JPH11247320A - 木造建築物の壁構造 - Google Patents

木造建築物の壁構造

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JPH11247320A
JPH11247320A JP10047305A JP4730598A JPH11247320A JP H11247320 A JPH11247320 A JP H11247320A JP 10047305 A JP10047305 A JP 10047305A JP 4730598 A JP4730598 A JP 4730598A JP H11247320 A JPH11247320 A JP H11247320A
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JP
Japan
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fiber
fibers
heat insulating
heat
wall
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JP10047305A
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Ryuji Fukuda
竜司 福田
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Building Environments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外壁等の壁構造において、断熱層の膨張力を
抑え、壁の面内せん断耐力を高め、壁内通気により壁内
に侵入した水蒸気を外気に放出して、室内環境を快適に
維持できるようにすると共に、外部からの雨水等の侵入
を防ぎ、耐久性能を向上させることができるところの壁
構造を提供する。 【解決手段】 室内側から室外側に向かって内装材、断
熱材、ヤシ繊維よりなる繊維マットに接着剤を付着し、
圧縮成形することにより得られた通気性を有する板状
体、透湿防水性を有するシート状物、通気層、外装材の
順の構成で構築されたことを特徴とする木造建築物の壁
構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木造住宅などの
木造建築物の壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木造家屋で壁中にグラスウール等
の繊維系の断熱層を形成する場合に、室内の水蒸気を室
外へ逃すために、外壁と断熱層との間に通気層を形成す
ることにより、断熱層を透過した室内の水蒸気が通気層
を通って軒下から室外へ拡散するようにしていた。その
場合に、この通気層と断熱層を区画する防風透湿層が必
要となる。この防風層は、断熱層を保持する機能を発揮
するが、水蒸気を通気層へスムーズに透過させ得るよう
に透湿性に優れたものでなければ効果は少ない。
【0003】この防風層を形成するものとして、従来、
構造用合板やオリエンティッドストランドボード(OS
B)等の集成材が用いられてきた。しかし、このような
板状体は透湿性が低くいために、水蒸気を通気層へスム
ーズに透過させることができず、室内又は床下から微小
な空隙を通して断熱材に水蒸気が侵入し、断熱材に水蒸
気が溜まり、外気温度の変化で冷却されると壁内結露が
生じ、断熱材の断熱性能を低下させるとともにカビの発
生、木材の腐朽などによる耐久性能を低下させる問題が
あった。
【0004】そこで、水蒸気の透過性を持たせるため
に、防風層として、例えばポリエチレン製の不織布が使
われたが、断熱層にグラスウール等を使用すると、断熱
層の膨張力に押されてこの不織布が膨出変形し、通気層
を狭め、時には塞いでしまうという欠点があり、このこ
とは特に寒冷地においてグラスウール等を多量に詰め込
んだときに起こり易い〔建築工事標準仕様書・同解説J
ASS24断熱工事(日本建築学会編)参照〕。また、
これらポリエチレン製の不織布等の不織布シートはそれ
自身では構造強度に寄与できないため、壁面の強度は不
織布シート以外の構造材に頼らざるを得ない。そこで、
これらを組み合わせて、構造用合板やOSB等の板状体
