50)の開口部(510,530)を気密に封止する
蓋部材(55)と、ベース部材(50)に対して蓋部材
(55)を接近離間させる蓋駆動装置とから主として構
成される。
付けられるダンパー装置(5)について説明する。ダン
パー装置(5)は、図6及び図7に示す様に、通気口
(26,36)に重畳する開口部(510,530)を
有し且つ躯体に対して第2の防湿材(15,25又は3
5)を挟み込んだ状態で気密に取り付けられるベース部
材(50)と、シール材(531)を介してベース部材
(50)の開口部(510,530)を気密に封止する
蓋部材(55)と、ベース部材(50)に対して蓋部材
(55)を接近離間させる蓋駆動装置とから主として構
成される。
【0022】通気口(26,36)は、建築物の容積に
応じて多数設けられるため、ダンパー装置(5)におけ
る結露を防止することが望ましい。従って、蓋駆動装置
を除くダンパー装置(5)の構成部材は、適当な断熱性
を備えた材料によって構成される。具体的には、通常、
上記の構成部材は、ポリプロピレン、各種の各ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を射出成形など
の金型成形することによって作製される。
応じて多数設けられるため、ダンパー装置(5)におけ
る結露を防止することが望ましい。従って、蓋駆動装置
を除くダンパー装置(5)の構成部材は、適当な断熱性
を備えた材料によって構成される。具体的には、通常、
上記の構成部材は、ポリプロピレン、各種の各ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を射出成形など
の金型成形することによって作製される。
【0023】ベース部材(50)は、フレーム(51)
と押え板(53)とから成る。フレーム(51)は、矩
形枠状に形成された平板体であり、例えば、開口部(5
10)を通気口(26)に重畳させて基礎(20)に取
り付けられる。フレーム(51)の内側の盤面には、押
え板(53)が係合する一対の平行な突条(514,5
14)が開口部(510)の周縁に沿って形成される。
押え板(53)の一面には、上記の突条(514,51
4)が嵌合する一対の条溝(543,543)が開口部
(530)の周縁および外郭に沿って形成される。
と押え板(53)とから成る。フレーム(51)は、矩
形枠状に形成された平板体であり、例えば、開口部(5
10)を通気口(26)に重畳させて基礎(20)に取
り付けられる。フレーム(51)の内側の盤面には、押
え板(53)が係合する一対の平行な突条(514,5
14)が開口部(510)の周縁に沿って形成される。
押え板(53)の一面には、上記の突条(514,51
4)が嵌合する一対の条溝(543,543)が開口部
(530)の周縁および外郭に沿って形成される。
【0024】すなわち、押え板(53)は、フレーム
(51)の突条(514,514)を条溝(543,5
43)に嵌め合せ、そして、開口部(530)を開口部
(510)に重畳させてフレーム(51)に取り付けら
れる。その際、図7及び図9に示す様に、押え板(5
3)は、例えば、基礎(20)の内側に立ち上げられた
床下の第2の防湿材(25)の通気口(26)周囲の縁
を挟み込む状態でフレーム(51)に固定される。これ
により、通気口(26)においては、第2の防湿材(2
5)に対し、ダンパー装置(5)を気密に取り付けるこ
とが出来る。なお、ダンパー装置(5)が気密に取り付
けられる限り、第2の防湿材(15,25又は35)
は、躯体側とフレーム(51)の間に挟み込んでもよ
い。
(51)の突条(514,514)を条溝(543,5
43)に嵌め合せ、そして、開口部(530)を開口部
(510)に重畳させてフレーム(51)に取り付けら
れる。その際、図7及び図9に示す様に、押え板(5
3)は、例えば、基礎(20)の内側に立ち上げられた
床下の第2の防湿材(25)の通気口(26)周囲の縁
を挟み込む状態でフレーム(51)に固定される。これ
により、通気口(26)においては、第2の防湿材(2
5)に対し、ダンパー装置(5)を気密に取り付けるこ
とが出来る。なお、ダンパー装置(5)が気密に取り付
けられる限り、第2の防湿材(15,25又は35)
は、躯体側とフレーム(51)の間に挟み込んでもよ
い。
【0025】また、図6に示す様に、押え板(53)の
他の一面には、蓋部材(55)によって押圧されるシー
ル材(パッキン)(531)が開口部(530)の周縁
に沿って設けられる。更に、シール材(531)の外周
側には、開口部(530)の各辺に対して1つの突起
(523)が付設される。斯かる突起(523)は、蓋
部材(55)を保持するための案内フレーム(54)が
係合する膨出部である。
他の一面には、蓋部材(55)によって押圧されるシー
ル材(パッキン)(531)が開口部(530)の周縁
に沿って設けられる。更に、シール材(531)の外周
