JPH11256717A - 建築用パネル - Google Patents

建築用パネル

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JPH11256717A
JPH11256717A JP10058471A JP5847198A JPH11256717A JP H11256717 A JPH11256717 A JP H11256717A JP 10058471 A JP10058471 A JP 10058471A JP 5847198 A JP5847198 A JP 5847198A JP H11256717 A JPH11256717 A JP H11256717A
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JP
Japan
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panel
heat insulating
fiber
moisture
exterior
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JP10058471A
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English (en)
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Ryuji Fukuda
竜司 福田
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枠組壁工法や木質パネル構法による木造建築
の外壁パネルに用いる建築用パネルで、断熱材の膨張力
を抑え、パネルの面内せん断耐力を高め、パネル内に侵
入した水蒸気をパネル内通気により外気に放出して結露
や腐朽を防止し、室内環境を快適に維持でき、外部から
の雨水などの侵入をも防ぎ、耐久性能を向上させた建築
用パネルを提供する。 【解決方法】 枠体2内部に断熱材3を設け、断熱材3
と枠体2の内面にポリエチレン製シートを貼着して防湿
層5とし、その内面に、内装下地材4b、内装仕上材4
aを貼着して内装材4を形成し、断熱材3の外面側に透
湿性を有するヤシ繊維板1を止着し、ヤシ繊維板1及び
枠体2の外面側に縦胴縁6を止着し、ヤシ繊維板1及び
縦胴縁6の外側表面に透湿防水性を有するポリエチレン
製不織布を貼着して透湿防水層8を形成し、透湿防水層
8の外側に外装下地材7b、外装仕上材7aを止着して
外装材7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造住宅などの木
造建築物の建築に用いる建築用パネルに関し、さらに詳
しくは、枠組壁工法、又は木質パネル構法による木造建
築物の建築に用いる建築用パネルであって、主に壁パネ
ル、特に外壁パネルとして用いる建築用パネルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のような枠組壁工法、又は木質パネ
ル構法による木造建築物の建築に用いる建築用パネル、
例えば外壁パネルは、枠体の両面に外装材及び内装材を
貼着し、内部にグラスウールなどの繊維系の断熱材が設
けられているものが一般的である。さらに、室内の水蒸
気を室外へ逃がすために、外装材と断熱材との間に通気
層を形成することにより、断熱材を透過した室内の水蒸
気がパネル内の通気層を通って軒下から室外へ拡散する
ようにした外壁用パネルもある。このような通気構造の
パネルの場合には、通気層と断熱材を区画する防風透湿
層が必要となる。この防風透湿層は、断熱材を保持する
機能を発揮し、しかも水蒸気を通気層へスムーズに透過
させ得るように透湿性に優れたものでなければ効果は少
ない。
【0003】従来、この防風透湿層を形成するものとし
て適した素材がなく、構造用合板やオリエンティッドス
トランドボード(OSB)などの集成材が用いられてき
た。しかし、このような板状体は透湿性が極めて低い。
このために、水蒸気を通気層へスムーズに透過させるこ
とができず、室内又は床下から微小な空隙を通して断熱
材に水蒸気が侵入すると、断熱材中に水蒸気が溜まり、
これが外気温度の変化で冷却されると壁内結露が生じ、
断熱材の断熱性能を低下させるとともにカビの発生、さ
らにはパネルの枠体を構成する木材の腐朽などにより耐
久性能を低下させる問題があった。
【0004】そこで、水蒸気の透過性を持たせるため
に、防風透湿層として、例えばポリエチレン製の不織布
が使われた。しかし、断熱材にグラスウールなどを使用
した場合には、断熱材の膨張力に押されてこの不織布が
膨出変形し、通気層を狭め、時には塞いでしまうという
欠点があり、このことは特に寒冷地においてグラスウー
ルなどを多量に詰め込んだときに起こり易いことがわか
っている〔建築工事標準仕様書・同解説JASS24断
熱工事(日本建築学会編)参照〕。また、これらポリエ
チレン製不織布などの不織布シートはそれ自身では構造
強度に寄与できないため、外壁パネルの強度は不織布シ
ート以外の、例えば枠体や構造用面材などの構造材に頼
らざるを得ない。そこで、これらを組み合わせて、構造
用合板やOSBなどの板状体を断熱材の外側に当て、そ
の端辺を枠体などの構造材に固定し、その外側に不織布
シートを配して防風層を形成している。
【0005】こうした構造によれば断熱材の膨張力には
耐えることができ、構造強度を有する外壁パネルを構成
できる。しかし、透湿性を有するポリエチレン製不織布
の内側に合板やOSBなどの透湿性が極めて低い板状体
を配しているために、結局、断熱材を透過した水蒸気を
通気層へスムーズに透過させることができず、パネル内