を断熱層の外側に当て、その端辺を柱、間柱、梁、桁、
又はブレース等の構造材に固定し、その外側に不織布シ
ートを配して防風層を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした構造によれば
断熱層の膨張力には耐えることができ、構造強度を有す
る壁面構造を構成できるが、透湿性を有するポリエチレ
ン製不織布の内側に合板やOSBなどの透湿性が極めて
低い板状体を配しているために、断熱層を透過した水蒸
気を通気層へスムーズに透過させることができず、壁内
での結露の発生を招くという欠陥がある。
【0006】このような問題を解決するために、断熱材
に侵入した水蒸気を外気に放出するとともに、外壁の面
内せん断耐力を高める手段として、例えば、特開平4−
38345、特開平8−246585では構造用合板等
に通気孔を形成した、いわゆる穴あき通気合板を用いる
技術を開示している。しかし、このような構造では、断
熱材に侵入した水蒸気を外気に放出したり、面内せん断
耐力を高めることは可能であるが、外部から雨水などの
浸入を有効に防止することはできず、結果として、断熱
材が濡れてしまい断熱性能が低下してしまう恐れがあ
る。さらに、構造用合板に通気孔をあける手間がかか
り、構造用合板の価格が高くなるという問題点があると
ともに、強度を低下させることになる。
【0007】本発明はこのような点に着目してなされた
ものである。すなわち、外壁等の壁構造において、断熱
層の膨張力を抑え、壁の面内せん断耐力を高め、壁内通
気により壁内に侵入した水蒸気を外気に放出して、室内
環境を快適に維持できるようにすると共に、外部からの
雨水等の侵入を防ぎ、耐久性能を向上させることができ
るところの壁構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、[1]室内側から室外側に向かって1.内
装材、2.断熱材、3.ヤシ繊維よりなる繊維マットに
接着剤を付着し、圧縮成形することにより得られた通気
性を有する板状体、4.透湿防水性を有するシート状
物、5.通気層、6.外装材の順の構成で構築されたこ
とを特徴とする木造建築物の壁構造、[2]内装材と断
熱材との間に防湿層を設けたことを特徴とする[1]記
載の木造建築物の壁構造、[3]板状体としてヤシ繊維
に有機又は無機繊維を混合した混合繊維よりなる繊維マ
ットに接着剤を付着し、圧縮成形することにより得られ
た板状体を使用したことを特徴とする[1]又は[2]
記載の木造建築物の壁構造としたものである。
【0009】そして、室内又は床下から微小空隙を通し
て外壁の断熱材に侵入した水蒸気を含む空気は通気性を
有するヤシ繊維からなる板状体を透過し、さらに防水透
湿性を有するシート状物から通気層を流動する空気流に
より放出され、この通気層の空気流により小屋裏等から
外気へ排出される。このような機能を有することから断
熱材に湿気が溜まることがなくなる。また、これらの壁
構造では、ヤシ繊維からなる板状体により面内せん断耐
力を高めることができる。さらに、防水透湿性を有する
シート状物により、外壁側からの雨水の侵入を防止する
と共に、透過性、透湿性を阻害することがない。
【0010】本発明で用いるヤシ繊維とは、ココヤシ、
油ヤシ、サゴヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッパヤ
シ、サトウヤシ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュロ、
クロツグ等のヤシ科の植物から採取される繊維状樹皮、
葉柄基部繊維、中果皮繊維等の繊維をいい、これには油
ヤシの空果房を解繊して得る繊維が含まれる。また、複
数種類のヤシ繊維を混合したものを含む。
【0011】ヤシ繊維、例えばココヤシ繊維、油ヤシ繊
維等は直径が約50〜650μmと太いので、繊維マッ
トにしたときには繊維充填密度にもよるが繊維間に、例
えば100μm〜5mm程度、好ましくは200μm〜
3mm程度の大きさの隙間が形成される。従って、繊維
マットの透湿性は極めて良い。さらに、ココヤシ繊維で
は、直径が約50〜550μmと太く、長さが約4〜2
5cmと長く、屈曲しており繊維同士のからまりも大き
いので、板状体は釘を打ちつけた場合の保持力に優れ
