JP3089846U - 胴 縁 - Google Patents

胴 縁

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JP3089846U JP2002002664U JP2002002664U JP3089846U JP 3089846 U JP3089846 U JP 3089846U JP 2002002664 U JP2002002664 U JP 2002002664U JP 2002002664 U JP2002002664 U JP 2002002664U JP 3089846 U JP3089846 U JP 3089846U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ容易に、しかも能率よく断熱材を固
定しながら、優れた断熱特性を実現する。 【解決手段】 胴縁は、建物の壁、床、屋根、天井のい
ずれかを断熱するために、建物の取付パネル40に断熱
材8を固定する。胴縁は、断熱材8の側縁部を入れる凹
部17と、側縁部を凹部17に入れた断熱材8の表面に
向かって突出されて、断熱材8を取付パネル40の表面
に固定するための保持凸条12とを側面に備えている。
この胴縁は、取付パネル40に固定されて、凹部17に
入れた断熱材8を取付パネル40と保持凸条12とで挟
着して固定する。さらに、胴縁は、凹部17を、側面の
中間に縦方向に延長して設けたセンター溝として、この
センター溝の両側に保持凸条12を設けることもでき
る。この胴縁は、取付パネル40に固定されて、凹部1
7に入れた断熱材8を両側の保持凸条12で挟着して、
取付パネル40から離して固定する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、建物の壁、床、屋根等の取付パネルに断熱材を固定する胴縁に関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来の建物の壁は、外壁と内壁との間に断熱材を配設している。断熱材にはガ ラス繊維を細長い長方形としたものが多く使用される。壁の断熱材は、図1の断 面図に示すように、間柱14Aの間に入れて固定される。断熱材8には、合成樹 脂発泡体を板状に成形したものも使用される。この断熱材8も間柱14Aの間に 配置して固定される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
図1に示すように、間柱14Aの間に断熱材8を固定する壁構造は、断熱材8 が理想的な状態で建物の躯体を断熱するように施工するのが極めて難しい。それ は、外壁1等の内面を完全に覆うように断熱材8を固定するのが難しいからであ る。断熱材8を間柱14Aの間に配置して固定するとき、図2に示すように、断 熱材8と間柱14Aとの間に隙間ができることがある。ここに隙間ができると、 外壁1の内面に断熱材8で被覆されない領域ができ、この部分を断熱できなくな る。このため、夏期の暑いときなどには、図の矢印で示すように、壁パネルを通 過して熱が建物内に侵入する。この弊害は、断熱材と間柱との間の隙間を完全に なくして少なくできる。ただ、多数の断熱材を固定するときに、断熱材と間柱と の間に全く隙間ができないようにするのは極めて難しい。また仮に、断熱材と間 柱との間に隙間ができないように施工したとしても、経時的に断熱材が剥離した り変形して、間柱との間や、外壁との間にも隙間ができることがある。
【0004】 本考案は、この欠点を解決することを目的に開発されたもので、本考案の重要 な目的は、簡単かつ容易に、しかも能率よく断熱材を固定しながら、優れた断熱 特性を実現できるように固定できる胴縁を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の胴縁は、建物の壁、床、屋根、天井のいずれかを断熱するために、建 物の取付パネル40に断熱材8を固定する。胴縁は、断熱材8の側縁部を入れる 凹部17と、側縁部を凹部17に入れた断熱材8の表面に向かって突出されて、 断熱材8を取付パネル40の表面に固定するための保持凸条12とを側面に備え ている。この胴縁は、取付パネル40に固定されて、凹部17に入れた断熱材8 を取付パネル40と保持凸条12とで挟着して固定する。
【0006】 胴縁は、横断面図形状をT字状として、両側面に凹部17と保持凸条12とを 設けることができる。
【0007】 さらに、本考案の請求項3の胴縁は、取付パネル40に断熱材8を固定する胴 縁であって、断熱材8の側縁部を案内する凹部17と、側縁部を凹部17に入れ た断熱材8の表面に向かって突出されて、断熱材8を固定するための保持凸条1 2とを側面に備えている。凹部17は、側面の中間に縦方向に延長して設けたセ ンター溝で、このセンター溝の両側に保持凸条12を設けている。この胴縁は、 取付パネル40に固定されて、凹部17に入れた断熱材8を両側の保持凸条12 で挟着して、取付パネル40から離して固定する。
【0008】 胴縁は、断熱材8との対向面に縦溝13を設けることができる。さらに、胴縁 は、取付パネル40との対向面に縦溝13を設けることができる。さらにまた、 胴縁は、取付パネル40の反対側に配設される対向パネル41との対向面に縦溝 13を設けることもできる。
【0009】 本明細書において「取付パネル」とは、建物の壁、床、屋根、天井のいずれか を断熱するために断熱材を固定する基材となるパネルであって、壁パネル、床パ ネル、屋根パネル、天井パネルのいずれかを意味するものとする。ただし、本明 細書における「取付パネル」は、必ずしも建物の躯体としての強度を実現するパ ネルには特定しない。建物としての強度は要求されないが、壁、床、屋根、天井 等に固定されて断熱材を固定する基材となる全てのパネルを意味するものとする 。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例 は、本考案の技術思想を具体化するための胴縁を例示するものであって、本考案 は胴縁を下記のものに特定しない。
【0011】 さらに、この明細書は、実用新案登録請求の範囲を理解し易いように、実施例 に示される部材に対応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、および「 課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、実用新 案登録請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してな い。
