JPH10138210A - 住宅内装材 - Google Patents

住宅内装材

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Publication number
JPH10138210A
JPH10138210A JP31715296A JP31715296A JPH10138210A JP H10138210 A JPH10138210 A JP H10138210A JP 31715296 A JP31715296 A JP 31715296A JP 31715296 A JP31715296 A JP 31715296A JP H10138210 A JPH10138210 A JP H10138210A
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JP
Japan
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fiber
fibers
moisture permeability
interior material
sheet
Prior art date
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Application number
JP31715296A
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English (en)
Inventor
Masashi Hiraishi
将史 平石
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドア、間仕切り等に使用できる強度を持ち、
表面に表装材を配置して内装材としての美観を備えなが
らも、優れた通気性及び透湿性を兼ね備えた住宅内装材
を提供する。 【解決手段】 植物繊維により又は植物繊維に他の有機
繊維及び/又は無機繊維を混合した混合繊維により繊維
マット1を形成し、繊維マットに硬化性樹脂を付着し、
少なくとも1表面に通気性及び透湿性を有するシート状
の表装材2を貼り付けた。繊維マット1の少なくとも1
表面及び/又は内部に植物性天然繊維からなる編織物
3、不織布又は竹繊維等の薄片よりなるシート状物を配
置し、硬化性樹脂を付着し、少なくとも1表面に通気性
及び透湿性を有するシート状の表装材2を貼り付けた。
植物繊維をヤシ繊維とし、さらにアブラヤシ繊維とし
た。編織物をジュートクロスとした。通気性及び透湿性
を有する表装材を0.5g/(m2・hr)以上の透湿
度を有する紙とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木質系ファイバ
ーボード類似の板状体又はこれを所定形状に成形してな
る成形体の形態を有し、表面に通気性及び透湿性を有す
るシート状の表装材を配置することで、特に透湿性と強
度の双方において優れた性能を発揮する住宅内装材に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、屋内の空調が進み、全室で温度、
湿度をトータルにコントロールする住宅が建てられるよ
うになった。従来、家屋内のドアや間仕切り等には金属
製の板や合板など木製の板が良く用いられているが、こ
れらは通気性及び透湿性に乏しいため、空調設備の吸気
口、排気口を各部屋ごとに設ける必要があった。このた
め、このような住宅を設計、施工する場合には、設備コ
スト及びランニングコストの面で施主にとって大きな負
担となっている。また、近年の高気密住宅においては、
部屋を閉め切ったままにしておくと、積極的に換気を行
わない限り室内に湿気や臭気等がこもりやすい。上記の
ようなドア、間仕切り等を使用していると、この問題を
解決するには各部屋に換気装置の設置が必要となる。こ
のこともまた、施主にとっては同様な負担を強いること
になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、通気性及び透
湿性を有するボードをドアや間仕切り等に用いれば、家
屋内の空気及び湿気の流通が良好になり、部屋間の温湿
度の格差を狭めることが出来るほか、低コストで有効な
換気効率及び冷暖房効率を実現できる。
【0004】その場合、透湿性の良いボードとしてイン
シュレーションボードやシージングボードを用いること
が考えられるが、ドアや間仕切り等に使用するには強度
の面で不十分であることから、透湿性があり且つより強
度の高いボードが望まれていた。
【0005】本発明は上記のような点に注目してなされ