る。
【0012】ヤシ繊維としては油ヤシ繊維を使用するこ
とが好ましい。この油ヤシ繊維は、油ヤシの空果房を解
繊して得られるものである。油ヤシ繊維は他の種類のヤ
シ繊維に比して解繊等に要する労力が少なく、そのため
に製造に要するエネルギーが節減できて、コスト的に安
くつく。例えばココヤシ繊維では、ヤシ殻を軟化させる
ために長期間水中に浸漬し、その後に機械的に繊維状に
解繊するために長期間多大のエネルギーを必要とする。
これに対して油ヤシでは、もともと繊維状のままで集合
体となっている空果房を解繊するから、水中浸漬の必要
はなく、解繊のために要するエネルギーも非常に少なく
て済む。又、油ヤシ繊維はココヤシ繊維に比して発塵性
が少なく、その取扱いにおいて作業環境の悪化が避けら
れ好ましい。
【0013】この油ヤシ繊維は、解繊の前後には、必要
に応じて洗浄を行う。油ヤシ繊維の単体は、剛性度が高
く、断面径が150〜650μm程度であり、その毛
足、すなわち長さも約5〜30cm程度であり、これを
解繊することにより、ココヤシ繊維よりも太くて長い傾
向を有する繊維が得られるので、その絡み合いも高度な
ものが期待でき好ましい。しかも、油ヤシの果実からは
油ヤシ油が搾取できるが、この果実を採取したあとに残
る空果房には現在のところ特定の用途がなく通常は廃棄
される運命にあるので、低コストで入手できるという利
点がある。
【0014】また、必要によりヤシ繊維に有機又は無機
繊維を混合しても良い。有機繊維としては天然植物性繊
維や合成繊維が挙げられる。ここで、天然植物性繊維
は、麻を解繊した麻繊維、若竹を解繊した竹繊維、サト
ウキビ繊維、へちま繊維、パイナップル繊維、バナナ繊
維、コウリャン繊維、イナワラより得られる繊維、木質
繊維等が例示され、天然植物より得られる繊維質であれ
ば特に限定はない。合成繊維としてはポリエステル繊
維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、
アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維
等のポリオレフィン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビ
ニル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、レーヨン、キ
ュプラ、アセテート等の繊維が例示される。無機繊維と
しては、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、チラノ繊維など
が例示される。またこれらは、単独で混合しても良く、
二種以上を同時に混合しても良い。
【0015】ヤシ繊維に混合する繊維の混合率は50wt%
未満、好ましくは40wt%未満、更に好ましくは30wt%未満
である。繊維マットを形成するには、ヤシ繊維を適当な
厚さに展開すればよい。繊維マットの取り扱い性を良く
するために、これらの繊維マットに少量の合成樹脂エマ
ルジョンなどを噴霧、塗布等により添加しても良い。こ
こで用いる合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニル
系、アクリル系、スチレン系、塩化ビニル系、ポリエチ
レン系等の熱可塑型樹脂(特に水性分散液)及び天然あ
るいはSBRなどの合成ゴムラテックスなどが例示され
る。
【0016】更に好ましい操作としては、展開して形成
された繊維マットを、ニードルパンチ等によりヤシ繊維
を不織布様又は三次元編組織状に絡み合わせる処理を行
って剥離強度を上げ、さらに必要に応じてプレス又は熱
プレス等により繊維マットを緻密にする。なお、この繊
維マットの厚みは、通常5mm〜20mm程度にすると
使い易いと云われるが、勿論これに限定されることなく
用途に応じて任意に設定すればよく、さらに、この繊維
マットの目付は、例えば0.5kg/m2〜6kg/m2
が例示される。また複数枚重ねて使用してもよい。
【0017】ヤシ繊維よりなる繊維マットとしてヤシ繊
維に、例えば麻繊維、竹繊維等の植物性天然繊維を混合
した場合、ヤシ繊維の直径が約100〜600μmであ
るのに対して、麻繊維の直径が約5〜30μm、竹繊維
等の直径が10〜200μmと細いため、麻繊維、竹繊
