JP2000054518A - 通気性を有する建築物の構造 - Google Patents

通気性を有する建築物の構造

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JP2000054518A
JP2000054518A JP10227427A JP22742798A JP2000054518A JP 2000054518 A JP2000054518 A JP 2000054518A JP 10227427 A JP10227427 A JP 10227427A JP 22742798 A JP22742798 A JP 22742798A JP 2000054518 A JP2000054518 A JP 2000054518A
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cloth
ventilation layer
insulating material
insulating plate
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Masao Ishii
井 正 夫 石
Tadashi Obayashi
林 只 志 大
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高断熱化および高気密化を図ることが可能であ
り、しかも室内側の通気層を独立して温度制御すること
が可能であり、好ましい室内温熱環境を形成することが
可能でありながら、特に床下空間における結露の発生が
少なく、さらには構造部内の通気性にも優れた通気性を
有する建築物の構造を提供する。 【解決手段】外周布基礎1を構成する布部の内側に、布
部内側断熱板5が張り巡らされ、ベタ基礎部分30の上
面に、布部内側断熱板5に当接するようにベタ基礎上面
断熱板5が張り巡らされている基礎断熱構造を有し、さ
らに断熱材8の室外側に外側通気層6が、断熱材の室内
側に内側通気層7がそれぞれ形成されており、さらに、
内側通気層6と外気とを連通する連通路40が具備され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性を有する建
築物の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の高断熱化を図るために、建築物
における各部屋を包括的に囲繞するように断熱材が張設
される建築物が開発されるようになってきた。
【0003】たとえば、図7に示した建築物82では、
包括的に断熱材が張設されるとともに、床下にも断熱材
80a が張設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
建築物82にあっては、床下空間16内の温度が外気温
度と略等しくなり、床下の断熱材80a を通過してきた
湿気により土台37付近で結露が生じ易く、土台37の
耐久性を低下させる虞があった。
【0005】また、建築物の壁内結露を防止するため
に、断熱材80と外壁材84との間に外側通気層86を
設け、通気性を向上させるようにした建築物も知られて
いるが、この外側通気層86は、床下空間16に連通し
ている訳ではなく、床下空間16における結露等を有効
に防止し得るものではなかった。また、床下空間16の
通気性と保温性を向上させるために、床下の換気口88
を開閉することができる建築物も知られているが、あく
まで床下のみの換気を図るのみであるため、床下空間1
6における結露を有効に防止することができなかった。
【0006】また、図7に示す建築物の構造では、各部
屋10の周囲を断熱材80で包括的に囲繞しているため
断熱性は向上するが、室内側の内側通気層90を独立し
て温度制御することができる訳ではなく、特に通気性等
の点で問題であった。
【0007】一方、従来より外周布基礎の屋外側に外側
基礎断熱材を配置した断熱建築物が実施されているが、
この場合、住宅の木材などからなる、梁、床、柱、外装
材などの建築部材を食い荒らす白アリは、地中1mの深
さに巣を作り、水分と食料である木材を求めて、発泡樹
脂断熱材の露出部分から発泡樹脂断熱材中に蟻道を形成
して、基礎上を上方に移動して、基礎上に設けられた建
屋の建築部材を食い荒らしてしまうおそれがある。その
ため、発泡樹脂断熱材自体が蟻道のために、断熱性が低
下するとともに、外観なども悪くなり、建築物の強度、
耐久性を劣化させ、その結果、建築物の寿命を低下させ
てしまうことにもなる。
【0008】本発明は、上述した問題点を有効に解決す
べく創案するに至ったものであって、その目的とすると
ころは、高断熱化および高気密化を図ることが可能であ
り、しかも室内側の通気層を独立して温度制御すること
が可能であり、好ましい室内温熱環境を形成することが
可能でありながら、特に床下空間における結露の発生が
少なく、さらには構造部内の通気性にも優れた通気性を
有する建築物の構造を提供することを目的としている。
【0009】また、本発明では、地中に棲息する白蟻
が、外周布基礎の屋外側に発泡断熱層を形成した場合の
ように発泡断熱層の内部に蟻道を形成することがなく、
梁、床、柱、外装材などの建築部材を食い荒らすことが
なく、建築物の断熱性を維持できるとともに、耐久性が
