JP3642214B2 - 長繊維複合ボード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リグノセルロース材料から得られる繊維及びパーティクルを原料とし、これら繊維及びパーティクルを板状に成形して得られる長繊維複合ボード及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、原木丸太を主原料とする合板に替わって、パーティクルボードやMDF(中質繊維板)等の木質系ボードが、床材・壁材・天井材等の建築部材、扉部材、巾木・廻り縁等の造作部材や、家具材料などの幅広い分野で使用されている。
【0003】
パーティクルボードは、木材原料を切削及び破砕して得られるパーティクル(木材小片)に接着剤を混合或いは塗布した後、熱圧成形することによって板状に成形したものである。また、MDFは木材から得られる長さ6mm未満の微細な繊維に接着剤を混合或いは塗布した後、熱圧成形したものである。
【0004】
パーティクルボードやMDFは、原料として雑木、木工屑、廃材や欠陥のある材木等から得られる木材小片や微細な木材繊維から構成されているため、品質面においてバラツキが少なく、比較的安価であり、また加工性や表面平滑性等に優れるといった特徴を有している。
【0005】
しかし、これら木質系ボードは、比重が0.4から0.7程度のパーティクルや木材繊維を、圧縮して板状に成形しているため、ボード比重が0.6から0.9程度となり、合板(比重0.4〜0.6)などに比べて重く、ボードとしての取扱性の点で問題があった。
【0006】
また、微細な木材繊維や木材小片などの木質要素から構成されているため、要素間の接着部分が非常に多くなり、多数の木質要素同士を強固に接着することが困難であった。この結果、木質要素自体の強度が充分に発揮されないため、これら木質系ボードの強度は低いものがほとんどであった。
【0007】
さらには、吸水・吸湿などによって、多数の木質要素が膨潤するため、ボード全体の寸法変化が大きく、ボード表面と平行な面内での寸法安定性についても問題があった。
【0008】
前述した問題点に対して、既に発明者らは、リグノセルロース長繊維からなる繊維板を特願平10−240596号に示しており、繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維を原料として用い、さらには前記リグノセルロース長繊維を一方向或いは直交方向に配向させることにより、従来の木質系ボードに比べて、強度並びに寸法安定性を大幅に向上させたボードが実現可能であることを見出している。
【0009】
しかし、前記リグノセルロース長繊維からなる繊維板においても、軽量(比重0.6以下)でありながら且つ、優れた強度特性を有するボードを実現するのは、以下に示す理由のため、非常に困難であった。
【0010】
つまり、強度特性として曲げ強度を考えた場合、ボード上面から荷重が加えられた際に、繊維板には曲げ応力と剪断応力が発生する。曲げ応力はボード表面で最大となり、また剪断応力は繊維板内部のボード中立面で最大となる。
【0011】
ところで、前記繊維板は、比重が0.4から0.7程度のリグノセルロース長繊維を圧縮して板状に成形しているので、比重0.6以下の繊維板では、熱圧成形される際に、木材繊維が圧締される割合(圧締率)が小さくなる。このような圧締率の低下によって、繊維板内部において繊維同士の絡み合いや繊維同士の接着力が弱まるために、剪断応力に対して破壊を引き起こし易くなる。すなわち、繊維板表面で最大となる曲げ応力に対して破壊しない場合でも、繊維板内部での剪断応力に対しては、繊維自体の強度が充分に発揮されず、簡単に剪断破壊を起こすことになる。
【0012】
この結果、リグノセルロース長繊維からなる繊維板においても、比重0.6以下と軽量でありながら強度特性を高めることは非常に難しく、軽量で高強度の木質系ボードに対する技術開発が望まれているのが現状である。
【0013】
また、木質系ボードに対する上記以外の性能として、意匠性、塗装の容易さ、化粧性といった観点から、ボードの表面平滑性に対する要求が厳しくなってきている。前述したように、従来のMDFなどの木質系ボードは、優れた表面平滑性を有している。
【0014】
しかしながら、これら木質系ボードに関しても、軽量化のために比重を0.6以下にすることにより圧締率が低下するため、ボード表面付近で欠陥となる部分が多くなり、この結果、表面平滑性が損なわれてしまうことになる。
【0015】
以上の様な事情から、軽量で、且つ強度特性、寸法安定性、表面平滑性に優れたボードは、世の中に存在しないのが現状であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、軽量で取扱が容易でありながら、優れた強度、寸法安定性、表面平滑性を有する長繊維複合ボード及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る長繊維複合ボードは、接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクル1からなるパーティクル層2と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維3からなる繊維層4とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形した長繊維複合ボード5であって、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4が積層され、両繊維層4の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2が積層された5層構造を有して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、内部に存在するリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2はボード比重0.6以下でも圧締率が大きくてパーティクル層内に空隙などの欠陥部の割合が生じにくく剪断破壊強度及び積層界面での剥離強度が高くなり、また、中央部のパーティクル層2の両側に存在する繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4により曲げ応力が高くなるものであり、更に、両繊維層4の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の存在により表面平滑性が向上するものである。
【0018】
そして、パーティクル層2がケナフの芯部を加工して得られるケナフパーティクルからなると共に、繊維層4がケナフの靱皮部より得られるリグノセルロース長繊維3からなることが好ましい。このような構成とすることで、1年生草本であるケナフを用いて、曲げ強度、剪断破壊強度、積層界面での剥離強度に優れた軽量で取扱易い安価な長繊維複合ボード5を構成することができる。
【0019】
また、繊維層4が、一方向に配向させたリグノセルロース長繊維3から成ることも好ましい。このような構成とすることで、リグノセルロース長繊維3の優れた強度特性を活かすことができて、長繊維3の配向方向における繊維層4の破壊強度が高くなるものであり、また、リグノセルロース長繊維3の繊維方向における優れた寸法安定性を活かすことができるものである。
【0020】
また、繊維層4が、直交する二方向に配向されたリグノセルロース長繊維3から成ることも好ましい。このような構成とすることで、二方向においてリグノセルロース長繊維3の優れた強度特性と、繊維方向における優れた寸法安定性を活かすことができるものである。
【0021】
