JP3089747U - 建 物 - Google Patents

建 物

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JP3089747U JP2002002579U JP2002002579U JP3089747U JP 3089747 U JP3089747 U JP 3089747U JP 2002002579 U JP2002002579 U JP 2002002579U JP 2002002579 U JP2002002579 U JP 2002002579U JP 3089747 U JP3089747 U JP 3089747U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた断熱特性と快適な室内環境を実現す
る。壁等の内部に発生する結露やカビを極減して、室内
をも快適な環境にする。 【解決手段】 建物は、外壁1と室内プレート2との間
に中間区画壁3を設けて、この両側に屋外側中空部4と
室内側中空部5とを設けた壁構造としている。屋外側中
空部4は、上端部と下端部を建物の外部に換気できる構
造としている。建物の床構造は、床板23とプラットホ
ーム24との間に室内側中空部5を設けている。床の室
内側中空部5と壁の室内側中空部5は、互いに連通する
と共に、室内換気ダクト25を介して室内に連結してい
る。建物の屋根裏には屋根の室内側中空部である天井裏
ダクト26を設けて、これを壁の室内側中空部5に連結
している。室内側中空部5と屋根の室内側中空部である
天井裏ダクト26に空気を循環できる状態として、室内
側中空部5の空気を室内換気ダクト25で室内に供給す
るようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、建物の躯体を構成する壁、床、屋根等の躯体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の建物の壁構造は、外壁と内壁との間に断熱材を配設した構造となってい る。この壁構造は、充分な断熱特性を実現することが難しい。とくに、外壁と内 壁との間の中空部に、夏の暑い空気や冬の冷たい空気が侵入すると、効果的な断 熱特性を実現するのが極めて難しくなる。外壁と内壁の間の中空部を完全な密閉 構造として、壁の断熱特性を向上できる。ただ、中空部を完全な密閉構造とする のは現実には極めて難しい。たとえば、軸組構造の木造建物においては、中空部 に柱や梁があるので、柱の間にできる中空部を、壁の上下で完全に閉鎖するのは 極めて難しい。さらに、中空部を完全な閉鎖構造にすると、ここの空気が換気さ れなくなって、カビが発生して不衛生になったり、結露して腐食しやすくなる弊 害も発生する。
【0003】 さらに、従来の建物は、断熱材による弊害も皆無にできない。それは、内壁の 外側に、ガラス繊維等の断熱材を配設しているからである。ここに配設されるガ ラス繊維は、極めて微細な繊維屑となって、内壁の隙間を通過して室内に侵入す る。ガラス繊維は、極めて優れた断熱特性を有することに加えて、極めて低コス トであることから、建物用の断熱材として多用される。ただ、ガラス繊維は、可 撓性のない微細な無機繊維を集合したものであるから、微細な繊維屑の発生を皆 無にはできない。このため、内壁を通過して室内に侵入するのを皆無にできない 。さらに困ったことに、近年の建物は気密性が極めて優れているために、室内に 侵入した微細なガラス繊維は、室内の空気中に停滞して外部に排出されず、室内 環境を悪化させる。
【0004】 さらに、建物全体の熱エネルギーを有効利用する建物として、内壁と外壁との 間の中間部の空気を循環させるシステムハウスも開発されている。この建物は、 壁に設けている中空部を、空気を通過させるダクトに併用する。中空部のダクト は、室内空気を上下に循環させて、室内の上下の温度差を少なくすることができ る。しかしながら、この構造の建物は、ダクトに使用される中空部にガラス繊維 を配設しているので、ガラス繊維が空気中に飛散する弊害がより顕著になる。こ の弊害を避けるために、中空部の断熱材を除くことはできない。壁の断熱特性が 著しく低下するからである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案者は、この欠点を解消することを目的として、中空部にスギ材を小さく 破砕した木材チップを充填する壁構造を開発した。この壁構造は、ガラス繊維に 代わって、断熱材に木材チップを使用するので、微細なガラス繊維が室内に飛散 する欠点を解消できる。ただ、木材チップを断熱材に使用する壁構造は、ガラス 繊維に比較して施工に手間がかかり、施工コストが極めて高くなる欠点がある。 また、ガラス繊維に匹敵する断熱特性を実現することが難しい欠点もある。
【0006】 ガラス繊維に代わって、合成樹脂を発泡成形している断熱材も使用される。こ の断熱材は、微細な繊維が飛散することがない。また、板状に成形できるので、 木材チップよりも能率よく施工できる特長がある。ただ、合成樹脂発泡体の断熱 材は、ガラス繊維や木材チップに比較すると、火災のときに有害ガスを発生しや すい欠点がある。このため、火災のときに室内をより安全な環境とするのが難し くなる欠点がある。