向上した建築物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る通気性を有する建築物の構造は、外周布
基礎を構成する布部の内側に、布部内側断熱板が面方向
に張り巡らされているとともに、ベタ基礎部分の上面
に、前記布部内側断熱板に当接し少なくとも該ベタ基礎
部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱板が張り巡らされて
いる基礎断熱構造を有し、基礎、屋根材および外壁材の
室内側であるとともに内壁材の室外側に、断熱材が面方
向に張り巡らされることにより、この断熱材の室外側に
外側通気層が、断熱材の室内側に床下空間、小屋裏空間
およびこれらを連通する内側通気層がそれぞれ形成され
ており、前記断熱材および前記外側通気層を貫通して、
前記内側通気層と外気とを連通する連通路が具備されて
いることを特徴としている。
【0011】また、本発明に係る通気性を有する建築物
の構造は、外周布基礎を構成する布部の内側に、布部内
側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、ベタ
基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少なく
とも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱板が
張り巡らされている基礎断熱構造を有し、基礎、屋根材
および外壁材の室内側であるとともに内壁材の室外側
に、断熱材が面方向に張り巡らされることにより、この
断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室内側に床下
空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内側通気層が
それぞれ形成されており、前記内側通気層に連通してい
る床下空間と外気とが、地中に配設された連通パイプを
通して連通されることを特徴としている。
【0012】また、本発明に係る通気性を有する建築物
の構造は、外周布基礎を構成する布部の内側に、布部内
側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、ベタ
基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少なく
とも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱板が
張り巡らされている基礎断熱構造を有し、基礎、屋根材
および外壁材の室内側であるとともに内壁材の室外側
に、断熱材が面方向に張り巡らされることにより、この
断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室内側に床下
空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内側通気層が
それぞれ形成されており、前記断熱材を貫通して、内側
通気層と外気に接する熱交換部内とを連通する連通路が
具備されていることを特徴としている。
【0013】また、本発明に係る通気性を有する建築物
の構造は、外周布基礎を構成する布部の内側に、布部内
側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、ベタ
基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少なく
とも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱板が
張り巡らされている基礎断熱構造を有し、基礎、屋根材
および外壁材の室内側であるとともに内壁材の室外側
に、断熱材が面方向に張り巡らされることにより、この
断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室内側に床下
空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内側通気層が
それぞれ形成されており、前記外周基礎の布部に開閉可
能な断熱性及び気密性を具備するダンパーが取り付けて
あるとともに、上記小屋裏部の内側通気層と外気とを通
じさせる連通路が具備されていることを特徴としてい
る。
【0014】このような本発明に係る通気性を有する建
築物の構造によれば、外周布基礎を構成する布部の内側
に布部内側断熱板を張り巡らし、さらに、建築物の壁お
よび屋根を覆うように断熱材が張り巡らされていること
から、床下空間の断熱性も保持され、床下空間での結露
を有効に防止することが可能になる。
【0015】また、内側通気層を独立して温度制御可能
なため、たとえば、内側通気層を、土中の冷温を利用す
るためのクール・チューブ等と接続したり、内側通気層
の上方部を外気と連通することにより、夏季において、
床下冷気を内側通気層に通して各部屋の均一な自然冷房
を図ることができる。さらに、内側通気層を太陽熱との
熱交換機能を有する熱交換部と連通路を通して連通する
ことにより、冬季において太陽熱で暖められた空気を内
側通気層に導入して各部屋の均一な自然暖房を図ること
が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