また、繊維層4が、リグノセルロース長繊維3を編み込まれあるいは織り込まれて形成された層から成ることも好ましい。このような構成とすることで、リグノセルロース長繊維3同士の絡み合いが補強され、リグノセルロース長繊維3の繊維素材の特徴をさらに活かすことができるものである。
【0022】
また、本発明の長繊維複合ボード及びその製造方法は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の長繊維複合ボードを製造する製造方法であって、接着剤を分散させたパーティクル1からなるパーティクル層2及び、接着剤を分散させた長繊維3からなる繊維層4にそれぞれ熱や圧力を加えることによって層体をそれぞれ個別に形成し、個別に形成した複数個の層体を接着して積層することを特徴とするものである。このような方法を採用することで、各層の厚さや密度等を精密に制御することができて前述ような特性を備えた長繊維複合ボードを製造することができることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0024】
本発明の長繊維複合ボード5は、接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクル1からなるパーティクル層2(つまり接着剤を分散させた多数のパーティクル1により構成した層)と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維3からなる繊維層4(つまり接着剤を分散させた多数本のパーチクル1により構成した層)とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形したものであり、その層構成は、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4が積層され、両繊維層4の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2が積層された5層構造となっている。
【0025】
上記本発明の5層構造の長繊維複合ボード5を説明するに当たり、該5層構造の長繊維複合ボード5の主体となる内部の3層、つまり、接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクル1からなるパーティクル層2(つまり接着剤を分散させた多数のパーティクル1により構成した層)と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維3からなる繊維層4(つまり接着剤を分散させた多数本のパーチクル1により構成した層)とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形したものであり、その層構成は、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4を積層した3層構造の長繊維複合ボード5を参考例として説明する。この参考例として示す3層構造を有するボードの強度性能は、内部層であるパーティクル層2及び表面層である繊維層4のそれぞれの強度性能と、積層界面の接着強さに影響をうけるものであり、図1に示されたような構成の長繊維複合ボード5に、ボード上面から荷重が加えられた際に、ボード曲げ強度は主に以下に示す3つの要因によって決定されるものである。
【0026】
(1)ボード表面で最大となる曲げ応力に対する、表面の繊維層の破壊強度
(2)ボード中立面で最大となる剪断応力に対する、内部のパーティクル層の剪断破壊強度
(3)表面の繊維層と内部のパーティクル層の積層界面での剥離強度
ここで、(1)に示す表面の繊維層の破壊強度は、繊維同士の絡み合いの程度及び、繊維素材の有する強度に影響される。
【0027】
しかして、参考例として示す上記3層構造の長繊維複合ボード5は、その表面層が繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維3を用いた繊維層4により構成してあるため、繊維同士の絡み合いを多くすることができ、リグノセルロース長繊維3は、主成分がセルロースとリグニンであるので、繊維自体の強度が高いものである。つまり、繊維同士の絡み合いが多いため、繊維自体の高い強度を繊維層4の強度に反映させて活かすことができるものとなっている。
【0028】
この結果、繊維層4の破壊強度が高められ、さらには繊維層4を、曲げ応力が最大となるボード表面に用いているため、ボード強度を高めることが可能となるものである。
【0029】
また、(1)以外の要因に関して、(2)内部のパーティクル層の剪断破壊強度は、パーティクル層における、破壊の起点となる空隙などの欠陥部の割合に影響される。
【0030】
更に、(3)積層界面での剥離強度は、内部のパーティクル層の方が表面の繊維層に比べて剥離による材破壊を起こし易いため、主に内部のパーティクル層の表面剥離強度に影響される。表面剥離強度に関しても、上記した剪断破壊強度と同様に、パーティクル層における欠陥部の割合が支配的な要因となる。
【0031】
しかして、参考例として示す上記3層構造の長繊維複合ボード5は、その内部層を構成するパーティクル層2がリグノセルロース材料を加工して得られる比重が0.2以下のパーティクル1から構成されているので、後述の理由により剪断破壊強度及び表面剥離強度が高いものとなっている。
【0032】
すなわち、通常、パーティクル1の比重は、成形して得られるボードの欠陥部の割合に大きく影響を与えるものである。このことを説明するために図2を示す。図2(a)、図2(b)には、比重の異なるパーティクル1の集合体に上下方向から圧力を加え、パーティクル層2の比重が0.6以下となるようにした際の、パーティクル層2内部の空隙の様子を表した断面図が示してある。
【0033】
例えば、図2(b)に示すように、木材を加工して得られる比重0.4から0.7程度のパーティクル1を用いて、比重0.6以下のボードに成形する場合、圧締率が低いために、パーティクル1同士が接触する面積が少なくなり、この結果ボード内部に空隙などの欠陥部分が生じ易い。それに対し、比重が0.2以下のパーティクル1を用いることにより、ボード比重0.6以下でも、図2(a)に示すように圧締率が充分大きくなる。したがって、パーティクル層において、剪断破壊強度及び表面剥離強度に影響を及ぼす空隙などの欠陥部が生じにくくなるのである。
【0034】
つまり、破壊に影響を及ぼす空隙などの欠陥部の割合が小さくなることで、剪断破壊を起こしにくくなり、パーティクル層2の破壊強度が高められ、さらに、剪断応力が最大となるボード中立面付近に、破壊強度を高めたパーティクル層2を、内部層として用いているために、ボード強度を高めることが可能となるのである。
【0035】
また、内部のパーティクル層2の欠陥部の割合が小さくなることで表面剥離強度が高められ、この結果、表面の繊維層4と内部のパーティクル層2の積層界面の剥離による強度の低下を抑制し、ボード強度を高める作用が働くものとなる。
【0036】
上記の理由により、参考例として示す上記3層構造の長繊維複合ボード5は、比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の両表面に、表面層として6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4を積層した3層構造となっているため、ボード表面における繊維層4の破壊強度が高められ、さらには、ボード内部におけるパーティクル層2の剪断破壊強度と表面剥離強度が高められことになる。この結果、図1に示されたような構成の参考例として示す上記3層構造の長繊維複合ボード5は、比重0.6以下においても高い強度を示すことになる。
【0037】