側には、開口部(530)の各辺に対して1つの突起
(523)が付設される。斯かる突起(523)は、蓋
部材(55)を保持するための案内フレーム(54)が
係合する膨出部である。
【0026】案内フレーム(54)は、蓋部材(55)
を摺動自在に支持するための支持脚であり、4本の脚部
(541)が十文字状に伸長され且つ各々に中央部から
先端側が一方向に折曲された外形を有する。図7及び図
8に示す様に、各脚部(541)は中空に形成され、開
口した各脚部(541)の先端には押え板(53)の各
突起(523)が嵌合する。また、各脚部(541)の
先端両側には、1組のねじ座(537,537)が張出
しており、従って、案内フレーム(54)は、脚部(5
41)を突起(523)に係合させ、ねじ座(537,
537)を利用して押え板(53)に固定される。
を摺動自在に支持するための支持脚であり、4本の脚部
(541)が十文字状に伸長され且つ各々に中央部から
先端側が一方向に折曲された外形を有する。図7及び図
8に示す様に、各脚部(541)は中空に形成され、開
口した各脚部(541)の先端には押え板(53)の各
突起(523)が嵌合する。また、各脚部(541)の
先端両側には、1組のねじ座(537,537)が張出
しており、従って、案内フレーム(54)は、脚部(5
41)を突起(523)に係合させ、ねじ座(537,
537)を利用して押え板(53)に固定される。
【0027】蓋部材(55)は、図6に示す様に、押え
板(53)の開口部(530)よりも幾分大きな外形の
略板状に形成された部材であり、各辺の中央部には、外
周側に突出する一対の小突起(551,551)が設け
られる。斯かる一対の小突起(551,551)は、上
記の案内フレーム(54)の脚部(541)の幅よりも
僅かに広い間隔で配置される。
板(53)の開口部(530)よりも幾分大きな外形の
略板状に形成された部材であり、各辺の中央部には、外
周側に突出する一対の小突起(551,551)が設け
られる。斯かる一対の小突起(551,551)は、上
記の案内フレーム(54)の脚部(541)の幅よりも
僅かに広い間隔で配置される。
【0028】すなわち、案内フレーム(54)の内側に
蓋部材(55)を配置した場合、上記の一対の小突起
(551,551)は、脚部(541)の両側に位置
し、蓋部材(55)は、脚部(541)に沿って摺動す
る。なお、図7に示す様に、蓋部材(55)は、これを
押圧した際に若干弾性変形し且つ所要の強度を維持する
ため、その面方向に僅かに湾曲した形状に形成され、そ
して、背面側には、複数のリブが適宜に配置される。
蓋部材(55)を配置した場合、上記の一対の小突起
(551,551)は、脚部(541)の両側に位置
し、蓋部材(55)は、脚部(541)に沿って摺動す
る。なお、図7に示す様に、蓋部材(55)は、これを
押圧した際に若干弾性変形し且つ所要の強度を維持する
ため、その面方向に僅かに湾曲した形状に形成され、そ
して、背面側には、複数のリブが適宜に配置される。
【0029】蓋部材(55)を駆動する蓋駆動装置とし
ては、モーター及びギアの組合せから成る駆動装置を使
用することも出来るが、図6中に符号(57)で示す様
に、通常はエアシリンダ装置が使用される。図6及び図
7に示す様に、エアシリンダ装置(57)は、案内フレ
ーム(54)の中心に立設され、そのシリンダロッド
は、案内フレーム(54)の内側に配置された蓋部材
(55)に取り付けられる。なお、図中、符号(58)
は、エアシリンダ装置(57)へ圧縮空気を供給するた
めの配管を示し、符号(581)は、圧縮空気の供給源
または他のダンパー装置(5)のエアシリンダ装置(5
7)へ配管(58)を分岐させるための継手を示す。
ては、モーター及びギアの組合せから成る駆動装置を使
用することも出来るが、図6中に符号(57)で示す様
に、通常はエアシリンダ装置が使用される。図6及び図
7に示す様に、エアシリンダ装置(57)は、案内フレ
ーム(54)の中心に立設され、そのシリンダロッド
は、案内フレーム(54)の内側に配置された蓋部材
(55)に取り付けられる。なお、図中、符号(58)
は、エアシリンダ装置(57)へ圧縮空気を供給するた
めの配管を示し、符号(581)は、圧縮空気の供給源
または他のダンパー装置(5)のエアシリンダ装置(5
7)へ配管(58)を分岐させるための継手を示す。
【0030】図7に示す様に、エアシリンダ装置(5
7)は、これが前進操作されることにより、ベース部材
(50)の押え板(53)側に蓋部材(55)を移動さ
せる。蓋部材(55)は、押え板(53)のシール材
(531)に押圧され、その結果、開口部(530)、
すなわち、通気口(26)を気密に封止する。また、エ
アシリンダ装置(57)は、これが後退操作されること
により、押え板(53)から離間する方向に蓋部材(5
5)を移動させ、その結果、蓋部材(55)は、通気口