たものであり、その課題とするところはドア、間仕切り
等に使用できる強度を持ち、表面に表装材を配置して内
装材としての美観を備えながらも、優れた通気性及び透
湿性を兼ね備えた住宅内装材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、以下の発明に至った。
すなわち本発明は、 [1]植物繊維により又は植物繊維に他の有機繊維及び
/又は無機繊維を混合した混合繊維により繊維マットを
形成し、この繊維マットに硬化性樹脂を付着し、その少
なくとも1表面に通気性及び透湿性を有するシート状の
表装材を貼り付けたことを特徴とする住宅内装材に関す
る。 [2]植物繊維により又は植物繊維に他の有機繊維及び
/又は無機繊維を混合した混合繊維により繊維マットを
形成し、その少なくとも1表面及び/又は内部に植物性
天然繊維からなる編織物、不織布又は竹繊維等の薄片よ
りなるシート状物を配置し、この繊維マットに硬化性樹
脂を付着し、更にその少なくとも1表面に通気性及び透
湿性を有するシート状の表装材を貼り付けたことを特徴
とする住宅内装材に関する。 [3]植物繊維がヤシ繊維である上記[1]又は[2]
に記載の住宅内装材に関する。 [4]植物繊維がアブラヤシ繊維である上記[3]に記
載の住宅内装材に関する。 [5]植物性天然繊維からなる編織物がジュートクロス
である上記[2]〜[4]のうちいずれかに記載の住宅
内装材に関する。 [6]通気性及び透湿性を有する表装材が0.5g/
(m2・hr)以上の透湿度を有する紙である上記
[1]〜[5]のうちいずれかに記載の住宅内装材に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の住宅内装材は、植物繊維
により又は植物繊維に他の有機繊維及び/又は無機繊維
の混合した混合繊維により繊維マットを形成し、その少
なくとも1表面及び/又は内部に植物性天然繊維からな
る編織物、不織布又は竹繊維等の薄片よりなるシート状
物を配置し、これらに硬化性樹脂を付着し、更にその少
なくとも1表面に通気性及び透湿性を有するシート状の
表装材を貼り付けてなるものである。この住宅内装材は
繊維マットの段階で、或いは表装材を貼り付けてから、
必要により圧縮成形される。最終的な形態は、板状体又
はこれを所定形状に成形してなる成形体である。この住
宅内装材は、ドア、間仕切り等に使用できる強度を持
ち、表面に表装材を配置して内装材としての美観を備え
ながらも、優れた通気性及び透湿性を兼ね備えている。
【0008】本発明で使用する植物繊維にはヤシ繊維が
含まれ、このヤシ繊維とはココヤシ、アブラヤシ、サゴ
ヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッパヤシ、サトウヤ
シ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュロ、クロツグ等の
ヤシ科の植物から採取される繊維状樹皮、葉柄基部繊
維、中果皮繊維等の繊維をいい、これにはアブラヤシの
空果房を解繊して得られる繊維が含まれる。また、複数
種類のヤシ繊維を混合したものを含む。
【0009】ヤシ繊維は直径が約100〜600μmと
太いので、繊維マットを形成したとき、繊維充填密度に
もよるが繊維間に、例えば100μm〜5mm程度、好
ましくは200μm〜3mm程度の大きさの隙間が形成
される。従って、繊維マットの透湿性は極めて良い。
【0010】この繊維マットに硬化性樹脂を付着させて
圧縮成形する際の樹脂量又は成形時の圧縮の程度によ
り、得られる住宅内装材の繊維間の隙間の大きさや隙間
の密度を種々に変化させることができる。そのことによ
り住宅内装材の透湿性のコントロールが出来る。例え
ば、この隙間を1〜100μm程度、通常5〜50μm
程度とすることにより、通気性は有するが水滴は通さな
い良好な住宅内装材も製造することが可能である。
【0011】さらに、ヤシ繊維は、直径が約100〜6
00μmと太く、長さが約5〜30cmと長く、屈曲し
ており繊維同士のからまりも大きいため、住宅内装材は
釘を打ちつけた場合の釘保持力に優れる。
【0012】ヤシ繊維としてはアブラヤシ繊維を使用す
ることが好ましい。このアブラヤシ繊維は、アブラヤシ
の空果房を解繊して得られるものである。アブラヤシ繊
維は他の種類のヤシ繊維に比して解繊等に要する労力が
少なく、そのために製造に要するエネルギーが節減可能
で、コスト的に安価になる。例えばココヤシ繊維では、
ヤシ殻を軟化させるために長期間水中に浸漬した後、機