ここで、使用するパーティクル1としては、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のものであれば特に限定はされないが、例えば、アオイ科の一年生草本類であるケナフの芯部、バルサ材、綿花の茎を、ハンマーミルやリングフレーカーなどの粉砕装置或いは切削装置を用いて加工したものを挙げることができる。これらのリグノセルロース材料を加工して得られるパーティクル1は、内部に均一で微細な空隙を有しているため、非常に軽量であるという特徴を有しているのである。また、使用するパーティクル1のサイズ、形状についても特に限定はされないが、通常、厚みが5mm以下であり、幅1〜10mm程度、長さ5〜20mm程度のパーティクル1が用いられる。図1に示す長繊維複合ボード5において、繊維そうの重量比率は5〜50%であることが好ましく、より好ましくは10〜30%の範囲内が望ましいものであり、この範囲内にあると良好な強度特性が得られるものである。
【0038】
次に上記した参考例における説明を踏まえて、本発明の実施形態を図3に基づいて説明する。
【0039】
図3に示す本発明の長繊維複合ボード5は、接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクル1からなるパーティクル層2と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維3からなる繊維層4とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形したものであって、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4を積層し、両繊維層4の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2を積層した5層構造となっている。
【0040】
本実施形態においても、内部のパーテイクル層2がリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成してあることで、前述のように剪断破壊強度と積層界面での剥離強度が高くなり、また、中央部のパーティクル層2の両側に存在する繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維3から構成された繊維層4により曲げ応力が高くなるのは前述の参考例の説明で述べた通りである。また、両繊維層4の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1から構成されたパーティクル層2が積層してあるので、この最表面に位置するパーティクル層2は比重が0.2以下のパーティクル1を用いて構成してあって、ボード表面において空隙などの欠陥部が生じにくくなり、表面平滑性が高められることになる。
【0041】
この結果、本発明に示した5層構造を有する長繊維複合ボード5は、軽量でありながら強度特性に優れ、さらには表面平滑性が良好なボードとなるものである。特に、強度特性と同時に意匠性、塗装の容易さ、化粧性に優れることが要求される、造作部材又は家具等に使用される材料に適している。
【0042】
ここで、図3に示す本発明の長繊維複合ボードにおいて、繊維層の重量比率は5〜50%であることが好ましく、より好ましくは10〜30%の範囲内が望ましい。その際、ボード最外層と内部層を構成するパーティクル層2の重量比率に関しても特に限定されないが、両表面層の各々の重量比率が5%以上であることが好ましく、また内部層の重量比が40%以上であることが好ましい。例えば、表面パーティクル層の重量比率が上記範囲内にある方が表面平滑性が良くなり、また、内部パーティクル層の重量比率が上記範囲内にある方が強度特性が良好となる。
【0043】
ところで、参考例に示す3層構造の長繊維複合ボード5、本発明の5層構造の長繊維複合ボード5のいずれにおいても、長繊維複合ボード5を構成する材料として、ケナフを用いることによって、より軽量で且つ強度並びに表面平滑性に優れたボードが得られるものである。
【0044】
ケナフはアオイ科の一年生草本であって、主に中国、東南アジアなどで栽培されており、従来はロープ及び穀物袋に利用されていた。近年、非木材紙のパルプ原料としても利用されるようになってきたが、パーティクルボード及び繊維板の素材としてはほとんど使われていなかった。
【0045】
しかし、ケナフの靭皮部からは比較的簡単に6mm以上のリグノセルロース長繊維3(比重が0.4〜0.7)が得られ、またケナフ芯部を加工することにより、低比重のパーティクル1が容易に得られる。さらには、ケナフの靭皮部より得られる繊維は、引っ張り強度が2000〜5000kgf/cm2、引っ張りヤング率が70〜190×103kgf/cm2であり、針葉樹或いは広葉樹から得られる木材繊維に比べ、2〜14倍の優れた強度特性を有する。そのため、靭皮部より得られるケナフ長繊維を用いることで、繊維層の破壊強度を高めることができるものである。
【0046】
また、ケナフの芯部は空隙率が90%以上であり、一般の木材と比べると軽量で加工しやすく、粉砕或いは切削処理することにより、比重が0.15以下の非常に軽量なパーティクル1が得られる。このようにケナフの芯部を加工することにより得られる低比重のパーティクル1を用いることによって圧締率が大きくなる。
【0047】
このため、ケナフの芯部を加工することにより得られる低比重のパーティクル1からなるパーティクル層2は空隙などの欠陥部が少なくなり、既に述べた理由により剪断破壊強度及び表面剥離強度を高める作用が働くのである。
【0048】
この結果、パーティクル層2の破壊強度及び繊維層4との積層界面の剥離強度を高める作用が働き、前述した繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維からなる長繊維層4での破壊強度を高める作用と併せて、強度特性に優れると共に、表面平滑性を高めたボードが得られることになる。
【0049】
次に、参考例及び本発明の他の実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。
【0050】
本実施形態における長繊維複合ボード5は、前述の図1に示すような参考例の3層構造長繊維複合ボード5又は前述の図3に示すような本発明の5層構造の長繊維複合ボード5において、繊維層4の形態に特徴がある。すなわち、繊維長さが6mm以上のリグノセルロースの長繊維3よりなる繊維層4において、リグノセルロース長繊維3を規則的に並べ、その繊維方向を一方向に配向させて形成してある。
【0051】
ところで、リグノセルロース長繊維は、特にその繊維方向の強度が高いという特徴を有しており、したがって、図4や図5に示す実施形態のようにリグノセルロース長繊維3を規則的に並べ、その繊維方向を一方向に配向させて繊維層4を形成したものにおいては、リグノセルロース長繊維3の配向方向において、繊維層4の破壊強度が高められ、きわめて高い強度を有するボードが得られるのである。
【0052】
さらに、リグノセルロース長繊維3は、吸水・吸湿時の繊維方向における長さの変化率が非常に小さいという特徴を有しており、このため、図4や図5に示す実施形態においては、リグノセルロース長繊維3を配向させた繊維層4の配向方向(繊維方向)の寸法変化が極めて小さくなる。
【0053】
また図4及び図5に示す長繊維複合ボード5において、繊維層4を積層させることによって、複合ボード全体の寸法変化を抑制する作用が働く。この結果、配向方向(繊維方向)において、極めて優れた強度と寸法安定性を有する長繊維複合ボード5が得られるものである。
【0054】
また、図5に示す実施形態では、ボード表面に比重が0.2以下のパーティクル1からなるパーティクル層2を形成することにより、表面平滑性を高めることが可能である。
【0055】