(26)を開放する。なお、エアシリンダ装置(57)
としては、シリンダロッドを常時後退状態に保持するバ
ネが内蔵され、通気口(26)を閉じる場合に圧縮空気
で作動する構造のエアシリンダ装置を使用することも出
来る。
7)は、これが前進操作されることにより、ベース部材
(50)の押え板(53)側に蓋部材(55)を移動さ
せる。蓋部材(55)は、押え板(53)のシール材
(531)に押圧され、その結果、開口部(530)、
すなわち、通気口(26)を気密に封止する。また、エ
アシリンダ装置(57)は、これが後退操作されること
により、押え板(53)から離間する方向に蓋部材(5
5)を移動させ、その結果、蓋部材(55)は、通気口
(26)を開放する。なお、エアシリンダ装置(57)
としては、シリンダロッドを常時後退状態に保持するバ
ネが内蔵され、通気口(26)を閉じる場合に圧縮空気
で作動する構造のエアシリンダ装置を使用することも出
来る。
【0031】上記ダンパー装置(5)は、上述の建築物
に対し、通常、床の通気空間(24)及び天井の通気空
間(34)を開閉する様に取り付けられる。これによ
り、構造体通気層は、外気を通気または遮蔽可能に構成
される。床の通気空間(24)に対するダンパー装置
(5)の配置は、例えば、図3に示す様な配置とされ、
天井の通気空間(34)に対するダンパー装置(5)の
配置は、例えば、図4に示す様な配置とされる。また、
床下空間には、これら多数のダンパー装置(5)に圧縮
空気を供給するためのコンプレッサー(8)が配置され
る。
に対し、通常、床の通気空間(24)及び天井の通気空
間(34)を開閉する様に取り付けられる。これによ
り、構造体通気層は、外気を通気または遮蔽可能に構成
される。床の通気空間(24)に対するダンパー装置
(5)の配置は、例えば、図3に示す様な配置とされ、
天井の通気空間(34)に対するダンパー装置(5)の
配置は、例えば、図4に示す様な配置とされる。また、
床下空間には、これら多数のダンパー装置(5)に圧縮
空気を供給するためのコンプレッサー(8)が配置され
る。
【0032】本発明においては、装置構成を簡単にする
ため、各ダンパー装置(5)の蓋駆動装置は、上述の様
にエアシリンダ装置(57)によって構成され、そし
て、各ダンパー装置(5)に対して効率的に圧縮空気を
供給するため、各ダンパー装置(5)のエアシリンダ装
置(57)は、コンプレッサー(8)及び当該コンプレ
ッサーに通じる配管(58)によって圧縮空気が一括し
て供給可能になされているのが好ましい。コンプレッサ
ー(8)から伸長された配管(58)に対する各ダンパ
ー装置(5)の接続は、通常、図示した態様の様に直列
の接続とされる。なお、上述の空気循環路(7)の蓋部
材(71)をエアシリンダ装置によって開閉操作する場
合には、コンプレッサー(8)からの配管(58)が利
用される。
ため、各ダンパー装置(5)の蓋駆動装置は、上述の様
にエアシリンダ装置(57)によって構成され、そし
て、各ダンパー装置(5)に対して効率的に圧縮空気を
供給するため、各ダンパー装置(5)のエアシリンダ装
置(57)は、コンプレッサー(8)及び当該コンプレ
ッサーに通じる配管(58)によって圧縮空気が一括し
て供給可能になされているのが好ましい。コンプレッサ
ー(8)から伸長された配管(58)に対する各ダンパ
ー装置(5)の接続は、通常、図示した態様の様に直列
の接続とされる。なお、上述の空気循環路(7)の蓋部
材(71)をエアシリンダ装置によって開閉操作する場
合には、コンプレッサー(8)からの配管(58)が利
用される。
【0033】本発明の建築物において、上記ダンパー装
置(5)及び蓋部材(71)の開閉操作を行うコンプレ
ッサー(8)及び当該コンプレッサー側に配置された仕
切弁(図示省略)、除湿装置(6)等の駆動は、外気の
絶対湿度および構造体通気層の相対湿度に基づき、タイ
マーシステムや演算手段を含むプログラムコントローラ
ー等の制御装置(図示省略)によって制御される。
置(5)及び蓋部材(71)の開閉操作を行うコンプレ
ッサー(8)及び当該コンプレッサー側に配置された仕
切弁(図示省略)、除湿装置(6)等の駆動は、外気の
絶対湿度および構造体通気層の相対湿度に基づき、タイ
マーシステムや演算手段を含むプログラムコントローラ
ー等の制御装置(図示省略)によって制御される。
【0034】外気の絶対湿度のデータは、室外または室
外に相当する場所に設けられた1組の温度センサー及び
湿度センサーの検出信号として上記の制御装置に送られ
て演算処理される。構造体通気層の相対湿度のデータ
は、通気空間(14,24又は34)に設けられた少な
くとも1つの湿度センサーの検出信号として上記の制御
装置に送られる。なお、除湿装置(6)の制御には、当
該除湿装置に内蔵された温度センサー及び湿度センサー
を利用することも出来る。
外に相当する場所に設けられた1組の温度センサー及び