【0012】 図3の水平断面図と図4の一部を除去した斜視図、及び図5の水平断面図に示 す壁構造は、建物の屋外側に位置する外壁1と、建物の室内側に位置する室内プ レート2との間に中間区画壁3を配設して、中間区画壁3の両面に屋外側中空部 4と室内側中空部5とを設けている。屋外側中空部4は、外壁1と中間区画壁3 との間に設けられており、室内側中空部5は、中間区画壁3と室内プレート2と の間に設けられている。これらの図に示す壁構造は、屋外側中空部4を断熱材8 で断熱している。断熱材8は、取付パネル40に固定されて、屋外側中空部4に 配設されている。断熱材8は、胴縁11を介して取付パネル40に固定している 。図3と図4に示す壁構造は、中間区画壁3を取付パネル40としており、この 中間区画壁3の屋外側の表面に断熱材8を固定している。図5に示す壁構造は、 外壁1を取付パネル40としており、この外壁1の室内側の表面に断熱材8を固 定している。
【0013】 図の壁構造は、柱14の室内側に室内プレート2を固定して、屋外側に中間区 画壁3を固定して、室内プレート2と中間区画壁3の間に室内側中空部5を設け ている。この壁構造は、柱14の両面に室内プレート2と中間区画壁3を固定し ているので、柱14の太さが室内側中空部5の幅となる。ただ、柱14の間には 、筋かい15や室内プレート2を固定するための下地材等が設けられるので、筋 かい15等で室内側中空部5の実質的な幅は狭くなる。室内側中空部5は、室内 の空気を循環させる。したがって、室内側中空部5に設けられる筋かい15等は 、室内側中空部5の空気の循環を阻止しないように柱14の間に固定される。図 の壁構造は、筋かい15の幅を室内側中空部5の幅よりも狭くして、室内側中空 部5の空気を上下に循環できるようにしている。
【0014】 図の壁構造は、表面にクロスを張った石膏ボードや天然板を室内プレート2と しているが、室内プレート2には土壁も使用できる。石膏ボードや天然板は、図 3と図5に示すように、柱14の室内側に固定されるが、土壁の室内プレート2 は、図6の水平断面図に示すように、柱14の間に設けられる。土壁2Aは、柱 14に固定される中間区画壁3との間に室内側中空部5を設けている。室内側中 空部5には、ここの空気を上下に換気できるように、室内側中空部5よりも幅の 狭い筋かい15を固定している。ただ、筋かいは、上下に貫通して空気孔を設け て、室内側中空部の空気を上下に換気できる構造とすることもできる。
【0015】 中間区画壁3は、空気中の湿度で伸縮する天然木材3Aを、換気隙間7ができ るように並べて固定している。天然木材3Aは、厚さを30mm、幅を135m mとする。ただし、天然木材3Aは、厚さを20〜50mm、幅を50〜200 mmとすることもできる。天然木材3Aを厚くすると、壁の断熱性と防音性が向 上する。ただ、天然木材3Aを厚くすると施工コストが高くなるので、施工コス トと断熱特性の両方を考慮して最適値とする。天然木材3Aには、スギ、マツ、 モミ等の針葉樹が適している。スギは、低コストで優れた断熱特性を有する特長 がある。また、湿度の変化で速やかに伸縮する特長もある。ただし、天然木材に は、ヒノキ、キリ等も使用できる。マツとヒノキは、優れた防音特性と吸湿性を 有し、キリは優れた断熱特性を有する。
【0016】 板状の天然木材3Aは、水平方向に延長して水平に柱14に固定される。天然 木材3Aは、空気中の湿度で伸縮して、空気中の湿度が低くなると収縮し、空気 中の湿度が高くなると膨張する。したがって、天然木材3Aの間に設けている換 気隙間7は、湿度が低くなると広くなって空気を通過しやすくし、湿度が高くな ると換気隙間7を狭くして空気を通過し難くする。中間区画壁3の天然木材3A の間に設けている換気隙間7は、湿度で自動的にその間隔が制御される。湿度が 高いときに換気隙間7が狭くなるので、屋外側中空部4と室内側中空部5との空 気の流通は遮断され、あるいは少なくなる。湿度が低くなると、換気隙間7が広 くなって、屋外側中空部4と室内側中空部5との空気は流通しやすくなる。すな わち、室内側中空部5と屋外側中空部4との間で空気が流通するようになる。
【0017】 図7は、図5に示す中間区画壁3を上下に切断した断面図である。この中間区 画壁3は、天然木材3Aの上面に連結凸条9を設けて、下面には連結凸条9を案 内する連結溝10を設けている。この中間区画壁3は、天然木材3Aの連結凸条 9を隣の天然木材3Aの連結溝10に案内して隣接する天然木材3Aを連結して いる。さらに、この中間区画壁3は、天然木材3Aの収縮で換気隙間7を調整す るために、連結凸条9を先端に向かって幅を次第に狭くして、連結溝10を開口 部に向かって幅が広くなるようにしている。図7に示す連結凸条9は、先端に向 かって直線的に幅が狭くなるようにしているが、連結凸条は先端に向かって湾曲 しながら幅が狭くなるようにすることもできる。この天然木材3Aは、膨張して 互いに接近すると換気隙間7が狭くなる。反対に天然木材3Aが収縮して互いに 離れると換気隙間7が広くなる。ただ、天然木材3Aは、図8の断面図に示すよ うに横断面が長方形となるように加工して、柱14に固定して換気隙間7を設け ることもできる。
【0018】 天然木材3Aは、湿度が高いとき、たとえば湿度が80%になると換気隙間7 が閉鎖されるように柱14に固定される。したがって、天然木材3Aは、柱14 に固定するときの湿度で、換気隙間7の大きさを調整する。湿度が80%以上の ときは、隣の天然木材3Aとの間に隙間ができないように柱14に固定する。湿 度が低いときは、湿度によって換気隙間7の幅を調整して柱14に固定する。天 然木材3Aの換気隙間7を調整して固定するときはスペーサーを使用する。スペ ーサーは、天然木材3Aの間に挟まれてシックネスゲージとして使用される。天 然木材3Aを固定した後、スペーサーは除去される。
【0019】 中間区画壁3は、その外壁1側の表面に防水シート6を張設している。防水シ ート6は、中間区画壁3と外壁1との間の屋外側中空部4に配設されて、中間区 画壁3に水が通過するのを阻止する。したがって、防水シート6は、水の通過を 制限して空気を通過させるプラスチックシートである。防水シート6は、好まし くは水の通過を阻止して、空気のみを通過させるものが最適である。
【0020】 以上の中間区画壁3は、空気中の湿度で伸縮する天然木材3Aを、換気隙間7 ができるように並べて固定しているが、この考案は中間区画壁3を天然木材に特 定しない。中間区画壁3には、天然木材以外の木材を、湿度が高いときに隙間が できるように固定し、あるいは湿度が高くても隙間ができないように固定して使 用することができる。また、中間区画壁3には合板も使用できる。さらにまた、 中間区画壁3には木材以外の石膏ボードやMDFなど、全ての板材を使用するこ とができる。
