JPH09228492A - 構造用パネル及び建物の防湿構造 - Google Patents

構造用パネル及び建物の防湿構造

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JPH09228492A
JPH09228492A JP6000996A JP6000996A JPH09228492A JP H09228492 A JPH09228492 A JP H09228492A JP 6000996 A JP6000996 A JP 6000996A JP 6000996 A JP6000996 A JP 6000996A JP H09228492 A JPH09228492 A JP H09228492A
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panel
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JP6000996A
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Inventor
Hiroshi Emoto
央 江本
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Mitsubishi Chemical Corp
Emoto Kogyo KK
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Emoto Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 季節変動や地域性に拘わらず結露の発生がな
く、断熱材の劣化や木材の腐朽を防止することが出来、
建物の耐久性を向上させ得る構造用パネル、および、当
該構造用パネルを使用した建物の防湿構造を提供する。 【解決手段】 パネル(1)は、枠組(10)の室外側
に貼設された構造用面材(15)と、枠組(10)の内
部空間に挿入された断熱材(17)と、構造用面材(1
5)と断熱材(17)の間に形成された通気空間(1
9)とを含み、室外側および室内側の各表面が防湿シー
ト(20)にて被覆される。また、本発明の防湿構造
は、パネル(1)によって構造壁が構成され、パネル
(1)内の通気空間(19)を利用して建物外周側に遮
蔽空間が形成され、しかも、当該遮蔽空間を除湿する除
湿装置が付設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造用パネルに関
するものであり、詳しくは、冬季、夏季を通じて環境温
度の変化に拘わらずパネル内部に結露することがなく、
断熱材の劣化や木材の腐朽を防止することが出来る構造
用パネル及び当該構造用パネルを使用した建物の防湿構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】省エネルギー化の観点から、高気密化お
よび高断熱化が図られる住宅などの建物においては、結
露を防止するため、例えば、図4に示す様に、壁周りを
主体にした通気層工法による防湿構造が採用される。図
4は、従来の防湿構造を備えた軸組工法による壁構造の
一例を示す要部の水平断面図である。
【0003】図4に示す壁構造は、柱(72)、間柱
(74)の室外側に胴縁を介して貼設された外装用合板
(75)と、柱(72)、間柱(74)の室内側に貼設
された内装下地材(76)と、柱(72)、間柱(7
4)等の支柱の間に室内側に偏らせて挿入された断熱材
(77)と、内装下地材(76)の壁内側の表面に張設
されたポリエチレン等の防湿シート(70)とから成
り、外装用合板(75)と断熱材(77)の間には、基
礎側および軒側で大気に開放される通気層(79)が形
成されている。なお、断熱材(77)の室外側は、雨水
などによる濡れを防止するため、通気性を有する防水シ
ートによって覆われる場合もある。
【0004】上記の壁構造においては、例えば、冬季の
暖房によって室温が外気温よりも高く設定され、部屋の
内外で空気中の水蒸気圧に差異が生じた場合でも、室内
側から壁体内部への水分(水蒸気)の透過を防湿シート
(70)によって遮断することにより、また、気象条件
などにより壁体内部に進入した高湿度の空気を通気層
(79)によって入れ替えることにより、壁体内部にお
