JP2007307914A - 繊維板 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度や寸法安定性が高い繊維板を提供する。
【解決手段】多数本の繊維1を接着剤2で接着して得られる繊維板に関する。繊維として油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維長が6〜200mmの解繊されたリグノセルロース長繊維1aを用いる。リグノセルロース長繊維1aは略一方向に配向していると共に配向したリグノセルロース長繊維1aが絡み合っている。
【選択図】図1
【解決手段】多数本の繊維1を接着剤2で接着して得られる繊維板に関する。繊維として油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維長が6〜200mmの解繊されたリグノセルロース長繊維1aを用いる。リグノセルロース長繊維1aは略一方向に配向していると共に配向したリグノセルロース長繊維1aが絡み合っている。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維板及びその製造方法に関するものである。具体的には、床材、壁材、屋根材等の建築用部材に用いる材料や家具などに用いる材料、並びに面材料や軸材料として使用することができる繊維板に関するものである。
原木丸太をロータリーレースで剥いで形成した単板を積層して得られる合板は、高い力学的強度と寸法安定性を有するために、従来より、床材、壁材、屋根材等の建築用部材や家具などの材料として非常に多く使用されている。原木丸太から合板を製造する際の原料の歩留まりは、原木の径が大きいほど高くなるが、樹木がそのような大径木に成長するまでには長い年月を要することに加え、主に原木丸太として使用されるラワンは、特に植林によって再生される量が伐採量に追いついていないために、合板用木材資源(原木丸太)の枯渇化が問題になっている。しかも、地球の温暖化、砂漠化などの環境問題に関連して、熱帯雨林を中心に森林伐採の規制が強化される傾向にあるため、将来にわたって、合板の安定的な供給を確保することは非常に難しい問題である。
そこで近年、原木丸太を主原料とする合板に替わって、木材小片や木材繊維を素材とするパーティクルボード、ストランドボード、中質繊維板(MDF)等の木質系ボードが注目されるようになっている。これらの木質系ボードは、木材小片や木材繊維に接着剤を混合して加熱加圧成形して形成されるものであり、合板のように必ずしも大径木の原木丸太を必要とせず、小径木が利用可能であり、しかも場合によっては、雑木、木工屑、廃材や欠陥のある材木なども利用することができるため、原料を有効に利用することができるという利点がある。中でも、MDFは木材から得られる微細な繊維を成形した繊維板であるために、加工性及び表面平滑性に優れると共に、コスト的にも合板よりも安価なため、家具などを中心に幅広い分野で用いられている。MDFは図17に示すような断面構造を有しており、木材から得られる繊維1が接着剤2により結合された構造に形成されている。
繊維板に使用される木材繊維は、針葉樹や広葉樹から得られる小片をリファイナーやディファイブレーターなどの解繊機を用いて加工されるものであるが、通常、長さ6mm未満に加工され、繊維板に高い表面平滑性や加工性が要求される場合は、長さ2mm以下の短繊維を用いて形成するようにしている。一般的に繊維板の強度は、繊維自体の強度、繊維同士の絡み合い、繊維間の接着部分の強度によって決定されるが、上記のような短繊維を用いて形成されるMDFは繊維同士の絡み合いが少ないために、繊維同士の絡み合いによるMDFの強度への寄与が小さく、また繊維自体の強度よりは繊維間の接着部分の強度が繊維板の強度に非常に大きく寄与している。
しかし微細な短繊維を用いた繊維板では、繊維間の接着部分が非常に多くなるので、通常の接着方法では多数の繊維同士を強固に接着することが困難であり、繊維板の強度が低くなるという問題があった。そこで繊維同士の接着部分の強度を高めるために、接着剤の量を増やして繊維間の接着を強固にする方法が考えられるが、これでは多量の接着剤が必要となってコスト面からも現実的でない。従って、繊維間の接着部分の強度を高めるにも限界があり、また繊維自体の強度も充分に発揮されないために、繊維板の力学的強度は合板に比べて低いものであった。
また繊維板の原料である木材繊維は、吸水・吸湿時に寸法が変化する。そのため繊維板は吸水・吸湿時に表面と平行な面内において、大きな寸法変化が生じるものであった。さらに繊維板は成形の際に厚み方向に圧縮されているので、水分により圧縮からの回復が起こり、吸水・吸湿時の厚さの膨張が大きくなる。その結果、寸法安定性についても合板に比べて劣っているものであった。
一方、前述した木材資源を使用する代わりに、廃棄物となっているヤシ繊維などの未利用植物資源を建築用の資材として利用する試みが始まっており、例えば、特許文献1にはヤシ殻マットが記載されている。このヤシ殻マットをはじめ、未利用植物資源を用いた建築用部材は、未利用植物資源から得られる繊維をランダムに配置して絡み合わせてマット状に成形しており、主に、畳の芯材や緩衝材、断熱材などとして利用されている。そしてこのような未利用植物資源を用いた建築用部材は、密度が低く、内部に空隙を多数有しているために軽量であり、且つ通気性、透湿性、クッション性、吸音性、断熱性に優れるという特徴を有するものである。
しかし、内部に多数の空隙を有するのに加えて、主に繊維の絡み合いだけによって強度を発現させているので、合板や木質繊維を用いたMDFに比べて、強度が劣っており、床材、壁材、屋根材等の建築用部材には利用することができないという問題があった。そこで地球環境問題や木材資源の有効利用といった観点を考慮した上で、合板と比較しても、強度や寸法安定性などのボードの基本性能面で遜色がなく、またコスト的にも安価な繊維板に対するニーズが高まっている。
特開平9−94811号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、強度や寸法安定性が高い繊維板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る繊維板は、多数本の繊維1を接着剤2で接着して得られる繊維板において、繊維として油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維長が6〜200mmの解繊されたリグノセルロース長繊維1aを用い、リグノセルロース長繊維1aは略一方向に配向していると共に配向したリグノセルロース長繊維1aが絡み合っていることを特徴とするものである。
また本発明の請求項2に係る繊維板は、請求項1において、繊維1としてさらに繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bを用いて成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項3に係る繊維板は、請求項1又は2において、複数の層3で構成すると共に少なくとも一つの層3aを前記リグノセルロース長繊維1bで形成して成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項4に係る繊維板は、請求項3において、少なくとも一つの層3aを、略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維1aで形成して成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項5に係る繊維板は、請求項3又は4において、表面層4を、略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維1aで形成して成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項6に係る繊維板は、請求項3乃至5のいずれか一項において、表面層4とこれに隣接する層5の境界面7を曲面に形成して成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項7に係る繊維板は、請求項3乃至6のいずれか一項において、略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維1aで形成した層6を複数層設けると共に、少なくとも一つの層6aの前記リグノセルロース長繊維1aの配向方向を他の層の前記リグノセルロース長繊維1aの配向方向と異ならせて成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項8に係る繊維板は、請求項3乃至7のいずれか一項において、繊維長が6〜200mmの前記リグノセルロース長繊維1aで形成される層と、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bで形成される層とを積層して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る繊維板は、多数本の繊維を接着剤で接着して得られる繊維板において、繊維として油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維長が6〜200mmの解繊されたリグノセルロース長繊維を用い、リグノセルロース長繊維は略一方向に配向していると共に配向したリグノセルロース長繊維が絡み合っているので、リグノセルロース長繊維を絡み合わせることができ、短繊維のみからなる繊維板に比べて強度を高くすることができるものである。また、油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られるリグノセルロース長繊維を用いたので、他のリグノセルロース長繊維よりも特に強度の高いリグノセルロース長繊維を用いることによって、強度をさらに高くすることができるものである。また、リグノセルロース長繊維を略一方向に配向させたので、リグノセルロース長繊維を特定の一方向に揃えることにより、リグノセルロース長繊維の配向方向における優れた強度を活かすことが可能となり、一方向の強度を非常に高くすることができるものである。またリグノセルロース長繊維の配向方向における優れた寸法安定性を活かすことが可能となり、一方向の吸水・吸湿時の寸法安定性を非常に高くすることができるものである。
本発明の請求項2に係る繊維板は、繊維としてさらに繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維を用いるので、リグノセルロース長繊維の絡み合い部分をリグノセルロース短繊維で補強することができ、強度をさらに高くすることができるものであり、また表面の平滑性も高くすることができるものである。
本発明の請求項3に係る繊維板は、複数の層で構成すると共に少なくとも一つの層を前記リグノセルロース長繊維で形成したので、リグノセルロース長繊維で形成された層で補強することができ、強度を高くすることができるものである。
本発明の請求項4に係る繊維板は、少なくとも一つの層を、略一方向に配向させたリグノセルロース長繊維で形成したので、リグノセルロース長繊維を特定の一方向に揃えた層において、リグノセルロース長繊維を特定の一方向に揃えることにより、リグノセルロース長繊維の配向方向における優れた強度を活かすことが可能となり、一方向の強度を非常に高くすることができるものである。またリグノセルロース長繊維の配向方向における優れた寸法安定性を活かすことが可能となり、一方向の吸水・吸湿時の寸法安定性を非常に高くすることができるものである。