なお、本発明における長繊維複合ボードにおいて、リグノセルロース長繊維3の繊維方向の傾きは、配向させようとする方向に対して、+30〜−30°の範囲に入ることが好ましく、より好ましい繊維方向の傾きは+20〜−20°の範囲である。
【0056】
ここで、リグノセルロース長繊維3を配向させる方法は特に限定されないが、例えば発明者らによって、特願平10−295090号に示されている長繊維配向材料の製造装置を用いることにより、リグノセルロース長繊維3を配向させた長繊維配向マットあるいは長繊維配向束などの長繊維配向材料を容易に製造することができる。
【0057】
次に、参考例及び本発明の更に他の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。
【0058】
本実施形態の長繊維複合ボード5は、前述の図1に示すような参考例の3層構造長繊維複合ボード5又は前述の図3に示すような本発明の5層構造の長繊維複合ボード5において、繊維層4の形態に特徴がある。すなわち、本実施形態においては、リグノセルロースの長繊維3よりなる繊維層4において、リグノセルロース長繊維3を直交する二方向に配向させて形成してある。
【0059】
このように、リグノセルロース長繊維3を直交する二方向に配向させて繊維層4を形成することで、リグノセルロース長繊維3を配向させた二方向の強度が高くなると共に、強度の異方性が少なくなる。また、寸法安定性についても同様に、配向させた二方向の寸法変化が抑制され、寸法変化の異方性が少なくなるものである。
【0060】
また、図7に示す実施形態では、ボード表面に比重が0.2以下のパーティクル1からなるパーティクル層2を形成することにより、表面平滑性を高めることが可能である。
【0061】
次に、更に他の実施形態を図8に基づいて説明する。
【0062】
この長繊維複合ボード5は、前述の図1に示すような参考例例に示す3層構造長繊維複合ボード5において、繊維層4の形態に特徴がある。すなわち、本実施形態においては、リグノセルロースの長繊維3よりなる繊維層4において、リグノセルロース長繊維3を編み込み(編成)あるいは織り込み(織成)して形成されている。
【0063】
このように、リグノセルロース長繊維3を編み込み(編成)あるいは織り込み(織成)にて繊維層4を形成することで、長繊維3同士の絡み合いが補強され、リグノセルロース長繊維3よりなる繊維素材の特徴をさらに活かすことができるものである。つまり、前述したように、リグノセルロース長繊維3は、その繊維方向において優れた強度特性を有し、また吸水・吸湿時の寸法変化が極めて小さいという特徴を有しており、この結果、リグノセルロース長繊維3を編み込まれたり織り込まれたりして形成される繊維層4によって、長繊維複合ボード5全体の強度を高める作用及び寸法変化を抑制する作用が働くのである。
【0064】
従って、強度の異方性が少なく、極めて高い強度を有し、さらにはボード面内方向において、優れた寸法安定性を有する長繊維複合ボード5が得られる。なお、ここで面内方向の寸法変化とは、板状に成形されたボードにおいて、ボード表面と平行な平面における寸法変化を示す。
【0065】
なお、図8には参考例として示す3層構造の長繊維複合ボード5の例を示しているが、図3に示すような本発明の5層構造のものにおいても、リグノセルロース長繊維3を編み込み(編成)あるいは織り込み(織成)にて繊維層4を形成してもよい。この場合も、上記と同様にリグノセルロース長繊維3を編み込まれたり織り込まれたりして形成される繊維層4によって、長繊維複合ボード5全体の強度を高める作用及び寸法変化を抑制する作用が働き、強度の異方性が少なく、極めて高い強度を有し、さらにはボード面内方向において、優れた寸法安定性を有する長繊維複合ボード5が得られるものである。
【0066】
次に、前述の参考例として示す3層及び本発明の5層構造の長繊維複合ボード5の製造方法につき以下説明する。
【0067】
まず、繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維3、あるいはリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1に接着剤を均一に分散させる。
【0068】
接着剤を分散させる方法としては、液状となった前記接着剤をスプレー塗布する方法や、粉末状の接着剤を混合する方法などが挙げられる。リグノセルロース長繊維3あるいはパーティクル1に対する接着剤の添加量は2〜30重量%、好ましくは8〜15重量%である。
【0069】
続いての工程では、接着剤が分散された繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維3を型枠内に入れて、リグノセルロース長繊維3の集合体である繊維層4を形成する。その際、必要に応じて配向装置にかけることにより、リグノセルロース長繊維3を一方向或いは直交する二方向に配向させた繊維層4を用いることができ、或いはまた、リグノセルロース長繊維3を編み込まれたり織り込まれたりして形成される繊維層4を用いることも可能である。
【0070】
次に、その繊維層4の上に、接着剤が分散されたリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1を撒布することによりパーティクル層2を形成し、さらに前記と同様にして型枠内においてパーティクル層2の上に繊維層4を形成することで、表面層が6mm以上のリグノセルロース長繊維3からなる繊維層4で構成され、且つ内部層がリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1からなるパーティクル層4で構成された3層構造の参考例として示すマットが形成される。
【0071】
本発明の繊維層4とパーティクル層2からなる5層構造のマットについても、同様な方法で形成することができる。
【0072】
次にマットを型枠から取り出し、プレス装置などによって熱圧成形することにより、マットを板状に成形すると共に、マット内部の接着剤を硬化させ、長繊維複合ボード5を成形することができる。
【0073】
この製造方法では、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1及び繊維長が6mm以上のリグノセルロース長繊維3からなる各層を積層させてマットを成形した後、熱圧成形するため、各層間の接着性を高めることができ、簡易プロセスにより軽量でありながら、強度特性、寸法安定性、表面平滑性に優れたボードを提供することが可能となる。
【0074】
次に、前述の参考例として示す3層及び本発明の5層構造の長繊維複合ボード5の製造方法の他の実施形態につき以下説明する。
【0075】
上記と同様にして、まず繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維3、あるいはリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1に接着剤を均一に分散させる。次に、接着剤が分散されたリグノセルロース長繊維3或いはパーティクル1を型枠内に入れて、リグノセルロース長繊維3やパーティクル1の集合体である繊維層4或いはパーティクル層2を各々を個別に形成する。その際、前述したように、繊維層4は、リグノセルロース長繊維3を一方向或いは直交する二方向に配向させて形成したものや、リグノセルロース長繊維3を編み込まれたり織り込まれたりして形成されたものを用いることができる。
【0076】
次に、上記のようにして得られた繊維層4或いはパーティクル層2を型枠から取り出し、プレス装置などによって熱圧成形することによって、繊維或いはパーティクルの集合体を板状に別々に成形すると共に、集合体内の接着剤を硬化させて繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維3からなる層体と、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクル1からなる層体をそれぞれ別々に形成する。