【0007】 本考案は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたもので、極めて 優れた断熱特性を実現できると共に、室内環境を理想的な住心地のよい快適な環 境にでき、しかも安価な断熱材を使用して能率よく施工できる建物を提供するこ とにある。 さらにまた、本考案の他の大切な目的は、壁等の内部に発生する結露やカビを 極減して、内部をも快適な環境にできる建物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の建物は、屋外側に位置する外壁1と建物の室内側に位置する室内プレ ート2との間に中間区画壁3を設けて、外壁1と中間区画壁3との間に屋外側中 空部4を設けて、中間区画壁3と室内プレート2との間に室内側中空部5を設け た壁構造としている。屋外側中空部4は、上端部と下端部を建物の外部に換気で きる構造として、外気を換気できるようにしている。さらに、建物の床構造は、 室内側の床板23と床下側に設けているプラットホーム24との間に隙間を設け て室内側中空部5を設けている。壁の室内側中空部5と床の室内側中空部5は、 互いに連通しており、壁又は床に設けている室内側中空部5を室内換気ダクト2 5を介して室内に連結している。さらに、建物の屋根裏には屋根の室内側中空部 である天井裏ダクト26を設けて、この屋根の室内側中空部である天井裏ダクト 26を壁の室内側中空部5に連結している。壁と床に設けている室内側中空部5 と、屋根裏に設けている屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26とを互いに 連結して空気を循環できる状態として、室内側中空部5の空気を室内換気ダクト 25で室内に供給するようにしている。
【0009】 さらに、本考案の建物は、屋外側中空部4の上部に連結して軒下排気口27を 設けて、軒下排気口27で壁の屋外側中空部4の上部の空気を建物外に排気して 、夏期に涼しくすることができる。
【0010】 さらに、本考案の建物は、屋根に設けている屋外側中空部4の上部を棟排気ダ クト28に連結して、この棟排気ダクト28で屋外側中空部4の上部の空気を建 物外に排気して、夏期に涼しくすることもできる。
【0011】 さらに、本考案の建物は、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に、排 気を制御できる排気ファン29を連結し、この排気ファン29で屋根の室内側中 空部である天井裏ダクト26の空気を建物外に排気して、夏期に涼しくすること もできる。
【0012】 さらに、本考案の建物は、室内プレート2と中間区画壁3を貫通して、室内空 気を屋外側中空部4に排気する室外換気ダクト31を設けることができる。また 、本考案の建物は、室内プレート2と中間区画壁3と外壁1とを貫通して、室内 空気を建物外に排気する屋外換気ダクト32を設けることもできる。
【0013】 さらに、本考案の建物は、壁の室内側中空部5の下部と屋外側中空部4を吸入 口30で連結し、あるいは壁の室内側中空部5と建物外を吸入口30で連結して 、吸入口30に通過させて、屋外側中空部4の空気を、あるいは建物外の空気を 室内側中空部5に供給できる。また、建物は、床の室内側中空部5と床下とを吸 入口30を介して連結して、吸入口30を介して床下の空気を室内側中空部5に 供給することもできる。
【0014】 さらにまた、本考案の建物は、壁の中間区画壁3をスギ等の木材とすることが でき、中間区画壁3と外壁1との間に断熱材8を設けることができる。
【0015】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例 は、本考案の技術思想を具体化するための建物を例示するものであって、本考案 は建物を下記のものに特定しない。
【0016】 さらに、この明細書は、実用新案登録請求の範囲を理解し易いように、実施例 に示される部材に対応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、および「 課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、実用新 案登録請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してな い。
【0017】 図1に示す建物は、壁構造と床構造と屋根構造を以下のようにして換気できる 構造としている。壁構造は、建物の屋外側に位置する外壁1と建物の室内側に位 置する室内プレート2との間に中間区画壁3を設けている。さらに、壁構造は、 外壁1と中間区画壁3との間に屋外側中空部4を設けて、中間区画壁3と室内プ レート2との間に室内側中空部5を設けている。屋外側中空部4は、上端部と下 端部を建物の外部に換気できる構造として、外気を換気できるようにしている。
【0018】 さらに、建物の床構造は、室内側の床板23と床下側に設けているプラットホ ーム24との間に隙間を設けて室内側中空部5を設けている。壁の室内側中空部 5と床の室内側中空部5とは互いに連通している。壁又は床の室内側中空部5は 、室内換気ダクト25を介して室内に連結している。室内換気ダクト25には、 麦飯石、珪藻土、活性炭等の濾過材40を設けて、空気を濾過して室内に流入す る構造にできる。これ等の濾過材40は交換できるように、室内換気ダクト25 の開口部又は内部に、あるいは室内側中空部に配設される。
【0019】 さらにまた、建物の屋根裏には屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26を 設けている。この室内側中空部である屋根の室内側中空部である天井裏ダクト2 6は、壁の室内側中空部5に連結している。壁と床に設けている室内側中空部5 と、屋根裏に設けている屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26とは、互い に連結されて空気を循環できる状態としている。
【0020】 この構造の建物は、夏期と冬期、いいかえると暑いときと寒いときに、空気の 循環状態をコントロールして、室内環境を快適にする。図2は夏期、すなわち暑 いときに、屋外側中空部4と室内側中空部5に空気を循環させる状態を示してい る。図3は冬期、すなわち寒いときに、屋外側中空部4と室内側中空部5に空気 を循環させる状態を示している。