【0021】 さらに、壁構造は、中間区画壁3から離して外壁1を固定して、中間区画壁3 と外壁1との間に屋外側中空部4を設けている。図の壁構造は、中間区画壁3の 屋外側に断熱材8を固定する胴縁11を固定し、この胴縁11に外壁1を固定し ている。胴縁11は、断熱材8を屋外側中空部4に配設している。この胴縁11 は、断熱材8の側縁部を入れる凹部17と、断熱材8を固定する保持凸条12を 側面に設けている。保持凸条12は、側縁部を凹部17に入れた断熱材8の表面 に向かって突出されて、断熱材8を取付パネル40の表面に固定する。図に示す 胴縁11は、横断面図形状をT字状として、両側面に凹部17と保持凸条12と を設けている。この胴縁11は、複数の断熱材8の境界に配設されて、2枚の断 熱材8を同時に取付パネル40の定位置に固定できる。図3と図4に示す壁構造 は、中間区画壁3を取付パネル40としているので、胴縁11の凹部17に入れ た断熱材8を、取付パネル40である中間区画壁3と保持凸条12とで挟着して 固定している。さらに、図5に示す壁構造は、外壁1を取付パネル40としてい るので、胴縁11の凹部17に入れた断熱材8を、取付パネル40である外壁1 と保持凸条12とで挟着して固定している。このように、取付パネル40と保持 凸条12とで挟着して断熱材8を固定する構造は、胴縁11と断熱材8との間に 隙間ができないように、取付パネル40に固定できる。
【0022】 胴縁11は、中間区画壁3の外側に垂直に固定される。天然木材3Aは水平に 固定されるので、胴縁11は天然木材3Aと直交して固定される。垂直の胴縁1 1は、断熱材8との間に換気ダクトを設ける縦溝13を設けている。この縦溝1 3は、断熱材8を胴縁11に密着させる状態で、屋外側中空部4の空気を煙突の ように効率よく自然対流できる。とくに、夏期の暑いときに、縦溝13の換気ダ クトで効率よく空気を対流させて、胴縁11と屋外側中空部4を涼しくできる特 長がある。さらに、図の胴縁11は、取付パネル40と対向パネル41との間に も縦溝13を設けている。対向パネル41は、胴縁11からみて、取付パネル4 の取付面と反対側に配設されるパネルである。したがって、図3では、中間区画 壁3に対向する外壁1が対向パネル41であり、図5では、外壁1に対向する中 間区画壁3が対向パネル41である。このように、取付パネル40や対向パネル 41との間に設けられる縦溝13も、胴縁11を密着させる状態で、屋外側中空 部4の空気を効率よく自然対流できる。胴縁11は、釘止して、あるいは接着し て取付パネル40と対向パネル41に固定される。胴縁11の縦溝13は、上下 の両端を屋外側中空部4に連通させる。
【0023】 図の外壁1は、胴縁11に固定された下地サイディング1Bとこの下地サイデ ィング1Bの表面に固定しているタイル等の外壁材1Aである。外壁1に板状の ものを使用する場合、下地サイディング等を使用することなく、胴縁11に直接 外壁1を固定することができる。
【0024】 以上の壁構造は、外壁1と中間区画壁3との間に設けられた屋外側中空部4に 断熱材8を配設している。ただ、断熱材は、図示しないが、中間区画壁と室内プ レートとの間に設けられた室内側中空部に配設することもできる。室内側中空部 に配設される断熱材は、室内プレートの室外側の表面に固定し、あるいは、中間 区画壁の室内側の表面に固定する。断熱材は、胴縁で所定の位置に固定される。 断熱材を室内プレートの室外側に固定する壁構造は、室内プレートを取付パネル として、胴縁の凹部に入れた断熱材を、室内プレートと保持凸条とで挟着して定 位置に固定する。また、断熱材を中間区画壁の室内側に固定する壁構造は、中間 区画壁を取付パネルとして、胴縁の凹部に入れた断熱材を、中間区画壁と保持凸 条とで挟着して定位置に固定する。これらの壁構造は、室内側中空部を有効に断 熱できる。さらに、断熱材は、屋外側中空部と室内側中空部の両方に配設できる のは言うまでもない。
【0025】 さらに、以上の壁構造は、外壁1と室内プレート2との間に中間区画壁3を配 設して、中間区画壁3の両面に屋外側中空部4と室内側中空部5とを設けている 。ただ、本考案の建物は、必ずしも外壁と室内プレートとの間に屋外側中空部と 室内側中空部とを設ける必要はなく、図9に示す壁構造とすることもできる。こ の壁構造は、柱14の室内側に室内プレート2を固定して、屋外側に外壁1を固 定している。さらに、外壁1の室内側の表面に、胴縁11で断熱材8を固定して いる。
【0026】 この壁構造は、外壁1を取付パネル40として、胴縁11の凹部17に入れた 断熱材8を外壁1と保持凸条12とで挟着して定位置に固定している。図におい て、隣り合う断熱材8の境界に配設される胴縁11は、両側面に凹部17と保持 凸条12とを設けて、1つの胴縁11で2つの断熱材8を取付パネル40に固定 している。さらに、柱14と断熱材8の境界に配設される胴縁11は、断熱材8 側の側面にのみ凹部17と保持凸条12とを設けて、反対側の側面を柱14の側 面に密着させる状態で取付パネル40に固定して、断熱材8を取付パネル40の 表面に固定している。さらに、胴縁11の室内側には、筋かい15を配設してい る。胴縁11は、筋かい15に固定することもできる。図の胴縁11は、外壁1 を取付パネル40として、断熱材8を外壁1側に配設しているが、図において胴 縁の上下を反対にして、すなわち室内プレートを取付パネルとして、断熱材を室 内プレート側に固定することもできる。
【0027】 さらにまた、ツーバイフォーの建物においては、図10に示す構造で壁に断熱 材8を配設できる。この図に示す壁構造は、床と梁に固定されて互いに連結され る枠付パネル42に断熱材8を固定している。枠付パネル42は、構造体合板4 2Aの片面に、枠組みされた取付枠42Bを固定している。構造体合板42Aは 、たとえば、厚さを10〜20mm、好ましくは15mmとする合板で、この構 造体合板42Aを取付パネル40としている。図に示す枠付パネル42は、取付 枠42Bを固定している面の表面に胴縁11を固定して断熱材8を固定している 。ただ、枠付パネル42は、図11に示すように、取付枠42Bを固定している 面と反対側の面に胴縁11を固定して断熱材8を固定することもできる。この壁 構造は、取付パネル40である構造体合板42Aの、断熱材8が固定される面を 建物の外側に配置する状態で枠付パネル42を床と梁に固定して、建物の屋外側 に断熱材8を配設している。この壁構造は、胴縁11に固定される外壁1と枠付 パネル42との間に屋外側中空部4を設けることができる。
