JP2011093097A - 長繊維ボードおよび長繊維複合ボード - Google Patents

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鉄平 朝田
Kenji Onishi
兼司 大西
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Abstract

【課題】極めて高い寸法安定性を有し、さらに強度も十分に高い長繊維ボードとそれを用いた長繊維複合ボードを提供する。
【解決手段】リグノセルロース長繊維4と前記リグノセルロース長繊維4同士を接着するための接着剤5とを含む長繊維ボード1であって、前記リグノセルロース長繊維4の平均繊維長が200mm以上であり、前記リグノセルロース長繊維4同士が略同一方向に配向し絡み合って前記接着剤5により接着されていることにより、前記配向方向において吸湿時に負の寸法変化率を示すことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、長繊維ボードおよび長繊維複合ボードに関するものである。
パーティクルボード(PB)、MDF(中密度繊維板)等の木質ボードは、住宅用部材、内装・造作部材等の幅広い分野で用いられている。木質ボードは製材時の残廃材、製紙未利用低質チップ、建築解体材等から得られる木材小片や木質繊維を熱硬化性樹脂等で接着して板状に成形したものである。
そのため、木質ボードは木質資源の有効活用といった観点から環境に優しく、木材を製材して得られる挽き板に比べて品質が安定しているという特徴や、異方性が少なく加工性に優れているという特徴を有している。
しかしながら、木質ボードは木材小片や木質繊維を原料として用いているため、強度が弱く、吸湿時に膨張し寸法変化が大きい。そのため、床材、壁材等の内装部材や、ドア材、戸板材等の造作部材等の基材として用いた場合、十分な強度が得られず、さらに反りや狂いが大きい等の問題点があった。
このような問題点を解決するものとして、本発明者らは、ケナフ(アオイ科の一年生草本類)等の靱皮部分から得られる長繊維を原料として用い、これを熱硬化性樹脂で接着して得られる長繊維ボードを提案している(特許文献1、2参照)。この長繊維ボードは従来の木質ボードに比べて高強度で、かつ高い寸法安定性を有している。
特許第3987644号公報 特許第4085961号公報
ところが、近年では住宅部材等に求められる品質がより高まってきており、寸法安定性や強度特性においてもより一層高い品質を有する住宅部材等が望まれている。
また、ケナフ等の靱皮繊維を用いた長繊維ボードと、PBやMDF等の既存の木質ボードやポプラ、ファルカタ、スギ等の早生植林木を素材として用いた合板とを組み合わせて住宅部材等の寸法安定性や強度特性を改善する試みがなされているが、十分な性能が得られていないのが現状である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、住宅部材等に適用したときに住宅部材等が極めて高い寸法安定性と十分に高い強度を示すことができる長繊維ボードを提供することを課題としている。
また本発明は、長繊維ボードと早生植林木の単板または木質ボードとを複合化させて住宅部材等に適用したときに、住宅部材等の寸法安定性と強度を大幅に向上させることができる長繊維複合ボードを提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の長繊維ボードは、リグノセルロース長繊維と前記リグノセルロース長繊維同士を接着するための接着剤とを含む長繊維ボードであって、前記リグノセルロース長繊維の平均繊維長が200mm以上であり、前記リグノセルロース長繊維同士が略同一方向に配向し絡み合って前記接着剤により接着されていることにより、前記リグノセルロース長繊維の配向方向において吸湿時に負の寸法変化率を示すことを特徴とする。
第2に、前記寸法変化率が−0.05%から−0.10%の範囲内にあることを特徴とする。
第3に、本発明の長繊維複合ボードは、少なくとも1枚の上記第1の長繊維ボードと、少なくとも1枚の早生植林木の単板とを積層一体化したものであることを特徴とする。
第4に、上記第3の長繊維複合ボードにおいて、長繊維ボードと早生植林木の単板とを積層一体化した5層構造であり、長繊維ボードが最外層に隣接する層に配置され、早生植林木の単板が最外層および中心層に配置されていることを特徴とする。
第5に、上記第3の長繊維複合ボードにおいて、長繊維ボードが最外層に配置されていることを特徴とする。
第6に、本発明の長繊維複合ボードは、少なくとも1枚の上記第1の長繊維ボードと、少なくとも2枚の木質ボードとを積層一体化してなり、木質ボードが少なくとも最外層となる表面及び裏面に配置され、長繊維ボードが最外層の内側の層に配置されていることを特徴とする。
第7に、本発明の長繊維複合ボードは、少なくとも2枚の上記第1の長繊維ボードと、少なくとも1枚の木質ボードとを積層一体化してなり、長繊維ボードが少なくとも最外層となる表面及び裏面に配置され、木質ボードが最外層の内側の層に配置されていることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、平均繊維長200mm以上のリグノセルロース長繊維を用い、このリグノセルロース長繊維が略同一方向に配向していることで、長繊維ボードの強度を繊維強度付近にまで飛躍的に向上させることができる。