械的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギー
を必要とする。これに対してアブラヤシでは、もともと
繊維状のままで集合体となっている空果房を解繊するた
め、水中浸漬の必要はなく、解繊のために要するエネル
ギーも非常に少なくて済む。又、アブラヤシ繊維はココ
ヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取扱いにおいて
作業環境の悪化が避けられ、好ましい。
【0013】このアブラヤシ繊維は、解繊の前後には、
油分及び臭いを除去するために必要に応じて洗浄を行
う。アブラヤシ繊維の単体は、剛性度が高く、断面径が
100〜600μm程度であり、その毛足、すなわち長
さも約5〜30cm程度であり、これを解繊することに
より、その絡み合いも高度なものが期待できる。しか
も、アブラヤシの果実からはアブラヤシ油が搾取できる
が、この果実を採取したあとに残る空果房には現在のと
ころ特定の用途がなく、通常は廃棄される運命にあるの
で、低コストで入手できるという利点がある。
【0014】さらに、この繊維マットには必要により有
機繊維又は無機繊維を混合しても良い。有機繊維として
は天然植物性繊維や合成繊維が挙げられる。ここで、天
然植物性繊維は、麻を解繊した麻繊維、若竹を解繊した
竹繊維、サトウキビ繊維、へちま繊維、パイナップル繊
維、バナナ繊維、コウリャン繊維、イナワラより得られ
る繊維、木質繊維等が例示され、天然植物より得られる
繊維質であれば特に限定はない。合成繊維としてはポリ
エステル繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、アラ
ミド繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ビニリデン繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、レ
ーヨン、キュプラ、アセテート等の繊維が例示される。
無機繊維としては、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊
維、ボロン繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維、チ
ラノ繊維などが例示される。またこれらは、単独で混合
しても良く、二種以上を同時に混合しても良い。
【0015】繊維マットに、例えば麻繊維、竹繊維等の
植物性天然繊維を混合した場合、ヤシ繊維の直径が約1
00〜600μmであるのに対して、麻繊維の直径が約
5〜30μm、竹繊維等の直径が10〜200μmと細
いため、麻繊維、竹繊維等の植物性天然繊維がヤシ繊維
の交差部分などに絡まり、ヤシ繊維同士の結合強度が高
まると考えられる。
【0016】繊維マットを形成するには、ニードルパン
チ等によりヤシ繊維を不織布様又は三次元編組織状に絡
み合わせる処理を行って剥離強度を上げ、さらに必要に
応じてプレス又は熱プレス等により繊維マットを緻密に
する。なお、この繊維マットの厚みは、通常5mm〜2
0mm程度にすると使い易いと云われるが、勿論これに
限定されることなく、用途に応じて任意に設定すればよ
い。さらに、この繊維マットの目付は、例えば0.5k
g/m2〜6kg/m2が例示される。また、この繊維マ
ットは用途により複数枚重ねて使用してもよい。
【0017】本発明で使用する通気性及び透湿性を有す
るシート状の表装材としては、紙製、繊維製及び金属は
く製などの壁紙又はクロスが例示されるが、通気性及び
透湿性の良好さから紙製や繊維製の織物及び不織布が好
ましい。紙製の中でも和紙が特に好ましい。この和紙と
は楮、雁皮、三椏等の長い繊維を主原料とした紙であ
る。織物及び不織布の繊維としては綿や麻、絹、毛等の
天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、
アクリル、ビニロン等の合成繊維、ビスコース、レーヨ
ン、ベンベルグ等の再生繊維、ガラス繊維、炭素繊維等
の無機繊維が挙げられ、織物及び不織布はこれら単独で
も2種以上を混合したものでも良い。表装材を繊維マッ
トの表面に貼り付けることで繊維マットの持つ良好な通
気性、透湿性を著しく妨げ、本発明の住宅内装材として
の通気性、透湿性を大きく低下させないためには、表装
材に要求される透湿性としては0.5〜150g/(m
2・hr)であることが好ましいが、より好ましくは1
0〜150g/(m2・hr)であり、更に好ましくは
20〜150g/(m2・hr)、最も好ましくは50
〜150g/(m2・hr)である。一概には云えない