【0077】
このようにして得られたリグノセルロース長繊維3からなる層体とパーティクル1から成る層体を複数積み重ねて接着することにより、繊維層4とパーティクル層2からなる図1、図3乃至図8に示すような参考例として示す3層あるいは本発明の5層構造の長繊維複合ボード5を成形することができる。
【0078】
この製造方法では、繊維層4及びパーティクル層2からなる層体を個別に成形し、これら層体を複数個積層させた後、層体を接着するので、各層の厚さおよび密度を精密に制御することができ、軽量でありながら、且つ、強度特性、寸法安定性、表面平滑性に優れたボードを提供することが可能となる。
【0079】
【実施例】
以下、参考例に係る長繊維複合ボードの各例、本発明に係る長繊維複合ボードの実施例、比較例を具体的に説明する。 (参考例l) 平均繊維径200μm、平均繊維長6mmのオイルパーム繊維に気流循環式パイプブレンダーを用いて、ユリアメラミン系接着剤を繊維重量に対して固形分でl0wt%スプレー塗布した。 また、比重0.15のケナフ芯部をリングフレーカー処理して平均厚さ0.5mm、平均サイズ4×8mmのケナフパーティクルを得た。次に、ドラムブレンダーを用いて、上記のようにして得られたパーティクルに、ユリアメラミン系接着剤をパーティクル重量に対して固形分で8wt%スプレー塗布した。
【0080】
次に、300×300mmの型枠中で、最初に、接着剤を塗布したオイルパーム繊維48.6g(ボード総重量のl0wt%)で繊維層を形成し、次に、その繊維層の上に、接着剤を塗布したケナフパーティクル388.8g(ボード総重量の80wt%)でパーティクル層を形成し、更に、そのパーティクル層の上に、接着剤を塗布したオイルパーム繊維48.6g(ボード総重量のl0wt%)で繊維層を形成して積層マットを得た。
【0081】
次に、型枠から取り出した積層マットを熱板間に配置した後、熱板間に厚さ9mmのディスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、図1に示したような長繊維複合ボードを得た。
【0082】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0083】
得られたボードサイズは厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.60となった。
【0084】
(参考例2)
パーティクル層を形成するためのパーティクルとしてバルサパーティクルを用いた以外は参考例1と同様にして長繊維複合ボードを得た。
【0085】
本参考例において、バルサパーティクルは、比重0.19のバルサをハンマーミルにより粉砕したものであり、パーティクルサイズは、平均厚さ1mm、平均サイズは6×10mmであった。
【0086】
なお、得られたボード比重は、0.59であった。
【0087】
(参考例3)
ケナフ靭皮繊維束をピンシリンダーの回転機構を有した開繊機を用いて開繊し、平均繊維径100μm、平均繊維長60mmの長繊維を多数得た。次に、得られた長繊維にイソシアネート系接着剤を繊維重量に対して固形分で10wt%スプレー塗布した。
【0088】
また、比重0.1 5のケナフ芯部をリングフレーカー処理して、平均厚さ0.5mm、平均サイズ 4×8mmのケナフパーティクルを得た。次に、ドラムブレンダーを用いて、得られたパーティクルに、イソシアネート系接着剤をパーティクル重量に対して固形分で8wt%スプレー塗布した。
【0089】
次に、参考例1と同様にして、積層マットを形成した。ここで積層マットは、繊維層40.5g×2層、パーティクル層324.0gで構成した。
【0090】
この積層マットを、参考例1と同様にして熱圧成形して図1に示したような長繊維複合ボードを得た。
【0091】
なお、得られたボード比重は、0.52であった。
【0092】
(参考例4)
300×300mmの型枠中で、参考例3と同様にして得られたケナフ繊維40.5gで繊維マットを形成した。そのマットを熱板間に配置した後、熱板間に0.9mmのディスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、繊維板を得た。
【0093】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間3分とした。
【0094】
得られたボードサイズは、厚み0.9mm、300×300mm、ボード比重0.51となった。
【0095】
次に、300×300mmの型枠中で、参考例3と同様にして得られたケナフパーティクル324.0gでマットを形成した。そのマットを熱板間に配置した後、熱板間に7.2mmのデイスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、パーティクル層からなる層体を得た。
【0096】
熱圧成形条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0097】
得られたボードサイズは、厚み7.2mm、300×300mm、ボード比重0.49となった。
【0098】
次に、図lに示したような3層構造になるように、得られたケナフパーティクル層からなる層体とケナフ繊維板を積層プレスした。なお、接着剤として、ユリアメラミン接着剤を75g/cm2塗布した。
【0099】
熱圧成形の条件は、プレス温度120℃、プレス圧力10kgf/cm2、プレス時間5分とした。
【0100】
得られたボードサイズは,厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.51となった。
【0101】
(参考例5)
参考例3と同様にして得られたケナフ長繊維を、繊維配向機にかけることによって一方向に配向した繊維層を形成した。
【0102】
なお、繊維層は、サイズ300×300mm、重量40.5gとした。
【0103】
繊維配向機は、接着剤を塗布した長繊維を、引き伸ばし部のローラー対に順次通過させながら繊維を引き伸ばして方向を揃え、撚り部のベルト間に通して移送すると共に繊維の移送方向に対して直交する方向において、上下一対のベルトを互いに逆向きに往復運動させることによって、一方向に配向したマット状にする装置である。
【0104】
次に、繊維層40.5g×2層、パーティクル層324.0gとした以外は参考例3と同様にして積層マットを形成した。
【0105】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図4に示したようなボードを得た。
【0106】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0107】
(参考例6)
繊維層48.6g×2層、パーティクル層388.8gとした以外は参考例5と同様にして積層マットを形成した。
【0108】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図4に示したようなボードを得た。
【0109】
なお、得られたボード比重は、0.59であった。
【0110】
(参考例7)
長繊維の配向方向を直交する方向に配向して繊維層を形成する以外は参考例3と同様にして積層マットを形成した。
【0111】
なお、繊維層を構成する繊維マットは、参考例5の繊維配向機を用いて得られたものであり、サイズ300×300mm、重量16.2gとした。積層マットは、ボード比重が0.40になるように、繊維層32.4g×2層、パーティクル層259.2gで構成した。
【0112】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0113】