【0028】 さらに、図12は床構造を示す。この図の床構造は、根太や大引き等の下地材 16の上にプラットホーム24を固定し、プラットホーム24の上に床板23を 固定して、プラットホーム24と床板23との間に室内側中空部5を設けている 。プラットホーム24は、コンパネ等の合板である。プラットホームには、合板 の上に、前述の壁構造の中間区画壁と同じ構造の天然木材を同じように固定する こともできる。また、合板を使用することなく、壁の中間区画壁である天然木材 を湿度で自動調整される換気隙間ができるように下地材に固定することもできる 。天然木材のプラットホームは、その下面に、壁構造と同じ防水シートを張設す ることもできる。防水シートは、床下の水分がプラットホームを濡らすのを防止 する。ただ、床下には雨水が侵入することが少ないので、防水シートは必ずしも 張設する必要はないのは言うまでもない。
【0029】 プラットホーム24の上には、胴縁11を介して床板23を固定している。床 板23とプラットホーム24との間に室内側中空部5を設けて、ここに断熱材8 を配設している。断熱材8は、壁構造と同じ胴縁11でもって、室内側中空部5 に配置される。図に示す床構造は、床板23を取付パネル40として、プラット ホーム24を対向パネル41としている。すなわち、この床構造は、胴縁11の 凹部17に入れた断熱材8を、取付パネル40である床板23と保持凸条12と で挟着して固定している。胴縁11は、対向パネル41であるプラットホーム2 4に保持凸条12を固定している。この胴縁11は、断熱材8を床板23の下面 に密着して固定できる。床は、プラットホーム24が充分な強度を有する場合、 根太を省略して大引きにプラットホーム24を固定することができる。さらに、 図の床構造は、床板23の下に床暖房シート34を敷設して床暖房できる。
【0030】 さらに、床構造は、図13に示すように、胴縁11を図1の姿勢とは上下反転 して、すなわち、プラットホーム24を取付パネル40とし、床板23を対向パ ネル41として、プラットホーム24と床板23の間に固定することもできる。 この床構造は、断熱材8をプラットホーム24に密着するように固定する。胴縁 11は、保持凸条12を対向パネル41である床板23の下面に固定して、断熱 材8を取付パネル40であるプラットホーム24に密着している。この床構造は 、図14に示すように、床板23の下側であって断熱材8の上側に暖房パネル3 5を配置して床板23を加温できる。暖房パネル35は、胴縁11の間にできる 室内側中空部5の全面に配置し、あるいは室内側中空部5の一部に配置する。胴 縁11は、図13に示すように、上面に横溝36を設けて、両側の室内側中空部 5を連結している。この構造は、暖房パネル35で加熱された空気を、横溝36 に通過させて隣の室内側中空部5に流入させる。このため、床板23の全面を均 一に加熱できる。とくに、室内側中空部5の一部に暖房パネル35を配置して、 床板23の全面を均一に加温できる。
【0031】 さらに、床構造は、図15に示すように、胴縁11で二層に断熱材8を固定す ることもできる。この図に示す胴縁11は、側面から突出する保持凸条12の両 側に断熱材8の側縁部を案内する凹部17を設けている。この胴縁11は、保持 凸条12の両側の凹部17に入れた断熱材8を、取付パネル40と保持凸条12 とで挟着して固定する。すなわち、この床構造は、床板23とプラットホーム2 4の両方を取付パネル40として、断熱材8を床板23の下面とプラットホーム 24の上面とに密着して固定している。このように、二層に断熱材8を配設する 床構造は、優れた断熱特性を実現できる。ただ、図示しないが、この床構造と同 様にして、壁、屋根、天井等に二層に断熱材8を配設することもできる。
【0032】 さらに、二階の床は、図12と図14に示すように、振動吸収するゴム状弾性 シート37を、胴縁11とプラットホーム24の間に固定する。この床構造は、 床板23の振動をゴム状弾性シート37で吸収する。このため、二階の騒音が下 の部屋に伝わるのを遮断できる。断熱材8に使用される合成樹脂発泡体や無機繊 維の集合体は、音を吸収する性質がある。このため、二階の騒音が下の部屋に伝 わるのを、ゴム状弾性シート37と断熱材8の両方で有効に遮断できる。とくに 、図15に示すように、胴縁11とプラットホーム24との間にゴム状弾性シー ト37を配置すると共に、胴縁11で二層に断熱材8を固定する床構造は、もっ とも効率よく騒音を遮断できる。
【0033】 さらに、断熱材8は、図16に示す胴縁11で、壁、床、屋根、天井等に配設 することもできる。この図は、断熱材8を床に配設する状態を示している。この 胴縁11は、断熱材8の側縁部を案内する凹部17を、側面の中間に縦方向に延 長して設けたセンター溝としている。さらに、この胴縁11は、センター溝であ る凹部17の両側に保持凸条12を設けている。この形状の胴縁11は、凹部1 7に入れた断熱材8を両側の保持凸条12で挟着して保持する。この胴縁11は 、図において上下の両面に取付パネル40を固定して、断熱材8を取付パネル4 0から離した状態で配設する。図に示す胴縁11は、下面をプラットホーム24 に、上面を床板23に固定しており、胴縁11の凹部17に入れた断熱材8を室 内側中空部5の中央部に配設している。この構造の胴縁11は、室内側中空部5 を断熱材8で二層に区画するので、断熱特性を向上できる特長がある。さらに、 二層に区画された室内側中空部の一部に暖房パネルを配置して、床板を加温する こともできる。
【0034】 さらに、図17は屋根構造を示す。この図の屋根構造は、たる木18の上に中 間区画壁3を固定している。中間区画壁3は、壁構造と同じ天然木材を同じよう に固定して設けられる。中間区画壁3の上面に防水シート6を張設している。防 水シート6は、壁構造のものと同じように、水の通過を制限して空気を通過させ るプラスチックシートである。さらに、中間区画壁3の上に、胴縁11を介して 屋根の下地材19を固定して、この下地材19と中間区画壁3との間に屋外側中 空部4を設けている。屋外側中空部4には、断熱材8を固定している。断熱材8 は、壁構造と同じ胴縁11で屋外側中空部4に固定される。図に示す屋根構造は 、下地材19を取付パネル40として、中間区画壁3を対向パネル41としてい る。すなわち、この屋根構造は、胴縁11の凹部17に入れた断熱材8を、取付 パネル40である下地材19と保持凸条12とで挟着して固定している。胴縁1 1は、対向パネル41である中間区画壁3に保持凸条12を固定している。この 胴縁11は、断熱材8を下地材19の下面に密着して固定できる。ただ、屋根構 造は、図18に示すように、胴縁11を図17の姿勢とは上下反転して、すなわ ち、中間区画壁3を取付パネル40として、断熱材8を中間区画壁3の表面に固 定することもできる。