が、透湿度が150g/(m2・hr)を超えると一般
に表装材としての強度等の機能を保持できにくい傾向と
なる。しかし、ここでは表装材としての機能を保持して
いれば、透湿度の高いもののほうが好ましく、適宜材料
を選択すればよい。通常の表装材の透湿度は100g/
(m2・hr)以下ないしは80g/(m2・hr)以下
程度のものが一般的である。耐水性を向上させるため、
必要に応じてポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの樹脂
による表面コーティングやシリコーンやワックスなどの
撥水剤の塗布を行っても良い。更に難燃剤、着色剤防腐
剤、防黴剤等を必要により塗布しても良い。こうした処
理は耐水性等を向上させるが、通気性及び透湿性を阻害
する傾向を持つので、本発明の住宅内装材に要求される
特性を考慮して処理することが好ましい。この表装材を
表面に貼り付ける為の接着剤は特に限定はないが、植物
性繊維を接着するものと同じあるいは異なる硬化性樹
脂、ホットメルト接着剤など、一般的な接着剤を使用す
ることが出来る。この表装材を繊維マットの表面へ貼り
付ける方法としては、繊維マットを成形した後で接着剤
により貼り付けても、繊維マットの製造工程中で同時熱
圧して貼り付けても良く、通気性及び透湿性を損なわな
い限り、貼り付けの時期および方法については限定しな
い。
【0018】本発明で使用する植物性天然繊維からなる
編織物の植物性天然繊維とは、麻を解繊した麻繊維、若
竹を解繊した竹繊維、サトウキビ繊維、へちま繊維、パ
イナップル繊維、バナナ繊維、コウリャン繊維、イナワ
ラより得られる繊維、木質繊維等が例示され、天然植物
より得られる繊維質であれば特に限定はない。植物性天
然繊維からなる編織物とは、例えば麻を解繊して得た麻
繊維を撚った麻糸を縦横に編んでなるクロスを含み、従
って、ジュートで形成したクロスであるジュートクロス
を含むものである。また、不織布は麻を解繊して得た麻
繊維を乾式でウエッブをつくり、天然ゴムのラテックス
等の接着剤で固め、乾燥仕上げし、形成する不織布及び
湿式抄造法により形成した薄物の不織布を含み、さらに
木質繊維を解繊し、湿式抄造法により形成される紙を含
む。またシート状物は、竹材等から削り出した薄い帯状
の薄片を縦横に編んでなるもの(実際には織りに近い)
を含む。これらの編織物、不織布及びシート状物は通気
性を持ち、透湿性に優れる。編織物、不織布及びシート
状物に用いられる植物性天然繊維は、複数種類の植物性
天然繊維を混合したものを用いても良い。また、編織
物、不織布、シート状物を二種以上用いても良い。
【0019】編織物又はシート状物は、引張強さ及び引
張弾性率の高い麻繊維又は竹薄片等を編み又は織ってい
るため、それ自体が優れた引張強さ及び引張弾性率を示
す。また不織布は、麻等の編織物、竹等のシート状物に
比較すると強度は劣るため、編織物、シート状物が好ま
しいが、樹脂の保持材としての機能を持つ。この不織布
を形成する天然繊維にはナイロン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル等の合成繊維を必要により混
合しても良い。
【0020】この編織物、不織布又はシート状物が樹脂
を介して繊維マットと強く接合し、住宅内装材の強度が
高められる。すなわち、編織物、不織布又はシート状物
を繊維マットの表面、特に両表面に配置すると、いわゆ
るサンドイッチ構造(本体構造の両側を、本体構造より
も強度又は剛性の高い素材で強化した構造)となり、住
宅内装材の曲げ強さ及び曲げ弾性率が高くなる。一方、
編織物、不織布又はシート状物を繊維マットの内部に配
置したときには、住宅内装材の引張強さ及び引張弾性
率、せん断強さ及びせん断弾性率、並びに平面内圧縮強
度及び平面内圧縮弾性率が高くなる。この平面内圧縮強
度は、平面応力状態で圧縮力を受けたときの強さを意味
している。さらに、編織物又はシート状物は、吸水、吸
湿時の寸法変化が小さいため、繊維マットの表面または
内部に配置したときには住宅内装材の吸水、吸湿時の寸
法変化が小さくなり、吸水、吸湿時の強度低下が小さく
なる。
【0021】また、この編織布、不織布又はシート状物
の目付は10g/m2〜1500g/m2が強度と透湿
性、形状安定性等の観点から好ましい。さらに好ましく
は100g/m2〜600g/m2、より好ましくは15
0g/m2〜350g/m2である。目付が10g/m2
以下の場合は上述した曲げ強度や圧縮強度などの補強効
果が小さくなる。また、目付が1500g/m2以上に
なると編織布、不織布、シート状物の変形に住宅内装材
