JPH1181509A - 建造物の断熱壁構造 - Google Patents

建造物の断熱壁構造

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JPH1181509A
JPH1181509A JP24286697A JP24286697A JPH1181509A JP H1181509 A JPH1181509 A JP H1181509A JP 24286697 A JP24286697 A JP 24286697A JP 24286697 A JP24286697 A JP 24286697A JP H1181509 A JPH1181509 A JP H1181509A
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JP
Japan
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heat insulating
wall
ventilation
layer
air
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JP24286697A
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English (en)
Inventor
Akihiro Miyata
明宏 宮田
Shigeyuki Takahashi
重之 高橋
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内空気を利用して、木造住宅の壁の結露や
高湿度化を抑制し、木造住宅の耐久性を向上させる。 【解決手段】 基礎部1および軸組部2の屋外側に、断
熱材(合成樹発泡体など)3aで構成された断熱層3を
連続して張り巡らし、この断熱層の室内側に内装材5を
配設し、前記断熱層3と内装材5との間に通気層(壁内
通気層)7を形成する。前記通気層7は、室内空気を吸
気して屋外に排気可能であるとともに空調可能な自動換
気装置11の吸気口と通じている。そのため、木造住宅
に形成した通気層7を利用して、室内空気を下方から上
方へ通気させ、壁内の結露や高湿度を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸組構法による木
造住宅などの建造物(建築物)の断熱壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギーの必要性とともに、住宅の
高気密、高断熱化が進んでいる。在来軸組構法による木
造住宅の高断熱化のため、柱などの軸組部の間に断熱材
を充填する内断熱工法や、基礎部および軸組部の屋外側
に断熱材を連続して張り巡らした外断熱工法において、
断熱層の厚みを増加させたり、より高い断熱性能の断熱
材を使用することが検討されている。特に、外断熱工法
では、断熱層が住宅全体を外側から包み込むため、内断
熱工法に比べて、軸組部からの熱損失が少なく、さら
に、高断熱化が可能である。
【0003】一方、気密化の手段としては、柱などの軸
組部の内側又は外側にポリエチレンシートなどの防湿層
を張設したり、発泡プラスチック系断熱材を外断熱工法
で張設して断熱材の合わせ部分をシールすることが行わ
れている。また、高断熱・高気密化住宅では、極力熱損
失が少ない状態で快適な居住空間を維持するために、住
宅内外の通気を極力抑制して室内空気の空調を行い、生
活に必要な量の換気は計画的に行われている。しかし、
高断熱・高気密化された住宅で使用されているポリエチ
レンシートや発泡プラスチック系断熱材は、透湿抵抗の
大きい材料であり、通気を防止するとともに水蒸気の透
過も妨げる。そのため、発泡プラスチック系断熱材を用
いて外断熱工法により断熱層を形成した木造住宅では、
内装材と断熱材で挟まれた壁内の空間は空気の流通のな
い空間となり、万一、高湿度の空気が壁内部に侵入する
と、壁内部が高い湿度状態になりやすく、壁内結露や木
材腐朽菌の発生を誘発しやすくなる。
【0004】実開平2−5514号には、太陽熱や風圧
などの自然エネルギーを利用する空気循環構法として、
断熱材により区画される外側通気層と内側通気層とを有
し、内側通気層が屋根裏空間および床下空間と常時連通
した建築物の断熱構造が提案されている。この文献に
は、冬は壁面、屋根面で太陽熱を吸収し、その熱で内側