本発明の請求項5に係る繊維板は、表面層を、略一方向に配向させたリグノセルロース長繊維で形成したので、強度に最も依存する表面の層のリグノセルロース長繊維を略一方向に配向させることによって、一方向の強度及び吸水・吸湿時の寸法安定性を高くすることができるものである。
本発明の請求項6に係る繊維板は、表面層とこれに隣接する層の境界面を曲面に形成したので、層同士の接着面積が増加し接着強度を高めることができ、強度および吸水・吸湿時の寸法安定性を高めることができるものである。
本発明の請求項7に係る繊維板は、略一方向に配向させたリグノセルロース長繊維で形成した層を複数層設けると共に、少なくとも一つの層のリグノセルロース長繊維の配向方向を他の層のリグノセルロース長繊維の配向方向と異ならせたので、面内方向の強度および吸水・吸湿時の寸法安定性を高めることができるものである。
本発明の請求項8に係る繊維板は、繊維長が6mm〜200mmのリグノセルロース長繊維で形成される層と、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維で形成される層とを積層したので、リグノセルロース長繊維で形成された層で補強することができ、リグノセルロース短繊維のみからなる繊維板に比べて強度を高くすることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の繊維板は、多数本の繊維1に接着剤2を添加して分散させて繊維1の集合体を調製し、この集合体に熱や圧力などを加えて熱圧成形することによって、図1に示すように板状に形成されるものであり、繊維1として繊維長が6〜200mm(6mm以上200mm以下)のリグノセルロース長繊維1aを用いたものである。このように繊維1として繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維1aを用いることによって、図2に示すように、繊維板の内部で多数の繊維1同士の絡み合い部分20が形成されることになる。
一般に繊維板の強度は、繊維自体の強度、繊維同士の絡み合い、繊維間の接着部分の強度によって決定されるが、図2のように本発明では、リグノセルロース繊維1aの絡み合い部分20が繊維板の内部に多数存在することにより、絡み合い部分20で繊維板を補強することができ、繊維板の強度を高くすることができる。また長いリグノセルロース繊維1aを用いることによって、一本当たりの接着剤の付着部分を多くすることができる。従って、リグノセルロース繊維1a同士の接着部分が多数存在することになり、このことでリグノセルロース繊維1a同士の接着を強固にすることができ、繊維板の強度を高くすることができる。さらにリグノセルロース繊維は主成分がセルロースとリグニンであるので、他の天然繊維よりも繊維自体の強度が高いものである。つまり本発明の繊維板は、繊維長が6mm以上の長いリグノセルロース繊維1aを用いることによって、繊維同士の絡み合いを多くし、繊維間の接着部分の強度を高くすることができ、しかも繊維同士の絡み合いを多くすることと、繊維間の接着部分の強度を高くすることによって、繊維自体の高い強度を繊維板の強度に反映させて活かすことができ、強度を高くすることができるのである。
リグノセルロース長繊維1aの繊維長が6mm未満であれば、強度の高い繊維板を形成することができない。繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維は、通常、その大部分が真直ぐな形状である。従って、リグノセルロース短繊維のみからなる繊維板の内部には、繊維同士の絡み合い部分が少なくなり、繊維同士の絡み合い部分による補強効果を得ることができない。またリグノセルロース短繊維を用いると、一本当たりにおけるリグノセルロース短繊維の接着剤の付着部分が少なくなって繊維同士を接着する部分が少なくなる。その結果、繊維同士の接着部分の強度を高めることには限界があり、繊維自体の強度を繊維板の強度に充分に反映させることができない。よって、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維のみを用いた繊維板では強度を高くすることができない。
またリグノセルロース長繊維1aの繊維長は200mm以下である。リグノセルロース長繊維1aの繊維長が200mmを超えると、繊維1の集合体を所定の形状に成形するのが困難であることや、接着剤2を集合体に均一に分散させることが難しいなど、板状(ボード)に成形する過程においてリグノセルロース長繊維1aの取り扱い性が低下するといった問題が生じる恐れがある。従って、リグノセルロース長繊維1aの繊維長は、6〜200mmの設定が適している。
リグノセルロース長繊維1aの種類としては、その主成分がセルロースとリグニンからなるものであれば特に限定されないが、例えば、ヤシ、麻、さとうきび、竹、イネなどから得られる繊維が挙げられる。これらの繊維は、繊維板の素材としてほとんど利用されておらず、廃棄物となっているのが現状である。そのために上記のヤシ、麻、さとうきび、竹、イネなどから得られる繊維を利用することで、廃棄物を削減することができるのと同時に、貴重な木材資源を節約することができるものである。
またリグノセルロース長繊維1aとしては、油ヤシから得られる油ヤシ繊維、ココヤシから得られるココヤシ繊維、ケナフから得られるケナフ繊維を用いることができる。これらの繊維は針葉樹から得られる針葉樹繊維や広葉樹から得られる広葉樹繊維に比べて、おおよそ2〜14倍の高い強度を有するものであり、これらの繊維を用いることによって、針葉樹繊維や広葉樹繊維のみからなる繊維板に比べて、強度の向上を図ることができる。
油ヤシは、主にマレーシア、インドネシア、フィリピン等で栽培されており、近年、ヤシ油の需要増加のために、その栽培面積は増加している。ヤシ油の搾油に利用される果実以外の空果房(Empty Fruit Bunch)と呼ばれる果体(果実部)や、油ヤシの葉柄部(Frond)などは、その組成のほとんどが繊維質で構成されているにもかかわらず利用されていない。そのため油ヤシの栽培面積の増加に伴って、空果房や葉柄部の廃棄量も増加している。そこでこれら空果房や葉柄部から得られる繊維を用いることが考えられる。空果房や葉柄部はハンマーミル等の物理的な剪断処理(解繊処理)により繊維が容易に得られ、また果実を収穫することを目的として果体ごとに集積されているために、空果房も容易に得ることができ、このために空果房の繊維は比較的容易に得ることが可能である。従って、油ヤシ繊維はコスト面からも繊維板の素材として適している。
ケナフは麻類の一年草であって、主に中国、東南アジアなどで栽培されている。ケナフ繊維は従来より網やロープなどに利用されていると共に、近年では非木材紙の原料パルプとしても用いられている。しかしながら繊維板の素材としてはほとんど用いられていない。そしてケナフを水中に浸漬することにより、ケナフの靱皮部から繊維を容易に得ることができる。
上記の油ヤシ繊維やココヤシ繊維やケナフ繊維は、通常、繊維長が6mm以上あり、従来からMDFの素材として用いられている針葉樹繊維や広葉樹繊維に比べて長い。本発明ではこれら長い油ヤシ繊維やココヤシ繊維やケナフ繊維をナイフ等の簡易な手段で6mm以上の長さに適宜切断して使用する。尚、油ヤシ繊維やココヤシ繊維やケナフ繊維の直径は、おおよそ50〜1000μmの範囲内である。以上のことから、リグノセルロース長繊維1aとして油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維を用いると、容易に長繊維を得ることができ、供給も安定し、入手もしやすいといった利点があると共に、繊維板の強度を高くすることができるものである。
また繊維1として上記のリグノセルロース長繊維1aに複合あるいは混合して、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bを用いることができる。リグノセルロース短繊維1bとしては針葉樹や広葉樹から得られるものを使用することができ、繊維長が6mm未満であれば特に限定はされないが、アガチス、パインなどの針葉樹から得られるリグノセルロース短繊維1bや、ラワン、メランチ、ナラ、ブナ、ゴムの木などの広葉樹から得られるリグノセルロース短繊維1bは、従来からMDFの素材として利用される場合が多いので、供給も安定し入手しやすいといった利点がある。従って、このような針葉樹や広葉樹から得られるものを使用するのが好ましい。またリグノセルロース長繊維1aとリグノセルロース短繊維1bの複合あるいは混合の際の重量比は特に限定はされないが、リグノセルロース長繊維1aが1重量部に対してリグノセルロース短繊維1bを2重量部以下にするのが好ましい。
そして繊維1として上記のリグノセルロース長繊維1aに複合あるいは混合して、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bを併用することによって、リグノセルロース長繊維1aの絡み合い部分20付近にリグノセルロース短繊維1bを存在させて補強することができ、繊維板の強度を向上させることができる。また繊維板の表面付近におけるリグノセルロース短繊維1bの割合を高めることによって、繊維板の表面平滑性を向上させることができる。尚、リグノセルロース短繊維1bの繊維長の下限は特に限定されないが、直径の3〜4倍に設定することができる。
本発明に用いる接着剤2としては特に限定されないが、一般的に、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フルフェラール系樹脂、イソシアネート系樹脂のように加熱硬化する熱硬化性樹脂を使用することができる。
そして本発明の繊維板を形成するにあたっては、次のようにして行なうことができる。まずリグノセルロース長繊維1a単独、あるいはリグノセルロース長繊維1aとリグノセルロース短繊維1bからなる繊維1に接着剤2を添加して均一に分散させる。繊維1に対する接着剤2の添加量は2〜30重量%、好ましくは8〜15重量%に設定することができる。接着剤2の添加量が2重量%未満であれば、繊維1を強固に接着することができなくなって、繊維板の強度が低くなる恐れがあり、接着剤2の添加量が30重量%を超えると、接着剤2が無駄に消費されたり接着剤2を硬化させるのに多くの熱が必要となって、コスト面で不利となる恐れがある。
次に、接着剤2が分散された繊維1を型枠内に入れて集めて集合体を形成する。次に、集合体を型枠から取り出して熱板間に配置する。次に、熱板により集合体に熱と圧力を加えて熱圧成形を施し、集合体を板状に成形すると共に集合体内の接着剤2を硬化させて繊維1同士を接着することによって、繊維板を形成することができる。熱圧成形の際の温度や時間や圧力は、接着剤2の種類や繊維板の厚みや密度などによって適宜に設定されるが、例えば、温度は20〜180℃、好ましくは100〜150℃に設定することができる。また熱圧成形の際のプレス方法としては、バッチ式の平板プレスや連続プレスなどを採用することができるが、特に限定はされない。