での結露の発生を招くという欠陥がある。
【0006】このような間願を解決するために、断熱材
に侵入した水蒸気を外気に放出するとともに、外壁パネ
ルの面内せん断耐力を高める手段として、例えば、特開
平4−38345号公報、特開平8−246585号公
報では構造用合板などに通気孔を形成した、いわゆる穴
あき通気合板を用いる技術を開示している。しかし、こ
のような構造では、断熱材に侵入した水蒸気を外気に放
出したり、面内せん断耐力を高めることは可能である
が、外部から雨水などの浸入を有効に防止することはで
きず、結果として、断熱材が濡れてしまい断熱性能が低
下してしまう恐れがある。さらに、構造用合板に通気孔
を開ける手間がかかり、構造用合板の価格が高くなると
いう問題点があるとともに、孔を開けると強度を低下さ
せることにもなる。
【0007】また、特開平8−27923号公報では、
左右の縦枠体と上下の横枠体からなる矩形枠内に断熱材
を設け、該矩形枠の一面に合板を取り付け、他の面にサ
イディング板材を取り付け、該サイディング板材が取り
付けられる左右の縦枠材の取付面を上下の横枠材より突
出した胴縁面として形成するとともに、矩形枠とサイデ
ィング板材の間に防水シートを貼設し、前記サイディン
グ板材と防水シートとの間に上下に連通した通気層を形
成した外壁パネルが開示されている。しかし、この外壁
パネルの場合には、前記防水シートが透湿性に乏しく、
断熱材に侵入した水蒸気を通気層を通して外部に放出す
ることが困難であるだけでなく、強度も不充分であるた
め、断熱材の膨出変形を防止することはできず、また、
面内せん断耐力を高めることもできない。
【0008】さらに、特開平8−68133号公報に
は、外枠の両面に外装材及び内装材を貼着し、内部に断
熱材を設けるとともに、外装材と断熱材との間にプラス
チックス、ボール紙、金属板などからなる波板を介装し
て外枠の上下の枠材間にわたって通気層を形成し、外枠
の上下の枠材に通気層に開通した通気孔を形成した外壁
パネルが開示されている。これによれば、外装材と断熱
材の間に介装した波板により断熱が膨れ出すのを防ぎ、
外装材と断熱材の間に通気層を確保でき、しかも、該通
気層に開通した通気孔を上下の枠材に形成したのでパネ
ル内の湿気が該通気孔を通って外部に排出され、パネル
内の結露やパネルの腐蝕を防止できる、とされている。
しかし、この波板による断熱材の押さえは線状であるた
め、波板の凹部内に断熱材が膨出変形して内側の通気層
を塞いでしまうおそれがあり、その場合には、プラスチ
ックス、ボール紙、金属板などからなる波板は透湿性に
乏しいため、断熱材に湿気がこもり、パネル内の結露や
パネルの腐蝕が発生するおそれがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような点
に着目してなされたものである。すなわち、枠組壁工法
や木質パネル構法による木造住宅などの木造建築物の建
築において主に壁パネルとして、特に外壁パネルとして
用いる建築用パネルにおいて、断熱材の膨張力を抑え、
かつパネルの面内せん断耐力を高め、さらにパネル内通
気によりパネル内に侵入した水蒸気を外気に放出して、
パネル内における結露や腐朽を防止し、しかも、室内環
境を快適に維持できるようにするとともに、外部からの
雨水などの侵入をも防ぎ、耐久性能を向上させることが
できる建築用パネルを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の建築用パネル
は、上記課題を解決するために、下記のように構成し
た。 [1]枠体(2)の室外側に位置する片面に、ヤシ繊維
を主成分とする繊維マットに接着剤を付着させ圧縮成形
することにより得られた透湿性を有するヤシ繊維板
(1)を設けてなる建築用パネル、[2]枠体(2)の
内部に断熱材(3)を設けてなる[1]記載の建築用パ
ネル、[3]ヤシ繊維を主成分とする繊維マットに接着
剤を付着させ圧縮成形することにより得られた透湿性を
有するヤシ繊維板(1)の室内側に位置する片面に断熱
材(3)を設けてなる建築用パネル、[4]ヤシ繊維板
(1)として、ヤシ繊維を主成分とする繊維マットに必
要により有機繊維及び/又は無機繊維などよりなるシー
ト状物を積層し、接着剤を付着させ、圧縮成形すること
により得られた板状体を使用してなる前記[1]〜
[3]のいずれかに記載の建築用パネル。これらの建築
用パネルは、施工前、又は施工後に、その両面に内装
材、外装材を設け、さらには必要により外装材の内面に
通気層が形成され、例えば外壁パネルとして使用され
る。この場合には、室内又は床下から微小空隙を適して
パネルの断熱材に侵入した水蒸気を含む空気は、透湿性
を有するヤシ繊維板を透過し、その外面側に適宜形成さ
れる通気層を通って壁内から外部へ排出される。また、
これらの建築用パネルでは、ヤシ繊維板によりパネルの
面内せん断耐力を高めることができる。なお、本発明
で、室外側及び室内側とは、この建築用パネルを外壁パ
ネルとして用いて施工した場合の室外側及び室内側を意
味する。
【0011】[5]室内側に位置する片面に防湿層
(5)を設けてなる前記[1]〜[4]のいずれかに記
載の建築用パネル。このパネルの場合には、施工前、又
は施工後に、その両面に内装材、外装材、さらには必要
により外装材の内面に通気層が形成される。この場合
は、防湿層(5)により、パネル内への水蒸気の侵入が
防止され、パネル内における結露、湿気による断熱材の
断熱性能の低下や、パネルを構成する木材の腐朽などが
効果的に防止される。
【0012】[6]室内側に位置する片面に内装下地材
(4b)及び/又は内装仕上材(4a)を設けてなる前
記[1]〜[5]のいずれかに記載の建築用パネル、