【0035】 さらに、図17と図18の屋根構造は、下地材19の上に瓦やスレート等の屋 根材20を固定している。図の屋根構造は、たる木18の室内側に室内プレート 2を固定して、中間区画壁3と室内プレート2との間に屋根の室内側中空部であ る天井裏ダクト26を設けている。ただし、屋根の室内側中空部である天井裏ダ クトは、天井裏にたる木から離れて、室内プレートを固定して設けることもでき る。さらに、天井板を室内プレートとして、天井板と中間区画壁との間に設ける こともできる。
【0036】 断熱材8は、合成樹脂を板状に発泡成形したものが使用される。この断熱材8 は、所定の厚さに成形されたものを所定の形状に裁断して、胴縁11で取付パネ ル40に固定される。この断熱材8は、能率良く施工できる特長がある。ただ、 断熱材8は、図19に示すように、中間断熱材層8Aの両面に表面板8Bを積層 したものとすることもできる。この構造の断熱材8は、中間断熱材層8Aの両面 に表面板8Bを配設しているので、中間断熱材層8Aとしてガラス繊維や木材チ ップ等を充填することができる。表面板8Bには、合板等の木材や硬質のプラス チック板、または、鉄板、アルミ箔等が使用できる。
【0037】 以上の構造で、断熱材8を、壁、床、屋根、天井等に配設してなる壁構造と床 構造と屋根構造を有する建物の一例を図20に示す。図に示す建物は、以下のよ うにして換気できる構造としている。この建物の壁構造は、建物の屋外側に位置 する外壁1と建物の室内側に位置する室内プレート2との間に中間区画壁3を設 けている。さらに、壁構造は、外壁1と中間区画壁3との間に屋外側中空部4を 設けて、中間区画壁3と室内プレート2との間に室内側中空部5を設けている。 屋外側中空部4は、上端部と下端部を建物の外部に換気できる構造として、外気 を換気できるようにしている。
【0038】 さらに、建物の床構造は、室内側の床板23と床下側に設けているプラットホ ーム24との間に隙間を設けて室内側中空部5を設けている。壁の室内側中空部 5と床の室内側中空部5とは互いに連通している。壁又は床の室内側中空部5は 、室内換気ダクト25を介して室内に連結している。室内換気ダクト25には、 麦飯石、珪藻土、活性炭、木材チップ等の濾過材43を設けて、空気を濾過して 室内に流入する構造にできる。これ等の濾過材43は交換できるように、室内換 気ダクト25の開口部又は内部に、あるいは室内側中空部に配設される。
【0039】 さらにまた、建物の屋根裏には屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26を 設けている。この屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26は、壁の室内側中 空部5に連結している。壁と床に設けている室内側中空部5と、屋根裏に設けて いる屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26とは、互いに連結されて空気を 循環できる状態としている。
【0040】 この構造の建物は、夏期と冬期、いいかえると暑いときと寒いときに、空気の 循環状態をコントロールして、室内環境を快適にする。図21は夏期、すなわち 暑いときに、屋外側中空部4と室内側中空部5に空気を循環させる状態を示して いる。図22は冬期、すなわち寒いときに、屋外側中空部4と室内側中空部5に 空気を循環させる状態を示している。
【0041】 暑い夏においては、屋外側中空部4が、図23に示すように、下部から吸入し た外気を上部から排気する。外気は、屋外側中空部4の上部に設けている軒下排 気口27から排気され、あるいは屋根の棟部に連結している棟排気ダクト28で 排気する。屋外側中空部4は、加温された空気が上昇するので、上部を開口して 自然に排気される。ただ、ファンで強制的に排気することもできる。ファンで強 制排気して、多量の空気を排気できる。
【0042】 室内側中空部5に連結している屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に は加熱された空気が溜る。加熱された屋根の室内側中空部である天井裏ダクト2 6の空気は、排気ファン29で強制的に排気される。排気ファン29は、建物の 側面に、あるいは軒下に吸入した空気を排気する。排気ファン29は、屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26の排気量を制御しながら、効率よく排気でき る。排気ファン29の運転は、たとえば、屋根の室内側中空部である天井裏ダク ト26の空気温度を検出する温度センサー39で制御される。温度センサー39 は、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気温度が設定温度よりも高 くなると排気ファン29を運転させ、設定温度よりも低くなると運転を停止させ る。さらに、排気ファン29の運転は、空気の湿度を検出する湿度センサー(図 示せず)で制御することもできる。湿度センサーは、屋根の室内側中空部である 天井裏ダクト26の空気の湿度を検出して、空気の湿度が設定値よりも高くなる と排気ファン29を運転させ、設定値よりも低くなると運転を停止させる。さら に、排気ファン29の運転は、温度と湿度の両方を検出するセンサーで制御する こともできる。ただ、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気は、排 気ファンを使用しないで、自然に排気することもできる。屋根の室内側中空部で ある天井裏ダクト26の空気を自然に排気するには、屋根の室内側中空部である 天井裏ダクト26をダクト(図示せず)で建物外に連結する。加熱されて軽くな った屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気は、ダクトを通過して建 物外に排気される。
【0043】 屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26から空気が排気されると、室内側 中空部5には、プラットホーム24を貫通して床下に開口している吸入口30か ら自然に空気が吸入される。床下は、図20に示すように、基礎45あるいは土 台を貫通して開口された貫通孔46を介して建物の外部と連通されている。外気 は、この貫通孔46を通過して床下に吸入されて、吸入口30から室内側中空部 5に吸入される。この図の建物は、プラットホーム24を貫通する吸入口30か ら外気を室内側中空部5に流入させているが、室内側中空部5には、図の鎖線で 示すように、壁の室内側中空部5の下部と屋外側中空部4を連結している吸入口 30に通過させて、又は壁の室内側中空部5の下部と建物外を連結している吸入 口30に通過させて、屋外側中空部4の空気、または建物外の空気を吸入させる こともできる。