繊維板の密度は特に限定されないが、高い力学的強度が必要な場合は、0.3〜1.0g/cm3に設定するのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜0.9g/cm3に設定する。繊維板の密度が0.3g/cm3未満であれば、繊維板の内部に多数の空隙が存在することになり、繊維1同士の接着部分や繊維1同士の絡み合い部分20が減少することになって、繊維1同士の接着部分や繊維1同士の絡み合い部分20による繊維板の補強効果を発揮させることができなくなり、繊維板の力学的強度が低下する恐れがある。また繊維板の密度が1.0g/cm3を超えると、熱圧成形の際の圧力が高過ぎて繊維自体を破損することになって、繊維板の力学的強度の向上効果が小さくなる。
図3に他の実施の形態を示す。この繊維板では、リグノセルロース長繊維1aを規則的に並べてその繊維方向を略一方向(図3のものでは繊維板の一辺と平行な方向であり、その方向を矢印イで示す)に配向させて形成されるものである。リグノセルロース長繊維1aは、特にその繊維方向の強度が高いという特徴を有している。従って、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させた繊維板では、リグノセルロース長繊維1aの繊維方向における優れた強度特性を活かすことができ、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における圧縮や引っ張りに対してきわめて高い強度を有することになる。
上記のようにリグノセルロース長繊維1aを配向させた繊維板において、全てのリグノセルロース長繊維1aを正確に一方向に配向させるほど、繊維板の強度はより高くなり好ましい。しかしながら図4に示すように繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維1aを全て一方向に正確に一致させて配向させることはきわめて困難である。従って、リグノセルロース長繊維1aを配向させた方向と略同方向に長い繊維板の辺の方向に対して、全てのリグノセルロース長繊維1aの繊維方向(配向方向)の傾きが+30〜−30°の範囲に入るように、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させることが好ましく、より好ましい配向は+20〜−20°である。
このように繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させることによって、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bを略一方向に配向させるよりも、繊維板の強度を高めるのに有効である。図5(a)に示すように、リグノセルロース短繊維1bを略一方向に配向させて繊維同士を接着させたとしても、リグノセルロース短繊維1bの一本当たりの接着部分21が少ないのに対して、図5(b)に示すように、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させて繊維同士を接着させた場合は、リグノセルロース長繊維1aの一本当たりの接着部分21が多くなる。つまり繊維同士の接着剤2による結合力(接着力)はリグノセルロース長繊維1aを配向させたほうが強くなる。従って、リグノセルロース長繊維1aを配向させたほうが、より繊維素材の強度を繊維板に反映させて活かすことができ、繊維板全体の強度に対する繊維素材の強度への寄与を大きくすることが期待できる。すなわち、リグノセルロース長繊維1aの繊維自体の強度を繊維板全体の強度を高めるために有効に活用することができるためと推測される。
さらにリグノセルロース繊維は、吸水・吸湿時の繊維方向における長さの変化率が非常に小さいものであり、そのために、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させて繊維板を形成することによって、配向方向(繊維方向)における吸水・吸湿時の寸法安定性を高くすることができるものである。すなわち、繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させることによって、配向方向において極めて優れた強度と寸法安定性を有する繊維板を形成することができる。
リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させる方法は特に限定されないが、図6に示すような配向装置を用いることができる。この配向装置は、上下のローラ対から構成されるドローイング部分22を複数組備えると共に、櫛状のコーミング部分23を具備して形成されるものである。そして、絡み合った多数本のリグノセルロース長繊維1aをドローイング部分22のローラ間に通した後、コーミング部分23の櫛片23aの間に通し、さらに他のドローイング部分22のローラ間に通すようにして略一方向に配向させるのである。この後、略一方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aを適宜積層して熱圧成形することによって、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させた繊維板を形成することができる。
リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させた繊維板は、一軸方向の強度及び寸法安定性が特に求められる軸材料、例えば、柱材や梁材などの用途に好適に用いることができる。また床材などの面材料と張り合わせることによって、リグノセルロース長繊維1aを配向させた方向において、面材料の力学的強度を補強し、吸水・吸湿時の寸法変化を抑える補強材として使用することができる。
図7に参考例を示す。この繊維板はリグノセルロース長繊維1aを略直交な二方向に配向させて形成されている。このようにリグノセルロース長繊維1aが略直交な二方向に配向された繊維板は、繊維を配向させた二方向の強度が極めて高くなり、強度の異方性が少なくなるものである。また、略直交な二方向の寸法安定性についても向上する。従って、リグノセルロース長繊維1aを略直交な二方向に配向させた繊維板は、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。また床材等の面材料と張り合わせることにより、面材料の強度を高め、寸法変化を抑える補強材として使用することができる。尚、本発明において略直交するとは、リグノセルロース長繊維1aの各々の平均の配向方向が、90±15°の角度で交わることをいう。
図8に参考例を示す。この繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを編み込み(編成)あるいは織り込み(織成)にて形成されている。このようにリグノセルロース長繊維1aが編み込まれたり織り込まれたりして形成される繊維板は、繊維同士の絡み合いが補強されると同時に、繊維同士の接着部分の強度が高まる。そのため、繊維素材の強度をさらに活かすことができる。前述したように、リグノセルロース長繊維1aは優れた強度を有するため、その結果、リグノセルロース長繊維1aが編み込まれたり織り込まれたりして形成される繊維板は、強度の異方性が少なく、高い強度を有するものである。さらには、繊維同士の結合力が高まることによって、吸水・吸湿時の繊維の寸法変化が抑制されるものである。
よって、リグノセルロース長繊維1aが編み込まれているあるいは織り込まれている繊維板の面内方向において、その寸法変化が小さく、寸法安定性に優れた繊維板となる。尚、本発明における面内方向の寸法変化とは、板状に成形された繊維板において、繊維板表面と平行な平面における寸法変化を示す。従って、このリグノセルロース長繊維1aを編み込んであるいは織り込んで形成される繊維板は、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。また床材等の面材料と張り合わせることにより、面材料の力学的強度を補強し、面材料の寸法変化を抑える補強材として使用することができる。
この繊維板において、リグノセルロース長繊維1aの編み込みあるいは織り込みの方法は限定しないが、例えば、図6に示すような配向装置を使用して、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させ、このリグノセルロース長繊維1aを集めて束に形成した後、糸状に紡ぎ、この糸を縦糸と横糸として編み込んで(織り込んで)シート30に形成することができる。リグノセルロース長繊維1aを編み込んだ(織り込んだ)シート30の形状としては、図9に示すようなものが挙げられる。そして編み込んだシート30を適宜積層させた後、熱圧成形することにより、リグノセルロース長繊維1aが編み込まれた(織り込まれた)繊維板を形成することができる。
図10に他の実施の形態を示す。この繊維板は多数の層3が積層されて形成されており、この多層の繊維板を構成する層3のうち、少なくとも一つの層3aが、リグノセルロース長繊維1aにより形成されている。そしてリグノセルロース長繊維1aからなる層3aを積層することによって、多層構造を有する繊維板の強度が高められる。つまり、この繊維板は、6mm以上であるリグノセルロース長繊維1aからなる層3aを少なくとも一層以上有しているので、長さが6mm以上のリグノセルロース長繊維1a同士が絡み合う効果によって、強度が高くなるものである。尚、リグノセルロース長繊維1aからなる層3a以外の層3は特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
また、多層の繊維板を構成する層3のうち、少なくとも一つの層3aを一方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで形成することができる。このように少なくとも一つの層3aを一方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで形成することによって、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の強度を高くすることができ、またリグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の寸法安定性を向上させることができる。
つまり、繊維板は6mm以上であるリグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aを有するので、リグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aが優れた強度と寸法安定性を有することになり、そのため、リグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aを有する多層の繊維板の強度は、リグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aによって高められ、また多層の繊維板の寸法安定性は、リグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aの優れた寸法安定性により、寸法変化が抑制される。従って、この繊維板はリグノセルロース長繊維1aの配向方向において、極めて優れた強度と、高い寸法安定性を有するものとなり、例えば、柱材や梁材などの一軸方向の強度が特に求められる軸材料などの用途に適している。
図10に示す5層の層3を積層させた構造からなる繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた層3aが表面層4に隣接するように積層された構造を有するものである。リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた層3a以外については特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて適宜選択が可能である。