維等の植物性天然繊維がヤシ繊維の交差部分などに絡ま
り、ヤシ繊維同士の結合強度が高まると考えられ好まし
い実施態様である。
【0018】ヤシ繊維よりなる繊維マットに噴霧または
塗布等により添加する接着剤としては、特に限定される
ものではなくユリア樹脂、メラミン樹脂接着剤やユリア
−メラミン樹脂接着剤などのアミノ樹脂、フェノール樹
脂接着剤などの熱硬化性樹脂接着剤、ラテックス系接着
剤や熱可塑性接着剤などを用いることができる。
【0019】この繊維マットに接着剤を付着させて圧縮
成形する際の樹脂及び硬化剤量又は成形時の圧縮の程度
により、得られる板状体の繊維間の隙間の大きさや隙間
の密度を種々に変化させることができる。そのことによ
り板状体の透湿性のコントロールが出来る。例えば、板
状体の繊維間の隙間を1〜100μm程度、通常5〜5
0μm程度とすることにより、通気性・透湿性を有する
良好な板状体を製造することが可能である。
【0020】また、ヤシ繊維を成形してなる板状体とし
て、ヤシ繊維及びヤシ繊維に有機又は無機繊維を混合し
た混合繊維からなる繊維マットの少なくとも1表面及び
/又は内部に、有機又は無機繊維からなる編織物、不織
布又は薄片よりなるシート状物を配置して接着剤を添加
し成形したものを用いても良い。この場合には、板状体
の強度が向上するという効果があり好ましい態様とな
る。
【0021】本発明で用いる透湿防水シート状物は、天
然繊維または合成繊維よりなるシート、不織布、織布が
あげられる。防湿透水性を有するシートとしては、ポリ
エステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体をシート状に成型し、透
湿防水性を持たせるために、ピンホールを持たせたもの
が使用しうる。また、透湿防水性を有する不織布、織布
の原料繊維としては、綿や麻、絹、獣毛等の天然繊維、
ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体繊維、アクリル、ビ
ニロン、ポリエーテルスルホン等の合成繊維、ビスコー
ス、レーヨン、ベンベルグ等の再生繊維、ガラス繊維、
炭素繊維、石綿繊維等の無機繊維があげられる。これら
原料繊維は、単独でも2種以上を混合したものでも良
い。これらの原料繊維を用いて作られた不織布は防水性
を有するが、通気性を持ち透湿性に優れる。また、使用
する不織布は二種以上用いても良い。
【0022】記述のシート状物の中でも不織布が透湿性
及び防水性の観点から本発明に好適である。特に、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステルよりなる不織
布が好ましい。さらに好ましくはポリエチレン製不織布
である。これら不織布は、繊維長、製法などに特別な限
定はなく、短繊維よりなるものでも良く、長繊維よりな
るものでも良く、製造方法も湿式法、乾式法、スパンボ
ンド法、フラッシュ紡糸法、メルトブロー法、スパンレ
ース法など一般的な方法で製造された不織布を用いるこ
とができる。
【0023】尚、本発明でいう内装材とは、内装材のみ
の場合、更には内装材と内装下地材を含めたものを内装
材と表現している。内装下地材の例としては石膏ボー
ド、化粧石膏ボード、シージング石膏ボード、強化石膏
ボード、ラス石膏ボード、インシュレーションボード、
MDF、ハードボード、吸音用繊維板、パーティクルボ
ード、化粧パーティクルボード、木毛セメント板、合
板、化粧合板、OSB等が挙げられる。
【0024】また、内装材の例としては、紙製、繊維
製、プラスチック製壁紙、ビニルタイル、ビニルシー
ト、内装セメント系仕上げ塗材、内装けい酸質系仕上げ
塗材、内装合成樹脂エマルジョン系仕上げ塗材、内装合
成樹脂溶液系仕上げ塗材、内装水溶性樹脂仕上げ材、し
っくい、化粧石膏ボード、化粧パーティクルボード、化
粧合板等が挙げられる。
【0025】断熱材とは、グラスウール、ロックウー
ル、セルロースファイバー、インシュレーションボー
ド、ビーズ法ポリスチレンフォーム、押出法ポリスチレ
ンフォーム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォー
ム、フェノールフォーム、吹付けウレタンフォーム等の
現場発泡断熱材等が挙げられ、主としてグラスウール、