【0021】 暑い夏においては、屋外側中空部4が、図2に示すように、下部から吸入した 外気を上部から排気する。外気は、屋外側中空部4の上部に設けている軒下排気 口27から排気され、あるいは屋根の棟部に連結している棟排気ダクト28で排 気する。屋外側中空部4は、加温された空気が上昇するので、上部を開口して自 然に排気される。ただ、ファンで強制的に排気することもできる。ファンで強制 排気して、多量の空気を排気できる。
【0022】 室内側中空部5に連結している屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に は加熱された空気が溜る。加熱された屋根の室内側中空部である天井裏ダクト2 6の空気は、排気ファン29で強制的に排気される。排気ファン29は、建物の 側面に、あるいは軒下に吸入した空気を排気する。排気ファン29は、屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26の排気量を制御しながら、効率よく排気でき る。排気ファン29の運転は、たとえば、屋根の室内側中空部である天井裏ダク ト26の空気温度を検出する温度センサー39で制御される。温度センサー39 は、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気温度が設定温度よりも高 くなると排気ファン29を運転させ、設定温度よりも低くなると運転を停止させ る。ただ、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気は、排気ファンを 使用しないで、自然に排気することもできる。屋根の室内側中空部である天井裏 ダクト26の空気を自然に排気するには、屋根の室内側中空部である天井裏ダク ト26をダクト(図示せず)で建物外に連結する。加熱されて軽くなった屋根の 室内側中空部である天井裏ダクト26の空気は、ダクトを通過して建物外に排気 される。
【0023】 屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26から空気が排気されると、室内側 中空部5には、プラットホーム24を貫通して床下に開口している吸入口30か ら自然に空気が吸入される。図の建物は、プラットホーム24を貫通する吸入口 30から外気を室内側中空部5に流入させているが、室内側中空部5には、図の 鎖線で示すように、壁の室内側中空部5の下部と屋外側中空部4を連結している 吸入口30に通過させて、又は壁の室内側中空部5の下部と建物外を連結してい る吸入口30に通過させて、屋外側中空部4の空気、または建物外の空気を吸入 させることもできる。
【0024】 室内空気を換気するときは、室外換気ダクト31に通過させて室内空気を屋外 側中空部5に強制的に排気し、あるいは屋外換気ダクト32に通過させて建物外 に強制的に排気する。室内側中空部5の空気が強制的に排気されると、室内の圧 力が低下するので、室内には自然に室内換気ダクト25を通過して室内側中空部 5の空気が吸入される。以上の構造とは反対に、室内換気ダクト25から強制的 に室内に空気を供給して、室内空気を室外換気ダクト31や屋外換気ダクト32 から排気することもできる。空気を強制的に排気し、あるいは供給するには、室 外換気ダクト31や屋外換気ダクト32にファン(図示せず)を連結し、このフ ァンで強制送風する。
【0025】 暑い夏において、外気は以下の、、のいずれかの経路で室内側中空部5 を通過する。 床下→吸入口30→床の室内側中空部5→壁の室内側中空部5→屋根の室内 側中空部5→屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→建 物外 建物外→吸入口30→壁の室内側中空部5→屋根の室内側中空部5→屋根の 室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→建物外 建物外→吸入口30→床の室内側中空部5→壁の室内側中空部5→屋根の室 内側中空部5→屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→ 建物外
【0026】 また、暑い夏において、外気は、以下のまたはの経路で屋外側中空部4を 通過する。 建物外→屋外側中空部4の下部→屋外側中空部4→軒下排気口27→建物外 建物外→屋外側中空部4の下部→屋外側中空部4→棟排気ダクト28→建物 外
【0027】 寒い冬期において、屋外側中空部4の空気は、棟排気ダクト28から排気しな い。屋根で加温された空気の熱エネルギーを有効利用するためである。ただ、空 気を自然に排気する構造の軒下排気口27は、壁の上部で屋外側中空部4の空気 を建物外に排気する。屋根に設けている屋外側中空部4には太陽熱で加熱された 空気が溜る。したがって、屋根に溜る暖かい空気は、屋根の室内側中空部である 天井裏ダクト26に供給される。
【0028】 壁の室内側中空部5に連結している屋根の室内側中空部である天井裏ダクト2 6には、加温された空気が蓄えられる。太陽熱で加温されると共に、屋外側中空 部4から加温された暖かい空気が供給されるからである。屋根の室内側中空部で ある天井裏ダクト26の暖かい空気は、循環ファン33で室内側中空部5に循環 される。循環ファン33は、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の暖か い空気を、床の室内側中空部5、あるいは壁の室内側中空部5の下部に供給して 、室内側中空部5で循環させる。以上のように、屋根の屋外側中空部4で加温さ れた空気は、壁や床の室内側中空部5に循環されて、熱エネルギーを有効利用す る。
【0029】 室内側中空部5を循環する空気の一部は、室内換気ダクト25を通過して室内 に流入され、室内空気は室外換気ダクト31を介して屋外側中空部4に排気され 、あるいは屋外換気ダクト32を介して建物外に排気される。ただし、火災が発 生したとき、排気ファン29と循環ファン33は運転を停止する。