長繊維配向マットの配向方向が略同一方向であり、その配向方向に対して収縮する方向に残留応力を有し配向方向に対して吸湿時の寸法変化率が負となるため、既存の木質系材料のように吸湿時の膨張するのでは無く、寸法を僅かながら収縮させることが可能となる。そのため、住宅部材等に適用したときに住宅部材等が吸湿した場合の膨張を抑制して極めて高い寸法安定性を付与でき、更にその強度を十分に高めることができる長繊維ボードを得ることができる。
上記第2の発明によれば、上記第1の発明において寸法変化率が−0.05%から−0.10%であるので、例えば木質ボード等と複合一体化したときに、吸湿時に木質ボード等が膨張する性質を相殺することができる。そのため、長繊維ボードと木質ボード等とを複合一体化したものを住宅部材等に適用したときに住宅部材等が吸湿したときにでも極めて高い寸法安定性を有することができる。
上記第3の発明によれば、ポプラ、ファルカタ、スギ等の早生植林木の単板と、高い寸法安定性と強度を有する上記第1又は第2の発明の長繊維ボードとを積層した構造であるため、複合ボードの素材として早生植林木の単板を用いながらも、高い寸法安定性と強度を確保することができる。
上記第4の発明によれば、上記第1又は第2の発明の長繊維ボードと、早生植林木の単板とを積層した5層構造であり、かつ上記第1又は第2の発明の長繊維ボードが最外層に隣接する層に配置された構造を有しているため、長繊維複合ボードの厚さ方向に対して対称な構造となり、上記第3の発明の効果に加え、寸法安定性および強度が向上するだけでなく、反りや狂いが低減し、さらに合板としての外観、意匠性、加工性も有している。
上記第5の発明によれば、上記第1又は第2の発明の長繊維ボードと早生植林木の単板とが積層した構造を有し、かつ上記第1又は第2の発明の長繊維ボードが最外層に配置されているため、上記第3の発明の効果に加え、寸法安定性と強度が向上するだけでなく、反りや狂いが低減し、さらに高い表面硬度を有している。
上記第6の発明によれば、上記第1又は第2の発明の長繊維ボードがPB、MDF等の木質ボードの内部に複合された構造を有するため、高い寸法安定性と強度を有している。
上記第7の発明によれば、上記第1又は第2の発明の長繊維ボードがPB、MDF等の木質ボードと複合された構造を有し、かつ上記第1又は第2の発明の長繊維ボードが最外層に配置されているため、高い寸法安定性と強度を有し、さらに高い表面硬度を有している。
本発明の実施形態に係る長繊維ボードを概略的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る長繊維ボードを成形するための長繊維配向マットを概略的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る長繊維複合ボードを概略的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る長繊維複合ボードの具体形態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る長繊維複合ボードの他の具体形態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る長繊維複合ボードの他の具体形態を概略的に示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る長繊維複合ボードの具体形態を概略的に示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る長繊維複合ボードの他の具体形態を概略的に示す斜視図である。 早生植林木の合板を概略的に示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の長繊維ボードの実施形態を概略的に示す斜視図である。図2は本実施形態の長繊維ボードの製造に用いられる長繊維配向マットを概略的に示す斜視図である。
図1に示す本実施形態の長繊維ボード1は、図2に示す長繊維配向マット3を成形して得られるものである。
図2に示す長繊維配向マット3は、平均繊維長200mm以上の多数のリグノセルロース長繊維4同士が略同一方向に配向し絡み合って形成され、接着剤5が添加されたものである。それを成形することにより図1に示す長繊維ボード1が製造される。
リグノセルロース長繊維4としては、セルロースとリグニンを主成分とするものであれば特に限定されないが、その原料となる植物としては、例えば、ケナフ、ジュート、亜麻、ラミー、ヘンプ、サンスベリア、サイザル、パイナップル、バナナ、油ヤシ、ココヤシ、竹等が挙げられる。これらの植物から得られるリグノセルロース長繊維4は、針葉樹から得られる針葉樹繊維や広葉樹から得られる広葉樹繊維等の木質繊維に比べて、およそ2〜14倍の高い強度を有し、また、繊維長が長い等の特徴がある。これらのリグノセルロース長繊維4の原料となる繊維は、解繊方法を適宜選定することで、数10mmから数100mmの長さに制御することが可能である。そして、本実施形態で用いるリグノセルロース長繊維4は、平均繊維長が200mm以上になるように解繊したものである。
例えば、ケナフ、ジュート、亜麻、ラミー、ヘンプ等の麻類の植物は、靱皮繊維束を機械的または化学的な処理により解繊することで、容易にリグノセルロース長繊維4を得ることができる。