[7]室外側に位置する片面に胴縁(6)を設けてなる
前記[1]〜[6]のいずれかに記載の建築用パネル、
[8]室外側に位置する片面に外装下地材(7b)及び
/又は外装仕上材(7a)を設けてなる前記[1]〜
[7]のいずれかに記載の建築用パネル。
【0013】[9]ヤシ繊維板(1)の室外側に位置す
る片面、ヤシ繊維板(1)及び胴縁(6)の室外側に位
置する片面、又は外装下地材(7b)及び/又は外装仕
上材(7a)の室内側に位置する片面に透湿防水層
(8)を設けてなる前記[1]〜[8]のいずれかに記
載の建築用パネル。これらの建築用パネルでは、これを
外壁パネルとして施工した場合は、室内又は床下から微
小空隙を適してパネルの断熱材に侵入した水蒸気を含む
空気は、透湿性を有するヤシ繊維板を透過し、さらに透
湿防水層を設けた場合には、これをも透過し、通気層の
空気流により壁外へ排出され、さらに、小屋裏などから
外気へ排出される。このような機能を有することから断
熱材中に湿気が溜まることがなくなる。また、透湿防水
層により、外壁側からの雨水の侵入を防止することがで
きるとともに、透過性、透湿性を阻害することがない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の建築用パネルの1
実施態様を示す外壁パネルPの分解斜視図であり、図2
はその平断面図である。この外壁パネルPは、枠体2の
室外側に位置する片面に、ヤシ繊維を主成分とする繊維
マットに接着剤を付着させ圧縮成形することにより得ら
れた透湿性を有するヤシ繊維板1を、枠体2に釘打ちす
るか、あるいは図3、図4に示す如く枠体2の内周縁部
に周設した段部26内にはめ込んだり、さらには、該段
部26内にはめ込んだヤシ繊維板1を枠体2に釘打ちす
るなどして設けてなる。この外壁パネルPは、ヤシ繊維
板1を室外側にして施工され、ヤシ繊維板1の室外側に
は外装材が、また、枠体2の室内側には内装材が、施工
前、又は施工後に適宜設けられる。また、枠体2の内部
には断熱材が設けられることもあり、さらに、外装材の
内側に胴縁を介在させて外壁パネルPの上下に連通する
通気層が設けられることもある。また、内装材と枠体2
との間に防湿層が設けられたり、前記通気層の内面に透
湿防水層が設けられることもある。
【0015】前記枠体2は、木材又は金属などにより一
般には図例の如く縦桟25を1本含む矩形状に作成され
るが、さらに縦桟の数を増やしてもよく、また、図5に
示すような単なる矩形状であってもよく、図6に示す横
桟型、さらには図7に示す格子桟型など、桟を設けたも
のも用いられる。また、図8に示すように斜めに桟を設
けたものであってもよい。さらに、これらの枠体2に筋
交いを設けたものも用いられる。
【0016】前記ヤシ繊維板1は、ヤシ繊維を主成分と
する繊維マットに接着剤を付着させ圧縮成形することに
より得られた透湿性を有するものである。
【0017】本発明で用いるヤシ繊維とは、ココヤシ、
油ヤシ、サゴヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッパヤ
シ、サトウヤシ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュロ、
クロツグなどのヤシ料の植物から採取される繊維状樹
皮、葉柄基部繊維、中果皮繊維などの繊維をいい、これ
には油ヤシの空果房を解繊して得る繊維が含まれる。ま
た、複数種類のヤシ繊維を混合したものを含む。
【0018】ヤシ繊維は直径が約50〜650μmと太
いので、繊維マットにしたときには、繊維充填密度にも
よるが、繊維間に、例えば100μm〜5mm程度、好
ましくは200μm〜3mm程度の大きさの隙間が形成
される。従って、繊維マットの透湿性は極めてよい。さ
らに、ヤシ繊維は、直径が上述のごとく約50〜650
μmと太く、長さが約4〜30cmと長く、しかも屈曲
しており、繊維同士の絡み合いも大きいので、ヤシ繊維
板は釘を打ちつけた場含の保持力に優れる。
【0019】本発明では、ヤシ繊維として油ヤシ繊維を
使用することが好ましい。この油ヤシ繊維は、油ヤシの
空果房を解繊して得られるものである。油ヤシ繊維は他
の種類のヤシ繊維に比して解繊などに要する労力が少な
く、そのために製造に要するエネルギーが節減できて、
コスト的に安くつく。例えばココヤシ繊維では、ヤシ殻
を軟化させるために長期間水中に浸漬し、その後に機械
的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギーを
必要とする。これに対して油ヤシでは、もともと繊維状
のままで集合体となっている空果房を解繊するから、水
中浸漬の必要はなく、解繊のために要するエネルギーも
非常に少なくて済む。また、油ヤシ繊維はココヤシ繊維
に比して発塵性が少なく、その取扱いにおいて作業環境
の悪化が避けられ好ましい。
【0020】この油ヤシ繊維は、解繊の前後には、油分
及び臭いを除去するために必要に応じて洗浄を行う。油
ヤシ繊維の単体は、剛性度が高く、断面径が150〜6
50μm程度であり、その毛足、すなわち長さも約5〜
30cm程度であり、これを解繊することにより、その
絡み合いも高度なものが期待できる。しかも、油ヤシの
果実からは油ヤシ油が搾取できるが、この果実を採取し
たあとに残る空果房には現在のところ特定の用途がなく
通常は廃棄される運命にあるので、低コストで入手でき
るという利点がある。
【0021】また、必要によりヤシ繊維に有機繊維及び
/又は無機繊維を混合してもよい。有機繊維としては天
然植物性繊維や合成繊維が挙げられる。ここで、天然植
物性繊維は、麻を解繊した麻繊維、若竹を解繊した竹繊
維、サトウキビ繊維、へちま繊維、パイナッブル繊維、