なお、得られたボード比重重は、0.40であった。
【0114】
(参考例8)
繊維層40.5g×2層、パーティクル層324.0gとした以外は参考例7と同様にして積層マットを形成した。
【0115】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0116】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。
【0117】
(参考例9)
繊維層にケナフ繊維を用いて織られたケナフ織物を使用した以外は参考例3と同様にして積層マットを形成した。
【0118】
なお、そのときの積層マットは、繊維層40.5g×2層、パーティクル層324.0gで構成した。
【0119】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図8に示したようなボードを得た。
【0120】
なお、得られたボード比重は、0.52であった。
【0121】
(参考例10)
繊維層48.6g×2層、パーティクル層388.2gとする以外は参考例9と同様にして積層マットを形成した。
【0122】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図8に示したような3層ボードを得た。なお、得られたボード比重は、0.59であった。
【0123】
(参考例11)
参考例5と同様にして、繊維層比率が6wt%になるように、積層マットを形成した。
【0124】
なお、ケナフ繊維は、参考例3と同様にして得られた平均繊維径100μm、平均繊維長100mmの繊維を使用し、積層マットは、繊維層12.2g×2層、パーティクル層380.7gで構成した。
【0125】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図4に示したようなボードを得た。
【0126】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0127】
(参考例12)
参考例11と同様にして、繊維層比率が20wt%になるように、積層マットを形成した。
【0128】
そのため、積層マットは、繊維層40.5g×2層、パーティクル層324.0gで構成した。
【0129】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図4に示したようなボードを得た。
【0130】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。 (参考例13) 参考例8と同様にして、平均繊維長が100mmのものを用いて積層マットを形成した。
【0131】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0132】
なお、得られたボード比重は、0.52であった。
【0133】
(参考例14)
参考例13と同様にして、繊維層比率が30wt%になるように、積層マットを形成した。
【0134】
そのため、積層マットは、繊維層60.8g×2層、パーティクル層283.5gで構成した。
【0135】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0136】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。
【0137】
(参考例15)
参考例14と同様にして、パーティクル層にバルサパーティクルを用いて、積層マットを形成した。
【0138】
なお、バルサパーティクルに対して、接着剤はイソシアネート系接着剤を固形分に対して8wt%塗布した。
【0139】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0140】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0141】
(参考例16)
参考例1と同様にして、繊維層比率が30wt%になるように、積層マットを形成した。
【0142】
そのため、積層マットは、繊維層72.9g×2層、パーティクル層340.2gで構成した。
【0143】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図1に示したようなボードを得た。
【0144】
なお、得られたボード比重は、0.59であった。
【0145】
(参考例17)
参考例14と同様にして、平均繊維長200mmのケナフ繊維を用いて、積層マットを形成した。
【0146】
この積層マットを、参考例1と同様にして、図6に示したようなボードを得た。
【0147】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。
【0148】
(実施例1)
300×300mmの型枠中で、最初に、参考例3と同様にして得られたケナフパーティクル40.5g(ボード総重量のl0wt%)でパーティクル層を形成した。そのパーティクル層の上に、参考例5と同様にして得られた配向繊維マット12.2g(ボード総重量の3wt%)で繊維層を形成した。その繊維層の上に、ケナフパーティクルで299.7g(ボード総重量の74wt%)でパーティクル層を形成した。そのパーティクル層の上に、配向繊維マット12.2g(ボード総重量の3wt%)で繊維層を形成した。その繊維層の上に、ケナフパーティクル40.5g(ボード総重量のl0wt%)でパーティクル層を形 成し、積層マットを形成した。
【0149】
次に、型枠から取り出した積層マットを熱板間に配置した後、熱板間に厚さ9mmのディスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、図5に示したような5層構造の長繊維複合ボードを得た。
【0150】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0151】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。
【0152】
(実施例2)
実施例1と同様にして、繊維層比率が20wt%になるように、積層マットを形成した。
【0153】
そのため、積層マットは、繊維層40.5g×2層、パーティクル層40.5g×2層、243.0g×1層で構成した。
【0154】
次に、型枠から取り出した積層マットを熱板間に配置した後、熱板間に厚さ9mmのディスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、図5に示したような5層構造の長繊維複合ボードを得た。
【0155】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0156】
なお、得られたボード比重は、0.52であった。
【0157】
(実施例3)
長繊維の配向方向を直交する方向に配向して繊維層を形成する以外は実施例2と同様にして積層マットを形成した。
【0158】
そのため、積層マットは、繊維層40.5g×2層、パーティクル層40.5g×2層、243.0g×1層で構成した。
【0159】
次に、型枠から取り出した積層マットを熱板間に配置した後、熱板間に厚さ9mmのディスタンスバーを挟んで、熱圧成形し、図7に示したような5層構造の長繊維複合ボードを得た。
【0160】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0161】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0162】
(比較例1)
比重0.60の針葉樹粗木片をリングフレーカー処理して平均厚さ1mm、平均サイズ6×10mmの針葉樹パーティクルを得た。次に、ドラムブレンダーを使用して、得られた針葉樹パーティクルに、イソシアネート系接着剤をパーティクル重量に対して固形分で8wt%スプレー塗布した。