ロックウール、セルロースファイバー等の繊維系の断熱
材が通気、透湿の点から特に好ましい。
【0026】本発明でいう外装材としては、外装材及び
外装下地材を含めたものを外装材と表現している。外装
下地材の例としては、木ずり、石膏ボード、石膏ラスボ
ード、合板、パーティクルボード、ハードボード、OS
B、木毛セメント板、シージングボード、ラスシート等
が挙げられる。外装材の例としては、外壁板、セメン
ト、金属製、ポリ塩化ビニル製等のサイディング、塗装
及び/又はメッキ鋼板、外装タイル、モルタル、しっく
い、土壁、繊維壁及びセメント系仕上げ塗材、けい酸質
系仕上げ塗材、合成樹脂エマルジョン系仕上げ塗材、合
成樹脂溶液系仕上げ塗材、ポリマーセメント系塗材等の
各種の外壁用塗料が例示される。また、これらの外装材
は、前記外装下地材を介して、胴縁の外壁側に施工され
ても良いし、外壁下地材を用いずに、直接胴縁の外壁側
へ施工されても良い。
【0027】また、本発明で内装材と断熱材の間に使用
する防湿層としては、高い透湿抵抗を有するものであれ
ば良く、特にポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、アルミ箔、アルミ箔
に紙を裏打ちしたもの、アスファルトコート紙等が好ま
しい。
【0028】
【実施例】本発明の木造建築物の壁構造の実施の一態様
を図1及び図2に基づいて説明する。図1及び図2に示
すように、105mm角の木製柱11、105mm×30mm木製間柱
12及び室内側に設けられた内装材用下地材などの枠状
部に、例えば、100mm厚のグラスウール等の無機繊維材
系断熱材13を内面側が前記柱11及び間柱12の表面
と略同一面になるように挿入し、この断熱材13を前記
柱11及び間柱12間に止着する。なお、この断熱材1
3は前記柱11及び間柱12及び室内側の内装材用下地
材との間に隙間が生じないように嵌着する。
【0029】また、室内側から断熱材層にできるだけ水
蒸気を流入させないための防湿層として、前記断熱材1
3と柱11及び間柱12の内面に0.2mm厚みのポリエチ
レン製シート14を隙間なく貼着するのが好ましい。そ
してさらにその内面に、合板、石膏ボードなどの内装材
15を貼着する。次に、断熱材13の外側に、2730×91
0×9mmの通気性を有するヤシ繊維からなる板状体16を
配し、断熱材13の外面より突出している前記柱11及
び間柱12に釘等にて貼着する。
【0030】このヤシ繊維からなる板状体16の外面側
には、前記柱11及び間柱12に位置合わせした45×18
mmの木製の縦胴縁17をあらかじめ釘、接着剤などにて
止着しておく。または、ヤシ繊維からなる板状体16を
柱11及び間柱12の外面に貼着した後に、柱11及び
間柱12の位置に合わせて木製の縦胴縁17を釘などに
て止着する。ここで胴縁は、木製のものに限るものでは
なく、合板、パーティクルボード、OSB、金属、合成
樹脂などよりなるものであっても良い。
【0031】次に、上記ヤシ繊維からなる板状体16と
縦胴縁17の外側に透湿防水性を有するシート状物であ
るポリエチレン製不織布18を前記板状体16及び縦胴
縁17に貼着し、ポリエチレン製不織布18の外側に、
サイディング板、鉄網モルタルなどの外装材20を止着
する。板状体16の外面より突出した前記縦胴縁17の
突出した幅が通気層19を形成する。この通気層の上部
は小屋裏及び/又は軒下へ連通させるか解放し、通気層
に至った湿気を屋外へ排出する。
【0032】この構成によれば、室内又は床下から微小
な間隔を通じて断熱材13に侵入した水蒸気を含む空気
は、ヤシ繊維からなる板状体16とポリエチレン製不織
布18により遮断されることなく、通気層19内を流動
する空気流により吸引され、通気層19にまで流出する
ことができる。この湿気は通気層19を下側から上方に
流れる空気流により小屋裏又は軒下を経て外気に放出さ
れる。このように断熱材13に侵入した空気に含まれる
水蒸気等の湿気は、ヤシ繊維からなる板状体16及びポ
リエチレン製不織布18の通気性、透湿性により放出で
きるため、室内または外気温度の変化で水蒸気が断熱材
中で結露することがなく、柱や間柱などの構造材を濡ら
し、腐朽させることがなくなる。また、断熱材13に湿
気が溜まることによるカビの発生などのおそれもなく、
耐久性能が高められる。