バナナ繊維、コウリャン繊維、イナワラより得られる繊
維、木質繊維などが例示され、天然植物より得られる繊
維質であれば特に限定はない。合成繊維としてはポリエ
ステル繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、アラミ
ド繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維などのポリオレフィン繊維、ビニリデン繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、レ
ーヨン、キュプラ、アセテートなどの繊維が例示され
る。また、無機繊維としては、アスベスト、ガラス繊
維、炭素繊維、ボロン繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ
素繊維、チラノ繊維などが例示される。またこれらの繊
維は、ヤシ繊維に単独で混合しても良く、二種以上を同
時に混合してもよい。ヤシ繊維に混合する上記繊維の混
合率は50重量%未満、好ましくは40重量%未満、さ
らに好ましくは30重量%未満である。
【0022】ヤシ繊維を主成分とする繊維マットとし
て、ヤシ繊維に、例えば麻繊維、竹繊維などの植物性天
然繊維を混合した場合、ヤシ繊維の直径が約50〜65
0μmであるのに対して、麻繊維の直径が約5〜30μ
m、竹繊維などの直径が10〜200μmと細いため、
麻繊維、竹繊維などの植物性天然繊維がヤシ繊維の交差
部分などに絡まり、ヤシ繊維同士の結合強度が高まると
考えられ好ましい実施態様である。
【0023】繊維マットを形成するには、ヤシ繊維を適
当な厚さに展開すればよい。繊維マットの取り扱い性を
良くするために、これらの繊維マットに少量の合成樹脂
エマルジョンなどを噴霧、塗布などにより添加してもよ
い。ここで用いる合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸
ビニル系、アクリル系、スチレン系、塩化ビニル系、ポ
リエチレン系などの熱可塑型樹脂(特に水性分散液)及
び天然ゴムラテックスあるいはSBRなどの合成ゴムラ
テックスなどが例示される。
【0024】さらに好ましい操作としては、展開して形
成された繊維マットを、ニードルパンチなどによりヤシ
繊維を不織布様又は三次元編組織状に絡み合わせる処理
を行って剥離強度を上げ、さらに必要に応じてプレス又
は熱プレスなどにより繊維マットを緻密にする。
【0025】この繊維マットの厚みは、通常5mm〜2
0mm程度にすると使い易いが、勿論これに限定される
ことなく用途に応じて任意に設定すればよく、さらに、
この繊維マットの目付は、例えば0.5kg/m2 〜6
kg/m2 が例示される。また繊維マットは圧縮成形時
に複数枚重ねて使用してもよい。
【0026】ヤシ繊維板1は、この繊維マットに噴霧又
は塗布などにより樹脂又は接着剤を付着させて圧縮成形
することで得られる。ヤシ繊維を主成分とする繊維マッ
トに付着させる樹脂又は接着剤は特に限定されるもので
はなく、ユリア樹脂、メラミン樹脂接着剤やユリア−メ
ラミン樹脂接着剤などのアミノ樹脂、フェノール樹脂接
着剤などの熱硬化性樹脂接着剤、ラテックス系接着剤や
熱可塑性接着剤などを用いることができる。
【0027】繊維マットに付着させて圧縮成形する際の
樹脂及び硬化剤の量、又は成形時の圧縮の程度により、
得られるヤシ繊維板1の繊維間の隙間の大きさや隙間の
密度を種々に変化させることができる。そのことにより
ヤシ繊維板1の透湿性をコントロールすることが出来
る。例えば、ヤシ繊維板1の繊維間の隙間を1〜100
μm程度、通常5〜50μm程度とすることにより、通
気性、透湿性を有する良好なヤシ繊維板1を製造するこ
とが可能である。
【0028】また、ヤシ繊維マットを圧縮成形してなる
ヤシ繊維板1として、ヤシ繊維を主成分とする繊維マッ
トの少なくとも1表面及び/又は内部に、有機繊維及び
/又は無機繊維からなるシート状物を配置して接着剤を
付着させ成形したものを用いてもよい。ここでいうシー
ト状物とは、編織物、不織布又は薄片よりなるシート状
物などをいう。この場合には、ヤシ繊維板1の強度が向
上するという効果があり好ましい態様となる。
【0029】次に、図9に示すものは、本発明の建築用
パネルの他実施態様を示す外壁パネルPの平断面図であ
る。この外壁パネルPでは、枠体2の室外側に位置する
片面にヤシ繊維板1を設けた上記建築用パネルPにおけ
る前記枠体2の内部に断熱材3を設けたものである。
【0030】この断熱材3としては、グラスウール、ロ
ックウール、セルロースファイバー、インシュレーショ
ンボード、ビーズ法ポリスチレンフォーム、押出法ポリ
スチレンフオーム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフ
ォーム、フェノールフォーム、吹付けウレタンフォーム
などの発泡断熱材などが挙げられ、主としてグラスウー
ル、ロックウール、セルロースファイバーなどの繊維系
の断熱材が通気性、透湿性の点から特に好ましい。
【0031】前記断熱材3を枠体2内に設ける場合、繊
維系のものは枠体2内に詰め込むことで設けることがで
き、発泡断熱材の場合には枠体2内に発泡材料を吹き込
んで発泡させることで設けることができ、また、成形品
の場合には枠体2にはめ込むだけでもよく、さらにこれ
らを枠体2に止着してもよい。
【0032】図10に示すものは、本発明の建築用パネ
ルのさらに他の実施態様を示す外壁パネルPの分解斜視
図であり、図11はその平面図である。この外壁パネル
Pは、ヤシ繊維板1の室内側に位置する片面に断熱材3
を設けたものであり、ヤシ繊維板1及び断熱材3は先の