ける湿潤化の防止を企図したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、夏季の冷房によって室温が外気温よりも低く設定さ
れた場合には、断熱材(77)における温度勾配の関係
から、断熱材(77)中の室外と同等の空気に含まれる
水分が防湿シート(70)の室外側の表面や、断熱材
(77)内部の室内方向側で結露する。更に、斯かる結
露により、柱(72)や間柱(74)が湿潤化する。そ
の結果、断熱材(77)の性能劣化や柱(72)、間柱
(74)の腐朽を惹起する。
【0006】本来、建物の高断熱・高気密化は寒冷地を
中心に勘案された技術であり、従来の通気層工法による
防湿構造は冬季、夏季を通じて満足し得る構造ではな
い。特に、18℃以上の温度、80%以上の湿度で繁殖
が活発化する腐朽菌による木材の腐朽は、建物の耐久性
に大きな影響を与える要因である。また、高性能の建築
物においてコストの低減を図るためには、量産化が可能
な建築部材としての構造用パネルの普及が重要な課題で
ある。
【0007】本発明は、上記の種々の実情に鑑みなされ
たものであり、その目的は、冬季、夏季を通じた季節変
動や地域性に拘わらず結露の発生がなく、断熱材の劣化
や木材の腐朽を防止することが出来、建物の耐久性を向
上させ得る構造用パネル、および、当該構造用パネルを
使用した建物の防湿構造を提供することにある。上記の
課題は、次の2つの要旨から成る本発明によって解決さ
れる。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、横枠および縦枠によって方形に組まれた枠組
と、当該枠組の室外側に貼設された構造用面材と、前記
枠組の内部空間に室内側に偏らせて挿入された断熱材
と、前記構造用面材と前記断熱材の間に形成された通気
空間とを含むパネルであって、室外側の表面および室内
側の表面が防湿シートにてそれぞれ被覆されていること
を特徴とする構造用パネルに存する。
【0009】そして、本発明の第2の要旨は、上記の構
造用パネルによって構造壁が構成され、かつ、当該構造
壁内部の通気空間が気密可能な床下空間および天井裏空
間と連続させられることにより、建物の外周側を遮蔽す
る遮蔽空間が形成され、しかも、当該遮蔽空間を除湿す
る除湿装置が付設されている建物の防湿構造に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の構造用パネルを示す一
部破断の斜視図である。図2は、本発明の構造用パネル
の他の例を示す水平断面図である。図3は、本発明の構
造用パネルを使用した建物の防湿構造の模式的な縦断面
図である。以下、実施の形態の欄においては構造用パネ
ルを「パネル」と、建物の防湿構造を「防湿構造」とそ
れぞれ略記する。
【0011】先ず、本発明のパネルについて説明する。
本発明のパネルは、図1に符号(1)にて示す様に、横
枠(11)及び縦枠(12)によって方形に組まれた枠
組(10)と、枠組(10)の室外側に貼設された構造
用面材(15)と、枠組(10)の内部空間に室内側に
偏らせて挿入された断熱材(17)と、構造用面材(1
5)と断熱材(17)の間に形成された通気空間(1
9)とを含む。
【0012】枠組(10)の構成部材としては、各種の
枠組材の規格に基づき、木材や集成材によって作製され
且つその長手方向に直交する断面を2×4インチ、2×
6インチ等の適宜の寸法仕様とされた角材が使用され
る。斯かる角材の寸法は、断熱材(17)の厚さ等に応
じて決定される。パネル(1)の両側に位置する縦枠
(12)、(12)の間には、これら縦枠と略同一に形
成された補強材(14)が配置される。横枠(11)に
は図示した下枠の他に上枠が含まれる。
【0013】枠組(10)の外形寸法は、例えば、幅
(横枠(11)の長さ)を約900mm、高さを約240
0mm程度とされ、斯かる寸法は、施工部位や居室の天井
高などに応じて設定される。横枠(11)と縦枠(1
2)、および、横枠(11)と補強材(14)は、各
々、螺子止め又は釘打ちによって互いに接合される。勿
論、各種の補強用金物、接着剤、コーキング材を併用し
てもよい。
【0014】構造用面材(15)としては、通常、継ぎ
目のない7〜12mm程度の厚さの構造用合板または構造
用パネルが使用される。構造用面材(15)は、枠組
(10)に対し、所定の施工基準に基づいて釘打ちによ
って固定される。また、上記の断熱材(17)を支持し