例に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に
係る通気性を有する建築物の概略断面図、図2および図
3は同実施例に係る床下換気口付近を示す要部断面図で
ある。
【0017】図1および図2に示すように、本実施例の
建築物2では、基礎29として外周布基礎1が具備され
ている。また、外周布基礎1を構成する布部の内面に布
部内側断熱板5が張り巡らされている。そして、この外
周布基礎1の屋外側には、基礎29を構成するベタ基礎
部分30が形成されており、このベタ基礎部分30の上
面には、布部内側断熱板5の側面に当接するように、ベ
タ基礎上面断熱板60が少なくともベタ基礎部分30の
一部を覆うように張り巡らされている。
【0018】この場合、布部内側断熱板5、ベタ基礎上
面断熱板60としては、合成樹脂発泡断熱板が好まし
く、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の
合成樹脂を発泡させて得られた独立微細構造の発泡板が
好ましい。なかでも高度の剛性と断熱性および透湿抵抗
の高いポリスチレンの押出し発泡板を用いるのが効果的
である。しかしながら、断熱材8としては、上記した合
成樹脂発泡板に限らず、グラスウール、ロックウール等
を板状に形成させた繊維系のものも使用できる。また、
布部内側断熱板5、ベタ基礎上面断熱板60は、一層の
断熱材であってもよいが、断熱性能などを考慮すれば、
少なくとも二層の多層構造としてもよい。
【0019】また、布部内側断熱板5は、ベタ基礎部分
30の上面位置から、外周布基礎1を構成する布部の内
面全面に設けてもよく、また、床下換気口12を設ける
場合には、その部分の周囲を覆うように形成する。布部
内側断熱板の厚さとしては、断熱性を考慮すれば、20
〜160mm、好ましくは、30〜120mmとするの
が望ましい。
【0020】一方、ベタ基礎上面断熱板60は、外周布
基礎1を構成する布部の内面から屋内側に、200〜1
000mm、好ましくは、300〜900mmの位置ま
で設けるのが、施工効率が良く、ベタ基礎部分30に蓄
熱した冷熱が放散せず、熱ロスを少なくし、蓄熱効果を
十分得られる。また、ベタ基礎上面断熱板60の厚さと
しては、地域により異なるが断熱効果を考慮すれば、2
0〜160mm、好ましくは、本州地区においては、3
0〜120mmとするのが望ましい。
【0021】さらに、これらの布部内側断熱板5、ベタ
基礎上面断熱板60を、基礎29のコンクリート面に形
成する方法としては、接着剤を使用してもよいが、基礎
部29を打設する際に、コンパネ、転用形枠などの形枠
の内側に配設してコンクリート内部に一部埋設するの
が、温度変化などの影響によって剥離しないようにする
ためには望ましい。
【0022】さらに、この布部内側断熱板5の上方に、
しかも少なくとも室内側に、内側通気層7が形成される
ように、外壁材4a および屋根材4b の室内側に断熱材
8が面方向に張り巡らされている。
【0023】なお、図1に示す実施例では、後述する床
下換気口12が設置される状態も示されている。また、
本実施例に係る建築物2では、建築物の外壁材4a およ
び屋根材4b の室内側に、外側通気層6と内側通気層7
とが相互に連通しないように、しかも当該内側通気層7
が小屋裏空間20および床下空間16と常時連通するよ
うに、断熱材8が面方向に張り巡らされている。外壁材
4a としては、モルタル壁、サイディング壁、コンクリ
ート壁等が例示されるが、その他の壁材であっても良
い。また、屋根材4b としては、かわら屋根材、スレー
ト屋根材、金属板平ぶき屋根材等が例示されるが、その
他の屋根材であっても良い。
【0024】布部内側断熱板5および断熱材8として
は、合成樹脂発泡断熱版が好ましく、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を発泡するこ
とにより形成される独立気泡を有する樹脂発泡体の板で
あることが好ましい。なかでも高度の剛性と断熱性およ
び透湿抵抗の高いポリスチレンの押出し発泡板を用いる
のが効果的である。しかしながら、布部内側断熱板5お
よび断熱材8としては、上記した合成樹脂押出し発泡板
に限らず、グラスウール、ロックウール等を板状に形成
させた繊維系のものも使用できる。但し、この様な繊維
系断熱材を使用する場合は原則として断熱材の室内側へ
密着させて防湿層を併用しないと結露が発生しやすくな
る。
【0025】このような断熱材8は、建築物2における
外壁及び屋根の構造躯体の外側に張設され、しかも外側
通気層6と内側通気層7とが相互に連通しないように張
設される。断熱材8は、図1に示すように、構造躯体の
外側に一層又は二層張設するようにしても良いし、壁厚
が大きくなる場合などには、図2及び図3に示したよう
に、構造躯体の外側に貼り増し張設しても良い。
【0026】このような断熱材8の室外側に形成される
外側通気層6は、壁および屋根内側を隈なく行き渡って
おり、その下端部もしくは上端部の少なくともいずれか
一方が外気に開放していることが好ましい。図1に示す
実施例では、図2に詳示するように、外側通気層6の下
端部に形成された通孔6a を通して、外側通気層6は外
気に常時開放されている。
【0027】また、内側通気層7は、各部屋10の周囲