【0030】 以上の構造の建物の壁と床と屋根の詳細な構造を以下に詳述する。 図4の水平断面図と、図5の一部を除去した斜視図は、建物の壁構造を示す。 この図の壁構造は、建物の屋外側に位置する外壁1と、建物の室内側に位置する 室内プレート2との間に中間区画壁3を配設して、中間区画壁3の両面に屋外側 中空部4と室内側中空部5とを設けている。屋外側中空部4は、外壁1と中間区 画壁3との間に設けられ、室内側中空部5は、中間区画壁3と室内プレート2と の間に設けている。
【0031】 図の壁構造は、柱14の室内側に室内プレート2を固定して、屋外側に中間区 画壁3を固定して、室内プレート2と中間区画壁3の間に室内側中空部5を設け ている。この壁構造は、柱14の両面に室内プレート2と中間区画壁3を固定し ているので、柱14の太さが室内側中空部5の幅となる。ただ、柱14の間には 、筋かい15や室内プレート2を固定するための下地材等が設けられるので、筋 かい等で室内側中空部5の実質的な幅は狭くなる。室内側中空部5は、室内の空 気を循環させる。したがって、室内側中空部5に設けられる筋かい等は、室内側 中空部5の空気の循環を阻止しないように柱14の間に固定される。図の壁構造 は、筋かい15の幅を室内側中空部5の幅よりも狭くして、室内側中空部5の空 気を上下に循環できるようにしている。
【0032】 図の壁構造は、表面にクロスを張った石膏ボードや天然板を室内プレート2と しているが、室内プレート2には土壁も使用できる。石膏ボードや天然板は、図 4の断面図に示すように、柱14の室内側に固定されるが、土壁2Aの室内プレ ート2は、図6の水平断面図に示すように、柱14の間に設けられる。土壁2A の室内プレート2は、柱14に固定される中間区画壁3との間に室内側中空部5 を設けている。室内側中空部5には、ここの空気を上下に換気できるように、室 内側中空部5よりも幅の狭い筋かい15を固定している。ただ、筋かいは、上下 に貫通して空気孔を設けて、室内側中空部の空気を上下に換気できる構造とする こともできる。
【0033】 中間区画壁3は、空気中の湿度で伸縮するスギ材3Aを、換気隙間7ができる ように並べて固定している。スギ材3Aは、厚さを30mm、幅を135mmと する。ただし、スギ材3Aは、厚さを20〜50mm、幅を50〜200mmと することもできる。スギ材3Aを厚くすると、壁の断熱性と防音性が向上する。 ただ、スギ材3Aを厚くすると施工コストが高くなるので、施工コストと断熱特 性の両方を考慮して最適値とする。スギ材は、低コストで優れた断熱特性を有す る特長がある。また、湿度の変化で速やかに伸縮する特長もある。
【0034】 板状のスギ材3Aは、水平方向に延長して水平に柱14に固定される。スギ材 3Aは、空気中の湿度で伸縮して、空気中の湿度が低くなると収縮し、空気中の 湿度が高くなると膨張する。したがって、スギ材3Aの間に設けている換気隙間 7は、湿度が低くなると広くなって空気を通過しやすくし、湿度が高くなると換 気隙間7を狭くして空気を通過し難くする。中間区画壁3のスギ材3Aの間に設 けている換気隙間7は、湿度で自動的にその間隔が制御される。湿度が高いとき に換気隙間7が狭くなるので、屋外側中空部4と室内側中空部5との空気の流通 は遮断され、あるいは少なくなる。湿度が低くなると、換気隙間7が広くなって 、屋外側中空部4と室内側中空部5との空気は流通しやすくなる。すなわち、室 内側中空部5と屋外側中空部4との間で空気が流通するようになる。
【0035】 図7は、中間区画壁3を上下に切断した断面図である。この中間区画壁3は、 スギ材3Aの上面に連結凸条9を設けて、下面には連結凸条9を案内する連結溝 10を設けている。この中間区画壁3は、スギ材3Aの連結凸条9を隣のスギ材 3Aの連結溝10に案内して隣接するスギ材3Aを連結している。さらに、この 中間区画壁3は、スギ材3Aの収縮で換気隙間7を調整するために、連結凸条9 を先端に向かって幅を次第に狭くして、連結溝10を開口部に向かって幅が広く なるようにしている。このスギ材3Aは、膨張して互いに接近すると換気隙間7 が狭くなる。反対にスギ材3Aが収縮して互いに離れると換気隙間7が広くなる 。ただ、スギ材3Aは、図8の断面図に示すように横断面が長方形となるように 加工して、柱14に固定して換気隙間7を設けることもできる。
【0036】 スギ材3Aは、湿度が高いとき、たとえば湿度が80%になると換気隙間7が 閉鎖されるように柱14に固定される。したがって、スギ材3Aは、柱14に固 定するときの湿度で、換気隙間7の大きさを調整する。湿度が80%以上のとき は、隣のスギ材3Aとの間に隙間ができないように柱14に固定する。湿度が低 いときは、湿度によって換気隙間7の幅を調整して柱14に固定する。スギ材3 Aの換気隙間7を調整して固定するときはスペーサーを使用する。スペーサーは 、スギ材3Aの間に挟まれてシックネスゲージとして使用される。スギ材3Aを 固定した後、スペーサーは除去される。
【0037】 図に示す中間区画壁3は、その外壁1側の表面に防水シート6を張設している 。防水シート6は、中間区画壁3と外壁1との間の屋外側中空部4に配設されて 、中間区画壁3に水が通過するのを阻止する。したがって、防水シート6は、水 の通過を制限して空気を通過させるプラスチックシートである。防水シート6は 、好ましくは水の通過を阻止して、空気のみを通過させるものが最適である。防 水シート6のある中間区画壁3は、屋外側中空部4に水が浸入しても、この水が 室内側中空部5に通過するのを阻止できる特長がある。ただし、中間区画壁には 、必ずしも防水シートを張設する必要はない。とくに、図7に示す中間区画壁3 のように連結凸条9を連結溝10に入れて連結する構造は、中間区画壁3を水が ほとんど通過しないので、防水シートを張設することなく、水の透過を満足でき る程度に阻止することができる。