【0163】
次に、300×300mmの型枠中で、接着剤を塗布した針葉樹パーティクル405.0gでパーティクルマットを形成した。
【0164】
このマットを熱板間に配置した後、熱板間に厚さ9mmのディスタンスバーを挟んで、
熱圧成形し、針葉樹パーティクルボードを得た。
【0165】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0166】
得られたボードサイズは、厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.52となった。
【0167】
(比較例2)
比重0.60の針葉樹粗木片をレファイナー処理して平均繊維径50μm、平均繊維長3mmの針葉樹繊維素材を得た。次に、気流循環式パイプブレンダーを使用して、得られた針葉樹繊維に、イソシアネート系接着剤を繊維重量に対して固形分で10wt%スプレー塗布した。
【0168】
比較例1と同様にして、針葉樹繊維板(MDF)を得た。
【0169】
得られたボードサイズは、厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.50となった。
【0170】
(比較例3)
パーティクルとして参考例3で得られたケナフパーティクルを用いた以外は比較例1と同様にしてケナフパーティクル層単体からなるボードを得た。
【0171】
得られたボードサイズは、厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.51となった。
【0172】
(比較例4)
パーティクルとしてバルサパーティクルを用いた以外は比較例1と同様にしてバルサパーティクル層単体からなるボードを得た。
【0173】
得られたボードサイズは、厚み9mm、300×300mm、ボード比重0.52となった。
【0174】
(比較例5)
パーティクルとして針葉樹パーティクルを用いた以外は参考例3と同様にして積層マットを形成した。
【0175】
この積層マットを熱板間に配置した後、熱板間にディスタンスバーを挟んで、熱圧成形して図1に示すような3層構造のボードを得た。
【0176】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0177】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0178】
(比較例6)
パーティクルとして針葉樹パーティクルを用いた以外は参考例3と同様にして積層マットを形成した。
【0179】
この積層マットを熱板間に配置した後、熱板間にディスタンスバーを挟んで、熱圧成形して図1に示すような3層構造のボードを得た。
【0180】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0181】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0182】
(比較例7)
繊維層として針葉樹繊維板を用いた以外は参考例4と同様にして、繊維層である針葉樹繊維板とケナフパーティクルからなる層体とを積層接着した。
【0183】
ケナフパーティクル層からなる層体は、比較例3と同様にして得られた厚さ7.2mm、ボード比重0.51、針葉樹繊維板は、比較例2と同様にして得られた厚さ0.9mm、比重0.50のものを用いた。
【0184】
なお、得られたボード比重は、0.51であった。
【0185】
(比較例8)
パーティクルとして針葉樹パーティクルを用いた以外は実施例2と同様にして積層マットを形成した。
【0186】
この積層マットを熱板間に配置した後、熱板間にディスタンスバーを挟んで、熱圧成形して図5に示すような3層構造のボードを得た。
【0187】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0188】
なお、得られたボード比重は、0.49であった。
【0189】
(比較例9)
パーティクルとして針葉樹パーティクルを用いた以外は実施例3と同様にして積層マットを形成した。
【0190】
この積層マットを熱板間に配置した後、熱板間にディスタンスバーを挟んで、熱圧成形して図5に示すような3層構造のボードを得た。
【0191】
熱圧成形の条件は、プレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間10分とした。
【0192】
なお、得られたボード比重は、0.50であった。
【0193】
※ 下記の表1、表2には上記した参考例1〜17、実施例1〜3及び比較例1〜9の成形法、ボード構成、ボード比重を示している。
【0194】
※ 上記した参考例1〜17、実施例1〜3及び比較例1〜9で得られたボードの物性をJIS A 5906(中質繊維板)、及びJIS A 5905(繊維板)に規定された方法により試験した。試験項目は、曲げ強度、曲げヤング率、吸水長さ変化率であり、この結果を表3に示した。
【0195】
参考例1〜17、実施例1〜3は、繊維長6mm以上のリグノセルロース長繊維とリグノセルロース材料から得られる比重0.2以下のパーティクルを図1、図3〜8に示したような構成で積層させている。その為、リグノセルロース長繊維の優れた特徴を生かすことができ、また、パーティクル層における剪断破壊強度を高め、さらには繊維層とパーティクル層との積層界面の剥離強度を高めているため、比較例1〜4の単層ボードに比べて、同一比重で強度性能が著しく向上している。
【0196】
また、参考例5、6、11、12のように、ケナフ長繊維を一方向に配向させることにより、繊維を配向させた方向の強度性能が、非配向に比べて向上している。
【0197】
さらには、吸水時の寸法安定性についても、繊維を配向させた方向に関して、極めて高い寸法安定性を示し、繊維を配向させず非配向である複合ボードに比べて向上している。
【0198】
なお、参考例5、6、11、12、比較例6については、繊維配向方向に対する試験結果を示している。
【0199】
また、参考例7、8、13、14、15、17のように、ケナフ長繊維を直交配向させることにより、一方向配向と比較して、強度の異方性が少なく、強度性能及び寸法安定性が向上している。
【0200】
更に、参考例9、10のように、編み込まれたケナフ織物を用いても、同様に、異方性がなく、高い強度を示すと共に、ボード面内方向において、優れた寸法安定性を有する。
【0201】
また、比較例5、6、8、9の針葉樹パーティクルを用いた複合ボードに対して、参考例3、5、実施例2、3は、ケナフパーティクルの比重が0.2以下と低いために、ボード成形後のパーティクル層での欠陥部が少なくなり、パーティクル層における剪断破壊強度及び積層界面の剥離強度を高めるため、同一比重で比較すると強度性能が向上している。
【0202】
次に、ボード成形後の表面平滑性について評価を行い、表3に示した。
【0203】
この評価法は、5cm角(表面積25cm2)サイズにカットしたボードの一表面上における直径約0.5mm以上の空隙の個数を計測し、その空隙の個数によって、表面平滑性の指標とした。なお、評価基準は、◎…なし、○…3個未満、△…3個以上〜10個未満、×…10個以上とした。
【0204】
比較例8、9に対して、実施例1、2、3では、高強度のケナフ長繊維とケナフパーティクルで構成されているため、同一比重において強度性能が向上している。
【0205】
更に、ケナフパーティクルからなる層を表面層を形成することによって、他の素材と比べて、表面平滑性が向上していた。
【0206】
【表1】
【0207】
【表2】
【0208】
【表3】