を隈なく行き渡っており、床下空間16および小屋裏空
間20を含んで形成されている。各部屋10、10間に
形成される内側通気層7aは間仕切り間に形成される。
在来の木造建築物構造にあっては、間仕切り間に必然的
に隙間が形成され、その隙間が床下空間16と連通し、
内側通気層7aが自然に形成される場合もある。なお、
ツーバイフォーによる建築物にあっては、間仕切り間に
形成される隙間がそのままでは床下空間と連通しないこ
とから、その部分の床に孔を開ける等して間仕切り間に
積極的に内側通気層7aを形成する必要がある。
【0028】本実施例では、建築物2の土台37の下部
に、床下換気口12が形成してある。床下換気口12
は、室外側空間と床下空間16とを適宜連通するための
ものである。
【0029】床下換気口12には、図2に示すように、
床下開閉ダンパ24が回動自在に装着してある。床下開
閉ダンパ24は、断熱性及び気密性を具備している。こ
の床下開閉ダンパ24は断熱性として熱貫流率(k) がk
=2.5kcal/m2h ℃以下、気密性能がJIS A 1516建
具の気密性試験方法の気密性等級に記載される2等級も
しくはこれ以上の気密性を有していることが好ましい。
これらの性能は寒冷地で使用されている2層ガラス入り
塩ビ枠サッシ(断熱サッシ)、例えばエクセルウインド
(鐘淵化学工業株式会社製)と同程度の性能であり、換
気口が閉ざされた状況では、断熱サッシ同様、断熱気密
上の問題が発生することがなくなるからである。この様
な性能を有する床下開閉ダンパ24の材質としては、
枠、框等を合成樹脂、例えば、ABS樹脂、塩化ビニル
樹脂製とし、開閉蓋部分に断熱板を装着したパネルを使
用し、開閉部周辺には気密材を用いることで製作するこ
とが出来る。
【0030】床下開閉ダンパ24を遠隔操作により開閉
するために、このダンパ24には開閉駆動手段としての
ワイヤーやモータ等を連結するようにしても良い。床下
換気口12の室外側には、網状体26を張設することが
好ましい。網状体26は、虫や小動物等が床下空間16
に入り込まないようにするためのものであり、網戸等に
用いられる網体等が用いられ、取り外し自在とすること
が好ましい。
【0031】本発明では、上述したような建築物2にお
いて、図1に示すように、断熱材8を貫通して、内側通
気層7と外気とを連通する連通路40が建築物2の上方
に形成してある。この連通路40内には、送風ファン4
2や開閉ダンパ等を必要に応じて装着してあり、内側通
気層7内の空気を適宜外気へ排出できるようになってい
る。なお、この連通路40を形成する位置としては、建
築物2の壁体であっても良く、好ましくは、夏場におい
て、屋根裏区間20から連通路40を介して、内側通気
層7の空気を排出することによって、内側通気層7の通
風性を向上させ、床下空間16内の比較的冷たい空気を
各部屋周囲に循環させ、室内の冷房効率を高めるため
に、小屋裏空間20と外気とを連通させる位置、すなわ
ち、屋根部、ならびにその近傍に設けるのが望ましい。
【0032】以上のように構成された建築物では、夏季
において太陽熱や外気によって外壁材4a もしくは屋根
材4b が加熱されると外側通気層6の空気が熱せられて
上昇する。しかし、断熱材8によって内側通気層7と外
側通気層6とは隔絶されているので、高温空気が内側通
気層7内に侵入することがなく、また断熱材8によって
熱伝達も抑制される。このため、外側通気層6で熱せら
れた高温空気は内側通気層7にほとんど影響を及ぼすこ
となく、換気口6b から外部へ排出される。したがって
各部屋10の冷房費が節約できる。
【0033】なお、通孔6a からは比較的低い温度の外
気が外側通気層6内に導入されるので、外側通気層6内
の空気温度は外壁材4a の温度よりも低くなり、したが
って、断熱材8を外壁材4a の裏側に直接配設する場合
に比べると、内側通気層7に伝達する熱量も低減でき
る。
【0034】しかも、本実施例では、床下開閉ダンパ2
4を開くと共に、連通路40によって内側通気層7を外
気と連通させることにより、内側通気層7の通風性を向
上させ、床下空間16内の比較的冷たい空気を各部屋周
囲に循環させ、この点でも室内の冷房効率を高めること
が可能になる。
【0035】また、上述した建築物2は、冬季において
は、床下開閉ダンパ24を閉じると共に、連通路40を
閉じておくことにより、十分な保温性を維持できる。す
なわち、床下換気口12および連通路40を閉じること
により、各部屋10は、外側通気層6、断熱材8および
内側通気層7等により、2重、3重に囲繞され、断熱性
が十分に保持されるからである。
【0036】特に本実施例では、床下空間16に該床下
空間16を仕切る連続した基礎体が立設されていないこ
とから、床下の空気流通が良好となる。また、床下のベ
タ基礎部分30の上面は一部を除いて露出しているの
で、このベタ基礎部分30に蓄熱される冷気ないし暖気
を有効に利用することが可能であると共に、床下の湿気
も良好に排除し得る。さらに、本実施例では内壁材4c
と外壁材4bとの間に外側通気層6および内側通気層7
を設けているので、これら通気層6,7内を空気が良好
に流通し、この点でも結露の発生を有効に防止すること
ができる。
【0037】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば図4に示すように、床下換気口を