また、多層の繊維板を構成する層3のうち、少なくとも一つの層3aを略直交な二方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで形成することができる。このように少なくとも一つの層3aを略直交な二方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで形成することによって、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の強度を高くすることができると同時に強度の異方性を少なくすることができ、さらには、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の寸法安定性を向上させることができ、この多層構造を有する繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを配向させた層3aによって、強度が高められると同時に、寸法変化が抑制される。
すなわち、リグノセルロース長繊維1aを配向させた略直交な二方向の強度が極めて高くなり、加えて、リグノセルロース長繊維1aを配向させた略直交な二方向の寸法安定性も向上し、強度及び寸法安定性の異方性が小さな繊維板を得ることができる。従って、この繊維板は、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。尚、リグノセルロース長繊維1aを略直交な二方向に配向させた層3a以外については特に限定はされず、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
また、多層の繊維板を構成する層3のうち、少なくとも一つの層3aを編み込んだリグノセルロース長繊維1aの層3aで形成することができる。このように少なくとも一つの層3aを編み込んだリグノセルロース長繊維1aの層3aで形成することによって、繊維板の強度を高くすることができ、さらには、面内方向における繊維板の寸法安定性を向上させることができ、この多層構造を有する繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを編み込んだ層3aによって、強度が高められると同時に寸法変化が抑制される。従って、この繊維板は床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。尚、リグノセルロース長繊維1aを編み込んだ層3a以外については特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
図11に他の実施の形態を示す。この繊維板は多数(三層)の層3が積層されて形成されており、この多層の繊維板を構成する層3のうち、最も外側にある表面層4が一方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aにより形成されている。繊維板の強度は表面層4以外の内部層33よりも表面層4の強度に最も依存する傾向がある。そのため、一方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで表面層4を形成することによって、表面層4の強度を高めることができ、強度の高い表面層4の補強によって、表面層4のリグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の強度を高くすることができ、さらに、表面層4のリグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の吸水・吸湿時の寸法安定性を高めることができる。従って、この繊維板は、一軸方向の強度が特に求められる軸材料例えば柱材、梁材などの用途に適している。尚、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた表面層4以外の内部層33については特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
図12に他の実施の形態を示す。この繊維板は、多数(三層)の層3が積層されて形成されており、この多層の繊維板を構成する層3のうち、最も外側にある表面層4が、略直交な二方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aにより形成されている。繊維板の強度は表面層4以外の内部層33よりも表面層4の強度に最も依存する傾向がある。そのため、略直交な二方向に配向させたリグノセルロース長繊維1aで表面層4を形成することによって、表面層4の強度を高めることができ、強度の高い表面層4の補強によって、表面層4のリグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の強度を高くすることができ、しかも、繊維板の強度の異方性を少なくすることができ、さらには、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の略直交な二方向の寸法安定性を高めることができる。従って、この繊維板は、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。尚、リグノセルロース長繊維1aを略直交な二方向に配向させた表面層4以外の内部層33については特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
またリグノセルロース長繊維1aを編み込んだり織ったりして表面層4を形成することができる。このようにリグノセルロース長繊維1aを編み込んだり織ったりして表面層4を形成することによって、リグノセルロース長繊維1aの二次元の結びつきが極めて強くなって表面層4の強度が高まる。このため多層構造を有する繊維板は、強度の高い表面層4によって補強することができる。その結果、強度が優れると同時に、強度の異方性が少ない繊維板を形成することができ、加えて、面内方向の寸法安定性を高くすることができる。従って、この繊維板は、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。尚、リグノセルロース長繊維1aを編み込んだり織ったりして形成される表面層4以外の内部層33については特に限定はされず、例えば、リグノセルロース短繊維1bからなる層やMDFからなる層など、繊維板の要求される性能に応じて、適宜選択が可能である。
図13に他の実施の形態を示す。この繊維板は多数(三層)の層3が積層されて形成されており、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた表面層4と、表面層4と隣接する層5(内部層33)との境界面7が曲面となるように積層したものである。多層の繊維板の強度は表面層4の強度と、表面層4と隣接する層5との接着強度に依存する傾向がある。前述の通り、表面層4の強度は、リグノセルロース長繊維1aの強度により高められるが、表面層4と隣接する層5との接着強度は、境界面7の形状にも大きく影響される。そして上記のように境界面7が曲面となるように積層することにより、接着面積が増加して表面層4とこれに隣接する層5との接着強度を高めることができ、表面層4とこれに隣接する層5の接着強度が高まることで、繊維板の強度を高くすることができ、また、リグノセルロース長繊維1aの繊維方向の吸水・吸湿時の寸法安定性を高めることができる。
図14に他の実施の形態を示す。この繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた多数の層6を積層させた多層(9層)構造に形成されるものであって、層6aのリグノセルロース長繊維1aの配向方向と、層6aに隣接する層6bのリグノセルロース長繊維1aの配向方向とを略直交するよう形成したものである。また図15に示す繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向させた多数の層6を積層させた多層(3層)構造に形成されるものであって、層6aのリグノセルロース長繊維1aの配向方向と、層6aに隣接する層6bのリグノセルロース長繊維1aの配向方向とを略直交するよう形成したものである。
このように層6aのリグノセルロース長繊維1aの配向方向と、層6aに隣接する層6bのリグノセルロース長繊維1aの配向方向とを略直交するよう形成することによって、リグノセルロース長繊維1aの配向方向における繊維板の略直交な二方向の強度及び寸法安定性の異方性を極めて小さくすることができ、繊維板の全体の強度及び寸法安定性を偏りなく高めることができるものである。
尚、層6の積層数や積層厚さは適宜に設定され、特に限定されない。また層6のうち、一つの層6aだけのリグノセルロース長繊維1aの配向方向を、他の層6bのリグノセルロース長繊維1aの配向方向と異ならせるようにしてもよく、あるいは全ての層6のリグノセルロース長繊維1aの配向方向を互いに異ならせるようにしてもよい。そしてリグノセルロース長繊維1aの配向方向において繊維板の強度が高められるため、リグノセルロース長繊維1aを配向させた複数方向において繊維板の強度を高めることができ、加えて、リグノセルロース長繊維1aを配向させた複数方向において繊維板の寸法安定性を向上させることができる。そしてこの繊維板は、全体の強度及び寸法安定性が高いために、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。
本発明の多層の繊維板は、リグノセルロース長繊維1aにより形成されている層と、針葉樹繊維、広葉樹繊維などの繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bにより形成されている層を積層して形成することができる。前述の通り、リグノセルロース長繊維1aの長さが6mm以上である場合、リグノセルロース長繊維1a同士が絡み合う効果が高まり、リグノセルロース長繊維1aにより形成されている層の強度が高くなる。このため、リグノセルロース長繊維1aからなる層を積層すると、リグノセルロース短繊維1bのみからなる繊維板に比べ、強度に優れた繊維板を形成することができる。尚、この場合、リグノセルロース長繊維1aからなる層の構成に関しては、特に限定されないが、上記のように、リグノセルロース長繊維1aを略一方向に配向させたり、リグノセルロース長繊維1aを略直交な二方向に配向させたり、或いはリグノセルロース長繊維1aを編み込むなどして形成することができる。またリグノセルロース長繊維1aの重量構成比についても特に限定されない。
また本発明の多層の繊維板は、リグノセルロース長繊維1aを略一方向または略直交な二方向に配向させたり、あるいは編み込んだり織ったりして形成される層と、無機繊維からなる層を積層して形成することができる。このようにリグノセルロース長繊維1aからなる層と無機繊維からなる層を積層することによって、無機繊維のみからなる無機繊維板に比べて強度に優れた繊維板を形成することができる。