湿度センサーの検出信号として上記の制御装置に送られ
て演算処理される。構造体通気層の相対湿度のデータ
は、通気空間(14,24又は34)に設けられた少な
くとも1つの湿度センサーの検出信号として上記の制御
装置に送られる。なお、除湿装置(6)の制御には、当
該除湿装置に内蔵された温度センサー及び湿度センサー
を利用することも出来る。
【0035】続いて、本発明の建築物における防湿機能
を説明する。本発明の建築物において、室外の絶対湿度
が7〜9g/kg’の範囲内の所定値以上の場合は、各
ダンパー装置(5)を閉操作することにより外気に対し
て構造体通気層を遮蔽し、しかも、構造体通気層の相対
湿度が70〜80%の範囲内の所定値以上の場合は、除
湿装置(6)を作動させることにより、前記の相対湿度
を前記の所定値未満に維持し、また、室外の絶対湿度が
前記の所定値未満の場合は、各ダンパー装置(5)を開
操作することにより外気に対して構造体通気層を開放す
る。
を説明する。本発明の建築物において、室外の絶対湿度
が7〜9g/kg’の範囲内の所定値以上の場合は、各
ダンパー装置(5)を閉操作することにより外気に対し
て構造体通気層を遮蔽し、しかも、構造体通気層の相対
湿度が70〜80%の範囲内の所定値以上の場合は、除
湿装置(6)を作動させることにより、前記の相対湿度
を前記の所定値未満に維持し、また、室外の絶対湿度が
前記の所定値未満の場合は、各ダンパー装置(5)を開
操作することにより外気に対して構造体通気層を開放す
る。
【0036】一般に、室外の絶対湿度が7〜9g/k
g’の範囲内の所定値以上の場合とは、高温多湿の状態
であり、一方、室外の絶対湿度が前記所定値未満の場合
とは、低温乾燥の状態である。高温多湿期においては、
空調(冷房)を使用して室内の温度が低く設定され、実
質的に室内が除湿されるため、室外に比べて室内の絶対
湿度が低湿度に維持される。また、低温乾燥期において
は、空調(暖房)を使用して室内の温度が高く設定され
るため、室外に比べて結果的に室内の絶対湿度が高湿度
に維持される。
g’の範囲内の所定値以上の場合とは、高温多湿の状態
であり、一方、室外の絶対湿度が前記所定値未満の場合
とは、低温乾燥の状態である。高温多湿期においては、
空調(冷房)を使用して室内の温度が低く設定され、実
質的に室内が除湿されるため、室外に比べて室内の絶対
湿度が低湿度に維持される。また、低温乾燥期において
は、空調(暖房)を使用して室内の温度が高く設定され
るため、室外に比べて結果的に室内の絶対湿度が高湿度
に維持される。
【0037】上記の建築物における具体的な操作として
は、図5に示す様に、先ず、室外に取り付けられたセン
サー(温度計および湿度計)から得られたデータによ
り、制御装置において室外の絶対湿度を演算する。そし
て、例えば、室外の絶対湿度が9g/kg’以上に増加
した場合は、各ダンパー装置(5)を閉止し、各通気空
間(14,24及び34)から成る構造体通気層を外気
に対して遮蔽する。そして、この場合、通気空間(1
4,24又は34)に取り付けられたセンサー(湿度
計)から得られた相対湿度のデータにより、例えば、構
造体通気層の相対湿度が80%以上の場合は、除湿装置
(6)を作動させる。なお、機器の測定誤差や作動誤差
を考慮すると、室外の絶対湿度の基準値としては、7〜
8g/kg’の範囲内の値を設定するのが好ましく、ま
た、構造体通気層の相対湿度の基準値としては、約70
%の値を設定するのが好ましい。
は、図5に示す様に、先ず、室外に取り付けられたセン
サー(温度計および湿度計)から得られたデータによ
り、制御装置において室外の絶対湿度を演算する。そし
て、例えば、室外の絶対湿度が9g/kg’以上に増加
した場合は、各ダンパー装置(5)を閉止し、各通気空
間(14,24及び34)から成る構造体通気層を外気
に対して遮蔽する。そして、この場合、通気空間(1
4,24又は34)に取り付けられたセンサー(湿度
計)から得られた相対湿度のデータにより、例えば、構
造体通気層の相対湿度が80%以上の場合は、除湿装置
(6)を作動させる。なお、機器の測定誤差や作動誤差
を考慮すると、室外の絶対湿度の基準値としては、7〜
8g/kg’の範囲内の値を設定するのが好ましく、ま
た、構造体通気層の相対湿度の基準値としては、約70
%の値を設定するのが好ましい。
【0038】各ダンパー装置(5)によって閉止された
構造体通気層において、各外側の第2の防湿材(15,
25,35)は、構造体通気層への外気中の水分の透過
を防止し、また、除湿装置(6)は、構造体通気層の相
対湿度が一定のとなる様に水分を除去する。すなわち、
除湿装置(6)の運転は、構造体通気層(通気空間)に
取り付けられたセンサー(湿度計)からのデータに基づ
いて制御され、除湿装置(6)は、通気空間の相対湿度
を80%以下に維持する。なお、空間内の誤差および木