【0044】 室内空気を換気するときは、室外換気ダクト31に通過させて室内空気を屋外 側中空部5に強制的に排気し、あるいは屋外換気ダクト32に通過させて建物外 に強制的に排気する。室内側中空部5の空気が強制的に排気されると、室内の圧 力が低下するので、室内には自然に室内換気ダクト25を通過して室内側中空部 5の空気が吸入される。以上の構造とは反対に、室内換気ダクト25から強制的 に室内に空気を供給して、室内空気を室外換気ダクト31や屋外換気ダクト32 から排気することもできる。空気を強制的に排気し、あるいは供給するには、室 外換気ダクト31や屋外換気ダクト32にファン(図示せず)を連結し、このフ ァンで強制送風する。
【0045】 暑い夏において、外気は、以下の、、のいずれかの経路で室内側中空部 5を通過する。 床下→吸入口30→床の室内側中空部5→壁の室内側中空部5→屋根の室内 側中空部5→屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→建 物外 建物外→吸入口30→壁の室内側中空部5→屋根の室内側中空部5→屋根の 室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→建物外 建物外→吸入口30→床の室内側中空部5→壁の室内側中空部5→屋根の室 内側中空部5→屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26→排気ファン29→ 建物外
【0046】 また、暑い夏において、外気は、以下のまたはの経路で屋外側中空部4を 通過する。 建物外→屋外側中空部4の下部→屋外側中空部4→軒下排気口27→建物外 建物外→屋外側中空部4の下部→屋外側中空部4→棟排気ダクト28→建物 外
【0047】 寒い冬期において、屋外側中空部4の空気は、棟排気ダクト28から排気しな い。屋根で加温された空気の熱エネルギーを有効利用するためである。ただ、空 気を自然に排気する構造の軒下排気口27は、壁の上部で屋外側中空部4の空気 を建物外に排気する。屋根に設けている屋外側中空部4には太陽熱で加熱された 空気が溜る。したがって、屋根に溜る暖かい空気は、屋根の室内側中空部である 天井裏ダクト26に供給される。
【0048】 壁の室内側中空部5に連結している屋根の室内側中空部である天井裏ダクト2 6には、加温された空気が蓄えられる。太陽熱で加温されると共に、屋外側中空 部4から加温された暖かい空気が供給されるからである。屋根の室内側中空部で ある天井裏ダクト26の暖かい空気は、循環ファン33で室内側中空部5に循環 される。循環ファン33は、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の暖か い空気を、床の室内側中空部5、あるいは壁の室内側中空部5の下部に供給して 、室内側中空部5で循環させる。以上のように、屋根の屋外側中空部4で加温さ れた空気は、壁や床の室内側中空部5に循環されて、熱エネルギーを有効利用す る。
【0049】 室内側中空部5を循環する空気の一部は、室内換気ダクト25を通過して室内 に流入され、室内空気は室外換気ダクト31を介して屋外側中空部4に排気され 、あるいは屋外換気ダクト32を介して建物外に排気される。ただし、火災が発 生したとき、排気ファン29と循環ファン33は運転を停止する。
【0050】 屋根の屋外側中空部4の下部には軒下排気口27を設けている。屋根の屋外側 中空部4の下部は、壁の屋外側中空部4の上部に連結される。したがって、軒下 排気口27は、壁の屋外側中空部4の上部に連結される。軒下排気口27は、雨 水が侵入しないように軒下に開口される。軒下排気口27は、壁の屋外側中空部 4で暖かくなった空気を、屋外に排気する。壁の屋外側中空部4は、内部の空気 を加温するので、下端から外気を吸入して軒下排気口27から屋外に排気して換 気する。図の建物は、壁の屋外側中空部4で暖められた空気の一部を、軒下排気 口27から屋外に排気し、残りの一部を屋根の屋外側中空部4に流入させる。本 考案の建物は、必ずしも軒下排気口27を設ける必要はない。軒下排気口27の ない建物は、壁の屋外側中空部4で加温された空気を、屋根の屋外側中空部4に 流入させる。図の建物は、屋根に設けている屋外側中空部4の上部を、棟排気ダ クト28に連結している。棟排気ダクト28は、屋根の棟部に設けられて、暑い 夏期に、屋根の屋外側中空部4の上部から加熱された空気を建物外に排気する。 棟排気ダクト28は、寒い冬期には、屋外側中空部4の空気を屋外に排気しない 。棟排気ダクト28は、温度により、あるいは季節により、屋外側中空部4の空 気の排気を制御する。
【0051】 図23〜図25の建物は、屋根に設けている屋外側中空部4の上部を、連結ダ クト38を介して屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に連結している。 図24と図25の建物は、天井板の上で屋根裏のほぼ全体を室内側中空部である 天井裏ダクト26としている。そして、屋根の屋外側中空部4を棟までは延長す ることなく、屋根の中間まで延長して、屋根の屋外側中空部4の上部を屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26に連結している。さらにこれ等の図に示す建 物は、屋外側中空部4に、夏期の暑い空気を排気する排気ファン29を設け、冬 期に屋根の屋外側中空部4の暖かい空気を室内側中空部5に強制送風する循環フ ァン33を設けている。
【0052】 循環ファン33は冬の寒いときに、屋根の屋外側中空部4で加温されて暖かく なった空気を、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26から、建物の北側に 位置する寒い壁の室内側中空部5に循環させる。ただ、循環ファン33は必ずし も北側の壁の室内側中空部に空気を強制送風する必要はなく、たとえば、図示し ないが、部屋を区画している間仕切壁に暖かい空気を強制送風することもできる 。排気ファン29と循環ファン33は、温度センサー39で運転が自動的に制御 され、あるいは室内に設けられる操作スイッチ、あるいはリモートコントロール 用の操作スイッチで運転が制御される。