【0038】 さらに、以上の中間区画壁3は、空気中の湿度で伸縮するスギ材3Aを、換気 隙間7ができるように並べて固定しているが、この考案は中間区画壁3をスギ材 に特定しない。中間区画壁3には、スギ材以外の木材を、湿度が高いときに隙間 ができるように固定し、あるいは湿度が高くても隙間ができないように固定して 使用することができる。また、中間区画壁3には合板も使用できる。さらにまた 、中間区画壁3には木材以外の石膏ボードやMDFなど、全ての板材を使用する ことができる。
【0039】 中間区画壁3から離して外壁1を固定して、中間区画壁3と外壁1との間に屋 外側中空部4を設けている。図の壁構造は、中間区画壁3に胴縁11を固定し、 この胴縁11に外壁1を固定して、屋外側中空部4を設けている。胴縁11は、 断熱材8を屋外側中空部4に配設している。断熱材8は合成樹脂を独立気泡を有 するように板状に発泡成形したものである。ただ、断熱材には合成樹脂の発泡体 以外の断熱材も使用できるのは言うまでもない。胴縁11は、断熱材8の境界に 配設されて、屋外側中空部4の定位置に断熱材8を固定している。胴縁11は、 断熱材8を固定する保持凸条12を両側に突出して設けており、この保持凸条1 2で断熱材8を固定している。図の胴縁11は、断熱材8を外壁1側に配設して いるが、図において胴縁11の左右を反対にして、断熱材8を中間区画壁3側に 固定することもできる。
【0040】 胴縁11は、中間区画壁3の外側に垂直に固定される。図に示す中間区画壁3 は、スギ材3Aを水平に固定しているので、胴縁11をスギ材3Aと直交して固 定している。垂直の胴縁11は、断熱材8との間に換気ダクトを設ける縦溝13 を設けている。この縦溝13は、断熱材8を胴縁11に密着させる状態で、屋外 側中空部4の空気を煙突のように効率よく自然対流できる。とくに、夏期の暑い ときに、縦溝13の換気ダクトで効率よく空気を対流させて、胴縁11と屋外側 中空部4を涼しくできる特長がある。図の胴縁11は、断熱材8との間と、中間 区画壁3との間と外壁1との間に縦溝13を設けている。胴縁11は、釘止して 、あるいは接着して中間区画壁3に固定される。胴縁11の縦溝13は、上下の 両端を屋外側中空部4に連通させる。
【0041】 図の外壁1は、胴縁11に固定された下地サイディング1Bとこの下地サイデ ィング1Bの表面に固定しているタイル等の外壁材1Aである。外壁1に板状の ものを使用する場合、下地サイディング等を使用することなく、胴縁11に直接 外壁1を固定することができる。
【0042】 図9は床構造を示す。この図の床構造は、根太や大引き等の下地材16の上に プラットホーム24を固定し、プラットホーム24の上に床板23を固定して、 プラットホーム24と床板23との間に室内側中空部5を設けている。プラット ホーム24は、コンパネ等の合板である。プラットホームには、合板の上に、前 述の壁構造の中間区画壁と同じ構造のスギ材を同じように固定することもできる 。また、合板を使用することなく、壁の中間区画壁であるスギ材を湿度で自動調 整される換気隙間ができるように下地材に固定することもできる。スギ材のプラ ットホームは、その下面に、壁構造と同じ防水シートを張設することもできる。 防水シートは、床下の水分がプラットホームを濡らすのを防止する。ただ、床下 には雨水が侵入することが少ないので、防水シートは必ずしも張設する必要はな いのは言うまでもない。プラットホーム24の上には、胴縁11を介して床板2 3を固定している。床板23とプラットホーム24との間に室内側中空部5を設 けて、ここに断熱材8を配設している。断熱材8は、壁構造と同じ胴縁11でも って、室内側中空部5に配置される。図の胴縁11は、保持凸条12をプラット ホーム24に固定している。この胴縁11は、断熱材8を床板23の下面に密着 して固定できる。床は、プラットホーム24が充分な強度を有する場合、根太を 省略して大引きにプラットホーム24を固定することができる。
【0043】 図9の床構造は、床板23の下に床暖房シート34を敷設して床暖房できる。 さらに、床構造は、図10に示すように、胴縁11を図9の姿勢とは上下反転し てプラットホーム24と床板23の間に固定することもできる。この床構造は、 断熱材8をプラットホーム24に密着するように固定する。胴縁11は、保持凸 条12を床板23の下面に固定して、断熱材8をプラットホーム24に密着して いる。この床構造は、図11に示すように、床板23の下で断熱材8の上に暖房 パネル35を配置して床板23を加温できる。暖房パネル35は、胴縁11の間 にできる室内側中空部5の全面に配置し、あるいは室内側中空部5の一部に配置 する。胴縁11は、図10に示すように、上面に横溝36を設けて、両側の室内 側中空部5を連結している。この構造は、暖房パネル35で加熱された空気を、 横溝36に通過させて隣の室内側中空部5に流入させる。このため、床板23の 全面を均一に加熱できる。とくに、室内側中空部5の一部に暖房パネル35を配 置して、床板23の全面を均一に加温できる。
【0044】 二階の床は、図9と図11に示すように、振動吸収するゴム状弾性シート37 を、胴縁11とプラットホーム24の間に固定する。この床構造は、床板23の 振動をゴム状弾性シート37で吸収する。このため、二階の騒音が下の部屋に伝 わるのを遮断できる。断熱材8に使用される合成樹脂発泡体や無機繊維の集合体 は、音を吸収する性質がある。このため、二階の騒音が下の部屋に伝わるのを、 ゴム状弾性シート37と断熱材8の両方で有効に遮断できる。とくに、図12に 示すように、胴縁11とプラットホーム24との間にゴム状弾性シート37を配 置すると共に、胴縁11で2層に断熱材8を固定する床構造は、もっとも効率よ く騒音を遮断できる。