【0209】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクルからなるパーティクル層と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維からなる繊維層とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形した長繊維複合ボードであって、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維から構成された繊維層が積層され、両繊維層の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層が積層された5層構造を有しているので、内部に存在するリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層はボード比重0.6以下でも圧締率が大きくてパーティクル層内に空隙などの欠陥部の割合が生じにくく剪断破壊強度及び積層界面での剥離強度が高くなり、また、両パーティクル層の両側に存在する繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維から構成された繊維層により曲げ応力が高くなり、この結果、ボード比重を0.6以下と軽量なものとしても、高い強度を有する軽量なボードを実現できるものであり、しかも、両繊維層の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層が存在することで表面平滑性が向上するものである。
【0210】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、パーティクル層がケナフの芯部を加工して得られるケナフパーティクルからなると共に、繊維層がケナフの靱皮部より得られるリグノセルロース長繊維からなるので、1年生草本であるケナフを用いて、曲げ強度、剪断破壊強度、積層界面での剥離強度に優れた軽量で取扱易い安価な長繊維複合ボードをとすることができるものである。
【0211】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、繊維層が、一方向に配向させたリグノセルロース長繊維からなるので、リグノセルロース長繊維の優れた強度特性を活かすことができて、配向方向において繊維層の破壊強度が高められ、また、リグノセルロース長繊維の繊維方向における優れた寸法安定性を活かすことが可能となり、この結果、配向方向(繊維方向)においてきわめて優れた強度と寸法安定性を有する長繊維複合ボードとすることができるものである。
【0212】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、繊維層が、直交する二方向に配向されたリグノセルロース長繊維からなるので、リグノセルロース長繊維の優れた強度特性と寸法安定性を活かすことが可能となり、この結果、繊維を配向させた二方向の強度が高くなると共に、強度の異方性が少なくなり、また、寸法安定性についても同様に配向させた二方向において優れた寸法安定性を有すると共に、寸法変化の異方性が少ない長繊維複合ボードとすることができるものである。
【0213】
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明のいずれかの効果に加えて、繊維層が、リグノセルロース長繊維を編み込まれあるいは織り込まれて形成された層からなるので、長繊維同士の絡み合いが補強され、リグノセルロース長繊維の繊維素材の特徴を更に活かすことができ、この結果、長繊維複合ボード全体の強度を高める作用及び寸法変化を抑制する作用が働き、したがって、強度の異方性が少なく、きわめて高い強度を有し、更にボード面内方向において優れた寸法安定性を有する長繊維複合ボードとすることができるものである。
【0214】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の長繊維複合ボードを製造する製造方法であって、接着剤を分散させたパーティクルからなるパーティクル層及び、接着剤を分散させた長繊維からなる繊維層にそれぞれ熱や圧力を加えることによって層体を形成し、複数個の層体を接着して積層するので、各層の厚さ及び密度を精密に制御することができ、上記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載したような効果を有する長繊維複合ボードを精度よく製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の長繊維複合ボードの一実施形態の斜視図である。
【図2】 (a)は参考例に用いる比重0.2以下のパーティクルを圧締した状態の説明図であり、(b)は従来の木質パーティクルを圧締した状態の説明図である。
【図3】 本発明の実施形態の斜視図である。
【図4】 参考例の更に他の実施形態(3層構造で且つリグノセルロース長繊維が一方向配向の例)の斜視図である。
【図5】 本発明の更に他の実施形態(5層構造で且つリグノセルロース長繊維が一方向配向の例)の一部切欠斜視図である。
【図6】 参考例の更に他の実施形態(3層構造で且つリグノセルロース長繊維が直交配向の例)の斜視図である。
【図7】 本発明の更に他の実施形態(5層構造で且つリグノセルロース長繊維が直交配向の例)の一部切欠斜視図である。
【図8】 参考例の更に他の実施形態(リグノセルロース長繊維を編み込んだ例)の斜視図である。
【符号の説明】
1 パーティクル
2 パーティクル層
3 リグノセルロース長繊維
4 繊維層
5 長繊維複合ボード
Claims (6)
- 接着剤を分散させたリグノセルロース材料を加工して得た多数のパーティクルからなるパーティクル層と、接着剤を分散させた多数本のリグノセルロース長繊維からなる繊維層とを複数組み合わせ、熱や圧力を加えることによって板状に成形した長繊維複合ボードであって、リグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層の両表面に、繊維長さ6mm以上のリグノセルロース長繊維から構成された繊維層が積層され、両繊維層の各表面に更にリグノセルロース材料を加工して得られる比重0.2以下のパーティクルから構成されたパーティクル層が積層された5層構造を有して成ることを特徴とする長繊維複合ボード。
- パーティクル層がケナフの芯部を加工して得られるケナフパーティクルからなると共に、繊維層がケナフの靱皮部より得られるリグノセルロース長繊維からなることを特徴とする請求項1記載の長繊維複合ボード。
- 繊維層が、一方向に配向させたリグノセルロース長繊維から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の長繊維複合ボード。
- 繊維層が、直交する二方向に配向されたリグノセルロース長繊維から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の長繊維複合ボード。
- 繊維層が、リグノセルロース長繊維を編み込まれあるいは織り込まれて形成された層から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の長繊維複合ボード。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の長繊維複合ボードを製造する製造方法であって、接着剤を分散させたパーティクルからなるパーティクル層及び、接着剤を分散させた長繊維からなる繊維層にそれぞれ熱や圧力を加えることによって層体をそれぞれ個別に形成し、個別に形成した複数個の層体を接着して積層することを特徴とする長繊維複合ボードの製造方法。
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