また、サンスベリア、サイザル、パイナップル、バナナ等の葉肉部を機械的に処理することで、葉脈繊維や葉柄繊維としてリグノセルロース長繊維4を得ることができる。
また、油ヤシ、ココヤシ等の果実部からも機械的な処理により果実繊維としてリグノセルロース長繊維4を得ることができる。
また、竹からは稈と呼ばれる幹部分を圧搾した後、水酸化ナトリウム溶液中に浸漬し、水洗することで竹長繊維としてリグノセルロース長繊維4を得ることができる。
本実施形態ではこれらのリグノセルロース長繊維4を解繊した状態でそのまま用いるか、あるいは200mm以上の長さで適宜切断して用いる。なお、解繊後のリグノセルロース長繊維4の直径は、例えば50μm〜1000μmの範囲内である。
本実施形態の長繊維ボード1は、リグノセルロース長繊維4が絡みながら配向された長繊維配向マット3から成形されているため、リグノセルロース長繊維4の配向方向に対して負の寸法変化率を示すという特有の寸法変化特性や優れた強度特性を活かすことができる。
以下、本実施形態の長繊維ボード1によるこれらの優れた特性について説明する。なお、以下においてリグノセルロース長繊維4の配向方向(繊維長さ方向)を「繊維方向」、これに直交する方向(繊維径方向)を「繊維直交方向」ともいう。
まず、本実施形態の長繊維ボード1の寸法変化特性について説明する。
長繊維ボード1は200mm以上のリグノセルロース長繊維4が配向された状態で接着剤と共に熱圧成形される。その際、リグノセルロース長繊維4は以下に示すような理由で、繊維方向に対しては収縮しようとする応力が残留した状態で成形される。
長繊維配向マット3の成形時には、一般に熱や圧力を加える場合が多く、リグノセルロース長繊維4が元々有している含水率未満の状態となる際にリグノセルロース長繊維4が収縮しようとする。
しかし、200mm以上のリグノセルロース長繊維4が配向され絡み合った状態で接着剤5を用いて成形されるため、リグノセルロース長繊維4同士が接触する界面が多くなり、リグノセルロース長繊維4が収縮するという寸法変化を抑制する作用が働く。
そのため、含水率変化に伴ってリグノセルロース長繊維4が収縮しないように成形されるために、繊維方向に対しては収縮応力が残留する。
なお、平均繊維長200mm未満のリグノセルロース長繊維4を用いた場合には、リグノセルロース長繊維4同士が接触する界面が少なく、リグノセルロース長繊維4が収縮するという寸法変化を抑制する作用が働きにくいため、含水率変化により繊維方向にリグノセルロース長繊維4が収縮してから成形されることになる。その結果、成形された長繊維ボード1には繊維方向に収縮しようとする応力は残留しないことになる。
そして、このような繊維方向に収縮しようとする応力が残留しないリグノセルロース長繊維4の吸湿時における寸法変化率は、繊維方向(繊維長さ方向)が概ね0.05%〜0.1%、また繊維直交方向(繊維径方向)は0.1%〜0.3%程度の値となる。このような繊維方向に収縮しようとする応力が残留しないリグノセルロース長繊維4を用いた場合の長繊維ボード1の寸法変化率は繊維方向に対しては0.05%〜0.1%、繊維直交方向に対しては0.1%〜0.3%の値を示すことになる。
なお、本実施形態で記す吸湿時とは、吸湿条件として、20℃RH65%の環境下で7日間調湿保存、その状態から40℃RH90%の環境下で5日間保存するといった吸湿操作を行った後のことをいう。また、本実施形態で記す寸法変化率とは、吸湿前の寸法に対する吸湿後の寸法から吸湿前の寸法を引いた値の割合のことをいう。つまり、例えば、長繊維ボードの吸湿時の寸法変化率を測定するときに、吸湿後に長繊維ボードが膨張すると寸法変化率は正となり、吸湿後に長繊維ボードが収縮すると寸法変化率は負となる。
しかしながら、これに対し本実施形態の長繊維ボード1は、これを構成するリグノセルロース長繊維4が繊維方向に対して収縮する方向に残留応力を有しているため、吸湿時には、繊維方向に収縮しようとし、繊維直交方向には膨潤しようとするという特異な寸法変化挙動を示す。例えば、図2の長繊維配向マット3を熱圧成形して得られた図1の長繊維ボード1では、その吸湿時における寸法変化率は、具体的には繊維方向で−0.10〜−0.05%程度、また繊維直交方向では0.2〜0.3%程度である。
一般的に、多層構造をした複合ボードにおける、ある方向への膨潤量は、各層ごとのその方向に対する寸法変化量の合計で示される。また、その膨潤量は、膨潤率、ヤング率、厚みが大きくなる程大きくなる。
本実施形態の長繊維ボード1は繊維が略同一方向へ配向されているため、配向方向に対しては極めて高いヤング率を有しており、吸湿時に収縮する。そのため、合板やPB、MDFなどの膨潤量の大きな方向に対して非常に薄い長繊維ボード1を複合するだけで、その方向に対して、既存の繊維ボードでは実現不可能であったレベルの寸法安定性を得ることができる。すなわち、長繊維ボード1の厚さを適宜に設定することにより、合板などと長繊維ボード1とを複合した長繊維複合ボードについて吸湿時の寸法安定性を自由に設計することが可能である。
次に、本実施形態の長繊維ボード1の優れた強度特性について説明する。
長繊維ボード1は、平均繊維長200mm以上のリグノセルロース長繊維4が略同一方向へと配向された状態で成形されているため、繊維強度に限りなく近い優れた強度特性を有している。そのため、一方向に対してはヤング率を25GPa以上という極めて高い値に向上させることが可能であり、一方向に対して極めて高い強度が要求される部位に用いることができる。同時に、非常に薄くした場合においても十分な強度を保持することが可能である。