材の腐朽条件を考慮すると、通気空間の相対湿度は70
%以下に維持するのが好ましい。
構造体通気層において、各外側の第2の防湿材(15,
25,35)は、構造体通気層への外気中の水分の透過
を防止し、また、除湿装置(6)は、構造体通気層の相
対湿度が一定のとなる様に水分を除去する。すなわち、
除湿装置(6)の運転は、構造体通気層(通気空間)に
取り付けられたセンサー(湿度計)からのデータに基づ
いて制御され、除湿装置(6)は、通気空間の相対湿度
を80%以下に維持する。なお、空間内の誤差および木
材の腐朽条件を考慮すると、通気空間の相対湿度は70
%以下に維持するのが好ましい。
【0039】その結果、構造体通気層の絶対湿度が低減
されるため、室外よりも室内、すなわち、構造体通気層
よりも室内が低温であっても、室内側の第1の防湿材
(12,22,32)や断熱材(13,23,33)の
内部で結露することがなく、壁(1)、床(2)及び天
井(3)の湿潤化を有効に防止できる。
されるため、室外よりも室内、すなわち、構造体通気層
よりも室内が低温であっても、室内側の第1の防湿材
(12,22,32)や断熱材(13,23,33)の
内部で結露することがなく、壁(1)、床(2)及び天
井(3)の湿潤化を有効に防止できる。
【0040】また、特に、室外が高湿度の場合は、上記
の様に構造体通気層の除湿を行うと共に、空気循環路
(7)の蓋部材(71)を開け、送風機(72)を作動
させる。送風機(72)は、空気循環路(7)を通じ、
天井(3)の通気空間(34)と床(2)の通気空間
(24)の間で強制的に空気を移動させ、その結果、更
には、壁(1)の通気空間(14)における空気の流れ
を向上させる。従って、空気循環路(7)及び送風機
(72)が設けられた建築物においては、構造体通気層
の空気の循環を一層促進して効率的に除湿できる。
の様に構造体通気層の除湿を行うと共に、空気循環路
(7)の蓋部材(71)を開け、送風機(72)を作動
させる。送風機(72)は、空気循環路(7)を通じ、
天井(3)の通気空間(34)と床(2)の通気空間
(24)の間で強制的に空気を移動させ、その結果、更
には、壁(1)の通気空間(14)における空気の流れ
を向上させる。従って、空気循環路(7)及び送風機
(72)が設けられた建築物においては、構造体通気層
の空気の循環を一層促進して効率的に除湿できる。
【0041】一方、例えば、室外の絶対湿度が9g/k
g’未満、好ましくは7〜8g/kg’の範囲内の所定
値未満の場合は、エアシリンダ装置(57)を作動させ
て各ダンパー装置(5)を開放し、構造体通気層に外気
を導入する。勿論、除湿装置(6)の運転を行う必要は
ない。開放された構造体通気層において、室内側の第1
の防湿材(12,22,32)は、室内の気密を保持す
ると共に、水蒸気圧の高い室内から当該通気空間への水
蒸気の透過を防止しするため、構造体通気層及び断熱材
(13,23,33)内部は外気と同等の湿度に保持さ
れる。その結果、壁(1)、床(2)及び天井(3)の
各構造体内部における湿潤化が防止される。
g’未満、好ましくは7〜8g/kg’の範囲内の所定
値未満の場合は、エアシリンダ装置(57)を作動させ
て各ダンパー装置(5)を開放し、構造体通気層に外気
を導入する。勿論、除湿装置(6)の運転を行う必要は
ない。開放された構造体通気層において、室内側の第1
の防湿材(12,22,32)は、室内の気密を保持す
ると共に、水蒸気圧の高い室内から当該通気空間への水
蒸気の透過を防止しするため、構造体通気層及び断熱材
(13,23,33)内部は外気と同等の湿度に保持さ
れる。その結果、壁(1)、床(2)及び天井(3)の
各構造体内部における湿潤化が防止される。
【0042】なお、上記の様な制御は、制御装置に組み
込まれたカレンダータイマーを利用し、一定期間に限っ
てダンパー装置(5)や除湿装置(6)の運転モードを
所定のパターンに設定することにより一層簡便に設定で
きる。すなわち、室外の絶対湿度が所定値(例えば9g
/kg’)以上に増加する夏季の様な場合には、斯かる
時期的条件に基づき、最初から各ダンパー装置(5)を
閉止し、また、空気循環路(7)を開けて送風機(7
2)を作動させる。そして、通気空間(14,24又は
34)に取り付けられたセンサー(湿度計)から得られ
た相対湿度のデータに基づき、例えば、構造体通気層の
相対湿度が80%以上の場合に除湿装置(6)を作動さ
せる。一方、室外の絶対湿度が所定値(例えば9g/k
g’)未満に減少する冬季の様な場合には上述の一般的
な制御を行う。上記の様な運転モードのパターンは、地
域別の気象データに基づいても設定できる。
込まれたカレンダータイマーを利用し、一定期間に限っ
てダンパー装置(5)や除湿装置(6)の運転モードを
所定のパターンに設定することにより一層簡便に設定で
きる。すなわち、室外の絶対湿度が所定値(例えば9g
/kg’)以上に増加する夏季の様な場合には、斯かる