【0045】 さらに、図13は、屋根構造を示す。この図の屋根構造は、たる木18の上に 中間区画壁3を固定している。中間区画壁3は、壁構造と同じスギ材を同じよう に固定して設けられる。中間区画壁3の上面に防水シート6を張設している。防 水シート6は、壁構造のものと同じように、水の通過を制限して空気を通過させ るプラスチックシートである。中間区画壁3には、スギ材に代わって合板やMD F等の板材が使用できる。中間区画壁3の上に、胴縁11を介して屋根の下地材 19を固定して、この下地材19と中間区画壁3との間に屋外側中空部4を設け ている。屋外側中空部4には、断熱材8を固定している。断熱材8は、壁構造と 同じ胴縁11で屋外側中空部4に固定される。下地材19の上に瓦やスレート等 の屋根材20を固定している。図の屋根構造は、たる木18の室内側に室内プレ ート2を固定して、中間区画壁3と室内プレート2との間に屋根の室内側中空部 である天井裏ダクト26を設けている。ただし、屋根の室内側中空部である天井 裏ダクト26は、図2と図3に示すように、天井裏にたる木から離れて、室内プ レート2を固定して設けることもできる。さらに、天井板を室内プレートとして 、天井板と中間区画壁との間に設けることもできる。
【0046】 屋根の屋外側中空部4の下部には軒下排気口27を設けている。屋根の屋外側 中空部4の下部は、壁の屋外側中空部4の上部に連結される。したがって、軒下 排気口27は、壁の屋外側中空部4の上部に連結される。軒下排気口27は、雨 水が侵入しないように軒下に開口される。軒下排気口27は、壁の屋外側中空部 4で暖かくなった空気を、屋外に排気する。壁の屋外側中空部4は、内部の空気 を加温するので、下端から外気を吸入して軒下排気口27から屋外に排気して換 気する。図の建物は、壁の屋外側中空部4で暖められた空気の一部を、軒下排気 口27から屋外に排気し、残りの一部を屋根の屋外側中空部4に流入させる。本 考案の建物は、必ずしも軒下排気口27を設ける必要はない。軒下排気口27の ない建物は、壁の屋外側中空部4で加温された空気を、屋根の屋外側中空部4に 流入させる。図の建物は、屋根に設けている屋外側中空部4の上部を、棟排気ダ クト28に連結している。棟排気ダクト28は、屋根の棟部に設けられて、暑い 夏期に、屋根の屋外側中空部4の上部から加熱された空気を建物外に排気する。 棟排気ダクト28は、寒い冬期には、屋外側中空部4の空気を屋外に排気しない 。棟排気ダクト28は、温度により、あるいは季節により、屋外側中空部4の空 気の排気を制御する。
【0047】 図14〜図16の建物は、屋根に設けている屋外側中空部4の上部を、連結ダ クト38を介して屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に連結している。 図15と図16の建物は、天井板の上で屋根裏のほぼ全体を室内側中空部である 天井裏ダクト26としている。そして、屋根の屋外側中空部4を棟までは延長す ることなく、屋根の中間まで延長して、屋根の屋外側中空部4の上部を屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26に連結している。さらにこれ等の図に示す建 物は、屋外側中空部4に、夏期の暑い空気を排気する排気ファン29を設け、冬 期に屋根の屋外側中空部4の暖かい空気を室内側中空部5に強制送風する循環フ ァン33を設けている。
【0048】 循環ファン33は冬の寒いときに、屋根の屋外側中空部4で加温されて暖かく なった空気を、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26から、建物の北側に 位置する寒い壁の室内側中空部5に循環させる。ただ、循環ファン33は必ずし も北側の壁の室内側中空部に空気を強制送風する必要はなく、たとえば、図示し ないが、部屋を区画している間仕切壁に暖かい空気を強制送風することもできる 。排気ファン29と循環ファン33は、温度センサー39で運転が自動的に制御 され、あるいは室内に設けられる操作スイッチ、あるいはリモートコントロール 用の操作スイッチで運転が制御される。
【0049】 冬の寒いときには、温度センサー39は、排気ファン29の運転を停止して、 循環ファン33を運転して、図15に示すよう空気を循環させる。また手動スイ ッチやリモコンで同じように排気ファン29と循環ファン33を制御することも できる。このように運転されると、循環ファン33は、屋根で暖かく加温された 空気を吸入して、壁の室内側中空部5に強制的に循環させる。循環ファン33で 強制送風される暖かい空気は、壁の室内側中空部5から床の室内側中空部5を通 過し、壁、あるいは屋根の下部において、室内側中空部5から屋外側中空部4に 流入して、屋根の屋外側中空部4に流入して再加温され、再び循環ファン33で 強制送風される。屋根は、図15に示すように、中間区画壁3に貫通孔41を設 けて、室内側中空部5の空気を屋外側中空部4に流入できる。貫通孔は、図示し ないが壁の中間区画壁に設けることもできる。また、壁の中間区画壁3は、空気 中の湿度で伸縮するスギ材3Aを使用してできる換気隙間7から、室内側中空部 5から屋外側中空部4に空気を流入させることもできる。
【0050】 夏期の暑いときは、循環ファン33の運転を停止して、排気ファン29を運転 する。排気ファン29は、図16の矢印で示すように、屋根の屋外側中空部4の 空気を強制的に排気して、屋根を涼しくする。さらに、排気ファン29は、屋根 の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気が暑くなると、このことを温度セ ンサー39で検出して、天井裏ダクト26の空気を建物外に排気することもでき る。この場合、循環ファン33を逆回転させて、天井裏ダクト26から屋根の屋 外側中空部4に送風することもできる。ただし、連結ダクト38にシャッター( 図示せず)を設けて、循環ファン33を運転することなく、シャッターを開いて 、天井裏ダクト26から屋外側中空部4に空気を流入させることもできる。シャ ッターは、連結ダクト38に空気を通過させるときに開かれ、連結ダクト38に 空気を通過させないとき、たとえば、排気ファン29を運転して天井裏ダクト2 6の空気を排気しないときに閉じられる。