以上のように、本実施形態の長繊維ボード1は、リグノセルロース長繊維4が絡みながら配向した状態で接着成形されているため、リグノセルロース長繊維4の特徴を活かすことができ、配向方向に対して、負の寸法変化率を示すという特有の寸法変化特性や優れた強度特性を有している。
本実施形態に用いるリグノセルロース長繊維の平均繊維長は、250mm以上であることがより好ましく、そうすることにより繊維自体の高い強度特性を活かすことができる。さらには、長繊維の平均繊維長が300mm以上であれば、繊維同士の絡み合いの効果がより一層高まり、強度特性をさらに高めることが可能となる。そして、リグノセルロース繊維の長さの上限は、特に限定されないが、製造し易さの観点から、800mm以下が好ましい。なお、本実施形態において、例えば、平均繊維長200mmとは、繊維長200mmの繊維が50質量%以上、好ましくは70質量%含まれている状態を示す。
本実施形態の長繊維ボード1の製造において用いられる接着剤5としては、特に限定されないが、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フルフラール樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の加熱硬化する熱硬化性樹脂、または、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、オレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして本実施形態の長繊維ボード1は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、図2に示す長繊維配向マット3を形成する。長繊維配向マット3を形成するには、まず、リグノセルロース長繊維4に接着剤5を均一に分散させる。接着剤5を均一に分散させる方法は、特に限定されないが、例えば、液状である接着剤5をスプレー等により噴霧する方法、接着剤5の溶液にリグノセルロース長繊維4を浸漬させる方法、粉末状や繊維状の接着剤5をリグノセルロース長繊維4に散布または混合させる方法等が挙げられる。
また、このような接着剤5の分散は、リグノセルロース長繊維4を長繊維配向マット3の形態とする前の状態で行うことができるが、後述するように一旦リグノセルロース長繊維4を長繊維配向マット3の形態としてから長繊維配向マット3の内部に接着剤5を分散させるようにしてもよい。
リグノセルロース長繊維4に対する接着剤5の添加量は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。接着剤5の添加量が5質量%未満であると、リグノセルロース長繊維4を強固に接着することができなくなる場合があり、長繊維ボード1の高い寸法安定性や強度が損なわれる場合がある。一方、接着剤5の添加量が30質量%を超えると、シミの原因となったり、接着剤5が無駄に消費されたり、接着剤5を硬化させるのに多くの熱が必要となってコスト面で不利となる場合がある。
そして、接着剤5が分散されたリグノセルロース長繊維4を、その繊維方向をおおよそ一方向に揃えて配向させ、長繊維配向マット3を形成する。
リグノセルロース長繊維4を配向させる方法としては、特に限定されないが、例えば、リグノセルロース長繊維4の配向方向を揃えるように、周速の異なる複数のローラ対からなる配向装置を通過させる等の方法によって長繊維配向マット3を形成できる。
長繊維配向マット3を形成する他の方法としては、ケナフ、ジュート、亜麻、ラミー、ヘンプ等の予め繊維方向が揃えられた束状(バンドル状)の長繊維束(靱皮繊維束)や、サンスベリア、サイザル、パイナップル、バナナ等の葉肉部を圧搾して得られる長繊維束を原料として用い、連続した長繊維束にテンションをかけながら解繊して得られたリグノセルロース長繊維4の集合体を、繊維の配向方向を揃えてマット状に積層することが挙げられる。
このように解繊と同時に長繊維配向マット3を形成する方法を用いる場合、解繊前の長繊維束に接着剤5を噴霧させ、あるいは長繊維束を接着剤5に浸漬することにより接着剤5を分散させる方法や、形成した長繊維配向マット3に接着剤5を分散させる方法を適用することができる。長繊維配向マット3への接着剤5の分散方法も特に限定されず、例えば、液状である接着剤5をスプレー等により噴霧する方法、接着剤5の溶液に長繊維配向マット3を浸漬させる方法、粉末状や繊維状の接着剤5を長繊維配向マット3の形成時に散布または混合させる方法等を用いることができる。
このような方法を用いることで、原料として繊維の方向性が揃えられたまま束状となっている特徴を活かすことができ、簡易な工程で接着剤5を添加することができる。
次に、長繊維配向マット3を型枠等に設置し、フォーミングを行う。フォーミングした長繊維配向マット3を型枠から取り出して、熱盤間に配置する。そして熱盤により長繊維配向マット3に熱と圧力を加えて熱圧成形を行い、板状に成形するとともに接着剤5を硬化させてリグノセルロース長繊維4同士を接着することによって、長繊維ボード1を製造することができる。