時期的条件に基づき、最初から各ダンパー装置(5)を
閉止し、また、空気循環路(7)を開けて送風機(7
2)を作動させる。そして、通気空間(14,24又は
34)に取り付けられたセンサー(湿度計)から得られ
た相対湿度のデータに基づき、例えば、構造体通気層の
相対湿度が80%以上の場合に除湿装置(6)を作動さ
せる。一方、室外の絶対湿度が所定値(例えば9g/k
g’)未満に減少する冬季の様な場合には上述の一般的
な制御を行う。上記の様な運転モードのパターンは、地
域別の気象データに基づいても設定できる。
【0043】上述の様に、本発明の建築物によれば、屋
内と屋外を仕切る壁(1)、床(2)、天井(3)等の
構造体内部の構造体通気層の絶対湿度を常に低く維持す
るため、冬季、夏季を通じた季節変動や気象条件または
地域性に拘わらず、上記の構造体内部の湿潤化を確実に
防止できる。特に、本発明においては、特定のダンパー
装置(5)の採用により、構造体内部の湿潤化を一層確
実に防止できる。
内と屋外を仕切る壁(1)、床(2)、天井(3)等の
構造体内部の構造体通気層の絶対湿度を常に低く維持す
るため、冬季、夏季を通じた季節変動や気象条件または
地域性に拘わらず、上記の構造体内部の湿潤化を確実に
防止できる。特に、本発明においては、特定のダンパー
装置(5)の採用により、構造体内部の湿潤化を一層確
実に防止できる。
【0044】すなわち、各ダンパー装置は、構造体通気
層の外側の第2の防湿材(15,25又は35)をベー
ス部材(50)によって挟み込む状態で取り付けられて
おり、しかも、シール材(531)と協働的に機能する
蓋部材(55)によって通気口(26,36)を気密に
封止するため、外気を遮蔽する際、壁内の空気と外気と
を完全に遮断でき、構造部分の湿潤化を季節変動や地域
条件などに拘わらず一層確実に防止し得る。従って、本
発明の建築物においては、断熱材(13,23,33)
の性能劣化や脱落、木材の腐朽、鉄骨の腐食などを確実
に防止でき、耐久性を一層向上させ得る。
層の外側の第2の防湿材(15,25又は35)をベー
ス部材(50)によって挟み込む状態で取り付けられて
おり、しかも、シール材(531)と協働的に機能する
蓋部材(55)によって通気口(26,36)を気密に
封止するため、外気を遮蔽する際、壁内の空気と外気と
を完全に遮断でき、構造部分の湿潤化を季節変動や地域
条件などに拘わらず一層確実に防止し得る。従って、本
発明の建築物においては、断熱材(13,23,33)
の性能劣化や脱落、木材の腐朽、鉄骨の腐食などを確実
に防止でき、耐久性を一層向上させ得る。
【0045】また、本発明によれば、木材腐朽、金属腐
食などを防止し得るため、設計時の構造強度(耐震強
度)を確実に維持でき、しかも、断熱材(13,23,
33)の性能劣化を防止し得るため、耐用年数同様に、
設計時の省エネルギー性能を一層長期に渡って維持でき
る。更に、構造体内部にける乾燥度を高め得るため、カ
ビ、ダニ等の繁殖を低減でき、居住環境の向上に寄与し
得る。斯かる効用を備えた本発明は、湿潤化が大きな課
題とされていた高気密・高断熱化住宅などにおいて好適
に実施し得る。
食などを防止し得るため、設計時の構造強度(耐震強
度)を確実に維持でき、しかも、断熱材(13,23,
33)の性能劣化を防止し得るため、耐用年数同様に、
設計時の省エネルギー性能を一層長期に渡って維持でき
る。更に、構造体内部にける乾燥度を高め得るため、カ
ビ、ダニ等の繁殖を低減でき、居住環境の向上に寄与し
得る。斯かる効用を備えた本発明は、湿潤化が大きな課
題とされていた高気密・高断熱化住宅などにおいて好適
に実施し得る。
【0046】本発明の建築物は、上記の実施形態の他、
種々の形態で実施し得る。例えば、室内側の第1の防湿
材は、内装下地材の室内側の表面または内装仕上げ材の
裏面(室外側の表面)に予め貼設して施工してもよい。
更に、第1の防湿材として、外側の防湿材に比べて水蒸
気透湿率の若干大きなシートを採用することにより、室
内に設置された空調機器などを使用し、構造体通気層側
から透過する水蒸気を除去する様に構成することも出来
る。
種々の形態で実施し得る。例えば、室内側の第1の防湿
材は、内装下地材の室内側の表面または内装仕上げ材の
裏面(室外側の表面)に予め貼設して施工してもよい。
更に、第1の防湿材として、外側の防湿材に比べて水蒸
気透湿率の若干大きなシートを採用することにより、室
内に設置された空調機器などを使用し、構造体通気層側
から透過する水蒸気を除去する様に構成することも出来
る。
【0047】また、第2の防湿材は、床根太の下面を利
用して張り付けてもよい。更に、第2の防湿材は、土
台、大引き等の構造体の下側に敷設した捨て張りに張設
することも出来る。この場合、第2の防湿材と地盤の間
の空間に対してダンパー装置を開放する様に構成しても
よい。また、第2の防湿材は、野地板の直下に張り付け