【0033】また、上記実施例では、ヤシ繊維からなる
板状体に縦胴縁を止着し、その外側に透湿防水性を有す
るシート状物であるポリエチレン製不織布を貼着した例
を示したが、ヤシ繊維からなる板状物の外側に透湿防水
性を有するシート状物を貼着し、その外側に縦胴縁を止
着してもよい。(止着方法は、釘、ステープル等、適宜
の手段で実施できる。)さらに、ヤシ繊維からなる板状
体は面内剛性を有していることから、外壁の水平耐力が
高められる。
【0034】また、透湿防水性を有するシート状物が存
在することにより、外壁より流入した雨水などが阻止で
きるため、シート状物よりもより室内側の壁内に侵入す
るのを防ぐことができて防水性が向上し、断熱性能の低
下、柱などの腐蝕を防止できる。尚、上述の実施例は本
発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるも
のではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変形実施可能である。例えば、上述の実施例では、胴
縁として縦胴縁を用いたが、通気層が土台部分から軒下
または小屋裏まで連通していればよく、横胴縁を用いて
も目的は達しうる。また空間を形成するスペーサーを用
いても通気層は形成しうる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、断熱材の外側に設けたヤシ繊維からなる板状
体の通気性により、断熱材に侵入した空気に含まれる水
蒸気は断熱材に溜まることなく通気層に流出して外気に
放出されるため、柱などの腐蝕、断熱材のカビ発生等の
障害が発生することなく、断熱材及び住宅そのものの耐
久性を損なうことなく、室内環境を快適に維持できる。
さらに透湿防水性を有するシート状物により、外装材よ
り侵入した雨水などの壁内への侵入を有効に防ぐことが
でき、透湿、通気を阻害することもない。また、本発明
の壁構造によればヤシ繊維からなる板状体により簡単な
構造で水平耐力が高められるとともに断熱層の膨張力を
抑えることができる抗力をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す壁構造の一部を切り
欠いた斜視図
【図2】本発明の一実施形態を示す壁構造の縦断側面図
【符号の説明】
11柱 12間柱 13断熱材 14防湿層 15内装材 16ヤシ繊維からなる板状体 17縦胴縁 18透湿防水性を有するシート状物 19通気層 20外装材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04C 2/24 E04C 2/24 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内側から室外側に向かって1.内装
    材、2.断熱材、3.ヤシ繊維よりなる繊維マットに接
    着剤を付着し、圧縮成形することにより得られた通気性
    を有する板状体、4.透湿防水性を有するシート状物、
    5.通気層、6.外装材の順の構成で構築されたことを
    特徴とする木造建築物の壁構造。
  2. 【請求項2】 内装材と断熱材との間に防湿層を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の木造建築物の壁構造。
  3. 【請求項3】 板状体としてヤシ繊維に有機又は無機繊
    維を混合した混合繊維よりなる繊維マットに接着剤を付
    着し、圧縮成形することにより得られた板状体を使用し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の木造建築物の
    壁構造。
JP10047305A 1998-02-27 1998-02-27 木造建築物の壁構造 Pending JPH11247320A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000160732A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Sumitomo Forestry Co Ltd 壁仕上用下地構造
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