熱圧成形の際の温度、時間、および圧力は、接着剤5の種類、長繊維ボード1の厚みや密度等により適宜に設定されるが、例えば、温度は好ましくは20℃〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃に設定される。また、熱圧成形の際のプレス方法としては、特に限定されないが、例えば、バッチ式の平板プレスや連続プレス等を用いることができる。
長繊維ボード1の密度は、特に限定されないが、高い力学的強度が必要な場合は、好ましくは0.6g/cm3〜1.4g/cm3、より好ましくは0.8g/cm3〜1.2g/cm3に設定する。長繊維ボード1の密度が0.6g/cm3未満であると、長繊維ボード1の内部に多数の空隙が存在することになり、リグノセルロース長繊維4同士の接着部分やリグノセルロース長繊維4同士の絡み合い部分が減少することになる。このため、リグノセルロース長繊維4同士の接着部分やリグノセルロース長繊維4同士の絡み合い部分による長繊維ボード1の補強効果を発揮させることができなくなり、長繊維ボード1の力学的強度が低下する場合がある。一方、長繊維ボード1の密度が1.4g/cm3を超えると、熱圧成形の際の圧力が高過ぎてリグノセルロース長繊維4自体が破損し、長繊維ボード1の力学的強度の向上効果が小さくなる場合がある。
本発明の長繊維ボード1は、極めて高い強度特性および吸水・吸湿時に負の寸法変化率を示すという特有の寸法変化特性を有するため、このような性能が要求される内装部材や造作部材等に好適に用いることができる。
図3は、本発明の長繊維複合ボードの実施形態を概略的に示す斜視図、図4は、本実施形態の長繊維複合ボードの具体構成を概略的に示す斜視図である。
図3(a)に示す長繊維複合ボード2は、図1に示す長繊維ボード1と早生植林木の単板7とを1枚ずつ積層することにより形成されている。なお、長繊維複合ボード2は、図3(b)に示すように複数の層6(それぞれの層6は長繊維ボード1と早生植林木の単板7のうちいずれかを示す。)が積層されて形成された積層体であればよい。そして、この複数の層6のうち、少なくとも1つの層6が長繊維ボード1により形成されていればよく、例えば、図3(a)で示す2層に限らず、3層であっても、それ以上の層数から形成されていてもよい。
このように、長繊維ボード1を1層以上複合することで、多層構造を有する長繊維複合ボード2の強度を高めることができる。さらには長繊維ボード1が吸水・吸湿時に収縮しようとする作用が、早生植林木からなる他の層の膨潤を抑制するため、寸法安定性に優れた長繊維複合ボード2が得られる。
なお、長繊維ボード1を複合させる層の順は特に限定されず、例えば、図4に示すように中心の層に長繊維ボード1を複合すると、長繊維複合ボード2の寸法安定性を特に向上させることができる。
早生植林木の単板7の樹種としては、特に限定されないが、例えば、ポプラ、ファルカタ、スギ等が挙げられる。これらの樹種は南洋材であるラワン等と比べて成長が早く、植林後8年〜数十年で伐採可能となり、持続可能型資源として近年注目されている木材資源である。しかし材質のバラツキが多く、低比重であるといったことから、合板化した際の寸法安定性と強度が劣るため、住宅部材としての利用が困難であるといった問題点があった。
これに対して本実施形態では、これらの低質な材である早生植林木の単板7を長繊維ボード1と複合させることで、長繊維複合ボード2の寸法安定性および強度を向上させることが可能となり、吸水・吸湿時の寸法安定性や強度特性が要求される部材への利用も可能となる。
図5は、本実施形態の長繊維複合ボード2の他の具体構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態の長繊維複合ボード2は、図1に示す長繊維ボード1と、早生植林木の単板7とを5層に積層一体化した積層体であり、長繊維ボード1を最外層に隣接する層へ2層複合することにより形成されている。
このように、長繊維ボード1を、中心の層から対称に2層複合することにより、長繊維複合ボード2の厚さ方向に対して対称な構造となり、早生植林木の単板7のみを積層した図9のような早生植林木の合板9と比べて、本実施形態の長繊維複合ボード2は、寸法安定性および強度が向上するだけでなく、反りや狂いが低減し、さらに合板としての外観、意匠性、加工性も有している。
図6は、本実施形態の長繊維複合ボードの他の具体構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態の長繊維複合ボード2は、図1に示す長繊維ボード1と、早生植林木の単板7とを積層一体化した積層体であり、長繊維ボード1を最外層となる表面及び裏面に複合することにより形成されている。
早生植林木の単板7の積層数は、特に限定されないが、長繊維複合ボード2の構成に合わせて1層〜7層程度を用いる。
このように長繊維ボード1を最外層に複合することにより、早生植林木の単板7のみを積層した図9のような早生植林木の合板9と比べて、本実施形態の長繊維複合ボード2は、寸法安定性および強度が向上するだけでなく、反りや狂いが低減し、さらに高い表面硬度を有している。
なお、これらの長繊維複合ボード2における長繊維ボード1を複合する方向は、隣接する単板に対して、それぞれの繊維が平行になる方向、直交する方向のいずれの方向に関しても特に限定されることはなく、要求される長繊維複合ボード2の性能に対して適宜設定することが可能である。例えば、長繊維ボード1の繊維方向と直交方向のいずれにおいても高い強度と寸法変化率を示す長繊維複合ボード2が必要な場合は、 長繊維ボード2の繊維方向と単板等の木質繊維の方向を直交させることが好ましい。この場合、異方性が小さいボードを形成することができる利点がある。一方、一方向に対して極めて高い強度が必要な場合には、長繊維ボード1の繊維方向と単板等の木質繊維を平行に配置すればよい。