且つ内装材の下地を構成するため、通常、枠組(10)
の室内側の表面には下地材(16)が貼設される。下地
材(16)としては、2〜6mm程度の合板、チップ合板
またはパーティクルボード等を使用することが出来る。
【0015】なお、構造用面材(15)としては、石膏
ボード、ハードボード、パーティクルボード、硬質木片
セメント板、フレキシブル板、パルプセメント板、けい
酸カルシウム板、シージングボード、ラスシート等が片
面に積層された複合板を使用してもよい。
【0016】断熱材(17)としては、発泡樹脂などの
各種の素材にて形成された断熱材を使用することも出来
るが、通常は、見かけの厚さが50〜150mm程度の
グラスウールが使用される。断熱材(17)は、枠組
(10)に対し、上記の下地材(16)の裏面に密着す
る状態で挿入される。断熱材(17)の固定には、接着
剤などを使用してもよいが、施工性を向上し且つ確実に
上記の通気空間(19)を確保するため、適宜の構造の
支持材が使用される。
【0017】断熱材(17)を固定するための図1中の
支持材(18)は、適度な剛性を備えた合成樹脂製の網
状体または金属製の網状体にて構成され、折曲されたそ
の両側縁が縦枠(12)及び補強材(14)にそれぞれ
固定される。また、支持材(18)としては、例えば、
図2に示す様に、適度な剛性を備えた合成樹脂製または
金属製の波板形状に形成された網状体を使用することも
出来る。図2に示す支持材(18)は、構造用面材(1
5)と断熱材(17)の間に固定されることなく単に介
装されるだけであり、施工性を一層向上させ得る。
【0018】構造用面材(15)と断熱材(17)の間
に形成される図1中の通気空間(19)は、後述する様
に、パネル(1)の内部を除湿する際に僅かに移動する
空気の流路として機能すれば十分であり、従来の通気層
の様に、多量の空気を循環させる大きさを備えている必
要はない。具体的には、通気空間(19)は、構造用面
材(15)と断熱材(17)の間の約10〜30mmの
隙間によって構成される。なお、図2に示す波板状の支
持材(18)によって構成される通気空間(19)と
は、支持材(18)の両面側に形成された隙間を言う。
【0019】また、図1に示す様に、上記の通気空間
(19)に臨む横枠(11)(上枠および下枠)の内面
には、当該横枠の外側面(上枠の上面および下枠の底
面)に至る通気孔(13)が複数設けられる。通気孔
(13)は、上下のパネル(1)、(1)の通気空間
(19)、(19)、または、パネル(1)の通気空間
(19)と後述の床下空間(39)若しくは天井裏空間
(49)を連続させ、建物の外周側に一体的な遮蔽空間
(B)を構成する。
【0020】通気孔(13)は、パネル(1)内部で補
強材(14)によって仕切られた2つの通気空間(1
9)、(19)の1つに対し、横枠(11)(例えば下
枠)に3〜6箇所開口され、通常、各通気孔(13)の
直径は10〜25mm程度とされる。なお、通気孔(1
3)は、構造用面材(15)側の横枠(11)の側面に
形成した切欠き(図示せず)によっても構成し得る。
【0021】更に、図示しないが、枠組(10)の内側
に向けられた横枠(11)の内面であって、縦枠(1
2)及び補強材(14)の上下端部が当接しない部分に
は、上記の各通気孔(13)に重畳する孔(又は切欠
き)が形成された金属製の補強板が取り付けられるのが
好ましい。
【0022】上記の金属板は、螺子または螺子と接着剤
を使用して横枠(11)の内面に予め強固に固定される
ことにより、横枠(11)における強度を高める機能を
発揮する。すなわち、通気孔(13)によって肉厚が減
少し、低下すると考えられる横枠(11)の強度を上記
の金属板によって補完し、かつ、横枠(11)の強度を
一層高めることが出来る。なお、斯かる金属板の厚み
は、その材質、横枠(11)の太さに対する通気孔(1
3)の直径やピッチに基づいて設定される。
【0023】本発明のパネル(1)においては、図1及
び図2に示す様に、室外側の表面および室内側の表面が
防湿シート(20)、(20)にてそれぞれ被覆され
る。すなわち、構造用面材(15)の室外側の表面と下
地材(16)の室内側の表面に防湿シート(20)、
(20)が設けられ、これらのシートがパネル(1)の
最外層を構成している。
【0024】防湿シート(20)としては、実質的に空
気中の水分(水蒸気)を透過しない限り、従来と同様の