通気層に空気を循環させ、夏は床下空間に取り込んだ外
気を内側通気層に循環させることで、壁内部が結露する
ことのを防止することが記載されている。しかし、前記
構造では、雨天や曇天時には、太陽熱を利用して効率よ
く空気循環することが困難となる。また、梅雨などの外
気が高温多湿の時候には、温度、湿度の高い外気を床下
から取り込んで壁内空間に循環させることになり、壁内
空間、特に外気を取込む床下付近や土台付近が高湿度状
態になるおそれがある。
【0005】壁内結露を防ぐ手段として、壁の外装材側
に外側通気層用の空間を設け、風力と太陽熱を空気移動
のエネルギー源として利用し、前記空間(を上下に通気
させる外側通気層)により、水蒸気を屋外に放出させる
通気構法が知られている。しかし、この通気構法では、
2階建て住宅では通気抵抗が相当大きくなるため、風力
換気はあまり期待できず、主に、日射により壁面が暖め
られることを利用した温度差換気である。そのため、非
日射側の換気はあまり期待できない。さらに、壁の外装
材側に空間を設けるため、胴縁などの通気層を構成する
材料のみならず、外側通気層を形成するため壁の厚みが
外側に厚くなり、外装材や敷地が余分に必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、室内空気を壁内に通気させ、壁内結露や壁内の高湿
化を抑制でき、建築物(特に木造住宅などの木造建築
物)の耐久性を向上できる建造物の断熱壁構造を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、外断熱工法および
在来の軸組構造をそのまま生かした比較的簡単な壁構造
により、壁内結露を有効に抑制できる建造物の断熱壁構
造を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、
壁内結露防止のための外通気層を利用することなく、壁
内結露を防止できる建造物の断熱壁構造を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、基礎部ならびに軸組部
の屋外側に断熱層を張り巡らした軸組構法による木造住
宅において、断熱層の室内側と内装材との間(以下、壁
内と称する場合がある)を通気層(以下、壁内通気層と
称する場合がある)と利用して、室内空気を室外に排気
すると、壁内から高湿度の空気を排出でき、壁内と室内
とを同じ温湿度環境に維持して高湿度化を防止できるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の建造物の断熱壁構造
は、断熱材で構成され、かつ基礎部および軸組部の屋外
側に張り巡らされた断熱層と、この断熱層の室内側に配
設された内装材と、前記断熱層と内装材との間に形成さ
れ、かつ室内空気を下方から上方へ通気させるための通
気層とを備えている。この通気層は、室内空気を吸気し
て屋外に排気可能な自動換気装置の吸気口と通じていて
もよい。このような断熱壁構造は、木造住宅に好適に適
用される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の一例を示す木造住宅の
概略断面図である。この住宅は外断熱工法による木造住
宅であり、その断熱壁構造は、住宅の基礎部1と、この
基礎部上に構築され、かつ柱などで構成された軸組2
と、前記基礎部1および軸部2の外側に連続して張巡ら
された断熱層3と、この断熱層の外側に設けられた外装
材4と、前記軸部2の内側に設けられた内装材5とを備
えており、前記柱などに対応する壁部6において、断熱
層3と内装材5との間には壁内通気層7が形成されてい
る。すなわち、断熱材3aで構成された断熱層3の室外
側に通気層を形成することなく外装材4が配設されてい
る。なお、前記断熱層3は屋根裏にも張り巡らされてお
り、断熱気密構造の木造住宅を構成している。前記断熱
層3は、断熱材3aと、耐水合板などの耐水材又は防水
材で構成された外装下地材3bとの複合体で構成されて
いる。
【0010】また、内装材5の下部には、壁内通気層7
と連通した下部空気口8が形成されているとともに、前
記壁内通気層7は、上部通気口9を介して、上部の屋根
裏空間のダクト10に通じている。このダクト10は屋
外(この例では、屋上)に通じており、屋根裏空間にお
いて、ダクト10の途中部には空調可能な換気装置(自
動換気装置又は計画換気装置)11が設けられている。