一般に、無機繊維板(無機繊維からなる層)は、水分による無機繊維の寸法変化が極めて小さいため寸法安定性に優れるといった利点があるが、強度特性に劣るといった欠点があった。そこでリグノセルロース長繊維1aからなる層と無機繊維からなる層を組み合わせることによって、無機繊維の層の優れた寸法安定性に加え、リグノセルロース長繊維1aを略一方向または略直交な二方向に配向させたり、あるいは編み込んだり織ったりすることによる強度の向上効果が期待できるため、強度及び寸法安定性に優れた繊維板を形成することができるのである。無機繊維の層は通常の無機繊維板を用いることができ、無機繊維の種類にはグラスウール繊維、ロックウール繊維、ケイ酸カルシウム繊維等があり、特に限定されない。
また本発明の多層の繊維板は、表面近傍の密度よりも内部(略中央部)の密度を低く形成することができる。本発明の繊維板は、熱圧成形して得られるために、特に厚さ方向に対して内部応力が残存する。そのため、吸水及び吸湿条件では、接着性の低下と共に圧縮された繊維の寸法変化が生じ、繊維板に厚さ膨張(厚み方向の膨張)が発生する。この厚さ膨張は、圧縮比すなわち繊維板成形後の密度が大きく影響する。そのため、厚さ方向の寸法安定性を向上させる方策として、圧縮比を低減し低密度化することが挙げられるが、繊維板をただ単に低密度化するだけでは、強度面での性能が大きく低下する。
そこで表面近傍の密度に比べて内部の密度が低くなるように繊維板を形成する。このような構成にしても、繊維板の強度は内部よりも表面近傍の強度に依存するため、内部の密度が表面近傍の密度より低くても繊維板の強度を維持することができ、その上、リグノセルロース長繊維1aを原料としていることにより、繊維板の強度が高まるため、内部を低密度化させても繊維板として高い強度を維持することができる。そして内部の密度を低下することにより、高強度を維持したまま繊維板の軽量化が図れると同時に、繊維板の厚さ方向の寸法安定性を向上させることができ、その結果、軽量で且つ強度が高く、さらには厚み方向の寸法安定性に優れた繊維板になる。この繊維板は上記のような性能を有するために、床材、壁材、屋根材等の面材料などの用途に適している。尚、表面近傍とは、繊維板全体の厚みに対して3〜40%の部分をいう。なかでも、3〜20%の範囲に設定すると、上記の効果がより発揮される。
前記繊維板の表面近傍から繊維板の内部にかけて密度を低下させた繊維板の形態としては、リグノセルロース長繊維1aからなる表面層の密度を高めた多層の繊維板や、あるいは図11、図12に示すようなリグノセルロース長繊維1aを配向させた層3の密度を高めた多層の繊維板などが挙げられる。その際、表面層の密度を高めた構造を有する方が、繊維板として高い強度が得られる。前記繊維板において、表面部となる表面層の密度が0.4〜1.2g/cm3であり、繊維板の内部密度が0.2〜0.8g/cm3であり、さらに、全体密度が0.3〜1.0g/cm3であれば、表面層による強度の向上効果と、内部層の密度の低下による寸法安定性の向上効果が得られる。表面層と内部層との重量比については、要求される強度および寸法安定性によって適宜設定される。
繊維板の表面近傍から繊維板の略中心部にかけて密度を低下させた繊維板の形態としては前記積層構造に限定されるものではなく、また、リグノセルロース長繊維1aの配向状態、長繊維1aの重量構成比、複合の形態について適宜選択が可能であり、狙いとする性能に合わせて最適な設計が可能である。
図16に参考例を示す。この繊維板は、繊維板の内部の連続相36にリグノセルロース長繊維1aを一方向に配向してなる繊維束8を独立して複数本配置し、複合することによって形成されている。このように繊維板の内部にリグノセルロース長繊維1aを一方向に配向してなる繊維束8を設けることによって、繊維板の強度は一方向に配向してなる繊維束8の強度によって高められる。そのため、リグノセルロース長繊維1aの繊維束8の配向方向において、繊維板の強度を高めることができ、さらには、リグノセルロース長繊維1aの繊維束8の配向方向において繊維板の寸法安定性を高めることができる。
上記繊維板の内部の連続相36を形成する繊維の種類としては、針葉樹繊維、広葉樹繊維等の繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維1bが挙げられるが、特に限定しない。また、リグノセルロース長繊維1aを一方向に配向してなる繊維束8の重量構成比についても特に限定しないが、全体の5〜95%であることが好ましい。
本発明において多層の繊維板を形成するにあたっては、次のようにして行なうことができる。まずリグノセルロース長繊維1a単独、あるいはリグノセルロース長繊維1aとリグノセルロース短繊維1bからなる繊維1に接着剤2を添加して均一に分散させる。繊維1に対する接着剤2の添加量は2〜30重量%、好ましくは8〜15重量%に設定することができる。接着剤2の添加量が2重量%未満であれば、繊維1を強固に接着することができなくなって、繊維板の強度が低くなる恐れがあり、接着剤2の添加量が30重量%を超えると、接着剤2が無駄に消費されたり接着剤2を硬化させるのに多くの熱が必要となって、コスト面で不利となる恐れがある。
次に、接着剤2が分散された繊維1を型枠内に層状に積み重ねるようにして入れて集合体を形成する。次に、集合体を型枠から取り出して熱板間に配置する。次に、熱板により集合体に熱と圧力を加えて熱圧成形を施し、集合体を板状に成形すると共に集合体内の接着剤2を硬化させて繊維1同士を接着することによって、多層の繊維板を形成することができる。熱圧成形の際の温度や時間や圧力は、接着剤2の種類や繊維板の厚みや密度などによって適宜に設定されるが、例えば、温度は20〜180℃、好ましくは100〜150℃に設定することができる。また熱圧成形の際のプレス方法としては、バッチ式の平板プレスや連続プレスなどを採用することができるが、特に限定はされない。
この製造方法では、各層を積層させて集合体を形成した後、熱や圧力などを加えることによって、板状に熱圧成形するので、各層間の接着性が高まり、強度に優れ、寸法安定性も向上した繊維板が得られるため好ましい。
また、本発明において多層の繊維板を形成する別の方法としては、上記と同様にして繊維1に接着剤2を分散させた後、接着剤2が分散された繊維1を型枠内に入れて集合体を形成する。次に、集合体を型枠から取り出して熱板間に配置する。次に、熱板により集合体に熱と圧力を加えて熱圧成形を施し、集合体を板状に成形すると共に集合体内の接着剤2を硬化させて繊維1同士を接着することによって層体を形成する。次に、多数の層体を積み重ねて接着することによって、多層の繊維板を形成することができる。
この製造方法では、熱や圧力などを加えることによって、各層となる層体を個別に成形し、この層体を複数個積層させた後、層体を接着するので、各層の厚さおよび密度を精密に制御することができ、強度に優れ、寸法安定性も向上した繊維板が得られるため好ましい。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、300×300mmの型枠中で油ヤシ果実部長繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで熱圧成形して繊維板を得た。熱圧成形の条件はプレス温度160℃、プレス圧力50kg/cm2、プレス時間5分とした。これらの条件を表1に示す。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、300×300mmの型枠中で油ヤシ果実部長繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで熱圧成形して繊維板を得た。熱圧成形の条件はプレス温度160℃、プレス圧力50kg/cm2、プレス時間5分とした。これらの条件を表1に示す。
得られた繊維板の物性をJIS A 5906(中質繊維板)、及びJIS A 1437(建築用内装ボード類の耐湿試験方法の耐湿性B法)に規定された方法により試験した。その結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率および吸湿時幅方向変化率は40℃、湿度90%に設定された恒温恒湿槽中に入れた繊維板の7日後の長さ及び幅方向の変化率である。
(実施例2)
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系の接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、このココヤシ果実部長繊維を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系の接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、このココヤシ果実部長繊維を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例3)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を10mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤2の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を10mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤2の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例4)
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維と平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gを混合した。油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合比率は4:5になるようにした。次に、油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合物に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤2の50%水分散液81gを加えて分散させた。次に、この油ヤシ葉柄部繊維と針葉樹繊維の混合物を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維と平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gを混合した。油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合比率は4:5になるようにした。次に、油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合物に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤2の50%水分散液81gを加えて分散させた。次に、この油ヤシ葉柄部繊維と針葉樹繊維の混合物を用いて実施例1と同様に集合体を形成し、これを熱圧成形して繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例5)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対からなるドローイング部分と櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対からなるドローイング部分と櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例6)