てもよい。また、壁においては、裏側に第2の防湿材を
予め貼着した外装材を使用することにより、施工性を一
層高めることも出来る。
用して張り付けてもよい。更に、第2の防湿材は、土
台、大引き等の構造体の下側に敷設した捨て張りに張設
することも出来る。この場合、第2の防湿材と地盤の間
の空間に対してダンパー装置を開放する様に構成しても
よい。また、第2の防湿材は、野地板の直下に張り付け
てもよい。また、壁においては、裏側に第2の防湿材を
予め貼着した外装材を使用することにより、施工性を一
層高めることも出来る。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の建築物によ
れば、一体的な構造体通気層として連続する壁、床およ
び天井の各通気空間は、躯体の通気口に取り付けられた
複数のダンパー装置によって外気を通気または遮蔽可能
に構成され、かつ、各ダンパー装置は、外側の第2の防
湿フィルムをベース部材によって挟み込む状態で取り付
けられており、しかも、シール材と協働的に機能する蓋
部材によって通気口を気密に封止するため、外気を遮蔽
する際、壁内の空気と外気とを完全に遮断でき、構造部
分の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず一層確
実に防止し得る。
れば、一体的な構造体通気層として連続する壁、床およ
び天井の各通気空間は、躯体の通気口に取り付けられた
複数のダンパー装置によって外気を通気または遮蔽可能
に構成され、かつ、各ダンパー装置は、外側の第2の防
湿フィルムをベース部材によって挟み込む状態で取り付
けられており、しかも、シール材と協働的に機能する蓋
部材によって通気口を気密に封止するため、外気を遮蔽
する際、壁内の空気と外気とを完全に遮断でき、構造部
分の湿潤化を季節変動や地域条件などに拘わらず一層確
実に防止し得る。
【図1】本発明に係る建築物の基本的な構造例を示す模
式的な縦断面図
式的な縦断面図
【図2】本発明に係る建築物の具体例の一部を示す縦断
面図
面図
【図3】床の通気空間を開閉するためのダンパー装置の
配置例を示す平面図
配置例を示す平面図
【図4】天井の通気空間を開閉するためのダンパー装置
の配置例を示す平面図
の配置例を示す平面図
【図5】本発明に係る建築物における各機器の運転方法
を示すフローチャート
を示すフローチャート
【図6】ダンパー装置の組立図
【図7】ダンパー装置の一部破断の側面図
【図8】ダンパー装置の背面図
【図9】ダンパー装置における蓋部材の案内構造を示す
部分的な斜視図
部分的な斜視図
1 :壁 12 :第1の防湿材 13 :断熱材 14 :通気空間 15 :第2の防湿材 16 :外装材 2 :床 22 :第1の防湿材 23 :断熱材 24 :通気空間 25 :第2の防湿材 26 :通気口 3 :天井 32 :第1の防湿材 33 :断熱材 34 :通気空間 35 :第2の防湿材 36 :通気口 4 :屋根 5 :ダンパー装置 50 :ベース部材 51 :フレーム 53 :押え板 531:シール材 54 :案内フレーム 55 :蓋部材 57 :エアシリンダ装置(蓋駆動装置) 58 :配管 6 :除湿装置 7 :空気循環路 72 :送風機
Claims (4)
- 【請求項1】 壁、床および天井が気密断熱構造を備え
た木造または鉄骨木造の建築物において、前記気密断熱
構造は、内装材の室外側表面から室外側に向けて順次に
配置された第1の防湿材、断熱材および第2の防湿材
と、前記断熱材と前記第2の防湿材の間に形成された通
気空間とから成り、前記壁、床および天井の通気空間
は、当該建築物の外周側を包囲する一体的な構造体通気
層として連続させられ、かつ、躯体の通気口に取り付け
られた複数のダンパー装置によって外気を通気または遮
蔽可能に構成され、前記各ダンパー装置は、前記通気口
に重畳する開口部を有し且つ前記第2の防湿フィルムを
挟み込む状態で躯体に対して気密に取り付けられたベー
ス部材と、シール材を介して前記ベース部材の前記開口
部を気密に封止する蓋部材と、前記ベース部材に対して
前記蓋部材を接近離間させる蓋駆動装置とを備えている
ことを特徴とする防湿機能を備えた建築物。 - 【請求項2】 各ダンパー装置の蓋駆動装置は、エアシ
リンダ装置によって構成され、かつ、コンプレッサー及
び当該コンプレッサーに通じる配管によって圧縮空気が
一括して供給可能になされている請求項1に記載の建築
物。 - 【請求項3】 壁、床および天井の各通気空間は、外気
を遮蔽した際に除湿装置によって除湿可能になされてい
る請求項1又は2に記載の建築物。 - 【請求項4】 天井の通気空間と床の通気空間とを接続
する空気循環路が設けられ、かつ、当該空気循環路に送