【0051】 図14の建物は、夏期の暑いときには、屋根の室内側中空部である天井裏ダク ト26の空気を連結ダクト38に通過させて、屋外側中空部4に流入させて棟排 気ダクト28から屋外に排気する。図15と図16の建物は、屋外側中空部4と 天井裏ダクト26とを連結ダクト38で連結しているので、屋外側中空部4に設 けた排気ファン29が、屋外側中空部4と天井裏ダクト26の両方の空気を建物 外に排気できる。ただし、本考案の建物は、屋根の屋外側中空部の空気と天井裏 ダクト26の空気を別々に建物外に排気することもできる。この建物は、屋根の 屋外側中空部と天井裏ダクトとを連結ダクトで連結する必要がない。この建物は 、図1ないし図3に示すように、屋根の屋外側中空部4の空気を棟排気ダクト2 8で建物外に排気して、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気を排 気ファン29で強制的に屋外に排気する。図2と図3の建物は、屋根の室内側中 空部である天井裏ダクト26の空気を排気するために、排気を制御できる排気フ ァン29を屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に連結している。排気フ ァン29は、暑い夏期に、室内側中空部である屋根の室内側中空部である天井裏 ダクト26の空気を建物外に排気する。
【0052】 図14の建物も、図15と図16の建物のように、屋外側中空部4と屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26とを連結する連結ダクト38を設けているの で、寒い冬期には、屋根の屋外側中空部4で加温された空気を棟排気ダクト28 で屋外に排気することなく、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に流入 して、壁と床の室内側中空部5に循環させることができる。
【0053】 壁と床と屋根に、室内側中空部5を設けている建物は、夏期と冬期に理想的な 環境にできる。図3と図15の建物は、寒い冬期に、屋根に設けている循環ファ ン33で、屋根で暖められた空気を、壁と床の室内側中空部5に循環して、建物 の壁面を暖かくできる。室内側中空部5は、中間区画壁3と防水シート6を介し て屋外側中空部4に連結されるので、湿度が低いときは、屋外側中空部4と室内 側中空部5とが換気されて、室内を快適にできる。また、夏期においては、屋根 の屋外側中空部4の空気を外部に排気して、建物を涼しくできる。
【0054】 さらに、図3に示すように、空気の循環路に空気を加熱したり、あるいは冷却 する熱交換器22を設けて、室内側中空部5に循環させる空気を快適な温度に制 御することができる。室内側中空部5の空気は、内装材を透過し、あるいは内装 材の隙間を通過して室内に循環される。また、室内側中空部5と室内を換気量を 制御できる換気ダクトを連結して、室内側中空部5と室内とで空気を循環させる ことができる。
【0055】
【考案の効果】
本考案の建物は、極めて優れた断熱特性を実現できると共に、室内環境を理想 的な住心地のよい快適な環境にでき、しかも安価な断熱材を使用して能率よく施 工できる特長がある。それは、本考案の建物が、外壁と室内プレートとの間に中 間区画壁を設けて、中間区画壁の両側に屋外側中空部と室内側中空部とを設けた 壁構造とすると共に、屋外側中空部の上端部と下端部を建物の外部に換気できる 構造としており、さらに、床板とプラットホームとの間に室内側中空部を設けた 床構造として、壁の室内側中空部と床の室内側中空部とを互いに連通すると共に 、壁又は床に設けている室内側中空部を室内換気ダクトを介して室内に連結して おり、さらに、建物の屋根裏には屋根の室内側中空部である天井裏ダクトを設け て、この屋根の室内側中空部である天井裏ダクトを壁の室内側中空部に連結して 、壁と床に設けている室内側中空部と屋根の室内側中空部である天井裏ダクトと に空気を循環できる状態とすると共に、室内側中空部の空気を室内換気ダクトで 室内に供給するようにしているからである。
【0056】 すなわち、本考案の躯体構造は、室内側中空部と屋外側中空部の2重断熱構造 で壁を断熱して、極めて効果的に断熱すると共に、屋外側中空部に空気を通過さ せて換気し、さらに、床と壁の室内側中空部と屋根裏の屋根の室内側中空部であ る天井裏ダクトで連結してここに空気を循環させると共に、室内側中空部の空気 を室内換気ダクトで室内にも供給するので、建物全体を極めて理想的な環境にで きる。とくに、室内側中空部と屋外側中空部に空気を通過させて常に乾燥状態に 保持できるので、カビや結露を有効に防止できると共に、室内をも常に快適な環 境にできる。
【0057】 さらに、本考案の建物は、中間区画壁で室内側中空部と屋外側中空部とを区画 しているので、外部からの火災で仮に外壁が燃焼して、屋外側中空部に設けてい る断熱材が燃焼して有害ガスが発生しても、中間区画壁と室内プレートの2重壁 で有害ガスが室内に侵入するのを防止することができる。
【0058】 さらにまた、本考案の建物は、壁の断熱材にガラス繊維やロックウール等の断 熱材を使用して、微細な繊維の破片が室内に侵入するのを防止できる構造とする こともできる。それは、本考案の建物が壁構造を、外壁と室内プレートとの間に 中間区画壁を設けて、屋外側中空部と室内側中空部とに区画しているので、断熱 材を屋外側中空部に配設して、屋外側中空部の内側に室内側中空部を配設できる からである。この構造は、室内側中空部の空気を室内に循環させて、壁の屋外側 中空部の空気を室内に循環させない構造とすることができ、この構造によって、 断熱材の微細な破片が室内に侵入するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例にかかる建物の概略断面図
【図2】図1に示す建物が夏期に空気を循環させる状態
を示す図
【図3】図1に示す建物が冬期に空気を循環させる状態
を示す図
【図4】本考案の一実施例にかかる建物の壁構造を示す