ケフナを解繊して得た繊維を長さ150mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、594gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を108g加えて分散させた。次に、このケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
ケフナを解繊して得た繊維を長さ150mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、594gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を108g加えて分散させた。次に、このケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例7)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ10mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、594gの油ヤシ果実部長繊維に、54.0gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ10mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、594gの油ヤシ果実部長繊維に、54.0gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例8)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、445.5gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、このケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、445.5gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、このケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例1)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を繊維機械である連条機で糸状に紡いだ後、その糸を網状に編み込んだ。次に、網状の油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、この油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を繊維機械である連条機で糸状に紡いだ後、その糸を網状に編み込んだ。次に、網状の油ヤシ果実部長繊維を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例10)
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、110gの油ヤシ葉柄部長繊維と平均繊維長2mmの針葉樹繊維137.5gを混合した。次に、この混合物にイソシアネート系接着剤の50%水分散液を45g加えて分散させた。
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、110gの油ヤシ葉柄部長繊維と平均繊維長2mmの針葉樹繊維137.5gを混合した。次に、この混合物にイソシアネート系接着剤の50%水分散液を45g加えて分散させた。
次に、ココヤシ果実部長繊維の半分を300×300mmの型枠中で積み重ね、次に、油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合物を型枠に入れ、次に、残り半分のココヤシ果実部長繊維を型枠に入れて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、ココヤシ果実部長繊維からなる表面層の厚さは2mm、油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維の混合物からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例11)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、22.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、22.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
次に、油ヤシ果実部長繊維の半分を300×300mmの型枠中で積み重ね、次に、針葉樹繊維を型枠に入れ、次に、残り半分の油ヤシ果実部長繊維を型枠に入れて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、油ヤシ果実部長繊維からなる表面層の厚さは2mm、針葉樹繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例12)
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液を45g加えて分散させた。
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液を45g加えて分散させた。
次に、油ヤシ葉柄部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ葉柄部長繊維の半分の量を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ね、次に、針葉樹繊維を型枠に入れ、次に、油ヤシ葉柄部長繊維の残り半分をはじめと同じ方向に引き延ばして並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、油ヤシ葉柄部長繊維からなる表面層の厚さは2mm、針葉樹繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(実施例13)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ150mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、264gのケナフ長繊維に、24gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で平均繊維長2mm程度に切断して油ヤシ果実部短繊維を形成した。次に、330gの油ヤシ果実部短繊維に、30gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ150mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、264gのケナフ長繊維に、24gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で平均繊維長2mm程度に切断して油ヤシ果実部短繊維を形成した。次に、330gの油ヤシ果実部短繊維に、30gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維の半分の量を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ね、次に、油ヤシ果実部短繊維を型枠に入れ、次に、ケナフ長繊維の残り半分をはじめと同じ方向に引き延ばして並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、ケナフ長繊維からなる表面層の厚さは2mm、油ヤシ果実部短繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(参考例2)
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ10mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、264gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を48g加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で平均繊維長2mm程度に切断して油ヤシ果実部短繊維を形成した。次に、330gの油ヤシ果実部短繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を60g加えて分散させた。
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ10mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、264gのココヤシ果実部長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を48g加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で平均繊維長2mm程度に切断して油ヤシ果実部短繊維を形成した。次に、330gの油ヤシ果実部短繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を60g加えて分散させた。
次に、ココヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ココヤシ果実部長繊維の半分を300×300mmの型枠中で一方向とその直交方向に並べて積み重ね、次に、油ヤシ果実部短繊維を型枠に入れ、次に、残り半分のココヤシ果実部長繊維をはじめと同様に引き延ばして一方向とその直交方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、ココヤシ果実部長繊維からなる表面層の厚さは2mm、油ヤシ果実部短繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例3)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、イソシアネート系接着剤の50%水分散液45gを加えて分散させた。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を36g加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、イソシアネート系接着剤の50%水分散液45gを加えて分散させた。
次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維の半分を300×300mmの型枠中で一方向とその直交方向に並べて積み重ね、次に、針葉樹繊維を型枠に入れ、次に、ケナフ長繊維の残り半分をはじめと同様に引き延ばして一方向とその直交方向に並べ積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、ケナフ長繊維からなる表面層の厚さは2mm、針葉樹繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例4)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液45gを加えて分散させた。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液45gを加えて分散させた。