【0053】 冬の寒いときには、温度センサー39は、排気ファン29の運転を停止して、 循環ファン33を運転して、図24に示すよう空気を循環させる。また手動スイ ッチやリモコンで同じように排気ファン29と循環ファン33を制御することも できる。このように運転されると、循環ファン33は、屋根で暖かく加温された 空気を吸入して、壁の室内側中空部5に強制的に循環させる。循環ファン33で 強制送風される暖かい空気は、壁の室内側中空部5から床の室内側中空部5を通 過し、壁、あるいは屋根の下部において、室内側中空部5から屋外側中空部4に 流入して、屋根の屋外側中空部4に流入して再加温され、再び循環ファン33で 強制送風される。屋根は、図24に示すように、中間区画壁3に貫通孔44を設 けて、室内側中空部5の空気を屋外側中空部4に流入できる。貫通孔は、図示し ないが壁の中間区画壁に設けることもできる。また、壁の中間区画壁3は、空気 中の湿度で伸縮する天然木材3Aを使用してできる換気隙間7から、室内側中空 部5から屋外側中空部4に空気を流入させることもできる。
【0054】 夏期の暑いときは、循環ファン33の運転を停止して、排気ファン29を運転 する。排気ファン29は、図25の矢印で示すように、屋根の屋外側中空部4の 空気を強制的に排気して、屋根を涼しくする。さらに、排気ファン29は、屋根 の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気が暑くなると、このことを温度セ ンサー39で検出して、天井裏ダクト26の空気を建物外に排気することもでき る。この場合、循環ファン33を逆回転させて、天井裏ダクト26から屋根の屋 外側中空部4に送風することもできる。ただし、連結ダクト38にシャッター( 図示せず)を設けて、循環ファン33を運転することなく、シャッターを開いて 、天井裏ダクト26から屋外側中空部4に空気を流入させることもできる。シャ ッターは、連結ダクト38に空気を通過させるときに開かれ、連結ダクト38に 空気を通過させないとき、たとえば、排気ファン29を運転して天井裏ダクト2 6の空気を排気しないときに閉じられる。
【0055】 図23の建物は、夏期の暑いときには、屋根の室内側中空部である天井裏ダク ト26の空気を連結ダクト38に通過させて、屋外側中空部4に流入させて棟排 気ダクト28から屋外に排気する。図24と図25の建物は、屋外側中空部4と 天井裏ダクト26とを連結ダクト38で連結しているので、屋外側中空部4に設 けた排気ファン29が、屋外側中空部4と天井裏ダクト26の両方の空気を建物 外に排気できる。ただし、本考案の建物は、屋根の屋外側中空部の空気と天井裏 ダクト26の空気を別々に建物外に排気することもできる。この建物は、屋根の 屋外側中空部と天井裏ダクトとを連結ダクトで連結する必要がない。この建物は 、図20ないし図22に示すように、屋根の屋外側中空部4の空気を棟排気ダク ト28で建物外に排気して、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26の空気 を排気ファン29で強制的に屋外に排気する。図21と図22の建物は、屋根の 室内側中空部である天井裏ダクト26の空気を排気するために、排気を制御でき る排気ファン29を屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に連結している 。排気ファン29は、暑い夏期に、室内側中空部である屋根の室内側中空部であ る天井裏ダクト26の空気を建物外に排気する。
【0056】 図23の建物も、図24と図25の建物のように、屋外側中空部4と屋根の室 内側中空部である天井裏ダクト26とを連結する連結ダクト38を設けているの で、寒い冬期には、屋根の屋外側中空部4で加温された空気を棟排気ダクト28 で屋外に排気することなく、屋根の室内側中空部である天井裏ダクト26に流入 して、壁と床の室内側中空部5に循環させることができる。
【0057】 壁と床と屋根に、室内側中空部5を設けている建物は、夏期と冬期に理想的な 環境にできる。図22と図24の建物は、寒い冬期に、屋根に設けている循環フ ァン33で、屋根で暖められた空気を、壁と床の室内側中空部5に循環して、建 物の壁面を暖かくできる。室内側中空部5は、中間区画壁3と防水シート6を介 して屋外側中空部4に連結されるので、湿度が低いときは、屋外側中空部4と室 内側中空部5とが換気されて、室内を快適にできる。また、夏期においては、屋 根の屋外側中空部4の空気を外部に排気して、建物を涼しくできる。
【0058】 さらに、図22に示すように、空気の循環路に空気を加熱したり、あるいは冷 却する熱交換器22を設けて、室内側中空部5に循環させる空気を快適な温度に 制御することができる。室内側中空部5の空気は、内装材を透過し、あるいは内 装材の隙間を通過して室内に循環される。また、室内側中空部5と室内を換気量 を制御できる換気ダクトを連結して、室内側中空部5と室内とで空気を循環させ ることができる。
【0059】 さらに、建物は、図26と図27に示すように、軒下排気口に代わって、屋外 垂直排気ダクト47を設けることもできる。図の建物は、二階建ての建物の壁面 に、一階の土台部分から二階の屋根部分まで延長して屋外垂直排気ダクト47を 設けている。屋外垂直排気ダクト47は、壁の屋外側中空部と屋根の屋外側中空 部4とに加えて、一階の床下と二階の床下とを連結している。この屋外垂直排気 ダクト47は、暑い夏期に、屋外側中空部4や二階の床下で暖かくなった空気を 上端開口部から屋外に排気する。さらに、屋外垂直排気ダクト47は、下端から 一階の床下の空気や外気を吸入して屋外に排気して換気する。この屋外垂直排気 ダクト47は、寒い冬期には、屋外側中空部4の空気を屋外に排気しない。屋外 垂直排気ダクト47は、温度や湿度により、あるいは季節により、屋外側中空部 4の空気の排気を制御する。
【0060】 さらに、建物は、図20に示すように、室内側中空部5に充填部材48を充填 することもできる。ここに充填される充填部材48は、マイナスイオンを発生さ せるものが使用できる。充填部材48は、たとえば、スギ、マツ等の針葉樹の木 材チップである自然素材や活性炭、竹炭等である。これらの充填部材48は、た とえば、床の室内側中空部5と壁の室内側中空部5に充填される。室内側中空部 5に充填された充填部材48から発生するマイナスイオンは、室内換気ダクト2 5を通過して室内に供給される。このように、室内にマイナスイオンを含む空気 を供給するシステムは、活性酸素等の有害物質を除去して快適な生活空間を実現 できる。
【0061】
【考案の効果】