が引きずられて、成形後の反りやねじれが大きくなる。
【0022】また特に本発明においては、編織物として
麻繊維を用いたものが好ましい。ここで麻には綱麻(黄
麻)、大麻、アマ、マオ、及びアンバリアサ等のじん皮
繊維をとるものと、マニラアサ、サイザルアサ、ニュー
ジランドアサ、及びモーリシアスアサ等の組織繊維をと
るものとが含まれる。麻繊維とは、これらの麻から得ら
れる繊維をいう。綱麻(黄麻)の繊維はジュートと呼ば
れ、ここの麻繊維にはジュートが含まれる。
【0023】麻の編織物織組織の一例としては、平織、
綾織、朱子織、ナナコ織(正則、不規則を含む)等から
選ぶのが好ましく、この中でも平織、綾織が特に好まし
い。編組織としては平編み、ゴム編み等から選ばれる。
打込密度は織組織と糸番手の組合せにより選択される。
【0024】また、編織物、不織布又はシート状物の耐
水性をより向上させる必要がある場合には、編織物又は
シート状物の表面にシリコ−ン等の撥水剤を塗布するよ
うにしてもよい。さらにヤシ繊維及び編織物、不織布又
はシート状物に難燃剤、着色剤、防腐剤、防蟻剤、防か
び剤等を必要により塗布しても良い。
【0025】本発明で使用する硬化性樹脂の例として
は、まず熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミ
ノ樹脂、及びジアリルフタレート樹脂(DAP樹脂)な
どがある。フェノール樹脂には、ノボラック樹脂(酸触
媒、フェノール過剰)、レゾール樹脂(塩基性触媒、ホ
ルムアルデヒド過剰)、フェノール−メラミン共重合樹
脂、フェノール−ユリア共重合樹脂、フェノール−メラ
ミン−ユリア共重合樹脂、アルキルフェノール変成フェ
ノール樹脂、ゴム変成フェノール樹脂等の変成フェノー
ル樹脂があり、アミノ樹脂にはユリア樹脂(尿素樹
脂)、メラミン樹脂、ユリア−メラミン共重合樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、及びアセトグアナミン樹脂があ
る。次に、反応硬化型樹脂(常温硬化型樹脂)として
は、フラン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、変性(変成)シリ
コーン樹脂、及びシリコーン樹脂などがある。さらに、
繊維マットの集束剤又はバインダーとしては、これら硬
化性樹脂が寸法精度、耐久性、強度等の点から好まし
い。しかしながら、物性上少し劣りはするが、バインダ
ー効果を持つアクリル系、スチレン系等の熱可塑型樹脂
(特に水性分散液)及び天然あるいはSBRなどの合成
ゴムラテックスも一部使用することができ、本発明の硬
化性樹脂とは、これらを含めた概念である。
【0026】上記の硬化性樹脂の内、熱硬化性樹脂が硬
化時間、生産性の観点から好ましく、その内でもフェノ
ール樹脂、アミノ樹脂が良好である。
【0027】樹脂の使用量は、住宅内装材に要求される
物性によって異なるので一概に既定できないが、例えば
繊維マットと麻クロスを加えた繊維100重量部に対し
て5〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、更に
好ましくは10〜30重量部が例示される。さらに、麻
クロスへの樹脂の使用量を変えることで住宅内装材の強
度を変えることができる。すなわち、麻クロスへの樹脂
の使用量が多くなると住宅内装材の強度を高くすること
ができる。例えば、麻クロスへの樹脂の使用量は、麻ク
ロス100重量部に対して5〜500重量部、好ましく
は5〜150重量部が例示される。樹脂の使用量が5重
量部より低い場合は麻クロスの積層効果が発現されにく
く、500重量部以上の場合は増量効果が得られにくく
なる。
【0028】本発明の硬化性樹脂には、必要に応じて可
塑剤、充填剤、補強材、垂れ防止剤、着色剤、老化防止
剤、接着促進剤、硬化触媒、物性調整剤などを配合して
も良い。尚、接着付与剤として、コンニャク、小麦粉、
デンプン等を添加し得る。
【0029】硬化性樹脂を植物性繊維及び網織物等に付
着する方法には特に限定はない。ヤシ繊維の繊維マット
には繊維間に大きな隙間が形成されるので、噴霧または
浸漬により樹脂を供給すると、樹脂が上記隙間を介して
全繊維に一様に付着し、住宅内装材の強度分布が狭くな
る。
【0030】本発明の住宅内装材の厚さは、3〜25m
mが好ましく、9〜20mmがさらに好ましい。住宅内
装材の厚みが3mm以下の場合は十分な曲げ強度が得ら
れず、25mm以上になると使用上現実的ではない。住
宅内装材の密度は0.2〜1.0g/cm3が好まし
く、さらに0.3〜0.7g/cm3が好ましく、最も