すなわち、通気層7は、室内空気を吸気して屋外に排気
可能な自動換気装置11のうち吸気口と通じている。こ
の換気装置10の作動および制御量はコンピュータによ
り制御されており、計画的に室内の空調および換気が可
能である。さらに、木造住宅の壁面には、前記換気装置
10により所定量の室内空気を屋外に排出しつつ、排出
された空気相当量を室内に自然に給気するための給気口
12aが形成されている。
【0011】前記断熱層3の目地部のうち室内側および
屋外側の少なくとも一方の目地部13、および断熱層3
と軸組2との間には、壁内への外気の侵入を防止するた
め、気密材14による気密処理が施されている。
【0012】このような断熱壁構造では、室内空気を、
下部通気口8から壁内通気層7に取り込み、上部通気口
9,ダクト10を通じて、換気装置11に導き、屋外に
排出することができる。そのため、上記壁内通気層7に
室内空気を通気させることにより、壁内と室内とを同じ
温度湿度環境に維持でき、空気の流通により壁内結露お
よび木材腐朽菌の発生を防止できる。また、壁内通気層
7を設けることにより、万一、外装材4および断熱層3
を通して雨水が壁内部に侵入したとしても、壁内通気層
7により水蒸気として効率よく排出できる。そのため、
壁内部に侵入した水蒸気を屋外に放出させため、断熱材
の室外側(すなわち、壁の外装材側)に上下に通気可能
な外側通気層を形成することなく、壁内での結露や高湿
度化を有効に防止できる。
【0013】前記の例では、断熱層が連続して張り巡ら
されているが、例えば、断熱材の側面に木枠(又は木
部)を有する断熱材を、軸組部の屋外側に張設する場合
などにおいては、断熱層を連続して張り巡らせる必要は
ない。また、断熱材3aの内壁が通気層に露呈している
が、断熱材の内壁には板材を積層してもよく、この板材
は気密性を有していてもよい。図2は他の木造住宅の断
熱壁構造を示す概略断面図である。なお、以下の説明に
おいて、図1と同一の部材や要素には同一の符号を付し
て説明する。この例では、軸組2(又は壁部6)の外側
には、板材(又はシート材)15を介して断熱層3が配
置されている。すなわち、断熱層3の断熱材3aの内面
には板材(又はシート材)15が積層され、この板材
(又はシート材)と内装材5との間に通気層7が形成さ
れている。
【0014】図3は本発明の他の例を示す概略断面図で
あり、この例では、図1と同様の断熱壁構造を備えてい
るが、換気装置11に代えて、熱交換タイプの空調可能
な換気装置(計画換気装置又は自動換気装置)16を配
置している。この換気装置16は、コンピュータにより
制御されており、屋外(この例では屋上)に通じる給気
口12bから取り入れた空気を室内環境に適した温度湿
度に空調し、ダクト17により室内に必要な量だけ自動
的又は 計画的に供給する。また、室内空気は、図1に
示す構造と同様に、下部通気口8、壁内通気層7、上部
通気口9、ダクト10を順次通って換気装置16から屋
外に排出される。この換気装置では、通気層7を通じて
排出される室内空気の温度は、屋外温度よりも室内温度
に近いので、熱エネルギーを有効に利用している。すな
わち、換気装置16においては、室内温度に近く、しか
も通気層7を通じて排出される室内空気を利用して、熱
交換により、屋外から取込まれる空気の温度を調整可能
である。なお、排出される空気は、供給される空気の熱
交換に利用され、換気装置において直接混合することは
ない。
【0015】前記断熱材3aとしては、繊維状断熱材
(グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー
などの繊維材料で形成された断熱材)、合成樹脂発泡体
(発泡ポリオレフィン(発泡ポリエチレン、発泡ポリプ
ロピレンなど)、発泡ポリウレタン、発泡スチレン系樹
脂(発泡ポリスチレンなど)、発泡ポリ塩化ビニル樹
脂、発泡フェノール樹脂などの合成樹脂発泡体)、ガラ
スやセメント系材料などの無機質発泡体や中空層を有す
る板状体などが利用できる。好ましい断熱材は、非通気
性の独立気泡構造の発泡体(特に合成樹脂発泡体)が好
ましい。これらの発泡体のうち、剛性と透湿抵抗および
断熱性の高いスチレン系樹脂発泡体、特に押出し発泡ポ
リスチレンボードを用いるのが効果的である。
【0016】前記断熱層3の外装下地材3bは必ずしも
必要ではないが、外装下地材としては、紙、不織布、プ
ラスチックフィルムやシート、合板(耐水合板など)、