図7は、本発明の長繊維複合ボード2の別の実施形態を概略的に示す斜視図である。
本実施形態の長繊維複合ボード2は、1枚の図1に示す長繊維ボード1と、2枚の木質ボード8とを積層一体化した積層体であり、木質ボード8が表裏面の最外層に配置され、長繊維ボード1がその内側の層に配置されている。すなわち長繊維複合ボード2は、長繊維ボード1を、PB、MDF等の木質ボード8の内部に複合することにより形成されている。
このように長繊維ボード1を内部に複合することにより、木質ボード8の寸法安定性と強度を大幅に向上させることができる。
図8は、本発明の長繊維複合ボードの別の実施形態を概略的に示す斜視図である。
本実施形態の長繊維複合ボード2は、2枚の図1に示す長繊維ボード1と、1枚の木質ボード8とを積層一体化した積層体であり、長繊維ボード1が表裏面の最外層に配置され、木質ボード8がその内側の層に配置されている。すなわち長繊維複合ボード2は、長繊維ボード1を木質ボード8の最外層に複合することにより形成されている。
このように長繊維ボード1を最外層に複合することにより、木質ボード8の寸法安定性と強度を大幅に向上させることができるとともに、表面硬度も高いものとすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ケナフの茎から分離したケナフの靱皮繊維束を、一定量ずつ針の付いた解繊シリンダーに投入し、針でかき取り解きほぐすことで、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長200mmのケナフの長繊維を作成した。そして、それらのケナフ長繊維を略同一方向に配向させたものを固形分濃度25質量%のフェノール樹脂水溶液に10分間浸漬した後ローラ絞り機に通過させることにより、配向したケナフの長繊維にフェノール樹脂を均一に付着させ長繊維配向マットを作製した。このフェノール樹脂が含有した長繊維配向マットの含水率は150質量%であった。
次に、このフェノール樹脂が含有した長繊維配向マットの両側の表面に、ブロアー送風機により得られる常温風を吹き付けて接触させることにより、含水率を15質量%程度にまで低下させ、さらに80℃の熱風を吹き付けて接触させることにより、含水率を10質量%にまで低下させ乾燥させた。
このようにして長繊維配向マットを用意し、次に、この長繊維配向マットのケナフの長繊維の配向方向が略同一方向になるようフォーミングした。フォーミング後の長繊維配向マットの積層体を、熱圧プレスを用いて熱盤温度160℃、成形圧力4.5MPa、成形時間10分の条件で熱圧成形することにより、図1に示すような、密度0.8g/cm3の600mm角サイズ、厚さ0.5mmの長繊維ボードを得た。
(実施例2)
長繊維配向マットの原料として、ケナフ靱皮から得られた繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmのケナフの長繊維を用い、長繊維ボードの厚さを1.0mmに設定し、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例3)
長繊維配向マットの原料として、ケナフ靱皮から得られた繊維径50μm〜500μm、平均繊維長600mmのケナフの長繊維を用い、長繊維ボードの厚さを1.5mmに設定し、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例4)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmのサンスベリアの長繊維を用い、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例5)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長600mmのサンスベリアの長繊維を用い、長繊維ボードの厚さを1.0mmに設定し、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例6)
長繊維ボードの密度が1.0g/cm3となるようにし、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例7)
長繊維ボードの密度が1.2g/cm3となるようにし、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例8)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmのパイナップルの長繊維を用い、接着剤としてイソシアネート樹脂を用いて長繊維配向マットにスプレーで均一に付着させ、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例9)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmの亜麻の長繊維を用い、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例10)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmの竹の長繊維を用い、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例11)