非透湿性のシート等を使用することが出来る。具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンの
他、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂から成るシートが
使用される。本発明において、防湿シートとは、防湿層
を形成し得る各種の面状体を意味し、フィルムの他、防
湿シートやフィルムを貼合した所謂防湿パネルを含む。
防湿シートの場合、その厚さは約0.1〜1.0mmと
される。
【0025】防湿シート(20)は、構造用面材(1
5)及び下地材(16)の各表面に対し、通常、熱可塑
性樹脂系接着剤や合成ゴム系接着剤を使用して貼着され
る。熱可塑性樹脂系接着剤としては、酢酸ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース等の溶
剤型接着剤、酢酸ビニル、アクリル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン型
接着剤が挙げられる。また、防湿シート(20)は、施
工性を高めるため、タッカー針によって固定することも
出来る。
【0026】防湿シート(20)の大きさは、構造用面
材(15)及び下地材(16)の各縁部からそれぞれ3
0〜100mm程度はみ出す大きさとされる。防湿シー
ト(20)を構造用面材(15)及び下地材(16)よ
りも大きく形成した場合は、パネル(1)相互の継ぎ目
またはパネル(1)と他の構造部材の継ぎ目において、
防湿シート同士を重ね合わせることが出来、後述する遮
蔽空間を構成する際に一層簡単に施工することが出来
る。
【0027】更に、本発明の好ましい態様のパネル
(1)においては、図2に示す様に、少なくとも構造用
面材(15)の室外側の表面に外装材(23)を支持す
るための胴縁(21)が設けられる。胴縁(21)は、
通常、防湿シート(20)の表面から縦枠(12)及び
補強材(14)と重なる位置に釘打ちによって固定され
る。構造用面材(15)の表面に予め胴縁(21)を設
けた場合には、現場における外装材の施工を一層迅速に
行うことが出来る。
【0028】また、下地材(16)の室内側の表面にも
胴縁(22)が上記と同様に設けれるのが好ましい。下
地材(16)の表面に予め胴縁(22)を設けた場合に
は、石膏ボード等の内装材(24)を迅速に敷設でき、
しかも、パネル(1)と内装材(24)の間に胴縁(2
2)の厚みに相当する間隙が形成されるため、斯かる間
隙に電気配線や電気器具の一部を収納することが出来
る。従って、施工されたパネル(1)に穴を明けて内部
に電気配線などを収容する等の付帯工事の手間が低減さ
れ、かつ、パネル(1)内部の防湿性および気密性を低
下させる怖れもない。
【0029】しかも、上記の様な胴縁(21)や胴縁
(22)を付設した場合には、ユニットとしてのパネル
(1)を輸送する際など、胴縁(21)又は胴縁(2
2)を利用して互いに積み重ねることが出来、防湿フィ
ルム(20)に損傷を与えることがなく、取り扱いが極
めて容易になる。
【0030】次に、上記のパネル(1)を使用した本発
明の防湿構造について説明する。本発明の防湿構造は、
図3に示す様に、上記の構造用パネル(1)によって構
造壁(2)が構成され、かつ、構造壁(2)内部の通気
空間(19)が気密可能な床下空間(39)及び天井裏
空間(49)と連続させられることにより、建物(5)
の外周側を遮蔽する遮蔽空間(B)が形成され、しか
も、遮蔽空間(B)を除湿する除湿装置(61)が付設
される。
【0031】図3に示す建物(5)は、従来の枠組壁工
法に略倣って施工された2階建家屋であり、概略、床下
構造部(3)と天井根太(4)と構造壁(2)、(2)
…とから箱体に構成される。床下構造部(3)は、主
に、基礎(31)の上部に配置された土台(32)及び
根太(33)から成り、床下空間(39)は、根太(3
3)の上面に配置された床下張り材の下方に形成され
る。なお、通常は、床下張り材の下面側の根太(33)
の間に断熱材が挿入される。
【0032】構造壁(2)は、根太(33)の上面に複
数の上記パネル(1)を立設して成る。1階の居室を構
成するパネル(1)の上枠(横枠(11))は、頭繋ぎ
(42)を介して2階床根太(43)に接合され、2階
床根太(43)の上面には、2階の居室を構成する複数
のパネル(1)が立設される。