実施例と同じである。この外壁パネルPは、ヤシ繊維板
1を室外側にして施工されるものであり、施工前、又は
施工後に、ヤシ繊維板1の室外側には外装材が、また、
断熱材3の室内側には内装材が設けられる。さらに断熱
材3の周囲に枠体が設けられることもあり、また、ヤシ
繊維板1と外装材との間に胴縁を介在させて外壁パネル
Pの上下に連通する通気層を設けることもある。また、
内装材と断熱材3との間に防湿層が設けられたり、通気
層の内面に透湿防水層が設けられることもある。また、
このパネルPにおいては、パネルPを枠体に設けた時
に、縦桟、横桟、格子状又は斜めの桟となるような桟を
予め断熱材3部分に設けてもよいし、ヤシ繊維板1と断
熱材3を水平にずらしておいたり、いずれかの寸法が一
方より長く、いずれかが横へはみ出した構造でもよい。
【0033】図12、図13に示すものは、上記のよう
な外壁パネルPの室内側に位置する片面に防湿層(5)
を設けた実施態様を示すものであり、図12はパネルP
の内面に設けられる内装下地材4bの室外側に、また、
図13は断熱材(3)の室内側に防湿層(5)を設けた
例を示している。このようにパネルPの室内側に防湿層
5を設けることでパネルP内への水蒸気の侵入を阻止
し、パネル内における結露や湿気によるパネルの腐朽、
断熱材(3)の断熱性能の低下防止、カビの発生防止な
どに効果を発揮する。
【0034】前記防湿層(5)としては、高い透湿抵抗
を有するものであればよいが、特にポリエチレンフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、アルミ箔、アルミ箔に紙を裏打ちしたもの、アスフ
ァルトコート紙などが好ましい。
【0035】図14に示すものは、本発明の建築用パネ
ルの他実施例を示す外壁パネルPの分解斜視図である。
この外壁パネルPは、上記した実施態様の外壁パネルP
の室内側に位置する片面に内装材4を設けたものであ
る。ここでは、図15に示すように、内装仕上材4aの
みのもの、さらには図16に示すように内装仕上材4a
と内装下地材4bを含めたものも内装材4と表現してい
る。
【0036】前記内装下地材4bの例としては、石膏ボ
ード、化粧石膏ボード、シージング石膏ボード、強化石
膏ボード、ラス石膏ボード、インシュレーションボー
ド、MOF、ハードボード、吸音用繊維板、パーテイク
ルボード、化粧パーテイクルボード、木毛セメント板、
合板、化粧台板、OSBなどが挙げられる。さらには、
前記ヤシ繊維板も内装下地材4bとして使用することが
できる。この内装下地材4bは、パネルPの室内側の枠
体2及び/又は断熱材3の表面に接着、釘打ちなどによ
り設けられる。
【0037】また、内装仕上材4aの例としては、紙
製、繊維製もしくはプラスチック製壁紙、ビニルタイ
ル、ビニルシート、内装セメント系仕上げ塗材、内装け
い酸質系仕上げ塗材、内装合成樹脂エマルジョン系仕上
げ塗材、内装合成樹脂溶液系仕上げ塗材、内装水溶性樹
脂仕上げ材、しっくい、化粧石膏ボード、化粧パーティ
クルボード、化粧合板などが挙げられる。この内装仕上
材4aは、パネルPの枠体2、断熱材3の室内側表面に
直接、又は内装下地材4bの表面に接着、釘打ちなどに
より、また、塗料系の内装仕上材4aの場合には内装下
地材4bの表面に塗布形成される。
【0038】さらに、図17に示すように、外壁パネル
Pには予め内装下地材4bのみ設けておき、内装仕上材
4aを現場での施工前又は施工後に設けるようにしても
よい。
【0039】次に、図18に示すものは、上記のような
外壁パネルPの室外側に位置する片面に胴縁6を設けた
場合の実施の態様を示す分解斜視図であり、図19はそ
の平断面図である。胴縁6は木材、金属、合成樹脂など
により作成され、ヤシ繊維板1あるいは枠体2に釘打ち
などにより取り付けられる。また、図20に示すよう
に、胴縁6'をヤシ繊維板1の成形時に一体に成形して
もよい。ここで胴縁6は、外装材との間に通気層となる
空間を形成するために用いられるが、外装材を釘などに
より止着するためにも用いられる。故に、胴縁6は、ヤ
シ繊維板1とその外側に設けられる外装材との間に、外
壁パネルPの上下に連通する通気層を形成できるもので
あればよく、図18に示すような縦胴縁の他、図21、
図22に示すような横胴縁としてもよく、また図23に
示すように斜めに形成してもよく、さらには、図24、
図25に示すように、パネルの全面にスペーサーとなる
突起6"が散在するように形成してもよい。
【0040】さらに、図26に示すものは、パネルの室
外側に位置する片面に前記胴縁6を介して外装材7が予
め設けられた実施態様を示す外壁パネルPの分解斜視図
であり、図27はその平断面図である。このように胴縁
6を介して外装材7を設けることで、外装材7の内面に
パネルの上下に連通する通気層9が形成される。
【0041】ここでは、外装仕上材7a及び外装下地材
7bを含めたものを外装材7と表現している。外装下地
材7bの例としては、木ずり、石膏ボード、石膏ラスボ
ード、合板、パーティクルボード、ハードボード、OS
B、木毛セメント板、シージングポード、ラスシートな
どが挙げられる。これらの外装下地材7bは、胴縁6に
釘打ちなどにより取り付けられる。
【0042】また、外装仕上材7aとしては、外壁板、
セメント、金属製、ポリ塩化ビニル製などのサイディン
グ、塗装及び/又はメッキ鋼板、外装タイル、モルタ
ル、しっくい、土壁、繊維壁及びセメント系仕上げ塗
材、けい酸質系仕上げ塗材、合成樹脂エマルジョン系仕
上塗装材、合成樹脂溶液系仕上げ塗材、ポリマーセメン
ト系塗材などの各種の外壁用塗料が例示される。また、
これらの外装仕上材7aは、図28に示すように前記外
装下地材7bを介して、胴縁6の外壁側に施工されても