長繊維配向マットの原料として、繊維径50μm〜500μm、平均繊維長300mmのジュートの長繊維を用い、それ以外は実施例2と同様にして長繊維ボードを得た。
(実施例12)
厚さ2mmのポプラ単板3枚と、実施例1において作製した厚さ0.5mmの長繊維ボード2枚を用意し、それぞれの繊維方向を直交させ、表裏面の最外層に長繊維ボードが配置されるように、各単板ないし長繊維ボードの界面にユリアメラミン樹脂を接着剤として250g/m2塗布した。
次に、この積層体を、熱圧プレスを用いて熱盤温度160℃、成形圧力4.5MPa、成形時間10分の条件で熱圧成形することにより、図6に示すような、密度0.47g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例13)
実施例2において作製した厚さ1.0mmの長繊維ボード2枚を用い、それ以外は実施例12と同様にして、図6に示すような、密度0.52g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例14)
厚さ2mmのポプラ単板4枚と、実施例2において作製した厚さ1.0mmの長繊維ボード1枚を用意し、それぞれの繊維方向を直交させるとともに、長繊維ボードが中心の層に配置されるように5層に積層し、それ以外は実施例12と同様にして、図4に示すような、密度0.46g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例15)
実施例3において作製した厚さ1.5mmの長繊維ボード1枚を用い、それ以外は実施例14と同様にして、図4に示すような、密度0.48g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例16)
ポプラ単板に代えて厚さ2.0mmのスギ単板3枚を用い、実施例4において作製した厚さ0.5mmの長繊維ボード2枚を用意し、それぞれの繊維方向を直交させるとともに、長繊維ボードが最外層に隣接する層に配置されるように5層に積層し、それ以外は実施例12と同様にして、図5に示すような、密度0.46g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例17)
実施例5において作製した厚さ1.0mmの長繊維ボード2枚を用意し、それ以外は実施例16と同様にして、図5に示すような、密度0.50g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例18)
ポプラ単板に代えて厚さ2.0mmのファルカタ単板3枚を用い、実施例1において作製した厚さ0.5mmの長繊維ボード2枚を用意し、それ以外は実施例12と同様にして、図6に示すような、密度0.41g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例19)
実施例2において作製した厚さ1.0mmの長繊維ボード2枚を用意し、それ以外は実施例18と同様にして、図6に示すような、密度0.46g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例20)
実施例3において作製した厚さ1.5mmの長繊維ボードの表裏面に、厚さ5.0mmのパーティクルボードを重ね合わせ、これらの界面に接着剤としてユリアメラミン樹脂を250g/m2塗布した。
次に、この積層体を、熱圧プレスを用いて熱盤温度160℃、成形圧力4.5MPa、成形時間10分の条件で熱圧成形することにより、図7に示すような、密度0.76g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(実施例21)
実施例2において作製した厚さ1.0mmの長繊維ボードを、厚さ10.0mmのMDFの表裏面に繊維方向が等しくなるように配置し、それ以外は実施例20と同様にして、図8に示すような、密度0.68g/cm3の長繊維複合ボードを得た。
(比較例1)
実施例1において、長繊維配向マットに代えて、ケナフ靱皮から得られた繊維径10μm〜300μm、平均繊維長10mmの繊維をランダムに配列させた長繊維マットを作製し、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(比較例2)
長繊維配向マットの原料として、ケナフ靱皮から得られた繊維径50μm〜500μm、平均繊維長50mmのケナフの長繊維を用い、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(比較例3)
長繊維配向マットの原料として、ケナフ靱皮から得られた繊維径50μm〜500μm、平均繊維長100mmのケナフの長繊維を用い、それ以外は実施例1と同様にして長繊維ボードを得た。
(比較例4)
厚さ2mmのポプラ単板5枚を、それぞれの繊維方向が直交するように5に層積層し、それ以外は実施例12と同様にして、図9に示すような、密度0.42g/cm3のポプラ5Ply合板を得た。
(比較例5)
ポプラ単板に代えて厚さ1.7mmのスギ単板5枚を用い、それ以外は比較例4と同様にして、密度0.40g/cm3のスギ5Ply合板を得た。
(比較例6)