次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた後、繊維機械である連条機で糸状に紡いだ。この油ヤシ果実部長繊維の糸を網状に編み込んだ後、その半分を300×300mmの型枠中で並べて積み重ね、次に、針葉樹繊維を型枠に入れ、次に、網状に編み込んだ油ヤシ果実部繊維の残り半分を並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板において、油ヤシ果実部長繊維からなる表面層の厚さは2mm、針葉樹繊維からなる内部層の厚さは5mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例5)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維の半分を300×300mmの型枠中で一方向とその直交方向に並べて積み重ね、次に、内部層として、サイズ300×300×5mm、密度0.4g/cm3、重量180gのフェノール強化ロックウール板(製品名:タフフレックスボード)を重ね、次に、ケナフ長繊維の残り半分をはじめと同様に引き延ばして一方向とその直交方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維の半分を300×300mmの型枠中で一方向とその直交方向に並べて積み重ね、次に、内部層として、サイズ300×300×5mm、密度0.4g/cm3、重量180gのフェノール強化ロックウール板(製品名:タフフレックスボード)を重ね、次に、ケナフ長繊維の残り半分をはじめと同様に引き延ばして一方向とその直交方向に並べて積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。
この繊維板ではフェノール強化ロックウール板の内部層の表面に、ケナフ長繊維からなる表面層が形成された。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(実施例18)
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ葉柄部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、445.5gの油ヤシ葉柄部長繊維に、40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。
次に、油ヤシ葉柄部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ葉柄部長繊維を9等分した後、そのうちの54g分を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ね、この後、次の54g分をはじめの配向方向の直交方向に並べた。この工程を繰り返して9層に油ヤシ葉柄部長繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板の各層の厚さは1mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(実施例19)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、445.5gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を9等分した後、そのうちの58.5g分を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ね、この後、次の58.5g分をはじめの配向方向の直交方向に並べた。この工程を繰り返して9層にケナフ長繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板の各層の厚さは1mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、445.5gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維を9等分した後、そのうちの58.5g分を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ね、この後、次の58.5g分をはじめの配向方向の直交方向に並べた。この工程を繰り返して9層にケナフ長繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板の各層の厚さは1mmとなった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(実施例20)
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gのココヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液81gを加えて分散させた。次に、ココヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ココヤシ果実部長繊維を3等分した後、そのうちの175.5g分を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねた。次に、これを熱板間に配置した後、熱板間に3mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して厚さ3mmの層体を形成した。このようにして3枚の層体を形成した。
ココヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してココヤシ果実部長繊維を得た。次に、445.5gのココヤシ果実部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液81gを加えて分散させた。次に、ココヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ココヤシ果実部長繊維を3等分した後、そのうちの175.5g分を300×300mmの型枠中で単一方向に並べて積み重ねた。次に、これを熱板間に配置した後、熱板間に3mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して厚さ3mmの層体を形成した。このようにして3枚の層体を形成した。
次に、3枚の層体のうち内部層となる層体の両面に、2つの接着層の接着剤量が150g/m2になるように、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液を27gずつを塗布した。次に、内部層となる層体の繊維の配向方向と、表面層となる2枚の層体の繊維の配向方向が垂直になるよう重ねて熱板間に配置して集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
尚、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(実施例21)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、22.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維の半分の量を300×300mmの型枠中で単一方向に並べた。この際に場所によって高さが異なるよう積み重ねた。次に、上記油ヤシ果実部長繊維の上に重ねるようにして針葉樹繊維を型枠に入れ、その表面にへらで凹凸状の溝をつけた。次に、油ヤシ果実部長繊維の残り半分をはじめと同じ方向に引き延ばしたものを、上述の上に積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。得られた繊維板の外観は図13に示すとおりであり、油ヤシ果実部繊維を一方向に配向した表面層と、針葉樹繊維からなる内部層との積層境界面が凹凸状となっている。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ果実部長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、22.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維の半分の量を300×300mmの型枠中で単一方向に並べた。この際に場所によって高さが異なるよう積み重ねた。次に、上記油ヤシ果実部長繊維の上に重ねるようにして針葉樹繊維を型枠に入れ、その表面にへらで凹凸状の溝をつけた。次に、油ヤシ果実部長繊維の残り半分をはじめと同じ方向に引き延ばしたものを、上述の上に積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。得られた繊維板の外観は図13に示すとおりであり、油ヤシ果実部繊維を一方向に配向した表面層と、針葉樹繊維からなる内部層との積層境界面が凹凸状となっている。
また、表2において、吸湿時長さ方向変化率の長さ方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向であり、吸湿時幅方向変化率の幅方向とは、表面層内で繊維を並べた配向方向と直交方向である。
(実施例22)
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液45gを分散させた。
油ヤシ葉柄部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ葉柄部長繊維を得た。次に、198gの油ヤシ葉柄部長繊維に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製された接着剤の50%水分散液45gを分散させた。
次に、油ヤシ葉柄部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ葉柄部長繊維の約1/9量を300×300mmの型枠中で単一方向に並べると同時に、針葉樹繊維の約1/9を型枠中に散布した。続いて、約1/9の油ヤシ葉柄部長繊維を直前に並べた方向と直交する方向に引き延ばして並べると同時に、針葉樹繊維の約1/9を型枠中に散布した。以上の作業を9回繰り返し、直交に配向された油ヤシ葉柄部長繊維と針葉樹繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して、図14に示すような繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例6)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、イソシアネート系接着剤の50%水分散液45gを分散させた。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、イソシアネート系接着剤の50%水分散液36gを加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維247.5gに、イソシアネート系接着剤の50%水分散液45gを分散させた。