【0033】天井根太(4)は、主に、2階のパネル
(1)の上部に架設された根太(53)及び当該根太に
直交して配置されたころび止めから成り、天井裏空間
(49)は、天井根太(4)によって格子状に区画され
た空間とされる。斯かる空間には、通常、天井根太
(4)の下面に敷設される天井材側に偏らせて断熱材が
挿入され、断熱材と天井根太(4)の上面との間に空間
部が確保されている。なお、2階のパネル(1)の上枠
(横枠(11))は、頭繋ぎ(47)を介して天井根太
(4)のころび止めに接合される。
【0034】床下構造部(3)においては、根太(3
3)の上面に配置された床下張り材の上面に上記の防湿
シート(20)と同様の防湿シート(30)が付設さ
れ、斯かる防湿シート(30)の端部は、1階のパネル
(1)の下地材(16)(図1参照)の室内側表面に被
覆された防湿シート(20)に接続される。
【0035】また、基礎(31)の内側に敷設された土
間(図示せず)の上面から基礎(31)の内側面および
基礎(31)の上端面に亘り、同様の防湿シート(3
0)が付設される。根太(33)の外周側には、略垂直
に取り付けられた角材を介して下地板が付設されてお
り、土間側の防湿シート(30)の端部は、斯かる下地
板の表面において、パネル(1)の構造用面材(15)
(図1参照)の室外側表面に被覆された防湿シート(2
0)に接続される。
【0036】なお、パネル(1)の構造用面材(15)
に対し、予め、根太(33)の外側面が相対的に内側に
配置されることにより、根太(33)の外側面と上記の
下地板との間に通気路(35)が形成される。通気路
(35)は、パネル(1)の横枠(11)に設けられた
通気孔(13)を介してパネル(1)の通気空間(1
9)に通じている。しかも、通気路(35)は、土台
(32)を持ち上げ且コマ状に適宜のピッチで挿入され
た多数のスペーサー(36)の間の間隙を介し、上記の
防湿シート(30)、(30)によって囲まれた床下構
造部(3)の床下空間(39)に通じている。従って、
構造壁(2)を構成する1階のパネル(1)の通気空間
(19)と床下空間(39)とは通気路(35)を介し
て連続している。
【0037】1階部分と2階部分を仕切る2階床根太
(ころび止め胴さし)(43)の外側面には、1階パネ
ル(1)の下地材(16)表面を被覆する防湿シート
(20)上端部と、2階のパネル(1)の下地材(1
6)表面を被覆する防湿シート(20)の下端部がそれ
ぞれ上記の根太を巻き込む様に配置され、各防湿シート
(20)の端部が接続される。なお、各防湿シート(2
0)の端部の接続においては、同材質の防湿シートを繋
ぎに使用してもよい。そして、接続部の外周側には根太
(44)が配置される。
【0038】また、2階床根太(44)の外周側には、
略垂直方向に取り付けられた角材を介して下地板が付設
されており、斯かる下地板の表面において、1階のパネ
ル(1)及び2階のパネル(1)の各構造用面材(1
5)表面に被覆された防湿シート(20)、(20)の
上端および下端が接続される。
【0039】なお、パネル(1)の構造用面材(15)
に対し、予め、2階床根太(44)の外側面が相対的に
内側に配置されることにより、根太(44)と上記の下
地板との間に通気路(45)が形成される。通気路(4
5)は、1階のパネル(1)と2階のパネル(1)の各
横枠(11)、(11)に設けられた通気孔(13)を
介してこられパネルの通気空間(19)、(19)に通
じており、上下のパネル(1)、(1)の通気空間(1
9)、(19)を連続させている。
【0040】上記の天井根太(4)において、根太(5
3)の上面には、適当なピッチで水平に架け渡された支
持材(角材)(56)を介して捨て張りが敷設され、斯
かる捨て張りの上面に防湿シート(40)が敷設され
る。また、根太(53)の下面には、天井材を介して防
湿シート(40)が敷設され、これらの防湿シート(4
0)、(40)によって天井裏空間(49)が閉鎖され
る。天井裏空間(49)においては、格子状の空間に挿
入された上述の断熱材の上方が実質的な空間部とされて
いる。
【0041】天井根太(4)を構成する根太(53)の
外側面には、略垂直に取り付けられた角材を介して下地
板が付設されており、天井根太(4)の上面に敷設され
た防湿シート(40)の端部は、斯かる下地板の表面に
おいて、2階のパネル(1)の構造用面材(15)表面
に被覆された防湿シート(20)の上端に接続される。