水平断面図
【図5】図4に示す壁構造の一部を除去した状態を示す
斜視図
【図6】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図7】図4に示す壁構造の垂直断面図
【図8】壁構造の他の一例を示す垂直断面図
【図9】本考案の一実施例にかかる建物の床構造を示す
垂直断面図
【図10】床構造の他の一例を示す断面斜視図
【図11】床構造の他の一例を示す垂直断面図
【図12】床構造の他の一例を示す垂直断面図
【図13】本考案の一実施例にかかる建物の屋根構造を
示す垂直断面図
【図14】本考案の他の実施例にかかる建物の概略断面
【図15】本考案の他の実施例にかかる建物の概略断面
【図16】本考案の他の実施例にかかる建物の概略断面
【符号の説明】
1…外壁 1A…外壁材 1B
…下地サイディング 2…室内プレート 2A…土壁 3…中間区画壁 3A…スギ材 4…屋外側中空部 5…室内側中空部 6…防水シート 7…換気隙間 8…断熱材 9…連結凸条 10…連結溝 11…胴縁 12…保持凸条 13…縦溝 14…柱 15…筋かい 16…下地材 18…たる木 19…下地材 20…屋根材 22…熱交換器 23…床板 24…プラットホーム 25…室内換気ダクト 26…屋根の室内側中空部である天井裏ダクト 27…軒下排気口 28…棟排気ダクト 29…排気ファン 30…吸入口 31…室外換気ダクト 32…屋外換気ダクト 33…循環ファン 34…床暖房シート 35…暖房パネル 36…横溝 37…ゴム状弾性シート 38…連結ダクト 39…温度センサー 40…濾過材 41…貫通孔

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の壁構造が、屋外側に位置する外壁
    (1)と建物の室内側に位置する室内プレート(2)との間に
    中間区画壁(3)を設けて、外壁(1)と中間区画壁(3)との
    間に屋外側中空部(4)を設けて、中間区画壁(3)と室内プ
    レート(2)との間に室内側中空部(5)を設けており、 壁の屋外側中空部(4)は、上端部と下端部を建物の外部
    に換気できる構造として、外気を換気できるようにして
    おり、 建物の床構造は、室内側の床板(23)と床下側に設けてい
    るプラットホーム(24)との間に隙間を設けて室内側中空
    部(5)を設けており、 壁の室内側中空部(5)と床の室内側中空部(5)とを互いに
    連通すると共に、壁又は床に設けている室内側中空部
    (5)を室内換気ダクト(25)を介して室内に連結してお
    り、 さらに建物の屋根裏には、屋根の室内側中空部である天
    井裏ダクト(26)を設けて、この屋根の室内側中空部であ
    る天井裏ダクト(26)を壁の室内側中空部(5)に連結して
    おり、壁と床に設けている室内側中空部(5)と、屋根裏
    に設けている屋根の室内側中空部である天井裏ダクト(2
    6)とを互いに連結して空気を循環できる状態として、室
    内側中空部(5)の空気を室内換気ダクト(25)で室内に供
    給するようにしてなる建物。
  2. 【請求項2】 屋外側中空部(4)の上部に連結して軒下
    排気口(27)を設けて、軒下排気口(27)で壁の屋外側中空
    部(4)の上部の空気を建物外に排気する請求項1に記載
    される建物。
  3. 【請求項3】 屋根に設けている屋外側中空部(4)の上
    部を棟排気ダクト(28)に連結しており、この棟排気ダク
    ト(28)で屋根に設けている屋外側中空部(4)の上部の空
    気を建物外に排気する請求項1に記載される建物。
  4. 【請求項4】 屋根の室内側中空部である天井裏ダクト
    (26)に、排気を制御できる排気ファン(29)を連結してお
    り、この排気ファン(29)で屋根の室内側中空部である天
    井裏ダクト(26)の空気を建物外に排気する請求項1に記
    載される建物。
  5. 【請求項5】 室内プレート(2)と中間区画壁(3)を貫通
    して、室内空気を屋外側中空部(4)に排気する室外換気
    ダクト(31)を設けている請求項1に記載される建物。
  6. 【請求項6】 室内プレート(2)と中間区画壁(3)と外壁
    (1)とを貫通して、室内空気を建物外に排気する屋外換
    気ダクト(32)を設けている請求項1に記載される建物。
  7. 【請求項7】 壁の室内側中空部(5)の下部と屋外側中
    空部(4)を吸入口(30)で連結し、あるいは壁の室内側中
    空部(5)と建物外を吸入口(30)で連結しており、吸入口
    (30)を通過して、屋外側中空部(4)の空気、あるいは建
    物外の空気を室内側中空部(5)に供給するようにしてな
    る請求項1に記載される建物。
  8. 【請求項8】 床の室内側中空部(5)と床下とを吸入口
    (30)を介して連結しており、吸入口(30)を介して床下の
    空気を室内側中空部(5)に供給するようにしてなる請求
    項1に記載される建物。
  9. 【請求項9】 壁の中間区画壁(3)が木材である請求項
    1に記載される建物。
  10. 【請求項10】 中間区画壁(3)と外壁(1)との間に断熱
    材(8)を設けている請求項1に記載される建物。
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JP2004244964A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Isao Okawa 建物
KR20180099981A (ko) * 2017-02-28 2018-09-06 주식회사 캐리어냉동건설 곤충사육장

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