次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた後、方向を揃えて数十本束ねることで直径約2mm程度のケナフ長繊維の束を作成した。得られたケナフ長繊維の束を300×300mmの型枠中で引き延ばして単一方向に並べると同時に、針葉樹繊維を散布し、一方向に配向されたケナフ繊維の束と針葉樹繊維を積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して、図16に示すような繊維板を得た。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例7)
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維123.8gに、フェノール系粉末接着剤11.3gを加えて分散させた。
ケナフを解繊して得た繊維を長さ100mmに切断してケナフ長繊維を得た。次に、198gのケナフ長繊維に、18gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。また、平均繊維長2mmの針葉樹繊維123.8gに、フェノール系粉末接着剤11.3gを加えて分散させた。
次に、ケナフ長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、ケナフ長繊維の1/2を300×300mmの型枠中で引き延ばして単一方向に並べて積み重ねた。これを熱板間に配置した後、熱板間に2mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形し、厚さ2mmのケナフ長繊維を一方向に配向した層体を計2枚作成した。また、針葉樹繊維を300mm×300mmの型枠中に散布して積み重ねた後、これを熱板間に配置し、次に、熱板間に5mmのディスタンスバーを挟んで熱庄成形して厚さ5mmの層体を作成した。この3枚を接着する2つの接着層の接着剤量が150g/m2になるように内部層となる針葉樹繊維の層体の両面に、ユリアメラミン系接着剤100重量部に対して硬化剤として塩化アンモニウム1重量部を加えて調製した接着剤の50%水分散液27gずつを塗布し、次に、表面層となる2枚のケナフ長繊維の層体の配向方向が平行になるよう重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形し、図11に示すような表面層の厚さ2mm、内部層の厚さ5mmの繊維板を得た。この繊維板の表面層の密度は約0.6g/cm3、内部の内部層密度は約0.3g/cm3であり、全体の密度として約0.43g/cm3であった。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(参考例8)
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、165gの油ヤシ果実部長繊維にイソシアネート系接着剤の50%水分散液を15g加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で、平均繊維長2mm程度にした油ヤシ果実部短繊維231gにフェノール系粉末接着剤を21g加えて分散させた。
油ヤシ果実部を解繊して得た繊維を長さ100mmに切断して油ヤシ果実部長繊維を得た。次に、165gの油ヤシ果実部長繊維にイソシアネート系接着剤の50%水分散液を15g加えて分散させた。また、油ヤシ果実部をカッティングミル切断機で、平均繊維長2mm程度にした油ヤシ果実部短繊維231gにフェノール系粉末接着剤を21g加えて分散させた。
次に、油ヤシ果実部長繊維を6組の上下のローラー対から成るドローイング部分と、櫛状のコーミング部分とを組み合わせた配向装置を用いて一方向に配向させた。次に、油ヤシ果実部長繊維の半分を300×300mmの型枠中で引き延ばして一方向とその直交方向に並べた。次に、この油ヤシ果実部長繊維に室温で上下方向から圧力をかけマット状にした。このようにして厚さ1mm程度のマットを2枚作成した。
作成した油ヤシ果実部長繊維のマット1枚を前記型枠内に設置した後、油ヤシ果実部短繊維を散布し、次にもう1枚の油ヤシ果実部長繊維のマットを設置して集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのデイスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板において油ヤシ果実部長繊維からなる表面層の厚さは1mm、油ヤシ果実部短繊維からなる内部層の厚さは7mmとなった。また、表面層の密度は約1.0g/cm3、内部の内部層密度は約0.4g/cm3であり、全体の密度として約0.53g/cm3の繊維板が得られた。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(比較例1)
平均繊維長2mmの針葉樹繊維445.5gに40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
平均繊維長2mmの針葉樹繊維445.5gに40.5gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(比較例2)
平均繊維長2mmの針葉樹繊維445.5gにイソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
平均繊維長2mmの針葉樹繊維445.5gにイソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(比較例3)
平均繊維長2mmの針葉樹繊維594.0gに54.0gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
平均繊維長2mmの針葉樹繊維594.0gに54.0gのフェノール系粉末接着剤を加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(比較例4)
サイズ300mm×300×9mm、密度0.40g/cm3、重量324gのフェノール強化ロックウール板(製品名:タフフレックスボード)について、を繊維板として、実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
サイズ300mm×300×9mm、密度0.40g/cm3、重量324gのフェノール強化ロックウール板(製品名:タフフレックスボード)について、を繊維板として、実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
(比較例5)
平均繊維長2mmの油ヤシ果実部繊維445.5gにイソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
平均繊維長2mmの油ヤシ果実部繊維445.5gにイソシアネート系接着剤の50%水分散液を81g加えて分散させた。これを300×300mmの型枠中で積み重ねて集合体を形成した。この集合体を熱板間に配置した後、熱板間に9mmのディスタンスバーを挟んで実施例1と同様に熱圧成形して繊維板を形成した。この繊維板について実施例1と同様の試験を行った。作成条件を表1に、結果を表2に示す。
表1に示されるように、実施例1、2、4、5、8、参考例1、実施例10〜12、参考例3、4及び実施例18〜22、参考例6の繊維板は、比較例1、2の繊維板に比べて、略同密度であるが、強度が向上している。特に、繊維を配向させた場合及び積層した場合の効果は極めて大きい。また、繊維を配向させた場合、繊維を配向させた方向の寸法変化率が小さくなっている。
また、実施例6、7、13及び参考例2の繊維板は、比較例3の繊維板に比べて、略同密度であるが、強度が向上している。特に、繊維を配向させた場合及び積層した場合の効果は極めて大きい。また、繊維を配向させた場合、繊維を配向させた方向の寸法変化率が小さくなっている。参考例5の繊維板は、比較例4に比べて、繊維配向による補強により、強度が極めて向上している。参考例7、8の繊維板は、比較例1、2に比べて、密度が低く軽量という特徴を有すると同時に、強度及び繊維を配向させた方向の寸法変化率が小さくなっている。さらには、内部層を低密度化することにより、厚さ方向の膨張率についても、大幅に低減されている。
従って、本発明のリグノセルロース長繊維1aを熱圧成形した繊維板は強度に優れることが確認できた。また、リグノセルロース長繊維1aを配向及び積層した繊維板は強度が極めて向上し、吸水・吸湿時の寸法安定性が向上することが確認できた。
1 繊維
1a リグノセルロース長繊維
1b リグノセルロース短繊維
2 接着剤
3 層
3a 層
4 表面層
5 層
6 層
6a 層
7 境界面
1a リグノセルロース長繊維
1b リグノセルロース短繊維
2 接着剤
3 層
3a 層
4 表面層
5 層
6 層
6a 層
7 境界面
Claims (8)
- 多数本の繊維を接着剤で接着して得られる繊維板において、繊維として油ヤシ、ココヤシ、ケナフから得られる繊維長が6〜200mmの解繊されたリグノセルロース長繊維を用い、リグノセルロース長繊維は略一方向に配向していると共に配向したリグノセルロース長繊維が絡み合っていることを特徴とする繊維板。
- 繊維としてさらに繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維を用いて成ることを特徴とする請求項1に記載の繊維板。
- 複数の層で構成すると共に少なくとも一つの層を前記リグノセルロース長繊維で形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板。
- 少なくとも一つの層を、略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維で形成して成ることを特徴とする請求項3に記載の繊維板。
- 表面層を、略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維で形成して成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の繊維板。
- 表面層とこれに隣接する層の境界面を曲面に形成して成ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の繊維板。
- 略一方向に配向した前記リグノセルロース長繊維で形成した層を複数層設けると共に、少なくとも一つの層の前記リグノセルロース長繊維の配向方向を他の層の前記リグノセルロース長繊維の配向方向と異ならせて成ることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の繊維板。
- 繊維長が6〜200mmの前記リグノセルロース長繊維で形成される層と、繊維長が6mm未満のリグノセルロース短繊維で形成される層とを積層して成ることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の繊維板。
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- 2007-06-25 JP JP2007166642A patent/JP2007307914A/ja active Pending
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