そして、天井根太(4)の下面に敷設された防湿シート
(40)の端部は、2階のパネル(1)の下地材(1
6)表面に被覆された防湿シート(20)に接続され
る。勿論、天井根太(4)の下側は、ころび止めの下縁
に防湿シート(40)が敷設され、その室内側に天井仕
上げ材が敷設された構造とされてもよい。
【0042】なお、2階のパネル(1)の構造用面材
(15)に対し、予め、根太(53)の外側面が相対的
に内側に配置されることにより、根太(54)と上記の
外装板との間に通気路(55)が形成される。通気路
(55)は、上記の支持材(56)の隙間を介して天井
裏空間(49)に、2階のパネル(1)の通気孔(1
3)を介して当該パネルの通気空間(19)にそれぞれ
通じており、斯かる通気路(55)は、2階のパネル
(1)と天井裏空間(49)を連続させている。
【0043】すなわち、図3に示す建物(5)において
は、防湿シート(30)によって囲まれた床下構造部
(3)の床下空間(39)と、各パネル(1)の通気空
間(19)と、防湿シート(40)によって囲まれた天
井根太(4)の天井裏空間(49)とが連続させられる
ことにより、建物(5)の外周側に一体的で且つ気密可
能な遮蔽空間(B)を構成している。
【0044】上記の遮蔽空間(B)は、必要に応じて気
密状態を保持し、あるいは、気密状態を解除し得る様に
なされている。具体的には、床下構造部(3)において
は、床下空間(39)を開放する蓋体(60)が床下換
気口を利用して付設されている。また、天井根太(4)
においては、天井裏空間(49)を開放する蓋体(6
0)が付設されており、小屋裏(59)を介して大気開
放される。なお、小屋裏(59)は、妻側に設けられた
通風口や外装材(51)とパネル(1)の間に形成され
た外装通気空間を介して開放されている。
【0045】除湿装置(61)としては、遮蔽空間
(B)を形成する防湿シートの表面積に応じて選択する
必要があり、例えば、100m2 程度の延床面積を有す
る建物の場合は、50〜500cc/hr.程度の除湿
能力を備えた適宜の型式の装置が使用される。除湿装置
(61)は、例えば、床下空間(39)の内部に配置さ
れ、その排水路は床下空間(39)から屋外に至る様に
設置される。斯かる除湿装置(61)は、遮蔽空間
(B)の内部を除湿し得る配置である限り、建物(5)
の外部など何れの場所に設置されていてもよい。
【0046】なお、図示しないが、通常、上記の蓋体
(60)の開閉操作を行うエアシリンダー又はギヤード
モータ、除湿装置(61)等の駆動は、適宜のパネル
(1)の通気空間(19)、室外および室内に別途設け
られた温度計と湿度計の検出信号に基づき、時計システ
ムや演算手段を含むプログラムコントローラー等の制御
装置によって制御される。
【0047】次に、本発明のパネル及び防湿構造の機能
を説明する。図3に示す建物(5)においては、例え
ば、冬季の暖房によって室温が外気温よりも高く設定さ
れる場合、床下空間(39)に通じる蓋体(60)を開
放すると共に、天井裏空間(49)に通じる蓋体(6
0)を開放し、遮蔽空間(B)の内部に外気を導入す
る。
【0048】図2に示すパネル(1)の構造を例に挙げ
ると、遮蔽空間(B)としてのパネル(1)内部は、当
該パネルの下地材(16)の室内側表面に被覆された防
湿シート(20)が室内からパネル(1)内部への水分
の透過を防止するため、室外と略同等の水蒸気圧が保持
され、パネル(1)の内部における湿潤化が防止され
る。勿論、室外と室内の温度差が大きい場合でも、断熱
材(77)による保温効果により、下地材(16)に被
覆された防湿シート(20)の室内側表面の結露が防止
される。
【0049】一方、例えば、夏季の冷房によって室温が
外気温よりも低く設定される場合には、床下空間(3
9)に通じる蓋体(60)を閉止すると共に、天井裏空
間(49)に通じる蓋体(60)を閉止し、遮蔽空間
(B)を気密に保持する。そして、除湿装置(61)を
駆動させ、遮蔽空間(B)を除湿する。遮蔽空間(B)
は、木材の腐朽を防止する観点から、少なくとも80%
以下の湿度に維持する必要がある。
【0050】室内を低温に維持した場合、温度の高い室
外の方が室内よりも空気中の水蒸気圧(水分分圧)が高
くなる。しかしながら、遮蔽空間(B)、すなわち、図
2に示すパネル(1)に例えた場合の当該パネルの内部
は、構造用面材(15)の室外側表面を被覆する防湿シ