好ましくは0.35〜0.6g/cm3である。また住
宅内装材の目付は、例えば住宅内装材の厚さが9mmの
場合、密度が0.2g/cm3で目付1.8kg/m2
なり、密度が1kg/m3では目付9kg/m2となる。
密度が0.2g/cm3以下の場合は住宅内装材の強度
が十分でなく、1g/cm3以上では透湿性が低下し、
住宅内装材の重量が重くなるためハンドリングが悪くな
る。
【0031】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明
する。図1は第1の実施形態である住宅内装材を示す。
この住宅内装材は、必要により麻繊維、竹繊維等の植物
性天然繊維を混合したヤシ繊維からなる繊維マット1に
硬化性樹脂を付着して圧縮成形し、その両表面にシート
状の表装材として壁紙2、2を貼り付けたものである。
図2は第2の実施形態の住宅内装材であり、繊維マット
1の両面に、麻繊維からなる糸を縦横に織ってなるジュ
ートクロス3、3を編織物としてそれぞれ配置し、これ
らに樹脂を付着して圧縮成形し、その両表面にシート状
の表装材として壁紙2、2を貼り付けたものである。
【0032】本発明の住宅内装材の用途としては、ドア
や戸襖、間仕切り、内壁及び腰板、天井用のボード等、
一般に化粧板が用いられる住宅内装用途に使用できる。
その他自動車等車両用内装材、家具、建具等の用途にも
使用できる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0034】[実施例1]解繊したアブラヤシ繊維を用
いて、ニードルパンチにより繊維を交絡させ、繊維マッ
トを作製した。ユリア樹脂U−755(三井東圧化学
製)に水、硬化触媒としてNH4Cl(樹脂固形分に対
して1重量部)を混合し、樹脂固形分40wt%の水性
エマルジョンを調製した。この樹脂の水性エマルジョン
を目付1.36kg/m2の上記繊維マットの両面にス
プレー法により噴霧塗布し、ヤシ繊維100重量部に対
して固形分で10重量部のユリア樹脂を付着させた。次
にジュートクロス(目付け320g/m2)2枚に樹脂濃
度20%のユリア樹脂をジュートクロス重量に対し固形
分で10%になるようにスプレー法により付着させた。
樹脂を付着させた繊維マット2枚を重ね、その両面にジ
ュートクロスを積層し、プレス機により165℃−15
分の条件で加熱プレスすることにより、厚さ9.3mm
の中間材が得られた。得られた中間材の1表面に和紙製
の壁紙をホットメルト接着剤で高温スチームにより熱圧
して貼り付け、住宅内装材を得た。
【0035】得られた住宅内装材の透湿度をJIS Z
0208防湿包装材料の透湿度試験方法に準じて40
℃−湿度90%の条件下で測定し、結果は表1に示し
た。
【0036】
【表1】
【0037】[実施例2]実施例1と同様にして得られ
た厚さ9.0mmの中間材の両表面に和紙製の壁紙をホ
ットメルト接着剤で高温スチームにより熱圧して張り付
けた。得られた住宅内装材は実施例1と同様に透湿度を
評価し、評価結果は表1に示した。
【0038】[比較例1]厚さ3.0mmの合板(ラワ
ンI類)について実施例1と同様に1表面に和紙製の壁
紙を熱圧して貼り付けて透湿度を評価し、評価結果は表
1に示した。
【0039】[比較例2]厚さ3.0mmの合板(ラワ
ンI類)について実施例1と同様にして両表面に和紙製
の壁紙を熱圧して貼り付けて透湿度を評価し、評価結果
は表1に示した。
【0040】[比較例3]厚さ12.2mmのパーティ
クルボードについて実施例1と同様に1表面に和紙製の
壁紙を貼り付けて透湿度を評価し、評価結果は表1に示
した。
【0041】[比較例4]厚さ12.2mmのパーティ
クルボードについて実施例1と同様にして両表面に和紙
製の壁紙を貼り付けて透湿度を評価し、評価結果は表1
に示した。
【0042】表1に示したとおり、ヤシボードの場合、
両面に壁紙を貼り付けたものであっても、他の何れのボ
ードの場合よりも高い透湿度を発現することが出来た。
【0043】[実施例3]解繊したアブラヤシ繊維を用
いて、ニードルパンチにより繊維を交絡させ、繊維マッ
トを作製した。ユリア樹脂U−755(三井東圧化学
製)に水、硬化触媒としてNH4Cl(樹脂固形分に対
して1重量部)を混合し、樹脂固形分40wt%の水性
エマルジョンを調製した。この樹脂の水性エマルジョン
を目付1.36kg/m2の上記繊維マットの両面にス
プレー法により噴霧塗布し、ヤシ繊維100重量部に対
して固形分で15重量部のユリア樹脂を付着させた。次
にジュートクロス(目付け320g/m2)2枚に樹脂濃
度20%のユリア樹脂をジュートクロス重量に対し固形