木片セメント板、繊維強化セメント板などであってもよ
く、外装下地材は断熱材と一体化して複合体(積層体)
を構成していてもよい。雨水の侵入を防止するために
は、外装下地材として防水性シート(プラスチックフィ
ルムやシート、耐水合板など)を利用するのが有利であ
る。
【0017】前記外装材4としては、通常、例えば、モ
ルタル、タイル張り、サイディングなどが利用できる
が、外装材を固定するため、外装材と断熱層との間に胴
縁などの固定部材を必要とする場合には、外装材の種類
は特に制限されない。
【0018】前記気密材14としては、目地部な隙間を
気密に封止可能な種々の封止材、例えば、アスファルト
系やブチルゴム系材料などで構成された気密テープ、軟
質ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ゴムフォ
ームなどで構成されたクッション性シート、これらのク
ッション性シートに防水剤(アスファルトなど)を含浸
させた含浸シートなどが利用できる。
【0019】板材(又はシート材)15としては、例え
ば、ボード類(耐水合板、構造用合板などの合板、配向
繊維ボードOSB(Oriented Strand Board)、木片セ
メント板、繊維強化セメント板など)、紙、不織布、プ
ラスチックフィルムやシートなどであってもよい。板材
又はシート材は断熱材と一体化して複合体(積層体)を
構成していてもよい。通気層の通気抵抗を低減するため
には、表面が平滑な板材又はシート材を利用するの有利
である。また、万一、通気層が高湿度となったときでも
通気により迅速に水分を排気するためには、表面が平滑
であり、かつ防水性の板材又はシート材(プラスチック
フィルムやシート、耐水合板など)を利用するのが有利
である。
【0020】本発明の建造物の断熱壁構造は、種々の建
築物(コンクリート建築住宅など)に適用できるが、特
に、基礎部ならびに軸組部の屋外側に断熱層を張り巡ら
した木造住宅に好適であり、木造住宅は、2階建て住宅
などの複数階建て住宅であってもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明では、基礎部および軸組部の外側
に張り巡らされた断熱層と内装材との間に通気層を形成
しているので、室内空気を通気層に通気させ、壁内結露
や壁内の高湿化を抑制でき、建築物(特に木造住宅)の
耐久性を向上できる。また、外断熱工法および在来の軸
組構造をそのまま生かすことができ、比較的簡単な断熱
壁構造により、壁内結露を有効に抑制できる。さらに、
壁内結露防止のための外通気層を利用することなく、壁
内結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一例を示す木造住宅の概略断面
図である。
【図2】図2は本発明の他の例の断熱壁構造を示す概略
断面図である。
【図3】図3は本発明の他の例を示す木造住宅の概略断
面図である。
【符号の説明】
1…基礎部 2…軸組 3…断熱層 3a…断熱材 3b…外装下地材 4…外装材 5…内装材 6…壁部 7…壁内通気層 8…下部通気口 9…上部通気口 10,17…ダクト 11,16…換気装置 12a,12b…給気口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱材で構成され、かつ基礎部および軸
    組部の屋外側に張り巡らされた断熱層と、この断熱層の
    室内側に配設された内装材と、前記断熱層と内装材との
    間に形成され、かつ室内空気を下方から上方へ通気させ
    るための通気層とを備えている建造物の断熱壁構造。
  2. 【請求項2】 断熱層が連続して張り巡らされている請
    求項1記載の建造物の断熱壁構造。
  3. 【請求項3】 断熱材が合成樹発泡体で構成されている
    請求項1記載の建造物の断熱壁構造。
  4. 【請求項4】 通気層が、室内空気を吸気して屋外に排
    気可能な自動換気装置の吸気口と通じている請求項1記
    載の建造物の断熱壁構造。
  5. 【請求項5】 断熱材の室外側に通気層を形成すること
    なく外装材が配設されている請求項1記載の建造物の断
    熱壁構造。
  6. 【請求項6】 建造物が木造住宅である請求項1記載の
    建造物の断熱壁構造。
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