風機が設置されている請求項3に記載の建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22106397A JPH1151440A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 防湿機能を備えた建築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22106397A JPH1151440A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 防湿機能を備えた建築物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1151440A true JPH1151440A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16760918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22106397A Withdrawn JPH1151440A (ja) | 1997-08-01 | 1997-08-01 | 防湿機能を備えた建築物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1151440A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000282593A (ja) * | 1999-03-30 | 2000-10-10 | National House Industrial Co Ltd | 調湿壁材および調湿壁構造 |
JP2007224642A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 床下システム |
JP2008180030A (ja) * | 2007-01-25 | 2008-08-07 | Air Cycle Sangyo Kk | 躯体内環境管理システム |
JP2008185324A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Masayasu Miyazaki | 二系統空気循環方式と24時間換気方式。 |
JP2013053510A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-03-21 | Shinyo Corp | 建物の通気断熱構造 |
JP2019190726A (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 豊興工業株式会社 | 開閉機構 |
CN111139930A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-05-12 | 浙江筑加装饰股份有限公司 | 防潮建筑物 |
JP2021050506A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 大和ハウス工業株式会社 | 冷凍施設 |
-
1997
- 1997-08-01 JP JP22106397A patent/JPH1151440A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000282593A (ja) * | 1999-03-30 | 2000-10-10 | National House Industrial Co Ltd | 調湿壁材および調湿壁構造 |
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JP2008180030A (ja) * | 2007-01-25 | 2008-08-07 | Air Cycle Sangyo Kk | 躯体内環境管理システム |
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JP2013053510A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-03-21 | Shinyo Corp | 建物の通気断熱構造 |
JP2019190726A (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 豊興工業株式会社 | 開閉機構 |
JP2021050506A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 大和ハウス工業株式会社 | 冷凍施設 |
CN111139930A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-05-12 | 浙江筑加装饰股份有限公司 | 防潮建筑物 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041005 |