よいし、外装下地材7bを用いずに、直接、胴縁6の外
壁側へ設けられてもよい。
【0043】なお、外装仕上材7a自体が通気性を有す
る場合には、必ずしも胴縁6により通気層9を設ける必
要はなく、図29に示すように、枠体2やヤシ繊維板1
の外側に直接、又は外装下地材7bを介して外装仕上材
7aを設けるようにしてもよい。また、ヤシ繊維板1は
通気性、透湿性を有するので、それ自体で通気層として
の機能を持たせることもできる。このため、枠体2やヤ
シ繊維板1の外側に直接、又は外装下地材7bを介して
外装仕上材7aを設けてもよい。
【0044】さらに、図30〜図32に示すものは、外
装材7の外装仕上材7a又は外装下地材7bの内側に形
成される通気層9の内面に透湿防水層8を設けた実施態
様を示すものである。この透湿防水層8は、図30に示
すように、ヤシ繊維板1の表面に設けてその上から胴縁
6を取り付けるようにしてもよいし、図31に示すよう
に胴縁6及びヤシ繊維板1の表面に設けてもよいし、さ
らには、図32に示すように外装材7、すなわち、外装
仕上材7aの内面、また外装下地材7bを設ける場合に
はその内面に設けるようにしてもよい。
【0045】前記透湿防水層8は、透湿防水性を有する
シート状物で作成され、ヤシ繊維板1、胴縁6、あるい
は外装仕上材7a、外装下地材7bの表面に貼着され
る。前記透湿防水性を有するシート状物としては、天然
繊維又は含成繊維よりなるシート、不織布、織布が挙げ
られる。例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体を
シート状に成形し、透湿防水性を持たせるために、ピン
ホールを持たせたものが使用しうる。また、透湿防水性
を有する不織布、織布の原料繊維としては、綿や麻、
絹、獣毛などの天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共
重合体繊維、アクリル、ビニロン、ポリエーテルスルホ
ンなどの合成繊維、ビスコース、レーヨン、ベンベルグ
などの再生繊維、ガラス繊維、炭素繊維、石綿繊維など
の無機繊維が挙げられる。これら原料繊維は、単独でも
2種以上を混合したものでもよい。これらの原料繊維を
用いて作られた不織布は防水性を有するが、通気性を有
し透湿性に優れる。なお、使用する不織布は二種以上併
用してもよい。これらのシート状物の中でも透湿性及び
防水性の観点から不織布が本発明に好適である。特に、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルよりなる
不織布が好ましい。さらに好ましくはポリエチレン製不
織布である。これら不織布は、繊維長、製法などに特別
な限定はなく、短繊維よりなるものでも良く、長繊維よ
りなるものでも良く、製造方法も湿式法、乾式法、スパ
ンボンド法、フラッシュ紡糸法、メルトブロー法、スパ
ンレース法など一般的な方法で製造された不織布を用い
ることができる。
【0046】以上、本発明の建築用パネルについて、外
壁パネルPを例に挙げて各種実施の態様を説明したが、
これらはその一部であり、本発明の建築用パネルは、枠
体(2)の室外側に位置する片面にヤシ繊維板(1)を
設けたもの、さらに前記枠体(2)の内部に断熱材
(3)を設けたもの、あるいはヤシ繊維板(1)の室内
側に位置する片面に断熱材(3)を設けたものに、内装
仕上材4a及び/又は内装下地材4bなどの内装材4、
防湿層5、胴縁6、外装仕上材7a及び/又は外装下地
材7bなどの外装材7、透湿防水層8などの各種構成要
素の内の1つ又は2つ以上の構成要素を組み込んだ中間
製品の如きものから、前記構成要素の全てを予め工場な
どで組み込んだ完成品まで、製造、保管、施工の事情に
応じて、あるゆる態様のパネルを任意に構成しうるので
ある。
【0047】さらに、この建築用パネルには、図33に
示すような窓用開口部10あるいはドア用開口部を設け
たり、図34に示すようにコンセントなどの部材を埋め
込むための空間11を形成したり、また、配線用の開口
などを枠体2に設けたもの、さらにはパネル内部に電気
配線や配管を施したりすることもできる。
【0048】また、図35に示すように、両面に設けた
内装材4や外装材7の両端部と枠体2の両端部とを水平
方向にずらせて設けておき、隣接して施工されるパネル
の端部同士を互いに嵌合連結可能な構造としてもよい。
【0049】
【実施例】本発明の建築用パネルの実施例を図36〜図
38に示した外壁パネルPに基づいて説明する。図36
は本発明の建築用パネルの1実施例の斜視図、図37は
その分解斜視図、さらに図38は平断面図である。この
外壁パネルPは、高さ(H)2440mm×幅(W)9
10mm×厚さ(D)90mmの木製枠体2の内部に、
例えば、グラスウールなどの無機繊維材系断熱材3をそ
の内面側が前記枠体2の表面と略同一面になるように挿
入し、この断熱材3を枠体2の上下の横枠部21、2
2、左右の縦枠部23、24、中間の縦桟25などへ止
着する。なお、この断熱材3は枠体2の上下左右の枠部
21〜24、縦桟25、及び外側に設けられたヤシ繊維
板1との間に隙間が生じないように設ける。また、室内
側から断熱材3層にできるだけ水蒸気を流入させないた
めの防湿層5として、前記断熱材3と枠体2の内面に
0.2mm厚みのポリエチレン製シートを隙間なく貼着
するのが好ましい。そしてさらにその内面に、合板、石
膏ボードなどの内装下地材4bを貼着し、さらにその内
面に内装仕上材4aを貼着又は塗布などし、内装材4を
形成する。次に、断熱材3の外面側には、2440mm
×910mm×9mmの透湿性を有するヤシ繊維板1
を、前記枠体2に、必要により釘などにて止着する。そ