本考案の胴縁は、簡単かつ容易に、しかも能率よく断熱材を固定できると共に 、優れた断熱特性を実現できるように固定できる特長がある。それは、本考案の 胴縁が、断熱材の側縁部を入れる凹部と、凹部に入れた断熱材の表面に向かって 突出された保持凸条とを側面に備えており、凹部に入れた断熱材を取付パネルと 保持凸条とで挟着して取付パネルに固定し、あるいは、凹部を側面の中間に縦方 向に延長して設けたセンター溝として、この凹部に入れた断熱材を両側に設けた 保持凸条で挟着して取付パネルから離して固定しているからである。
【0062】 これらの構造の胴縁は、凹部に入れた断熱材の側縁部を、保持凸条と取付パネ ルで挟着し、あるいは凹部の両側の保持凸条で挟着するので、この部分に隙間が できるのを確実に阻止しながら取付パネルに固定できる。とくに、この胴縁は、 凹部に入れた断熱材の側縁部の表面を保持凸条で被覆する状態で保持して取付パ ネルに固定するので、断熱材の寸法に多少の誤差があっても、その誤差を凹部で 吸収しながら取付パネルに固定できる。したがって、簡単かつ容易に、しかも極 めて能率よく断熱材を取付パネルに固定しながら、長期間にわたって柱と断熱材 との間に隙間ができるのを阻止して優れた断熱特性を実現できる。さらに、本考 案の胴縁は、取付パネルに直接に固定して断熱材を固定するので、取付パネルと 対向する面に対向パネルとして外壁等の重いパネルを強固に固定できる特長もあ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の建物の壁構造を示す概略断面図
【図2】図1に示す壁構造の要部拡大断面図
【図3】本考案の一実施例にかかる胴縁で断熱材を固定
する壁構造を示す水平断面図
【図4】図3に示す壁構造の一部を除去した状態を示す
斜視図
【図5】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図6】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図7】図5に示す壁構造の垂直断面図
【図8】壁構造の他の一例を示す垂直断面図
【図9】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図10】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図11】壁構造の他の一例を示す水平断面図
【図12】本考案の他の実施例にかかる胴縁で断熱材を
固定する床構造を示す垂直断面図
【図13】床構造の他の一例を示す断面斜視図
【図14】床構造の他の一例を示す垂直断面図
【図15】本考案の他の実施例にかかる胴縁で断熱材を
固定する床構造を示す垂直断面図
【図16】本考案の他の実施例にかかる胴縁で断熱材を
固定する床構造を示す垂直断面図
【図17】本考案の他の実施例にかかる胴縁で断熱材を
固定する屋根構造を示す垂直断面図
【図18】屋根構造の他の一例を示す垂直断面図
【図19】断熱材の他の一例を示す断面図
【図20】本考案の一実施例にかかる胴縁で断熱材を固
定している建物の概略断面図
【図21】図20に示す建物が夏期に空気を循環させる
状態を示す図
【図22】図20に示す建物が冬期に空気を循環させる
状態を示す図
【図23】建物の他の一例を示す概略断面図
【図24】建物の他の一例を示す概略断面図
【図25】建物の他の一例を示す概略断面図
【図26】建物の他の一例を示す側面図
【図27】図26に示す建物の概略断面図
【符号の説明】
1…外壁 1A…外壁材 1B
…下地サイディング 2…室内プレート 2A…土壁 3…中間区画壁 3A…天然木材 4…屋外側中空部 5…室内側中空部 6…防水シート 7…換気隙間 8…断熱材 8A…中間断熱材層 8B
…表面板 9…連結凸条 10…連結溝 11…胴縁 12…保持凸条 13…縦溝 14…柱 14A…間柱 15…筋かい 16…下地材 17…凹部 18…たる木 19…下地材 20…屋根材 22…熱交換器 23…床板 24…プラットホーム 25…室内換気ダクト 26…屋根の室内側中空部である天井裏ダクト 27…軒下排気口 28…棟排気ダクト 29…排気ファン 30…吸入口 31…室外換気ダクト 32…屋外換気ダクト 33…循環ファン 34…床暖房シート 35…暖房パネル 36…横溝 37…ゴム状弾性シート 38…連結ダクト 39…温度センサー 40…取付パネル 41…対向パネル 42…枠付パネル 42A…構造体合板 42
B…取付枠 43…濾過材 44…貫通孔 45…基礎 46…貫通孔 47…屋外垂直排気ダクト 48…充填部材

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の壁、床、屋根、天井のいずれかを
    断熱するために、建物の取付パネル(40)に断熱材(8)を
    固定する胴縁であって、断熱材(8)の側縁部を案内する
    凹部(17)と、側縁部を凹部(17)に入れた断熱材(8)の表
    面に向かって突出されて、断熱材(8)を取付パネル(40)
    の表面に固定するための保持凸条(12)とを側面に備えて
    おり、 取付パネル(40)に固定されて、凹部(17)に入れた断熱材
    (8)を取付パネル(40)と保持凸条(12)とで挟着して固定
    するようにしてなる胴縁。
  2. 【請求項2】 横断面図形状をT字状として、両側面に
    凹部(17)と保持凸条(12)とを設けている請求項1に記載
    される胴縁。
  3. 【請求項3】 建物の壁、床、屋根、天井のいずれかを
    断熱するために、建物の取付パネル(40)に断熱材(8)を
    固定する胴縁であって、断熱材(8)の側縁部を案内する
    凹部(17)と、側縁部を凹部(17)に入れた断熱材(8)の表
    面に向かって突出されて、断熱材(8)を取付パネル(40)
    の表面に固定するための保持凸条(12)とを側面に備えて
    おり、凹部(17)は側面の中間に縦方向に延長して設けた
    センター溝で、このセンター溝の両側に保持凸条(12)を
    設けており、 取付パネル(40)に固定されて、凹部(17)に入れた断熱材
    (8)を両側の保持凸条(12)で挟着して、取付パネル(40)
    から離して固定するようにしてなる胴縁。
  4. 【請求項4】 断熱材(8)との対向面に縦溝(13)を設け
    ている請求項1ないし3に記載される胴縁。
  5. 【請求項5】 取付パネル(40)との対向面に縦溝(13)を
    設けている請求項1ないし4に記載される胴縁。
  6. 【請求項6】 取付パネル(40)の反対側に配設される対
    向パネル(41)との対向面に縦溝(13)を設けている請求項
    1ないし4に記載される胴縁。
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