ポプラ単板に代えて厚さ2mmのファルカタ単板5枚を用い、それ以外は比較例4と同様にして、密度0.35g/cm3のファルカタ5Ply合板を得た。
(比較例7)
厚さ10mm、密度0.75g/cm3の市販パーティクルボード(PB)を比較サンプルとした。
(比較例8)
厚さ12mm、密度0.65g/cm3の市販MDFを比較サンプルとした。
上記の実施例1〜21および比較例1〜8のボード構成を表1及び表2に示す。
また、これらの評価方法として、曲げヤング率に関しては、JIS A 5905(繊維板)に規定された方法に基づき、サンプル形状は200mm(長さ)×50mm(幅)、スパン150mm、平均変形速度10mm/minの条件で評価した。
また、寸法変化率の評価に関しては、JIS A 5905(繊維板)に規定された方法に基づいて治具を作成し、サンプル形状は200mm(長さ)×200mm(幅)で行った。吸湿条件としては、20℃RH65%7日間で調湿、その状態から40℃RH90%で5日間といった吸湿操作を行い、前後における長さ方向の寸法変化率を計測した。
反り評価に関しては、矢高/長さで反り量を算出し、0.1%未満なら○、0.1%〜0.5%なら△、0.5%より大きな値を示す場合は×と表した。
その結果も併せて表1及び表2に示す。
Figure 2011093097
Figure 2011093097
表1に示されるように、実施例1〜3の長繊維ボードは、比較例1〜3の繊維ボードに比べて、略同密度であるが、リグノセルロース長繊維の配向方向において吸湿時に負の寸法変化率を示し高い強度を有していた。また、繊維長が長くなるとともに、強度が大きく向上し、吸湿時の長軸方向への収縮量も増大した。
実施例4、5の長繊維ボードは、リグノセルロース長繊維としてサンスベリアを用いて作製したものである。これらの長繊維を用いたボードにおいても、繊維長が長くなるとともに、強度の向上が確認された。
実施例6、7の長繊維ボードは、実施例2のボードに比べて高密度であるため、さらに高い強度を有していた。
実施例8〜11の長繊維ボードは、パイナップル、亜麻、竹、ジュート等のリグノセルロース長繊維を用いて作製したものである。これらの長繊維を用いたボードにおいても、高い強度と吸湿時の長軸方向への収縮が確認された。
実施例12、13、18、19の長繊維複合ボードは、比較例4、6の合板に比べて、寸法安定性および強度が大きく向上し、反りも改善された。
実施例16、17の長繊維複合ボードは、比較例5の合板に比べて、寸法安定性および強度、特に寸法安定性が大きく向上し、反りも大幅に改善された。
実施例14、15の長繊維複合ボードは、比較例4の合板に比べて、寸法安定性が大きく向上した。
実施例20の長繊維複合ボードは、比較例7のPBに比べて、強度および寸法安定性が大きく向上した。
実施例21の長繊維複合ボードは、比較例8のMDFに比べて、寸強度および寸法安定性が大きく向上した。
以上、実施例及び比較例を用い本発明について説明したが、本発明は上記構成に限られることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
1 長繊維ボード
2 長繊維複合ボード
3 長繊維配向マット
4 リグノセルロース長繊維
5 接着剤
6 層
7 早生植林木の単板
8 木質ボード
9 早生植林木の合板

Claims (7)

  1. リグノセルロース長繊維と前記リグノセルロース長繊維同士を接着するための接着剤とを含む長繊維ボードであって、
    前記リグノセルロース長繊維の平均繊維長が200mm以上であり、前記リグノセルロース長繊維同士が略同一方向に配向し絡み合って前記接着剤により接着されていることにより、前記リグノセルロース長繊維の配向方向において吸湿時に負の寸法変化率を示すことを特徴とする長繊維ボード。
  2. 前記寸法変化率が−0.05%から−0.10%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の長繊維ボード
  3. 少なくとも1枚の請求項1又は請求項2に記載の長繊維ボードと、少なくとも1枚の早生植林木の単板とを積層一体化したものであることを特徴とする長繊維複合ボード。
  4. 長繊維ボードと早生植林木の単板とを積層一体化した5層構造であり、長繊維ボードが最外層に隣接する層に配置され、早生植林木の単板が最外層および中心層に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の長繊維複合ボード。
  5. 長繊維ボードが最外層に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の長繊維複合ボード。
  6. 少なくとも1枚の請求項1又は請求項2に記載の長繊維ボードと、少なくとも2枚の木質ボードとを積層一体化してなり、木質ボードが少なくとも最外層となる表面及び裏面に配置され、長繊維ボードが最外層の内側の層に配置されていることを特徴とする長繊維複合ボード。
  7. 少なくとも2枚の請求項1又は請求項2に記載の長繊維ボードと、少なくとも1枚の木質ボードとを積層一体化してなり、長繊維ボードが少なくとも最外層となる表面及び裏面に配置され、木質ボードが最外層の内側の層に配置されていることを特徴とする長繊維複合ボード。
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