設ける代りに、床下空間16と外気とを、地中に配設さ
れた連通パイプ44を通して連通させるようにしても良
い。この連通パイプ44は、クールチューブと称され、
土中の冷温もしくは暖温を有効に利用するものである。
この連通パイプ44の一端44a は床下空間16に開口
し、他端44b は外気に開口するようになっている。両
端44a ,44b 共に、下方を向いていることが好まし
い。水等が侵入するのを防止するためである。このよう
な連通パイプ44から成るクールチューブを利用すれ
ば、土中の冷温もしくは暖温を有効に利用しつつ、内側
通気層7内の換気を図れるのでさらに都合が良い。
【0038】さらに、本発明によれば、図5および図6
に示すように、南側の外壁材4a の外側に太陽熱を集め
る熱交換部50を配設し、この熱交換部50の上下両端
部を第1連通路52及び第2連通路54によって内側通
気層7と連通するようにしても良い。この熱交換部50
は屋根材4b の上に配設しても良い。このような実施例
によれば、冬季ないし寒冷地において、太陽熱を利用し
て自然暖房し、暖房費の大幅削減ないし不要化を図るこ
とが可能になる。すなわち、熱交換部50で暖められた
空気は、第1連通路52を通って内側通気層7に導入さ
れ、内側通気層7内を自然対流しながら各部屋10の内
装材を暖めるので、各部屋の温度が上昇する。なお、天
気が悪いときや夜間は内側通気層7の熱が熱交換部50
から逃げないように、第1連通路52、第2連通路54
に蓋をしておくことが好ましい。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
通気性を有する建築物の構造によれば、外周布基礎を構
成する布部の内側に基礎断熱板を張り巡らし、さらに、
ベタ基礎部分の上面に、基礎断熱板に当接し少なくとも
該ベタ基礎部分の一部を覆うように、ベタ基礎上面断熱
板が張り巡らされているので、ベタ基礎部分からの熱放
散が少なくなり、床下空間の断熱性(蓄熱性)も保持さ
れ、床下空間での結露を有効に防止することが可能にな
る。
【0040】そのため、土台等における結露を防止する
ことが可能になり、建築物の耐久性を向上させることが
可能になる。また、内側通気層を独立して温度制御可能
なため、たとえば、内側通気層を、土中の冷温を利用す
るためのクール・チューブ等と接続したり、内側通気層
の上方部を外気と連通することにより、夏季において、
床下冷気を内側通気層に通して各部屋の均一な自然冷房
を図ることができる。さらに、内側通気層を太陽熱との
熱交換機能を有する熱交換部と連通路を通して連通する
ことにより、冬季において太陽熱で暖められた空気を内
側通気層に導入して各部屋の均一な自然暖房を図ること
が可能になる。
【0041】また、本発明では、外周布基礎を構成する
布部の内側に布部内側断熱板を張り巡らした構造である
ので、外周布基礎の屋外側には、コンクリートが露出し
ている構成であるので、地中に棲息する白蟻が、外周布
基礎の屋外側に発泡断熱層を形成した場合のように発泡
断熱層の内部に蟻道を形成して土台などの木材部分に到
達して、梁、床、柱、外装材などの建築部材を食い荒ら
すことがなく、建築物の断熱性を維持できるとともに、
建築物の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る通気性を有する
建築物の構造を示す概略断面図である。
【図2】図2は同実施例における床下換気口付近を示す
要部拡大断面図である。
【図3】図3は同実施例に係る床下換気口が設置されて
いない外周布基礎付近の断面図である。
【図4】図4は本発明の他の実施例に係る通気性を有す
る建築物の構造を示す概略断面図である。
【図5】図5は本発明のさらに他の実施例に係る通気性
を有する建築物の構造を示す概略断面図である。
【図6】図6は図5の要部拡大断面図である。
【図7】図7は従来の通気性を有する建築物の構造を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…外周布基礎 2…建築物 4a …外壁材 4b …屋根材 4c …内壁材 5…布部内側断熱板 6…外側通気層 8…断熱材 12…床下換気口 24…床下開閉ダンパ 29…基礎 40…連通路 44…連通パイプ 50…熱交換部 60…床下断熱材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24F 5/00 F24F 5/00 K Fターム(参考) 2D046 BA00 2E001 AA02 AA04 AA08 AD00 BA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 CA05 2E109 AA01 AA03 AA14 AB04 AB11 AB12 AB13 BA00 CA03 DA01 DA02 DB03 EA01 EA02 EA03 EA05 EA08 EA09 HA01 HA13 HA14 HA15 HA17 HA21 HA26 JA04 JA06 JB05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周布基礎を構成する布部の内側に、布
    部内側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、