ート(20)が内部の気密を保持し、かつ、斯かる防湿
シート(20)が室外からパネル(1)内部への水分の
透過を防止する。
【0051】また、パネル(1)の通気空間(19)と
室内の温度差が大きい場合でも、遮蔽空間(B)、すな
わち、パネル(1)の内部を除湿する除湿装置(61)
は、パネル(1)内部の空気中に含まれる水蒸気量を低
下させるため、断熱材(17)における温度勾配に拘わ
らず、断熱材(77)の内部での結露が防止される。同
様に、室内側の防湿シート(20)が冷却されていて
も、パネル(1)の内部の空気中に含まれる水蒸気量が
低く保持されるため、斯かる防湿シート(20)のパネ
ル(1)内部側の表面における結露が防止される。その
結果、パネル(1)を構成する各部材が湿潤化すること
がなく、下地材(16)、枠組(10)、構造用面材
(15)の腐朽や断熱材(17)の劣化が有効に防止さ
れる。
【0052】上記の防湿機能は、構造壁(2)だけでな
く、勿論、床下構造部(3)及び天井根太(4)につい
ても同様に発揮される。また、冬季、夏季を通じた季節
変動だけでなく、気象条件に追従して、そして、地域条
件に応じて発揮させることが出来る。すなわち、本発明
のパネル(1)及び図3に示す防湿構造によれば、季節
変動や地域性に拘わらず結露の発生がなく、断熱材の劣
化や木材の腐朽を防止することが出来、建物(5)の耐
久性を一層向上させることが出来る。
【0053】なお、本発明のパネルとしては、上記の防
湿構造を備えている限り、例えば、建具などを付設可能
になされた種々の形態のパネルを含む。そして、これら
のパネルは、標準化することによって量産化が容易であ
り、コストダウンを図ることが出来る。勿論、現場施工
によって構成することも出来る。また、本発明のパネル
(1)及び防湿構造は、構造壁を構成する枠組壁工法、
軸組工法において好適に実施することが出来る。
【0054】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の構造用パネ
ル及び建物の防湿構造によれば、冬季、夏季を通じた季
節変動や地域性に拘わらず結露の発生がないため、断熱
材の劣化や木材の腐朽を防止することが出来、建物の耐
久性を一層向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造用パネルを示す一部破断の斜視図
である。
【図2】本発明の構造用パネルの他の例を示す水平断面
図である。
【図3】本発明の構造用パネルを使用した建物の防湿構
造の模式的な縦断面図である。
【図4】従来の防湿構造を備えた軸組工法による壁構造
の一例を示す要部の水平断面図である。
【符号の説明】
1 :構造用パネル 10:枠組 11:横枠 12:縦枠 15:構造用面材 17:断熱材 19:通気空間 2 :構造壁 20:防湿シート 21:胴縁 22:胴縁 23:外装材 24:内装材 3 :床下構造部 30:防湿シート 35:通気路 39:床下空間 4 :天井根太 40:防湿シート 45:通気路 49:天井裏空間 5 :建物 55:通気路 61:除湿装置 B :遮蔽空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横枠および縦枠によって方形に組まれた
    枠組と、当該枠組の室外側に貼設された構造用面材と、
    前記枠組の内部空間に室内側に偏らせて挿入された断熱
    材と、前記構造用面材と前記断熱材の間に形成された通
    気空間とを含むパネルであって、室外側の表面および室
    内側の表面が防湿シートにてそれぞれ被覆されているこ
    とを特徴とする構造用パネル
  2. 【請求項2】 構造用面材の室外側の表面に外装材を支
    持するための胴縁が設けられている請求項1に記載の構
    造用パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の構造用パネルに
    よって構造壁が構成され、かつ、当該構造壁内部の通気
    空間が気密可能な床下空間および天井裏空間と連続させ
    られることにより、建物の外周側を遮蔽する遮蔽空間が
    形成され、しかも、当該遮蔽空間を除湿する除湿装置が
    付設されている建物の防湿構造。
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