して、前記ヤシ繊維板1及び枠体2の外面側には、枠体
2の左右の縦枠部23、24、及び縦桟25に位置合わ
せした45×18mmの木製の縦胴縁6を、枠体2との
間にヤシ繊維板1を挟み込んだ状態で釘、接着剤などに
て止着する。前記縦胴縁6は、木製のものに限るもので
はなく、合板、パーティクルボード、OSB、金属、合
成樹脂などよりなるものであってもよい。次に、上記ヤ
シ繊維板1及び縦胴縁6の外側表面に透湿防水性を有す
るシート状物であるポリエチレン製不織布を貼着して透
湿防水層8を形成し、さらに該透湿防水層8の外側に、
石膏ボード、合板などの外装下地材7b、及びサイディ
ング板、鉄網モルタルなどの外装仕上材7aを止着して
外装材7を形成する。
【0050】以上のようにして外壁パネルPが構成され
る。この外壁パネルPでは、前記枠体2及びヤシ繊維板
1の外面より突出した縦胴縁6の突出した幅が外装材7
との間に通気層9を形成する。この通気層9は外壁パネ
ルPの上方に開放されており、施工後は小屋裏及び/又
は軒下へ連通させるか解放しておく。そして、この外壁
パネルPでは、室内又は床下から微小な間隔を通じてパ
ネルPの断熱材3に侵入した水蒸気を含む空気は、ヤシ
繊維板1とポリエチレン製不織布からなる透湿防水層8
により遮断されることなく、通気層9内を流動する空気
流により吸引され、通気層9にまで流出することができ
る。この湿気は通気層9を下側から上方に流れる空気流
によりパネルPの上端から排出され、小屋裏又は軒下を
経て外部に放出される。このように断熱材3に侵入した
空気に含まれる水蒸気などの湿気は、ヤシ繊維板1及び
ポリエチレン製不織布からなる透湿防水層8の通気性、
透湿性により放出できるため、室内又は外気温度の変化
で水蒸気が断熱材3中で結露することがなく、枠体2な
どの構造材を濡らし、腐朽させることがなくなる。ま
た、断熱材3に湿気が溜まることによる断熱性能の低
下、カビの発生などのおそれもなく、パネル9の耐久性
能が高められる。
【0051】また、上記実施例では、ヤシ繊維板1に縦
胴緑6を止着し、その外側に透湿防水性を有するシート
状物であるポリエチレン製不織布を貼着して透湿防水層
8を形成した例を示したが、ヤシ繊維板1の外側に透湿
防水性を有するシート状物を貼着して透湿防水層8を形
成し、その外側に縦胴縁6を止着してもよい。
【0052】さらに、この外壁パネルPは、ヤシ繊維板
1が面内剛性を有していることから、外壁パネルPの水
平耐力が高められる。また、透湿防水性を有するシート
状物からなる透湿防水層8が存在することにより、外装
材7側より流入した雨水などを阻止できるため、透湿防
水層8よりもより室内側のパネル内に水が侵入するのを
防ぐことができて防水性が向上し、断熱性能の低下、枠
体2などの腐朽を防止できる。
【0053】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形実施可能
である。例えば、上述の実施例では、胴縁6として縦胴
縁を用いたが、通気層9が土台部分から軒下または小屋
裏まで連通していればよく、横胴縁を用いても目的は達
しうる。また空間を形成するスペーサーを用いても通気
層は形成しうる。さらに、外装材7自体が通気性を有す
る場合やヤシ繊維板1に通気層としての機能を持たせる
場合には、通気層9は必ずしも設ける必要はない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、建築用パネルに設けられる断熱材の外側にヤ
シ繊維板を配するようにしたことから、ヤシ繊維板の透
湿性により、断熱材に侵入した空気に含まれる水蒸気は
断熱材に溜まることなくヤシ繊維板に達し、さらにヤシ
繊維板の外側に形成される通気層あるいは通気性を有す
る外装材に達し、ヤシ繊維板や通気層や外装材を通して
パネル外に放出されるため、湿気による枠体などの腐
朽、断熱材の断熱性能の低下、カビ発生などの障害が発
生することなく、断熱材及び枠体、ひいてはこの建築用
パネルを用いて施工される住宅そのものの耐久性を損な
うことなく、室内環境を快適に維持できる。さらには通
気層の内面または外装材内面に透湿防水層を設けた場合
には、外装材側より侵入した雨水などがさらにパネル内
部へ侵入することを有効に防ぐことができ、しかも透
湿、通気は阻害することもない。また、内装材の内側に
防湿層を設けた場合には、パネル内への水蒸気の侵入を
阻止して、湿気による枠体などの腐朽、断熱材の断熱性
能の低下、カビの発生などの障害の発生防止に効果があ
る。しかも、本発明の建築用パネルは、ヤシ繊維板を用
いたことにより、簡単な構造で水平耐力が高められると
ともに断熱材の膨張力を抑えることができる抗力をも有
している。従って、本発明の建築用パネルは、外壁パネ
ルをはじめとする各種壁パネルや床パネルなど、透湿性
と強度とが要求される様々な建築用パネルとして使用で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す外壁パネルの分解
斜視図。
【図2】 前記外壁パネルの平断面図。
【図3】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの分解
斜視図。
【図4】 前記外壁パネルの平断面図。
【図5】 枠体の他実施形態を示す斜視図。
【図6】 枠体の他実施形態を示す斜視図。
【図7】 枠体の他実施形態を示す斜視図。
【図8】 枠体の他実施形態を示す斜視図。
【図9】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平断
面図。
【図10】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの分
解斜視図。