分で10%になるようにスプレー法により付着させた。
樹脂を付着させた繊維マット2枚を重ね、その両面にジ
ュートクロスを積層し、プレス機により165℃−15
分の条件で加熱プレスすることにより、厚さ9.3mm
の中間材が得られた。得られた中間材の1表面に和紙製
壁紙を実施例1と同様に貼り付け、住宅内装材を得た。
【0044】得られた住宅内装材の曲げ特性測定を、J
IS A 5906の測定法により行い、結果を表2に
示した。
【0045】
【表2】
【0046】[比較例5]厚さ11.8mmのシージン
グボード(大建工業製、アセダスD)について1表面に
和紙製壁紙を貼り付け、実施例3と同様に曲げ試験を行
った。結果は表2に示す。
【0047】表2に示すように、本発明の住宅内装材は
シージングボードよりも高い曲げ強度を示しただけでな
く、厚みが薄いにも関わらず高い曲げ荷重を示した。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、ドア、間仕切り等に使用できる強度を持ち、表面に
表装材を配置して内装材としての美観を備えながらも、
優れた通気性及び透湿性を兼ね備えた住宅内装材を提供
できた。
【0049】請求項2のようにすれば、さらに住宅内装
材の強度を高めることができる。
【0050】請求項3のようにすれば、さらに透湿性に
優れ、釘保持力の高い住宅内装材を得ることができる。
【0051】請求項4のようにすれば、強い住宅内装材
が得られると共に、製造に要するエネルギーが節減可能
でコスト的に安価になる上、発塵性が少ないから作業環
境が向上する。
【0052】請求項5のようにすれば、さらに通気性及
び透湿性を高めながら、強度を向上させることができ
る。
【0053】請求項6のようにすれば、繊維マット、編
織物、不織布、シート状物等の透湿性を良く引き出した
住宅内装材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の住宅内装材の断面図、
【図2】第2の実施形態の住宅内装材の断面図である。
【符号の説明】
1 繊維マット 2 壁紙(シート状の表装材) 3 ジュートクロス(編織物)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維により又は植物繊維に他の有機
    繊維及び/又は無機繊維を混合した混合繊維により繊維
    マットを形成し、この繊維マットに硬化性樹脂を付着
    し、その少なくとも1表面に通気性及び透湿性を有する
    シート状の表装材を貼り付けたことを特徴とする住宅内
    装材。
  2. 【請求項2】 植物繊維により又は植物繊維に他の有機
    繊維及び/又は無機繊維を混合した混合繊維により繊維
    マットを形成し、その少なくとも1表面及び/又は内部
    に植物性天然繊維からなる編織物、不織布又は竹繊維等
    の薄片よりなるシート状物を配置し、これらに硬化性樹
    脂を付着し、更にその少なくとも1表面に通気性及び透
    湿性を有するシート状の表装材を貼り付けたことを特徴
    とする住宅内装材。
  3. 【請求項3】 植物繊維がヤシ繊維である請求項1又は
    2に記載の住宅内装材。
  4. 【請求項4】 植物繊維がアブラヤシ繊維である請求項
    3に記載の住宅内装材。
  5. 【請求項5】 植物性天然繊維からなる編織物がジュー
    トクロスである請求項2〜4のうちいずれか1項に記載
    の住宅内装材。
  6. 【請求項6】 通気性及び透湿性を有する表装材が0.
    5g/(m2・hr)以上の透湿度を有する紙である請
    求項1〜5のうちいずれか1項に記載の住宅内装材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104339745A (zh) * 2014-11-06 2015-02-11 苏州爱马仕服饰有限公司 一种多功能调温面料
CN106003341A (zh) * 2016-05-21 2016-10-12 福建农林大学 一种提高展平竹地板横向力学性能的加工方法
CN106381968A (zh) * 2016-09-22 2017-02-08 无锡凯皓科技有限公司 结构式防蛀装饰板
JP2017154300A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 株式会社タケックス・ラボ パーティクルボード

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