    ベタ基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少
    なくとも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱
    板が張り巡らされている基礎断熱構造を有し、 基礎、屋根材および外壁材の室内側であるとともに内壁
    材の室外側に、断熱材が面方向に張り巡らされることに
    より、この断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室
    内側に床下空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内
    側通気層がそれぞれ形成されており、 前記断熱材および前記外側通気層を貫通して、前記内側
    通気層と外気とを連通する連通路が具備されていること
    を特徴とする通気性を有する建築物の構造。
  2. 【請求項2】 外周布基礎を構成する布部の内側に、布
    部内側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、
    ベタ基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少
    なくとも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱
    板が張り巡らされている基礎断熱構造を有し、 基礎、屋根材および外壁材の室内側であるとともに内壁
    材の室外側に、断熱材が面方向に張り巡らされることに
    より、この断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室
    内側に床下空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内
    側通気層がそれぞれ形成されており、 前記内側通気層に連通している床下空間と外気とが、地
    中に配設された連通パイプを通して連通されることを特
    徴とする通気性を有する建築物の構造。
  3. 【請求項3】 外周布基礎を構成する布部の内側に、布
    部内側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、
    ベタ基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少
    なくとも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱
    板が張り巡らされている基礎断熱構造を有し、 基礎、屋根材および外壁材の室内側であるとともに内壁
    材の室外側に、断熱材が面方向に張り巡らされることに
    より、この断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室
    内側に床下空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内
    側通気層がそれぞれ形成されており、 前記断熱材を貫通して、内側通気層と外気に接する熱交
    換部内とを連通する連通路が具備されていることを特徴
    とする通気性を有する建築物の構造。
  4. 【請求項4】 外周布基礎を構成する布部の内側に、布
    部内側断熱板が面方向に張り巡らされているとともに、
    ベタ基礎部分の上面に、前記布部内側断熱板に当接し少
    なくとも該ベタ基礎部分の一部を覆うベタ基礎上面断熱
    板が張り巡らされている基礎断熱構造を有し、 基礎、屋根材および外壁材の室内側であるとともに内壁
    材の室外側に、断熱材が面方向に張り巡らされることに
    より、この断熱材の室外側に外側通気層が、断熱材の室
    内側に床下空間、小屋裏空間およびこれらを連通する内
    側通気層がそれぞれ形成されており、 前記外周基礎の布部に開閉可能な断熱性及び気密性を具
    備するダンパーが取り付けてあるとともに、上記小屋裏
    部の内側通気層と外気とを通じさせる連通路が具備され
    ていることを特徴とする通気性を有する建築物の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003113648A (ja) * 2001-10-04 2003-04-18 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 壁体内通気経路を含む枠組壁構造およびこれからなる住宅
JP2003119918A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 壁体内通気経路を有する枠組壁構造およびこれからなる住宅
JP2022064031A (ja) * 2020-10-13 2022-04-25 株式会社ウッドビルド 床下通気制御装置
CN114837215A (zh) * 2022-03-31 2022-08-02 宁波阳明工业技术研究院有限公司 一种基础外围建筑结构及其调节方法

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