【図11】 前記外壁パネルの平断面図。
【図12】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図13】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図14】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの分
解斜視図。
【図15】 前記外壁パネルの平断面図。
【図16】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図17】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図18】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの分
解斜視図。
【図19】 前記外壁パネルの平断面図。
【図20】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図21】 通気層用の胴縁の実施態様を示す外壁パネ
ルの斜視図。
【図22】 通気層用の胴縁の実施態様を示す外壁パネ
ルの斜視図。
【図23】 通気層用の胴縁の実施態様を示す外壁パネ
ルの斜視図。
【図24】 通気層用の胴縁の実施態様を示す外壁パネ
ルの斜視図。
【図25】 通気層用の胴縁の実施態様を示す外壁パネ
ルの斜視図。
【図26】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの分
解斜視図。
【図27】 前記外壁パネルの平断面図。
【図28】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図29】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図30】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図31】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図32】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
断面図。
【図33】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの斜
視図。
【図34】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの斜
視図。
【図35】 本発明の他実施形態を示す外壁パネルの平
面図。
【図36】 本発明の建築用パネルの一実施例を示す外
壁パネルの斜視図。
【図37】 前記外壁パネルの分解斜視図。
【図38】 前記外壁パネルの平断面図。
【符号の説明】
P 外壁パネル 1 ヤシ繊維板 2 枠体 3 断熱材 4 内装材 4a 内装仕上材 4b 内装下地材 5 防湿層 6 胴縁 7 外装材 7a 外装仕上材 7b 外装下地材 8 透湿防水層 9 通気層 10 窓用開口部 11 空間 21、22 横枠部 23、24 縦枠部 25 縦桟 26 段部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠体(2)の室外側に位置する片面に、
    ヤシ繊維を主成分とする繊維マットに接着剤を付着させ
    圧縮成形することにより得られた透湿性を有するヤシ繊
    維板(1)を設けてなる建築用パネル。
  2. 【請求項2】 枠体(2)の内部に断熱材(3)を設け
    てなる請求項1記載の建築用パネル。
  3. 【請求項3】 ヤシ繊維を主成分とする繊維マットに接
    着剤を付着させ圧縮成形することにより得られた透湿性
    を有するヤシ繊維板(1)の室内側に位置する片面に断
    熱材(3)を設けてなる建築用パネル。
  4. 【請求項4】 ヤシ繊維板(1)として、ヤシ繊維を主
    成分とする繊維マットに必要により有機繊維及び/又は
    無機繊維などよりなるシート状物を積層し、接着剤を付
    着させ、圧縮成形することにより得られた板状体を使用
    してなる請求項1〜3のいずれかに記載の建築用パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 室内側に位置する片面に防湿層(5)を
    設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の建築用パネ
    ル。
  6. 【請求項6】 室内側に位置する片面に内装下地材(4
    b)及び/又は内装仕上材(4a)を設けてなる請求項
    1〜5のいずれかに記載の建築用パネル。
  7. 【請求項7】 室外側に位置する片面に胴縁(6)を設
    けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の建築用パネ
    ル。
  8. 【請求項8】 室外側に位置する片面に外装下地材(7
    b)及び/又は外装仕上材(7a)を設けてなる請求項
    1〜7のいずれかに記載の建築用パネル。
  9. 【請求項9】 枠体及びヤシ繊維板(1)の室外側に位
    置する片面、ヤシ繊維板(1)及び胴縁(6)の室外側
    に位置する片面、又は外装下地材(7b)及び/又は外
    装仕上材(7a)の室内側に位置する片面のいずれかに
    透湿防水層(8)を設けてなる請求項1〜8のいずれか
    に記載の建築用パネル。
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